JP6307349B2 - スロットマシン - Google Patents

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本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、まず遊技者のBET操作により賭数を設定し、規定の賭数が設定された状態でスタート操作されることによりリールの回転を開始し、各リールに対応して設けられた導出操作手段としての停止ボタンが操作されることにより回転を停止する。全てのリールの回転を停止したときに入賞ライン上に予め定められた入賞図柄の組合せ(たとえば、7−7−7、以下図柄の組合せを役ともいう)が導出されることによって入賞が発生する。
役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止した場合には、小役の種類毎に定められた数のメダルが払い出されるという利益を遊技者が得ることができる。特別役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止した場合には、次のゲームからレギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な遊技状態へ移行されるという利益を遊技者が得ることができる。再遊技役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止(以下、「再遊技表示結果が導出」などともいう)した場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができるという利益を得ることができる。
このようなスロットマシンの中には、当選役の種類に応じて低確率AT抽選モードおよび高確率AT抽選モードのうちのいずれかに移行する一方で、これと並行して、内部抽選でチェリーや外れに決定されたときにはATに制御するか否かの抽選を低確率AT抽選モードおよび高確率AT抽選モードのうちのいずれかの抽選確率に基づき実行するスロットマシンがあった(特許文献1参照)。
特開2003−79799号公報
しかしながら、上記のようなスロットマシンにおいては、ATなどの有利状態に制御する権利を付与するか否かの決定と、該権利の付与確率を変更するか否かの決定とが、個別に行われているため、処理負担が大きくなるといった問題があった。
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、有利状態に制御する権利を付与するか否かの決定と、該権利の付与確率を変更するか否かの決定とにおける処理負担を軽減するスロットマシンを提供することである。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
数値(たとえば、乱数値)を取得する数値取得手段(たとえば、図29のS105、S111の処理)と、
前記数値取得手段により取得された数値が、第1数値範囲(たとえば、ナビストックの付与を決定するための判定値の範囲、図30(a−1)のナビストック付与の欄の判定値の範囲、図33(d−1)のナビストック上乗せの欄の判定値の範囲)に含まれているときには有利状態(たとえば、AT)に制御するための権利(たとえば、ナビストック)の付与を決定する一方で、該数値が第2数値範囲(たとえば、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲、図30(a−1)の高確モード移行の欄の判定値の範囲、図33(d−1)の高確モード移行の欄の判定値の範囲)に含まれているときには前記権利の付与確率を変更すること(たとえば、高確モードへの移行)を決定する決定手段(たとえば、図29のS106、S109、S112の処理)と、
複数種類の遊技状態(たとえば、非AT、AT)に制御する遊技状態制御手段(たとえば、サブ制御部91によるATに制御する処理)とを備え、
前記複数種類の遊技状態のうち、第1遊技状態(たとえば、非AT)においては前記第1数値範囲と前記第2数値範囲とが重複しない(たとえば、図30(a−1)の抽選テーブル)のに対して、第2遊技状態(たとえば、AT)においては前記第1数値範囲と前記第2数値範囲とが重複する(たとえば、図33(d−1)の抽選テーブル)。
このような構成によれば、取得された数値が第1数値範囲に含まれているときには有利状態に制御するための権利の付与が決定される一方で、該数値が第2数値範囲に含まれているときには権利の付与確率を変更することが決定される。これにより、権利を付与するか否かの決定と権利の付与確率を変更するか否かの決定とがまとめて行われるため、これらの決定を個別に行うものに比べて処理負担を軽減することができる。さらに、第1遊技状態においては第1数値範囲と第2数値範囲とが重複しないため、権利の付与と付与確率の変更とが同時に決定されることがない。これにより、権利の付与が決定されたときには、該決定が、付与確率の変更前において行われたことになるため、権利が付与されるときにおける付与確率の推測を遊技者に容易に行わせることができる。一方、第2遊技状態においては第1数値範囲と第2数値範囲とが重複するため、権利の付与と付与確率の変更とが同時に決定されることがあり、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記権利の種類が多い(たとえば、AT中は非AT中に比べてATゲーム数の上乗せや特別ゾーンへの移行も抽選対象に加わる)。
このような構成によれば、第1遊技状態よりも前記権利の種類が多い第2遊技状態においては第1数値範囲と第2数値範囲とが重複するため、権利の付与と付与確率の変更とが同時に決定されることがあり、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
前記第1遊技状態は前記権利が付与されていない状態(たとえば、非AT)であるのに対して、前記第2遊技状態は前記権利が付与されている状態(たとえば、AT)である。
このような構成によれば、第2遊技状態では、権利が付与されている状態である上に、権利の種類も多く、さらに権利の付与と付与確率の変更とが同時に決定されることがあるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 上記(1)〜(3)のスロットマシンにおいて、
前記複数種類の段階のうちから一の段階を設定する設定手段(たとえば、メイン制御部41によるメダル払出率の設定処理やサブ制御部91による設定処理)をさらに備え、
前記第1遊技状態および前記第2遊技状態のうち、一方の遊技状態においては前記設定手段により設定された段階に応じて前記権利の付与確率が異なる(たとえば、非AT中においては設定値に応じてナビストックの付与確率および付与ナビストック数が異なる)のに対して、他方の遊技状態においては前記設定手段により設定された段階に応じて前記権利の付与確率が異ならない(たとえば、AT中においては設定値に応じてナビストックの付与確率および付与ナビストックの期待値は異ならない)。
このような構成によれば、第1遊技状態および前記第2遊技状態のうちの一方の遊技状態においては権利の付与確率に基づき、設定値を推測させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 上記(1)〜(4)のスロットマシンにおいて、
投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(たとえば、投入メダルセンサ31)と、
賭け操作(たとえば、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6への操作)に応じて賭数の設定に使用可能な遊技用価値(たとえば、クレジットの値であるクレジットカウンタ)を記憶する遊技用価値記憶手段(たとえば、RAM41c)と、
1ゲームに対して設定されている賭数(たとえば、BETカウンタの値)を記憶する賭数記憶手段(たとえば、RAM41c)と、
前記遊技媒体検出手段により遊技媒体が検出されたときにおいて(たとえば、図20のS30においてYES)、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数および前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値のうちのいずれかを更新する遊技媒体検出時更新手段(たとえば、図20のS33〜S35、S40の処理)と、
再遊技表示結果(たとえば、第1〜第3のリプレイ)が導出されたときにおいて(たとえば、図19のS12においてYES)、遊技用価値を用いることなく次のゲームが開始可能となるように前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新する再遊技導出時更新手段(たとえば、図19のS16、S17の処理)とを備え、
前記遊技媒体検出時更新手段は、
前記再遊技表示結果が導出されずにゲームが終了した後で前記遊技媒体検出手段により遊技媒体が検出されたときにおいて、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数が予め定められた上限数(たとえば、3)未満であるときには該賭数を更新し、該上限数に達しているときには前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新する第1遊技媒体検出時更新手段(たとえば、図20のS33〜S35の処理)と、
前記再遊技表示結果が導出された後に前記再遊技導出時更新手段により前記賭数記憶手段に記憶されている賭数が更新されて次のゲームが開始可能となった以降に前記遊技媒体検出手段により遊技媒体が検出されたときにおいて、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新する第2遊技媒体検出時更新手段(たとえば、図20のS40。図19のS10〜S12の処理に加えて、さらにS13〜S17の処理により賭数設定が完了した後であってS18においてクレジット可能であると判定された後において、S20以降において実行される。図22(c)参照)とを含む。
このような構成によれば、再遊技表示結果が導出された後であっても、投入された遊技媒体が、賭数が更新されて次のゲームが開始可能となった以降に検出された遊技媒体であることにより、該遊技媒体に応じて遊技用価値を更新することができる。このため、再遊技表示結果が導出された後における遊技用価値の更新が賭数の設定よりも先に行われることを防止できる。その結果、再遊技表示結果の導出後において遊技者に違和感を抱かせることがなく、再遊技表示結果が導出された後における遊技者の利便性を向上させることができる。
(6) 上記(1)〜(5)のスロットマシンにおいて、
投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(たとえば、投入メダルセンサ31)と、
賭け操作(たとえば、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6への操作)に応じて賭数の設定に使用可能な遊技用価値(たとえば、クレジットの値であるクレジットカウンタ)を記憶する遊技用価値記憶手段(たとえば、RAM41c)と、
1ゲームに対して設定されている賭数(たとえば、BETカウンタの値)を記憶する賭数記憶手段(たとえば、RAM41c)と、
前記遊技媒体検出手段により遊技媒体が検出されたときにおいて(たとえば、図20のS30においてYES)、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数および前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値のうちのいずれかを更新する遊技媒体検出時更新手段(たとえば、図20のS33〜S35、S40の処理)と、
再遊技表示結果(たとえば、第1〜第3のリプレイ)が導出されたときにおいて(たとえば、図19のS12においてYES)、遊技用価値を用いることなく次のゲームが開始可能となるように前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新する再遊技導出時更新手段(たとえば、図19のS16、S17の処理)とを備え、
前記遊技媒体検出時更新手段は、
前記再遊技表示結果が導出されずにゲームが終了した後で前記遊技媒体検出手段により遊技媒体が検出されたときにおいて、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数が予め定められた上限数(たとえば、3)未満であるときには該賭数を更新し、該上限数に達しているときには前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新する第1遊技媒体検出時更新手段(たとえば、図20のS33〜S35の処理)と、
前記再遊技表示結果が導出された後に前記再遊技導出時更新手段による前記賭数記憶手段に記憶されている賭数の更新の開始以降に前記遊技媒体検出手段により遊技媒体が検出されたときにおいて、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新する第2遊技媒体検出時更新手段(図22(d)参照)とを含む。
このような構成によれば、再遊技表示結果が導出された後であっても、投入された遊技媒体が、賭数の更新の開始以降に検出された遊技媒体であることにより、該遊技媒体に応じて遊技用価値を更新することができる。このため、再遊技表示結果が導出された後における遊技用価値の更新が賭数の設定よりも先に行われることを防止できる。その結果、再遊技表示結果の導出後において遊技者に違和感を抱かせることがなく、再遊技表示結果が導出された後における遊技者の利便性を向上させることができる。
(7) 上記(1)〜(6)のスロットマシンにおいて、
排出操作(たとえば、精算スイッチ10への操作)に応じて、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数に相当する遊技媒体と、前記遊技用価値記憶手段に記憶された遊技用価値に相当する遊技媒体とを排出可能な排出手段(たとえば、図20のS54〜S59の処理)をさらに備え、
前記排出手段は、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数が前記再遊技導出時更新手段により更新された賭数であるとき(たとえば、図20のS54でYES)には該賭数に相当する遊技媒体を排出せず、前記遊技用価値記憶手段に記憶された遊技用価値に相当する遊技媒体のみを排出する(たとえば、図20のS59の処理)。
このような構成によれば、再遊技導出時更新手段により更新された賭数に相当する遊技媒体を排出させないことにより再遊技表示結果の存在意義を維持しつつ、遊技用価値に相当する遊技媒体については再遊技表示結果が導出された後であっても排出操作に応じて排出可能となる。これにより、再遊技表示結果が導出された後における遊技者の利便性をさらに向上せることができる。
(8) 上記(1)〜(7)のスロットマシンにおいて、
前記可変表示部を複数備えるとともに、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能であり、
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段(たとえば、図18のS3の処理)をさらに備え、
前記複数の可変表示部に跨る複数のライン(たとえば、入賞ラインLN、無効ラインLM1〜LM4)のうちの所定のライン(たとえば、入賞ラインLN)上に導出され得る識別情報の組合せには、外形が同一および/または類似の識別情報のみから構成される特定組合せ(たとえば、通常リプレイの図柄組合せのうちの「リプレイ−リプレイ−リプレイ」)と、該特定組合せとは異なる非特定組合せ(たとえば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」以外の再遊技役の図柄組合せ)とが含まれ、
前記再遊技表示結果は、
前記所定のライン上の組合せが前記特定組合せのうちの特定再遊技組合せ(たとえば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」)となることにより導出される特定再遊技表示結果(たとえば、第1のリプレイ)と、
前記所定のライン上の組合せが前記非特定組合せのうちの非特定再遊技組合せ(たとえば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」以外の再遊技役の図柄組合せのうちのいずれか)となることにより導出される非特定再遊技表示結果(たとえば、第2のリプレイ、第3のリプレイ)とを含む。
このような構成によれば、所定のライン上に導出され得る識別情報の組合せには特定組合せのみならず、非特定組合せが含まれることにより、所定のライン上に導出され得る識別情報の組合せのバリエーションを豊富にすることができる。一方、非特定再遊技表示結果が導出されたときには、非特定組合せが導出されるため、特定再遊技表示結果が導出されたときよりも再遊技表示結果の導出に気付かずに遊技媒体を投入してしまう可能性が高まるが、検出された遊技媒体に応じて遊技用価値を更新させることができるため、投入した遊技媒体が受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
非特定組合せは、少なくとも、外形が同一および/または類似の識別情報以外の識別情報を含む組合せである点において特定組合せと異なるものであればよい。外形が同一の識別情報とは、一の識別情報と外形(たとえば、図柄の外縁の形)が同じ識別情報のことをいう。
たとえば、外形が同一の識別情報には、一の識別情報と外形が同じで全体の色や模様が異なる識別情報、および一の識別情報と外形が同じで一部の色や模様が異なる識別情報が含まれる。外形が類似の識別情報とは、一の識別情報と外形(たとえば、図柄の外縁の形)が類似するために需要者である遊技者の視覚を通じて起こさせる美感(印象)が共通する識別情報をいい、その結果、観念的に同じ識別情報であると認識できる(異なる識別情報であると認識し難い)識別情報をいう。
たとえば、外形が類似の識別情報には、(ア)一の識別情報と大きさのみが異なる識別情報、(イ)一の識別情報と外形が同一の識別情報が複数からなる識別情報、(ウ)一の識別情報にキャラクタがついた識別情報、(エ)一の識別情報と向きが異なるものの一の識別情報と観念的に同じものを想起させる識別情報、(オ)一の識別情報の一部が欠けているが全体としての外形が同じになる識別情報、(カ)一の識別情報の一部が隆起しているが全体としての外形が同じになる識別情報、(キ)一の識別情報の一部の形状が異なるが全体としての外形が同じになる識別情報、(ク)一の識別情報と観念的に同じものを想起させる識別情報、および(ア)〜(ク)のうち複数の点において相違するが一の識別情報と観念的に同じ識別情報であると認識できる識別情報が含まれる。
複数のラインとは、入賞を発生させる所定の識別情報の組合せが導出されることにより入賞を発生させ得る入賞ラインのみ含むものであってもよく、入賞ラインのみならず、入賞を発生させる所定の識別情報の組合せが導出されたとしても当該入賞を発生させない無効ラインをも含むものであってもよい。ラインとは、複数の可変表示領域に跨って設定されたラインであれば、直線ラインに限らず、たとえば、左上段、中下段、および右上段を結ぶV字型のラインや、逆V字型のラインなど、どのような形状となるラインであってもよい。
(9) 上記(8)のスロットマシンにおいて、
前記複数種類の識別情報は、前記特定再遊技組合せを構成する識別情報(たとえば、リプレイ)とは異なる識別情報であって、入賞を発生させる識別情報の組合せ(たとえば、リプレイ以外の図柄からなる組合せ)を構成する特定識別情報を含み、
前記非特定再遊技組合せは、前記特定識別情報を含む。
このような構成によれば、非特定再遊技表示結果の導出に気付かずに遊技媒体を投入してしまう可能性がより一層高まるが、検出された遊技媒体に応じて遊技用価値を更新させることができるため、投入した遊技媒体が受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
非特定再遊技組合せは、特定識別情報と再遊技組合せを構成する識別情報とから構成される組合せであってもよく、特定識別情報のみで構成される組合せであってもよい。
(10) 上記(8)または(9)のスロットマシンにおいて、
前記特定再遊技表示結果が導出されたときには賭数が設定される旨を特定態様(たとえば、音、光、画像など)で報知する特定報知制御を行う(たとえば、図19のS14の処理、サブ制御部91によるBET音を出力する処理)一方で、前記非特定再遊技表示結果が導出されたときには前記特定報知制御と同じ制御を行わない(たとえば、図19のS15の処理、サブ制御部91によるBET音を出力させない処理)報知制御手段をさらに備える。
このような構成によれば、非特定再遊技表示結果の導出に気付かずに遊技媒体を投入してしまう可能性がより一層高まるが、検出された遊技媒体に応じて遊技用価値を更新させることができるため、投入した遊技媒体が受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
特定報知制御は、賭数が設定される旨を示唆する制御であればよく、たとえば、所定音を出力させる制御であってもよく、所定演出(ランプ点灯、所定画像表示など)を実行させる制御であってもよい。
(11) 上記(1)〜(10)のスロットマシンにおいて、
前記第1遊技媒体検出時更新手段により前記賭数記憶手段に記憶されている賭数が更新されたときに、該更新された賭数に相当する回数分(たとえば、賭数が3であるときは、3回分)、所定音(たとえば、BET音)を出力する賭数更新時出力手段と、
前記第2遊技媒体検出時更新手段により前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値が更新されたときに、前記上限数に相当する回数まで、前記所定音と同じ音を出力する遊技用価値更新時出力手段(たとえば、図20のS34の処理、サブ制御部91によるBET音を出力する処理)とをさらに備える。
このような構成によれば、再遊技表示結果の導出に気付かずに遊技媒体を投入して遊技用価値が更新されたときでも、上限数に相当する回数までは所定音と同じ音が出力されるため、遊技者の勘違いで遊技媒体を投入して賭数を設定しているつもりであるにもかかわらず所定音が出力されないことにより、不信感や違和感を抱かせてしまうことを防止することができる。
本実施形態のスロットマシンの正面図である。 スロットマシンの内部構造を示す斜視図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの構成を示すブロック図である。 リールモータの構成を示す図である。 加速時のリールモータの励磁状況を示すタイミングチャートである。 停止制御時のリールモータの励磁状況を示すタイミングチャートである。 小役の種類、小役の図柄組合せ、および小役に関連する技術事項について説明するための図である。 再遊技役の種類、再遊技役の図柄組合せ、および再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。 移行出目の図柄組合せ、および移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。 遊技状態の遷移を説明するための図である。 遊技状態の概要を示す図である。 遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。 遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。 抽選対象役により入賞が許容される役の組合せについて説明するための図である。 押し順リプ当選時のリール制御を説明するための図である。 押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。 メイン制御部が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。 ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングについて説明するための図である。 フリーズ種別ごとの概要を示す図である。 フリーズの実行状況を示す図である。 フリーズの実行状況を示す図である。 フリーズ実行時の各部の動作状況を示すタイミングチャートである。 フリーズ実行時の各部の動作状況を示すタイミングチャートである。 フリーズ実行時の各部の動作状況を示すタイミングチャートである。 サブ制御部が実行するAT関連抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。 非AT中におけるAT関連抽選テーブル(設定値1または2のとき)を説明するための図である。 非AT中におけるAT関連抽選テーブル(設定値3または4のとき)を説明するための図である。 非AT中におけるAT関連抽選テーブル(設定値5または6のとき)を説明するための図である。 AT中におけるAT関連抽選テーブルを説明するための図である。 AT中におけるAT関連抽選テーブルを説明するための図である。 AT中におけるAT関連抽選テーブルを説明するための図である。 フリーズ実行時の各部の動作状況の変形例を示すタイミングチャートである。
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「黒BAR」、「白BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できる。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では、規定数として3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、規定数として1を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態においては、1枚BETスイッチ5と、ストップスイッチ8L、8C、8Rとが、前面扉1bを構成する操作パネル1cの前面、すなわち同一面上に設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。
本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する手順(押し順、停止操作順ともいう)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられている。ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。1枚BETスイッチ5の内部には、フリーズ状態において点灯により当該1枚BETスイッチ5の操作を促す演出用停止LED57aが設けられている。ストップスイッチ8Lの内部には、左停止有効LED22Lに加え、フリーズ状態において点灯により当該ストップスイッチ8Lの操作を促す演出用停止LED57bが設けられている。フリーズとは、ゲームの進行を遅延させるためにメイン制御部41が実行する制御のことである。
前面扉1bの内側には、キー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず自動的に精算(返却)する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
投入メダルセンサ31は、メダルを検出可能なセンサを複数(たとえば3つ)備えており、これら複数のセンサが投入されたメダルを所定の順(上流側のセンサから順)に検出可能となるように構成されている。メイン制御部41は、これら複数のセンサによる検出結果が、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順で検出されたときの検出結果(適正な検出結果ともいう)となったことにより、投入メダルセンサ31により投入メダルが検出あるいは投入メダルの通過が検出されたと判定する。
さらに、前面扉1bの内側には、AT(Assist Time)の終了時に打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aが設けられている。ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。ATには、AT制御の権利となるナビストックを保有していることを条件に制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)にわたり制御される。このため、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示すことになり、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。ナビストックは、サブ制御部91によって行われるナビストック抽選で当選したときに付与される。
筐体1a内部には、図2に示すように、リールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。リールユニット2には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置を各々検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことが検出される。
電源ボックス100の前面には、図4に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
筐体1aの内部にある打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39は、キー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できない。このため、筺体1aの内部にあるそれらのスイッチは、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできない。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として3枚が定められ、規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが小役や再遊技役などの図柄組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するともいう。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた数のクレジットが加算される。クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルがメダル払出口9(図2参照)から払い出される。入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2つ以上のリールを用いた構成においては、2つ以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置を構成してもよい。
本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としてもよい。
電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなる。遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持される。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡する。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させる。リセット回路49は、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われる。
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98などが搭載されている。サブ制御部91は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。
[電断処理]
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化する。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化する。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、特別ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がonの状態での起動時、設定キースイッチ37がon、リセット/設定スイッチ38がoffの状態での起動時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がonの状態での起動時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの全ての領域が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がon、リセット/設定スイッチ38がoffの状態であり、設定変更状態へ移行する場合においてその前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワークおよび特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりしてもよい。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技者によりメダルが用いられることなく次のゲームを行うことが可能な賭数が設定される再遊技役とがある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役ともいう。
なお、本実施の形態においては、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役を備えず、小役、再遊技役のみ内部抽選および入賞の対象となる構成であるが、特別役を備え、特別役が内部抽選および入賞の対象となる構成としてもよい。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。特別役を備える構成とした場合には、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越される。
内部抽選は、各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前(実際には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。遊技状態(RTの種類)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数とに応じて内部抽選が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選する。
いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周する。リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられている。停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止する。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態(RTの種類)、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われる。
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われる。
特別役を備えた場合は次のようなリール制御を行う。たとえば、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御を優先し、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
なお、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞する。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
メイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。
本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止するため、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する。
本実施の形態において、メイン制御部41は、停止操作に伴い、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン上に入賞に対応する役が揃ったか否かを判定し、いずれかの入賞に対応する役が揃っていると判定した場合には、入賞時の制御を行う。たとえば、小役が揃っている場合には、揃った小役に応じたメダルを付与する制御を行い、再遊技役が揃っている場合には、リプレイゲームを付与する制御などを行う。
[コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、および操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなる。サブ制御部91は、種類データに基づいてコマンドの種類を判別する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数(すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数)、およびBET音の出力の有無を特定可能なコマンドである。BETコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるため、サブ制御部91では、BETコマンドを受信することで、賭数の設定操作がなされたこと、賭数、およびBET音の出力の有無を特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数、および出力する音の種類(BET音かクレジット音)を特定可能なコマンドである。クレジットコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール回転開始コマンドは、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドである。リール停止コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドである。入賞番号コマンドは、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドである。払出開始コマンドは、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに送信される。払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドである。払出終了コマンドは、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。復帰コマンドは、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RT0〜3のいずれか)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドである。待機コマンドは、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドである。打止状態に制御される場合に打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドである。エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドである。設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了、設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。サブ制御部91は、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。さらに、サブ制御部91は、設定コマンドにより設定値を特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドである。設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドである。ドアコマンドは、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドである。操作検出コマンドは、定期的に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドである。操作検出コマンドは、一定時間ごとに送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、コマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できる。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行される。
サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行する。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行される。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、BETコマンドのうちのBETコマンド(BET音あり)を受信したときに実行中の演出を中止する。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出をキャンセルすることができる。これにより、演出よりも次のゲームに早く進みたい遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。サブ制御部91は、BETコマンドのうちのBETコマンド(BET音あり)を受信したときに、賭数に応じた回数分、所定のBET音(たとえば「ピッ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。
一方、サブ制御部91は、BETコマンドのうちのBETコマンド(BET音なし)を受信したときには、BET音をスピーカ53、54から出力させることなく、かつ実行中の演出を中止することなく継続させる。なお、BETコマンドを受信したときには、その種類にかかわらず、実行中の演出をキャンセルさせるとともに、BET音を出力させるようにしてもよい。
サブ制御部91は、クレジットコマンドのうちのクレジットコマンド(通常)を受信したときに、所定のクレジット音(たとえば「ダ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。これにより、クレジットされたことを気付かせやすくすることができる。
サブ制御部91は、クレジットコマンドのうちのクレジットコマンド(BET音あり)を受信したときには、BET音と同じ音(たとえば「ピッ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。
演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、精算を通知する払出開始コマンドを受信した場合には、原則として、実行中の演出を中止して、演出状態(液晶表示器51の表示状態、スピーカ53、54からの効果音など)を客待ち状態にする。クレジットや賭数の精算を行うのは遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
しかし、精算を通知する払出開始コマンドのうち、リプレイゲームにおけるクレジット精算を通知する払出開始コマンドを受信したときには、リプレイ入賞により設定された賭数が残存しており、以降において少なくとも1ゲームが行われるため、実行中の演出をその後も継続するようになっている(客待ち状態にもならない)。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する。同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
サブ制御部91は、操作検出コマンドから特定される1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)を時系列にて複数個バッファしておくとともに、これらバッファされている1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)に基づいて、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態が変化したか否かを特定可能とされている。これらの検出状態の変化を特定することで、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況を特定できる。
[リールモータ]
図5は、スロットマシン1が搭載するリールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。ロータ32aは、多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。
メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において各励磁相φ1〜φ4の励磁状態を更新する処理を行い、それに応じてモータ駆動回路45から位相信号が出力される。リールモータ32L、32C、32Rは、この位相信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ=約1.07(360/336)度)ずつロータ32aを回転させる。
[加速時のリールモータの励磁状況]
図6は、加速時のリールモータ32L、32C、32Rの励磁状況を示すタイミングチャートである。
1ステップは、一の励磁パターンが適用される単位であり、定速回転時においては、1ステップごとに所定の角度(約1.07(360/336)度)ずつロータ32aが回転する。ステッピングモータでは、336ステップの周期でリールが1周し、リールには21の図柄が配置されていることから、16ステップ毎に1図柄移動する。励磁パターンの更新は、タイマ割込処理(メイン)において行われる。カウント数は、次回励磁パターンの更新を行うまでのタイマ割込処理(メイン)の回数である。カウント数×0.56ms(タイマ割込処理(メイン)の間隔)が、ステップの励磁パターンが継続する励磁時間(ステップレート)である。ステップ数は、対応する励磁時間が連続して適用される回数を示す。図中のφ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を各々示す。
メイン制御部41は、図6に示すように、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、各励磁相φ1〜φ4が消磁された状態から1−2相励磁方式で回転方向に励磁を開始する。詳しくは、最初のステップで(φ1、φ4)を励磁状態とし、1ステップごとに、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)…の順番で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁パターンを更新する。
徐々に定速回転のステップレート(2.24ms)に近づくように、各ステップのステップレートを短縮していく。この際、一律にステップレートを短縮するのではなく、長いステップレートと短いステップレートとを織り交ぜて、徐々に短いステップレートを多くしていくことにより、リールをスムーズに加速させる。
定速状態に移行後は、1−2相励磁方式の励磁パターンを2.24msのステップレートにて更新することによりリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。詳しくは、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ1、φ4)、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)、(φ1、φ4)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4の励磁パターンを更新して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
[停止制御時のリールモータの励磁状況]
図7は、停止制御時のリールモータ32L、32C、32Rの励磁状況を示すタイミングチャートである。
図7に示すように、リールの停止制御を行う場合には、停止操作などの停止条件の成立後、停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持する。ブレーキ開始位置に到達したときには、定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aを減速させ、次のステップ(4ステップ手前のステップ)で全ての励磁相φ1〜φ4を励磁する全相励磁を開始する。これにより、ロータ32aに対して急制動がかけられ、オーバーシュート(脱調)して、停止位置でロータ32aが停止する。
本実施の形態においては、停止制御において全相励磁を行った後、5ステップ分オーバーシュートして滑るため、回転方向に対して停止位置よりも6ステップ手前のステップでブレーキを開始し、停止位置よりも5ステップ手前で全相励磁を開始する。
このように、本実施の形態においては、位相信号の出力状態を変化させることで各励磁相φ1〜φ4の励磁状態が変化し、これによりリールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、リールを回転および停止させることができる。すなわち、位相信号の出力状態が変化することでリールが動作し、位相信号の出力状態を変化させないことによりリールが停止する。
[入賞役]
図8〜図10は、役の種類、図柄組合せ、および役に関連する技術事項について説明するための図である。図11は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図12は、遊技状態の概要を示す図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、図11に示すように、RT0〜RT3のいずれかに制御される。
図8を参照して、入賞役のうちの小役について説明する。入賞役のうちの小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、および1枚役が含まれる。各々の小役については、対応する図柄組合せが揃ったときに入賞となり、所定枚数のメダルが払い出される。
たとえば、中段ベルは、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。その他の小役についても、図8に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、所定枚数のメダルが払い出される。
図9を参照して、入賞役のうちの再遊技役について説明する。入賞役のうちの再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2、特殊リプレイ、および特別リプレイが含まれる。各々の再遊技役については、対応する図柄組合せが揃ったときに入賞となり、メダルを消費することなく賭数が自動設定されて次のゲームが開始される(つまり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される)。
たとえば、通常リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲームが付与される。その他の再遊技役についても、図9に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲームが付与される。
図11に示すように、RT0において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、RT0に制御される。昇格リプレイは、RT2およびRT3のいずれにおいても内部抽選で当選しない。このため、RT2およびRT3のいずれにおいても昇格リプレイに入賞しない。その結果、RT2およびRT3のいずれからもRT0に制御されないように構成されており、RT1であるときにのみ昇格リプレイが入賞し、当該RT1からのみRT0に制御される。RT0において特殊リプレイに入賞した後は、RT2に制御される。特殊リプレイは、RT1、RT2、およびRT3のいずれにおいても内部抽選で当選しない。このため、RT1、RT2、およびRT3のいずれにおいても特殊リプレイに入賞しない。その結果、RT1およびRT3のいずれからもRT2に制御されないように構成されており、RT0であるときにのみ特殊リプレイが入賞し、当該RT0からのみRT2に制御される。
図10を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図10に示すように、「リプレイ−白BAR−ベル」、「リプレイ−黒BAR−ベル」、「プラム−白BAR−ベル」、「プラム−黒BAR−ベル」、「リプレイ−ベル−白BAR」、「リプレイ−ベル−黒BAR」、「プラム−ベル−白BAR」、「プラム−ベル−黒BAR」、「黒7−白BAR−白BAR」、「黒7−白BAR−黒BAR」、「黒7−黒BAR−白BAR」、「黒7−黒BAR−黒BAR」、「白7−白BAR−白BAR」、「白7−白BAR−黒BAR」、「白7−黒BAR−白BAR」、「白7−黒BAR−黒BAR」、「スイカ−白BAR−白BAR」、「スイカ−白BAR−黒BAR」、「スイカ−黒BAR−白BAR」、「スイカ−黒BAR−黒BAR」からなる20種類の組合せである。本実施の形態においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、移行出目が入賞ラインLNに揃う。
図11に示すように、RT0、RT2、およびRT3において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、RT1に制御される。RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、RT1が維持される。
[抽選対象役]
次に、図13〜図15を参照して、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0、RT1、RT2、およびRT3のいずれであるかによって、内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。なお、抽選対象役として、複数の入賞役が同時に読み出されて、重複して当選し得る。図15においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図13および図14においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないこと、すなわち抽選の対象外であることを示している。
○印の下に示す数値は、所定の設定値(たとえば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「360」が設定されている抽選対象役の当選確率は、360/65536となる。
図13は、遊技状態(RTの種類)ごとに抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、図14は、遊技状態(RTの種類)ごとに抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
RT0であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR21、リプレイGR22、およびリプレイGR23が内部抽選の対象役となる。
RT1であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、およびリプレイGR6が内部抽選の対象役となる。
RT2であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、および特別リプレイが内部抽選の対象役となる。
RT3であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、および通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
なお、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、および右ベル4を総称して押し順ベルともいう。リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR21、リプレイGR22、およびリプレイGR23を総称して押し順リプともいう。
図15には、抽選対象役により入賞が許容される役の組合せが示されている。たとえば、弱チェリーは、下段チェリーの単独当選であり、強チェリーは、下段チェリー+1枚役であり、中段チェリーは、下段チェリーの単独当選である。その他の抽選対象役についても、図15に示す入賞役が単独あるいは重複して当選する。
このように、遊技状態がRT0〜RT3のいずれであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜RT3のいずれであるかによって、対象となる再遊技役およびその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
[押し順リプ当選時のリール制御]
本実施の形態においては、当選した押し順リプの種類および停止操作順に応じて、予め定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図16は、押し順リプ当選時のリール制御を説明するための図である。
たとえば、リプレイGR1(通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作されたときには、当選した再遊技役のうちの昇格リプレイ1の組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作されたときには、通常リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。その他の押し順リプについても、当選した押し順リプの種類および停止操作順に応じて、予め定められた再遊技役の組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御が行われる。
リプレイGR1〜6については、昇格リプレイに入賞させるための操作態様として各々異なる操作態様が設定されている。このため、リプレイGR1〜6が内部抽選の対象となるRT1において、リプレイGR1〜6のいずれかに当選すれば、1/6の確率で昇格リプレイが入賞してRT0に移行する。
リプレイGR11〜13については、転落リプレイを回避するための操作態様として各々異なる操作態様が設定されている。このため、リプレイGR11〜13が内部抽選の対象となるRT0において、リプレイGR11〜13のいずれかに当選すれば、1/3の確率で通常リプレイが入賞してRT1への移行を回避できる一方で、2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に移行する。
リプレイGR21〜23については、特殊リプレイを入賞させるための操作態様として各々異なる操作態様が設定されている。このため、リプレイGR21〜23が内部抽選の対象となるRT0において、リプレイGR21〜23のいずれかに当選すれば、1/3の確率で特殊リプレイが入賞してRT2へ移行する。
[押し順ベル当選時のリール制御]
本実施の形態においては、当選した押し順ベルの種類および停止操作順に応じて、予め定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図17は、押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。
たとえば、左ベル1(右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8)が当選し、左押しで停止操作されたときには、当選した小役のうちの右下がりベルの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中第1停止または右第1停止で停止操作されたときには、上段ベル5、上段ベル8、および移行出目のいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。その他の押し順ベルについても、当選した押し順ベルの種類および停止操作順に応じて、予め定められた小役あるいは移行出目の組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御が行われる。
このように、当選した押し順ベルの種類に応じた特定の操作態様で停止操作されたときには、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選した押し順ベルの種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作されたときには、1/4で上段ベルが揃うか、あるいは3/4で上段ベルが揃わずに移行出目が揃うこともある。
このため、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で操作されたか否かによってメダルの払出枚数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかに当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできないため、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。さらに、RT0、RT2、およびRT3においては、押し順ベルのいずれかに当選しても、その種類が分からなければ移行出目が停止してRT1へ移行することもある。
[遊技状態の遷移]
本実施の形態においては、図11および図12に示すように、遊技状態がRT0〜RT3のいずれかに制御される。
RT0は、RT1において昇格リプレイが入賞したとき(RT1においてリプレイGR1〜6のいずれかに当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作されたとき)に移行する。RT0は、RT0に移行してからのゲーム数にかかわらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特殊リプレイの入賞によりRT2に移行することで終了する。
RT0における再遊技役の当選確率は、約1/2.08であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、特殊リプレイが入賞し得る。
RT1は、RT0、RT2、およびRT3のいずれかで移行出目が停止するか、RT0において転落リプレイが入賞したときに移行する。RT1は、昇格リプレイが入賞してRT0に移行することで終了する。
RT1における再遊技役の当選確率は、約1/7.31であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR1〜6のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、昇格リプレイが入賞し得る。
RT2は、RT0において特殊リプレイが入賞したときに移行する。RT2は、移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。
RT2における再遊技役の当選確率は、約1/1.37であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。再遊技役としては、通常リプレイ、特別リプレイのみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、特別リプレイが入賞し得る。
RT3は、設定変更後に移行する。RT3は、RT3に移行してからのゲーム数にかかわらず、移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。
RT3における再遊技役の当選確率は、約1/7.31であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。再遊技役としては、通常リプレイのみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイのみが入賞し得る。
RT0〜RT3のうちRT0およびRT2は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1およびRT3と比較して高い。このため、RT0およびRT2は、RT1およびRT3よりも遊技者にとって有利な状態である。さらにRT2は、RT0よりもさらに再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT0と比較して高い。このため、RT2は、RT0よりも有利な状態である。
本実施の形態においては、遊技状態がRT0〜RT3であるときに、サブ制御部91により、ナビ演出が実行されるATに制御可能である。
ここで遊技状態の移行状況について説明すると、図11に示すように、設定変更後にRT3に移行する。
RT3では、移行出目が停止することで、RT1に移行する。
RT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止するため、設定変更後に移行したRT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合には、RT1に移行する。
RT1では、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行する。
RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞するため、RT1では、リプレイGR1〜6が当選し、停止順に正解することでRT0へ移行する。
RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行し、特殊リプレイが入賞することでRT2へ移行する。
RT0においてリプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解であると転落リプレイが入賞する。リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解すると特殊リプレイが入賞する。RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選し、かつ小役を入賞させることができなかったときには移行出目が停止する。このため、RT0では、リプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行し、リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解することでRT2へ移行する。
RT2では、移行出目が停止することでRT1に移行する。
RT2において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選し、かつ小役を入賞させることができなかったときには移行出目が停止する。このため、RT2では左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行する。
[ナビ演出]
サブ制御部91は、ATに制御されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23である。RT0〜RT2のいずれにおいても、押し順ベルが共通のナビ対象役である。
本実施の形態におけるナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。ナビ画像として、たとえば、リプレイGR1や左ベルに当選したときには、「123」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「132」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とを表示する。ナビ音声として、たとえば、「左中右!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「左右中!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチの押下順序を示す音声を出力する。
なお、ナビ音声は、遊技者が最初あるいは次に押下すべきストップスイッチのみが出力される。したがって、全リールの回転中であれば、たとえば最初に「左!」と出力され、リール2Lを停止させると次に「中!」と出力され、リール2Lおよびリール2Cを停止させると次に「右!」といった音声が出力される。他の対象役に関しても、当選した対象役に応じたナビ画像が液晶表示器51から表示されるとともにナビ音声がスピーカ53、54から出力される。
リプレイGR1〜6に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための停止順(図16参照)が報知される。
リプレイGR11〜13に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプレイを回避するための停止順(図16参照)が報知される。
リプレイGR21〜23に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて特殊リプレイを入賞させるための停止順(図16参照)が報知される。
押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させるための停止順(図17参照)が報知される。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる特定の操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類にかかわらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる特定の操作態様で操作することができる。
遊技者は、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイの入賞、移行出目の停止を回避させることができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
次に、本実施の形態のメイン制御部41が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[ゲーム処理]
図18は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理では、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、リール回転処理(S3)、入賞判定処理(S4)、払出処理(S5)、ゲーム終了時処理(S6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
S1におけるBET処理では、メイン制御部41は、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。メイン制御部41は、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
S2における内部抽選処理では、メイン制御部41は、S1におけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか否かを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
S3におけるリール回転処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
S4における入賞判定処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
S5における払出処理では、メイン制御部41は、S4において入賞の発生が判定された場合に、その入賞が小役の場合には当該小役の種類に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算ならびにメダルの払い出しなどの処理や、再遊技役の場合には再遊技役の種類を特定可能なリプレイゲームフラグをRAM41cに設定してリプレイゲームを付与可能にする処理などを行う。払出処理では、メイン制御部41は、クレジットの加算ならびにメダルの払い出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
S6におけるゲーム終了時処理では、メイン制御部41は、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。ゲーム終了時処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに設定することで、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して設定されたコマンドが送信される。
[BET処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS1で実行するBET処理について説明する。図19〜図21は、メイン制御部41が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、まず、RAM41cの所定領域において賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(S10)、遊技状態に応じた規定数(本実施の形態では上限数と同じ。いずれの遊技状態においても3)をRAM41cに設定し(S11)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであるか否かを判定する(S12)。
S12において次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであると判定された場合には(S12でY)、前回ゲームにおいて入賞した再遊技役が、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せからなる通常リプレイ(以下では、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せからなる通常リプレイを第1のリプレイともいう)であったか否かが判定される(S13)。第1のリプレイであったか否かは、設定されているリプレイゲームフラグから特定される。第1のリプレイであったと判定されたときには(S13でY)、賭数が3(リプレイ当選可能な状態は3枚賭けであるため)加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(S14では便宜上、“BETコマンド(BET音あり)”と示している。以下同様)を通常コマンド用送信バッファに設定する(S14)。
一方、第1のリプレイではなかったと判定されたときには(S13でN)、賭数が3加算される旨、およびサブ制御部91によりBET音を出力させない旨のBET音なしを示すBETコマンド(S15では便宜上、“BETコマンド(BET音なし)”と示している。)を通常コマンド用送信バッファに設定する(S15)。
以下では、第1のリプレイ以外の再遊技役を第2のリプレイと第3のリプレイという。本実施の形態における第2または第3のリプレイは、遊技状態の移行を伴わない通常リプレイおよび下段リプレイのうち、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せからなる通常リプレイ以外の再遊技役が対応する。たとえば、第2のリプレイは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せ以外の通常リプレイや下段リプレイが対応し、第3のリプレイは、遊技状態の移行を伴う転落リプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、および特別リプレイが対応する。
設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、サブ制御部91側においては、第1のリプレイ入賞後において賭数が設定される毎にBET音を出力するのに対し、第2または第3のリプレイ入賞後において賭数が設定される際にはBET音を出力させないことになる。これにより、第1のリプレイ入賞を遊技者に気付かせやすくすることができるのに対し、第2または第3のリプレイ入賞を遊技者に気付かせ難くすることができる。
次に、メイン制御部41は、BETカウンタの値を1加算し(S16)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(S17)、BETカウンタの値が規定数でなければ(S17でN)、S16に戻る。
BETカウンタの値が規定数となりリプレイ入賞による賭数の設定が完了すると(S17でY)、S18へ移行する。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、BETカウンタの値に応じて、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を実行する。メイン制御部41は、リプレイ入賞後における賭数の設定が完了した後に、リプレイ中LED20、およびスタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を実行する。
メイン制御部41は、RAM41cの所定領域において格納されるクレジットの値であるクレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定する(S18)。上限値であると判定されたときには(S18でY)、投入不可フラグをRAM41cに設定し(S19)、S21に進む。投入不可フラグが設定されると、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させるための処理が行われる。なお、BETカウンタが第2または第3のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させずに、たとえば、S37でYESと判定された後や、3BET分に相当するクレジットコマンド(BET音あり)が出力された後に、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させる。
S18において上限値でないと判定されたとき、つまりクレジット投入が可能であると判定されたときには(S18でN)、S20に進む。なお、S12においてリプレイゲームでないと判定された場合には(S12でN)、そのままS20に進む。
S20においては、投入待ち前の設定を行ってS21に進む。投入待ち前の設定では、RAM41cに投入不可フラグが設定されている場合は投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。このため、リプレイ入賞後においては、賭数の設定が完了する前であって投入待ち前の設定が未だ行われていないときに投入されたメダルを受付けず、賭数の設定が完了して投入待ち前の設定が行われてから投入されたメダルを有効に受付けてクレジット加算されることになる。
メイン制御部41は、投入待ち前の設定が行われて投入不可フラグをクリアされた後に、投入要求LED17を点灯させ、賭数を設定することが可能な場合にはBETスイッチ有効LED21を点灯させる処理を実行する。なお、BETカウンタが第1のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、S20において投入要求LED17のみを点灯させる。BETカウンタが第2または第3のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、S20において投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を点灯させ、たとえば、S37でYESと判定された後や、3BET分に相当するクレジットコマンド(BET音あり)が出力された後に、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させる。
メイン制御部41は、投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する(S21)。メダルの投入が可能な状態であると判定された場合には(S21でY)、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(S22)、S24に進む。メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には(S21でN)、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(S23)、S24に進む。
メイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態か否かを判定し、設定キースイッチ37がonであれば(S24でY)、BETカウンタの値が0か否かを判定する(S25)。BETカウンタの値が0であれば(S25でY)、確認開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(S26)、設定確認処理(S27)、すなわち設定確認状態に移行する。S26で設定された確認開始コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。S27における設定確認処理が終了した後は、S21に戻る。設定キースイッチ37がonではない場合(S24でN)またはBETカウンタの値が0ではない場合には(S25でN)、S30に進む。
メイン制御部41は、投入メダルセンサ31による検出結果が適正な検出結果となり投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する(S30)。投入メダルの通過が検出されていなければ(S30でN)、S45に進み、投入メダルの通過が検出されていれば(S30でY)、投入メダルフラグをクリアし(S31)、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する(S32)。メダルの投入が可能な状態でなければ(S32でN)、S45に進む。
メイン制御部41は、メダルの投入が可能な状態であれば(S32でY)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定する(S33)。BETカウンタの値が規定数でなければ(S33でN)、賭数が1加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S34)、BETカウンタの値を1加算し(S35)、S21に戻る。S34で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、メダル投入により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、BET音が出力される。
メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数であれば(S33でY)、前回ゲームにおいて第2または第3のリプレイが入賞していたか否かが判定される(S36)。第2または第3のリプレイであったか否かは、リプレイゲームフラグから特定される。前回ゲームにおいて第2または第3のリプレイが入賞していなかったと判定されたときには(S36でN)、1加算後のクレジットカウンタの値を示すとともにサブ制御部91によりクレジット音を出力させる旨を示すクレジットコマンド(S38では便宜上、“クレジットコマンド(通常)”と示している。以下同様)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S38)、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する(S40)。S38で設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
前回ゲームにおいて第2または第3のリプレイが入賞していたと判定されたときには(S36でY)、規定数分のBET音が出力されたか否かが判定される(S37)。具体的には、S39に示すクレジットコマンドが規定数分の3回出力されたか否か判定される。第2または第3のリプレイ入賞後において賭数が設定される際には、S15で示したようにBETコマンド(BET音なし)が出力されるため、サブ制御部91においてBET音が出力されない。このため、第2または第3のリプレイ入賞後、賭数が設定された後において、メダルが投入されてクレジットされる際に、BET音を規定数回まで出力させるための処理が行われる。
S37において、規定数分のBET音が出力されていないときには(S37でN)、1加算後のクレジットカウンタの値を示すとともにサブ制御部91によりクレジット音を出力させる旨を示すクレジットコマンド(S39では便宜上、“クレジットコマンド(BET音あり)”と示している。以下同様)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S39)、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する(S40)。S39で設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
一方、規定数分のBET音が既に出力されているときには(S37でY)、クレジットコマンド(通常)が通常コマンド送信用バッファに設定される(S38)。これにより、第2または第3のリプレイ入賞後のメダル投入によるクレジット加算の際には、サブ制御部91側において、3枚目までについてはBET音が出力され、4枚目以降についてはクレジット音が出力される。一方、第2または第3のリプレイ入賞後でないときのメダル投入によるクレジット加算の際には、サブ制御部91側において、1枚目からクレジット音が出力されることになる。
なお、S36およびS37の次のステップとして、S40を実行した後に、対応するS38あるいはS39の処理を行うことにより、クレジットカウンタの値としてS40により加算された後にあたる現在の値を示すクレジットコマンドをS38あるいはS39において設定するようにしてもよい。
メイン制御部41は、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定する(S41)。クレジットカウンタの値が50でなければ(S41でN)、S21に戻り、クレジットカウンタの値が50であれば(S41でY)、投入不可フラグをRAM41cに設定し(S42)、S21に戻る。
S45では、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否か、すなわちスタートスイッチ7の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。さらに立上りエッジは、いずれかのスイッチがONに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、S45では、いずれかのスイッチがONに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定される。
スタートスイッチ7の操作が検出されていないと判定された場合(S45でN)、またはスタートスイッチ7が操作されたものの他のスイッチも操作されている場合には、S50に進み、スタートスイッチ7の操作が有効に検出されていれば(S45でY)、S46に進み、立上りエッジをクリアする。S47では、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する。
メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数でなければ(S47でN)、S21に戻り、BETカウンタの値が規定数であれば(S47でY)、S48において、投入不可フラグをRAM41cに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し、S49において、ゲーム開始時の設定を行う。これにより、ゲームが開始されてから当該ゲームが終了して、次のゲーム以降のBET処理におけるS20において投入待ち前の設定が行われるまではメダルを投入しても受付けられず、メダル払出口9から払い出されることになる。S49の後、BET処理を終了して図18のS2に進む。
S50においては、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否か、すなわち1枚BETスイッチ5の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ(S50でN)、S51に進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば(S50でY)、図21のS65に進み、立上りエッジをクリアする。
メイン制御部41は、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(S66)。BETカウンタの値が規定数であれば(S66でY)、S21に戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ(S66でN)、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(S67)。クレジットカウンタの値が0であれば(S67でY)、S21に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ(S67でN)、賭数が1加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定する(S68)。
S69においては、クレジットカウンタの値を1減算し、S70においては、BETカウンタの値を1加算して、S21に戻る。S68で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、1枚BETスイッチ5の操作により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、BET音が出力される。なお、第2または第3のリプレイ入賞後において、S66でYESと判定されたときには、S37と同様の判定を行い、規定数分、BET音が出力されていないときには、S39と同様の処理を行うようにして、BET音を出力させるようにしてもよい。
S51においては、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否か、すなわちMAXBETスイッチ6の立ち上がり示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。MAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ(S51でN)、S52に進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば(S51でY)、図21のS75に進み、立上りエッジをクリアする。
メイン制御部41は、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(S76)。BETカウンタの値が規定数であれば(S76でY)、S80に進み、BETカウンタの値が規定数でなければ(S76でN)、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(S77)。クレジットカウンタの値が0であれば(S77でY)、S80に進む。クレジットカウンタの値が0でなければ(S77でN)、S78において、クレジットカウンタの値を1減算し、S79において、BETカウンタの値を1加算して、S76に戻る。
S80では、BETカウンタが加算されたか否かを判定し、BETカウンタが加算されていなければ(S80でN)、S21に戻る。一方、BETカウンタが加算されていれば(S80でY)、S81において加算された数分賭数が加算された旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定し、S21に進む。S81で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、MAXBETスイッチ6の操作により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、設定された賭数分だけBET音が出力される。
S52においては、精算スイッチ10の操作が検出されているか否か、すなわち精算スイッチ10の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。精算スイッチ10の操作が検出されていなければ(S52でN)、S21に戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば(S52でY)、S53に進み、立上りエッジをクリアする。メイン制御部41は、RAM41cにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(S54)。
リプレイゲームであると判定されなかったときには(S54でN)、S56においてBETカウンタの値が0か否かを判定し、BETカウンタの値が0でなければ(S56でN)、S57に進み、ホッパーモータ34bを駆動してBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御(すなわち賭数の設定に用いられたメダルを返却するとともにBETカウンタの値を0にする制御)が行われるとともに、メダルの払出開始および賭数精算を通知する払出開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。S57における賭数精算処理の後、S58において、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアしてS21に戻る。これにより、リプレイ入賞後ではなく賭数が設定されている状態で精算スイッチ10の操作により賭数精算が行われる際には、サブ制御部91側において、賭数精算中である旨が表示されるとともに、賭数精算に対応する音が出力される。
これに対し、S54においてリプレイゲームであると判定されたときや(S54でY)、S56においてBETカウンタの値が0であると判定されたときには(S56でY)、S59において、ホッパーモータ34bを駆動してクレジットカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御(すなわちクレジットとして記憶されているメダルを返却するとともにクレジットカウンタの値を0にする制御)が行われるとともに、メダルの払出開始を通知するとともに、リプレイゲームにおけるクレジット精算であるか賭数が設定されていないときにおけるクレジット精算であるかを通知する払出開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。
S57における賭数精算処理の後、S58において、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアしてS22に戻る。これにより、リプレイ入賞において精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、賭数精算が行われることなくクレジット精算のみが行われ、かつ、サブ制御部91側においては、リプレイ入賞後におけるクレジット精算中である旨が表示されるとともに、リプレイ入賞後におけるクレジット精算に対応する音が出力される。BETカウンタの値が0であるときにおける精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、サブ制御部91側において、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算中である旨が表示されるとともに、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算に対応する音が出力される。
[ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミング]
次に、ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングについて説明する。図22(a)〜(d)は、図19〜図21に示したBET処理が実行されることにより、ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングの一例を説明するための図である。
図22(a)は、小役入賞せずにメダル払い出しがなかった後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。小役入賞が発生していない場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図18のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図19のS10〜S12の処理が実行された後において、S20以降の処理が実行されることにより、図22(a)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
図22(b)は、小役入賞してメダル払い出しが行われた後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。小役入賞が発生している場合には、払い出しが行われた後にゲームが終了し、その後、図18のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図19のS10〜S12の処理が実行された後において、S20以降の処理が実行されることにより、図22(b)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
図22(c)は、リプレイ入賞した後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。リプレイ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図18のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図19のS10〜S12の処理に加えて、さらに賭数設定が完了したタイミング以降(つまり、賭数設定が完了したタイミング、または当該タイミングより後)であってS19においてクレジット可能であると判定された後において、S20以降の処理が実行されることにより、図22(c)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
以上、図19のS12〜S20や図22(c)で示したように、リプレイ入賞が発生した後であってリプレイゲームが開始(リール回転開始)されるまでの間に投入されたメダルであっても、リプレイ入賞による賭数設定(自動BET)がされて次のリプレイゲームが開始可能な状態となってから後に検出されたメダルである場合には、メダルの検出に応じて図20のS36〜S40が行われて、クレジットに加算させることができる。このため、リプレイ入賞が発生した後におけるクレジット加算が賭数設定よりも先に行われてしまうことを防止できる。その結果、違和感を抱かせることなく、リプレイ入賞が発生した後における遊技者の利便性を向上させることができる。
図20のS52〜S59に示されるように、精算スイッチ10への操作に応じて、賭数が設定されている場合には当該賭数を精算する賭数精算処理を実行し、賭数が設定されていない場合にはクレジットを精算するクレジット精算処理を実行可能としつつ、設定されている賭数がリプレイ入賞により自動BETされた賭数である場合には、賭数精算処理を実行せずにクレジット精算処理を実行する。これにより、メダルを払い出すのではなくリプレイゲーム(1ゲーム)を付与するというリプレイの機能そのものを残してリプレイの存在意義を維持する一方、クレジットについてはリプレイ入賞後であっても精算操作に応じて払出可能としたことにより、リプレイ入賞後における遊技者の利便性をさらに向上させることができる。
本実施の形態におけるスロットマシン1によれば、以下の課題を解決することができる。従来のスロットマシンにおいては、一般的に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が、所定時間(たとえば190ms(ミリ秒))に制限されている。このため、操作タイミングにかかわらず取りこぼしが発生しない入賞役を設ける場合には、各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内(本実施の形態では、5コマ以内)に、当該入賞役を構成する図柄を配置する必要がある。その結果、取りこぼしが発生しない入賞役の数が多くなるほど、入賞役各々を構成する専用図柄として数多くの種類を要する。
一方、複数(通常は3つ)のリールに描かれる識別情報としての図柄については、無限に設けることができるものではなく、ある程度の制限が科される。たとえば、3つのリール各々に描かれる図柄の数は、1リールに対して最大21個に制限されており、さらに3つのリールに描かれる図柄の種類は全部で最大10種類に制限されている。
このような従来のスロットマシンを背景とした場合、たとえば入賞役について同一の図柄により構成しようとした場合、専用図柄を用意する必要がある。このため、図柄の数や種類の制限範囲内で移行役のための専用図柄を設けることが設計上困難となる虞があった。ストップスイッチ8L〜8Rの操作手順(押し順、操作タイミングなど)にかかわらずリプレイ入賞し得るように構成する場合においては、所定時間内で引き込み可能な範囲内に当該リプレイを構成する専用図柄を配置する必要があり、専用図柄の数を多くせざるを得なくなり、益々設計が困難になってしまう虞があった。
このような課題を解決するために、本実施の形態のスロットマシン1においては、再遊技役に、外形が同一の図柄のみから構成される「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が入賞ラインに停止されることにより発生する第1のリプレイと、外形が同一または類似とはいえない図柄組合せとなる第2または第3のリプレイとを含めた。これにより、再遊技役のための専用図柄を必ずしも複数設ける必要がなく、図柄の数と種類を増大させてしまうことを回避でき、図柄の数、種類、および配置の制限内で、再遊技役の種類(バリエーション)を豊富にすることができる。一方、第2または第3のリプレイ入賞が発生した場合には、外形が同一または類似とはいえない図柄を含む組合せが停止されるため、第1のリプレイ入賞が発生した場合よりもリプレイ入賞の発生に気付かずに、メダルを投入してしまう可能性が高まる。しかし、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができるために、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
本実施の形態における第2または第3のリプレイを構成する図柄には、リプレイとは異なる図柄が含まれる。このため、第2または第3のリプレイ入賞の発生に気付かずにメダルを投入してしまう可能性がより一層高まる。しかし、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができるため、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
図19のS13〜S15で示したように、第1のリプレイ入賞が発生した後においてはBETコマンド(BET音あり)が設定されて出力されるため、サブ制御部91側によりBET音が出力される。一方、第2または第3のリプレイ入賞が発生した後においてはBETコマンド(BET音なし)が設定されて出力されるため、サブ制御部91側によりBET音が出力されることがない。これにより、第2または第3のリプレイ入賞が発生して賭数設定が完了していることに気付かずにメダルを投入してしまう可能性がより一層高まるが、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができ、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
図20のS36〜S39で示したように、BET音を出力させない第2または第3のリプレイ入賞が発生して賭数設定が完了していることに気付かずにメダルを投入してクレジット加算された場合でも、賭数の上限数に相当する3回まではBET音と同じ音が出力される。このため、遊技者の勘違いでメダルを投入して賭数を設定しているつもりであるにもかかわらずBET音が出力されないことにより、不信感や違和感を抱かせてしまうことを防止することができる。
なお、本実施の形態では、図22(c)で示したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングが、リプレイ入賞による自動BETの完了時である例について説明したが、これに限らず、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングは、リプレイ入賞による自動BETが開始される(あるいは開始された)ときであってもよい。
図22(d)は、ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングについての変形例を説明するための図である。図22(d)に示すように、リプレイ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図18のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図19のS10〜S12の処理が行われた後に、自動BETの処理(S16、S17)が開始される。つまり、図19のS10〜S12の処理が行われた後は、自動BETの処理(S16、S17)の開始が確定するため、自動BETの処理が開始されるといえる。よって、図22(d)に示すように、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときに、メダルの投入あるいは精算を許容するようにしてもよい。
第1の例として、たとえば、図19のS12においてYESと判定された場合にS18と同様の処理を行ってクレジットカウンタの値が50であるか否かの判定を行った後に、自動BETの処理(S16、S17と同様の処理)が開始されるようにするとともにクレジットカウンタの値が50でないと判定された後においては、その後に開始される自動BETの処理の完了を待つことなく、S20と同様の処理を行った以降において投入されたメダルを検出したときにクレジット加算されるとともに精算スイッチ10への操作を検出したときにクレジット精算されるようにしてもよい。一方、S18と同様の処理を行ってクレジットカウンタの値が50であると判定された後は、S19以降の処理と同様の処理を行うようにしてもよい。
第2の例として、たとえば、メダルの投入あるいは精算を行うための割込処理を実行可能とし、第1の例におけるクレジットカウンタの値が50でないと判定されたとき、あるいは、クレジットカウンタの値が50でないと判定された後において1回目のS16に相当する処理が実行されてからゲーム開始までの間において、上記割込処理の割込みを許可するようにして、所定期間(2msec)毎に当該割込処理を実行するようにして、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときに、メダルの投入あるいは精算を許容するようにしてもよい。
このように構成した場合であっても、リプレイ入賞が発生した後であってリプレイゲームが開始(リール回転開始)されるまでの間に投入されたメダルであっても、リプレイ入賞による賭数設定(自動BET)が開始されてから後に検出されたメダルである場合には、メダルの検出に応じてクレジット加算させることができる。このため、リプレイ入賞が発生した後におけるクレジット加算が賭数設定の開始よりも先に行われてしまうことを防止できる。その結果、違和感を抱かせることなく、リプレイ入賞が発生した後における遊技者の利便性を向上させることができる。メダルを払い出すのではなくリプレイゲーム(1ゲーム)を付与するというリプレイの機能そのものを残してリプレイの存在意義を維持する一方、クレジットについてはリプレイ入賞後であっても精算操作に応じて払出可能としたことにより、リプレイ入賞後における遊技者の利便性をさらに向上させることができる。
[フリーズ]
本実施の形態において、メイン制御部41は、RT2中に特別リプレイまたは通常リプレイが当選したゲームにおいてフリーズ抽選を行う。フリーズ抽選とは、リールの停止操作が有効化されるタイミングを遅延させることにより、所定期間にわたりゲームを進行させるための操作が無効化されるフリーズ状態に制御するか否かを決定する抽選である。メイン制御部41は、フリーズ抽選の結果などを示すフリーズコマンドをサブ制御部91に送信する。
フリーズ抽選で決定されるフリーズの種別は、図23に示すように、フリーズなし、フリーズ1A、フリーズ1B、フリーズ2A、フリーズ2B、フリーズ3A、フリーズ3B、フリーズ4A、フリーズ4B、フリーズ5A、およびフリーズ5Bからなる。
このうち、特別リプレイの当選時には、フリーズなし、フリーズ1A、フリーズ1B、フリーズ2A、フリーズ2B、フリーズ3A、フリーズ3B、フリーズ4A、フリーズ4B、フリーズ5A、およびフリーズ5Bの全てが決定対象となり、通常リプレイの当選時には、フリーズなし、フリーズ5A、およびフリーズ5Bが決定対象となる。
フリーズなしに決定された場合には、フリーズ状態に制御せず、リールが定速回転となることでストップスイッチ8L、8C、8Rによる対応するリールの停止操作を有効化する。
フリーズ1A〜5Aに決定された場合には、図24(a)に示すように、定速回転となった後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能とする。この際、サブ制御部91は、ストップスイッチ8Lに内蔵された演出用停止LED57bを点灯させることで、ストップスイッチ8Lの操作が促される。演出用停止LED57bを点灯させた場合のストップスイッチ8Lの点灯態様と、左停止有効LED22Lを点灯させた場合のストップスイッチ8Lの点灯態様とは、異なる点灯態様(たとえば、輝度および色、一方が点灯に対して他方が点滅など)であり、ストップスイッチ8Lの操作がゲームの進行に関与する操作として受付可能となった場合と区別できる。
なお、演出用停止LED57bを設けない構成、演出用停止LED57bは設けられているが、フリーズ状態においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった場合に演出用停止LED57bを点灯させない構成としてもよい。
フリーズ1A〜4Aに決定された場合には、図24(b)〜(e)に示すように、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、左リールに対応するストップスイッチ8Lの操作がされたときに、左リールを停止させる制御を行う。この際、完全にリールを停止させることなく、目標の停止位置を導出させた後、リールを上限に振動させる制御を一定時間にわたり行い、その後フリーズ状態を終了する。その後、再び左リールの回転を開始させ、定速回転となったときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とする。すなわち停止操作を有効化し、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを点灯させて、停止操作が有効となった旨が報知される。
一方、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、一定時間が経過してもストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されなかった場合、あるいは、ストップスイッチ8Lが操作される前にストップスイッチ8C、8Rが操作された場合には、その時点でフリーズ状態を解除する。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とする。すなわち停止操作を有効化し、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを点灯させて、停止操作が有効となった旨が報知される。
フリーズ5Aに決定された場合には、図24(g)に示すように、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されるか、一定時間が経過してもストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されなかった場合には、その時点でフリーズ状態を解除する。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とする。すなわち停止操作を有効化し、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを点灯させて、停止操作が有効となった旨が報知される。
フリーズ1Aに決定され、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、左リールに対応するストップスイッチ8Lの操作がされた場合には、図23に示すように、通常リプレイ当選時に左リールを第1停止とした場合の左リールに用いる停止制御テーブルを用いて左リールを停止させる制御を行う。
この際、図24(b)に示すように、8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、下段に11番のBAR、中段に12番のリプレイ、上段に13番のベルとなる位置が導出される。
なお、左リールを第1停止とし、左リールにおける8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングでの停止操作は、本実施の形態における推奨操作態様である。当該操作態様で停止操作を行うことで、第1停止で取りこぼす可能性のある弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリーの全てを揃えることが可能である。さらに、左リールの停止位置の違いから中リールおよび右リールにおいて適切なタイミングで停止操作を行わなければ取りこぼす可能性のある弱スイカ、強スイカの当選を、中リールおよび右リールにおいて適切なタイミングで停止操作を行う必要のない、ハズレ(押し順ベルのハズレを含む)、通常リプレイ、ベルなどと区別することが可能となる。さらに、弱チェリーまたは強チェリーの当選であるか、中段チェリーの当選であるか、についても区別することが可能となることで、効率良く遊技を行うことが可能となる。
フリーズ2Aに決定され、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、左リールに対応するストップスイッチ8Lの操作がされた場合には、図23に示すように、強スイカおよび弱スイカ当選時に左リールを第1停止とした場合の左リールに用いる停止制御テーブルを用いて左リールを停止させる制御を行う。
この際、図24(c)に示すように、8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、下段に12番のリプレイ、中段に13番のベル、上段に14番のスイカとなる位置が導出される。
フリーズ3Aに決定され、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、左リールに対応するストップスイッチ8Lの操作がされた場合には、図23に示すように、強チェリーおよび弱チェリー当選時に左リールを第1停止とした場合の左リールに用いる停止制御テーブルを用いて左リールを停止させる制御を行う。
この際、図24(d)に示すように、8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、下段に10番のチェリー、中段に11番のBAR、上段に12番のリプレイとなる位置が導出される。
フリーズ4Aに決定され、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、左リールに対応するストップスイッチ8Lの操作がされた場合には、図23に示すように、中段チェリー当選時に左リールを第1停止とした場合の左リールに用いる停止制御テーブルを用いて左リールを停止させる制御を行う。
この際、図24(e)に示すように、8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、下段に9番のスイカ、中段に10番のチェリー、上段に11番のBARとなる位置が導出される。
このように、フリーズ1A〜4Aに決定された場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、左リールに対応するストップスイッチ8Lが推奨手順と同じ8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングで操作されると、フリーズ1A〜4Aに応じてそれぞれ異なる停止位置が左リールに導出される。この場合、左リールに導出された停止位置は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与する状態で停止操作がされて導出された停止位置とは異なり、入賞判定の対象とはならない。
サブ制御部91は、AT中に特別リプレイが当選した場合に、上乗せ抽選を行い、この上乗せ抽選においてフリーズ抽選の結果に応じて異なる割合で上乗せゲーム数(制御中のATにおけるATゲーム数に上乗せするゲーム数)を決定する。詳しくは、図23に示すように、特別リプレイ当選時にフリーズ抽選の結果がフリーズなしであれば上乗せゲーム数の平均が20ゲーム、フリーズ1Aであれば上乗せゲーム数の平均が20ゲーム、フリーズ2Aであれば上乗せゲーム数の平均が25ゲーム、フリーズ3Aであれば上乗せゲーム数の平均が30ゲーム、フリーズ4Aであれば上乗せゲーム数の平均が50ゲーム、フリーズ5Aであれば上乗せゲーム数の平均が30ゲームとなる割合でATのゲーム数が決定される。
このため、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、左リールに対応するストップスイッチ8Lが、推奨手順と同じ8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングで操作された際に、そのまま停止操作が有効となるのか、左リールが停止するかによって、上乗せされる可能性が異なる。さらに、左リールが停止した場合には、左リールに導出された停止位置によって、上乗せされるゲーム数の期待値が異なる。
フリーズなしに決定されても、特別リプレイが当選していればゲーム数が上乗せされるので、フリーズに制御されない場合でも、特別リプレイが入賞してATのゲーム数が上乗せされることに対して期待させることができる。
上乗せ抽選が行われない通常リプレイの当選時にも、ストップスイッチ8Lの操作を行っても左リールが停止せず、停止操作が有効となる状況がある。このため、特別リプレイが当選していない状況であっても、ATのゲーム数が上乗せされることに対して期待させることができる。
特別リプレイの当選時にも、ストップスイッチ8Lの操作を行っても左リールが停止せず、停止操作が有効となる状況がある。このため、このような状況であっても、通常リプレイが確定せず、特別リプレイの当選、すなわちATのゲーム数が上乗せされることに対して期待させることができる。
フリーズ1B〜5Bに決定された場合には、図25(a)に示すように、定速回転となった後、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能とする。この際、サブ制御部91は、1枚BETスイッチ5に内蔵された演出用停止LED57aを点灯させるとともに、液晶表示器51に1枚BETスイッチ5の操作を促す画像を表示させることで、1枚BETスイッチ5の操作が促される。
フリーズ1B〜4Bに決定された場合には、図25(b)〜(f)に示すように、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、1枚BETスイッチ5の操作がされたときに、左リールを停止させる制御を行う。この際、左リールを一定時間にわたり停止した状態で維持し、その後フリーズ状態を終了し、再び左リールの回転を開始させ、定速回転となったときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とする。すなわち停止操作を有効化し、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを点灯させて、停止操作が有効となった旨が報知される。
一方、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、一定時間が経過しても1枚BETスイッチ5、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されなかった場合、あるいは、1枚BETスイッチ5が操作される前にストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された場合には、その時点でフリーズ状態を解除する。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とする。すなわち停止操作を有効化し、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを点灯させて、停止操作が有効となった旨が報知される。
フリーズ5Bに決定された場合には、図25(g)に示すように、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、1枚BETスイッチ5、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されるか、一定時間が経過しても1枚BETスイッチ5、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されなかった場合には、その時点でフリーズ状態を解除する。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とする。すなわち停止操作を有効化し、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを点灯させて、停止操作が有効となった旨が報知される。
フリーズ1Bに決定され、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、1枚BETスイッチ5の操作がされた場合には、図23に示すように、通常リプレイ当選時に左リールを第1停止とした場合の左リールに用いる停止制御テーブルを用いて左リールを停止させる制御を行う。
この際、図25(b)に示すように、8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングで1枚BETスイッチ5が操作されると、下段に11番のBAR、中段に12番のリプレイ、上段に13番のベルとなる位置が導出される。
フリーズ2Bに決定され、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、1枚BETスイッチ5の操作がされた場合には、図23に示すように、強スイカおよび弱スイカ当選時に左リールを第1停止とした場合の左リールに用いる停止制御テーブルを用いて左リールを停止させる制御を行う。
この際、図25(c)に示すように、8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングで1枚BETスイッチ5が操作されると、下段に12番のリプレイ、中段に13番のベル、上段に14番のスイカとなる位置が導出される。
フリーズ3Bに決定され、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、1枚BETスイッチ5の操作がされた場合には、図23に示すように、強チェリーおよび弱チェリー当選時に左リールを第1停止とした場合の左リールに用いる停止制御テーブルを用いて左リールを停止させる制御を行う。
この際、図25(d)に示すように、8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングで1枚BETスイッチ5が操作されると、下段に10番のチェリー、中段に11番のBAR、上段に12番のリプレイとなる位置が導出される。
フリーズ4Bに決定され、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、1枚BETスイッチ5の操作がされた場合には、図23に示すように、中段チェリー当選時に左リールを第1停止とした場合の左リールに用いる停止制御テーブルを用いて左リールを停止させる制御を行う。
この際、図25(e)に示すように、8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングで1枚BETスイッチ5が操作されると、下段に9番のスイカ、中段に10番のチェリー、上段に11番のBARとなる位置が導出される。
このように、フリーズ1B〜4Bに決定された場合には、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、1枚BETスイッチ5が推奨手順と同じ8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングで操作されると、フリーズ1B〜4Bに応じてそれぞれ異なる停止位置が左リールに導出される。この場合、左リールに導出された停止位置は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与する状態で停止操作がされて導出された停止位置とは異なり、入賞判定の対象とはならない。
サブ制御部91は、AT中に特別リプレイが当選した場合に、上乗せ抽選を行い、この上乗せ抽選においてフリーズ抽選の結果に応じて異なる割合でATのゲーム数を決定する。詳しくは、図23に示すように、特別リプレイ当選時にフリーズ抽選の結果がフリーズなしであれば上乗せゲーム数の平均が20ゲーム、フリーズ1Bであれば上乗せゲーム数の平均が20ゲーム、フリーズ2Bであれば上乗せゲーム数の平均が30ゲーム、フリーズ3Bであれば上乗せゲーム数の平均が25ゲーム、フリーズ4Bであれば上乗せゲーム数の平均が50ゲーム、フリーズ5Bであれば上乗せゲーム数の平均が30ゲームとなる割合でATのゲーム数が決定される。
このため、1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となった後、1枚BETスイッチ5が推奨手順と同じ8番または9番の図柄が下段に位置するタイミングで操作された際に、そのまま停止操作が有効となるのか、左リールが停止するかによって、上乗せされる可能性が異なる。さらに、左リールが停止した場合には、左リールに導出された停止位置によって、上乗せされるゲーム数の期待値が異なる。
フリーズなしが決定されても、特別リプレイが当選していればゲーム数が上乗せされるので、フリーズに制御されない場合でも特別リプレイが入賞してATのゲーム数が上乗せされることに対して期待させることができる。
上乗せ抽選が行われない通常リプレイの当選時にも、1枚BETスイッチ5の操作を行っても左リールが停止せず、停止操作が有効となる状況がある。このため、特別リプレイが当選していない状況であっても、ATのゲーム数が上乗せされることに対して期待させることができる。
特別リプレイの当選時にも、1枚BETスイッチ5の操作を行っても左リールが停止せず、停止操作が有効となる状況がある。このため、このような状況であっても、通常リプレイが確定せず、特別リプレイの当選、すなわちATのゲーム数が上乗せされることに対して期待させることができる。
次に、フリーズ実行時の左リールを駆動するリールモータ32Lの位相信号の変化状況、左リール停止有効LED22Lの点灯および消灯の状況、演出用停止LED57a、57bの点灯および消灯の状況について説明する。
まず、フリーズ状態に制御されない場合には、図26に示すように、スタートスイッチ7の操作に伴うゲームの開始後、リールの回転開始に伴いリールモータ32Lの位相信号が変化する。その後、全てのリールが定速回転となったときに停止操作が有効となり、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯する。この状態でストップスイッチ8Lによる停止操作を行うことで、左リールを停止させる制御が行われ、リールが停止した後、リールモータ32Lの全ての励磁相がOFFとなる。その後、位相信号が変化しない状態となり、少なくとも約500ms(タイマ割込処理が224回実行される期間)以上この状態が継続する。
なお、この約500msの期間とは、リールの停止制御により全相励磁を開始してからリールが完全に停止するまでの時間よりも長く、かつリールの停止時に全相励磁が行われる時間よりも長い時間である。さらに、約500msの期間とは、完全にリールが静止し得るのに十分な時間であって、かつ遊技者がリールの停止を認識するのに十分な時間である。
次に、フリーズ1A〜4Aに決定された場合には、図27に示すように、スタートスイッチ7の操作に伴うゲームの開始後、リールの回転開始に伴いリールモータ32Lの位相信号が変化する。その後、全てのリールが定速回転となったときにゲームの進行に関与しない操作としてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が受付可能な状態となり、ストップスイッチ8Lに内蔵された演出用LED57bが点灯し、ストップスイッチ8Lの操作が促される。この状態で、ストップスイッチ8Lを操作すると、左リールを停止させる制御が行われ、導出された停止位置にて左リールを上下に振動させる制御が500ms以上の時間にわたり行われる。この間、リールモータ32Lの位相信号は変化し続ける。その後、再び左リールの回転を開始させ、左リールを含め全てのリールが定速回転となったときに停止操作が有効となり、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯する。この状態でストップスイッチ8Lによる停止操作を行うことで、左リールを停止させる制御が行われ、リールが停止した後、リールモータ32Lの全ての励磁相がOFFとなる。さらに、位相信号が変化しない状態となり、少なくとも500ms以上この状態が継続する。
このように、ストップスイッチ8Lがゲームの進行に関与する状態で操作され、対応する左リールを停止させる制御が行われた場合には、左リールの停止後、500ms以上の時間にわたり左リールを駆動するリールモータ32Lの位相信号が変化せず、完全に停止した状態となる。これに対して、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合、すなわちストップスイッチ8Lがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、左リールが停止しても上下に振動する態様となるように位相信号を出力する制御が行われ、再度リール回転が開始するまで位相信号が変化し続ける。すなわちこの場合には、左リールの停止操作により左リールがゲームの結果として停止したときにリールモータ32Lの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には必ず位相信号が変化する。
このため、ストップスイッチ8Lの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
次に、フリーズ1B〜4Bに決定された場合には、図28に示すように、スタートスイッチ7の操作に伴うゲームの開始後、リールの回転開始に伴いリールモータ32Lの位相信号が変化する。その後、全てのリールが定速回転となったときにゲームの進行に関与しない操作として1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が受付可能な状態となり、1枚BETスイッチ5に内蔵された演出用LED57bが点灯するとともに、液晶表示器51に1枚BETスイッチ5の操作を促す画像を表示し、1枚BETスイッチ5の操作が促される。この状態で、1枚BETスイッチ5を操作すると、左リールを停止させる制御が行われ、導出された停止位置にて左リールが停止した状態を500ms以上の時間にわたり維持する。この間、リールモータ32Lの位相信号は変化しない。その後、再び左リールの回転を開始させ、左リールを含め全てのリールが定速回転となったときに停止操作が有効となり、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯する。この状態でストップスイッチ8Lによる停止操作を行うことで、左リールを停止させる制御が行われ、リールが停止した後、リールモータ32Lの全ての励磁相がOFFとなる。さらに、位相信号が変化しない状態となり、少なくとも500ms以上この状態が継続する。
このように、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合、すなわちストップスイッチ8Lがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、左リールが停止しても上下に振動する態様となるように位相信号を出力する制御が行われ、再度リール回転が開始するまで位相信号が変化し続ける。すなわちリールモータ32Lの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には必ず位相信号が変化する。これに対して、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しない1枚BETスイッチ5が操作されることで左リールを停止させる制御が行われる場合、すなわちストップスイッチ8Lがゲームの進行に関与する状態で操作されたときとは類似しない制御が行われる場合には、左リールが停止した際に、500ms以上にわたり位相信号を変化させず、リールが停止した状態を維持する。
このため、ストップスイッチ8Lの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。さらに、1枚BETスイッチ5の操作を伴うことで、ゲームの結果として停止したのか、演出として停止したのかが明確な状況においては、左リールを500ms以上停止させることで、演出として導出されたリールの停止位置を遊技者に対して確実に認識させることができる。
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合には、左リールが停止しても上下に振動する態様となるように位相信号を出力する制御が行われる。さらに、左リールの回転中に左リールに対応するストップスイッチ8Lが操作され、左リールに当該ゲームの結果とならない停止態様が導出されたときにはリールが振動するので、ストップスイッチ8Lの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、演出として停止したのかを遊技者に対してさらに明確に認識させることができる。
フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合に、その後、スタートスイッチ7の操作を伴わずに再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となる。これにより、ストップスイッチ8Lの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、演出として停止したのかを遊技者に対してさらに明確に認識させることができる。
フリーズ状態において、前面扉1bを構成する操作パネル1cの前面、すなわちストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられた面と同一面に設けられた1枚BETスイッチ5が操作されることでリールを停止させる制御が行われる。このため、ストップスイッチ8L、8C、8Rがゲームの進行に関与する状態でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作するとき、すなわち停止操作が有効な状態で停止操作を行うときに近い要領でフリーズ状態においてストップスイッチ8L、8C、8R以外の操作手段による操作を行ってリールを停止させることが可能となるので、遊技者に対して違和感なく当該操作を行わせることができる。
フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lまたは1枚BETスイッチ5が操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合に、導出されたリールの停止位置に応じて上乗せ抽選において上乗せされるATのゲーム数の期待値が異なる。すなわち導出されたリールの停止位置に応じて遊技者にとっての有利度が示唆されるため、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。
フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lまたは1枚BETスイッチ5が操作されることで、対応する左リールを停止させる制御が行われる場合に、停止操作が有効な状態で左リールの停止操作がされたときに適用される停止制御テーブルを用いてリールを停止させる制御が行われる。これにより、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータをフリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも利用することでプログラム容量を削減することができる。
次に、本実施の形態のサブ制御部91が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[タイマ割込処理(サブ)]
サブ制御部91は、内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する。次に、サブ制御部91は、停電判定処理を行う。停電判定処理では、サブ制御部91は、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
停電判定処理の後、サブ制御部91は、電断フラグが設定されているか否かを判定し、電断フラグが設定されていた場合には、電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算したりするなどの処理を実行する。
サブ制御部91は、電断フラグが設定されていない場合には、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、サブ制御部91は、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
[AT関連抽選]
サブ制御部91は、AT抽選役に当選したときに、ATに関連する抽選(AT関連抽選)を行う。本実施の形態においては、非AT中とAT中とで共通するAT抽選役として、弱チェリー、弱スイカ、強スイカ、強チェリー、および中段チェリーが設定されている。さらに、AT中のみのAT抽選役として、特別リプレイが設定されている。
AT関連抽選において、サブ制御部91は、RAM91cに格納された図30〜図35に示す抽選テーブルを参照して、各抽選対象についての当選可否を決定する。たとえば、サブ制御部91は、いずれかのAT抽選役に当選したときに、AT関連抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。その後、サブ制御部91は、抽選テーブルを参照しながら、当選したAT抽選役に対応する各抽選対象の判定値の範囲に取得した乱数値が含まれるか否かを判定する。サブ制御部91は、取得した乱数値が判定値の範囲に含まれていれば、該判定値の範囲が設定された抽選対象に当選したと判断する。
本実施の形態においては、非AT中にAT抽選役に当選したときには1回の抽選で1つの抽選テーブルのみを参照して各抽選対象の当選有無を判定するのに対して、AT中にAT抽選役に当選したときには1回の抽選で複数の抽選テーブルを参照して各抽選対象の当選有無を判定する。
[非AT中におけるAT関連抽選]
非AT中におけるAT関連抽選の抽選対象としては、ナビストックの付与と、高確モードへの移行(昇格)とが定められている。
本実施の形態においては、AT関連抽選におけるナビストックの付与確率および付与ナビストックの期待値が異なる2種類のモードが設けられている。2種類のモードのうち、高確モードは、低確モードよりも、ナビストックの付与確率および付与ナビストックの期待値が高い状態である。このため、高確モードに制御されたときには、低確モードに制御されたときよりも、遊技者が有利となる。
高確モードへ移行するか否かの決定は、低確モードに制御されているときのみ行われる。低確モードに制御されているときに高確モードへ移行することが決定されたときには、所定ゲーム数(本実施の形態においては、50ゲーム)にわたり高確モードに制御される。高確モードにおいては、低確モードとは異なる背景画像が液晶表示器51の画面上に表示される。たとえば、低確モードにおいては昼の画像が液晶表示器51の画面上に表示されるのに対して、高確モードにおいては夜の画像が液晶表示器51の画面上に表示される。このため、遊技者は、表示された背景画像の種類を認識することによって、現在のモードを認識することができる。高確モードにおいて所定ゲーム数(50ゲーム)が消化されたときには、再び低確モードに移行する。
非AT中においては、メイン制御部41によって設定される設定値(メダルの払出率の設定値、すなわち内部抽選の当選確率の設定値)に対応して、ナビストックの付与確率および付与ナビストックの期待値が異なるように、AT関連抽選テーブルが設けられている。さらに、低確モードおよび高確モードのいずれに制御されているかに応じて、ナビストックの付与確率および付与ナビストックの期待値が異なるように、AT関連抽選テーブルが設けられている。たとえば、設定値が1または2においては、低確モード時に図30(a−1)に示す抽選テーブルが用いられ、高確モード時に図30(a−2)に示す抽選テーブルが用いられる。設定値が3または4においては、低確モード時に図31(b−1)に示す抽選テーブルが用いられ、高確モード時に図31(b−2)に示す抽選テーブルが用いられる。設定値が5または6においては、低確モード時に図32(c−1)に示す抽選テーブルが用いられ、高確モード時に図32(c−2)に示す抽選テーブルが用いられる。
[設定値が1または2のとき]
図30(a−1)に示すように、設定値が1または2の低確モード時に用いられる抽選テーブルは1つだけ設けられている。抽選テーブルにおいては、当選したAT抽選役に対応して、1〜3のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲(すなわち、ナビストックの付与確率および付与ナビストックの期待値を高く変更することを決定するための判定値の範囲)、および外れ(ナビストックが付与されず、かつ高確モードへも移行しない)を決定するための判定値の範囲が定められている。このため、図30(a−1)に示す抽選テーブルを用いた抽選では、1〜3のうちのいずれかのナビストックの付与が決定されるか、高確モードへの移行が決定されるか、あるいは、外れに決定される。
たとえば、強チェリー当選に対応して、1のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「0〜3276」が定められ、2のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「3277〜13106」が定められ、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲として「13107〜49150」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「49151〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約5%の確率で1のナビストックの付与が決定され、約15%の確率で2のナビストックの付与が決定され、約55%の確率で高確モードへの移行が決定され、約25%の確率で外れに決定される。さらに、このときの付与ナビストックの期待値は、「0.35」となる。その他のAT抽選役に対しても、ナビストックの付与、高確モードへの移行、および外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
図30(a−2)に示すように、設定値が1または2の高確モード時に用いられる抽選テーブルは1つだけ設けられている。抽選テーブルにおいては、当選したAT抽選役に対応して、1〜3のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲および外れ(ナビストックが付与されない)を決定するための判定値の範囲が定められている。このため、図30(a−2)に示す抽選テーブルを用いた抽選では、1〜3のうちのいずれかのナビストックの付与が決定されるか、あるいは、外れに決定される。
たとえば、強チェリー当選に対応して、2のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「0〜32766」が定められ、3のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「32767〜49194」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「49195〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約50%の確率で2のナビストックの付与が決定され、約25%の確率で3のナビストックの付与が決定され、約25%の確率で外れに決定される。さらに、このときの付与ナビストックの期待値は、「1.75」となる。その他のAT抽選役に対しても、ナビストックの付与および外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
[設定値が3または4のとき]
図31(b−1)に示すように、設定値が3または4の低確モード時に用いられる抽選テーブルは1つだけ設けられている。抽選テーブルにおいては、当選したAT抽選役に対応して、1〜3のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲、および外れに決定するための判定値の範囲が定められている。このため、図31(b−1)に示す抽選テーブルを用いた抽選では、1〜3のうちのいずれかのナビストックの付与が決定されるか、高確モードへの移行が決定されるか、あるいは、外れに決定される。
たとえば、強チェリー当選に対応して、1のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「0〜3276」が定められ、2のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「3277〜16383」が定められ、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲として「16384〜55704」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「55705〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約5%の確率で1のナビストックの付与が決定され、約20%の確率で2のナビストックの付与が決定され、約60%の確率で高確モードへの移行が決定され、約15%の確率で外れに決定される。さらに、このときの付与ナビストックの期待値は、「0.45」となる。その他のAT抽選役に対しても、ナビストックの付与、高確モードへの移行、および外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
図31(b−2)に示すように、設定値が3または4の高確モード時に用いられる抽選テーブルは1つだけ設けられている。抽選テーブルにおいては、当選したAT抽選役に対応して、1〜3のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲および外れに決定するための判定値の範囲が定められている。このため、図31(b−2)に示す抽選テーブルを用いた抽選では、1〜3のうちのいずれかのナビストックの付与が決定されるか、あるいは、外れに決定される。
たとえば、強チェリー当選に対応して、2のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「0〜36043」が定められ、3のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「36044〜52428」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「52429〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約55%の確率で2のナビストックの付与が決定され、約25%の確率で3のナビストックの付与が決定され、約20%の確率で外れに決定される。さらに、このときの付与ナビストックの期待値は、「1.85」となる。その他のAT抽選役に対しても、ナビストックの付与および外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
[設定値が5または6のとき]
図32(c−1)に示すように、設定値が5または6の低確モード時に用いられる抽選テーブルは1つだけ設けられている。抽選テーブルにおいては、当選したAT抽選役に対応して、1〜3のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲、および外れに決定するための判定値の範囲が定められている。このため、図32(c−1)に示す抽選テーブルを用いた抽選では、1〜3のうちのいずれかのナビストックの付与が決定されるか、高確モードへの移行が決定されるか、あるいは、外れに決定される。
たとえば、強チェリー当選に対応して、1のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「0〜9829」が定められ、2のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「9830〜22936」が定められ、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲として「22937〜62258」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「62259〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約15%の確率で1のナビストックの付与が決定され、約20%の確率で2のナビストックの付与が決定され、約60%の確率で高確モードへの移行が決定され、約5%の確率で外れに決定される。さらに、このときの付与ナビストックの期待値は、「0.55」となる。その他のAT抽選役に対しても、ナビストックの付与、高確モードへの移行、および外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
図32(c−2)に示すように、設定値が5または6の高確モード時に用いられる抽選テーブルは1つだけ設けられている。抽選テーブルにおいては、当選したAT抽選役に対応して、1〜3のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲および外れに決定するための判定値の範囲が定められている。このため、図32(c−2)に示す抽選テーブルを用いた抽選では、1〜3のうちのいずれかのナビストックの付与が決定されるか、あるいは、外れに決定される。
たとえば、強チェリー当選に対応して、2のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「0〜36043」が定められ、3のナビストックの付与を決定するための判定値の範囲として「36044〜55704」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「55705〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約55%の確率で2のナビストックの付与が決定され、約30%の確率で3のナビストックの付与が決定され、約15%の確率で外れに決定される。さらに、このときの付与ナビストックの期待値は、「2.00」となる。その他のAT抽選役に対しても、ナビストックの付与および外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
以上、図30〜図32に示した非AT中におけるAT関連抽選テーブルにおいては、以下のような特徴がある。
非AT中の低確モード時においてAT抽選役に当選したときには、ナビストックを付与するか否かの決定と、高確モードへ移行するか否かの決定とが1回の抽選でまとめて行われる。よって、これらの決定を個別に行うものに比べて処理負担を軽減することができる。
さらに、非AT中の低確モード時においては、ナビストックの付与を決定するための判定値の範囲と、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲とが重複しない。つまり、ナビストックの付与と高確モードへの移行とが同時に決定されることがない。
ここで、仮に、本実施の形態とは異なり、ナビストックの付与を決定するための判定値の範囲と、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲とが重複することで、ナビストックの付与と高確モードへの移行とが同時に決定され得る場合、遊技者は、ナビストックの付与や付与ナビストック数を推測することが難しくなるといった不都合が生じる。たとえば、遊技者は、AT抽選役の入賞によってAT関連抽選が行われたことを認識するとともに、背景画像で示されるモードの種類に応じて、ナビストックの付与や付与ナビストック数を推測することができる。たとえば、背景画像が昼の画像であれば、低確モードでの当選確率に基づいて抽選が行われることを理解する。しかし、AT関連抽選によって、ナビストックの付与と高確モードへの移行とが同時に決定され得る場合、高確モードへの移行が決定された状態でナビストックの付与に関する抽選が行われた可能性もあり得る。このため、遊技者にとっては、抽選結果(ナビストックの付与や付与ナビストック数)を推測することが難しくなってしまう。
この点、本実施の形態においては、ナビストックの付与と高確モードへの移行とが同時に決定されないため、低確モードにおいてナビストックの付与が決定されたときには、該決定が、高確モードへ移行する前において必ず行われたことになる。このため、ナビストックが付与されるときにおける付与確率の推測を遊技者に容易に行わせることができる。
高確モード時においては、低確モード時に比べて、ナビストックの付与確率および付与ナビストックの期待値が高くなるように判定値の範囲が定められている。このため、遊技者は、高確モードを示す夜の背景画像が表示されている状態でAT抽選役に入賞したときには、多くのナビストックが付与されることに対して期待することができる。
非AT中においては、設定値が高く設定されるほど、ナビストックの付与確率および付与ナビストックの期待値が高くなるように判定値の範囲が定められている。このため、設定値を高く設定すれば、内部抽選の当選確率が高くなるばかりでなく、ナビストックの付与の点からも遊技者を有利にすることができる。さらに、遊技者は、非AT中においてAT抽選役に入賞したときに、ナビストックが付与される確率や頻度、付与ナビストック数に基づき、現在の設定値を推測することができる。これにより、遊技者に設定値を推測させるといった新たな遊技性を享受することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
内部抽選における当選確率が低いAT抽選役に当選したときほど、ナビストックの付与確率、付与ナビストックの期待値、および高確モードへの移行確率が高くなるように判定値の範囲が定められている。このため、遊技者は、強スイカ、強チェリー、中段チェリーといった当選確率が低いAT抽選役に入賞したときには、有利な抽選が行われることに対して期待することができる。
[AT中におけるAT関連抽選]
AT中におけるAT関連抽選の抽選対象としては、非AT中におけるAT関連抽選の抽選対象よりも種類が多く、ナビストックの上乗せおよび高確モードへの移行に加えて、ATゲーム数の上乗せおよび特別ゾーンへの移行も定められている。
本実施の形態においては、AT中に限り、特別ゾーンが設けられている。特別ゾーンは、低確モードおよび高確モードよりも、ナビストックの上乗せ確率および上乗せナビストックの期待値が高い状態である。このため、特別ゾーンに制御されたときには、低確モードおよび高確モードに制御されたときよりも、遊技者が有利となる。
特別ゾーンへ移行するか否かの決定は、非特別ゾーンであるとき(低確モードおよび高確モードのいずれかに制御されているとき)のみ行われる。特別ゾーンへ移行することが決定されたときには、所定ゲーム数(本実施の形態においては、100ゲーム)にわたり特別ゾーンに制御される。特別ゾーンにおいては、低確モードおよび高確モードのいずれにおいても表示されることのない特別画像が液晶表示器51の画面上に表示される。たとえば、特別ゾーンにおいては、特別キャラクタ画像が表示され、遊技者は、特別キャラクタ画像の有無を認識することによって、特別ゾーンであるか否かを認識することができる。特別ゾーンにおいて所定ゲーム数(100ゲーム)が消化されたときには、低確モードに移行する。
AT中においては、非AT中とは異なり、設定値(内部抽選の当選確率の設定値)に応じてナビストックの上乗せ確率および上乗せナビストックの期待値は異ならない。しかし、低確モード、高確モード、および特別ゾーンのいずれに制御されているかに応じて、ナビストックの上乗せ確率および上乗せナビストックの期待値が異なるように、AT関連抽選テーブルが設けられている。たとえば、低確モード時には図33(d−1)に示す抽選テーブルが用いられ、高確モード時には図34(d−2)に示す抽選テーブルが用いられ、特別ゾーン時には図35(d−3)に示す抽選テーブルが用いられる。
図33(d−1)に示すように、低確モード時に用いられる抽選テーブルは複数設けられている。具体的には、当選したAT抽選役に対応して、1〜3のナビストックの上乗せを決定するための判定値の範囲が定められたナビストック上乗せテーブルと、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲が定められた高確モード移行テーブルと、制御中のATにおけるゲーム数(ATゲーム数)の上乗せを決定するための判定値の範囲が定められたATゲーム数上乗せテーブルと、特別ゾーンへの移行を決定するための判定値の範囲が定められた特別ゾーン移行テーブルとが設けられている。このため、図33(d−1)に示す複数の抽選テーブルを用いた抽選では、複数種類の抽選対象の各々に対して当選有無が決定され、同時当選もあり得る。
ナビストック上乗せテーブルにおいては、たとえば、強チェリー当選に対応して、1のナビストックの上乗せを決定するための判定値の範囲として「0〜3276」が定められ、2のナビストックの上乗せを決定するための判定値の範囲として「3277〜13106」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「13107〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約5%の確率で1のナビストックの上乗せが決定され、約15%の確率で2のナビストックの上乗せが決定され、約80%の確率で外れに決定される。さらに、このときの上乗せナビストックの期待値は、「0.35」となる。その他のAT抽選役に対しても、ナビストックの上乗せおよび外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
高確モード移行テーブルにおいては、たとえば、強チェリー当選に対応して、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲として「0〜39321」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「39322〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約60%の確率で高確モードへの移行が決定され、約40%の確率で外れに決定される。その他のAT抽選役に対しても、高確モードへの移行および外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
ATゲーム数上乗せテーブルにおいては、たとえば、強チェリー当選に対応して、所定ゲーム数(本実施の形態においては、50ゲーム)のATゲーム数の上乗せを決定するための判定値の範囲として「0〜16383」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「16384〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約25%の確率でATゲーム数の上乗せが決定され、約75%の確率で外れに決定される。その他のAT抽選役に対しても、ATゲーム数の上乗せおよび外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
特別ゾーン移行テーブルにおいては、たとえば、強チェリー当選に対応して、特別ゾーンへの移行を決定するための判定値の範囲として「0〜39321」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「39322〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約60%の確率で特別ゾーンへの移行が決定され、約40%の確率で外れに決定される。その他のAT抽選役に対しても、特別ゾーンへの移行および外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
図34(d−2)に示すように、高確モード時に用いられる抽選テーブルは複数設けられている。具体的には、当選したAT抽選役に対応して、ナビストック上乗せテーブルと、ATゲーム数上乗せテーブルと、特別ゾーン移行テーブルとが設けられている。このため、図34(d−2)に示す複数の抽選テーブルを用いた抽選では、複数種類の抽選対象の各々に対して当選有無が決定され、同時当選もあり得る。
ナビストック上乗せテーブルにおいては、たとえば、強チェリー当選に対応して、2のナビストックの上乗せを決定するための判定値の範囲として「0〜32766」が定められ、3のナビストックの上乗せを決定するための判定値の範囲として「32767〜49194」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「49195〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約50%の確率で2のナビストックの上乗せが決定され、約25%の確率で3のナビストックの上乗せが決定され、約25%の確率で外れに決定される。さらに、このときの上乗せナビストックの期待値は、「1.75」となる。その他のAT抽選役に対しても、ナビストックの上乗せおよび外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
ATゲーム数上乗せテーブルにおいては、たとえば、強チェリー当選に対応して、ATゲーム数の上乗せを決定するための判定値の範囲として「0〜49194」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「49195〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約75%の確率でATゲーム数の上乗せが決定され、約25%の確率で外れに決定される。その他のAT抽選役に対しても、ATゲーム数の上乗せおよび外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
特別ゾーン移行テーブルにおいては、たとえば、強チェリー当選に対応して、特別ゾーンへの移行を決定するための判定値の範囲として「0〜45874」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「45875〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約70%の確率で特別ゾーンへの移行が決定され、約30%の確率で外れに決定される。その他のAT抽選役に対しても、特別ゾーンへの移行および外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
図35(d−3)に示すように、特別ゾーン時に用いられる抽選テーブルは複数設けられている。具体的には、当選したAT抽選役に対応して、ナビストック上乗せテーブルと、ATゲーム数上乗せテーブルとが設けられている。このため、図35(d−3)に示す複数の抽選テーブルを用いた抽選では、複数種類の抽選対象の各々に対して当選有無が決定され、同時当選もあり得る。
ナビストック上乗せテーブルにおいては、たとえば、強チェリー当選に対応して、2のナビストックの上乗せを決定するための判定値の範囲として「0〜36043」が定められ、3のナビストックの上乗せを決定するための判定値の範囲として「36044〜55704」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「55705〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約55%の確率で2のナビストックの上乗せが決定され、約30%の確率で3のナビストックの上乗せが決定され、約15%の確率で外れに決定される。さらに、このときの上乗せナビストックの期待値は、「2.00」となる。その他のAT抽選役に対しても、ナビストックの上乗せおよび外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
ATゲーム数上乗せテーブルにおいては、たとえば、強チェリー当選に対応して、ATゲーム数の上乗せを決定するための判定値の範囲として「0〜58981」が定められ、外れに決定するための判定値の範囲として「58982〜65535」が定められている。よって、強チェリーに当選したときには、約90%の確率でATゲーム数の上乗せが決定され、約10%の確率で外れに決定される。その他のAT抽選役に対しても、ATゲーム数の上乗せおよび外れの各々に対して判定値の範囲が定められている。
以上、図33〜図35に示したAT中におけるAT関連抽選テーブルにおいては、以下のような特徴がある。
AT中においては、複数種類の抽選対象が、各々個別に抽選される。たとえば、図33に示すように、低確モード時においては、ナビストックを上乗せするか否かの決定と、高確モードへ移行するか否かの決定と、ATゲーム数を上乗せするか否かの決定と、特別ゾーンに移行するか否かの決定とが各々個別に行われる。
さらに、ナビストックの上乗せを決定するための判定値の範囲と、高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲と、ATゲーム数の上乗せを決定するための判定値の範囲と、特別ゾーンへの移行を決定するための判定値の範囲とにおいて、その判定値の全部または一部が互いに重複する。たとえば、図33(d−1)に示す例では、強チェリーに当選したときに1または2のナビストックの上乗せが決定されるための判定値の範囲は、「0〜13106」であるのに対して、強チェリーに当選したときに高確モードへの移行が決定されるための判定値の範囲は、「0〜39321」であり、両判定値の範囲が重複する。よって、サブ制御部91が、0〜13106の範囲で乱数値を取得した場合には、ナビストックの上乗せと、高確モードへの移行とが同時決定されることになる。
このように、非AT中におけるAT関連抽選よりもの抽選対象の種類が多いAT中におけるAT関連抽選では、複数種類の決定が同時に起こり得る。このため、抽選対象の種類が多くなっても設計可能な判定値の範囲について制限されることが少なくなるとともに、同時決定されることで遊技の興趣を向上させることができる。
AT中においては、設定値に応じてナビストックの付与確率および付与ナビストックの期待値が異ならないように判定値の範囲が定められている。このため、AT中においては、非AT中のような設定値の推測ができないため、遊技者は、ナビ演出に従ってストップスイッチを操作することに集中することができる。
内部抽選における当選確率が低いAT抽選役に当選したときほど、ナビストックの付与確率、付与ナビストックの期待値、高確モードへの移行確率、ATゲーム数の上乗せ確率、および特別ゾーンへの移行確率が高くなるように判定値の範囲が定められている。このため、遊技者は、強スイカ、強チェリー、中段チェリーといった当選確率が低いAT抽選役に入賞したときには、有利な抽選が行われることに対して期待することができる。
[AT関連抽選処理]
図29は、サブ制御部が実行するAT関連抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
図29に示すように、サブ制御部91は、AT抽選役に当選したか否かを判定する(S101)。サブ制御部91は、AT抽選役に当選しなかったと判定したときには(S101でN)、AT関連抽選処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、AT抽選役に当選したと判定したときには(S101でY)、現在の演出状態がAT中であるか否かを判定する(S102)。サブ制御部91は、AT中でないと判定したときには(S102でN)、当選したAT抽選役が特別リプレイであるか否かを判定する(S103)。サブ制御部91は、特別リプレイに当選したと判定したときには(S103でY)、AT関連抽選処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、特別リプレイに当選していなかった、つまり特別リプレイ以外のAT抽選役に当選したと判定したときには(S103でN)、現在の設定値および状態(低確モード、高確モード)に応じて、非AT中の抽選テーブルを選択する(S104)。たとえば、サブ制御部91は、現在の設定値が3であり、かつ低確モードであれば、図31(b−1)に示す抽選テーブルを選択する。
次に、サブ制御部91は、AT関連抽選用の乱数値を取得し(S105)、取得した乱数値と選択した抽選テーブルとに基づき、ナビストックを付与するか否かを決定する(S106)。サブ制御部91は、ナビストックを付与することを決定したときには(S107でY)、抽選結果に応じた処理として、付与決定されたナビストック数を特定可能なATフラグをRAM91cの所定領域にセットする(S113)。その後、サブ制御部91は、AT関連抽選処理を終了する。
なお、サブ制御部91は、ATフラグがセットされている場合には、次のゲーム(つまり、AT関連抽選でナビストックの付与が決定されたゲームの次のゲーム)のスタート操作時において、たとえば、「ナビストック2つ獲得」の文字画像を液晶表示器51の画面上に表示する。これにより、ナビストックの付与が遊技者に報知される。
一方、サブ制御部91は、ナビストックを付与することを決定しなかったときには(S107でN)、現在の状態が低確モードであるか否かを判定する(S108)。サブ制御部91は、現在の状態が低確モードであると判定したときには(S108でY)、取得した乱数値と選択した抽選テーブルとに基づき、高確モードに移行するか否かを決定する(S109)。サブ制御部91は、高確モードに移行することを決定したときには、抽選結果に応じた処理として、次のゲームから所定ゲーム数にわたり高確モードに移行する旨を特定可能な高確モードフラグをRAM91cの所定領域にセットし、高確モードに移行することを決定しなかったときには、高確モードフラグをセットしない(S113)。その後、サブ制御部91は、AT関連抽選処理を終了する。
なお、サブ制御部91は、高確モードフラグがセットされている場合には、次のゲームのスタート操作時において、たとえば、「高確モードスタート」の文字画像を液晶表示器51の画面上に表示するとともに背景画像を夜の画像に変更する。これにより、高確モードへの移行が遊技者に報知される。
一方、サブ制御部91は、現在の状態が高確モードであると判定したときには(S108でN)、高確モードフラグをそのまま維持して(S113)、AT関連抽選処理を終了する。
S102の処理において、サブ制御部91は、AT中であると判定したときには(S102でY)、現在の状態(低確モード、高確モード、特別ゾーン)に応じて、AT中の抽選テーブルを選択する(S110)。たとえば、サブ制御部91は、現在が低確モードであれば、図33(d−1)に示す各抽選テーブルを選択する。
次に、サブ制御部91は、AT関連抽選用の乱数値を取得し(S111)、取得した乱数値と選択した各抽選テーブルとに基づき、各種抽選対象の決定を並行して個別に実行する(S112)。サブ制御部91は、各抽選結果に応じた処理を実行する(S113)。たとえば、サブ制御部91は、図33(d−1)に示す抽選テーブルに基づき、ナビストックを上乗せすることを決定したときには、上乗せ決定されたナビストック数を特定可能なATフラグをRAM91cの所定領域にセットする。高確モードに移行することを決定したときには、次のゲームから所定ゲーム数にわたり高確モードに移行する旨を特定可能な高確モードフラグをRAM91cの所定領域にセットする。ATゲーム数を上乗せすることを決定したときには、制御中のATにおけるATゲーム数に所定ゲーム数(たとえば、50ゲーム)を上乗せすることを特定する上乗せフラグをRAM91cの所定領域にセットする。特別ゾーンに移行することを決定したときには、次のゲームから所定ゲーム数にわたり特別ゾーンに移行する旨を特定可能な特別ゾーンフラグをRAM91cの所定領域にセットする。その後、サブ制御部91は、AT関連抽選処理を終了する。
なお、サブ制御部91は、上乗せフラグがセットされている場合には、次のゲームのスタート操作時において、たとえば、「ATゲーム数上乗せ」の文字画像を液晶表示器51の画面上に表示する。これにより、ATゲーム数の上乗せが遊技者に報知される。
さらに、サブ制御部91は、特別ゾーンフラグがセットされている場合には、次のゲームのスタート操作時において、たとえば、「特別ゾーンスタート」の文字画像と特別キャラクタ画像を液晶表示器51の画面上に表示する。これにより、特別ゾーンへの移行が遊技者に報知される。
以上、本実施の形態においては、非AT中であり、かつ低確モード時においては、取得された乱数値がナビストックの付与を決定するための判定値の範囲に含まれているときにはナビストックの付与が決定される一方で、該乱数値が高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲に含まれているときには高確モードへの移行が決定される。これにより、ナビストックを付与するか否かの決定と高確モードへ移行するか否かの決定とがまとめて行われるため、これらの決定を個別に行うものに比べて処理負担を軽減することができる。さらに、ナビストックの付与を決定するための判定値の範囲と高確モードへの移行を決定するための判定値の範囲とが重複しないため、ナビストックの付与と高確モードへの移行とが同時に決定されることがない。これにより、ナビストックの付与が決定されたときには、該決定が、高確モードへ移行する前において行われたことになるため、ナビストックが付与されるときにおける付与確率の推測を遊技者に容易に行わせることができる。
一方、非AT中よりも決定され得る権利の種類が多いAT中においては、各種権利の決定に用いるための判定値の範囲が重複する。このため、ナビストックの上乗せと、高確モードへの移行と、ATゲーム数の上乗せと、特別ゾーンへの移行とが同時に決定されることがあり、遊技の興趣を向上させることができる。
非AT中においては、設定値に応じて抽選テーブルが設定されているため、ナビストックの付与確率や頻度、および付与ナビストック数に基づき、設定値を推測させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[ATの流れ]
次に、サブ制御部91が実行するATの流れについて説明する。
サブ制御部91は、RAM91cの所定領域にセットされたATフラグから特定されるナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数(本実施の形態においては、50ゲーム)の間、ATに制御する。サブ制御部91は、AT中にナビ対象役に当選したときには、ナビ演出を実行する。
サブ制御部91は、ナビストック数が残っているときにおいてナビストック数を新たに獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せし、上乗せ後のナビストック数を特定可能なATフラグをRAM91cの所定領域にセットする。
サブ制御部91は、1以上のナビストックが残っている場合には、AT確定報知を経てATの当選が報知された後にATに制御する。このATに制御される期間を準備状態と呼ぶ。
サブ制御部91は、準備状態の制御を開始すると、対象役が当選した場合にナビ演出を実行する。まず、準備状態に移行後は、RT1に制御されており、この間は、リプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する。これにより報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイが入賞して、RT1からRT0に移行させることが可能となる。なお、報知された停止順と異なる停止順で停止操作を行った結果、昇格リプレイが入賞しなかった場合には、その時点で準備状態の制御も終了する。
準備状態の制御開始後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時にはベルを入賞させる停止順が報知される。このため、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得することも可能となる。
サブ制御部91は、RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13の当選時に、転落リプレイの入賞を回避する停止順をナビ演出により報知する。
リプレイGR11〜13の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより転落リプレイの入賞を回避して、RT0からRT1への移行を回避することが可能となる。なお、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、転落リプレイが入賞してRT1へ移行した場合は、その時点で準備状態の制御も終了する。
RT0に移行した後、リプレイGR21〜23の当選時に、特殊リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する。
リプレイGR21〜23の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させて、RT0からRT2へ移行させることが可能となり、特殊リプレイが入賞してRT2へ移行することに伴ってATが開始する。なお、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、通常リプレイが入賞した場合は、準備状態の制御を継続する。
RT0において特殊リプレイが入賞し、RT2に移行することで、次ゲームのスタート操作を契機に、ナビストックを1消費(減算)し、ATの残りゲーム数として所定ゲーム数(本実施の形態においては、50ゲーム)をRAM91cに設定し、ATの制御の開始に伴いATの残りゲーム数の計数を開始する。
AT開始後は、1ゲームの開始毎にATの残りゲーム数を1ずつ減算し、さらに1ゲーム毎に、押し順ベル、ナビストック抽選の対象役が当選しているか、特別リプレイが入賞したかを判定し、押し順ベルが当選している場合には、ベルを入賞させる停止順を報知するナビ演出を実行する。
押し順ベルの当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことによりベルを入賞させることができるとともに、RT1への移行を回避することが可能となる。なお、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、移行出目が停止してRT1へ移行した場合は、その時点でATの制御も終了する。
AT中においては、AT抽選役に当選した場合にATゲーム数を上乗せするか否かを決定する。ATゲーム数の上乗せを決定した場合には、決定したゲーム数をRAM91cの残りゲーム数に加算する。
AT開始後の各ゲームでは、1ゲームの開始ごとにATの残りゲーム数を1ずつ減算するようになっており、減算後の残りゲーム数が0となった場合には、ATの終了が報知されるAT終了報知を行う。
さらにAT終了報知の後、ナビストックが残っているか否かを判定し、ナビストックが残っていれば、次ゲームのスタート操作を待って、ATの制御を再開する。一方、ナビストックが残っていない場合には、ATの制御を終了させる。これに伴い、押し順ベルが当選してもナビ演出が実行されないため、移行出目が停止する可能性が高まり、移行出目が停止することでRT1に移行する。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[第1遊技状態と第2遊技状態について]
本実施の形態においては、抽選対象となるナビストックや高確モードへの移行など各種権利の種類が少なく、かつ決定に用いるための判定値の範囲が重複しない第1遊技状態の例として非AT中の状態を適用し、抽選対象となるナビストックや高確モードへの移行、ATゲーム数の上乗せや特別ゾーンへの移行など各種権利の種類が多く、かつ決定に用いるための判定値の範囲が重複する第2遊技状態の例としてAT中の状態を適用した。しかし、これに限らない。
たとえば、第1遊技状態としてAT中の状態を適用し、第2遊技状態として非AT中の状態を適用してもよい。
たとえば、第1遊技状態として低確モードのような遊技者にとって有利でない演出状態を適用し、第2遊技状態として高確モードや特別ゾーンのような遊技者にとって有利な演出状態を適用してもよい。あるいは、その逆でもよい。
たとえば、第1遊技状態として高確モードや特別ゾーンのような遊技者にとって有利な演出状態を適用し、第2遊技状態としてAT中の状態を適用してもよい。あるいは、その逆でもよい。
たとえば、第1遊技状態として低確モードのような遊技者にとって有利でない演出状態を適用し、第2遊技状態としてAT中の状態を適用してもよい。あるいは、その逆でもよい。
たとえば、第1遊技状態として高確モードのような遊技者にとって有利な演出状態を適用し、第2遊技状態として特別ゾーンのような高確モードとは異なる別の遊技者にとって有利な演出状態を適用してもよい。あるいは、その逆でもよい。
さらに、第1遊技状態および第2遊技状態は、サブ制御部91によって制御される状態に限らず、メイン制御部41によって制御される状態であってもよい。
たとえば、第1遊技状態として再遊技役の当選確率や払出率が低いRT1やRT3といった状態を適用し、第2遊技状態として再遊技役の当選確率や払出率が高いRT0やRT2といった状態を適用してもよい。あるいは、その逆でもよい。
たとえば、第1遊技状態として再遊技役の当選確率や払出率が低いRT1といった状態を適用し、第2遊技状態としてRT3のようなRT1とは異なる別の再遊技役の当選確率や払出率が低い状態を適用してもよい。あるいは、その逆でもよい。
たとえば、第1遊技状態として再遊技役の当選確率や払出率が高いRT0といった状態を適用し、第2遊技状態としてRT2のようなRT0とは異なる別の再遊技役の当選確率や払出率が高い状態を適用してもよい。あるいは、その逆でもよい。
さらに、第1遊技状態および第2遊技状態のうち、一方はサブ制御部91によって制御される状態であり、他方はメイン制御部41によって制御される状態であってもよい。
[AT関連抽選について]
本実施の形態においては、AT抽選役として、弱チェリー、弱スイカ、強スイカ、強チェリー、中段チェリー、および特別リプレイが設定されていた。しかしながら、これに限らず、その他の役に当選したときにもAT関連抽選が行われるものであってもよい。
さらに、所定のAT抽選役に当選したときにAT関連抽選が行われるものに限らず、たとえば、500ゲームの消化や、1000枚のメダル払い出しなど、所定条件が成立したときにAT関連抽選が行われるものであってもよい。
本実施の形態においては、非AT中の低確モード時における抽選対象として、ナビストックの付与および高確モードへの移行の2種類であったが、これに限らない。たとえば、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利や、特典画像が表示される権利を抽選対象に加えてもよい。
本実施の形態においては、非AT中の高確モード時における抽選対象として、ナビストックの付与のみの1種類であったが、これに限らない。たとえば、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利や、特典画像が表示される権利を抽選対象に加えてもよい。さらに、本実施の形態においては、所定ゲーム数(本実施の形態においては、50ゲーム)にわたり高確モードに制御されるものであったが、高確モードから低確モードへ移行(転落)するか否かを抽選対象に加えてもよい。
本実施の形態においては、非AT中では、設定値に応じてナビストックの付与確率および付与ナビストック数が異なるものであったが、これに限らない。たとえば、設定値に応じてナビストックの付与確率のみが異なるものであってもよいし、設定値に応じて付与ナビストック数のみが異なるものであってもよい。さらに、設定値に応じてその他の権利の抽選における有利度が異なるものであってもよい。
本実施の形態においては、非AT中にのみ設定値に応じて権利の抽選における有利度が異なるものであったが、これに限らない。たとえば、AT中にのみ設定値に応じて権利の抽選における有利度が異なるものであってもよいし、非AT中とAT中の両方において設定値に応じて権利の抽選における有利度が異なるものであってもよい。
なお、設定値が高いほど権利の抽選における有利度が高くなるものに限らず、設定値が低いほど権利の抽選における有利度が高くなるものであってもよい。
さらに、設定値に応じて、抽選対象となる権利の種類や権利の数を異ならせるものであってもよい。設定値に応じて、AT関連抽選が行われる条件を異ならせるものであってもよい。
さらに、非AT中において、権利の抽選における有利度が異なる設定値は、メイン制御部41によって設定されるメダルの払出率の設定値を用いていたが、これに限らない。たとえば、メダルの払出率の設定値に限らず、入賞ラインの有効設定、打止状態にするか否かの設定、フリーズをするか否かの設定など、メイン制御部41によって設定できるものであれば、いずれの設定値を用いてもよい。また、メイン制御部41によって設定できる設定値に限らず、たとえば、背景画像の種類などの演出画面の設定、スピーカの音量設定、LEDなどの点灯装置の輝度設定など、サブ制御部91によって設定できるものであれば、いずれの設定値を用いてもよい。さらに、メイン制御部41によって設定できる設定値と、サブ制御部91によって設定できる設定値とを組み合わせた段階に応じて、権利の抽選における有利度が異なるものであってもよい。たとえば、メイン制御部41によって設定されるメダルの払出率の設定値が6であり、かつ、サブ制御部91によって設定される演出画面が夜の画像に設定されていれば、権利の抽選における有利度が最も高く、メイン制御部41によって設定されるメダルの払出率の設定値が1であり、かつ、サブ制御部91によって設定される演出画面が朝の画像に設定されていれば、権利の抽選における有利度が最も低くなるようにして、AT関連抽選が行われるものであってもよい。
本実施の形態においては、図29に示すように、非AT中のAT関連抽選では、先にナビストックの付与有無を抽選により決定し、ナビストックの付与が決定されなかったときに限り、その後、高確モードへの移行有無を抽選により決定するものであった。しかしながら、これに限らない。
たとえば、先に高確モードへの移行有無を抽選により決定し、高確モードへの移行が決定されなかったときに限り、その後、ナビストックの付与有無を抽選により決定するものであってもよい。
本実施の形態においては、非AT中では、1つの抽選テーブルのみを用いるとともに、該抽選テーブルにおいてナビストックの付与および高確モードへの移行の決定に用いるための判定値の範囲を重複させないことにより、ナビストックの付与と高確モードへの移行とが同時決定されないものであった。しかしながら、これに限らない。
たとえば、ナビストックの付与有無を決定するための抽選テーブルと、高確モードへの移行有無を決定するための抽選テーブルとの2種類の抽選テーブルを用いてもよい。ただし、この場合においても、ナビストックの付与および高確モードへの移行の決定に用いるための判定値の範囲は重複させないようにして、ナビストックの付与と高確モードへの移行とが同時決定されない方がよい。
本実施の形態においては、AT中では、複数の抽選テーブルを用いるとともに、各々の抽選テーブルにおいて各種権利の付与有無を抽選によって決定し、各種権利の付与有無の決定に用いるための判定値の範囲を重複させることにより、複数の権利の付与が同時決定されるものであった。しかしながら、これに限らない。
たとえば、ナビストックの上乗せ、高確モードへの移行、ATゲーム数の上乗せ、特別ゾーンへの移行などの各種権利の付与有無を決定するための判定値の範囲を1つの抽選テーブルに定めて、この抽選テーブルを用いて各種権利の付与有無を抽選によって決定するものであってもよい。ただし、この場合においても、各種権利の付与有無を決定するための判定値の範囲は全部もしくは一部が重複するようにして、ナビストックの付与と高確モードへの移行とが同時決定される方がよい。
本実施の形態においては、AT中では、複数の抽選テーブルに対して共通して用いる乱数値を1回だけ取得し、取得した1つの乱数値と各抽選テーブルとに基づいて、各種権利の付与有無を決定するものであった。しかしながら、これに限らず、各抽選テーブルごとに用いる乱数値を各々取得し、取得した乱数値と、該乱数値に対応する抽選テーブルとに基き、各種権利の付与有無を決定するものであってもよい。
[高確モードおよび特別ゾーンについて]
本実施の形態においては、高確モードは所定ゲーム数(本実施の形態においては、50ゲーム)の消化によって終了し、特別ゾーンは所定ゲーム数(本実施の形態においては、100ゲーム)の消化によって終了するものであった。しかしながら、これに限らない。
たとえば、高確モードおよび特別ゾーンは、次回、AT抽選役に当選したときに終了するものであってもよいし、次回、AT抽選役に当選したときの転落抽選で当選したときに終了するものであってもよい。さらに、転落抽選は、高確モードおよび特別ゾーンに移行した後の毎ゲームで行われるものであってもよいし、所定ゲーム(たとえば、10ゲームごと)消化したときに行われるものであってもよい。
[権利付与の報知について]
本実施の形態においては、AT関連抽選が行われた次のゲームのスタート操作時において、ナビストックの付与、高確モードへの移行、ATゲーム数の上乗せ、および特別ゾーンへの移行が遊技者に報知されるものであった。しかしながら、これらの報知タイミングはこれに限らない。
たとえば、AT関連抽選が行われた次のゲームの賭数設定時(遊技者によるBET操作時やメダル投入時)に各種権利の付与報知がされるものであってもよい。
ここで、AT抽選役に再遊技役が含まれていた場合、従来のスロットマシンでは、再遊技役の入賞時に自動BETされることで遊技者によるBET操作やメダル投入がされないために、上記の付与報知をするタイミングが生じない可能性が高い。しかしながら、本実施の形態においては、再遊技役の入賞が発生した後におけるメダル投入によるクレジット加算が賭数設定よりも先に行われてしまうことがないため、遊技者は、違和感なく再遊技役の入賞後であってもメダルを投入することができる。特に、第2または第3のリプレイのようなリプレイとは異なる図柄が含まれる再遊技役に入賞したときには、再遊技役の入賞の発生に気付かずに遊技者がメダルを投入してしまうが、この場合でも、検出されたメダルに応じてクレジット加算されるため、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。したがって、本実施の形態においては、遊技者は、再遊技役の入賞後であってもメダルを投入する可能性が高まるため、上記の付与報知をするタイミングが生じる可能性も高まる。その結果、本実施の形態においては、再遊技役の入賞後であっても、各種権利の付与報知がされることになる。
[フリーズに関する処理について]
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる構成、すなわちフリーズ状態においてストップスイッチの操作により1つのリールのみ停止させる制御が行われる構成であるが、これに限らない。たとえば、フリーズ状態においてストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、それぞれ対応するリールを停止させる制御が行われる構成、すなわちフリーズ状態においてストップスイッチの操作により複数のリールを停止させる制御が行われる構成としてもよい。さらに、いずれか1つのストップスイッチの操作により複数のリールを停止させる制御が行われる構成としてもよい。
このような構成においても、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることでリールを停止させる制御が行われる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、リールの停止操作によりリールがゲームの結果として停止したときにリールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には必ず位相信号が変化する構成とすることで、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合には、左リールが停止しても上下に振動する態様となるように位相信号を出力する制御を行う構成であるが、これに限らない。たとえば、図36に示すように、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合に、左リールが停止した後、リールモータ32の位相信号を変化させない状態とするが、左リールの停止操作により左リールがゲームの結果として停止したときにリールモータ32Lの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前に必ず位相信号を変化させる構成としてもよい。
このような構成とした場合でも、ストップスイッチ8Lの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
さらに、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合に、左リールが停止しても、上下にゆっくり揺れる態様となるように位相信号を出力する制御を行う構成としたり、じっくり見れば認識できるが一目見ただけでは認識できない程度の微少な動きとなるように位相信号を出力する制御を行う構成としたりしてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合に、その後、スタートスイッチ7の操作を伴わずに再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となる構成であるが、これに限らない。たとえば、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる場合に、その後、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6の操作など、何らかの操作がされることで再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となる構成としてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ状態において1枚BETスイッチ5またはストップスイッチ8Lが操作されることで対応する左リールを停止させる制御が行われる構成、すなわちフリーズ状態において遊技者の操作により1つのリールのみ停止させる制御が行われる構成であるが、これに限らない。たとえば、フリーズ状態においてストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、それぞれ対応するリールを停止させる制御が行われる構成や1枚BETスイッチ5が複数回操作されることで、それぞれに対応するリールを停止させる制御が行われる構成などであってもよい。すなわち、フリーズ状態において遊技者の操作により複数のリールを停止させる制御が行われる構成としてもよい。
このような構成においても、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることでリールを停止させる制御が行われる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、リールの停止操作によりリールがゲームの結果として停止したときにリールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には必ず位相信号が変化する構成とする一方で、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しない1枚BETスイッチ5等の操作手段が操作されることでリールを停止させる制御が行われる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときとは類似しない制御が行われる場合には、リールが停止した際に、500ms以上にわたり位相信号を変化させず、リールが停止した状態を維持する構成とすることで、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。さらに、1枚BETスイッチ5などの操作を伴うことで、ゲームの結果として停止したのか、演出として停止したのかが明確な状況においては、左リールを500ms以上停止させることで、演出として導出されたリールの停止位置を遊技者に対して確実に認識させることができる。
本実施の形態においては、フリーズ状態において操作されることでリールを停止させる制御が行われるストップスイッチ8L、8C、8R以外の操作手段として1枚BETスイッチ5を適用しているが、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10などを適用してもよい。
本実施の形態においては、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止位置に応じて、上乗せされるARTのゲーム数の期待値が示唆される構成であるが、少なくとも遊技者にとって有利な特典の付与に関する有利度が示唆される構成であれば、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。
たとえば、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止位置に応じて、上乗せ抽選においてATのゲーム数の上乗せが決定される可能性が示唆される構成、ナビストック抽選においてナビストックが当選する可能性が示唆される構成、ナビストック抽選におけるナビストックの当選個数の期待値が示唆される構成とした場合でも、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。さらに、特別役を備え、特別役と同時当選し得る一般役の当選時にフリーズ状態に制御される構成において、当該一般役の当選時におけるフリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止位置に応じて特別役が同時に当選している可能性が示唆される構成とした場合でも、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。
ここで、遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態(本実施の形態においては、AT)へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知される権利、メダルが付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値など)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であってもよいし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、たとえば、インターネット上で特典を得るための条件となるなど、遊技者にとって間接的に有利な特典であってもよい。
本実施の形態においては、フリーズ状態において遊技者の操作により1つのリールのみ停止させる制御が行われる構成であるが、フリーズ状態において遊技者の操作により複数のリールを停止させる制御が行われる構成であれば、フリーズ状態において遊技者の操作により停止した複数のリールの停止位置の組合せ(たとえば、「黒7−黒7−黒7」の組合せが一直線上に並ぶ組合せなど)に応じて遊技者にとっての有利度が示唆される構成としてもよい。
このような構成であってもフリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。
本実施の形態においては、停止操作が有効な状態で停止操作がされたときに、停止制御テーブルを用いて停止制御を行うとともに、フリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも停止制御テーブルを利用する構成であるが、停止操作が有効な状態で停止操作がされたときに行う停止制御として、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
このような構成においても、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータ(処理プログラム含む)をフリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも利用することでプログラム容量を削減することができる。
本実施の形態においては、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータをフリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも利用する構成であるが、フリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときには、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータとは異なるデータを用いてリールの停止制御を行う構成としてもよい。
このような構成とすることで、フリーズ状態においては、通常の停止制御とは異なる特殊な停止制御を行うことが可能となり、フリーズ状態中のリールの停止態様による演出効果を高めることができる。
さらに、フリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときに、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータを利用する構成と、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータとは異なるデータを用いてリールの停止制御を行う構成との双方の構成を備えるようにしてもよい。
このようにすることで、プログラム容量を削減しつつ、フリーズ状態において通常の停止制御とは異なる特殊な停止制御を行うことが可能となる。
本実施の形態においては、RT2中に特別リプレイまたは通常リプレイが当選したことを契機にフリーズ抽選を行い、フリーズ抽選の結果に応じてフリーズ状態に制御される構成であるがこれに限らない。たとえば、その他の契機、具体的には、特別リプレイ以外の役の当選を契機にフリーズ抽選を行い、フリーズ抽選の結果に応じてフリーズ状態に制御される構成としたり、特定の役の当選、または特定の役の入賞を契機に一律にフリーズ状態に制御される構成としたりしてもよい。フリーズ状態の契機となる事象が発生した場合に、直ちにフリーズ状態に制御される構成に限らず、当該事象が発生したゲーム以降のゲームにおいてフリーズ状態に制御される構成としてもよい。一の事象が発生することを条件としてフリーズ状態に制御される構成に限らず、たとえば、一の事象が発生した後、特定の操作(遊技の進行に関与する操作でも遊技の進行に関与しない操作でもよい)がされることなど、複数の条件が成立することでフリーズ状態に制御される構成としてもよい。
フリーズを発生させるタイミングは、スタートスイッチ7が操作されたとき、ゲームが終了したとき、および第1停止操作が行われたときなど、ゲーム中のいずれのタイミングであってもよい。
フリーズは、遊技の進行を遅延させるものであればよく、たとえば、遊技を進行させるための操作(スタート操作やリール停止操作)を有効に受け付けない制御や、遊技を進行させるための操作(スタート操作やリール停止操作)を有効に受け付けるが当該受け付けた操作に基づく信号に応じた処理をしない制御であってもよい。
フリーズは、遅延条件が成立したことに基づき所定の遅延期間を設定することによって、当該遅延期間を設定しないときよりも遊技の進行を遅延させるものであってもよい。たとえば、特定の当選状況となったときに遅延条件が成立し、当該成立に基づきスタート操作後に遅延期間を設定したときには、遅延条件が成立しないために遅延期間を設定しないときよりも、遅延期間分だけ遊技の進行が遅延するものであってもよい。つまり、フリーズ制御は、通常は設定されていない遅延期間を、遅延条件が成立したときに設定することによって、遊技の進行を遅延させるものであってもよい。
フリーズは、予め設けられていたウェイト期間を、遅延条件が成立したことに基づき遅延期間だけ延長することによって、延長しないときよりも遊技の進行を遅延させるものであってもよい。たとえば、特定の当選状況となったときに遅延条件が成立し、当該成立に基づき予め設けられていたスタート操作後のウェイト期間(5秒間)を遅延期間(3秒間)だけ延長したウェイト期間(8秒間)にすることによって、延長しないときのウェイト期間(5秒間)よりも遅延期間(3秒間)だけ遊技の進行が遅延するものであってもよい。つまり、フリーズは、通常から設定されているウェイト期間を、遅延条件が成立したときに遅延期間だけ延長することによって、遊技の進行を遅延させるものであってもよい。
[リプレイ入賞後における投入・精算の許容タイミングについて]
リプレイ入賞後において投入(クレジット)が許容されるタイミングをリプレイ入賞による自動BETが開始されるときにした場合であっても、リプレイ入賞後において精算が許容されるタイミングについてはリプレイ入賞による自動BETの完了時となるようにしてもよい。
本実施の形態においては、図22(c)および(d)で示したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングが、リプレイ入賞による自動BETの開始時あるいは完了時である例について説明したが、これに限らず、リプレイ入賞による自動BETの開始後あるいは完了後において所定条件が成立したタイミングであってもよい。所定条件は、所定時間経過することにより成立するものや、所定の処理が終了することにより成立するものであってもよい。リプレイ入賞による自動BETの完了後において所定条件が所定時間経過することにより成立する例として、たとえば、図19のS14で設定されたBETコマンド(BET音あり)がサブ制御部91に出力されて当該コマンドに基づいて3回目のBET音の出力が完了するまでに要する平均的な時間を時間Aとした場合に、所定条件がS17でYESと判定されてから時間Aが経過したときに成立するものであってもよく、図19のS15で設定されたBETコマンド(BET音なし)がサブ制御部91に出力されて受信されるまでに要する平均的な時間を時間Bとした場合に、所定条件がS17でYESと判定されてから時間Bが経過したときに成立するものであってもよい。S17においてYESと判定された後、所定条件が成立したときに、S20に移行可能となるようにしてもよい。
本実施の形態においては、再遊技役の種類として、第1のリプレイと、第2および第3のリプレイとが設けられている例について説明したが、これに限らず、リプレイの種類としては、いずれかの再遊技役のみが設けられているものであってもよい。
本実施の形態においては、再遊技役の種類にかかわらず、リプレイ入賞後における投入が許容される例について説明したが、これに限らず、再遊技役の種類に応じてリプレイ入賞後における投入が許容されるように構成してもよい。たとえば、第1のリプレイ入賞後においては投入が許容されないのに対し、第2または第3のリプレイ入賞後においてのみ投入が許容されるようにしてもよい。つまり、再遊技表示結果が導出されたことに気付き難いときにのみ投入が許容されるようにして、遊技者に煩わしさを抱かせることなく利便性を向上させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、再遊技役の種類にかかわらず、リプレイ入賞後における精算が許容される例について説明したが、これに限らず、再遊技役の種類に応じてリプレイ入賞後における精算が許容されるように構成してもよい。たとえば、第1のリプレイ入賞後においては精算が許容されないのに対し、第2または第3のリプレイ入賞後においてのみ精算が許容されるようにしてもよい。つまり、再遊技表示結果が導出されたことに気付き難いときにのみ精算が許容されるようにして、遊技者に煩わしさを抱かせることなく利便性を向上させるようにしてもよい。
[精算処理について]
本実施の形態においては、精算処理に関して、メダル投入あるいは1枚BETスイッチ5かMAXBETスイッチ6が操作されることにより賭数が設定されている状態において、精算スイッチ10が操作されると、図20のS56でNOと判定されてS57において賭数精算処理を行い、その後、再び精算スイッチ10が操作されると、S56でYESと判定されてS59においてクレジット精算処理を行う例、つまり最初の精算操作で賭数精算を行い、次の精算操作でクレジット精算を行う例について説明した。しかし、精算処理は、このようなパターンで行うものに限らず、以下のようなパターンで行うものであってもよい。
パターンa:最初の精算操作でクレジット精算を行い、次の精算操作で賭数精算を行うものであってもよい。たとえば、S56においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときにS59に進んでクレジット精算を行い、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときにS57に進んで賭数精算を行うようにしてもよい。
パターンb:最初の精算操作で賭数分をクレジット加算することにより賭数精算を行い、次の精算操作でクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、設定されている賭数が3でクレジットが40である場合、最初の精算操作で賭数分の3をクレジット加算してクレジットを43とすることにより賭数精算を行い、次の精算操作で43枚メダルを払出すことによりクレジット精算を行うものであってもよい。この場合において、最初の精算操作による賭数精算が行われることにより、クレジットカウンタの値が50を超えてしまう場合も考えられる。この場合には、クレジットカウンタの値が50を超えた値に設定されるようにしてもよく、50を超えた分のメダルに関して賭数精算時に払出すようにしてもよい。
パターンc:1回の精算操作で、まず賭数精算を行い、その後に引き続いてクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、S56でNOと判定されたときには、賭数精算を行った後に引き続いてクレジット精算を行い、S56でYESと判定されたときには、クレジット精算を行うようにしてもよい。
パターンd:1回の精算操作で、まずクレジット精算を行い、その後に引き続いて賭数精算を行うものであってもよい。たとえば、S56においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときにはクレジット精算を行った後に引き続いて賭数精算を行い、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには賭数精算を行うようにしてもよい。
パターンe:1回の精算操作で、まず賭数分をクレジット加算することにより賭数精算を行い、その後に引き続いてクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、設定されている賭数が3でクレジットが40である場合に精算操作が行われることにより、賭数分の3をクレジット加算してクレジットを43とすることにより賭数精算を行い、その後に引き続いて43枚メダルを払出すことによりクレジット精算を行うものであってもよい。この場合において、精算操作による賭数精算が行われることにより、クレジットカウンタの値が50を超えてしまう場合も考えられる。この場合には、クレジットカウンタの値が50を超えた値に設定されるようにしてもよく、50を超えた分のメダルに関して賭数精算時に払出すようにしてもよい。
[BET音について]
本実施の形態においては、第1のリプレイ入賞後において自動BETされたときにはBET音を出力させ、第2または第3のリプレイ入賞後において自動BETされたときにはBET音を出力させない例について説明した。しかし、入賞したリプレイの種類にかかわらず、自動BETされたときにはBET音を出力させないようにしてもよく、逆に自動BETされたときにはBET音を出力させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、BET音の有無について、BETコマンドの種類によって判別する例について説明したが、これに限らず、入賞判定コマンドにより入賞していた再遊技役の種類を判別することにより、BET音の有無を判別するようにしてもよい。
本実施の形態においては、入賞した再遊技役の種類にかかわらず、BETカウンタの値が加算された後に、BETカウンタの値に応じて、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を行う例について説明したが、これに限らず、第1のリプレイ入賞後において自動BETされた後においてのみ1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を行い、第2または第3のリプレイ入賞後において自動BETされた後においては当該処理を行わないようにしてもよい。
本実施の形態においては、第2または第3のリプレイ入賞後においてメダルが投入された際に、S39においてクレジットコマンド(BET音あり)が出力されて、BET音を出力させる例について説明したが、これに限らず、入賞したリプレイの種類にかかわらずBET音を出力させるようにしてもよい。たとえば、S36では、リプレイ入賞であったか否かを判定するようにしてもよい。
本実施の形態においては、リプレイ入賞後においてクレジット加算された場合に、規定数分までBET音を出力させる例について説明したが、クレジット加算された場合に限らず、たとえば、1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6が操作された場合にも、操作に応じて規定数分までBET音を出力させるようにしてもよい。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、5 1枚BETスイッチ、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、32L,32C,32R リールモータ、41 メイン制御部、91 サブ制御部。

Claims (1)

  1. 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
    前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
    数値を取得する数値取得手段と、
    前記数値取得手段により取得された数値が、第1数値範囲に含まれているときには有利状態に制御するための権利の付与を決定する一方で、該数値が第2数値範囲に含まれているときには前記権利の付与確率を変更することを決定する決定手段と、
    複数種類の遊技状態に制御する遊技状態制御手段とを備え、
    前記複数種類の遊技状態のうち、第1遊技状態においては前記第1数値範囲と前記第2数値範囲とが重複しないのに対して、第2遊技状態においては前記第1数値範囲と前記第2数値範囲とが重複する、スロットマシン。
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