JP2015521878A - 調理器具表面および調理器具表面を形成する方法 - Google Patents

Abstract

調理器具表面は凹凸面を備える。凹凸面は、複数の突起と、複数の下側領域とから形成される。下側領域は、その上に形成されるこびりつかない表面を有し、突起は、その上に形成される硬質陽極酸化仕上げを有する。突起は、調理用具により下側領域のこびりつかない表面がこすり落とされることの防止に効果がある。調理器具の表面上に凹凸の所定のパターンを鍛造するステップと、こびりつき防止コーティングを調理器具の表面に適用するステップと、突起からこびりつき防止コーティングを除去するステップとを備える調理器具の表面を形成する方法が開示される。【選択図】図１ａ

Description

本明細書の開示は、耐擦傷性を有するこびりつかない調理器具表面、および、こびりつかない調理器具表面の寿命を長くすることについての分野に関するものである。

調理器具表面は一般的に、その上面をこびりつき防止コーティングでコーティングし、食品が表面にこびりつくことを防止している。しかし多くの場合、調理用具の使用により、コーティングはひっかかれるか、こすり落とされ、それによって、調理器具の基層または本体が露出する。

本明細書に開示される１つの例示的な実施形態において、調理器具表面は凹凸面を備える。凹凸面は、複数の突起と、複数の下側領域とから形成される。下側領域は、その上に形成されるこびりつかない表面を有し、突起は、その上に形成される陽極酸化仕上げを有する。突起は平坦に形成され、下側領域も平坦に形成される。下側領域は、調理器具表面上で、突起より大きい割合の表面領域を形成する。特に、突起は凹凸部を有する領域の調理器具表面の２０％未満であり、下側領域は凹凸面の残存部を形成する。突起は、調理用具により下側領域のこびりつかない表面がこすり落とされることの防止に効果がある。突起は十分な間隔を提供し、調理用具が、こびりつかない表面を有する下側領域に接触することを妨げる。複数の突起の頂部は、こびりつかない材料がないように形成されて、陽極酸化仕上げによって形成でき、調理用具がひっかいて、調理器具の素地が露出することを防止する。

別の例示的な実施形態において、調理器具の表面上に凹凸の所定のパターンを鍛造するステップと、こびりつき防止コーティングを調理器具の表面に適用するステップと、突起からこびりつき防止コーティングを除去するステップとを備える調理器具の表面を形成する方法が開示される。こびりつき防止コーティングは、調理器具の表面を研削することによって、突起から除去される。突起の表面は陽極酸化され、突起上に陽極酸化仕上げが形成される。

本開示は一例として示されるものであり、添付図面に限定されるものではない。

図１ａは、例示的な実施形態の部分的な上面図を示す。 図１ｂは、図１ａにおける例示的な実施形態の断面部分側面図を示す。 図１ｃは、図１ａの例示的な実施形態の拡大図を示す。 図１ｄは、図１ａに示す実施形態による表面模様を示す。 図２は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図３は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図４は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図５は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図６は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図７は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図８は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図９は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図１０は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図１１は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図１２は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図１３は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図１４は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。 図１５は、調理器具表面に適用できる別の例示的な表面模様を示す。

図１ａおよび１ｂは、調理器具１００の上面に表面１０２を有する調理器具１００の一部の部分図を示す。表面１０２は、複数の突起１０６により凹凸がつけられる。図１ａ、１ｃ、および１ｄに示すように、複数の突起１０６は、たとえば、複数の六角形、つまりハチの巣状の構造を形成できる。突起１０６の間に形成される下側領域１０４は、突起１０６の間に平面を形成できる。突起１０６および下側表面領域１０４が、調理器具１００の上面１０２を占める。下側領域１０４と比較すると、突起１０６はより小さな表面領域を占めることができる。突起１０６は頂を形成し、下側領域１０４は谷を形成する。複数の突起１０６は、最上面で硬質陽極酸化仕上げにより形成でき、下側領域１０４は、食品が下側領域１０４にこびりつくことを防止するための、こびりつき防止コーティングを有することができる。

１つの実施形態において、突起１０６はそれらの最上面で平坦に形成でき、下側領域１０４も平面で形成できる。突起１０６は材料の薄帯として形成でき、直線的側面で形成して端部を直角に形成できる。しかし、突起１０６の頂は、平坦、鋭利、またはその組合せのいずれかで形成できる。しかし、頂があまりに鋭利に形成されると、その分、使用中に用具がこびりつかない表面を形成する下側領域１０２に触れることになり、それは、こびりつき防止コーティングがひっかかれ、その後下側領域１０４から除去される可能性があることを意味する。

陽極酸化された頂、つまり凹凸部１０６は、最初に調理用具と接触して、用具の摩擦に対する抵抗を提供し、こびりつかない材料は、表面１０２の下側領域１０４で維持される。こびりつき防止コーティングでコーティングされる下側領域１０４は、表面１０２にこびりつく食品に対する抵抗を提供する。

突起１０６は、調理器具１００の最も優れたこびりつかない特性を提供し、調理器具１００へのひっかきを防止する最適な高さで形成できる。たとえば、突起１０６があまりに低く形成される場合、調理用具はやはり、こびりつき防止コーティング１０４をひっかくことがある。しかし、突起１０６があまりに高く形成される場合、食品が残り、突起１０６の頂にこびりつく可能性があるだけであるため、調理器具１００はそのこびりつかない性能を失うことがある。

同様に、突起１０６の間の間隔は、調理器具の最も優れたこびりつかない特性を提供し、下側表面領域１０４へのひっかきを防止する最適な間隔で形成できる。たとえば、突起１０６の間の下側領域１０４を形成する間隔は、それの上にこびりつき防止コーティングを有する唯一の領域であるため、領域１０４がより大きいほど、食品が調理器具表面１０２にこびりつくことは少なくなる。しかし、下側領域１０４が調理器具表面１０２の表面領域のあまりに多くを占める場合、使用中、調理用具が下側領域１０４のこびりつき防止コーティングをひっかき、下側領域１０４からこびりつき防止コーティングを除去することがある。

突起１０６の調理器具における適用範囲の幅、高さ、および割合は、特定の調理器具の所望の使用に基づいて定義できる。１つの例示的な実施形態において、突起１０６の幅は約１ｍｍ未満、突起の高さは約０．８ｍｍ未満である。１つの例示的な実施形態において、調理器具の底部凹凸面を覆う陽極酸化仕上げを有する突起の領域の割合は、約２０％未満である。

パンのこびりつかない部分は、以下のステップで形成できる。最初、突起１０６は、調理器具１００の上面１０２に、特定の模様を鍛造またはプレスすることで形成できる。次に、こびりつき防止コーティングが調理器具１００の上面１０２に適用できる。次に、こびりつき防止コーティングは、調理器具１００の上面１０２の表面を研削して、突起１０６から除去できる。突起１０６の研削プロセスにより、突起１０６の頂は平坦に形成される。次に、調理器具１００の突起１０６は陽極酸化され、突起１０６上に硬質陽極酸化仕上げが形成される。

上述のように、製造プロセス中、こびりつき防止コーティングは突起１０６の頂から、故意に除去される。次に、突起１０６は陽極酸化され、それにより、調理器具１００の上面１０２のひっかきに対する抵抗が増加する。突起１０６が、下側領域１０４の調理用具によるひっかきの防止を支援するため、下側領域１０４は、使用中でさえ、こびりつき防止コーティングによるコーティングが残る。これは、下側領域１０４上のこびりつき防止コーティングを維持して、こびりつかない表面の寿命を延ばし、食品が調理器具１００の素地に触れる可能性を低減させる。

突起１０６は、図１ａ〜１５に示すように、さまざまな構成および模様で形成できる。突起１０６により形成される特定の模様は、審美的な目的のために変更することができる。陽極酸化された部分の合計領域が全体の表面領域に対して維持される限り、突起１０６の模様は多くの形状にでき、所要のこびりつかない性能を提供し、さらに、調理器具のひっかきに対する耐久性を増加させる。

図２に示す別の例において、突起２０６は、調理器具の特定の部分の上面にダイヤモンド形の構成で形成される。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起２０６は、硬質陽極酸化仕上げを有することができ、調理器具の下側領域２０４は、こびりつき防止コーティングを有する。

図３に示す別の例において、突起３０６は、調理器具の特定の部分の上面に三角形の構成で形成される。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起３０６は、硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、調理器具の下側領域３０４に適用できる。

図４は、突起４０６を形成し、調理器具の上面にダイヤモンド形および菱形の構成を形成することを示す。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、硬質陽極酸化仕上げは、突起４０６を適用でき、こびりつき防止コーティングは、突起４０６の内側に形成される下側領域４０４に適用できる。

図５は、突起５０６を形成し、調理器具の上面にファン形の構成を形成することを示す。ファン形の構成は、互いに内側に向いて形成でき、各頂点が互いに隣接して位置決めされる。この結果、十字形状が４つのファン形の各群の間に形成される。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、硬質陽極酸化仕上げは、突起５０６に適用でき、こびりつき防止コーティングは、突起５０６の内側および外側に形成される下側領域５０４に適用できる。

図６は、例示的な調理器具表面の別の実施形態を示す。本実施形態において、突起６０６は、調理器具の上面に丸み部と尖端部とを有する十字形状を形成する。十字形状は、隣接した十字上で尖端部と尖端部とが交差するように形成できる。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起６０６は、硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、十字形の内側および外側に形成される調理器具表面の下側領域６０４に適用できる。

図７は、例示的な調理器具表面の別の実施形態を示す。本実施形態において、突起７０６は、調理器具の上面に傾斜する長方形を形成する。長方形は、Ｌ字形がパンの表面上に形成されるように形成できる。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起７０６は、それらの表面に適用される硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、長方形の内側に形成される調理器具表面の下側領域７０４に適用できる。

図８は、調理器具表面の別の例示的な実施形態を示す。本実施形態において、突起８０６は、調理器具の上面に正三角形を形成する。三角形は、各三角形の側面が３つの隣接した三角形と共有されるように形成できる。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起８０６は、それらの表面に適用される硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、三角形の内側に形成される調理器具表面の下側領域８０４に適用できる。

図９は、調理器具表面の別の例示的な実施形態を示す。本実施形態において、突起９０６は、パンの上面に星を形成する。星は、互いから等距離に間隔をあけることができる。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起９０６は、それらの表面に適用される硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、星形の内側および外側に形成される調理器具の下側領域９０４に適用できる。

図１０は、調理器具表面の別の例示的な実施形態を示す。本実施形態において、突起１００６は、調理器具の上面にウェブ形状を形成する。突起１００６によって形成されるウェブ形状は、１０本の継ぎ目１００７とともに形成でき、それは突起としても形成される。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起１００６および継ぎ目１００７は、それらの表面に適用される硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、ウェブ形状を形成する突起１００６、１００７の間の領域に形成されるパンの下側領域１００４に適用できる。

図１１は、調理器具表面の別の例示的な実施形態を示す。本実施形態において、突起１１０６は三角星形状を形成する。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起１１０６は、それらの表面に適用される硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、三角星形状を形成する突起１１０６の間の領域に形成される調理器具表面の下側領域１１０４に適用できる。

図１２は、調理器具表面の別の例示的な実施形態を示す。本実施形態において、突起１２０６は、文字「Ｇ」または数字「６」のように形成される形状を形成できる。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起１２０６は、それらの表面に適用される硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、形状を形成する突起１２０６の間の領域の内側および外側に形成される調理器具の下側領域１２０４に適用できる。

図１３は、調理器具表面の別の例示的な実施形態を示す。本実施形態において、突起１３０６は、調理器具表面に同心円を形成できる。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起１３０６は、それらの表面に適用される硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、調理器具表面に配置される同心円の間に形成される調理器具表面の下側領域１３０４に適用できる。

図１４は、調理器具表面の別の例示的な実施形態を示す。本実施形態において、突起１４０６は、調理器具表面に螺旋形を形成できる。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起１４０６は、それらの表面に適用される硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、調理器具表面に配置される同心円の間に形成される調理器具表面の下側領域１４０４に適用できる。

図１５は、調理器具表面の別の例示的な実施形態を示す。本実施形態において、突起１５０６は、調理器具表面に平行線を形成できる。図１ａ〜１ｄに示す実施形態と同様に、突起１５０６は、それらの表面に適用される硬質陽極酸化仕上げを有することができ、こびりつき防止コーティングは、調理器具表面に配置される同心円の間に形成される調理器具表面の下側領域１５０４に適用できる。

本明細書に記載の表面は、こびりつかない性能を維持している間、調理用具によるひっかきに対するより優れた保護を必要とするあらゆる種類の調理器具、たとえば、フライパン、ソースパン、ベーキングパン、グリルパン、ストックポットなどに適用できる。

本発明の態様が、その例示的な実施形態に関して記載されている。このすべての開示を確認することにより、開示された発明の範囲および精神内の多数の他の実施形態、変更、および変形を当業者は思いつくであろう。たとえば、当業者であれば、例示的な図で示されるステップは列挙された順序以外で行われてもよく、示される１つまたは複数のステップは本開示の態様にしたがって任意選択でもよいことは明らかであろう。

Claims (17)

1. 調理器具表面であって、
   複数の突起を有する凹凸面と、複数の下側領域と、を備え、
   前記下側領域は、その上に形成されるこびりつかない表面を有し、
   前記突起は、その上に形成される陽極酸化仕上げを有する、
   ことを特徴とする調理器具表面。
2. 請求項１に記載の調理器具において、前記突起は平坦に形成されることを特徴とする調理器具。
3. 請求項１に記載の調理器具において、前記下側領域は平坦に形成されることを特徴とする調理器具。
4. 請求項１に記載の調理器具において、前記下側領域は、前記調理器具表面上で、前記突起より大きい表面領域を形成することを特徴とする調理器具。
5. 請求項４に記載の調理器具において、前記突起は、前記複数の突起と前記複数の下側領域とを含む調理器具表面の２０％未満であることを特徴とする調理器具。
6. 請求項１に記載の調理器具において、前記突起は、調理用具により前記下側領域の前記こびりつかない表面がこすり落とされることの防止に効果があることを特徴とする調理器具。
7. 請求項６に記載の調理器具において、前記突起は十分な間隔を提供し、前記調理用具が、前記こびりつかない表面を有する前記下側領域に接触することの防止に効果があることを特徴とする調理器具。
8. 請求項１に記載の調理器具表面において、前記複数の突起にはこびりつかない材料がないことを特徴とする調理器具表面。
9. 調理器具の表面を形成する方法であって、
   前記調理器具の表面上に凹凸の所定のパターンを鍛造するステップと、
   こびりつき防止コーティングを前記調理器具の前記表面に適用するステップと、
   突起から前記こびりつき防止コーティングを除去するステップと、
   を含むことを特徴とする方法。
10. 請求項９に記載の方法において、前記こびりつき防止コーティングは、前記調理器具の前記表面を研削することによって、前記突起から除去されることを特徴とする方法。
11. 請求項９に記載の方法において、前記突起の表面は陽極酸化され、前記突起上に陽極酸化仕上げが形成されることを特徴とする方法。
12. 請求項１０に記載の方法において、前記突起は平坦に研削されることを特徴とする方法。
13. 請求項９に記載の方法において、前記表面上の下側領域は平坦に形成されることを特徴とする方法。
14. 請求項９に記載の方法において、前記下側領域は、前記表面上で、前記突起より大きい表面領域を形成することを特徴とする方法。
15. 請求項１０に記載の方法において、前記突起は、前記調理器具の前記表面の２０％未満であることを特徴とする方法。
16. 請求項９に記載の方法において、前記突起は、調理用具により前記下側領域の前記こびりつかない表面がこすり落とされることの防止に効果があることを特徴とする方法。
17. 請求項９に記載の方法において、前記突起は間隔をあけられ、前記調理用具が、前記こびりつかない表面を有する前記下側領域に接触することの防止に効果があることを特徴とする方法。

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