本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部各々には、たとえば、「黒7」、「網7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「白チェリー」、および「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有している。遊技者は、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して各リール2L、2C、2Rを視認できる。
図1に示すように、前面扉1bには、スロットマシン1において遊技に使用可能な価値を有する正規の遊技媒体であるメダル(たとえば、1枚あたり20円の価値を有するメダル、以下、これを正規メダルとも称する)を投入可能なメダル投入口4と、スロットマシン1の外部に正規メダルを排出するメダル排出口9とが設けられている。
前面扉1bには、クレジット(賭数の設定に使用可能な遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5と、クレジットを用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では遊技状態がRB(BB)の場合には2、通常遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6と、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7と、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rとが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態においては、1枚BETスイッチ5と、ストップスイッチ8L、8C、8Rとが、前面扉1bを構成する操作パネルの前面、つまり同一面上に設けられている。
前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダル(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダル)を精算する際に操作される精算スイッチ10と、メダル投入口4へ投入された正規メダルを返却する際に操作される返却スイッチ60とが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。精算スイッチ10や返却スイッチ60が操作されると、メダル排出口9からスロットマシン1の外部に正規メダルが排出される。
図3に示すように、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11と、BB中のメダルの獲得枚数やメダル投入口4へ正規メダル以外の異物が投入されるなどのエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12とが設けられている。
前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14と、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15と、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16と、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17と、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18と、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19と、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20とが設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21が設けられている。ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rがそれぞれ設けられている。
1枚BETスイッチ5の内部には、フリーズ状態において点灯により1枚BETスイッチ5の操作を促す演出用停止LED57aが設けられている。ストップスイッチ8Lの内部には、左停止有効LED22Lに加え、フリーズ状態において点灯によりストップスイッチ8Lの操作を促す演出用停止LED57bが設けられている。ストップスイッチ8Cの内部には、中停止有効LED22Cに加え、フリーズ状態において点灯によりストップスイッチ8Cの操作を促す演出用停止LED57cが設けられている。ストップスイッチ8Rの内部には、中停止有効LED22Rに加え、フリーズ状態において点灯によりストップスイッチ8Rの操作を促す演出用停止LED57dが設けられている。なお、フリーズとは、遊技の進行を所定の遅延期間にわたり遅延させるためにメイン制御部41が実行する制御のことである。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23と、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24とが設けられている。
前面扉1bの内側には、メダルセレクタ29が設けられている。メダルセレクタ29は、流路切替ソレノイド30と、投入メダルセンサ31と、通過センサ70aと、撮影カメラ70bとを有する。流路切替ソレノイド30は、メダル投入口4へ投入された投入物の流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル排出口9側のいずれか一方に選択的に切り替える。投入メダルセンサ31は、流路切替ソレノイド30よりもホッパータンク34a側に配置され、メダル投入口4へ投入されてホッパータンク34a側に流下した正規メダルを検出する。通過センサ70aは、メダル投入口4へ投入された投入物が撮影カメラ70bの撮影領域を通過することを検出する。撮影カメラ70bは、撮影領域を通過する投入物を撮影する。
筐体1aの内部には、図2に示すように、リール2L、2C、2Rと、リールモータ32L、32C、32Rと、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図3参照)とからなるリールユニット2が設けられている。筐体1aの内部には、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000と、メダル投入口4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34aと、精算スイッチ10が操作されたときにホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル排出口9より払い出すためのホッパーモータ34bと、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cとからなるホッパーユニット34が設けられている。筐体1aの内部には、電源ボックス100と、前面扉1bの開放状態を検出するためのドア開放検出スイッチ25とが設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられている。満タンセンサ35aは、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出する。
電源ボックス100の前面には、BB終了時やAT(Assist Time)の終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aが設けられている。ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。AT制御の権利となるナビストックを保有していることを条件にATに制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)にわたり制御される。このため、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示すことになり、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。ナビストックは、チェリー当選時にサブ制御部91によって行われるナビストック抽選で当選したときに付与される。本実施の形態においては、チェリー当選したときに、フリーズ制御による擬似遊技が行われることがある。このため、擬似遊技が行われたときには遊技者に対してナビストックの付与の可能性を報知することができる。
さらに、電源ボックス100の前面には、BB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36bと、電源投入時(起動時)に設定変更状態および設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37と、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(払出率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38と、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39とが設けられている。
ドア開放検出スイッチ25は、電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面に設けられている。電源ボックス100には、設定値を変更する際に操作される設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38と、電源スイッチ39とが搭載されている。電源ボックス100は、筐体1a内部の下方位置に設けられているのに対し、ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部の上方位置に設けられている。ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部において、電源ボックス100が設けられている位置に対し、対角する位置に設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、正規メダルをメダル投入口4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。
遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、つまり、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態がRB(BB)では2枚、通常遊技状態では3枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが特定の図柄の組合せであるか否かを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」とも称し、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するともいう。
本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止されたときにおいて、有効化された入賞ラインL1〜L5のいずれにも小役を発生させる図柄の組合せが停止していないときには、当該停止時に1ゲームが終了する。一方、有効化された入賞ラインL1〜L5のいずれかに小役を発生させる図柄の組合せが停止しているときには、その小役の入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与(クレジット加算、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合にはメダル排出口9(図1参照)からメダルが排出)されて、1ゲームが終了する。
なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払い出しを伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与される。有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2つ以上のリールを用いた構成においては、2つ以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置を構成してもよい。
本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図3に示すように、スロットマシン1には、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としてもよい。
電源基板101には、ホッパーモータ34bと、払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、打止スイッチ36aと、自動精算スイッチ36bと、設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38と、電源スイッチ39とが接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5と、MAXBETスイッチ6と、スタートスイッチ7と、ストップスイッチ8L、8C、8Rと、精算スイッチ10と、リセットスイッチ23と、ドア開放検出スイッチ25と、リールセンサ33L、33C、33Rとが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、打止スイッチ36aと、自動精算スイッチ36bと、設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38とが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11と、遊技補助表示器12と、ペイアウト表示器13と、1〜3BETLED14〜16と、投入要求LED17と、スタート有効LED18と、ウェイト中LED19と、リプレイ中LED20と、BETスイッチ有効LED21と、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rと、設定値表示器24と、返却スイッチ60と、リールモータ32L、32C、32Rとが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、流路切替ソレノイド30、投入メダルセンサ31、通過センサ70a、および撮影カメラ70bを備えたメダルセレクタ29が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41aと、ROM41bと、RAM41cと、I/Oポート41dとを備えたマイクロコンピュータからなる。
遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持される。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡する。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させる。リセット回路49は、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用停止LED57a〜57dなどの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用停止LED57a〜57dなどの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよい。このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われる。
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用停止LED57a〜57dを例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98とが搭載されている。
サブ制御部91は、サブCPU91aと、ROM91bと、RAM91cと、I/Oポート91dとを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
[メダルセレクタの内部構造]
次に、図4を参照しながら、メダルセレクタ29の内部構造を説明する。なお、図4においては、メダル投入口4へ投入された投入物の一例として、メダル(メダルM)を示している。メダルMは、スロットマシン1において使用できる価値を有する正規のメダル(つまり、正規メダル)の例でもあるし、スロットマシン1において使用できる価値を有しないメダル(つまり、異物)の例でもある。
メダルセレクタ29は、メダル投入口4へ投入された投入物が流下する経路(流路)を形成するとともに、途中に設けられた流路切替ソレノイド30の電源をONまたはOFFに切り替えることによって、メダル排出口9側またはホッパータンク34a側に流路を切り替える。メダルセレクタ29には、第1傾斜部29aおよび第2傾斜部29bが設けられ、第1傾斜部29aと第2傾斜部29bとの間には、回転ディスク29eが設けられている。
さらに、第2傾斜部29bには、通過センサ70aと、撮影カメラ70bと、流路切替ソレノイド30とが設けられている。通過センサ70aは、所定間隔だけ離れて設置された送信側と受信側の2つの装置からなる赤外線センサであり、送信側の装置から受信側の装置へと赤外線を通す。通過センサ70aは、この赤外線に投入物の端部が接触することによって、撮影カメラ70bの撮影領域を投入物が通過することを検出する。撮影カメラ70bは、撮影領域を投入物が通過するときに、瞬間的に該投入物を撮影する。本実施の形態においては、撮影カメラ70bの撮影によって得られた投入物の画像を認識することによって、該投入物が正規メダルであるか否かが判定される。
通過センサ70aのすぐ下流側である、メダル排出口9側へと続く流路とホッパータンク34a側へと続く流路との分岐点には、流路切替ソレノイド30が設けられている。流路切替ソレノイド30は、電源がONされるとホッパータンク34a側に流路を形成し、電源がOFFされるとメダル排出口9側に流路を形成する。
第2傾斜部29bとホッパータンク34aとの間には、投入メダルセンサ31が設けられている。投入メダルセンサ31は、投入物を画像認識することによって行われる投入物が正規メダルであるか否かの判定(以下、画像判定とも称する)に応じて、電源をONまたはOFFに切り替える。投入メダルセンサ31の電源がONの状態で投入物が検出されたときには、該投入物を用いて賭数が設定され、あるいはクレジットが加算される。なお、投入メダルセンサ31の電源がOFFの状態では投入物が検出されないため、賭数が設定されたり、クレジットが加算されたりしない。
図4を用いて、メダル投入口4へメダルMが投入されたときのセレクタ29内の様子について説明する。メダル投入口4へ投入されたメダルMは、はじめに第1傾斜部29aに沿って滑り落ち、回転ディスク29eに誘導される。回転ディスク29eには、メダルMを収容可能な凹部が3箇所形成されており、該回転ディスク29eが回転することにより、回転ディスク29eに誘導されたメダルMが1枚ずつ凹部に入り込んで整列して回転する。回転ディスク29eによって整列されたメダルMは、整列したまま第2傾斜部29bに沿って滑り落ちる。なお、正規メダル以外の異物(たとえば、正規メダルとは形状が異なるメダルや、不正行為を行うための器具など)の場合は、回転ディスク29eに誘導されても凹部に収容せずに、第2傾斜部29bに沿って滑り落ちる場合もある。
第2傾斜部29bに誘導されたメダルMは、第2傾斜部29bに沿って滑り落ち、やがて通過センサ70aの赤外線に端部が接触する。これにより、メダルMが撮影カメラ70bの撮影領域を通過することが通過センサ70aにより検出される。通過センサ70aにより検出されたときには、瞬間的に撮影カメラ70bによってメダルMが撮影される。
撮影カメラ70bの撮影によってメダルMの画像が得られると、画像判定によって、メダルMが正規メダルであるか否かが判定される。本実施の形態においては、メダルMの形状、色彩、および模様が認識され、該メダルMが正規メダルであるか否かが判定される。
本実施の形態においては、流路切替ソレノイド30は、返却スイッチ60が操作されたときに電源がOFFされてメダル排出口9側に流路が形成されることがあるが、返却スイッチ60が操作されていないときには、電源はONの状態でありホッパータンク34a側に流路が形成される。このため、返却スイッチ60が操作されていないときには、撮影カメラ70bによって撮影されたメダルMは、ホッパータンク34a側に流下する。
メダルMの画像判定において、メダルMが正規メダルであるときには、投入メダルセンサ31の電源がONされ、メダルMを検出可能な状態となる。投入メダルセンサ31によってメダルM(この場合は、正規メダル)が検出されたときには、投入されたメダルMを用いて賭数が設定され、あるいはクレジットが加算される。一方、メダルMが正規メダルでないときには、投入メダルセンサ31の電源がOFFの状態であり、メダルMを検出できない。このため、ホッパータンク34a側に流下したメダルM(この場合は、正規メダル以外のメダル)は、投入メダルセンサ31によって検出されることなく、ホッパータンク34a内に溜まる。
このように、メダル投入口4へ投入された投入物が正規メダルであるときには、ホッパータンク34a側に流下し、かつ投入メダルセンサ31によって検出されるため、正規メダルを用いて賭数の設定やクレジットの加算をすることができる。一方、メダル投入口4へ投入された投入物が正規メダルでない異物であるときには、ホッパータンク34a側に流下するが、投入メダルセンサ31によって検出されないため、異物を用いて賭数の設定やクレジットの加算をすることができない。さらに、異物は、ホッパータンク34a内に溜まってスロットマシン1内に保持されるため、不正行為が行われていた場合の証拠を回収することができる。
メダル投入口4へ投入された投入物がセレクタ29内(たとえば、第1傾斜部29aや回転ディスク29e)に滞留しているときに、返却スイッチ60が操作され、かつ画像判定によってメダル投入口4へ投入された投入物が正規メダルであると判定されたときに限り、流路切替ソレノイド30の電源がOFFされてメダル排出口9側に流路が形成される。このため、返却スイッチ60が操作され、かつ画像判定によってメダルMが正規メダルであると判定されたときには、メダルMは、メダル排出口9側に流下する。この場合、正規メダルがメダル排出口から排出されて遊技者に返却される。
一方、メダル投入口4へ投入された投入物がセレクタ29内(たとえば、第1傾斜部29aや回転ディスク29e)に滞留しているときに、返却スイッチ60が操作されても、画像判定によってメダル投入口4へ投入された投入物が正規メダルでないと判定されたときには、流路切替ソレノイド30の電源はONの状態でありホッパータンク34a側に流路が形成される。このため、返却スイッチ60が操作され、かつ画像判定によってメダルMが正規メダルでないと判定されたときには、メダルMは、ホッパータンク34a側に流下する。ホッパータンク34a側に流下したメダルMは、投入メダルセンサ31によっても検出されないため、賭数の設定やクレジットの加算がされることなく、ホッパータンク34a内に溜まってスロットマシン1内に保持される。このように、異物を用いて不正行為が行われていた場合において、返却スイッチ60が操作されたとしても、異物は、ホッパータンク34a内に溜まってスロットマシン1内に保持されるため、不正行為が行われていた場合の証拠を回収することができる。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値の変更および確認をするためには、設定キースイッチ37をON状態にする必要がある。設定キースイッチ37をON状態にすると、遊技の進行が不可能な状態である設定変更状態および設定確認状態に移行して、液晶表示器51の画面上に選択画面が表示される。選択画面において、設定確認モードを選択すると、現在の設定値が液晶表示器51の画面上に表示される。選択画面において、設定変更モードを選択すると、現在の設定値が液晶表示器51の画面上に表示されるとともに、リセット/設定スイッチ38を操作することによって設定値が変更され、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定する。設定キースイッチ37をOFFにすると、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
[電断処理]
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化する。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化する。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、特別ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37がON、リセット/設定スイッチ38がOFFの状態での起動時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの全ての領域が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がON、リセット/設定スイッチ38がOFFの状態であり、設定変更状態へ移行する場合においてその前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワークおよび特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。
本実施の形態では、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)、ビッグボーナス(以下ではBBと称す)、通常遊技状態があり、このうちRBやBBでは賭数の規定数(上限数)として2が定められており、通常遊技状態では賭数の規定数(上限数)として3が定められている。このため、遊技状態がRBやBBであれば、賭数として2が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、通常遊技状態であれば、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。
本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化され、RBやBBでは賭数として2が定められた時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化され、通常遊技状態では賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せ(たとえば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」)であってもよいし、異なる図柄を含む組合せ(たとえば、「BAR−リプレイ−リプレイ」)であってもよい。
役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大別すると、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技用価値を用いた賭数の設定を行わずとも入賞したゲームで設定されていた賭数を自動設定させることにより次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)と、遊技状態の移行を伴う特別役(BB、RB)とがある。本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ラインL1〜L5のいずれかに停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越される。
スロットマシン1における役としては、図8に示すように、特別役としてビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)が、小役としてスイカ、チェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても右リールについて入賞ラインのいずれかに「白チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、いずれの遊技状態においても1枚のメダルが払い出される。なお、「白チェリー」の図柄が右リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L5または入賞ラインL3、L4の2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃い、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞するため、2枚のメダルが払い出される。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せまたは「スイカ−スイカ−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では12枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では10枚のメダルが払い出される。
リプレイとしては、第1〜第3のリプレイが設けられている。第1のリプレイは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。第2のリプレイは、「BAR−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。第3のリプレイは、「黒7−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じである。
RBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したときのいずれか早いほうで終了する。
BBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せ、または「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBが入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。BB中は、常にRBに制御される。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かにかかわらずRBも終了する。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定する。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
本実施の形態では、図8に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RBやBBであるかによって内部抽選の対象となる役が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態においては、特別役の持越中であるか否かによっても内部抽選の対象となる役が異なる。遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態では、BB、RB、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRB(BB中を含む)では、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、本実施の形態においては、BBに対応する図柄組合せが3種類、リプレイに対応する図柄組合せが3種類、スイカに対応する図柄組合せが2種類定められている例について説明したが、内部抽選では、図柄組合せごとに対象役として読み出される。たとえば、BBについては、「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せ、「白7−白7−白7」の組合せが内部抽選の対象役として順に読み出される。リプレイについても、第1〜第3のリプレイが、内部抽選の対象役として順に読み出される。スイカについても、図柄組合せごとに、対象役として順に読み出される。
なお、BBに対応する図柄組合せが3種類、リプレイに対応する図柄組合せが3種類、スイカに対応する図柄組合せが2種類については、各々、図柄組合せごとに対象役として読み出されるものに限らず、複数種類の図柄組合せ全てが一つの対象役として読み出されるようにしてもよい。たとえば、リプレイが対象役として読み出されて当選した場合には、第1〜第3のリプレイのいずれもが入賞ライン上に停止することが許容されるようにしてもよい。
内部抽選で用いられる判定値数は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せごとに定められている。当選率は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せごとに定められている。このため、内部抽選においては、設定値に対応して図柄組合せごとに定められた当選率にしたがって、図柄組合せの導出(発生)が許容される。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークの値)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選する。
いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをメイン制御部41のRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。リールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周する。リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられている。停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止する。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われる。
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御を優先し、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
なお、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。このような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞する。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
メイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。
本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止するため、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(ウェイトタイム)(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
メイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する。
本実施の形態において、メイン制御部41は、停止操作に伴い、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン上に入賞に対応する役が揃ったか否かを判定し、いずれかの入賞に対応する役が揃っていると判定した場合には、入賞時の制御を行う。たとえば、小役が揃っている場合には、揃った小役に応じたメダルを付与する制御を行い、再遊技役が揃っている場合には、リプレイゲームを付与する制御などを行う。
[コマンド]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41が演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、同時操作コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラー報知コマンド、同時操作エラーコマンド、復帰コマンド、設定変更コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できる。
BETコマンドは、メダルの投入枚数(賭数の設定に使用されたメダル枚数)、およびBET音の出力の有無を特定可能なコマンドである。BETコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるため、サブ制御部91では、BETコマンドを受信することで、賭数の設定操作がなされたこと、賭数、および、BET音の出力の有無を特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数、および出力する音の種類(BET音かクレジット音)を特定可能なコマンドである。クレジットコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール回転開始コマンドは、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドである。リール停止コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
同時操作コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、いずれか複数のスイッチの操作が同時に検出された旨を特定可能なコマンドである。同時操作コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、いずれか複数のスイッチの操作が同時に検出されたときに送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドである。入賞判定コマンドは、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドである。払出開始コマンドは、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに送信される。
払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドである。払出終了コマンドは、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、現在の遊技状態(通常遊技状態、当選中、RB)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドである。待機コマンドは、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドである。打止状態に制御される場合に打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラー報知コマンドは、メダル投入口4へ投入された投入物が正規メダルでない(つまり、異物である)と判定されたときに発生する異常状態(投入エラーともいう)を特定可能なコマンドである。メイン制御部41は、メダル投入口4へ投入された投入物を画像判定し、該投入物が正規メダルでないと判定したことに基づき投入エラーが発生したと判断する。エラー報知コマンドは、メイン制御部41によって投入エラーが発生したと判断されたときに送信される。
同時操作エラーコマンドは、複数のストップスイッチの操作が同時に検出された回数(ゲーム数)が、所定値(本実施の形態においては、2)に達したときに発生する異常状態(同時操作エラーともいう)を特定可能なコマンドである。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。復帰コマンドは、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定変更コマンドは、設定変更状態および設定確認状態に移行する旨を示すコマンドである。設定変更コマンドは、設定変更状態および設定確認状態に移行する際に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(たとえば、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(ON/OFF)を示すコマンドである。操作検出コマンドは、一定時間ごとに送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、コマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できる。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用停止LED57a〜57dなどの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行される。
サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行する。演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行される。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、BETコマンドのうちのBETコマンド(BET音あり)を受信したときに実行中の演出を中止する。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出をキャンセルすることができる。これにより、演出よりも次のゲームに早く進みたい遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。サブ制御部91は、BETコマンドのうちのBETコマンド(BET音あり)を受信したときに、賭数に応じた回数分、所定のBET音(たとえば「ピッ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。
一方、サブ制御部91は、BETコマンドのうちのBETコマンド(BET音なし)を受信したときには、BET音をスピーカ53、54から出力させることなく、かつ実行中の演出を中止することなく継続させる。なお、BETコマンドを受信したときには、その種類にかかわらず、実行中の演出をキャンセルさせるとともに、BET音を出力させるようにしてもよい。
サブ制御部91は、クレジットコマンドのうちのクレジットコマンド(通常)を受信したときに、所定のクレジット音(たとえば「ダ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。これにより、クレジットされたことを気付かせやすくすることができる。
サブ制御部91は、クレジットコマンドのうちのクレジットコマンド(BET音あり)を受信したときには、BET音と同じ音(たとえば「ピッ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。
演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、精算を通知する払出開始コマンドを受信した場合には、原則として、実行中の演出を中止して、演出状態(液晶表示器51の表示状態、スピーカ53、54からの効果音など)を客待ち状態にする。クレジットや賭数の精算を行うのは遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
しかし、精算を通知する払出開始コマンドのうち、リプレイゲームにおけるクレジット精算を通知する払出開始コマンドを受信したときには、リプレイ入賞により設定された賭数が残存しており、以降において少なくとも1ゲームが行われるため、実行中の演出をその後も継続する(客待ち状態にもならない)。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する。同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
サブ制御部91は、操作検出コマンドから特定される1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(ON/OFF)を時系列にて複数個バッファしておくとともに、これらバッファされている1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(ON/OFF)に基づいて、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態が変化したか否かを特定可能とされている。これらの検出状態の変化を特定することで、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況を特定できる。
サブ制御部91は、同時操作コマンドを受信したときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、いずれか複数のストップスイッチが同時に操作されたことを特定できる。
サブ制御部91は、エラー報知コマンドを受信したときには、液晶表示器51の画面上に投入エラーが発生したことを報知するエラー報知画面を表示する。これにより、投入エラーが発生したことを遊技者や店員などに報知することができる。
サブ制御部91は、同時操作エラーコマンドを受信したときには、スピーカ53、54から同時操作エラーの発生を報知する警告音を出力する(同時操作警告報知ともいう)。これにより、同時操作エラーが発生したことを遊技者や店員などに報知することができる。
[リールモータ]
図5は、スロットマシン1が搭載するリールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。ロータ32aは、多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。
メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において各励磁相φ1〜φ4の励磁状態を更新する処理を行い、それに応じてモータ駆動回路45から位相信号が出力される。リールモータ32L、32C、32Rは、この位相信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ=約1.07(360/336)度)ずつロータ32aを回転させる。
[加速時のリールモータの励磁状況]
図6は、加速時のリールモータ32L、32C、32Rの励磁状況を示すタイミングチャートである。
1ステップは、一の励磁パターンが適用される単位であり、定速回転時においては、1ステップごとに所定の角度(約1.07(360/336)度)ずつロータ32aが回転する。ステッピングモータでは、336ステップの周期でリールが1周し、リールには21の図柄が配置されていることから、16ステップごとに1図柄移動する。励磁パターンの更新は、タイマ割込処理(メイン)において行われる。カウント数は、次回励磁パターンの更新を行うまでのタイマ割込処理(メイン)の回数である。カウント数×0.56ms(タイマ割込処理(メイン)の間隔)が、ステップの励磁パターンが継続する励磁時間(ステップレート)である。ステップ数は、対応する励磁時間が連続して適用される回数を示す。図中のφ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を各々示す。
メイン制御部41は、図6に示すように、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、各励磁相φ1〜φ4が消磁された状態から1−2相励磁方式で回転方向に励磁を開始する。詳しくは、最初のステップで(φ1、φ4)を励磁状態とし、1ステップごとに、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)…の順番で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁パターンを更新する。
徐々に定速回転のステップレート(2.24ms)に近づくように、各ステップのステップレートを短縮していく。この際、一律にステップレートを短縮するのではなく、長いステップレートと短いステップレートとを織り交ぜて、徐々に短いステップレートを多くしていくことにより、リールをスムーズに加速させる。
定速状態に移行後は、1−2相励磁方式の励磁パターンを2.24msのステップレートにて更新することによりリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。詳しくは、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ1、φ4)、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)、(φ1、φ4)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4の励磁パターンを更新して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
[停止制御時のリールモータの励磁状況]
図7は、停止制御時のリールモータ32L、32C、32Rの励磁状況を示すタイミングチャートである。
図7に示すように、リールの停止制御を行う場合には、停止操作などの停止条件の成立後、停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持する。ブレーキ開始位置に到達したときには、定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aを減速させ、次のステップ(4ステップ手前のステップ)で全ての励磁相φ1〜φ4を励磁する全相励磁を開始する。これにより、ロータ32aに対して急制動がかけられ、オーバーシュート(脱調)して、停止位置でロータ32aが停止する。
本実施の形態においては、停止制御において全相励磁を行った後、5ステップ分オーバーシュートして滑るため、回転方向に対して停止位置よりも6ステップ手前のステップでブレーキを開始し、停止位置よりも5ステップ手前で全相励磁を開始する。
このように、本実施の形態においては、位相信号の出力状態を変化させることで各励磁相φ1〜φ4の励磁状態が変化し、これによりリールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、リールを回転および停止させることができる。位相信号の出力状態が変化することでリールが動作し、位相信号の出力状態を変化させないことによりリールが停止する。
[推奨停止順]
本実施の形態においては、遊技者に対して推奨する推奨停止順が設けられている。推奨停止順とは、3つのリール2L、2C、2Rを停止させる所定の順番のことである。すなわち、推奨停止順とは、遊技者に対して推奨するストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順のことである。
ATに制御されていないときの推奨停止順としては、左第1停止が設定されている。ATに制御されていないゲームにおいて、左第1停止以外の中第1停止や右第1停止で停止操作した場合、遊技者が不利となるペナルティ期間に制御される。ペナルティ期間は、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム)にわたる期間であり、チェリーに当選してもナビストック抽選が行われない。ペナルティ期間に制御されてナビストック抽選が行われないと、遊技において遊技者が獲得できるメダルの期待値が低くなる。期待値とは、1ゲームだけの期待値ではなく、当該1ゲームによりその後に得られるATへの権利(ナビストック)の付与についても考慮した遊技を継続して行うことを前提とした期待値を示す。
このように、本実施の形態においては、ATに制御されていないゲームにおいて、左第1停止以外の手順でストップスイッチを操作した場合、ペナルティ期間に制御されて遊技者にとって不利益となることから、左第1停止を遊技者に対して促すことができる。
次に、本実施の形態のメイン制御部41が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[ゲーム処理]
図9は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理では、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、リール回転処理(S3)、入賞判定処理(S4)、払出処理(S5)、ゲーム終了時処理(S6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
S1におけるBET処理では、メイン制御部41は、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。メイン制御部41は、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
S2における内部抽選処理では、メイン制御部41は、S1におけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか否かを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
S3におけるリール回転処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
S4における入賞判定処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
S5における払出処理では、メイン制御部41は、S4において入賞の発生が判定された場合に、その入賞が小役の場合には当該小役の種類に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算ならびにメダルの払い出しなどの処理や、再遊技役の場合には再遊技役の種類を特定可能なリプレイゲームフラグをRAM41cに設定してリプレイゲームを付与可能にする処理などを行う。払出処理では、メイン制御部41は、クレジットの加算ならびにメダルの払い出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
S6におけるゲーム終了時処理では、メイン制御部41は、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。ゲーム終了時処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに設定することで、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して設定されたコマンドが送信される。
[BET処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS1で実行するBET処理について説明する。図10〜図12は、メイン制御部41が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、まず、RAM41cの所定領域において賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(S10)、遊技状態に応じた規定数(本実施の形態では上限数と同じ。いずれの遊技状態においても3)をRAM41cに設定し(S11)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであるか否かを判定する(S12)。
S12において次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであると判定された場合には(S12でY)、前回ゲームにおいて入賞した再遊技役が、第1のリプレイであったか否かが判定される(S13)。第1のリプレイであったか否かは、設定されているリプレイゲームフラグから特定される。第1のリプレイであったと判定されたときには(S13でY)、賭数が3(リプレイ当選可能な状態は3枚賭けであるため)加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(S14では便宜上、“BETコマンド(BET音あり)”と示している。以下同様)を通常コマンド用送信バッファに設定する(S14)。
一方、第1のリプレイではなかったと判定されたとき、つまり第2または第3のリプレイであったときには(S13でN)、賭数が3加算される旨、およびサブ制御部91によりBET音を出力させない旨のBET音なしを示すBETコマンド(S15では便宜上、“BETコマンド(BET音なし)”と示している。)を通常コマンド用送信バッファに設定する(S15)。
設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、サブ制御部91側においては、第1のリプレイ入賞後において賭数が設定されるごとにBET音を出力するのに対し、第2または第3のリプレイ入賞後において賭数が設定される際にはBET音を出力させない。これにより、第1のリプレイ入賞を遊技者に気付かせやすくすることができるのに対し、第2または第3のリプレイ入賞を遊技者に気付かせ難くすることができる。
次に、メイン制御部41は、BETカウンタの値を1加算し(S16)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(S17)、BETカウンタの値が規定数でなければ(S17でN)、S16に戻る。
BETカウンタの値が規定数となりリプレイ入賞による賭数の設定が完了すると(S17でY)、S18へ移行する。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、BETカウンタの値に応じて、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を実行する。メイン制御部41は、リプレイ入賞後における賭数の設定が完了した後に、リプレイ中LED20、およびスタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を実行する。
メイン制御部41は、RAM41cの所定領域において格納されるクレジットの値であるクレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定する(S18)。上限値であると判定されたときには(S18でY)、投入不可フラグをRAM41cに設定し(S19)、S21に進む。投入不可フラグが設定されると、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させるための処理が行われる。なお、BETカウンタが第2または第3のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させずに、たとえば、S37でYESと判定された後や、3BET分に相当するクレジットコマンド(BET音あり)が出力された後に、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させる。
S18において上限値でないと判定されたとき、つまりクレジット投入が可能であると判定されたときには(S18でN)、S20に進む。なお、S12においてリプレイゲームでないと判定された場合には(S12でN)、そのままS20に進む。
S20においては、投入待ち前の設定を行ってS21に進む。投入待ち前の設定では、RAM41cに投入不可フラグが設定されている場合は投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。このため、リプレイ入賞後においては、賭数の設定が完了する前であって投入待ち前の設定が未だ行われていないときに投入されたメダルを受付けず、賭数の設定が完了して投入待ち前の設定が行われてから投入されたメダルを有効に受付けてクレジット加算される。
メイン制御部41は、投入待ち前の設定が行われて投入不可フラグをクリアされた後に、投入要求LED17を点灯させ、賭数を設定することが可能な場合にはBETスイッチ有効LED21を点灯させる処理を実行する。なお、BETカウンタが第1のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、S20において投入要求LED17のみを点灯させる。BETカウンタが第2または第3のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、S20において投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を点灯させ、たとえば、S37でYESと判定された後や、3BET分に相当するクレジットコマンド(BET音あり)が出力された後に、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させる。
メイン制御部41は、投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する(S21)。メダルの投入が可能な状態であると判定された場合には(S21でY)、流路切替ソレノイド30の電源をONの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(S22)、S24に進む。メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には(S21でN)、流路切替ソレノイド30の電源をOFFの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(S23)、S24に進む。
メイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定し、設定キースイッチ37がONであれば(S24でY)、BETカウンタの値が0か否かを判定する(S25)。BETカウンタの値が0であれば(S25でY)、確認開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(S26)、設定確認処理(S27)、すなわち設定確認状態に移行する。S26で設定された確認開始コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。S27における設定確認処理が終了した後は、S21に戻る。設定キースイッチ37がONではない場合(S24でN)またはBETカウンタの値が0ではない場合には(S25でN)、S30に進む。
メイン制御部41は、投入メダルセンサ31による検出結果が適正な検出結果となり投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する(S30)。投入メダルの通過が検出されていなければ(S30でN)、S45に進み、投入メダルの通過が検出されていれば(S30でY)、投入メダルフラグをクリアし(S31)、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する(S32)。メダルの投入が可能な状態でなければ(S32でN)、S45に進む。
メイン制御部41は、メダルの投入が可能な状態であれば(S32でY)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定する(S33)。BETカウンタの値が規定数でなければ(S33でN)、賭数が1加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S34)、BETカウンタの値を1加算し(S35)、S21に戻る。S34で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、メダル投入により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、BET音が出力される。
メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数であれば(S33でY)、前回ゲームにおいて第2または第3のリプレイが入賞していたか否かが判定される(S36)。第2または第3のリプレイであったか否かは、リプレイゲームフラグから特定される。前回ゲームにおいて第2または第3のリプレイが入賞していなかったと判定されたときには(S36でN)、1加算後のクレジットカウンタの値を示すとともにサブ制御部91によりクレジット音を出力させる旨を示すクレジットコマンド(S38では便宜上、“クレジットコマンド(通常)”と示している。以下同様)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S38)、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する(S40)。S38で設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
前回ゲームにおいて第2または第3のリプレイが入賞していたと判定されたときには(S36でY)、規定数分のBET音が出力されたか否かが判定される(S37)。具体的には、S39に示すクレジットコマンドが規定数分の3回出力されたか否か判定される。第2または第3のリプレイ入賞後において賭数が設定される際には、S15で示したようにBETコマンド(BET音なし)が出力されるため、サブ制御部91においてBET音が出力されない。このため、第2または第3のリプレイ入賞後、賭数が設定された後において、メダルが投入されてクレジットされる際に、BET音を規定数回まで出力させるための処理が行われる。
S37において、規定数分のBET音が出力されていないときには(S37でN)、1加算後のクレジットカウンタの値を示すとともにサブ制御部91によりクレジット音を出力させる旨を示すクレジットコマンド(S39では便宜上、“クレジットコマンド(BET音あり)”と示している。以下同様)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S39)、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する(S40)。S39で設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
一方、規定数分のBET音が既に出力されているときには(S37でY)、クレジットコマンド(通常)が通常コマンド送信用バッファに設定される(S38)。これにより、第2または第3のリプレイ入賞後のメダル投入によるクレジット加算の際には、サブ制御部91側において、3枚目までについてはBET音が出力され、4枚目以降についてはクレジット音が出力される。一方、第2または第3のリプレイ入賞後でないときのメダル投入によるクレジット加算の際には、サブ制御部91側において、1枚目からクレジット音が出力される。
なお、S36およびS37の次のステップとして、S40を実行した後に、対応するS38あるいはS39の処理を行うことにより、クレジットカウンタの値としてS40により加算された後にあたる現在の値を示すクレジットコマンドをS38あるいはS39において設定するようにしてもよい。
メイン制御部41は、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定する(S41)。クレジットカウンタの値が50でなければ(S41でN)、S21に戻り、クレジットカウンタの値が50であれば(S41でY)、投入不可フラグをRAM41cに設定し(S42)、S21に戻る。
S45では、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否か、すなわちスタートスイッチ7の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。さらに立上りエッジは、いずれかのスイッチがONに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、S45では、いずれかのスイッチがONに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定される。
スタートスイッチ7の操作が検出されていないと判定された場合(S45でN)、またはスタートスイッチ7が操作されたものの他のスイッチも操作されている場合には、S50に進み、スタートスイッチ7の操作が有効に検出されていれば(S45でY)、S46に進み、立上りエッジをクリアする。S47では、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する。
メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数でなければ(S47でN)、S21に戻り、BETカウンタの値が規定数であれば(S47でY)、S48において、投入不可フラグをRAM41cに設定するとともに、流路切替ソレノイド30の電源をOFFの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し、S49において、ゲーム開始時の設定を行う。これにより、ゲームが開始されてから当該ゲームが終了して、次のゲーム以降のBET処理におけるS20において投入待ち前の設定が行われるまではメダルを投入しても受付けられず、メダル払出口9から払い出される。S49の後、BET処理を終了して図9のS2に進む。
S50においては、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否か、すなわち1枚BETスイッチ5の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ(S50でN)、S51に進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば(S50でY)、図12のS65に進み、立上りエッジをクリアする。
メイン制御部41は、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(S66)。BETカウンタの値が規定数であれば(S66でY)、S21に戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ(S66でN)、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(S67)。クレジットカウンタの値が0であれば(S67でY)、S21に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ(S67でN)、賭数が1加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定する(S68)。
S69においては、クレジットカウンタの値を1減算し、S70においては、BETカウンタの値を1加算して、S21に戻る。S68で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、1枚BETスイッチ5の操作により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、BET音が出力される。なお、第2または第3のリプレイ入賞後において、S66でYESと判定されたときには、S37と同様の判定を行い、規定数分、BET音が出力されていないときには、S39と同様の処理を行うようにして、BET音を出力させるようにしてもよい。
S51においては、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否か、すなわちMAXBETスイッチ6の立ち上がり示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。MAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ(S51でN)、S52に進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば(S51でY)、図12のS75に進み、立上りエッジをクリアする。
メイン制御部41は、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(S76)。BETカウンタの値が規定数であれば(S76でY)、S80に進み、BETカウンタの値が規定数でなければ(S76でN)、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(S77)。クレジットカウンタの値が0であれば(S77でY)、S80に進む。クレジットカウンタの値が0でなければ(S77でN)、S78において、クレジットカウンタの値を1減算し、S79において、BETカウンタの値を1加算して、S76に戻る。
S80では、BETカウンタが加算されたか否かを判定し、BETカウンタが加算されていなければ(S80でN)、S21に戻る。一方、BETカウンタが加算されていれば(S80でY)、S81において加算された数分賭数が加算された旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定し、S21に進む。S81で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、MAXBETスイッチ6の操作により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、設定された賭数分だけBET音が出力される。
S52においては、精算スイッチ10の操作が検出されているか否か、すなわち精算スイッチ10の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。精算スイッチ10の操作が検出されていなければ(S52でN)、S21に戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば(S52でY)、S53に進み、立上りエッジをクリアする。メイン制御部41は、RAM41cにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(S54)。
リプレイゲームであると判定されなかったときには(S54でN)、S56においてBETカウンタの値が0か否かを判定し、BETカウンタの値が0でなければ(S56でN)、S57に進み、ホッパーモータ34bを駆動してBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御(賭数の設定に用いられたメダルを返却するとともにBETカウンタの値を0にする制御)が行われるとともに、メダルの払出開始および賭数精算を通知する払出開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。S57における賭数精算処理の後、S58において、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアしてS21に戻る。これにより、リプレイ入賞後ではなく賭数が設定されている状態で精算スイッチ10の操作により賭数精算が行われる際には、サブ制御部91側において、賭数精算中である旨が表示されるとともに、賭数精算に対応する音が出力される。
これに対し、S54においてリプレイゲームであると判定されたときや(S54でY)、S56においてBETカウンタの値が0であると判定されたときには(S56でY)、S59において、ホッパーモータ34bを駆動してクレジットカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御(クレジットとして記憶されているメダルを返却するとともにクレジットカウンタの値を0にする制御)が行われるとともに、メダルの払出開始を通知するとともに、リプレイゲームにおけるクレジット精算であるか賭数が設定されていないときにおけるクレジット精算であるかを通知する払出開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。
S57における賭数精算処理の後、S58において、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアしてS22に戻る。これにより、リプレイ入賞において精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、賭数精算が行われることなくクレジット精算のみが行われ、かつ、サブ制御部91側においては、リプレイ入賞後におけるクレジット精算中である旨が表示されるとともに、リプレイ入賞後におけるクレジット精算に対応する音が出力される。BETカウンタの値が0であるときにおける精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、サブ制御部91側において、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算中である旨が表示されるとともに、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算に対応する音が出力される。
[ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミング]
次に、ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングについて説明する。図13(a)〜(d)は、図10〜図12に示したBET処理が実行されることにより、ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングの一例を説明するための図である。
図13(a)は、小役入賞せずにメダル払い出しがなかった後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。小役入賞が発生していない場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図9のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図10のS10〜S12の処理が実行された後において、S20以降の処理が実行されることにより、図13(a)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
図13(b)は、小役入賞してメダル払い出しが行われた後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。小役入賞が発生している場合には、払い出しが行われた後にゲームが終了し、その後、図9のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図10のS10〜S12の処理が実行された後において、S20以降の処理が実行されることにより、図13(b)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
図13(c)は、リプレイ入賞した後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。リプレイ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図9のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図10のS10〜S12の処理に加えて、さらに賭数設定が完了したタイミング以降(つまり、賭数設定が完了したタイミング、または当該タイミングより後)であってS19においてクレジット可能であると判定された後において、S20以降の処理が実行されることにより、図13(c)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
以上、図10のS12〜S20や図13(c)で示したように、リプレイ入賞が発生した後であってリプレイゲームが開始(リール回転開始)されるまでの間に投入されたメダルであっても、リプレイ入賞による賭数設定(自動BET)がされて次のリプレイゲームが開始可能な状態となってから後に検出されたメダルである場合には、メダルの検出に応じて図11のS36〜S40が行われて、クレジットに加算させることができる。このため、リプレイ入賞が発生した後におけるクレジット加算が賭数設定よりも先に行われてしまうことを防止できる。その結果、違和感を抱かせることなく、リプレイ入賞が発生した後における遊技者の利便性を向上させることができる。
図11のS52〜S59に示されるように、精算スイッチ10への操作に応じて、賭数が設定されている場合には当該賭数を精算する賭数精算処理を実行し、賭数が設定されていない場合にはクレジットを精算するクレジット精算処理を実行可能としつつ、設定されている賭数がリプレイ入賞により自動BETされた賭数である場合には、賭数精算処理を実行せずにクレジット精算処理を実行する。これにより、メダルを払い出すのではなくリプレイゲーム(1ゲーム)を付与するというリプレイの機能そのものを残してリプレイの存在意義を維持する一方、クレジットについてはリプレイ入賞後であっても精算操作に応じて払出可能としたことにより、リプレイ入賞後における遊技者の利便性をさらに向上させることができる。
本実施の形態におけるスロットマシン1によれば、以下の課題を解決することができる。従来のスロットマシンにおいては、一般的に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が、所定時間(たとえば190ms(ミリ秒))に制限されている。このため、操作タイミングにかかわらず取りこぼしが発生しない入賞役を設ける場合には、各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内(本実施の形態では、5コマ以内)に、当該入賞役を構成する図柄を配置する必要がある。その結果、取りこぼしが発生しない入賞役の数が多くなるほど、入賞役各々を構成する専用図柄として数多くの種類を要する。
一方、複数(通常は3つ)のリールに描かれる識別情報としての図柄については、無限に設けることができるものではなく、ある程度の制限が科される。たとえば、3つのリール各々に描かれる図柄の数は、1リールに対して最大21個に制限されており、さらに3つのリールに描かれる図柄の種類は全部で最大10種類に制限されている。
このような従来のスロットマシンを背景とした場合、たとえば入賞役について同一の図柄により構成しようとした場合、専用図柄を用意する必要がある。このため、図柄の数や種類の制限範囲内で移行役のための専用図柄を設けることが設計上困難となる虞があった。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順(押し順、操作タイミングなど)にかかわらずリプレイ入賞し得るように構成する場合においては、所定時間内で引き込み可能な範囲内に当該リプレイを構成する専用図柄を配置する必要があり、専用図柄の数を多くせざるを得なくなり、益々設計が困難になってしまう虞があった。
このような課題を解決するために、本実施の形態のスロットマシン1においては、再遊技役に、外形が同一の図柄のみから構成される「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が入賞ラインに停止されることにより発生する第1のリプレイと、外形が同一または類似とはいえない図柄を含む「BAR−リプレイ−リプレイ」や「黒7−リプレイ−リプレイ」が入賞ラインに停止されることにより発生する第2および第3のリプレイとを設けた。これにより、リプレイのための専用図柄を必ずしも複数設ける必要がなく、図柄の数と種類を増大させてしまうことを回避でき、図柄の数、種類、および配置の制限内で、リプレイの種類(バリエーション)を豊富にすることができる。一方、第2または第3のリプレイ入賞が発生した場合には、外形が同一または類似とはいえない図柄を含む組合せが停止されるため、第1のリプレイ入賞が発生した場合よりもリプレイ入賞の発生に気付かずに、メダルを投入してしまう可能性が高まるが、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができるために、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
本実施の形態における第3のリプレイを構成する図柄には、リプレイとは異なるBBを構成する「黒7」が含まれる。このため、たとえばBB入賞しなかったといった残念感などが生じることに起因して、第3のリプレイ入賞の発生に気付かずにメダルを投入してしまう可能性がより一層高まるが、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができるために、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
図10のS13〜S15で示したように、第1のリプレイ入賞が発生した後においてはBETコマンド(BET音あり)が設定されて出力されるため、サブ制御部91側によりBET音が出力される。一方、第2または第3のリプレイ入賞が発生した後においてはBETコマンド(BET音なし)が設定されて出力されるため、サブ制御部91側によりBET音が出力されることがない。これにより、第2または第3のリプレイ入賞が発生して賭数設定が完了していることに気付かずにメダルを投入してしまう可能性がより一層高まるが、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができ、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
図11のS36〜S39で示したように、BET音を出力させない第2または第3のリプレイ入賞が発生して賭数設定が完了していることに気付かずにメダルを投入してクレジット加算された場合でも、賭数の上限数に相当する3回まではBET音と同じ音が出力される。このため、遊技者の勘違いでメダルを投入して賭数を設定しているつもりであるにもかかわらずBET音が出力されないことにより、不信感や違和感を抱かせてしまうことを防止することができる。
なお、本実施の形態では、図13(c)で示したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングが、リプレイ入賞による自動BETの完了時である例について説明したが、これに限らず、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングは、リプレイ入賞による自動BETが開始される(あるいは開始された)ときであってもよい。
図13(d)は、ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングについての変形例を説明するための図である。図13(d)に示すように、リプレイ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図9のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図10のS10〜S12の処理が行われた後に、自動BETの処理(S16、S17)が開始される。つまり、図10のS10〜S12の処理が行われた後は、自動BETの処理(S16、S17)の開始が確定するため、自動BETの処理が開始されるといえる。よって、図13(d)に示すように、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときに、メダルの投入あるいは精算を許容するようにしてもよい。
第1の例として、たとえば、図10のS12においてYESと判定された場合にS18と同様の処理を行ってクレジットカウンタの値が50であるか否かの判定を行った後に、自動BETの処理(S16、S17と同様の処理)が開始されるようにするとともにクレジットカウンタの値が50でないと判定された後においては、その後に開始される自動BETの処理の完了を待つことなく、S20と同様の処理を行った以降において投入されたメダルを検出したときにクレジット加算されるとともに精算スイッチ10への操作を検出したときにクレジット精算されるようにしてもよい。一方、S18と同様の処理を行ってクレジットカウンタの値が50であると判定された後は、S19以降の処理と同様の処理を行うようにしてもよい。
第2の例として、たとえば、メダルの投入あるいは精算を行うための割込処理を実行可能とし、第1の例におけるクレジットカウンタの値が50でないと判定されたとき、あるいは、クレジットカウンタの値が50でないと判定された後において1回目のS16に相当する処理が実行されてからゲーム開始までの間において、上記割込処理の割込みを許可するようにして、所定期間(2msec)ごとに当該割込処理を実行するようにして、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときに、メダルの投入あるいは精算を許容するようにしてもよい。
このように構成した場合であっても、リプレイ入賞が発生した後であってリプレイゲームが開始(リール回転開始)されるまでの間に投入されたメダルであっても、リプレイ入賞による賭数設定(自動BET)が開始されてから後に検出されたメダルである場合には、メダルの検出に応じてクレジット加算させることができる。このため、リプレイ入賞が発生した後におけるクレジット加算が賭数設定の開始よりも先に行われてしまうことを防止できる。その結果、違和感を抱かせることなく、リプレイ入賞が発生した後における遊技者の利便性を向上させることができる。メダルを払い出すのではなくリプレイゲーム(1ゲーム)を付与するというリプレイの機能そのものを残してリプレイの存在意義を維持する一方、クレジットについてはリプレイ入賞後であっても精算操作に応じて払出可能としたことにより、リプレイ入賞後における遊技者の利便性をさらに向上させることができる。
[スイッチ入力判定処理]
メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において一定時間間隔ごとにスイッチ類の検出状態が変化したか否かを判定するスイッチ入力判定処理を行う。スイッチ入力判定処理において、メイン制御部41は、現在の状態において遊技の進行に関与するスイッチの検出状態が変化し、該スイッチの操作が判定された場合に遊技を進行させる制御を行う。
図14は、メイン制御部41がタイマ割込処理(メイン)において4回ごと(2.24ms)に実行するスイッチ入力判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
メイン制御部41は、取得した各スイッチの入力データを更新し(Sk101)、前回取得した入力データが示す検出状態と今回取得した入力データが示す検出状態とが同じであるか否かをスイッチごとに判定する(Sk102)。メイン制御部41は、いずれのスイッチについても前回の入力データが示す検出状態と今回の入力データが示す検出状態とが同じでなければ(Sk102でN)、全てのスイッチに対応するエッジデータをクリアし(Sk105)、スイッチ入力判定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、いずれかのスイッチについて前回の入力データが示す検出状態と今回の入力データが示す検出状態とが同じ場合、すなわち2.24msの間、検出状態が同じ状態を示している場合には(Sk102でY)、該当するスイッチの確定データを更新する(Sk103)。このSk103のステップにおいて、メイン制御部41は、今回の確定データを前回の確定データに移動し、前回と今回が同じと判定された入力データが示す検出状態を今回の確定データとして設定する。
次に、メイン制御部41は、全てのスイッチについて更新後の前回の確定データと今回の確定データとが同じか否かを判定する(Sk104)。メイン制御部41は、全てのスイッチについて前回の確定データと今回の確定データとが同じであれば(Sk104でY)、全てのスイッチに対応するエッジデータをクリアし(Sk105)、スイッチ入力判定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、いずれか1つのスイッチでも前回の確定データと今回の確定データとが異なっていれば(Sk104でN)、前回の確定データと今回の確定データとが異なるスイッチについてOFFからONに変化したかを判定する(Sk106)。メイン制御部41は、OFFからONに変化したスイッチがなければ(Sk106でN)、Sk108のステップに進み、OFFからONに変化したスイッチがある場合には(Sk106でY)、該当するスイッチがOFFからONに変化した旨を示す立上りエッジを設定した後(Sk107)、Sk108のステップに進む。
メイン制御部41は、前回の確定データと今回の確定データとが異なるスイッチについてONからOFFに変化したかを判定する(Sk108)。メイン制御部41は、ONからOFFに変化したスイッチがなければ(Sk108でN)、Sk110に進み、ONからOFFに変化したスイッチがある場合には(Sk108でY)、該当するスイッチがONからOFFに変化した旨を示す立下りエッジを設定し(Sk109)、Sk110のステップに進む。
メイン制御部41は、前回の確定データと今回の確定データとが同じスイッチがあるか否かを判定し(Sk110)、前回の確定データと今回の確定データとが同じスイッチがなければ(Sk110でN)、スイッチ入力判定処理を終了し、前回の確定データと今回の確定データとが同じスイッチがあれば(Sk110でY)、該当するスイッチのエッジデータのみをクリアしたうえで(Sk111)、スイッチ入力判定処理を終了する。
このように、スイッチ判定処理により、前回のスイッチ入力判定処理から今回のスイッチ入力判定処理までの一定時間、すなわち2.24msの間、操作の継続されたスイッチについて立上りエッジデータまたは立下りエッジデータが設定される。これらの設定された立上りエッジデータ、立下りエッジデータに基づき基本処理(たとえば、リール回転処理)においてスイッチ類の検出状態の変化(たとえば、リール回転処理では、ストップスイッチ8L、8C、8RのOFFからONの変化)が判定可能となる。なお、スイッチ判定処理は、ストップスイッチ8L、8C、8Rを含むスイッチ類ごとに順次実行されて、立上りまたは立下りエッジデータが設定、あるいはクリアされるので、たとえば、中ストップスイッチと右ストップスイッチが同時に検出状態が変化した場合など、複数のスイッチに係るエッジデータが同時に設定され得る。
[リール回転処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS3で実行するリール回転処理について説明する。図14は、メイン制御部が実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
メイン制御部41は、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施の形態においては、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Si1)、ウェイトタイムが経過していなければ(Si1でN)、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
メイン制御部41は、ウェイトタイムが経過していれば(Si1でY)、ウェイトタイムを新たに設定する(Si2)。
メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Lに対応するリールモータ32L、32C、32Rの回転開始の設定を行い、各リールの回転を開始させる(Si3)。その後、メイン制御部41は、内部抽選の結果、いずれかのリールが停止済みであれば停止済みのリールの停止位置に応じて特定された停止制御テーブルに基づいて、回転中のリール別に停止操作位置ごとの滑りコマ数を設定する滑りコマ数設定処理を行い(Si4)、停止準備完了時の設定を行う(Si5)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、各リールの回転速度が定速回転となった時点で、停止操作が有効となる。
メイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの操作が検出されたか否かを判定する(Si6)。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されているか否かは、対応するストップスイッチの立上りエッジが設定されているか否かにより判定する。メイン制御部41は、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ(Si6でN)、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(Si7)。メイン制御部41は、リール回転エラーが発生していなければ(Si7でN)、投入エラー(ここでは、メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か(Si8)、および払出エラー(メダルの払い出しが許可されている期間以外で、メダルの払い出しを検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si9)、Si8、Si9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Si6のステップに戻る。
メイン制御部41は、投入エラーの発生が判定された場合(Si8でY)、または払出エラーが判定された場合には(Si9でY)、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Si10)、エラー処理に移行する(Si11)。メイン制御部41は、エラーが解除された後に、Si6のステップに戻る。
メイン制御部41は、リール回転エラーの発生が判定された場合には(Si7でY)、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Si12)、エラー処理に移行する(Si13)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。メイン制御部41は、エラーが解除された場合には、Si3のステップに戻り、リールの回転を再開させる。
一方、メイン制御部41は、いずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には(Si6でY)、右リールに対応するストップスイッチ8Rの操作が検出されたか否か(ストップスイッチ8Rの立上りエッジが設定されているか否か)を判定する(Si14)。メイン制御部41は、右リールに対応するストップスイッチ8Rの操作が検出された場合には(Si14でY)、右リールに対応するリールモータ32Rについてその時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得して、停止させる右リールに対応するワークに取得したステップ数を設定する(Si15)。
メイン制御部41は、右リールに対応するストップスイッチ8Rの操作が検出されなかった場合には(Si14でN)、中リールに対応するストップスイッチ8Cの操作が検出されたか否か(ストップスイッチ8Cの立上りエッジが設定されているか否か)を判定する(Si17)。メイン制御部41は、中リールに対応するストップスイッチ8Cの操作が検出された場合には(Si17でY)、中リールに対応するに対応するリールモータ32Cについてその時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得して、停止させる中リールに対応するワークに取得したステップ数を設定する(Si18)。
一方、メイン制御部41は、中リールに対応するストップスイッチ8Cの操作が検出されなかった場合(ストップスイッチ8Lの立上りエッジが設定されている場合)には(Si17でN)、左リールに対応するストップスイッチ8Lに対応するリールモータ32Lについてその時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得して、停止させる左リールに対応するワークに取得したステップ数を設定する(Si19)。
次に、メイン制御部41は、複数のストップスイッチの操作が同時に検出されたか否か、すなわちストップスイッチに対応する立上りエッジが複数設定されているか否かを判定する(Si20)。複数のストップスイッチの操作が同時に検出された場合には(Si20でY)、複数のストップスイッチが同時に検出された旨を示す同時操作コマンドをコマンドキューに設定し、その後のタイマ割込処理(メイン)にてサブ制御部91に送信するとともに(Si21)、複数のストップスイッチが同時に検出された回数を示す同時操作エラーカウンタの値に1加算する(Si22)。その後、メイン制御部41は、全てのストップスイッチのエッジデータをクリアする(Si23)。
一方、メイン制御部41は、複数のストップスイッチの操作が同時に検出されなかった場合には(Si20でN)、同時操作コマンドの送信や同時操作エラーカウンタの加算を行うことなく、全てのストップスイッチのエッジデータをクリアする(Si23)。
メイン制御部41は、Si15、Si18、あるいはSi19のステップでワークに停止操作位置が設定されることにより、その後のタイマ割込処理(メイン)において該当するリールの停止制御を行い、該停止制御によりリールの回転が停止するまで待機する(Si24)。メイン制御部41は、該当するリールが停止した後、全てのリールが停止したか否かを判定する(Si25)。メイン制御部41は、全てのリールが停止していなければ(Si25でN)、Si4のステップに戻る。一方、メイン制御部41は、全てのリールが停止していれば(Si25でY)、同時操作エラーカウンタの値が所定値(本実施の形態においては、2)に達したか否かを判定する(Si26)。
メイン制御部41は、同時操作エラーカウンタの値が所定値に達していない場合には(Si26でN)、リール回転処理を終了する。一方、メイン制御部41は、同時操作エラーカウンタの値が所定値に達している場合には(Si26でY)、同時操作エラーを示す旨の同時操作エラーコードをレジスタにセットしたうえで(Si27)、エラー処理に進む(Si28)。Si28のステップのエラー処理では、同時操作エラーが発生した旨を示す同時操作エラーコマンドがコマンドキューに設定され、サブ制御部91に対して送信される。その後、エラー状態が解除されることで、リール回転処理を終了する。
このように、リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作の検出されていないリールの回転が継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御が行われる。
なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転が継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御が行われる。
リール回転処理では、いずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、右リール2Rに対応するストップスイッチ8R、中リール2Cに対応するストップスイッチ8C、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lの順番で、ストップスイッチの操作が検出された旨が判定される。このため、右リール2Rに対応するストップスイッチ8Rと他のリールに対応するストップスイッチ(左リール2Lに対応するストップスイッチ8L、中リール2Cに対応するストップスイッチ8C)の操作が同時に検出された場合には、右リール2Rに対応するストップスイッチ8Rの操作が有効な停止操作と判定され、他のストップスイッチの操作が有効な停止操作として判定されず、中リール2Cに対応するストップスイッチ8Cと左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lの操作が同時に検出された場合には、中リール2Cに対応するストップスイッチ8Cの操作が有効な停止操作と判定され、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lの操作が有効な停止操作として判定されない。
これにより、複数のストップスイッチの操作が同時に検出された場合には、右リール2R、中リール2C、左リール2Lの優先順位で最も優先順位の高いリールに対応するストップスイッチによる停止操作のみを有効な操作として受け付けて停止操作に対応するリールの停止制御が行われる。一方、他のリールに対応するストップスイッチによる停止操作については有効な停止操作としては受け付けられず、対応するリールの停止制御も行われない。
リール回転処理では、複数のストップスイッチの操作が同時に検出されると、サブ制御部91に対してその旨を示す同時操作コマンドが送信される。これにより、サブ制御部91により、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、いずれか複数のストップスイッチが同時に操作されたことが特定される。
さらに、リール回転処理では、複数のストップスイッチの操作が同時に検出されると、同時操作エラーカウンタの値が加算され、同時操作エラーカウンタの値が所定値に達した場合に、同時操作エラーが発生したと判断してエラー処理に移行する。このときのエラー処理では、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が無効化(操作自体が無効、操作は有効であるが該操作に対応する信号が検出されないなど)され、遊技の進行が不能となる。さらに、メイン制御部41からサブ制御部91に対してエラー報知コマンドが送信される。これにより、サブ制御部91により、スピーカ53、54から同時操作エラーの発生を報知する警告音が出力される。
このように、ATに制御されていないゲームにおいて、推奨停止順、すなわち左リールを第1停止とする停止順以外の停止順でリールが停止されたときには、ナビストック抽選の実行が制限されるペナルティ期間に制御される。
複数のストップスイッチの操作が同時に検出された結果、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順でリールが停止された場合には、同時操作警告報知が実行される。これにより、同時操作が検出されたことが外部から認識できる。
本実施の形態においては、スイッチ判定処理においてストップスイッチ8L、8C、8Rを含む全てのスイッチ類の検出状態の変化が順次判定されて、いずれかのスイッチ類の検出状態に変化が判定された場合には、該変化を特定可能なエッジデータが設定される。これらの設定されたエッジデータに基づいて基本処理においてゲームを進行させる制御が行われる。
このような構成においては、スイッチ判定処理において他のスイッチ類の検出状態と関連することなく、いずれかのスイッチ類の検出状態の変化が判定される。このため、たとえば、複数のストップスイッチの検出状態の変化が同時に判定される場合など、複数のスイッチに対応するエッジデータが同時に設定され得る、すなわち複数のスイッチの操作が同時に判定され得る。しかし、たとえば、ストップスイッチは、通常の態様で遊技を行っていれば同時に操作されることはなく、仮に同時に操作されても人の操作によって該操作が全く同時に検出されることは希であり、普通に遊技を行っている状態であれば生じ得ない事象である。このため、何らかの不正がされている可能性がある。
これに対して、本実施の形態においては、ATに制御されている場合を除いて、推奨停止順(本実施の形態においては、左第1停止)にて停止操作が行われた場合に、ナビストック抽選の実行が制限されるペナルティ期間に制御されることで遊技者にとって不利益を発生させる。
さらに、複数のストップスイッチの操作が同時に検出された場合には、右リール、中リール、左リールの優先順位で最も優先順位の高いリールに対応するストップスイッチによる停止操作のみを有効な操作として受け付けて、停止操作に対応するリールを停止する制御が行われる。全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合には、遊技者に対して不利益が発生し得る中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作のみを有効に受け付けて、該ストップスイッチに対応するリールを停止する制御が行われる。全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合、すなわち何らかの不正行為が行われている可能性が疑われる場合には、遊技者にとって不利益が発生し得るため、遊技者による不正行為を抑制することができる。
本実施の形態においては、複数のストップスイッチの操作が同時に検出された回数が所定値(本実施の形態においては、2)に達した場合に、同時操作エラーのエラー状態に制御して遊技の進行を不能化させる。このため、不正行為がされた可能性が疑われる事象が発生しているにもかかわらず、遊技が続行できてしまうことを防止できる。
本実施の形態においては、全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合にも、全リール回転中においてともに推奨停止順に一致しない中リールに対応するストップスイッチの操作と、右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合にも、右リール、中リール、左リールの順番で対応するストップスイッチの操作が検出されたか否かが判定される。すなわち、全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合にも、全リール回転中においてともに推奨停止順に一致しない中リールに対応するストップスイッチの操作と、右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合にも、優先して停止操作を受け付けるリールの優先順位が一律に定められている。このため、複数のストップスイッチが同時に検出されたときの状況に応じて優先して停止操作を受け付けるリールの優先順位が変化するようなことがないため、複数のストップスイッチが同時に検出されたことに伴うリールの停止制御を簡素化できる。
[画像判定処理]
次に、図16を参照しながら、メイン制御部41が実行する画像判定処理について説明する。
メイン制御部41は、メダルセレクタ29内の通過センサ70aがONされたか否かを判定する(S101)。つまり、メイン制御部41は、メダル投入口4へ投入された投入物が通過センサ70aにより検出されたか否かを判定する。メイン制御部41は、通過センサ70aがONされていないと判定したときには(S101でN)、画像判定処理を終了する。一方、メイン制御部41は、通過センサ70aがONされたと判定したときには(S101でY)、撮影領域にある投入物を撮影カメラ70bで撮影する(S102)。このとき撮影された投入物の画像のデータは、RAM41cの所定領域に一時的に記憶される。
メイン制御部41は、撮影カメラ70bの撮影によって得られた画像を用いて、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致するか否かを判定する(S103)。この処理において、メイン制御部41は、S102でRAM41cの所定領域に一時的に記憶された投入物の画像データに基づく画像と、店員などによって予めRAM41cの所定領域に記憶された正規メダルの画像データに基づく画像とを比較して、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致するか否かを判定する。
S103の処理において判定される形状としては、少なくとも外形および径などが含まれる。本実施の形態における正規メダルは、1枚あたり20円の価値を有するメダルであり、外形は円形、直径は25mmである。メイン制御部41は、画像判定の際、投入物の外形および径を特定し、特定した外形および径の全てが正規メダルの外形および径と一致すれば、投入物を正規メダルであると判定し、外形および径のうちのいずれか一つでも正規メダルの外形および径と異なれば、投入物を正規メダル以外の異物と判定する。たとえば、投入物の外形が四角形や楕円形など円形以外であれば、投入物の外形と正規メダルの外形とが一致しないと判定される。投入物の直径が25mmより0.1mm以上大きい場合や0.1mm以上小さい場合、すなわち投入物の直径が25.1mm〜24.9mmの範囲でなければ、投入物の直径と正規メダルの直径とが一致しないと判定される。
本実施の形態においては、図17(b)に示すように、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致しないと1回でも判定されたとき(本実施の形態においては、1回の投入ごとに1回判定される)に、エラー条件が成立して投入エラーが発生したと判断される。
メイン制御部41は、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致しないと判定したときには(S104でN)、投入エラーが発生したと判断してエラーフラグをRAM41cの所定領域にセットする(S105)。メイン制御部41は、エラーフラグをセットすることによって、投入エラーの発生に対応したエラー処理に移行する。このときのエラー処理では、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が無効化(操作自体が無効、操作は有効であるが該操作に対応する信号が検出されないなど)され、遊技の進行が不能となる。
メイン制御部41は、エラーフラグをセットした後、サブ制御部91に対してエラー報知コマンドを送信する(S106)。これにより、投入エラーの発生に対応したエラー処理として、サブ制御部91により投入エラーが発生したことが報知される。
メイン制御部41は、画像判定における判定結果(投入エラーが発生した日時、および投入エラーの発生によってエラー処理を行った回数のカウント結果を含む)をRAM41cの所定領域に格納された履歴情報記憶テーブルに記憶する(S107)。その後、メイン制御部41は、画像判定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致すると判定したときには(S104でY)、撮影カメラ70bの撮影によって得られた画像を用いて、投入物の色彩および模様と正規メダルの色彩および模様とが一致するか否かを判定する(S108)。
S108の処理において判定される色彩としては、少なくとも明度(色の明るさ)、彩度(色みの強さ)、および色相(色みの違い)などが含まれる。さらに、S108の処理において判定される模様としては、少なくとも表面に描かれた絵柄、図形、および文字などが含まれる。メイン制御部41は、画像判定の際、投入物の色彩(明度、彩度、色相)および模様(絵柄、図形、文字)を特定し、特定した色彩および模様と正規メダルの色彩および模様との相違度合を判定する。相違度合としては、投入物の色彩および模様と正規メダルの色彩および模様とが最も相違する度合が低い相違レベル1と、最も相違する度合が高い相違レベル3と、相違レベル1と相違レベル3との中間の相違度合である相違レベル2が設けられている。
本実施の形態においては、図17(b)に示すように、相違レベル1の投入物が5分以内に3回検出されたとき、相違レベル2の投入物が5分以内に2回検出されたとき、または相違レベル3の投入物が5分以内に1回検出されたときに、エラー条件が成立して投入エラーが発生したと判断される。
メイン制御部41は、画像判定における判定結果(画像判定によって判定した色彩および模様の相違度合に応じて、検出日時、および色彩および模様が不一致であると判定した回数のカウント結果を含む)をRAM41cの所定領域に格納された履歴情報記憶テーブルに記憶する(S109)。
メイン制御部41は、エラー条件が成立したか否かを判定する(S110)。メイン制御部41は、エラー条件が成立したと判定したときには(S110でY)、投入エラーが発生したと判断してエラーフラグをRAM41cの所定領域にセットする(S105)。その後、メイン制御部41は、S109およびS110の処理を実行して画像判定処理を終了する。
メイン制御部41は、エラー条件が成立していないと判定したときには(S110でN)、画像判定処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、投入物の色彩および模様と正規メダルの色彩および模様とが一致しないと判定されたとき(本実施の形態においては、1回の投入ごとに1回判定される)でも、すぐには投入エラーが発生したと判断されず、相違度合に応じて設定されたエラー条件が成立したときに投入エラーが発生したと判断される。
[画像判定における判定結果の履歴]
ここで、図17を参照しながら、履歴情報記憶テーブルに記憶された画像判定における判定結果の履歴について説明する。
図17(a)に示すように、履歴情報記憶テーブルには、画像判定における判定結果の履歴として、検出日時およびエラー日時に対応して、形状が不一致であると判定された回数のカウント結果を示す情報と、相違レベル1〜3ごとに投入物の色彩および模様が不一致であると判定された回数のカウント結果を示す情報と、投入エラーの発生によってエラー処理を行った回数のカウント結果を示す情報とが格納されている。
たとえば、2014年4月1日の19時10分00秒に、投入物の形状が不一致であると判定されたときには、形状不一致のカウント欄に「1」の情報が格納される。さらに、同時刻においては、投入物の形状が不一致であると1回判定されたことに基づき投入エラーが発生したと判断されて、投入エラーのカウント欄に「1」の情報が格納される。なお、投入エラーが発生したときには、形状不一致のカウント欄は「0」にリセットされる。
2014年4月3日の12時05分20秒に、投入物の色彩および模様の相違度合が相違レベル1であると判定されたときには、相違レベル1のカウント欄に「1」の情報が格納される。その後、12時07分30秒に、投入物の色彩および模様の相違度合が相違レベル1であると判定されたときには、相違レベル1のカウント欄が更新されて「2」の情報が格納される。12時10分20秒になったときには、12時05分20秒から5分経過しているため、12時05分20秒に行われたカウントがリセットされて相違レベル1のカウント欄の情報が「1」に戻される。さらに、12時12分30秒になったときには、12時07分30秒から5分経過しているため、12時07分30秒に行われたカウントがリセットされて相違レベル1のカウント欄の情報が「0」に戻される。
さらにその後、同じ日の2014年4月3日の13時30分00秒に、投入物の色彩および模様の相違度合が相違レベル1であると判定されたときには、相違レベル1のカウント欄に「1」の情報が格納される。その後、13時32分10秒に、投入物の色彩および模様の相違度合が相違レベル1であると判定されたときには、相違レベル1のカウント欄が更新されて「2」の情報が格納される。その後、13時34分30秒に、投入物の色彩および模様の相違度合が相違レベル1であると判定されたときには、相違レベル1のカウント欄が更新されて「3」の情報が格納される。さらに、同時刻においては、相違レベル1の投入物が5分以内に3回検出されたことに基づき投入エラーが発生したと判断されて、投入エラーのカウント欄に「1」の情報が格納される。なお、投入エラーが発生したときには、相違レベル1のカウント欄は「0」にリセットされる。
2014年4月7日の16時40分15秒に、投入物の色彩および模様の相違度合が相違レベル2であると判定されたときには、相違レベル2のカウント欄に「1」の情報が格納される。16時45分15秒になったときには、16時40分15秒から5分経過しているため、16時40分15秒に行われたカウントがリセットされて相違レベル2のカウント欄の情報が「0」に戻される。
さらにその後、同じ日の2014年4月7日の16時50分10秒に、投入物の色彩および模様の相違度合が相違レベル2であると判定されたときには、相違レベル2のカウント欄に「1」の情報が格納される。その後、16時53分35秒に、投入物の色彩および模様の相違度合が相違レベル2であると判定されたときには、相違レベル2のカウント欄に「2」の情報が格納される。さらに、同時刻においては、相違レベル2の投入物が5分以内に2回検出されたことに基づき投入エラーが発生したと判断されて、投入エラーのカウント欄に「1」の情報が格納される。なお、投入エラーが発生したときには、相違レベル2のカウント欄は「0」にリセットされる。
さらにその後、同じ日の2014年4月7日の18時30分20秒に、投入物の色彩および模様の相違度合が相違レベル3であると判定されたときには、相違レベル3のカウント欄に「1」の情報が格納される。さらに、同時刻においては、相違レベル3の投入物が5分以内に1回検出されたことに基づき投入エラーが発生したと判断されて、投入エラーのカウント欄に「2」の情報が格納される。なお、投入エラーが発生したときには、相違レベル3のカウント欄は「0」にリセットされる。
このように、投入物の画像判定において、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致しないと判定された回数がカウントされ、検出日時に対応してカウント結果の情報が蓄積して記憶される。投入物の色彩および模様と正規メダルの色彩および模様とが一致しないと判定された回数が相違レベルごとにカウントされ、検出日時に対応してカウント結果の情報が蓄積して記憶される。さらに、投入エラーが発生したと判断されてエラー処理が行われた回数がカウントされ、検出日時に対応してカウント結果の情報が蓄積して記憶される。
ここで、本実施の形態における正規メダルは、1枚あたり20円の価値を有するメダルであるが、20円よりも安価な5円の価値を有するメダルを用いて遊技を行えば、正規メダルを用いて遊技を行う遊技者よりも得になる。あるいは、メダル投入口4へ特殊な器具を投入するとメダルセレクタ29内に留まり、正規メダルを投入することなしに賭数の設定やクレジットの加算をすれば(いわゆるゴト行為)、正規メダルを用いて遊技を行う遊技者よりも得になる。しかし、このような行為は、不正行為であり、排除されなければならない。また、正規メダルとは異なる異物(たとえば、10円玉などの硬貨)を誤ってメダル投入口4へ投入してしまう場合もあり、このような過誤行為も排除されなければならない。
この点、本実施の形態においては、画像判定によって、メダル投入口4へ投入された投入物が正規メダルではないと判定されたときには、投入エラーが発生したと判断されて、遊技の進行が不能になるとともに、エラー報知が行われる。このため、不正行為や過誤行為を排除することができる。
しかも、投入物の画像判定において、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致しないと判定された回数のカウント結果、投入物の色彩および模様と正規メダルの色彩および模様とが一致しないと判定された回数のカウント結果、および投入エラーが発生したと判断されてエラー処理が行われた回数のカウント結果が、発生日時とともに履歴として記録に残る。このため、スロットマシン1を設置する店舗の店員は、不正行為や過誤行為などの履歴を確認することができ、不正行為や過誤行為に対する対策を講じることができる。
たとえば、ある特定の台のスロットマシン1において、正規メダルの形状と一致しない投入物が頻繁に検出されているときには、その特定の台を遊技する遊技者が不正行為を行っている可能性が高いため、特定の台を遊技する遊技者の行為に注意することができる。あるいは、複数の台のスロットマシン1において、色彩および模様の相違度合が相違レベル1である投入物が頻発に検出されているときには、不正行為の場合も考えられるが、単にメダルが汚れている可能性もあり、この場合は、メダルが汚れているか否かを調べればよい。
本実施の形態においては、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致しないときには、1回の検出で投入エラーが発生したと判断される。このため、形状の違いのように、投入物が正規メダルでないと明らかに判断できるときには、即座に投入エラーの発生に応じたエラー処理を実行することができる。
一方、投入物の色彩および模様と正規メダルの色彩および模様とが一致しないときには、相違度合に応じて設定されたエラー条件に基づき、複数回検出されたときに投入エラーが発生したと判断されることがある。このため、色彩および模様の違いのように、投入物が正規メダルではないと即座に判断することが難しいときには、複数回の検出を経た後に投入エラーが発生したと判断して、エラー処理の実行精度を高めることができる。しかも、メダル投入口4へ投入された投入物が正規メダルではないと判定されるごとに、頻繁に投入エラーの発生に対応するエラー処理が行われることがないため、遊技者に不満を感じさせることがない。
[エラー報知画面]
図18(a)は、投入エラーが発生したことを報知するエラー報知画面を説明するための図である。
サブ制御部91は、メイン制御部41の画像判定処理において、投入エラーが発生したと判断されたときに送信されるエラー報知コマンドを受信したときには、液晶表示器51の画面上にエラー報知画面を表示する。
エラー報知画面においては、「エラー発生!!異物を検出しました」という文字が表示される。これにより、投入エラーが発生したことを遊技者や店員などに報知することができる。
[履歴確認画面]
図18(b)は、画像判定における判定結果の履歴を確認できる履歴確認画面を説明するための図である。
サブ制御部91は、設定キースイッチ37の操作に基づき、メイン制御部41が設定変更状態および設定確認状態に移行する際に送信する設定変更コマンドを受信したときには、液晶表示器51の画面上に選択画面を表示する。
選択画面においては、「設定確認モード」、「設定変更モード」、および「履歴確認モード」という文字が表示されるとともに、いずれかのモードを指す矢印が表示される。店員は、たとえば、ストップスイッチ8Lなどの操作手段を操作することによって、矢印を上下に移動させていずれかのモードを選択し、スタートスイッチ7などの操作手段を操作することによって、選択しているモードに移行することを決定できる。
この選択画面において履歴確認モードを選択したときには、画像判定における判定結果の履歴を確認することができる。たとえば、図18(b)の例では、液晶表示器51の画面上に、2014年4月7日の判定結果の履歴が表示されている。
このように、本実施の形態においては、設定変更や設定確認するときに、画像判定における判定結果の履歴を確認することができる。このため、店員は、設定変更や設定確認するタイミングで不正行為や過誤行為などの履歴も確認することができ、利便性が向上する。
[流路切替処理]
次に、図19を参照しながら、メイン制御部41が実行する流路切替処理について説明する。
メイン制御部41は、メダルセレクタ29内の通過センサ70aがONされたか否かを判定する(S121)。すなわち、メイン制御部41は、メダル投入口4へ投入された投入物が通過センサ70aにより検出されたか否かを判定する。メイン制御部41は、通過センサ70aがONされていないと判定したときには(S121でN)、流路切替処理を終了する。一方、メイン制御部41は、通過センサ70aがONされたと判定したときには(S121でY)、返却スイッチ60が操作されたか否かを判定する(S122)。すなわち、メイン制御部41は、通過センサ70aによって検出された投入物が返却スイッチ60の操作によって返却を促された投入物であるか否かを判定する。
メイン制御部41は、返却スイッチ60が操作されたと判定したときには(S122でY)、投入エラーの発生によるエラーフラグがセットされたか否かを判定する(S123)。すなわち、メイン制御部41は、返却スイッチ60の操作によって返却を促された投入物が正規メダルであるか否かを判定する。
メイン制御部41は、エラーフラグがセットされたと判定したときには(S123でY)、返却を促された投入物が異物であるため、返却されないように流路切替ソレノイド30をONしてホッパータンク34a側に流路を形成する(S124)。さらに、メイン制御部41は、投入メダルセンサ31をOFFにして(S125)、投入物(この場合は、異物)によって賭数の設定やクレジットの加算が行われないようにする。その後、メイン制御部41は、流路切替処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、エラーフラグがセットされていないと判定したときには(S123でN)、返却を促された投入物が正規メダルである可能性が高いため、スロットマシン1の外部に排出されるように流路切替ソレノイド30をOFFしてメダル排出口9側に流路を形成する。その後、メイン制御部41は、流路切替処理を終了する。
メイン制御部41は、S122の処理において、返却スイッチ60が操作されていないと判定したときには(S122でN)、流路切替ソレノイド30をONしてホッパータンク34a側に流路を形成する(S127)。その後、メイン制御部41は、投入エラーの発生によるエラーフラグがセットされたか否かを判定する(S128)。すなわち、メイン制御部41は、通過センサ70aによって検出された投入物が正規メダルであるか否かを判定する。
メイン制御部41は、エラーフラグがセットされたと判定したときには(S128でY)、投入物が異物であるため、投入メダルセンサ31をOFFにして(S129)、投入物(この場合は、異物)によって賭数の設定やクレジットの加算が行われないようにする。その後、メイン制御部41は、流路切替処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、エラーフラグがセットされていないと判定したときには(S128でN)、投入物が正規メダルである可能性が高いため、投入メダルセンサ31をONにして(S130)、投入物(この場合は、正規メダル)によって賭数の設定やクレジットの加算が行われるようにする。その後、メイン制御部41は、流路切替処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、返却スイッチ60の操作によって投入物の返却が促された場合でも、該投入物が異物であれば、ホッパータンク34a内に溜まってスロットマシン1内に保持される。このため、たとえば、特殊な器具を用いた不正行為が行われていても、返却されることがなく、不正行為の証拠を回収することができる。
さらに、メダル投入口4へ投入された投入物が異物であれば、投入メダルセンサ31によって検出されないため、異物を用いて賭数の設定やクレジットの加算が行われることがない。
[擬似遊技]
次に、図20を参照しながら、本実施の形態において実行されるチェリー当選時におけるフリーズ中の擬似遊技について説明する。
本実施の形態においては、チェリー当選したときにフリーズを実行するか否かのフリーズ抽選が行われ、該フリーズ抽選で当選したときには、フリーズが実行される。フリーズが実行されたゲームにおいては、擬似遊技が行われる。
図20(a)に示すように、フリーズが実行されたゲームにおいては、遊技開始のためのスタートスイッチ7が操作されたときに、リールの回転と同時に遊技者に対して7揃い出目を導出させる演出(液晶表示器51の画面上に「7を揃えろ!!」の文字画像を表示)が実行される。これにより、遊技者に対して入賞ラインLN上に黒7、網7、および白7のいずれかを揃えるように促すことができる。
さらに、メイン制御部41は、リールが定速回転となった後、1枚BETスイッチ5、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与しない操作として受付可能とする。この際、サブ制御部91は、1枚BETスイッチ5に内蔵された演出用停止LED57aと、ストップスイッチ8L、8C、8R各々に内蔵された演出用停止LED57b〜57dとを点灯させる。これにより、1枚BETスイッチ5やストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作が遊技者に促される。
フリーズ中における演出用停止LED57aの点灯態様と、非フリーズ中におけるBETスイッチ有効LED21の点灯態様とは、異なる点灯態様(たとえば、輝度、色、一方が点灯に対して他方が点滅など)である。このため、遊技者は、演出用停止LED57aが点灯しても、1枚BETスイッチ5の操作がゲームの進行に関与する操作として受付可能となった場合と区別できる。フリーズ中における演出用停止LED57b〜57dの点灯態様と、非フリーズ中における停止有効LED22L〜22Rの点灯態様とは、異なる点灯態様(たとえば、輝度、色、一方が点灯に対して他方が点滅など)である。このため、遊技者は、演出用停止LED57b〜57dが点灯しても、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与する操作として受付可能となった場合と区別できる。なお、フリーズ中に点灯させる演出用停止LED57a〜57dを設けることなく、フリーズ中においても、非フリーズ中において点灯させるBETスイッチ有効LED21や停止有効LED22L〜22Rを非フリーズ中と異なる点灯態様で点灯させるものであってもよい。
メイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちのいずれかが操作されたときには、当該スイッチに対応するリールを停止させる。この際、完全にリールが停止することなく、目標の停止位置を導出させた後、リールを上下に振動させる制御が一定時間にわたり行われる。さらに、第3停止に対応する図柄が導出されるときには、目標の停止位置よりも0.5コマ(半図柄分)ずれて図柄が停止する。
たとえば、図20(b)に示すように、第1停止としてストップスイッチ8Lが操作されたときには、リール2Lにおける入賞ラインLN上に黒7の図柄が導出するとともに、リールが上下に振動する。第1停止操作が行われたときには、当該操作に応じて、ストップスイッチ8Lへの操作が無効化されるとともに、ストップスイッチ8Lに対応する演出用停止LED57bが消灯する。
図20(c)に示すように、第2停止としてストップスイッチ8Cが操作されたときには、リール2Cにおける入賞ラインLN上に黒7の図柄が導出するとともに、リールが上下に振動する。第2停止操作が行われたときには、当該操作に応じて、ストップスイッチ8cへの操作が無効化されるとともに、ストップスイッチ8Cに対応する演出用停止LED57cが消灯する。
図20(d)に示すように、第3停止としてストップスイッチ8Rが操作されたときには、リール2Rにおける入賞ラインLNよりも下方に黒7の図柄が導出するとともに、リールが上下に振動する。さらに、第3停止されたときには、第1停止や第2停止時に導出される入賞ラインLN上の位置から0.5コマ(半図柄分)下方にずれた位置に黒7の図柄が導出する。第3停止操作が行われたときには、当該操作に応じて、ストップスイッチ8Rへの操作が無効化されるとともに、ストップスイッチ8Rに対応する演出用停止LED57dが消灯する。
一方、メイン制御部41は、いずれのストップスイッチも操作されていない状態(第1停止前)において、1枚BETスイッチ5が操作されたときには、リール2L、2C、2Rを所定順に完全停止させる制御を行う。
たとえば、図20(e)に示すように、1枚BETスイッチ5が操作されたときには、1回の操作に基づき、リール2Lおよびリール2Cにおける入賞ラインLN上に黒7の図柄が導出し、リール2Rにおける入賞ラインLN上の位置から0.5コマ(半図柄分)下方にずれた位置に黒7の図柄が導出する。この際、ストップスイッチが操作されたときとは異なり、リールは上下に振動しない。
図20(f)に示すように、メイン制御部41は、フリーズ中においてストップスイッチ8L、8C、8Rまたは1枚BETスイッチ5が操作されて、全てのリールを仮停止した後は、フリーズを終了する。その後、メイン制御部41は、再び全てのリールの回転を開始し、定速回転となったときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能にする。これにより、停止操作が有効化され、サブ制御部91によって、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯されて、停止操作が有効となった旨が報知される。さらに、サブ制御部91は、ナビストックの付与の可能性を報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「ナビストック獲得かも」の文字画像を表示する。これにより、遊技者に対して、ナビストックの付与を期待させることができる。
このように、ストップスイッチの操作によりリールが停止された場合には、リールを上下に振動させるように制御する一方、1枚BETスイッチ5の操作によりリールが停止された場合には、リールを完全停止させるように制御する。なお、この場合の完全停止とは、フリーズ中における図柄の仮停止であって、非フリーズ中と同様に振動させることなく停止させることをいう。
さらに、1枚BETスイッチ5やストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となり、第1停止時および第2停止時においては入賞ラインLN上に図柄を停止させ、第3停止時においては入賞ラインLNよりも下方へ0.5コマ(半図柄分)ずれた位置に図柄を停止させるように制御する。なお、フリーズ中に停止された図柄の組合せは、入賞判定の対象とはならない。
[フリーズ実行時の各部の動作状況]
次に、フリーズ実行時のリール2L、2C、2Rを駆動するリールモータ32L、32C、32Rの位相信号の変化状況、停止有効LED22L、22C、22Rの点灯/消灯状況、演出用停止LED57a、57b、57c、57dの点灯/消灯状況について説明する。
なお、図21〜図24では、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号の変化状況と、停止有効LED22L、22C、22Rの点灯/消灯状況と、演出用停止LED57b、57c、57dの点灯/消灯状況とについて、その代表例として、最終停止操作(第3停止操作)により停止される最終停止リールに対応する、リールモータの位相信号の変化状況と、停止有効LEDの点灯/消灯状況と、演出用停止LEDの点灯/消灯状況とを示す。
図21に示すように、フリーズが実行されない場合には、スタートスイッチ7の操作に伴うゲームの開始後、リールモータ32L〜32Rの位相信号が変化して、全てのリールの回転が開始する。その後、全てのリールが定速回転となったときに停止操作が有効となり、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯する。
この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rが停止操作されたときには、対応するリールが停止するように制御され、リールが停止した後、対応するリールモータの全ての励磁相がOFFとなり、位相信号が変化しない状態となる。さらに、最終停止操作がされたときには、最終停止操作に対応する最終停止リールが停止するように制御され、リールが停止した後、対応するリールモータの全ての励磁相がOFFとなり、位相信号が変化しない状態となる。この状態は、少なくとも約500ms(タイマ割込処理が224回実行される期間)以上継続する。
なお、この約500msの期間とは、リールの停止制御により全相励磁を開始してからリールが完全に停止するまでの時間よりも長く、さらにリールの停止時に全相励磁が行われる時間よりも長い時間である。さらに、約500msの期間とは、完全にリールが静止し得るのに十分な時間であって、かつ遊技者がリールの停止を認識するのに十分な時間である。
一方、図22に示すように、フリーズが実行された場合には、スタートスイッチ7の操作に伴うゲームの開始後、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号が変化して、全てのリールの回転が開始する。その後、全てのリールが定速回転となったときにゲームの進行に関与しない操作としてストップスイッチ8L、8C、8Rおよび1枚BETスイッチ5の操作が受付可能な状態となる。さらに、演出用停止LED57a〜57dが点灯し、ストップスイッチや1枚BETスイッチ5への操作が促される。
この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rが停止操作されたときには、対応するリールが仮停止するように制御され、導出された停止位置において当該リールが上下に振動するように制御される。このリールを振動させる制御は、全リールが仮停止して再回転するまで継続する。なお、この間、リールモータの位相信号は変化し続ける。
さらに、仮停止するための最終停止操作がされたときには、最終停止操作に対応する最終停止リールが停止するように制御され、導出された停止位置においてリールを上下に振動させる制御が500ms以上の時間にわたり行われる。なお、この間、最終停止されたリールのリールモータを含むリールモータ32L、32C、32Rの位相信号は変化し続ける。
その後、仮停止によって最終停止されたリールを含む全リールの回転が再び開始し、全てのリールが定速回転となったときに停止操作が有効となり、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯する。
この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれか(図22ではフリーズ中に最終停止されたストップスイッチである場合を示す)が停止操作されたときには、ストップスイッチに対応するリールが停止するように制御され、リールが停止した後、当該リールのリールモータの全ての励磁相がOFFとなり、位相信号が変化しない状態となる。この状態は、少なくとも500ms以上継続する。
このように、本実施の形態においては、ストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されて対応するリールが停止した場合には、当該リールの停止後、500ms以上の時間にわたり当該リールを駆動するリールモータの位相信号が変化せず、完全に停止した状態となる。これに対して、フリーズ状態のように、ストップスイッチがゲームの進行に関与しない状態で操作されて対応するリールが停止(最終停止を含む)した場合(ストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似するように制御する場合)には、リールが停止しても上下に振動する態様となるように位相信号を出力し、再度リールが回転するまで位相信号が変化し続ける。この場合には、停止操作によってリールが1ゲームの結果として停止したときには、リールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には必ず位相信号が変化する。このため、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中における演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
次に、図23を参照しながら、フリーズ中において第1停止操作がなされるまでに、1枚BETスイッチ5が操作された場合について説明する。
図23に示すように、スタートスイッチ7の操作に伴うゲーム開始後、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号が変化して、全てのリールの回転が開始する。その後、全てのリールが定速回転となったときにゲームの進行に関与しない操作として1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が受付可能な状態となり、演出用停止LED57a〜57dが点灯する。これにより、ストップスイッチや1枚BETスイッチ5への操作が促される。
この状態で1枚BETスイッチ5が操作されたときには、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの順でリールが停止するように制御され、全リールが完全停止した状態を500ms以上の時間にわたり維持する。この間、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号は変化しない。
その後、再び全リールの回転を開始させ、全てのリールが定速回転となったときに停止操作が有効となり、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯する。
この状態でストップスイッチ8L〜8Rのいずれか(図23ではフリーズ中に最終停止されたストップスイッチ2Rである場合を示す)が停止操作されたときには、ストップスイッチに対応するリールが停止するように制御され、リールが停止した後、当該リールのリールモータの全ての励磁相がOFFとなり、位相信号が変化しない状態となる。この状態は、少なくとも500ms以上継続する。
このように、本実施の形態においては、フリーズ中であるか否かにかかわらず共通のストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより図柄の組合せを導出できるため、フリーズ中の停止操作が分かりにくくなることを防止できる。さらに、非フリーズ中において図柄の組合せを導出させる位置(入賞ラインLN)とは異なる特定位置(下方に半図柄分ずれた位置)に図柄の組合せを導出させることができる。このため、特定位置に導出された仮図柄の組合せを、入賞判定の対象となる図柄の組合せであると遊技者が誤認してしまうことを防止しつつ、導出対象が入賞判定の対象となる図柄の組合せであるか否かを遊技者に認識させることができる。
フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合には、その後、スタートスイッチ7の操作を伴わずに再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となる。このため、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのか、を遊技者に対してさらに明確に認識させることができる。
図20(d)に示したとおり、一のリール(たとえば、右リール)以外のリールについては、非フリーズ中と同じ入賞ラインLN上の所定位置に図柄の組合せが導出する。このため、たとえば、非フリーズ中であるときとフリーズ中であるときとで、全てのリールについて図柄の組合せが導出される位置が異なるなど、図柄の組合せが導出される位置が大きく異なってしまうことを防止できる。
フリーズ中においては、最終停止されるリールについてのみ、非フリーズ中と異なる位置に図柄の組合せが仮導出される。このため、フリーズ中における図柄の組合せであることを遊技者に気付かせやすくすることができる。
各リールの21図柄は、所定間隔で配列されていることを前提として、図20(d)に示すように、特定位置が所定位置から所定間隔の半分以下となる位置となるように設定されている。このように、特定位置は所定位置から所定間隔の半分以下となる位置であるため、フリーズ中でないときとフリーズ中であるときとで図柄の組合せが導出される位置が大きく異なってしまうことを防止できる。
フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、リールが停止しても上下に振動するように位相信号が出力され、再度リールが回転開始するまで位相信号が変化し続ける。リールモータ32L、32C、32Rの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には、必ず位相信号が変化する。これに対して、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しない1枚BETスイッチ5が操作されることで全リールを停止させる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときとは類似しない制御が行われる場合には、リールが停止した際に、500ms以上にわたり位相信号を変化させず、リールが停止した状態を維持する。
このため、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときには、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。さらに、1枚BETスイッチ5の操作を伴うことで、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかが明確な状況においては、リールを500ms以上停止させることで、フリーズ中の演出として導出されたリールの停止位置を遊技者に対して認識させることができる。
フリーズ状態において、前面扉1bを構成する操作パネルの前面、すなわちストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられた面と同一面に設けられた1枚BETスイッチ5が操作されることでリールを停止させる制御が行われる。このため、ストップスイッチ8L、8C、8Rがゲームの進行に関与する状態でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作するとき、すなわち停止操作が有効な状態で停止操作を行うときに近い要領でフリーズ状態においてストップスイッチ8L、8C、8R以外の操作手段による操作を行ってリールを停止させることが可能となるので、遊技者に対して違和感なく当該操作を行わせることができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[正規メダルについて]
本実施の形態においては、スロットマシン1において使用可能な価値を有する正規の遊技媒体であるメダルの例として、1枚あたり20円の価値を有するメダルを用いたが、これに限らない。たとえば、1枚当たり5円の価値を有するメダルを用いてもよい。
正規メダルの形状については、外形が円形であり、かつ直径が25mmであることを例示したが、これに限らない。たとえば、外形が楕円形であるものや、直径が30mmであるものなど、その他の形状を有するメダルを正規メダルとして用いてもよい。
さらに、スロットマシン1における正規メダルは1種類に限らず、複数種類であってもよい。たとえば、本実施の形態における正規メダルとは、形状、色彩、模様、価値などが異なる他の正規メダルを用いてもスロットマシン1で遊技が可能なものであってもよい。
[メダルセレクタの内部構造について]
本実施の形態においては、図4に示すような内部構造を有するメダルセレクタ29を用いているが、これに限らず、その他の内部構造を有するメダルセレクタ29を用いてもよい。
たとえば、図4に示すメダルセレクタ29は、第1傾斜部29aと第2傾斜部29bの2つの傾斜部を有していたが、1つの傾斜部のみを有するものであってもよい。
本実施の形態の傾斜部は、ある程度広い幅を有していた。このため、メダル投入口4へ投入された投入物は、傾斜部に沿って寝そべった状態でメダルセレクタ29内を流下するものであった。しかし、これに限らず、傾斜部の幅を少なくとも正規メダルの幅よりも狭くして、メダル投入口4へ投入された投入物が、傾斜部上を起立した状態でメダルセレクタ29内を流下するものであってもよい。
第1傾斜部29aと第2傾斜部29bとの間には、回転ディスク29eが設けられており、該回転ディスク29eによってメダルを整列させるものであった。これに限らず、回転ディスク29eを設けないもの、あるいは、その他の手段を用いてメダルを整列させるものであってもよい。
通過センサ70aは、赤外線センサによって流下する投入物を検出するものであったが、赤外線センサ以外の手段を用いて投入物を検出するものであってもよい。あるいは、通過センサ70aを設けずに、撮影カメラ70bによって流下する投入物を検出できるものであってもよい。
撮影カメラ70bは、第2傾斜部29b上に設けられ、流下する投入物の一方向(図4の例では、第2傾斜部29b側から視た片面)のみを撮影するものであった。しかし、これに限らず、メダルセレクタ29内に複数の撮影カメラを設けて、投入物の多方向から撮影するものであってもよい。たとえば、投入物の両面や側面を撮影するものであってもよいし、3D画像のように立体的に撮影するものであってもよい。さらに、画像のみならず、流下する投入物の動画を撮影するものや、温度を検出するものであってもよい。
撮影カメラ70bは、メダルセレクタ29内に1箇所だけ設けるものに限らず、複数箇所設けられていてもよい。
投入メダルセンサ31は、ホッパータンク34a側へと続く流路に1箇所だけ設けられていたが、複数箇所設けられていてもよい。
本実施の形態においては、メダル投入口4からメダルセレクタ29内へと経路が直接繋がっていたが、メダル投入口4とメダルセレクタ29との間に、他の構成内を通る経路が存在してもよい。さらに、スロットマシン1が備えるメダル投入口4に限らず、スロットマシン1に隣接して設置されるカードユニットなどのメダル計数装置が備える投入口へ投入された投入物がスロットマシン1のメダルセレクタ29内に流下するものであってもよい。
図4に示すように、本実施の形態のメダルセレクタ29内においては、メダル投入口4側からの最上流の位置に通過センサ70aおよび撮影カメラ70bを設け、その下流側に流路切替ソレノイド30が設けられていた。つまり、メダル投入口4へ投入された投入物は、まず最初に通過センサ70aによって検出されて撮影カメラ70bによって撮影され、その後、画像判定に基づき流路切替ソレノイド30によって流路が切り替えられるものであった。しかし、これに限らず、メダルセレクタ29内においては、通過センサ70aおよび撮影カメラ70bよりもさらに上流側に他のセンサが設けられていてもよい。たとえば、通過センサ70aおよび撮影カメラ70bよりもさらに上流側に入口センサを設け、該入口センサによって、メダル投入口4へ投入されて流下した投入物を検出するとともに、メダルセレクタ29内で発生したメダル詰まりを検出できるものであってもよい。
また、入口センサの代わりに、通過センサ70aによってメダルセレクタ29内で発生したメダル詰まりを検出できるものであってもよい。たとえば、通過センサ70aは、流下する正規メダルの下流側の端部を検出してから該正規メダルの上流側の端部を検出するまでの時間(つまり、1枚の正規メダルが通過センサ70aの赤外線を通過するまでの時間)の平均値に誤差の範囲を考慮した判定時間以上、投入物を検出した場合に、メダル詰まりが発生したことを検出するものであってもよい。なお、判定時間は、店側やスロットマシン1の製造者側で予め登録されるものであってもよいし、スロットマシン1において算出されるものであってもよい。
[画像判定について]
本実施の形態においては、投入物の形状、色彩、および模様について、画像判定していたが、いずれか一つだけを判定してもよいし、投入物の重さや温度を判定してもよい。
形状の判定では、外形および径を対象にして判定していたが、いずれか一つだけを判定してもよいし、その他の項目を対象にして判定してもよい。たとえば、外形および径の他に投入物の厚みを判定してもよい。また、正規メダルに穴が開いていれば、穴の形状を判定してもよい。
形状、色彩、および模様などの判定に用いる判定基準は、スロットマシン1の出荷時に予め設定されていてもよいし、スロットマシン1が導入された後に各店舗において設定できるものであってもよい。
本実施の形態においては、図17(b)に示すように、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致しないと1回でも判定されたときにエラー条件が成立するものであった。しかし、これに限らず、投入物の形状と正規メダルの形状とが一致しないと複数回判定されたときにエラー条件が成立するものであってもよい。さらに、色彩および模様の判定と同様に、形状の相違度合を判定するとともに、相違度合に応じてレベルを分けて、レベルごとにエラー条件を異ならせてもよい。
本実施の形態においては、図17(b)に示すように、投入物と正規メダルとにおける色彩および模様の相違度合は3段階のレベルに分けられていたが、それよりも多くの段階にレベルを分けてもよい。さらに、形状の判定と同様に、投入物の色彩および模様と正規メダルの色彩および模様とが一致しないと1回でも判定されたときにエラー条件が成立するものであってもよい。色彩および模様のうち、いずれか一方のみを相違度合に応じてレベルに分けてもよい。また、レベルごとのエラー条件は、図17(b)に示す内容に限らず、その他の内容であってもよい。たとえば、異なるレベルのカウント回数を合算した条件を設けてもよい(たとえば、5分以内に相違レベル1の投入物を2回検出し、かつ相違レベル2の投入物を1回検出でエラー条件が成立するなど)。
本実施の形態においては、1回の投入で1回の撮影を行って1回の画像判定が行われるものであったが、1回の投入で複数回の撮影を行って複数回の画像判定が行われるものであってもよい。さらに、1回の投入で複数回の撮影を行ったときの複数回の画像判定によってエラー条件が成立するものであってもよい。また、メダルセレクタ29内に撮影感度の低いカメラと、撮影感度の高いカメラとを設け、撮影感度の低いカメラで異物判定されたときには複数回の判定でエラー条件が成立するのに対して、撮影感度の高いカメラで異物判定されたときには1回の判定でエラー条件が成立するものであってもよい。
[画像判定の履歴について]
本実施の形態においては、図17に示すように、検出日時およびエラー日時に対応して、形状が不一致であると判定された回数のカウント結果、相違レベル1〜3ごとに投入物の色彩および模様が不一致であると判定された回数のカウント結果、および投入エラーの発生によってエラー処理を行った回数のカウント結果を履歴として記憶するものであった。しかし、これに限らない。
たとえば、形状が不一致であると判定された回数のカウント結果、相違レベル1〜3ごとに投入物の色彩および模様が不一致であると判定された回数のカウント結果、および投入エラーの発生によってエラー処理を行った回数のカウント結果のうち、いずれか一つのみを履歴として記憶するものであってもよい。また、形状が不一致であると判定された回数のカウント結果および相違レベル1〜3ごとに投入物の色彩および模様が不一致であると判定された回数のカウント結果のみを履歴として記憶して、投入エラーの発生によってエラー処理を行った回数のカウント結果は記憶しないものであってもよい。
なお、投入エラーの発生によってエラー処理を行った回数のカウント結果のみを履歴として記憶する場合は、投入物の形状が不一致であると1回判定されたときにエラー条件が成立し、また、投入物の色彩および模様が不一致であると1回判定されたときにエラー条件が成立するものが好ましい。複数回の異物判定でエラー条件が成立するものにおいて、投入エラーの発生によってエラー処理を行った回数のカウント結果のみを履歴として記憶した場合は、複数回の異物判定については見過ごしてしまうことになるが、1回の異物判定でエラー条件が成立するものにおいて、投入エラーの発生によってエラー処理を行った回数のカウント結果のみを履歴として記憶した場合は、このような見過ごしを回避することができる。
さらに、タイミングに応じて記憶する対象を異ならせてもよい。たとえば、第1タイミングにおいては、形状が不一致であると判定された回数のカウント結果、および投入物の色彩および模様が不一致であると判定された回数のカウント結果を記憶し、第2タイミングにおいては、投入エラーの発生によってエラー処理を行った回数のカウント結果を記憶し、第3タイミングにおいては、その両方を記憶してもよい。
[流路切替について]
本実施の形態においては、投入物が異物であると判定されたときには、流路切替ソレノイド30によってホッパータンク34a側に流路が切り替わり、ホッパータンク34a内に投入物が保持されるものであった。しかし、これに限らない。
たとえば、投入物が異物であると判定されたときには、流路切替ソレノイド30によってメダル排出口9側に流路が切り替わり、投入物がスロットマシン1の外部に排出されるものであってもよい。あるいは、投入物が異物であると判定されたときには、メダル排出口9へと繋がる経路の途中で投入物が保持されるものであってもよい。
たとえば、投入物が異物であると判定されたときには、ホッパータンク34a側およびメダル排出口9側のいずれにも流下せずに、メダルセレクタ29内に保持されるものであってもよい。
たとえば、スロットマシン1の内部に異物を保持する保持部を別に設けて、投入物が異物であると判定されたときには、流路切替ソレノイド30によってホッパータンク34a側およびメダル排出口9側のいずれでもなく、保持部側に流路が切り替わり、保持部内に投入物が保持されるものであってもよい。
[履歴確認について]
本実施の形態においては、設定変更状態および設定確認状態に移行する際の選択画面において、画像判定における履歴を確認することができるものであったが、これに限らない。
たとえば、投入エラーが発生してエラー処理が行われたときに画像判定における履歴を確認できてもよいし、投入エラーのエラー処理を解除するときに画像判定における履歴を確認できてもよい。あるいは、RAM異常エラーの発生時など、その他のエラー処理や該エラー処理の解除時に画像判定における履歴を確認できてもよい。さらには、打止状態で画像判定における履歴を確認できてもよい。
[投入エラー時のエラー処理について]
本実施の形態においては、投入エラーが発生したときのエラー処理として、メイン制御部41によるエラーフラグのセット、遊技の進行を不能にする処理、エラー報知コマンドの送信を例示し、さらに、サブ制御部91によるエラー報知画面を表示する処理を例示した。しかし、投入エラーが発生したときには、これらの処理以外の処理が行われるものであってもよい。
[フリーズに関する処理について]
本実施の形態においては、フリーズ状態においてストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、それぞれ対応するリールを停止させる制御が行われる構成を例示したが、いずれか1つのストップスイッチの操作により複数のリールを停止させる制御が行われる構成としてもよい。さらに、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることでリールを停止させる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、リールの停止操作によりリールがゲームの結果として停止したときにリールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には必ず位相信号が変化する構成としてもよい。このように構成すれば、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合には、リールが停止しても上下に振動する態様となるように位相信号を出力する制御を行う構成であるが、これに限らない。たとえば、図24に示すように、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを完全停止させる場合に、リールが停止した後、リールモータの位相信号を変化させない状態とするが、リールの停止操作によりリールがゲームの結果として停止したときにリールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前に必ず位相信号を変化させる構成としてもよい。
たとえば、フリーズ中における最終停止操作が行われた後は、当該操作によるリール停止から500msが経過する前に全リールを再回転させるものであってもよい。これに加えて、フリーズ中における第1および第2停止操作が行われた後は、各リール停止から500msが経過する前に全リールを再回転させるものであってもよい。このような構成とした場合でも、ストップスイッチの操作に伴い対応するリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
さらに、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合に、リールが停止しても、上下にゆっくり揺れる態様となるように位相信号を出力する制御を行う構成としたり、じっくり見れば認識できるが一目見ただけでは認識できない程度の微少な動きとなるように位相信号を出力する制御を行う構成としてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合に、その後、スタートスイッチ7の操作を伴わずに再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となる構成であるが、これに限らない。たとえば、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合に、その後、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6の操作など、何らかの操作がされることで再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となる構成としてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ状態において、1枚BETスイッチ5が1回操作されることで、全リールを停止させる制御が行われる例について説明したが、これに限らない。たとえば、1枚BETスイッチ5が複数回操作されることで、それぞれに対応するリールを停止させる制御が行われる構成としてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ状態において操作されることでリールを停止させるための手段であるストップスイッチ8L、8C、8R以外の操作手段として、1枚BETスイッチ5を適用していた。しかし、1枚BETスイッチ5の代わりにMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10などを適用してもよい。
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチまたは1枚BETスイッチ5が操作されることで対応するリールを停止させる場合に、導出されたリールの停止位置に応じて遊技者にとって有利度の異なる特典が付与されるものであってもよい。これによれば、導出されたリールの停止位置に応じて遊技者にとっての有利度が示唆されるため、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。
たとえば、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止位置に応じて、上乗せされるATのゲーム数の期待値が示唆される構成であってもよい。さらには、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止位置に応じて、上乗せ抽選においてATのゲーム数の上乗せが決定される可能性が示唆される構成、ナビストック抽選においてナビストックが当選する可能性が示唆される構成、ナビストック抽選におけるナビストックの当選個数の期待値が示唆される構成としてもよい。
このようにしても、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。さらに、特別役を備え、特別役と同時当選し得る一般役の当選時にフリーズ状態に制御される構成において、当該一般役の当選時におけるフリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止位置に応じて特別役が同時に当選している可能性が示唆される構成とした場合でも、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。
ここで、遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態(ATなど)へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知される権利、メダルが付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値など)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であってもよい。さらに、遊技者にとって直接的に有利ではないが、たとえば、インターネット上で特典を得るための条件となるなど、遊技者にとって間接的に有利な特典であってもよい。
フリーズ状態において遊技者の操作により1つのリールのみ停止させる構成であってもよい。さらに、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lまたは1枚BETスイッチ5が操作されることで対応する左リールを停止させる場合、停止操作が有効な状態で左リールの停止操作がされたときに適用される停止制御テーブルを用いてリールを停止させる制御が行われるようにし、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータをフリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも利用することでプログラム容量を削減することができる。
停止操作が有効な状態で停止操作がされたときに、停止制御テーブルを用いて停止制御を行うとともに、フリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも停止制御テーブルを利用する構成であってもよい。停止操作が有効な状態で停止操作がされたときに行う停止制御として、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としてもよい。このような構成にすれば、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータ(処理プログラム含む)をフリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも利用することでプログラム容量を削減することができる。
さらに、フリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときには、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータとは異なるデータを用いてリールの停止制御を行う構成としてもよい。このような構成にすれば、フリーズ状態においては、通常の停止制御とは異なる特殊な停止制御を行うことが可能となり、フリーズ状態中のリールの停止態様による演出効果を高めることができる。さらに、フリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときに、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータを利用する構成と、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータとは異なるデータを用いてリールの停止制御を行う構成と、の双方の構成を備えるようにしてもよい。このような構成にすれば、プログラム容量を削減しつつ、フリーズ状態において通常の停止制御とは異なる特殊な停止制御を行うことが可能となる。
フリーズ制御は、遅延条件が成立したことに基づき所定のフリーズ期間を設定することによって、当該遅延期間を設定しないときよりも遊技の進行を遅延させるものであってもよい。たとえば、特定の当選状況となったときに遅延条件が成立し、当該成立に基づきスタート操作後にフリーズ期間を設定したときには、遅延条件が成立しないためにフリーズ期間を設定しないときよりも、フリーズ期間分だけ遊技の進行が遅延するものであってもよい。つまり、フリーズ制御は、通常は設定されていないフリーズ期間を、遅延条件が成立したときに設定することによって、遊技の進行を遅延させるものであってもよい。
さらに、フリーズ制御は、予め設けられていたウェイト期間を、遅延条件が成立したことに基づき所定期間だけ延長することによって、延長しないときよりも遊技の進行を遅延させるものであってもよい。たとえば、特定の当選状況となったときに遅延条件が成立し、当該成立に基づき予め設けられていたスタート操作後のウェイト期間(5秒間)を所定期間(3秒間)だけ延長したウェイト期間(8秒間)にすることによって、延長しないときのウェイト期間(5秒間)よりも所定期間(3秒間)だけ遊技の進行が遅延するものであってもよい。つまり、フリーズ制御は、通常から設定されているウェイト期間を、遅延条件が成立したときに所定期間だけ延長することによって、遊技の進行を遅延させるものであってもよい。
[所定位置と特定位置との関係について]
本実施の形態においては、所定位置として、リール2L、2C、2Rに配列された図柄を入賞ラインLN上の位置を例示し、特定位置として、入賞ラインLNよりも下方に半図柄分ずれた位置を例示した。しかし、所定位置と特定位置とは、異なる位置であればこれに限るものではない。
たとえば、入賞ラインが複数設けられているスロットマシンにおいては、所定位置が当該複数の各入賞ライン上となる複数の位置となるものであってもよく、この場合、特定位置は、これら複数の所定位置とは異なる位置であればよい。所定位置に対する特定位置は、下方にずれた位置に限らず、上方にずれた位置(滑りコマ数を減算させた位置)であってもよい。ずれ幅は、0.5コマ(1図柄に対応するステップ数が16ステップ数である場合には8ステップ数)に限らず、ずれていることを遊技者に認識させることができるものであればよく、0.5コマ以下であればよい。特定位置は、複数種類定められており、停止操作ごとに、当該複数種類の特定位置から一の特定位置が決定されて、当該一の特定位置に図柄を導出するようにしてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ中において、リール2L、2C、2Rのうち最終停止されたリールだけ特定位置に図柄を停止させる例について説明したが、これに限らず、停止順にかかわらず予め定められている一のリール(右リール2R)だけ特定位置に図柄を停止させるようにしてもよい。さらに、リール2L〜2Rのうち一部のリールに限らず全てのリール2L〜2Rについて特定位置に図柄を停止させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ中において所定の図柄が入賞ラインLNや無効ラインLM1、LM2などの水平ライン上に揃う(1リールについては半コマずれ)場合や、無効ラインLM3、LM4などの斜めライン上に揃う(1リールについては半コマずれ)場合について説明した。しかし、フリーズ中においては、所定の図柄を、斜めライン上のみに揃えて(1リールについては半コマずれ)停止させるようにしてもよい。これにより、水平ライン上に停止させる場合と比較して、1リールについて半コマずれた位置に所定の図柄が停止していることを気付き難くすることができる。さらに、これとは逆に、フリーズ中においては、所定の図柄を、水平ライン上のみに揃えて(1リールについては半コマずれ)停止させるようにしてもよい。これにより、斜めライン上に停止させる場合と比較して、1リールについて半コマずれた位置に所定の図柄が停止していることを気付かせやすくすることができる。
[フリーズ中のリール回転開始時の制御について]
本実施の形態においては、フリーズ中も非フリーズ中と同じ回転方向および回転速度でリール制御を行うものであった。しかし、これに限らない。たとえば、フリーズ中においては、回転方向および回転速度のうち少なくとも一方を、非フリーズ中とは異ならせるようにしてもよい。このようにすることにより、フリーズ中と非フリーズ中との混同を防ぐことができる。
本実施の形態においては、1回のフリーズ中に、リールの回転開始および停止する擬似遊技を1回実行する例について説明したが、これに限らない。たとえば、1回のフリーズ中にリールの回転開始および停止を複数回行うことで、擬似遊技を複数回実行するようにしてもよい。これにより、フリーズ中における擬似遊技への介入度合いを高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[フリーズ中において1枚BETスイッチ操作時の停止位置について]
本実施の形態においては、フリーズ中において1枚BETスイッチ5が操作されたときには、特定位置に図柄が停止される例について説明した。しかし、本来、1ゲームの結果を導出させるためにリールを停止させる手段であるストップスイッチ8L、8C、8Rとは異なる手段が操作された場合には、導出される結果が入賞判定の対象となる表示結果ではなく、入賞判定の対象とならない仮表示結果であることを遊技者が把握していると擬制できる。このため、フリーズ中において所定操作受付手段が操作されたときに図柄を停止させる位置は、特定位置に限るものではなく、非フリーズ中と同じ所定位置であってもよい。
[リールLEDについて]
本実施の形態においては、入賞ラインLN上に図柄が停止された場合の3×3=9の図柄に対応して9つのLEDが設けられている例について説明したが、これと同様に、特定位置に図柄が停止された場合にも、当該図柄および当該図柄の前後の図柄に対応するLEDを設けるようにしてもよい。この場合、フリーズ中において特定位置に図柄が停止された場合には、当該図柄に対応するLEDを点灯させるようにしてもよい。さらに、点灯態様を、非フリーズ中とは異なる態様としてもよい。これにより、停止された図柄の組合せがフリーズ中において停止したものであることを遊技者に対してより明確に把握させることができる。
[フリーズ中におけるリール制御の対象となるリールについて]
本実施の形態においては、フリーズ中においては、リール2L、2C、2Rがリール制御の対象となる例について説明したが、複数のリールを制御するものに限らず、一部のリールのみをリール制御の対象となるようにしてもよい。たとえば、フリーズ中においては、左リール2Lのみをリール制御の対象となるようにしてもよい。たとえば、フリーズ中において、左リール2Lのみ回転開始させて、停止操作に応じて当該左リール2Lを一定時間にわたり停止した状態(上下振動)で維持し、その後フリーズ状態を終了してリール2L〜2Rの回転を開始させ、定速回転となったときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とするようにしてもよい。あるいは、フリーズ開始前に、リール2L、2C、2Rの回転を開始させた後、フリーズ状態に移行させて、ストップスイッチ8Lと1枚BETスイッチ5への操作のみ有効とし、停止操作に応じて当該左リール2Lを一定時間にわたり停止した状態(上下振動)で維持し、その後フリーズ状態を終了し、その間、リール2C、2C、2Rは回転状態が維持されているため、左リール2Lのみ回転を開始させて定速回転となったときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とするようにしてもよい。
[完全停止させる最小期間について]
本実施の形態においては、非フリーズ中においてリールを完全停止させる最小期間として500msecを例示したが、これに限るものではない。最小期間は、非フリーズ中においてどのように操作したとしても、リール停止後から次ゲームにおけるリール回転が開始されるまでに要する時間より長くなる期間であればよく、たとえば、リプレイ入賞後から、当該入賞により賭数が自動設定された直後にスタートスイッチ7を操作してリール2L、2C、2Rの回転が実際開始されるまでに要する時間より長くなる期間であればよい。
[フリーズ発生タイミングについて]
本実施の形態においては、スタートスイッチ7が操作されてチェリー当選時のゲームが開始されるときにフリーズを発生させる例について説明したが、フリーズを発生させるタイミングは、これに限らない。たとえば、BBに当選したゲームや、ナビストックが付与されたときであってもよい。さらに、スタートスイッチ7の操作時に限らず、ゲームが終了したときや、第1停止操作が行われたときなど、どのようなタイミングであってもよい。ゲームが終了したときにフリーズを発生させる場合には、賭数設定のためのBET操作や投入メダルセンサ31の有効化を遅延、あるいは、スタートスイッチ7の有効化を遅延させるようにしてもよい。第1停止操作したときにフリーズを発生させる場合には、第2停止のためのストップスイッチの有効化を遅延させるようにしてもよい。
[リプレイ入賞後における投入・精算の許容タイミングについて]
リプレイ入賞後において投入(クレジット)が許容されるタイミングをリプレイ入賞による自動BETが開始されるときにした場合であっても、リプレイ入賞後において精算が許容されるタイミングについてはリプレイ入賞による自動BETの完了時となるようにしてもよい。
本実施の形態においては、図13(c)および(d)で示したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングが、リプレイ入賞による自動BETの開始時あるいは完了時である例について説明したが、これに限らず、リプレイ入賞による自動BETの開始後あるいは完了後において所定条件が成立したタイミングであってもよい。所定条件は、所定時間経過することにより成立するものや、所定の処理が終了することにより成立するものであってもよい。リプレイ入賞による自動BETの完了後において所定条件が所定時間経過することにより成立する例として、たとえば、図19のS14で設定されたBETコマンド(BET音あり)がサブ制御部91に出力されて当該コマンドに基づいて3回目のBET音の出力が完了するまでに要する平均的な時間を時間Aとした場合に、所定条件がS17でYESと判定されてから時間Aが経過したときに成立するものであってもよく、図10のS15で設定されたBETコマンド(BET音なし)がサブ制御部91に出力されて受信されるまでに要する平均的な時間を時間Bとした場合に、所定条件がS17でYESと判定されてから時間Bが経過したときに成立するものであってもよい。S17においてYESと判定された後、所定条件が成立したときに、S20に移行可能となるようにしてもよい。
本実施の形態においては、再遊技役の種類として、第1のリプレイ、第2のリプレイ、および第3のリプレイが設けられている例について説明したが、これに限らず、再遊技役の種類としては、いずれかの再遊技役のみが設けられているものであってもよい。
本実施の形態においては、再遊技役の種類にかかわらず、リプレイ入賞後における投入が許容される例について説明したが、これに限らず、再遊技役の種類に応じてリプレイ入賞後における投入が許容されるように構成してもよい。たとえば、第1のリプレイ入賞後においては投入が許容されないのに対し、第2または第3のリプレイ入賞後においてのみ投入が許容されるようにしてもよい。つまり、再遊技表示結果が導出されたことに気付き難いときにのみ投入が許容されるようにして、遊技者に煩わしさを抱かせることなく利便性を向上させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、再遊技役の種類にかかわらず、リプレイ入賞後における精算が許容される例について説明したが、これに限らず、再遊技役の種類に応じてリプレイ入賞後における精算が許容されるように構成してもよい。たとえば、第1のリプレイ入賞後においては精算が許容されないのに対し、第2または第3のリプレイ入賞後においてのみ精算が許容されるようにしてもよい。つまり、再遊技表示結果が導出されたことに気付き難いときにのみ精算が許容されるようにして、遊技者に煩わしさを抱かせることなく利便性を向上させるようにしてもよい。
[リプレイの図柄組合せについて]
本実施の形態においては、第1のリプレイの図柄組合せが、同一の図柄(「リプレイ」)のみから構成される例について説明したが、これに限らず、一の図柄と、当該一の図柄と外形が類似する図柄とから構成されるように構成してもよい。外形が類似の図柄とは、外形が共通しているために、需要者である遊技者の視覚を通じて起こさせる美感(印象)が共通する図柄をいい、その結果、観念的に同じ図柄であると認識できる(異なる図柄であると認識し難い)図柄をいう。たとえば、一の図柄が「REPLAY」という文字が楕円で囲まれた形状の図柄である場合に、「REPLAY」という文字に下線が引かれておりそれらが楕円で囲まれた形状の図柄が一の図柄と形状が類似の図柄であるといえる。
本実施の形態においては、第3のリプレイの図柄組合せが、第1のリプレイの図柄と同一の図柄(「リプレイ」)と、当該図柄とは外形が同一でも類似でもない異なる図柄(「黒7」)とから構成される例について説明したが、これに限らず、第1のリプレイの図柄と類似の図柄を含むものであってもよく、第1のリプレイの図柄と同一でも類似でもない異なる図柄のみから構成されるものであってもよい。この場合における、異なる図柄は、リプレイ以外の入賞の図柄組合せのいずれにも含まれていない図柄(たとえば、スターマークが付された図柄)であってもよく、リプレイ以外の入賞の図柄組合せに含まれている図柄(たとえば、「黒7」)であってもよい。
本実施の形態においては、スイカの図柄組合せとして2種類示したが、このうち一方の「スイカ−スイカ−BAR」のみをスイカの図柄組合せとし、他方の「スイカ−スイカ−スイカ」を第3のリプレイの図柄組合せとしてもよい。これにより、第3のリプレイの図柄組合せは、第1のリプレイの図柄と同一でも類似でもない異なる図柄のみから構成され、当該異なる図柄がリプレイ以外のスイカ入賞の図柄組合せに含まれている図柄となる。その結果、第3のリプレイが入賞したときに、スイカが入賞したかのような印象を遊技者に抱かせるとともに、次のゲームを開始するためには賭数を設定する必要があるといった印象を遊技者に抱かせることができる。
リプレイに関する図柄組合せ(たとえば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「黒7−リプレイ−リプレイ」、「スイカ−スイカ−スイカ」など)は、いずれも、入賞ライン上に停止されることによりリプレイ入賞となる例について説明したが、これに限らず、たとえば、リプレイ入賞を発生させる図柄組合せとして上記図柄組合せとは異なる所定図柄組合せが定められており、当該所定図柄組合せが入賞ライン上に停止されたときに、入賞ラインとは異なる無効ライン上に上記図柄組合せが停止されるように構成されているものであってもよい。具体的には、入賞ラインL1〜L5のうち、入賞ラインをL1のみとし、入賞ラインL2〜L5は、入賞を発生させる所定図柄組合せが停止されたとしてもその入賞を発生させることのない無効ラインとして定め、リプレイを発生させる所定図柄組合せが入賞ラインL1上に停止されたときに、無効ラインL2〜L5のいずれかに上記図柄組合せが停止されるように構成してもよい。この場合でも、リプレイ入賞は所定図柄組合せが入賞ライン上に停止されることにより発生しているのであるが、無効ライン上に上記図柄組合せが停止されることにより発生しているように見せることができる。
さらに、このように構成する場合には、スイカの図柄組合せとして示した2種類はそのままスイカ入賞を発生させる図柄組合せとし、第3のリプレイの図柄組合せを、スイカの図柄組合せのうち「スイカ−スイカ−スイカ」が無効ライン上に停止するときに入賞ライン上に停止する図柄組合せとしてもよい。これにより、「スイカ−スイカ−スイカ」が直線上に停止されたときにスイカ入賞したと思わせることができるとともに、次のゲームを開始するためには賭数を設定する必要があるといった印象を遊技者に抱かせることができる。
[リプレイ入賞後のフリーズについて]
リプレイ入賞後にゲームの進行を所定の解除条件が成立するまで遅延させる制御(いわゆるフリーズ)を行うようにしてもよい。たとえば、図10のS18においてNOと判定されて、クレジット可能である場合に、所定の解除条件が成立するまでS20に移行させないようにしてもよい。所定の解除条件は、所定期間が経過することにより成立するものであってもよく、所定の操作が検出されたことにより成立するものであってもよい。
メダル投入口4から投入されたメダルの流路には、流路切替ソレノイド30が設けられているが、この流路切替ソレノイド30よりメダル投入口4側(上流側)にメダルを検知するフリーズ解除用センサAを設け、フリーズ中においてフリーズ解除用センサAによりメダルが検出されたときに所定の解除条件を成立させるようにしてもよい。ゲーム開始されるときには図11のS48で示したように流路切替ソレノイドがOFFとなるため、ゲーム終了後のS20における処理が行われるまでは、リプレイ入賞時を含むゲーム終了時にもその状態が維持されており、仮にメダルが投入されてもメダル排出口9から排出される。
しかし、リプレイ入賞後において発生させるフリーズ中においてメダルを投入した場合には、そのメダルがフリーズ解除用センサAにより検出されることによりフリーズが解除され、S20の処理が行われて、S22により流路切替ソレノイドがONとなり、当該メダルが流路切替ソレノイドよりも下流側に配置されている投入メダルセンサ31により検出されて、メダル排出口9から排出されることなくS40によりクレジット加算される。これにより、リプレイ入賞後においても(クレジットカウンタが50に達していないときには)、小役入賞時やはずれ時と同様に、メダルを投入しなければ、次のゲームを開始させることができないようにすることができる。このように構成する場合で、さらに、[リプレイの図柄組合せについて]欄で示したようにスイカ入賞と思わせる「スイカ−スイカ−スイカ」が入賞ラインあるいは無効ラインに停止されたときに第3のリプレイ入賞が発生するように構成した場合には、ゲーム終了時の図柄組合せからもスイカ入賞したと遊技者に思わせることができ、次のゲームを開始するためには賭数を設定する必要があるといった印象を遊技者に抱かせることができる。投入されたメダルによりフリーズが解除されるが、当該フリーズを解除させる契機となったメダルはメダル排出口9から排出されることなくクレジット加算されるため、遊技者に煩わしさを感じさせることなく利便性を向上させることができる。
[リプレイ入賞後における投入・精算の許容タイミングについて]欄で説明したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングをリプレイ入賞による自動BETが開始される(あるいは開始された)ときとする場合であっても、上記の例と同様にゲームの進行を所定の解除条件が成立するまで遅延させる制御(いわゆるフリーズ)を行うようにしてもよい。第1の例においては、たとえば、賭数設定が開始するタイミング(クレジットカウンタの値が50でないと判定された後)で、第2の例においては、たとえば、割込処理の割込みを許可するタイミングで、各々、フリーズを発生させるようにしてもよく、これにより上記した例と同様の効果を奏する。
なお、リプレイ入賞後においてフリーズを発生させる場合には、当該フリーズが解除された後に、リプレイ入賞による1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理や、リプレイ中LED20、および、スタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を行う。上記の例では、フリーズの解除条件が、フリーズ解除用センサAによりメダルが検出されることにより成立する例について説明したが、これに限らず、これに加えて、1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6への操作によっても成立するように構成してもよい。
[精算処理について]
本実施の形態においては、精算処理に関して、メダル投入あるいは1枚BETスイッチ5かMAXBETスイッチ6が操作されることにより賭数が設定されている状態において、精算スイッチ10が操作されると、図11のS56でNOと判定されてS57において賭数精算処理を行い、その後、再び精算スイッチ10が操作されると、S56でYESと判定されてS59においてクレジット精算処理を行う例、つまり最初の精算操作で賭数精算を行い、次の精算操作でクレジット精算を行う例について説明した。しかし、精算処理は、このようなパターンで行うものに限らず、以下のようなパターンで行うものであってもよい。
パターンa:最初の精算操作でクレジット精算を行い、次の精算操作で賭数精算を行うものであってもよい。たとえば、S56においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときにS59に進んでクレジット精算を行い、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときにS57に進んで賭数精算を行うようにしてもよい。
パターンb:最初の精算操作で賭数分をクレジット加算することにより賭数精算を行い、次の精算操作でクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、設定されている賭数が3でクレジットが40である場合、最初の精算操作で賭数分の3をクレジット加算してクレジットを43とすることにより賭数精算を行い、次の精算操作で43枚メダルを払出すことによりクレジット精算を行うものであってもよい。この場合において、最初の精算操作による賭数精算が行われることにより、クレジットカウンタの値が50を超えてしまう場合も考えられる。この場合には、クレジットカウンタの値が50を超えた値に設定されるようにしてもよく、50を超えた分のメダルに関して賭数精算時に払出すようにしてもよい。
パターンc:1回の精算操作で、まず賭数精算を行い、その後に引き続いてクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、S56でNOと判定されたときには、賭数精算を行った後に引き続いてクレジット精算を行い、S56でYESと判定されたときには、クレジット精算を行うようにしてもよい。
パターンd:1回の精算操作で、まずクレジット精算を行い、その後に引き続いて賭数精算を行うものであってもよい。たとえば、S56においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときにはクレジット精算を行った後に引き続いて賭数精算を行い、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには賭数精算を行うようにしてもよい。
パターンe:1回の精算操作で、まず賭数分をクレジット加算することにより賭数精算を行い、その後に引き続いてクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、設定されている賭数が3でクレジットが40である場合に精算操作が行われることにより、賭数分の3をクレジット加算してクレジットを43とすることにより賭数精算を行い、その後に引き続いて43枚メダルを払出すことによりクレジット精算を行うものであってもよい。この場合において、精算操作による賭数精算が行われることにより、クレジットカウンタの値が50を超えてしまう場合も考えられる。この場合には、クレジットカウンタの値が50を超えた値に設定されるようにしてもよく、50を超えた分のメダルに関して賭数精算時に払出すようにしてもよい。
[BET音について]
本実施の形態においては、第1のリプレイ入賞後において自動BETされたときにはBET音を出力させ、第2または第3のリプレイ入賞後において自動BETされたときにはBET音を出力させない例について説明した。しかし、入賞したリプレイの種類にかかわらず、自動BETされたときにはBET音を出力させないようにしてもよく、逆に自動BETされたときにはBET音を出力させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、BET音の有無について、BETコマンドの種類によって判別する例について説明したが、これに限らず、入賞判定コマンドにより入賞していた再遊技役の種類を判別することにより、BET音の有無を判別するようにしてもよい。
本実施の形態においては、入賞した再遊技役の種類にかかわらず、BETカウンタの値が加算された後に、BETカウンタの値に応じて、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を行う例について説明したが、これに限らず、第1のリプレイ入賞後において自動BETされた後においてのみ1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を行い、第2または第3のリプレイ入賞後において自動BETされた後においては当該処理を行わないようにしてもよい。
本実施の形態においては、第2または第3のリプレイ入賞後においてメダルが投入された際に、S39においてクレジットコマンド(BET音あり)が出力されて、BET音を出力させる例について説明したが、これに限らず、入賞したリプレイの種類にかかわらずBET音を出力させるようにしてもよい。たとえば、S36では、リプレイ入賞であったか否かを判定するようにしてもよい。
本実施の形態においては、リプレイ入賞後においてクレジット加算された場合に、規定数分までBET音を出力させる例について説明したが、クレジット加算された場合に限らず、たとえば、1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6が操作された場合にも、操作に応じて規定数分までBET音を出力させるようにしてもよい。
[推奨停止順について]
本実施の形態においては、第1停止とすることでペナルティ期間に制御されないリールとして左リールのみを適用した構成、すなわち第1停止とすることでペナルティ期間に制御されないリールが単数の構成であった。しかし、これに限らず、たとえば、第1停止とすることでペナルティ期間に制御されないリールとして、左リール、中リールを適用した構成、すなわち第1停止とすることでペナルティ期間に制御されないリールが複数からなる構成としてもよい。
本実施の形態においては、第1停止とすることでペナルティ期間に制御され得るリールとして中リール、右リールを適用した構成、すなわち第1停止とすることでペナルティ期間に制御され得るリールが複数からなる構成であった。しかし、これに限らず、たとえば、第1停止とすることでペナルティ期間に制御され得るリールとして、右リールのみを適用した構成、すなわち第1停止とすることでペナルティ期間に制御され得るリールが単数の構成としてもよい。
[スイッチ入力判定処理について]
本実施の形態においては、スイッチ入力判定処理において複数のストップスイッチの操作が同時に検出され得る構成であり、複数のストップスイッチの操作が同時に検出された場合に、その後のリール回転処理において、操作が検出された複数のストップスイッチの操作のうちのいずれか一のストップスイッチの操作のみ有効に受け付ける構成であった。しかし、これに限らず、スイッチ入力判定処理において複数のストップスイッチの検出状態が同時に変化した場合に、いずれか一方のストップスイッチに対応するエッジデータのみを設定する構成としてもよい。
この場合には、全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作状態と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作状態とが同時にOFFからONに変化した場合には、遊技者に対して不利益が発生し得る中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作状態がOFFからONに変化した旨を示す立上りエッジデータのみを設定するようにしてもよい。このようにすれば、全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作状態と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作状態とが同時に変化した場合、すなわち何らかの不正行為が行われている可能性が疑われる場合には、遊技者にとって不利益が発生し得るため、遊技者による不正行為を抑制することができる。
[リール回転処理について]
本実施の形態においては、全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合に、遊技者に対して不利益が発生し得る中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作のみを有効に受け付けて当該ストップスイッチに対応するリールの停止制御を行うことにより、全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合、すなわち何らかの不正行為が行われている可能性が疑われる場合に、遊技者に対して不利益を発生させる構成であった。しかし、これに限らず、全リール回転中において複数のリールに対応するストップスイッチの操作が同時に検出された場合に、リールの停止順にかかわらず、一律に遊技者に対して不利益を発生させる構成としてもよい。このような構成であっても、何らかの不正行為が行われている可能性が疑われる場合には、遊技者にとって不利益が発生するため、遊技者による不正行為を抑制することができる。
本実施の形態においては、全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合に、遊技者に対して不利益が発生し得る中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作のみを有効に受け付けて当該ストップスイッチに対応するリールの停止制御を行うことにより遊技者に対して不利益が発生する構成、すなわち見た目上も推奨停止順以外の停止順で停止操作を行った場合と同様の停止順でリールが停止することで遊技者に対して不利益が発生する構成であった。このため、複数のリールに対応するストップスイッチの操作が同時に検出された場合に不利益が発生した場合でも遊技者に対して違和感を与え難い。しかし、複数のリールに対応するストップスイッチの操作が同時に検出された場合に、リールの停止順にかかわらず、一律に遊技者に対して不利益を発生させる構成においては、全リール回転中において推奨停止順に一致する左リールに対応するストップスイッチの操作と、推奨停止順に一致しない中リールまたは右リールに対応するストップスイッチの操作とが同時に検出された場合に、左リールに対応するストップスイッチの操作を有効に受け付けて当該ストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う構成としてもよいし、同時に検出されたストップスイッチに対応するリール全ての停止制御を行う構成としてもよい。
[ペナルティについて]
本実施の形態においては、ATに制御されていない場合において、推奨停止順以外の停止順で停止操作が行われた場合に、ペナルティが発生するものであった。しかし、ATに制御されていても、ナビ演出が実行されていない場合において、推奨停止順以外の停止順で停止操作が行われた場合に、ペナルティが発生するものでもよい。
本実施の形態においては、ATに制御されていない場合に、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作が行われた結果、遊技者にとって有利となる停止態様となった場合のみペナルティ期間に制御して遊技者に対して不利益を発生させる構成であった。しかし、これに限らず、ATに制御されていない場合に、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作が行われた結果、遊技者にとって有利となる停止態様となった場合でも一律にペナルティ期間に制御して遊技者に対して不利益を発生させる構成でもよい。
本実施の形態においては、複数のストップスイッチの操作が同時に検出された結果、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順でリールが停止した場合には、遊技者にとって有利となる停止態様となったか否かにかかわらず、一律にペナルティ期間に制御される構成であった。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利となる停止態様となった場合のみペナルティ期間に制御して遊技者に対して不利益を発生させる構成としてもよい。
[同時操作エラーについて]
本実施の形態においては、複数のストップスイッチの操作が同時に検出された回数が所定値に達した場合にエラー状態に制御することで、偶然に複数のストップスイッチの操作が同時に検出されただけではエラー状態に制御されることを防止できることから好ましい。しかし、1回でも複数のストップスイッチの操作が同時に検出されるのみでエラー状態に制御されることで遊技の進行を不能化する構成としてもよく、このような構成であっても、不正行為がされた可能性が疑われる事象が発生している状況で遊技が続行できてしまうことを防止できる。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。