[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)1の機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することができる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー16が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU73)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、3L,3C,3R遊技者によりストップボタン17L,17C,17Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L,49C,49R)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。なお、後述するMB遊技状態中では、リール3L,3C,3Rのうちの1のリールにおいて、ストップボタンが押されたときから規定時間(75msec)内に回転を停止する制御が行われ、当該リールでは最大数が図柄1個となる。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ラインに沿って極力表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞ラインに沿って表示されることがないようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU73)は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリールが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作に伴う停止制御を第1停止といい、第2停止操作及び第3停止操作に伴う停止制御を、それぞれ第2停止及び第3停止という。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置10に表示する画像、各種ランプにより行う光の出力、スピーカ48L,48R,49L,49Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー16が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU82)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段(後述の液晶表示装置10、後述のスピーカ48L,48R,49L,49R)は、リール3L,3C,3Rの回転が開始されるとき、各リール3L,3C,3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。この演出実行手段は、後述する副制御回路が担う。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[遊技状態の移行]
ここで、本実施の形態では、抽出された乱数値が同一であっても、遊技状態が異なる場合には、決定される内部当籤役が異なる場合がある。本実施の形態では、このような遊技状態として一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、MB遊技状態、及びCB遊技状態を設けている。ここで、MB遊技状態は、第2種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している状態であり、CB遊技状態は、第2種特別役物が作動している状態である。
なお、以下では、一般遊技状態を「高リプ遊技状態」とする場合があり、RT1遊技状態及びRT2遊技状態を「低リプ遊技状態」とする場合がある。
高リプ遊技状態と低リプ遊技状態とでは、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる確率がそれぞれ異なる。すなわち、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられるリプレイA1〜A5(以下、「リプレイA」という)、リプレイB1〜B5(以下、「リプレイB」という)、リプレイC1〜C3(以下、「リプレイC」という)、リプレイD1,D2(以下、「リプレイD」という)、リプレイE1〜E12(以下、「リプレイE」といい、リプレイA〜リプレイEを「リプレイ」という)が内部当籤役として決定される確率がそれぞれ異なる。本実施の形態では、高リプ遊技状態は、低リプ遊技状態に比べてリプレイが内部当籤役として決定される確率が高く、いわゆる出玉率が1以上の遊技者にとって有利な状態である。
図2は、このように複数設けられた遊技状態の移行遷移図を示している。
図2に示すように、MB遊技状態が終了するとMB遊技状態からRT1遊技状態に移行する。なお、MBは、内部当籤役として決定されると入賞するまで持ち越される持越役であり、入賞することで遊技状態がMB遊技状態に移行する。MB遊技状態は、所定枚数のメダルが払い出されることで終了する遊技状態であり、本実施形態では、1ゲーム(単位遊技)行うために2枚のメダルの投入が必要な遊技状態である。ここで、MB遊技状態では、2枚のメダルの払い出しが行われる役(無増減役)のみが入賞する。そのため、本実施形態のMB遊技状態では、メダル払い出し時において、ゲームの開始のために投入された2枚のメダルが常に払い出される。すなわち、本実施形態のMB遊技状態は、投入するメダルの枚数と払い出されるメダルの枚数とが一致する遊技状態であり、メダルの増減が生じない。
なお、MB遊技状態以外の遊技状態は、1ゲーム行うために3枚のメダルの投入が必要であり、投入した3枚以上のメダルの払い出しが行われる役(増数役)が入賞する可能性がある。
MB遊技状態から移行したRT1遊技状態は、30ゲーム消化すると一般遊技状態へ移行し、30ゲーム以内に後述のRT作動図柄、リプレイC又はDが入賞するとRT2遊技状態へ移行する。そのため、RT1遊技状態では、30ゲームの間、RT作動図柄、リプレイC又はDが入賞しなければ、高リプ遊技状態(一般遊技状態)へ移行する。
一方、RT1遊技状態から移行したRT2遊技状態は、10000ゲーム消化すると一般遊技状態へ移行する。すなわち、RT2遊技状態から高リプ遊技状態へ移行することはほとんど期待できず、高リプ遊技状態へ移行するためには、RT1遊技状態においてRT作動図柄、リプレイC又はDの入賞を避ける必要がある。
ここで、RT作動図柄とは、内部当籤役として小役(後述の小役・リプレイ用データポインタ「1〜20」)が決定された場合に、遊技者の停止操作のタイミングにより表示され得る図柄の組合せである。また、小役とは、後述の小役1〜27の総称であり、内部当籤役として決定されると遊技者の停止操作のタイミングにより、1/27で小役が入賞し(15枚のメダルの払い出し)、26/27でRT作動図柄が表示される(RT2遊技状態へ移行)役である。このとき、小役1〜27は、それぞれ要求される遊技者の停止操作のタイミングが異なる役、すなわち、27択の小役である。具体的には、小役1〜27は、3つのリール3L,3C,3Rにおいて、3つの図柄「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒7」図柄の組合せにより構成されている(3×3×3=27通り、図16参照)。
本実施の形態では、小役1〜27のうちの複数の役を重複して内部当籤役として決定するとともに(小役・リプレイ用データポインタ「19」「20」)、それぞれの役を所定の確率で抽籤することで、小役が入賞するために要求される停止操作のタイミングを、報知なしには遊技者が把握できないようにしている。
また、リプレイC又はDとは、内部当籤役としてリプレイ(後述の小役・リプレイ用データポインタ「30〜56」)が決定された場合に、遊技者の停止操作のタイミングにより表示され得る図柄の組合せである。ここで、内部当籤役として小役・リプレイ用データポインタ「30〜56」が決定された場合には、遊技者の停止操作のタイミングにより、1/27でリプレイEが入賞し、26/27でリプレイC又はDが入賞する(RT2遊技状態へ移行)。具体的には、小役・リプレイ用データポインタ「30〜56」が決定された場合には、3つのリール3L,3C,3Rにおいて、3つの図柄「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒7」図柄のうち正解となる図柄を狙って停止操作した場合に、リプレイEが入賞し、不正解となる図柄を狙って停止操作した場合に、リプレイC又はDが入賞する(3×3×3=27通り、図16参照)。
本実施の形態では、RT1遊技状態において27択のリプレイを内部当籤役として決定することで、リプレイC又はDの入賞を回避するために要求される停止操作のタイミングを、報知なしには遊技者が把握できないようにしている。
このようなRT作動図柄、リプレイC又はDの入賞を避けるために、本実施のパチスロ1では、RT1遊技状態において一定の条件の下で所定の報知を行うこととしている。このような報知により、遊技者は、RT作動図柄、リプレイC又はDの入賞を避けるために必要な停止操作のタイミングを把握することができ、RT1遊技状態においてRT2遊技状態へ移行する異なく30ゲームを消化し、遊技状態を高リプ遊技状態(一般遊技状態)に移行させることができる。
これにより、ボーナス作動中以外の遊技状態中に遊技者にとって有利な状況を作り出すことができ、一般的に遊技者が興味のないボーナス作動中以外の遊技状態の興趣を向上させることができる。このとき、ボーナス作動中のMB遊技状態では、実質的にメダルの増減がないため、この高リプ遊技状態中の有利度合いを大きくしても、遊技者にとって著しく有利になることがなく、所定期間における出玉率を適切に管理することができる。また、後述するように、MB遊技状態には、報知を行うための抽籤を行うこととしているため、メダルの増減のないMBに対する遊技者の興趣が低下することがない。
また、パチスロ1では、RT1遊技状態においてRT2遊技状態又は一般遊技状態に移行する前にMBが内部当籤役として決定された場合には、その後、RT作動図柄、リプレイC又はDが入賞したとしてもRT2遊技状態へ移行することがない。そのため、RT1遊技状態においてMBが内部当籤役として決定された場合には、RT作動図柄、リプレイC又はDの入賞を気にすることなく、30ゲーム消化し高リプ遊技状態へ移行させることができる。これにより、例えば、RT1遊技状態において28ゲームの間、RT2遊技状態へ移行してしまうことを回避し続け、29ゲーム目にMBが内部当籤役として決定された場合であっても、高リプ遊技状態へ移行するための停止操作を再度1ゲーム目から行う必要がなく(MBの入賞を回避すればよい)、メダルの増減のないMBに対する興趣の低下を防止することができる。
また、一般遊技状態は、MBが入賞するとMB遊技状態に移行し、RT作動図柄、リプレイC又はDが入賞すると、RT2遊技状態(低リプ遊技状態)に移行する。そのため、RT1遊技状態(低リプ遊技状態)から一般遊技状態(高リプ遊技状態)に移行した場合であっても、遊技者は、高リプ遊技状態を継続させるために、RT作動図柄、リプレイC又はDの入賞を回避する必要がある。
なお、一般遊技状態においてRT2遊技状態に移行する前にMBが内部当籤役として決定された場合には、その後、RT作動図柄、リプレイC又はDが入賞したとしてもRT2遊技状態へ移行することがない。
[パチスロの構造]
パチスロ1の機能フローについての説明は以上である。次に、図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
<外部構造>
図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の外観構造を示す斜視図である。
パチスロ1は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ1の外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bの中央には、液晶表示装置10が設けられている。この液晶表示装置10は、図柄表示領域4L,4C,4Rを含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。本実施の形態では、図柄表示領域4L,4C,4Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域4L,4C,4Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられている。この図柄表示領域4L,4C,4Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを投下することが可能いな構成になっている。以下、図柄表示領域4L,4C,4Rを、それぞれ、左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4Rという。
表示窓4L,4C,4Rは、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リール3L,3C,3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。各表示窓4L,4C,4Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかをそれぞれ組合せてなる疑似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施の形態では、入賞判定ラインとしてセンタライン8が設けられている。センタライン8は、左表示窓4Lの中段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの中段の組合せからなる。
液晶表示装置10の表示画面の側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられている。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア2bには、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。選択ボタン9a及び決定ボタン9bは、液晶表示装置10に表示されるホールメニュー(図81)内の項目を選択するためのものである。メダル投入口11は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられている。メダル投入口11に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けられる(いわゆるクレジット機能)。
MAXBETボタン12は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技において投入可能な最大の規定数分を投入するために設けられている。1BETボタン14は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に1枚のメダルを投入するために設けられている。清算ボタン(図示せず)は、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に排出するために設けられている。なお、清算ボタンは、フロントドア2bの正面部に設けられており、MAXBETボタン12、1BETボタン14などと同様に、フロントドア2bを開けることなく、外部から操作可能なボタンである。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられている。ストップボタン17L,17C,17Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応付けられ、対応するリールの回転を停止するために設けられている。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
メダル払出口18は、後述のメダル払出装置34の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口18から排出されたメダルは、メダル受皿19に貯められる。ランプ(LED等)20は、演出内容に応じた点消灯のパターンによって光を出力する。スピーカ用孔21L,21R,22L,22Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
<内部構造>
図4は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。この図4では、フロントドア2bが解放され、フロントドア2bの裏面側の構造及びキャビネット2aの内部の構造が示されている。図5は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図6は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
図5に示すように、キャビネット2a内部の上側には、主制御回路71(図8参照)を構成する主制御基板31が配設されている。主制御回路71は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流を制御する回路である。主制御回路71の具体的な構成は後述する。
キャビネット2aの内部の中央には、3つのリール3L,3C,3Rが設けられている。なお、図5では、各リール3L,3C,3Rからシート材を取り除いてリール本体を露出させた状態を示している。3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
キャビネット2a内部を正面から見て、右リール3Rの右側には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33が配設されている。設定用鍵型スイッチ32は、パチスロ1の設定を変更もしくは確認を行う際に使用するものである。
外部集中端子板33は、キャビネット2aの側板に取り付けられている。この外部集中端子板33は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2aの内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置(以下、ホッパー装置という)34が設けられている。このホッパー装置34は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は清算ボタンが押圧されてメダルの清算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置34によって払い出されたメダルは、メダル払出口18(図2参照)から排出される。
キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置34の右側には、ホッパー装置34から溢れたメダルを収納するメダル補助庫35が配設されている。また、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置34の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供するための電源装置36が設けられている。この電源装置36は、電源スイッチ36aと、電源基板36b(図7参照)とを有している。
また、ホッパー装置34と3つのリール3L,3C,3Rとの間には、サブスピーカ37が配設されている。
図4及び図6に示すように、フロントドア2bの裏面における上側には、副制御基板41(図10参照)を収容する副制御基板ケース42が配設されている。副制御基板41は、副制御基板ケース42を介してキャビネット2aの内部の主制御基板31に対向している。そして、副制御基板41は、副制御回路81(図9参照)を構成する。副制御回路81は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路81の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース42の右側方には、副中継基板43が配設されている。この副中継基板43は、副制御基板41と、Lこの副制御基板41の周辺に配設された基板との配線を中継する基板である。なお、副制御基板41の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板45A,45B,45CやサウンドI/O基板46が挙げられる。
LED基板45Aは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース42の上方に配設されている。また、LED基板45Bは、フロントドア2bの裏面側から見て、副中継基板43の右側方に配設されており、LED基板45Cは、副中継基板43の右側方に配設されている。これらLED基板45A,45B,45Cは、副制御回路81(図7参照)の制御により実行される演出に応じて、点滅パターンを表示する。
サウンドI/O基板46は、フロントドア2bの裏面における中央(表示窓4L,4C,4Rの下側)に配設されている。このサウンドI/O基板46は、後述するスピーカ48L,48R,49L,49Rへの音声の出力を行う。
サウンドI/O基板46の下側には、遊技動作表示基板47が配設されている。この遊技動作表示基板47は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器6に表示させるための基板である。
サウンドI/O基板46及び遊技動作表示基板47の左側及び右側には、上部スピーカ48L,48Rが配設されている。そして、フロントドア2bの裏面における下側には、下部スピーカ49L,49Rが配設されている。上部スピーカ48L,48Rは、それぞれスピーカ用孔21L,21Rに対向しており、下部スピーカ49L,49Rは、それぞれスピーカ用孔22L,22Rに対向している。
上部スピーカ48Rと下部スピーカ49Rとの間には、セレクタ51と、ドア開閉監視スイッチ52が配設されている。セレクタ51は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口11に受け入れられた適正なメダルをホッパー装置34へ案内する。セレクタ51内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(図示せず)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ52は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の左側に配置されている。このドア開閉監視スイッチ52は、パチスロ1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の右側には、ドア中継基板53が配設されている。このドア中継基板53は、主制御基板31(図5参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板41(図7参照)、遊技動作表示基板47及びセレクタ51との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、MAXBETボタン12、1BETボタン14、清算ボタン(図示せず)、ドア開閉監視スイッチ52、後述する1BETスイッチ55A、MAXBETスイッチ55B及びスタートスイッチ57等を挙げることができる。
ドア中継基板53の下側には、24hドア開閉監視ユニット54が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット54は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、フロントドア2bを開放したとき、又はセレクタ51を取り外したときに、液晶表示装置10にエラー表示を行うための信号を副制御基板41(副制御回路81)に出力する。
<パチスロが備える制御系>
次に、パチスロ1が備える制御系について、図7を参照して説明する。
図7は、パチスロ1の制御系を示すブロック図である。
パチスロ1は、キャビネット2aに配設された主制御基板31と、フロントドア2bに配設された副制御基板41とを有している。
主制御基板31には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33と、ホッパー装置34と、リール中継端子板38と、電源装置36の電源基板36bと、メダル補助庫スイッチ39とが接続されている。設定用鍵型スイッチ32、外部集中端子板33及びホッパー装置34については、上述したため、説明を省略する。
電源装置36の電源基板36bには、電源スイッチ36aと電源プラグ36cとが接続されている。電源プラグ36cと、この電源プラグ36cと電源基板36bを接続するコードは、キャビネット2aの背面部に設けられた貫通孔(図示せず)から引き出される。そして、電源プラグ36cは、パチスロ1の外部に設けられた電源コンセントの差し込み口に差し込まれる。
リール中継端子板38は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板38は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(図示せず)に電気的に接続されており、主制御基板31からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35に設けられている。このメダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
また、主制御基板31には、ドア中継基板53を介して、セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52、遊技動作表示基板47、1BETスイッチ55A、MAXBETスイッチ55B、清算スイッチ56、スタートスイッチ57、ストップスイッチ基板58、打止解除スイッチ63及び副中継基板43が接続されている。セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52及び遊技動作表示基板47については、上述したため、説明を省略する。
1BETスイッチ55Aは、1BETボタン14が遊技者により押されたことを検出する。MAXBETスイッチ55Bは、MAXBETを行うために操作されるMAXBETボタン12の操作結果を検出する。清算スイッチ56は、清算ボタン(図示せず)が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ57は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。打止解除スイッチ63は、打ち止めを解除する際に操作されるスイッチである。
ストップスイッチ基板58は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板58には、ストップスイッチが設けられている。このストップスイッチは、各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板47には、7セグ表示器6とLED59が接続されている。LED59は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板41は、ドア中継基板53と副中継基板43を介して主制御基板31に接続されている。この副制御基板41には、副中継基板43を介して、LED基板45A,45B,45C、サウンドI/O基板46、24hドア開閉監視ユニット54が接続されている。サウンドI/O基板46には、スピーカ48L,48R,49L,49Rに加えて、選択スイッチSW1及び決定スイッチSW2が接続されている。選択スイッチSW1及び決定スイッチSW2は、図3において上述した選択ボタン9a及び決定ボタン9bの操作結果を受けるスイッチであり、ホールメニュー内の項目を選択するためのものである。LED基板45A,45B,45Cには、LED20に加えて、可動体装置64A、64Bが接続されている。可動体装置64A、64Bは、副制御基板41によって制御される演出用の可動体である。LED基板45A,45B,45C、サウンドI/O基板46及び24hドア開閉監視ユニット54については、上述したため、説明を省略する。
また、副制御基板41には、ロムカートリッジ基板61と、液晶中継基板62とが接続されている。これらロムカートリッジ基板61及び液晶中継基板62は、副制御基板41と共に副制御基板ケース42に収容されている。
ロムカートリッジ基板61は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板45A,45B,45C及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板62は、副制御基板41と液晶表示装置10との配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板31により構成される主制御回路71について、図8を参照して説明する。
図8は、パチスロ1の主制御回路71の構成例を示すブロック図である。
主制御回路71は、主制御基板31上に設置されたマイクロコンピュータ72を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ72は、メインCPU73、メインROM74及びメインRAM75により構成される。
メインROM74には、メインCPU73により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路81に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM75には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU73には、クロックパルス発生回路76、分周器77、乱数発生器78及びサンプリング回路79が接続されている。クロックパルス発生回路76及び分周器77は、クロックパルスを発生する。メインCPU73は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器78は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路79は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU73は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU73は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM75に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM75に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(図示せず)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施の形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン17Lが押されたときに左表示窓4Lの中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、左表示窓4Lの中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板41により構成される副制御回路81について、図9を参照して説明する。
図9は、パチスロ1の副制御回路81の構成例を示すブロック図である。
副制御回路81は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路81は、基本的に、サブCPU82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86を含んで構成されている。
サブCPU82は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板61に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板61は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU82が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置10(図7参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ(LED)20による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ48L,48R49L,49R48L,48R,49L,49Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU82、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM(フレームバッファを含む)85及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置10に表示させる。
また、サブCPU82は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ48L,48R49L,49R48L,48R,49L,49Rにより出力させる。また、サブCPU82は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ(LED)20の点灯及び消灯を制御する。
副制御基板41は、副制御基板ケース42に収納されている。副制御基板ケース42は、ケース本体の外面全体にメッキ部を形成しており、電波遮断シートを用いるよりもコストの削減を図ることができる。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図10〜図22を参照して、メインROM74に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図10を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4L,4C,4R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L,3C,3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓4L,4C,4Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
<図柄組合せテーブル>
図11〜図13を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞ラインに沿って各リール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、リプレイタイムの作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、格納領域種別と、払出枚数を示すデータと、を規定している。表示役は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。格納領域種別は、表示役を格納する後述の表示役格納領域をメインCPU73が識別するために設けられたデータである。表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役として特殊小役、中段チェリー、強チェリーA1〜A3(以下、「強チェリーA」という)、強チェリーB1〜B3(以下、「強チェリーB」という)、強チェリーC1〜C3(以下、「強チェリーC」という)、強チェリーD1〜D3(以下、「強チェリーD」という)、強チェリーE1〜E3(以下、「強チェリーE」といい、強チェリーA〜Eを「強チェリー」という)、弱チェリーA1〜A3(以下、「弱チェリーA」という)、弱チェリーB1〜B3(以下、「弱チェリーB」という)、弱チェリーC1〜C3(以下、「弱チェリーC」という)、弱チェリーD(以下、弱チェリーA〜Dを「弱チェリー」という)、スイカA〜C(以下、「スイカ」という)、共通ベル1〜8(以下、「共通ベル」という)、小役1〜27(以下、「小役」という)のいずれかが決定されたときメダルの払い出しが行われる(以下、メダルの払い出しが行われる役を総称して「全小役」とする場合がある)。なお、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、予め定められた上限を限度に払い出される。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてMBが決定されたとき、ボーナスゲームの作動が行われる。また、RT1遊技状態において、入賞ラインに沿ってRT作動図柄1〜26(以下、「RT作動図柄」という)、リプレイC又はリプレイDが表示されたとき、遊技状態がRT2遊技状態に移行する。なお、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
<内部抽籤テーブル>
図14〜図17を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。なお、図中特に表記しない場合は、抽籤範囲は「0〜65535」、すなわち、確率分母は「65536」である。
本実施の形態では、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
<内部当籤役決定テーブル>
図18〜図19を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している.データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞ラインに沿って表示を許可する各リール3L,3C,3Lの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される.なお、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図18は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルであり、メダルの払い出しに係る内部当籤役及び再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図19は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルであり、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
ここで、MB遊技状態中に決定される内部当籤役について説明する。MB遊技状態中には、図17に示すMB遊技状態用内部抽籤テーブルに基づいて内部抽籤処理(図45)が行われ、所定の確率でリプレイA1(小役・リプレイ用データポインタ「57」)、リプレイA2(小役・リプレイ用データポインタ「58」)、リプレイA3(小役・リプレイ用データポインタ「59」)又はリプレイA4(小役・リプレイ用データポインタ「60」)が内部当籤役として決定される。また、MB遊技状態中には、乱数値に基づく抽籤に関わらず常にメダルの払い出しが行われる全小役の全てが内部当籤役として決定される(図45のステップS66)。そのため、MB遊技状態中には、「全小役」、「全小役+リプレイA1」、「全小役+リプレイA2」、「全小役+リプレイA3」、「全小役+リプレイA4」のいずれかが内部当籤役として決定される。ここで、MB遊技状態中には、上述のRT作動図柄、リプレイC及びDの入賞を回避するための報知を行うか否かの抽籤(ART抽籤)が行われるが、「全小役+リプレイA1」、「全小役+リプレイA2」、「全小役+リプレイA3」、「全小役+リプレイA4」のいずれかが内部当籤役として決定された場合には、当該抽籤に高い確率で当籤する。
なお、MB遊技状態中は、メダルの投入枚数が「2枚」の遊技状態であり、メダルの払い出しに係る全小役が入賞した場合には、「2枚」のメダルが払い出される(図12参照)。また、後述するように、MB遊技状態中では、リプレイに比べて優先的に全小役を引き込み(後述の図22)、リプレイが入賞することがない。そのため、内部当籤役として「全小役」、「全小役+リプレイA1」、「全小役+リプレイA2」、「全小役+リプレイA3」、「全小役+リプレイA4」のいずれが決定された場合であっても、MB遊技状態中では常に「2枚」のメダルが払い出される。
[停止操作位置と入賞役との関係]
続いて、図20を参照して、停止操作位置と入賞役との関係を説明する。
まず、図20を参照して、上述のように小役1〜26は27択の小役であり、小役・リプレイ用データポインタ「1〜20」は、これら27択の小役1〜26の1又は複数が重複して内部当籤役として決定されるデータポインタである。小役・リプレイ用データポインタ「1〜20」は、リール3L,3C,3Rにおいてそれぞれ狙う図柄が異なっており、報知なしに遊技者が正解となる停止操作を行うことが困難となっている。
続いて、図20を参照して、小役・リプレイ用データポインタ「30〜56」は、リプレイA〜Eが重複して内部当籤役として決定されることで、正解となる停止操作のタイミングが各々異なるデータポインタであり、27択のリプレイを実現する。小役・リプレイ用データポインタ「30〜56」も、リール3L,3C,3Rにおいてそれぞれ狙う図柄が異なっており、報知なしに遊技者が正解となる停止操作を行うことが困難となっている。
パチスロ1では、小役・リプレイ用データポインタの値毎に停止制御を異ならせることで、図20に示す停止操作位置と入賞役との関係が成立するようにリール3L,3C,3Rの停止制御を実現している。
<優先順序テーブル>
図21を参照して、メインCPU73が滑り駒数を取得するときに用いる優先順序テーブルについて説明する。図21(a)は、MB遊技状態以外の遊技状態において参照される優先順序テーブルであり、図21(b)は、MB遊技状態において参照される優先順序テーブルである。
優先順序テーブルは、滑り駒数決定データと優先順序とに対応して、滑り駒数を示す情報を規定している。例えば、滑り駒数決定データが「0」である場合には、メインCPU73は、優先順序テーブルを参照して、滑り駒数決定データ「0」と優先順序「5」とに対応する滑り駒数として「3」を取得し、これが適切な滑り駒数であるか否かを判別し、次いで、優先順序「4」〜優先順序「1」の順で、同様に判別する。なお、このように優先順序「5」に対応する滑り駒数が最も先に適切か否かを判別し、優先順序「1」に対応する滑り駒数が適切か否かを最も後に判別するようにしたのは、基本的に、優先順序「1」が最も優先的に滑り駒数として決定されるようにしているからである。
<引込優先順位テーブル>
図22を参照して、引込優先順位テーブルについて説明する。本実施の形態では、リール3L,3C,3Rの回転中に図柄位置毎に表示してよい図柄であるか否か判定されるところ、引込優先順位テーブルは、引込み範囲内に表示してよい図柄が複数ある場合にどの図柄を優先して引き込むか決定する際に用いられる。
引込優先順位テーブルは、入賞作動フラグ(表示役)に係る図柄の組合せ間の引込みの優先順位を示す引込データを規定している。「引込優先順位データ」は、引込みの優先順位に対応するリプレイ、全小役、及びMBの各々をメインCPU73が識別するために設けられた情報である。「引き込み」或いは「引込」は、基本的に、最大滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄を入賞ラインに沿って表示するように、リール3L,3C,3Rの回転を停止させることをいう。
なお、「全リプレイ」とは、メダルを投入することなく遊技可能な役であるリプレイA〜Eの総称であり、「全小役」とは、入賞することでメダルの払い出しが行われる役である特殊小役、中段チェリー、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、小役の総称である。
引込優先順位テーブル番号「01」を参照して、例えば、第1の図柄位置には入賞作動フラグ「リプレイ」が入賞する(可能性が有る)と判定され、第2の図柄位置には入賞フラグ「全小役」が入賞する(可能性が有る)と判定されている場合、引込優先順位テーブル番号「01」では「全リプレイ」より「全小役」の方が優先順位が高いため、第1の図柄位置の図柄を優先して引き込むようにリール3L,3C,3Rの回転の停止制御が行われる。なお、引込優先順位テーブル番号「01」は、MB遊技状態中に参照され、引込優先順位テーブル番号「00」は、MB遊技状態中以外の遊技状態に参照される(図48)。
このような引込優先順位テーブルに基づいて、優先して引き込む図柄を決定することでMB遊技状態では、リプレイよりも全小役を優先して引き込む制御が行われる。すなわち、MB遊技状態において、内部抽籤処理ではリプレイと全小役とが同時に当籤し、停止制御ではリプレイよりも全小役を優先して引き込む制御が行われる。
<メインRAMに設けられる格納領域の構成>
次に、図23〜図30を参照して、メインRAM75に設けられている各種格納領域の構成について説明する。なお、各種格納領域は、メインRAM75に設けるとともにサブRAM83にも設けることとしてもよい。
<内部当籤役格納領域>
図23は、内部当籤役(当たり要求フラグ)を示すデータが格納される内部当籤役格納領域1〜内部当籤役格納領域14を示す。内部抽籤処理において決定された内部当籤役は対応する領域に格納される。
<持越役格納領域>
図24は、持越役を示すデータが格納される持越役格納領域を示す.例えば、内部抽籤処理において内部当籤役としてMBが決定された場合には、持越役格納領域のビット0に「1」が格納される。ここで、持越役は、後述の内部抽籤処理において決定されたデータポインタに対応する図柄の組合せが入賞ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該データポインタをメインCPU73が識別するために設けられた情報である。
<図柄コード格納領域>
図25は、図柄コード格納領域を示すデータが格納される図柄コード格納領域1〜図柄コード格納領域14を示す。図柄コード格納領域には、回転中のリールにおいて入賞可能な役を示すデータが格納される。例えば、リール3L,3C,3Rの全てが回転中の場合には、全ての役が入賞可能であるため、図柄コード格納領域の対応するビットの全てに「1」が格納される。その後、左のリール3Lが停止(リール3C,3Rは回転)した場合には、左のリール3Lの停止に伴い入賞不可能となった役に対応するビットが「0」に更新される。図11を参照して、例えば、左のリール3Lにおいて「ブランク1」図柄が停止した場合には、左のリール3Lの図柄が「BAR」図柄であるMBに対応するビットは「0」に更新される一方で、左のリール3Lの図柄が「ブランク1」図柄であるリプレイAに対応するビットは「1」のまま維持される。
<表示役格納領域>
図26は、表示役(入賞作動フラグ)を示すデータが格納される表示役格納領域1〜表示役格納領域14を示す。表示役格納領域には、図柄コード格納領域の値がそのまま反映される。そのため、表示役格納領域は、リール3L,3C,3Rが停止する度に更新される。表示役格納領域の値は、リール3L,3C,3Rの全てが停止した際に、メインCPU73が表示役を識別するために用いられる。
<遊技状態フラグ格納領域>
図27は、遊技状態を示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域を示す。例えば、リール3L,3C,3Rの全てが停止し、RT作動図柄に対応する図柄の組合せが表示されたと判断された場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット3に「1」が格納される。
<作動ストップボタン格納領域>
図28は、今回押されたストップボタン17L,17C,17R、いわゆる作動ストップボタンを示すデータが格納される作動ストップボタン格納領域を示す。なお、作動ストップボタン格納領域には、押す操作が有効なストップボタン17L,17C,17R、いわゆる有効ストップボタンを示すデータも格納される。実施例では、メインCPU73は、作動ストップボタン格納領域のビット0〜2に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタン17L,17C,17Rを識別する。また、メインCPU73は、作動ストップボタン格納領域のビット4〜6に格納されているデータに基づいて、未だ押されていないストップボタン17L,17C,17Rを識別する。
<押下順序格納領域>
図29は、停止操作の順序を示すデータが格納される押下順序格納領域を示す。例えば、第1停止操作に左のストップボタン17Lが操作された場合には、ビット0及び1に「1」が格納される。その後、第2停止操作として中のストップボタン7Cが操作されると、「1」が格納されているビット0及び1のうち、ビット1を「0」に更新し、ビット0を「1」のまま維持する。
<引込優先順位データ格納領域>
図30は、各図柄位置データに対応して優先引込順位データが格納される引込優先順位データ格納領域を示す。引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域により構成される。各引込優先順位データ格納領域は、当該引込優先順位データ格納領域に対応するリール3L,3C,3Rの図柄位置データのそれぞれについて、優先引込順位データを格納する。優先引込順位データは、一の図柄位置データに位置する図柄がセンターラインの位置で表示された場合に、何れの表示役に係る図柄の組合せ又はその一部が入賞ラインに沿って表示されるかを示すデータである。
<<副制御で用いるフラグの説明>>
<MB表示指示の有無とその後の動作>
図31は、MB表示指示の有無とその後の動作を示す表である。
サブCPU82が扱う主なフラグには、ART初当たり用告知フラグ、特殊告知フラグ、ART終了用告知フラグ、チャンス用告知フラグ、及びペナルティフラグがある。
<ART、チャンスゾーン>
本実施の形態において、ART(アシストリプレイタイム)は、リプレイが高確率で当籤する状態(リプレイタイム)であって内部当籤役に関する情報を遊技者に報知する状態をいう。このようにすることで、メダルの消費をしにくくするとともに、内部当籤役に入賞させやすくできるので、遊技者に有利になり得る状態にすることができる。本実施の形態では、内部当籤役に関する情報を遊技者に報知する状態を、ARTの権利が付与された状態と称する場合がある。
また、主制御回路71の制御によって、RT1遊技状態、RT2遊技状態、一般遊技状態(高リプ遊技状態)又はボーナス遊技状態(MB中)のいずれかの遊技状態が決定される。一方、副制御回路81の制御によって、内部当籤役に関する情報を報知するか否かが決定される。すなわち、主制御回路71の制御によってリプレイタイム(RT遊技状態)にするか否かが決定され、副制御回路81の制御によって、内部当籤役に関する情報を報知(アシスト)かする否かが決定されるので、ARTは、主制御回路71の制御と副制御回路81の制御とが重畳して決定される遊技状態である。
主制御回路71の制御によって遊技状態がRT1遊技状態となり、副制御回路81の制御によって、内部当籤役に関する情報が報知される状態となったときが、チャンスゾーンとなる。この状態は、内部当籤役に関する情報が報知されるので、内部当籤役に入賞させやすい状態であり、遊技者に有利な状態である。本実施の形態では、ARTの権利が付与された状態のRT1遊技状態を、チャンスゾーン又はARTのRT1遊技状態と称する。
このチャンスゾーンは、ARTの権利が付与されている場合にMBが終了した後に始まる。ARTの権利は、後述する図76のステップS6639の処理によって、チャンスゾーンカウンタの値に30がセットされたときに付与される。このように、MBが終了したときにARTの権利を付与することによって、RT1遊技状態をチャンスゾーンにすることができる。
一方、主制御回路71の制御によって遊技状態がRT1遊技状態となり、副制御回路81の制御によって、内部当籤役に関する情報が報知される状態となっていない状態は、単なるRT1遊技状態である。この状態は、内部当籤役に関する情報が報知されないので、内部当籤役に入賞させにくい状態であり、相対的に遊技者に不利な状態である。本実施の形態では、ARTの権利が付与されていない状態のRT1遊技状態を、チャンスゾーンでないRT1遊技状態又は単にRT1遊技状態と称する。
また、主制御回路71の制御によって遊技状態が一般遊技状態(高リプ遊技状態)となり、内部当籤役に関する情報が報知される状態となったときがARTとなる。この状態も、内部当籤役に関する情報が報知されるので、内部当籤役に入賞させやすい状態であり、遊技者に有利な状態である。本実施の形態では、ARTの権利が付与された状態の一般遊技状態(高リプ遊技状態)を、単にART又はARTの一般遊技状態と称する。
具体的には、ARTゲーム数カウンタの値を1以上にすることによって、一般遊技状態をARTにすることができる。一方、ARTゲーム数カウンタの値が1未満のときには、RT1遊技状態、RT2遊技状態又は一般遊技状態において共通した通常の演出画面が表示される。
一方、主制御回路71の制御によって遊技状態が一般遊技状態(高リプ遊技状態)となり、内部当籤役に関する情報が報知される状態となっていない状態は、単なる一般遊技状態(高リプ遊技状態)である。この状態は、内部当籤役に関する情報が報知されないので、内部当籤役に入賞させにくい状態であり、相対的に遊技者に不利な状態である。本実施の形態では、ARTの権利が付与されていない状態の一般遊技状態を、単に非ARTの一般遊技状態と称する。
なお、チャンスゾーンも、いわゆるRT(リプレイタイム)であり、かつ、内部当籤役に関する情報が報知される状態であるので、広義には、チャンスゾーンもいわゆるARTである。
上述したように、主制御回路71の制御によって遊技状態を、RT1遊技状態やRT2遊技状態や一般遊技状態(高リプ遊技状態)にしたときに、副制御回路81の制御によって、ARTの権利を付与したりしなかったりすることができる。本実施の形態では、単に非ARTと称した場合には、ARTの権利が付与されていない状態のRT1遊技状態やRT2遊技状態や一般遊技状態(高リプ遊技状態)を示す。
<各種フラグ>
ART初当たり用告知フラグがセットされているときには、MB表示指示が有り、使用する演出データはART初当たり用MB表示指示用演出データであり、MB中ではARTゲーム上乗せ抽籤を行い、MB終了後には、チャンスゾーンを経てARTの一般遊技状態へ移行する。
特殊告知フラグがセットされているときには、MB表示指示が有り、使用する演出データは特殊告知用MB表示指示用演出データであり、MB中ではARTゲーム上乗せ抽籤を行い、MB終了後には、チャンスゾーンを経てARTの一般遊技状態へ移行する。
ART終了用告知フラグがセットされているときには、MB表示指示が有り、使用する演出データは、ART終了用MB表示指示用演出データであり、MB中ではART継続抽籤を行い、MB終了後には、継続ならチャンスゾーンを経てARTの一般遊技状態へ移行する。
チャンス用告知フラグがセットされているときには、MB表示指示が有り、使用する演出データは、チャンス用MB表示指示用演出データであり、MB中ではART抽籤を行い、MB終了後には、当籤ならチャンスゾーンを経てARTの一般遊技状態へ移行する。
ペナルティフラグがセットされているときには、MB表示指示は無く、使用する演出データも無く、MB中ではARTゲーム上乗せ抽籤を行い、MB終了後には、チャンスゾーンを経てARTの一般遊技状態へ移行する。
いずれのフラグがセットされていないときには、MB表示指示は無く、使用する演出データも無く、MB中では抽籤はなく、MB終了後には通常の動作をする。
MB表示指示の演出の例を図77に示す。演出画面には、「BARを狙え!」というメッセージと、揃えるべき図柄の組合せ「BAR」−「BAR」−「BAR」という文字情報とが表示される。上述したように、MB表示指示のデータには、ART初当たり用MB表示指示用演出データと、特殊告知用MB表示指示用演出データと、ART終了用MB表示指示用演出データと、チャンス用MB表示指示用演出データとがある。MB表示指示の演出においては、「BARを狙え!」というメッセージと、「BAR」−「BAR」−「BAR」という文字情報とは、ART初当たり用と、特殊告知用と、ART終了用と、チャンス用と共通して表示されるが、バックグラウンドの画像データは異なるように構成されている。
<各フラグの種類と発生条件>
図32は、各フラグの種類と発生条件を示す表である。
ART初当たり用告知フラグは、ARTでないとき(非ART)にART抽籤に当籤したことを示すフラグである。特殊告知フラグは、ART中に特殊抽籤に当籤したことを示すフラグである。ART終了用告知フラグは、ARTが終了したことを示すフラグである。チャンス用告知フラグは、RT1遊技状態からRT2遊技状態に移行する前にRT1遊技状態においてMBに当籤したことを示すフラグである。ペナルティフラグは、チャンスゾーンのときに、MBを揃えてしまったこと、又はART中に指示がないのにMBを揃えてしまったことを示すフラグである。
また、上述したフラグのほかに、SPフラグがある。SPフラグは、RT1遊技状態、RT2遊技状態又は一般遊技状態において、図柄の組合せ「BAR」−「BAR」−「BAR」が揃ったことを示すフラグである。図柄の組合せ「BAR」−「BAR」−「BAR」が揃うことで、MB遊技状態に移行する。
<<サブROMに記憶されているデータテーブルの構成>>
次に、図33〜図39を参照して、サブROM87に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<通常用ART抽籤テーブル>
図33は、通常用ART抽籤テーブルを示す表である。
通常用ART抽籤テーブルは、図68のステップS5833の処理で参照されるテーブルであり、ART初当たり用MB表示指示用演出や、ART初当たり用MB表示待機用演出を行うか否かが決定される(図68のステップS5819〜S5825)。
図33に示す例は、設定1のものであり、他の設定は省略した。図33に示すように、当籤番号が0〜18及び29〜56の場合には、ARTに当籤する確率は、1/32767である。当籤番号が19の場合には、常にART非当籤となる。当籤番号が27及び28の場合には、常にART当籤となる。その他の当籤番号の場合には、図33に示す数値でART当籤又はART非当籤の確率が規定されている。
<ART中用特殊告知抽籤テーブル>
図34は、ART中用特殊告知抽籤テーブルを示す表である。
ART中用特殊告知抽籤テーブルは、図67のステップS5727の処理で参照されるテーブルであり、特殊告知の演出を行うか否かが決定される(図67のステップS5721〜S5423)。
図34に示す例は、設定1のものであり、他の設定は省略した。図34に示すように、当籤番号が0〜20、26及び29〜56の場合には、常に非当籤となり、特殊告知の演出が行われることはない。また、当籤番号が21〜28の場合には、当籤する場合があり、特殊告知の演出が行われる場合がある。特に、当籤番号が28の場合には、常に当籤となり、特殊告知の演出が行われる。
<ART初当たりMB中上乗せ抽籤テーブル>
図35は、ART初当たりMB中上乗せ抽籤テーブルを示す表である。
ART初当たりMB中上乗せ抽籤テーブルは、図73のステップS6321の処理で参照されるテーブルであり、上乗せゲーム数が決定される。
図35に示すように、当籤番号が0の場合には、常に上乗せゲーム数は0に決定される。当籤番号が1〜3の場合には、上乗せゲーム数は10、30、50、100、200又は300のいずれかに決定される。当籤番号が4の場合には、上乗せゲーム数は100、200又は300のいずれかに決定される。
<ART中特殊告知後MB中用弾丸抽籤テーブル1>
図36(a)は、ART中特殊告知後MB中用弾丸抽籤テーブル1を示す表である。
ART中特殊告知後MB中用弾丸抽籤テーブル1は、図71のステップS6115の処理で参照されるテーブルであり、弾丸種別が決定される。
図36(a)に示すように、当籤番号が0の場合には、通常弾丸、特殊弾丸1又は特殊弾丸2のいずれかが当籤する。当籤番号が1〜3の場合には、特殊弾丸1又は特殊弾丸2のどちらかが当籤する。当籤番号が4の場合には、常に特殊弾丸2が当籤する。
<ART中特殊告知後MB中用弾丸抽籤テーブル2>
図36(b)は、ART中特殊告知後MB中用弾丸抽籤テーブル2を示す表である。
ART中特殊告知後MB中用弾丸抽籤テーブル2は、図71のステップS6113の処理で参照されるテーブルであり、弾丸種別が決定される。
図36(b)に示すように、当籤番号が0の場合には、通常弾丸、特殊弾丸1又は特殊弾丸2のいずれかが当籤する。当籤番号が1〜3の場合には、特殊弾丸1又は特殊弾丸2のどちらかが当籤する。当籤番号が4の場合には、常に特殊弾丸2が当籤する。
<ART中特殊告知後MB中用上乗せ抽籤テーブル>
図36(c)は、ART中特殊告知後MB中用上乗せ抽籤テーブルを示す表である。
ART中特殊告知後MB中用上乗せ抽籤テーブルは、図76のステップS6621の処理で参照されるテーブルであり、上乗せARTゲーム数が決定される。
図36(c)に示すように、弾丸種別が通常弾丸である場合には、上乗せARTゲーム数は、5、10、20、30又は50のいずれかに決定される。弾丸種別が特殊弾丸1である場合には、上乗せARTゲーム数は、10、20、30又は50のいずれかに決定される。弾丸種別が特殊弾丸2である場合には、上乗せARTゲーム数は、30又は50のどちらかに決定される。
<ART終了時用継続難易度抽籤テーブル>
図37は、ART終了時用継続難易度抽籤テーブルを示す表である。
ART終了時用継続難易度抽籤テーブルは、図75のステップS6527の処理で参照されるテーブルであり、必要ポイント数が決定される。
設定値1〜設定値6の各々について必要ポイント数が規定されている。必要ポイント数は、設定値1〜設定値6の全てに対して0、1、2、3、4又は5のいずれかに決定される。必要ポイント数が多くなるに従って、決定される確率が高くなるように規定されている。
<ART終了時用ART抽籤テーブル>
図38は、ART終了時用ART抽籤テーブルを示す表である。
ART終了時用ART抽籤テーブルは、図76のステップS6635の処理で参照されるテーブルであり、現在のポイント数に基づいて抽籤値が定められている。このART終了時用ART抽籤テーブルを参照することによって、現在のポイント数に基づいてARTに当籤させるか否かが決定される。
図38に示すように、設定値1〜設定値6の全てに共通であり、現在のポイント数が少なくなるに従ってARTに当籤する確率が高くなるように規定されている。特に、現在のポイント数が0以下の場合には、常にARTに当籤する。
<ART終了時用MB中ポイント獲得抽籤テーブル>
図39は、ART終了時用MB中ポイント獲得抽籤テーブルを示す表である。
ART終了時用MB中ポイント獲得抽籤テーブルは、図73のステップS6329の処理で参照されるテーブルであり、獲得ポイント数が決定される。
図39に示すように、当籤番号が0の場合には、獲得ポイント数は常に0に決定される。当籤番号が1〜3の場合には、獲得ポイント数は1、3又は5のいずれかに決定される。当籤番号が4の場合には、獲得ポイント数は常に5に決定される。
[コマンドデータの構造]
次に、図40を参照して、主制御回路71から副制御回路81へ送信されるコマンドデータの構造について説明する。コマンドデータは、主制御回路71のメインRAM75の通信データ格納領域に格納されているデータであり、図55において後述する、メインCPU73の制御による割込処理の通信データ送信処理(ステップS254)において、主制御回路71から副制御回路81へ送信されるデータである。
このコマンドデータは、各々が1バイトからなる8つのデータ(「コマンド種別」、「パラメータ1」、「パラメータ2」、「パラメータ3」、「パラメータ4」、「パラメータ5」、「遊技状態」及び「BCC」)によって構成される。各データは、コマンド種別に応じて、各々のビットパターンによってデータ内容を識別することができるようになっている。コマンドデータは、これら8つのデータによって1パケットを構成している。
因みに、メインRAM75の通信データ格納領域は、9パケット分(8バイト(1パケット)×9)のデータを格納することができるようになっている。
「コマンド種別」としては、図41に示すように、「01H」〜「10H」の10種類の種別がある。「01H」は、初期化コマンドである。初期化コマンドのデータ内容は、設定値変更の有無、設定値情報などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(初期化コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「02H」は、メダル投入コマンドである。メダル投入コマンドのデータ内容は、投入枚数、クレジット数などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(メダル投入コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「03H」は、スタートコマンドである。スタートコマンドのデータ内容は、内部当籤役、遊技情報、RT遊技回数カウンタ値、ボーナス終了枚数カウンタ値などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(スタートコマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「04H」は、リール回転開始コマンドである。リール回転開始コマンドのデータ内容としては、各パラメータは未使用となっている。「05H」は、リール停止コマンドである。リール停止コマンドのデータ内容は、停止リール種別、押下位置、滑り駒数などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(リール停止コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「06H」は、表示コマンドである。表示コマンドのデータ内容は、入賞作動フラグの種別、払出枚数などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(表示コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「07H」は、ボーナス開始コマンドである。ボーナス開始コマンドのデータ内容は、開始したボーナスの種別などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(ボーナス開始コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「08H」は、ボーナス終了コマンドである。ボーナス終了コマンドのデータ内容は、終了したボーナスの種別などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(ボーナス終了コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「09H」は、入力状態コマンドである。入力状態コマンドのデータ内容は、スタートレバー・ストップボタン・ベットボタンの入力の有無などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(入力状態コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「10H」は、無操作コマンドである。無操作コマンドは、上記「01H」〜「09H」のコマンドが送信されない場合に送信されるデータであり、「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(無操作コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。
なお、無操作コマンドは、通常、操作部などの操作が無かった場合に主制御回路71から副制御回路81へ送信されるコマンド(操作非対応コマンド)であり、上述したように、無操作コマンドデータのデータ内容が「パラメータ1」〜「パラメータ5」の全部又は一部によって表される。
これに対して、スイッチなどの操作が有った場合には、操作結果を表す入力状態コマンド(操作対応コマンド)がコマンドデータとして主制御回路71から副制御回路81へ送信される。この場合、無操作コマンド(操作非対応コマンド)は送信されない。
入力状態コマンドが送信された後、スイッチの操作が無い状態に移行すると、主制御回路71から副制御回路81へ無操作コマンドが送信されることになる。無操作コマンドとしては、上述したような「無操作コマンドを表すコマンドデータ」が送信される場合、又は、スイッチなどが操作されたか否かを表す操作情報が送信される場合がある。スイッチなどが操作されたか否かを表す操作情報とは、図56において後述する、入力ポートチェック処理において無操作コマンドデータとして登録される入力ポートの状態を表す情報(スイッチなどの操作状態を表す情報)である。図42は、無操作コマンドのデータ構成例を示す図である。図42に示すように、無操作コマンドとしては、パラメータ1において、「1ベットスイッチ」、「MAXベットスイッチ」、「スタートスイッチ」、「左ストップスイッチ」、「中ストップスイッチ」、「右ストップスイッチ」、「清算スイッチ」、「ドア開閉監視スイッチ」の各々について、操作された状態を表す「1」、又は操作されていない状態を表す「0」が割り当てられる。
「1BETスイッチ」は、図7に示したように、1BETボタン14が操作されたことを検出するスイッチである。「MAXBETスイッチ」は、MAXBETボタン12が操作されたことを検出するスイッチである。「スタートスイッチ」は、図7に示したように、スタートレバー16が操作されたことを検出するスイッチである。「左ストップスイッチ」、「中ストップスイッチ」、「右ストップスイッチ」は、図7に示したように、各ストップボタン17L,17C.17Rが押圧操作されたことを検出するスイッチである。「清算スイッチ」は、図7に示したように、清算ボタン(図示せず)が押圧操作されたことを検出するスイッチである。「ドア開閉監視スイッチ」は、図7に示したように、フロントドア2bの開閉を検出するスイッチである。
また、パラメータ2において、「メダル通過センサ」、「セレクタセンサ1」、「セレクタセンサ2」、「打止スイッチ」、「自動清算スイッチ」、「払出カウントスイッチ」、「メダル補助庫スイッチ」の各々について、操作(検出)された状態を表す「1」、又は操作(検出)されていない状態を表す「0」が割り当てられる。
「メダル通過センサ」は、メダル投入口から投入されたメダルの通過を検出するものであり、「セレクタセンサ1」及び「セレクタセンサ2」は、図7に示したセレクタ51に設けられたセンサであり、メダルの投入路の上流側に「セレクタセンサ1」が設けられ、下流側に「セレクタセンサ2」が設けられている。「セレクタセンサ1」、「セレクタセンサ2」の順に検出された場合に、メダルが正しく投入されたことを検出することができるようになっている。
「打止スイッチ」は、キャビネット2a内に設けられ、いわゆるボーナスゲームが終了した際に打ち止めがあるように設定するためのスイッチである。「自動清算スイッチ」は、所定のタイミングで自動的に清算が行われるように設定するためのスイッチである。「メダル払出カウントスイッチ」は、メダル払出装置から払い出されるメダルの枚数をカウントするものである。「メダル補助庫スイッチ」は、図7に示したように、メダル補助庫35がメダルで満杯になっているか否かを検出するものである。
また、パラメータ3において、「左リール」、「中リール」、「右リール」、「設定変更スイッチ」、「打止解除スイッチ」、「リセットスイッチ」の各々について、操作(検出)された状態を表す「1」、又は操作(検出)されていない状態を表す「0」が割り当てられる。
「左リール」、「中リール」、「右リール」は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rの回転状態を検出するものである。「設定変更スイッチ」は、図7に示した設定用鍵型スイッチ32であり、パチスロ1の設定変更又は確認を行う場合に操作されるものである。「打止解除スイッチ」は、図7に示したように、打ち止めを解除する際に操作されるスイッチである。「リセットスイッチ」は、エラー動作を解除する場合と設定値を更新する際に使用するスイッチである。
なお、無操作コマンドは、主制御回路71から副制御回路81へ送信されるコマンドであるため、主制御回路71において把握されるスイッチなどの操作部の動作状態が当該無操作コマンドに含まれることになる。スイッチなどの状態として確認が必要となるものは、これら主制御回路71において把握されるものの他に、副制御回路81において把握されるものもある。
このような主制御回路71において把握されていないスイッチなどの状態は、無操作コマンドには含まれず、副制御回路81が無操作コマンドを受信した際に、副制御回路81において把握されている状態を、無操作コマンドの各情報に合成して、ホールメニューに表示するようになっている。
主制御回路81では状態が把握されず、副制御回路71において状態が把握されるスイッチとしては、演出に用いられる可動体装置64A、64B(図7)の状態を検出するための「可動体センサ」、ホールメニューに含まれる選択スイッチSW1、決定スイッチSW2などがある。
なお、本実施の形態においては、図7に示したスイッチなどについて、その操作状態を無操作コマンドに含めて送信する場合について述べたが、スイッチの種類としてはこれに限られるものではなく、例えば、外装体2に十字キーが設けられたタイプのパチスロにあっては、当該十字キーの操作状態を無操作コマンドに含めて送信してもよく、また、外装体2にタッチセンサが設けられたタイプのパチスロにあっては、当該タッチセンサの操作状態を無操作コマンドに含めて送信するようにしてもよい。
図40において、「遊技状態」は、主制御回路71における遊技状態を表すデータである。メインCPU73は、遊技状態フラグ格納領域(図27)で遊技状態フラグをチェックし、その結果をスタートコマンドデータの生成時に「遊技状態」として反映させて副制御回路81へ送信する。
「BCC(Block Check Character)」は、水平パリティチェック方式により、1パケットのコマンドデータの誤り検出を行うためのデータである。具体的には、「コマンド種別」、「パラメータ1〜5」及び「遊技状態」からなる1パケットのデータブロックごとに付加される誤り検出用のデータである。
メインCPU73は、後述する割込処理(図55)において、以上説明したコマンドデータを、メインRAM75の通信データ格納領域から読み出して、副制御回路81へ送信する。例えば、後述する主制御回路71のメインCPU73の制御によるメインフロー(図43)においてスタートコマンドデータが生成された場合(ステップS7)や、表示コマンドが生成された場合(ステップS14)、または、後述する(メダル受付・スタートチェック処理(図44)においてメダル投入コマンドデータが生成された場合(ステップS37)、後述するリール停止制御処理(図49)においてリール停止コマンドデータが生成された場合(ステップS138)、後述するボーナス終了チェック処理(図53)においてボーナス終了時コマンドデータが生成された場合(ステップS214)、後述するボーナス作動時チェック処理(図54)においてボーナス開始コマンドデータが生成された場合(ステップS236)などにおいて、通信データ格納領域に各種コマンドデータが格納される。メインCPU73は、これら格納されたコマンドデータを、割込処理(図55)において副制御回路81へ送信する。
本実施の形態の場合、初期化コマンド、メダル投入コマンド、スタートコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、表示コマンド、ボーナス開始コマンド、ボーナス終了コマンド、入力状態コマンド等、何らかの操作や動作が実行された場合に生成されるコマンドデータが無い場合(すなわち、主制御回路71から副制御回路81へ送信すべきコマンドデータが無い場合)、無操作コマンドデータが生成されて通信データ格納領域に格納されるようになっている。これにより、通信データ格納領域には、必ず、いずれかのコマンドデータが格納されていることとなり、割込処理(図55)の通信データ送信処理(ステップS254)において、必ず何らかの正規のコマンドデータが副制御回路81へ送信されるようになっている。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
次に、図43〜図55を参照して、主制御回路71のメインCPU73により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図43を参照して、メインCPU73が実行する主たる処理を示したメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU73は、電源投入時の初期化処理を行い(ステップS1)、ステップS2に移る。なお、この処理では、メインCPU73は、バックアップが正常であるか否か、設定変更が適切に行われたか否かを判定し、判定結果に応じた初期化処理を行う。
ステップS2では、メインCPU73は、一遊技終了時の初期化処理を行う。例えば、メインCPU73は、内部当籤役格納領域や表示役予想格納領域等に格納されているデータをクリアする。続いて、メインCPU73は、後で図44を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。この処理では、メインCPU73は、投入枚数に基づいてセンターライン8を有効にするとともに開始操作が可能であるか否かを判別する。
次に、メインCPU73は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。このステップS4の処理で抽出された乱数値は、内部抽籤処理において使用される。続いて、メインCPU73は、後で図45を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。なお、この処理では、メインCPU73は、内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU73は、後で図46を参照して説明するリール停止初期設定処理を行う(ステップS6)。この処理では、メインCPU73は、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御に係る領域等の初期化を行う。
次に、メインCPU73は、スタートコマンドデータを生成し、通信データ格納領域に格納する(ステップS7)。具体的には、メインCPU73は、スタートコマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。スタートコマンドデータは、遊技状態、内部当籤役等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理(図55のステップS254)において副制御回路81に送信される。これにより、副制御回路81は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU73は、ウェイト処理を行う(ステップS8)。この処理では、メインCPU73は、前回の遊技開始から所定時間(例えば、4,1秒)経過するまで待機する。続いて、メインCPU73は、リール回転開始処理を行う(ステップS9)。この処理では、メインCPU73は、リール3L,3C,3Rの回転の開始を要求するとともに、リール回転開始コマンドをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。格納されたリール回転開始コマンドは、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路81に送信される。
次に、メインCPU73は、後で図47を参照して説明する引込優先順位格納処理を行う(ステップS10)。続いて、メインCPU73は、後で図49を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS11)。
次に、メインCPU73は、入賞検索処理を行う(ステップS12)。この処理では、メインCPU73は、リール3L,3C,3Rの停止後に有効ライン(センターライン8)に沿って表示された図柄組合せと図柄組合せテーブル(図11〜図13)とを照合し、表示役を決定するとともに、メダルの払出枚数の決定を行う。
次に、メインCPU73は、ステップS12の処理において決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払い出す(ステップS13)。続いて、メインCPU73は、表示コマンドデータを生成し、通信データ格納領域に格納する(ステップS14)。格納された表示コマンドデータは、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路81に送信される。
次に、メインCPU73は、後で図52を参照して説明するRT制御処理を行う(ステップS15)。この処理では、表示役に応じてRT遊技状態フラグの更新を行う。
続いて、メインCPU73は、後で図53を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS16)。この処理では、メインCPU73は、ボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する。続いて、メインCPU73は、後で図54を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行い(ステップS17)、次に、ステップS2の処理を行う。なお、この処理では、メインCPU73は、ボーナスゲームを開始する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を開始し、再遊技の条件を満たした場合に再遊技の作動を行う。
[メダル受付・スタートチェック処理]
図44を参照して、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かをメインCPU73が判別する処理の手順を示したメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、自動投入カウンタの値があるか否か、すなわち、「0」であるか否かを判別する(ステップS31)。このとき、自動投入カウンタの値がある場合、すなわち「0」以外である場合には、メインCPU73は、続いて、自動投入処理を行い(ステップS32)、ステップS39に移る。具体的には、メインCPU73は、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写する。なお、自動投入カウンタは、自動的に投入するメダルの枚数をメインCPU73が計数するために設けられたカウンタであり、投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数をメインCPU73が計数するために設けられたカウンタである。
他方、自動投入枚数カウンタの値がない、すなわち「0」である場合には、メインCPU73は、メダル受付を許可し(ステップS33)、続いて、ステップS34の処理を行う。
ステップS34では、メインCPU73は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する。本実施形態では、メインCPU73は、遊技状態がMB遊技状態である場合に投入枚数の最大値を「2」とセットし、それ以外の遊技状態である場合に投入枚数の最大値を「3」とセットする。
続いて、メインCPU73は、メダル受付が許可されているか否かを判別する(ステップS35)。この判別がYESのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS36の処理を行い、NOのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS39の処理を行う。
ステップS36では、メインCPU73は、メダル投入チェック処理を行う。この処理では、メインCPU73は、投入メダルセンサ9Sからの入力をチェックする。続いて、メインCPU73は、メダル投入コマンドデータを生成し、通信データ格納領域に格納する(ステップS37)。この処理では、メインCPU73は、メダル投入コマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。格納されたメダル投入コマンドデータは、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路81に送信される。
続いて、メインCPU73は、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判別する(ステップS38)。例えば、メインCPU73は、投入枚数カウンタの値が投入枚数の最大値であるか否かを判別する。このとき、投入枚数カウンタの値が投入枚数の最大値である場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS39の処理を行い、最大値でない場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS35の処理を行う。
ステップS39では、メインCPU73は、スタートスイッチ57がオンであるか否かを判別する。具体的には、メインCPU73は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ57からの入力があるか否かを判別する。このとき、スタートスイッチ57からの入力がある場合には、メインCPU73は、メダル受付を禁止し(ステップS40)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。他方、スタートスイッチ57からの入力がない場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS35の処理を行う。
[内部抽籤処理]
図45を参照して、乱数値及び遊技状態等に基づいてメインCPU73が内部当籤役を決定する処理の手順を示した内部抽籤処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(ステップS51)。続いて、メインCPU73は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(ステップS52)。
次に、メインCPU73は、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(ステップS53)。続いて、メインCPU73は、減算結果が「0」未満(負)であるか否かを判別する(ステップS54)。このとき、減算結果が負である場合には、メインCPU73は、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得し(ステップS58)、続いて、ステップS59の処理を行う。他方、減算結果が負でない場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS55の処理を行う。
ステップS55では、メインCPU73は、乱数を更新するとともに当籤番号を更新する。具体的には、メインCPU73は、乱数値をステップS53で減算した後の値に更新するとともに、当籤番号を「1」加算した値に更新する。続いて、メインCPU73は、全ての当籤番号をチェックしたか否かを判別する(ステップS56)。このとき、全ての当籤番号をチェックした場合には、メインCPU73は、小役・リプレイ用データポインタに「0」、ボーナス用データポインタに「0」をセットし、ステップS59に移る。他方、全ての当籤番号をチェックしていない場合には、メインCPU73は、ステップS53に移る。
ステップS59では、メインCPU73は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役(当たり要求フラグ)を取得する。続いて、メインCPU73は、取得した当たり内部当籤役(当たり要求フラグ)を対応する内部当籤役格納領域に格納する(ステップS60)。
続いて、メインCPU73は、持越役格納領域が「0」であるか否かを判別する(ステップS61)。この判別がYESのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS62の処理を行い、NOのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS64の処理を行う。
ステップS62では、メインCPU73は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役(当たり要求フラグ)を取得する。続いて、メインCPU73は、取得した内部当籤役(当たり要求フラグ)を持越役格納領域に格納し(ステップS63)、ステップS64の処理を行う。
ステップS64では、メインCPU73は、持越役格納領域に格納されている内部当籤役(当たり要求フラグ)に基づいて、内部当籤役格納領域を更新する。具体的には、メインCPU73は、内部当籤役格納領域1と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域1に格納する。
続いて、メインCPU73は、MB作動中であるか否かを判別する(ステップS65)。このとき、MB作動中である場合には、メインCPU73は、MB作動中処理を行い(ステップS66)、内部抽籤処理を終了する。他方、MB作動中でない場合には、メインCPU73は、内部抽籤処理を終了する。なお、MB作動中処理では、メインCPU73は、全小役に対応する内部当籤役(当たり要求フラグ)を内部当籤役格納領域に格納する。このような処理により、MB作動中では、内部当籤役として「全小役」、「全小役+リプレイA1」、「全小役+リプレイA2」、「全小役+リプレイA3」、「全小役+リプレイA4」のいずれかが決定される。なお、パチスロ1では、MB作動中に「全小役」、「全小役+リプレイA1」、「全小役+リプレイA2」、「全小役十リプレイA3」、「全小役+リプレイA4」のいずれかを決定するために、ステップS66のMB作動中処理を行うこととしているが、これに限られるものではなく、MB遊技状態中用内部抽籤テーブルの構成を変えることで、MB作動中に上記内部当籤役のいずれかを決定することとしてもよい。
[リール停止初期設定処理]
図46を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、MB作動中であるか否かを判別する(ステップS71)。この判別がYESのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS72の処理を行い、NOのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS74の処理を行う。
ステップS72では、メインCPU73は、回胴停止用番号として「61」をセットする。ここで、回胴停止用番号「61」とは、左のリール3Lの中段に図柄位置「2」「9」「16」の図柄が停止することのない停止制御を規定する情報である。続いて、メインCPU73は、内部抽籤処理で決定された内部当籤役に、小役・リプレイ用データポインタ「57」〜「60」のいずれかが含まれるか否かを判別する(ステップS73)。この判別がYESのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS74の処理を行い、NOのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS75の処理を行う。
ステップS74では、メインCPU73は、小役・リプレイ用データポインタの値を回胴停止用番号としてセットする。例えば、小役・リプレイ用データポインタに「57」が含まれる場合には、メインCPU73は、回胴停止用番号として「57」をセットし、小役・リプレイ用データポインタに「58」が含まれる場合には、メインCPU73は、回胴停止用番号として「58」をセットし、小役・リプレイ用データポインタに「59」が含まれる場合には、メインCPU73は、回胴停止用番号として「59」をセットし、小役・リプレイ用データポインタに「60」が含まれる場合には、メインCPU73は、回胴停止用番号として「60」をセットする。なお、回胴停止用番号「57」は、左のリール3Lの中段に図柄位置「2」の図柄を停止することが可能で図柄位置「9」「16」の図柄を停止不可能な停止制御を規定する情報であり、回胴停止用番号「58」は、左のリール3Lの中段に図柄位置「16」の図柄を停止することが可能で図柄位置「2」「9」の図柄を停止不可能な停止制御を規定する情報であり、回胴停止用番号「59」は、左のリール3Lの中段に図柄位置「9」の図柄を停止することが可能で図柄位置「2」「16」の図柄を停止不可能な停止制御を規定する情報であり、回胴停止用番号「60」は、左のリール3Lの中段に図柄位置「2」「9」「16」のいずれの図柄も停止することが可能な停止制御を規定する情報である。パチスロ1では、MB作動中では、小役・リプレイ用データポインタ「57〜60」のいずれかが内部当籤役として決定されていた場合には、左のリール3Lの中段に図柄位置「2」「9」「16」のいずれかを停止することが可能であり、小役・リプレイ用データポインタ「57〜60」のいずれかも内部当籤役として決定されていない場合には、左のリール3Lの中段に図柄位置「2」「9」「16」のいずれも停止することができない。
上述したように、MB遊技状態では、全小役が内部当籤役として決定されている(全小役が当籤している)ので、全小役のうちのいずれかに入賞させることが可能である。しかし、小役・リプレイ用データポインタの値が「57」である場合には、左のリール3Lの中段に図柄位置「9」又は「16」の図柄を停止させることができない。したがって、図柄位置「9」の図柄「チェリー」を含む小役や、図柄位置「16」の図柄「ブランク1」を含む小役を入賞させることができない。同様に、小役・リプレイ用データポインタの値が「58」である場合には、左のリール3Lの中段に図柄位置「2」又は「9」の図柄を停止させることができない。したがって、図柄位置「2」の「ブランク1」を含む小役や、図柄位置「9」の「チェリー」を含む小役を入賞させることができない。また、小役・リプレイ用データポインタの値が「59」である場合には、左のリール3Lの中段に図柄位置「2」又は「16」の図柄を停止させることができない。したがって、図柄位置「2」の「ブランク1」を含む小役や、図柄位置「16」の「ブランク1」を含む小役を入賞させることができない。
上述したように、小役・リプレイ用データポインタの値が「57」、「58」又は「59」のときには、左のリール3Lの中段に図柄位置「2」、「9」、「16」のいずれかを停止させることができない。しかしながら、MB遊技状態では、全小役が内部当籤役として常に決定されているので、図柄位置「2」、「9」、「16」以外の他の図柄位置に対応する小役のいずれかを入賞させることができ、遊技者に不利益を与えることはない。
また、上述した制御をすることによって、MB作動中においては、リプレイの当籤パターンに応じて左のリール3Lの停止制御を変更することができる。後述するように、リプレイの当籤パターンに応じて停止制御を変更することによって、演出の内容を制御することができる。
ステップS75では、メインCPU73は、リール停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する。例えば、メインCPU73は、第1停止時〜第3停止時に使用する停止テーブルの番号や制御変更処理において制御変更を行うために必要な情報(すなわち、リール3L,3C,3Rが特定の順序で停止される際に、特定の位置で停止された(又は停止操作を受け付けた)場合に再度停止テーブルを選択しなおすために用いられる情報)等を取得する。
次に、メインCPU73は、全図柄コード格納領域に回転中の識別子(例えば、全ビットに「1」)を格納する(ステップS76)。続いて、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(ステップS77)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン17L,17C,17Rの数を判別するためのものであり、メインRAM75の所定の領域に格納される。
[引込優先順位格納処理]
図47を参照して、引込優先順位格納処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数として格納する(ステップS91)。続いて、メインCPU73は、検索対象リール決定処理を行う(ステップS92)。この処理では、回転中のリール3L,3C,3Rのうちより左側のリールから順に検索対象リールと決定する。
次に、メインCPU73は、後で図48を参照して説明する引込優先順位テーブル選択処理を行う(ステップS93)。続いて、メインCPU73は、図柄チェック回数に「21」、検査図柄位置に「0」をセットする(ステップS94)。次に、メインCPU73は、後で図50を参照して説明する図柄コード格納処理を行う(ステップS95)。
次に、メインCPU73は、取得された図柄コードと図柄コード格納領域とに基づいて、表示役格納領域を更新する(ステップS96)。続いて、メインCPU73は、引込優先順位データ取得処理を行う(ステップS97)。この処理では、メインCPU73は、表示役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役であって、内部当籤役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役について、ステップS93で選択された引込優先順位テーブルを参照して、引込優先順位データを取得する。なお、この処理では、1のリールで入賞が確定する役(例えば、左のリール3Lで確定する中段チェリー)については、当該1のリール以外のリール(中段チェリーの場合の中のリール3C、右のリール3R)では引込優先順位データを取得しない。また、1のリールで入賞が確定する役が内部当籤役として決定されていない場合には、当該1のリールについて「停止禁止」となる引込優先順位データを取得する。
次に、メインCPU73は、取得した引込優先順位データを検索対象リールに応じた引込優先順位データ格納領域に格納する(ステップS98)。続いて、メインCPU73は、図柄チェック回数を1減算し、検索図柄位置を「1」加算する(ステップS99)。次に、メインCPU73は、図柄チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS100)。この判別がYESのときは、メインCPU73は、ステップS101の処理を行い、NOのときは、ステップS95の処理を行う。この処理では図柄位置「0」〜「20」の全ての検索が行われたかを判別している。ステップS101では、メインCPU73は、検索回数分検索したか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU73は、引込優先順位格納処理を終了し、NOのときは、ステップS92の処理を行う。この処理では全リールについて検索が行われたかを判別している。
[引込優先順位テーブル選択処理]
図48を参照して、遊技状態毎に異なる引込優先順位を選択するための引込優先順位テーブル選択処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、引込優先順位テーブル番号「00」をセットする(ステップS111)。続いて、メインCPU73は、MB作動中か否かを判別し(ステップS112)、MB作動中である場合には、引込優先順位テーブル番号を「01」に更新し(ステップS113)、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。他方、S112において、MB作動中でない場合には、引込優先順位テーブル番号「00」のまま、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
[リール停止制御処理]
図49を参照して、メインCPU73が内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を停止させる処理の手順を示したリール停止制御処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、有効なストップボタン17L,17C,17Rが押されたか否かを判別する(ステップS131)。このとき、有効なストップボタン17L,17C,17Rが押された場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS132の処理を行う。他方、有効なストップボタン17L,17C,17Rが押されていない場合には、メインCPU73は、再び、ステップS131の処理を行う。
ステップS132では、メインCPU73は、押下順序格納領域及び作動ストップボタン格納領域を更新する。続いて、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタの値を「1」減算する(ステップS133)。続いて、メインCPU73は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(ステップS134)。
続いて、ステップS135において、メインCPU73は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する。次に、メインCPU73は、滑り駒数決定処理を行う(ステップS136)。この処理では、メインCPU73は、停止テーブルを参照し、停止開始位置に対して定められた滑り駒数決定データを決定する。次に、メインCPU73は、後で図51を参照して説明する優先引込制御処理を行う(ステップS136)。
続いて、メインCPU73は、リール停止コマンドデータを生成し、通信データ格納領域に格納する(ステップS138)。具体的には、メインCPU73は、リール停止コマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。リール停止コマンドデータは、作動ストップボタン等についての情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路81に送信される。これにより、副制御回路81は、停止操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU73は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて、停止予定位置を決定し、格納する(ステップS139)。続いて、メインCPU73は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットし(ステップS140)、セットした検索図柄位置に基づく図柄コードを取得する図柄コード格納処理を行う(ステップS141)。
続いて、メインCPU73は、取得した図柄コードに基づいて図柄コード格納領域を更新する(ステップS142)。例えば、左のリール3Lについて、検索図柄位置として「ブランク1」図柄がセットされた場合には、図柄コード格納領域では、左のリール3Lの図柄が「ブランク1」図柄である役に対応するビットが「1」のまま維持される一方で、左のリール3Lの図柄が「ブランク1」図柄以外の図柄である役に対応するビットが「0」に更新される。
続いて、メインCPU73は、検索図柄位置に応じて必要がある場合には、制御変更処理を行う(ステップS143)。次に、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」あるか否かを判別する(ステップS144)。このとき、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」でない場合には第3停止時でないと判別し、メインCPU73は、図47の引込優先順位格納処理を行い(ステップS145)、次に、ステップS131の処理を行う。すなわち、パチスロ1では、次のリール3L,3C,3Rの回転を停止する処理が行われる前に、未だ回転しているリール3L,3C,3Rの各図柄位置について引込優先順位データを格納する処理が行われる。他方、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」である場合には、第3停止時の停止制御が終了したと判別し、リール停止制御処理を終了する。
[図柄コード格納処理]
図50を参照して、セットした検索図柄位置に基づく図柄コードを取得する図柄コード格納処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、有効ラインデータをセットする(ステップS151)。本実施形態では、センターライン8のみが有効ラインであるため、ライン1(中段−中段−中段)がセットされる。
次に、メインCPU73は、検索図柄位置と有効ラインデータとに基づいて、検索対象リールのチェック用図柄位置データをセットする(ステップS152)。この処理では、メインCPU73は、検索対象リールの検索図柄位置(中段の図柄)に基づいて、セットされた有効ラインデータと対応する図柄の図柄位置をチェック用図柄位置データとしてセットする。具体的には、有効ラインデータが中段を示す場合には、検索図柄位置がそのままチェック用図柄位置データとなり、有効ラインデータが上段を示す場合には、検索図柄位置+1がチェック用図柄位置データとなる。なお、本実施形態では、有効ラインがセンターライン8のみであるため、有効ラインデータは常に中段となり、検索図柄位置がそのままチェック用図柄位置データとなる。
続いて、メインCPU73は、チェック用図柄位置データの図柄コードを取得し(ステップS153)、図柄コード格納処理を終了する。
[優先引込制御処理]
図51を参照して、メインCPU73が滑り駒数を決定する処理の手順を示した優先引込制御処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、作動ストップボタンに応じた引込優先順位データ格納領域をセットする(ステップS171)。続いて、メインCPU73は、停止開始位置を取得する(ステップS172)。
次に、メインCPU73は、検索対象リールが右のリール3Rであるか否かを判別し(ステップS173)、右のリール3Rである場合には、さらに、MB作動中であるか否かを判別する(ステップS174)。このとき、MB作動中である場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS177の処理を行う。他方、検索対象リールが右のリール3Rでない場合、又は右のリール3RであってもMB作動中でない場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS175の処理を行う。
ステップS175では、メインCPU73は、滑り駒数決定データに応じた優先順序テーブルをセットするとともに、優先順序の初期値及びチェック回数に「5」をセットし(ステップS176)、ステップS179に移る。
また、ステップS177では、メインCPU73は、滑り駒数決定データに応じたMB遊技状態用優先順序テーブルをセットするとともに、優先順序の初期値に「5」をセットし、チェック回数に「2」をセットし(ステップS178)、ステップS179に移る。
ステップS179では、メインCPU73は、滑り駒数決定データを滑り駒数としてセットする。続いて、メインCPU73は、停止開始位置及び優先順序に基づいて、停止検索位置を抽出する(ステップS180)。次に、メインCPU73は、停止検索位置の引込優先順位データを取得する(ステップS181)。
続いて、メインCPU73は、先に取得された引込優先順位データ以上であるか否かを判別する(ステップS182)。このとき、先に取得した優先引込順位データ以上である場合には、メインCPU73は、滑り駒数を更新し(ステップS1183)、続いて、ステップS184の処理を行う。他方、先に取得した優先引込順位データ未満である場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS184の処理を行う。
ステップS184では、メインCPU73は、チェック回数を「1」減算し、優先順序を「1」減算する。続いて、メインCPU73は、チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS185)。このとき、チェック回数が「0」である場合には、メインCPU73は、更新された滑り駒数をセットし(ステップS186)、優先引込制御処理を終了する。他方、チェック回数が「0」でない場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS180の処理を行う。
このように、優先引込制御処理では、メインCPU73は、複数の種類の滑り駒数の中から、より優先順位の高い引込みを行うべき内部当籤役に係る図柄の組合せが表示される滑り駒数を決定する。
[RT制御処理]
図52を参照して、RT制御処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、MB作動中であるか否かを判別する(ステップS191)。このとき、MB作動中である場合には、メインCPU73は、RT制御処理を終了する一方で、MB作動中でない場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS192の処理を行う。
ステップS192では、メインCPU73は、RT2遊技状態中であるか否かを判別する。このとき、RT2遊技状態中である場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS199の処理を行い、RT2遊技状態中でない場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS193の処理を行う。
ステップS193では、メインCPU73は、内部当籤役にMBが含まれるか否かを判別する。このとき、内部当籤役にMBが含まれる場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS198の処理を行い、含まれない場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS194の処理を行う。
ステップS194では、メインCPU73は、RT作動図柄1〜26のいずれかが表示されたか否かを判別する。このとき、RT作動図柄1〜26のいずれも表示されていない場合には、メインCPU73は、リプレイC又はDが表示されたか否かを判別する(ステップS195)。そして、リプレイ又はDのいずれも表示されていない場合には、メインCPU73は、続いて、ステップS198の処理を行う。他方、RT作動図柄1〜26、リプレイC又はDのいずれかが表示されていた場合には、メインCPU73は、遊技状態をRT2遊技状態に更新し(ステップS196)、RT遊技回数カウンタに10000をセットし(ステップS197)、RT制御処理を終了する。ここで、RT遊技回数カウンタは、RT1遊技状態又はRT2遊技状態における遊技回数を計数するカウンタであり、メインRAM75の所定の領域に格納される。
ステップS198では、メインCPU73は、RT1遊技状態中であるか否かを判別する。このとき、RT1遊技状態中でない場合には、メインCPU73は、RT制御処理を終了する。他方、RT1遊技状態中である場合には、メインCPU73は、続いて、RT遊技回数カウンタを1減算する(ステップS199)。
続いて、メインCPU73は、RT遊技回数カウンタが「0」であるか否かを判別する。このとき、RT遊技回数カウンタが「0」でない場合には、メインCPU73は、RT制御処理を終了する。他方、RT遊技回数カウンタが「0」である場合には、メインCPU73は、遊技状態を一般遊技状態に更新、すなわち、対応するRT遊技状態フラグをオフに更新し(ステップS201)、RT制御処理を終了する。
このように、パチスロ1では、内部当籤役にMBが含まれる場合には、RT作動図柄1〜26、リプレイC又はDのいずれかが表示されたとしても、RT2遊技状態に移行することがない(ステップS193でYESの場合には、ステップS194〜ステップS197を通らない)。
[ボーナス終了チェック処理]
図53を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、MB作動中であるか否かを判別する(ステップS211)。このとき、MB作動中でない場合には、メインCPU73は、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、MB作動中である場合には、メインCPU73は、続いて、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいか否かを判別する(ステップS212)。この判別がYESのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS213の処理を行い、NOのときは、メインCPU73は、CB遊技状態フラグをオフに更新するCB終了処理を行い(ステップS218)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
ステップS213では、メインCPU73は、MB遊技状態フラグをオフに更新するMB終了処理を行う。続いて、メインCPU73は、ボーナス終了時コマンドデータを生成し、通信データ格納領域に格納する(ステップS214)。具体的には、メインCPU73は、ボーナス終了時コマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。ボーナス終了時コマンドデータは、終了したボーナスの種別等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路81に送信される。これにより、副制御回路81は、ボーナスの終了に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU73は、RT1遊技状態フラグをオンに更新することで、遊技状態をRT1遊技状態に更新するとともに(ステップS216)、RT遊技回数カウンタに「30」をセットし(ステップS217)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
[ボーナス作動チェック処理]
図54を参照して、決定された表示役の種別等に基づいてメインCPU73がボーナスゲームを作動する処理の手順を示したボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、MB作動中であるか否かを判別する(ステップS231)。この判別がYESのときは、メインCPU73は、続いて、CB遊技状態フラグをオンに更新するCB作動処理を行い(ステップS232)、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS233の処理を行う。
ステップS233では、メインCPU73は、MB作動であるか否か、すなわち、表示役がMBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS234の処理を行い、NOのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS237の処理を行う。
ステップS234では、メインCPU73は、オンにされているRT遊技状態フラグをオフに更新し、MB遊技状態フラグ及びCB遊技状態フラグをオンに更新するとともに、ボーナス終了枚数カウンタに「44」をセットするMB作動処理を行う。続いて、メインCPU73は、持越役格納領域の値をクリアする(ステップS235)。続いて、メインCPU73は、ボーナス開始コマンドデータを生成し、メインRAM75の通信データ格納領域に格納する処理を行い(ステップS236)、ボーナス作動チェック処理を終了する。格納されたボーナス開始コマンドデータは、開始したボーナスの種別等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路81に送信される。これにより、副制御回路81は、ボーナス種別に応じて演出を行うことができる。
他方、表示役がMBでない場合には、メインCPU73は、表示役がリプレイであるか否かを判別する(ステップS237)。この判別がYESのときは、メインCPU73は、続いて、自動投入要求を行い(ステップS238)、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、表示役がリプレイでない場合には、メインCPU73は、ボーナス作動チェック処理を終了する。なお、自動投入要求に基づいて、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値が複写される。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)]
図55を参照して、メインCPU73が所定の時間(例えば、1,1173ms)毎に実行する割込の処理の手順を示したメインCPU73の制御による割込処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、レジスタの退避を行う(ステップS251)。続いて、メインCPU73は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS252)。この処理では、メインCPU73は、マイクロコンピュータ72へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU73は、スタートスイッチ57、ストップスイッチ等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に通信データ格納領域に格納する。入力ポートチェック処理については、図56において後述する。
続いて、メインCPU73は、タイマ更新処理を行う(ステップS253)。次に、メインCPU73は、通信データ送信処理を行う(ステップS254)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドデータを副制御回路81へ送信する。続いて、メインCPU73は、リール制御処理を行う(ステップS255)。例えば、メインCPU73は、リール3L,3C,3Rの回転を制御する。より詳細には、メインCPU73は、リール3L,3C,3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L,3C,3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L,3C,3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU73は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS256)。例えば、メインCPU73は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU73は、レジスタの復帰を行い(ステップS257)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[入力ポートチェック処理]
図56を参照して、入力ポートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、各入力ポートの状態をチェックする(ステップS261)。具体的には、メインCPU73は、各スイッチなどからの信号の入力をチェックする。
続いて、メインCPU73は、1割込み前の入力ポートの状態をメインRAM75に格納すると共に(ステップS262)、現在の入力ポートの状態をメインRAM75に格納する(ステップS263)。そして、メインCPU73は、1割込み前の入力ポートの状態と、現在の入力ポートの状態とから、各スイッチなどのオンエッジの状態を検出し、このオンエッジの状態をメインRAM75に格納する(ステップS264)。これにより、スイッチなどが操作された場合には、その状態がメインRAM75に格納されることになる。
メインCPU73は、格納されたオンエッジの状態に基づいて、入力状態コマンドデータを生成し、メインRAM75の通信データ格納領域に格納する処理を行う(ステップS265)。これにより、通信データ送信処理(ステップS254)において、操作されたスイッチなどの状態が入力状態コマンドとして副制御回路81へ送信されることになる。入力状態コマンドが送信されると、通信データ格納領域における入力状態コマンドはクリアされる。
入力状態コマンドなどのコマンドデータは、例えば演出に関連したコマンドデータであり、副制御回路81では、入力状態コマンドを受け取った場合に、この入力状態コマンドに応じた演出などを行う。すなわち、入力状態コマンドは、スイッチなどの操作に対応した演出についての操作対応コマンドを意味する。
上述したように本実施の形態においては、この操作非対応コマンドである無操作コマンドとして、入力ポートの状態(スイッチなどの操作状態)を送信する。無操作コマンドを受信した副制御回路81は、当該無操作コマンドに操作状態のデータが含まれている場合には、当該データに基づいて、液晶表示装置10にホールメニュー(後述)を表示することにより、スイッチなどの動作確認を行うことができるようになっている。ホールメニューの表示処理については、アニメタスク処理(図65)において後述する。
このように、演出などに用いられない無操作コマンドに入力ポートの状態(操作状態)を含めて主制御回路71から副制御回路81へ送信することにより、副制御回路81では、演出とは別の表示を行うことにより、動作確認等の表示が可能となる。
[通信データ送信処理]
図57を参照して、通信データ送信処理について説明する。
初めに、メインCPU73は、通信データ送信タイマを1減算し(ステップS271)、続いて、通信データ送信タイマは0であるか否かを判別する(ステップS272)。この判別がYESのときは、メインCPU73は、続いて、ステップS73の処理を行い、NOのときは、通信データ送信処理を終了し、図55に示すリール制御処理(ステップS255)を行う。
ステップS273では、メインCPU73は、通信データ格納領域に未送信データがあるか否かを判別する。この判別がYESであるときは、メインCPU73は、続いて、ステップS275の処理を行い、NOのときは、ステップS274の処理を行う。
ステップS274では、メインCPU73は、無操作コマンドデータを生成し、通信データ格納領域に格納する。すなわち、通信データ格納領域に未送信データがない場合(ステップS273においてNO)、メインCPU73は、通信データ格納領域に無操作コマンドデータを格納する。これにより、通信データ格納領域に送信すべきコマンドデータが常に格納されている状態を生成するようになっている。具体的には、メインCPU73は、上述した入力ポートチェック処理(図56)において、メインRAM75に格納された操作状態を、無操作コマンドとして生成する。無操作コマンドとして生成された操作状態を表すデータは、後の通信データ送信処理において、無操作コマンドが送信される条件(入力状態コマンドが送信済となってクリアされた状態)が成立した場合に、主制御回路71から副制御回路81へ送信される。上述したように、入力状態コマンドは、演出に関連したコマンドデータであり、スイッチなどの操作に対応した演出についての操作対応コマンドを意味する。これに対して、入力状態コマンド等の操作対応コマンドが送信されない場合に送信されるコマンドが無操作コマンド(操作非対応コマンド)である。
ステップS275において、メインCPU73は、通信データ送信タイマに初期値(14)をセットする。すなわち、上述のステップS272において、通信データ送信タイマが0になっている状態であるので、メインCPU73は、ステップS275においてあらためて通信データ送信タイマに初期値(14)をセットする。これにより、次回の通信データ送信処理から、通信データ送信処理を行うごとに、順次、通信データ送信タイマが1ずつ減算処理されて行き、通信データを送信すべきタイミングを得ることができる。
メインCPU73は、ステップS275の処理の後、ステップS276において、通信データ格納領域に格納された通信データを送信する。この場合、通信データ格納領域には、図41について上述したいずれかのコマンドデータ又は、送信すべきデータが無い場合には、上述のステップS274において格納された無操作コマンドデータが格納されていることにより、何らかのコマンドデータが必ず送信されることになる。
ステップS276の処理の後、メインCPU73は、送信完了であるか否かを判別する(ステップS277)。この判別がNOのときは、メインCPU73は、ステップS276の処理を繰り返し、これに対して、YESのときは、通信データ格納領域を更新した後(ステップS278)、通信データ送信処理を終了し、図50に示すリール制御処理(ステップS255)の処理を行う。
このように、メインCPU73は、図57に示す通信データ送信処理を実行することにより、通信データ送信タイマでカウントされる所定タイミングごとに、通信データ格納領域に格納されているコマンドデータを副制御回路71に送信する。
本実施の形態においては、メインRAM75の通信データ格納領域に格納されるコマンドデータとして、初期化コマンド、メダル投入コマンド、スタートコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、表示コマンド、ボーナス開始コマンド、ボーナス終了コマンド、入力状態コマンド等、何らかの操作や動作が実行された場合に生成されるコマンドデータがある場合には、そのコマンドデータが格納され、これらのコマンドデータが無い場合(すなわち、主制御回路71から副制御回路81へ送信すべきコマンドデータが無い場合)、無操作コマンドデータが生成されて通信データ格納領域に格納されるようになっている。
これにより、割込処理(図55)の通信データ送信処理(ステップS254)においては、必ず何らかのコマンドデータが副制御回路81へ送信されることになる。副制御回路81では、主制御回路71から送信されたコマンドデータに基づいて、各種演出など副制御回路81において実行すべき処理を実行する。この処理には、例えば、ART抽籤処理(ステップS5833、図68)などがある。この処理において、副制御回路81のサブCPU82は、通常用ART抽籤テーブルを参照し、内部当籤役(当籤番号)に基づいてART抽籤を実行する(ステップS5833)。このART抽籤では、通常用ART抽籤テーブル(図33)に示されるように、当籤番号が27、28の場合に常にART当籤となる。当籤番号(内部当籤役)は、主基板通信タスク処理(図63)のステップS334において、サブCPU82が主制御回路71からコマンドデータ(スタートコマンドデータ)として受信し、サブRAM83に格納されるデータである。
すなわち、主制御回路71からスタートコマンドデータとして、内部当籤役を表す当籤番号27又は28が副制御回路81に送信されると、副制御回路81では、この当籤番号に基づいてART抽籤が行われることになり、その結果として、ART当籤となる。因みに、当籤番号とデータポインタとの関係は、内部抽籤テーブル(図14〜図16)に規定されており、データポインタと内部当籤役との関係は、内部当籤役決定テーブル(図18〜図19)に規定されている。これにより、当籤番号27に対応する内部当籤役は「27択小役1〜27」であり、当籤番号28に対応する内部当籤役は「特殊小役+中段チェリー」である。副制御回路81では、受信したコマンドデータに基づいて、これらの内部当籤役に当籤していると判断した場合には、ART抽籤において常にART当籤となる。
このように、主制御回路71から副制御回路81へ送信される当籤番号(内部当籤役)に基づいて、副制御回路81においてART抽籤が行われ、当籤番号(内部当籤役)が特定の当籤番号(例えば、27、28等)であった場合には、遊技者に有利なART当籤が得られるようになっているため、主制御回路71による内部抽籤処理(ステップS5、図43)においてこれらの内部当籤役に当籤していないにもかかわらず、不正アクセスにより、これらの内部当籤役に当籤したという情報(当籤番号)を、副制御回路81へ送信されるといった不正行為が考えられるが、本実施の形態の場合、送信すべきコマンドデータが無い場合には、無操作コマンドデータ(図41)が主制御回路71から副制御回路81へ送信されることにより、主制御回路71から副制御回路81に対して、所定のタイミングで必ず何らかの正規のコマンドデータが送信される。すなわち、副制御回路81においては、主制御回路71から所定のタイミングで必ず正規の何らかのコマンドデータが送信されることになる。このように、所定のタイミングで送信されるべき正規のコマンドデータが必ず送信されることにより、不正アクセスによって偽のコマンドデータを副制御回路81へ送信する余地がなくなる。すなわち、従来のように、送信すべきコマンドデータが無いという状態に代えて、不正に特定のコマンドデータを送信するという余地がなくなる。これにより、主制御回路71における内部抽籤結果に応じた処理とは異なる処理を、不正アクセスによって、副制御回路81に行わせるといった不正行為を防止することができる。
また、例えば、MB遊技状態中に小役・リプレイ用データポインタ「57〜60」のいずれか(当籤番号1〜4のいずれか)が含まれる場合に(ステップS6013、YES(図70))、SPフラグがオンであれば(ステップS6017、YES(図70))、サブCPU82によってART初当たり用MB中SP演出データがセットされる(ステップS6019(図70))。ART初当たりMB中SP演出データは、当籤番号1〜4のいずれかが当籤しているか(すなわち、停止可能となっている特定の図柄位置)を報知するための演出データである。SPフラグは、入賞作動フラグがMBであるときに、図柄組合せがBAR−BAR−BARであればセットされるフラグである(ステップS6415(図74))。すなわち、主制御回路71から副制御回路81へ送信されるコマンドデータ(表示コマンド)に図柄組合せがBAR−BAR−BARに対応したMBの入賞作動フラグ(図11、図41)の種別を表すデータが含まれている場合には、SPフラグがセットされることになる。これらから、各リール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブル(図11)により規定されている図柄の組合せ(BAR−BAR−BAR)と一致していないにも関わらず、これに対応した入賞作動フラグの種別を、不正なアクセスにより、偽のコマンドデータとして副制御回路81へ送信した場合には、不正にSPフラグをセットさせ、ART初当たり用MB中SP演出データを不正にセットすることができ、遊技者に有利な報知を行わせることが可能となるが、本実施形態の場合、主制御回路71から副制御回路81に対して、割込処理のたびに必ず何らかのコマンドデータが送信されることとなり、不正なアクセスにより入賞作動フラグの種別や当籤番号をコマンドデータとして送信する余地をなくすことができる。これにより、不正行為を防止することができる。
このように、本実施形態においては、主制御回路71から副制御回路81に対して、正規のコマンドデータ以外の偽のコマンドデータを不正アクセスにより送信する余地を無くしていることにより、副制御回路81に対して主制御回路71の制御とは異なる内容の制御を行わせるといった不正行為を未然に防止することができる。
[副制御回路のサブCPUによって実行されるプログラムフロー]
次に、図58〜図76を参照して、副制御回路81のサブCPU82により実行されるプログラムの内容について説明する。
[電源投入時の処理]
図58は、電源投入時の処理の副制御回路81の動作を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、初期化処理を実行する(ステップS4911)。この処理では、サブCPU82は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(Vertical Synchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含む。
次に、サブCPU82は、図59に示すランプ制御タスクを起動する(ステップS4913)。ランプ制御タスクは、サブCPU82が、サブCPU82に対して2ミリ秒毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU82は、図60に示すサウンド制御タスクを起動する(ステップS4915)。サウンド制御タスクは、サブCPU82が、スピーカ48L,48R,49L,49Rからの出音状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU82は、図61に示すマザータスクを起動し(ステップS4917)、処理を打ち切る。マザータスクは、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置10で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置10から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
[ランプ制御タスク]
図59は、ランプ制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、タイマ割込初期化処理を実行する(ステップS5011)。
次に、サブCPU82は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(ステップS5013)。
次に、サブCPU82は、2ミリ秒イベント待ちを実行する(ステップS5015)。この処理では、サブCPU82が2ミリ秒毎にタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU82は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)が挙げられる。
次に、サブCPU82は、図60に示すサウンド制御タスクを実行する(ステップS5017)。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。実施例では、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、ステップS5017では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。なお、ステップS5017では、図60に示すサウンド制御タスクのうち、ステップS5115及びS5117の処理が行われる。
次に、サブCPU82は、ランプデータ解析処理を実行する(ステップS5019)。
次に、サブCPU82は、ランプ点灯制御処理を実行し(ステップS5021)、ステップS5015に処理を戻す。
[サウンド制御タスク]
図60は、サウンド制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、スピーカ48L,48R,49L,49Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(ステップS5111)。
次に、サブCPU82は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわち、ランプ制御タスクを実行する(ステップS5113)。
次に、サブCPU82は、サウンドデータの解析処理を実行する(ステップS5115)。
次に、サブCPU82は、音出力制御処理を実行し(ステップS5117)、ステップS5113に処理を戻す。
[マザータスク]
図61は、マザータスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、メインタスクの起動を実行する(ステップS5211)。
次に、サブCPU82は、主基板通信タスクの起動を実行する(ステップS5213)。
次に、サブCPU82は、アニメタスクを起動し(ステップS5215)、処理を打ち切る。
[メインタスク]
図62は、メインタスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、VSYNC割込初期化処理を実行する(ステップS5311)。
次に、サブCPU82は、VSYNC割込待ちを実行する(ステップS5313)。
次に、サブCPU82は、描画処理を実行し(ステップS5315)、ステップS5313に処理を戻す。
[主基板通信タスク]
図63を参照して、主基板通信タスクについて説明する。
初めに、サブCPU82は、通信メッセンジャーキューの初期化を行い(ステップS331)、ステップS332に移る。ステップS332では、サブCPU82は、受信コマンドのチェックを行い、ステップS333に移る。ステップS333では、サブCPU82は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU82は、続いて、ステップS334に移り、NOのときは、サブCPU82は、続いて、ステップS332に移る。
ステップS334では、サブCPU82は、受信したコマンドのパラメータから内部当籤役、遊技状態、設定値、RT遊技回数カウンタの値等の遊技情報を作成、格納し、ステップS335に移る。ステップS335では、サブCPU82は、後に図64を参照して説明するコマンド解析処理を行い、ステップS332に移る。
[コマンド解析処理]
図64を参照して、コマンド解析処理について説明する。
初めに、サブCPU82は、後で図66を参照して説明する演出内容決定処理を行い(ステップS351)、ステップS352に移る。ステップS352では、サブCPU82は、ランプデータ決定処理を行い、ステップS353に移る。ステップS353では、サブCPU82は、サウンドデータ決定処理を行い、ステップS354に移る。ステップS354では、サブCPU82は、決定された各データを登録し、コマンド解析処理を終了する。
[アニメタスク処理]
図65は、アニメタスク処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
初めに、サブCPU82は、前回の遊技情報との変化をチェックする(ステップS361)。具体的には、サブCPU82は、割込み処理(図55)によって更新された現在の遊技情報が、前回までの割込み処理においてサブRAM83に登録されている遊技情報とは異なる遊技情報となっているか否かをチェックする。
続いて、サブCPU82は、オブジェクト制御処理を実行する(ステップS362)。具体的には、上述のステップS361において、遊技状態が変化しているチェック結果が得られた場合に、サブCPU82は、当該遊技状態の変化に応じた画像の制御を行う。
続いて、サブCPU82は、アニメタスク管理処理を実行する(ステップS363)。具体的には、パチスロ1のキャビネット2a内に設けられている設定変更スイッチがオン状態のときに電源が投入されると、その旨を表す初期化コマンドが、通信データ送信処理(図57)において主制御回路71から副制御回路81へ送信されることにより、サブCPU82は、アニメタスク管理処理(ステップS363)において、当該初期化コマンドに応じたホールメニュータスクの実行要求を行う。これにより、初期化コマンドを受信すると、液晶表示装置10には、図81に示すようなホールメニューが表示される。
図81に示すように、ホールメニューには、「動作確認」、「時刻設定」、「ドア開閉履歴表示」などの選択用のメニューが表示される。サブCPU82は、選択ボタン9aや決定ボタン9bの操作結果に応じたガイドメニューの実行要求を行う。これにより、選択されたガイドメニューが液晶表示装置10に表示される。例えば、非遊技状態において、図81に示す「動作確認」が選択されると、図82に示すような、動作確認用のガイドメニューが液晶表示装置10に表示される。
なお、本実施の形態の場合、パチスロ1の電源投入時の初期化処理において、設定変更スイッチが操作された場合に、上述したように初期化コマンドが主制御回路71から副制御回路81へ送信された場合に、ホールメニューが液晶表示装置10に表示されるようになっているが、これに限られるものではなく、例えば、設定用鍵型スイッチ32が操作されたときに初期化コマンドを主制御回路71から副制御回路81へ送信して、ホールメニューを表示させるようにしてもよい。このように初期化コマンドは、設定変更や設定変更を伴わない設定確認といった作業が行われる状況を副制御回路81へ伝えるコマンドとして用いられ、副制御回路81では、初期化コマンドに応じてホールメニューを表示させることにより、ホールメニューの表示が必要な状況において、適格にこれを表示させることが可能となっている。
[演出内容決定処理]
図66は、演出内容決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
初めに、サブCPU82は、初期化コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5611)。初期化コマンド受信時である場合には、サブCPU82は、初期化コマンド受信時処理を行い(ステップS5613)、演出内容決定処理を終了する。なお、初期化コマンドには、例えば、設置値変更の有無や設定値の情報が含まれ、初期化コマンド受信時処理では、サブCPU82は、これらの情報を取得する。
他方、初期化コマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、続いて、メダル投入コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5615)。メダル投入コマンド受信時である場合には、サブCPU82は、メダル投入コマンド受信時処理を行い(ステップS5617)、演出内容決定処理を終了する。なお、メダル投入コマンドには、例えば、メダル投入の有無、投入枚数カウンタやクレジットカウンタの値の情報が含まれ、メダル投入コマンド受信時処理では、サブCPU82は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、メダル投入コマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、続いて、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5619)。スタートコマンド受信時である場合には、サブCPU82は、後で図60を参照して説明するスタートコマンド受信時処理を行い(ステップS5621)、演出内容決定処理を終了する。なお、スタートコマンドには、例えば、遊技状態フラグの種別、ボーナス終了枚数カウンタの値、内部当籤役の種別の情報が含まれる。
他方、スタートコマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、続いて、リール回転開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5623)。リール回転開始コマンド受信時である場合には、サブCPU82は、リール回転開始コマンド受信時処理を行い(ステップS5625)、演出内容決定処理を終了する。なお、リール回転開始コマンドには、例えば、リールの回転が開始された旨の情報が含まれ、リール回転開始コマンド受信時処理では、サブCPU82は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、リール回転開始コマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、続いて、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5627)。リール停止コマンド受信時である場合には、サブCPU82は、後で図73を参照して説明するリール停止コマンド受信時処理を行い(ステップS5629)、演出内容決定処理を終了する。なお、リール停止コマンドには、例えば、停止したリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)の情報が含まれ、リール停止コマンド受信時処理では、サブCPU82は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、リール停止コマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、続いて、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5631)。表示コマンド受信時である場合には、サブCPU82は、後で図74を参照して説明する表示コマンド受信時処理を行い(ステップS5633)、演出内容決定処理を終了する。なお、表示コマンドには、例えば、表示役の種別を示す情報が含まれ、表示コマンド受信時処理では、サブCPU82は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、表示コマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、続いて、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5635)。ボーナス開始コマンド受信時である場合には、サブCPU82は、後で図75を参照して説明するボーナス開始コマンド受信時処理を行い(ステップS5637)、演出内容決定処理を終了する。なお、ボーナス開始コマンドには、ボーナスが開始された旨の情報が含まれ、ボーナス開始コマンド受信時処理では、サブCPU82は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、ボーナス開始コマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、続いて、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5639)。ボーナス終了コマンド受信時である場合には、サブCPU82は、後で図76を参照して説明するボーナス終了コマンド受信時処理を行い(ステップS5641)、演出内容決定処理を終了する。なお、ボーナス終了コマンドには、ボーナスが終了した旨の情報が含まれ、ボーナス終了コマンド受信時処理では、サブCPU82は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、ボーナス終了コマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、続いて、入力状態コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5643)。入力状態コマンド受信時である場合には、サブCPU82は、入力状態コマンド受信時処理を行い(ステップS5645)、演出内容決定処理を終了する。なお、入力状態コマンドには、例えば、ストップボタン17L,17C,17R等の各操作部がオンエッジ状態であるか、オフエッジ状態であるかの情報が含まれ、入力状態コマンド受信時処理では、サブCPU82は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、入力状態コマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、続いて、無操作コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS5646)。無操作コマンド受信時である場合には、サブCPU82は、無操作コマンド受信時処理を行い(ステップS5647)、演出内容決定処理を終了する。他方、無操作コマンド受信時でない場合には、サブCPU82は、演出内容決定処理を終了する。なお、無操作コマンドには、図42において上述した、「1ベットスイッチ」、「MAXベットスイッチ」、「スタートスイッチ」などの操作状態を示す情報が含まれており、これらの情報に基づいて、液晶表示装置10に表示されたホールメニューに操作状態が可視表示される。管理者は、この表示を確認することにより、各スイッチなどの動作確認を行うことができる。すなわち、管理者は、フロントドア2bを開けることなく、各スイッチの動作確認を行うことができる。
[スタートコマンド受信時処理]
図67は、スタートコマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図66のステップS5621の処理で呼び出されて実行される。すなわち、単位遊技が始まる度に、本サブルーチンは呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、MB作動中であるか否かを判断する(ステップS5711)。すなわち、MB遊技状態であるか否かを判断する。サブCPU82は、MB作動中であると判別したときには(YES)、後述する図70に示すMB作動中処理のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS5713)、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施の形態では、MB作動中における副制御回路81の状態として、(1)ART初当たり告知後の状態、(2)ART中の特殊告知後の状態、(3)ART終了時の告知後の状態、(4)RT1でRT2転落役を入賞させる前にMBに当籤した後の状態、(5)チャンスゾーン中又はART中にあやまってMBを揃えてしまった場合の状態、及び(6)非ART中にあやまってMBを揃えてしまった場合の状態がある。
サブCPU82は、ステップS5711の判断処理でMB作動中でないと判別したときには(NO)、チャンスゾーンカウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS5715)。
チャンスゾーンカウンタの値が1以上である場合には、RT1遊技状態の状態がチャンスゾーンであることを示し、チャンスゾーンカウンタの値が1未満である場合には、RT1遊技状態の状態がチャンスゾーンでないことを示す。上述したように、パチスロ1では、RT1遊技状態において30ゲーム消化できた場合には、一般遊技状態(高リプ遊技状態)へ移行させることができる。チャンスゾーンカウンタの値を1以上にすることで、RT1遊技状態の30ゲームをチャンスゾーンにすることができる(後述するステップS6639の処理参照)。
サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値が1以上であると判別したとき(YES)、すなわち、RT1遊技状態の状態がチャンスゾーンである場合には、後述する図69に示すチャンスゾーン処理のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS5717)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値が1以上でないと判別したとき(NO)、すなわち、RT1遊技状態の状態がチャンスゾーンでない場合には、ARTゲーム数カウンタの値が1以上であるか否か、すなわち、ART(アシストリプレイタイム)中(ARTの一般遊技状態)であるか否かを判断する(ステップS5719)。
このように、ARTゲーム数カウンタの値が1以上である場合には、ART中であることを示し、ARTゲーム数カウンタの値が1未満である場合には、ART中ではない(非ART)ことを示す。
サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値が1以上でないと判別したとき(NO)、すなわち、ART中でないときには、後述する図68に示す非ART中処理のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS5743)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、ステップS5719の判断処理で、ARTゲーム数カウンタの値が1以上であると判別したとき(YES)、すなわち、ART中であるときには、特殊告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS5721)。特殊告知フラグは、ART中に特殊抽籤に当籤したことを示すフラグである。特殊告知フラグは、後述するステップS5731でセットされ、図76のステップS6619でクリアされる。
サブCPU82は、特殊告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、特殊告知用MB表示指示用演出データをセットし(ステップS5723)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。これにより、MBに入賞させる指示の演出が行われる。
サブCPU82は、ステップS5721の判断処理で、特殊告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、内部当籤役にMBが含まれるか否かを判断する(ステップS5725)。
サブCPU82は、内部当籤役にMBが含まれると判別したときには(YES)、すなわち、ART中にMB当籤したと判別したときには、ART中用特殊告知抽籤テーブルを参照し、内部当籤役(当籤番号)に基づいて特殊告知抽籤を実行する(ステップS5727)。
次に、サブCPU82は、特殊告知抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS5729)。サブCPU82は、特殊告知抽籤に当籤したと判別したときには(YES)、特殊告知フラグをセットし(ステップS5731)、特殊告知移行用演出データをセットし(ステップS5733)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。特殊告知フラグは、後述する図64に示す特殊告知後MB作動中処理を実行するためのフラグである。
サブCPU82は、ステップS5725の判断処理で、内部当籤役にMBが含まれていないと判別したとき(NO)、又はステップS5729の判断処理で、特殊告知抽籤に当籤していないと判別したときには(NO)、内部当籤役(当籤番号)に基づいて、ART継続用演出データを決定する(ステップS5735)。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
ART継続用演出データは、RT作動図柄1〜26が表示されないように報知(すなわち、各小役の正解位置が報知)するための演出データである。
次に、サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS5737)。
次に、サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値が1以上である否かを判断する、すなわち、ART中であるか否かを判断する(ステップS5739)。サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値が1以上であると判別したとき(YES)、すなわち、ART中であると判別したときには、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値が1以上でないと判別したときには(NO)、すなわち、ART中でないであると判別したときには、ART終了用告知フラグをセットし(ステップS5741)、本サブルーチンを終了する。ART終了用告知フラグは、ARTが終了したことを示すフラグであり、後述する図76のステップS6631に示すように、ボーナスが終了したときにクリアされる。
[非ART中処理]
図68は、非ART中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図67のステップS5743の処理で呼び出されて実行される。したがって、非ART中であるときには、単位遊技が始まる度に、本サブルーチンは呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、ART終了用告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS5811)。サブCPU82は、ART終了用告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、内部当籤役にMBが含まれるか否かを判断する(ステップS5813)。
サブCPU82は、内部当籤役にMBが含まれると判別したときには(YES)、ART終了用MB表示指示用演出データをセットし(ステップS5815)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。これにより、MBに入賞させる指示の演出が行われる。
このように、MBに当籤している状態で一般遊技状態の途中でARTが終了した場合には、MBに入賞させる指示の演出が行われる。一般遊技状態の途中でMBに当籤した場合には、RT2遊技状態に転落しない。このため、一般遊技状態では、RT2遊技状態と比較すると、RT2遊技状態においてリプレイに当籤する確率と、一般遊技状態においてリプレイに当籤する確率との差だけメダルを減らすことはない。しかしながら、ARTが終了した一般遊技状態(非ARTの一般遊技状態)では、内部当籤役に関する情報が報知されないので、メダルを増やせる可能性は低い。さらに、一般遊技状態からRT2遊技状態には転落しないので、遊技者は、長時間にわたって遊技ができる状態となる。このため、ARTが終了した一般遊技状態は、遊技者にとってはメダルを獲得できる可能性が低い遊技状態であるとともに、ホールなどの店舗にとっては、長時間にわたって遊技をしているにもかかわらずメダルの消費は少ない遊技状態である。この遊技者と店舗との不都合を解消するために、ARTが終了した一般遊技状態においては、MBを揃えるための報知をして、ARTを復帰させるチャンスを遊技者に与える。また、ARTを復帰させるチャンスを遊技者に与えない場合には、MB遊技状態とRT1遊技状態とを経由して、RT2遊技状態に早めに転落させる。このようにして、ARTが終了した一般遊技状態によって、出球の調整を図ることができる。
一方、サブCPU82は、内部当籤役にMBが含まないと判別したときには(NO)、ART終了用MB表示待機用演出データをセットし(ステップS5817)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。これにより、内部当籤役としてMBが決定されるまでの待機期間用の演出が行われる。たとえば、内部当籤役としてMBが決定されるまで待機すべき指示の演出が行われる。
サブCPU82は、ステップS5811の判断処理で、ART終了用告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、ART初当たり用告知フラグはオンであるか否かを判断する(ステップS5819)。ART初当たり用告知フラグは、非ART中にART抽籤に当籤したことを示すフラグである。後述するステップS5837の処理でセットされ、図76のステップS6615の処理でクリアされる。
サブCPU82は、ART初当たり用告知フラグはオンであると判別したときには(YES)、内部当籤役にMBが含まれるか否かを判断する(ステップS5821)。
サブCPU82は、内部当籤役にMBが含まれると判別したときには(YES)、ART初当たり用MB表示指示用演出データをセットし(ステップS5823)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。これにより、MBに入賞させる指示の演出が行われる。
このように、ART初当たり用MB表示指示用演出データをセットすることによって、MBに入賞させる指示の演出が行われる。すなわち、ART抽籤に当籤した時点で既にMBに内部当籤している場合には、MBに入賞させる指示の演出が行われる。
この時点では、ART初当たり用告知フラグはオンではあるが、未だARTにはなっておらず、非ARTの状態である。非ARTの状態でMBに当籤しMBに入賞させることができた場合には、MB遊技状態とRT1遊技状態とを経由して、ART(ARTの一般遊技状態)に早く移行させることができる。
一方、サブCPU82は、内部当籤役にMBが含まれないと判別したときには(NO)、ART初当たり用MB表示待機用演出データをセットし(ステップS5825)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
これにより、内部当籤役としてMBが決定されるまでの待機期間用の演出が行われる。たとえば、内部当籤役としてMBが決定されるまで待機すべき指示の演出が行われる。
サブCPU82は、ART初当たり用告知フラグはオンでないと判別したときには(NO)、RT1遊技状態であり、かつ内部当籤役にMBが含まれるか否かを判断する(ステップS5827)。サブCPU82は、RT1遊技状態であり、かつ内部当籤役にMBが含まれると判別したときには(YES)、チャンス用告知フラグをセットする(ステップS5829)。
このように、チャンス用告知フラグは、チャンスゾーンでないRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行(転落)する前にRT1遊技状態においてMBに当籤したことを示すフラグである。すなわち、内部当籤役に関する情報が遊技者に報知されない30ゲームの間に、MBに当籤した場合には、ボーナスゲームにおいて遊技者に有利になる可能性を付与する(図76のステップS6629〜S6339参照)。図76のステップS6631に示すように、チャンス用告知フラグは、ボーナスが終了したときにクリアされる。
上述したステップS193〜S196の処理により、RT1遊技状態においてMBに当籤している場合には、RT2遊技状態には転落させない。この制御に対応させて、MBに入賞させやすい演出を実行する。さらに、MBに入賞してMB遊技状態に移行したときには、ART終了と同様のART抽籤を実行するという優遇措置を採っている(図76のステップS6629〜S6339参照)。
次に、サブCPU82は、チャンス用MB表示指示用演出データをセットし(ステップS5831)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。チャンス用MB表示指示用演出データをセットすることによって、MBに入賞させる指示の演出が行われる。
サブCPU82は、ステップS5827の判断処理で、遊技状態がRT1遊技状態でありかつ内部当籤役にMBが含まれる場合でないと判別したときには(NO)、通常用ART抽籤テーブルを参照し、内部当籤役(当籤番号)に基づいてART抽籤を実行する(ステップS5833)。なお、ステップS5827の判断処理で、遊技状態がRT1遊技状態でありかつ内部当籤役にMBが含まれる場合でないと判別する場合の遊技状態は、主に、RT2遊技状態である。その他に、内部当籤役にMBが含まれないRT1遊技状態である場合や、一般遊技状態である場合もある。
次に、サブCPU82は、ART抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS5835)。サブCPU82は、ART抽籤に当籤したと判別したときには(YES)、ART初当たり用告知フラグをセットする(ステップS5837)。
次に、サブCPU82は、ART初当たり移行用演出データをセット(ステップS5839)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
サブCPU82は、ステップS5835の判断処理で、ART抽籤に当籤していないと判別したときには(NO)、RT遊技状態及び内部当籤役(当籤番号)に基づいて、抽籤を行い、非ART中演出データを決定し(ステップS5841)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
[チャンスゾーン中処理]
図69は、チャンスゾーン中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図67のステップS5717の処理で呼び出されて実行される。したがって、チャンスゾーンであるとき、すなわち、ART中のRT1遊技状態であるときには、単位遊技が始まる度に、本サブルーチンは呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、内部当籤役(当籤番号)に基づいて、チャンスゾーン継続用演出データを決定する(ステップS5911)。チャンスゾーン継続用演出データは、リプレイC・D、RT作動図柄1〜26が表示されないように報知(すなわち、各リプレイ、各小役の正解位置が報知)するための演出データである。
次に、サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値を1減算する(ステップS5913)。
次に、サブCPU82は、ペナルティフラグがオンであるか否かを判断する(ステップS5915)。サブCPU82は、ペナルティフラグがオンであると判別したときには(YES)、ARTゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS5917)。
ペナルティフラグは、チャンスゾーン(ARTのRT1遊技状態)であるときに、又はARTの一般遊技状態であるときに指示がないのにMBを揃えてしまったことを示すフラグである(図75のステップS6515又はS6523)。ステップS5917の処理は、ペナルティフラグがオンである場合には、チャンスゾーンの時点でARTゲーム数カウンタの値を減算する。本来は、図67のステップS5737に示すように、ARTの一般遊技状態が開始されてからARTゲーム数カウンタの値を減算する。しかしながら、チャンスゾーン(ARTのRT1遊技状態)であるときに又はARTの一般遊技状態であるときにMBを揃えてしまった場合には、ペナルティとして、ARTの一般遊技状態に移行する前の段階であるチャンスゾーンの時点でARTゲーム数カウンタの値の減算を開始するようにした。
次に、サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値は1以上であるか否かを判断する(ステップS5919)。サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値は1以上でないと判別したときには(NO)、ART終了用告知フラグをセットする(ステップS5921)。すなわち、ペナルティフラグがオンであって、ARTゲーム数カウンタの値を減算した結果、ARTゲーム数カウンタの値が1未満になったときにも、ART終了用告知フラグをセットする。
ステップS5917の処理によってARTゲーム数カウンタの値を1減算した結果、ARTゲーム数カウンタの値が1未満になった場合には、非ARTとなるので、RT1遊技状態を終了した後、非ARTの一般遊技状態に移行する。したがって、非ARTの一般遊技状態からRT2遊技状態に転落しやすくなる。
次に、サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値を0に更新する(ステップS5923)。すなわち、ステップS5917の処理によってARTゲーム数カウンタの値を1減算した結果、ARTゲーム数カウンタの値が1未満になった場合には、チャンスゾーンカウンタの値を0にして、チャンスゾーンを終了する。なお、チャンスゾーンカウンタの値が0になったときには、ARTに移行する。上述したように、チャンスゾーンでは内部当籤役に関する情報を報知する演出が行われており、チャンスゾーンを終了してARTに移行できた場合には、内部当籤役に関する情報を報知する演出が引き続いて実行されることになる。
次に、サブCPU82は、ペナルティフラグをクリアする(ステップS5925)。すなわち、ペナルティフラグがオンになった場合でも、チャンスゾーンが終了したときには、ペナルティフラグをクリアする。
このようにすることで、今回の単位遊技でチャンスゾーンを終了し、次回の単位遊技から通常のRT1遊技状態となる。したがって、内部当籤役に関する情報は遊技者に報知されないので、RT1遊技状態からRT2遊技状態に転落する可能性が高くなる。かりに、RT1遊技状態から一般遊技状態に移行できた場合でも、非ARTの一般遊技状態であるので、同様に、内部当籤役に関する情報は遊技者に報知されない。したがって、一般遊技状態からRT2遊技状態に転落する可能性が高くなる。
次に、サブCPU82は、ステップS5915の判断処理で、ペナルティフラグがオンでないと判別したとき(NO)、ステップS5919の判断処理で、ARTゲーム数カウンタの値は1以上であると判別したとき(YES)、又はステップS5925の処理を実行したときには、チャンスゾーンカウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS5927)。
次に、サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値が1以上であると判別したとき(YES)、すなわち、まだチャンスゾーン中であると判別したときには、直ちに、本サブルーチンを終了する。
一方、サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値が1以上でないと判別したとき、すなわち、チャンスゾーンが終了したと判別したときには、には(NO)、ペナルティフラグがオンであるか否かを判断する(ステップS5929)。
サブCPU82は、ペナルティフラグがオンであると判別したときには(YES)、ペナルティフラグをクリアし(ステップS5931)、本サブルーチンを終了する。すなわち、ペナルティフラグがオンになった場合でも、チャンスゾーンが終了したときには、ペナルティフラグをクリアする。
一方、サブCPU82は、ペナルティフラグがオンでないと判別したときには(NO)、ARTゲーム数カウンタの値に100を加算し(ステップS5933)、本サブルーチンを終了する。
このように、ペナルティフラグがオンとならずにチャンスゾーン(ARTのRT1遊技状態)が終了した場合には、ステップS5933の処理でARTゲーム数カウンタの値に100を加算する。ARTゲーム数カウンタの値を1以上に設定することによって、チャンスゾーン(ARTのRT1遊技状態)が終了した後に、ART(ARTの一般遊技状態)に移行させることができる。すなわち、今回の単位遊技でチャンスゾーンを終了し、次回の単位遊技からART(ART中の一般遊技状態)に移行する。
例えば、ARTゲーム数カウンタの値が0であった場合には、ARTゲーム数カウンタの値は100となって、ART(ARTの一般遊技状態)に移行する。すなわち、一般遊技状態に移行してから100ゲーム分(100回の単位遊技)、内部当籤役に関する情報が遊技者に報知される。このように、ARTゲーム数カウンタの値を1以上に設定することによって、ART中であること、すなわち、遊技状態が、ARTの一般遊技状態であることを判断することができる。
また、ステップS5933の処理を実行する時点で、既に、ARTゲーム数カウンタの値が1以上であった場合には、その値に100が加算されて、その値のゲーム数分、内部当籤役に関する情報が遊技者に報知される。具体的には、後述する図66のステップS6323の処理によって、MB作動中(MB遊技状態)のときに、左のリール3Lの中段への停止予定位置「2」、「9」、「16」のいずれかである場合であって(図73のステップS6317)、ART初当たり用告知フラグがオンである場合には(図73のステップS6319)、所定の上乗せゲーム数がARTゲーム数カウンタに加算される(図73のステップS6323)。この場合には、ARTゲーム数カウンタの値は、図73のステップS6323の処理とステップS5933の処理とで加算された値となり、その値のゲーム数分、一般遊技状態において、内部当籤役に関する情報が遊技者に報知される。
[MB作動中処理]
図70は、MB作動中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図67のステップS5713の処理で呼び出されて実行される。したがって、MB遊技状態であるときには、単位遊技が始まる度に、本サブルーチンは呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、ART初当たり用告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6011)。
サブCPU82は、ART初当たり用告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、当籤番号が1〜4のいずれかかであるか否かを判断する(ステップS6013)。なお、上述したように、当籤番号が1のときは、小役・リプレイデータポインタの値は57であり、当籤番号が2のときは、小役・リプレイデータポインタの値は58であり、当籤番号が3のときは、小役・リプレイデータポインタの値は59であり、当籤番号が4のときは、小役・リプレイデータポインタの値は60である。
サブCPU82は、当籤番号が1〜4のいずれかでないと判別したときには(NO)、ART初当たり用MB中通常演出データをセットし(ステップS6015)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
サブCPU82は、上述したステップS6013の判断処理で、当籤番号が1〜4のいずれかかであると判別したときには(YES)、SPフラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6017)。
SPフラグは、MBの図柄組合せの違いを示すフラグである。MBの図柄組合せは、図7に示すように、「BAR」−「BAR」−「BAR」と「BAR」−「BAR」−「白7」とがある。後述する図67のステップS6413及びS6115に示すように、揃った図柄の組合せが「BAR」−「BAR」−「BAR」であったときに、SPフラグをセットする。
サブCPU82は、SPフラグがオンであると判別したとき、すなわち、揃った図柄の組合せが「BAR」−「BAR」−「BAR」であったときには(YES)、当籤番号に応じたART初当たりMB中SP演出データをセットし(ステップS6019)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
一方、サブCPU82は、SPフラグがオンでないと判別したとき、すなわち、揃った図柄の組合せが「BAR」−「BAR」−「白7」であったときには(NO)、ART初当たり用MB中チャンス演出データをセットし(ステップS6021)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
上述したART初当たりMB中SP演出データは、当籤番号1〜4のいずれかが当籤しているか(すなわち、停止可能となっている特定の図柄位置)を報知するための演出データである。一方、ART初当たり用MB中チャンス演出データは、当籤番号1〜4のいずれかが当籤していることを報知するが、そのうちのいずれが当籤しているかについては報知しないための演出データである。
図78(a)は、ART初当たりMB中SP演出の例を示す図である。左のリール3Lの上部に白い「7」という文字が表示される。これは、左のリール3Lの図柄「白7」を狙って左のリール3Lを停止すべきことを意味する。この場合は、当籤番号2(小役・リプレイ用データポインタ=58)に当籤しており、左のリール3Lの中段に図柄位置「16」の図柄「ブランク1」を停止することが可能な状態である。左のリール3Lの中段に図柄位置「16」の図柄「ブランク1」を停止させることができたときには、ミッション成功となる。ミッション成功の演出については後述する。
図78(b)は、ART初当たりMB中チャンス演出の例を示す図である。左のリール3Lの上部に「?」という文字が表示される。この場合は、当籤番号1、2、3又は4(小役・リプレイ用データポインタ=57、58、59又は60)のいずれかに当籤しており、左のリール3Lの中段に図柄位置「2」、「9」又は「16」の図柄のいずれかを停止させることが可能な状態である。図柄位置「2」、「9」又は「16」の図柄のいずれかを停止させることができるが、いずれであるかは明確には表示されない。したがって、遊技者は自分で判断していずれかを選択して停止操作をすることになる。当籤役と一致した場合にはミッション成功となり、一致していなかった場合にはミッション失敗となる。ミッション成功及びミッション失敗の演出については後述する。
サブCPU82は、上述したステップS6011の判断処理で、ART初当たり用告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、特殊告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6023)。
サブCPU82は、特殊告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、後述する図71に示す特殊告知後MB作動中処理のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS6025)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、ステップS6023の判断処理で、特殊告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6027)。
このように、チャンス用告知フラグもオンであるか否かを判断することによって、ART終了用告知フラグがオンであるときと同様の演出をして遊技者を有利にすることができる。
サブCPU82は、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、後述する図72に示すART終了用告知後MB作動中処理のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS6029)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、ART終了用告知フラグ及びチャンス用告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、ペナルティ用演出データをセット(ステップS6031)、本サブルーチンを終了する。このペナルティ用演出データは、間違えてMBを揃えたことを示す報知のためのデータである。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
[特殊告知後MB作動中処理]
図71は、特殊告知後MB作動中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図70のステップS6025の処理で呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、SPフラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6111)。
サブCPU82は、SPフラグがオンであると判別したときには(YES)、ART中特殊告知後MB中用弾丸抽籤テーブル2を参照し、内部当籤役(当籤番号)に応じて弾丸種別を決定する(ステップS6113)。
一方、サブCPU82は、SPフラグがオンでないと判別したときには(NO)、ART中特殊告知後MB中用弾丸抽籤テーブル1を参照し、内部当籤役(当籤番号)に応じて弾丸種別を決定する(ステップS6115)。
サブCPU82は、ステップS6113又はS6115を実行したときには、決定された弾丸種別に応じて各弾丸カウンタの値を更新する(ステップS6117)。本実施の形態では、弾丸種別は、通常弾丸と特殊弾丸1と特殊弾丸2との3種類がある(図36(a)及び(b)参照)。この弾丸種別の各々に応じて、通常弾丸カウンタと、特殊弾丸1カウンタと、特殊弾丸2カウンタとが規定されており、ステップS6117の処理によって、弾丸種別に対応するカウンタの値を更新する。
本サブルーチンは、遊技状態がMB遊技状態であり、かつ、ART初当たり用告知フラグがオンでなく、かつ、特殊告知フラグがオンであるときに、単位遊技が始まる度に呼び出されて実行される。したがって、これらの条件を満たす限り、単位遊技が始まる度に、弾丸種別が決定され(ステップS6113及びS6115)、各弾丸カウンタの値が更新される(ステップS6117)。
次に、サブCPU82は、決定された弾丸種別に応じた特殊告知用MB中演出データをセットし(ステップS6119)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における弾丸カウンタの値を更新され、弾丸カウンタの値に応じて今回の単位遊技の演出が決定される。
図80(a)は、特殊告知用MB中演出の例を示す図である。画面の左上部には、「弾丸GET!」というメッセージと、画面の右上部には、ステップS6113又はS6115の処理によって決定された弾丸種別の画像とを表示する。
[ART終了用告知後MB作動中処理]
図72は、ART終了用告知後MB作動中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図70のステップS6029の処理で呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、当籤番号が1〜4のいずれかであるか否かを判断する(ステップS6211)。
サブCPU82は、当籤番号が1〜4のいずれかでないと判別したときには(NO)、ART終了用MB中通常演出データをセットし(ステップS6213)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
一方、サブCPU82は、当籤番号が1〜4のいずれかであると判別したときには(YES)、ART終了用MB中チャンス演出データをセットし(ステップS6215)、本サブルーチンを終了する。このようにして、今回の単位遊技における演出が決定される。
このART終了用告知後MB作動中処理は、ART終了用告知フラグがオンである場合と、チャンス用告知フラグがオンで場合との双方の場合で実行され(図63のステップS6027)、遊技者を有利にする。
なお、本実施の形態では、ART終了用告知フラグがオンである場合と、チャンス用告知フラグがオンで場合との双方の場合で同じ演出が行われるが、別個に異なる演出や、一部共通する演出を行うようにしてもよい。
[リール停止コマンド受信時処理]
図73は、リール停止コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図66のステップS5629の処理で呼び出されて実行される。すなわち、3つのリール3L、3C及び3Rのいずれかが停止する度に、本サブルーチンは呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、MB作動中であるか否かを判断する(ステップS6311)。サブCPU82は、MB作動中でないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、MB作動中であると判別したときには(YES)、当籤番号は0であるか否かを判断する(ステップS6313)。サブCPU82は、当籤番号は0であると判別したときには(YES)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、当籤番号は0でないと判別したときには(NO)、左リール停止であるか否かを判断する(ステップS6315)。サブCPU82は、左リール停止でないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、左リール停止であると判別したときには(YES)、停止予定位置が、2、9、16のいずれかであるか否かを判断する(ステップS6317)。サブCPU82は、停止予定位置が2、9、16のいずれかでないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、停止予定位置が2、9、16のいずれかであると判別したときには(YES)、ART初当たり用告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6319)。
MB作動中の左リールの停止制御は、以下のようにされる。当籤番号が0のときには、停止予定位置2、9、16への停止は許可されない。当籤番号が1のときには、停止予定位置2への停止が許可される。当籤番号が2のときには、停止予定位置6への停止が許可される。当籤番号が3のときには、停止予定位置9への停止が許可される。当籤番号が4のときには、停止予定位置2、9、16への停止が許可される。
また、上述した例では、特定の位置で停止された場合に限り、上乗せ等を行うことにしているが、特定の位置で押された場合に、上乗せ等を行うようにしてもよい。当籤番号が0のときには、いずれの押下位置でも不正解になる。当籤番号が1のときには、押下位置20、0〜5が正解となる。当籤番号が2のときには、押下位置6〜12が正解となる。当籤番号が3のときには、押下位置13〜19が正解となる。当籤番号が4のときには、いずれの押下位置でも正解となる。
サブCPU82は、ART初当たり用告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、ART初当たり用MB中上乗せ抽籤テーブルを参照し、内部当籤役(当籤番号)に応じて上乗せゲーム数を決定する(ステップS6321)。
次に、サブCPU82は、決定された上乗せゲーム数をARTゲーム数カウンタに加算する(ステップS6323)。
上述したように、チャンスゾーン(ARTのRT1遊技状態)が終了した時点で、ステップS5933の処理によってARTゲーム数カウンタの値に100を加算する。しかしながら、チャンスゾーン(ARTのRT1遊技状態)が終了するよりも前の時点で、MB遊技状態のときに、図73のステップS6317及びS6319の条件を満たしたときには、ステップS6323の処理によって、所定の上乗せゲーム数がARTゲーム数カウンタに加算される。このようにすることで、MB遊技状態における遊技で、左リールの停止位置が正解であるか否かゲームを行い、正解である場合には、その後に移行する一般遊技状態(ART)において内部当籤役に関する情報が報知される回数を増やすことができ、遊技者にとって有利な遊技状態をより長くすることができる。
次に、サブCPU82は、決定された上乗せゲーム数に応じた演出データをセットし(ステップS6325)、本サブルーチンを終了する。
このように、MB遊技状態であり、停止予定位置が2、9又は16のいずれかであり、ART初当たり用告知フラグがオンである場合には、リール停止コマンド受信する度に、すなわち、3つのリール3L、3C及び3Rのいずれかが停止する度に、上乗せゲーム数を決定し、ARTゲーム数カウンタを更新し、演出データを決定する。このようにして、今回の単位遊技において、この後に行うべき演出が決定される。
図79(a)は、ミッションに成功したときに表示される画像である。「ミッション成功!」というメッセージと、決定された上乗せゲーム数を示す「+10」という数値とが表示される。図79(a)に示すように、左のリール3Lの上段と下段に図柄「白7」(図柄停止「15」、「17」)が表示され、左のリール3Lの中段には、図柄「ブランク1」(図柄停止「16」)が表示される。
図79(b)は、ミッションに失敗したときに表示される画像である。「ミッション失敗!」と「残念」というメッセージが表示される。この例の場合には、左のリール3Lの中段に図柄「白7」が表示される。
サブCPU82は、ART初当たり用告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、ART終了用告知フラグ、又はチャンス用告知フラグはオンであるか否かを判断する(ステップS6327)。
サブCPU82は、ART終了用告知フラグ及びチャンス用告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、ART終了時用MB中ポイント獲得抽籤テーブルを参照し、内部当籤役(当籤番号)に応じて獲得ポイント数を決定する(ステップS6329)。この獲得ポイント数の値は、ポイント数カウンタへの加算に用いられるとともに(後述するステップS6331参照)、演出データの決定にも用いられる(後述するステップS6333参照)。
次に、サブCPU82は、決定された獲得ポイント数をポイント数カウンタの値に加算する(ステップS6331)。このポイント数カウンタの値は、後述する図73のステップS6633の処理で用い、ART抽籤を実行する。
次に、サブCPU82は、決定された獲得ポイント数に応じた演出データをセットし(ステップS6333)、本サブルーチンを終了する。
このように、MB遊技状態であり、停止予定位置が2、9又は16のいずれかであり、ART終了用フラグがオン又はチャンス用告知フラグがオンである場合には、リール停止コマンド受信する度に、すなわち、3つのリール3L、3C及び3Rのいずれかが停止する度に、獲得ポイント数を決定し、ポイント数カウンタを更新し、演出データを決定する。このようにして、今回の単位遊技において、この後に行うべき演出が決定される。
図80(b)は、ART終了時のMB作動中の演出の例を示す図である。画面の上側には、「ART継続まで残り4ポイント」というメッセージが表示される。また、画面の左側には、必要ポイント数と、獲得したポイント数と、残りの数とを示す画像が表示される。この場合は、必要ポイント数は5であり(ステップS6527参照)、これまでに獲得したポイント数は1であるとき(ステップS6325参照)の例である。
なお、本実施の形態では、ART終了用告知フラグがオンである場合と、チャンス用告知フラグがオンで場合との双方の場合で同じ値の獲得ポイント数が決定されるが、異なる値の獲得ポイント数を決定してもよい。
[表示コマンド受信時処理]
図74は、表示コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図66のステップS5633の処理で呼び出されて実行される。すなわち、単位ゲームが終了する度に、本サブルーチンは呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、入賞作動フラグがMBであるか否かを判断する(ステップS6411)。
サブCPU82は、入賞作動フラグがMBであると判別したときには(YES)、図柄組合せがBAR−BAR−BARであるか否かを判断する(ステップS6413)。
サブCPU82は、図柄組合せがBAR−BAR−BARであると判別したときには(YES)、SPフラグをセットし(ステップS6415)、本サブルーチンを終了する。サブCPU82は、図柄組合せがBAR−BAR−BARでないと判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
なお、本実施の形態では、MBに内部当籤中であるときに、当籤番号(=小役・リプレイ用データポインタ)が21〜25の場合には、引込み可能範囲で停止操作がされると「BAR」−「BAR」−「BAR」が揃うように停止制御する。その他の場合には、「BAR」−「BAR」−「白7」しか揃わないように停止制御する。このような停止制御は、専用の回胴停止用番号を設けても、引込優先順位テーブルをそのように構成してもよい。
サブCPU82は、ステップS6411の判断処理で、入賞作動フラグがMBでないと判別したときには(NO)、チャンスゾーンカウンタの値は1以上であるか否かを判断する(ステップS6417)。
サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値は1以上でないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値は1以上であると判別したときには(YES)、内部当籤役にMBが含まれるか否かを判断する(ステップS6419)。
サブCPU82は、内部当籤役にMBが含まれると判別したときには(YES)、本サブルーチンを終了する。サブCPU82は、内部当籤役にMBが含まれないと判別したときには(NO)、入賞作動フラグがリプレイC、D又はRT作動図柄であるか否かを判断する(ステップS6421)。
サブCPU82は、入賞作動フラグがリプレイC、D及びRT作動図柄でないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。サブCPU82は、入賞作動フラグがリプレイC、D及びRT作動図柄であると判別したときには(YES)、チャンスゾーンカウンタの値を0に更新する(ステップS6423)。
内部当籤役にMBが含まれず(ステップS6419)、入賞作動フラグがリプレイC、D及びRT作動図柄である場合には(ステップS6421)、RT2遊技状態に転落する(図52のステップS193〜S196)。この処理に合せて、チャンスゾーンカウンタの値を0にして、ARTの権利を消滅させる(ステップS6423)。
具体的には、チャンスゾーン(ARTのRT1遊技状態)においては、リプレイC、D及びRT作動図柄が揃わないような報知がされている(図69のステップS5911)。このような報知がされているにも関わらず、報知に従わずに、リプレイC、D及びRT作動図柄を揃えた場合には、RT2遊技状態に転落させるとともに、チャンスゾーンカウンタの値を0にして報知を終了し(ステップS6423)、ARTの権利を消滅させる。
なお、ART(ARTの一般遊技状態)においては、RT作動図柄が揃わないような報知がされている。この場合も、報知に従わずに、RT作動図柄を揃えた場合には、RT2遊技状態に転落させるとともに、ステップS6419、S6421及びS6429の処理と同様の処理を実行してARTゲーム数カウンタを0にしてARTを終了させるのが好ましい。
上述したステップS6419の判断処理で、内部当籤役にMBが含まれる場合には、直ちに本サブルーチンを終了させる。この場合には、チャンスゾーンを維持してRT2遊技状態に転落させにくくして、一般遊技状態に移行させやすくできる。
次に、サブCPU82は、ペナルティフラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6425)。サブCPU82は、ペナルティフラグがオンでないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、ペナルティフラグがオンであると判別したときには(YES)、ペナルティフラグをクリアする(ステップS6427)。すなわち、チャンスゾーンの終了とともに、ペナルティフラグをクリアする。
次に、サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値を0に更新し(ステップS6429)、本サブルーチンを終了する。すなわち、チャンスゾーンの終了とともに、ARTゲーム数カウンタの値を0にすることによって、ARTも終了させる。すなわち、図75のステップS6517の処理でセットしたARTゲーム数カウンタの値を初期化することができる。
[ボーナス開始コマンド受信時処理]
図75は、ボーナス開始コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図66のステップS5637の処理で呼び出されて実行される。すなわち、ボーナスに移行したときの最初の単位遊技で呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS6511)。
サブCPU82は、チャンスゾーンカウンタの値が1以上であると判別したときには(YES)、チャンスゾーンカウンタの値を0に更新する(ステップS6513)。
次に、サブCPU82は、ペナルティフラグをセットする(ステップS6515)。すなわち、ペナルティフラグは、チャンスゾーン中に指示がないのにもかかわらずボーナスを揃えてMB遊技状態に移行したことを示すフラグである。
次に、サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値に100を加算し(ステップS6517)、本サブルーチンを終了する。このステップS6517によって、ARTゲーム数カウンタの値を1以上に設定することにより、チャンスゾーン(ARTのRT1遊技状態)の段階で、すなわち、ART(ARTの一般遊技状態)に移行するよりも前の時点で、ARTゲーム数カウンタの値の減算を開始することができる(図69のステップS5917参照)。
サブCPU82は、ステップS6511の判断処理で、チャンスゾーンカウンタの値が1以上でないと判別したときには(NO)、ARTゲーム数カウンタの値が1以上であるか否か、すなわち、ART中であるか否かを判断する(ステップS6519)。
サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタの値が1以上であると判別したとき、すなわち、ART中であると判別したときには(YES)、特殊告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6521)。
サブCPU82は、特殊告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU82は、特殊告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、ペナルティフラグをセットし(ステップS6523)、本サブルーチンを終了する。すなわち、ART中に指示がないのにもかかわらずボーナスを揃えてMB遊技状態に移行した場合にもペナルティフラグをセットする。なお、特殊告知フラグがオンである場合には、ペナルティフラグをセットする。
サブCPU82は、ステップS6519の判断処理で、ARTゲーム数カウンタの値が1以上でないと判別したとき(NO)、すなわち、ART中でないと判別したときには、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6525)。
サブCPU82は、ART終了用告知フラグ及びチャンス用告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、ART終了時用継続難易度抽籤テーブルを参照し、設定値に応じて必要ポイント数を決定し(ステップS6527)、本サブルーチンを終了する。この必要ポイント数は、後述する図76のステップS6633の処理で用いる。必要ポイント数が、ステップS6633の処理のための初期値として機能する。
本実施の形態では、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグがオンであるときには、必要ポイント数を同じ値にしたが、異なる値にしてもよい。
[ボーナス終了コマンド受信時処理]
図76は、ボーナス終了コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、図66のステップS5641の処理で呼び出されて実行される。すなわち、ボーナスの最後の単位遊技で呼び出されて実行される。
最初に、サブCPU82は、SPフラグをクリアする(ステップS6611)。
次に、サブCPU82は、ART初当たり用告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6613)。ART初当たり用告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、ART初当たり用告知フラグをクリアする(ステップS6615)。
サブCPU82は、ステップS6613の判断処理で、ART初当たり用告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、特殊告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6617)。
サブCPU82は、特殊告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、特殊告知フラグをクリアする(ステップS6619)。すなわち、ボーナスが終了したときに、特殊告知フラグはクリアされる。
次に、サブCPU82は、ART中特殊告知後MB中抽籤テーブルを参照し、各弾丸カウンタの値だけ、上乗せARTゲーム数を決定する(ステップS6621)。弾丸カウンタの値は、図71のステップS6117の処理によって、単位遊技の度に更新されていた値である。
次に、サブCPU82は、決定された上乗せゲーム数をARTゲーム数カウンタに加算する(ステップS6623)。
次に、サブCPU82は、決定された上乗せゲーム数に応じた演出データをセットする(ステップS6625)。セットされた演出データに対応する演出は、ボーナスが終了した後、今回の単位遊技が終了するまでの間に行われる。なお、ステップS6625の処理でセットされる演出は、ボーナスが終了したときから次回の単位遊技が始まるまでの間に行われればよい。
このように、特殊告知フラグがオンになった場合には、MB遊技状態における単位遊技の各々で弾丸を用いた演出が行われ(図71参照)、MB遊技状態が終了する単位遊技において、上乗せゲーム数がARTゲーム数カウンタに加算して、ART(ARTの一般遊技状態)を継続させる。
サブCPU82は、ステップS6617の判断処理で、特殊告知フラグがオンでないと判別したときには(NO)、ペナルティフラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6627)。
サブCPU82は、ペナルティフラグがオンでないと判別したときには(NO)、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS6629)。
サブCPU82は、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグがオンであると判別したときには(YES)、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグをクリアする(ステップS6631)。すなわち、ボーナスが終了したときに、ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグはクリアされる。
次に、サブCPU82は、必要ポイント数からポイント数カウンタの値を減算し、現在のポイント数を算出する(ステップS6633)。必要ポイント数は、MB遊技状態が始まったときに、ステップS6527の処理によって決定された数である。また、ポイント数カウンタの値は、ステップS6331の処理によって、MB遊技状態での単位遊技の度に獲得ポイント数が加算された値である。
次に、サブCPU82は、ART終了時用ART抽籤テーブルを参照し、現在のポイント数に応じてART抽籤を実行する(ステップS6635)。
ART終了用告知フラグ又はチャンス用告知フラグがオンである場合には、現在のポイント数に応じてART抽籤を実行することによって、MB遊技状態を終了した後に、遊技者に有利になる可能性を高めている。
本実施の形態では、ART終了用告知フラグがオンになった場合とチャンス用告知フラグがオンになった場合との双方で、現在のポイント数を同じにしたが、異なる数にしてもよい。
次に、サブCPU82は、ART抽籤に当籤しているか否かを判断する(ステップS6637)。
サブCPU82は、ステップS6615若しくはS6325の処理を実行したとき、又はステップS6627の判断処理で、ペナルティフラグがオンであると判別したとき(YES)、若しくは、ステップS6637の判断処理で、ART抽籤に当籤していると判別したときには(YES)、チャンスゾーンカウンタの値に30をセットし(ステップS6639)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS6639の処理によって、チャンスゾーンカウンタの値に30をセットすることにより、ARTの権利を付与することができる。上述したように、RT1遊技状態のゲーム数(単位遊技の回数)は30ゲームであり(図53のステップS217)、チャンスゾーンカウンタの値も30である。このようにすることで、MB遊技状態から移行したRT1遊技状態の30ゲームを、チャンスゾーンにすることができ、ARTの権利が付与されている遊技状態にすることができる。
サブCPU82は、ステップS6629の判断処理で、ART終了用告知フラグ及びチャンス用告知フラグがオンでないと判別したとき(NO)、又はステップS6637の判断処理で、ART抽籤に当籤していないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。
[パチスロ1における演出と遊技の進行]
パチスロ1では、RT1遊技状態、RT2遊技状態又は一般遊技状態においてMBに入賞できた場合にはMB遊技状態に移行する。MB遊技状態が終了した時点でARTの権利が付与されている場合には、チャンスゾーン(ARTのRT1遊技状態)に移行する。チャンスゾーンでは、内部当籤役に関する情報は遊技者に報知されるので、RT2遊技状態に移行することなく(図52のステップS194〜S196参照)、30ゲームを消化できる可能性が高まる。チャンスゾーンで30ゲームを消化できた場合には、RT1遊技状態から高リプ遊技状態である一般遊技状態に移行させることができる。一般遊技状態に移行したときにもARTが継続していれば、内部当籤役に関する情報は遊技者に報知されるので、小役が入賞できる可能性が高まり、遊技者に利益を与えることができる。
これに対して、MB遊技状態に移行した場合であっても、MB遊技状態が終了した時点でARTの権利が付与されていない場合には、チャンスゾーンでない通常のRT1遊技状態に移行する。通常のRT1遊技状態では、内部当籤役に関する情報は遊技者に報知されないので、RT作動図柄1〜26が表示された場合(図52のステップS194)や、リプレイC,Dのいずれかが表示された場合(図52のステップS195)には、遊技状態をRT2遊技状態に移行させる(図52のステップS196)、すなわち、RT1遊技状態からRT2遊技状態に転落させ易くして、RT1遊技状態から一般遊技状態への移行を困難にすることができる。なお、30ゲームの間にRT作動図柄1〜26やリプレイC,Dが表示されなければRT2遊技状態に転落しないので、報知されなくても自力でRT1遊技状態から一般遊技状態へ移行させる可能性もある。自力で一般遊技状態へ移行させることができたとしても、報知がされないので、メダルを増やすことは困難である。
また、ARTとなった一般遊技状態に移行した場合であっても、ARTゲーム数カウンタの値が1未満になったときには一般遊技状態の途中でARTが終了する。一般遊技状態の途中でARTが終了した場合にも(図67のステップS5737〜S5741)、内部当籤役に関する情報は遊技者に報知されないので、RT2遊技状態に移行させる(図52のステップS194〜S196)、すなわち、一般遊技状態からRT2遊技状態に転落させることができる。
さらに、ARTとなったRT1遊技状態に移行した場合であっても、ペナルティフラグがオンである場合にはARTゲーム数カウンタの値が1未満になったときにRT1遊技状態の途中でARTが終了する(図69のステップS5915〜S5921)。この場合も、内部当籤役に関する情報は遊技者に報知されないので、RT2遊技状態に移行させる(図52のステップS194〜S196)、すなわち、RT1遊技状態からRT2遊技状態に転落させ易くできる。なお、この場合には、チャンスゾーンとしてのRT1遊技状態の機能が終了するので、チャンスゾーンカウンタも0にする(図69のステップS5923)。また、RT作動図柄1〜26やリプレイC,Dが表示されなければRT2遊技状態に転落しないので、報知されなくても自力で転落しないようにできる可能性もある。なお、自力で転落しないようにできたとしても、報知がされないので、メダルを増やすことは困難である。
[ARTの権利の付与の種類]
[ART初当たり]
非ARTであるときに、ART抽籤に当籤するとともに(図68のステップS5835)、内部当籤役にMBを含む場合には、MBに入賞させる指示の演出が行われる(図68のステップS5823)。この演出に従ってMB遊技状態に移行できたときに(図68のステップS5821)、MB遊技状態において所定のARTゲーム数が決定される(図73のステップS6323)。その後、MB遊技状態を終了したときには、チャンスゾーンを付与し(図76のステップS6639)、RT1遊技状態(チャンスゾーン)を経由して(図67のステップS5717)、ART(ARTの一般遊技状態)に移行し、内部当籤役に関する情報が報知され(図67のステップS5735)、遊技者に有利な状態となる。
[ART終了]
ARTが終了した後(図67のステップS5739)、内部当籤役にMBを含む場合には、MBに入賞させる指示の演出が行われる(図68のステップS5815)。この演出に従ってMB遊技状態に移行できたときに(図68のステップS5813)、MB遊技状態において獲得ポイント数が決定される(図73のステップS6329)。その後、MB遊技状態を終了するときには、獲得ポイント数を利用してART抽籤する(図76のステップS6635)。ARTに当籤したときには(図68のステップS5837)、チャンスゾーンを付与する(図76のステップS6639)。この後、チャンスゾーンを終了するときに、ARTゲーム数として100が設定されて(図67のステップS5933)、ART(ARTの一般遊技状態)に移行し、内部当籤役に関する情報が報知され(図67のステップS5735)、遊技者に有利な状態となる。
[チャンス]
チャンスゾーンでない通常のRT1遊技状態であるときに、内部当籤役にMBを含む場合には(図68のステップS5827)、MBに入賞させる指示の演出が行われる(図68のステップS5831)。この演出に従ってMB遊技状態に移行できたときにも、MB遊技状態において獲得ポイント数が決定される(図73のステップS6329)。その後、MB遊技状態を終了するときには、獲得ポイント数を利用してART抽籤する(図76のステップS6635)。ARTに当籤したときには(図68のステップS5837)、チャンスゾーンを付与する(図76のステップS6639)。この後、チャンスゾーンを終了するときに、ARTゲーム数として100が設定されて(図67のステップS5933)、ART(ARTの一般遊技状態)に移行し、内部当籤役に関する情報が報知され(図67のステップS5735)、遊技者に有利な状態となる。
[特殊]
ART(ARTの一般遊技状態)であるときに、内部当籤役にMBを含む場合には(図67のステップS5725)、MBに入賞させる指示の演出が行われる(図67のステップS5723)。この演出に従ってMB遊技状態に移行できたときには、弾丸カウンタを決定し(図71のステップS6117)、その後、MB遊技状態を終了するときには、ARTゲーム数を決定するとともに(図76のステップS6619)、チャンスゾーンを付与し(図76のステップS6639)、RT1遊技状態(チャンスゾーン)を経由して(図67のステップS5717)、ART(ARTの一般遊技状態)に移行し、内部当籤役に関する情報が報知され(図67のステップS5735)、遊技者に有利な状態となる。
このようにARTの権利の付与の契機を複数にしたこと、すなわち、ARTの権利を始めて付与したり、ARTの権利の付与を終了した後に復帰させたり継続させたりすることによって、内部当籤役に関する情報を報知する回数や、報知が継続するか否かや、報知が復帰するか否かを図ることによって、出球の調整をすることができる。すなわち、副制御回路81による制御によって出球の調整をすることができ、店舗の利益を保護することができる。
また、様々の遊技状態において、ARTの権利を付与できる契機を設けたので、遊技者は、各々の遊技状態でARTの権利が付与されることを期待して遊技を進めることができ、遊技者を飽きさせにくくすることができる。また、遊技の展開を多様化させることができる。
さらにまた、パチスロ1では、リプレイが内部当籤役として決定される確率の高い高リプ遊技状態を備えるとともに、この高リプ遊技状態において27択の小役を入賞させるための報知を行う100ゲームの報知期間を設けている。これにより、高リプ遊技状態では、再遊技の利益を享受しつつ、27択の小役の入賞による利益を享受することができる。そのため、ボーナス作動中以外の遊技状態中に遊技者にとって有利な状況を作り出すことができ、一般的に遊技者が興味のないボーナス作動中以外の遊技状態の興趣を向上させることができる。
ここで、パチスロ1では、高リプ遊技状態へ移行するために、RT1遊技状態において30回のゲームが行われることを条件とし、30回のゲームが行われる前に、RT作動図柄、リプレイC又はDが入賞した場合には、高リプ遊技状態へ移行しないようにしている。このとき、RT作動図柄、リプレイC又はDは、停止操作のタイミング(「赤7」図柄、「白7」図柄、「黒7」図柄)により入賞するため、停止操作のタイミング(狙うべき図柄)の報知を適切に管理することで、高リプ遊技状態への移行を適切に制御することができる。
また、パチスロ1では、ボーナス作動中の遊技状態であるMB遊技状態を実質的にメダルの増減が生じない遊技状態(2枚投入し2枚払い出し)としている。その結果、高リプ遊技状態終了後にMBの入賞が実現しても、遊技者に対して著しく有利になることがない。
一方で、RT1遊技状態においてMBが内部当籤役として決定された場合には、その後、RT作動図柄、リプレイC又はDが入賞した場合であってもRT2遊技状態へ移行することなく、容易に高リプ遊技状態へ移行することができる。また、RT作動図柄、リプレイC又はDの入賞を回避するための報知を行うか否かの抽籤をMB遊技状態中に行うこととしている。そのため、MB遊技状態に対する遊技者の興趣の低下を防止することができる。
また、高リプ遊技状態は、MBが内部当籤役として決定されただけでは終了せず、内部当籤したMBが入賞することにより終了する。また、MBは、引込優先順位が最も低く(図22)、パチスロ1では、同時にリプレイや小役が内部当籤役として決定されていた場合には、リプレイや小役を優先して引き込む。そのため、遊技者は、高リプ遊技状態においてMBが内部当籤役として決定されたとしても、MBの入賞を回避し、リプレイや小役を入賞させるように停止操作を行うことで、高リプ遊技状態における利益を確実に享受することができ、結果として、高リプ遊技状態において遊技者に付与される利益を適切に管理することができる。
以上説明したパチスロ1においては、外装体2の外側に設けられた操作部(例えば、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R、1BETボタン14、MAXBETボタン12、清算ボタン(図示せず)など)の動作状態を確認する方法として、操作非対応コマンドである無操作コマンドに操作情報を含めて主制御回路71から副制御回路81へ送信し、液晶表示装置10に表示させるようにしたことにより、動作確認のためにフロントドア2bを開ける必要がなくなる。これにより、動作確認のための作業を容易に行うことができる。
また、動作確認の際にフロントドア2bを開ける必要がないため、キャビネット2a内に対して不正行為が行われる機会をできるだけ少なくすることができる。
また、例えば、従来例に見られるように、フロントドアの外側に設けられた操作部の取付け位置に対応させて、フロントドアの内側の所定位置に発光体などの動作状態を確認するための要素を設ける必要がなくなるため、これらの要素を設けるための設計上の制約(発光体などの要素を取り付ける位置の制約によって、フロントドアの外側の操作部の取付け位置にも制約が生じる問題)が生じなくなる。また、このような制約がなくなるため、取り付けられる操作部の数にも制約がなくなる。
これにより、操作部の動作状態を簡単かつ安全に確認することができるパチスロ1を実現することができる。
上述の実施の形態においては、パチスロ1に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、パチスロ1の他、他の遊技機にも適用できる。