JP2009145239A - 温度管理媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時間を制御することが可能な温度管理媒体を提供すること。
【解決手段】常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液11を備え、乳化液11は昇温により融解し、相分離する温度管理媒体10であって、
乳化液11は、水、油脂、及び乳化剤を少なくとも含み、乳化液11の分散相をなす微粒子は前記油脂及び前記乳化剤からなり、前記微粒子の平均粒径が1.8μm以上14μm以下であること。
【選択図】図1

Description

本発明は温度管理媒体に係り、より詳しくは、乳化液の分散相をなす微粒子の粒子径を制御することで起動時間の調節を図った温度管理媒体に関する。
近年、冷凍あるいは冷蔵した状態で配送される荷物が一段と増加するに伴って、これらの荷物を配達先まで予め決められた温度に保ちながら運搬する宅配便などの配送手段が普及している。このような配達手段を用いて荷物を配送すると、例えば、集荷元の冷凍・冷蔵施設から配送車へ荷物を積み込む時、配送車間で荷物を積み替える時、配送車から荷物を取り出し配達先へ配達する時などに、本来ならば冷凍・冷蔵状態が保たれなければならない荷物が、直射日光による高温雰囲気や室温雰囲気に曝されることがある。
また、無事に冷凍・冷蔵状態が保たれながら配達先に届けられた後も、荷物の冷凍・冷蔵状態が保たれることが求められる。荷物の中身が食品や医薬品である場合、これらの冷凍・冷蔵状態が保たれないと、これらに変質や雑菌の繁殖などが生じて、その品質が損なわれるおそれがある。極端な場合、食品や医薬品の冷凍・冷蔵状態が保たれないと、食中毒や医療事故などを誘発しかねない。このような厳格な温度管理が求められるものとしては、食品や医薬品の他に、化学分野や写真分野で用いられる各種薬品などが挙げられる。
上述のような温度管理が正常に行われているか否かを簡便に確認する方法として、例えば特許文献1には、常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液を備え、該乳化液は昇温により融解し、相分離する温度管理媒体であって、前記乳化液は、水、油脂及びリン脂質を含む脂質混合物からなることを特徴とする温度管理媒体について記載されている。この温度管理媒体においては、乳化液が所定温度以下にて凝固し、乳化液が再び所定温度を超える温度に昇温することにより融解し、相分離して、一旦、相分離したら二度と元の乳化液には戻らないから、この相分離した状態を、光学的に識別することで、この温度管理媒体が貼付された荷物が、設定した以上の高温に曝されたか否かを判別できる。
特開2006−153701号公報
しかしながら、上記のような温度管理媒体を形成する乳化物の粒子径は、安定性の面から一般的に3μmに調整されているが、この粒子径を有する11℃変色乳化液は、起動させるために3℃雰囲気下にて10時間ほど冷却することが必要不可欠である。このような起動時間であると、気温が低い場所、例えば冬場の冷気で起動してしまう虞があった。また逆に、急を要する場合、例えば緊急に医薬品等を搬送する際には、起動するまでに時間がかかり、その使用が難しかった。このように、従来の温度管理媒体では状況に応じて起動温度を調節し、使用することが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、起動時間を制御することが可能な温度管理媒体を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の温度管理媒体は、常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液を備え、該乳化液は昇温により融解し、相分離する温度管理媒体であって、前記乳化液は、水、油脂、及び乳化剤を少なくとも含み、前記乳化液の分散相をなす微粒子は前記油脂及び前記乳化剤からなり、前記微粒子の平均粒径が1.8μm以上14μm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の温度管理媒体は、請求項1において、前記油脂はトリアシルグリセロールを少なくとも含み、前記所定温度の前後で凝固する食用油脂であることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の温度管理媒体は、請求項2において、前記乳化剤がリン脂質であることを特徴とする。
本発明の温度管理媒体は、常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液を備え、該乳化液は昇温により融解し、相分離する温度管理媒体であって、前記乳化液は、水、油脂、及び乳化剤を少なくとも含み、前記乳化液の分散相をなす微粒子は前記油脂及び前記乳化剤からなり、前記微粒子の平均粒径が1.8μm以上14μm以下である。
かかる構成によれば、乳化液中の微粒子の粒子径を大きくすることで、各微粒子同士が相互作用しやすくなり、凝固するまでの時間を短縮することが可能となる。また逆に、乳化液中の微粒子の粒子径を大きくすることによって、凝固するまでの時間を長くすることもできる。したがって、本発明によれば、自由度高く起動時間を設定し、用途に応じた温度管理媒体を得ることが可能となる。
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
図1は、本発明に係る温度管理媒体の一実施形態を示す概略正面図であり、(a)は密閉容器内に収容された乳化液を、(b)は密閉容器内に収容された乳化液が水相と油相に相分離した状態をそれぞれ表している。
図1中、符号10は温度管理媒体、11は乳化液、12は密閉容器、13は水相、14は油相をそれぞれ示している。
この実施形態の温度管理媒体10は、乳化液11と、密閉容器12とから概略構成されており、乳化液11が密閉容器12内に収容され、この密閉容器12が密閉されてなるものである。
乳化液11は、水、油脂およびリン脂質を含む脂質混合物から構成されるエマルションである。この乳化液11は、リン脂質を含む脂質混合物が界面活性剤として機能し、水が分散媒(連続相)をなして、油脂が分散相(不連続相)をなす水中油滴型(Oil in Water型:O/W型)エマルションである。
乳化液の分散相をなす微粒子の平均粒子径は、1.0μm以上20μm以下が好ましく、より好ましくは1.8μm以上14μm以下である。微粒子の粒子径を大きくすることで、各微粒子同士が相互作用しやすくなり、凝固するまでの時間を短縮することが可能となる。また逆に微粒子の粒子径を小さくすることで、各微粒子同士が相互作用しづらくなり、起動時間を長くすることができる。なお、平均粒子径が14μmまでは、乳化液が凝固して温度管理媒体が起動するまでの時間が短縮されることが確認されているが、14μmより大きく100μm未満に関しては、更に検討を進めている。また、100μm以上であると、分散安定性が悪くなり、所定の温度となる前に分離しやすいと共に、保存安定性が低下してしまう。
乳化液11において、水と油脂の割合(水:油)は、目的とする温度管理媒体10の作動温度(乳化液11の凝固する温度)範囲に応じて適宜調整されるが、5:95(wt:wt)〜95:5(wt:wt)が望ましく、10:90(wt:wt)〜60:40(wt:wt)が好ましく、15:85(wt:wt)〜30:70(wt:wt)が特に好ましい。
乳化液11を構成する水としては、特に限定されず、いかなる水でも用いられるが、乳化剤への影響を考慮すると、イオン交換水や蒸留水が好適に用いられる。
油脂としては、融点が0℃以上または0℃以下であり、かつ、室温(約25℃)付近にて界面活性剤を用いて水とともに乳化液3を構成し、一旦、所定温度、例えば、−60℃〜20℃に曝された後、再び所定温度を超える温度に昇温することにより水と相分離するものが挙げられる。このような油脂としては、例えば、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)、モノアシルグリセロール(MAG)などの油脂を主成分とする食用油脂が挙げられる。乳化液11では、これらの油脂から選択される1種または2種以上が、目的とする温度管理媒体1の作動温度(乳化液11が凝固する温度)範囲に応じて適宜用いられる。また、融点が0℃以上の油脂と、融点が0℃以下の油脂とを適宜の割合で混合して用いるか、あるいは、融点が0℃以上の油脂または融点が0℃以下の油脂のいずれか一方を適宜用いることにより、温度管理媒体1の作動温度範囲を所望の温度範囲に制御することができる。
なお、本発明では、所定温度とは、−60℃以上、+20℃以下の範囲の温度をいう。
また、乳化剤としては、リン脂質を含む脂質混合物が挙げられ、例えば、レシチンおよびリゾレシチンを主成分とするものを用いるのが好ましい。
レシチンは、乳化液11において、水または油脂のいずれか一方を他方に微粒子状に分散させるための界面活性剤として機能する。レシチンとしては、下記の一般式(1)で表される大豆レシチン、下記の一般式(5)〜(8)で表される卵黄リン脂質を含む卵黄レシチン、魚介類由来のレシチンなどが挙げられる。
Figure 2009145239
上記の一般式(1)中、R1、R2は飽和および不飽和炭化水素から構成される。また、Aは塩基を表している。
例えば、Aが下記の式(2)で表される塩基の場合、上記の一般式(1)で表される大豆レシチンはホスファチジルコリン、Bが下記の式(3)で表される塩基である場合、上記の一般式(1)で表される大豆レシチンはホスファチジルエタノールアミン、Aが下記の式(4)で表される塩基である場合、上記の一般式(1)で表される大豆レシチンはホスファチジルイノシトール、Aが水素原子である場合、上記の一般式(1)で表される大豆レシチンは、ホスファチジン酸である。
Figure 2009145239
Figure 2009145239
Figure 2009145239
Figure 2009145239
Figure 2009145239
Figure 2009145239
Figure 2009145239
大豆レシチンは、上記の一般式(1)に示すように、2つの脂肪酸残基と、1つの塩基を有している。大豆レシチンは天然の乳化剤であり、抗酸化作用、離型作用、分散作用、起泡・消泡作用、保水作用、蛋白質・澱粉との結合作用、チョコレートの粘度低下作用など多岐にわたる性質を兼ね備えている。また、大豆レシチンは、大豆を抽出した大豆粗油を濾過後、約2%の温水を加え攪拌し、ガム状となって油相から分離したものを乾燥することにより得られる。さらに、大豆レシチンは、安価で大量供給が可能であり、精製度合いによって様々な状態で得ることができるという特徴を備えているので、使用条件によって種類を選択できる。
卵黄レシチンは、鶏卵の卵黄は水分48%、蛋白質16%、脂質33%からなるが、この脂質中に30%含まれる成分がリン脂質である。また、卵黄の脂質は中性脂肪65%、リン脂質30%、コレステロール4%から構成されている。また、卵黄リン脂質は、上記の一般式(5)のホスファチジルコリン(Phosphayidylcholine)70〜80%、上記の一般式(6)のホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine)10〜15%、上記の一般式(7)のスフィンゴミエリン(Sphingomyeline)1〜3%、上記の一般式(8)のリゾホスファチジルコリン(Lysophosphatidylcholine)1〜2%から構成されている。
リゾレシチンは、上記のようなレシチンと同様に、乳化液11において、水または食用油脂のいずれか一方を他方に微粒子状に分散させるための界面活性剤として機能する。リゾレシチンとしては、上記の一般式(1)で表される大豆レシチン、上記の一般式(5)〜(8)で表されるレシチンなどをリゾ化して、レシチンから脂肪酸が1個取れた構造をなすものが挙げられる。ここで、リゾ化とは、酵素であるPhospholipaseA2を用いて、レシチンが持つグリセリン基の第二位の脂肪酸残基を脱離させることをいう。
また、リゾレシチンは、天然の乳化剤であり、抗酸化作用、離型作用、分散作用、起泡・消泡作用、保水作用、蛋白質・澱粉との結合作用、チョコレートの粘度低下作用など多岐にわたる性質を兼ね備えている。
乳化液11において、乳化剤として用いるリン脂質等を含む脂質混合物の配合量は、油分100質量部に対して、0.1質量部以上、40質量部以下が好ましく、1質量部以上、20質量部以下がより好ましい。
乳化剤の配合量が、油分100質量部に対して、0.1質量部未満では、乳化し難い。一方、乳化剤の配合量が、油分100質量部に対して、40質量部を超えると、水に油分および乳化剤が分散し難くなり、うまく乳化しない。
また、乳化剤としてレシチンとリゾレシチンをもちいる場合は、レシチンとリゾレシチンの配合割合は、目的とする温度管理媒体12の起動温度範囲に応じて適宜調整されるが、10:90(wt:wt)〜90:10(wt:wt)が好ましい。
また、乳化液11には、その凝固点を所望の温度範囲に調整するために、糖類や水溶性高分子を配合してもよい。糖類や水溶性高分子の種類、配合量などを変えることにより、乳化液11の融点及び凝固点を所望の温度範囲に調整することができる。
糖類としては、例えば、フルクトース、グルコース、ガラクトース、マンノースなどの単糖類、マルトース、スクロース、ラクトース、セルビオースなどの二糖類、スタキオース、ラフィノースなどのオリゴ糖類、ペクチン、ガラクタン、デンプン、アミロース、プルラン、アラビアガム、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カルボキシメチルキチンなどの多糖類が挙げられる。これらの中でも、融点および凝固点の調整の意味から、分子量の分かっている、単糖類や二糖類が望ましい。
水溶性高分子としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、ゼラチン、ポリアクリル酸アミド、ポリオキシエチレンオキサイド、ポリオキシプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、イソブテン−無水マレイン酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテルなどが挙げられる。水溶性高分子は、重合度が大きくなると粘性が高くなり、乳化が困難となる傾向にあることから、重量平均分子量100,000以下のものを使用するのが好ましい。
密閉容器12としては、乳化液11を収容する部分(空間)を有し、乳化液11が相分離した様子を光学的に確認できる材質からなるものが好ましく、ガラスやプラスチック、あるいは食して無害な材料が好適に用いられる。食して無害な材料としては、例えば、プルラン、オブラート、ガム、アメなどが挙げられる。その形態としては、例えば管状、板状、フィルム状、球状などが挙げられる。なお、相分離を確認するだけならば、密閉容器12を、乳化液11が相分離してなる水相と油相の境界付近のみ透明な材質とし、他は不透明な金属などからなる構成としてもよい。
特に、密閉容器12として可撓性のフィルム状のものを用いた場合、荷物などの対象物の外形に沿って温度管理媒体10を貼付することができるばかりでなく、温度管理媒体10に外力が加えられた際に密閉容器12自体が柔軟に変形してその影響を回避することができるので望ましい。
また、乳化液11の相分離によって、密閉容器12内に収容されている液体の体積が変動してもその影響を受けないようにするために、例えば、乳化液11とともに空気や不活性ガスなどの気体を密閉容器12内に封入しておいてもよい。
この実施形態の温度管理媒体10は、密閉容器12内における乳化液11の相分離を利用したものである。すなわち、温度管理媒体10は、室温(約25℃)近傍にて乳化液11が安定かつ均一な白色の液体であり、乳化液11が所定温度以下、例えば、−60℃〜20℃に曝された後、再び所定温度を超える温度(乳化液11を構成する油脂、レシチンおよびリゾレシチンの融点を超える温度)に昇温することにより相分離して、透明な水相と、不透明な油相とに相分離して、一旦、相分離したら二度と元の乳化液には戻らない(不可逆)ことを利用したものである。このように相分離した状態を、例えば目視やセンサにより光学的に識別することで、この温度管理媒体10が具備された荷物が、設定した以上の高温に曝されたか否かを判別できる。
また、相分離後に透明となる水相の性質を利用する技術としては、目視あるいはセンサで水相を確認する際に、水相の向こう側に識別記号や文字を配置してその下地の情報を読み取ったり、または鏡面を設けることによって反射光を捉えて識別したりすることで、相分離が生じたか否かを正確にかつ定量的に確認することも可能である。
更に本発明の乳化液11は、人体に悪影響を及ぼすことのない、水、油脂、乳化剤を含む脂質混合物から構成されているから、乳化液11が皮膚、食品、薬品に付着し、その結果、乳化液11が体内に入っても、健康を害することはない。よって、温度管理媒体10は、食品や薬品などのパッケージに貼付あるいは塗布して用いても、事故が発生するおそれがないことから、安全性が極めて高い。よって、本発明は、従来使用するものが難しかった分野も含めて幅広い分野において活用可能である。
特に、本発明の温度管理媒体は、乳化液の分散相をなす微粒子の平均粒子径を変えることで、起動時間を制御することが可能であるため、従来と比較し非常に短時間で使用可能な状態とすることができる。したがって、緊急を要する際にも使用可能である。また、起動時間を長くすることも可能である。これにより、気温の低い場所に保管した際に、例えば、冬場においても外気温等で勝手に起動することなく、使用することが可能である。したがって、利便性に優れた温度管理媒体を得ることができる。
次に、この実施形態の温度管理媒体10の製造方法の一例を説明する。
まず、油脂に乳化剤を溶解して油脂の混合液(油脂混合液)を調整する。
なお、油脂を2種以上用いる場合、予めこれらを混合した後、この油脂の混合物に乳化剤を溶解する。
次いで、攪拌しながら、水に油脂混合液を少しずつ加えて、油脂を水に微粒子状に分散させて、乳化液11を得る。
次いで、密閉容器12内に乳化液11を充填して、密閉容器12を密閉し、温度管理媒体10を得る。なお、この際、密閉容器12の乳化液11で満たされていない部分に、空気などの気体を封入してもよい。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
油脂として、ニッコールトリファットC−24(商品名、融点20〜26℃、日光ケミカル社製)60gと、ココナードRK(商品名、融点:−5℃、花王社製)60gと、ステアリン酸ブチル(融点20℃、炭素数20、関東化学社製)70gと、ミリスチン酸ブチル(融点5℃、炭素数18、和光純薬工業社製)10gとを混合し、これらの混合液を調整した。
次いで、この混合溶液に、粉レシチン(商品名;SLP−ホワイト、辻製油社製)2gと、ペーストリゾレシチン(商品名;SLP−ペーストリゾ、辻製油社製)15gを溶解して、油分混合液を調整した。
次いで、攪拌しながら、水40gに、油分混合液217gを少しずつ加え、油分混合液を全量加えた。
次いで、乳化機により2500rpmで30分間、水と油脂混合溶液の混合物を攪拌することで乳化させ、乳化液を得た。
乳化後すぐに、この乳化液の一部をとり、粒子径分布測定装置を用いて平均粒子径を算出した。また、この乳化液0.4g〜0.6gを20×20mmのポリエチレン製軟包材に充填して密封し、温度管理媒体を作製した。これを実施例1とした。
「実施例2」
上記で作製した実施例1の温度管理媒体において、乳化機による攪拌速度を3000rpmとして作製し、これを実施例2の温度管理媒体とした。
「実施例3」
上記で作製した実施例1の温度管理媒体において、乳化機による攪拌速度を3500rpmとして作製し、これを実施例3の温度管理媒体とした。
「実施例4」
上記で作製した実施例1の温度管理媒体において、乳化機による攪拌速度を4000rpmとして作製し、これを実施例4の温度管理媒体とした。
「実施例5」
上記で作製した実施例1の温度管理媒体において、乳化機による攪拌速度を4500rpmとして作製し、これを実施例5の温度管理媒体とした。
「実施例6」
上記で作製した実施例1の温度管理媒体において、乳化機による攪拌速度を5500rpmとして作製し、これを実施例6の温度管理媒体とした。
「実施例7」
上記で作製した実施例1の温度管理媒体において、乳化機による攪拌速度を6200rpmとして作製し、これを実施例7の温度管理媒体とした。
「実施例8」
上記で作製した実施例1の温度管理媒体において、乳化機による攪拌速度を8000rpmとして作製し、これを実施例8の温度管理媒体とした。
「実施例9」
上記で作製した実施例1の温度管理媒体において、乳化機による攪拌速度を8500rpmとして作製し、これを実施例9の温度管理媒体とした。
「実施例10」
上記で作製した実施例1の温度管理媒体において、乳化機による攪拌速度を10000rpmとして作製し、これを実施例10の温度管理媒体とした。
上記で得られた実施例1〜10を3℃の環境試験器内で所定時間冷却し、起動時間を調査した。その結果及び平均粒子径を表1及び図2に示す。
Figure 2009145239
表1及び図2から、乳化液の分散相をなす微粒子の平均粒子径が大きいほど起動時間が短縮することが観察され、平均粒子径と起動時間との間には相関があることが観察された。特に図2から、粒系が2.5μm付近を境界として、粒系を2.5μmより大きくすると、破線21に示すように、起動時間を細かく制御することができる。また、粒系を2.5μmより小さくすると、破線22に示すように、微量な粒系の違いで起動時間を数時間単位で制御することが出来る。
本発明の温度管理媒体は、起動するまでの時間を制御することができるため利便性に優れ、特に気温の低い場所での使用や、緊急を要する際にも適用することができる。
本発明に係る温度管理媒体の一実施形態を示す概略正面図であり、(a)は密閉容器内に収容された乳化液を、(b)は密閉容器内に収容された乳化液が水相と油相に相分離した状態をそれぞれ表している。 平均粒径と起動時間との相関を示した図である。
符号の説明
10 温度管理媒体、11 乳化液、12 密閉容器、13 水相、14 油相。

Claims (3)

  1. 常温にて液状で、かつ、所定温度まで冷却すると凝固する乳化液を備え、該乳化液は昇温により融解し、相分離する温度管理媒体であって、
    前記乳化液は、水、油脂、及び乳化剤を少なくとも含み、前記乳化液の分散相をなす微粒子は前記油脂及び前記乳化剤からなり、前記微粒子の平均粒径が1.8μm以上14μm以下であることを特徴とする温度管理媒体。
  2. 前記油脂はトリアシルグリセロールを少なくとも含み、前記所定温度の前後で凝固する食用油脂であることを特徴とする請求項1に記載の温度管理媒体。
  3. 前記乳化剤がリン脂質であることを特徴とする請求項2に記載の温度管理媒体。
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