JP2015512963A - 急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物および成型品 - Google Patents

急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物および成型品 Download PDF

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Abstract

本明細書における開示は、急速ガス減圧(RGD)耐性フルオロエラストマー組成物を含み、ペルオキシド硬化剤で硬化され得る少なくとも1つの官能基を有するキュアサイトモノマーを有する硬化性フルオロポリマーを含む。該組成物にはビスフェニル系硬化剤と有機ペルオキシド硬化剤および有機ペルオキシド共硬化剤とが含まれている。該フルオロエラストマー組成物は、約0.25:1〜約1.5:1のビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシド共硬化剤の比、および約0.5:1〜約1.5:1のビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシドの比を有するものである。かかる組成物は、5mmまでおよび/または5mmを超える厚さまたは断面直径のさまざまなサイズのRGD業界標準規格を満たすシール材に形成され得る。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2012年2月3日に出願された米国仮特許出願第61/594,999号に対して米国特許法§119(e)の下、利益を主張する。この出願の全開示は本明細書において参照として援用される。
発明の分野
本発明は、急速ガス減圧ならびに結果として生じるひび割れおよび破断に耐性の物品の形成のための組成物および成型品に関する。
関連技術の記載
急速ガス減圧(RGD)は、爆発的減圧(ED)としても公知であり、圧縮状態のエラストマー中に高圧のガス分子が移行した場合にしばしば起こる。このようなエラストマーの周囲の圧力が突然解放されると、エラストマー内部の圧縮ガスは、膨張してエラストマーから出ようとする。このガスの膨張により、裂け、孔、ブリスターおよび亀裂などのシール材の損傷が引き起こされ得る。
関連技術の説明
急速ガス減圧(RGD)耐性フルオロカーボンエラストマーが公知であり、シール材およびガスケットなど、ならびに石油産業における最終用途のシーリング適用、例えば、コンプレッサおよび油井の穴での適用(この場合、かかるエラストマーで形成されたシール材および他の物品は、高圧の二酸化炭素およびメタンなどのガス中への長期間の浸漬に直面し得る)に広く使用されている。かかる適用における漏れおよび過度のひび割れは、不測のメンテナンスを伴う不必要なダウンタイムをもたらし得る。予定外のメンテナンスは、相当な生産時間だけでなく、経済的損失や、作業者に対して安全上の問題が起こり得るさらなる事故の可能性の原因にもなり得る。
NORSOK M710およびISO 23936−2:2011(E)(各々は、引用により本明細書に組み込まれる)などの標準規格は、RGD耐性に関する業界のベンチマークの役割を果たすため、および急速ガス減圧環境におけるシール材の性能を評価するために示されたものである。NORSOK M−710標準規格(Qualification of Nonmetallic Sealing Materials and Manufacturers)はノルウェーの石油業界によって、破壊が安全性および経済的見地から費用のかかるものとなり得る条件での重要な非金属(ポリマー)シーリング適用に関する要件を規定するために導入された。NORSOK M−710の基準は、石油ガス業界におけるシーリングのための安全で費用効果の高い解決策を確保するために作成された。同様に、ISO評定は国際標準化機構(International Standards Organization)によるものである。ISO 23936には、石油ガス産出環境において上記業界で使用されている典型的な設備での使用のためのポリマー/エラストマー材料の選択および適格に関する原則、要件および推奨が示されている。このような標準規格は、使用の際のかかる材料の破壊を回避するために作成されたものであり、上記破壊は、健康および安全性または環境に対してリスクを提示し得るとともに、製造業者に対して生産量の低下を提示し得る。
このような標準規格のもとでシール材性能を測定した場合に得られる評定数値が低いほど、標準的な試験条件下でのひび割れは少なく、RGDに対する材料の耐性は高い。例えば、0〜3のISO評定はRGD用途に合格とみなされ、このとき、0は亀裂、孔または気泡がないことを示し、露出表面はISO曝露試験後もそのままであり、合格の下端である3の評定は、いくつかの亀裂が存在するかもしれず、そのうち2つの内部亀裂は、各々、シール材試験片の断面直径の50%〜80%の長さを有するものであり得、亀裂の全長はシール材試験片の断面直径の3倍を超えないものであり得ることを示す。さらに、外部亀裂はシール材試験片の断面直径の<50%であるべきであり、分裂は許容されない。
シール材および他のエラストマー部材にひび割れまたは劣化の観点からRGDに欠点があるかどうか、およびかかる業界標準規格に合格するか不合格であるかは、作業環境(過酷な材料、圧力または温度への曝露)と材料構成の関数である。前者は所与の最終用途において変更することが困難であるが、上記材料は当該技術分野において、より良好な生産品が創製されるように改良され得る。RGD用途の材料に影響を及ぼす要素としては、数ある要素の中でも、その配合、製造、サイズおよび耐汚染性が挙げられる。高温、高速減圧速度および多数回のサイクルへの継続的な曝露は、RGD耐性材料に対する損傷の重度に影響を及ぼすことがあり得、その結果、どれだけ長く使用状態が持続されるか、およびもしシール材または他の部材が使用中に破断または分解したら緊急交換が必要とされる傾向に影響を及ぼすことがあり得る。
シーリングおよび他のエラストマー部材をよりRGD耐性にすることに加え、一般的に良好なエラストマー特性、例えば、良好な加工性、低収縮および、一部の適用では低硬度を維持しようとすることもまた、当該技術分野における目標である。
RGD耐性シール材は当該技術分野で公知である。かかるシール材の一例は、Greene,Tweed & Co.,Inc.(Kulpsville,PA)からFKM 938として市販されているものである。この材料は、ISO標準規格の合格評定を満たすものであり、最終用途にもよるが典型的には1または2のISO評定が得られる。同様に、E.I.DuPont de Nemoursからは、Viton(登録商標)Extreme(商標)ETP−SおよびViton(登録商標)GF−Sで市販されているものなどのRGD耐性化合物が提供されており、これらは、100%二酸化炭素環境においてその最良ED性能を有し、圧縮状態および非圧縮状態で0〜3の合格評定を満たすものであると宣伝されている。
当該技術分野において直面する別の問題としては、シール材または他の部材の供用時におけるRGD耐性およびひび割れの課題改善の継続の他に、かかる環境に曝露されるパーツのサイズを、多様な部材設計に対してRGD耐性を損なうことなく大きくする必要性が挙げられる。シール材が小さいほど、一連の減圧条件範囲での性能が良好であり得ることは当該技術分野で公知である(別の方法で合格と認定された場合でも)。しかしながら、断面直径が約5.33mmより大きくなると、10mmに近づくにつれて、またはさらに大きくなるにつれて、RGD耐性エラストマー材料が使用されている場合であっても一般的に性能は悪くなり始める。したがって、より大型のシール材が必要とされる場合、より小型のシール材を使用するために最終適用を再設計する必要がある、またはスプリング付きPTFEシール材などの異なる材質に移行しなければならないというのが実情であった。E.Ho,“Elastomeric Seals For Rapid Gas Decompression Applications in High−Pressure Services,”BHR Group Limited for the Health and Safety Executive,Research Report No.485,pp.36(2006)を参照のこと。
かかる化合物は利用可能であるが、依然として当該技術分野において、過酷な環境におけるRGD耐性の改善を継続する必要性(かかる環境は要求がより厳しくなっているため)、およびRGD耐性を長期間および/またはより過酷な条件下で維持する必要性が存在している。さらに、より大型サイズのシール材をかかる材料からRGD耐性を損なうことなく形成することができれば好都合であり得る。したがって、当該技術分野において、業界標準規格を繰り返し満たし得るとともに、耐用年数の改善のための使用時に高い合格評定を有し、生産時のメンテナンスダウンタイムが低減され、かつ作業者の安全ならびに環境が保護される組成物の必要性が存在している。
E.Ho,"Elastomeric Seals For Rapid Gas Decompression Applications in High−Pressure Services,"BHR Group Limited for the Health and Safety Executive,Research Report No.485,pp.36(2006)
発明の簡単な概要
本発明は、ペルオキシド硬化剤で硬化され得る少なくとも1つの官能基を有するキュアサイト(curesite)モノマーを含む硬化性フルオロポリマー;ビスフェニル系硬化剤;ならびに有機ペルオキシド硬化剤および有機ペルオキシド共硬化剤を含む、硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物であって、約0.25:1〜約1.5:1のビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシド共硬化剤の比および約0.5:1〜約1.5:1のビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシドの比を有するものである硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物を提供する。
一実施形態において、上記硬化性フルオロポリマーは、好ましくはフッ化ビニリデンをモノマーとして含む。ビスフェニル系硬化剤は、好ましくは、ビスフェノールA(4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール)、ビスフェノールAF(4−[1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−2−イル]フェノール)、ビスアミノフェノール(BOAP)(2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)および本明細書においてさらに論考する類似化合物を含み、有機ペルオキシド共硬化剤は、好ましくはアリル化合物、例えばトリアリルイソシアヌレートおよび類似化合物である。好ましい一実施形態では、ビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシド共硬化剤の比が約1:1.5〜約1.5:1である、および/またはビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシドの比が約1.3:1〜約2.6:1である。
上記組成物に、さらに少なくとも1種類の配合添加剤(compound additive)、例えば限定されないが、少なくとも1種類のカーボンブラック材料、少なくとも1種類の酸化亜鉛化合物および分散剤(例えば、オルガノシロキサンなど)からなる群より選択されるものを含めてもよい。上記添加剤は、好ましくは硬化性フルオロポリマー100重量部あたり約80重量部以下を占める。
さらに好ましい一実施形態では、上記組成物は、100重量部の上記硬化性フルオロポリマーであるベースと、100重量部の上記硬化性フルオロポリマーに対して以下の成分:約1.5〜約3重量部のビスフェニル系硬化剤;約2〜約5重量部の有機ペルオキシド硬化剤;約3〜約6重量部の有機ペルオキシド共硬化剤;約60重量部までの少なくとも1種類のカーボンブラック材料;約15重量部までの酸化亜鉛化合物;および約3重量部までの分散剤とを含む。なおより好ましい実施形態では、各々、100重量部のベース硬化性フルオロポリマーに対して約2.3〜約4.6の有機ペルオキシド硬化剤;約20〜約60重量部の、少なくとも1種類の第1カーボンブラック材料と少なくとも1種類の第2カーボンブラック材料のブレンド;約3〜約5重量部の酸化亜鉛化合物;および約0.5〜1.0重量部の分散剤が存在する。少なくとも組成物中にブレンド状態で存在する第1および第2カーボンブラック材料を含める実施形態では、約40:60〜約60:40、より好ましくは約50:50の第1カーボンブラック材料対第2カーボンブラック材料の重量パーセンテージ比を有することが好ましい。また、好ましい一実施形態では、上記組成物は、第1カーボンブラック材料と第2カーボンブラック材料のかかるブレンドを約30〜約50重量部で含む。
硬化されると、その好ましい一実施形態において、得られる硬化組成物はひび割れを示さず、ISO 23936−2:2011(E)−B.4.2の試験および評定方法における評定0点を満たす。
また、硬化の際、石油ガス産業における特殊用途では、硬化組成物のデュロメータがShore A Durometerで約75〜約95、好ましくは約85〜約95、より好ましくは約90〜約94または約90〜約92であることも好ましい。
また、本発明は、本明細書における硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物を型内で、例えば熱硬化および/または圧縮成型によって硬化させることにより形成される成型品を含む。成型品としては、シール材、ガスケットおよび他の部材、好ましくは、油田および石油化学最終適用に使用され得るものが挙げられ得る。さらなる一実施形態では、得られるRGD耐性物品はシール材であり、これは、例えば約5.3mmまでまたはそれより上、所望により約10mmまでまたはそれより上の断面直径を有するものであり得る。
また、本発明は、(a)ペルオキシド硬化剤で硬化され得る少なくとも1つの官能基を有するキュアサイトモノマーを含む硬化性フルオロポリマーを準備すること;および(b)100重量部の硬化性フルオロポリマーを、各々100重量部の上記硬化性フルオロポリマーに対して約1.5〜約3重量部のビスフェニル系硬化剤、約2〜約5重量部の有機ペルオキシド硬化剤および約3〜約6重量部の有機ペルオキシド共硬化剤と合わせることを含み、ビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシド共硬化剤の比が約0.25:1〜約1.5:1であり、ビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシドの比が約0.5:1〜約1.5:1である、急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物の調製方法を含む。
上記方法の好ましい一実施形態では、ビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシド共硬化剤の比が約0.4:1〜約1.2:1である、および/またはビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシドの比が約0.60:1〜約1.4:1である。硬化されると、本明細書における方法に従って形成される、結果的に生じる硬化組成物はひび割れを示さず、ISO 23936−2:2011(E)−B.4.2の試験および評定方法における評定0点を満たす、ならびに/またはひび割れを示さない。さらに、硬化の際、かかるシール材は、約5.3mmまで(約5.3mmを含む)、所望により約10mmまで(約10mmを含む)またはそれより上の断面直径を有するように作製され得る。
発明の詳細な説明
硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物、ならびにかかる組成物の形成方法および得られる成型品を本明細書において提供する。以下の説明は、本発明の好ましい実施形態を例示することを意図したものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
本発明に使用されるベースフルオロポリマーは、好ましくは、ペルオキシド硬化剤によって、好ましくは、当該技術分野で公知のペルオキシド硬化剤と共硬化剤を含むペルオキシド硬化系によって硬化され得る少なくとも1つの官能基を有するキュアサイトモノマーを含むペルオキシド硬化性フルオロポリマーである。
本明細書における硬化性のベースフルオロポリマーは、任意の適当なフルオロポリマー、例えば、苛酷な環境、例えば、油田産業用途または石油化学製品加工でみられる環境において有用な組成物であり得る。上記硬化性フルオロポリマーは、好ましくは過フッ素化状態でないフルオロポリマー(FKM)であり、かかる材料は、ASTM InternationalによってASTM D1418−10aに示されたStandard Rubber Nomenclature定義によって分類されるものである。かかるエラストマー命名に従う標準的なFKMポリマーは、典型的には少なくとも2種類のモノマーを有するものであり、そのうち1種類はフッ素化されたものであり、好ましくは、全部がある程度フッ素化されたものであり、少なくとも1種類のキュアサイトモノマーが加硫に使用される。上記少なくとも2種類のモノマーとしては、好ましくは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンまたは同様のフッ素化オレフィンが挙げられるが、さまざまな他のモノマーも同様に挙げられ得る。また、フルオロエラストマー組成物に、フルオロエラストマーのキュアサイトモノマー(1種類または複数種)内の官能基と架橋反応を行ない得る少なくとも1種類の硬化剤を含めてもよい。
好ましくは、本明細書におけるFKMについて、かかるキュアサイトモノマー(1種類または複数種)としては、ペルオキシド硬化性であるキュアサイトモノマー、より好ましくは、ハロゲン化材料、例えば、キュアサイト官能基内のBrまたはIを含む官能基を含むキュアサイトモノマーが挙げられる。
かかるキュアサイトモノマーは、架橋を可能にする反応性官能基を有する。FKMのモノマーのうち少なくとも2種類は好ましくはヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VF2)であるが、当該技術分野で公知であるさまざまなフルオロポリマーを形成するために、これらの2種類に加えて他の典型的なモノマーを使用してもよい。
上記硬化性フルオロポリマーは、放射線架橋性であってもよいが、好ましくは、キュアサイトモノマー内の官能基と反応してエラストマー材料を形成し得る硬化剤(1種類または複数種)が添加される硬化系によって架橋性(硬化性)のものである。任意選択で、少なくとも1種類の第2の硬化剤、共硬化剤および/または硬化促進剤(1種類もしくは複数種)を同様に使用してもよい。本明細書における組成物は、1種類の硬化性フルオロポリマーを有するものであってもよく、所望の最終特性に応じて、例えばポリマーブレンド、グラフト化組成物またはアロイの形態の少なくとも2種類の硬化性フルオロポリマーの組合せを有するものであってもよい。
用語「未硬化の」または「硬化性の」は、本明細書における組成物における使用のためのフルオロポリマーが、まだ相当な度合まで架橋反応に供されていないため、上記材料が、意図された適用にはまだ充分に硬化されていないことをいう。
本明細書における組成物のための硬化性フルオロポリマーは任意選択で、さらなるかかるポリマーを、上記のようなブレンド様組成物またはグラフト化/共重合組成物の状態で含むものであってもよい。さらに、上記ポリマーの主鎖は、架橋のための1種類以上の異なる官能基が上記鎖に沿ってもたらされるように、さまざまなキュアサイトモノマー(1種類または複数種)を含むものであってもよいが、好ましくは、かかる基のうちの1種類は、ペルオキシド硬化系によって硬化性のものである。また、上記組成物に硬化剤ならびに共硬化剤および/または促進剤を含めて架橋反応を補助してもよい。
1種類以上の硬化性フルオロポリマー(1種類または複数種)をかかる組成物中に存在させてもよい。かかるポリマー自体は、1種類以上のフッ素化モノマーを重合または共重合させることにより形成される。当該技術分野で公知である種々の手法(直接重合、乳化重合および/またはフリーラジカル開始重合、ラテックス重合など)が、かかるポリマーの形成に使用され得る。
上記フルオロポリマーは、好ましくは1種類が少なくとも一部フッ素化されたものである2種類以上のモノマーを重合させることにより形成したものであり得るが、完全フッ素化モノマーも同様に使用され得る。例えば、HFPとVF2をテトラフルオロエチレン(TFE)または1種類以上のペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)または同様のモノマーは、硬化を可能にするキュアサイトモノマーである少なくとも1種類のモノマー、すなわち、少なくとも1種類のフルオロポリマーキュアサイトモノマーとともに合わされ得る。本明細書に記載のフルオロエラストマー組成物は、好ましくは、本明細書に記載のペルオキシド硬化系ならびに1種類以上の他の硬化剤を用いて硬化され、フルオロエラストマーを形成し得る任意の適当な標準的な硬化性フルオロエラストマーフルオロポリマー(1種類または複数種)(FKM)を含むものであり得る。好適な硬化性FKMフルオロポリマーの例としては、商標名Tecnoflon(登録商標)PL958で販売されているもの(Solvay Solexis,S.p.A.(イタリア)製)または本明細書における組成物に使用した場合にRGD耐性を示す他の同様のフルオロポリマー(好ましくは、ペルオキシド硬化系によって硬化性のもの)が挙げられる。かかる材料の他の供給元としては、とりわけ、ダイキン工業(日本);3M Corporation(ミネソタ州);およびE.I.DuPont de Nemours & Company,Inc.(デラウェア州)が挙げられる。かかるFKMポリマーは、ポリマー主鎖が完全にフッ素化されたものではない。
本発明によれば、一方がビスフェニル系硬化剤であり、他方が有機ペルオキシドと共硬化剤を含むペルオキシド硬化系である2種類の硬化剤を使用することが好ましい。本明細書における好ましい実施形態では、ビスフェニル系硬化剤は、VF2モノマー群、好ましくは隣接しているHFPモノマーによって硬化するものであり、ペルオキシド系硬化系は、フルオロエラストマー内のキュアサイトモノマー上の官能基との反応によって硬化するものである。したがって、本明細書において使用されるFKM内のキュアサイトモノマーは、ペルオキシド硬化系で硬化され得ること、およびFKMはまた、ビスフェニル系硬化剤(1種類または複数種)を使用しても硬化され得ることが好ましい。
ペルオキシド硬化系との反応のためのキュアサイトモノマー内の好ましい官能基としては、ハロゲン化反応性基、例えばヨウ素または臭素を有するものが挙げられるが、さらなるキュアサイト、例えば、同様にビスフェニル系硬化を向上させ得るもの、例えば、含窒素反応性基を有するものを同じまたは異なるキュアサイトモノマー内に設けてもよいが、ペルオキシド硬化性官能基も存在しているものとする。したがって、本明細書における開示では、さまざまな好ましい硬化剤(curative)(本明細書では、架橋剤または硬化剤(curing agent)とも称している)について論考しているが、当該技術分野で公知であるさらなるキュアサイトを使用する場合、かかる別のキュアサイトを硬化させ得る他の硬化剤もまた、本明細書において好ましい有機ペルオキシド系硬化剤および共硬化剤に加えて使用され得る。
なおさらなる実施形態では、例示的なキュアサイトモノマーとしては以下に示すものが挙げられ、そのほとんどはPAVE系の構造であり、反応性部位を有する。上記ポリマーは種々であり得るが、好ましい構造は、以下の構造(A):
CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF−X (A)
(式中、mは0または1〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、Xは、好ましくはハロゲン化末端基である)を有するものである。しかしながら、ハロゲン化末端基キュアサイトモノマーに加えて、さらなるキュアサイトモノマーを使用する場合、Xはまた、含窒素基、例えばニトリルもしくはシアノ基、カルボキシル基、またはアルコキシカルボニル基であってもよい。式(A)による化合物は単独で、またはその任意選択的な種々の組合せで使用され得る。
式(A)によるキュアサイトモノマーのさらなる例としては、以下の式(1)〜(17):
CY=CY(CF−X (1)
(式中、YはHまたはFであり、nは1〜約8の整数である)
CF=CFCF −X (2)
(式中、R は(−CF−、−(OCF−であり、nは0または1〜約5の整数である)
CF=CFCF(OCF(CF)CF(OCHCFCFOCHCF−X (3)
(式中、mは0または1〜約5の整数であり、nは0または1〜約5の整数である)
CF=CFCF(OCHCFCF(OCF(CF)CFOCF(CF)−X (4)
(式中、mは0または1〜約5の整数であり、nは0または1〜約5の整数である)
CF=CF(OCFCF(CF))O(CF−X (5)
(式中、mは0または1〜約5の整数であり、nは1〜約8の整数である)
CF=CF(OCFCF(CF))−X (6)
(式中、mは1〜約5の整数である)
CF=CFOCF(CF(CF)OCFCF(−X)CF (7)
(式中、nは1〜約4の整数である)
CF=CFO(CFOCF(CF)−X (8)
(式中、nは2〜約5の整数である)
CF=CFO(CF−(C)−X (9)
(式中、nは1〜約6の整数である)
CF=CF(OCFCF(CF))OCFCF(CF)−X (10)
(式中、nは1〜約2の整数である)
CH=CFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)−X (11)
(式中、nは0または1〜約5の整数である)
CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF=X (12)
(式中、mは0または1〜約4の整数であり、nは1〜約5の整数である)
CH=CFCFOCF(CF)OCF(CF)−X (13)
CH=CFCFOCHCF−X (14)
CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCF(CF)−X (15)
(式中、mは0より大きい整数である)
CF=CFOCF(CF)CFO(CF−X (16)
(式中、nは少なくとも1である整数である)
CF=CFOCFOCFCF(CF))OCF−X (17)
(式中、Xはモノマー反応性部位、例えば、ハロゲンまたはアルキル化ハロゲン基(IもしくはBr、CHIおよび同様のアルキル化もしくはアルコキシル化反応性ハロゲン基など)であり得る)が挙げられる。かかるキュアサイトモノマーは、重合されると(この場合、上記の例のキュアサイトモノマーの主鎖内の一部のフッ素原子は本発明の範囲内において水素原子で置換され得る)ポリマー主鎖内に存在するキュアサイトモノマーの主鎖部分に沿って、少なくとも一部がフッ素化されていても過フッ素化されていてもよい。
本明細書における組成物における使用のためのフルオロポリマーは、重合によってフッ素含有硬化性フルオロポリマーを形成するための公知の、または将来開発される任意の重合手法、例えば、乳化重合、ラテックス重合、連鎖開始重合、バッチ重合などを用いて合成され得る。好ましくは、上記重合は、反応性キュアサイトがポリマー主鎖の少なくとも一方の終末端に存在するように、および/または主要ポリマー主鎖から懸垂するように行なわれる。
上記ポリマーの考えられ得る作製方法の一例としては、フッ素含有エラストマーの重合用の当該技術分野で公知のもの(有機または無機ペルオキシドおよびアゾ化合物)などの開始剤を使用するラジカル重合が挙げられる。典型的な開始剤は、ペルスルフェート、ペルカーボネート、ペルエステルなどであり、好ましい開始剤は過硫酸の塩、酸化性のカーボネートおよびエステルならびに過硫酸アンモニウムであり、最も好ましいのは過硫酸アンモニウム(APS)である。このような開始剤は単独で、または還元剤(スルフィットおよび亜硫酸塩など)とともに使用され得る。
当該技術分野で公知の標準的な重合手順が使用され得る。キュアサイトモノマーは、フッ素含有エラストマーを調製する場合に添加され、共重合され得る。未硬化または硬化性の状態では、本明細書において有用なフルオロエラストマー組成物は、好ましくは、少なくとも1種類のビスフェニル系硬化剤と有機ペルオキシド硬化系を含むものであり、ここで、上記2種類の硬化系は、フルオロポリマー(1種類または複数種)上に存在している少なくとも1種類のキュアサイトモノマーの官能基の1つと架橋反応を行ない得るものである。また、所望により、特に、さらなるキュアサイトモノマーを供給する場合は、さらなる硬化剤または硬化剤と共硬化剤の組合せを使用してもよい。また、所望により硬化促進剤を使用してもよい。本明細書における組成物において、上記のハロゲン含有官能基がペルオキシド硬化系の有機ペルオキシド硬化剤および/または共硬化剤と反応し、また、ビスフェニル系硬化剤とも反応して硬化フルオロエラストマー組成物が形成され、上記硬化フルオロエラストマー組成物が完成品に成型され得る。
ペルオキシド硬化系を使用する場合、FKMフルオロポリマーにおいて好適な硬化性フルオロポリマーとしては、VF2と、HFPと、ペルオキシド硬化性官能基、例えば、ハロゲン化アルキルおよび他の誘導体など、ならびに上記のような一部または全部ハロゲン化された炭化水素基を有するフッ素化された構造を有するキュアサイトモノマーとのポリマーが挙げられる。
ペルオキシド系硬化系のための硬化剤は、当該技術分野で公知の、または将来開発される任意の有機ペルオキシド硬化剤および/または共硬化剤、例えば、有機ペルオキシドおよびジアルキルペルオキシド、または加熱によってラジカルを生成し、フルオロポリマー鎖上のキュアサイトモノマーの官能基(1つまたは複数)との架橋反応に関与し得る他のペルオキシドであり得る。例示的なジアルキルペルオキシドとしては、ジ−tertブチル−ペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tertブチルペルオキシ)ヘキサン;ジクミルペルオキシド;ジベンゾイルペルオキシド;過安息香酸ジtertブチル;およびジ−[1,3−ジメチル−3−(tertブチルペルオキシ)ブチル]−カーボネートが挙げられる。他のペルオキシド系は、例えば、米国特許第4,530,971号および同第5,153,272号(引用により、かかる硬化剤に関する上記当部分が組み込まれる)に記載されている。
かかるペルオキシド硬化剤のための共硬化剤としては、典型的には、アリル化合物、例えば、イソシアヌレート、および多価不飽であり、かつペルオキシド硬化剤とともに作用して有用な硬化物をもたらす類似化合物、例えば、トリアリルシアヌレート(TAC);トリアリルイソシアヌレート(TAIC);トリ(メタリル)イソシアヌレート(TMAIC);トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン;トリアリルホスファイト;Ν,Ν−ジアリルアクリルアミド;ヘキサアリルホスホルアミド;Ν,Ν,Ν’,Ν’−テトラアルキルテトラフタルアミド;Ν,Ν,Ν’,Ν’−テトラアリルマロンアミド;トリビニルイソシアヌレート;2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン;およびトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートなどが挙げられる。最も好ましく、当該技術分野で周知であるのはトリアリルイソシアヌレート(TAIC)であり、これは、DIAK(登録商標)、例えばDIAK(登録商標)#7、およびTAIC(登録商標)、例えばTAIC(登録商標)DLCなどの商標名で販売されている。
ビスフェニル系硬化剤としては、ビスフェニル系物質およびその誘導体が使用され得、好ましくは、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、BOAP、ビスアミノチオフェノール、ビスアミドキシムおよび/またはビスアミドラゾンなどの硬化剤が使用される。しかしながら、さらなる硬化剤、例えば、モノアミジンおよびモノアミドキシム、テトラフェニルスズ、トリアジン、シアノ基含有ニトリル硬化剤、有機金属化合物およびその水酸化物、特に有機スズ化合物、例えば、アリル−、プロパルギル−、トリフェニル−およびアレニルスズ、アミノ基含有硬化剤、例えばジアミンおよびジアミンカルバメート、例えば、Ν,Ν’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、シンナミリデン、トリメチレンジアミン、シンナミリデンエチレンジアミン、およびシンナミリデンヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、ビス(4−アミノシクロヘキシル(hexly))メタンカルバメート、1,3−ジアミノプロパンモノカルバメート、エチレンジアミンカルバメート、トリメチレンジアミンカルバメート、ならびに米国特許第7,521,510B2号、同第7,247,749B2号および同第7,514,506B2号(これらは各々、シアノ基含有フルオロポリマーのための列挙した種々の硬化剤に関する該当部分が本明細書に組み込まれる)に記載の硬化剤などが、所望により、および/またはかかる剤によって硬化性であるさらなるキュアサイトモノマーを供給する場合に、ビスフェニル系硬化剤およびペルオキシド系硬化系に加えて使用され得る。
ビスフェニル系硬化剤およびその誘導体、例えば、BOAP、ビスフェノールA、ビスフェノールAFならびにその塩および誘導体、ビスアミノチオフェノールならびにパラベンゾキノンジオキシム(PBQD)が、ペルオキシド硬化系と組み合わせて好ましく使用される。これらの硬化剤に加え、米国特許第7,247,749号および同第7,521,510号(かかる化合物に関する該当部分が組み込まれる)に記載のような他のビスフェニル系硬化剤およびその誘導体を使用してもよい。使用されるビスフェニル系硬化剤の型に関係なく、上記化合物は、本明細書におけるキュアサイトモノマーとの反応のための少なくとも1つの、好ましくは2つのヒドロキシル含有官能性反応性キュアサイトを有するものであることが最も好ましい。
本明細書における硬化性フルオロポリマーの各々における少なくとも1種類のキュアサイトモノマーは、各々、好ましくは、それぞれ約0.01〜約10モルパーセントの量で存在している。ペルオキシド硬化剤および共硬化剤ならびにビスフェニル系硬化剤は、好ましくは、組成物中のフルオロポリマー100重量部あたり合わせて(使用される任意のさらなる硬化剤と同様)約0.01〜約10重量部の総量で存在している。
フルオロエラストマー組成物において、ビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシド共硬化剤(例えば、TAICなど)の比は約0.25:1〜約1.5:1、好ましくは約0.4:1〜約1.2:1、最も好ましくは約0.5:1〜約1:1であることが好ましい。さらに、有機ペルオキシド硬化系におけるビスフェニル系硬化剤対有機ペルオキシドの比は約0.5:1〜約1.5:1、好ましくは約0.6:1〜約1.4:1、最も好ましくは約0.65:1〜約1.3:1であることが好ましい。
本明細書におけるRGD耐性フルオロポリマー組成物に、さらに、少なくとも1種類の配合添加剤、例えば、少なくとも1種類のカーボンブラック材料、少なくとも1種類の酸化亜鉛化合物(1種類または複数種)、および分散剤(例えば、オルガノシロキサンなど)を含めてもよい。好ましい充填剤/添加剤は、好ましくは、RGD耐性組成物中の硬化性のベースフルオロポリマー(1種類または複数種)100重量部あたり約80重量部以下、好ましくは約20部〜約75部、より好ましくは約30部〜約50部を構成する。
カーボンブラック材料は、単独で、または種々の最終効果のために組み合わせて使用され得、最終用途に応じて品質には、標準的なカーボンブラックから種々の多孔度および純度の特殊カーボンブラック(例えば、高純度または超高純度カーボンブラック)まで幅があり得る。好適なカーボンブラックはCabot Corporation製およびCancarb Corporation製のものである。少なくとも第1カーボンブラック材料と第2カーボンブラック材料を使用することが好ましく、これらは同じであっても異なっていてもよいが、好ましくは異なるものである。2種類のカーボンブラック材料をブレンド状態で使用する場合、これらを組成物中の硬化性のベースフルオロポリマー(1種類または複数種)100重量部に対して約20〜約60重量部、より好ましくは約30〜約50重量部の総量で存在させること、および上記2種類のカーボンブラックの比率を約40:60〜約60:40、より好ましくは約50:50にすることが好ましい。
また、酸化亜鉛化合物もフルオロポリマーへの使用が公知であり、市販品で得られ得る添加剤は、Horsehead Corporationから商標名Kadox(登録商標)で入手され得る。所望により、分散剤または加工助剤、例えば、フルオロポリマー組成物に利用可能なStrucktolのオルガノシロキサンを使用してもよい。
本明細書における好ましい実施形態では、上記組成物は、好ましくは、少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーまたはその組合せである100重量部のベースを含む。ベースフルオロポリマー中のフルオロポリマー(1種類または複数種)100phrに対し、好ましい組成物は約1.5〜約3重量部のビスフェニル系硬化剤を含む。有機ペルオキシドは、好ましくは、約2〜約5重量部、好ましくは約2.3〜約4.6重量部の量で存在させる。ペルオキシド硬化系の共硬化剤は、好ましくは約3〜約6重量部の量で存在させる。また、上記組成物には、好ましくは、約60重量部までの少なくとも1種類のカーボンブラック材料、好ましくは約20〜約60重量部の総量のカーボンブラック材料、最も好ましくは約30〜約50部のカーボンブラック、さらにより好ましくは約40部のカーボンブラックも含める。上記のように、好ましい一実施形態におけるカーボンブラックは、2種類以上の異なる型のカーボンブラック材料のブレンドを含む。また、上記組成物に、0〜約15重量部までの酸化亜鉛化合物、好ましくは約3〜約5部の酸化亜鉛化合物、最も好ましくは約5部の酸化亜鉛化合物も含めてもよい。使用する場合、分散剤は、好ましくは、約3重量部までの分散剤量、好ましくは約0.5〜約1.0重量部、最も好ましくは約0.5重量部で存在させる。
当該技術分野で公知の、または将来開発される、好ましくはRGD耐性組成物における使用のための他のさらなる添加剤を使用してもよく、例えば、硬化促進剤、有機ペルオキシド硬化系のための共硬化剤に加えて他の共硬化剤、加工助剤、可塑剤、他の充填剤および改質剤、例えば、シリカ、他のフルオロポリマー(例えば、TFEおよびその溶融加工性コポリマーならびにコア−シェル型改変フルオロポリマー,これらは、ミクロ粉末、ペレット、繊維およびナノ粉末の形態で、当該技術分野で公知である)、フルオログラファイト、硫酸バリウム、フッ化炭素、クレイ、タルク、金属充填剤(酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素)、金属炭化物(炭化ケイ素、炭化アルミニウム)、金属窒化物(窒化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム)、他の無機充填剤(フッ化アルミニウム、フッ化炭素)、着色剤、有機系の染料および/または顔料、例えば、アゾ、イソインドレノン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アントラキノンなど、イミド充填剤(例えば、ポリイミド、ポリアミド−イミドおよびポリエーテルイミド)、ケトンプラスチック(例えば、PEEK、PEKおよびPEKKなどのポリアリーレンケトン)、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾエートなどが、当該技術分野で公知の量および/または種々の特性のために変更され得る量で使用され得る。本明細書における充填剤はすべて、単独で、または2種類以上のかかる充填剤および添加剤の組合せで使用され得る。好ましくは、任意のかかる任意選択のさらなる充填剤は、使用する場合、上記の好ましい充填剤に加えて、ベースフルオロポリマー(1種類または複数種)100部あたり約20部未満の総量である。
本明細書におけるRGD硬化性組成物は、当該技術分野で公知の任意の好ましい硬化手法を用いて硬化され得る。FKM型硬化性フルオロポリマーの場合、組成物は、好ましくは、約160℃〜約200℃の温度で約10〜約60分間硬化され、約200℃〜約260℃で炉内にて、材料および所望の架橋度に応じて種々の期間、後硬化される。当業者には、本開示に基づいて、さまざまな硬化手法が使用され得ること、ならびに選択される好ましいベース硬化性フルオロポリマーおよび硬化剤(1種類または複数種)に応じて異なり得ることが理解される。ただし、組成物のベース硬化性フルオロポリマー(1種類または複数種)は一次硬化サイクル中に少なくとも一部が硬化される、好ましくは実質的に完全に硬化されるものとし、所望により、さらなる硬化を後硬化中に完結させる。硬化作業は、加熱したプレス内で型を使用する標準的なホットプレス手法によって所望の条件下で行なわれ得、炉内で後硬化させるが、他の手法もまた使用され得る。
硬化されると、その好ましい一実施形態において、得られる硬化組成物はひび割れを示さず、ISO 23936−2:2011(E)−B.4.2.の試験および評定方法における評定0点を満たす。
また、硬化の際、石油ガス産業における特殊用途では、硬化組成物のデュロメータがShore A Durometerで約75〜約95、好ましくは約85〜約95、より好ましくは約90〜約94または約90〜約92であることも好ましいが、デュロメータは所望の最終用途に基づいて異なり得る。
また、本発明は、本明細書における硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物を型内で、例えば熱硬化および/または圧縮成型によって上記のようにして硬化させることにより形成される成型品を含む。パーツは、小さい(すなわち、約5.3mm未満の)断面直径もしくは厚さを有するように形成され得るか、または同様に約5.3mmに近づけ、このサイズまでとなるように形成され得、他の実施形態では、所望により、所望の最終適用に応じて約10mmまで(約10mmを含む)またはさらにそれより上の厚さまたは断面直径のサイズであるが、依然としてRGD耐性特性を保持しているように形成され得る。
成型品としてはシール材、例えば、Oリング、ガスケット、インサートなどが挙げられ得るが、種々の形状およびサイズの当該技術分野で公知の、または将来開発される用途、好ましくは、油田での最終適用または石油化学製品加工での最終適用(この場合、RGDの課題が生じ、上記組成物が特に有用となり、かかる最終適用に指示され得る)において使用され得る最終用途のための他の部材が本明細書において想定される。油田での最終適用の例としては、コンプレッサ、ポンプ、計器ならびに他の油井の穴用の工具、ならびにパーツおよび部材が高圧の二酸化炭素および/もしくはメタンなどのガス中への長期間の浸漬に直面する、ならびに/またはガス破壊およびRGDの課題を引き起こし得る極端な温度(高いおよび低い)および圧力ならびに急速な温度および圧力変化条件に供される油田適用のためのシール材およびoリングが挙げられる。
本明細書における急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物の調製において、上記の成分は、典型的には、本明細書における硬化性フルオロポリマー(1種類または複数種)を供給し、次いで、上記ベースフルオロポリマー(1種類または複数種)にビスフェニル系硬化剤、有機ペルオキシド硬化剤および有機ペルオキシド共硬化剤を所望の量で、任意の他の好ましいまたは任意選択の添加剤とともに添加することにより、任意の適当な混合手法によって合わせる。例えば、諸成分は、任意の慣用的な手段または装置によって、例えば、2本ロールミルおよびインターナルミキサーで混合またはブレンドされ得る。例えば、上記組成物は、Banbury,C.W.Bradender Instruments,Inc.(ハッケンサック,ニュージャージー州)およびMorijama(ファーミンデール,ニューヨーク州)から市販されているものなどインターナルミキサーを用いてブレンドされ得る。好ましくは、本発明の硬化剤(1種類または複数種)および共硬化剤(1種類または複数種)ならびに任意の任意選択の硬化促進剤は、所望の他の成分および添加剤をブレンドした後に添加する。しかしながら、本開示に基づいて、かかる材料を供給する順番は本発明の範囲を制限するものでないことを理解されたい。
次に、本発明を以下の非限定的な実施例に関して説明する。
実施例1
約10mmの断面厚(これは、RGD耐性組成物の調製に通常伴うものより大きい断面直径とみなされる)を有する試験試料を作製した。試料を約48時間、150バールの圧力で約−40℃〜180℃の種々の温度(高いおよび低い)にて浸漬させた。約20バール/分の減圧速度での圧力の解放後、試験片を非圧縮状態で試験し、検査した。比較例Aとして、試験試料は、Greene,Tweed & Co.,Inc.(Kulpsville,PA)からFKM 938として販売されている油田および石油化学産業におけるRGD耐性のための市販のRGD材料を含んだ。この試験試料は、1種類のペルオキシド硬化系、カーボンブラック、酸化亜鉛および他のエラストマー添加剤を有するフルオロエラストマー組成物を主体とするものであった。
実験用の実施例B〜Gは、ベースエラストマーとして市販のフルオロエラストマーのSolvay Solexis製のTechnoflon(登録商標)PL958を用いて配合し、以下の表1に示す配合を有するように調製した。表中、成分の量は、ベースフルオロエラストマー100部に対する百分率で示した重量として測定されたものである。この配合物をブレンドし、同様にして上記に示したパラメータに従って硬化させ、Cancarb製のカーボンブラック990およびCabot Corporation製のカーボンブラックN100 Vulcan 9を充填剤として、Horsehead Corporation製のKadox酸化亜鉛、シロキサン分散剤とともに含めた。ビスフェノール硬化剤と、有機ペルオキシドおよびペルオキシド共硬化剤(トリアリルイソシアヌレート(TAIC)およびVarox DBPH−50(2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tブチルペルオキシ)ヘキサン))を主体とするペルオキシド硬化系の両方の2種類の硬化剤を使用した。使用したビスフェノール硬化剤は、FKM中50%ビスフェノールとして入手可能な市販品VC−30であった。
Figure 2015512963
本明細書の背景に記載のように、標準的なRGD OリングサイズのFKM 938(比較例A)は、ISOおよびNORSOK M710標準規格を満たし、一般的に、良好な1または2の評定を有する。本発明の実施例B〜Gでは各々、非圧縮状態の合格試料において大型サイズの厚さで合格のRGD評定が示された。実施例B〜Dは各々合格であり、すべてのサイクルで平均が0の評定であった。実施例E〜Fは各々合格であり、すべてのサイクルで平均が2の評定であり、実施例Gは合格であり、すべてのサイクルで評定は3であった。実施例はすべて好適な機械的特性を有し、種々のDurometer Shore A硬度を有していた。各実施例は90〜92のShore A Durometer値を有しており、実施例Cは90に近いデュロメータ値を有していた。
このような結果は、実施例の厚さおよび使用した試験品の非圧縮性を考慮すると、特に重要である。したがって、本発明により、使用されるポリマーベースの材料および配合に応じて、油田および他の用途、例えば、航空宇宙用化合物、石油化学産業用途などに適したRGD耐性のための有益な組成物が提供されることがわかる。
実施例2
試験は、メタンと二酸化炭素ガスの95/5混合物を用いて調製した150バール(2175psi)の圧力の媒体中で実施した。試験温度は180℃(356°F)であった。解放速度は100バール/分(1450psi/分)であった。試料に48時間の初期浸漬および合計25回の減圧サイクルを含めた。試験した第1の試料(実施例H)は、ベースFKMのTecnoflon PL 958ポリマー(FKM1)を有し、Thermax(登録商標)の超高純度カーボンN990、Vulcan(登録商標)9−N−110カーボンブラック、Kadox(登録商標)酸化亜鉛、有機加工助剤、ペルオキシド硬化剤(Varox(登録商標)DBPH−50)およびTAIC共硬化剤ならびにVC−30 Viton(登録商標)ビスフェノール硬化剤(50%)を含めた。表2参照。実施例Iには、Orion(登録商標)の別のブランドのクリーンカーボンブラックを使用したが、その他は同じ成分を含めた。評定が3であった4つの試料を除いて、試料はすべて0〜2を有して合格であった。実施例Jでは、クリーンカーボンブラックの代わりにN990カーボンブラックに置き換えた。試料はすべて、1または0の評定を有して合格であった。実施例Kでは、実施例H〜Jで使用したTecnoflonの代わりにViton(登録商標)GFLT 600S FKM(FKM2)に置き換えた。試料はすべて、0評定を有して合格であった。また、Norsok M710試験に合格したFKM 938を主体とする比較試料(B)も試験した。試料に1種類のペルオキシド硬化系しか含めないと、2種類の異なるカーボンブラックを含めても平均1〜3という結果となった。
Figure 2015512963
当業者には、上記の実施形態に対して、その広い発明の概念を逸脱することなく変更が行なわれ得ることが認識される。したがって、本発明は開示した具体的な実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲に含まれる変形例を包含していることを意図していることが理解される。

Claims (30)

  1. ペルオキシド硬化剤で硬化され得る少なくとも1つの官能基を有するキュアサイトモノマーを含む硬化性フルオロポリマー;
    ビスフェニル系硬化剤;ならびに
    有機ペルオキシド硬化剤および有機ペルオキシド共硬化剤
    を含む、硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物であって、該フルオロエラストマー組成物が、約0.25:1〜約1.5:1の該ビスフェニル系硬化剤対該有機ペルオキシド共硬化剤の比および約0.5〜約1.5の該ビスフェニル系硬化剤対該有機ペルオキシドの比を有する、
    硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  2. 前記硬化性フルオロポリマーがフッ化ビニリデンをモノマーとして含む、請求項1に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  3. 前記硬化性フルオロポリマーがヘキサフルオロプロピレンをモノマーとして含む、請求項2に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  4. 前記ビスフェニル系硬化剤がビスアミノフェノールを含む、請求項1に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  5. 前記有機ペルオキシド共硬化剤がアリル化合物である、請求項1に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  6. 前記アリル化合物がトリアリルイソシアヌレートである、請求項5に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  7. 前記ビスフェニル系硬化剤対前記有機ペルオキシド共硬化剤の比が約0.4:1〜約1.2:1であり、前記ビスフェニル系硬化剤対前記有機ペルオキシドの比が約0.6:1〜約1.4:1である、請求項1に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  8. さらに少なくとも1種類の配合添加剤を含む、請求項1に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  9. 前記添加剤が、少なくとも1種類のカーボンブラック材料、少なくとも1種類の酸化亜鉛化合物および分散剤からなる群より選択される、請求項8に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  10. 前記分散剤がオルガノシロキサンである、請求項9に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  11. 前記添加剤が前記硬化性フルオロポリマー100重量部あたり約80重量部以下で含まれている、請求項9に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  12. 100重量部の前記硬化性フルオロポリマーと、100重量部の前記硬化性フルオロポリマーに対して:
    約1.5〜約3重量部の前記ビスフェニル系硬化剤;
    約2〜約5重量部の前記有機ペルオキシド硬化剤;
    約3〜約6重量部の前記有機ペルオキシド共硬化剤;
    約60重量部までの少なくとも1種類のカーボンブラック材料;
    約15重量部までの酸化亜鉛化合物;および
    約3重量部までの分散剤
    とを含む、請求項1に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  13. 100重量部の前記硬化性フルオロポリマーに対して:
    約2.3〜約4.6の前記有機ペルオキシド硬化剤;
    約20〜約60重量部の、第1カーボンブラック材料および第2カーボンブラック材料のブレンド;
    約3〜約5重量部の前記酸化亜鉛化合物;ならびに
    約0.5〜1.0重量部の前記分散剤
    を含む、請求項12に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  14. 前記第1および第2カーボンブラック材料がブレンド中に、約40:60〜約60:40の前記第1カーボンブラック材料対前記第2カーボンブラック材料の重量パーセンテージ比を有するように存在している、請求項13に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  15. 前記第1カーボンブラック材料対前記第2カーボンブラック材料の重量パーセンテージ比が50:50である、請求項14に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  16. 約30〜約50重量部の、前記第1カーボンブラック材料および前記第2カーボンブラック材料のブレンドを含む、請求項13に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  17. 前記ビスフェニル系硬化剤対前記有機ペルオキシド共硬化剤の比が約0.25:1〜約1.5:1であり、前記ビスフェニル系硬化剤対前記有機ペルオキシドの比が約0.5:1〜約1.5:1である、請求項13に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  18. 硬化されると、得られる硬化組成物がひび割れを示さず、ISO 23936−2:2011(E)−B.4.2の試験および評定方法における評定0点を満たす、請求項1に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  19. 硬化の際、前記組成物のデュロメータがShore A Durometerで約75〜約95である、請求項1に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  20. 硬化の際、前記組成物のデュロメータがShore A Durometerで約90〜約94である、請求項19に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物。
  21. 請求項1に記載の硬化性急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物を型内で硬化させることにより形成される成型品。
  22. シール材またはガスケットである、請求項21に記載の成型品。
  23. 少なくとも約5.3mmの断面直径を有するシール材である、請求項22に記載の成型品。
  24. 前記断面直径が約10mmまでである、請求項23に記載の成型品。
  25. 油田での最終適用に有用であり得る、請求項21に記載の成型品。
  26. (a)ペルオキシド硬化剤で硬化され得る少なくとも1つの官能基を有するキュアサイトモノマーを含む硬化性フルオロポリマーを準備すること;
    (b)100重量部の該硬化性フルオロポリマーを、各々100重量部の該硬化性フルオロポリマーに対して約1.5〜約3重量部のビスフェニル系硬化剤、約2〜約5重量部の有機ペルオキシド硬化剤および約3〜約6重量部の有機ペルオキシド共硬化剤と合わせることを含み、該ビスフェニル系硬化剤対該有機ペルオキシド共硬化剤の比が約0.25:1〜約1.5:1であり、該ビスフェニル系硬化剤対該有機ペルオキシドの比が約0.5:1〜約1.5:1である、急速ガス減圧耐性フルオロエラストマー組成物の調製方法。
  27. 前記ビスフェニル系硬化剤対前記有機ペルオキシド共硬化剤の比が約0.4:1〜約1.2:1であり、前記ビスフェニル系硬化剤対前記有機ペルオキシドの比が約0.60〜約1.4である、請求項26に記載の方法。
  28. 硬化されると、得られる硬化組成物がひび割れを示さず、ISO 23936−2:2011(E)−B.4.2の試験および評定方法における評定0点を満たす、請求項26に記載の方法。
  29. 硬化されると、得られる硬化組成物が、少なくとも約5.3mmの断面直径を有するシール材として形成される、請求項26に記載の方法。
  30. 前記断面直径が約10mmまでである、請求項29に記載の方法。
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