JP2015533501A - インドリン誘導体の調製方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、一般には有機化学の分野に関し、特にインドリン誘導体の調製に関する。これらのインドリン誘導体は、シロドシンまたはそれらの誘導体など医薬として活性な作用剤の合成における中間体として使用できる。
Description
本発明は、一般には有機化学の分野に関し、特にインドリン誘導体の調製に関する。これらのインドリン誘導体は、シロドシンまたはそれらの誘導体など医薬として活性な作用剤の合成における中間体として使用できる。
インドリン部分を含む化合物は、有効な医薬として活性な作用剤を調製するための重要な中間体である。例えば、シロドシン(1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−[(2R)−({2−[2−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル}アミノ)プロピル]インドリン−7−カルボキサミド)は、高い尿路選択性を有するα1−アドレナリン作用受容体アンタゴニストで、良性前立腺肥大症の治療に特に適している。
EP0600675A1およびSorbera L.A.ら、「Drugs of the future」、26巻、第6号、2001年、552−560頁は、それぞれ、構造式
JP2001−199956は、式
Sorbera L.A.ら、「Drugs of the future」、26巻、第6号、2001年、552−560頁
本発明の目的は、シロドシンまたはそれらの誘導体など医薬として活性な作用剤の調製に価値のある鍵中間体となる、インドリン誘導体を調製する改良された方法を提供することである。
(発明の要旨)
以下の項目にまとめられているように、本発明の様々な態様、利点を有する特性および好ましい実施形態が、それぞれ単独でまたは組合せで、本発明の課題を解決することに寄与している。
以下の項目にまとめられているように、本発明の様々な態様、利点を有する特性および好ましい実施形態が、それぞれ単独でまたは組合せで、本発明の課題を解決することに寄与している。
(1)式II
R1は、CN、NH2、NO2、ハロゲンおよびカルバモイルに変換可能な基からなる群から選択され、
R2は、H、N保護基、−(CH2)n−O−R3および−(CH2)n−O−CO−R4からなる群から選択され、ここでn=1から10であり、
R3は、ヒドロキシ保護基またはHであり、R4およびR5は互いに独立して、置換もしくは非置換C1−C10アルキルまたは置換もしくは非置換C3−C10アリールまたは置換もしくは非置換C3−C10アルキルアリールから選択される。)
のキラルアミン化合物を調製する方法であって、
式I
本明細書で使用される用語「ヒドロキシ保護基」とは、水酸基を保護するために使用することができる、当分野で周知のいかなる基をも意味するが、ただし前記ヒドロキシ保護基を選択的に除去する開裂条件は、式IIの化合物またはそれらの誘導体の構造に悪影響を与えない。
本明細書で使用される用語「アミノ保護基」とは、アミノ基を保護するために使用することができる、当分野で周知のいかなる基をも意味するが、ただし前記アミノ保護基を選択的に除去する開裂条件は、式IIの化合物またはそれらの誘導体の構造に悪影響を与えない。
本明細書で使用される用語「アルキル」とは、直鎖、分枝鎖または環状炭化水素を意味する。
本明細書で使用される用語「アリール」とは、炭化水素アリール、好ましく単一または縮合6員環、より好ましくはフェニルまたはナフチル、特にフェニルを意味する。
本明細書で使用される用語「アルキルアリール」とは、前述のアリール部分が、アルキル鎖の近位端もしくは遠位端の一端で、または、前述のアルキル鎖とアルキル鎖との間に、いずれかで、前述の直鎖もしくは分枝鎖アルキル部分に組み込まれていることを意味する。例えば、近位端とは、式IまたはIIの化合物のインドリン環部分に隣接するR1などを意味し、一方遠位とは、前記インドリン環部分から最も遠い、アルキル部分の末端炭素を意味する。
本明細書で使用される用語「置換」とは、ある構造部分の1個以上、好ましくは1−3個の水素原子が、置換基の対応する数だけそれぞれ互いに独立して置き換わっていることを意味する。具体的な置換基としては、それらだけに限定はされないが、例えばハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、−NR’、−OR’、−N(R’)R”およびR’’’が挙げられ、R’、R”およびR’’’はそれぞれ、直鎖または分枝鎖C1−C6アルキルからなる群から選択される。置換基は、置換基の導入が化学的に可能な位置にあること、すなわち、不適当に努力することなく、特定の置換が可能であるかどうか(実験的または理論的のいずれか)判断する、同業者に周知または明らかである位置にあることが理解される。例えば、不安定である置換基または本明細書に開示されている反応に影響を与えるおそれがある置換基は、省略することができる。R4およびR5は非置換であることが好ましい。
本明細書で使用される用語「ω−トランスアミナーゼ」とは、ケト化合物をアミノ化合物へ変換する、および逆も同様に変換する酵素を意味する。ω−トランスアミナーゼは、酵素委員会(EC)番号EC2.6.1を有する酵素クラスに属する。
本明細書で使用される用語「アミン供与体」とは、アミノ基転移反応においてそのアミノ基を基質に供与する化合物を意味し、このアミン供与体のアミノ基はケト基に変換される。
(2)ω−トランスアミナーゼが(R)−選択的であり、好ましくはこの(R)−選択的ω−トランスアミナーゼが、(R)−アルスロバクター属種((R)−Arthrobacter sp.)、ヒポモナス・ネプツニウム(Hyphomonas neptunium)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)およびアルスロバクター第11ラウンド突然変異体(Arthrobacter round 11 mutant)からなる群から選択される生物、好ましくは、(R)−アルスロバクター属種およびアスペルギルス・テレウスからなる群から選択される生物、より好ましくは(R)−アルスロバクター属種からなる群から選択される生物に由来する、第(1)項に記載の方法。
本明細書で使用される用語「(R)−選択的」とは、式Iのプロキラルなカルボニル基質を、その(R)−鏡像異性体の形態で、選択的にまたは本質的に選択的に、式IIの対応するアミン化合物に変換する、ω−トランスアミナーゼ酵素を意味する。
本明細書で使用される用語「鏡像異性体」とは、互いに鏡像であるが、重ならない2つの立体異性体を意味する。本明細書で使用される記号「(R)」および「(S)」は、当業界で周知のCahn Ingold Prelog法(CIP法)によって決定される、それぞれの化合物のキラル中心における絶対配置を示す(例えば、M.B.Smith、J.March、「March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions、Mechanisms and Structure」、6th edition、John Wiley&Sons,Inc.、 155−158頁を参照)。例えば、(R)−配置にある式II’の化合物は以下の構造式を有する
本明細書で使用される用語「アルスロバクター第11ラウンド突然変異体」とは、C.K.Savileら、Science 2010年、329、305−309頁に開示された、アルスロバクター突然変異体の調製方法において第11回目の突然変異の後に得られ、同定された突然変異体を意味する。
(3)ω−トランスアミナーゼが、クロモバクテリウム・ビオラセウム(Chromobacterium violaceum)、ヒポモナス・ネプツニウム、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、(R)−アルスロバクター属種、アスペルギルス・テレウス、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)およびアルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citreus)から選択される生物、好ましくはシュードモナス・フルオレッセンスおよび(R)−アルスロバクター属種から選択される生物に由来する、第(1)項または第(2)項に記載の方法。
上の第(2)項および第(3)項において定義されているω−トランスアミナーゼ酵素は、原形で天然形にある、または改変された、いわゆる突然変異体形にある、上に示した細菌類および菌類に由来することができる。
本明細書で使用される用語「突然変異体」とは、アミノ酸配列またはそれらの部分配列において、1個以上、好ましくは1個もしくは複数個のアミノ酸の欠失、置換、付加もしくは挿入を含む突然変異体をいい、または、そのアミノ酸配列またはそれらの部分配列と、約80%以上の同一性、約85%以上の同一性、好ましくは約90%以上の同一性、より好ましくは約95%以上の同一性、約97%以上の同一性、約98%以上の同一性もしくは約99%以上の同一性を示す突然変異体をいう。かかる突然変異体の例には、同一種の細菌類または菌類の内(例えば品種)で、多型変異に基づく突然変異体など、天然の細菌類または菌類およびそれらの天然突然変異体とは異なる、細菌種または菌類種のホモログが含まれる。本明細書で使用される用語「複数」は、10、9、8、7、6、5、4、3または2の整数をいう。
例えば、アルスロバクターω−トランスアミナーゼの場合、突然変異体は、C.K.Savileら、「Biocatalytic Asymmetric Synthesis of Chiral Amines from Ketones Applied to Sitagliptin Manufacture」、Science 2010年、329、305−309頁に開示されている突然変異体から選択されることが好ましい。
(4)アミン供与体が、アラニン、1−エチルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、1−インドールアミン、フェネチルアミンなどからなる群、好ましくはアラニンおよび2−プロピルアミンからなる群、より好ましくは2−プロピルアミンからなる群から選択される、第(1)項から第(3)項のいずれか一項に記載の方法。
(5)式IIのキラルアミン化合物が光学的に活性である、第(1)項から第(4)項のいずれか一項に記載の方法。
本明細書で使用される用語「光学的に活性」とは、エナンチオピュアな鏡像異性体または同一化合物の鏡像異性体の混合物を意味し、本混合物において、一方の鏡像異性体の量的含量がまさっている。「光学的に活性」は、式IIの化合物が、以下の第(6)項に定義される鏡像異性体過剰率を有することを意味することが好ましい。
用語「鏡像異性体」の意味に関しては、上の第(2)項での説明を参照する。
(6)式IIの光学的に活性なアミン化合物が、少なくとも60−100%の鏡像異性体過剰率を有し、好ましくは75−100%の鏡像異性体過剰率を有し、より好ましくは85−100%の鏡像異性体過剰率を有し、さらにより好ましくは90−100%の鏡像異性体過剰率を有し、またさらにより好ましくは95−100%の鏡像異性体過剰率を有し、特に99−100%の鏡像異性体過剰率を有する、第(5)項に記載の方法。
本明細書で使用される用語「鏡像異性体過剰率」とは、ある光学的に活性な化合物の一方の鏡像異性体の百分率と、光学的に活性な同一化合物の他方の鏡像異性体の百分率との間の差を意味する。例えば、75%のR−鏡像異性体および25%のS−鏡像異性体を含有する光学的に活性な化合物は、R−鏡像異性体の50%の鏡像異性体過剰率を有する。
(7)前記方法が、16−40℃の反応温度で実施され、好ましくは20−36℃の反応温度で実施され、より好ましくは24−34℃の反応温度で実施され、さらにより好ましくは26−32℃の反応温度で実施され、および/または
ω−トランスアミナーゼがアルスロバクター第11ラウンド突然変異体である場合、前記方法が35−50℃の反応温度で実施され、好ましくは40−45℃の反応温度で実施される、第(1)項から第(6)項のいずれか一項に記載の方法。
ω−トランスアミナーゼがアルスロバクター第11ラウンド突然変異体である場合、前記方法が35−50℃の反応温度で実施され、好ましくは40−45℃の反応温度で実施される、第(1)項から第(6)項のいずれか一項に記載の方法。
用語「アルスロバクター第11ラウンド突然変異体」の意味に関しては、上の第(2)項での説明を参照する。
(8)式Iの化合物が、反応混合物において1から200mMの濃度で供給され、好ましくは5から150mMの濃度で供給され、より好ましくは10から100mMの濃度で供給され、特に15から50mMの濃度で供給される、第(1)項から第(7)項のいずれか一項に記載の方法。
(9)式Iの化合物とアミン供与体のモル比が、1:5から1:40、好ましくは1:8から1:30、より好ましくは1:10から1:26、最も好ましくは1:20から1:25である、第(1)項から第(8)項のいずれか一項に記載の方法。
(10)ω−トランスアミナーゼが、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、易透過処理されたE.コリ(E.coli)細胞の形態で供給され、または粗酵素抽出物もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給され、または(部分)精製酵素調製物もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給され、または固定化調製物として供給され、好ましくはω−トランスアミナーゼが、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、易透過処理されたE.コリ細胞の形態で供給され、より好ましくは任意の酵素溶液の凍結乾燥残渣の形態で供給される、第(1)項から第(9)項のいずれか一項に記載の方法。
(11)第(10)項に記載されているあらゆる形態での、ω−トランスアミナーゼを過剰発現しているE.コリ細胞の質量と式Iの化合物のモル量との比が、10g/1molから2000g/1molである、第(10)項に記載の方法。
(12)アミン供与体がアラニンである場合、反応混合物が、アラニン脱水素酵素(Ala−DH)、ギ酸脱水素酵素(FDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ピリドキサール−5’−フォファット(PLP)およびギ酸アンモニウムをさらに含む、第(1)項から第(11)項のいずれか一項に記載の方法。
(13)アミン供与体がアラニンである場合、反応混合物が、アラニン脱水素酵素(Ala−DH)、ブドウ糖脱水素酵素(GDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ピリドキサール−5’−フォファット(PLP)およびブドウ糖およびアンモニウム塩をさらに含み、または代替的に、反応混合物が、アラニン脱水素酵素(Ala−DH)、亜リン酸脱水素酵素(PTDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ピリドキサール−5’−フォファット(PLP)および亜リン酸アンモニウムをさらに含む、第(1)項から第(11)項のいずれか一項に記載の方法。
(14)式II
R2は、H、N保護基、−(CH2)n−O−R3または−(CH2)n−O−CO−R4からなる群から選択され、ここでn=1から10またはHであり、
R3は、ヒドロキシ保護基またはHであり、R4およびR5は互いに独立して、置換もしくは非置換C1−C10アルキルまたは置換もしくは非置換C3−C10アリールまたは置換もしくは非置換C3−C10アルキルアリールから選択される。)
の光学的に活性なキラルアミン化合物を調製する方法であって、
i)式II
の化合物の第1型および第2型の鏡像異性体の混合物をω−トランスアミナーゼの存在下でアミン受容体と反応させて、式IIの化合物の第1型の鏡像異性体を式I
の化合物に変換する工程、および
ii)反応混合物から、式IIの化合物の残りの未反応の第2型の鏡像異性体を分離する工程
を含む方法。
用語「アルキル」、「アリール」、「アルキルアリール」、「置換」、「ω−トランスアミナーゼ」および「N保護基」の意味に関しては、上の第(1)項を参照する。用語「鏡像異性体」の意味に関しては、上の第(2)項を参照する。用語「光学的に活性」の意味に関しては、上の第(5)項を参照する。
本明細書で使用される用語「アミン受容体」とは、アミノ基転移反応において基質のアミノ基が転移するケト化合物を意味し、そのアミン受容体のケト基がアミン基に変換する。
用語「鏡像異性体の第1型および第2型」は、式IIの化合物の(R)−および(S)−鏡像異性体混合物において、一方の鏡像異性体、例えば(R)−鏡像異性体は鏡像異性体の第1型を表し、(S)−鏡像異性体は鏡像異性体の第2型を表し、またはその逆も表すことを意味する。鏡像異性体の第1型は式IIの化合物の(S)−鏡像異性体であること、鏡像異性体の第2型は式IIの化合物の(R)−鏡像異性体であることが好ましい。
(15)ω−トランスアミナーゼが(S)−選択的であり、好ましくはこの(S)−選択的ω−トランスアミナーゼが、クロモバクテリウム・ビオラセウム、シュードモナス・プチダIまたはII、バチルス・メガテリウムからなる群から選択される生物、好ましくはシュードモナス・プチダIおよびバチルス・メガテリウムからなる群から選択される生物に由来する、第(14)項に記載の方法。
本明細書で使用される用語「(S)−選択的」とは、ω−トランスアミナーゼ酵素が、(S)−鏡像異性体の形態にあるアミン基質を対応するカルボニル化合物へ選択的に変換し、(R)−鏡像異性体の形態にあるアミン基質では、変換はまったくないまたは実質上ないことを意味する。
用語「シュードモナス・プチダI」とは、WO2010/089171A2に開示されている配列番号20である配列を有するシュードモナス・プチダトランスアミナーゼを意味し、用語「シュードモナス・プチダII」とは、WO2010/089171A2に開示されている配列番号22である配列を有するシュードモナス・プチダトランスアミナーゼを意味する。
(16)ω−トランスアミナーゼが、ヒポモナス・ネプツニウム、クロモバテリウム・ビオラセウム、シュードモナス・プチダIまたはII、アスペルギルス・テレウス、バチルス・メガテリウムおよびアルスロバクター属種からなる群から選択し、好ましくはシュードモナス・プチダIまたはII、アスペルギルス・テレウス、バチルス・メガテリウムおよびアルスロバクター属種からなる群から選択した、第(14)項に記載の方法。
上の第(15)項および第(16)項で定義されているω−トランスアミナーゼ酵素は、原形で天然形にある、または改変された、いわゆる突然変異体形にある、上に示した細菌類および菌類に由来することができる。
用語「突然変異体」の意味に関しては、上の第(3)項での説明を参照する。
(17)アミン受容体が、C3−C8ケトン、C2−C8−α−ケト酸またはC2−C8−α−ケト酸の塩、好ましくはアセトンまたはピルベート、より好ましくはピルベートである、第(14)項または第(15)項のいずれか一項に記載の方法。
(18)工程i)において用意された鏡像異性体の混合物が光学的に活性である、第(14)項から第(17)項のいずれか一項に記載の方法。
工程i)において用意された光学的に活性な混合物は、第(1)項から第(13)項のいずれか一項に記載の方法に従って調製されていることが好ましい。
(19)工程i)において用意された鏡像異性体の混合物が、式IIの化合物のラセミ混合物である、第(14)項から第(17)項のいずれか一項に記載の方法。
本明細書で使用される用語「ラセミ混合物」とは、R−およびS−鏡像異性体が等量で存在する混合物を意味する。
この実施形態において、ラセミ混合物はアキラルな化学合成によって適宜得られる。
(20)工程ii)において得られた式IIの化合物の光学活性キラルアミンが、70−100%の鏡像異性体過剰率を有し、好ましくは80−100%の鏡像異性体過剰率を有し、より好ましくは90−100%の鏡像異性体過剰率を有し、さらにより好ましくは95−100%の鏡像異性体過剰率を有し、またさらにより好ましくは99−100%の鏡像異性体過剰率を有する、第(14)項から第(19)項のいずれか一項に記載の方法。
(21)式IIの化合物とアミン受容体とのモル比が1:1から1:10、好ましくは1:1.2から1:8、より好ましくは1:1.2から1:4、最も好ましくは1:1.5から1:2.5である、第(14)項から第(20)項に記載の方法。
(22)ω−トランスアミナーゼが、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、易透過処理されたE.コリ細胞の形態で供給される、または粗酵素抽出物もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給される、または(部分)精製酵素調製物もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給される、または固定化調製物として供給される、第(14)項から第(21)項のいずれか一項に記載の方法。
本明細書で使用される用語「固定化調製物」とは、ω−トランスアミナーゼ酵素が、化学的に、物理的にもしくは遺伝子工学手法によって、化学的に有機支持材もしくは無機支持材に封じ込められ、または化学的に有機支持材もしくは無機支持材に/支持材中に分置され、その酵素の触媒活性が保持され、その調製物を繰り返しおよび継続的に、好適に使用できることを意味する。
(23)第(22)項に記載されているあらゆる形態での、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、E.コリ細胞の質量と式IIの化合物のモル量との比が、10g/1molから2000g/1molである、第(22)項に記載の方法。
(24)前記方法が、16−40℃の反応温度で実施される、好ましくは20−36℃の反応温度で実施される、より好ましくは24−34℃の反応温度で実施される、さらにより好ましくは26−32℃の反応温度で実施される、第(14)項から第(24)項のいずれか一項に記載の方法。
(25)前記方法が、DMF、DMSO、THF、MeCN、1,2−ジメトキシエタン(DME)およびC1−C6アルコールからなる群から選択される、好ましくはDMF、DMSO、THF、MeCN、DMEおよびC1−C3アルコールからなる群から選択される、より好ましくはDMF、DMSO、THF、MeCN、DMEからなる群から選択される、特にDMFおよびDMSOからなる群から選択される有機溶媒の存在下で実施される、第(1)項から第(24)項のいずれか一項に記載の方法。
(26)反応混合物が、場合によってリン酸塩緩衝剤、TRIS緩衝剤、PIPES緩衝剤およびHEPES緩衝剤からなる群から選択される水性緩衝剤系をさらに含み、緩衝剤系はリン酸塩緩衝剤が好ましく、リン酸カリウム緩衝剤がより好ましく、最も好ましくは緩衝剤は省略することができる、第(1)項から第(25)項のいずれか一項に記載の方法。
本明細書で使用される用語「水性緩衝剤系」とは、弱酸およびその共役塩基または弱塩基およびその共役酸の混和物を意味し、この混和物は水に溶解し、ある水溶液のpH値を安定化することができる。具体的には、本明細書で使用される「TRIS緩衝剤」は、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)および塩酸など無機の強酸の混和物を意味し、本明細書で使用される「リン酸塩緩衝剤」は、例えば、K2HPO4およびKH2PO4の混和物を意味し、PIPES緩衝剤は、例えば、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルフォン酸)およびNaOHまたはKOHなど水酸化アルカリの混和物を意味し、HEPES緩衝剤は、例えば4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルフォン酸(HEPES)およびNaOHまたはKOHなど水酸化アルカリの混和物を意味する。
(27)R2が、tert−ブチルカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)およびアリルオキシカルボニル(alloc)からなる群から選択される、アミン保護基を表す、第(1)項から第(26)項のいずれか一項に記載の方法。
(28)ヒドロキシ保護基R3が、ベンゾイル、トシル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、t−ブチル、アリル、ベンジル(Bz)、t−ブチルメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、アセチル、ピバロイルからなる群から選択される、第(1)項から第(26)項のいずれか一項に記載の方法。
(29)式IおよびIIの化合物において、mは1から5であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)n−O−CO−R4(式中、n=1から5である。)であり、R4は直鎖もしくは分枝鎖C1−C4アルキルまたはフェニルであり、R5は直鎖もしくは分枝鎖C1−C4アルキルであり、
好ましくはm=1から3であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)n−O−CO−R4(式中、n=1から3である。)であり、R5はメチルまたはエチルであり、
より好ましくはm=1であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)3−O−CO−Phであり、R5はメチルである、第(1)項から第(26)項のいずれか一項に記載の方法。
好ましくはm=1から3であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)n−O−CO−R4(式中、n=1から3である。)であり、R5はメチルまたはエチルであり、
より好ましくはm=1であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)3−O−CO−Phであり、R5はメチルである、第(1)項から第(26)項のいずれか一項に記載の方法。
(30)式
本発明を、さらに好ましいおよびさらに利点を有する実施形態および実施例を参照して、より詳しくこれから説明するが、これら実施形態および実施例は、単に例示の目的で提示するのであって、本発明の範囲を制限するものと理解してはならない。
従来、キラルインドリン誘導体は、ラセミ(racemat)形態で所望のインドリン誘導体が得られる化学合成法によって合成する。したがって、鏡像異性体的に富化されているまたは純粋のインドリン誘導体を得るために、従来の方法では、ラセミのインドリン誘導体を光学分割に付する必要がある。光学分割は、満足度の高いエナンチオマー富化を得るために、具体的には複数の後続分割ステップを必要とするので、労力を要する手順である。これら複数の分割ステップでは、鏡像異性体的に富化されているまたはエナンチオピュアな生成物については比較的不十分な歩留りとなる。
ケト化合物のアミン化合物への変換(還元的アミノ化)にまたはアミンの速度論的分割にω−トランスアミナーゼ酵素を一般的に使用することは周知である。例えば、EP0987332A1には、構造式
を有する基質のアミノ基転移反応に、アルスロバクター属種に由来するω−トランスアミナーゼを使用することが記載されている。
R.L.Hansonら、「Preparation of (R)−Amines from Racemic Amines with an (S)−Amine Transaminase from Bacillus megaterium」、Adv.Synth.Catal.2008年、350、1367−1375頁には、それぞれ1−シクロプロピルエチルアミンおよびsec−ブチルアミンの形態にある基質の速度論的分割に、バチルス・メガテリウムに由来するω−トランスアミナーゼを使用することが記載されている。
WO2011/026556A1においては、アスペルギルス・テレウスに由来するω−トランスアミナーゼの同定および調製が記載されている。前記トランスアミナーゼの基質特異性が、モデル基質としてα−メチルベンジルアミンを使用して試験された。
M.Hohneら、「Rational assignment of key motifs for function guides in silico enzyme identification」、Nat.Chem.Biol.2010年、6、807−813頁では、対応するケトンから2−アミノヘキサン、2−アミノ−4−フェニルブタン、1−N−Boc−3−アミノピロリジンおよび1−N−Boc−3−アモピペリジンを不斉合成するための、いくつかの推定(R)−選択的アミントランスアミナーゼのスクリーニングが記載されている。
U.Kaulmannら、「Substrate spectrum of ω−transaminase from Chromobacterium violaceum DSM30191 and its potential for biocatalysis」、Enzyme Microb.Technol.2007年、41、628−637頁では、様々なアミン基質の速度論的分割の変換率ならびに様々なケト酸およびアルデヒド基質のアミノ基転移反応を評価するのに、クロモバクテリウム・ビオラセウムに由来するω−トランスアミナーゼを使用することが記載されているが、得られた生成物の鏡像異性体過剰率については注目が払われていない。
しかし、上で特定された従来技術の文献においては、
式IまたはII
式IまたはII
R1は、CN、NH2、NO2およびカルバモイルに変換可能な基からなる群から選択され、
R2は、H、N保護基、−(CH2)n−O−R3および−(CH2)n−O−CO−R4からなる群から選択され、ここでn=1から10であり、
R3は、ヒドロキシ保護基またはHであり、R4およびR5は互いに独立して、置換もしくは非置換C1−C10アルキルまたは置換もしくは非置換C3−C10アリールまたは置換もしくは非置換C3−C10アルキルアリールから選択される。)
のインドリン化合物の化学構造とは強く異なる化学構造である、比較的単純な基質が使用されている。
上に示した式IまたはIIのインドリン化合物は、製剤分野で価値のある(中間体)化合物となるものであり、それらの構造は複雑であるが、驚くべきことに、ω−トランスアミナーゼ酵素に感受性の高い基質であり、さらにもっと驚くべきことに、純度および/または歩留りなど有益な特性を兼ね備えた鏡像異性体過剰率を達成することが見いだされた。例えば、式中、R1=CNであり、R2=−(CH2)3−O−CO−Phであり、R5はメチルである、式IIの化合物、すなわち構造式
式IおよびIIを有する上のインドリン誘導体は、ω−トランスアミナーゼ酵素の特に適切な基質となることが、驚くべきことに本発明者らにより見いだされた。さらに、酵素の特定の型を適切に選択することで、式(II)の化合物の(S)−および(R)−鏡像異性体の双方が、利用価値のある高鏡像異性体過剰率で、または鏡像異性体的に純粋な状態でも得られる。
本発明の一態様によれば、式II
R1は、CN、NH2、NO2およびカルバモイルに変換可能な基からなる群から選択され、
R2は、H、N保護基、−(CH2)n−O−R3または−(CH2)n−O−CO−R4からなる群から選択され、ここでn=1から10であり、
R3は、ヒドロキシ保護基であり、R4およびR5は互いに独立して、置換もしくは非置換C1−C10アルキルまたは置換もしくは非置換C3−C10アリールまたは置換もしくは非置換C3−C10アルキルアリールから選択される。)
の化合物は、式I
本発明のこの態様による手順コンセプトは、シロドシンまたはそれらの誘導体など医薬として活性な作用剤を調製するための非常に価値のある中間体となる式IIの化合物を提供する。驚くべきことに、本発明者らによって、式Iの化合物が、酵素的触媒による還元的アミノ基転移反応を介して、式IIの化合物に変換され、驚くべきことに、この変換は、酵素型の選択などさらに適切な条件に応じて有効化され、還元的アミノ化の手順コンセプトまたは速度論的分割の手順コンセプトは、それぞれに、高歩留りおよび高化学的純度を良く兼ね備えた鏡像異性体過剰率を提供することが見いだされた。
好ましい実施形態によれば、ω−トランスアミナーゼが(R)−選択的であり、(R)−選択的ω−トランスアミナーゼが、アルスロバクター属種、アスペルギルス・テレウス、シュードモナス・プチダおよびアルスロバクター第11ラウンド突然変異体からなる群から選択される生物に由来することが好ましく、特に(R)−選択的ω−トランスアミナーゼは(R)−アルスロバクター属種およびアスペルギルス・テレウスであり、より好ましくは(R)−アルスロバクター属種およびアスペルギルス・テレウスであり、特に(R)−アルスロバクター属種である。
このようにして、式IIの化合物の(R)−鏡像異性体を得るために、ω−トランスアミナーゼが適切に選択される。驚くべきことに、本発明者らによって、(R)−選択的ω−トランスアミナーゼが、鏡像異性体選択的に、式Iのプロキラル基質化合物を式IIの化合物の(R)−鏡像異性体に変換することが見いだされた。例えば、シロドシンの場合、(R)−鏡像異性体が、医薬的活性作用剤として例えば米国連邦医薬品局(FDA)によって認可されているので、式IIの化合物が例えばシロドシンの中間体となるさらに好ましい場合において、この(R)−鏡像異性体が特に好まれる。
また、鏡像異性体の種類について具体的な優先度がない場合、すなわち(R)または(S)−鏡像異性体のいずれか一方で良い場合、ω−トランスアミナーゼは、クロモバクテリウム・ビオラセウム、ヒポポモナス・ネプツニウム、バチルス・メガテリウム、アルスロバクター属種、アスペルギルス・テレウス、シュードモナス・プチダ、シュードモナス・フルオレッセンス、アルスロバクター・シトレウスおよびアルスロバクター第11ラウンド突然変異体から選択される生物、好ましくはシュードモナス・フルオレッセンスおよび(R)−アルスロバクター属種から選択される生物、好ましくは(R)−アルスロバクター属種から選択される生物に由来する。
式IIの化合物の光学活性形において、(R)−鏡像異性体がまさっているかそれとも(S)−鏡像異性体がまさっているかにかかわらず、この光学活性形が、少なくとも60−100%の鏡像異性体過剰率を有し、より好ましくは75−100%の鏡像異性体過剰率を有し、さらにより好ましくは85−100%の鏡像異性体過剰率を有し、またさらにより好ましくは90−100%の鏡像異性体過剰率を有し、なおまたさらにより好ましくは95−100%の鏡像異性体過剰率を有し、特に99−100%の鏡像異性体過剰率を有することが好ましい。本発明のこの実施形態によれば、式IIの化合物が、例外的に高い鏡像異性体過剰率に有利な状態で、好ましくは高鏡像異性体過剰率で得られる。
別の好ましい実施形態によれば、アミン供与体は、アラニン、1−エチルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、1−インドールアミン、フェネチルアミンなどからなる群から、好ましくはアラニンおよび2−プロピルアミンからなる群から、より好ましくは2−プロピルアミンからなる群から選択される。前述の化合物は、特に適切なアミン供与体化合物となる。
式Iの化合物は、反応混合物において1から200mMの濃度で供給され、好ましくは5から150mMの濃度で供給され、より好ましくは10から100mMの濃度で供給され、特に15から50mMの濃度で供給されるのが好ましい。このようにして、変換率が有意に改善される。
驚くべきことに、ω−トランスアミナーゼが、クロモバクテリウム・ビオラセウム、バチルス・メガテリウム、アルスロバクター属種、アスペルギルス・テレウス、シュードモナス・プチダ、シュードモナス・フルオレッセンスおよびアルスロバクター・シトレウスからなる群から選択される生物に由来する場合、本方法の実施に関し16−40℃の比較的低い反応温度、好ましくは20−36℃の比較的低い反応温度、より好ましくは24−34℃の比較的低い反応温度、さらにより好ましくは26−32℃の比較的低い反応温度が、特に適切であることが見いだされた。他方、ω−トランスアミナーゼがアルスロバクター第11ラウンド突然変異体である場合、本方法は、35−50℃の反応温度で、好ましくは40−45℃の反応温度で実施されるのが好ましく、このことにより、特に利点を有する変換率が得られる。
アラニンがアミン供与体として選択される場合、反応混合物が、アラニン脱水素酵素(Ala−DH)、ギ酸脱水素酵素(FDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ピリドキサール−5’−フォファット(PLP)およびギ酸アンモニウムをさらに含むことが好ましい。または反応混合物が、アラニン脱水素酵素(Ala−DH)、ブドウ糖脱水素酵素(GDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ピリドキサール−5’−フォファット(PLP)、ブドウ糖およびアンモニウム塩をさらに含み、または別の代替法によれば反応混合物が、アラニン脱水素酵素(Ala−DH)、亜リン酸脱水素酵素(PTDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ピリドキサール−5’−フォファット(PLP)および亜リン酸アンモニウムをさらに含む。このように、特に適切なアラニン−脱水素酵素補因子リサイクルシステムが供給される。
本発明の別の態様によると、式II
R2は、H、N保護基、−(CH2)n−O−R3または−(CH2)n−O−CO−R4からなる群から選択され、ここでn=1から10であり、
R3は、ヒドロキシ保護基であり、R4およびR5は互いに独立して、置換もしくは非置換C1−C10アルキルまたは置換もしくは非置換C3−C10アリールまたは置換もしくは非置換C3−C10アルキルアリールから選択される。)
の光学的に活性なキラルアミン化合物は、
i)式II
の化合物の第1型および第2型の鏡像異性体の混合物をω−トランスアミナーゼの存在下でアミン受容体と反応させて、式IIの化合物の第1型の鏡像異性体を式I
の化合物に変換する工程、および
ii)反応混合物から、式IIの化合物の残りの未反応の第2型の鏡像異性体を分離する工程
を含む方法によって得られる。
本発明のこの好ましい態様によると、鏡像異性体過剰率および良好な化学純度を有する、好ましくは高い鏡像異性体過剰率を有する式IIの化合物を調製するさらなる代替法が供給される。驚くべきことに、本発明者らによって、式IIの化合物の鏡像異性体混合物が、例えば、それらのラセミ混合物が、ω−トランスアミナーゼ酵素を使用する速度論的分割によって、式IIの化合物を効率的に鏡像異性体的に富化するための、特に適切な基質として働くことが見いだされた。具体的には、この速度論的分割では、一方は、例えば式IIの化合物の所望されない方の鏡像異性体は、式IIの化合物から物理的および/または化学的方法により容易に分離することのできる、式Iの化合物に変換され、他方は、例えば式IIの化合物の所望される方の鏡像異性体は、式Iの化合物に少しだけ変換されるか、好ましくはまったくまたは少なくとも実質的に、式Iの化合物に変換されない。
好ましい実施形態によると、速度論的分割ステップi)において、ω−トランスアミナーゼは、ヒポモナス・ネプツニウム、クロモバテリウム・ビオラセウム、シュードモナス・プチダIまたはII、アスペルギルス・テレウス、バチルス・メガテリウムおよびアルスロバクター属種からなる群から選択される生物、好ましくはシュードモナス・プチダ、アスペルギルス・テレウス、バチルス・メガテリウムおよびアルスロバクター属種からなる群から選択される生物に由来する。ω−トランスアミナーゼは(S)−選択的であることが好ましく、この(S)−選択的ω−トランスアミナーゼは、クロモバクテリウム・ビオラセウム、シュードモナス・プチダIまたはII、バチルス・メガテリウムからなる群から選択される生物に由来することがより好ましく、シュードモナス・プチダIおよびバチルス・メガテリウムからなる群から選択される生物に由来することがさらにより好ましい。
さらに好ましい実施形態によると、ステップii)において得られた、式IIの化合物の光学的活性キラルアミンは、70−100%の鏡像異性体過剰率を、好ましくは80−100%の鏡像異性体過剰率を、より好ましくは90−100%の鏡像異性体過剰率を、さらにより好ましくは95−100%の鏡像異性体過剰率を、またさらにより好ましくは99−100%の鏡像異性体過剰率を有する。本発明のこの実施形態によると、式IIの化合物が、例外的に高い鏡像異性体過剰率に有利な状態で、好ましくは高鏡像異性体過剰率で得られる。
速度論的分割プロセスは、16−40℃の反応温度で、好ましくは20−36℃の反応温度で、より好ましくは24−34℃の反応温度で、さらにより好ましくは26−32℃の反応温度で実施されることが好ましい。
以下の(i)から(viii)の手順要素それぞれが、本発明の双方の手順態様に関する、すなわち還元的アミノ化および速度論的分割に関する特に適切なプロセス条件を示している。
(i)式IIの化合物とアミン受容体とのモル比が、1:1から1:10、好ましくは1:1.2から1:8、より好ましくは1:1.2から1:4、最も好ましくは1:1.5から1:2.5である。
(ii)ω−トランスアミナーゼが、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、易透過処理されたE.コリ細胞の形態で供給され、または粗酵素抽出物もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給され、または(部分)精製酵素調製物もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給され、または固定化調製物として供給され、好ましくはω−トランスアミナーゼが、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、易透過処理されたE.コリ細胞の形態で供給され、より好ましくは任意の酵素溶液の凍結乾燥残渣の形態で供給される。
(iii)第(22)項に記載されているあらゆる形態でのω−トランスアミナーゼを過剰発現している、凍結乾燥されたE.コリ細胞の質量と、式IIの化合物のモル量との比が、10g/1molから2000g/1molである。
(iv)前記方法が、DMF、DMSO、THF、MeCN、1,2−ジメトキシエタン(DME)およびC1−C6アルコールからなる群から選択される、好ましくはDMF、DMSO、THF、MeCN、DMEおよびC1−C3アルコールからなる群から選択される、より好ましくはDMF、DMSO、THF、MeCN、DMEからなる群から選択される、特にDMFおよびDMSOからなる群から選択される有機溶媒の存在下で実施される。
(v)反応混合物が、場合によってリン酸塩緩衝剤、TRIS緩衝剤、PIPES緩衝剤およびHEPES緩衝剤からなる群から選択される水性緩衝剤系をさらに含み、その緩衝剤系はリン酸塩緩衝剤が好ましく、リン酸カリウム緩衝剤がより好ましく、最も好ましくは緩衝剤は省略することができる。
(vi)R2が、tert−ブチルカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)およびアリルオキシカルボニル(alloc)からなる群から選択される、アミン保護基を表す。
(vii)ヒドロキシ保護基R3が、ベンゾイル、トシル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、t−ブチル、アリル、ベンジル(Bz)、t−ブチルメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、アセチル、ピバロイルからなる群から選択される。および、
(viii)式IおよびIIの化合物において、m=1から5であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)n−O−CO−R4(式中、n=1から5である。)であり、R4は直鎖もしくは分枝鎖C1−C4アルキルまたはフェニルであり、R5は直鎖もしくは分枝鎖C1−C4アルキルであり、
好ましくはm=1から3であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)n−O−CO−R4(式中、n=1から3である。)であり、R5はメチルまたはエチルであり、
より好ましくはm=1であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)3−O−CO−Phであり、R5はメチルである。
(i)式IIの化合物とアミン受容体とのモル比が、1:1から1:10、好ましくは1:1.2から1:8、より好ましくは1:1.2から1:4、最も好ましくは1:1.5から1:2.5である。
(ii)ω−トランスアミナーゼが、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、易透過処理されたE.コリ細胞の形態で供給され、または粗酵素抽出物もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給され、または(部分)精製酵素調製物もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給され、または固定化調製物として供給され、好ましくはω−トランスアミナーゼが、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、易透過処理されたE.コリ細胞の形態で供給され、より好ましくは任意の酵素溶液の凍結乾燥残渣の形態で供給される。
(iii)第(22)項に記載されているあらゆる形態でのω−トランスアミナーゼを過剰発現している、凍結乾燥されたE.コリ細胞の質量と、式IIの化合物のモル量との比が、10g/1molから2000g/1molである。
(iv)前記方法が、DMF、DMSO、THF、MeCN、1,2−ジメトキシエタン(DME)およびC1−C6アルコールからなる群から選択される、好ましくはDMF、DMSO、THF、MeCN、DMEおよびC1−C3アルコールからなる群から選択される、より好ましくはDMF、DMSO、THF、MeCN、DMEからなる群から選択される、特にDMFおよびDMSOからなる群から選択される有機溶媒の存在下で実施される。
(v)反応混合物が、場合によってリン酸塩緩衝剤、TRIS緩衝剤、PIPES緩衝剤およびHEPES緩衝剤からなる群から選択される水性緩衝剤系をさらに含み、その緩衝剤系はリン酸塩緩衝剤が好ましく、リン酸カリウム緩衝剤がより好ましく、最も好ましくは緩衝剤は省略することができる。
(vi)R2が、tert−ブチルカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)およびアリルオキシカルボニル(alloc)からなる群から選択される、アミン保護基を表す。
(vii)ヒドロキシ保護基R3が、ベンゾイル、トシル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、t−ブチル、アリル、ベンジル(Bz)、t−ブチルメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、アセチル、ピバロイルからなる群から選択される。および、
(viii)式IおよびIIの化合物において、m=1から5であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)n−O−CO−R4(式中、n=1から5である。)であり、R4は直鎖もしくは分枝鎖C1−C4アルキルまたはフェニルであり、R5は直鎖もしくは分枝鎖C1−C4アルキルであり、
好ましくはm=1から3であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)n−O−CO−R4(式中、n=1から3である。)であり、R5はメチルまたはエチルであり、
より好ましくはm=1であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)3−O−CO−Phであり、R5はメチルである。
(i)から(viii)の特性のいずれの一つも、特に利点を有するプロセス条件を示す。具体的には、特性(iv)に関し、驚くべきことに、溶媒の適切な選択が変換率を有意に改良するということが見いだされた。
本発明の別の態様によると、式
の化合物を用意する工程、および
b)工程a)の式II”の化合物をシロドシンに変換する工程
を含む方法によって得られる。
上記の態様は、還元的アミノ化および/または速度論的分割の本手順態様の適用ならびにそれに伴う有益な効果による、特に利点を有するシロドシンの調製方法をもたらす。
本発明のまたさらなる態様によると、医薬として有効な成分および少なくとも1つの医薬として許容できる賦形剤として、式
以下の実施例で本発明をさらに説明するが、それらは、単に例示の目的で提示するのであって、本発明をいかようにも限定することを意図したものではない。実施例および改変またはそれらの他の同等物は、本開示全体からみて、その道に明るい同業者に明白となる。
本明細書で使用される用語「金属不純物」とは、元素金属の形態にある触媒、共有結合性金属化合物またはシロドシンを調製する従来の化学合成において使用されている、塩の形態にある金属化合物に由来する不純物を意味する。より具体的には、「金属不純物」は、シロドシンの化学調製において従来から適用されている金属触媒に由来していることを想定し、一般には、例えばチャコール上のPdおよび/またはBaSO4上のPtO2が適用されている。
本明細書で使用される用語「医薬として許容できる賦形剤」とは、当業界において周知の、活性作用剤の物理的および化学的特徴と適合する、生理的に不活性で、薬理学的に作用のないあらゆる物質を意味する。
材料
概要
全ての出発材料は、市販品供給業者から入手し、ラセミの3−(7−シアノ−5−(2−(アミノ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピルベンゾエート(式II”の化合物)および3−(7−シアノ−5−(2−(オキソ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピルベンゾエート(式I’の化合物)を除き、受け取ったまま使用した。反応は、標準Schlenk法で、乾燥N2雰囲気下にてオーブンで乾燥させた(120℃)ガラス器具中で実施した。
概要
全ての出発材料は、市販品供給業者から入手し、ラセミの3−(7−シアノ−5−(2−(アミノ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピルベンゾエート(式II”の化合物)および3−(7−シアノ−5−(2−(オキソ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピルベンゾエート(式I’の化合物)を除き、受け取ったまま使用した。反応は、標準Schlenk法で、乾燥N2雰囲気下にてオーブンで乾燥させた(120℃)ガラス器具中で実施した。
構造式
3−(7−シアノ−5−(2−(アミノ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピルベンゾエート(100mg、275μmol)の5mLDME中の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(TFAA)(72mg、49μL、344μmol)およびDMAP(1.7mg、14μmol)を加えた。12時間後、飽和NaHCO3を加えて反応を停止させ、次いで微量のCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。その残渣を、フィルターフラッシュクロマトグラフィーによって、シリカ上で精製し(溶離液:PE/EtOAc=80/20)、61%の歩留り(77mg、168μmol)で、わずかに黄色のオイルとして生成物を得た。RF[(PE/EtOAc)60/40]=0.41であった。1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δH
[ppm] = 1.20 (d, 3J3',2' = 6.6 Hz, 3 H, 3'-H), 2.17 = (tt, 3J2'',1'' = 6.5 Hz, 3J2'',3'' = 7.1 Hz, 2 H, 2''-H), 2.61 (dd, 3J1'Ha,2' = 7.4 Hz, 2J1'a,1'b = 13.8 Hz, 1 H, 1'-Ha), 2.72 (dd, 3J1'b,2' = 5.9 Hz, 2J1'b,1'a = 13.8 Hz, 1 H, 1'-Hb), 2.97 (t, 3J3,2 = 8.7 Hz, 2 H, 3-Hind),
3.61 (t, 3J2,3 = 8.7 Hz, 2 H, 2-Hind), 3.76 (t, 3J2'',3'' = 7.2 Hz, 2 H, 1''-H), 4.15 (mc,
1 H, 2'-H), 4.47 (t, 3J1'',2'' = 6.3 Hz, 2 H, 1''-H), 6.11 (d, 3JNH,2' = 7.9 Hz, 2 H, NH), 6.93 (mc,
2 H, arom-Hind), 7.44 (mc, 2 H, 芳香族-H), 7.55 (mc,
1 H, 芳香族-H), 8.06 (mc, 1 H, 芳香族-H). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3): δC
[ppm] = 19.5 (C-3'), 27.3 (C-2''), 27.5 (C-3), 40.9 (C-1'), 45.3 (C-1''), 47.5 (C-2'), 53.5 (C-2), 62.7 (C-3''), 88.0 (C-7), 119.4 (CF3), 125.5 (CN), 128.8 (芳香族-CH), 129.5 (芳香族-CHind),
129.9 (芳香族-CH), 130.3 (芳香族-Cipso), 132.0 (芳香族-CHind), 133.2 (芳香族-Cipso),
133.3 (芳香族-Cipso), 152.2 (COCF3), 166.8 (COO). 19F-NMR (285 MHz, CDCl3): δH
[ppm] = -76.00 (s, 3 F, CF3).
[ppm] = 1.20 (d, 3J3',2' = 6.6 Hz, 3 H, 3'-H), 2.17 = (tt, 3J2'',1'' = 6.5 Hz, 3J2'',3'' = 7.1 Hz, 2 H, 2''-H), 2.61 (dd, 3J1'Ha,2' = 7.4 Hz, 2J1'a,1'b = 13.8 Hz, 1 H, 1'-Ha), 2.72 (dd, 3J1'b,2' = 5.9 Hz, 2J1'b,1'a = 13.8 Hz, 1 H, 1'-Hb), 2.97 (t, 3J3,2 = 8.7 Hz, 2 H, 3-Hind),
3.61 (t, 3J2,3 = 8.7 Hz, 2 H, 2-Hind), 3.76 (t, 3J2'',3'' = 7.2 Hz, 2 H, 1''-H), 4.15 (mc,
1 H, 2'-H), 4.47 (t, 3J1'',2'' = 6.3 Hz, 2 H, 1''-H), 6.11 (d, 3JNH,2' = 7.9 Hz, 2 H, NH), 6.93 (mc,
2 H, arom-Hind), 7.44 (mc, 2 H, 芳香族-H), 7.55 (mc,
1 H, 芳香族-H), 8.06 (mc, 1 H, 芳香族-H). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3): δC
[ppm] = 19.5 (C-3'), 27.3 (C-2''), 27.5 (C-3), 40.9 (C-1'), 45.3 (C-1''), 47.5 (C-2'), 53.5 (C-2), 62.7 (C-3''), 88.0 (C-7), 119.4 (CF3), 125.5 (CN), 128.8 (芳香族-CH), 129.5 (芳香族-CHind),
129.9 (芳香族-CH), 130.3 (芳香族-Cipso), 132.0 (芳香族-CHind), 133.2 (芳香族-Cipso),
133.3 (芳香族-Cipso), 152.2 (COCF3), 166.8 (COO). 19F-NMR (285 MHz, CDCl3): δH
[ppm] = -76.00 (s, 3 F, CF3).
酵素および微生物
カンジダ・ボイディニー(Candida boidinii)由来のギ酸脱水素酵素(グリセロールを含む水性緩衝剤溶液、215U・mL−1[1単位は、pH7.6において37℃で毎分あたり、1.0μmolのギ酸をCO2に酸化する。]、カタログ番号FDH002)およびβ−NAD遊離酸はCodexis社から購入した。過剰発現しているω−トランスアミナーゼ(ω−TA)を含む凍結乾燥されたE・コリ細胞および精製された組み換えL−アラニン脱水素酵素は、F.G.Muttiら、Adv.Synth.Catal.2011年、353、3227−3233頁において報告されているように、それぞれ調製した。
カンジダ・ボイディニー(Candida boidinii)由来のギ酸脱水素酵素(グリセロールを含む水性緩衝剤溶液、215U・mL−1[1単位は、pH7.6において37℃で毎分あたり、1.0μmolのギ酸をCO2に酸化する。]、カタログ番号FDH002)およびβ−NAD遊離酸はCodexis社から購入した。過剰発現しているω−トランスアミナーゼ(ω−TA)を含む凍結乾燥されたE・コリ細胞および精製された組み換えL−アラニン脱水素酵素は、F.G.Muttiら、Adv.Synth.Catal.2011年、353、3227−3233頁において報告されているように、それぞれ調製した。
以下に列記されているω−トランスアミナーゼのアミノ酸配列は、示された文献に由来するが、本発明者らは、E・コリにおけるω−トランスアミナーゼの発現を改良するのに、コドン最適化遺伝子を用いた。
アルスロバクター属種に由来するω−トランスアミナーゼの配列はEP0987332A1から引用した。
アルスロバクターに由来するω−トランスアミナーゼの第11ラウンド突然変異体の配列は、C.K.Savileら、「Biocatalytic Asymmetric Synthesis of Chiral Amines from Ketones applied to Sitagliptin Manufacture」Science、2010年、329、305−309頁から引用した。
アスペルギルス・テレウスに由来するω−トランスアミナーゼは、F.G.Mutti、Adv.Synth.Catal.2010年、353、3227−3233頁に記載されてあるように調製した。
バチルス・メガテリウムに由来するω−トランスアミナーゼは、R.L.Hansonら、「Preparation of (R)−Amines from Racemic Amines with an (S)−Amine Transaminase from Bacillus megaterium」、Adv.Synth.Catal.2008年、350、1367−1375頁に記載されてあるように調製した。
クロモバクテリウム・ビオラセウムに由来するω−トランスアミナーゼは、U.Kaulmannら、「Substrate spectrum of ω−transaminase from Chromobacterium violaceum DSM30191 and its potential for biocatalysis」、Enzyme Microb.Technol.2007年、41、628−637頁に記載されてあるように調製した。
P.フルオレッセンスに由来するω−トランスアミナーゼの配列は、例えば、N.Itoら、Biosci.Biotechnol.Biochem.、2011年、75、2093−2095頁から引用した。
P.プチダに由来するω−トランスアミナーゼの配列は、WO2010/089171A2に記載されている。シュードモナス・プチダIは配列番号20に対応し、シュードモナス・プチダIIは配列番号22に対応する。
アルスロバクター・シトレウスに由来するω−トランスアミナーゼの配列は、WO2006/063336(またはwe us US7247460B2)から引用した。アルスロバクター・シトレウスはこの特許における配列番号02に対応する。
全てのω−トランスアミナーゼがエシェリヒア・コリ中で発現した。具体的には、以下の実施例において、ω−トランスアミナーゼは、凍結乾燥されたE.コリ細胞調製物の形態で適用されている。
分析方法
300 Bruker NMRユニットで20℃にて記録した1HNMRおよび13CNMRスペクトル
化学シフトは、Me4Si(1H:Me4Si=0.0ppm)に対するppm単位でまたは溶媒(1H:CDCl3=7.26ppm、13C:CDCl3=77.0ppm)の共鳴に対するppm単位で与えられている。
300 Bruker NMRユニットで20℃にて記録した1HNMRおよび13CNMRスペクトル
化学シフトは、Me4Si(1H:Me4Si=0.0ppm)に対するppm単位でまたは溶媒(1H:CDCl3=7.26ppm、13C:CDCl3=77.0ppm)の共鳴に対するppm単位で与えられている。
酵素的速度論的分割および還元的アミノ化反応における変換の決定
示された反応時間後、飽和Na2CO3溶液(100μL)を加え、その混合物を激しく振とうした。水相を、SPEEDVACシステムにより減圧下で完全に除去し、残渣をMeCN(500μL)で再懸濁した。セライト545のプラグに通してろ過した後、追加のMeCN(500μL)を加え、このプロセスを繰り返した。HPLCの条件は、カラム=Luna RP−C18(Phenomenex社製)、長さ=25cm、内径=4.6mm、溶離液としてMeCN/H2O(65:35)(+0.1vol%TFA)用い、1.0mL/分でのイソクラティックフローとした。Rt(II’)=2.51分Rt(I’)=9.68分であった。
示された反応時間後、飽和Na2CO3溶液(100μL)を加え、その混合物を激しく振とうした。水相を、SPEEDVACシステムにより減圧下で完全に除去し、残渣をMeCN(500μL)で再懸濁した。セライト545のプラグに通してろ過した後、追加のMeCN(500μL)を加え、このプロセスを繰り返した。HPLCの条件は、カラム=Luna RP−C18(Phenomenex社製)、長さ=25cm、内径=4.6mm、溶離液としてMeCN/H2O(65:35)(+0.1vol%TFA)用い、1.0mL/分でのイソクラティックフローとした。Rt(II’)=2.51分Rt(I’)=9.68分であった。
鏡像異性体過剰率(ee)の決定
3−(7−シアノ−5−(2−(アミノ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピルベンゾエートを対応するTFA−アセトアミドへ誘導体化した後、MeCN溶液の試料を採取(500μL)し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。その残渣をCH2Cl2(200μL)に溶解し、TFAA(約3当量)を加えた。30℃で15分間振とうした後、試料を再び濃縮した。その試料を、有機溶媒中(n−へプタン/2−PrOH、50:50)に再取り込みし、コットンのプラグに通してろ過した後、測定できる状態とした。HPLCの条件は、カラム=OD−H(Chiracel)、長さ=25cm、内径=4.6mm、溶離液としてn−へプタン/2−PrOH(95:5)用い、1.5mL/分でのイソクラティックフローとした。Rt[(R)−II’−TFA−エステル]=19.35分、Rt[(S)−II’−TFA−エステル]=22.85分であった。
3−(7−シアノ−5−(2−(アミノ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピルベンゾエートを対応するTFA−アセトアミドへ誘導体化した後、MeCN溶液の試料を採取(500μL)し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。その残渣をCH2Cl2(200μL)に溶解し、TFAA(約3当量)を加えた。30℃で15分間振とうした後、試料を再び濃縮した。その試料を、有機溶媒中(n−へプタン/2−PrOH、50:50)に再取り込みし、コットンのプラグに通してろ過した後、測定できる状態とした。HPLCの条件は、カラム=OD−H(Chiracel)、長さ=25cm、内径=4.6mm、溶離液としてn−へプタン/2−PrOH(95:5)用い、1.5mL/分でのイソクラティックフローとした。Rt[(R)−II’−TFA−エステル]=19.35分、Rt[(S)−II’−TFA−エステル]=22.85分であった。
[実施例1] 不斉還元的アミノ化
a)予備試験
マイクロスケールバッチの一般調製手順
過剰発現した対応するω−TAを含有するE.コリの凍結乾燥された細胞(20mg)を、PLP(1mM)、NAD+(1mM)、ギ酸アンモニウム(150mM)、FDH(11U)、Ala−DH(12U)およびD−当該のL−アラニン(500mM)を含有するリン酸カリウム緩衝剤(pH7.0、100mM)中で、室温で30分間、再水和した。その後基質(3.6mg/100μLDMSO)を加え、エッペンドルフオービタルシェーカー(700rpm)で30℃で24時間、反応を実施した。
a)予備試験
マイクロスケールバッチの一般調製手順
過剰発現した対応するω−TAを含有するE.コリの凍結乾燥された細胞(20mg)を、PLP(1mM)、NAD+(1mM)、ギ酸アンモニウム(150mM)、FDH(11U)、Ala−DH(12U)およびD−当該のL−アラニン(500mM)を含有するリン酸カリウム緩衝剤(pH7.0、100mM)中で、室温で30分間、再水和した。その後基質(3.6mg/100μLDMSO)を加え、エッペンドルフオービタルシェーカー(700rpm)で30℃で24時間、反応を実施した。
実験結果は、下の表1にまとめてある。表中、列記された値は、重複の測定値から求められた平均値を表す(2回測定間の偏差<10%)。
上の表1に列記された実験データから明白となるように、本発明による還元的アミノ化プロセスは、鏡像異性体が富化されている形態で所望の生成物を得るのに特に適切である。ω−トランスアミナーゼは、鏡像異性体過剰率が高いことも変換率が高いことも提供する、シュードモナス・フルオレッセンスおよび(R)−アルスロバクター属種に由来するのが好ましい。ω−トランスアミナーゼは、鏡像異性体過剰率も高く歩留りも高い、シロドシンを調製するのに特に所望される中間生成物となる、式II’の化合物の(R)−鏡像異性体を提供する、(R)−アルスロバクター属種に由来するのがより有益である。
b)アルスロバクター第11ラウンド突然変異体に由来するω−TAの試験
マイクロスケールバッチの一般調製手順
アルスロバクター第11ラウンド突然変異体に由来する、過剰発現しているω−TAを含有するE.コリの凍結乾燥された細胞(それぞれ20mgおよび40mg)を、PLP(1mM)を含有するリン酸カリウム緩衝剤(pH7.0、100mM)中で、室温にて30分間、再水和した。その後、10vol%のDMSOおよびN供与体として、n(基質)/n(供与体)比により決定された量で2−プロピルアミン(250mM)とともに、基質(それぞれ10および25mM)を加え、次いでエッペンドルフオービタルシェーカー(700rpm)で45℃にて24時間、反応を実施した。
マイクロスケールバッチの一般調製手順
アルスロバクター第11ラウンド突然変異体に由来する、過剰発現しているω−TAを含有するE.コリの凍結乾燥された細胞(それぞれ20mgおよび40mg)を、PLP(1mM)を含有するリン酸カリウム緩衝剤(pH7.0、100mM)中で、室温にて30分間、再水和した。その後、10vol%のDMSOおよびN供与体として、n(基質)/n(供与体)比により決定された量で2−プロピルアミン(250mM)とともに、基質(それぞれ10および25mM)を加え、次いでエッペンドルフオービタルシェーカー(700rpm)で45℃にて24時間、反応を実施した。
実験結果は下の表2にまとめられている。
上の表2に列記された実験データから明白となるように、変換率および/または鏡像異性体富化の特性が、本発明による還元的アミノ化プロセスにより達成されている。アルスロバクター第11ラウンド突然変異体に由来するω−TAによる最良の結果が、鏡像異性体過剰率の点でエントリー4による条件で、および変換の点でエントリー1による条件で得られている。エントリー2による条件において、好ましいことに鏡像異性体過剰率および変換の両方の釣り合いが良く取れている。
上の一般調製手順を、アルスロバクター第11ラウンド突然変異体に由来する、過剰発現しているω−TAを含有するE.コリの凍結乾燥された細胞(20mg)を適用して実施したが、反応条件は、40℃に低下させた反応温度が適用されたということ、および異なるDMSO濃度が試験されたという点において異なった。実験結果は下の表3にまとめられている。
上の表3に列記された実験データから明白となるように、変換率および/または鏡像異性体富化の特性が、本発明による還元的アミノ化プロセスにより達成されている。反応温度を40℃に低下すると、鏡像異性体過剰率は、表2のエントリー3に比べて概してわずかに上昇した。他方、有益なことに、表3のエントリー1から8の全条件が、好都合に高変換率を可能にしている。
c)アルスロバクター属種に由来するω−TAに対する溶媒および基質濃度の影響の試験
3−(7−シアノ−5−(2−(オキソ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピルの基質濃度を、立体化学的成果に影響を及ぼすことなく、さらに高めることができるか評価するために、有機共溶媒の関数として変換を、アルスロバクター属種に由来するω−TAで調査した。特に、式I’の化合物は水および非極性、非プロトン性有機溶媒(例えばトルエン、EtOAc、CH2Cl2、TBMEおよびEt2O)にほとんど不溶なので、本発明者らは極性および水混和性溶媒DMSO、DMF、THFおよびMeCNに着目した。全ての反応は、異なる基質濃度(5−25mMの3−(7−シアノ−5−(2−(オキソ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピル)で30℃にて24時間、実施した。
3−(7−シアノ−5−(2−(オキソ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピルの基質濃度を、立体化学的成果に影響を及ぼすことなく、さらに高めることができるか評価するために、有機共溶媒の関数として変換を、アルスロバクター属種に由来するω−TAで調査した。特に、式I’の化合物は水および非極性、非プロトン性有機溶媒(例えばトルエン、EtOAc、CH2Cl2、TBMEおよびEt2O)にほとんど不溶なので、本発明者らは極性および水混和性溶媒DMSO、DMF、THFおよびMeCNに着目した。全ての反応は、異なる基質濃度(5−25mMの3−(7−シアノ−5−(2−(オキソ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピル)で30℃にて24時間、実施した。
実験結果は下のスキーム1にまとめてある。
上のスキーム1に例示された実験データから明白となるように、変換率および/または鏡像異性体富化の特性が、本発明による還元的アミノ化プロセスにより達成されている。溶媒DMSOおよびDMFが、THFおよびアセトニトリル(MeCN)と比較して、有意に改良された変換率を可能としている。さらに、低い基質濃度が、比較的高い基質濃度と比較して、有意に改良された変換率を可能としている。
d)調製的スケールのバッチ
調製的スケールでのバッチに関する例示的調製手順
(R)−アルスロバクター属種に由来する、過剰発現しているω−TAを含有するE.コリの凍結乾燥された細胞(225mg)を、PLP(1.00mM)、NAD+(1.00mM)、ギ酸アンモニウム(150mM)、FDH(11U)、Ala−DH(12U)およびD−アラニン(500mM)を含有するKPi緩衝剤中(9mL、pH7.0、100mM)で、22℃にて30分間、再水和した。その後、1.0mLのDMFに溶解させた式I’(3−(7−シアノ−5−(2−(オキソ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピル)の化合物(54mg、0.15mmol)を加え、次いでその反応物を30℃にて26時間振とうして、93%の変換に達した。その後、飽和Na2CO3溶液(1.00mL)を加え、その水相を減圧下で濃縮した。その残渣をMeCN(3x5mL)で再懸濁し、セライトのプラグに通してろ過し、シリカフラッシュクロマトグラフィーの後、88%の歩留りで光学的に純粋なアミン(R)−II’を得た。1H-NMR (300 MHz; CD3CN): δH [ppm]: 0.97 (d, J = 6.3 Hz, 3 H), 1.43 (brs, 2 H, -NH2), 2.10 (tt, J1 = 7.2 Hz, J2 = 6.2 Hz, 2 H), 2.31 (dd, J1 = 7.6 Hz, J2 = 13.3 Hz, 1 Ha), 2.43 (dd, J1 = 5.7 Hz, J = 13.3 Hz, 1 Hb), 2.87-2.99 (m, 1 H), 2.93 (t, 8.8 Hz, 2 H), 3.57 (t, 8.7 Hz, 2 H), 3.73 (t, 7.2 Hz, 2 H), 4.41 (t, 6.2 Hz, 2 H), 6.94 (s, 1 H), 7.01 (s, 1 H), 7.43-7.51 (m, 2 H), 7.60 (mc, 1 H), 8.00-8.07 (m, 2 H).
13C-NMR (75 MHz; CD3CN): δH [ppm]: 23.8, 37.5, 27.9, 45.9, 46.1, 49.3, 53.9, 63.6, 88.2, 120.4, 129.4, 130.0, 130.3, 130.9, 131.3, 132.1, 134.0, 134.1, 152.5, 167.2.
調製的スケールでのバッチに関する例示的調製手順
(R)−アルスロバクター属種に由来する、過剰発現しているω−TAを含有するE.コリの凍結乾燥された細胞(225mg)を、PLP(1.00mM)、NAD+(1.00mM)、ギ酸アンモニウム(150mM)、FDH(11U)、Ala−DH(12U)およびD−アラニン(500mM)を含有するKPi緩衝剤中(9mL、pH7.0、100mM)で、22℃にて30分間、再水和した。その後、1.0mLのDMFに溶解させた式I’(3−(7−シアノ−5−(2−(オキソ)プロピル)インドリン−1−イル)プロピル)の化合物(54mg、0.15mmol)を加え、次いでその反応物を30℃にて26時間振とうして、93%の変換に達した。その後、飽和Na2CO3溶液(1.00mL)を加え、その水相を減圧下で濃縮した。その残渣をMeCN(3x5mL)で再懸濁し、セライトのプラグに通してろ過し、シリカフラッシュクロマトグラフィーの後、88%の歩留りで光学的に純粋なアミン(R)−II’を得た。1H-NMR (300 MHz; CD3CN): δH [ppm]: 0.97 (d, J = 6.3 Hz, 3 H), 1.43 (brs, 2 H, -NH2), 2.10 (tt, J1 = 7.2 Hz, J2 = 6.2 Hz, 2 H), 2.31 (dd, J1 = 7.6 Hz, J2 = 13.3 Hz, 1 Ha), 2.43 (dd, J1 = 5.7 Hz, J = 13.3 Hz, 1 Hb), 2.87-2.99 (m, 1 H), 2.93 (t, 8.8 Hz, 2 H), 3.57 (t, 8.7 Hz, 2 H), 3.73 (t, 7.2 Hz, 2 H), 4.41 (t, 6.2 Hz, 2 H), 6.94 (s, 1 H), 7.01 (s, 1 H), 7.43-7.51 (m, 2 H), 7.60 (mc, 1 H), 8.00-8.07 (m, 2 H).
13C-NMR (75 MHz; CD3CN): δH [ppm]: 23.8, 37.5, 27.9, 45.9, 46.1, 49.3, 53.9, 63.6, 88.2, 120.4, 129.4, 130.0, 130.3, 130.9, 131.3, 132.1, 134.0, 134.1, 152.5, 167.2.
[実施例2] 速度論的分割
マイクロスケールバッチに関する一般調製手順
過剰発現している対応するω−トランスアミナーゼを含有するE.コリの凍結乾燥された細胞(20mg)を、PLP(1mM)およびピルビン酸ナトリウム(1当量)を含有するリン酸カリウム緩衝剤中(pH7.0、100mM)で、室温にて30分間再水和した。その後、基質(3.6mg/100μLDMSO)を加え、エッペンドルフオービタルシェーカー中(700rpm)で30℃にて24時間反応を実施した。
マイクロスケールバッチに関する一般調製手順
過剰発現している対応するω−トランスアミナーゼを含有するE.コリの凍結乾燥された細胞(20mg)を、PLP(1mM)およびピルビン酸ナトリウム(1当量)を含有するリン酸カリウム緩衝剤中(pH7.0、100mM)で、室温にて30分間再水和した。その後、基質(3.6mg/100μLDMSO)を加え、エッペンドルフオービタルシェーカー中(700rpm)で30℃にて24時間反応を実施した。
実験結果は下の表4にまとめてある。表中、列記された値は、重複の測定値から求められた平均値を表す(2回測定間の偏差<10%)。
上の表4に列記された実験データから明白となるように、変換率および/または鏡像異性体富化の特性が、本発明による速度論的分割プロセスにより達成されている。ω−トランスアミナーゼ、シュードモナス・プチダIおよびII、アスペルギルス・テレウス、バチルス・メガテリウムおよびアルスロバクター属種が適用されるのが好ましく、これらが、高い鏡像異性体過剰率および高い変換率の両方を可能としている。シュードモナス・プチダIが適用されるのがさらに有益で、鏡像異性体過剰率も相対的に高く歩留りも相対的に高い、シロドシンを調製するのに特に所望される中間生成物となる、式II’の化合物の(R)−鏡像異性体を提供する。
Claims (13)
- 式II
R1は、CN、NH2、NO2およびカルバモイルに変換可能な基からなる群から選択され、
R2は、H、N保護基、−(CH2)n−O−R3および−(CH2)n−O−CO−R4からなる群から選択され、ここでn=1から10であり、
R3は、ヒドロキシ保護基であり、R4およびR5は互いに独立して、置換もしくは非置換C1−C10アルキルまたは置換もしくは非置換C3−C10アリールまたは置換もしくは非置換C3−C10アルキルアリールから選択される。]
のキラルアミン化合物を調製する方法であって、
式I
の化合物をω−トランスアミナーゼの存在下でアミン供与体と反応させる方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
ω−トランスアミナーゼが、クロモバクテリウム・ビオラセウム(Chromobacterium violaceum)、ヒポモナス・ネプツニウム(Hyphomonas neptunium)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、(R)−アルスロバクター属種((R)−Arthrobacter sp.)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、アロソバクター第11ラウンド突然変異体(Arothobacter round 11 mutant)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)およびアルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citreus)からなる群、好ましくは、シュードモナス・フルオレッセンスおよび(R)−アルスロバクター属種からなる群から選択される生物に由来し、または
ω−トランスアミナーゼが(R)−選択的トランスアミナーゼであり、好ましくは、この(R)−選択的ω−トランスアミナーゼが、(R)−アルスロバクター属種、ヒポモナス・ネプツニウム、アスペルギルス・テレウスおよびアルスロバクター第11ラウンド突然変異体(Arthrobacter round 11 mutant)からなる群、より好ましくは、(R)−アルスロバクター属種およびアスペルギルス・テレウスからなる群、特に、(R)−アルスロバクター属種からなる群から選択される生物に由来する、方法。 - 請求項1または2に記載の方法であって、
アミン供与体が、アラニン、1−エチルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、1−インドールアミン、フェネチルアミンなどからなる群、好ましくは、アラニンおよび2−プロピルアミンからなる群、より好ましくは、2−プロピルアミンからなる群から選択される、方法。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の方法であって、
式IIのキラルアミン化合物が、光学的に活性であり、好ましくは、式IIの光学活性化合物が、鏡像異性体過剰率を少なくとも60−100%、好ましくは、75−100%、より好ましくは、85−100%、さらにより好ましくは、90−100%、またさらにより好ましくは、95−100%、特に、99−100%有する、方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、
式Iの化合物が、反応混合物において、1から200mM、好ましくは、5から150mM、より好ましくは、10から100mM、特に、15から50mMの濃度で供給され、および/または
前記方法が、16−40℃、好ましくは、20−36℃、より好ましくは、24−34℃、さらにより好ましくは、26−32℃の反応温度で実施され、および/または
ω−トランスアミナーゼが、アルスロバクター第11ラウンド突然変異体である場合、前記方法が35−50℃、好ましくは、40−45℃の反応温度で実施される、方法。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
アミン供与体がアラニンである場合、反応混合物が、アラニン脱水素酵素(Ala−DH)、ギ酸脱水素酵素(FDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ピリドキサール−5’−フォファット(PLP)およびギ酸アンモニウムをさらに含み、または
反応混合物が、アラニン脱水素酵素(Ala−DH)、ブドウ糖脱水素酵素(GDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ピリドキサール−5’−フォファット(PLP)、ブドウ糖およびアンモニウム塩をさらに含み、または
反応混合物が、アラニン脱水素酵素(Ala−DH)、亜リン酸脱水素酵素(PTDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ピリドキサール−5’−フォファット(PLP)および亜リン酸アンモニウムをさらに含む、方法。 - 式II
R2は、H、N保護基、−(CH2)n−O−R3または−(CH2)n−O−CO−R4からなる群から選択され、ここでn=1から10であり、
R3は、ヒドロキシ保護基であり、R4およびR5は互いに独立して、置換もしくは非置換C1−C10アルキルまたは置換もしくは非置換C3−C10アリールまたは置換もしくは非置換C3−C10アルキルアリールから選択される。]
の光学的に活性なキラルアミン化合物を調製する方法であって、
i)式II
の化合物の第1型および第2型の鏡像異性体の混合物を、ω−トランスアミナーゼの存在下でアミン受容体と反応させて、式IIの化合物の第1型の鏡像異性体を、式I
の化合物に変換する工程、および
ii)反応混合物から、式IIの化合物の残りの未反応の第2型の鏡像異性体を分離する工程
を含む、方法。 - 請求項7に記載の方法であって、
ω−トランスアミナーゼが、ヒポモナス・ネプツニウム、クロモバテリウム・ビオラセウム、シュードモナス・プチダIまたはII、アスペルギルス・テレウス、バチルス・メガテリウムおよびアルスロバクター属種からなる群、好ましくはシュードモナス・プチダI、アスペルギルス・テレウス、バチルス・メガテリウムおよびアルスロバクター属種からなる群から選択される、または
ω−トランスアミナーゼが(S)−選択的であり、好ましくは、この(S)−選択的ω−トランスアミナーゼが、クロモバクテリウム・ビオラセウム、シュードモナス・プチダIまたはII、バチルス・メガテリウムからなる群、より好ましくは、シュードモナス・プチダIおよびバチルス・メガテリウムからなる群から選択される生物に由来する、方法。 - アミン受容体がピルベートである、請求項7または8に記載の方法。
- 請求項7から9のいずれか一項に記載の方法であって、
工程ii)中で得られた式IIの化合物の光学活性キラルアミンが、70−100%、好ましくは、80−100%、より好ましくは、90−100%、さらにより好ましくは、95−100%、またさらにより好ましくは、99−100%の鏡像異性体過剰率を有する、方法。 - 以下の(i)から(v)の手順的製法条件のいずれか一つまたは組合せて実施される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法であって、
(i)IIの化合物とアミン受容体とのモル比が、1:1から1:10、好ましくは、1:1.2から1:8、より好ましくは、1:1.2から1:4、最も好ましくは、1:1.5から1:2.5であり、
(ii)ω−トランスアミナーゼが、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、易透過処理されたE.コリ(E.coli)細胞の形態で供給され、または粗酵素抽出物もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給され、または(部分)精製酵素調製物もしくは凍結乾燥残渣もしくはそれらの凍結乾燥残渣として供給され、または
固定化調製物として供給され、好ましくは、ω−トランスアミナーゼが、ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、易透過処理されたE.コリ細胞の形態で供給され、より好ましくは、任意の酵素溶液の凍結乾燥残渣の形態で供給され、
(iii)ω−トランスアミナーゼを過剰発現している、凍結乾燥されたE.コリ細胞の質量と式IIの化合物のモル量との比が、10g/1molから2000g/1molであり、
(iv)前記方法が、DMF、DMSO、THF、MeCN、DMEおよびC1−C6アルコールからなる群、好ましくは、DMF、DMSO、THF、MeCN、DMEおよびC1−C3アルコールからなる群、より好ましくは、DMF、DMSO、THF、MeCN、DMEからなる群、特に、DMFおよびDMSOからなる群から選択される有機溶媒の存在下で実施され、
(v)反応混合物が、場合によってリン酸塩緩衝剤、TRIS緩衝剤、PIPES緩衝剤およびHEPES緩衝剤からなる群から選択される水性緩衝剤系をさらに含み、好ましくは、緩衝剤は省略される、
方法。 - 請求項1から11のいずれか一項に記載の方法であって、
式IおよびIIの化合物が、a)、b)および/またはc)の少なくとも1つの構造的特性によってそれぞれ独立して特徴づけられ、
a)R2は、tert−ブチルカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)およびアリルオキシカルボニル(alloc)からなる群から選択されるアミン保護基を表し、
b)ヒドロキシ保護基R3が、ベンゾイル、トシル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、t−ブチル、アリル、ベンジル(Bz)、t−ブチルメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、アセチル、ピバロイルからなる群から選択され、および/または
c)m=1から5であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)n−O−CO−R4(式中、n=1から5である。)であり、R4は直鎖もしくは分枝鎖C1−C4アルキルまたはフェニルであり、R5は直鎖もしくは分枝鎖C1−C4アルキルであり、
好ましくは、m=1から3であり、R1はCN、R2は−(CH2)n−O−CO−R4(式中、n=1から3である。)であり、R5はメチルまたはエチルであり、
より好ましくは、m=1であり、R1はCNであり、R2は−(CH2)3−O−CO−Phであり、R5はメチルである、方法。
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