様々な図面中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
以下の詳細な説明は、発明的態様について説明する目的で、いくつかの実施態様を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の異なる方法で適用され実施され得る。
本開示の実施態様は、一過性モード電磁波キャビティ共振器(以後、「一過性モードキャビティ共振器」または単に「キャビティ共振器」)を含めて、EMSおよびMEMSの共振器デバイスの構造および構成の例を含む。関連する装置、システム、ならびに作製プロセスおよび技法も開示する。
いくつかの例示的な実施態様は、2基板または3基板の作製および組立プロセスを含む。たとえば、様々なプロセスの実施態様は、基板レベル、ウエハレベル、パネルレベルまたはバッチレベルにおいて実行され得る。これらのレベルにおける処理を実行することで、コストを低減しながら効率および均一性を向上させることができる。いくつかの実施態様はまた、バルクウェットエッチングなど、標準的な低コストバッチプロセス技法を利用する。いくつかのプロセスの実施態様は、多数の用途に対して要求または要望される必須のコスト構造および寸法許容差を有する多くのキャビティ共振器をもたらし得る。たとえば、そのようなプロセスは、100を超える品質(Q)値を有し、約0.5GHzと約4GHzとの間の動作範囲を有する調整可能キャビティ共振器を製作できる。いくつかの実施態様は、モバイルハンドセットまたは他の携帯型大衆消費電子製品デバイスにおける使用のためなど、多重周波数フィルタまたは再構成可能フィルタを合成するために使用され得るキャビティ共振器を製作する。
いくつかの例示的な実施態様は、一過性モード電磁波キャビティ共振器における使用のために、等方性エッチングされたキャビティを含む。いくつかの実施態様では、等方性エッチング動作が、複数のキャビティを製作する。いくつかの実施態様では、等方性エッチング動作は、各々が一過性モード電磁波キャビティ共振器における使用に好適なキャビティの配列をもたらす。いくつかの実施態様では、キャビティの配列は、多数の可能な形状を有し得る。いくつかの実施態様では、所与の配列内のキャビティは、多様な形状およびサイズを有し得る。たとえば、いくつかの実施態様では、等方性ウェットエッチング動作が、基板の片面の上にエッチストップを有する基板に対して実行され、平坦な底面と湾曲した側面とを有する複数のキャビティをもたらす。
いくつかの例示的な実施態様は、一過性モード電磁波キャビティ共振器における使用のための頂部付きポスト構造(以後、同様に、「頂部ポスト構造」、「頂部ポスト」または「ポスト頂部」)を含む。すなわち、いくつかの例示的な実施態様では、ポストの遠位端面の上に設置された、ポストの遠位端面の上に配列された、または場合によってはポストの遠位端面に接続されるかもしくは隣接して一体形成されたポスト頂部をそれ自体が含むキャビティ容積内に、容量調整構造またはポストを含むキャビティ共振器が製作される。
いくつかの例示的な実施態様は、一過性モード電磁波キャビティ共振器のポスト頂部(またはポスト)の遠位端面と共振器のキャビティ天井面との間のギャップ内に配列された誘電体スペーサを含む。いくつかの実施態様では、ギャップ間隔は、誘電体スペーサの厚さによって静的に規定される。
いくつかの例示的な実施態様は、一過性モード電磁波キャビティ共振器のポスト頂部(またはポスト)の遠位端面と共振器のキャビティ天井面との間のギャップ内に配列された1つまたは複数の調整要素を含む。いくつかの実施態様では、各調整要素は、少なくとも1つの静電的または圧電的に作動可能なMEMSを含む。いくつかの実施態様では、ギャップ間隔の実際の大きさは、誘電体スペーサの厚さによって静的に規定され、調整要素の作動状態に動的または調節可能に依存する。ポスト頂部(またはポスト)とキャビティ天井との間のキャパシタンスはギャップ間隔の実際の大きさに依存するので、1つまたは複数の共振電磁波モードは、調整要素の作動に依存するかまたはその作動によって調整可能である。
いくつかの例示的な実施態様は、一過性モード電磁波キャビティ共振器における使用のために、リソグラフィでパターン化された面内共振器構造を含む。たとえば、いくつかの実施態様では、ギャップのベース寸法または定常状態寸法が共振器構造の残りの部分と同時にリソグラフィで画定されるギャップを有する面内共振器構造を製作するために、リソグラフィプロセスが使用される。対照的に、従来のプロセスは、ギャップが組み立てによって規定される、すなわち、別々に作製され、後で互いに近接して配置される2つの別個の導電部間の間隔によって規定されるキャビティ共振器を製作する。
図1Aは、例示的な一過性モード電磁波キャビティ共振器100の断面側面図を示す。キャビティ共振器100は、下方キャビティ部102と上方キャビティ部104とを含む。下方キャビティ部102は、キャビティ106を含む。いくつかの実施態様では、キャビティ106は、エッチング動作を介して下方キャビティ部102から形成される。特定の実施態様では、キャビティ106は、等方性ウェットエッチング動作を介して形成され、湾曲したキャビティ壁をもたらす。いくつかの他の実施態様では、キャビティ106は、異方性エッチング動作を介して形成され、実質的にまっすぐなまたは垂直のキャビティ壁をもたらす。いくつかの実施態様では、キャビティ106は、真空にされるかまたは他のガスで満たされる。
いくつかの実施態様では、下方キャビティ部102のバルク基板部または上方キャビティ部の基板104は、絶縁材料または誘電材料から形成され得る。たとえば、いくつかの実施態様では、下方キャビティ部102のバルク基板部または上方キャビティ部の基板104は、ディスプレイ級ガラス(アルカリ土類ボロアルミノシリケート(alkaline earth boro−aluminosilicate)など)またはソーダ石灰ガラスから製造され得る。他の適切な絶縁材料には、アルカリ土類アルミノシリケート、ボロシリケート、またはモディファイドボロシリケートなどのケイ酸塩ガラスが含まれる。同じく、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化イットリウム(Y2O3)、窒化ホウ素(BN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、および窒化ガリウム(GaNx)などのセラミック材料もまた、いくつかの実施態様において使用され得る。いくつかの他の実施態様では、高抵抗Siが使用され得る。いくつかの実施態様では、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板、ガリウムヒ素(GaAs)基板、リン化インジウム(InP)基板、およびたとえばフレキシブル電子機器に関連するプラスチック(ポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンテレフタレート)基板もまた使用され得る。
いくつかの実施態様では、キャビティ106は、1つまたは複数の導電層108でめっきされる。たとえば、導電層108は、下方キャビティ部102の表面を導電性の金属または金属合金でめっきすることによって形成され得る。たとえば、導電層108は、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタニウム(Ti)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化チタニウム(TiN)、アルミニウム銅(AlCu)、モリブデン(Mo)、アルミニウムシリコン(AlSi)、プラチナ(Pt)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、あるいは他の適切もしくは好適な材料またはそれらの組合せから形成され得る。いくつかの実施態様では、約1μm〜約20μmの範囲内の厚さが好適であり得る。しかしながら、他の実施態様または用途において、より薄いまたはより厚い厚さが適切または好適であり得る。
キャビティ共振器100はまた、容量調整構造または「ポスト」110を含む。いくつかの実施態様では、ポスト110は、対応するキャビティ106を画定したエッチング動作の間に下方キャビティ部102から一体的に形成される。ポスト110は、湾曲したまたはまっすぐに垂直のポスト壁を有し得る。たとえば、ポスト110の壁は、等方性エッチング動作がキャビティ106を形成するために使用されるときに曲げられ得る。ポスト110はまた、導電層108でめっきされ得る。いくつかの実施態様では、ポスト110は、円形の断面形状を有し得る。いくつかの他の実施態様では、ポスト110は、楕円形、正方形、長方形、または他の断面形状を有し得る。いくつかの実施態様では、直径もしくは幅、または断面形状自体の形状など、ポスト110の断面形状の寸法は、ポスト110の長さに沿って変化する。たとえば、等方性ウェットエッチング動作は、その直径がポスト110の長さに沿って遠位端で減少する円形の断面形状を有するポスト110をもたらし得る。様々な実施態様では、ポスト110は、約100μm〜約1000μmの範囲内の厚さまたは高さ、および約0.1mm〜約1mmの範囲内の幅または直径を有し得る。
いくつかの実施態様では、ポスト頂部112は、ポスト110を覆って配列される。いくつかの実施態様では、ポスト頂部112は、ポスト110の遠位端面114の上に配設され、はんだ付けなどのプロセスを使用して固定される。たとえば、ポスト頂部112をポスト110を覆って配列する前に、ポスト110の遠位端面114および下方キャビティ部102の他の接合面または接合領域が、はんだ116でめっきされ得る。いくつかの実施態様では、ポスト頂部112は、導電材料から形成される。いくつかの他の実施態様では、ポスト頂部112は、誘電材料または他の好適な材料から製造され、次に、導電層108などの導電層でめっきされ得る。たとえば、ポスト頂部112は、Cuから形成され得るか、または約10μmの厚さを有するCu層でめっきされ得る。様々な実施態様では、ポスト頂部112は、約2μm〜約20μmの範囲内の厚さを有するCuから形成された導電層でめっきされ得る。いくつかの実施態様では、ポスト頂部112は、円形の断面形状を有し得る。いくつかの他の実施態様では、ポスト頂部112は、楕円形、正方形、長方形、または他の断面形状を有し得る。いくつかの実施態様では、ポスト頂部112は、ポスト110と同じ断面形状(しかし、一般に異なるサイズ)を有し得る。いくつかの他の実施態様では、ポスト頂部112は、ポスト110と異なる断面形状を有し得る。
特定の実施態様では、ポスト頂部112は、ポスト110より薄い厚さであるがより広い寸法を有する。たとえば、いくつかの用途では、ポスト110は、約1mmの高さhと約0.5mmのポスト110の遠位端における直径とを有し得る。そのような用途、または他では、ポスト頂部112は、約10μmの厚さまたは高さtと約2mmの直径とを有し得る。すなわち、いくつかの実施態様では、ポスト頂部112の直径または幅は、下にあるポスト110の直径または幅よりかなり大きい。いくつかの他の実施態様では、ポスト頂部112は、約2μm〜約100μmの範囲内の厚さと約0.2mm〜約5mmの範囲内の幅または直径とを有し得る。ポスト頂部112によって与えられる増加した表面積の利点を以下で説明する。
いくつかの実施態様では、上方キャビティ部104は、下のポスト110と連結されると、ポスト頂部112として機能する組立プラットフォームを含む。いくつかの実施態様では、上方キャビティ部104の内面は、キャビティ天井120を形成する。キャビティ共振器100の1つまたは複数の一過性電磁波モードおよび対応する共振周波数は、ポスト頂部112の遠位端面122とキャビティ天井120との間のギャップ間げきgに依存し、ひいては1つまたは複数の調整要素または調整デバイス124の状態に依存する。
特定の実施態様では、1つまたは複数の調整要素または調整デバイス124は、ポスト頂部112の遠位端面122とキャビティ天井120との間に形成または配列される。図示された実施態様では、調整要素124の配列が、ポスト頂部112とキャビティ天井120の両方に接続される。いくつかの他の実施態様では、調整要素124は、ポスト頂部112に(または、ポスト頂部112が含まれないときはポスト110に)のみ接続され得、キャビティ天井120には接続されない。いくつかの他の実施態様では、調整要素124は、キャビティ天井120のみに接続され得、ポスト110またはポスト頂部112には接続されない。
いくつかの実施態様では、調整要素124は、1つまたは複数の調整要素124の1つまたは複数の配列として配列され得る。いくつかの実施態様では、各調整要素は、単独で、または場合によっては静電的もしくは圧電的に作動可能である二状態のデバイス、バラクタ、またはビットであるか、またはそのように機能する。いくつかの他の実施態様では、調整要素の各配列は、配列レベルにおいて静電的もしくは圧電的に作動可能である二状態のデバイス、バラクタ、またはビットであるか、またはそのように機能する。いくつかの実施態様では、各調整要素124は、単独で、または場合によっては静電的もしくは圧電的に作動可能である1つまたは複数のMEMSを含む。いくつかの他の実施態様では、調整要素124はまた、アナログバラクタなどのアナログデバイスとして実装され得る。調整要素124のうちのいくつかを1つまたは複数の活性化状態に選択的に作動させることによって、ポスト頂部112とキャビティ天井面120との間のキャパシタンスにおける変化を選択的に生じさせるために、ギャップ間隔またはギャップ間げきgの実際のまたは有効な大きさを選択的に変化させるために、調整要素124が使用され得る。このキャパシタンスを変えることによって、調整要素124は、キャビティ共振器の1つまたは複数の一過性電磁波モードを変化させ、したがってキャビティ共振器100の共振周波数を調整するために使用され得る。
いくつかの実施態様では、MEMS要素122のうちの第1のいくつかが、「スタンドオフ」または「スペーサ」126に接続される。たとえば、スペーサ126は、酸化シリコンまたは窒化シリコンなどの誘電材料から形成され得る。いくつかの実施態様では、スペーサ126と上に重なる調整要素124とを組み合わせた厚さが、ギャップ間げきgの静的な非作動の大きさを規定する。いくつかの実施態様では、調整要素124のうちの選択されたいくつかを作動させることによって、ギャップ間げきgが増加し得、それにより実効キャパシタンスが減少する。いくつかの実施態様では、調整要素124のうちの選択されたいくつかを作動させることによって、ギャップ間げきgが減少し得、それにより実効キャパシタンスが増加する。いくつかの他の実施態様では、有効なギャップ間げきgを増加させることは、ギャップ間げきにおけるキャパシタンスを減少させることによって達成され、一方で、有効なギャップ間げきgを減少させることは、ギャップ間げきにおけるキャパシタンスを増加させることによって達成される。いくつかのそのような実施態様では、ギャップ間げきgの実際の絶対的な長さまたは間隔は、静的または一定のままであり得る。さらに他の実施態様では、調整要素124は、実際のギャップ間げきgを増加させるためまたは減少させるための両方に使用され得るばかりでなく、ギャップ間げき内のキャパシタンスを、(たとえば、間げきの変化によって単にもたらされるキャパシタンスの変更を超えて)さらに変更させるために使用され得る。
図1Bは、作動状態における図1Aの例示的な一過性モード電磁波キャビティ共振器の断面側面図を示す。MEMS要素122が圧電的に作動するいくつかの実施態様では、電界が、調整要素124の厚さにわたって印加される。調整要素124が静電的に作動するいくつかの実施態様では、電解が、ポストの遠位端面122および調整要素124の近位端面から延びるギャップにわたって印加される。
そのような実施態様では、ギャップ間げきgの静に規定される大きさまたはベースラインの大きさは、組み立てによって規定されるのではなく、プロセスによって規定される。より具体的には、ギャップ間げきgは、上方キャビティ部104を形成する間に使用されるプロセス技法によって、正確に再現性よく画定され得る。たとえば、ギャップ間げきgは、選択的パターニングおよび後続の1つまたは複数の犠牲層の除去によって少なくとも部分的に規定され得る。このことが、以下で説明する方法のうちのいくつかを使用して製作され、もたらされるキャビティ共振器におけるギャップ間げきの均一性と正確さを確実にする。
さらに他の実施態様では、キャビティ共振器100は、調整要素124を含まない。そのような実施態様では、ギャップ間げきgは、もっぱら、誘電体スペーサ126の固定されたまたは静的に規定された厚さに依存し得る。いくつかの他の実施態様では、キャビティ共振器100は、ポスト頂部112を含まない。いくつかのそのような実施態様では、調整要素124は、ポスト110の遠位端面の上に配列され得る。
いくつかの他の実施態様では、ポスト頂部112は、ポスト110の上にまたはポスト110を覆って設置されるかまたは場合によっては配列されかつポスト110と接続されるのではなく、ポスト110と一体的に形成され得る。たとえば、いくつかのそのような実施態様では、ポスト110およびポスト頂部112は、リソグラフィで画定されたエッチング動作を介して一体的に形成され得る。いくつかのそのような実施態様では、エッチング動作の一部または全部は、等方性ウェットエッチング動作であってよい。
いくつかの用途では、ポスト頂部112を含む実施態様の利点には、下にあるポスト110の遠位端面114のより小さい面積と比較して、ポスト頂部112を覆って配列される調整要素124に対するより大きな面積が含まれる。たとえば、従来の設計では、キャビティ106の半径bに対するポスト110の半径aの比は、所望の高Q値のために大きいキャビティ容積を必要とすることによって制約されることがある。その上、従来の設計では、必要なh/g比は、低コストで確実に達成することが困難であることがある。しかし、ポスト頂部設計を有するいくつかの特定の実施態様では、ポスト半径aを、改良されたQ値のために小さく保ちながら、ポスト頂部112の半径cをより大きくして、容量性装荷を増加させ、それによりキャビティ共振器100の共振周波数の所望の範囲を達成することができる。このことが、キャビティ共振器のサイズをミリメートル規模以下に低減することを可能にする。
加えて、たとえば、以下で説明するように1つまたは複数のバッチプロセスを使用して、複数のキャビティ共振器100の配列の各々が、それぞれのキャビティ共振器100内で同じ高さhおよび半径bを有するが潜在的に異なる、対応するポスト頂部112の半径cを有することを、そのようなポスト頂部設計が可能にする。いくつかの実施態様では、キャビティ共振器100の共振周波数は、概して、ポスト頂部112の半径cに反比例する。対照的に、従来の設計では、共振周波数は、ポストの半径に比例することがある。そのようにして、所与のポスト半径a、キャビティ半径b、およびギャップ間隔gに対して潜在的に異なる共振周波数を有する、以下で説明するキャビティ共振器100の配列を製作するために、周波数で決定されるローディングが、配列のキャビティ共振器100の各々に対してリソグラフィで画定された寸法、すなわちポスト頂部112および調整要素124の半径によって設定され得る。
上記で説明したように、いくつかの実施態様では、キャビティ106は、等方性ウェットエッチング動作を使用して形成される。たとえば、下方キャビティ部102の接合面128は、リソグラフィその他でマスクされ、続いて等方性ウェットエッチングされて、多様な形状が製作される。図2A〜図2Dは、1つまたは複数の等方性エッチング動作を使用して形成された例示的なキャビティ形状のシミュレーションの断面側面図を示す。たとえば、図2Aは、実質的に半球形状を有する、すなわち上から見ると円形の断面形状を有するキャビティ106の断面側面図を示す。図2Aに示すキャビティ106は、内部キャビティ面230を含む。キャビティ106の周辺は、接合面232によって囲まれる。
別の例として、図2Bは、実質的に「ピーナッツ」形状を有するキャビティ106の断面側面図を示す。たとえば、上から見ると、図2Bに示すキャビティ106は、第1の等方性エッチングされたキャビティ部234と第2の等方性エッチングされたキャビティ部236とを含み、キャビティ部236は、第1の等方性エッチングされたキャビティの接合面232aと共面である接合面232bを有する。そのような実施態様では、第1の等方性エッチングされたキャビティ部234の周囲は、点線238aおよび238bで示すように第2の等方性エッチングされたキャビティ部236の周囲と重なり得る。
別の例として、図2Cは、特徴的に楕円体の半分のような形状を有するキャビティ106の断面側面図を示す。たとえば、等方性エッチングされたキャビティ106の接合面232は、楕円体の半分の長軸と短軸の両方に平行な平面と共面であり得る。図3Aは、図2Cに示すような例示的なキャビティ106の上面図を示す。図3Bは、図3Aの例示的なキャビティ106の断面斜視図を示す。
別の例として、図2Dは、実質的に「バスタブ」形状を有するキャビティ106の断面側面図を示す。たとえば、上から見ると、図2Dに示すキャビティ106は、たとえば、図2Aのような特徴的に円形かまたは図2Cのように楕円形の形状であり得る。しかしながら、そのような実施態様では、図2Dのキャビティ106は、等方性エッチングされたキャビティ106の接合面232に平行であるがそこから陥凹する第1のほぼ平坦な内部底面240と、等方性エッチングされたキャビティ106の接合面232を第1の平坦な内部底面240と接続する第2の湾曲した内部キャビティ側面242とを有し得る。たとえば、図2Dに示すようなキャビティ106は、基板の片面にエッチストップ材料層を有する基板を等方性エッチングすることによって形成され得る。図4Aは、図2Dに示すような例示的なキャビティ106の上面図を示す。図4Bは、図4Aの例示的なキャビティ106の断面斜視図を示す。
等方性エッチングされたキャビティ106の提案されている設計および他の類似の設計もまた、容量調整構造またはポスト110と連携して使用され得る。いくつかの実施態様では、ポスト110は、等方性ウェットエッチング動作中に各キャビティの中央領域内に一体的に形成され得る。図5Aは、「ドーナツ状の」断面形状を有する例示的なキャビティ106の上面図を示す。このアナロジーでは、「ドーナツ穴」が、実際にはポスト110である。図5Bは、図5Aの例示的なキャビティ106の断面斜視図を示す。たとえば、図1に示すキャビティ共振器100は、図5Aおよび図5Bに示すような類似のキャビティ106およびポスト110を組み込む。
図6は、エッチストップ644を含む例示的なキャビティ基板602を示す。たとえば、基板602は、1つまたは複数の下方キャビティ部102を含み得る。いくつかの実施態様では、基板602は、絶縁材料または誘電材料から形成され得る。たとえば、基板602は、低コスト、高性能、大面積の絶縁基板であり得る。いくつかの実施態様では、基板602は、ディスプレイ級ガラス(アルカリ土類ボロアルミノシリケートなど)またはソーダ石灰ガラスから製造され得る。基板602が形成され得る他の適切な絶縁材料には、アルカリ土類アルミノシリケート、ボロシリケート、またはモディファイドボロシリケートなどのケイ酸塩ガラスが含まれる。同じく、AlO、Y2O3、BN、SiC、AlNおよびGaNなどのセラミック材料もまた、いくつかの実施態様で使用され得る。いくつかの他の実施態様では、基板602は、高抵抗Siから形成され得る。いくつかの実施態様では、SOI基板、GaAs基板、InP基板、およびたとえばフレキシブル電子機器に関連するプラスチック(ポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンテレフタレート)基板もまた使用され得る。基板602はまた、たとえば、4インチ、6インチ、8インチ、12インチの従来の集積回路(IC)ウエハ形態、または大面積パネル形態であってよい。たとえば、370mm×470mm、920mm×730mm、および2850mm×3050mmなど、またはそれ以上の寸法を有するフラットパネルディスプレイ基板が使用され得る。
いくつかの実施態様では、基板602の底面646は、等方性ウェットエッチング動作の前にエッチストップ644を形成するためにエッチストップ材料でめっきされ得る。たとえば、エッチストップ644は、たとえば、NiまたはCuから形成され得る。このようにして、等方性エッチング動作中に、エッチングは等方的に進行するが、エッチング動作中にエッチストップに達したエッチャントの部分は、それ以上エッチングできない。このことは、図6に示すように、フラットまたは平坦な底面240と湾曲した側面242とを有するキャビティ106をもたらし得る。加えて、キャビティ106の高さhに対するキャビティ106の容積の比は、基板604の所与の厚さに対して著しく増加され得、他の利点または望ましい特性とともに、改良されたQ値を潜在的にもたらす。
図7は、複数の一過性モード電磁波キャビティ共振器を形成するための例示的な2基板プロセス700を示すフロー図を示す。たとえば、プロセス700は、図1Aおよび図1Bに示す複数のキャビティ共振器100を製作するために使用され得る。いくつかの実施態様では、2基板プロセス700は、第1の基板または「キャビティ」基板902を提供するブロック702で始まる。たとえば、キャビティ基板902は、各々がキャビティ共振器100内の使用に好適である複数の下方キャビティ部102を含み得る。
図8は、例示的なキャビティ基板902を形成するための例示的なプロセス800を示すフロー図を示す。図9Aは、例示的なキャビティ基板902の断面側面図を示す。キャビティ基板902は、接合面948を有する第1のバルク基板部946を含む。いくつかの実施態様では、バルク基板部946は、絶縁材料または誘電材料から形成され得る。たとえば、バルク基板部946は、低コスト、高性能、大面積の絶縁基板であり得る。いくつかの実施態様では、バルク基板部946は、ディスプレイ級ガラス(アルカリ土類ボロアルミノシリケートなど)またはソーダ石灰ガラスから製造され得る。バルク基板部946が形成され得る他の適切な絶縁材料には、アルカリ土類アルミノシリケート、ボロシリケート、モディファイドボロシリケートなどのケイ酸塩ガラスが含まれる。同じく、AlO、Y2O3、BN、SiC、AlNおよびGaNなどのセラミック材料もまた、いくつかの実施態様で使用され得る。いくつかの他の実施態様では、バルク基板部946は、高抵抗Siから形成され得る。いくつかの実施態様では、SOI基板、GaAs基板、InP基板、およびたとえばフレキシブル電子機器に関連するプラスチック(ポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンテレフタレート)基板もまた使用され得る。バルク基板部946はまた、たとえば、4インチ、6インチ、8インチ、12インチの従来のICウエハ形態、または大面積パネル形態であってよい。たとえば、370mm×470mm、920mm×730mm、および2850mm×3050mmなど、またはそれ以上の寸法を有するフラットパネルディスプレイ基板が使用され得る。
いくつかの実施態様では、プロセス800は、図9Aに示すように、キャビティ基板902の接合面948を覆う第1のマスキング層950を堆積するブロック802で始まる。いくつかの実施態様では、マスキング層950は、正または負のフォトリソグラフィのフォトレジストである。いくつかの他の実施態様では、マスキング層950は、キャビティ基板902をエッチングするために使用されるのと同じエッチャントでエッチングされない金属または誘電体の薄膜から形成され得る。いくつかの実施態様では、プロセス800は、バルク基板部946のマスクされていない部分を等方性エッチングするブロック804に進む。いくつかの実施態様では、ブロック804での等方性エッチング動作は、等方性ウェットエッチング動作であってよい。たとえば、図9Bは、等方性エッチング動作後の図9Aの例示的なキャビティ基板902の断面側面図を示す。図9Bに示すように、等方性エッチング動作の後、キャビティ基板902は、複数のキャビティ106ならびに一体形成されたポスト110を含み得る。加えて、図9Bに示すように、等方性エッチングは、本質的に、被マスク層950のエッジ領域の下にバルク基板946のエッチング部をもたらす。
他の実施態様では、キャビティ基板902は、異方性除去動作によって形成され得る。たとえば、異方性除去動作は、異方性のドライエッチング動作、フォトパターニング、または精密製造によって実現され得る。そのような実施態様では、もたらされたキャビティならびに一体形成されたポストは、実質的に垂直な壁(または、多重マスキング(multiple masking)および異方性除去動作を使用する段付き壁)を有し得る。
いくつかの実施態様では、プロセス800は、キャビティ106の内面の上にまたはそれを覆って、ならびにいくつかの実施態様では、ポスト110、ポスト110の遠位端面または接合面114の上にまたはそれを覆って、および接合面128の上にまたはそれを覆って、導電層108をめっきまたは場合によっては堆積するブロック806に進む。たとえば、導電層108はCuから形成され得、約10μmの厚さを有する。様々な実施態様では、導電層108はまた、Ni、Al、Ti、AlN、TiN、AlCu、Mo、AlSi、Pt、W、Ruまたは他の適切もしくは好適な材料あるいはそれらの組合せから形成され得、約1μm〜約20μmの範囲内の厚さを有する。図9Cは、導電めっき動作後の図9Bの例示的なキャビティ基板の断面側面図を示す。いくつかの実施態様では、第1のマスキング層950は、ブロック806で、めっき動作の前に除去される。
いくつかの実施態様では、プロセス800は、接合面114および128の上にまたはそれを覆ってはんだ層116をスクリーン印刷するか、レーザ印刷するか、または場合によっては堆積するブロック808に進む。図9Dは、はんだ塗布動作後の図9Cの例示的なキャビティ基板の断面側面図を示す。
図9A〜図9Dは、様々な実施態様において、キャビティ基板902の長さに沿って3つの下方キャビティ部102を含むように説明のために示されているが、キャビティ基板902は、数十、数百、数千、またはそれ以上の下方キャビティ部102および対応するキャビティ106の2次元配列を含み得る。
加えて、最初に上記で説明したように、いくつかの実施態様では、エッチストップが、キャビティ基板902の背面952に塗布され得る。たとえば、図6を参照して上記で説明したように、エッチストップは、ブロック804の等方性エッチング動作の前に、バルク基板部946の背面952上に形成され得る。
図7のフロー図に戻って参照すると、いくつかの実施態様では、2基板プロセス700は、第2の基板または「アクティブ」基板1104を提供するブロック704に進む。たとえば、基板1104は、複数の上方キャビティ部104を含み得る。
図10は、例示的なアクティブ基板1104を形成するための例示的なプロセス1000を示すフロー図を示す。図11A〜図11Fは、図10の例示的なプロセス1000の間の例示的な段階を示す。いくつかの実施態様では、プロセス1000は、アクティブ基板1104のアクティブ面1158を覆う第1の犠牲層1154を堆積するブロック1002で始まる。図11Aは、例示的なアクティブ基板1104の断面側面図を示す。アクティブ基板1104は、バルク基板部1156を含む。図1を参照して上記で説明したように、ポスト頂部として働く調整要素124の配列、誘電スペーサ126の配列、および組立プラットフォーム112が、アクティブ面1158上に堆積、パターン化、成長、または場合によっては形成され得る。
いくつかの実施態様では、バルク基板部1156は、絶縁材料または誘電材料から形成され得る。たとえば、バルク基板部1156は、低コスト、高性能、大面積の絶縁基板であり得る。いくつかの実施態様では、バルク基板部1156は、ディスプレイ級ガラス(アルカリ土類ボロアルミノシリケートなど)またはソーダ石灰ガラスから製造され得る。バルク基板部1156が形成され得る他の適切な絶縁材料には、アルカリ土類アルミノシリケート、ボロシリケート、モディファイドボロシリケート、他などのケイ酸塩ガラスが含まれる。同じく、AlO、Y2O3、BN、SiC、AlNおよびGaNなどのセラミック材料もまた、いくつかの実施態様で使用され得る。いくつかの他の実施態様では、バルク基板部1156は、高抵抗Siから形成され得る。いくつかの実施態様では、SOI基板、GaAs基板、InP基板、およびたとえばフレキシブル電子機器に関連するプラスチック(ポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンテレフタレート)基板もまた使用され得る。バルク基板部1156はまた、たとえば、4インチ、6インチ、8インチ、12インチの従来のICウエハ形態、または大面積パネル形態であってよい。たとえば、370mm×470mm、920mm×730mm、および2850mm×3050mmなど、またはそれ以上の寸法を有するフラットパネルディスプレイ基板が使用され得る。
いくつかの実施態様では、第1の犠牲層1154は、エッチング可能材料から形成される。たとえば、犠牲層1154は、モリブデン(Mo)、アモルファスシリコン(a−Si)、SiO2、またはポリマーなどの材料から形成され得る。いくつかの実施態様では、犠牲層1154は、約250Å〜約10000Åの範囲内の厚さを有する。
いくつかの実施態様では、図11Bに示すように、プロセス1000は、第1のMEMSデバイス層124aを堆積または場合によっては形成するブロック1004に進む。いくつかの実施態様では、図11Cに示すように、プロセス1000は、次に、第2のMEMSデバイス層124bを堆積または場合によっては形成するブロック1006に進む。いくつかの実施態様では、MEMSデバイス層124aおよび124bの一方または両方は、たとえば、1つまたは複数のAlN層など、1つまたは複数の圧電層から形成される。別の例として、MEMSデバイス層124aおよび124bの一方または両方は、1つまたは複数の静電的に作動可能な層を含み得る。MEMSデバイス層の一方または両方は、たとえば、アモルファスシリコン(a−Si)、酸化a−Siもしくは窒化a−Si、別の誘電体、またはNiもしくはAlなどの金属から形成され得る。いくつかの実施態様では、MEMSデバイス層124aおよび124bの一方または両方は、約0.25μm〜約2μmの範囲内の厚さを有し得る。いくつかの実施態様では、MEMSデバイス層124aは、たとえば5μmの厚さを有する、たとえばNiから形成される構造層を含む。そのような例では、MEMSデバイス層124bは、たとえば約0.3μmの厚さを有する、たとえばAuから形成される1つまたは複数のはんだ可能層を含み得る。いくつかの実施態様では、第1および第2のMEMSデバイス層124aおよび124bは、さらなる処理の後で調整要素124をもたらす。
いくつかの実施態様では、図11Dに示すように、第2の犠牲層1160が、次に、ブロック1008で、上方キャビティ部104の全配列の部分を覆って堆積、パターン化、または場合によっては形成され得る。いくつかの実施態様では、第2の犠牲層1160は、エッチング可能材料から形成される。たとえば、犠牲層1160は、モリブデン(Mo)、アモルファスシリコン(a−Si)、SiO2、またはポリマーなどの材料から形成され得る。いくつかの実施態様では、犠牲層1160は、約250Å〜約10000Åの範囲内の厚さを有する。
いくつかの実施態様では、図11Eに示すように、プロセス1000は、次に、第2のMEMSデバイス層124bの上にまたはそれを覆って誘電体スペーサ126の配列を堆積、パターン化、または場合によっては形成もしくは配列するブロック1010に進む。たとえば、誘電体スペーサ126の第1のサポート部1162は、第2の犠牲層1160でカバーされない第2のMEMSデバイス層124bの部分を少なくとも部分的に覆って形成され得る。そのような実施態様では、誘電体スペーサ126の他のより広い部分1164は、第2の犠牲層1160の部分を少なくとも部分的に覆って形成され得る。いくつかの実施態様では、図11Fに示すように、プロセス1000は、次に、誘電体スペーサ126および第2の犠牲層1160を覆って組立プラットフォーム118を形成、設置、または場合によっては配列および接続するブロック1012に進む。
図11A〜図11Fは、様々な実施態様において、アクティブ基板1104の長さに沿って3つの上方キャビティ部104を含むように説明のために示されているが、アクティブ基板1104は、数十、数百、数千、またはそれ以上の上方キャビティ部104および対応する頂部ポスト112の2次元配列を含み得る。
図7に戻って参照すると、いくつかの実施態様では、プロセス700は、アクティブ基板1104の接合側(mating side)をキャビティ基板902の接合側とともに配列するブロック706に進む。アクティブ基板1104は、接合面が整列されるようにキャビティ基板902の上にまたはそれを覆って配列され得る。図12Aは、キャビティ基板902を覆って配列されたアクティブ基板1104の断面側面図を示す。たとえば、いくつかの実施態様では、アクティブ基板1104は、ポスト頂部112の各々の近位端面123が、下にあるポスト110の対応する遠位端面114を覆って設置されるように、かつ組立プラットフォーム118の他の接合面1168が、それぞれのキャビティ106の周辺周りの、キャビティ基板902の他の接合面128(図2A〜図2Dに示す接合面232など)を覆って設置されるように、キャビティ基板902を覆って配列され得る。
いくつかの実施態様では、プロセス700は、次に、ポスト110の遠位端面114を対応するポスト頂部112の近位端面123と物理的および電気的に接続し、かつ接合面128(または232)を組立プラットフォーム118の接合面1168と接続するブロック708に進む。たとえば、いくつかの実施態様では、図12Aに示すように、ブロック708で、ポスト110の遠位端面114は、対応するポスト頂部112の近位端面123と、はんだ層116ではんだ付けされる。同様に、いくつかの実施態様では、ブロック708で、接合面128(または232)は、組立プラットフォーム118の接合面1168とはんだ付けされる。
続いて、いくつかの実施態様では、第1の犠牲層1154の全部または一部が、次に、ブロック710で、犠牲リリースエッチング(sacrificial release etch)動作を介してエッチングまたは場合によっては除去され得る。第1の犠牲層1154を除去する前に、除去と並行して、または除去の後に、ブロック712で、第2の犠牲層1160の全部または一部が、エッチングまたは場合によっては除去され得る。いくつかの実施態様では、基板の長さまたは幅に沿って、たとえば周期的に配列された1つまたは複数のリリースベント1166が、少なくとも第2の犠牲層1160の除去を促進できる。図12Bは、犠牲層1154および1160を除去した後の図12Aの配列の断面側面図を示す。いくつかの実施態様では、キャビティ106は、次に、ベントを封止される。
いくつかの実施態様では、組立プラットフォーム118の部分がポスト頂部112になるように、第2の犠牲層1160が除去される。加えて、いくつかの実施態様では、ポスト頂部112が調整要素124と直接接触しないように、第2の犠牲層1160が除去され得る。いくつかのそのような実施態様では、ポスト頂部112が直接接触する基板のアクティブ面1158上の部分だけが誘電体スペーサ126であるように、第2の犠牲層1160が除去され得る。いくつかのそのような実施態様では、誘電体スペーサ126が調整要素124だけを介してアクティブ面1158に接続するように、第2の犠牲層1160が除去され得る。すなわち、いくつかの実施態様では、第1および第2の犠牲層1154および1160は、第1の基板のアクティブ面1158からMEMS調整要素124をリリースするために、かつ同様にポスト頂部112からMEMS調整要素124をリリースするために除去される。第1および第2の犠牲層1154および1160は、等方性のウェットエッチングまたはドライエッチングなどのプロセスを使用して除去され得る。いくつかのそのような実施態様では、このことで、誘電体スペーサ126は、MEMS調整要素124をポスト頂部112と機械的に接続する唯一の構造として残される。
いくつかの実施態様では、プロセス700は、次に、ブロック714で、全配列をのこぎり引き、切断、ダイシング、または場合によっては単一化を行って、1つまたは複数のキャビティ共振器100の1つまたは複数の配列を提供して終了することができる。図12Cは、1つまたは複数の単一化動作後の図12Bの配列の断面側面図を示す。
図12Cは、3つのキャビティ共振器100を含むように説明のために示されているが、様々な実施態様では、プロセス700の結果は、数十、数百、数千、またはそれ以上のキャビティ共振器100の2次元配列を含み得る。
図1Aおよび図1Bを参照して上記で説明したように、調整要素124は、1つまたは複数の調整要素124の1つまたは複数の配列として配列され得る。いくつかの実施態様では、各調整要素は、単独で、または場合によっては静電的もしくは圧電的に作動可能である二状態のデバイス、バラクタ、またはビットであるか、またはそのように機能する。いくつかの他の実施態様では、調整要素124の各配列は、配列レベルにおいて静電的もしくは圧電的に作動可能である二状態のデバイス、バラクタ、またはビットであるか、またはそのように機能する。いくつかの実施態様では、各調整要素124は、単独で、または場合によっては静電的もしくは圧電的に作動可能である1つまたは複数のMEMSを含む。調整要素124のうちの1つまたは複数を1つまたは複数の活性化状態に選択的に作動させることによって、ポスト頂部112とキャビティ天井との間のキャパシタンスにおける変化を選択的に生じさせるために、ポスト頂部112とキャビティ天井120との間のギャップ間隔またはギャップ間げきgの実際のまたは有効な大きさを選択的に変化させるために、調整要素124が使用され得る。このキャパシタンスを変えることによって、調整要素124は、キャビティ共振器100の1つまたは複数の一過性電磁波モードを変化させ、したがってキャビティ共振器100の共振周波数を調整するために使用され得る。
いくつかの実施態様では、スペーサ126と上に重なる調整要素124とを組み合わせた厚さが、ギャップ間げきgの静的な非作動の大きさを規定する。いくつかの実施態様では、調整要素124のうちの選択されたいくつかを作動させることによって、実際のまたは有効なギャップ間げきgが増加し得、それにより実効キャパシタンスが減少する。いくつかの実施態様では、調整要素124のうちの選択されたいくつかを作動させることによって、実際のまたは有効なギャップ間げきgが減少し得、それにより実効キャパシタンスが増加する。そのような実施態様では、ギャップ間げきgの静的に規定される大きさまたはベースラインの大きさは、組み立てによって規定されるのではなく、プロセスによって規定される。より具体的には、ギャップ間げきgは、上方キャビティ部104を形成する間に使用されるプロセス技法によって、正確に再現性よく画定され得る。たとえば、ギャップ間げきgは、誘電体スペーサ126の厚さと、犠牲層1154および1160のパターニングおよび後続の除去とによって少なくとも部分的に画定され得る。面123および1168は互いに共面であり、面114および128(232)は互いに共面であるので、全配列の得られたキャビティ共振器100の中のギャップ間げきの均一性および正確さも、同様に確保される。このことで、キャビティ共振器100の全配列にわたる1つの並列動作において、面123および1168が、それぞれ、面114および128(232)と接続されることが可能になる。
図13は、複数の一過性モード電磁波キャビティ共振器を形成するための例示的な3基板プロセス1300を示すフロー図を示す。たとえば、プロセス1300は、図1Aおよび図1Bに示す複数のキャビティ共振器100を製作するために使用され得る。1つの例示的な3基板の実施態様では、アクティブ基板1104が上記で説明したように製作されるが、単一の一体的に組み合わされたキャビティ基板およびポスト基板を使用するのではなく、基板902は、プロセスの中で、2つの別個の基板、すなわちキャビティ基板1502および別個のポスト基板1702で置き換えられる。いくつかの実施態様では、3基板プロセス1300は、第1のキャビティ基板1502を提供するブロック1302で始まる。
図14は、例示的なキャビティ基板1502を形成するための例示的なプロセス1400を示すフロー図を示す。図15Aは、例示的なキャビティ基板1502の断面側面図を示す。キャビティ基板1502は、接合面1548と背面1552とを有する第1のバルク基板部1546を含む。いくつかの実施態様では、プロセス1400は、キャビティ基板1502の接合面1548を覆って第1のマスキング層1550を堆積させ、第1のマスキング層1550の堆積の前に、後に、または堆積と並行して、図15Aに示すように背面1552を覆って第2のマスキング層1551を堆積させるブロック1402で開始する。いくつかの実施態様では、マスキング層1550および1551の一方または両方は、正または負のフォトリソグラフィのフォトレジストであってよい。いくつかの他の実施態様では、マスキング層1550および1551は、Siから形成され得る。さらに他の実施態様では、マスキング層1550および1551は、基板1546をエッチングするために使用されるエッチャントによってエッチングされないかまたはエッチング可能ではない金属から形成され得る。
いくつかの実施態様では、プロセス1400は、バルク基板部1546の面1548のマスクされていない部分を等方性エッチングし、面1548のマスクされていない部分の等方性エッチングの前に、後に、またはそのエッチングと並行して面1552のマスクされていない部分を等方性エッチングするブロック1404に進む。いくつかの実施態様では、ブロック1404での等方性エッチング動作は、等方性ウェットエッチング動作であってよい。たとえば、図15Bは、等方性エッチング動作後の図15Aの例示的なキャビティ基板1502の断面側面図を示す。図15Bに示すように、等方性エッチング動作の後、キャビティ基板1502は、全基板1502を通して延びる複数のキャビティ106を含む。
いくつかの他の実施態様では、キャビティ基板1502は、異方性除去動作によって形成され得る。たとえば、異方性除去動作は、異方性のドライエッチング動作、フォトパターニング、または精密製造によって実現され得る。そのような実施態様では、得られたキャビティならびに一体形成されたポストは、実質的に垂直の壁を有し得る。加えて、上記で説明したように、いくつかの実施態様では、エッチストップが、キャビティ基板1502の背面1552に塗布され得る。たとえば、図6を参照して上記で説明したように、エッチストップは、ブロック1404の等方性エッチング動作の前に、バルク基板部1546の背面1552上に形成され得る。いくつかの実施態様では、次に、エッチストップが、さらなる処理の前に除去され得る。
図13のフロー図に戻って参照すると、いくつかの実施態様では、3基板プロセス1300は、ポスト基板1702を提供するブロック1304に進む。図16は、例示的なポスト基板1702を形成するための例示的なプロセス1600を示すフロー図を示す。図17Aは、例示的なポスト基板1702の断面側面図を示す。ポスト基板1702は、接合面1748と背面1752とを有する第1のバルク基板部1746を含む。いくつかの実施態様では、プロセス1600は、図17Aに示すように、ポスト基板1702の接合面1748を覆う第1のマスキング層1750を堆積するブロック1602で始まる。いくつかの実施態様では、マスキング層1750は、正または負のフォトリソグラフィのフォトレジストであり得る。いくつかの他の実施態様では、マスキング層1750は、Siから形成され得る。さらに他の実施態様では、マスキング層1750は、基板1746をエッチングするために使用されるエッチャントによってエッチングされないかまたはエッチング可能ではない金属から形成され得る。
いくつかの実施態様では、プロセス1600は、バルク基板部1746の面1748のマスクされていない部分を等方性エッチングするブロック1604に進む。いくつかの実施態様では、ブロック1604での等方性エッチング動作は、等方性ウェットエッチング動作であってよい。たとえば、図17Bは、等方性エッチング動作後の図17Aの例示的なポスト基板1702の断面側面図を示す。図17Bに示すように、等方性エッチング動作の後、ポスト基板1702は、複数のポスト110を含む。
いくつかの他の実施態様では、キャビティ基板1502は、異方性除去動作によって形成され得る。たとえば、異方性除去動作は、異方性のドライエッチング動作、フォトパターニング、または精密製造によって実現され得る。そのような実施態様では、得られたキャビティならびに一体形成されたポストは、実質的に垂直の壁を有し得る。
いくつかの実施態様では、バルク基板部1546および1746は、絶縁材料または誘電材料から形成され得る。たとえば、バルク基板部1546および1746は、低コスト、高性能、大面積の絶縁基板であり得る。いくつかの実施態様では、バルク基板部1546および1746は、ディスプレイ級ガラス(アルカリ土類ボロアルミノシリケートなど)またはソーダ石灰ガラスから製造され得る。バルク基板部1546および1746が形成され得る他の適切な絶縁材料には、アルカリ土類アルミノシリケート、ボロシリケート、モディファイドボロシリケート、他などのケイ酸塩ガラスが含まれる。同じく、AlO、Y2O3、BN、SiC、AlNおよびGaNなどのセラミック材料もまた、いくつかの実施態様で使用され得る。いくつかの他の実施態様では、バルク基板部1546および1746は、高抵抗Siから形成され得る。いくつかの実施態様では、SOI基板、GaAs基板、InP基板、およびたとえばフレキシブル電子機器に関連するプラスチック(ポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンテレフタレート)基板もまた使用され得る。バルク基板部1546および1746はまた、たとえば、4インチ、6インチ、8インチ、12インチの従来のICウエハ形態、または大面積パネル形態であってよい。たとえば、370mm×470mm、920mm×730mm、および2850mm×3050mmなど、またはそれ以上の寸法を有するフラットパネルディスプレイ基板が使用され得る。
図13のフロー図に戻って参照すると、いくつかの実施態様では、3基板プロセス1300は、キャビティ基板1502をポスト基板1702と接続するブロック1306に進む。図18Aは、図15Bのキャビティ基板1502を覆って配列され、その基板と接続された、図17Bのポスト基板1702の断面側面図を示す。いくつかの実施態様では、キャビティ基板1502の背面1552が、接着剤層によってポスト基板1702と接続される。たとえば、接着剤層は、エポキシ層であってよい。エポキシは、基板厚さまたはエッチング深さにおける変化に適合でき、アクティブ基板1104が取り付けられ得る共平面(coplanar surface)を、組立体が提示することを確実にする。
いくつかの他の実施態様では、キャビティ基板1502の背面1552が、ポスト基板1702とはんだ付けされる。たとえば、はんだは、背面1552上に、またはキャビティ基板1502の下のポスト基板1702の領域の上に、あらかじめスクリーン印刷、レーザ印刷、または場合によっては堆積され得る。
図13のフロー図に戻って参照すると、いくつかの実施態様では、3基板プロセス1300は、キャビティ106の内面の上にまたはそれを覆って、ならびにいくつかの実施態様では、ポスト110、ポスト110の遠位端面または接合面114の上にまたはそれを覆って、および接合面128の上にまたはそれを覆って、導電層108をめっきまたは場合によっては堆積するブロック1308に進む。たとえば、導電層108はCuから形成され得、約10μmの厚さを有する。様々な実施態様では、導電層108はまた、Ni、Al、Ti、AlN、TiN、AlCu、Mo、AlSi、Pt、W、Ruまたは他の適切もしくは好適な材料あるいはそれらの組合せから形成され得、約1μm〜約20μmの範囲内の厚さを有する。図18Bは、導電めっき動作後の図18Aの配列の断面側面図を示す。いくつかの他の実施態様では、導電層は、ポスト基板1702をキャビティ基板1502と接続する前に、キャビティ基板1502またはポスト基板1702を覆って堆積され得る。
図13のフロー図に戻って参照すると、いくつかの実施態様では、3基板プロセス1300は、アクティブ基板1104を提供するブロック1310に進む。いくつかの実施態様では、プロセス1300は、次に、アクティブ基板1104の接合側を図18Bの配列の接合側とともに配列するブロック1312に進む。図18Cは、図15Bのキャビティ基板1502および図17Bのポスト基板1702を覆って配列された、図11Fのアクティブ基板1104の断面側面図を示す。たとえば、アクティブ基板1104は、ポスト頂部112の各々の近位端面123が、下にあるポスト110の対応する遠位端面114を覆って設置されるようにポスト基板1702を覆ってまたはそれに近接して配列され得、かつ組立プラットフォーム118の他の接合面1168が、それぞれのキャビティ106の周辺周りの、キャビティ基板1502の他の接合面128を覆って設置されるようにキャビティ基板を覆って配列され得る。
いくつかの実施態様では、プロセス1300は、次に、ポスト110の遠位端面114を対応するポスト頂部112の近位端面123と物理的および電気的に接続し、かつ接合面128を組立プラットフォーム118の接合面1168と接続するブロック1314に進む。たとえば、いくつかの実施態様では、ブロック1314で、ポスト110の遠位端面114は、対応するポスト頂部112の近位端面123と、はんだ層116ではんだ付けされる。同様に、いくつかの実施態様では、ブロック1314で、接合面128は、組立プラットフォーム118の接合面1168とはんだ付けされる。
続いて、いくつかの実施態様では、第1の犠牲層1154の全部または一部が、次に、ブロック1316で、犠牲リリースエッチング動作を介してエッチングまたは場合によっては除去され得る。第1の犠牲層1154を除去する前に、除去と並行して、または除去した後に、ブロック1318で、第2の犠牲層1160の全部または一部が、エッチングまたは場合によっては除去され得る。いくつかの実施態様では、基板の長さまたは幅に沿って、たとえば周期的に配列された1つまたは複数のリリースベント1166が、少なくとも第2の犠牲層1160の除去を促進できる。図18Dは、犠牲層1154および1160を除去した後の図18Cの配列の断面側面図を示す。いくつかの実施態様では、キャビティ106は、次に、ベントを封止される。
いくつかの実施態様では、組立プラットフォーム118の部分がポスト頂部112になるように、第2の犠牲層1160が除去される。加えて、いくつかの実施態様では、ポスト頂部112が調整要素124と直接接触しないように、第2の犠牲層1160が除去され得る。いくつかのそのような実施態様では、ポスト頂部112が直接接触する基板のアクティブ面1158上の部分だけが誘電体スペーサ126であるように、第2の犠牲層1160が除去され得る。いくつかのそのような実施態様では、誘電体スペーサ126が調整要素124だけを介してアクティブ面1158に接続するように、第2の犠牲層1160が除去され得る。すなわち、いくつかの実施態様では、第1および第2の犠牲層1154および1160は、第1の基板のアクティブ面1158からMEMS調整要素124をリリースするために、かつ同様にポスト頂部112からMEMS調整要素124をリリースするために除去される。第1および第2の犠牲層1154および1160は、等方性のウェットエッチングまたはドライエッチングなどのプロセスを使用して除去され得る。いくつかのそのような実施態様では、このことで、誘電体スペーサ126は、MEMS調整要素124をポスト頂部112と機械的に接続する唯一の構造として残される。
いくつかの実施態様では、プロセス1300は、次に、ブロック1320で、全配列をのこぎり引き、切断、ダイシング、または場合によっては単一化を行って、1つまたは複数のキャビティ共振器100の1つまたは複数の配列を提供して終了することができる。図18Eは、1つまたは複数の単一化動作後の図18Dの配列の断面側面図を示す。図1のキャビティ共振器100またはプロセス700の方法に従って製作されたキャビティ共振器と比較すると、図18Eのキャビティ共振器およびプロセス1300、1400および1500の方法に従って製作されたキャビティ共振器は、所与のキャビティ半径bに対して増加したキャビティ容積106を有し得、その結果、より高いQ値を達成する可能性がある。
図18Eは、3つのキャビティ共振器100を含むように説明のために示されているが、様々な実施態様では、プロセス1300の結果は、数十、数百、数千、またはそれ以上のキャビティ共振器100の2次元配列を含み得る。
アクティブ基板よりも粗いテクノロジーノードにおいてキャビティ基板またはポスト基板を作製することによって、さらなるコスト削減が実現され得る。他の実施態様では、キャビティ基板およびポスト基板は、マイクロサンドブラスト、マイクロエンボスによってパターン化され得るか、またはフォトパターン化されたガラスから形成され得る。基板はまた、ロールツーロールで作製することを可能にするポリマー材料または金属材料から形成され得る。
前述の実施態様は、最初に上記で提示したように、ポストがキャビティ共振器の基板部から「垂直に」延びるキャビティ共振器のポスト設計を参照して説明されたが、いくつかの例示的な実施態様はまた、リソグラフィでパターン化された面内共振器構造を含み得る。いくつかの実施態様では、面内共振器構造は、キャビティ接合面と平行する平面に沿って延びる共振器構造を指す。たとえば、面内共振器構造は、半径方向または横方向に延びるポストを含み得、そのポストは、キャビティの外周からキャビティの接合面に平行な平面に沿ってキャビティ容積の内側にまたはキャビティ容積の一部分にわたって延びる。いくつかの実施態様では、リソグラフィプロセスが、ギャップ間げきgを有する面内共振器構造を製作するために使用され、ギャップ間げきgのベース寸法または定常状態寸法は、共振器構造の残りの部分と同時にリソグラフィで画定される。
図19は、リソグラフィで画定された面内容量調整構造またはポスト1910を含む例示的なキャビティ共振器1900の分解組立不等角投影図を示す。キャビティ共振器1900は、下方キャビティ部1902と、ポスト構造部1903と、上方キャビティ部1904とを含む。下方キャビティ部1902は、下方キャビティ容積1906aを含む。同様に、いくつかの実施態様では、上方キャビティ部1904は、下方キャビティ容積1906aおよびポスト構造部1903と連携して全キャビティ容積を画定する上方キャビティ容積1906b(図19の視点から隠れている)を含む。いくつかの実施態様では、上方キャビティ部1904または上方キャビティ容積1906bは、実質的に、下方キャビティ部1902または下方キャビティ容積1906aの鏡像である。図20Aは、図19のキャビティ共振器1900内で使用可能であるような例示的な下方キャビティ部1902のシミュレーションの平面図を示す。
いくつかの実施態様では、下方キャビティ容積1906aおよび上方キャビティ容積1906bは、それぞれのキャビティ基板からそれぞれのエッチング動作を通して配列レベルまたはバッチレベルで形成される。いくつかの実施態様では、下方キャビティ部1902および上方キャビティ部1904は、それぞれ、等方性ウェットエッチング動作を介して形成され、湾曲したキャビティ壁と実質的に球体または楕円体の全キャビティ容積とをもたらす。いくつかの他の実施態様では、下方キャビティ部1902および上方キャビティ部1904は、それぞれ、異方性エッチング動作を介して形成され、実質的にまっすぐなまたは垂直のキャビティ壁をもたらす。いくつかの実施態様では、下方キャビティ部1902および上方キャビティ部1904は、ベントを封止されるか、真空にされるか、または他のガスで満たされる。
いくつかの実施態様では、下方キャビティ部1902または上方キャビティ部1904のバルク基板部は、絶縁材料または誘電材料から形成され得る。たとえば、いくつかの実施態様では、下方キャビティ部1902または上方キャビティ部1904のバルク基板部は、ディスプレイ級ガラス(アルカリ土類ボロアルミノシリケートなど)またはソーダ石灰ガラスから製造され得る。他の適切な絶縁材料には、アルカリ土類アルミノシリケート、ボロシリケート、またはモディファイドボロシリケートなどのケイ酸塩ガラスが含まれる。同じく、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化イットリウム(Y2O3)、窒化ホウ素(BN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、および窒化ガリウム(GaNx)などのセラミック材料もまた、いくつかの実施態様において使用され得る。いくつかの他の実施態様では、高抵抗Siが使用され得る。いくつかの実施態様では、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板、ガリウムヒ素(GaAs)基板、リン化インジウム(InP)基板、およびたとえばフレキシブル電子機器に関連するプラスチック(ポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンテレフタレート)基板もまた使用され得る。
いくつかの実施態様では、下方キャビティ部1902および上方キャビティ部1904は、1つまたは複数の導電層でめっきされる。たとえば、導電層は、下方キャビティ部1902の表面および上方キャビティ部1904の表面を導電性の金属または金属合金でめっきすることによって形成され得る。たとえば、導電層は、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタニウム(Ti)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化チタニウム(TiN)、アルミニウム銅(AlCu)、モリブデン(Mo)、アルミニウムシリコン(AlSi)、プラチナ(Pt)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、あるいは他の適切もしくは好適な材料またはそれらの組合せから形成され得る。いくつかの実施態様では、約1μm〜約10μmの範囲内の厚さが好適であり得る。しかしながら、他の実施態様または用途において、より薄いまたはより厚い厚さが適切または好適であり得る。
ポスト構造1903は、キャビティ容積にわたって横方向に延び、ポスト1910の遠位端において一体形成された頂部ポスト1912が頂点を成す、リソグラフィで画定された面内容量調整構造またはポスト1910を含む。ポスト構造1903は、サポートリング構造1911によってサポートされ得る。図20Bは、図19のキャビティ共振器内で使用可能であるような例示的なリソグラフィで画定された面内容量調整構造のシミュレーションの平面図を示す。
ポスト1910およびサポートリング構造1911は、パターニングおよびエッチングなど、リソグラフィ処理技法によって形成され得る。いくつかの実施態様では、ポスト構造1903はまた、導電材料から形成される。いくつかの他の実施態様では、ポスト構造1903は、半導体材料または導電材料から形成され得る。ポスト1910およびポスト頂部1912はまた、1つまたは複数の導電層でめっきされ得る。様々な実施態様では、ポスト1910およびポスト頂部1912を含むポスト構造1903は、約50μm〜約500μmの範囲内の厚さを有し得る。
ポスト頂部1912は、ポスト1910より広い寸法を有する。たとえば、いくつかの用途では、ポスト1910は、約0.5mmのポスト1910の遠位端における幅を有し得る。そのような用途、他では、ポスト頂部1912は、約2mmの幅を有し得る。すなわち、いくつかの実施態様では、ポスト頂部1912の直径または幅は、一体的に取り付けられたポスト1910の直径または幅よりかなり大きい。いくつかの実施態様では、ポスト頂部1912は、約1mm〜約3mmの範囲内の幅を有し得る一方、ポスト1910は、約0.1mm〜約1mmの範囲内の幅を有し得る。いくつかの実施態様では、ポスト頂部1912は、約0.1mm〜約1mmの範囲内の長さを有し得る一方、ポスト1910は、約1mm〜約5mmの範囲内の長さを有し得る。加えて、いくつかの実施態様では、ポスト1910またはポスト頂部1912は、サポートリング構造1911と異なる厚さを有するように形成され得る。
キャビティ共振器1900の1つまたは複数の一過性電磁波モードおよび対応する共振周波数は、ポスト頂部1912の遠位端面1922と、ポスト頂部1912に隣接するサポートリング構造1911の内面によって規定されるキャビティの内面の部分との間のギャップ間げきgに依存し得る。説明したように、ギャップ間げきgはリソグラフィで画定されるので、ギャップ間げきgは、正確に再現性よく制御され得る。たとえば、ポスト長さhおよび頂部ポスト長さtを組み合わせた合計とギャップ間げきgとの比を1000:1にすることは容易である。
特定の実施態様では、1つまたは複数の調整要素または調整デバイスは、ギャップ間げきg内に形成または配列される。たとえば、調整要素の配列は、ポスト頂部1912に、または追加もしくは代替としてサポートリング構造1911に接続され得る。いくつかの他の実施態様では、調整要素は、ポスト頂部1912のみと接続され得、サポートリング構造1911とは接続されない。いくつかの他の実施態様では、調整要素は、サポートリング構造1911のみと接続され得、ポスト1910またはポスト頂部1912とは接続されない。
いくつかの実施態様では、上記で説明したように、調整要素は、1つまたは複数の調整要素の1つまたは複数の配列として配列され得る。いくつかの実施態様では、各調整要素は、単独で、または場合によっては静電的もしくは圧電的に作動可能である二状態のデバイス、バラクタ、またはビットであるか、またはそのように機能する。いくつかの他の実施態様では、調整要素の各配列は、配列レベルにおいて静電的もしくは圧電的に作動可能である二状態のデバイス、バラクタ、またはビットであるか、またはそのように機能する。いくつかの実施態様では、各調整要素は、単独で、または場合によっては静電的もしくは圧電的に作動可能である1つまたは複数のMEMSを含む。調整要素のうちのいくつかを1つまたは複数の活性化状態に選択的に作動させることによって、ポスト頂部1912とサポートリング構造1911との間のキャパシタンスにおける変化を選択的に生じさせるために、ギャップ間隔またはギャップ間げきgの実際のまたは有効な大きさを選択的に変化させるために、調整要素が使用され得る。このキャパシタンスを変えることによって、調整要素は、キャビティ共振器1900の1つまたは複数の一過性電磁波モードを変化させ、したがってキャビティ共振器1900の共振周波数を調整するために使用され得る。いくつかの実施態様では、調整要素のうちの選択されたいくつかを作動させることによって、ギャップ間げきgが増加し得、それにより実効キャパシタンスが減少する。いくつかの実施態様では、調整要素のうちの選択されたいくつかを作動させることによって、ギャップ間げきgが減少し得、それにより実効キャパシタンスが増加する。
そのような実施態様では、ギャップ間げきgの静的に規定される大きさまたはベースラインの大きさは、組み立てによって規定されるのではなく、プロセスによって規定される。より具体的には、ギャップ間げきgは、ポスト基板を形成する間に使用されるリソグラフィプロセス技法によって、正確に再現性よく画定され得る。
特定の実施態様では、ポスト構造1903はまた、配列レベルまたはバッチレベルで形成される。たとえば、特定の実施態様では、下方キャビティ部1902、ポスト構造1903および上方キャビティ部1904の各々は、配列レベル、バッチレベルまたはパネルレベルで形成され、その後、配列レベル、バッチレベルまたはパネルレベルで互いに接続される。図20Cは、図19に示すようなリソグラフィで画定された面内容量調整構造を含む例示的なキャビティ共振器のシミュレーションの分解組立断面斜視図を示す。
いくつかの実施態様では、ポスト構造基板の下方接合面は、下方キャビティ部の接合面を覆って設置され、エポキシまたは他の接着材層で下方キャビティ部の接合面と接続される。いくつかの実施態様では、上方キャビティ部の接合面は、ポスト構造基板の上方接合面を覆って設置され、エポキシまたは他の接着材層でポスト構造基板の上方接合面と接続される。いくつかの他の実施態様では、ポスト構造基板は、下方キャビティ部基板または上方キャビティ部基板の一方または両方とはんだ付けされ得る。いくつかの実施態様では、得られたアレイ配列は単一化され、複数の一過性モード電磁波キャビティ共振器1900を提供できる。
加えて、たとえば、以下で説明するように1つまたは複数のバッチプロセスを使用して、複数のキャビティ共振器1900の配列の各々が、それぞれのキャビティ共振器1900内で同じキャビティサイズを有するが、潜在的に異なる、対応するポスト頂部1912の半径とギャップ間げきgとを有することを、そのようなリソグラフィで画定された容量調整構造設計が可能にする。いくつかの実施態様では、キャビティ共振器1900の共振周波数は、概して、ポスト頂部1912の半径に反比例する。そのようにして、周波数で決定されるローディングが、リソグラフィで画定された寸法、すなわちギャップ間隔gおよびポスト頂部1912の半径によって設定され得る。
図21は、リソグラフィで画定された面内容量調整構造2110を含む例示的なキャビティ共振器2100の分解組立不等角投影図を示す。キャビティ共振器2100は、下方キャビティ部2102と、ポスト構造部2103と、上方キャビティ部2104とを含む。ポスト構造部2103は、面内容量調整構造2110をサポートする。図19のキャビティ共振器1900と違って、容量調整構造2110は、懸垂式割りリング容量調整構造の形態にリソグラフィで画定される。すなわち、いくつかの実施態様では、容量調整構造2110は、下方キャビティ容積部2106aおよび上方キャビティ容積部2106bによって形成されるキャビティの周囲および内部に配列された円形構造として配列される。容量調整構造2110は、容量調整構造2110の遠位端面2122と容量調整構造2110の近位端面2123との間にギャップ間げきgを有する。再び、特定の実施態様では、1つまたは複数の調整要素または調整デバイスは、ギャップ間げきg内に形成または配列される。
加えて、特定の実施態様では、下方キャビティ部2102、ポスト構造部2103(容量調整構造2110を含む)、および上方キャビティ部2104の各々はまた、配列レベルで形成され、その後、配列レベルで互いに接続される。再び、1つまたは複数のバッチプロセスを使用して、複数のキャビティ共振器2100の配列の各々が、それぞれのキャビティ共振器2100内で同じキャビティサイズを有するが、潜在的に異なるギャップ間げきgを有することを、そのようなリソグラフィで画定された容量調整構造設計が可能にする。
図22Aは、リソグラフィで画定された面内容量調整構造2210を含む例示的なキャビティ共振器2200の不等角投影断面平面図を示す。図22bは、図22Aの例示的なキャビティ共振器の不等角投影断面側面図および不等角投影断面平面図を示す。図21の容量調整構造2100と同様に、容量調整構造2210は、キャビティ2206内に配列された割りリング構造として構成される。しかしながら、キャビティ共振器2200は、1つまたは複数のサポートリンク2282を用いて周囲の構造に接続され得るサポート部材2280をさらに含む。
図23Aは、図22Aおよび図22Bのキャビティ共振器2200内で使用可能であるような例示的な下方キャビティ部2202のシミュレーションの平面図を示す。図23Bは、図22Aおよび図22Bのキャビティ共振器2200内で使用可能であるような例示的なリソグラフィで画定された面内容量調整構造2210のシミュレーションの平面図を示す。図23Cは、図22Aおよび図22Bに示すようなサポート部材構造2280および1つまたは複数のサポートリンク2282を有する例示的なキャビティ共振器のシミュレーションの分解組立断面斜視図を示す。
説明した面内共振器設計では、ギャップgがリソグラフィでパターン化され、エッチングされる結果として、より高い(またはより長い)ポスト対ギャップのアスペクト比が可能になる。この設計は、ポストの高さを全体的デバイス厚さから効果的に分離するだけでなく、平坦なI/O伝送線への結合を簡素化する。
以下の本明細書における説明は、本開示の革新的態様について説明する目的で、いくつかの実装形態を対象とする。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを、当業者は容易に認識されよう。説明する実施態様は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成され得る任意のデバイスまたはシステムにおいて実施され得る。より詳細には、説明する実施態様は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(すなわち、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(オドメータおよびスピードメータディスプレイなどを含む)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両における後部ビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、(電気機械システム(EMS)、マイクロ電気機械システム(MEMS)および非MEMS適用例などにおける)パッケージング、審美構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々なEMSデバイスなど、様々な電子デバイス中に含まれるかまたはそれらに関連付けられ得ると考えられる。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセスおよび電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実施態様に限定されるものではなく、代わりに、当業者に直ちに明らかになるであろう広い適用性を有する。
説明する実装形態が適用され得る好適なEMSまたはMEMSデバイスの一例は反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために干渉変調器(IMOD)を組み込むことができる。IMODは、吸収器、吸収器に対して可動である反射体、ならびに吸収器と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それによりIMODの反射率に影響を及ぼすことがある。IMODの反射スペクトルは、かなり広いスペクトルバンドをもたらすことができ、そのスペクトルバンドは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得る。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって、すなわち、反射体の位置を変更することによって調整され得る。
図24Aは、IMOD表示デバイスの一連の画素における2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示す。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉MEMSディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、MEMSディスプレイ要素のピクセルが、明状態または暗状態のいずれかにあることがある。明(「緩和」、「開」または「オン」)状態では、ディスプレイ要素は、たとえば、ユーザに、入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。いくつかの実装形態では、オン状態の光反射特性とオフ状態の光反射特性は逆にされ得る。MEMSピクセルは、黒および白に加えて、主に、カラーディスプレイを可能にする特定の波長において、反射するように構成され得る。
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。各IMODは、(光ギャップまたはキャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された反射層のペア、すなわち、可動反射層と固定部分反射層とを含むことができる。可動反射層は少なくとも2つの位置の間で移動され得る。第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きい距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それら2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合うようにまたは弱め合うように干渉し、各ピクセルについて全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実施態様では、IMODは、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、作動していないときに暗状態にあり、可視範囲外の光(赤外光など)を反射し得る。ただし、いくつかの他の実施態様では、IMODは、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実施態様では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。いくつかの他の実施態様では、印加電荷が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。
図24A中のピクセルアレイの図示の部分は、2つの隣接するIMOD12を含む。(図示のような)左側のIMOD 12では、可動反射層14が、部分反射層を含む光学スタック16からの所定の距離における緩和位置に示されている。左側のIMOD 12にわたって印加された電圧V0は、可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。右側のIMOD 12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、またはそれに隣接する作動位置に示されている。右側のIMOD 12にわたって印加された電圧Vbiasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
図24Aでは、ピクセル12の反射特性が、概して、ピクセル12に入射する光を示す矢印13と、左側のIMOD 12から反射する光15とを用いて示されている。詳細に示していないが、ピクセル12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過され、光学スタック16に向かうことになることを、当業者なら理解されよう。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過されることになり、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過された光13の部分は、可動反射層14において反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻ることになる。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うまたは弱め合う)干渉が、IMOD 12から反射される光15の(1つまたは複数の)波長を決定することになる。
光学スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その(1つまたは複数の)層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実装形態では、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、様々な金属、たとえば、クロム(Cr)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、光吸収体と導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはIMODの他の構造の)異なる、より伝導性の高い層または部分が、IMODピクセル間で信号をバスで運ぶ(bus)ように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の伝導性層または伝導性/吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
いくつかの実装形態では、光学スタック16の(1つまたは複数の)層は、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語は、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用される。いくつかの実施態様では、アルミニウム(Al)などの高伝導性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の一連の平行ストリップとして形成されて、ポスト18の上に堆積された列とポスト18間に堆積された介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実施態様では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
いくつかの実施態様では、IMODの各ピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタである。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図24A中の左側のIMOD 12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間のギャップ19がある。しかしながら、電位差、たとえば、電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するピクセルにおける行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図24A中の右側の作動IMOD 12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じである。いくつかの事例ではアレイ中の一連のピクセルが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配設される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
図24Bは、3×3干渉変調器(IMOD)ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを表すシステムブロック図の一例を示している。図24Bに表す電子デバイスは、図1〜図23に関して上記で説明した実装形態に従って構築される圧電共振変圧器(piezoelectric resonator transformer)が組み込まれ得る1つの実装形態を表す。デバイス11が組み込まれる電子デバイスは、たとえば、表示と非表示の両方のアプリケーションを含む、上記に記載した多様な電気デバイスおよび電気機械システムデバイスのいずれかの一部または全部を形成し得る。
ここで、電子デバイスは、1つまたは複数の、ARM(登録商標)、Pentium(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、またはALPHA(登録商標)などの汎用シングルチップまたはマルチチップマイクロプロセッサ、あるいはデジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラ、またはプログラマブルゲートアレイなどの専用マイクロプロセッサを含み得るコントローラ21を含む。コントローラ21は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、コントローラ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
コントローラ21は、デバイス11と通信するように構成される。コントローラ21はまた、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえば、ディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図24Bは明快のためにIMODの3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODを含んでいることがあり、列におけるIMODの数とは異なる数のIMODを行において有し得、その逆も同様である。コントローラ21およびアレイドライバ22は、本明細書では、時々、「論理デバイス」および/または「論理システム」の一部と呼ぶことがある。
図25Aおよび図25Bは、複数のIMODを含むディスプレイデバイス40を表すシステムブロック図の例を示している。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形も、テレビジョン、タブレット、電子リーダー、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、もしくはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明するIMODディスプレイを含むことができる。
ディスプレイデバイス40の構成要素は図25Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタ処理する)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。いくつかの実施態様では、電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計において実質的にすべての構成要素に電力を与えることができる。
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実施態様では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、g、nを含むIEEE802.11規格、およびそれらのさらなる実施態様に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実施態様では、アンテナ43は、BLUETOOTH(登録商標)規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、GSM(登録商標)/General Packet Radio Service(GPRS)、Enhanced Data GSM(登録商標) Environment(EDGE)、Terrestrial Trunked Radio(TETRA)、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))、Evolution Data Optimized(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
いくつかの実施態様では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実施態様では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和、およびグレースケールレベルを含むことができる。
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実施され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(IMODコントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(IMODディスプレイドライバなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(IMODのアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化され得る。そのような実装形態は、高集積システム、たとえば、モバイルフォン、ポータブル電子デバイス、ウォッチまたは他の小面積ディスプレイにおいて、有用であることがある。
いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実施態様では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが使用され得る。
電源50は様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。充電式バッテリーを使用する実装形態では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセント(wall socket)または光起電性のデバイスもしくはアレイから来る、電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
いくつかの実施態様では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実施態様では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実施され得る。
本明細書で開示する実装形態に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実装されるか、ソフトウェアで実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実施するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実施または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成としても実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実施され得る。また、本明細書で説明した主題の実施態様は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実施され得る。
本開示で説明した実施態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実施態様に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与られるべきである。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実施されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
また、別個の実施態様に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施態様において組合せで実施され得る。また、逆に、単一の実施態様に関して説明した様々な特徴は、複数の実施態様において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実施され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは順番に実行されることを、あるいはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明するプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。