JP5318479B2 - 発光性イオン液体 - Google Patents

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Description

本発明は、新規発光性イオン性化合物に関するものである。
1992年のWilkesらの報告以来、常温で液体であり、イオン伝導性に優れた物質として、イオン液体が注目を集めている。該イオン液体は、陽イオンと陰イオンが静電気的引力で結合しており、イオンキャリア数が非常に多く、更には粘度も比較的低いため、イオンの移動度が常温でも高く、従って、イオン伝導性が非常に高いという特性を有する。また、イオン液体は、陽イオンと陰イオンのみで構成されているため、沸点が高く(300℃超)、液体状態を保持できる温度範囲が非常に広い。更に、該イオン液体は、蒸気圧が殆どないため、引火性が低く、熱的安定性も非常に優れている(非特許文献1及び2参照)。
これら様々な利点を有するため、イオン液体は、昨今、非水電解液2次電池や電気二重層キャパシタの電解液への適用が検討されており(特許文献1及び2参照)、特に、電気二重層キャパシタの電解液にイオン液体を用いた場合には、イオン液体が電気二重層を形成するためのイオン源としても機能するため、別途支持電解質を添加する必要がないという利点もある。しかしながら、上記イオン液体は、常温で液体であるために通常有機基を含んでおり、燃焼の危険性がある。
これに対して、特開2007−153868号(特許文献3)には、燃焼の危険性が非常に低いイオン液体として、環状ホスファゼン化合物に1級、2級又は3級のアミンを結合させた構造の新規物質が報告されている。
また、昨今、発光性のイオン液体も報告されており、かかるイオン液体は、種々の用途に適用できる可能性が有る(非特許文献3参照)。
J. Electrochem. Soc., 144 (1997) 3881 「イオン性液体の機能創成と応用」,エヌ. ティー. エス,(2004) 特開2004−111294号公報 特開2004−146346号公報 特開2007−153868号公報 A. Paul, P. K. Mandel and A. Samanta, Chem. Phys. Lett., 402, 375-379 (2005)
しかしながら、本発明者が検討したところ、上記非特許文献3に記載の発光性イオン液体は、発光収率が低く、特に高温での発光収率が低いことが分かった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、発光収率が高く、特に高温での発光収率が高い新規イオン液体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、環状ホスファゼン化合物に3級アミンを結合させ、更にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンでイオン交換した構造の新規物質が、イオン性を有すると共に、発光収率が高く、特には、高温での発光収率が高いことを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の発光性イオン液体は、下記一般式(I):
Figure 0005318479
[式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基である]で表されることを特徴とする。
本発明の発光性イオン液体の好適例においては、前記一般式(I)中のRが炭素数1〜8のアルキル基である。
本発明によれば、発光収率、特には高温での発光収率が高い新規イオン液体を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の発光性イオン液体は、上記一般式(I)で表されることを特徴とする。式(I)のイオン液体は、リン−窒素間二重結合を複数有する環状ホスファゼン化合物の一種であると共に、イオン性置換基を有するため、イオン性を有する。そして、ホスファゼン骨格を有するため、燃焼時に分解して、窒素ガスやリン酸エステル等を発生し、該窒素ガスやリン酸エステル等が燃焼の進行を抑制するため、燃焼の危険性が低い。また、上記イオン液体は、万が一の燃焼時にはフッ素が活性ラジカルの捕捉剤として機能し、燃焼の危険性を更に低減する。更に、上記イオン液体は、アルキル基を含み、燃焼時に炭化物(チャー)を生成するため酸素の遮断効果もある。また、驚くべきことに、本発明のイオン液体は、従来のイオン液体よりも発光性が高く、特に高温での発光性が高いという特徴を有する。
上記一般式(I)中のRは、それぞれ独立してアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。アルキル基の炭素数が8を超えると、粘度が高くなる。ここで、Rにおけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基等が挙げられる。なお、式(I)において、各Rは、同一でも異なってもよい。
式(I)のイオン液体のイオン性置換基は、−N+3と(CF3SO2)2-とが主として静電気的引力によって結合してなる。そのため、式(I)の化合物は、イオン性を有する。
本発明のイオン液体の製造方法は、特に限定されない。例えば、有機溶媒中で、下記化学式(II):
(NPR1 2)3 ・・・ (II)
[式中、6つのR1のうち1つが塩素で且つ5つがフッ素である]で表される環状ホスファゼン化合物と、下記一般式(III):
NR3 ・・・ (III)
[式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基である]で表される3級のアミンとを反応させることで、下記一般式(IV):
(NPR2 2)3 ・・・ (IV)
[式中、6つのR2のうち1つが下記一般式(V):
−N+3Cl- ・・・ (V)
(式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基である)で表されるイオン性置換基で且つ5つがフッ素である]で表されるイオン性化合物を生成させ、次に、有機溶媒中で、上記一般式(IV)で表わされるイオン性化合物とリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[LiN(SO2CF3)2]とをイオン交換反応させることで、上記一般式(I)で表されるイオン液体を生成させることができる。
式(II)の環状ホスファゼン化合物と式(III)の3級のアミンとの反応に使用する有機溶媒としては、芳香族炭化水素、エステル化合物及びエーテル化合物が好ましい。ここで、芳香族炭化水素の中でもトルエンが好ましく、エステル化合物の中でも酢酸エチルが好ましく、エーテル化合物の中でも、ジエチルエーテルが好ましい。これら有機溶媒は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
上記一般式(II)で表される環状ホスファゼン化合物は、例えば、(NPCl2)3で表される市販の環状ホスファゼン化合物を出発物質として、総ての塩素をフッ素化剤によりフッ素化した後、目的とする塩素置換部位にアルコキシ基やアミン基等を導入した後、HClやホスゲン等の塩素化剤により再び塩素化を行う方法や、使用する(NPCl2)3で表される市販のホスファゼン化合物に対して導入するフッ素の当量を計算した上で、必要量のフッ素化剤を添加する方法等で合成することができる。
上記一般式(III)において、Rはそれぞれ独立してアルキル基であり、式(III)のRにおけるアルキル基としては、式(I)のRにおけるアルキル基の項で例示したものを同様に挙げることができる。
上記一般式(III)で表される3級アミンとして、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、ブチルジメチルアミン、ヘキシルジメチルアミン等の脂肪族3級アミンが挙げられる。
式(II)の環状ホスファゼン化合物と式(III)の3級のアミンとの反応において、式(III)のアミンの使用量は、式(II)の環状ホスファゼン化合物中のR1における塩素1 molあたり、1〜1.5 molの範囲が好ましい。また、有機溶媒中での式(II)の環状ホスファゼン化合物の濃度は、1〜5 mol/Lの範囲が好ましく、有機溶媒中での式(III)のアミンの濃度は、1〜5 mol/Lの範囲が好ましい。有機溶媒中での式(II)の環状ホスファゼン化合物の濃度が1〜5 mol/Lの範囲であれば、有機溶媒に易溶であり、有機溶媒中での式(III)のアミンの濃度が1〜5 mol/Lの範囲であれば、生成したイオン性化合物(固体)が速やかに溶媒中で沈殿し、反応を阻害することがない。
また、式(II)の環状ホスファゼン化合物と式(III)のアミンとの反応における反応温度は、特に制限されるものではなく、室温でも十分に反応が進行するが、15℃〜50℃の範囲で制御することができる。なお、反応が速い場合には、適時温度を下げることが有効であり、反応が遅い場合には、昇温して反応速度を上げることができる。但し、50℃を超えると、原材料であるホスファゼン化合物が揮発し易くなるため、50℃以下で反応を行うことが好ましい。また、反応圧力も特に限定されず、大気圧下で実施することができる。なお、式(II)の環状ホスファゼン化合物と式(III)のアミンとの反応は、外部から反応系に水分が混入しないように、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気下で反応を行うことで、アミン塩酸塩の副生を抑制することができる。
また、式(IV)のイオン性化合物とリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとの反応に用いる有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素が好ましく、ハロゲン化炭化水素の中でもクロロホルムが好ましい。なお、使用する有機溶媒は、一種のみでもよいし、二種以上の混合物であってもよい。
上記一般式(IV)において、6つのR2のうち1つは上記一般式(V)で表されるイオン性置換基であり、他の5つはフッ素である。
上記一般式(V)において、Rはそれぞれ独立してアルキル基であり、式(V)のRにおけるアルキル基としては、式(I)のRにおけるアルキル基の項で例示したものを同様に挙げることができる。
式(IV)のイオン性化合物とリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとの反応にあったって、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの使用量は、式(IV)のイオン性化合物の塩素イオン1 molあたり、1〜1.5 molの範囲が好ましい。また、有機溶媒中での式(IV)のイオン性化合物の濃度は、1〜5 mol/Lの範囲が好ましく、有機溶媒中でのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの濃度は、1.5〜7.5 mol/Lの範囲が好ましい。有機溶媒中での式(IV)のイオン性化合物の濃度が1〜5 mol/Lの範囲であれば、有機溶媒に不溶な固体物質が溶媒中の容積を占領し、反応を阻害することが少ない。一方、有機溶媒中でのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの濃度を式(IV)のイオン性化合物の濃度に対して1.5倍程度過剰に、即ち、1.5〜7.5 mol/Lの範囲にしておけば、塩素イオンとの配位子置換反応が円滑に行なわれる。
式(IV)のイオン性化合物とリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとの反応における反応温度は、特に制限されるものではないが、室温〜50℃の範囲が好ましく、室温でも十分に反応が進行する。また、反応圧力も特に限定されず、大気圧下で実施することができる。
上記のようにして式(I)のイオン液体を生成させた後に、得られた反応混合物を濾過して、副生するLiClを除去すること好ましい。ここで、濾過方法は、特に限定されず、公知の濾材を用いて、常圧下で濾過してもよいし、減圧下で濾過してもよい。
また、LiClを濾過で除去した後、濾液を遠心分離して上澄み液を採取し、更に、得られた上澄み液に活性炭を加えて反応副生物を除去することが好ましい。ここで、遠心分離方法は特に限定されず、公知の遠心分離機を用いて通常の方法で実施できる。なお、遠心分離における回転速度は、特に限定されるものではないが、9000〜12000 rpmの範囲が好ましい。また、使用する活性炭も、特に限定されず、公知の活性炭を使用できる。活性炭の使用量は、特に限定されるものではないが、式(I)のイオン液体1 g当り1〜5 gの範囲が好ましい。
活性炭で処理した後は、例えば、活性炭を濾過で取り除き、使用した有機溶媒を留去することで式(I)のイオン液体を単離することができる。
上述した本発明のイオン液体は、少なくとも融点が50℃以下であり、好ましくは融点が25℃以下であり、電気二重層キャパシタ用電解液、リチウムイオン電池用電解液、色素増感型太陽電池用電解液、有機合成用の反応溶媒、有機化合物の抽出溶媒、磁性流体等として利用することができる。また、本発明のイオン液体は、驚くべきことに、高い発光性を有し、高温下でも発光するため、例えば、高温条件下での発光材料や、高温プロセスを必要とする高分子や樹脂材料への発光性付与剤等としても有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(比較例1)
還流冷却器を備えた三口フラスコ中で、上記化学式(II)で表される環状ホスファゼン化合物 1.5 mL(0.01 mol)と、トリ-n-ブチルアミン[即ち、上記一般式(III)で表され、3つのRの総てがn-ブチル基である3級アミン]1.72 mL(0.01 mol)とを、脱水ジメチルエーテル 30 mLに溶解させ、20℃で3時間撹拌した後、エバポレーターにてジメチルエーテルを留去して、液体 1.72 g(収率 21%)を得た。得られた液体を重クロロホルムに溶解させて、1H-NMR及び13C-NMRで分析したところ、該液体は、下記化学式(a):
Figure 0005318479
で表わされる化合物[即ち、上記一般式(IV)で表され、6つのR2のうち5つがフッ素で且つ1つが−N+(C49)3Cl-である化合物]であることを確認した。
(実施例1)
比較例1で得られたイオン液体をクロロホルム 30 mLに溶解させた後、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム[LiN(SO2CF3)2]0.49 gを添加し、室温にて1時間撹拌したところ、LiClが沈殿した。沈殿したLiClを濾過で分離し、更に、遠心分離機を用い、12000 rpmで30分間濾液を遠心分離して、上澄み液を採取した。次に、得られた上澄み液をクロロホルム 30 mLに溶解させ、更に活性炭 5 gを加えて、着色成分を除去した。次に、活性炭を濾過で取り除き、エバポレーターにてクロロホルムを除去し、更に、真空ポンプにて減圧下、150℃で24時間乾燥を行って、液体 1.13 g(収率 16%)を得た。得られた液体を重クロロホルムに溶解させて、1H-NMR及び13C-NMRで分析したところ、該液体は、下記化学式(b):
Figure 0005318479
で表わされる化合物[即ち、上記一般式(I)で表され、3つのRの総てがn-ブチル基である化合物]であることを確認した。
[スペクトルデーダ(250 MHz, CDCl3, δ/ppm)]
1H-NMR:δ=0.98(t, J=7.25 Hz, 3H)・・HA、δ=1.38(m, 2H)・・HB、δ=1.75(m, 2H)・・HC、δ=2.97(m, J=5.04 Hz, 6H)・・HD
13C-NMR:δ=13.1(s)・・CE、δ=19.6(s)・・CF、δ=25.3(s)・・CG、δ=53.0(s)・・CH、δ=119.5(q, J=1275 Hz)・・CI
(実施例2)
還流冷却器を備えた三口フラスコ中で、上記化学式(II)で表される環状ホスファゼン化合物1.5 mL(0.01 mol)と、トリ-n-オクチルアミン[即ち、上記一般式(III)で表され、3つのRの総てがn-オクチル基である3級アミン]4.38 mL(0.01 mol)とを、脱水ジメチルエーテル 30 mLに溶解させ、20℃で3時間撹拌した後、エバポレーターにてジメチルエーテルを留去し、上記一般式(IV)で表され、6つのR2のうち5つがフッ素で且つ1つが−N+(C817)3Cl-であるイオン性化合物を得た。該イオン性化合物をクロロホルム 30 mLに溶解させた後、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム[LiN(SO2CF3)2]0.37 gを添加し、室温にて1時間撹拌したところ、LiClが沈殿した。沈殿したLiClを濾過で分離し、更に、遠心分離機を用い、12000 rpmで30分間濾液を遠心分離して、上澄み液を採取した。次に、得られた上澄み液をクロロホルム 30 mLに溶解させ、更に活性炭 5 gを加えて、着色成分を除去した。次に、活性炭を濾過で取り除き、エバポレーターにてクロロホルムを除去し、更に、真空ポンプにて減圧下、150℃で24時間乾燥を行って、液体 0.93 g(収率 10%)を得た。得られた液体を重クロロホルムに溶解させて、1H-NMR及び13C-NMRで分析したところ、該液体は、下記化学式(c):


Figure 0005318479
で表わされる化合物[即ち、上記一般式(I)で表され、3つのRの総てがn-オクチル基である化合物]であることを確認した。
[スペクトルデーダ(400 MHz, CDCl3, δ/ppm)]
1H-NMR:δ=0.89(t, J=6.72 Hz, 3H)・・HA、δ=1.29(m, 10H)・・HB、δ=1.67(m, 2H)・・HC、δ=3.02(m, 2H)・・HD
13C-NMR:δ=14.0(s)・・CF、δ=22.5(s)・・CG、δ=23.3(s)・・CH、δ=26.5(s)・・CI、δ=28.9(s)・・CJ、δ=31.6(s)・・CK、δ=53.0(s)・・CL、δ=119.5(q, J=1275 Hz)・・CM
(実施例3)
還流冷却器を備えた三口フラスコ中で、上記化学式(II)で表される環状ホスファゼン化合物1.5 mL(0.01 mol)と、n-ブチルジメチルアミン[即ち、上記一般式(III)で表され、3つのRのうち1つがn-ブチル基で且つ2つがメチル基である3級アミン]1.40 mL(0.01 mol)とを、脱水ジメチルエーテル 30 mLに溶解させ、20℃で3時間撹拌した後、エバポレーターにてジメチルエーテルを留去し、上記一般式(IV)で表され、6つのR2のうち5つがフッ素で且つ1つが−N+(C49)(CH3)2Cl-であるイオン性化合物を得た。該イオン性化合物をクロロホルム 30 mLに溶解させた後、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム[LiN(SO2CF3)2]0.32 gを添加し、室温にて1時間撹拌したところ、LiClが沈殿した。沈殿したLiClを濾過で分離し、更に、遠心分離機を用い、12000 rpmで30分間濾液を遠心分離して、上澄み液を採取した。次に、得られた上澄み液をクロロホルム 30 mLに溶解させ、更に活性炭 5 gを加えて、着色成分を除去した。次に、活性炭を濾過で取り除き、エバポレーターにてクロロホルムを除去し、更に、真空ポンプにて減圧下、150℃で24時間乾燥を行って、液体 0.52 g(収率 8.4%)を得た。得られた液体を重クロロホルムに溶解させて、1H-NMR及び13C-NMRで分析したところ、該液体は、下記化学式(d):
Figure 0005318479
で表わされる化合物[即ち、上記一般式(I)で表され、3つのRのうち2つがメチル基で且つ1つがn-ブチル基である化合物]であることを確認した。
[スペクトルデーダ(400 MHz, CDCl3, δ/ppm)]
1H-NMR:δ=0.97(t, J=7.36 Hz, 3H)・・HA、δ=1.41(m, 2H)・・HB、δ=1.71(m, 2H)・・HC、δ=2.89(d, J=5.04 Hz, 6H)・・HD、δ=3.07(m, 2H)・・HE
13C-NMR:δ=13.3(s)・・CF、δ=19.5(s)・・CG、δ=26.3(s)・・CH、δ=43.7(s)・・CI、δ=58.8(s)・・CJ、δ=119.5(q, J=1275 Hz)・・CK
(実施例4)
還流冷却器を備えた三口フラスコ中で、上記化学式(II)で表される環状ホスファゼン化合物1.5 mL(0.01 mol)と、n-ヘキシルジメチルアミン[即ち、上記一般式(III)で表され、3つのRのうち1つがn-ヘキシル基で且つ2つがメチル基である3級アミン]2.08 mL(0.01 mol)とを、脱水ジメチルエーテル 30 mLに溶解させ、20℃で3時間撹拌した後、エバポレーターにてジメチルエーテルを留去し、上記一般式(IV)で表され、6つのR2のうち5つがフッ素で且つ1つが−N+(C613)(CH3)2Cl-であるイオン性化合物を得た。該イオン性化合物をクロロホルム 30 mLに溶解させた後、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム[LiN(SO2CF3)2]0.22 gを添加し、室温にて1時間撹拌したところ、LiClが沈殿した。沈殿したLiClを濾過で分離し、更に、遠心分離機を用い、12000 rpmで30分間濾液を遠心分離して、上澄み液を採取した。次に、得られた上澄み液をクロロホルム 30 mLに溶解させ、更に活性炭 5 gを加えて、着色成分を除去した。次に、活性炭を濾過で取り除き、エバポレーターにてクロロホルムを除去し、更に、真空ポンプにて減圧下、150℃で24時間乾燥を行って、液体 0.58 g(収率 8.9%)を得た。得られた液体を重クロロホルムに溶解させて、1H-NMR及び13C-NMRで分析したところ、該液体は、下記化学式(e):
Figure 0005318479
で表わされる化合物[即ち、上記一般式(I)で表され、3つのRのうち2つがメチル基で且つ1つがn-ヘキシル基である化合物]であることを確認した。
[スペクトルデーダ(400 MHz, CDCl3, δ/ppm)]
1H-NMR:δ=0.89(t, J=6.76 Hz, 3H)・・HA、δ=1.32(m, 6H)・・HB、δ=1.67(m, 2H)・・HC、δ=2.85(s, 6H)・・HD、δ=2.93(m, 2H)・・HE
13C-NMR:δ=13.8(s)・・CF、δ=19.5(s)・・CG、δ=22.3(s)・・CH、δ=24.7(s)・・CI、δ=31.1(s)・・CJ、δ=43.5(s)・・CK、δ=58.7(s)・・CL、δ=119.5(q, J=1275 Hz)・・CM
<発光量子収率の測定>
上記実施例及び比較例で得られたイオン液体の発光量子収率を、4-アミノフタルイミドの蛍光量子収率の相対値として測定した。なお、励起波長は360 nmとし、メタノールに各イオン液体を0.1 mol/Lの濃度で溶解させて、室温(25℃)、100℃、150℃で測定した。結果を表1に示す。また、比較として、1-メチル-3-ブチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート([bmim]PF6)の発光量子収率も示す。
Figure 0005318479
表1から、実施例のイオン液体は、比較例のイオン液体よりも発光量子収率が高く、特に高温での発光量子収率が高いことが分かる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 0005318479
    [式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基である]で表される発光性イオン液体。
  2. 前記Rは炭素数が1〜8のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の発光性イオン液体。
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JP4939836B2 (ja) * 2005-11-08 2012-05-30 株式会社ブリヂストン イオン性化合物

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