JP2015516515A - フィブリルセルロースを濃縮するための方法、およびフィブリルセルロース製品 - Google Patents

フィブリルセルロースを濃縮するための方法、およびフィブリルセルロース製品 Download PDF

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Abstract

フィブリルセルロースを濃縮する方法であって、5%以下の濃度の水性フィブリルセルロースを、水性フィブリルセルロースに圧力を加えることによって水がフィブリルセルロースから除かれる加圧濾過をすることと、加圧濾過を、最初に存在する水の50%以上がフィブリルセルロースから除去されるエンドポイントまで継続させることとを含む方法。加圧濾過は、30℃以上の温度で実施される。【選択図】図3

Description

本発明は、フィブリルセルロースを濃縮するための方法に関する。さらにまた、本発明はフィブリルセルロース製品に関する。
フィブリルセルロースは、単離されたセルロースミクロフィブリル、またはセルロース原料に由来するミクロフィブリル束を表す。フィブリルセルロースは、ナノフィブリル化セルロース(NFC)としても、他の同様な名称によっても知られており、自然界に豊富にある天然ポリマーに基づいている。フィブリルセルロースは、水中で粘着性ゲル(ヒドロゲル)を形成するその性質に基づく多くの潜在的用途を有する。
フィブリルセルロース製造技術は、パルプ繊維の水性分散液の粉砕(または均質化)に基づいている。分散液中におけるフィブリルセルロースの濃度は、典型的には非常に低く、大抵約1〜5%である。粉砕または均質化工程の後において、得られたフィブリルセルロース材料は、低濃度の粘弾性ヒドロゲルである。その材料自体は、多くの用途においてそのような物として使用可能であるが、材料を製造場所から搬送するための搬送費用が非常に高い。いくつかの用途においては、高い水分含有量は、許容されず、すなわち調製物に多量の水に対する耐性がないものもある。
水は、多くの水素結合によって小繊維に結合されるので、高い保水力は、フィブリルセルロースに典型的なものである。たとえば、機械的手段によって10wt%以上の乾燥物質(DS)含有量に到達することは、工業規模においては経済的に可能ではない。真空濾過または遠心分離のような従来法は、フィブリルセルロースヒドロゲルに適していない。熱乾燥または他のどの方法も、このDS範囲における液体除去にとってあまりに価格が高すぎる。
機械的な水除去における根本的な問題は、たとえば濾過中に、その周囲に非常に濃く、かつ不浸透性のナノスケール膜を形成するフィブリルセルロースヒドロゲルの能力である。形成されたシェルは、ゲル構造からの水の分散を妨げ、これは非常に遅い濃縮速度につながる。同じことは、表皮形成が水の蒸発を阻止する真空蒸発にも当てはまる。
フィブリルセルロースを乾燥するときの他の問題として、乾燥物質の非再分散性がある。水分除去の間、小繊維−水の結合は、小繊維−小繊維の相互作用に置き換わり、小繊維は、永続的に凝集する。このことは、乾燥段階中カルボキシメチルセルロース(CMC)などの特定の添加剤を使用することによって、またはミクロフィブリル表面の、酸化またはカルボキシメチル化などの化学修飾によって防ぐことが可能である。それらの方法によって、フィブリルセルロースは、完全な乾燥後、再活性化することが可能である。
したがって、搬送費用を減少させ、フィブリルセルロースを水に単に再分散させることによって利用者に望まれる好適な濃度で最終目的に使用することが可能であるように、最終製品の濃度を高めることが明らかに必要である。さらに、フィブリルセルロースが使用される方法の種類に関わりなく、フィブリルセルロースのさらなる取扱いを容易にするように、最初にフィブリルセルロースの濃度を高め、水の大部分を除去する必要がある。
本発明の目的は、フィブリルセルロースの濃度をその製造後に高めるための新規の方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、フィブリルセルロースの濃縮を、濃縮されたNFCが改良場所または直接利用する場所で再分散されるときに、改良場所または直接利用する場所への搬送が実行可能となる乾燥物質範囲にまで可能にすることである。
この方法において、5%以下の濃度で液体媒体中に分散されるフィブリルセルロースは、加圧濾過され、液体は、フィブリルセルロースに圧力を加えることによってフィブリルセルロースから除去され、加圧濾過は、最初に存在する液体の50%以上がフィブリルセルロースから除去されるエンドポイントまで継続される。
上述の工程は、たとえば、製造工程で生じたフィブリルセルロースの初期濃度が0.5〜5.0%の範囲の比較的低い初期濃度であるときなどに適している。この方法は、該液体中に分散したフィブリルセルロースから大部分の液体を除去するための、効率的でエネルギを節約する方法を提供する。濃度を初期のものから10%以上増加させることは、初期濃度がこの範囲の高い方にある場合でも、50%以上の液体を除去することを意味する。たとえば部分的な脱水などによって液体が部分的に除去されたこの種類の製品は、容易に再分散可能であることが見出された。
たとえば、製造工程から得られた液体媒体中のフィブリルセルロースの濃度を、加圧濾過工程によって初期値の少なくとも2倍に増加させることは、フィブリルセルロースの重量を50%以下まで減少させ、50%を上回る液体の除去を意味する。加圧濾過工程は、フィブリルセルロースの高い液体含有量を、搬送が経済的に実行可能になるレベルまで減少させるための効果的な工程である。
一実施形態に従えば、5%以下の濃度の液体媒体中のフィブリルセルロースは、加圧濾過され、液体がフィブリルセルロースに圧力を加えることによってフィブリルセルロースから除去され、該加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも20%の濃度に達するエンドポイントまで継続される。加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも30%の濃度に達するエンドポイントまで継続させることが可能である。
さらなる一実施形態に従えば、3%以下の濃度の液体媒体中のフィブリルセルロースは、加圧濾過され、液体はフィブリルセルロースに圧力を加えることによってフィブリルセルロースから除去され、その加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも10%の濃度に達するエンドポイントまで継続される。加圧濾過は、フィブリルセルロースが、少なくとも20%または30%の濃度に達するエンドポイントまで継続させることが可能である。
開始濃度は、すなわち、製造後液体媒体中にフィブリルセルロースが存在している濃度であるが、それは一般的に1〜4%である。この初期濃度から、加圧濾過によって、50%以上の水が除去されるエンドポイントまで、液体をフィブリルセルロースから除去することが可能である。たとえば、2、3、4、5、6、7および8%の濃度のエンドポイントに既に達していることは、初期濃度がそれぞれ1、1.5、2、2.5、3、3.5および4%であるとき、50%以上の液体が除去され、フィブリルセルロースの重量が50%以下に減少することを意味する。しかしながら、1〜4%の範囲内のこれらの比較的低い初期濃度から加圧濾過を開始し、継続させて、フィブリルセルロースの濃度が少なくとも10%になるまで液体を除去することが可能である。この工程は、少なくとも20%の濃度まででも、または少なくとも30%の濃度までさえも継続させることが可能である。この工程は、適切な範囲まで、たとえば最終濃度が15〜25%になるように継続させることが可能である。
加圧濾過されるフィブリルセルロースの最大濃度は、6%である。少なくとも15%の濃度まで、たとえば15〜25%の範囲まで該工程を継続させるということは、60%以上の液体を除去することを意味する。
上述の事例のすべてにおいて液体媒体は通常、水である。つまりフィブリルセルロースは、水性フィブリルセルロースであり、セルロース繊維は、6%以下の比較的低濃度で水に分散している。同様に、フィブリルセルロースは、水中に懸濁された繊維状出発物質が分解される製造工程に由来する水性フィブリルセルロースとして生じる。
一実施形態に従えば、加圧濾過工程は、30℃以上の温度で実施され、該工程の場合、環境温度にあるフィブリルセルロースに比べてより高い最終濃度が達成可能である。少なくとも30℃の温度では、少なくとも10%のフィブリルセルロース濃度が達成可能である。適切な温度範囲は、30〜70℃である。より高い温度では、液体の、特に水の粘性が低下し、このことが、小繊維の網状組織からの液体の除去に貢献する。
一実施形態に従えば、加圧濾過中、液体は、2つの対向する方向においてフィブリルセルロースから除去される。
この方法は、セルロースが化学的に純粋である、すなわち修飾されていない、フィブリルセルロースに非常に適しており、また、セルロースが天然の形態で存在する繊維質の出発物質を分解することによって(均質化する、粉砕する、精製するなどによって)、フィブリルセルロースを製造する工程から直接得られるフィブリルセルロースに特に適している。
本発明を、添付図面を参照して以下に説明する。
図1は、加圧濾過によって30%の乾燥物質にまで濃縮された材料から作製された、および濃縮されていない材料から作製された、0.5%および1%フィブリルセルロース分散液の流動曲線を示す。 図2は、濃縮されていない材料から作製された0.5%分散液と比較した、様々な乾燥物質レベルにまで濃縮された材料から作製された0.5%フィブリルセルロース分散液の流動曲線を示す。 図3は、加圧濾過工程の概略図である。 図4は、時間に対して表示された、加圧濾過工程の変数を示す。
本明細書において、パーセント値は、特に別の指示がなければ、重量(wt/wt)に基づいている。いくつかの数値範囲が挙げられているなら、それらの範囲は、示されている最大の値および最小の値も含んでいる。
処理された材料、フィブリルセルロースは、直径がサブミクロン範囲にあるセルロース繊維からなる。それは、低濃度においてさえも自己組織化ヒドロゲル網状組織を形成する。フィブリルセルロースのこれらのゲルは、実際のところ、高度に剪断減粘性であり、かつチキソトロピックである。
フィブリルセルロースは通常、植物由来のセルロース原料から作製される。この原料は、セルロースを含む任意の植物材料に基づくことが可能である。原料は、特定の細菌の発酵工程から得ることが可能である。植物材料は、木材であってもよい。木材は、トウヒ、マツ、モミ、カラマツ、ダグラスモミもしくはツガなどの軟材の木、またはカバ、アスペン、ポプラ、ハンノキ、ユーカリノキもしくはアカシアなどの硬材の木、または軟材と硬材との混合物に由来してもよい。非木材材料は、農業残渣、草、または、その他の植物性物質に由来してもよく、たとえば、ワタ、トウモロコシ、コムギ、オートムギ、ライムギ、オオムギ、コメ、アマ、アサ、マニラアサ、サイザルアサ、ジュート、ラミー、ケナフ、バガス、タケ、またはアシに由来する、わら、葉、樹皮、種子、外皮、花、野菜、もしくは果実などである。セルロース原料は、セルロース産生微生物に由来してもよい。微生物としては、アセトバクター(Acetobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、リゾビウム(Rhizobium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、またはアルカリゲネス(Alcaligenes)属のものが可能であって、好ましくはアセトバクター(Acetobacter)属、より好ましくはアセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)種、またはアセトバクター・パスツアリヌス(Acetobacter pasteurianus)種である。
用語「フィブリルセルロース」は、分離したセルロースミクロフィブリルの集まり、またはセルロース原料に由来するミクロフィブリル束をいう。ミクロフィブリルは典型的には、高いアスペクト比を有し、長さは1マイクロメートルを超え得るのに対して、数平均直径は通常200nm以下である。ミクロフィブリル束の直径も大きくてもよいが、一般的に1μm未満である。最も小さなミクロフィブリルは、通常2〜12nmの直径である、いわゆる基本繊維と同様である。小繊維または小繊維束の直径は、原料および分解方法に依存している。また、フィブリルセルロースは、いくらかのヘミセルロースを含んでもよく、その量は、植物源に依存する。セルロース原料、セルロースパルプ、または精製パルプ由来のフィブリルセルロースの機械的分解は、リファイナー、粉砕機、ホモジナイザー、コロイドミキサ、摩擦粉砕機、超音波処理装置、またはマイクロフルイダイザー、マクロフルイダイザーもしくは流動化型ホモジナイザーなどの流動化装置などの適切な機器によって実施される。
フィブリルセルロースは、好ましくは植物材料から作製される。別の手段は、非実質植物材料から小繊維を得ることであり、小繊維は第2の細胞壁から得られる。豊富なセルロース繊維源は、木質繊維である。ナノフィブリル化セルロースは、木材由来の繊維性原料の均質化によって製造されるが、化学パルプであってもよい。上述の機器のいくつかにおける分解によって、数ナノメートルの直径を有する小繊維が生成される。この小線維の直径は、最大でも50nmであって、水中で分散する。該小繊維はもっと小さい寸法にしてもよく、大半の直径が2〜20nmしかない範囲内であってもよい。第2の細胞壁に由来する小繊維は、本質的に、結晶性であって、少なくとも55%の結晶化度を有する。
該工程の出発物質は大抵、上述の繊維性原料のいくつかを分解するところから直接に得られるフィブリルセルロースであり、分解条件に起因して、水中に比較的低濃度で均一に分散して存在する。出発物質は、0.5〜5%の濃度の水性ゲルであってもよい。このタイプのゲルは水分を多く含み過ぎて、後の工程または一連の搬送において都合良く取り扱うことができない。
フィブリルセルロースからの液体除去は、加圧濾過を用いて実施される。加圧濾過は、フィブリルセルロースが、所望の最終的なDS(乾燥物質)によってケーキを形成するエンドポイントまで実施される。濾過ケーキの最終的なDSは、10〜30%にすることが可能である(フィブリルセルロースの濃度、残りは、液体および可能な他の成分)。濾過は、いかなる粒子も濾布を通過せず濾液が透明となるように実施することが可能である。濾過温度は、30℃よりも高い。濾過中の圧力は、5〜100barとすることが可能である(1bar=100kPa)。加圧濾過装置は、固定容積フィルタ室フィルタプレス、または膜フィルタプレスとすることが可能である。固定容積フィルタ室フィルタプレスでは、濾布による液体の濾過中、フィルタ室に固体が蓄積するにつれ、ポンプ圧が増加することによって圧力が生じる。膜フィルタプレスにおいて、圧力は、上述のように最初に増大し、濾過の最終段階において、フィルタ室において形成されるケーキは、片面または両面上の、メンブレンまたはダイアフラムによって、圧縮または圧搾され、ケーキからさらに液体を除去する。フィルタ室は、一つの面または両面上の濾布によって限定され、この1つの面または両面が固体(セルロースフィブリル)から形成されるケーキの平坦面を決定する。ケーキは、フィブリルセルロースのポンプ圧の効果、またはポンプ圧と、それに続く、メンブレン/ダイアフラムもしくはメンブレン/ダイアフラム対による圧縮/圧搾との組み合わせ効果のいずれかによって濾過中に形成される。形成されたケーキは、平坦な物であり、対向する平坦面は、フィルタ室の対向する面に沿って形成され、フィルタ室の1つの面または両面上の濾布によって、ケーキの1つの面または両面を通過して液体除去が行われた。平坦面に垂直なケーキの寸法(厚み)は、広い面である平坦面に沿ったどの寸法よりもかなり小さい。
両面液体除去が、工程の効率性のために推奨される。なぜなら、フィブリルセルロース体積あたりの濾過面積について、大きな濾過面積(濾布の面積)が利用可能だからである。
蒸発に比べて、表皮形成は、加圧濾過においてそれほど顕著ではない。なぜなら、液体が、濾布に対して形成された固体の層を介した圧力によって、および形成されたケーキの外表面を介する圧力によって継続的に促がされるからである。
フィブリルセルロース濾過ケーキは、それ自体で様々な用途に使用することが可能であり、または、使用前に細かく砕くことも可能であり粒状にすることも可能である。ケーキは、フィブリルセルロースが、一層容易に搬送および取り扱われるように細かく切断されてもよく、たとえば粒状化など他の方法で細かく砕くことも可能である。高い粘性の分散液を水中で形成するその能力が損なわれることなく、濃縮されたフィブリルセルロースの再分散が可能である。
ケーキは、使用される機器に応じて様々な厚みで加圧濾過工程から作ることが可能であり、フィルタ室の寸法がケーキの最終寸法を決定する。ケーキの最少厚みは、通常15mmであるが、ケーキがもっと薄いものとして使用されるならその用途に応じて、より薄いケーキも作製することが可能である。
言及された全ての実施形態における加圧濾過工程は、水透過性濾過構造体(たとえば濾布)によって少なくとも部分的に限定される限定空間におけるフィブリルセルロースを保持し、該フィブリルセルロースに圧力を加え、該濾過構造体を通ってフィブリルセルロースから水を濾過して取り除くことによって実施することが可能である。該フィブリルセルロースの体積は、工程の間、一定でなくてもよいが、膜フィルタプレスの場合のように水除去中に減少し得ると理解すべきである。しかしながら、それは、この場合でさえ、該濾過構造体によって少なくとも部分的に限定される空間に留められる。エンドポイント(所望の濃度)に達した後、フィブリルセルロースは、コヒーレント構造「ケーキ」として取り出される。その後、それは、上述のいくつかの方法でさらに処理することが可能である。
加圧濾過工程は、図3に模式的に示されており、2面液体除去を示しており、例のように両面からメンブレンまたはダイアフラムによって圧搾される。フィブリルセルロースから濾過された液体(濾液)は、ケーキの全領域において濾布を通って絞り出され、濾過ケーキの両方の末端で流路を通って除去される。ケーキが、メンブレン/ダイアフラムのみによって片面から圧縮されることも可能であるが、液体除去は2面で行われる。
機器には、フィブリルセルロースを導入することができ、加圧濾過工程中並行して働く濾過チャンバを形成するいくつかの限定された空間がある。フィルタ室が垂直または水平に配置された機器は、知られている。そのような機器は通常、循環的に働く。フィブリルセルロースの加圧濾過は、循環的工程であってもよく、液体媒体中のフィブリルセルロースは、いくつかのフィルタ室に導入され、液体は、圧力によって濾過され、濾過において得られたケーキは、フィルタ室から除去され、さらなる工程に移される。この方法は、ある特定の種類の機器のみの使用に限定されない。
周囲温度において、5〜7%のDS含有量しか、産業機械設備を用いて得ることができない。2面における液体除去が推奨される。なぜなら、濾過の開始直後、非常に濃い薄膜状の層が濾布の表面に形成され、フィブリルセルロースからの液体除去を極めて遅らせるからである。
[方法の一般的な例]
10〜30%のDS含有量、および粒子を含まない濾液は、高温で得ることが可能である。この工程は、2〜4%のDS含有量を有する加熱された(>30℃)フィブリルセルロースをフィルタ室に投入することによって始まり、液体は、フィルタ室の両端を通って除去される。選択された圧力(5〜100bar)は、所望のDS含有量が得られるまで維持される。また、投入も、所望の、圧力値またはDS含有量がケーキ中にもたらされるまで継続させることが可能であり、続いて他の操作として、濾過ケーキは、膜によって圧迫され、濾過ケーキの外により多くの液体を絞り出すことが可能である。最終工程として、ケーキを通る通気を実施することが可能である。その後、濾過ケーキは、フィルタ室から除去される。
濾布は、フィブリルセルロースが濾布を通過し、濾布の表面に張りつくことを避けるために注意深く選択されるべきである。次いで、濾過ケーキを、利用前に、たとえば最初の粘度まで再分散させ、より低濃度のフィブリルセルロースを形成することも可能である。
濾布としては、合成ポリマーからなる、可視孔のない緻密に織られた織布が好ましい。たとえば、ポリプロピレンマルチフィラメント生地を用いることが可能である。
加圧濾過によるフィブリルセルロースの濃縮は、水中に高粘度の分散液を形成するその能力を阻害しない。このことは、以下の実施例において実証される。
[実施例1]
フィブリルセルロースは、加圧濾過によって30%の乾燥物質含有量まで濃縮された。フィブリルセルロース分散液は、ビュッヒ−ミキサ(B-400, max. power 200W, BUECHI Labortechnik AG, Switzerland)において、3回の10秒サイクルの間に濾過ケーキを水に混合することによって0.5および1.0%濃度において作製された。同様の分散液が、初期乾燥物質含有量が2%の濃縮されていないフィブリルセルロースから作製された。分散液の粘度は、羽根形のAR-G2レオメータ(TA Instruments, UK)を用いて、加えられた剪断応力の関数として測定された。
図1は、加圧濾過によって30%まで濃縮された材料から作製された0.5%および1%のフィブリルセルロース分散液と、濃縮されていない材料から作製されたものとの流動曲線としての粘度測定の結果を示す。濃縮材料から作製された0.5%および1.0%フィブリルセルロース分散液の粘度は、調査された剪断応力範囲全体において、同じ濃度を有するが濃縮されていない材料から作製された分散液の粘度と同等であった。ビュッヒ−ミキサを用いて加えられるような高剪断混合は、30%乾燥物質まで濃縮されたフィブリルセルロースの良好な再分散に必要である。再分散は、混合前における、濾過ケーキの粉砕、または材料の水和によって促進することが可能である。
低い乾燥物質含有量(たとえば、5〜15%)まで濃縮されたフィブリルセルロースは、以下の実施例に示されるように、30%まで濃縮された材料よりも低効率の混合で再分散させることが可能である。
[実施例2]
フィブリルセルロースは、加圧濾過によって様々な乾燥物質量まで濃縮された。0.5%の濃度での分散液は、濃縮されていないフィブリルセルロースから作製され、かつ上述の実施例1に記載されたように30%乾燥物質まで濃縮された材料から作製された。10および15%乾燥物質まで濃縮されたフィブリルセルロースから、0.5%分散液が、低出力ブレンダ(Mini-Mix, Nordica, power 150 W)を用いる混合によって、5分間以内のいくつかの短いサイクルにおいて水中で作製された。分散液の粘度は、実施例1に記載されたように測定された。
図2は、濃縮されていない材料から作製された0.5%分散液と比較した、様々な乾燥物質量に濃縮された材料から作製された0.5%フィブリルセルロース分散液の流動曲線を示す。再分散は、低出力ブレンダ(Mini-Mix)またはビュッヒ−ミキサを用いて実施された。
図2における結果は、10および15%の乾燥物質含有量に濃縮されたフィブリルセルロースが低出力ブレンダを用いて良好に再分散することが可能であり、ビュッヒ−ミキサを用いて得られるものと同様の粘度レベルに達することが可能であることを示す。しかしながら、ビュッヒ−ミキサを用いるよりも低出力ブレンダを用いる方が、長い混合時間が必要であった。
図1および図2のいずれにおいても、最終濃度に無関係に、濃縮されていない試料と同様の同じゼロ剪断粘度レベル(剪断応力がゼロに接近するときの、粘度対剪断応力図における平担部)を得ることが可能であることがわかる。0.5%の測定濃度におけるゼロ剪断粘度は、濃縮されていない試料と、9.5〜30%に濃縮され、測定濃度に再分散された試料とのいずれにおいても、1000Pa・s以上である。また、1000Pa・sを超えるグラフ領域において、濃縮された試料によって得られた個々の測定点は、濃縮されていない試料によって得られた測定点のわずかに上もしくは下であることが分かり、このことは、各粘度グラフ間でよく一致していることを示している。
加圧濾過工程の一般的な進行を、加圧濾過を受けるフィブリルセルロースの寸法(ケーキの寸法)、圧力、ケーキのDS含有量、および除去された水に関して図4に示す。出発原料は、1.95%の濃度における水性フィブリルセルロースであり、温度は52℃であり、利用可能な濾過面積あたりのDS負荷は1.4kg/mであった。加圧濾過の初期段階において、圧力は、所定の一定レベル(この場合、18barから19barまでの間)まで上昇することが分かり、所望のエンドポイント(ケーキのDS含有量)に至るまで(この場合、27から28%までの間)、この一定レベルで保持される。また、ケーキは、フィブリルセルロースの最初の寸法(厚み)の10分の1以下に圧縮されたことが分かる。加圧の開始からエンドポイントまでの時間は、約60分間である。
濾過構造体に垂直な方向として定義することが可能である、水の除去方向におけるフィブリルセルロースの最初の寸法は、水がケーキを通って分散可能であるように十分に小さくすることが推奨される。この場合、寸法(厚み)は、最初10cmより小さく、約7.5cmである。濾過負荷は、DS負荷によって最も適切に特徴付けることができ、最初のフィブリルセルロースにおけるフィブリルセルロース(kg)の全DSを同じ体積についての利用可能な濾過領域(m)で割ることによって得られる。この値は、片面の水除去の代わりに、両面における水除去が用いられる(つまり、水が両面における濾過構造体を通って除去される)場合、2分の1に減少する。他の変数が一定に保持されるとき、DS負荷は、ケーキ中のフィブリルセルロースの特定の最終濃度(フィブリルセルロースDS含有量)に達するために必要な時間に影響を与える。
加圧濾過工程は、たとえばMWh/トンのフィブリルセルロースDSの単位の特定エネルギ消費によって特徴付けることも可能である。このことは、エンドポイントにおけるフィブリルセルロースの、DS負荷および所望の濃度に依存して変化し得る。フィブリルセルロースが、機械的な分解中に受けたエネルギのために温度がすでに上昇している製造工程から得られ、その製造工程の後に、その温度で、または許容された温度まで冷却されて、しかしそれでも30℃以上ではあるが、その冷却された温度で加圧濾過工程に導入される場合には、フィブリルセルロースの加熱は、計算される必要はない。
加圧濾過によって得られる再分散可能な製品は、以下の特性によって特徴付けることが可能である。測定法を、以下に簡単に述べる。
繊維化されていない繊維状材料が以下のように、フィブリルセルロースにおいて測定される、精密な高解像度顕微鏡、および画像解析に基づく方法が、フィブリルセルロースの、マイクロおよびナノスケール繊維の定量法のために開発された。パルプ試料の公知の量の範囲内の、検出可能な繊維または繊維状粒子の量が測定され、続いて試料の残りは、検出不可カテゴリ、つまりマイクロおよびナノスケール粒子に属するとみなされる。商業的な繊維分析機は、フィブリルセルロース中の非繊維化繊維状材料を特徴付けるために使用することが可能である。たとえば、Kajaani FiberiabおよびFS-300装置が適切であるが、同様の検出分解能を有する他の同様な繊維分析機も使用することが可能である。
繊維分析は、試料の乾燥物質を、分析における使用のために測定し、次いで、希釈および試料採取中の容積を測定し、その試料を分解するという工程を含む。必要であれば、従来のパルプ試料よりも大きな試料寸法が使用されてもよい。測定のための試料寸法は、分析中に検出される繊維の量を増加させるために、推奨されるものから増加させてもよい。さらに、「ブロック除去」の所定の手順は、測定停止を避けるために望ましい。分析機が非常にわずかの繊維を検出する場合、ブロックが存在すると想定され、ブロック除去操作が始まる。このことが測定中に数回起こった場合、測定は中断され、試料の一部は、未分析のままである。各試料の乾燥固体含有物(乾燥物質)が測定される。このことは、オーブンにおける標準の方法を用いて実施されてもよく、試料は、加熱源のもとで、または当該技術分野で知られた他の適切な方法で一定重量まで乾燥させられる。分析機によって提供される数値を解釈するとき、全ての報告された値は、装置が検出した粒子、すなわち数マイクロメートル以上の寸法を有する粒子(幅>〜5Mm、0.01mmよりも短い繊維長は、記録されない)のみを表すことに留意すべきである。簡潔には、ミリグラムあたりの定量的測定粒子が使用される。
フィブリルセルロース試料の繊維分析の実施
市販の繊維分析機を使用した。適切な装置は、たとえば繊維分析機Kajaani FiberLabまたはFS-300である。試料作製および測定を、以下を除いて、通常の繊維粗さ測定に従って実施した。
乾燥物質含有量(DMC)を乾燥物質含有量測定について最小8gの試料重量の重さを測り、一定の重量まで加熱することによって測定した。計量精度は、0.0001gであった。
試料の希釈は、以下のように実施した。
5リットルの水容器に希釈される試料の量。
DMCが約2%の場合、8グラム。計量精度0.0001g。
DMCが約1%の場合、16グラム。計量精度0.0001g。
全ての肉眼で見える小繊維束が消えるまでパルプミキサを使用した。
加圧濾過によって得られた製品は、水中に分散させたとき、好ましくは以下のレオロジーパラメータを満たす。
羽根形を用いて回転式レオメータ(AR-G2, TA Instruments, UK)によって水中における0.5%濃度で測定された、1000〜8000Pa・sのゼロ剪断粘度、および1〜10Paの降伏応力。
さらに、フィブリルセルロースは、5000〜25000mPasのブルックフィールド粘度(水中で1.5%、10rpm)を有し、繊維分析を用いて測定された5000〜20000/gの粒子を含む。
他の実施形態に従えば、フィブリルセルロースは、25000〜50000mPasのブルックフィールド粘度(水中で1.5%、10rpm)を有し、繊維分析を用いて測定された10〜5000/gの粒子を含む。
生成物が分散されている濃度の測定値は、必ずしも同じではないが、それらは生成物の特性を規定するために役立つ。
また、この方法は、脱水能力を向上させるために特異的に修飾されたフィブリルセルロースグレードに適用することが可能である。
本発明は、フィブリルセルロースを濃縮するための方法に関する。さらにまた、本発明はフィブリルセルロース製品に関する。
フィブリルセルロースは、単離されたセルロースミクロフィブリル、またはセルロース原料に由来するミクロフィブリル束を表す。フィブリルセルロースは、ナノフィブリル化セルロース(NFC)としても、他の同様な名称によっても知られており、自然界に豊富にある天然ポリマーに基づいている。フィブリルセルロースは、水中で粘着性ゲル(ヒドロゲル)を形成するその性質に基づく多くの潜在的用途を有する。
フィブリルセルロース製造技術は、パルプ繊維の水性分散液の粉砕(または均質化)に基づいている。分散液中におけるフィブリルセルロースの濃度は、典型的には非常に低く、大抵約1〜5%である。粉砕または均質化工程の後において、得られたフィブリルセルロース材料は、低濃度の粘弾性ヒドロゲルである。その材料自体は、多くの用途においてそのような物として使用可能であるが、材料を製造場所から搬送するための搬送費用が非常に高い。いくつかの用途においては、高い水分含有量は、許容されず、すなわち調製物に多量の水に対する耐性がないものもある。
EP2441885A1は、修飾されたセルロース繊維を製造する方法を開示している。0.01重量%よりも高い濃度を有するフィブリル化セルロース分散液は、真空または加圧濾過を用いてセルロースシートを製造するために濾過されてもよい。
US5964983は、一次壁の少なくとも80%を含み、カルボン酸を含むマイクロフィブリル化セルロースと、前記マイクロフィブリル化セルロースを作製する方法とを開示している。前記方法は、
(a)パルプを酸または塩基を用いて約60℃から100℃までの温度で加水分解し、ペクチンおよびヘミセルロースを抽出し、懸濁液を形成する工程、
(b)工程(a)に由来する懸濁液から残留固形物を回収する工程、
(c)工程(a)が酸加水分解であるとき、アルカリ条件下において工程(b)に由来するセルロース材料の残留物の第2抽出を実施し、懸濁液を分離することによってセルロース材料残留物を回収する工程、
(d)工程(b)または工程(c)に由来する残留物を洗浄する工程、
(e)工程(d)に由来するセルロース材料を水中で希釈し、2%から10%までの乾燥物質を得る工程、
(f)工程(e)に由来する細胞懸濁液を均質化する工程であって、少なくとも1つのアルカリ抽出工程がセルロース材料において実施され、アルカリ抽出が、約9重量%以下の濃度で塩基と共に実施される工程を含み、
均質化する工程(f)は、高い機械剪断操作によって実施され、細胞懸濁液を提供し、細胞懸濁液を小径開口部に通し、懸濁液を少なくとも20MPaの圧力低下、および高速の剪断作用、その後の高速の減速衝撃に付する。
水は、多くの水素結合によって小繊維に結合されるので、高い保水力は、フィブリルセルロースに典型的なものである。たとえば、機械的手段によって10wt%以上の乾燥物質(DS)含有量に到達することは、工業規模においては経済的に可能ではない。真空濾過または遠心分離のような従来法は、フィブリルセルロースヒドロゲルに適していない。熱乾燥または他のどの方法も、このDS範囲における液体除去にとってあまりに価格が高すぎる。
機械的な水除去における根本的な問題は、たとえば濾過中に、その周囲に非常に濃く、かつ不浸透性のナノスケール膜を形成するフィブリルセルロースヒドロゲルの能力である。形成されたシェルは、ゲル構造からの水の分散を妨げ、これは非常に遅い濃縮速度につながる。同じことは、表皮形成が水の蒸発を阻止する真空蒸発にも当てはまる。
フィブリルセルロースを乾燥するときの他の問題として、乾燥物質の非再分散性がある。水分除去の間、小繊維−水の結合は、小繊維−小繊維の相互作用に置き換わり、小繊維は、永続的に凝集する。このことは、乾燥段階中カルボキシメチルセルロース(CMC)などの特定の添加剤を使用することによって、またはミクロフィブリル表面の、酸化またはカルボキシメチル化などの化学修飾によって防ぐことが可能である。それらの方法によって、フィブリルセルロースは、完全な乾燥後、再活性化することが可能である。
したがって、搬送費用を減少させ、フィブリルセルロースを水に単に再分散させることによって利用者に望まれる好適な濃度で最終目的に使用することが可能であるように、最終製品の濃度を高めることが明らかに必要である。さらに、フィブリルセルロースが使用される方法の種類に関わりなく、フィブリルセルロースのさらなる取扱いを容易にするように、最初にフィブリルセルロースの濃度を高め、水の大部分を除去する必要がある。
本発明の目的は、フィブリルセルロースの濃度をその製造後に高めるための新規の方法
を提供することである。本発明のさらなる目的は、フィブリルセルロースの濃縮を、濃縮されたNFCが改良場所または直接利用する場所で再分散されるときに、改良場所または直接利用する場所への搬送が実行可能となる乾燥物質範囲にまで可能にすることである。
この方法において、5%以下の濃度で液体媒体中に分散されるフィブリルセルロースは、加圧濾過され、液体は、フィブリルセルロースに圧力を加えることによってフィブリルセルロースから除去され、加圧濾過は、最初に存在する液体の50%以上がフィブリルセルロースから除去されるエンドポイントまで継続される。
上述の工程は、たとえば、製造工程で生じたフィブリルセルロースの初期濃度が0.5〜5.0%の範囲の比較的低い初期濃度であるときなどに適している。この方法は、該液体中に分散したフィブリルセルロースから大部分の液体を除去するための、効率的でエネルギを節約する方法を提供する。濃度を初期のものから10%以上増加させることは、初期濃度がこの範囲の高い方にある場合でも、50%以上の液体を除去することを意味する。たとえば部分的な脱水などによって液体が部分的に除去されたこの種類の製品は、容易に再分散可能であることが見出された。
たとえば、製造工程から得られた液体媒体中のフィブリルセルロースの濃度を、加圧濾過工程によって初期値の少なくとも2倍に増加させることは、フィブリルセルロースの重量を50%以下まで減少させ、50%を上回る液体の除去を意味する。加圧濾過工程は、フィブリルセルロースの高い液体含有量を、搬送が経済的に実行可能になるレベルまで減少させるための効果的な工程である。
一実施形態に従えば、5%以下の濃度の液体媒体中のフィブリルセルロースは、加圧濾過され、液体がフィブリルセルロースに圧力を加えることによってフィブリルセルロースから除去され、該加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも20%の濃度に達するエンドポイントまで継続される。加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも30%の濃度に達するエンドポイントまで継続させることが可能である。
さらなる一実施形態に従えば、3%以下の濃度の液体媒体中のフィブリルセルロースは、加圧濾過され、液体はフィブリルセルロースに圧力を加えることによってフィブリルセルロースから除去され、その加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも10%の濃度に達するエンドポイントまで継続される。加圧濾過は、フィブリルセルロースが、少なくとも20%または30%の濃度に達するエンドポイントまで継続させることが可能である。
開始濃度は、すなわち、製造後液体媒体中にフィブリルセルロースが存在している濃度であるが、それは一般的に1〜4%である。この初期濃度から、加圧濾過によって、50%以上の水が除去されるエンドポイントまで、液体をフィブリルセルロースから除去することが可能である。たとえば、2、3、4、5、6、7および8%の濃度のエンドポイントに既に達していることは、初期濃度がそれぞれ1、1.5、2、2.5、3、3.5および4%であるとき、50%以上の液体が除去され、フィブリルセルロースの重量が50%以下に減少することを意味する。しかしながら、1〜4%の範囲内のこれらの比較的低い初期濃度から加圧濾過を開始し、継続させて、フィブリルセルロースの濃度が少なくとも10%になるまで液体を除去することが可能である。この工程は、少なくとも20%の濃度まででも、または少なくとも30%の濃度までさえも継続させることが可能である。この工程は、適切な範囲まで、たとえば最終濃度が15〜25%になるように継続させることが可能である。
加圧濾過されるフィブリルセルロースの最大濃度は、6%である。少なくとも15%の
濃度まで、たとえば15〜25%の範囲まで該工程を継続させるということは、60%以上の液体を除去することを意味する。
上述の事例のすべてにおいて液体媒体は通常、水である。つまりフィブリルセルロースは、水性フィブリルセルロースであり、セルロース繊維は、6%以下の比較的低濃度で水に分散している。同様に、フィブリルセルロースは、水中に懸濁された繊維状出発物質が分解される製造工程に由来する水性フィブリルセルロースとして生じる。
一実施形態に従えば、加圧濾過工程は、30℃以上の温度で実施され、該工程の場合、環境温度にあるフィブリルセルロースに比べてより高い最終濃度が達成可能である。少なくとも30℃の温度では、少なくとも10%のフィブリルセルロース濃度が達成可能である。適切な温度範囲は、30〜70℃である。より高い温度では、液体の、特に水の粘性が低下し、このことが、小繊維の網状組織からの液体の除去に貢献する。
一実施形態に従えば、加圧濾過中、液体は、2つの対向する方向においてフィブリルセルロースから除去される。
この方法は、セルロースが化学的に純粋である、すなわち修飾されていない、フィブリルセルロースに非常に適しており、また、セルロースが天然の形態で存在する繊維質の出発物質を分解することによって(均質化する、粉砕する、精製するなどによって)、フィブリルセルロースを製造する工程から直接得られるフィブリルセルロースに特に適している。
本発明を、添付図面を参照して以下に説明する。
図1は、加圧濾過によって30%の乾燥物質にまで濃縮された材料から作製された、および濃縮されていない材料から作製された、0.5%および1%フィブリルセルロース分散液の流動曲線を示す。 図2は、濃縮されていない材料から作製された0.5%分散液と比較した、様々な乾燥物質レベルにまで濃縮された材料から作製された0.5%フィブリルセルロース分散液の流動曲線を示す。 図3は、加圧濾過工程の概略図である。 図4は、時間に対して表示された、加圧濾過工程の変数を示す。
本明細書において、パーセント値は、特に別の指示がなければ、重量(wt/wt)に基づいている。いくつかの数値範囲が挙げられているなら、それらの範囲は、示されている最大の値および最小の値も含んでいる。
処理された材料、フィブリルセルロースは、直径がサブミクロン範囲にあるセルロース繊維からなる。それは、低濃度においてさえも自己組織化ヒドロゲル網状組織を形成する。フィブリルセルロースのこれらのゲルは、実際のところ、高度に剪断減粘性であり、かつチキソトロピックである。
フィブリルセルロースは通常、植物由来のセルロース原料から作製される。この原料は、セルロースを含む任意の植物材料に基づくことが可能である。原料は、特定の細菌の発酵工程から得ることが可能である。植物材料は、木材であってもよい。木材は、トウヒ、マツ、モミ、カラマツ、ダグラスモミもしくはツガなどの軟材の木、またはカバ、アスペン、ポプラ、ハンノキ、ユーカリノキもしくはアカシアなどの硬材の木、または軟材と硬材との混合物に由来してもよい。非木材材料は、農業残渣、草、または、その他の植物性
物質に由来してもよく、たとえば、ワタ、トウモロコシ、コムギ、オートムギ、ライムギ、オオムギ、コメ、アマ、アサ、マニラアサ、サイザルアサ、ジュート、ラミー、ケナフ、バガス、タケ、またはアシに由来する、わら、葉、樹皮、種子、外皮、花、野菜、もしくは果実などである。セルロース原料は、セルロース産生微生物に由来してもよい。微生物としては、アセトバクター(Acetobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、リゾビウム(Rhizobium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、またはアルカリゲネス(Alcaligenes)属のものが可能であって、好ましくはアセトバクター(Acetobacter)属、より好ましくはアセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)種、またはアセトバクター・パスツアリヌス(Acetobacter pasteurianus)種である。
用語「フィブリルセルロース」は、分離したセルロースミクロフィブリルの集まり、またはセルロース原料に由来するミクロフィブリル束をいう。ミクロフィブリルは典型的には、高いアスペクト比を有し、長さは1マイクロメートルを超え得るのに対して、数平均直径は通常200nm以下である。ミクロフィブリル束の直径も大きくてもよいが、一般的に1μm未満である。最も小さなミクロフィブリルは、通常2〜12nmの直径である、いわゆる基本繊維と同様である。小繊維または小繊維束の直径は、原料および分解方法に依存している。また、フィブリルセルロースは、いくらかのヘミセルロースを含んでもよく、その量は、植物源に依存する。セルロース原料、セルロースパルプ、または精製パルプ由来のフィブリルセルロースの機械的分解は、リファイナー、粉砕機、ホモジナイザー、コロイドミキサ、摩擦粉砕機、超音波処理装置、またはマイクロフルイダイザー、マクロフルイダイザーもしくは流動化型ホモジナイザーなどの流動化装置などの適切な機器によって実施される。
フィブリルセルロースは、好ましくは植物材料から作製される。別の手段は、非実質植物材料から小繊維を得ることであり、小繊維は第2の細胞壁から得られる。豊富なセルロース繊維源は、木質繊維である。ナノフィブリル化セルロースは、木材由来の繊維性原料の均質化によって製造されるが、化学パルプであってもよい。上述の機器のいくつかにおける分解によって、数ナノメートルの直径を有する小繊維が生成される。この小線維の直径は、最大でも50nmであって、水中で分散する。該小繊維はもっと小さい寸法にしてもよく、大半の直径が2〜20nmしかない範囲内であってもよい。第2の細胞壁に由来する小繊維は、本質的に、結晶性であって、少なくとも55%の結晶化度を有する。
該工程の出発物質は大抵、上述の繊維性原料のいくつかを分解するところから直接に得られるフィブリルセルロースであり、分解条件に起因して、水中に比較的低濃度で均一に分散して存在する。出発物質は、0.5〜5%の濃度の水性ゲルであってもよい。このタイプのゲルは水分を多く含み過ぎて、後の工程または一連の搬送において都合良く取り扱うことができない。
フィブリルセルロースからの液体除去は、加圧濾過を用いて実施される。加圧濾過は、フィブリルセルロースが、所望の最終的なDS(乾燥物質)によってケーキを形成するエンドポイントまで実施される。濾過ケーキの最終的なDSは、10〜30%にすることが可能である(フィブリルセルロースの濃度、残りは、液体および可能な他の成分)。濾過は、いかなる粒子も濾布を通過せず濾液が透明となるように実施することが可能である。濾過温度は、30℃よりも高い。濾過中の圧力は、5〜100barとすることが可能である(1bar=100kPa)。加圧濾過装置は、固定容積フィルタ室フィルタプレス、または膜フィルタプレスとすることが可能である。固定容積フィルタ室フィルタプレスでは、濾布による液体の濾過中、フィルタ室に固体が蓄積するにつれ、ポンプ圧が増加することによって圧力が生じる。膜フィルタプレスにおいて、圧力は、上述のように最初に増大し、濾過の最終段階において、フィルタ室において形成されるケーキは、片面または両面上の、メンブレンまたはダイアフラムによって、圧縮または圧搾され、ケーキからさ
らに液体を除去する。フィルタ室は、一つの面または両面上の濾布によって限定され、この1つの面または両面が固体(セルロースフィブリル)から形成されるケーキの平坦面を決定する。ケーキは、フィブリルセルロースのポンプ圧の効果、またはポンプ圧と、それに続く、メンブレン/ダイアフラムもしくはメンブレン/ダイアフラム対による圧縮/圧搾との組み合わせ効果のいずれかによって濾過中に形成される。形成されたケーキは、平坦な物であり、対向する平坦面は、フィルタ室の対向する面に沿って形成され、フィルタ室の1つの面または両面上の濾布によって、ケーキの1つの面または両面を通過して液体除去が行われた。平坦面に垂直なケーキの寸法(厚み)は、広い面である平坦面に沿ったどの寸法よりもかなり小さい。
両面液体除去が、工程の効率性のために推奨される。なぜなら、フィブリルセルロース体積あたりの濾過面積について、大きな濾過面積(濾布の面積)が利用可能だからである。
蒸発に比べて、表皮形成は、加圧濾過においてそれほど顕著ではない。なぜなら、液体が、濾布に対して形成された固体の層を介した圧力によって、および形成されたケーキの外表面を介する圧力によって継続的に促がされるからである。
フィブリルセルロース濾過ケーキは、それ自体で様々な用途に使用することが可能であり、または、使用前に細かく砕くことも可能であり粒状にすることも可能である。ケーキは、フィブリルセルロースが、一層容易に搬送および取り扱われるように細かく切断されてもよく、たとえば粒状化など他の方法で細かく砕くことも可能である。高い粘性の分散液を水中で形成するその能力が損なわれることなく、濃縮されたフィブリルセルロースの再分散が可能である。
ケーキは、使用される機器に応じて様々な厚みで加圧濾過工程から作ることが可能であり、フィルタ室の寸法がケーキの最終寸法を決定する。ケーキの最少厚みは、通常15mmであるが、ケーキがもっと薄いものとして使用されるならその用途に応じて、より薄いケーキも作製することが可能である。
言及された全ての実施形態における加圧濾過工程は、水透過性濾過構造体(たとえば濾布)によって少なくとも部分的に限定される限定空間におけるフィブリルセルロースを保持し、該フィブリルセルロースに圧力を加え、該濾過構造体を通ってフィブリルセルロースから水を濾過して取り除くことによって実施することが可能である。該フィブリルセルロースの体積は、工程の間、一定でなくてもよいが、膜フィルタプレスの場合のように水除去中に減少し得ると理解すべきである。しかしながら、それは、この場合でさえ、該濾過構造体によって少なくとも部分的に限定される空間に留められる。エンドポイント(所望の濃度)に達した後、フィブリルセルロースは、コヒーレント構造「ケーキ」として取り出される。その後、それは、上述のいくつかの方法でさらに処理することが可能である。
加圧濾過工程は、図3に模式的に示されており、2面液体除去を示しており、例のように両面からメンブレンまたはダイアフラムによって圧搾される。フィブリルセルロースから濾過された液体(濾液)は、ケーキの全領域において濾布を通って絞り出され、濾過ケーキの両方の末端で流路を通って除去される。ケーキが、メンブレン/ダイアフラムのみによって片面から圧縮されることも可能であるが、液体除去は2面で行われる。
機器には、フィブリルセルロースを導入することができ、加圧濾過工程中並行して働く濾過チャンバを形成するいくつかの限定された空間がある。フィルタ室が垂直または水平に配置された機器は、知られている。そのような機器は通常、循環的に働く。フィブリル
セルロースの加圧濾過は、循環的工程であってもよく、液体媒体中のフィブリルセルロースは、いくつかのフィルタ室に導入され、液体は、圧力によって濾過され、濾過において得られたケーキは、フィルタ室から除去され、さらなる工程に移される。この方法は、ある特定の種類の機器のみの使用に限定されない。
周囲温度において、5〜7%のDS含有量しか、産業機械設備を用いて得ることができない。2面における液体除去が推奨される。なぜなら、濾過の開始直後、非常に濃い薄膜状の層が濾布の表面に形成され、フィブリルセルロースからの液体除去を極めて遅らせるからである。
[方法の一般的な例]
10〜30%のDS含有量、および粒子を含まない濾液は、高温で得ることが可能である。この工程は、2〜4%のDS含有量を有する加熱された(>30℃)フィブリルセルロースをフィルタ室に投入することによって始まり、液体は、フィルタ室の両端を通って除去される。選択された圧力(5〜100bar)は、所望のDS含有量が得られるまで維持される。また、投入も、所望の、圧力値またはDS含有量がケーキ中にもたらされるまで継続させることが可能であり、続いて他の操作として、濾過ケーキは、膜によって圧迫され、濾過ケーキの外により多くの液体を絞り出すことが可能である。最終工程として、ケーキを通る通気を実施することが可能である。その後、濾過ケーキは、フィルタ室から除去される。
濾布は、フィブリルセルロースが濾布を通過し、濾布の表面に張りつくことを避けるために注意深く選択されるべきである。次いで、濾過ケーキを、利用前に、たとえば最初の粘度まで再分散させ、より低濃度のフィブリルセルロースを形成することも可能である。
濾布としては、合成ポリマーからなる、可視孔のない緻密に織られた織布が好ましい。たとえば、ポリプロピレンマルチフィラメント生地を用いることが可能である。
加圧濾過によるフィブリルセルロースの濃縮は、水中に高粘度の分散液を形成するその能力を阻害しない。このことは、以下の実施例において実証される。
[実施例1]
フィブリルセルロースは、加圧濾過によって30%の乾燥物質含有量まで濃縮された。フィブリルセルロース分散液は、ビュッヒ−ミキサ(B-400, max. power 200W, BUECHI Labortechnik AG, Switzerland)において、3回の10秒サイクルの間に濾過ケーキを水に混合することによって0.5および1.0%濃度において作製された。同様の分散液が、初期乾燥物質含有量が2%の濃縮されていないフィブリルセルロースから作製された。分散液の粘度は、羽根形のAR-G2レオメータ(TA Instruments, UK)を用いて、加えられた剪断応力の関数として測定された。
図1は、加圧濾過によって30%まで濃縮された材料から作製された0.5%および1%のフィブリルセルロース分散液と、濃縮されていない材料から作製されたものとの流動曲線としての粘度測定の結果を示す。濃縮材料から作製された0.5%および1.0%フィブリルセルロース分散液の粘度は、調査された剪断応力範囲全体において、同じ濃度を有するが濃縮されていない材料から作製された分散液の粘度と同等であった。ビュッヒ−ミキサを用いて加えられるような高剪断混合は、30%乾燥物質まで濃縮されたフィブリルセルロースの良好な再分散に必要である。再分散は、混合前における、濾過ケーキの粉砕、または材料の水和によって促進することが可能である。
低い乾燥物質含有量(たとえば、5〜15%)まで濃縮されたフィブリルセルロースは、以下の実施例に示されるように、30%まで濃縮された材料よりも低効率の混合で再分散させることが可能である。
[実施例2]
フィブリルセルロースは、加圧濾過によって様々な乾燥物質量まで濃縮された。0.5%の濃度での分散液は、濃縮されていないフィブリルセルロースから作製され、かつ上述の実施例1に記載されたように30%乾燥物質まで濃縮された材料から作製された。10および15%乾燥物質まで濃縮されたフィブリルセルロースから、0.5%分散液が、低出力ブレンダ(Mini-Mix, Nordica, power 150 W)を用いる混合によって、5分間以内のいくつかの短いサイクルにおいて水中で作製された。分散液の粘度は、実施例1に記載されたように測定された。
図2は、濃縮されていない材料から作製された0.5%分散液と比較した、様々な乾燥物質量に濃縮された材料から作製された0.5%フィブリルセルロース分散液の流動曲線を示す。再分散は、低出力ブレンダ(Mini-Mix)またはビュッヒ−ミキサを用いて実施された。
図2における結果は、10および15%の乾燥物質含有量に濃縮されたフィブリルセルロースが低出力ブレンダを用いて良好に再分散することが可能であり、ビュッヒ−ミキサを用いて得られるものと同様の粘度レベルに達することが可能であることを示す。しかしながら、ビュッヒ−ミキサを用いるよりも低出力ブレンダを用いる方が、長い混合時間が必要であった。
図1および図2のいずれにおいても、最終濃度に無関係に、濃縮されていない試料と同様の同じゼロ剪断粘度レベル(剪断応力がゼロに接近するときの、粘度対剪断応力図における平担部)を得ることが可能であることがわかる。0.5%の測定濃度におけるゼロ剪断粘度は、濃縮されていない試料と、9.5〜30%に濃縮され、測定濃度に再分散された試料とのいずれにおいても、1000Pa・s以上である。また、1000Pa・sを超えるグラフ領域において、濃縮された試料によって得られた個々の測定点は、濃縮されていない試料によって得られた測定点のわずかに上もしくは下であることが分かり、このことは、各粘度グラフ間でよく一致していることを示している。
加圧濾過工程の一般的な進行を、加圧濾過を受けるフィブリルセルロースの寸法(ケーキの寸法)、圧力、ケーキのDS含有量、および除去された水に関して図4に示す。出発原料は、1.95%の濃度における水性フィブリルセルロースであり、温度は52℃であり、利用可能な濾過面積あたりのDS負荷は1.4kg/m2であった。加圧濾過の初期段階において、圧力は、所定の一定レベル(この場合、18barから19barまでの間)まで上昇することが分かり、所望のエンドポイント(ケーキのDS含有量)に至るまで(この場合、27から28%までの間)、この一定レベルで保持される。また、ケーキは、フィブリルセルロースの最初の寸法(厚み)の10分の1以下に圧縮されたことが分かる。加圧の開始からエンドポイントまでの時間は、約60分間である。
濾過構造体に垂直な方向として定義することが可能である、水の除去方向におけるフィブリルセルロースの最初の寸法は、水がケーキを通って分散可能であるように十分に小さくすることが推奨される。この場合、寸法(厚み)は、最初10cmより小さく、約7.5cmである。濾過負荷は、DS負荷によって最も適切に特徴付けることができ、最初のフィブリルセルロースにおけるフィブリルセルロース(kg)の全DSを同じ体積についての利用可能な濾過領域(m2)で割ることによって得られる。この値は、片面の水除去の代わりに、両面における水除去が用いられる(つまり、水が両面における濾過構造体を
通って除去される)場合、2分の1に減少する。他の変数が一定に保持されるとき、DS負荷は、ケーキ中のフィブリルセルロースの特定の最終濃度(フィブリルセルロースDS含有量)に達するために必要な時間に影響を与える。
加圧濾過工程は、たとえばMWh/トンのフィブリルセルロースDSの単位の特定エネルギ消費によって特徴付けることも可能である。このことは、エンドポイントにおけるフィブリルセルロースの、DS負荷および所望の濃度に依存して変化し得る。フィブリルセルロースが、機械的な分解中に受けたエネルギのために温度がすでに上昇している製造工程から得られ、その製造工程の後に、その温度で、または許容された温度まで冷却されて、しかしそれでも30℃以上ではあるが、その冷却された温度で加圧濾過工程に導入される場合には、フィブリルセルロースの加熱は、計算される必要はない。
加圧濾過によって得られる再分散可能な製品は、以下の特性によって特徴付けることが可能である。測定法を、以下に簡単に述べる。
繊維化されていない繊維状材料が以下のように、フィブリルセルロースにおいて測定される、精密な高解像度顕微鏡、および画像解析に基づく方法が、フィブリルセルロースの、マイクロおよびナノスケール繊維の定量法のために開発された。パルプ試料の公知の量の範囲内の、検出可能な繊維または繊維状粒子の量が測定され、続いて試料の残りは、検出不可カテゴリ、つまりマイクロおよびナノスケール粒子に属するとみなされる。商業的な繊維分析機は、フィブリルセルロース中の非繊維化繊維状材料を特徴付けるために使用することが可能である。たとえば、Kajaani FiberiabおよびFS-300装置が適切であるが、同様の検出分解能を有する他の同様な繊維分析機も使用することが可能である。
繊維分析は、試料の乾燥物質を、分析における使用のために測定し、次いで、希釈および試料採取中の容積を測定し、その試料を分解するという工程を含む。必要であれば、従来のパルプ試料よりも大きな試料寸法が使用されてもよい。測定のための試料寸法は、分析中に検出される繊維の量を増加させるために、推奨されるものから増加させてもよい。さらに、「ブロック除去」の所定の手順は、測定停止を避けるために望ましい。分析機が非常にわずかの繊維を検出する場合、ブロックが存在すると想定され、ブロック除去操作が始まる。このことが測定中に数回起こった場合、測定は中断され、試料の一部は、未分析のままである。各試料の乾燥固体含有物(乾燥物質)が測定される。このことは、オーブンにおける標準の方法を用いて実施されてもよく、試料は、加熱源のもとで、または当該技術分野で知られた他の適切な方法で一定重量まで乾燥させられる。分析機によって提供される数値を解釈するとき、全ての報告された値は、装置が検出した粒子、すなわち数マイクロメートル以上の寸法を有する粒子(幅>〜5Mm、0.01mmよりも短い繊維長は、記録されない)のみを表すことに留意すべきである。簡潔には、ミリグラムあたりの定量的測定粒子が使用される。
フィブリルセルロース試料の繊維分析の実施
市販の繊維分析機を使用した。適切な装置は、たとえば繊維分析機Kajaani FiberLabまたはFS-300である。試料作製および測定を、以下を除いて、通常の繊維粗さ測定に従って実施した。
乾燥物質含有量(DMC)を乾燥物質含有量測定について最小8gの試料重量の重さを測り、一定の重量まで加熱することによって測定した。計量精度は、0.0001gであった。
試料の希釈は、以下のように実施した。
5リットルの水容器に希釈される試料の量。
DMCが約2%の場合、8グラム。計量精度0.0001g。
DMCが約1%の場合、16グラム。計量精度0.0001g。
全ての肉眼で見える小繊維束が消えるまでパルプミキサを使用した。
加圧濾過によって得られた製品は、水中に分散させたとき、好ましくは以下のレオロジーパラメータを満たす。
羽根形を用いて回転式レオメータ(AR-G2, TA Instruments, UK)によって水中における0.5%濃度で測定された、1000〜8000Pa・sのゼロ剪断粘度、および1〜10Paの降伏応力。
さらに、フィブリルセルロースは、5000〜25000mPasのブルックフィールド粘度(水中で1.5%、10rpm)を有し、繊維分析を用いて測定された5000〜20000/gの粒子を含む。
他の実施形態に従えば、フィブリルセルロースは、25000〜50000mPasのブルックフィールド粘度(水中で1.5%、10rpm)を有し、繊維分析を用いて測定された10〜5000/gの粒子を含む。
生成物が分散されている濃度の測定値は、必ずしも同じではないが、それらは生成物の特性を規定するために役立つ。
また、この方法は、脱水能力を向上させるために特異的に修飾されたフィブリルセルロースグレードに適用することが可能である。

Claims (33)

  1. フィブリルセルロースを濃縮する方法であって、
    6%以下の濃度で水性媒体中にあるフィブリルセルロースを、フィブリルセルロースに圧力を加えることによって液体がフィブリルセルロースから除去される加圧濾過をすることと、
    最初に存在する液体の50%以上がフィブリルセルロースから除去されるエンドポイントまで加圧濾過が継続されることとを特徴とする方法。
  2. 加圧濾過される水性フィブリルセルロースは、0.5〜5.0%の濃度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%の濃度に達するエンドポイントまで継続されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも20%の濃度に達するエンドポイントまで継続されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも30%の濃度に達するエンドポイントまで継続されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  6. 加圧濾過は、フィブリルセルロースの10〜30%の最終乾燥物質になるまで継続されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. 加圧濾過される水性フィブリルセルロースは、4%以下の濃度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも10%の濃度に達するエンドポイントまで継続されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも20%の濃度に達するエンドポイントまで継続されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 加圧濾過は、フィブリルセルロースが少なくとも30%の濃度に達するエンドポイントまで継続されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  11. 加圧濾過される水性フィブリルセルロースは1〜4%の濃度であり、加圧濾過は、フィブリルセルロースの濃度が15〜25%の最終乾燥物質になるまで継続されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 液体は、加圧濾過中、2つの対向する方向でフィブリルセルロースから除去されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 加圧濾過工程は、30℃以上で実施されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 加圧濾過工程は、30〜70℃で実施されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 加圧濾過工程は、先行する製造工程の結果としてフィブリルセルロースが到達した温度で、またはフィブリルセルロースが先行する製造工程の結果として到達した温度から冷却された温度で実施されることを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
  16. 加圧濾過中は、少なくとも5barの圧力が使用されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 加圧濾過中は、5〜100barの圧力が使用されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. フィブリルセルロースのセルロースは、化学的に純粋であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. フィブリルセルロースは水性フィブリルセルロースであり、加圧濾過において除去される液体は水であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 加圧濾過後、フィブリルセルロースは、液体媒体に分散されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. フィブリルセルロースは、本質的に、少なくとも55%の結晶化度を有する結晶であり、好ましくは植物材料からなることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法のための加圧濾過装置の使用。
  23. 10〜30%の乾燥物質含有量、好ましくは15〜25%のフィブリルセルロースを有することを特徴とする濃縮フィブリルセルロース製品。
  24. 化学的に純粋なセルロースを含み、10〜35%の乾燥物質含有量、好ましくは15〜25%のフィブリルセルロースを有することを特徴とする濃縮フィブリルセルロース製品。
  25. フィブリルセルロースは、加圧濾過されたフィブリルセルロースであることを特徴とする請求項24に記載のフィブリルセルロース製品。
  26. フィブリルセルロースは、濾過ケーキの形状をなすことを特徴とする請求項25に記載のフィブリルセルロース製品。
  27. フィブリルセルロースは、細かく砕かれた濾過ケーキであることを特徴とする請求項25に記載のフィブリルセルロース製品。
  28. フィブリルセルロースは、1〜5mmの粒径を有する破砕された濾過ケーキであることを特徴とする請求項27に記載のフィブリルセルロース製品。
  29. フィブリルセルロースは、水に再分散可能であり、0.5〜1.0wt%の範囲の分散濃度で水に再分散されたとき、同じ分散濃度において元来有していた粘度特性に等しい粘度特性を示すことを特徴とする請求項23〜28のいずれか1項に記載のフィブリルセルロース製品。
  30. フィブリルセルロースは、0.5%の濃度で測定された、1000〜8000Pa・sのゼロ剪断粘度、および1〜10Paの降伏応力を有することを特徴とする請求項23〜29のいずれか1項に記載のフィブリルセルロース製品。
  31. フィブリルセルロースは、5000から25000mPa・sまでのブルックフィールド粘度(1.5%、10rpm)を有し、繊維分析機を用いて測定された5000から20000/gまでの粒子を含むことを特徴とする請求項23〜29のいずれか1項に記載のフィブリルセルロース製品。
  32. フィブリルセルロースは、25000から50000mPa・sまでのブルックフィールド粘度(1.5%、10rpm)を有し、繊維分析機を用いて測定された10から5000/gまでの粒子を含むことを特徴とする請求項23〜29のいずれか1項に記載のフィブリルセルロース製品。
  33. フィブリルセルロースは、本質的に、少なくとも55%の結晶化度を有する結晶であり、好ましくは植物材料からなることを特徴とする請求項23〜32のいずれか1項に記載のフィブリルセルロース製品。
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