JP2015529326A - 光散乱を利用した凍結インジケータおよびその作製方法 - Google Patents

光散乱を利用した凍結インジケータおよびその作製方法 Download PDF

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Abstract

指標分散系を含む凍結インジケータが本明細書に記述されている。このような凍結インジケータは、液媒体と液媒体中に分散された、色付けされた指標薬品粒子と、を含みうる。色付けされた指標薬品粒子は、固有の色を有し、指標分散系は、凍結後において、色付けされた指標薬品粒子の固有の色を表し、凍結前において、より薄く色付けされた外観を有するように形成されている。凍結前において、光散乱により、色付けされた指標薬品粒子の固有の色が見えなくなっている。いくつかの指標分散系は、色可変化学的共反応物を含まなくてもよい。これらの凍結インジケータは、小型であり、低価格であり、簡素な構成であってもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、特に、過去にホスト製品を凍結温度に曝されたか否かを監視するための凍結インジケータと、このような凍結インジケータの製造方法に関する。
[優先権主張]
この出願は、2012年8月16日に出願された、米国特許出願No.61/683,805、表題「光散乱を利用した凍結インジケータおよびその作製方法」の全ての開示が全ての目的のために本明細書に参照として組み込まれることを主張する。
多くの商品は、凍結の影響を受けやすく、使用前に凍結温度になされた場合、効能または品質を損ないうる。凍結の影響を受けやすい商品の例には、いくつかの産業製品と同様に、特定の医薬、医療製品および食料品を含む。従って、凍結状態に曝されることおよび凍結または凍結に近い状態が生じたことの合図を監視できる種々の凍結インジケータが提供されている。合図は、色の変化、例えば、指標領域の色の変化であり、色の変化を与える凍結時に凝固する指標の分散によって生み出されうる。周知の凍結インジケータのいくつかの例は、Lentzらの特許文献1、Smithらの特許文献2、Taylorらの特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7およびTaylorらの特許文献8(本明細書ではTaylor'980とする。)に記述されている。Taylor'980の開示は、本明細書に参照によって組み込まれる。
周知の凍結インジケータは、それらの意図される目的には十分であるが、新たな特性を有する凍結インジケータの要請が存在する。
米国特許第8,128,872号明細書 米国特許第8,122,844号明細書 米国特許第7,891.301号明細書 米国特許第7,624,698号明細書 米国特許第7,571,695号明細書 米国特許第7,490,575号明細書 米国特許第7,343,872号明細書 米国特許出願公報第2012/0079980号明細書
水性の液媒体を含み、指標の分散を利用する形式であり、指標の分散が簡素な構成である、小型で低価格の実施形態において明確な色変化を与える凍結インジケータを提供することが望まれている。
いくつかの実施形態は、
液媒体と、
前記液媒体に分散され、色付けされた指標薬品の液体粒子と、を有する指標分散系を含み、
前記色付けされた指標薬品粒子は、固有の色を有し、
前記指標分散系は、凍結後において前記色付けされた指標薬品粒子の前記固有の色を表し、凍結前において、前記色付けされた指標薬品粒子の固有の色が光散乱によりマスクすることにより凍結前はより薄く色付けされた外観を有するように構成され、
前記指標分散系は、色可変化学的共反応物を含まない。
いくつかの実施形態は、
液媒体と、
前記液媒体中に分散された、色付けされた指標薬品の液体粒子と、を有する指標分散系を含み、
前記色付けされた指標薬品粒子は、固有の色を有し、
前記指標分散系は、凍結後に前記色付けされた指標薬品粒子の固有の色を表し、凍結前において前記色付けされた指標薬品粒子の固有の色が光散乱によりマスクすることにより凍結前は薄く色付けされた外観を有するように構成されている。
いくつかの実施形態において、上述の指標分散系について、前記指標分散系は、色可変化学的共反応物を含まない。いくつかの実施形態において、前記液媒体は、疎水性の液媒体である。いくつかの実施形態において、前記液媒体は、水性の液媒体である。
いくつかの実施形態は、筐体と当該筐体内に配置された前記指標分散系とを有する凍結インジケータを含む。前記筐体は、前記指標分散系が外部から前記凍結インジケータを光学的に読み取ることができるように構成されうる。
いくつかの実施形態は、筐体と当該筐体内に配置された前記指標分散系とを有する凍結インジケータを含む。前記筐体は、前記指標分散系が前記凍結インジケータの外部から光学的に確認できるように構成されてもよい。前記指標分散系は、水性の液媒体と当該水性の液媒体に分散された色付けされた指標薬品の粒子とを含んでもよい。前記色付けされた指標薬品粒子は、固有の色を有してもよく、前記指標分散系は、凍結後に前記色付けされた指標薬品粒子の固有の色を表すものであってもよい。また、前記指標分散系は、凍結前に前記色付けされた指標薬品粒子の固有の色が光散乱によりマスクされ、凍結前は薄く色付けされた外観を有するように構成されていてもよい。前記光散乱は、入射光のランダム散乱であってもよい。更に、いくつかの場合、前記指標分散系は、前記光散乱により薄白く見えてもよい。更に、前記指標分散系は、凍結温度への曝露に応じて凝固してもよい。
前記凍結インジケータのいくつかの実施形態において、前記色付けされた指標薬品粒子は、例えば油のような疎水性液体に溶解された着色剤を含む。前記凍結インジケータの他の実施形態において、前記色付けされた指標薬品粒子は、例えば油のような疎水性の液体の中に分散された着色剤の固体粒子を含む。他の実施形態において、前記色付けされた指標薬品粒子は、固形材料中に溶解されまたは分散された着色剤の固体粒子を含んでもよい。
いくつかの実施形態は、筐体と当該筐体の中の指標分散系とを含む凍結インジケータを含む。前記筐体は、前記凍結インジケータの外部から前記指標分散系を光学的に確認できるように構成されていてもよい。前記指標分散系は、水性の液媒体と当該水性の液媒体に分散された色付けされた指標薬品の液体粒子とを含む。前記色付けされた指標薬品粒子は、疎水性液体に溶解された着色剤を含んでもよく、固有の色を有してもよい。前記指標分散系は、凍結後に前記色付けされた指標薬品粒子の固有の色を表し、凍結前は薄く色付けされた外観を有するように構成されていてもよい。凍結前において前記色付けされた指標薬品粒子の固有の色は、光散乱または他の適当な現象によりマスクされたり隠されたりしてもよい。
凍結インジケータの一実施形態において、前記着色剤は染料であり、前記疎水性液体は油である。前記色付けされた指標薬品粒子は均一であってもよく、例えば全てまたは実質的に全ての粒子が、実質的に互いに同一の成分を有してもよい。また、前記指標分散系の中には他の指標粒子は存在しなくてもよいし、凍結に反応する凍結インジケータの見え方の変化に寄与しうる他の指標粒子の指標分散系が欠如していてもよい。更に、前記指標分散系は、好ましくは、色可変化学的共生成物を含まないのがよい。
いくつかの実施形態は、指標分散系を供給するために水性液媒体中に色付けされた指標薬品の粒子を分散させることと、
凍結前に薄く色付けされた外観を有するように前記指標分散系を形成することと、を含む凍結インジケータの作製方法を含む。また、前記方法は、前記指標分散系が前記凍結インジケータの外部から光学的に確認できるようにすることが可能な筐体の中に前記指標分散系を導入することを含んでもよい。前記色付けされた薬品粒子は、凍結後に前記指標分散系を視認できる形で染めるようにしてもよい。
いくつかの凍結インジケータの実施形態において、前記色付けされた指標薬品粒子は、少なくとも約100nmまたは少なくとも約200nmの平均粒子サイズを有するものであってもよい。代わりにまたはそれに加えて、前述のあらゆる最小割合について、前記色付けされた指標薬品粒子は、高々約2μmまたは高々約1.2μmの平均粒子サイズを有してもよい。選択的に前記平均粒子サイズは、約200nmから約500nmの範囲内であってもよい。前記方法は、1または複数のこれらの基準に一致するいずれかの平均粒子サイズを有するように前記指標分散系を形成することを含んでもよい。
この方法において、前記指標分散系は、色可変化学的共反応物を除外または含まないものであってもよい。また、前記指標分散系は、前記指標分散系が凍結温度に曝されたことに応じて凝固してもよい。
凍結インジケータの実施形態は、ホスト製品が凍結状態に曝される可能性を監視するのに適した小型で低価格なユニット内で明瞭な色変化を示すことができる。本発明を実施するための選択の余地が与えられるのであれば、種々の着色剤を用いた種々の異なる色付けされた指標薬品粒子が用いられてもよい。前記指標分散系は、簡素な構成であってもよく、本発明は、凍結インジケータを作製する簡単な方法を含む。
いくつかの実施形態は、本明細書に記述されている凍結インジケータを有する、腐敗しやすい品物のラベルを含む。
いくつかの実施形態は、本明細書に記述されている凍結インジケータを有する、腐敗しやすい品物のための包装用容器を含む。
いくつかの実施形態は、本明細書に記述されている凍結インジケータを有する、腐敗しやすい品物が詰められた包装用容器を含む。
いくつかの実施形態は、凍結インジケータが実質的に腐敗しやすい物品と同じ温度条件を受けるように前記腐敗しやすい物品と本明細書に記述されている凍結インジケータとを連結することを含む、前記腐敗しやすい物品を保護する方法を含む。このような方法は、更に、前記指標分散系の見かけの色の検出可能であり且つ不可逆な変化について前記凍結インジケータを検査することを含んでもよい。望まれるのであれば、前記指標分散系の見かけの色の検出可能であり且つ不可逆な変化が検出された場合、前記物品が廃棄されてもよい。
いくつかの実施形態は、腐敗しやすい品物の品質の監視において本明細書に記述されている凍結インジケータを使用することを含む。
いくつかの実施形態は、本明細書に記述されている凍結インジケータを、凍結現象が生じうる条件に曝すことと、前記指標分散系の見かけの色において検出可能であり且つ不可逆的な変化が生じるか否かを観察することと、を含む、凍結現象を検出する方法を含む。
一実施形態に係る光散乱を利用した凍結インジケータの平面図である。 図1に示された凍結インジケータの2−2線断面図である。 他の実施形態に係る光散乱を利用した凍結インジケータの図2と同様の図である。 複数の凍結インジケータ分散液の試料について、凍結前の外観と凍結後の外観とを示す図である。
いくつかの実施形態、および、1または複数の実施形態の作製方法および使用方法は、例として、参照数字等がいくつかの図面を通じて要素等を指し示す添付図面(図示されたいずれかの内側または外側の構造について縮尺して描かれる必要はない。)を参照しながら本明細書に詳細に記述されている。
ワクチン投与は、世界の何百万もの生命を保護しまたは向上させうる費用効果のある健康介入を提供する。ワクチンの生物学的な活動は、複雑な有機高分子、例えば、特定の三次元構造を有する蛋白質に起因しうる。凍結温度に曝されたとき、またはいくつかの場合、凍結温度に近い温度に曝されたとき、低温によりワクチンの構成要素における1または複数の必須の有機高分子の特定の構成が破壊されるので、ワクチンは効能を失いうる。効能の低いワクチンは、被験体に投与された場合、当該被験体を重大なまたは致命的な病気から保護できないおそれがある。
また、逆に高温はワクチンの品質に影響しうるので、ワクチンは一般的に保管中およびエンドユーザへの配送中は、他の手段により冷却または冷やされる。このような冷やす手段は、一群の試料の中のいくつかまたは全てのワクチンが冷却制御が不十分なコンテナ内の冷点または他の要因によって凍結または略凍結する温度に曝されうる危険をもたらす。同様の考えは、他の種々の商品、例えば、特定の食料品と同じく、生物医薬およびいくつかの遺伝子学的に作られた医薬および他に本明細書に記述されているいくつかの他の商品に当てはまる。
この問題を軽減する手助けのために、凍結インジケータはワクチンまたは他のホスト製品に付随して、保健従事者または他のエンドユーザに対して、ワクチンの効能が低くおそらく使用されるべきではない旨の注意を喚起する光信号を出してもよい。
Taylor'980は、量産、および、ワクチンの瓶または注射器のようなホスト製品に貼り付けたり、または、そうでなければその近傍に付随させたりするのに適した小型且つ低価格でありラベル状の構成で実現されうる種々の凍結インジケータを記述している。
Taylor'980は、特に、水性液体であってもよい分散媒体中に分散された第1および第2の着色剤相を利用する色可変乳状剤を含む凍結インジケータを記述している。第1および第2の着色剤相は、凍結温度に曝されることに応じて共反応しうる、色可変乳状剤の色を不可逆的に変化させる第1の着色剤および第2の着色剤を含んでもよい。記述されているように、種々の共反応物が利用され、これらのいくつかは、凍結インジケータの凍結後の外観と初期の外観との間で強い色変化および十分なコントラストを提供する。
いくつかの目的のために、簡素な構成を有し、凍結前の指標分散系の外観に対してよく際立った凍結後の外観を有する指標分散系を含み、ワクチンおよび他のホスト製品とともに使用するのに適した低価格の凍結インジケータを提供することが望まれる。他の有用な特性は、いつくかの場合、製造が容易な指標分散系を有し、ラベル、選択的に薄い可撓性を有するラベルとして構成される可能性を有することを含む。
このような必要性を扱うために、いくつかの実施形態は、色付けされた指標薬品の粒子が分散され、指標分散系が凍結前は薄く色付けされた外観を有し、凍結後はより濃く色付けされたように見えるように構成されうる、水性液媒体または疎水性の液媒体を含む指標分散系を利用する凍結インジケータを含む。色付けされた指標薬品粒子は、凍結後のより色付けされた外観を提供する固有の色を有し、簡単のため、指標分散系は、色可変化学的共反応物を排除してもよいし、含まなくてもよい。このような指標は、簡素化の利点、製造容易性、および/または凍結後の外観と凍結前の外観との間での十分なコントラストを提供することができる。
例えば、いくつかの凍結インジケータの実施形態は、水性(または疎水性)の液媒体に分散された、唯一の分散相である、色付けされた指標薬品粒子の単一の相を有する指標分散系を含んでもよい。色付けされた指標粒子の単一の相での粒子は、実質的に互いに同様の組成を有する同質のものであってもよい。このような凍結インジケータの実施形態は、水性の液媒体中に分散された2つの異なる反応性相を利用した凍結インジケータと異なるものである。いくつかの実施形態は、色付けされた指標薬品粒子が単一の疎水性液体に溶解または分散された単一の着色剤または水性液媒体中に分散された単一の固体から構成されている凍結インジケータを含む。このような指標分散系は、選択的な1または複数の原料として、凍結剤(ice nucleant)、分散安定化剤、蛋白質安定化剤、低温不安定化剤および/または殺生物剤を含んでもよい。
指標分散系が色可変化学的共反応物を含まないことを保証するために指標分散系から除外される材料のいくつかの例は、色付けされた指標薬品粒子と共反応して粒子の色を化学的に変化させうる化学反応物、例えば色を減少させる薬品、発色剤に付随する色前駆体および凍結インジケータの他の要素と反応して発色しうる色可変化学反応物である。このような材料を避けることにより、指標分散系の構成を簡素化したり、例えば指標分散系の凍結前の外観において望ましくない背景色をときどき生じさせうるという問題を低減したりすることができる。
色可変化学反応物と、例えば水中油型分散液または油中水型分散液と、を含む多重相システムにおいて、油相に含まれる化学反応物は、水相へ移動しうる。色可変化学反応物の水相への、および/または水相を通過する移動により、いくつかの場合、例えば指標分散系の初期の色を暗くし、凍結前後での標識の外観のコントラストを低下させることにより、指標の合図をあいまいにする、尚早な色変化反応が引き起こされうる。
凍結インジケータの実施形態で利用される指標分散系は、疎水性の材料の平均粒子サイズを、光散乱が生じる値に調整することにより、光散乱を利用して色付けされた指標薬品粒子の固有の色をマスクしたり隠したりするように構成されていてもよい。その他の現象が指標分散系の凍結前の外観と指標分散系の凍結後の外観との間で明瞭なコントラストを提供する場合、粒子サイズは、色付けされた指標薬品粒子の固有の色とは異なる外観を有する指標分散系が光散乱以外の現象の結果として生じるように構成されていてもよい。乳状剤(emulsion)の場合、製造中の均質化の度合いおよび/または実施時間を増加することにより、大抵、指標分散系の粒子サイズは減少するだろう。本分野の当業者に知られているように、攪拌速度の高速化および/または設備の更なる洗練化は、均質化の度合いを向上させるためによく採用されうる。適当な分散液は、類似の方法により作製されてもよい。
例えば約1.45または1.5よりも大きい比較的高い屈折率を有する疎水性の材料を使用することにより、いくつかの場合、より薄く色付けされた、より不透明な、より明るく色付けされた分散液を供給しやすくなりうる。有用な屈折率を有する疎水性材料のいくつかの例は、約1.47の屈折率を有するオリーブ油およびひまわり油のような植物性油、および、約1.48の屈折率を有する鉱物油である。また、約1.52のより高い屈折率を有する疎水性の水素化テルフェニル油は、より不透明さまたは明るさを与えうるものであり、これが採用されてもよい。
分散相(油中の着色剤または水自体)の色彩強度は、凍結前後の指標の状態の間での識別性に影響を及ぼすように変化してもよい。液体の色彩強度は、濃度測定、分光測定または視覚基準との比較により評価されてもよい。1cmの厚さの液体により得られる色彩強度がその吸光度である。吸光度が分光測定により評価されるとき、その色に対応する波長が選択されてもよい。例えば着色剤が赤であれば、700nmで色の吸光度が評価されてもよく、着色剤が青であれば、475nmで色の吸光度が評価されてもよい。黒および灰色は、可視スペクトルのあらゆる波長で評価されてもよいが、500nmで評価するのが手頃である。着色剤の溶液または分散液の実際の色彩強度は、着色剤の濃度と着色剤の相対強度との両方に依存する。黒色の液体の吸光度の有用な範囲は、1から30、2から20、または3から10である。いくつかの実施形態において、着色剤を含む疎水性の油のような色付けされた指標薬品は、500nmで吸光度が約1から約30、約2から約15、約3から約10である。
着色剤の濃度は、凍結後に強い色を出すとともにはっきりとした色変化をもたらすように色付けされた指標薬品粒子において利用される異なる色彩強度を有する異なる着色剤に対して様々でありうる。代わりにまたはこれに加えて、前述の最小の割合のいずれかについて、着色剤の割合は、高々約1.0重量%、高々約0.1重量%または高々約0.05重量%であってもよい。選択的には、上記割合は、約0.001重量%から約0.01重量%の間であってもよい。着色剤の割合は、それが存在するのであれば、凍結前の色彩の外観を弱めるために減少されてもよく、或いは、望まれるのであれば、凍結後の色彩の外観を強めるために増やされてもよい。この着色剤のいずれの割合も方法の実施形態において採用してもよい。
本発明の凍結インジケータの実施形態で採用されている指標分散系は、色付けされた指標薬品粒子が種々の割合であってもよく、例えば、指標分散系の重量に基づく重量の割合が、少なくとも約0.0005%または少なくとも約0.002%、少なくとも約0.01%。少なくとも約0.05%である。代わりにまたはそれに加えて、前述の最小の割合のいずれかについて、着色剤の割合は、高々約1.0重量%、高々約0.1重量%または高々約0.05重量%であってもよい。選択的には、上記割合は、約0.001重量%から約0.01重量%の間であってもよい。着色剤の割合は、それが存在するのであれば、凍結前の外観に表れる色彩を弱めるために減少されてもよく、或いは、望まれるのであれば、凍結後の外観に表れる色彩を強めるために増やされてもよい。この着色剤のいずれの割合も本発明の方法の実施形態において採用してもよい。凍結インジケータの実施形態で採用される指標分散系は、色付けされた指標薬品粒子が種々の割合であってもよく、例えば、指標分散系の重量に基づく重量の割合が、少なくとも約50%または少なくとも約30%、少なくとも約20%。少なくとも約5%である。
更に、いくつかの凍結インジケータの実施形態で採用される指標分散系は、水性液媒体および色付けされた指標薬品粒子のみから構成されてもよいし、分散安定化剤および凍結剤(氷の核)のような1または複数の選択的且つ付加的な材料を含んでもよい。1または複数の分散安定化剤が採用される場合、凍結温度よりも高い温度において指標分散系を安定化させることができ、凍結温度または凍結温度よりも低い温度において指標分散を弱めることができるものが適当である。凍結剤は、過冷却を制御しやすくできるとともに、指標分散系が凍結し始める温度を、水性の液媒体の融点により近い温度に上げることができるものが適当である。含ませることができるいくつかの付加的な材料は、本明細書の他のところで記述されているように、低温不安定化剤、蛋白質安定化剤および殺生物剤である。
「凝固する(coagulate)」との用語および、「凝固している(coagulating)」および「凝固(coagulation)」を含む、この文法的変形は、本明細書において、凝集すること、または部分の全てが区別しうる状態のまま塊または集団を形成すること、を示すものとして使用される。
「凝集する(coalesce)」との用語および、「凝集している(coalescing)」および「凝集(coalescence)」を含む、この文法的変形は、本明細書において、一つに合体させる、または一つに結合することにより、一つの塊、生成物、大きな塊にすること、または、全てが集積されたものになること、を示すものとして使用される。本明細書において凝集と記述されている場合、凝集は、概して、但し常にそうではないが、凝固が先に生じるものとして理解されうる。凝集する凍結インジケータは、複数の体または複数の凝集した粒子の大きな塊に凝集しうると理解されるであろう。
本明細書において「色」との用語は、無色の外観、例えば、黒色、灰色、および白色と、基本色調、第2色調および/または他の色調、例えば、これに限定されないが、赤色、黄色、緑色、青色、紫色、橙色および茶色を含む彩色の外観と、を示すものとして使用される。「色変化」との用語およびこの文法的変形、または、これに等しい用語は、色調、強度または明るさ(または暗さ)における変化、または他の外観上の変化を示すものとして使用される。「明るい」外観または「暗い」外観は、存在または存在しないあらゆる色調を参照せずに濃淡階調での外観を示す。「より色付けされた」外観とは、無色または白色のいずれかの外観と比較してより容易に識別可能な色を示す。例えば、明るい黄色またはピンク色は、白色に比べてより色付けされている。
本明細書で使用される「1の粒子(particle)」および「複数の粒子(particles)」の用語は、固体粒子および液体粒子の両方を含む。
本明細書において、「分散液」との用語は、液媒体中に固体粒子が分散された分散液または液媒体中に液体粒子が分散された分散液を示すものとして使用される。本明細書において、「乳状剤」との用語は、液媒体中に液体粒子が分散された分散液、例えば、水中油型乳状剤または油中水型乳状剤を示すものとして使用される。
いくつかの凍結インジケータにより表されうる色変化のいくつかの例は、白色、灰色、黒色、赤色、黄色、青色、緑色、紫色、橙色および茶色のうちのいずれか2つと、前述の色の明度および暗度のいずれかとの間での変化を含む。凍結インジケータのいくつかの実施形態は、凍結前には白色、淡い色または無色だったものが、凍結後に黄色、橙色、緑色、赤色、黒色または紫色への変化を示すものであってもよい。
本明細書において、「凍結温度(freezing temperature)」との用語は、本明細書に記述されているように、水性の凍結インジケータの分散媒体が氷の結晶を形成する温度を示す。
「凍結する(freeze)」との用語および、「凍結している(freezing)」を含む、この文法的な変形は、水を凍結させることを示すものとして使用される。
本明細書で使用される「光学密度(optical Density)」(OD)との用語は、試料から反射した入射光の割合の逆数について底を10とした対数をとった値を示す。ODは、以下の式で表される。
ODλ=log10(I/I)
ここで、Iは試料で反射した、特定の波長λでの光強度であり、Iは試料に入射する前の光の強度である。
「水(water)」との用語は、通常の「軽」水のみならず重水素酸化物及び重水を含む。
いくつかの実施形態において、指標分散系は、単純な水中油型乳状剤または油中水型乳状剤として処方されるのが適当である。いくつかの実施形態では、単純に、水に疎水性の粒子が分散された分散液を採用してもよい。凍結前において、着色剤が存在するにもかかわらず、このような指標分散系は、光を散乱して、明るく、より薄く色付けされて見える、または色が白く見えるものであってもよい。また、指標分散系の外観は、いくつかの場合、不透明であってもよい。光散乱により、指標分散系中に存在する色付けされた指標薬品粒子の固有の色がマスクされたり、隠されてもよい。この光散乱は、入射光のランダム散乱であってもよい。
凍結インジケータを凍結温度に曝す場合、水の凍結により乳状剤中の油粒子の凝集が生じうる。凍結に応じて、乳状剤は、ときどきその多くまたは全体が2つの別個の体積に凝集する2つの相に分離され、これらの体積のうちの1つは、色付けされた指標薬品粒子の色を示す。他の場合、油粒子は、水性の相が溶解するときに、例えば入射光の反射により着色剤の固有の色を表す複数のより大きい粒子、塊、大きな塊に凝集しうる。同様に、凍結に応じて、指標分散系中の固体粒子の、もはや光を強く散乱しないが指標分散系中の色付けされた指標薬品粒子の固有の色を示す大きな塊への凝固が生じて、固体粒子分散液が変質(break)してもよい。色付けされた指標薬品粒子は、凍結後に不可逆的に凝固されるものであってもよい。
本明細書に記述されているように、比較的簡素な指標分散系を採用したいくつかの凍結インジケータの実施形態において、適当な濃度の適当な着色剤を利用することにより非常に激しい色変化が得られうる。例えば、1mmの厚さを有する指標分散系の層の凍結後の外観は、指標分散系相の凍結前の外観よりも少なくとも0.4の光学的密度(「OD」)単位だけ暗くなりうる。
また、本明細書に記述されているように、比較的簡素な指標分散系を使用する凍結インジケータの実施形態において、光散乱により濃い色をマスクする効果は予期されていない。更に、凍結インジケータのいくつかの実施形態は、意外にも、濃い着色剤、例えば、凍結前において白色であり背景の色、色調または色合いが略または完全に無い外観を有するくすんだ黒色染料を採用してもよい。この実施形態での凍結前の外観は、くすんだ黒色染料を使用しており、灰色には見えない。
凍結インジケータの実施形態は、例えば、種々の油溶性染料および種々の水溶性顔料を含む種々の異なる着色剤が使用されうるので、種々の色選択が処方されうる。その上、採用されうる指標分散系が簡素であることにより、指標分散系の構成おおよび採用される材料として利用できる選択肢の幅が広がる。例えば、多様な色付けされた指標薬品が採用されうる。また、疎水性液体、固体材料、分散安定化剤および凍結剤のような他の材料が存在する場合、受け入れ可能な候補の範囲から選択されうる。
簡素さが利点を有するかもしれないが、本発明は、簡素な実施形態に限定されない。
凍結インジケータの実施形態に採用される色付けされた指標薬品粒子は、種々の粒子サイズ、例えば、少なくとも約100nmまたは少なくとも約200nmの平均粒子サイズを有してもよい。平均粒子サイズは、高々約1.2μmまたは高々約2μmであってもよい。選択的に、平均粒子サイズは、約100nmから約400nmの間であってもよい。
凍結インジケータの実施形態は、ホスト製品が凍結温度に曝されることを監視するために、ホスト製品に付随するよう構成されていてもよい。この目的のために、凍結インジケータは、筐体を支持する基板を含んでもよく、基板は、ホスト製品またはホスト製品の包装用容器または他の容器に貼り付けられるように適用されていてもよい。例えば、基板は、凍結インジケータをホスト製品または容器に固定するために感圧性の接着剤被覆を有するものであってもよい。凍結インジケータがホスト製品またはホスト製品の容器に適用される前は、感圧性の接着剤が剥離紙で保護されていてもよい。代わりに、凍結インジケータは紐または他の手段によりホスト製品に貼り付けられていてもよいし、容器が採用される場合、ホスト製品の容器の中に挿入されていてもよい。
基板が採用される場合、望まれるのであれば、凍結インジケータの基板または他の要素は、凍結後の指標の外観を示すために、例えば印刷により色付けされた参照領域を有していてもよい。更に、基板は、使用説明、出所を示す事項、ホスト製品の情報、市場情報および/または他の望まれるデータを提供する印刷されたしるしを有してもよい。
選択的に、筐体および基板は、それが採用されるのであれば、ホスト製品の曲面に凍結インジケータを貼り付けやすくして、凍結インジケータを曲面に沿わせることができるようにするために可撓性を有してもよい。
凍結インジケータの実施形態は、包装機械および包装方法またはこれらに類似するものを用いて量産されうる。製造方法の一実施形態において、凍結インジケータは、シートまたはロール形状の連続した剥離紙上で、感圧性接着剤を備えた物品を、個別に打ち抜いて形成することができる。凍結インジケータのシートまたはロールはラベルのように扱われてもよく、適宜改造された機械的なラベル貼り付け装置を用いて、ホスト製品またはこれらの容器に適用されてもよい。
本明細書の先で述べたように、いくつかの実施形態において、色付けされた指標薬品粒子は、疎水性液体または固体材料に溶解され、または分散された着色剤を含んでもよい。
[着色剤]
疎水性の色付けされた指標薬品粒子のために、着色剤は、1または複数の油溶性染料または油分散性顔料であるか、または、それを含むものであってもよい。染料または低い水溶性を有する染料が採用されてもよい。染料の油溶性が良いと、指標分散系の凍結後における外観の色彩強度が向上しうる。水溶性が低いと、指標分散系の尚早の着色を引き起こす、染料または顔料の水性の液媒体への潜在的な移動を回避したり低減したりできる指標分散系。例えば、染料は、高々約10mg/mL、高々1mg/mLまたは高々約0.1mg/mLの水溶性を有するものであってもよい。有用な染料の適当な油溶性は多様であってもよく、例えば少なくとも約10mg/mL、少なくとも約50mg/mLまたは少なくとも約100mg/mLであってもよい。染料は、実質的に水への溶解性に比べて高い油への溶解性を有するのが有用である。例えば、染料は、重量基準で、水に対する場合に比べて油に対して、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍または少なくとも100倍溶解し易くてもよい。
水性の色付けされた指標薬品粒子のために、着色剤は、1または複数の水溶性の染料または水分散性の顔料であってもよいし、これを含むものであってもよい。染料または低い油溶性を有する染料が採用されてもよい。染料の水溶性が良いと、凍結した後における指標分散系の外観の色彩強度が向上しうる。油溶性が低いと、指標分散系の尚早の着色を引き起こす、染料または顔料の疎水性液媒体への潜在的な移動を回避したり低減したりできる指標分散系。例えば、染料は、高々約10mg/mL、高々1mg/mLまたは高々約0.1mg/mLの油溶性を有するものであってもよい。有用な染料の適当な水溶性は多様であってもよく、例えば少なくとも約10mg/mL、少なくとも約50mg/mLまたは少なくとも約100mg/mLであってもよい。染料は、実質的に油への溶解性に比べて高い水への溶解性を有するのが有用である。例えば、染料は、重量基準で、油に対する場合に比べて水に対して、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍または少なくとも100倍溶解し易くてもよい。
種々の色が着色剤に採用されてもよい。赤色、橙色および黒色は、不利な状況が生じたことを合図する手助けとなりえる色の例であり、不十分または危険な状態を示すための、或いは警告として、一般的な慣例に従った好適な色の例である。適当な染料のいくつかの例は、油溶性染料、約6mg/mLの低い水溶性を有するアントラキノン油溶性染料であるSolvent Blue 35、約0.9mg/mLの水溶性を有し、水にわずかに溶解するアミノアントラキノン油溶性染料であるSolvent Green 3、約0.1mg/mLの水溶性を有し、水にわずかに溶解する2つの官能性アゾ基(−N=N−)を有するジスアゾ油溶性染料であり、Sudan Black Bとも呼ばれるSolvent Black 3、Oil Red OおよびVictoria Blue Bは、いずれもSigma-Aldrich,(St.Louis,Missouri)から入手できる。KEYPLAST(商標)Liquid oil Red HF、KEYPLAST Black 2BおよびKEYPLAST Black ANは、Keystone Aniline Corporationから入手できる。更に有用な油溶性染料についての付加的な情報、一般名称、化学構造および有用な染料の水溶性は、例えばFloyd J.Green"Handbook of Stains,Dyes,and Indicators,"The Aldrich Chemical Company(1991)で知ることができる。
適当な顔料のいくつかの例は、カーボンブラック、酸化鉄またはウルトラマリンを含む。採用された顔料は、望まれるのであれば、例えば顔料粒子を疎水性被覆で覆うことにより、疎水性材料中の顔料の分散性を向上させるように処理されてもよい。採用された顔料は、望まれるのであれば、例えば顔料粒子を親水性被覆で覆うことにより、水性媒体中の顔料の分散性を向上させるように処理されてもよい。
他の適当な着色剤、染料および顔料は、この分野の当業者にとっては明白なものであるか、或いは、本分野が発達すれば明白なものとなるであろう。
[疎水性液体]
採用することができる疎水性液体は、水性液媒体中で分散性を有する液体、または、過度な困難性を伴わずに、色付けされた指標薬品粒子の要素として水が分散されうる液体であってもよい。望ましくは、疎水性の液体は、色付けされた指標薬品粒子の固有の色をマスクすることができる粒子サイズ、或いは、さもなければ凍結後に適当な外観上の相違を生じさせることができる粒子サイズを採択し得る。いくつかの適当な疎水性液体は、凍結温度(及びそれよりも高い温度)において、例えば0℃、−5℃または−10℃において液体である。しかし、通常の周囲温度では液体であるが0℃またはその近傍では凍結する疎水性液体も、凍結した疎水性液体の固体粒子が視認可能な塊または大きな塊に凝固されうるのであれば、使用されてもよい。このような集合体は、凍結した疎水性の液体が溶けるときに凝集し、凍結および解凍後の外観上の相違を際立たせる。
適当な疎水性液体のいくつかの例は、特に、天然油および合成油を含む。いくつかの有用な疎水性液体は、水不混和性であるか、または、水をはじくまたは吸収しない傾向にあるか、および/または水への親和性が欠如している。有用な疎水性液体は、指標分散系の他の要素、または、凍結インジケータが指標分散系を収容するために採用し指標分散系に接触する筐体または収容材料のいずれかと反応しない疎水性液体であってもよい。その上、特に、限定されないが、疎水性液体は、着色剤と反応しないものであってもよい。適当な疎水性液体の例は、鉱物油、テルフェニル油、植物油、大豆油、綿実油、亜麻仁油、菜種油、ひまし油、ひまわり油、オリーブ油、カノーラ油、落花生油、コム(com)油およびシリコーン油またはシリコーン液、例えば、シロキサン、ポリシロキサン クロロポリシロキサンおよびジメチコンである。一つの適当な部分的に水素化されたテルフェニル油は、Solutia,St.Louis,Mo.から、製品コードMCS2811として入手可能である。2以上の疎水性液体の混合液も使用されてもよい。より適当ないくつかの疎水性液体は、Taylor'980に記述されている。
油中水型乳状剤を指標分散系として使用することの利点の一つは、油は水溶液に比べてかなり広い範囲の融点を有するので、油媒体の氷点が水性媒体のそれにくらべて順応性があることである。いくつかの実施形態において、水性媒体は、約0℃から約100℃、約2℃から約20℃、約5℃から約20℃、約5℃から約10℃、約10℃から約15℃、約15℃から約20℃の間の融点を有する疎水性液体である。
[固体材料]
他の実施形態において、色付けされた指標薬品粒子は、固体材料に溶解または分散された着色剤を含んでもよい。本明細書に記述されているように、選択的に柔らかいものでありうるが、適当な固体材料の例は、種々の疎水性材料と、パラフィンワックス、微結晶ワックス、カルナバワックス、蜜蝋、中国蝋、セラック蝋、鯨蝋、獣脂、椰子蝋、大豆ワックスおよびラノリンのような種々の蝋材と、2または3以上の蝋材の混合物と、を含む。適当な固体材料の更なる例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルデンおよびポリ塩化ビニルのような種々の合成重合体および共重合体と、2以上の重合体および/または共重合体の混合物と、を含む。更に他の実施形態において、色付けされた指標薬品粒子は、疎水性液体中または固体材料中に分散された着色剤の固体粒子であってもよい。着色剤は、通常、凍結インジケータが使用される温度、例えば、約50℃までの温度において固体状態で存在する顔料または水不溶性染料であってもよい。
[水性液媒体]
水性液媒体は、例えば水のようなあらゆる適当な水性液体を含んでもよいし、これから構成されてもよい。選択的に、水の融点よりも高い融点を有する1または複数の水混和性液体が、水性液媒体、例えば、重水素酸化物、重水または重水素酸化物と重水との混合物に含まれていてもよい。凍結インジケータのいくつかの実施形態において、水性液媒体は、水性液媒体の重量を基準にして、少なくとも約90重量%、例えば100重量%または他の適当な割合の重水素酸化物を含んでもよい。水性の液媒体は、適当に選択された水性材料とそれらの割合とにより監視されるべき温度条件に関連した融点を有するように構成されていてもよい。水性の液媒体は、望まれるのであれば、無色であってもよく、色付けされた指標薬品粒子以外に追加の着色剤を含まなくてもよい。代わりに、所望の着色剤は、溶解または他の適当な方法により水性液媒体の中に含まれてもよい。また、いくつかの適当な水性液媒体は、Taylor'980の例えば段落0188−0198に記述されている。
[凍結剤]
また、凍結インジケータの実施形態に採用される指標分散系は、過冷却を打ち消す手助けとなる凍結剤を含み、凍結剤が存在しない場合に凍結反応が生じるであろう温度よりも、分散媒体の融点により近い温度での凍結反応を提供するものであってもよい。凍結剤は、過冷却効果を低減し、水性分散媒体の凍結温度を上昇させることにより指標分散系の温度を上昇させ、指標分散系の融点と氷点との間の差異を小さくすることができる。
有用な凍結剤は、無機凍結剤および微生物に由来するタンパク質性の凍結剤を含む。有用な無機凍結剤のいくつかの例は、ヨウ化銀、冷却促進ヨウ化銀/臭化銀の混合物および硫化銅を含む。有用なタンパク質性の凍結剤の例は、Johnson Control Inc. www.johnsoncontrols.comから入手できる凍結乾燥されたタンパク質性材料である、SNOMAX(商標)雪誘導剤である。また、いくつかの適当な凍結剤は、Taylor'980の例えば段落0322−0327に記述されている。
[タンパク質安定化剤]
タンパク質性の凍結剤が採用された凍結インジケータの実施形態は、望まれれば、熱的または他の分解に対して凍結剤を安定化させるために、指標分散系中にタンパク質安定化剤が含まれてもよい。適当なタンパク質安定化剤のいくつかの例は、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド(CHOCHCHCHCHO)および高々10個の炭素原子を有する他のジアルデヒドを含む。また、いくつかの適当なタンパク質安定化剤は、Taylor'980の例えば段落0328および0329に記述されている。
[殺生物剤]
殺生物剤は、望まれるのであれば、微生物腐敗を防止するために、タンパク質性の凍結剤が採用された凍結インジケータの実施形態の指標分散系の中に含まれてもよい。また、特定のタンパク質安定化剤、例えばグルタルアルデヒドおよび他のジアルデヒドは、有効な安定化剤の濃度で使用されるときに、殺生物剤として役立ちうる。採用されうる他の殺生物剤は、本開示に照らして、この分野の当業者にとって周知でありまたは明らかであろう。
[分散安定化剤]
指標分散系の安定性を維持する手助けのために、凍結インジケータの実施形態は、分散安定化剤を含んでもよい。また、選択的に、凍結インジケータは、分散安定化剤が存在するのであれば、指標分散系の低温での不安定性を助長する不安定化剤を含んでもよい。
適当な分散安定化剤のいくつかの例は、界面活性剤、アニオン性の界面活性剤、カチオン性界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤または、1または複数の同種の界面活性剤の混合物を含む。本明細書で使用されるように、「非イオン性界面活性剤」の用語は、この分野ではときどき「無極性」として参照される界面活性剤を含む。
凍結インジケータの実施形態における分散安定化剤として採用されうる特定の界面活性剤のいくつかの例は、ステアリン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル、ラウリル硫酸アンモニウム、レクチン、ジラウリルリン酸ナトリウム、ベタイン、ラウリルアミドプロピルジメチルベタイン、ドデシルトリメチル塩化アンモニウム、塩化ベンズアルコニウム、ソルビタンモノラウレート、およびオレイルアルコールを含む。また、更に適当ないくつかの分散安定化剤は、Taylor'980の例えば段落0275−0301に記述されている。
分散液の重量を基準にして、約0.01重量%から約10重量%、約0.1重量%から約5重量%、約0.1重量%から約1重量%、約0.1重量%から約0.5重量%、または、約0.3重量%から約0.4重量%のような界面活性剤の適当な量のいずれかが、分散液を安定化するために用いられてもよい。
[低温不安定化剤]
また、凍結インジケータの実施形態に採用される指標分散系は、望まれるのであれば、分散液の高温での安定特性を許容範囲を超えて損なうことなく、凍結温度での凍結インジケータの分散液の凝固を促進または高めるために、低温不安定化剤を含んでもよい。
低温不安定化剤は、濃度感受性不安定化剤または凝固剤であってもよく、例えば、1または複数のイオン化合物、または高分子化合物のような他の1または複数の適当な化合物である。低温不安定化剤の不安定化作用は、水性液媒体中の不安定化剤の濃度に依存しうる。また、必須ではないが、一般的に、低温不安定化剤が採用されるときには分散安定化剤も存在する。
無機塩、一価の塩および多価の塩のような種々の塩を含む、種々の材料が低温不安定化剤として採用されうる。適当な塩のいくつかの例は、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウムの塩化物、硫酸塩、硝酸塩およびカルボン酸塩および前述の塩の2以上の混合物を含む。
低温不安定化剤として採用されうる他の材料は、約1000Daから約100000Daの間の範囲の重量平均分子量を有する高分子量のカチオン性、アニオン性、両性イオン性および非荷電性の重合体を含む。本発明の実施において低温不安定化剤として有用な重合体のいくつかの例は、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリアクリル酸を含む。望まれるのであれば、適当な重合体は、水溶性であってもよく、所定の指標分散系中の2以上のこのような重合体が採用されてもよい。また、いくつかの適当な不安定化剤は、Taylor'980の例えば段落0302−0310に記述されている。
低温不安定化剤は、それが採用されるのであれば、所定の指標分散系中に採用される特定の分散安定化剤と相溶性であるように選択されてもよい。説明のために、イオン的に安定化された指標分散系とともに採用される重合体不安定化剤は、指標分散系によって生じる変化とは反対の変化をもたらす。例えば、四級アンモニウムのセグメントを含むカチオン性重合体は、アニオン性安定化剤を採用した、安定化した指標分散系を不安定化するのに用いられてもよい。
[割合]
凍結インジケータの実施形態で採用される光散乱凍結インジケータ分散液は、良好な凍結曝露の合図を出すのに十分な、凍結前の外観に対するコントラストを有する、より薄く色付けされた凍結前の外観およびより濃く色付けされた凍結後の外観の提供を両立しうる材料の適当な割合を有してもよい。
疎水性液体が採用されるところでは、指標分散系が、少なくとも約5重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%または少なくとも約40重量%の疎水性液体を含んでもよい。選択的に、指標分散系は、高々約55重量%、高々約65重量%、または高々約75重量%の疎水性液体を含んでもよい。疎水性液体の割合の有用な変更範囲は、前述の下限のいずれか1つと前述の上限のいずれか1つとの間にあってもよい。本明細書に記述されている全ての割合は、文脈がそうでないことを示さない限り、指標分散系の重量を基準とした重量割合によるものである。他の材料は、適切な割合のいずれかで存在しうる。例えば、指標分散系は、重量割合で、約0.01%から約5%の間または約0.2%から約2%の間の範囲の凍結剤を含んでもよい。また、指標分散系は、重量割合で、約0.1%から約10%の間または約0.5%から約5%の間の範囲の分散安定化剤を含んでもよい。更に、指標分散系は、重量割合で、約0.01%から約1.0%または約0.05%から約0.5%の間のタンパク質安定化剤を含んでもよい。
水性の液媒体は、指標分散系の平衡をとってもよい。例えば、他の材料の存在割合に依存して、指標分散系は、約30%から約95%の間または約40%から約60%の間の水性液媒体を含んでもよい。
凍結インジケータのいくつかの実施形態は、専ら、水性液媒体、色付けされた指標薬品粒子および、選択的に、1または複数の疎水性材料、凍結剤、タンパク質性安定化剤、分散安定化剤、低温不安定化剤および殺生物剤のみから構成される。望まれるのであれば、各材料は、2以上の物質を含んでもよい。凍結インジケータの他の実施形態は、追加の1または複数の材料を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、油中水型乳状剤である指標分散系に関して、水相は、水相に対する強い親和性および油相に対する低い親和性を有する着色剤を含んでもよい。一つの適当な水相は、水中にカーボンブラックが分散された分散液、例えば、黒色水性インキのためのカーボンブラック分散液を含んでもよい。カーボンブラック分散液は、水相の初期の色彩強度を低減して、凍結前の指標乳状剤の外観に付帯する過度の着色を低減するために蒸留水で薄められていてもよい。
いくつかの実施形態において、油中水型乳状剤である指標分散系に関して、油は、例えば、ヘキサデカン、イソヘキサデカン、ペンタデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、テトラデカン等のような、C14からC18の脂肪族直鎖または飽和分岐炭化水素およびこれらの混合物、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、ステアリン酸トリデシル、オクタステアリン酸塩、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル等を含むエステルおよびこれらの混合物である。
いくつかの実施形態において、油中水型乳状剤である指標分散系に関して、乳化剤および/または界面活性剤が使用されてもよい。有用な界面活性剤または乳化剤のいくつかの例は、これに限定されるわけではないが、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートおよびソルビタントリオレエートのような疎水性の非イオン性界面活性剤を含む。
非イオン化界面活性剤のみを含む油中水型乳状剤のような、いくつかの油中水型乳状剤は、凍結条件に曝された後に、十分に(或いは全く)凝固せず、指標の外観が変化させないことがありうる。このような乳状剤は、例えば多核性の、芳香族スルホン酸の塩を不安定化剤として混合物に加えることにより意図的に不安定化されてもよい。キシレンスルホン酸のナトリウム塩は、不安定化剤の一例である。他の例は、ドデシルベンジルスルホン酸(DDBSA)、キシレンスルホン酸のナトリウム塩(NAXSA)、エポキシ化化合物およびプロポキシ化化合物、アニオン性、カチオン性および非イオン性界面活性剤、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂等のような樹脂を含んでもよい。
ここで、添付図面の図1および2を参照するに、10で参照される図示された凍結インジケータは、凍結インジケータの実施形態において有用であるとして本明細書に記述されている指標分散系のいずれかであり得る多量の指標分散系15を収容する外囲器14を支持する基板12を備える。図示されているように、外囲器14は略円形である。代わりに、外囲器(envelope)14は、他の望まれる形状を有していてもよく、例えば、楕円、六角形、正方形、矩形、帯状または環状であってもよい。図示されているように、外囲器14は、環状の接着剤40により接着されまたは他の適当な方法例えば溶接により接着された、内壁16と外壁18と、を備える。また、内壁16と外壁18との間の接合部または封止部は、水蒸気に対して低い浸透性を有してもよい。代わりに、外囲器14は、一体の密封された袋であってもよい。
外囲器14の内壁16は、外囲器14を基板12に取り付けるように、基板12に接着され、配置され、または別な方法で取り付けられてもよい。代わりに、基板12は、基板の集積要素として内壁16を提供してもよい。例えば、内壁16は、基板12と一体にまたは別個の要素として形成された、アルミニウムまたは水蒸気および水性液体に対して実質的に不浸透性の他の材料からなる層または挿入物を備えてもよい。
外囲器14の外壁18は、望まれるのであれば、基板12上の外囲器14の占有領域の略全体を占めうる透明な窓(図示せず)を備える。代わりに、透明な窓は、より小さい領域を占めてもよいし、外囲器14全体が透明であってもよい。透明な窓は、凍結インジケータ10により生み出される光学的な合図、例えば色変化が適当な道具、人の目、カメラ、光検出器、または他の適当な方法により外部から視認できるようにする。外囲器14は、望まれるのであれば、指標分散系15を乾燥から保護するために水蒸気に対して低い浸透性を有する材料から形成されていてもよい。
選択的に、外囲器14の外壁18は、例えば、外壁18上のインキ、ラッカー、絵の具または他の適当な被覆材料によって光変調被覆がなされることで、色フィルタ22を備えるものであってもよい。代わりに、色フィルタ22は分離層のような別個の要素であってもよい。色フィルタ22は、指標分散系の外観がフィルタを通して視認されることを可能にするために透光性を有していてよい。一実施形態において、凍結インジケータ色フィルタ22は透光性を有する緑色であり、指標分散系15は凍結前において淡く色付けされ凍結後において濃く色付けされるか或いは黒色になるので、凍結インジケータは凍結前の緑から凍結後の濃い緑または黒色への変化を示す。
図3に図示され24で参照される凍結インジケータは、概して図1および2に図示されたものと類似しており、相違点は後述で明らかにされている。凍結インジケータ24は、上方膨出部25と下側基板部26とを備えてもよく、これらの間に本明細書に記述されているような指標分散系を収容できる指標容積27を定義してもよい。上方膨出部25は、合成高分子フィルム材料、例えばポリ塩化ビニルで実現されてもよい。また、基板部26は、上方膨出部25とともに一つの部品として形成されてもよく、例えば熱封止により、または接着剤を用いることにより、あらゆる適当な方法で基板部26に封着されてもよい。代わりに、膨出部25および基板部26は、一体として形成されてもよい。凍結インジケータ24は、望まれるのであれば、可撓性を有してもよく、例えば、基板部25が所望のホスト製品の曲面に沿うように変形可能な程度に十分可撓性を有するものであってもよい。
凍結インジケータ24は、比較的小さい構成を含む、種々の構成に組み込まれてもよい。凍結インジケータ24の小型の実施形態である一つの具体的な例は、膨出部の直径(またはこれに相当する寸法)が高々約4mmであり、膨出部の高さ(図3における垂直方向の寸法)が高々約0.6mmであり、指標容積が高々約5μLである。凍結インジケータ24のより大型の実施形態である他の例は、膨出部の直径(またはこれに相当する寸法)が約12mmであり、膨出部の高さ(図3における垂直方向の寸法)が高々約1.2mmであり、指標容積が約80μLである。これらの寸法は単なる例示であり、凍結インジケータ24はこれらよりも小型または大型の構成を有していてもよい。
凍結インジケータの実施形態は、光学的に確認する方向においてあらゆる適当な厚さを有するものであってもよく、例えば、図1および2に示されている凍結インジケータの場合、指標分散系20が収容されている外囲器14の断面の内壁16と外壁18との間の厚さは約1mm以下である。しかしながら、いくつかの目的のために、凍結インジケータの実施形態は、薄くまたは低い外形を有するものであってよく、例えば、指標分散系の厚さが約10μm(ミクロン)から約0.3mmであってもよい。
いくつかの実施形態において、指標分散系は、約1mmより薄い、約0.5mmより薄い、約0.2mmより薄い、または約0.1mmより薄い厚さを有するものであってもよい。
凍結インジケータの実施形態は、Taylor'980に記述されている発明に係る凍結インジケータの構造的な特徴のいずれかを備える他の種々の構造的な特徴を有するものであってもよい。
いくつかの具体的且つ非限定的な例は、本発明の実施において有用な指標分散系の調剤および特性評価の結果物である。
[実施例1:光散乱指標分散系の準備]
以下の例において、全ての重量部は、光散乱指標分散系の重量を基準とした重量部である。凍結インジケータのための光散乱指標分散系を準備するために、1重量部の、油溶性黒色染料である、Solvent Black BS(Orient Corp. of America,Seaford,DE)と、5重量部の、非イオン性界面活性剤(TERGITOL(登録商標)15-S-15,Dow Chemical,Midland,Michigan)と、44重量部の部分的に水素化されたテルフェニル油(MSC 2811 Soulutia,St.Louis,Mississippi)と、がガラス容器に注がれて、水槽を使って80℃に熱せられる。また、50重量部の蒸留水を収容する第2の瓶も80℃に熱せられる。ホモジナイザー(IKA Ultra-Turrax T-18)には、温められた、油に染料を溶解した溶液が挿入され、温度が80℃になるまで、最初は低い攪拌速度で運転される。それから、攪拌レートは適度な設定速度に増加される。温められた蒸留水は、温められた、油に染料を溶解した溶液にゆっくりと追加される。温かい蒸留水を30重量部だけ追加された後、混合物は突然黒色から濃い灰色に変化し、乳状剤への転移を示す不透明な色になる。追加している間、混合物は突然黒色から濃い灰色および乳状剤への転移を示す不透明な色に変化する。第2の瓶の温められた水の残りが加えられ、熱が冷まされ、混合物が周囲温度近傍(約20℃から約25℃)に戻るまで、ホモジナイザーは低速で運転される。
実施例1は、光散乱指標分散系が、不透明な色であり、分散液の黒色の油の相よりも淡い外観を有する製品を提供する逆エマルジョン処理により準備されてもよいことを示している。しかし、凍結前および凍結後の外観の違いは、十分な凍結インジケータの合図を提供するには十分ではないことがありうる。
[実施例2]
実施例1は、表1に示すように、より低い染料の割合を用いて、試料A−Fを準備するために繰り返される。
Figure 2015529326
黒色染料の油溶液の可視的な黒色度合いは、明らかに染料濃度に関連していた。各溶液および油のみの光路長10mm、500nmでの吸収量の直接的な測定は、Simazu UV-2700分光器を用いて試みられた。試料A、BおよびCは、直接測定するには濃すぎた。試料D、E、Fおよび染料を含まない油は、装置の許容範囲内で吸収量を示し、また、これらの吸収量は、濃度に対して線形であったため、より高い濃度の試料A、BおよびCの吸収量を外挿法により算出するために用いた。
凍結前および凍結後の試料A−Fの外観は図4に示されている。図4を参照するに、A−Fの6つの試料それぞれについての凍結前の瓶と凍結後の瓶が示されている。瓶は、試料Aの瓶が図の上部となるように、環状に並んで配置されている。凍結前の瓶は、凍結前の瓶に対して時計方向側に隣接する、対応する凍結後の瓶に比べて、色が薄い。各試料の油に染料を溶解した溶液の重量割合は、瓶の各対の内側端部の側に示されている。図4で確認されるように、いくつかの瓶の右手側が瓶のその側の外観を暗くして部分的に影が付くように、上部左側から光が当てられている。それぞれの場合において、指標分散系は凍結前において均一で不透明な色の外観を有し、白色の試料B−Fは、クリーム色の外観を有する。また、各試料の指標分散系の凍結後の外観は、凍結前の外観に比べて実質的に濃く、指標分散系が凝固して黒色染料を含む油が暗い外観を表すことと矛盾しない。
0.75重量%の、油に染料を溶解した溶液を採用する試料Aは、凍結前において濃い灰色の外観を有し凍結後において黒色の外観を有する。試料A中の油滴の平均粒子サイズは約1μmである。
0.12重量%の、油に染料を溶解した溶液を採用する試料Bは、凍結前において中程度の濃さの灰色の外観を有し、凍結後において黒色の外観を有する。試料A中の油滴の平均粒子サイズは約1.6μmである。
0.06重量%の、油に染料を溶解した溶液を採用する試料Cは、凍結前において薄い灰色の外観を有し、凍結後において黒色の外観を有する。試料C中の油滴の平均粒子サイズは約1.4μmである。
0.01重量%の、油に染料を溶解した溶液を採用する試料Dは、凍結前においてわずかに灰色がかった白色の外観を有し、凍結後において黒色の外観を有する。試料A中の油滴の平均粒子サイズは約1.1μmである。
0.005重量%の、油に染料を溶解した溶液を採用する試料Eは、凍結前において不透明な、わずかに灰色がかった白色の外観を有し、凍結後において黒色の外観を有する。試料E中の油滴の平均粒子サイズは約700nmである。
0.002重量%の、油に染料を溶解した溶液を採用する試料Fは、凍結前において不透明な、明るい白色の外観を有し、凍結後において黒色の外観を有する。試料F中の油滴の平均粒子サイズは約700nmである。
試料D、EおよびFは、凍結前の外観と凍結後の外観との間で強いコントラストを示す。これらの試料は、凍結前において薄く、明るい、不透明な外観を表し、凍結すると強い黒色の外観を表し、良い指標の合図を生成する著しい色変化を示す。試料D、EおよびFは、凍結インジケータで使用されるのに適していることが分かる。
実施例2および図4に示された結果は、ここでは黒色染料が凍結前の適当な明るさの外観と凍結後の適当な濃さの外観とを提供できる場合に、着色剤の適当な濃度が如何に簡素な実験により決定されるかを示す。試料A、BおよびCで採用されるOil Black BS染料の濃度は、凍結前において色の濃い外観を示すのに対して、試料D、EおよびFで採用される重量割合は凍結前において有用な色の薄い外観を示し、凍結後において十分に色の濃い外観を示す。吸収量で評価されるように、油の実際の色は同じ関係性を示している。少なくとも30大きい吸収量を有する油溶液は、凍結前において有用な淡い色の外観を表す乳状剤を生成し、一方、4.5以下の吸収量を有する油溶液は、凍結前において有用な淡い色の外観を表し、凍結後において十分に濃い色の外観を表す乳状剤を生成する。更に、許容範囲の外観をもたらす試料D(4.5)から試料F(0.8)までの実質的な吸収量の範囲が存在し、この範囲内で、当業者が特定の着色剤を用いて所望の凍結前と凍結後の外観を提供するために作業しうる。吸収量はこれらの試料で定義される範囲内またはその近傍で一定であるようだが、良好または最適な凍結前および凍結後の外観を提供するために要求される染料の濃度は、採用された特定の着色剤の強度に従って、着色剤間で広く変化するようである。
[実施例3:光散乱指標乳状剤の準備]
以下の例において、「部(parts)」との用語は、光散乱指標乳状剤の重量を基準とした重量部を示す。凍結インジケータのための光散乱指標乳状剤のこの例を準備するために、49.65重量部の、部分的に水素化されたテルフェニル油(MCS2811 Solutia,St.Louis,MO)がガラス製のグリフィンビーカーに磁気攪拌棒とともに入れられ、攪拌用ホットプレートで、掻き混ぜられながら105℃−110℃まで熱せられる。それに、0.025重量部の、油溶性の黒色染料である、Nigrosine Black EEL(Orient Corp.of America,Seaford,DE)と、0.325重量部の、イオン性界面活性剤である、ジオチルスルホコハク酸ナトリウム(Aerosol OT 100%,Cytec Industries,INc.,Woodland Park,NJ)と、を加える。30分間掻き混ぜ続けてから、高温で、ブーフナ−漏斗により410濾過紙を介して溶液を真空濾過する。この油/染料/界面活性剤の溶液は、きれいなガラスビーカに移され、70℃に温度調節され、ホモジナイザー(IKA Ultra-Turrax T-18)が温かい染料油溶液の中に挿入され、低い攪拌速度(1)で運転される。50重量部の重水(Cambridge Isotope Laboratories,Inc.,Andover MA)は異なるビーカで70℃に温められ、油/染料/界面活性剤の溶液のビーカにゆっくりと加えられ、ホモジナイザーのレートが4−5に増やされる。追加している間、混合液は突然黒色から不透明な明るい灰色に変化する。攪拌器がビーカから取り除かれ、覆いが掛けられた乳状剤の入ったビーカを作業台の隅に常温下で放置する(1−2hr)。更に、前述の乳状剤は、圧力5000psiで動作する高圧ホモジナイザー(Nano DeBee,Bee International,South Easton,MA)で処理される。
高圧下での均質化の後、乳状剤は視覚的および機械的な分析により、Z平均粒子径410nm、多分散性指標0.38、pH7.1という特性が明らかにされる。0.007の頂部板を有するファンドクリプトメータ(BYK-Gardner USA,Columbia,MD)を用いることにより決定される、乳状剤のくすみ度は、目盛19mmにおいて黒色/白色の境界のぼやけを生じさせ、これはフィルムの厚さ0.13mmに相当する。色は、光学的密度が0.4である白色から薄い灰色である。乳状剤の光学的密度は、濃度計(X-Rite 504,X-Rite,Inc.,Grand Rapids,MI)により、乳状剤で満たされた容器の光学的に透明な壁を介した示度により決定された。乳状剤で満たされた容器は、冷凍庫(−10℃、15分間)に放置され、冷凍庫から出したときに濃い灰色を表す。この乳状剤で満たされた容器は、上述の方法で光学的密度を分析した場合、1.3のODを示す。凍結前の光学的密度を差し引いた、凍結した後の混合液の算術的な差分は、光学的密度の変分または△ODとして参照される。上述の実施例において、△ODは0.9である。
上述の光散乱乳状剤は、粒子サイズ、pH、くすみ度および視認できる外観について60日間連続して安定していることが観測されている。
[実施例4]
実施例3の手順は、実施例3で使用された部分的に水素化されたテルフェニルに代えてステアリルエーテルポリプロピレングリコール(Lipocol-15,Lipo Chemicals,Paterson,NJ)を用いて光散乱乳状剤を作製するために行われる。
高圧下での均質化の後、乳状剤は視覚的および機械的な分析により、Z平均粒子径500nm、多分散性指標0.11、pH7.7という特性が明らかにされる。0.007の頂部板を有するファンドクリプトメータ(BYK-Gardner USA,Columbia,MD)を用いることにより決定される、乳状剤のくすみ度は、目盛44mmにおいて黒色/白色の境界のぼやけを生じさせ、これはフィルムの厚さ0.32mmに相当する。色は、光学的密度が0.6である薄い灰色である。凍結後において光学的密度は1.6であり、1.0の△ODを示す。
[実施例5]
実施例3の手順は、その全ておよび本明細書に記述されているように追加された追加要素において行われる。高圧下の均質化により処理された99.5重量部の乳状剤は、0.25重量部のSnomax Snow Inducer(Johnson Controls Snow,Centennial,CO)と合わされ、混合液は1分間掻き混ぜられ、その後、0.25重量部のグルタルアルデヒド溶液(Grade I,50%,Sigma-Aldrich Corp.,St.Louis,MO)が加えられ1分間掻き混ぜ続けられる。
乳状剤の氷点は、温度制御された流体槽(Fluke Calibration,Everett,WA)の中に、蓋付きの0.2mLのポリプロピレンPCR管(Fisherbrand,Thermo Fisher Scientific,Inc,Waltham,MA)に入れられた25の複製した乳状剤試料を直接視覚的に観察することにより決定される。管は、25のPCR管を収容できるように設計された水中に沈めることができる棚装置に載置されている。各管は、凍結を示す乳状剤を計量された量だけ詰められ、蓋で密封されている。試料が載置された棚は、槽媒体に沈められ、温度は、1.0℃から始めて0.1℃ずつ低下されていき、全ての試料が凍結するまで温度低下が継続される。乳状剤試料の凍結は、透明なPCR管を介して見ているときに、乳状剤が不透明な白色から黒色に変化したことを以て観測される。試料体積のある範囲について決定された氷点の結果は、表2に纏められている。
Figure 2015529326
凍結インジケータの実施形態は、凍結温度にホスト製品が曝された可能性の履歴を示すために、凍結により傷つきやすい種々のホスト製品とともに使用されてもよい。適当なホスト製品は、あらゆる凍結により傷つきやすい商品、例えば凍結により傷つきやすい健康管理製品、ワクチン、薬、医薬、製剤、生物製剤、凍結により傷つきやすい食料品または凍結により傷つきやすい工業製品を含む。凍結インジケータの実施形態により監視できる、いくつかの他の凍結により傷つきやすいホスト製品は、本明細書で引用されたTaylorらの特許公報に記述されている、或いは、本開示に照らして、この分野の当業者に周知または明らかである、或いは、将来周知または明らかになるであろう。
[実施例6]
Figure 2015529326
指標分散系として使用するための油中水型乳状剤は、表3に掲げられた要素を用いて以下のように作製される。乳化剤および界面活性剤(ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートおよびソルビタントリオレエート)は、油相に加えられ、高速で動作するホモジナイザーで略2−3分間の間攪拌される。可溶化が不完全であれば、混合液は、ホットプレートで約60から80℃に温められてもよい。水相は、ホモジナイザーによる攪拌を継続しながら、(温かいまたは冷たい)油相にゆっくりと加えられる。全ての水性の混合液が追加された後、攪拌が短い間隔で継続される。温かい場合、乳状剤はゆっくり掻き混ぜられながれ冷却されてもよい。
上述の処方は、キサデカンの凍結点約18℃より低い温度で反応することが意図された指標のためのものである。便宜的な凍結インジケータのために、油相は、例えば約−2℃の氷点を有するドデカンエチルエステルから作製されてもよい。
望まれる結果は、濃く色付けされた水相が油中水型乳状剤に合わされ、それにより、乳状剤が油相または水相のいずれかの氷点下の温度に曝される前において著しく薄い色を有するシステムであろう。温度の低下に曝されることにより、一度凍結が生じると、このような乳状剤は「壊れ」てしまい、指標の顕色で利用されうる外観において永久且つ視覚的に明らかな変化を生じてしまう。
いくつかの実施形態は、ホスト製品に関連した凍結インジケータの実施形態を有する凍結により傷つきやすいホスト製品を含む。
[組み合わせの開示]
この明細書で確認される各米国特許、各米国特許公報、各国際特許公報、各外国特許公報、あらゆる他の公報、および各未発行の特許出願の全ての開示は、そっくりそのまま、全ての目的のために、本明細書に参照として組み込まれる。この明細書の本発明の記述および他の文書から参照により組み込まれた事項における用語の使用方法で採用される用語の意味と、本明細書で使用されるような、一般に普及している用語の意味と、の間で食い違いが存在することは自明であるべきである。組み込まれたあらゆる開示の中の「発明」を参照するものは、いずれも組み込まれた開示に記述または主張された発明を示すものとして理解されるべきである。
[本開示について]
本明細書の詳細な記述は、本発明で記載された記述、本発明を実現する最良形態または修正例、代替例または他の有用な実施形態に関する情報も本分野の当業者にとって自明なように、明示的に表されまたは示唆されている、本発明の背景で明らかにされること、その記述との組み合わせおよび発明の簡単な要約が読まれるべきである。
「include」、「have」、「has」および「contain」の用語およびこれらの文法的な変形は、制限のない、付加的、列挙されていない要素または方法ステップを排除しないものとして理解されるべきである。
記述全体を通じて、構成器具、装置構成、システムまたは処理が、特定の部品または要素、或いは、処理の場合、特定のステップを、有する、含むまたは備えると記述されているところでは、本発明に係る構成器具、装置構成、システムまたは処理も本質的に、列挙された部品、要素またはステップからなりうる、またはこれらから構成されうると考えられる。
本出願において、要素または部品が列挙された要素または部品のリストまたは群に含まれる、および/または、それから選択されると記載されているところでは、要素または部品は、列挙された要素または部品のいずれか1つでありうる、または、列挙された要素または部品の中の2または3以上から構成される群から選択されうるとして理解されるべきである。
本明細書の1つの使用は、文脈がそうでないことを示していない限り、複数(1つもまた同様)を含むことが意図される。
また、「about」、「approximate」、「approximately」との用語または類似の用語は、量を示す値の前に使用されているところでは、記述において特にそうでないことが述べられていない限り、具体的な量を示す値自体が含まれるものと理解されるべきである。
処理について言えば、ステップの順序または特定の動作を実行する順序は、記述された処理が動作を維持する限り重要でない。その上、文脈がそうでないことを示していない限り、2または3以上のステップまたは動作が同時に行われてもよい。加えて、本明細書に列挙されたあらゆる重量部は、文脈がそうでないことを示さない限り、関連する組成物の重量を基準とした重量部であると理解されるべきである。また、文脈が別のことを示さない限りまたは別のことを提示しない限り、本明細書に記載されているあらゆる方法、またはこの方法の1または複数のステップは、約20℃から約25℃の間の範囲の室温で実行されてもよい。
本明細書の本発明の背景の記述は、本発明により提供され、本発明の重要な要素であるべき、本発明に先行する関連分野では知られていなかった、見識、発見、理解または開示、または開示との関連を含んでもよい。本発明のいくつかのこのような寄与は、本発明に帰するものとして具体的に指摘されてもよく、他の本発明のこのような寄与は、それらの文脈から明らかになるであろう。単に、この出願において文書が引用されているからといって、本発明の分野と全く異なるその文書の分野が本発明の分野または分野それぞれに類似していると認めるわけではない。
本明細書の本発明の記述は、本発明の、これらの開示または提示された代替例の種々の要素の組み合わせを含み、明細書または図面で記載された、1または複数の種々の方法、製品、構成物、システム、装置、器具、観点、実施形態、実施例で開示された、示唆されたまたは提示された代替物を含み、もしあるのであれば、他に記載されまたは例示された、本発明または本発明の可能性な実施の要素のあらゆる組み合わせまたは群を含み、当業者にとって明らかまたはそうなるような、本発明に匹敵しない、または、本発明の目的に反する要素の群または組み合わせは除かれるものとして理解されるべきである。更に、実施形態は、本明細書に記述されている、または、任意の添付図面に開示されているあらゆる構成を備えることができ、本明細書に記述されている有用な材料または構造のいずれか互換性のある一つを採用することができる。
[発明の範囲]
本発明は、本明細書に記述されている実施例および実施形態、本発明または記述されている各実施例または実施形態の精神または本質的な特徴を実現する本発明の他の具体的な様式を含む。前述の実施例および実施形態は、全ての点において、本明細書に記述されている本発明の例示であることが意図される。本発明または本明細書に記述されている実施例または実施形態の多くの且つ種々の修正例は、前述で明らかになったところにおいて、関連分野の当業者には明らかであるか、または、本分野が発達すれば明らかになりうる。このような修正例は、本発明または本明細書に開示された発明の精神および範囲内として考慮される。

Claims (36)

  1. 液媒体と、
    前記液媒体に分散され、固有の色を有する色付けされた指標薬品粒子と、を含む指標分散系であって、
    前記指標分散系は、凍結後において前記色付けされた指標薬品粒子の前記固有の色を表し、凍結前において、より薄く色付けされた外観を有するように構成され、
    凍結前において、光散乱により、前記色付けされた指標薬品粒子の前記固有の色がマスクされ、
    前記指標分散系は、色可変化学的共反応物を含まない、
    指標分散系。
  2. 液媒体と、
    前記液媒体に分散され、固有の色を有する色付けされた指標薬品の液体粒子と、を含む指標分散系であって、
    前記指標分散系は、凍結後において前記色付けされた指標薬品粒子の前記固有の色を表し、凍結前において、より薄く色付けされた外観を有するように構成され、
    凍結前において、光散乱により、前記色付けされた指標薬品粒子の前記固有の色がマスクされる、
    指標分散系。
  3. 前記指標分散系は、色可変化学的共反応物を含まない、
    請求項2記載の指標分散系。
  4. 前記液媒体は、疎水性液媒体である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の指標分散系。
  5. 前記液媒体は、水性液媒体である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の指標分散系。
  6. 前記色付けされた指標薬品粒子は、固体材料に溶解または分散された着色剤の固体粒子を含む、
    請求項1、3、4、5のいずれか1項に記載の指標分散系。
  7. 前記色付けされた指標薬品粒子は、疎水性液体に溶解または分散された着色剤を含む、
    請求項5に記載の指標分散系。
  8. 前記着色剤は、染料であり、
    前記疎水性液体は、油である、
    請求項7に記載の指標分散系。
  9. 前記指標分散系は、前記指標分散系が凍結温度に曝されることに応じて凝集する、
    請求項7または8に記載の指標分散系。
  10. 前記指標分散系は、前記指標分散系が凍結温度に曝されることに応じて凝固する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の指標分散系。
  11. 前記指標分散系は、前記指標分散系の重量を基準として、少なくとも約0.0005重量%、少なくとも約0.002重量%、少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.05重量%、および/または高々約1.0重量%、高々約0.1重量%または高々0,05重量%または高々0.02重量%、選択的に約0.001重量%から約0.01重量%の着色剤を含む、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の指標分散系。
  12. 前記色付けされた指標薬品粒子は、500nmにおいて約1から約30、約2から約15または約3から約10の吸光度を有する、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の指標分散系。
  13. 前記色付けされた指標薬品粒子は、少なくとも約100nmまたは少なくとも約200nm、および/または高々約2μmまたは高々約1.2μm、選択的に、約200nmから約500nmの平均粒子サイズを有する、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の指標分散系。
  14. 前記色付けされた指標薬品粒子は、凍結後および解凍後において、不可逆的に集積または凝集される、
    請求項1から13のいずれか1項に記載の指標分散系。
  15. 前記分散系の厚さは、1mm未満、または、0.5mm未満、または、0.2mm未満、または0.1mm未満である、
    請求項1から14のいずれか1項に記載の指標分散系。
  16. 1mmの厚さを有する前記指標分散系の層の凍結後の外観は、前記指標分散系の前記層の凍結前の外観に比べて、少なくとも0.4光学密度単位だけ暗い、
    請求項1から15のいずれか1項に記載の指標分散系。
  17. 前記色付けされた指標薬品粒子は、均一であり、
    前記指標分散系中には、他の指標粒子が存在しない、
    請求項1から16のいずれか1項に記載の指標分散系。
  18. 前記指標分散系は、凍結剤(ice-nucleating agent)を含む、
    請求項1から17のいずれか1項に記載の指標分散系。
  19. 筐体と、
    前記筐体内に配置された請求項1から18のいずれか1項に記載の指標分散系と、を備える凍結インジケータであって、
    前記筐体は、前記指標分散系が前記凍結インジケータの外部から光学的に確認できるように構成されている、
    凍結インジケータ。
  20. 前記筐体を支持する基板を備え、
    前記筐体および前記基板は、選択的に可撓性を有する、
    請求項19に記載の凍結インジケータ。
  21. 請求項19または20に記載の凍結インジケータ、およびホスト製品であって、
    前記凍結インジケータは、前記ホスト製品に付随し、前記ホスト製品の凍結を監視する、
    凍結インジケータおよびホスト製品。
  22. 指標分散系を提供するために、色付けされた指標薬品粒子を水性の液媒体に分散させることと、
    凍結前においてより薄い色を有するように、前記指標分散系を構成することと、
    前記指標分散系を、前記指標分散系が凍結インジケータの外部から光学的に確認できるような筐体の中に導入することと、を含み、
    前記色付けされた指標薬品粒子は、凍結後において、前記指標分散系を、より濃く色付けされた外観に染める、
    凍結インジケータの作製方法。
  23. 前記色付けされた指標薬品粒子が、少なくとも約100nmまたは少なくとも約200nmおよび高々約2μmまたは高々約1,2μm、選択的に、約200nmから約500nmの平均粒子サイズを有するように、前記指標分散系を構成することを含む、
    請求項22に記載の方法。
  24. 前記指標分散系は、色可変化学的共反応物を含まない、
    請求項22または23に記載の方法。
  25. 前記指標分散系は、前記指標分散系が凍結温度に曝されたことに応じて凝固しうる、
    請求項22から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記指標分散系は、前記指標分散系が凍結温度に曝されたことに応じて凝固しうる、
    請求項22から25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 請求項22から26のいずれか1項に記載の方法により製造された凍結インジケータ。
  28. ホスト製品の凍結温度への曝露を監視するために前記ホスト製品に付随する請求項19から21のいずれか1項に記載の凍結インジケータまたは請求項22から26のいずれか1項に記載の方法により製造された凍結インジケータを有するホスト製品。
  29. 請求項19から21および27のいずれか1項に記載の凍結インジケータを備える、
    腐敗しやすい品物のためのラベル。
  30. 請求項19から21および27のいずれか1項に記載の凍結インジケータを備える、
    腐敗しやすい品物の包装用容器。
  31. 請求項19から21および27のいずれか1項に記載の凍結インジケータを備える、
    腐敗しやすい品物を収容する包装用容器。
  32. 前記凍結インジケータが腐敗しやすい品目と実質的に同じ温度条件を受けるように、請求項19から21および27のいずれか1項に記載の凍結インジケータを、腐敗しやすい品目と組み合わせることを含む、
    腐敗しやすい品目を保護する方法。
  33. 前記指標分散系の外観の色の検出可能且つ不可逆的な変化を示すための前記凍結インジケータを検査することを更に含む、
    請求項32に記載の方法。
  34. 前記指標分散系の外観の色の検出可能且つ不可逆的な変化が検出されると、前記品目を廃棄することを更に含む、
    請求項33に記載の方法。
  35. 腐敗しやすい品物の品質の監視における、請求項19から21および27のいずれか1項に記載の凍結インジケータを使用する、
    方法。
  36. 請求項19から21および27のいずれか1項に記載の凍結インジケータを、凍結が生じるであろう条件下に置くことと、
    前記指標分散系の外観の色の検出可能且つ不可逆的な変化が生じるか否かを観察することと、を含む、
    凍結発生を検出する方法。
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