JP6274022B2 - シクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、シクロアルカンジカルボン酸クロリドと、フェノール化合物とを反応させ、その後、生成したシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを析出・濾過するシクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法が記載されている。
[1] 工程(1)〜(3)を含む式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法。
工程(1):酸と、式(B)で表されるシクロアルカンジカルボン酸ジエステル化合物とを非極性溶媒中で反応する工程
工程(2):得られた反応混合物に塩基を加える工程
工程(3):生成した式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを濾過によって取得する工程
[式中、mは、0〜3の整数を表す。
Zは、メチルスルファニルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、tert−
ブトキシメチル基、4−ペンテニルオキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、1
−エトキシエチル基、ベンジルオキシメチル基、4−メトキシベンジルオキシメチル基、
2−メトキシベンジルオキシメチル基、4−ニトロベンジルオキシメチル基、1−メチル
−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル基、1−メチル−1−フェノキシエチル基、
1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル基、2,2
,2−トリクロロエトキシメチル基、1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エチル
基、テトラヒドロピラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピ
ラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、tert−ブチル基
、トリチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、
4−ニトロベンジル基、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル基、2,2,2−トリクロ
ロエチル基、2−フェニル−2−エタノン−1−イル、シクロプロピルメチル基、−CH
2−O−SiR5R6R7又は−SiR5R6R7を表す。
R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素
数1〜8のアルコキシ基、フェニル基又はベンジル基を表す。
pは、0又は1を表す。]
[2] 非極性溶媒が、脂肪族炭化水素である[1]に記載の製造方法。
[3] 脂肪族炭化水素が、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン又は、オクタンである[2]に記載の製造方法。
[4] 酸が、有機ブレンステッド酸である[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 塩基が、有機ブレンステッド塩基である[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] さらに、工程(2)’を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
工程(2)’:中和した混合液に非プロトン性極性溶媒を加えて、式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを非プロトン性極性溶媒層に抽出し、式(B)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを非極性溶媒層に抽出する工程
[7] 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又は、N−メチル−2−ピロリドンである[6]に記載の製造方法。
[8] さらに、工程(2)’’を含む[6]又は[7]に記載の製造方法。
工程(2)’’:非プロトン性極性溶媒層に抽出した式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを析出させる工程
pは、好ましくは1である。
反応条件がより温和であることから、第1の方法、第2の方法及び第4の方法が好ましい。
Z−W1 (F)
[式中、Zは上記と同じ意味を表す。W1は、ハロゲン原子、トシル基、又はメシチル基を表す。]
[式(I)中、Zは上記と同じ意味を表す。]
塩基の添加量は、化合物(E)1モルに対して、通常2〜5モルである。
アルコール以外の親水性溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン等の親水性ケトン溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン及び、エチレングリコールジメチルエーテル等の親水性エーテル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及び、N−メチルピロリドン等の親水性アミド溶媒、並びに、ジメチルスルホキシド等の親水性スルホキシド溶媒等が挙げられる。
疎水性溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン及び、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン及び、メチルイソブチルケトン等の疎水性ケトン溶媒、ペンタン、ヘキサン及び、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、乳酸エチル及び、酢酸エチル等のエステル系溶媒、並びに、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
第1の方法に用いられる有機溶媒は、好ましくは、親水性エーテル溶媒、親水性アミド溶媒、親水性スルホキシド溶媒、芳香族炭化水素溶媒、疎水性ケトン溶媒及び、ハロゲン系溶媒であり、より好ましくはハロゲン系溶媒である。これら有機溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸、塩酸水溶液、硫酸及び、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。酸触媒の添加量は、化合物(E)1モルに対して、好ましくは0.005〜0.2モルである。
化合物(H)としては、具体的に、ビニルメチルエーテルビニルエチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、トリメチルシリルエチルビニルエーテル等が挙げられる。
縮合剤の使用量は、化合物(E)1モルに対して、好ましくは1.5〜2.5モルである。
塩基の使用量は、化合物(E)1モルに対して、好ましくは2〜3.5モルである。
得られた化合物(E’)を乾燥してもよい。
また、該反応は、相間移動触媒の存在下で行ってもよい。相関移動触媒としては、前記したものと同じものが挙げられる。
酸としては、ブレンステッド酸及び、ルイス酸が挙げられる。好ましくはブレンステッド酸であり、中でも、有機溶媒への溶解性が高く、有機溶媒中で均一系で反応することができることから、有機ブレンステッド酸がより好ましい。
好ましい有機ブレンステッド酸は、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸及び、トリフロオロメタンスルホン酸であり、取り扱いが容易であり、反応液からの除去が容易であるという観点から、より好ましくは、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸及び、メタンスルホン酸である。
塩基としては、ブレンステッド塩基及び、ルイス塩基が挙げられる。好ましくはブレンステッド塩基であり、中でも、有機溶媒への溶解性が高く、有機溶媒中で均一系で反応することができることから、有機ブレンステッド塩基がより好ましい。
ブレンステッド塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム及び、炭酸水素カリウム等の無機ブレンステッド塩基、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン及び、N−メチルモルフォリン等の有機ブレンステッド塩基が挙げられる。非極性溶媒への溶解性が高く、安価であることから、好ましくはピリジンである。
本発明の製造方法は、好ましくは工程(2)と工程(3)との間に工程(2)’を含む。
本発明の製造方法は、好ましくは工程(2)’と工程(3)との間に工程(2)’’を含む。
濾過時の温度は、好ましくは−80〜30℃であり、より好ましくは−15〜20℃であり、特に好ましくは−15〜10℃である。
<工程(1)>
式(B−3−1)で表される化合物80gと、n−ヘプタン706mLとを混合し、n−ヘプタン溶液を得た。得られた溶液を40℃で保温・攪拌しながら、ここへトリフルオロ酢酸15gを滴下して加え、その後27℃で8時間保温した。得られた反応混合物を0℃に冷却し1時間保温することで、式(A−3−1)で表される化合物の一部を析出させた。その後、得られた混合物を15℃で保温・攪拌しながら、さらに、トリフルオロ酢酸21g滴下して加え、その後5℃で8時間保温した。
<工程(2)’>
得られた反応混合物にジメチルアセトアミド(40g)を加え、30分間攪拌した後に静置し、ジメチルアセトアミド層とn−ヘプタン層とに分液した。得られたジメチルアセトアミド層と同重量の水を混合した液のpHは1.8であった。
<工程(2)’’>
得られたジメチルアセトアミド層を、5℃に冷却した水800gに滴下し、白色沈殿を析出させた。
<工程(3)>
析出した白色沈殿を含む混合物を、No.2の濾紙と直径4.7cmのヌッチェを用いて濾過した。濾過が完了するまでの時間をストップウォッチで計測し、濾液及び得られた固形物の重量を計測することによって濾過比抵抗を算出した。結果を表1に示す。得られた固形物を水160mLで洗浄した後、減圧乾燥することによって式(A−3−1)で表される化合物30gを得た。収率は式(B−3−1)で表される化合物を基準として41%であった。
<工程(1)>
式(B−3−1)で表される化合物80gと、n−ヘプタン706mLを混合し、n−ヘプタン溶液を得た。得られた溶液を40℃で保温・攪拌しながら、ここへトリフルオロ酢酸15g(0.13mmol)を滴下して加え、その後27℃で8時間保温した。得られた反応混合物を0℃に冷却し1時間保温することで式(A−3−1)で表される化合物の一部を析出させた。その後、得られた混合物を15℃で保温・攪拌しながら、さらに、トリフルオロ酢酸21g(0.21mmol)を滴下して加え、その後5℃で8時間保温した。
<工程(2)、(2)’>
得られた反応混合物に、ピリジン31g(0.40mmol)と、ジメチルアセトアミド40gとのの混合液を滴下して加え、30分攪拌した後に静置し、ジメチルアセトアミド層とn−ヘプタン層とに分液した。得られたジメチルアセトアミド層と同重量の水を混合した液のpHは4.9であった。
<工程(2)’’>
得られたジメチルアセトアミド層を、5℃に冷却した水800gに滴下し、白色沈殿を析出させた。
<工程(3)>
析出した白色沈殿を含む混合物を、No.2の濾紙と直径4.7cmのヌッチェを用いて濾過した。濾過が完了するまでの時間をストップウォッチで計測し、濾液及び得られた固形物の重量を計測することによって濾過比抵抗を算出した。結果を表1に示す。得られた固形物を水160mLで洗浄した後、減圧乾燥することによって式(A−3−1)で表される化合物44gを得た。収率は式(B−3−1)で表される化合物を基準として58%であった。
Claims (6)
- 工程(1)、工程(2)、工程(2)’、工程(2)’’および工程(3)を含む式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法。
工程(1):酸と、式(B)で表されるシクロアルカンジカルボン酸ジエステル化合物とを非極性溶媒中で反応させる工程
工程(2):得られた反応混合物に塩基を加えて前記酸を中和する工程
工程(2)’:中和した混合液に非プロトン性極性溶媒を加えて、式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを非プロトン性極性溶媒層に抽出し、式(B)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを非極性溶媒層に抽出する工程
工程(2)’’:非プロトン性極性溶媒層に抽出した式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを析出させる工程
工程(3):生成した式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを濾過によって取得する工程
[式中、mは、0〜3の整数を表す。
Zは、メチルスルファニルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、4−ペンテニルオキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、1−エトキシエチル基、ベンジルオキシメチル基、4−メトキシベンジルオキシメチル基、2−メトキシベンジルオキシメチル基、4−ニトロベンジルオキシメチル基、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル基、1−メチル−1−フェノキシエチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エチル基、テトラヒドロピラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、tert−ブチル基、トリチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−ニトロベンジル基、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−フェニル−2−エタノン−1−イル、シクロプロピルメチル基、−CH2−O−SiR5R6R7又は−SiR5R6R7を表す。
R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基又はベンジル基を表す。
pは、0又は1を表す。] - 非極性溶媒が、脂肪族炭化水素である請求項1に記載の製造方法。
- 脂肪族炭化水素が、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン又は、オクタンである請求項2に記載の製造方法。
- 酸が、有機ブレンステッド酸である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 塩基が、有機ブレンステッド塩基である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又は、N−メチル−2−ピロリドンである請求項1〜請求項5のいずれかに記載の製造方法。
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