JP2015537227A - 走査型プローブ顕微鏡を制御するための方法及び装置 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡を制御するための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、サンプル(4)と相互作用するための先端(21)を有するプローブ(2)と、サンプル(4)又はプローブ(2)を保持するためのナノスキャナー(1)を含む走査型プローブ顕微鏡の制御方法に関し、当該方法は、先端がサンプルに向かって移動する方向に沿った第1の方向(R)に沿ったピエゾ素子の伸長を監視する工程と、ナノスキャナー(1)が閾値より上又は下の伸長を示した場合い、付加アクチュエーター(3)によって第1の方向(R)に沿ってプローブ(2)の高さを調節する工程を含む。本発明は更に、走査型プローブ顕微鏡を制御するための装置(100)に関する。【選択図】 図1

Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡を制御するための方法及び装置に関する。
走査型プローブ顕微鏡検査法、特に原子間力顕微鏡検査法(AFM)は、ライフサイエンスにおいて有用な方法である。AFMに基づいた押し込み(インデンテーション)試験は、多種様々なサンプルの機械的性質を検査するために重要な技術である。しかし、生物組織のサンプルの表面は、表面粗さが大きいという性質を有し、この粗さは、ナノスキャナーの垂直方向の移動又は伸張の最大範囲を超過する場合がある(以降、「ナノスキャナー」は、走査型プローブ顕微鏡を制御するピエゾ素子、ボイスコイルモーター又は同様の装置を示す一般用語として使用される)。
このようなナノスキャナー、特にピエゾ素子の可動域は、製造業者の設計に依存するが、通常、5μmから100μmの間である。ナノスキャナーの主な役割は、プローブ先端、より正確にはカンチレバーの先端と、検査しているサンプルとの間のユーザ指定の相互作用力を、カンチレバーを上昇若しくは降下させること(上部降下(TOP−DOWN)機構)、又はサンプルを上昇若しくは降下させること(下部上昇(BOTTOM−UP)機構)によって維持することにある。上部降下機構において、カンチレバー又はカンチレバーアセンブリは、ピエゾ素子に直接連結される。サンプル又はサンプルホルダーは移動しない。下部上昇機構では、サンプル又はサンプルホルダーが、ピエゾ素子に直接連結される。カンチレバーアセンブリは静止している。又は、カンチレバーが付加ピエゾ素子によって水平方向に移動されている間に(上部−側方(TOP−LATERAL))、サンプルがピエゾ素子によって垂直方向に移動されてもよい(下部上昇(BOTTOM−UP))。又は、さらに別の構成として、サンプルが付加ピエゾ素子によって水平方向に移動されている間に(下部−側方(BOTTOM−LATERAL))、カンチレバーがピエゾ素子によって垂直方向に移動されてもよい(上部−下部(TOP−BOTTOM))。
この方法において、ナノスキャナーは、垂直方向にサンプル又はカンチレバーを移動させることにより、サンプル走査(つまりフォースマッピング)中の先端−サンプル間の力を一定に維持する。フォースカーブは、通常走査した領域に対して記録されるが、この領域に制限されない。この走査領域は、10μm×10μmから150μm×150μmの範囲であり、約1μmの間隔で互いに隣接する複数の押し込み点を有する。フォースカーブを記録するには、サンプル上において予め設定された力に達するまでカンチレバーが曲げられるまで、ナノスキャナーが伸張する(カンチレバーがサンプルの方へ移動する)。これによって「軌跡」曲線(「trace」カーブ)が作成される。続いて、ナノスキャナーは一定距離収縮し、「戻り」曲線(「retrace」カーブ)を産出し、そして次の押し込み点に移る。
生物学的サンプルは、多くの場合実質的に凹凸があるので、ナノレベルでの押し込みに大きな困難がある。4つの主な問題がある。1つ目に、カンチレバーは、先端以外の部分でサンプルに対し押し込みを行ってしまう。2つ目に、先端はサンプル表面に最適な状態で接近しない。3つ目に、サンプルは至るところで構造が異なり、異なる構造は異なる特性の押し込み及び吸着性を示すので、使いやすい測定(速く、正確な)を保証するためにはピエゾ(圧電)範囲の動的な調節を必要とする。4つ目に、サンプルは、カンチレバーの垂直方向の移動範囲に対して凹凸が大きすぎる。
走査領域のサンプル表面のコルゲーション(起伏)(Z軸におけるサンプルの凹凸)が予め設定されたナノスキャナーのZ軸における範囲(5μmから100μm)より大きい場合、問題が生じる。上部降下機構の場合には、コルゲーション(起伏)が大きすぎれば、ピエゾ素子は完全に伸張又は収縮することになる。ピエゾ素子が完全に伸張した時に、サンプル表面がまだ降下するのであれば、カンチレバーは接触を失うことになる。その一方で、ピエゾ素子が既に完全に収縮した時に、サンプル表面がまだ上昇するのであれば、カンチレバーの力は予め設定された最大力を超えて増加することになる。その後、カンチレバーの先端は、サンプル表面へ文字通り押し込まれる。どちらの場合でも、上述の一定の先端−サンプル力は維持されない。下部上昇機構においては、これらの方向は逆転する。
この背景に基づいて、本発明の目的は、走査型プローブ顕微鏡を制御するための、特に、表面の大きなコルゲーション(起伏)又は粗さによって特徴づけられたサンプルを測定するための、方法及び手段を提供することである。
本発明によって提供される解決手段は、ピエゾ素子の移動又は伸張を監視し、ピエゾ素子がその限界値に達した場合、又は限界値に近接した予め設定された範囲に達した場合、外部モーター又はアクチュエーターによってカンチレバーの相対的又は絶対的な高さを変えることである。非常に粗いサンプルの押し込み試験を行うことができる、付加モジュールが開発される。全ての押し込み点において、ナノスキャナーの移動又は伸張が完全に記録され、解析された。
本発明の一実施態様に係る、AFMの上部降下機構及び垂直的調節要素を示す概略図である。 本発明の一実施態様に係る、AFMの下部上昇機構及び垂直的調節要素を示す概略図である。 ピエゾの垂直的移動を示す概略図である。 本発明の一実施態様に係る、AFMの上部降下機構及び角度調節要素を示す概略図であり、角度調節前のA状況と、角度調節後のB状況とを示す。 最適でない(所望のものではない)角度でのAFM測定におけるフォース−ディスタンスカーブである。X軸は距離(高さ)を示し、Y軸は力を示し、薄い灰色の線は負荷(軌跡)カーブであり、濃い灰色の線は除荷(戻り)カーブである。 修正された、最適な(所望の)角度でのAFM測定におけるフォース−ディスタンスカーブである。X軸は距離(高さ)を示し、Y軸は力を示し、薄い灰色の線は負荷(軌跡)カーブであり、濃い灰色の線は除荷(戻り)カーブである。 線形ベースラインのスコアに対するMSE(線形近似と生データとの平均二乗誤差)の影響を示す図である。 線形ベースラインのスコアに対するMSE(線形近似と生データとの平均二乗誤差)の影響を示す図である。 線形ベースラインのスコアに対するMSE(線形近似と生データとの平均二乗誤差)の影響を示す図である。 線形ベースラインのスコアに対するMSE(線形近似と生データとの平均二乗誤差)の影響を示す図である。 ノイズの小さいベースラインのスコアに対する傾きの影響を示す図である。 ノイズの小さいベースラインのスコアに対する傾きの影響を示す図である。 ノイズの小さいベースラインのスコアに対する傾きの影響を示す図である。 ノイズの小さいベースラインのスコアに対する傾きの影響を示す図である。 色々なノイズと傾きを有する線形ベースラインのスコアを示す図である。 色々なノイズと傾きを有する線形ベースラインのスコアを示す図である。 色々なノイズと傾きを有する線形ベースラインのスコアを示す図である。 実際のフォースカーブのスコアを示す図である。 接触点の検出の全体概念を示す図である。塗りつぶしの線は非接触領域のベースラインである。長いダッシュの線はいくらかの引力が生じている接触領域であることを表す。点線は接触領域であることを表す。短いダッシュの線は引力がないとした再構築カーブである。 サンプルに対し押し込みを行っているカンチレバーの概要を示す図である。Aはカンチレバーの前部で押し込みを、Bは先端で押し込み(最適)を、Cはカンチレバーの背部で押し込みを行っていることを示す。 フォースカーブの例を示す図である。Aはベースラインの変化のない部分、Bはフォースカーブにおける接触点を示す。 サンプル上の、測定された3×3格子の評価の概要を示す図である。 先端による最適な押し込み(上図)、前部による押し込み(中図)及び背部による押し込みの際のフォースカーブの例を示す図であり、黒線は接近カーブ、白線は収縮カーブである。 サンプルに接近しているカンチレバー先端の概要を示す図である。Aは最適な押し込みをしている状態、Bはカンチレバーの軸に対しステップ角を伴って接近している状態、Cはカンチレバーの軸に対し垂直なステップ角を伴って接近している状態を示す。 ベースライン検出、及び、押し込みサイクルのリアルタイムな最適化の概要を示す図である。 フォースカーブの例を示す図である。変化のないベースライン部分が枠で囲われている。
本発明の一の観点によれば、サンプルと相互作用するための先端を有するプローブと、サンプル又はプローブを保持するためのナノスキャナーと、を含む走査型プローブ顕微鏡を制御する、以下の工程を含む方法が提供される。
−先端がサンプルに向かって移動する方向に沿った第1の方向(Z軸)に沿った、ナノスキャナーの伸張の監視する工程、及び
−ナノスキャナーの伸長が閾値より大きい又は小さい場合、付加アクチュエーターを用いて、第1の方向に沿ってプローブの高さを調節する工程
このような走査型プローブ顕微鏡は、サンプルを走査する物理的プローブを使用して、サンプル表面の画像又はマップを形成するように構成される。このような画像は、ラスタースキャンによって、点を結んだ線又は格子(グリッド)に沿って、プローブを機械的に移動させプローブ−表面間の相互作用を記録することにより得てもよい。
いくつかの実施態様において、走査型プローブ顕微鏡は、原子間力顕微鏡、化学間力顕微鏡、伝導性原子間力顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡及び磁気力顕微鏡を含む群から選ばれる。
いくつかの実施態様において、走査型プローブ顕微鏡は、少なくとも1μmの分解能を有する。本明細書の文脈において、分解能は、走査で得られた電荷、磁化又は力学的性質等の特性に基づいて走査型プローブ顕微鏡がサンプル上の2点を区別できる、2点間の最小距離を意味する。少なくとも1μmの分解能とは、顕微鏡が、互いに1μmを超えずに離れている2つの点を区別できることを意味する。少なくとも1μmの分解能は、より高い分解能も含む。1μmより高い分解能とは、顕微鏡が、1μm未満の距離を有する二つの点を区別できることを意味する。1μmより高い分解能の例は、0.5μm、0.1μm、10nm及び1nmである。
いくつかの実施態様では、このようなプローブは、電子によって、又はファンデルワールス力、機械的力、静電気力、吸着力、摩擦力若しくは磁力などの力によって、サンプルと相互作用するように構成される。
いくつかの実施態様では、プローブは、サンプルとプローブとの間の相互作用を記録するように構成される。この相互作用の記録は、例えば電流、電気的又は化学的ポテンシャルにおける差、静電容量の変化又は上述した力を検出することで行われる。
いくつかの実施態様では、プローブは、伝導性の走査チップ、カンチレバー及び光ファイバーを含む群から選ばれる。
いくつかの実施態様では、プローブは、さらに第1の方向(Z)と直交する第2及び第3の方向(X軸及びY軸)へも移動可能であり、第2及び第3の方向に沿って(つまりx−y平面において)サンプル表面を走査するように構成される。
いくつかの実施態様では、プローブはプローブアセンブリの一部分である。
いくつかの実施態様では、このような第1の方向に沿ったプローブの高さの調節は、プローブの先端がサンプル対し接近しすぎる又は離れすぎるのを防ぐように構成される。
いくつかの実施態様では、調節は、第1の方向に沿って、プローブを下降若しくは上昇させる、又はサンプルを上昇若しくは下降させることで行われる。
いくつかの実施態様では、サンプルはサンプルホルダーによって保持される。本明細書の文脈において、サンプルホルダーは、サンプルを保持するように構成される、装置又は支持体を意味する。
いくつかの実施態様では、サンプルホルダーは、スライドガラス、ペトリ皿又はテフロン(登録商標)製支持体である。
本明細書の文脈において、ナノスキャナーは、サブミクロン又は少なくともミクロンレベルで、上述の第1の方向に沿ってサンプル又はプローブを移動させるための装置を意味する。本明細書の文脈において、サブミクロン又はミクロンレベルとは、0.1μm、0.5μm、1μm、2μm、5μm、7μm又は10μmより大きくない刻みで、装置が第1の方向に沿ってサンプル又はプローブを移動させることができることを意味する。
いくつかの実施態様では、ナノスキャナーは、ピエゾ素子、又はボイスコイルモーターなどのリニアモーターである。
本明細書の文脈において、ピエゾ素子は、電流の印加によって変形することができるピエゾ材料によって構成される物体を意味する。このようなピエゾ素子は、少なくとも1方向に沿って伸張及び収縮可能である。
いくつかの実施態様では、ピエゾ素子は、適切な材料で作られている。そのような材料は、水晶又はセラミックス、例えば石英、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、タングステン酸ナトリウム、ニオブ酸ナトリウム、チタン酸ジルコン酸鉛又はビスマスフェライトである。
いくつかの実施態様では、ピエゾ素子は、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90又は100μmの範囲内で伸張又は収縮可能である。
本明細書の文脈において、ボイスコイルモーターは、磁気ハウジング及び電磁気コイルを含むモーターを意味し、磁気ハウジングと電磁気コイルとは互いに移動可能である(ハウジング内にコイルがある)。このような電磁気コイルは、芯に巻きつけられた導電性ワイヤを含む。モーター端子への電圧印加はモーターをある方向へ移動させ、その一方で、逆の極性の電圧印加はモーターをその反対方向へと移動させる。本明細書の文脈において、ボイスコイルモーターの伸張は、ボイスコイルモーターの移動又は上昇を意味する。ここで、最大伸張とは最大の動き又は上昇を意味し、最小伸張とは、移動又は上昇がゼロであることを意味する。
いくつかの実施態様では、磁気ハウジングは、鉄で構成されるハウジング内の永久磁石を含む。
いくつかの実施態様では、ボイスコイルモーターは、柔軟なヒンジ構造を付加的に含み、そのヒンジ構造は、プローブとハウジングの間のばねとして使用されてもよい。
いくつかの実施態様では、ナノスキャナーは、プローブ又はプローブアセンブリに直接連結される(上部降下機構)。
いくつかの実施態様では、ナノスキャナーは、サンプル又はサンプルホルダーに直接連結される(下部上昇機構)。
本明細書の文脈において、直接的な連結とは、ナノスキャナーと、プローブ、プローブアセンブリ、サンプル又はホルダーとの物理的接続を意味し、ここで物理的接続は、ナノスキャナーが、プローブ、プローブアセンブリ、サンプル又はサンプルホルダーを、上述のように少なくとも第1の方向に移動させることを可能にする。
いくつかの実施態様では、ナノスキャナーは、プローブ、プローブアセンブリ、サンプル又はサンプルホルダーを、上述のように第2及び3の方向に移動させるように構成される。
いくつかの実施態様では、閾値は、ナノスキャナーの最適な動作範囲に対応する。特にピエゾ素子においては、閾値はナノスキャナーの構造、デザイン、使用される材料に依存する。
いくつかの実施態様では、閾値は、ナノスキャナーの最適な動作範囲の上限値及び下限値に該当する。
本明細書の文脈において、アクチュエーターは、上述のピエゾ素子とは異なるメカニズム又はシステムを動かす又は制御するための、エネルギーを運動に変換する装置を意味する。
いくつかの実施態様では、このようなアクチュエーターは、電流、作動液圧力又は空気式圧力などのエネルギー源によって作動される。
いくつかの実施態様では、アクチュエーターは、空気圧モーター、液圧アクチュエーター、ピエゾアクチュエーター、櫛歯型アクチュエーター、リニアアクチュエーター又はモーター、電場応答性高分子、及びサーボモーター、ステッピングモーター又はコイルボイスモーターのような電気モーターを含む群から選ばれる。
1つの実施態様では、ナノスキャナーは、先端−サンプル相互作用力を一定に維持するよう、その伸長に着目して設計されている。
1つの実施態様では、ナノスキャナーの伸長は、プローブ先端−サンプル間の距離を一定に維持するよう構成されている。
1つの実施態様では、ナノスキャナーの伸長は、サンプルに対するプローブの押し込み深さを一定に維持するように構成されている。
1つの実施態様では、本発明の上述の観点及び/又は実施態様に係る方法は、予め設定されたピエゾ素子の伸長範囲より大きいコルゲーション(起伏)を有することを特徴とする表面を測定する際に、実施される。
1つの実施態様では、方法は、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90又は100μmより大きいコルゲーション(起伏)を有する表面を測定する際に、実施される。
1つの実施態様では、本発明の観点及び/又は実施態様に係るナノスキャナーの伸長の監視は、リアルタイムで行われる。本明細書の文脈において、リアルタイムとは、ナノスキャナーの伸長と、その伸長の記録との時間差が、1秒、0.1秒、10μ秒又は1μ秒以下であることを意味する。リアルタイムの監視は、ピエゾ素子の伸長とプローブの高さ調節との時間差が、1μ秒、10μ秒、100μ秒、1秒又は5秒以下であるような、プローブの高さのリアルタイムな調節を可能にする。
1つの実施態様では、上述のプローブは、カンチレバーである。
本明細書の文脈において、カンチレバーとは、一方の端のみにおいて固定されている梁(ビーム)又は腕(アーム)である。サンプルと先端との間の斥力又は引力によって引き起こされるカンチレバーのたわみは、例えば干渉計、又はカンチレバー背面に焦点が合わせられ、分割フォトダイオードへ反射されるレーザーによって、光学的に検出されてよい。ここで、フォトダイオードはカンチレバーのたわみを電圧の差として記録し、この差はナノメーターに変換することができる。別法として、カンチレバーのたわみはピエゾ素子によって検出してもよく、この場合、カンチレバーのたわみが電荷に変換される。
1つの実施態様では、カンチレバーは、カンチレバーアセンブリの一部分である。
1つの実施態様では、カンチレバーは、カンチレバーの先端が、ナノスキャナーの伸長によって上述の第1の方向に沿ってサンプルの方に押し動かされるように構成されている。
1つの実施態様では、走査プローブ型顕微鏡は、カンチレバーを有する原子間力顕微鏡である。
いくつかの実施態様では、本発明の方法は、凹凸又は大きなコルゲーション(起伏)を有することを特徴とする表面のAFM測定に使用される。
1つの実施態様では、本発明の方法は、生検サンプルのような組織サンプルのAFM測定に使用される。
1つの実施態様では、本発明の上述の観点及び/又は実施態様に係るプローブの高さの調節は、プローブを降下若しくは上昇させること、又はサンプルを降下若しくは上昇させることで行われる。
いくつかの実施態様では、上述の実施態様に係る降下又は上昇は、アクチュエーターと、サンプル、サンプルホルダー、プローブ又はプローブアセンブリとを直接連結することで行われる。ここでアクチュエーターは、サンプル、サンプルホルダー、カンチレバー又はカンチレバーアセンブリを、上述のように第1の方向に沿って移動させるよう構成されている。
1つの実施態様では、上述の観点及び/又は実施態様に係るプローブの高さ調節は、自動的に行われる。
1つの実施態様では、このような自動的な調節は、上述のアクチュエーター、又は、本発明の観点又は実施態様に係る方法を実行するようプログラムされたマイクロプロセッサによって行われる。
1つの実施態様では、マイクロプロセッサは、走査型プローブ顕微鏡法のための装置に組み込まれているか、又は、上述のアクチュエーター、若しくは装置を動作させるための制御手段若しくはコンピュータの一部分である。
1つの実施態様では、プログラムされたマイクロプロセッサは、ピエゾ素子の伸長を監視し、伸長が閾値に達した時に、アクチュエーターを動かし始めてプローブ又はサンプルの高さを調節する。マイクロプロセッサは、更に、第1の方向に沿ってある一定の距離で上昇又は降下が行われた時、アクチュエーターを停止させるよう構成される。
1つの実施態様では、ナノスキャナーの伸長が、最大伸長の5、10、15、若しくは20%より小さい、又は最大伸長の80、85、90若しくは95%より大きい時に、プローブの高さが調節される。このような実施態様には、ナノスキャナーの伸長を、最大伸長の5、10、15又は20%から最大伸長の80、85、90又は95%までの、最適な動作範囲に収めることができるという利点がある。最大伸長の0%においては、ナノスキャナーは最大限収縮している。
本明細書の文脈において、最大伸長とは、電流の印加による伸長によってナノスキャナーがとり得る、ナノスキャナーの長さの最大値を意味する。同様に、本明細書の文脈において、最小伸長又は最大収縮とは、電流の印加による収縮によってナノスキャナーがとり得る、ナノスキャナーの長さの最小値を意味する。
1つの実施態様では、プローブの高さの調節は、プローブ又はサンプルを、ナノスキャナーの最大伸長の5から30%の距離で上昇又は降下させることによって行われる。このような実施態様は、ピエゾ素子の最適動作範囲を維持するという利点がある。
1つの実施態様では、プローブの高さの調節は、プローブ又はサンプルを、ピエゾ素子の最大伸長の20%の距離で上昇させる又は降下させることによって行われる。
1つの実施態様では、プローブの高さの調節は、ナノスキャナーの伸長が最大伸長より50nm、100nm、200nm、500nm、700nm、1μ若しくは2μm短い時、又は最大収縮より50nm、100nm、200nm、500nm、700nm、1μ若しくは2μm長い時に行われる。このような実施態様には、ナノスキャナーの伸長を最適動作範囲に収めるという利点がある。
1つの実施態様では、プローブの高さの調節は、プローブ又はサンプルを少なくとも50nm上昇又は降下させることによって行われる。
1つの実施態様では、プローブの高さの調節は、プローブ又はサンプルを3μm上昇又は降下させることによって行われる。このような実施態様は、ピエゾ素子を最適動作範囲に収めるという利点がある。
いくつかの実施態様では、本発明の方法は、更に下記の工程を含む。
−表面のある点における、第2の方向と当該点の垂線との現在の角度を監視する工程、ここでプローブは当該点に向かって第2の方向に沿って移動している
−付加アクチュエーター及び少なくとも第2の付加アクチュエーターを、現在の角度が予め設定された所望の角度に近づくように制御する工程、ここで、特に、所望の角度はゼロである
本明細書の文脈において、表面の点における垂線とは、その点において、サンプルの表面に対して垂直な線又はベクトルを意味する。特に、表面の点における垂線とは、表面のその点における接平面に対する垂線と同義である。
この上述の実施態様の利点は、粗く凹凸のある曲面を有するサンプルを走査型プローブ顕微鏡法で測定している際に、プローブ、特にプローブ先端の、サンプル表面への最適な垂直的接近が継続的に実現されることである。
いくつかの実施態様では、上記現在の角度は、プローブの垂直及び平行(水平)方向のたわみを測定することで監視される。ここで、たわみは、干渉計、又はカンチレバー背面に焦点が合わせられ分割フォトダイオードへ反射されるレーザーによって検出され、このフォトダイオードは、カンチレバーのたわみを電圧の差として記録する。
いくつかの実施態様では、現在の角度は、記録された垂直押し込みのフォースカーブの形状から検出される。
いくつかの実施態様では、付加アクチュエーター、第2の付加アクチュエーター及び第3の付加アクチュエーターは、現在の角度が予め設定された所望の角度に接近するように制御される。
1つの実施態様では、付加アクチュエーター、第2の付加アクチュエーター及び第3の付加アクチュエーターの制御は、自動的に行われる。
1つの実施態様では、このような自動的な制御は、上述の付加アクチュエーター、第2の付加アクチュエーター及び特に第3の付加アクチュエーターも含む付加アクチュエーターによって実行される、又は、本発明の観点又は実施態様に係る方法を実行するようプログラムされたマイクロプロセッサによって実行される。
いくつかの実施態様では、本発明の方法は、更に下記の工程を含む。
a)サンプルのフォースカーブを測定する工程、ここでフォースカーブは接近カーブ及び収縮カーブを含む、
b)フォースカーブの最適なベースライン部分を検出する工程、
c)任意に、フォースカーブにおける接触点を検出する工程、
d)最適なベースライン部分と接近カーブ及び/又は収縮カーブとを、特に接触点の近傍にて比較する工程、及び
e)接近カーブ及び/又は収縮カーブと最適なベースライン部分との比較に基づいて、下記のうち1つを調節する工程
・プローブの高さ(垂直方向の位置)
・プローブの平行方向の位置(水平方向の位置) 又は
・角度
いくつかの実施態様では、a)からe)のうち少なくとも1工程が、自動的に行われる。いくつかの実施態様では、a)からe)の全ての工程が、自動的に行われる。
本明細書の文脈において、「最適なベースライン部分」とは特に、フォースカーブの一部分であって、アクチュエーターの変位(移動)の増加に伴ったたわみが実質的に測定できない部分を意味する。最適なベースライン部分は、特にフォースカーブのうち最も直線がフィットする部分である。
本明細書の文脈において、「接触点」とは、特に、カンチレバーの先端がサンプルに接触している時の、アクチュエーターの変位を意味する。接触点以前では、先端はサンプルに接していない。接触点以降では、先端はサンプルに対し押し込みをしている。
本明細書の文脈において,「接触点の近傍」とは、特に、接触点の周囲のピエゾ変位範囲を意味する。いくつかの実施態様では、この変位範囲は、接触点以前にあるベースラインの50%から、接触点以降にある押し込み深さの20%までである。
いくつかの実施態様では、最適なベースライン部分内、及び接触点の近傍において、接近カーブと収縮カーブとの距離が決定される。ここで、接触点の近傍における接近カーブと収縮カーブとの距離が、最適なベースライン部分内における接近カーブと収縮カーブとの距離の少なくとも2倍大きい時は、カンチレバーの先端以外の部分がサンプルに押し込まれており、カンチレバーは、サンプル表面と平行な方向すなわちカンチレバーの軸方向に沿って前方に動いている。
本明細書の文脈において「接触点以降」とは、カンチレバーの先端がすでにサンプルに押し込まれている時、特に、カンチレバーのたわみが観察される時のアクチュエーターの変位を意味する。
いくつかの実施態様では、接近カーブ及び/又は収縮カーブの形状、特に接触点以降の形状が分析される。接近カーブ及び/又は収縮カーブが接触点以降に2以上のたわみの段階を有する場合(換言すれば、1以上の折れ曲がり(キンク)を有する場合)、又は、接近カーブ及び/又は収縮カーブが接触点以降に2以上のたわみを表す特性を示す場合は、カンチレバーが先端に最適でない角度で接近しており、角度は修正される。
いくつかの実施態様では、接近カーブの始めの断片及び/又は収縮カーブの終わりの断片と、最適なベースライン部分とが比較される。アクチュエーター変位が500nmより大きい当該始めの断片が、最適なベースライン部分と実質的に等しくない場合、又は、押し込みサイクル3回以内に900nmまでのたわみ減少を示す場合に、カンチレバーの高さが調節される。
本発明の更なる観点によれば、サンプルと相互作用するための先端を有するプローブと、サンプル又はプローブを保持するためのナノスキャナーと、を含む走査型プローブ顕微鏡を制御する方法であって、以下の工程を含む方法が提供される。
−ある点における、方向とサンプル表面の垂線との現在の角度を監視する工程、ここで、プローブは当該方向に沿ってサンプルに向かって移動している
−第1の付加アクチュエーター及び少なくとも第2の付加アクチュエーターを、上記現在の角度が予め設定された所望の角度に接近するように制御する工程、ここで特に所望の角度はゼロである
この更なる観点は、先に述べた本発明の第一の観点による実施態様のいずれとも組み合わせてよい。
本発明の別の観点によれば、下記を含む走査型プローブ顕微鏡装置が提供される。
−当該先端を第1の方向に沿ってサンプルに向かって移動させるように構成されるプローブであって、サンプルと相互作用するための先端を有するプローブ、及び
−サンプル又はプローブを保持するためのナノスキャナー
ここで、走査型プローブ顕微鏡装置は、上述の第1の方向に沿った、ナノスキャナーの伸長を監視する手段と、プローブの高さを第1の方向に沿って調節するアクチュエーターと、アクチュエーターを制御する制御手段と、を含む。ここで、制御手段は、ナノスキャナーの伸長が予め設定可能な閾値より小さい又は大きい場合に、プローブの高さを調節するためにアクチュエーターを制御するように構成される。
これらナノスキャナー、プローブ、第1の方向及び閾値なる用語の意味は、先に説明した通りである。
いくつかの実施態様では、アクチュエーターは、プローブ又はサンプルを降下又は上昇させて、プローブの先端がサンプルに対し接近しすぎる又は離れすぎるのを防止する。
いくつかの実施態様では、このようなナノスキャナーの伸長を監視する手段は、レーザー若しくは干渉計を含む光学システム、ピエゾ素子の変位を電荷として記録できるピエゾセンサー、又は、伸長の精度を確保するために印加電圧だけでなく印加の結果生じる伸長をも監視するセンサーである。
いくつかの実施態様では、変位を監視するこのような手段は、ナノスキャナーに印加された電圧又は電流を読取る手段であり、ナノスキャナーを第1の方向に沿って移動させる、特に、先端とサンプルとの間の力を一定に維持するのに必要である。例えば、各ピエゾは、nm/V単位の固有の感度を有し、印加された電圧をピエゾ距離/変位に変換するために使用される。印加された電圧又は電流と、その結果生じるナノスキャナーの伸長とが特定の値に到達したら、上述のプローブの高さ調節が開始される。
本明細書の文脈において、制御手段とは、アクチュエーターに接続された制御部を意味する。
いくつかの実施態様では、制御手段は、マイクロプロセッサ又はコンピュータである。
いくつかの実施態様では、ナノスキャナーはプローブ又はサンプルに直接的に連結される。プローブがプローブアセンブリの一部分である場合には、ナノスキャナーは、プローブアセンブリに直接的に連結されていてもよい。
1つの実施態様では、ナノスキャナーは、プローブ先端−サンプル相互作用力を一定に維持するよう構成される。このような力については、すでに説明されている。
1つの実施態様では、ナノスキャナーは、プローブのサンプルへの押し込み深さを一定に維持するよう構成される。
1つの実施態様では、ナノスキャナーは、ピエゾ素子である。ピエゾ素子なる用語の意味は、先に述べた通りである。
1つの実施態様では、プローブは、カンチレバーである。カンチレバーなる用語の意味は、先に述べた通りである。
1つの実施態様では、ナノスキャナーは、上述の第1の方向に対し垂直である第2の方向に沿って移動可能である。
1つの実施態様では、装置は更に、サンプルを保持するためのサンプルホルダーを含む。サンプルホルダーなる用語の意味は、先に述べた通りである。サンプルがサンプルホルダーによって保持される場合、ナノスキャナーは、サンプルホルダーに直接的に連結されてもよい。
1つの実施態様では、本発明の装置は更に、少なくとも第2の付加アクチュエーターを含む。ここで、特に、付加アクチュエーター及び第2の付加アクチュエーターは、サンプル表面のある点における、第2の方向と当該点の垂線との角度を調節するよう構成される。ここで、プローブは、当該点に向かって、第2の方向に沿って移動されるよう構成される。
1つの実施態様では、本発明の装置は更に、第3の付加アクチュエーターを含む。ここで特に、付加アクチュエーター、第2の付加アクチュエーター及び第3の付加アクチュエーターは、第2の方向と上述の垂線との角度を調節するよう構成される。
1つの実施態様では、本発明の装置は更に、アクチュエーター制御部を含む。アクチュエーター制御部は、付加アクチュエーター、第2の付加アクチュエーター及び、特に第3の付加アクチュエーターをも、制御して上記角度を所望の角度に近づける。ここで、特に、所望の角度はゼロである。
1つの実施態様では、アクチュエーター制御部は、第2の方向と上記垂線との角度を監視するよう構成される。
これまで述べた実施態様の1つの利点は、このような装置によって、サンプル表面に対するプローブの接近が継続的に最適な垂直方向から行われることで、粗く凹凸がある曲面を有するサンプルに対して、走査型プローブ顕微鏡法、特にAFM測定を行うことを可能にすることである。
「実施態様」として記載した、プローブ、ナノスキャナー、走査型プローブ顕微鏡等の個々に分離可能な特徴の代替物は、いかなる場合でも自由に組み合わせられ、ここに開示される本発明の、別の実施態様を形成することができると理解されるべきである。
本発明は、更なる利点や実施態様の由来となり得る図面及び実施例によって、更に特徴づけられる。
実施例1
図1は、上部降下機構における本発明の実施態様の仕組みを示す。ピエゾ素子1は、カンチレバー2に直接連結される。ピエゾ素子1が第1の方向Rに最大伸長し、かつカンチレバー先端21とサンプル4表面との接触が失われた場合、制御手段31は、外部モーター3(アクチュエーター)を動かし始め、ピエゾ素子1の伸長が所望の伸長となるまで、第1の方向に沿ってカンチレバー先端21を表面へと降下させる。ピエゾ素子1が最大収縮し、かつカンチレバー先端21がサンプル表面4に所望でない力で押し込まれている場合、制御手段31は、外部モーター3を動かし始めてカンチレバー2を第1の方向Rに沿って上昇させ、ピエゾ素子1が所望の伸長となるようにする。
実施例2
図2は、下部上昇機構における本発明の別の実施態様の仕組みを示す。ここではピエゾ素子は、サンプルホルダー41に直接連結される。そして、カンチレバー2はカンチレバーホルダー25に連結されている。
実施例3
図3は、第1の方向Rに沿ったピエゾの垂直移動の仕組みを示す。ピエゾ素子1は、最大伸張12及び最大収縮11によって特徴づけられる。これら状態の間に、最適動作範囲13及び非最適動作範囲14に分割することができるピエゾ素子の動作範囲が存在する。第1の閾値15は、最適動作範囲13と非最適動作範囲14との境界の、最大収縮11側に位置している。第2の閾値16は、最適動作範囲13と非最適動作範囲14との境界の、最大伸張12側に位置している。
サンプルがあまりにも高くなり、ピエゾ素子1の収縮が閾値15に達した場合、例えばピエゾ素子1の収縮が最大伸張の20%未満又は最大伸長より2μm短い場合、制御手段31がモーターを作動させることになる。モーターは上方へ移動し、そしてピエゾの最適動作範囲13に戻る(例えば最大伸張12の20%から80%の間、又は2μmから最大伸張12より2μm短い長さの間)(図3)。ピエゾの伸長が最大伸張の80%又は最大伸長12まであと2μmとなる閾値16に達した場合、制御手段31は再びモーター3を起動するが、この場合は、モーターは下方に移動して最適ピエゾ動作範囲13(図3)に戻る。典型的には、カンチレバー2が伸張範囲の15μmいっぱいに伸長したピエゾ素子1と共に動作している場合、カンチレバー2は、例えば3μm降下又は上昇される。この値は、AFM及びモーター3の所与の組み合わせに合わせ、ユーザによって調節されてよい。
実施例4
図4は、本発明の一実施態様における仕組みを示す。この実施態様は、角度調節に関し、カンチレバー2、特にカンチレバー2の先端21の移動方向R2と、サンプル4表面との間の角度αが測定される。
図4Aは、カンチレバー2がサンプル4表面に対して垂直に向けられていない状況を表し、これはサンプル4に対してカンチレバー2の非最適な接近、及び不正確なAFM測定に帰結するものである。カンチレバー2の先端21は点53においてサンプルと接触する。この点は、カンチレバー2の移動方向R2に対して平行な軸51と、点53におけるサンプル4表面に対する垂直ベクトル又は線である垂線Nに対して平行な軸52と、の交点である。望ましい角度αはゼロであり、この場合プローブ2の移動方向R2が垂線Nと平行である、又は軸51が軸52と平行である。非最適で所望の角度でない角度によるAFM測定の結果は、図5に示される。
角度αの調節は、第1のアクチュエーター3及び第2のアクチュエーター32、加えて任意に、第3のアクチュエーター33(図4B)によって行われる。ここでは、第1のアクチュエーター3の収縮及び第2のアクチュエーター32の伸張、及び任意に第3のアクチュエーター33の伸張又は収縮によって、サンプル4がナノスキャナー1と共に傾けられる。この場合、移動方向R2と垂線Nとが実質的に平行になるまで、垂線Nがプローブ2の移動方向R2に近づけられる。第1のアクチュエーター3、第2のアクチュエーター32及び第3のアクチュエーター33の伸張又は収縮は、角度の監視同様、アクチュエーター制御部34によって行われる。このように修正された、望ましい最適角度によるAFM測定の結果は、図6に示される。
別法として、プローブ2は、プローブ2に取り付けられた第1のアクチュエーター3及び第2のアクチュエーター32によって傾けられてもよく、そうすることで、移動方向R2及び垂線Nが実質的に平行になるまで、プローブ2の移動方向R2は垂線Nに近づけられる。
角度αは、フォトダイオード24からの信号の測定によって監視することができる。レーザーの焦点はカンチレバーの背部に定められ、レーザーが分離フォトダイオード24へと反射されて、カンチレバー2の垂直及び平行方向のたわみが監視される。カンチレバー2の水平方向の実質的なたわみは、フォトダイオード24の反射レーザービームの変位によって観察することができる。従って、移動方向R2に沿って垂直に接近している間に、カンチレバー2の水平方向のたわみが実質的に存在する場合、角度αは調節される必要がある。また、角度αが最適かそうでないかは、記録された垂直押し込みのフォースカーブの形状に基づいて検知することができる。
実施例5:ベースラインの検出
1)線形ベースラインのスコア(点数)
たわみの値は、ばね定数、たわみ易さ、組織の硬さなどの、システムの様々なパラメーターに依存するので、たわみのカーブ全体をその最大値を用いて除算することによって、リスケールすることが重要である。この新しいカーブのノイズは、信号対雑音手段によって最もよく理解することができる。
人為的に作成される直線ベースラインは、MATLABにおいて設定された傾き及びオーバーレイされたホワイトガウスノイズを用いて得られる。これによって、それより上においてはカーブが理想的でないと認定するノイズの閾値及び傾きの閾値を決定することで、カーブの質に関して実際の数字で表現することが可能となる。専門知識に基づけば、MSE値がMSE0=5e−5であって傾きがSLOPE0=3e−5であるカーブがちょうど理想的なスコアを獲得する(換言すれば、これら2つの値が閾値となる)ことが明らかである。
設定した閾値より小さい値は1以下のスコアを獲得し、設定された閾値より大きい値は指数関数的に増加するスコアを獲得するという、指数関数的なスコア付けシステムが提案される。MSEの場合、MSEが10倍に増加するとスコアは3.3増加すると定義され、傾きの場合は、傾きが2倍になるとスコアが3.3増加すると定義される。
前提として、この式において、kMSE=2653、及びkslope=39800である。図2及び3を参照すれば、ベースラインのスコア付けについて、よりよく理解される。
全体のスコアは、各スコアを合わせたものであり、以下の式によって得られる。
A=0.5の場合のいくつかのカーブ及びそれらのスコアは、図9で確認できる。
2)非線形ベースラインのスコア
1)に述べた方法が、非線形の、実際のベースラインのスコア付けに使用される。このベースラインは、その全体を直線にフィットさせることもできる(全体のスコアが得られる)し、任意の数nの断片に分割することもできる(n個のサブスコアが得られる)。これらのサブスコアは、例えば平均をとることで、全体のスコアに使用することができる。
ここに示した考え方においては、計算集約型のアプローチがとられる。断片の大きさは、全データセットの百分率として定義される。各データ点全てに対して、断片の大きさに応じた数の点が付加される。そして、各断片が、上述した直線と見なされて分析される。その後、全ての断片のスコアの平均が得られ、全体のスコアとされる。図10は、このスコア付けシステムが、測定で得られたカーブの接近部分及び収縮部分をそれぞれどのようにスコア付けしたかを示す。スコアが1より大きい場合、カーブは破棄される。
特に、ベースラインのスコア付けは、次の工程を含む:
1.フォースカーブを、その最大値を目標値(setpoint)に合わせることによって、Y軸上でシフトさせる。
2.非接触領域のみを保有するために、シフトされたフォースカーブから、目標値に対する百分率分の末端が切取られる(たわみ切取りと称する)[例えば、10%]。
3.さらに、たわみが小さい接触領域部分を除いて非接触領域のみを保有するために、上記保有されたデータの末端から、全セットの百分率[例えば、10%]分が切取られる(ピエゾ切取りと称する)。この時点で保有されたデータセットを、非接触領域と想定する。
4.この保有されたデータセットは、同じ長さの断片又は様々な長さの断片を用いて分析することができる。
5.同じ長さ[例えば、保有されたデータセットの20%]の断片の場合、上記想定非接触領域の各点が、ベースラインのスコア付けに従って上述のように分析された所与の数の点を有する1断片にアタッチ(結合)される。全体に対するスコアは、全断片に対するスコアとなり、最良の断片は、最も低いスコアを有するものである。
6.様々な長さの断片の場合、始まりの断片長(例えば0.1)、断片乗数(例えば2)及び最大の断片長(例えば0.6)が定義される。工程5は、始まりの断片長から開始され、そして上記最大断片長が次の断片の長さより小さくなるまで、次の断片=前の断片断片乗数(NewSegment=OldSegmentSegmentMultiplier)が繰り返される。すべての断片のうち、最良の断片は最も低いスコアを有するものである。より大きな断片がより高いMSEを持つ傾向にあるので、より大きな断片のスコアに因数k<1を掛ける。ここで、kは、断片長を2倍にするとMSEが20%高くなるように算出することができる。全体のスコアは、最良の断片長を有するすべてのセグメントのスコアの平均である。
7.最良の断片の左側部分の値が切り取られて、直線に近似される。結果として生じた切片は、データセットから除かれる。その結果、ベースラインはたわみゼロの位置に置かれる。希望とあれば、傾きを全データセットから除去(傾き補正)してもよい。
実施例6:吸着部分の再構築による接触点検出
概要は、吸着部分及び鋸歯状に乱れた部分の無視、及び、ベースラインにおけるたわみと、初めの接触から遠く離れ、かつ大きなたわみを有する接触領域のいくつかの点と、を用いたカーブの再構築である。物理的背景(例えばヘルツ押し込み)又はエンピリカルな(つまり実績・経験に基づく)係数を用いたべき関数の使用によって、接触領域は近似され再構築される。図11はその一般概念を示す。
ヘルツ押し込みにおいては、力と押し込みとの間には次の相関が存在する。
ベースラインがゼロであり、かつ傾きがゼロ(最初の工程で修正済み)であるという条件を使用すると、再公式化でき、たわみd及びピエゾ変位wは、
として使用することができる。
ここで、bはスカラーであり、w0は接触点である。解析開始にあたっての主な関心は、ヘルツ押し込みが適用可能かどうかという点である。我々のケースにおいては、鋭い先端を使用した場合、ほとんどの場合において、先端移動は表面に対して完全に垂直でなく、それどころか、角度を持つ。これはパワーファクターに影響を及ぼす可能性がある。状況をより一般的に解析するために、下記の、より一般なアプローチが使用される。
このアプローチに従うために、固定値のアルファ(必ずしも2である必要はない)を用いたべき関数を、アルゴリズムによって実行する。すなわちアルゴリズムは、2パラメーターフィッティング(b,w)となる。どちらの場合においても、接触点は入力値ではなくフィッティングパラメーターである。そして、それゆえ、接触点を含む実際のデータを使用せずに、接触点の計算は可能である。
結果として得られるアルファは、変位を描写するための最良のべき関数のものと等しく、そして提案された値である2(ヘルツによる)又は以前に公表されたエンピリカルな値と比較することができる。アルファが材料パラメーターであるか、組織の硬さに依存するものである可能性があるため、どのようなアルファを用いるべきかに関するエンピリカルなガイドラインを作成することが更なる目的である。
このアルゴリズムは、接触点が吸着部分又は鋸歯状部分に存在し、かつ非常に大きなロバスト性を有する、解析が非常に困難なカーブの解析を可能にする。
特に、接触点の検出は、次の工程を含む:
1.ベースラインの解析及び切取りが、他の手段(例えばベースラインスコア付け)によって行われる。そして、全てのデータセットがシフトされ、たわみゼロの位置に置かれる。
2.最大たわみ値に対する百分率(例えば50%)及び大きなたわみを有する点が、カーブ全体を再構築するためのデータセットとして使用される。
3.上述の残されたデータが、予め設定されたアルファ値を用いてべき関数に当てはめられ、再構築されたカーブ(モデルフィッティング、発明の詳細な説明を参照)が得られる。アルファは1.5又は2(ヘルツによって提案されたように)のどちらにも設定することができる。又は、アルファは材料パラメーター(エンピリカルな一覧表に基づく)とすることもできる。
4.モデルフィッティングによって、最大たわみ時の弾性係数、押し込み及び傾きを計算することができる。
実施例7:カンチレバーは先端以外の部分でサンプルの押し込みをしている
カンチレバーの相異なる部分でサンプルの押し込みをしている間に記録されたフォースカーブは、図15(中央のパネル、下段のパネル)に示されるように、最終的な結果を実質的に偏らせる可能性がある。接近カーブ及び収縮カーブは、互いに反対で、かつ実際の接触領域から大きく外れて増加するたわみ値を表している。これは次のアプローチを組み合わせることにより検知される:
a.フォースカーブ再構築アプローチによって算出された接触点と、0未満のたわみ値を有する最初の点(右手側から探す)とが比較される。乱れのないカーブのセットにおいては、これら2点は互いに近くにあるべきである。
b.接近カーブ及び収縮カーブは共に、ゆっくりとしたたわみの増加を示し(カンチレバーの接触によって乱される)、その結果として接触領域は通常よりも大きくなり、結果として生じるたわみの偏位は反対方向になる。これは、接近カーブと、収縮カーブの負の部分との比較によって認識される。
c.接近及び収縮カーブの間の領域が、ベースラインの変化のない部分(図13、枠で囲った領域)において測定された値よりも大きい時、特に、最適なベースライン部分は変化のないベースラインの断片(最良部分)である可能性がある。
d.カンチレバーの接触(たわみのゆっくりとした増加)と実際の先端接触(急激な増加をともなう乱れのないフォースカーブ)との間に転換点があるので、カーブの第1番目の導関数と第2番目の導関数とは、不連続となる。
この問題を検出し克服することができるであろうAFM分野における既存の解決策は、存在しない。したがって、標準的なAFMによって記録された大量のデータは、この問題に由来する偏りを有する。
カンチレバーの垂直移動及び水平移動の絶対的な信号に基づいても(フォトダイオード検出)、カンチレバーのどの部分がサンプルの押し込みをしているのかを識別することは不可能である。さらに、フォースカーブを目視で確認している場合には、押し込みが排他的に先端によって行われておらず、かつ最適に行われていないことが明らかとならないことが、非常によく起こる。
したがって、カンチレバーが最適にサンプルの押し込みを行っているかどうかを検知するアルゴリズムが提供される。特に、このアルゴリズムは、押し込みサイクルが以下の工程を伴って行われているかを検出可能である。
1.フォースカーブの最適なベースライン部分の検出(上記参照);
2.フォースカーブの接触点の検出(上記参照);
3.分離が接触点近くのベースライン断片内にある場合、カンチレバーの先端以外の部分による押し込みがあると検出される。分離が見られる断片における接近フォースカーブが線形挙動を示す場合、カンチレバー背部による押し込みがある。分離が見られる断片における接近フォースカーブが線形挙動を示さない場合、カンチレバー前部による押し込みがある。
4.カンチレバー前部による押し込みがあると検出された場合、カンチレバーは引き戻され、かつカンチレバーの軸(サンプル表面と平行)に沿って前方に移動されて、その状態で押し込みサイクルが行われる。この工程は、フォースカーブがカンチレバーの前部による押し込みに特異的な特徴を示さなくなるまで、繰り返される。
5.カンチレバー背部による押し込みがあると検出された場合、カンチレバーは引き戻され、かつカンチレバー軸に沿って後方に移動されて、この状態で押し込みサイクルが行われる。この工程は、フォースカーブがカンチレバー背部による押し込みに特異的な特徴を示さなくなるまで、繰り返される。
最適な押し込みによって特徴づけられたフォースカーブの例は、図15の上のパネルに示されている。ここで、カーブの接近部分及び収縮部分はともに、軸全体に沿って平行である。前部による押し込みによって特徴づけられたフォースカーブの例は、図15の中央のパネルに示されている。ここで、接触点の近傍において、接近カーブと収縮カーブは分離している(例えば、分離部分)。ここで、接近部分は、分離の最後の部分において非線形になっていく(カーブの右手側)。背部による押し込みによって特徴づけられたフォースカーブの例は、図15の下のパネルに示されている。ここで、接触点の近傍において、接近カーブと収縮カーブは分離している(例えば、分離部分)。収縮部分は、分離の最後の部分においてより非線形的(カーブの右手側)であり、その一方で接近カーブは、軸全体に沿ってさらにより線形的である。
このアルゴリズムは、上述のように1回の押し込みサイクルに使用され得るが、押し込みを行う区域の最適化プロトコルの一部としても使用可能であり、この場合、サンプル中の、新たな目的区域が押し込み試験に適しているかについて簡便に試験される。非最適な押し込みのある小区域(sub-segment)の存在可能性を考慮し、まず、3×3又はそれより大きい押し込みアレイが均一に分散された目的区域が、1)及び2)のアルゴリズムを用いて検証される。目的区域のとある部分が非最適な小区域であると認定された場合、その小区域は測定対象から削除され、目的区域あたりの全押し込み区域と接触することを保つため、好ましくは最適押し込み小区域の近傍にある、押し込みをする可能性のある新たな小区域が走査される(図14)。
実施例8:先端は、サンプル表面に最適にではなく接近している
最適でない押し込みサイクルは、最終結果に影響を及ぼす。多くの場合粗面を有する生物学的なサンプルの場合、このことが実質的に問題となる。図15は、先端の接近が非最適である場合のフォースカーブの例を示す。
現在、押し込みサイクルを検出及び修正することができるシステムは存在しない。
フォトダイオードからの読取り値、及び接近フォースカーブ及び収縮フォースカーブに特異的な特徴の分析に基づいて、ここに示されるアルゴリズムは、ハードウェアを制御することで押し込みサイクルを修正及び最適化できる。
特に、アルゴリズムは以下の工程を含む;
1.フォースカーブの最適なベースライン部分の検出(上記参照)。
2.フォースカーブの接触点の検出(上記参照)。
3.フォースカーブの分析。このフォース−ディスタンスカーブは、当該カーブの様々な量が各セグメントによって包含されるよう、フォースカーブの接触点(図5のx0、y0)から始まる複数の断片に分割される。これら断片は、標準的な単一材料のたわみという仮定の下でフィッティングされる。段階間の転換点においては(図5のx1、y1)、RMSEは増加し、もはや単一材料という仮定が妥当とはいえなくなる。従って、新しい段階の始まりは、x0からx1及びx1からxnの間に位置する各断片のRMSEの比較によって認知される。第2の段階に対しても、転換点x1(新しい材料の始点)を新しい接触点として使用して、同じアルゴリズムが適用される。xnに到達するまで、このサイクルが繰り返される(図5)。
4.フォトダイオードからの垂直及び水平の信号が記録される。
5.フォースカーブの接近及び/又は収縮部分に、2つ、3つ又はそれより多い、区別可能な段階がある場合は(例えば、図5に示されるフォースカーブにおいて、青色で示される接近たわみの断片には2つの段階がある)、先端による押し込みが最適でないと認定され、フォトダイオードの水平セグメントからのシグナルに基づいて角度が修正され、特徴的な性質がなくなるまで調節工程が繰り返される。
実施例9:サンプルにおける異なる構造は異なるたわみ及び吸着性を示し、使いやすい(速く正確な)測定を保証するためにはピエゾ範囲の動的な調節が必要となる。
押し込みサイクルは、サイクルの終わりに先端がサンプルとの接触から離れることができるような十分な長さを有する必要がある(例えば、収縮フォースカーブは、変化のないベースライン部分で終了すべきである)。そうでなければ、次の押し込みサイクルはサンプルと先端とが接触した状態で始まってしまう。図12はベースラインの検出及びリアルタイムの押し込みサイクル最適化を示す。
再現性のある測定には、接近速度及び収縮速度が一定であることが要求され、このことは、押し込み距離が大きい場合には、各押し込みサイクルの時間が増加することを意味する。10,000以上の押し込みサイクルが行なわれる標準的な生物学的試料の測定では、動的なリアルタイムの押し込み距離調節は、正確性を維持しつつ、測定全体に要する時間を実質的に短縮する。
現在、押し込み距離の動的でリアルタイムな最適の調節はない。現在のアプローチは旧来のものである。つまり、生物学的試料を測定する場合、押し込み距離の予測最大値は(例えば25μm)、押し込みの深さ及び吸着に依存せず設定される。これは押し込みサイクルの終了時に先端が接触した状態から離れた状態をとることを可能にしている。しかしながら、しばしば、サンプルのいくつかの部位はより硬く低い吸着性を有し、そこでは押し込み範囲を大きくする必要はない(図13)。
再現性のある測定には、接近速度及び収縮速度が一定であることが要求され、このことは、押し込み距離が大きい場合には、各押し込みサイクルの時間が増加することを意味する。10,000以上の押し込みサイクルが行なわれる標準的な生物学的試料の測定では、動的なリアルタイムの押し込み距離調節は、正確性を維持しつつ、測定全体に要する時間を実質的に短縮する。
変化のないベースライン部分を短時間で検出することができる、この進歩的なアルゴリズムによってのみ、押し込み距離のリアルタイム調節が可能である。この進歩的なアルゴリズムは、円滑な動作を確保するためにハードウェアを直接制御している。このアルゴリズムは、いくつかの数学的な式及び概念からなる。
特に、この先進的なアルゴリズムは、次の工程を含む:
1.フォースカーブを、サブスコアのためのベースライン検出アルゴリズムを用いて解析する(上記参照)。
2.そのサブスコアに基づいて、変化のない領域の範囲が検出される(図13における赤い長方形)。
3.第1番目の/始めのベースライン断片が、変化のない(例えば、吸着がなく水平)ものであるとスコア付けされ、ベースライン断片が500nmより大きく、かつ直前3回以内の押し込みサイクルにおいて距離に900nmまでの減少傾向がない場合、カンチレバーは調節されない。
4.第1番目の/始めのベースライン断片が変化のない(例えば、吸着がなく水平)ものであるとスコア付けされ、ベースライン断片が500nmより大きく、かつ直前3回以内の押し込みサイクルにおいて距離に900nmまでの減少傾向がある場合、押し込み距離は、直前3回の押し込みサイクルの減少部分の平均値だけ、増加される。
5.第1番目の/始めのベースライン断片が変化を有する(例えば、吸着を伴い水平でない)ものであるとスコア付けされた場合、又は、500nmより小さい場合、妥当性確認のために、現在の点で押し込みサイクルが繰り返される。確認後、ベースライン断片が変化を有するものであるとスコア付けされた場合は、押し込み距離は500nmまで増加され、一方、確認後のベースライン断片が変化を有さないものであるとスコア付けされた場合には、カンチレバーは調節されない。
6.検出された750nmより大きいベースライン全てについて、第1番目の/始めのベースライン断片が750nmの長さになるよう、押し込みサイクルの距離が減少される。
特に、接触点アルゴリズムがこの進歩的なアルゴリズムに使用される。これは、検出範囲をよりよいものに限定する(例えば、たわみ領域を削除する)ためである。
100 本発明の原子間力顕微鏡
1 ピエゾ素子
11 最大収縮
12 最大伸長
13 最適動作範囲
14 非最適動作範囲
15 カンチレバー上昇の閾値
16 カンチレバー下降の閾値
2 カンチレバー
21 カンチレバー先端
22 レーザー
23 鏡
24 フォトダイオード
25 カンチレバーホルダー
3 モーター
31 制御部
32 第2のモーター(第2の付加アクチュエーター)
33 第3のモーター(第3の付加アクチュエーター)
34 アクチュエーター制御部
4 サンプル
41 サンプルホルダー
51 第2の方向に沿った軸
52 垂線に沿った軸
53 サンプル表面の点(51及び53の交点)
R 第1の方向
R2 第2の方向
N 垂線
α 51と53との間の角度


Claims (19)

  1. サンプル(4)と相互作用するための先端(21)を有するプローブ(2)と、前記サンプル(4)又は前記プローブ(2)を保持するためのナノスキャナー(1)と、を含む走査型プローブ顕微鏡を制御する方法であって、
    前記先端(21)が前記サンプル(4)に向かって移動する方向に沿った第1の方向(R)に沿った、前記ナノスキャナー(1)の伸張を監視する工程、及び、
    前記ナノスキャナー(1)の伸長が閾値より小さい又は大きい場合、付加アクチュエーター(3)を用いて、前記第1の方向(R)に沿って前記プローブ(2)の高さを調節する工程
    を含む、方法。
  2. 前記ナノスキャナー(1)はピエゾ素子である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プローブ(2)はカンチレバーである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記調節は、前記プローブ(2)を下降させる若しくは上昇させること、又は前記サンプル(4)を下降させる若しくは上昇させることによって行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記高さは、前記ナノスキャナー(1)がその最大伸張の20%以下の伸張又は80%以上の伸張を示した時に調節される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記高さは、前記ナノスキャナー(1)の最大伸張の10%から30%まで、前記プローブ(2)又は前記サンプル(4)を下降させる又は上昇させることで調節される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ナノスキャナー(1)が、
    前記ナノスキャナーの最大伸張より50nm、100nm、200nm、500nm、1μ又は2μmより小さい、又は、
    前記ナノスキャナーの最大収縮より50nm、100nm、200nm、500nm、1μ又は2μmより大きい
    伸張を示した時は、必ず前記高さが調節される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記プローブ(2)又は前記サンプル(4)を50nmから3μmの範囲の距離で下降させる又は上昇させることによって、前記高さを調節する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 表面の点(53)における、第2の方向(R2)と前記サンプル(4)の表面の垂線(N)との間の現在の角度(α)を監視する工程、及び
    前記付加アクチュエーター(3)、及び少なくとも第2の付加アクチュエーター(32)を制御して、前記現在の角度(α)を予め設定された望ましい角度に近づける工程、
    をさらに含み、
    前記監視する工程では、前記プローブ(2)は、前記第2の方向(R2)に沿って前記点(53)に向かって移動しており、前記望ましい角度は特に、ゼロである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記付加アクチュエーター(3)、前記第2の付加アクチュエーター(32)、及び第3の付加アクチュエーター(33)を制御することで、前記現在の角度(α)を予め設定された望ましい角度に近づける、請求項9に記載の方法。
  11. a)前記サンプルの、接近カーブ及び収縮カーブを含むフォースカーブを測定する工程、
    b)前記フォースカーブの最適なベースライン部分を検出する工程、
    c)任意に、前記フォースカーブの接触点を検出する工程、
    d)前記最適なベースライン部分と前記接近カーブ及び/又は前記収縮カーブとを、特に前記接触点の近傍において比較する工程、及び
    e)前記比較に基づいて、下記のうち1つを調節する工程
    ・前記プローブの前記高さ、
    ・前記プローブの水平方向の位置、又は
    ・前記角度
    をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. プローブ(2)の先端(21)がサンプル(4)に向かって第1の方向(R)に沿って移動するように構成されている、前記サンプル(4)と相互作用するための先端(21)を有するプローブ(2)と、
    前記サンプル(4)又は前記プローブ(2)を保持するためのナノスキャナー(1)と、
    を含む、走査型プローブ顕微鏡装置(100)であって、
    前記第1の方向(R)に沿った前記ピエゾ素子の伸張を監視するための手段と、前記第1の方向(R)に沿って前記プローブ(2)の高さを調節するためのアクチュエーター(3)と、前記アクチュエーター(3)を制御するための制御手段(31)と、を含み、
    前記制御手段(31)は、前記ナノスキャナー(1)の伸長が閾値より小さい又は大きい場合に、前記プローブ(2)の前記高さを調節するために前記アクチュエーター(3)を制御するよう構成される
    ことを特徴とする、走査型プローブ顕微鏡装置(100)。
  13. 前記ナノスキャナー(1)はピエゾ素子である、請求項12に記載の装置。
  14. 前記プローブ(2)はカンチレバー(2)である、請求項12又は13に記載の装置。
  15. 前記ナノスキャナー(1)が第2の方向に沿って移動可能であり、前記第2の方向は前記第1の方向(R)と垂直である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 前記サンプル(4)を保持するためのサンプルホルダー(41)をさらに含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 少なくとも第2の付加アクチュエーター(32)をさらに含み、
    特に前記付加アクチュエーター(3)及び前記第2の付加アクチュエーター(32)は、現在の角度(α)を調節するよう構成され、
    前記現在の角度は、表面の点(53)における、前記第2の方向(R2)と前記サンプル(4)の表面の垂線(N)との間の角度であり、
    前記プローブは前記第2の方向(R2)に沿って前記点(53)まで移動するよう構成される、請求項12〜16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 第3の付加アクチュエーター(33)をさらに含み、
    特に、前記付加アクチュエーター(3)、前記第2のキュレーター(32)、及び前記第3のアクチュエーター(33)は、前記第2の方向(R2)と前記垂線(N)との間の前記角度(α)を調節するよう構成される、請求項17に記載の装置。
  19. アクチュエーター制御部(34)をさらに含み、
    前記アクチュエーター制御部(34)は、前記角度(α)を望ましい角度に近づけるために、前記付加アクチュエーター(3)、前記第2の付加アクチュエーター(32)、及び、特に前記第3の付加アクチュエーター(33)も制御するよう構成され、ここで特に前記望ましい角度はゼロである、請求項17又は18に記載の装置。


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