JP2009210347A - インジケータ - Google Patents

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Abstract

【課題】温度管理媒体の乳化液が凝固し、該温度管理媒体が起動したか否かを目視で簡便に確認できる温度管理媒体用のインジケータを提供すること。
【解決手段】常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液21を備え、該乳化液21は昇温により融解し、相分離する温度管理媒体20用のインジケータ10であって、インジケータ10は温度管理媒体20の乳化液21と同様な温度および時間で凝固する油脂11からなることを特徴とするインジケータ10。
【選択図】図1

Description

本発明は温度管理媒体用のインジケータに係り、より詳しくは、目視で簡便に温度管理媒体の起動を確認できるインジケータに関する。
近年、冷凍あるいは冷蔵した状態で配送される荷物が一段と増加するに伴って、これらの荷物を配達先まで予め決められた温度に保ちながら運搬する宅配便などの配送手段が普及している。このような配達手段を用いて荷物を配送すると、例えば、集荷元の冷凍・冷蔵施設から配送車へ荷物を積み込む時、配送車間で荷物を積み替える時、配送車から荷物を取り出し配達先へ配達する時などに、本来ならば冷凍・冷蔵状態が保たれなければならない荷物が、直射日光による高温雰囲気や室温雰囲気に曝されることがある。
また、無事に冷凍・冷蔵状態が保たれながら配達先に届けられた後も、荷物の冷凍・冷蔵状態が保たれることが求められる。荷物の中身が食品や医薬品である場合、これらの冷凍・冷蔵状態が保たれないと、これらに変質や雑菌の繁殖などが生じて、その品質が損なわれるおそれがある。極端な場合、食品や医薬品の冷凍・冷蔵状態が保たれないと、食中毒や医療事故などを誘発しかねない。このような厳格な温度管理が求められるものとしては、食品や医薬品の他に、化学分野や写真分野で用いられる各種薬品などが挙げられる。
上述のような温度管理が正常に行われているか否かを簡便に確認する方法として、例えば特許文献1には、常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液を備え、該乳化液は昇温により融解し、相分離する温度管理媒体であって、前記乳化液は、水、油脂及びリン脂質を含む脂質混合物からなることを特徴とする温度管理媒体について記載されている。この温度管理媒体においては、乳化液が所定温度以下にて凝固し、乳化液が再び所定温度を超える温度に昇温することにより融解し、相分離して、一旦、相分離したら二度と元の乳化液には戻らないから、この相分離した状態を、光学的に識別することで、この温度管理媒体が貼付された荷物が、設定した以上の高温に曝されたか否かを判別できる。
特開2006−153701号公報
しかしながら、上記のような温度管理媒体において、該乳化液は凝固する前と後とでは共に白濁しているためその色調変化の差が小さく、該乳化液が凝固したか否かを目視で確認するのは困難であった。したがって、該乳化液が凝固し、温度管理媒体が起動したか否かを確認するためには、一つの対象物に同様な温度管理媒体を2つ用意し、片方の温度管理媒体を触って確認するしかなく、コストが2倍となる上に対象物が大量にある場合には非常に労力を要した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、温度管理媒体の乳化液が凝固し、該温度管理媒体が起動したか否かを目視で簡便に確認できる温度管理媒体用のインジケータを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載のインジケータは、常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液を備え、該乳化液は昇温により融解し、相分離する温度管理媒体用のインジケータであって、前記インジケータは前記温度管理媒体の前記乳化液と同様な温度および時間で凝固する油脂からなることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のインジケータは、請求項1において、前記油脂はトリアシルグリセロールを少なくとも含むことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のインジケータは、請求項2において、前記油脂は、さらに脂肪酸エステルを含むことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載のインジケータは、請求項3において、前記脂肪酸エステルは、ステアリン酸ブチル、またはミリスチン酸ブチルであることを特徴とする。
本発明のインジケータによれば、該インジケータをなす油脂が温度管理媒体の乳化液の起動温度と同様な条件(温度および時間)で凝固し、さらに前記油脂は凝固する際に白濁化する。ゆえに、インジケータの凝固の有無を目視で簡便に識別することができるため、温度管理媒体が起動したか否かを目視で簡便に判別することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
図1は、本発明のインジケータ10を密閉容器12に充填し、温度管理媒体20と並べて対象物30に添付した模式図である。本発明のインジケータ10は、温度管理媒体20用のインジケータであり、温度管理媒体20の乳化液21と同様な温度で凝固する油脂11からなる。該温度管理媒体20は、常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液21を備え、該乳化液21は昇温により融解し、相分離する。以下、それぞれを詳細に説明する。
油脂11は、温度管理媒体20の乳化液21と同様な条件で凝固し、融点が0℃以上または0℃以下であり、かつ、室温(約25℃)付近にて透明な液状で、所定温度以下、例えば、−60℃〜20℃に曝されると凝固し白濁化するものが挙げられる。
ここで、油脂11が乳化液21と同様な温度および時間で凝固するとは、油脂11が凝固する温度は、該乳化液21が凝固する温度±1℃、および油脂11が凝固するまでに要する時間は、該乳化液21が凝固するまでに要する時間をT時間とすると、T時間以上、T+2時間以下のことをいう。
このような油脂11としては、例えば、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)、モノアシルグリセロール(MAG)などの油脂を主成分とする食用油脂が挙げられる。これらの油脂11から選択される1種または2種以上が、一緒に添付される温度管理媒体20の作動温度(乳化液21が凝固する温度)範囲に応じて適宜用いられる。また、融点が0℃以上の油脂または融点が0℃以下の油脂を一種類、あるいは二種類以上を適宜混合して用いることにより、インジケータ10が凝固する温度範囲を所望の温度範囲(温度管理媒体20の起動温度)に制御することができる。
なお、本発明では、所定温度とは、−60℃以上、+20℃以下の範囲の温度をいう。
インジケータ10が水と塩類や糖類とを含んでいた場合、過冷却されて衝撃が加えられた際に、塩類や糖類が核となり結晶が析出しやすくなってしまう虞がある。しかし、本発明のインジケータ10は油脂からなることで、インジケータ10が過冷却されて衝撃が加えられたとしても、該衝撃等で結晶が析出する虞が少ない。ゆえに、安定してインジケータ10の凝固が起こり、精度良く温度管理媒体20の起動の有無を確認することができる。
さらに脂肪酸エステルなどを油脂11に混合することで、油脂11の粘性、流動性、融点などを調節することができる。このような脂肪酸エステルとしては、例えばステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸アミル、ミリスチン酸ペンチル、ミリスチン酸ヘキシル、ミリスチン酸ヘプチル、ミリスチン酸イソブチル、ミリスチン酸t−ブチル、ミリスチン酸イソアミル、ミリスチン酸t−アミル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸ブチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸アミル、オレイン酸ペンチル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸ヘプチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸t−ブチル、オレイン酸イソアミル、オレイン酸t−アミル、オレイン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ヘプチル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸t−ブチル、ステアリン酸イソアミル、ステアリン酸t−アミル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、パルチミン酸ブチル、パルチミン酸イソプロピル、パルチミン酸メチル、パルチミン酸エチル、パルチミン酸プロピル、パルチミン酸アミル、パルチミン酸ペンチル、パルチミン酸ヘキシル、パルチミン酸ヘプチル、パルチミン酸イソブチル、パルチミン酸t−ブチル、パルチミン酸イソアミル、パルチミン酸t−アミル、パルチミン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸アミル、ラウリン酸ペンチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ヘプチル、ラウリン酸イソブチル、ラウリン酸t−ブチル、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸t−アミル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、などが挙げられる。
また、着色料などを油脂11に添加してもよい。着色料としては、食して無害な天然着色料が好ましく、例えばカラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、フラボノイド色素、コチニール色素、アマランス(赤色2号)、エリスロシン(赤色3号)、アルラレッドAC(赤色40号)、ニューコクシン(赤色102号)、フロキシン(赤色104号)、ローズベンガル(赤色105号)、アシッドレッド(赤色106号)、タートラジン(黄色4号)、サンセットイエローFCF(黄色5号)、ファストグリーンFCF(緑色3号)、ブリリアントブルーFCF(青色1号)、インジゴカルミン(青色2号)など、従来公知のものを用いることができる。このような着色料を添加することで、同時に複数のインジケータ10を使用した際に、個々の、あるいはグループごとにインジケータ10を識別することができると共に、デザイン性の高いインジケータ10を提供することができる。
密閉容器12としては、油脂11を収容する部分(空間)を有し、該油脂が凝固して白濁した際には、その様子を光学的に確認できる透明な材質からなるものが好ましく、ガラスやプラスチック、あるいは食して無害な材料が好適に用いられる。食して無害な材料としては、例えば、プルラン、オブラート、ガム、アメなどが挙げられる。その形態としては、例えば管状、板状、フィルム状、球状などが挙げられ、特に限定されるものではない。
特に、密閉容器12として可撓性のフィルム状のものを用いた場合、荷物などの対象物30の外形に沿ってインジケータ10を貼付することができるばかりでなく、インジケータ10に外力が加えられた際に密閉容器12自体が柔軟に変形してその影響を回避することができるので望ましい。
インジケータ10の形、大きさに関しては、油脂11の凝固が視認できる範囲であれば特に限定されるものではない。例えば、図1にあるように方形のインジケータ10を温度管理媒体20と並べて対象物に貼り付けても良いし、星型や円形などであってもよい。また、必ずしも並べて添付する必要もなく、温度管理媒体20と重ねて添付することも可能である。
対象物30に添付する位置についても特に限定されるものではなく、作業性などを考慮して、適切な位置に添付することができる。
本発明のインジケータ10は、図2(a)で示すように、常温では透明であるが、温度管理媒体20の乳化液21が凝固する所定温度に冷却すると、図2(b)で示すように白濁化するものである。この際、温度管理媒体20の乳化液21はその色調がほとんど変化しないため、目視で温度管理媒体20の起動(乳化液21の凝固)を確認することは困難である。ゆえに、本発明のインジケータ10を用いれば、容易に温度管理媒体20の起動の有無を特別な機器などを必要とせず、目視で確認することができる。
更に本発明のインジケータ10は、人体に悪影響を及ぼすことのない油脂から構成されているから、対象物30に添付された油脂11が仮に、皮膚、食品、薬品などに付着し、その結果、油脂11が体内に入っても、健康を害することはない。よって、インジケータ10は、食品や薬品などのパッケージに直接添付して用いても、事故が発生するおそれがない、安全性が極めて高いものである。
温度管理媒体20としては、常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液21を備え、該乳化液21は昇温により融解し相分離するものであり、従来公知のものを使用用途に応じて適宜選択して用いることができる。
この温度管理媒体20の乳化液21としては、常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固し、水、油脂およびリン脂質を含む脂質混合物から少なくとも構成されるエマルションである。この乳化液21は、水または油脂のいずれか一方が分散媒(連続相)をなし、他方が分散相(不連続相)をなしており、リン脂質を含む脂質混合物が界面活性剤として機能し、水または油脂のいずれか一方が他方に微粒子状に分散している。すなわち、乳化液の分散媒(連続相)が水で、分散相(不連続相)が油脂の場合、水中油滴型(Oil in Water型:O/W型)エマルションをなし、一方、分散媒(連続相)が油脂で、分散相(不連続相)が水の場合、油中水滴型(Water in Oil型:W/O型)エマルションをなす。
また、乳化液の分散相(不連続相)をなす微粒子の平均径が1.0μm未満の場合、温度管理媒体を凝固温度以下に冷却後、所定温度まで昇温した際に、相分離能力が十分ではない虞があり、30μmを超えると十分な安定性を保持できない虞がある。
乳化液21を構成する水としては、特に限定されず、いかなる水でも用いられるが、乳化剤への影響を考慮すると、イオン交換水や蒸留水が好適に用いられる。
乳化液21を構成する油脂としては、上記インジケータ10を構成する油脂11と同様なものを用いることができ、融点が0℃以上または0℃以下であり、かつ、室温(約25℃)付近にて界面活性剤を用いて水とともに乳化液21を構成し、一旦、所定温度以下、例えば、−60℃〜20℃に曝された後、再び所定温度を超える温度に昇温することにより水と相分離するものが挙げられる。このような油脂としては、例えば、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)、モノアシルグリセロール(MAG)などの油脂を主成分とする食用油脂が挙げられる。乳化液21では、これらの油脂から選択される1種または2種以上が、目的とする温度管理媒体20の作動温度(乳化液21が凝固する温度)範囲に応じて適宜用いられる。また、融点が0℃以上の油脂と、融点が0℃以下の油脂とを適宜の割合で混合して用いるか、あるいは、融点が0℃以上の油脂または融点が0℃以下の油脂のいずれか一方を適宜用いることにより、温度管理媒体20の作動温度範囲を所望の温度範囲に制御することができる。
なお、本発明では、所定温度とは、−60℃以上、+20℃以下の範囲の温度をいう。
乳化剤としては、乳化液21において、水または油脂のいずれか一方を他方に微粒子状に分散させるための界面活性剤として機能するものであれば特に限定されるものではないが、リン脂質を含む脂質混合物が挙げられ、例えば、天然の乳化剤であるレシチンおよびリゾレシチンを主成分とするものを用いるのが好ましい。
乳化液21において、乳化剤として用いるリン脂質などを含む脂質混合物の配合量は、油分100質量部に対して、0.1質量部以上、40質量部以下が好ましく、1質量部以上、20質量部以下がより好ましい。
乳化剤の配合量が、油分100質量部に対して、0.1質量部未満では、乳化し難い。一方、乳化剤の配合量が、油分100質量部に対して、40質量部を超えると、水に油分および乳化剤が分散し難くなり、うまく乳化しない。
また、乳化剤としてレシチンとリゾレシチンをもちいる場合は、レシチンとリゾレシチンの配合割合は、目的とする温度管理媒体の起動温度範囲に応じて適宜調整されるが、10:90(wt:wt)〜90:10(wt:wt)が好ましい。
また、乳化液21には、その凝固点を所望の温度範囲に調整するために、糖類や水溶性高分子を配合してもよい。糖類や水溶性高分子の種類、配合量などを変えることにより、乳化液の融点及び凝固点を所望の温度範囲に調整することができる。
糖類としては、例えば、フルクトース、グルコース、ガラクトース、マンノースなどの単糖類、マルトース、スクロース、ラクトース、セルビオースなどの二糖類、スタキオース、ラフィノースなどのオリゴ糖類、ペクチン、ガラクタン、デンプン、アミロース、プルラン、アラビアガム、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カルボキシメチルキチンなどの多糖類が挙げられる。これらの中でも、融点および凝固点の調整の意味から、分子量の分かっている、単糖類や二糖類が望ましい。
水溶性高分子としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、ゼラチン、ポリアクリル酸アミド、ポリオキシエチレンオキサイド、ポリオキシプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、イソブテン−無水マレイン酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテルなどが挙げられる。水溶性高分子は、重合度が大きくなると粘性が高くなり、乳化が困難となる傾向にあることから、重量平均分子量100,000以下のものを使用するのが好ましい。
この温度管理媒体20は、乳化液21の相分離を利用したものである。すなわち、温度管理媒体20は、例えば室温(約23℃)近傍にて乳化液が安定かつ均一な透明の液体であり、乳化液が所定温度、例えば、−60℃〜20℃にて凝固し、乳化液が再び所定温度を超える温度(乳化液を構成する油脂、レシチンおよびリゾレシチンの融点を超える温度)に昇温することにより相分離して、不透明な水相と、透明な油相とに相分離して、一旦、相分離したら二度と元の乳化液21には戻らない(不可逆)ことを利用したものである。このように乳化液21の相分離した状態を、例えば目視やセンサにより光学的に識別することで、この温度管理媒体が直接具備された荷物が、設定した以上の高温に曝されたか否かを容易に判別できる。
また、相分離後に透明となる油相の性質を利用する技術としては、目視あるいはセンサで油相を確認する際に、油相の向こう側に識別記号や文字を配置してその下地の情報を読み取ったり、または鏡面を設けることによって反射光を捉えて識別したりすることで、相分離が生じたか否かを正確にかつ定量的に確認することも可能である。
更に温度管理媒体20の乳化液21は、人体に悪影響を及ぼすことのない、水、油脂、乳化剤及び糖類を含む脂質混合物から構成されているから、インジケータ10と同様に対象物30に直接添付した乳化液21が皮膚、食品、薬品などに付着し、その結果、乳化液21が体内に入ったとしても、健康を害することはない。よって、温度管理媒体20は、食品や薬品などのパッケージに直接添付して用いても、事故が発生するおそれがない、安全性が極めて高いものである。
<実施例1>
トリアシルグリセロールとしてニッコールトリファットC−24(商品名、融点20〜26℃、日光ケミカル社製)14gと、トリアシルグリセロールとしてココナードRK(商品名、融点:−5℃、花王社製)56gと、ミリスチン酸ブチル(融点5℃、炭素数18、和光純薬工業社製)30gとを混合し、これらの油脂混合液を調整した。この油脂混合液から0.2gをとり、密閉容器に封入し、これを実施例1のインジケータとした。
<実施例2>
ニッコールトリファットC−24を12g、ココナードRKを48g、ミリスチン酸ブチルを40gとしたこと以外は、実施例1と同様に作製し、これを実施例2のインジケータとした。
<実施例3>
ニッコールトリファットC−24を10g、ココナードRKを90g、ミリスチン酸ブチルを加えなかったこと以外は、実施例1と同様に作製し、これらを実施例3のインジケータとした。
<実施例4>
ニッコールトリファットC−24を7g、ココナードRKを63g、ミリスチン酸ブチルの代わりにステアリン酸ブチルを30g加えたこと以外は、実施例1と同様に作製し、これらを実施例4のインジケータとした。
<実施例5>
ニッコールトリファットC−24を8g、ココナードRKを72g、ステアリン酸ブチルを20g加えたこと以外は、実施例4と同様に作製し、これらを実施例5のインジケータとした。
上記で作製した実施例1〜5のインジケータを所定温度(3℃)下に載置し、油脂が白濁して凝固するまでの時間を測定した。この結果を表1に示す。
Figure 2009210347
表1から、油脂の混合量や混合比率等を変えるだけで容易にインジケータの凝固時間を制御できることが確認された。ゆえに本発明のインジケータを、同様な条件で凝固する乳化液を備えた温度管理媒体と同時に用いることで、容易に温度管理媒体の起動の有無を目視で確認することが可能となる。
本発明のインジケータと、温度管理媒体とを対象物に添付した際の模式図である。 本発明のインジケータと、温度管理媒体とを対象物に添付し、該対象物の冷却前後を模式的に示した図である。
符号の説明
10 インジケータ、11 油脂、12 密閉容器、20 温度管理媒体、21 乳化液、30 対象物。

Claims (4)

  1. 常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液を備え、該乳化液は昇温により融解し、相分離する温度管理媒体用のインジケータであって、
    前記インジケータは前記温度管理媒体の前記乳化液と同様な温度および時間で凝固する油脂からなることを特徴とするインジケータ。
  2. 前記油脂はトリアシルグリセロールを少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
  3. 前記油脂は、さらに脂肪酸エステルを含むことを特徴とする請求項2に記載のインジケータ。
  4. 前記脂肪酸エステルは、ステアリン酸ブチル、あるいはミリスチン酸ブチルであることを特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
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