JP2015518720A - 核酸抽出 - Google Patents

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Abstract

生物試料から核酸を抽出するための方法および装置が記述される。この装置は、薬剤の基質への結合に関与する結合部分、疎水性部分、および荷電部分を含む複数の官能基を有する殺生物剤で官能化された、セルロースフィルターのような基質を含む。様々な官能基は、薬剤を基質に結合させ、試料の細胞壁または膜を弱化または溶解し、基質上に核酸を保持する作用をする。好ましい殺生物剤はシリル化四級アンモニウム化合物(SiQAC)であり、例えば3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリドである。

Description

本発明は、生物試料(主に、細胞性物質を含む生物試料)から核酸を抽出するための方法および製品に関する。本発明の諸側面は、さらに、核酸増幅のために生物試料から核酸を調製するための方法に関する。
核酸増幅技術を使用した診断における主要な困難課題の1つは、増幅過程に先立った、核酸を抽出するための細胞性物質の前処理である。シリカに基づく、および磁性ビーズに基づく技術は、不十分であり(≦10%)、特定の標的種類のために最適化を必要とし、同じプロセスが一般的に他の種類の試料には適合しない。フェノールクロロホルムを使用した高収率プロセスは、構成成分の毒性のために不適である。洗剤に基づく方法はシンプルな溶解プロセスを提供するが、高温(95℃)を必要とし、逆転写酵素は熱安定性ではないのでこれは単一工程RT-PCRと適合しない。
現在の方法は、純粋な形態の核酸を、他の細胞性物質から単離することが関わる。一般にこのことは、リゾチームのような酵素または洗剤を使用して細胞を破壊することを要する。マイコバクテリウムは、細胞を破裂させるために、きついNALC-NaOH前処理を必要とする。タンパク質は適切なプロテアーゼ(例えばプロテイナーゼK)を使用した消化により除去される。核酸は、支持樹脂またはチャージされたマトリックス(例えば磁性粒子)に結合され、洗浄される。pH変化を通して、核酸はチャージされた支持体から適切なバッファー中に取り除かれる。これが高純度核酸をもたらす。
例えばセフィエド社、エニグマダイアグノスティクス社、ロシュ社、ジーンプローブ社、BD社等の最新技術システムは、この従来型の実験室核酸抽出プロセス全体をこれら各社の診断装置に組み入れている。しかしながらこれは複雑であり、高価であり、特定の種類の試料に向けられたものである。
本発明者は、本明細書において、このプロセスの複雑さを取り除き、単純で使い捨て可能であって室温で使える紙ベースのシステムにおいてPCRにより増幅可能な核酸を産出するプロセスが、細菌、真菌、およびウイルス性の細胞を破裂することができ、直接的PCR分析のための溶液中に核酸を放出することを記述する。
ワットマン社の国際特許出願第WO00/62023号および第WO02/16383号は、コーティングされたフィルター媒体を使用して細胞を溶解し核酸を単離する方法を記載している。このフィルター媒体はFTA処理ニトロセルロースであり、これはアニオン性洗剤(例えばSDS)でコーティングされる。このコーティングが細胞を溶解し、FTA処理フィルターが核酸を吸着する。コーティングはフィルターに共有結合しておらず、洗浄により除去することができる。後続の工程のために核酸をフィルターから溶出することができる。
3Mイノヴェイティブプロパティーズ社の国際特許出願第WO2008/134464号は、試料から核酸を単離することに用いるための、官能基が取り付けられた基質、溶解物質、マトリックス物質、およびサッカライドを記載している。
Akhavan-Taftiの米国特許出願第2007/0185322号は、試料からRNAを抽出するための方法であって、細胞の事前溶解を行うことなく核酸を遊離させることができる酸性溶液および固相結合物質の使用が関わるものを記載している。核酸を結合させるために四級アンモニウム塩を使用することが言及されている。Tarkkanenらの米国出願第2005/0042661号も、細胞から選択的に核酸を放出するために四級アンモニウム化合物を使用することを記載している。
アピアテックス社の国際特許出願第WO2004/087226号および第WO2006/071191号ならびにHiggsらの米国特許第5,064,613号は、四級アンモニウム塩を含む抗菌組成物を記載している。
本発明の第1の側面により、a)細胞膜を有する細胞性物質、またはb)細胞壁を有する細胞性物質、またはc)ウイルスエンベロープを有するウイルス性物質、またはd)ウイルスカプシドを有するウイルス性物質を含む生物試料から核酸を調製する方法が提供され、この方法は、試料を基質に接触させることを含み、この基質は、i)細胞膜、細胞壁、ウイルスエンベロープ、もしくはウイルスカプシドを弱化させること、またはii)細胞性もしくはウイルス性物質を溶解することができる殺生物剤で官能化される。
この方法は、上記の接触工程の後に試料を加熱する工程をさらに含み得る。例えば、試料が核酸増幅反応に直接加えられ得る。加熱工程が、弱化した細胞壁、細胞膜、ウイルスエンベロープ、またはウイルスカプシドを溶解する作用をし、核酸を放出する。例えば上記殺生物剤が細胞性またはウイルス性物質を溶解することができる場合などには、核酸放出のために加熱工程は必ずしも必要ではない。
このようにして、本方法は、生物試料から核酸を迅速かつ容易に調製してさらなる処理に付すことを可能にする。
上記基質は、好ましくは、セルロース材料であり、例えば、セルロースフィルター紙またはセルロースマトリックスである。セルロース材料は複合紙であり得る。例えば、複合セルロース紙は、液体および低分子量夾雑物ならびに紙の表面上に堆積する試料に由来する阻害因子を除去するために、側方流動層を含み得る。セルロースは、殺生物剤を取り付けることができる多くの露出ヒドロキシル基を有するという利点を有する。いくつかの実施態様では、セルロース材料は、試料に対して所望の行為を行うための試薬、例えば試料浄化のためのRNAse、プロテアーゼ等をさらに含み得る。1つの好ましい基質は綿由来のセルロース紙であり、特に、ハーネミューレファインアート社(ドイツ)のFP 2992紙である。
他の基質材料を使用してもよく、露出ヒドロキシル基を有するものが好ましい。例えば、基質は、ガラス、プラスチック等であり得る。好ましい一実施態様においては、基質は、核酸増幅反応に直接加えることができるフィルター紙であるが、別の実施態様では、基質は、マイクロ流体チャンネルまたは反応器もしくはその他の容器の形態をとり得、これらに沿って、またはこれらの中で、生物試料が通されまたは収容され得る。
上記殺生物剤は、好ましくは、複数の官能基を含む。官能基は、好ましくは、その薬剤の上記基質への結合に関与する結合部分、疎水性部分、および荷電部分を含む。疎水性部分は、細胞壁または細胞膜と相互作用しこれらを貫通することができる。好ましい実施態様では、疎水性部分は、アルキル鎖、例えばC5〜C30アルキル、好ましくはC10〜C20アルキルであり得る。アルキル鎖がデリケートな細胞壁を貫通する際に、その壁が弱化して穿刺される。荷電部分は好ましくは正に荷電しており、荷電した細胞壁を引き寄せることができ、細胞膜に接触した際にイオン流およびホメオスタシスを途絶させて、それによって細胞の破裂および核酸の放出を補助することができる。この荷電部分は好ましくは四級アンモニウム基である。結合部分はヒドロキシル基を含み得る。
好ましい実施態様では、上記官能基は好ましくはアルキル鎖(疎水性部分)、シリル基(結合部分)、および塩化アンモニウム基(荷電部分)である。
好ましい殺生物剤としては、シリル化四級アンモニウム化合物(SiQAC)、特に3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリド(3-TPAC)が挙げられる。他の殺生物剤としては、ベンジルアンモニウムクロリドが挙げられる。SiQACの致死作用機序は、正に荷電した分子が負に荷電した細胞表面上に吸着すること、SiQAC分子上の親油性鎖によって細胞膜が破裂すること、および膜を通して拡散して細胞溶解をもたらすことによって進行するとの理解が一般に受け入れられている。
当業者は、使用し得る他の適切な殺生物剤を認識するであろう。具体的な薬剤の選択は、上述した好ましい官能基の存在、および意図される生物試料の性質により導かれる。例えば、処理される試料が哺乳類細胞試料である場合には、貫通しなければならない細胞壁が存在しないので、他の官能基が適切となり得る。
本発明において使用し得るその他の殺生物剤の例としては、以下のものが含まれる。
a) テレケリックなポリ(2-アルキル-1,3-オキサゾリン);
b) PEtOxを介して抗微生物性DDA基(接近してくる微生物細胞を接触の際に殺す(Bieser et al (2011), Contact-Active Antimicrobial and Potentially Self-Polishing Coatings Based on Cellulose. Macromol. Biosci., 11, 111-121))が備え付けられたセルロース;
c) サポニンは、ステロイドまたはトリテルペノイド配糖体であり、多数の植物によくみられ、赤血球膜に対して溶解作用を有することが長年知られており、多くのサポニンは抗微生物性であることが知られている(Francis et al, British Journal of Nutrition (2002), 88, 587-605)。サポニンの膜透過特性については詳細な研究が行われてきた。これら構造的に多様な化合物は、原生動物をも殺し、抗真菌剤および抗ウイルス剤としても作用することも観察されている。ヒト赤血球由来の単離細胞膜は、サポニンで処理されると、直径40〜50Åの孔を生じたのに対し、人工膜においては80Åの孔が生成された(Seeman et al. 1973 Structure of membrane holes in osmotic and saponin hemolysis. Journal of Cell Biology 56, 519-527)。
使用し得るその他の組成物の総説として、“Antimicrobial Polymers in Solution and on Surfaces”, Siedenbiedel and Tiller (2012) Polymers, 4, 46-71を参照。
好ましくは、上記生物試料は、細胞壁を有する細胞性物質を含み得る。例えば、この細胞性物質は、細菌細胞のような原核細胞であり得、または植物細胞もしくは真菌細胞であり得る。あるいは、上記生物試料は、細胞膜を有し細胞壁は有さない細胞性物質を含み得る。例えば、この細胞性物質は、哺乳類細胞または昆虫細胞を含む真核動物細胞であり得る。あるいは、上記生物試料は、ウイルス性物質を含み得る。
本発明のさらなる側面は、生物試料中の核酸を増幅する方法を提供し、その方法は、本発明の上記第1の側面の方法によって核酸を調製すること;および、調製された核酸を核酸増幅工程、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅に付すことを含む。
上記増幅は診断目的のために実施され得る。
本発明のさらなる側面は、a)細胞膜を有する細胞性物質、またはb)細胞壁を有する細胞性物質、またはc)ウイルスエンベロープを有するウイルス性物質、またはd)ウイルスカプシドを有するウイルス性物質を含む生物試料から核酸を調製するための装置を提供し、この装置は、i)細胞膜、細胞壁、ウイルスエンベロープ、もしくはウイルスカプシドを弱化させること、またはii)細胞性もしくはウイルス性物質を溶解することができる殺生物剤で官能化された基質を含む。
上記基質は好ましくはセルロース材料である。
いくつかの実施態様において、上記基質は、試料調製カートリッジ等に一体化され得る。従って、その装置は、基質またはその一部を受け入れる反応器をさらに含み得る。装置はまたさらに、基質の一部を、残りの基質から分離するための手段を含み得る。これは、いったん試料が加えられたら基質の一片を分離することを可能とし、それからその分離片が反応器に入りPCRに使用されることが可能となる。
図1は、SiQAC分子3-TPACの構造を示す。 図2は、SiQACによるセルロースの官能化を図示する。 図3は、SiQACの細胞に対する作用機序の概略図である。 図4は、SiQACで処理された血液からのプラスモディウム種の検出を示す。 図5は、マイコバクテリウムDNAの抽出のための異なる紙処理方法を比較する。 図6は、臨床試料についての正確性データを示す。 図7は、記述された方法を使用して痰から抽出された異なる濃度のMTBの多反復試験を示しており、y軸はピーク融解温度を示しx軸はピーク高を示す。 図8は、SiQAC官能化紙の製造および試料分析についての最適化された処理ワークフローを示す。 図9は、全乳からの微生物DNAの単離を示す。 図10は、HIV陽性血漿試料から得られた核酸の増幅を示す。 図11は、増幅されたHIV核酸から得られた配列を示す。
[図面の詳細な説明]
本発明は、概して以下のようにして作用する。セルロース濾紙のような基質が、殺生物剤(好ましくはSiQAC、より好ましくは3-TPAC)で官能化される。この官能化された基質が、PCR反応において使用するための核酸を細胞性試料から抽出する試料調製に使用され得る。
細胞性物質が紙の上層の上に置かれる。液体がその紙を通して流れ、細胞性物質は表面上に捕捉される。液相および低分子量の阻害性イオンは、表面の官能化セルロース層の下に位置する2次的側方流動層中に分散される。
試料中の微生物細胞(あるいは植物、動物、もしくは真菌細胞)は、SiQAC官能化セルロースと相互作用して弱化および/または溶解し、通常は接触から5分間以内にその細胞内容物を放出する。
基質から複合紙のプラグを切除し、10分間の後にPCR反応に直接加えることができる。PCRの最初の加熱が、残った細胞をさらに溶解してさらなる核酸を放出させる作用をし得る。
SiQAC分子[3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリド (3-TPAC)]の構造を図1に示す。3-TPACは1972年に最初に記述された(Isquith et al (1972), Appl. Microbiol, 24:6 859-863, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC380687/pdf/applmicro00052-0033.pdfを参照)。
基本的な化学構造の多くのバージョンがあるが(例えばベンジルアンモニウムクロリドBAC)、全てのものには同様の鍵となる成分が共通している:アンモニウムクロリド(塩化アンモニウム)のバリアント(活性抗微生物剤)、結合剤としてのシリコン(シリル部分)、およびアルカン鎖である。アンモニウムクロリドは、2つのメチル基と2つの事実上より長鎖であるアルキル基とに結合した、四級アンモニウム基である。このカチオン性官能基が抗微生物特性を付与し、細菌、真菌、およびウイルスの膜の破壊をもたらして核酸内容物を放出させる。疎水性のアルカン鎖は細胞壁を貫通する。トリメトキシシリル基は、活性ヒドロキシル基を介して分子を基質(例えばセルロース)に結合させる。
四級アンモニウム化合物は、細菌、真菌、および被覆ウイルスを含む広範な生物にとって致死性であり、程度は下がるものの内生胞子、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、および非エンベロープウイルスにとっても致死性である。四級アンモニウム基を有する多くの殺生物性ポリマーが知られている。四級アンモニウム(QA: quaternary ammonium)化合物は、医学的および公衆衛生学的応用のために最も広く使用されている抗細菌剤であり、グラム陰性細菌およびグラム陽性細菌の両方に対して有効であることが示されている(Tashiro (2001) Macromol. Mater. Eng.; 286, 63-87)。
QA基を有するカチオン性ポリマーは、一般に、対応する低分子量モノマーよりも高い抗微生物活性を示す(Ikeda and Tazuke, 1983, Makromol. Chem., Rapid Commun. 4 (1983) 459-461)。このより高い活性は、ポリマーのより高い電荷密度による、細胞とポリマーとの間のより高い静電引力に起因する。
SiQACは、2段階のプロセスを通じて機能する。SiQAC分子上の正電荷作用が、微生物の負に荷電した細胞壁を引き付ける。最初に、疎水性のアルキル鎖が、同様に疎水性である生物の細胞壁に接触してこれを貫通する。アルキル鎖がデリケートな細胞壁を貫通する際に、その壁が弱化して穿刺される。第2に、カチオン性の四級アンモニウム基が細胞壁に接触すると、それがイオン流を途絶させて細胞壁内へのあるいは細胞壁外への漏出を引き起こし、通常は細胞が内容物を失うこと、あるいはイオン環境に応じて細胞が破裂することという結果がもたらされる。荷電した四級アンモニウムアルキル基は変化しないまま残り、無限にこのプロセスを繰り返すために利用可能である。
この「物理的」かつ「電気的」な殺傷機序のために、微生物はSiQACに対する耐性または免疫性を発達させる機会を得ることがない。
四級アンモニウム化合物は、殺菌剤、防腐剤、医薬製品、および化粧品として広く使用され、果物および野菜の消毒における代替物となり得る。全ての四級アンモニウム化合物(QAC:quaternary ammonium compound)は、基本構造(NH4+)を有するカチオン性化合物である。これらの化合物は細菌の細胞壁中に貫通し、原形質膜と反応して、自己溶菌酵素により引き起こされる壁溶解を誘導する(McDonnell, G. & Russell, A. D. 1999 Antiseptics and disinfectants: activity, action and resistance. Clinical Microbiology Reviews 12, 147-179)。
トリメトキシシリル基は、ガラスや綿のような表面上のヒドロキシル基と反応して、その表面にQA化合物を保持する共有結合を形成し、QA化合物が水中に溶解することを防ぐ。トリメトキシシリル基同士で反応して、処理された表面に結合した非常に安定な架橋シランコーティングを形成することもできる。これらのコーティングは、多くの応用において、周囲環境に化学物質を放出することなく表面に殺生物活性を付与することが示されてきた(Isquith et al, 1972;Isquith et al, 1973 米国特許第3,730,701号;Speier and Malek, 1982 J of Colloid and Interface Science 89, 68;Walters et al., 1973, J., Appl. Microbiol. 25, 253)。
これらのコーティングは、殺真菌剤および殺細菌剤としては非常に有効であったが、胞子に対しては有効でなかった。
図2は、SiQAC分子である3-TPACによるセルロースの官能化を図示する。未改変の天然セルロースにおいて、Xは水素を表し、多数の付随ヒドロキシル(OH)基を形成している。より速い初期段階において、分子とヒドロキシル基との間で結合が形成されシリルエーテルを形成する。より遅い第2段階において、隣接するジメトキシシリル基間で架橋が形成され、基質表面と平行に並んだランダムなシリコーンエーテルポリマーを形成する。
カチオン性部分は表面結合においては何の役割も果たさないが、基質表面に結合された状態でなお利用可能となっている。その構造は、外用消毒剤として認識される四級アンモニウム化合物(塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)が典型例である)に類似している。
SiQAC分子が基質表面に結合する機序は、PEXを形成するポリエテンの架橋におけるものと化学的に類似している。
図3は、SiQAC官能化セルロースの作用の方法を示す概略図である。SiQAC鎖はセルロース繊維に結合し、配向され架橋されて(標識A)活性層を形成する。疎水性のアルキル鎖が(標識B)同様に疎水性である微生物の細胞壁を貫通する。アルキル鎖がデリケートな細胞壁を貫通する際に、その壁が弱化して穿刺される。それからカチオン性の四級アンモニウム基(C)が細胞壁に接触し、イオン流を途絶させて細胞壁内へのあるいは細胞壁外への漏出を引き起こし、通常は細胞が内容物を失うという結果がもたらされ、あるいは、イオン環境に応じて、細胞が完全に破裂するという結果がもたらされる。その弱化した状態において、細胞の急速な乾燥過程が細胞壁をさらに弱化させ、従ってPCRの初期サイクリングの際に核酸物質が溶液中に放出されPCRのあいだ増幅される。
従って、SiQAC分子の作用機序にはいくつかの異なる要素が関与する。アルキル鎖を介した細胞質および外膜の脂質二重層ならびに細胞壁の撹乱があり、細胞質物質の全般的かつ進行的な漏出がもたらされ、周囲溶液のイオン強度に依存して部分的または完全な細胞溶解がもたらされる。このことは、負に荷電した膜リン脂質と結合する正に荷電したアンモニウム基により増加される。低濃度の活性成分であっても、低分子量細胞質成分の漏出は起こる(例えばK+、核酸、およびアミノ酸)。SiQAC化合物は、シリル基が表面に結合して抗微生物性部分の局所的な濃縮および配向を引き起こすので、非シリル化四級アンモニウム化合物よりもかなり強力である。
SiQAC化合物による細胞溶解のプロセスは、最先端技術の他のプロセスと違って、室温で働く。SiQAC官能化セルロースは、細菌、真菌の細胞壁、およびウイルス粒子のタンパク質被覆を弱化させおよび/または破壊することに適している。好ましい実施態様においてそれは、PCR使用可能な溶解済み細胞性物質を5分以内で提供する。本発明の官能化基質および方法は、DNAおよびRNAの核酸抽出とともに試料中の潜在的に有害な他物質の除去を単一工程で行うことを可能とする。ウイルス粒子からRNAを抽出することも可能であり、RT-PCRに先立ってRNAを入手するために複雑な試料処理を行う必要性を排除する単一工程プロセスを提供する。
本方法は、溶解のための細胞種を選別する手段として使用することができる。例えば、本明細書中のデータは、血中における24時間のインキュベーション後に、全血細胞は無傷のままである一方で白い赤血球は溶解することを示している。
SiQACプロセスは少なくとも以下の微生物に適合すると考えられる:
細菌:MRSA、CA-MRSA;マイクロコッカス種(Micrococcus sp.);表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis);エンテロバクター・アグロメランス(Enterobacter agglomerans);アシネトバクター・カルコアセティカス(Acinetobacter calcoaceticus);黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(色素性);黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(非色素性);クレブシエラ・ニューモニエ(Klibsiella pneumonial moniae);緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa);ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis);大腸菌(Escherichia coli);プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis);シトロバクター・ダイバーサス(Citrobacter diversus);チフス菌(Salmonella typhosa);サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis);ウシコリネバクテリウム(Cornyebacterium bovis);マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis);結核菌(Mycobacterium tuberculosis);ブルセラ・カニス(Brucella canis);ブルセラ・アボルタス(Brucella abortus);ブルセラ・スイス(Brucella suis);ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans);枯草菌(Bacillus subtilis);ウェルシュ菌(Clostridium perfringens);インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae);ブタインフルエンザ菌(Haemophilus suis);ラクトバチルス・カゼル(Lactobacillus casel);ロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis);リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes);プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes);プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)。
真菌:アルテルナリア(Alternaria);アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus);アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus);クロコウジカビ(Aspergillus niger);アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus);アスペルギルス・ベルシコロル(Aspergillus versicolor);アウレオバシディウム・プルランス(Aureobadisium pullulans);セファルダスカス・フラグランス(Cephaldascus fragrans);ケトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum);クラドスポリウム・ハーバルム(Cladosporium herbarum);エピデルモフィトン(Epidermophyton);
フザリウム・ニグラム(Fusarium nigrum);フザリウム・ソラニ(Fusarium solani);グリコクラディウム・ロゼウム(Glicocladium roseum);ケカビ(Mucor);オースポラ・ラクティス(Oospora lactis);ペニシリウム・アルビカンス(Pencillium albicans);トリコフィトン・メンタグラフォフィテス(Tricophyton mentagraphophytes);ペニシリウム・エレガンス(Pencillium elegans);ペニシリウム・フニクロスム(Pencillium funiculosum);ペニシリウム・フミコラ(Pencillium humicola);ペニシリウム・ノタータム(Pencillium notatum);プルラリア・プルランス(Pullularia pullulans);ペニシリウム・バリアブル(Penicillium variabile);リゾプス・ニグリカンス(Rhizopus nigricans);リコデルム(Ricoderm);スタキボトリス・アトラ(Stachybotrys atra);トリコフィトン・インターデヂタリー(Trichophyton interdigitalie);トリコデルマ・フラバス(Trichderma flavus);ペニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)。
酵母および藻類:出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae);カンジダ・アルビカンス(Candida albicans);オシラトリア・ボルネティ(Oscillatoria borneti)LB143;アナベナ・シリンドリカ(Anabaena cylindrica);セレナストルム・グラシレ(Selenastrum gracile)B-325;プレウロコッカス(Pleurococcus)LB11;セネデスムス・クアドリコウダ(Schenedesmus quadricuada);ゴニウム(Gonium)LB 9c;ボルボックス(Volvox)LB 9;クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris);藍色植物(Cyanophyta)(青‐緑);黄金色植物(Chrysophyta)(茶);緑藻植物(Chlorophyta)(緑);セイナストム(Seienastum);緑藻植物(Chlorophyta)(緑);プロトコックス(Protococcus)。
ウイルス:HIV;デング熱;インフルエンザA型/B型;SARS;H1N1(豚インフルエンザ);H3N2;単純ヘルペス1型。
その他:四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)。
SiQACの抗微生物作用の詳細はIsquith et al(1972)に見出される。
全ての実施例において使用された紙は、特に言及がない限り、ハーネミューレファインアート社(ドイツ)の綿由来セルロース紙FP 2992であった。
[実施例1:SiQAC溶液を用いて行う細菌培養物の紙ベース精製およびPCR産物解析]
プロトコール:
1.所与の細菌(肺炎桿菌(K. pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、および結核菌(M. Tuberculosis)*)のオーバーナイト(O/N)培養物を調製し、50μlを採取する。[* MTB培養物は2週間インキュベートされたものである(O.D. 1.1)]
2.オーバーナイトで乾燥させる3組のカードを調製する。
i. 未処理紙
ii. 15μlの水中に希釈された5μlのSiQAC(3-TPAC)溶液で官能化されたもの
iii. 15μlのTRIS-Cl[pH 7.5]中に希釈された5μlのSiQAC(3-TPAC)溶液で官能化されたもの
3.処理済みおよび未処理の紙の各組に20μlの培養物を加え、室温で10分間乾燥させる[各培養物について異なる紙上でx4の反復]
4.滅菌生検穿孔器を使用して紙穿孔ディスクを取り除く(1.5mm)。
5.穿孔ディスクをPCR混合物(20μl最終体積)に加える。
6.各試験について16Sユニバーサルを35サイクル行う:K. pneumoniaeおよびS. aureus、GD’s MTB/RIF。
7.K. pneumoniaeおよびS. aureusについてPCR産物の標準的なパイロシーケンス決定法を使用する。
結果:
1.K. pneumoniaeについての標準的パッド(第1組)からのPCRは、パイロにおいて平均18 bpの高品質配列読み取りを生じた。
2.K. pneumoniaeについて、15μlの水に加えられた5μlのSiQAC(3-TPAC)溶液で強化されたパッド(第2組)からのPCRは、パイロにおいて平均24 bpの中品質配列読み取りを生じた。
3.K. pneumoniaeについて、15μlのTRIS-Cl[pH 7.5]に加えられた5μlのSiQAC(3-TPAC)溶液で強化されたパッド(第3組)からのPCRは、パイロにおいて平均28 bpの高品質配列読み取りを生じた。
4.S. aureusについての未処理パッド(第1組)からのPCRは、パイロにおいて平均16 bpの高品質配列読み取りを生じた。
5.S.aureusについて、15μlの水に加えられた5μlのSiQAC(3-TPAC)溶液で強化されたパッド(第2組)からのPCRは、パイロにおいて平均20 bpの中品質配列読み取りを生じた。
6.S. aureusについて、15μlのTRIS-Cl[pH 7.5]に加えられた5μlのSiQAC(3-TPAC)溶液で強化されたパッド(第3組)からのPCRは、パイロにおいて平均25 bpの高品質配列読み取りを生じた。
7.GD’s MTB/RIF:MTB同定は、15μlのTRIS-Cl[pH 7.5]で希釈された5μlのSiQAC(3-TPAC)溶液で強化されたパッドを介して処理された試料におけるRIF同定を含め、上記3組の試料において正しかった。
結論:
SiQAC(3-TPAC)溶液で強化された紙は細菌細胞を溶解することに成功し、抽出された核酸からのPCRを実現させた。このことは、パイロシーケンス決定を通じて得られた生の配列長、および、結核菌(これは壊して開けることが難しい細胞であり、この同じレベルの細胞破壊を達成するために従来はNALC-NaOHを用いたきつい処理を要していた)からのMTB-RIFのエンドポイント検出によって確認された。未処理紙は同じ結果を生じなかった。SiQACを緩衝するためにはTRIS-Cl[pH 7.5]が必要とされる。
[実施例2:SiQAC溶液で処理された血液からのプラスモディウム種の検出]
図4は、感染患者から得られた血液試料中の異なるプラスモディウム種に由来する核酸の検出結果を示す。
[実施例3:紙官能化および使用方法]
3つの代替的な紙官能化方法が提供される:
処理A
20μlのSiQAC(3-TPAC)溶液を用いて紙を官能化し、24時間乾燥させ、続いて20μlの5mM TRIS-Cl[pH 9.0]、0.2mM MgCl2中で洗浄し、それから乾燥させて、
i. 試料を適用し、20分間乾燥させ、ディスクを取り除き、PCRのために20μlのミリQ水を加えるか、または、
ii. 試料を適用し、20分間乾燥させ、ディスクを取り除き、20μlのミリQ水中で穏やかなピペット操作を使用してすすぎ、20μlをPCRに使う。
処理B
20μlのSiQAC(3-TPAC)溶液を用いて紙を官能化し、30分間乾燥させ、5mM TRIS-Cl[pH 9.0]、0.2mM MgCl2中で洗浄し、それから乾燥させて、
i. 試料を適用し、20分間乾燥させ、ディスクを取り除き、PCRのために20μlのミリQ水を加えるか、または、
ii. 試料を適用し、20分間乾燥させ、ディスクを取り除き、20μlのミリQ水中で穏やかなピペット操作を使用してすすぎ、20μlをPCRに使う。
処理C
20μlのSiQAC(3-TPAC)を用いて紙を官能化し、30分間乾燥させて、
i. 試料を適用し、20分間乾燥させ、ディスクを取り除き、20μlのミリQ水中で穏やかなピペット操作を使用してすすぎ、20μlをPCRに使うか、または、
ii. 試料を適用し、20分間乾燥させ、ディスクを取り除き、PCRのために20μlの5mM TRIS-Cl[pH 9.0]、0.2mM MgCl2を加えるか、または、
iii. 試料を適用し、20分間乾燥させ、ディスクを取り除き、20μlの5mM TRIS-Cl[pH 9.0]、0.2mM MgCl2中で穏やかなピペット操作を使用してすすぎ、20μlをPCRに使う。
生の痰の臨床試料からの結核菌DNAの抽出について様々な異なる紙処理方法を比較し、NALC-NaOHを用いた標準的セフィエドGeneXpert(ジーンエキスパート)(登録商標)MTB処理を使用して結果を得た。結果を図5に示す。(MTB=マイコバクテリウムrpoB遺伝子検出;RIFsまたはRIFr=リファンピシン突然変異検出;FAILED=検出なし)。上記3つの処理方法は、異なる程度において核酸をPCR用の溶液中に放出させ、複数コピーおよび単一コピーrpoB遺伝子の検出を実現しリファンピシン突然変異を検出させた。全ての処理は、GeneXpert(登録商標)ゴールドスタンダードシステムに匹敵するデータを産生した。処理Cはゴールドスタンダードと比べて「より良い」結果を生じ、パイロシーケンス決定によりさらに確認されたように、高度な細胞破壊およびPCR分析のための高品質DNAの安定性を提供した。パイロシーケンス決定は、V2リボソームDNA由来の増幅物の30bp配列中に観察される配列多様性を明示し、長い黄色と青のリードは配列中の突然変異の不在を示し、良好な増幅産物の存在を確証させた。
図6は、記述された7種類の異なる改変を使用して処理された5つの臨床的痰試料(4x RIFsおよび1x RIFr)からの累積的な正確性データを示している(すなわち35試験)。MTB(明るい青色)およびrpoB突然変異についての融解温度の測定(RIF状態(RIFs、RIFr)および測定されたデータポイントに渡る標準偏差を表す付随エラーバーを表示している)は、処理が融解ピーク決定の精度(±0.5℃以内である)に影響しないことを示している。標準的な方法は測定の精度に影響し得る。
図7は、上述の処理を使用して痰から抽出した異なる濃度のMTBの複数回反復試験を示しており、y軸はピーク融解温度を表しx軸はピーク高を表している。
これらの例を考慮して、図8に、SiQAC化合物による紙官能化および試料分析のための最適化されたプロセスを示す。
[実施例4:SiQACを使用して痰試料から抽出された結核菌のパイロシーケンス決定]
SiQAC(3-TPAC)官能化複合カードを使用して、3つの痰試料を処理した。1.5mmのディスクを、ホットスタートを伴わない(すなわちサイクリングのみの)標準的16SリボソームDNA増幅に添加し、得られた増幅物を、パイロシーケンス決定法を用いて分析した。結果は、良好な抽出および増幅を示唆する>25ヌクレオチドのリード長を提供してコア配列領域の良好な増幅を示した。
サーチモード:フルサーチ
平均アイデンティティスコア:100%
サーチエンジン:PyroMark Q96 ID
参照データベース:HULPII
参照配列:M. microti ATCC19422
試料1 > CGGCTGCTGGCACGTAGTTGGCCGGTCCTTCTT
試料2 > CGGCTGCTGGCACGTAGTTGGCCGGTCCTTCTT
試料3 > CGGCTGCTGGCACGTAGTTGGCCGGTCC
[実施例5:全乳からの微生物DNAの単離]
全乳は多くの阻害因子を有し、PCRには難しい試料タイプである。好適な方法(図8に示されている)を使用して複合紙を官能化した。官能化紙の単一1.5mmディスクおよび乾燥乳試料を、ユニバーサル16SリボソームDNA増幅のためのプライマーを用いた標準的PCR混合物に加えた。増幅したDNAを標準的なゲル上で流した。図9はその結果を示す。(第1レーン:分子量マーカー;第2レーン:5μlの大腸菌参照gDNA+1μlの100% Si-QAC(3-TPAC)溶液;第3レーン:5μlの大腸菌参照gDNA+1μlの10% Si-QAC(3-TPAC)溶液;第4レーン:5μlの大腸菌参照gDNA+1μlの1% Si-QAC(3-TPAC)溶液;第5レーン:10% Si-QAC(3-TPAC)溶液で官能化された1.5mmディスク+20μlの全乳;第6レーン:1% Si-QAC(3-TPAC)溶液で官能化された1.5mmディスク+20μlの全乳;第7レーン:官能化された1.5mmディスク+20μlの全乳;第8レーン:1μlの全乳)。
示されているデータは、1% Si-QAC(3-TPAC)を用いた官能化が、未処理紙と比べて増幅を増強させることを実証している(第6および第7レーン)
ディスクは、乳酸菌用の強化培地(トリプトン5g/l、ブドウ糖1g/l、酵母抽出物2.5g/l、およびスキムミルク粉末1g/l)プラス4%寒天(R.C. MARSHALL (1993) Standard Methods for the Microbiological examination of dairy products, 16th Ed. (American Public Health Association))に播種することによって残余細菌についてチェックした。オーバーナイト培養は、Si-QAC(3-TPAC)で処理したディスク上には細菌増殖を示さなかったが、未処理ディスクの培養プレートには集密的な増殖を示し、官能化紙が液体を15分間以内で除菌したことが確認された。
[実施例6:官能化カードを用いて血清由来HIVウイルスから抽出されたRNAからのrt-pcr]
要約
官能化カードは、陽性診断された匿名患者由来の血漿試料を用いたHIV K103増幅物のRT-ネステッドPCRに有効であった。別の患者(やはり陽性診断されていた)由来の全血試料を用いた平行アッセイでは、PCRにおいても(1%アガロースゲルにおいて断片が検出されなかった)パイロにおいても結果が得られなかった。
アッセイ説明
標準化されたプロトコールに従って、精製溶液(PF溶液、3-TPACを含有する)を使用して2つのカードを官能化させた。
1.カードを開けて、緩衝液(5 mM Tris HCl(pH 9.0)、0.2 mM MgCl2)中に希釈された1/100 PF溶液を20μl適用する
2.15分間乾燥させる
3.20μlの試料*を適用する
4.15分間乾燥させる
5.単一のディスクを打ち抜きRTに加える
*試料は、HIV陽性末梢血由来の血漿(1)およびHIV陽性末梢血(2)であった
RT混合物としては、アプライドバイオシステムズ社のスーパースクリプトVILO cDNA合成キットを、使用説明書に記載されたとおりに使用し、30μlの最終体積に調節した。
その後PCRを以下のようにして調製した:
H2O ― 5.8μl
10x PCR緩衝液 ― 5μl
MgCl2[50mM] ― 2μl
dNTPs ・10mM・ ― 1.2μl
1849+ ・10μM・ ― 1μl
3500- ・10μM・ ― 1μl
Ultratools Taqポリメラーゼ[1u/μl] ― 1μl
スーパースクリプトVILO cDNA合成キットからのcDNA ― 30μl
使用したプライマーは以下のとおりであった:
1849+ 5’-GATGACAGCATGTCAGGGAG
3500- 5’-CTATTAAGTATTTTGATGGGTCATAA
PCRプログラム:
94℃ 2分、続いて以下のものを45サイクル
94℃ 30秒
50℃ 30秒
72℃ 1分30秒;続いて
72℃ 5分
10℃ ∞
このPCRの産物は1702 bp長でありHIV1のgag-pro-pol領域を含む。この増幅物を、2次PCRのための鋳型として使用した。
2次PCRは以下のようにして調製した:
H2O ― 20μl
10x PCR緩衝液 ― 4μl
MgCl2[50mM] ― 1.6μl
dNTPs ・10mM・ ― 0.8μl
K103F ・10μM・ ― 3.2μl
BioK103F ・10μM・ ― 3.2μl
Biotools Taqポリメラーゼ[1u/μl] ― 0.5μl
ネステッドPCRからのPCR産物 ― 5μl
使用したプライマーは以下のとおりであった:
K193F 5’-GGAATACCACATCCYGCAGG
BioK103R 5’-[ビオチン]AATATTGCTGGTGATCCTTTCC
PCRプログラム:
95℃ 5分、続いて以下のものを30サイクル
95℃ 30秒
55℃ 30秒
72℃ 30秒;続いて
72℃ 5分
10℃ ∞
2次PCRからのPCR産物は203bpであり、図10に示す濃縮アプローチに従ったパイロシーケンス決定反応に使用した。
結果
血漿試料のみがパイロシーケンス決定機において良好なシグナルを提供し、記述したプロトコールに従うと血液試料は全く結果を生じなかった。使用した配列決定用プライマーはK103F(5’-GGAATACCACATCCYGCAGG)であり、得られた配列は、NCBIのBLASTツールを使用してHIV全ゲノムに対してマッチングさせた。この配列はHIVにうまくマッチした―図11参照。

Claims (35)

  1. a)細胞膜を有する細胞性物質、またはb)細胞壁を有する細胞性物質、またはc)ウイルスエンベロープを有するウイルス性物質、またはd)ウイルスカプシドを有するウイルス性物質を含む生物試料から核酸を調製する方法であって、前記試料を基質に接触させる工程を含み、前記基質は、i)細胞膜、細胞壁、ウイルスエンベロープ、もしくはウイルスカプシドを弱化させること、またはii)細胞性もしくはウイルス性物質を溶解することができる殺生物剤で官能化され、前記殺生物剤は複数の官能基を含み、前記複数の官能基は、前記薬剤の前記基質への結合に関与する結合部分、疎水性部分、および荷電部分を含む、方法。
  2. 前記接触工程の後に前記試料を加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記基質はセルロース材料であり、好ましくはセルロースフィルター紙またはセルロースマトリックスである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記セルロース材料は複合紙である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記複合紙は、液体および低分子量夾雑物ならびに紙の表面上に堆積する試料に由来する阻害因子を除去する側方流動層を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記基質はガラスまたはプラスチックである、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記基質はマイクロ流体チャンネルまたは反応器もしくはその他の容器の形態をとる、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記疎水性部分は、アルキル鎖、例えばC5〜C30アルキル、好ましくはC10〜C20アルキルを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記荷電部分は正に荷電している、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記荷電部分は四級アンモニウム基である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記結合部分はヒドロキシル基を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記官能基はアルキル鎖、シリル基、および塩化アンモニウム基である、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記殺生物剤はシリル化四級アンモニウム化合物(SiQAC)である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記殺生物剤は3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリドである、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記殺生物剤は、
    a) テレケリックなポリ(2-アルキル-1,3-オキサゾリン);
    b) 抗微生物性DDA基を有するセルロース;
    c) サポニン
    から選択される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  16. 前記生物試料は細胞壁を有する細胞性物質を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記細胞性物質は原核細胞を含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記細胞性物質は植物または真菌の細胞を含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  19. 前記生物試料は真核動物細胞を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  20. 前記生物試料はウイルス性物質を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  21. 生物試料中の核酸を増幅する方法であって、請求項1〜20のいずれかに記載の方法により核酸を調製すること;および調製された前記酸を核酸増幅工程、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅に付すことを含む方法。
  22. a)細胞膜を有する細胞性物質、またはb)細胞壁を有する細胞性物質、またはc)ウイルスエンベロープを有するウイルス性物質、またはd)ウイルスカプシドを有するウイルス性物質を含む生物試料から核酸を調製するための装置であって、i)細胞膜、細胞壁、ウイルスエンベロープ、もしくはウイルスカプシドを弱化させること、またはii)細胞性もしくはウイルス性物質を溶解することができる殺生物剤で官能化された基質を含み、前記殺生物剤は複数の官能基を含み、前記複数の官能基は、前記薬剤の前記基質への結合に関与する結合部分、疎水性部分、および荷電部分を含む、装置。
  23. 前記基質はセルロース材料であり、好ましくはセルロースフィルター紙またはセルロースマトリックスである、請求項22に記載の装置。
  24. 前記セルロース材料は複合紙である、請求項23に記載の装置。
  25. 前記基質はガラスまたはプラスチックである、請求項22に記載の装置。
  26. 前記基質はマイクロ流体チャンネルまたは反応器もしくはその他の容器の形態をとる、請求項22〜25のいずれかに記載の装置。
  27. 前記疎水性部分は、アルキル鎖、例えばC5〜C30アルキル、好ましくはC10〜C20アルキルを含む、請求項22〜26のいずれかに記載の装置。
  28. 前記荷電部分は正に荷電している、請求項22〜27のいずれかに記載の装置。
  29. 前記荷電部分は四級アンモニウム基である、請求項22〜28のいずれかに記載の装置。
  30. 前記結合部分はヒドロキシル基を含む、請求項22〜29のいずれかに記載の装置。
  31. 前記官能基はアルキル鎖、シリル基、および塩化アンモニウム基である、請求項22〜30のいずれかに記載の装置。
  32. 前記殺生物剤はシリル化四級アンモニウム化合物(SiQAC)である、請求項22〜31のいずれかに記載の装置。
  33. 前記殺生物剤は3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリドである、請求項22〜32のいずれかに記載の装置。
  34. 前記殺生物剤は、
    a) テレケリックなポリ(2-アルキル-1,3-オキサゾリン);
    b) 抗微生物性DDA基を有するセルロース;
    c) サポニン
    から選択される、請求項22に記載の装置。
  35. 前記基質は試料調製カートリッジ等に一体化されている、請求項22〜34のいずれかに記載の装置。
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