JP2019108563A - 高温用途に適切なフッ素含有エラストマー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温用途に適切なフッ素含有エラストマー組成物を提供すること。【解決手段】テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよびそれぞれが少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、テトラフルオロエチレンが第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に少なくとも約50モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも2種の硬化剤とを含む、硬化性フッ素含有エラストマー組成物が記載されている。【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2014年1月22日に出願された米国仮特許出願第61/930,464号(発明の名称「Fluorine−Containing Elastomer Compositions Suitable for High Temperature
Applications」)の利益を、米国特許法§119(e)の下、主張する。上記米国出願の全開示は本明細書において参照として援用される。
発明の分野
本発明は、硬化性および硬化したペルフルオロエラストマー(FFKM)組成物およびそれから製造される構成要素、例えば、シーリング材などの分野に関し、これらの組成物は、様々な高温の最終用途、特に、化学蒸着法(CVD)および他の半導体加工技術における半導体領域での使用に対して適切である。本発明は、硬化性フッ素含有エラストマー組成物、硬化したフッ素含有エラストマー組成物、および混じりけのない合成物でありかつ優れた熱特性を有するこのような組成物から形成される、関連成形品を提供する。
関連技術の説明
テトラフルオロエチレン(TFE)および他のフッ化モノマー単位を含むフッ素含有エラストマー、特にペルフルオロエラストマー(FFKM)は、優れた化学抵抗性、溶媒抵抗性および熱抵抗性を示し、したがって、シーリング材および苛酷な環境での使用を意図する他の材料に対して広く使用されている。技術が進歩するにつれて、このような高度な抵抗性の合成物に対してさえ、要求される特徴はより厳しくなり続けている。航空学、航空宇宙学、半導体ならびに化学薬品および医薬品の製造分野において、封止性は、300℃以上の高温環境にも供される苛酷な化学的環境下にさらされ、高温環境に耐えるこのような材料の能力がますます重要となっている。
ペルフルオロエラストマー材料はまた、これらの化学抵抗性およびプラズマ抵抗性に対して公知である。しかし、これらは、許容される圧縮永久ひずみ抵抗性および機械的特性が必要とされる組成物において使用される場合、充填剤または強化系を一般的に含む。このような良好な、高温および環境に抵抗性のある材料を使用することによって、変形に耐えることが可能であり、このような厳しい条件に持ちこたえる成形部品を形成することが目標である。FFKM材料は通常、硬化部位を有する官能基を有する少なくとも1種のペルフルオロ化硬化部位モノマーを含むペルフルオロ化モノマーから調製する。モノマーは重合することによって、その上に硬化部位を有する硬化性ペルフルオロ化ポリマーを形成し、このポリマーは、硬化剤またはキュアリング剤との反応による架橋が意図される。硬化(架橋)の際に、材料はエラストマー材料を形成する。典型的FFKM組成物は、上述のような重合したペルフルオロポリマーと、硬化部位モノマー上の反応性硬化部位の基と反応するキュアリング剤と、任意の所望の充填剤とを含む。生成した硬化したペルフルオロエラストマー材料はエラストマー特徴を示す。
FFKMは、これらが高い度合の純度、熱抵抗性、ならびにプラズマ、化学物質および他の苛酷な環境に対して抵抗性を有するため、ハイエンドの封止用途のためのOリングとしての使用、および関連封止部品における使用もまた一般的に公知である。FFKMおよびFFKMに基づく組成物により満たされるべき、増え続ける需要および難題があることから、これまでより高いレベルの熱抵抗性、化学抵抗性およびプラズマ抵抗性を得るため
に、新規ペルフルオロエラストマー組成物が引き続き開発されている。特に半導体領域での業界需要は、ますます厳しくなる環境を有する新規の最終用途、ならびにますます低い汚染および微粒子化の必要条件を満たすためにこのようなシールの向上した性能を継続して必要としている。したがって、より良好な特性、ただし「混じりけのない」合成物に由来する、すなわち、最終用途の環境への有害な混入物の導入がほとんどない、またはまったくないような合成物に由来する、より良好な特性に対する必要性が常に存在する。
当技術分野で認識されているように、異なるFFKM組成物は、使用している硬化部位モノマー(CSM)構造のタイプ、および硬化部位モノマー上の官能基の活性のある硬化部位を硬化剤と反応させるために利用される対応する硬化化学に応じて、異なる硬化剤(キュアリング剤としても公知)を含むことができる。このような組成物はまた、標的とする機械的特性、圧縮永久ひずみまたは改善された化学抵抗性およびプラズマ抵抗性を達成するために様々な充填剤および充填剤の組合せを含むこともできる。
半導体の封止用途に対して、無機充填剤と有機充填剤の両方がプラズマ化学のタイプに応じてプラズマ抵抗性を改善するために使用されてきた。半導体および他の業界において公知の典型的な充填剤として、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、TFEベースのフッ素樹脂、硫酸バリウムおよび他のポリマーおよび可塑物が挙げられる。半導体用途のためのいくつかのFFKM組成物に使用される充填剤として、特にマイクロサイズまたはナノメートルサイズの粒子の、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)または溶融加工性ペルフルオロ化コポリマー、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマー(FEP型コポリマーとも呼ばれる)またはTFEとペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)のコポリマー(PFA型コポリマーとして公知である)で形成されるフッ素樹脂充填剤粒子が挙げられる。
このようなFFKM組成物として、単一のFFKM硬化性ポリマーのみ、または時には1種もしくは複数のFFKM硬化性ポリマーのブレンドを挙げることができる。同様に、組成物中で使用される硬化性ペルフルオロポリマー中の硬化部位モノマー上に単一の硬化部位のみを有するFFKM、および同じもしくは異なる硬化部位を有する、1種より多くの硬化部位モノマーを有するFFKMが存在する。より混じりけのないおよびより化学的抵抗性のある合成物に対する需要が増加するにつれて、充填剤をほとんど含まない、またはまったく含まないFFKMにおいて特性を達成する必要性が、いっそう切迫した必要性となる。したがって、使用することができる材料の多くの潜在的な組合せが存在し、課題は、機械特性および封止性を犠牲にすることなく、好ましくは良好な硬化特徴も達成しながら、様々な最終用途に対してより高い熱抵抗性、化学抵抗性およびプラズマ抵抗性の特性の必要条件を達成することである。
半結晶性フッ素樹脂粒子充填剤、例えば、PTFEもしくはコポリマーのマイクロ粒子もしくはナノ粒子など、例えば、PFAタイプのものなどを含むFFKM組成物は、良好な物理的特性、プラズマ抵抗性および優れた純度を提供する。半導体用途に対して、このような系はまた、金属酸化物などの無機充填剤を有するFFKMよりも改善されたレベルで金属の微粒子化および汚染を回避するのを助ける。しかし、フルオロポリマーを充填したFFKMを形成するための、より簡略化された加工方法を開発する必要性が当技術分野に存在する。TFEベースのフッ素樹脂をFFKMに組み込んで、混じりけのない合成物を達成するために開発された、様々なブレンド方法が存在する。ラテックスブレンドが使用されてきたが、これは、大規模な商業ベースのバッチに対しては高価である可能性がある。溶融ブレンドもまた利用可能であり、これは350℃までの温度を一般的に必要とする。さらに、多くの商品における充填剤配合量は一般的に、ベースポリマー材料の重量の約30重量パーセントまでに限定される。このような組成物におけるフルオロポリマー充填剤の使用はまた、時には、特により高い温度(例えば、>300℃)での最終用途にお
いて、相対的に高い圧縮永久ひずみの一因となり得る。このようなフルオロポリマー充填剤の使用により成形性および接着性が限定される可能性もある。
このような充填剤を使用する合成物の例として、半結晶性フッ素樹脂粒子(例えば、PTFEなど)を有するFFKMのブレンドを開示する米国特許第6,710,132号が挙げられ、これらの粒子は、コアシェル構造を有し、これらの材料のラテックスブレンドにより形成される。
米国特許第4,713,418号は、FFKMと溶融加工性熱可塑性フルオロポリマーを溶融ブレンドすることによって形成される組成物を開示している。この特許は、約10ミクロンの粒子が、再結晶化の際に溶融された熱可塑性物質のいくつかから再形成されることを主張している。溶融ブレンドはまた、米国特許第7,476,711号において、100nmを超える粒子で存在するFFKMとTFE−PAVEの半結晶性熱可塑性コポリマー(PFA溶融加工性コポリマー)とのブレンドを有する組成物から硬化した製品を形成するためにも使用されている。
さらなるフッ素樹脂/FFKMブレンドが米国特許第7,019,083号において開示され、これは、未硬化のペルフルオロポリマー(FFKMゴム)と組み合わせることができる窒素含有硬化部位を含むフッ素樹脂のラテックス粒子を含む。ラテックス粒子は、コアシェル構造のものであってよく、この場合、窒素含有硬化部位はコアシェル粒子のシェル上に提供される。フッ素樹脂粒子は、硬化の際に硬化したフルオロエラストマーマトリックス内に残る。
上記に述べられた米国特許第7,354,974号は、FFKMおよび半結晶性ポリマー、例えば、PTFEおよび/または100nmの平均サイズを超えるPFA−タイプコポリマーなどのコポリマーなどを溶融ブレンドすることを開示しており、この場合、ブレンド温度または硬化温度は、フッ素樹脂充填剤の溶融温度を上回る。
改善された熱特徴を有するベースのFFKM合成物を得るために、様々なポリマーが独特な硬化系と共に開発されてきた。例えば、米国特許第6,855,774号は、式
Figure 2019108563

で表される少なくとも2つの架橋可能な官能基を有するキュアリング剤の使用を教示している。ニトリル基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基である硬化部位を有するFFKM材料を用いた使用に対して硬化剤が提案されている。形成された架橋結合は、熱抵抗性の増加に貢献するものとして記載されている。米国特許第6,878,778号は、式:
Figure 2019108563

(式中、基のそれぞれにおいてRは、フッ素原子または一価の有機基であってよい)を有する少なくとも2つの基を有する硬化剤をさらに教示している。硬化剤を使用して形成された、結果として得られたポリマーは、優れた化学抵抗性および機械的強度ならびに高温での熱抵抗性を有するものとして記載されている。
独特な特性を達成するために、ブレンドされたFFKMも開発されている。FFKM、例えば、米国特許第6,855,774号および第6,878,778号から形成されたものなど、および他のFFKMもまた米国特許第8,367,776B2号に記載されているようにブレンドされてきた。その特許は、このようなポリマーならびに1種または複数のさらなるFFKM(組成物中のFFKM合成物の2つは、これらのペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)モノマー含有量の点から約5〜約25モルパーセントだけ異なる)を有する組成物について記載している。このようなブレンドは、フッ素樹脂充填剤を使用することなく十分機能することができ、このような充填された材料の代替であり、ある場合にはこれらの改善形である組成物を形成する能力を提供する。このようなブレンドはまた、溶融ブレンドした組成物において必要とされるような高温混合を必要とせず、刺激の強い化学物質の存在下で耐亀裂性、ならびに良好な熱抵抗性およびプラズマ抵抗性の特性を提供する。
したがって、混じりけのない、もしくは無充填合成物を形成することによって、および/または上記に述べられた特許および公報に記載されているような様々なPAVE含有量を有するFFKMをブレンドすることによってFFKMを改善するために、様々なブレンド、独特な硬化系および充填剤が上述のように提案されているが、硬化の際に、良好なおよびより低い圧縮永久ひずみ値、良好なプラズマ抵抗性、ならびに良好な物理的特性、例えば、相対的に低い硬度、ならびに十分な強度および伸長などを保持し、特に高温環境に遭遇する、半導体加工のもののようなハイエンドの封止用途における使用に対する、ますます厳しくなる必要条件を引き続き満たすために良好な吸着特性を実証することもできるペルフルオロエラストマー組成物へのさらなる改善に対する当技術分野における必要性が継続して存在する。
米国特許第6,710,132号明細書 米国特許第4,713,418号明細書 米国特許第7,476,711号明細書 米国特許第7,019,083号明細書 米国特許第7,354,974号明細書 米国特許第6,855,774号明細書 米国特許第6,878,778号明細書 米国特許第8,367,776号明細書
発明の簡単な要旨
ここで本発明に含まれているのは、テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテル、および少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第1の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、テトラフルオロエチレンが第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に少なくとも約50モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも1種の硬化剤とを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物である。好ましくは、第1の硬化性ペルフルオロポリマーは、少なくとも約60モルパーセントのテトラフルオロエチレン、より好ましくは少なくとも約70モルパーセントのテトラフルオロエチレンを含む。加えて、第1のペルフルオロポリマーは、約60〜約95モルパーセントのテトラフルオロエチレンを含んでもよい。
このような組成物は、好ましくは、第1の硬化性ペルフルオロポリマーおよび第2の硬化性ペルフルオロポリマーを、約25対約75モルパーセント〜約75対約25モルパーセント、好ましくは約40対約60モルパーセント〜約60対約40モルパーセント、または約70対約30〜約30対約70、および最も好ましくは約50対約50の比で有するブレンドである。
少なくとも1種の硬化部位モノマーのそれぞれは、好ましくは、第1の硬化性ペルフルオロポリマーおよび第2の硬化性ペルフルオロポリマーのそれぞれの中で、約0.01〜約10モルパーセントの量でそれぞれ存在する。少なくとも1種の硬化剤は、好ましくは、組成物中、ペルフルオロポリマー100重量部当たり、約0.01〜約6重量部、より好ましくは、組成物中、ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.01〜約2重量部の量で存在する。
第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも1種の硬化部位モノマー中の少なくとも1つの硬化部位は、好ましくは窒素含有硬化部位である。第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも1種の硬化部位モノマー中の少なくとも1つの硬化部位は、シアノ、カルボキシル、カルボニル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。第2の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも1つの硬化部位モノマー中の硬化部位は、好ましくは窒素含有硬化部位である。第2の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも1種の硬化部位モノマー中の硬化部位は、シアノ、カルボキシル、カルボニル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
フッ素樹脂粒子は、好ましくは、ラテックス重合中の溶融ブレンドまたはブレンドのいずれかの結果として、最も好ましくは、ラテックス重合中のブレンドの結果として、第2の硬化性フルオロポリマー中に存在する。フッ素樹脂粒子は、窒素含有硬化部位モノマーを含み、第2の硬化性フルオロポリマーは、ハロゲン、窒素含有基、カルボキシル、アルコキシカルボニルおよびこれらの組合せからなる群から選択される硬化部位を有する硬化部位モノマーを含み、この硬化部位モノマーは、ある特定の形態のフルオロポリマー粒子のためのコアシェル構造のシェルの中に含めることができることがさらに好ましい。
少なくとも1種の硬化剤は、フッ化イミドイルアミジン;ビスアミノフェノール;ビスアミジン;ビスアミドキシム;ビスアミドラゾン;モノアミジン;モノアミドキシム;モノアミドラゾン;ビスアミノチオフェノール;ビスジアミノフェニル;式(II):
Figure 2019108563

(式中、Rは、同じでありまたは異なり、それぞれは、−NH、−NHR、−OHまたは−SHであり、Rは、一価の有機基である)
で表される少なくとも2つの架橋性基を有する芳香族アミン;式(III):
Figure 2019108563

(式中、Rは、−SO−、−O−、−CO−、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、1〜10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレン基、または単結合であり、Rは、
Figure 2019108563

である)
で表される化合物;式(IV):
Figure 2019108563

(式中、R は、1〜10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレン基である)
で表される化合物;式(V):
Figure 2019108563

(式中、nは、1〜10の整数である)
で表される化合物、およびこれらの組合せからなる群から選択することができ、少なくとも1種の硬化剤は、少なくとも1種の第1のペルフルオロポリマー中の少なくとも1つの硬化部位と、第2のペルフルオロポリマー中の少なくとも1つの硬化部位とを反応させることによって、組成物中で、少なくとも1種のペルフルオロポリマーと、少なくとも1種の第2のペルフルオロポリマーを架橋することが可能である。
少なくとも1種の硬化剤は、より好ましくは、式(II)(式中、Rは、−NHR;フッ化イミドイルアミジン;ビスアミノフェノール;およびこれらの組合せである)で表される少なくとも2つの架橋性基を有する芳香族アミンからなる群から選択される。
一実施形態では、硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、
Figure 2019108563

ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せからなる群から選択される化合物としての少なくとも1種の硬化剤を含む。
またさらなる実施形態では、本明細書で上述されているような組成物の中で、エラストマー組成物はペルフルオロエラストマー組成物であり、少なくとも1種の硬化剤は、
Figure 2019108563

を含む。
このような実施形態では、少なくとも1種の硬化剤は、ビスアミノフェノールまたはビスアミノフェノールAFをさらに含み得る。これに加えてまたはこの代替として、少なくとも1種の硬化剤は、
Figure 2019108563

をさらに含み得る。
本明細書中の硬化性フッ素含有エラストマー組成物の別の実施形態では、エラストマー組成物は、ペルフルオロエラストマー組成物であり、少なくとも1種の硬化剤は、
Figure 2019108563

を含む。
本明細書の一実施形態では、第1の硬化性フルオロポリマーおよび/または第2の硬化性フルオロポリマー中の硬化部位モノマーは、
CF=CFO(CFCN
であることがさらに好ましい。本発明はまた、テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第1の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、テトラフルオロエチレンが第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に少なくとも約50モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、
Figure 2019108563

ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の硬化剤少なくとも1種の硬化剤からなる群から選択される少なくとも1種の硬化剤少なくとも1種の硬化剤とを含む硬化性ペルフルオロエラストマー組成物であって、第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の硬化部位モノマーおよび第2の硬化性ペルフルオロポリマー中の硬化部位モノマーのうちの少なくとも1種がCF=CFO(CFCNであり、第2の硬化性フルオロポリマーが、ラテックス重合中のブレンドの結果としてフッ素樹脂粒子を含み、このフッ素樹脂粒子が、窒素含有硬化部位モノマーを含む、硬化性ペルフルオロエラストマー組成物を含む。
本実施形態では、テトラフルオロエチレンは、好ましくは、少なくとも約60モルパーセント、より好ましくは少なくとも約70モルパーセントの量で第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に存在する。テトラフルオロエチレンはまた、約60モルパーセント〜約95モルパーセントの量で第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に存在してもよい。
本発明はまた、テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第1の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、テトラフルオロエチレンが第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に少なくとも約50モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも1種の硬化剤とのブレンドを含む硬化性フッ素含有組成物を硬化させることによって形成される硬化したフッ素含有エラストマーを含む。
テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第1の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、テトラフルオロエチレンが第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に少なくとも約50モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび
少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも1種の硬化剤とのブレンドを含む組成物を熱硬化および成形することによって形成される成形品もまた本発明の範囲内である。
本明細書中の好ましい実施形態は、テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよびそれぞれが少なくとも2つの硬化部位を有する少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも2種の硬化剤とを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物をさらに含む。
本実施形態では、テトラフルオロエチレンは、少なくとも約50モルパーセント、好ましくは約50〜約75パーセントの量で第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に存在し得る。組成物は、第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、第2の硬化性ペルフルオロポリマーとを、約25対約75モルパーセント〜約75対約25モルパーセント、好ましくは約40対約60モルパーセント〜約60対約40モルパーセント、または約30対約70〜約70対約30の比で、最も好ましくは約50対約50の比で含み得る。
第1の硬化性ペルフルオロポリマーの少なくとも2種の硬化部位モノマーおよび第2の硬化性ペルフルオロポリマーの少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーがそれぞれ、好ましくは、第1の硬化性ペルフルオロポリマーおよび第2の硬化性ペルフルオロポリマーのそれぞれの中で、約0.01〜約10モルパーセントの量で存在する。第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも2種の硬化部位モノマー中の硬化部位は、好ましくは、窒素含有硬化部位であってよい。第1の硬化性ペルフルオロポリマーは、第1のシアノ硬化部位を含む第1の硬化部位モノマーと、第2のシアノ硬化部位を含む第2の硬化部位モノマーとを含むことができる。
第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも2種の硬化部位モノマーのそれぞれの中の少なくとも1つの硬化部位は、シアノ、カルボキシル、カルボニル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
本発明の本実施形態における少なくとも2種の硬化剤は、組成物中のペルフルオロポリマー100重量部当たり、約0.01〜約6重量部の総量で存在し得る。
組成物は、組成物中のペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.01重量部〜約6重量部の量の第1の硬化剤と、組成物中の約0.1重量部〜約2重量部のペルフルオロポリマーの量の第2の硬化剤とを含み得る。
本実施形態での第1の硬化剤は、好ましくは
Figure 2019108563

であり、第2の硬化剤は、好ましくは
Figure 2019108563

(式中、各Rは、独立して、−NH、−NHR、−OHまたは−SHであり、Rは一価の有機基であり、Rは、−SO、−O−、−CO−、1〜約6個の炭素原子のアルキレン基、1〜約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基、単結合または式(IX)
Figure 2019108563

で示されるような基である)
である。
より好ましくは、本実施形態での第2の硬化剤は、式(X):
Figure 2019108563

(式中、Rは、独立して、水素、1〜約10個の炭素原子のアルキル基;1〜10個の炭素原子の、部分的にフッ化もしくはペルフルオロ化したアルキル基;フェニル基;ベンジル基;またはフッ化もしくは部分的にフッ化したフェニル基;フッ化もしくは部分的にフッ化したベンジル基;または官能基を有するフェニルもしくはアルキル基、または低級アルキルもしくはペルフルオロアルキル基である基から選択される)
による化合物である。
好ましい一実施形態では、組成物中の硬化剤の組合せは、式(XII)による化合物である第1の硬化剤と、ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノール、およびこれらの組合せである第2の硬化剤であり、第1の硬化剤の第2の硬化剤に対する比は、約0.5:1〜約35:1、好ましくは約1:1〜約32:1、最も好ましくは約8:1〜約16:1である。
さらにより好ましくは本実施形態では、第2の硬化剤は、ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、またはこれらの組合せである。フッ素樹脂粒子は、好ましくは、ラテックス重合中の溶融ブレンドまたはブレンドの結果として第2の硬化性フルオロポリマー中に存在する。
第2の硬化性フルオロポリマーはまた、ラテックス重合中のブレンドの結果としてフッ素樹脂粒子を含んでもよく、フッ素樹脂粒子は、窒素含有硬化部位モノマーを含んでもよ
く、この第2の硬化性フルオロポリマーは、ハロゲン、窒素含有基、カルボキシル、アルコキシカルボニルおよびこれらの組合せからなる群から選択される硬化部位を有する硬化部位モノマーを含む。
本実施形態での少なくとも2種の硬化剤は、好ましくは、
Figure 2019108563

ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
第2の硬化性フルオロポリマー中の硬化部位モノマーは、CF=CFO(CFCNであってよい。
さらなる実施形態では、本発明は、テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよびそれぞれが少なくとも1つの窒素含有硬化部位を有する少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、テトラフルオロエチレンが第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に約50モルパーセント〜約70モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、式(XII)
Figure 2019108563

による第1の硬化剤、ならびにビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せから選択される第2の硬化剤とを含む硬化性ペルフルオロエラストマー組成物であって、第2の硬化性フルオロポリマーが、好ましくは、ラテックス重合中のブレンドの結果としてフッ素樹脂粒子を含み、フッ素樹脂粒子が窒素含有硬化部位モノマーを含む、硬化性ペルフルオロエラストマー組成物を含む。
さらなる実施形態では、本発明は、テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよびそれぞれが少なくとも2つの硬化部位を有する少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも2種の硬化剤とを含む硬化性フッ素含有組成物を硬化することによって形成される、硬化したフッ素含有エラストマーを含む。
本発明は、本実施形態の組成物から形成される成形品をさらに含む。
発明の詳細な説明
良好なプラズマ抵抗性および化学抵抗性を有し、さらなる充填剤の配合なしで製造することができるが、必要とされる機械的特性、優れた熱抵抗性、および本明細書中の一部の実施形態では、良好な吸着(密着力)特性も提供する組成物が本明細書中で提供される。達成される特性の組合せは、組成物中の2種またはそれ超の硬化性ペルフルオロポリマーを、本明細書に記載されているような少なくとも1種の硬化剤と選択的にブレンドすることによって得ることができる。生成した材料は、熱硬化し、成形品へと加工することができる。本明細書中の硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、2種またはそれ超のこのような硬化性ペルフルオロポリマーを有する。
組成物中で2種またはそれ超のペルフルオロポリマーが使用および/または硬化されてペルフルオロエラストマーがブレンドされた組成物を形成することが本明細書中で好ましいが、このようなポリマーは、硬化した際にその中にこれらの構成要素を有するフッ化エラストマーを形成する他の非ペルフルオロ化硬化性フルオロポリマーと組み合わせて使用してもよい。
本出願で使用する場合、「ペルフルオロエラストマー」または「硬化したペルフルオロエラストマー」は、他に指摘されていない限り、硬化性ペルフルオロポリマー、例えば、本明細書に記載されている硬化性ペルフルオロエラストマー組成物中の硬化性ペルフルオロポリマーなどを硬化させることによって形成される任意の硬化したエラストマー材料または組成物を含む。
硬化したペルフルオロエラストマーを形成するために使用することができる「硬化性ペルフルオロポリマー」(当技術分野で時には「ペルフルオロエラストマー」またはより適切には「ペルフルオロエラストマーゴム」とも呼ばれている)は、実質的には完全にフッ化しているポリマーであり、そのポリマー骨格上で完全にペルフルオロ化していることが好ましい。本開示に基づき、官能基の架橋基の一部として水素を使用することにより、いくつかの残存する水素が、これらの材料の架橋内のいくつかのペルフルオロエラストマー中に存在し得ることを理解されたい。硬化した材料、例えば、ペルフルオロエラストマーなどは架橋ポリマー構造である。
ペルフルオロエラストマー組成物中で使用することによって、硬化の際に、硬化したペルフルオロエラストマーを形成する硬化性ペルフルオロポリマーは、1種または複数のペルフルオロ化モノマーを重合化することによって形成され、これらのモノマーの1つは、好ましくは、硬化を可能にする官能基(この官能基はペルフルオロ化されなくてもよい反応性基を含む)である「硬化部位」を有する、ペルフルオロ化硬化部位モノマーである。2種またはそれ超のペルフルオロポリマー、および好ましくは少なくとも1種の硬化剤(キュアリング剤)を本明細書の組成物の中で組み合わせ、次いでこれを硬化して、結果として生じる、架橋した、硬化したフルオロエラストマー組成物、好ましくは本明細書に記載されているようなペルフルオロエラストマー組成物を形成する。
本明細書で使用する場合、硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、2種またはそれ超の硬化性ペルフルオロポリマーから形成され、ブレンドおよび組み合わせた組成物である「ペルフルオロエラストマー組成物」であってよく、これらの硬化性ペルフルオロポリマーのそれぞれは、硬化を可能にする少なくとも1つの官能基(硬化部位)を有する少なくとも1種のペルフルオロ化モノマー、すなわち、少なくとも1種の硬化部位モノマーを含む、2種またはそれ超のペルフルオロ化モノマーを重合化することによって形成される。このような硬化性ペルフルオロポリマー材料はまた、the American Standardized Testing Methods(ASTM)の標準化したゴム定
義に従い、さらに本明細書で記載されているように、一般的にFFKMとも呼ばれている。
本明細書で使用する場合、「圧縮永久ひずみ」とは、変形圧縮荷重を除去した後、ゆがんだままであり、その元の形状に戻らないエラストマー材料の性質を指す。圧縮永久ひずみ値は、材料が回復できない元のたわみのパーセンテージとして表現される。例えば、0%の圧縮永久ひずみ値は、変形圧縮荷重の除去後に材料がその元の形状に完全に戻ることを示している。逆に、100%の圧縮永久ひずみ値は、材料が、付与された変形圧縮荷重からまったく回復しないことを示す。30%の圧縮永久ひずみ値は、元のたわみの70%が回復したことを意味する。より高い圧縮永久ひずみ値は、シール漏出の可能性を一般的に示し、よって、30%またはそれ未満の圧縮永久ひずみ値が封止技術分野において好ましい。
本明細書に記載されているように、本発明は、硬化性フッ素含有組成物、好ましくは硬化性ペルフルオロエラストマー組成物、硬化した組成物、好ましくは硬化したペルフルオロエラストマー組成物およびこれから形成される成形品を含む。
このようなペルフルオロエラストマー組成物は、好ましくは、2種またはそれ超の硬化性ペルフルオロポリマー、好ましくはペルフルオロ−コポリマーを含み、これらのペルフルオロポリマーのうちの少なくとも1種は、高い含有量のテトラフルオロエチレン(TFE)を有する。他の適切なコモノマーは、他のエチレン性不飽和のフルオロモノマーを含み得る。両方のポリマーは、好ましくは、TFEまたは別の類似のペルフルオロ化オレフィンモノマーを有するが、少なくとも1種は、高TFEペルフルオロポリマーである。各ポリマーはまた、好ましくは1種または複数のペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)を有し、これは、直鎖または分枝であってよいアルキルまたはアルコキシ基を含み、またエーテル結合を含んでもよく、本発明での使用に好ましいPAVEとして、例えば、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロメトキシビニルエーテルおよび他の類似の化合物が挙げられ、特に好ましいPAVEは、PMVE、PEVEおよびPPVEであり、最も好ましいのは、本明細書中の硬化性組成物を硬化させることで形成される、生成した製品に優れた機械的強度を提供するPMVEである。PAVEは、その使用が、本明細書に記載されている本発明と一致する限り、硬化性ペルフルオロポリマー内、および最終的な硬化性組成物中で、単独でまたは上記に述べられたPAVEタイプと組み合わせて使用することができる。
好ましいペルフルオロポリマーは、TFEと、少なくとも1種のPAVEと、硬化性ポリマーの架橋を可能にする硬化部位または官能基を組み込んだ少なくとも1種のペルフルオロ化硬化部位モノマーとのコポリマーである。硬化部位モノマーは、本明細書中で述べられた好ましい硬化部位を有する様々なタイプのものであってよい。好ましい硬化部位は、好ましくは、窒素含有基を有するものであるが、特に第1および第2の硬化性ペルフルオロポリマー以外にさらなる硬化性ペルフルオロポリマーが組成物に提供され得るので、他の硬化部位の基、例えば、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、または、例えば、ヨウ素もしくは臭素を有するハロゲン化した基など、ならびに当技術分野で公知の他の硬化部位もまた使用することができる。結果的に、本開示は、本明細書中で様々な好ましい硬化剤(本明細書中で架橋剤、キュアリング剤とも呼ばれている)を提供するが、当技術分野で公知の他の硬化部位が使用される場合、このような代替の硬化部位を硬化させることが可能な他の硬化剤を使用することもできる。例えば、有機性過酸化物ベースの硬化剤および共硬化剤は、ハロゲン化した官能基の硬化部位基と共に使用することができる。第1と第2のペルフルオロポリマーの両方が窒素含有硬化部位を含むことが最も好ましい。
例示的硬化部位モノマーが以下に列挙され、これらの大部分は、構造がPAVEベースのものであり、反応部位を有する。ポリマーは様々であってよいが、好ましい構造体は、以下の構造(A):
CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF−X(A)
(式中、mは0または1〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、Xは窒素含有基、例えば、ニトリルまたはシアノである)
を有するものである。しかし、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン化した末端基もまた、Xとして使用することができる。最も好ましくは、本明細書中の組成物中の第1と第2の硬化性ペルフルオロポリマーのいずれかまたは両方における硬化部位モノマーは、上記に述べられた(A)(式中、mは0であり、nは5である)によるものである。本明細書中で述べられた硬化部位または官能基X、例えば、窒素含有基は、硬化剤と反応した場合の架橋のための反応部位を含む。式(A)による化合物は、単独で、または様々な、任意選択のこれらの組合せで使用することができる。架橋の観点から、架橋官能基は窒素含有基、好ましくは、ニトリル基であることが好ましい。
式(A)による硬化部位モノマーのさらなる例は、以下の式(1)〜(17)を含む:CY=CY(CF−X(1)
(式中、YはHまたはFであり、nは1〜約8の整数である)
CF=CFCF −X(2)
(式中、R は(−CF−、−(OCF−であり、nは0または1〜約5の整数である)
CF=CFCF(OCF(CF)CF(OCHCFCFOCHCF−X(3)
(式中、mは0または1〜約5の整数であり、nは0または1〜約5の整数である)
CF=CFCF(OCHCFCF(OCF(CF)CFOCF(CF)−X(4)
(式中、mは0または1〜約5の整数であり、nは0または1〜約5の整数である)
CF=CF(OCFCF(CF))O(CF−X(5)
(式中、mは0または1〜約5の整数であり、nは1〜約8の整数である)
CF=CF(OCFCF(CF))−X(6)
(式中、mは1〜約5の整数である)
CF=CFOCF(CF(CF)OCFCF(−X)CF(7)
(式中、nは1〜約4の整数である)
CF=CFO(CFOCF(CF)−X(8)
(式中、nは2〜約5の整数である)
CF=CFO(CF−(C)−X(9)
(式中、nは1〜約6の整数である)
CF=CF(OCFCF(CF))OCFCF(CF)−X(10)
(式中、nは1〜約2の整数である)
CH=CFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)−X(11)
(式中、nは0または1〜約5の整数である)
CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF=X(12)
(式中、mは0または1〜約4の整数であり、nは1〜約5の整数である)
CH=CFCFOCF(CF)OCF(CF)−X(13)
CH=CFCFOCHCF−X(14)
CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCF(CF)−X(15)
(式中、mは、0を超える整数である)
CF=CFOCF(CF)CFO(CF−X(16)
(式中、nは、少なくとも1である整数である)
CF=CFOCFOCFCF(CF))OCF−X(17)
(式中、Xは、モノマーの反応部位サブユニット、例えば、ニトリル(−CN)、カルボキシル(−COOH)、アルコキシカルボニル基[−COOR(式中、Rは、フッ化またはペルフルオロ化されていてもよい、1〜約10個の炭素原子のアルキル基である)]、ハロゲンまたはアルキル化ハロゲン基(IまたはBr、CHIなど)などであってよい)。ペルフルオロポリマーの硬化から生成されるペルフルオロエラストマーに対して、ならびに重合反応によりペルフルオロエラストマーを合成する場合の連鎖移動により分子量の低下を阻止するために、優れた熱抵抗性が所望される場合、ポリマー骨格鎖内に位置することになる硬化部位モノマーの骨格のその部分の中に水素原子を有さないペルフルオロ化化合物が使用されることが好ましい。さらに、CF=CFO−構造を有する化合物は、TFEとの優れた重合反応性を提供するという観点から好ましい。
適切な硬化部位モノマーは、好ましくは、好ましい架橋反応性のために窒素含有硬化部位、例えば、ニトリルまたはシアノ硬化部位などを有するものを含む。しかし、カルボキシル、アルコキシカルボニル、COOHを有する硬化部位(上記に述べられたものに加えて複数のおよび様々な骨格を有する)および当技術分野で公知であり、開発されるべき他の類似の硬化部位もまた使用することができる。硬化部位モノマーは、単独でまたは様々な組合せで使用することができる。
本明細書中で使用される1つの好ましい高TFEペルフルオロポリマーにおいて、好ましいペルフルオロポリマーは、好ましくは、ペルフルオロポリマー化合物中のTFEのモルパーセンテージを有し、これは、少なくとも約50モルパーセント、より好ましくは約60モルパーセント、最も好ましくは約70モルパーセントまたはそれ超である。約60モルパーセント〜約95モルパーセントの使用は、様々な有用な高TFEペルフルオロポリマーに対して本明細書中で許容される。1つのこのような好ましいモノマー含有量は、69.4:30.2:0.43であるTFE/PAVE/硬化部位モノマーであるが、ただし、正確なモノマー含有量は、異なる使用および効果に対して異なってもよい。本明細書中の他の好ましい実施形態では、高TFEペルフルオロポリマーは、約50〜約70モルパーセントのTFEのTFE含有量を有することができる。
様々なPAVEを高TFEに使用することができる。一実施形態では、硬化部位モノマーは、好ましくはCF=CFO(CFCNであり、他の実施形態では、第1および第2のシアノ硬化部位基を有する硬化部位モノマーのうちの1種または複数であってよい。
適切なペルフルオロポリマーは、ダイキン工業株式会社から市販されており、米国特許第6,518,366号および第6,878,778号および米国公開特許出願第2008−0287627号に記載されており、これらはそれぞれ、その中に記載されている高TFEペルフルオロポリマーに関して関連する部分において、本明細書中に援用されている。少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む、本明細書中の好ましい実施形態における使用のためのさらなる市販のペルフルオロポリマーは、Federal State Unitary Enterprise S.V. Lebedev Institute
of Synthetic Rubber of Petersburg、Russiaまたは米国のLodestarから入手可能なものであり、このようなペルフルオロエラストマーに関して関連する部分、これらの内容およびこれを製造する方法について、本明細書中に援用されている国際公報WO00/29479A1の範囲内に記載されている通りであり、またはPFK−65もしくはPFK−100として販売されている。
本明細書中の一実施形態において好ましい組成物は、約50〜約71モルパーセントの範囲のTFE含有量;約26〜約45の範囲のPAVE含有量、約0.35〜約0.6モルパーセントの第1の硬化部位モノマーおよび約1.9〜約2.5モルパーセントの第2
の硬化部位モノマーを有する。
本明細書中で使用される第2のペルフルオロポリマーは、高TFEの第1のペルフルオロポリマーとしての使用に対して上記に述べられたものと同じでも異なっていてもよく、TFEの高い含有量を有することができるが、必ずしも有する必要はない。好ましくは、第2のペルフルオロポリマーは、フッ素樹脂材料がポリマー中にブレンドされて、微粒子形態でポリマー内に存在し、この微粒子形態が好ましくはマイクロ微粒子またはナノ微粒子形態のものであるが、しかし、使用される製造方法に応じて粒径は異なり得る。粒子は、様々な形態でおよび様々な技術を使用して提供することができる。フッ素樹脂、例えば、PTFE、およびその溶融加工性コポリマー(FEPおよびPFAタイプポリマー)、様々なサイズのコアシェルポリマー(マイクロ粒子、ナノ粒子など)などは、機械的手段もしくは化学処理および/または重合により材料に組み込むことができる。好ましくは、フルオロ粒子は、マイクロ粒径もしくはナノ粒径であり、および/または溶融ブレンドもしくはラテックス重合技術を使用して、第2のペルフルオロポリマーへ組み込むことができる。溶融ブレンド技術、例えば、米国特許第4,713,418号および第7,476,711号など(これらのそれぞれは、このような溶融加工技術に関して本明細書に参照により援用されている)に記載されているものなどを利用することができる。ラテックス重合技術、および他の液体系もまた有用であり、フッ素樹脂を本明細書中の第2のペルフルオロポリマーに組み込むために最も好ましい。適切な方法ならびにコアシェルおよび他の粒子(粒子中に硬化部位も組み込まれている)を組み込んだ、生成したペルフルオロポリマーは、フッ素樹脂粒子を有するこのようなペルフルオロポリマーおよびこれを製造するための方法に関して本明細書に参照により援用されている米国特許第7,019,083号に記載されており、この中に記載されているモノマー含有量および材料の組合せを有することができる。適切なこのようなポリマーは、St.Paul、Minnesotaの3M Corporationから市販されている。このようなフッ素樹脂粒子は、エラストマー組成物へと最終的に硬化した場合、これらの硬化部位モノマーによってペルフルオロエラストマーマトリックスに統合されたままである。
他のペルフルオロポリマーおよび上記に述べられたなどの硬化部位モノマーを使用してこれから形成される、結果として生じるエラストマーの例は、米国特許第6,518,366号、第6,878,778号および米国公開特許出願第2008−0287627号ならびに米国特許第7,019,083号において見出すこともでき、それぞれがその中に記載されているペルフルオロポリマーならびにこれらの生成したエラストマーおよびこれを形成する方法に関して関連する部分において本明細書中に援用されている。
本明細書中で特許請求された組成物中で使用するためのペルフルオロポリマーは、例えば、乳化重合、ラテックス重合、連鎖開始重合、バッチ重合およびその他を含めた重合を使用してフッ素含有エラストマーを形成するための任意の公知のまたは開発されるべき重合技術を使用して合成することができる。好ましくは、重合は、反応性の硬化部位がポリマー骨格のいずれかの末端もしくは両方の末端に位置し、および/または主要ポリマー骨格に依存するように行われる。
ポリマーを製造する1つの可能な方法は、開始剤、例えば、フッ素含有エラストマー(有機または無機の過酸化物およびアゾ化合物)の重合に対して当技術分野で公知のものなどを使用するラジカル重合が挙げられる。典型的な開始剤は、ペルスルフェート、ペルカーボネート、ペルエステルなどであり、好ましい開始剤は、過硫酸の塩、酸化カーボネートおよびエステル、ならびに過硫酸アンモニウムであり、最も好ましいものは過硫酸アンモニウム(APS)である。これらの開始剤は、単独でまたは還元剤、例えば、スルファイトおよび亜硫酸塩などと共に使用することができる。
乳化重合のために多種多様な乳化剤を使用することができるが、好ましいものは、重合中に生じる乳化剤分子に対する連鎖移動反応を抑制するために、フルオロカーボン鎖またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩である。乳化剤の量は一般的に、加えた水に対して、約0.05〜2重量パーセント、および好ましくは0.2〜1.5重量パーセントの量で使用される。特別な配置を使用して、重合装置付近のスパークなどの発火源を回避すべきであることが述べられている。G.H. Kalb、Advanced Chemistry Series、129巻、12頁(1973年)を参照されたい。
重合圧力は異なっていてもよく、一般的に0.5〜7MPaの範囲内であることができる。重合圧力が高いほど、重合速度が速くなる。したがって生産性の向上が所望される場合、重合圧力は、好ましくは少なくとも0.7MPaである。ラテックス重合技術はまた、その中に記載されている製造技術について同様に本明細書に参照により援用されている、米国特許第7,019,083号にも記載されている。
当技術分野で公知の標準的重合手順を使用することができる。窒素含有基、例えば、ニトリルもしくはシアノなど、カルボキシル基、またはアルコキシカルボニル基を本明細書中の硬化性ペルフルオロポリマーにおいて使用するものとすると、この基は、その基を含有する架橋部位を有するさらなるモノマーを共重合することによって、ポリマー中に含むことができる。フッ素含有エラストマーを調製する際に、硬化部位モノマーを加え、共重合してもよい。このような基をポリマーに提供するためのさらなる方法は、重合生成物内に含有されているカルボン酸の金属塩またはアンモニウム塩などの基をカルボキシル基に変換するために、重合生成物を酸処理に供することによるものである。適切な酸処理方法の例は、塩酸、硫酸、硝酸または発煙硫酸で洗浄すること、または重合反応後に混合物系のpH値を、上述の酸を使用して3もしくはそれ未満に下げることによるものである。カルボキシル基を導入するための別の方法は、ヨウ素および臭素を有する架橋可能なポリマーを発煙硝酸で酸化することによるものである。
未硬化のペルフルオロポリマーは市販されており、3M Corporation、St.Paul、Minnesotaにより、Dyneon(商標)の名称で販売されているペルフルオロポリマー、Daiel−Perfluor(登録商標)およびダイキン工業株式会社(大阪、日本)から入手可能な他の類似のポリマーが含まれる。他の好ましい材料はまた、イタリアのSolvay Solexis、Federal State Unitary Enterprise S.V. Lebedev Institute of Synthetic Rubber of Petersburg、Russia、旭硝子(日本)、およびW.L.Goreからも入手可能である。
様々な硬化性フッ素含有組成物および本発明のエラストマー含有組成物と共に使用するための硬化剤(本明細書中で架橋剤またはキュアリング剤とも呼ばれている)は、本明細書中に記載されている様々な硬化部位と共に使用するためのものであり、架橋を形成するために、組成物中の硬化部位モノマーの硬化部位もしくは官能基、または様々な未硬化のペルフルオロポリマーの硬化部位と硬化可能(すなわち、架橋可能)、または他のやり方で硬化反応を生じることが可能なはずである。好ましい架橋剤またはキュアリング剤は、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、またはトリアジン環を有する架橋を形成するものである。このような化合物ならびにアミドキシム、テトラアミンおよびアミドラゾンを含めた他の硬化剤を、本発明において架橋のために使用することができる。これらの中でも、イミダゾールは、優れた機械的強度、熱抵抗性、化学抵抗性、低温抵抗性を提供する架橋製品、特に、熱抵抗性と低温抵抗性に関してバランスがとれていて、優れている硬化製品が達成可能であるという点で好ましい。
窒素含有硬化部位に対して、好ましい硬化剤は、ビスアミノフェノール、ビスアミノフ
ェノールAF、およびこれらの組合せを含めたビスフェニルベースの硬化剤およびその誘導体;ビスアミノチオフェノール(bisaminothiphenols)、パラベンゾキノンジオキシム(PBQD)、ならびに様々なこのような化合物の塩、およびテトラフェニルスズを使用することができる。適切な硬化剤の例は、例えば、米国特許第7,521,510B2号、第7,247,749B2号および第7,514,506B2号に見出すことができ、これらのそれぞれは、シアノ基含有ペルフルオロポリマーのための様々な硬化剤の列挙に関して関連する部分において本明細書中で援用されている。加えて、ペルフルオロポリマーは、照射硬化技術を使用して硬化させることができる。
第1の好ましい実施形態では、シアノ基を有する硬化部位に対する好ましい硬化剤は、硬化の際にベンゾイミダゾール架橋構造を形成する、以下の式(I)および(II)のような少なくとも2つの架橋性基を有する芳香族アミンまたはこれらの組合せを有する硬化剤である。これらの硬化剤は、当技術分野で公知であり、これらの全体が本明細書中で援用されている、米国特許第6,878,778号およびUS6,855,774号において、関連する部分において、および具体例を用いて考察されている。
Figure 2019108563

(式中、Rは、式(II)による各基の中で同じでありまたは異なり、NH、NHR、OH、SHまたは一価の有機基もしくは他の有機基、例えば、約1〜約10個の炭素原子の、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキルおよびアラルキルオキシであってよく、ここで、非アリール型の基は、分枝鎖もしくは直鎖であってよく、置換もしくは非置換であってよく、Rは、−NH、−OH、−SHまたは一価もしくは他の有機基、例えば、脂肪族炭化水素基、フェニル基およびベンジル基、またはアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキルならびにアラルキルオキシ基などであってよく、ここで、各基は、約1〜約10個の炭素原子であり、非アリール型の基は、分枝鎖または直鎖であってよく、置換または非置換であってよい)。好ましい一価の有機基または他の有機基、例えば、アルキルおよびアルコキシ(またはそのペルフルオロ化バージョン)などは、1〜6個の炭素原子であり、好ましいアリール型の基はフェニルおよびベンジル基である。その例として、−CF、−C、−CHF、−CHCFもしくは−CH、フェニル基、ベンジル基;または水素原子のうちの1〜約5個がフッ素原子で置換されているフェニルもしくはベンジル基、例えば、−C、−CH(式中、基は、−CFもしくは他の低級ペルフルオロアルキル基を含めた基でさらに置換されていてもよい)、または、1〜5個の水素原子がCFで置換されているフェニルもしくはベンジル基、例えば、C5−n(CF、−CH5−n(CF(式中、nは1〜約5である)などが挙げられる。水素原子は、フェニルまたはベンジル基でさらに置換されていてもよい。しかし、フェニル基およびCHは、優れた熱抵抗性、良好な架橋反応性および相対的に簡単な合成を提供する
ので好ましい。
有機アミンに式(I)または(II)が組み込まれている構造体は、少なくとも2つの架橋反応性基が得られるように、式(I)または(II)のうちの少なくとも2つのこのような基を含むべきである。
以下に示されている式(III)、(IV)および(V)を有する硬化剤も本明細書で有用である。
Figure 2019108563

(式中、Rは、好ましくはSO、OもしくはCO、または有機もしくはアルキレン型の基、例えば、1〜6個の炭素原子の、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルもしくはアラルコキシ基など、または約1〜約10個の炭素原子を有し、分枝鎖もしくは直鎖であり、飽和もしくは不飽和であり、および分枝鎖もしくは直鎖である(非アリール型の基に関して)このような基のペルフルオロ化バージョン、または単結合であり、Rは、好ましくは、以下に示されているもの:
Figure 2019108563

などの反応性の側基である);
Figure 2019108563

(式中、R は、直鎖もしくは分枝鎖基であってよい、および/または飽和もしくは不飽和であってよい、および/または置換もしくは非置換であってよい、約1〜約10個の炭素原子のペルフルオロアルキルもしくはペルフルオロアルコキシ基である);および
Figure 2019108563

(式中、nは約1〜約10の整数である)。
本明細書中の硬化剤のすべての組合せは、本発明の範囲内である。熱抵抗性に対して、オキサゾール環、イミダゾール環、チアゾール環およびトリアジン環形成架橋剤が好ましく、以下に列挙された式の化合物を含むことができ、式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)、具体的には、式(II)(式中、Rは、同じでありまたは異なり、それぞれは、−NH、−NHR、−OHまたは−SHであり、Rは一価の有機基であり、好ましくは水素ではない);式(III)(式中、Rは、−SO−、−O
−、−CO−、および1〜約6個の炭素原子のアルキレン基、1〜約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基または単結合であり、Rは、以下に記述されている通りである);式(IV)(式中、R は、1〜約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基である)、および式(V)(式中、nは1〜約10の整数である)に関してさらに以下に考察されている。このような化合物の中でも、本明細書中で記述されているような式(II)の化合物は、熱抵抗性に対して好ましく、ここでは熱抵抗性が、架橋後の芳香族環の安定化により向上している。式(II)におけるRに関して、N−R結合(式中、Rは一価の有機基であり、水素ではない)は、N−H結合よりも酸化抵抗性が高いので、Rとして−NHRを使用することもまた好ましい。
式(II)のように少なくとも2つの基を有する化合物、およびその上に2〜3つの架橋可能な反応性基、より好ましくは2つの架橋性基を有する化合物が好ましい。
上記の好ましい式に基づく例示的硬化剤は、少なくとも2つの官能基、例えば、以下の構造式(VI)、(VII)または(VIII)を含む:
Figure 2019108563

(式中、Rは、炭素原子に関してペルフルオロ化され、好ましくは約1〜約10個の炭素原子である、飽和もしくは不飽和の、分枝鎖もしくは直鎖、置換もしくは非置換の基、例えば、アルキル、アルコキシ、アリール、SO、O、CO、または類似の基を表す);
Figure 2019108563

(式中、Rは、本明細書中の他の箇所で定義されている通りであり、Rは、O、SO、COまたはペルフルオロ化されていてもよい有機基、例えば、約1〜約10個の炭素原子のアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキルおよびアラルキルオキシであってよく、非アリール型の基は、分枝鎖もしくは直鎖であってよく、置換もしくは非置換であってよく、または単結合もしくはアルキレン結合であってよい)。
簡単な合成の観点から、本明細書中で好まれているさらなる実施形態では、最も好ましい架橋剤は、式(II)で表されるような2つの架橋可能な反応性基を有する化合物であり、式(VIII)において以下に示されている。
Figure 2019108563

(式中、Rは上記の通りであり、Rは、−SO、−O−、−CO−、1〜約6個の炭素原子のアルキレン基、1〜約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基、単結合または式(IX):
Figure 2019108563

に示されているような基であり、この式はより容易な合成を提供する)。1〜約6個の炭素原子のアルキレン基の好ましい例は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレンなどである。1〜約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基の例は、
Figure 2019108563

などである。これらの化合物はビスアミノフェニル化合物の例として公知である。この構造による好ましい化合物は、式(X):
Figure 2019108563

[式中、Rは、各場合にも、同じでありまたは異なり、各Rは、水素、1〜約10個の炭素原子のアルキル基;1〜10個の炭素原子の、部分的にフッ化またはペルフルオロ化したアルキル基;フェニル基;ベンジル基;または1〜約5個の水素原子がフッ素または低級アルキルまたはCFなどのペルフルオロアルキル基で置き換えられている、フェニルもしくはベンジル基である]
のものを含む。
硬化剤の非限定的な例として、2,2−ビス(2,4−ジアミノフェニルヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−ペルフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4(N−ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、および類似の化合物が挙げられる。これらの中で、好ましい優れた熱抵抗特性に対して、2,2−ビス[3−アミノ−4(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンおよび2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが好ましい。また熱抵抗特性に対して好ましいのは、テトラアミン、例えば、4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス[N1−フェニル−1,2−ベンゼンジアミン]もしくは2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパンなどが好ましい。
他の適切な硬化剤として、当技術分野で公知であるか、または開発されるべきものとして、オキサゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、およびトリアジン環形成硬化剤、アミドキシムおよびアミドラゾン架橋剤、ならびに特にビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せ;ビスアミノチオフェノール;ビスアミジン;ビスアミドキシム;ビスアミドラゾン;モノアミジン;モノアミドキシムおよびモノアミドラゾンが挙げられ、これらの例は、例えば、米国特許第7,247,749号および第7,521,510号に示されており、関連する部分において、本明細書中で参照により援用され、硬化剤および共硬化剤ならびにその中の促進剤が含まれる。イミダゾールは、これらが、良好な機械的強度、熱抵抗性、化学抵抗性、および低温受容力、ならびに架橋特性と高温特性および低温特性との良好なバランスの一因となり得るという点で有用である。ビスアミドキシム、ビスアミドラゾン、ビスアミノフェノール、ビスアミノチオフェノールまたはビスジアミノフェニル硬化剤は、ペルフルオロポリマー中のニトリルもしくはシアノ基、カルボキシル基、および/またはアルコキシカルボニル基と反応して、本明細書中の組成物から形成される、結果として生じる硬化製品において、架橋としてオキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、またはトリアジン環を有する、本明細書中の一部の実施形態で好ましいペルフルオロエラストマーを形成することに対して、本明細書中で最も好ましい。
本明細書中の一実施形態では、式(I)または(II)におけるような架橋反応性基を有する少なくとも2つの化学基を含む化合物は、熱抵抗性を増加させ、芳香族環系を安定化するために使用することができる。2〜3個のこのような基を有する、(I)または(II)の中の基に対して、より少ない数の基を有すると、十分な架橋が得られない場合があるので、各基(I)または(II)において少なくとも2つを有することが好ましい。
このような組成物は、好ましくは、第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、第2の硬化性ペルフルオロポリマーを、約25対約75モルパーセント〜約75対約25モルパーセント、好ましくは約40対約60モルパーセント〜約60対約40モルパーセント、または約30対約70モルパーセント〜約70対約30モルパーセント、または、好ましくは約50対約50の比で有するブレンドである。
硬化性ペルフルオロポリマーのそれぞれの中の少なくとも1つの硬化部位モノマーのそれぞれは、好ましくは、第1の硬化性ペルフルオロポリマーおよび第2の硬化性ペルフルオロポリマーのそれぞれにおいて、約0.01〜約10モルパーセントの量で、それぞれおよび個々に存在する。少なくとも1種の硬化剤は、組成物中の硬化性ペルフルオロポリマーの硬化部位モノマーを硬化させるのに適切な可変の量、例えば、組成物中のペルフルオロポリマー100重量部当たり、約0.1重量部の量で存在してもよく、好ましくは組成物中のペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.01〜約6重量部、または、好ましくは組成物中のペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.01〜約2重量部の
量で存在する。一実施形態では、少なくとも2種の硬化剤は、第1のペルフルオロポリマー中で、第1の硬化剤に対して、ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.01〜約6重量部の量で、少なくとも1種の第2の硬化剤に対して、ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.01〜約2重量部の量で使用される。
第1および第2の硬化性ペルフルオロポリマーのいずれかまたは両方において、少なくとも1種の硬化部位モノマー中の1つの硬化部位は、好ましくは窒素含有硬化部位である。第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも1種の硬化部位モノマー中の少なくとも1つの硬化部位は、シアノ、カルボキシル、カルボニル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択することができ、最も好ましくはシアノ基である。
少なくとも1種の硬化剤は、好ましくは、以下の適切な硬化剤のうちの1種である:フッ化イミドイルアミジン;ビスアミノフェノール;ビスアミジン;ビスアミドキシム;ビスアミドラゾン;モノアミジン;モノアミドキシム;モノアミドラゾン;ビスアミノチオフェノール;ビスジアミノフェニル;式(II):
Figure 2019108563

(式中、Rは、同じでありまたは異なり、それぞれは、−NH、−NHR、−OHまたは−SHであり、Rは一価の有機基である)
で表される少なくとも2つの架橋性基を有するテトラアミンおよび芳香族アミン;式(III):
Figure 2019108563

(式中、Rは、−SO−、−O−、−CO−、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、1〜10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレン基または単結合であり、Rは、
Figure 2019108563

である)
で表される化合物;式(IV):
Figure 2019108563

(式中、R は、1〜10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレン基である)で表される化合物;式(V):
Figure 2019108563

(式中、nは1〜10の整数およびこれらの組合せである)
で表される化合物であって、少なくとも1種の硬化剤が少なくとも1種の第1のペルフルオロポリマー中の少なくとも1つの硬化部位および第2のペルフルオロポリマー中の少なくとも1つの硬化部位と反応して、組成物中の少なくとも1種のペルフルオロポリマーおよび少なくとも1種の第2のペルフルオロポリマーを架橋することが可能である化合物。
少なくとも1種の硬化剤は、さらにより好ましくは、式(II)(式中、Rは、−NHR)で表される少なくとも2つの架橋性基を有する芳香族アミン;フッ化イミドイルアミジン;ビスアミノフェノール;およびこれらの組合せである。
一実施形態では、硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、好ましくは、上記に述べられたような化合物の範囲内のテトラアミン化合物である化合物として少なくとも1種の硬化剤を含む。このような化合物は単独でまたは組み合わせて使用することができる。本明細書中の硬化剤として使用するのに最も好ましい化合物は、式(II)(式中、Rは−NHRであり、Rはアリール基である)によるものである。このような化合物はまた、4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス[N1−フェニル−1,2−ベンゼンジアミン](「Nph−AF」)(また「V6」としても公知である)としても公知である。
Figure 2019108563

本明細書中の別の実施形態では、最も好ましい硬化剤は、ペルフルオロイミドイルアミジン、例えば、以下の化合物および類似の化合物に関して本明細書中で参照により援用されている米国特許公報第2008−0035883A1号に見出されるものなどを含む。DPIA−65としても記載されている1つの好ましい化合物を、以下に示す。
Figure 2019108563

他の好ましい化合物は、ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せである。
1つのさらなる実施形態では、組成物は、好ましくはペルフルオロエラストマー組成物であり、少なくとも1種の硬化剤はNph−AF(またはV6)の使用を含む:
Figure 2019108563

この化合物は、単独でまたは別の硬化剤と共に、例えば、ビスアミノフェノールまたはビスアミノフェノールAFなどと組み合わせて、および/またはこれらの代替と組み合わせてもしくはこれらの代替として、使用することができ、少なくとも1種の硬化剤は、DPIA−65:
Figure 2019108563

をさらに含む。
本明細書中の他の好ましい実施形態では、式(XII)の化合物は、単独でまたは
Figure 2019108563

(式中、各Rは、独立して−NH、−NHR、−OHまたは−SHであり、Rは、一価の有機基であり、Rは、−SO、−O−、−CO−、1〜約6個の炭素原子のアルキレン基、1〜約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基、単結合または式(IX):
Figure 2019108563

に示されているような基である)
と組み合わせて使用される。このような組合せにおける第2の硬化剤は、好ましくは、式
(X):
Figure 2019108563

(式中、Rは、独立して、水素、1〜約10個の炭素原子のアルキル基;1〜10個の炭素原子の部分的にフッ化またはペルフルオロ化したアルキル基;フェニル基;ベンジル基;またはフッ化もしくは部分的にフッ化したフェニル基;フッ化もしくは部分的にフッ化したベンジル基;あるいは官能基または低級アルキルもしくはペルフルオロアルキル基である基を有するフェニルまたはアルキル基から選択される)
による化合物である。この組合せにおける第2の硬化剤は、好ましくは、ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAFまたはこれらの組合せである。
以下の実施例21〜27および29〜31において本明細書中で例示されている、この好ましい実施形態では、式XIIで表された型の硬化剤の、ビスアミノフェノール型硬化剤または関連する化合物に対する好ましい比は、好ましくは約0.5:1〜約35:1、好ましくは約1:1〜約32:1および最も好ましくは約8:1〜16:1である。
本発明はまた、テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する、または一実施形態では、少なくとも2種の硬化部位モノマーを有する、少なくとも1種の第1の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、テトラフルオロエチレンが第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に少なくとも約50モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマー;テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも1種の硬化剤とを含む硬化性ペルフルオロエラストマー組成物も含む。
少なくとも1種の硬化剤は、
Figure 2019108563

ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せからなる群から選択することができ、これは、(XII)の式およびビスアミノフェノールおよび/またはビスアミノフェノールAFの組合せを含む。
第1または第2の硬化性ペルフルオロポリマーのうちのいずれかの中の硬化部位モノマーの少なくとも1種はCF=CFO(CFCNであってよい。第2の硬化性フルオロポリマーは、好ましくは、ラテックス重合中のブレンドの結果としてフッ素樹脂粒子を含み、フッ素樹脂粒子は窒素含有硬化部位モノマーを含む。
ニトリル基などを有するフッ素含有硬化性ペルフルオロポリマーと共に使用するための、本明細書中で述べられている好ましい硬化剤に加えて、第1および第2のペルフルオロポリマーならびに/または本明細書中の組成物に加える他のペルフルオロポリマーに対して当技術分野で公知の硬化剤を使用してニトリル基を硬化させることは本発明の範囲内である。当技術分野で公知の他の硬化剤の例として、有機スズ、例えば、テトラフェニルスズ、トリフェニルスズなど(これらの化合物は好ましいトリアジン環を形成するので)などが挙げられる。有機スズ化合物が使用される場合、組成物中の硬化性ペルフルオロポリマー100重量部に基づき、約0.05〜約10重量部、より好ましくは約1〜約5重量部の量で存在するのが好ましい。有機スズが約0.05部未満の量で存在する場合、ポリマーは、硬化の際に十分に架橋しない傾向があり、この量が約10部を超えると、形成された製品の物理的特性が、劣化する傾向にある。当技術分野で周知であるような過酸化物硬化剤および共硬化剤はまた、ハロゲン化した硬化部位が利用される場合に使用することができる。
本明細書中で記述されているような硬化性ペルフルオロエラストマー組成物から形成されるこのような硬化したペルフルオロエラストマー組成物は、成形品を形成するために硬化および造形することができる。一般的に、成形品はOリング、シール、ガスケット、挿入物などの封止部材として形成されることになるが、当技術分野で公知であるか、または開発されるべき他の形状および使用が本明細書中で想定される。
成形品は、例えば、ボンデッドシールを形成するために表面に結合することができる。
このようなボンデッドシールは、例えば、半導体加工において使用するための、例えば、プレボンデッドドア、ゲート、およびスリットバルブドアを形成するために使用することができる。このような成形品、例えば、シールなどを結合することができる表面として、ポリマー表面ならびに金属および金属合金表面が挙げられる。一実施形態では、本発明は、例えば、ステンレススチールまたはアルミニウムから形成される、ゲートまたはスリットバルブドアを含み、これらに対してOリングシールは、シールを受け入れるように構成されたドアの中の溝と一致している。結合は、結合組成物の使用を介してまたは接着剤を介して生じることができる。さらに、フルオロ溶媒、例えば、ペルフルオロポリマー、少なくとも1種の硬化性ペルフルオロポリマーおよび硬化剤を溶解することが可能な、3M製のいくつかのFluorinert(登録商標)溶媒のうちの1種で形成される結合剤を調製することができる。
結合剤はOリングを製造するための型の中での押出しポリマーの初期硬化後に、およびドアなどの表面にシールを結合させる前に、Oリングもしくはドアの溝に対して利用してもよいし、または結合剤は、押出しポリマーに利用して、このポリマーを結合する表面(ドア)においてin situで成形するおよび硬化させることもでき、これによって、熱硬化の際に、ペルフルオロポリマーはOリング中で、および結合剤内でも同時に硬化される。必ずではないが、好ましくは、結合剤に使用されるペルフルオロポリマーは、本明細書中に記載されているペルフルオロエラストマー組成物中のペルフルオロポリマーのうちの少なくとも1種と同じである。結合剤はまた、好ましくは、本明細書中に記載されている硬化性ペルフルオロエラストマー組成物に使用されている両方のペルフルオロポリマーを含むことができ、および/または意図する表面に組成物を結合するために硬化可能である任意の適切な硬化性ペルフルオロポリマーを使用して有用となり得る。
硬化性ペルフルオロエラストマー組成物は、第1および第2のペルフルオロポリマーとして本明細書中の他の箇所で記載されているような少なくとも2種の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも1種の第1および第2の硬化部位モノマーの硬化部位を硬化可能な、少なくとも1種の硬化剤と、好ましい実施形態では、少なくとも2種の硬化剤とを合わせることによって最初に調製する。
ポリマーは、典型的なゴム加工装置、例えば、開放型ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを使用して合わせることができる。組成物はまた、閉鎖型混合器の方法および乳化混合を介した凝固の方法を使用して調製することもできる。好ましくは、2ロール混合器などの典型的な混合器は通常、ペルフルオロポリマー(ペルフルオロエラストマーゴムとも呼ばれる)を合わせるために使用されるようなものである。好ましくは、この方法では、ポリマーは、室温で混合するか、または約30℃〜約100℃、および好ましくは約100℃の高温で混合する。
所望する場合、不必要ではあるが、添加剤はまたこの時点で組成物に混和してもよい。添加剤は、第1および第2の硬化性ペルフルオロポリマーの相互作用の独特な性質およびブレンドされた組成物により伝えられる特性により、任意選択であり、必要とされない。しかし、ある特定の特性を変更することを所望する場合、硬化促進剤、共硬化剤、架橋助剤(co−agent)、加工助剤、例えば、ペルフルオロポリエーテルなど、可塑剤、充填剤および改質剤、例えば、シリカ、フルオロポリマーなど(マイクロパウダー、ペレット、繊維およびナノパウダー形態で、当技術分野で公知であるようなTFEおよびその溶融加工性コポリマーならびにコアシェル改質フルオロポリマー)、フルオログラファイト、シリカ、硫酸バリウム、炭素、カーボンブラック、フッ化炭素、粘土、タルク、金属充填剤(酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム)、金属炭化物(炭化ケイ素、炭化アルミニウム)、金属窒化物(窒化ケイ素、窒化アルミニウム)、他の無機充填剤(フッ化アルミニウム、フッ化炭素)、着色剤、有機色
素および/または顔料、例えば、アゾ、イソインドリノン(isoindolenone)、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アントラキノンなど、イミド充填剤(例えば、ポリイミド、ポリアミド−イミドおよびポリエーテルイミド)、ケトン樹脂(例えば、PEEK、PEKおよびPEKKなどのポリアリーレンケトン)、ポリアリーレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾエートなどは、当技術分野で公知の量で使用することができ、および/または異なる特性に対して様々であってよい。本明細書中の充填剤のすべては、単独でまたは2種もしくはそれ超のこのような充填剤および添加剤と組み合わせて使用することができる。
好ましくは、いずれの任意選択の充填剤も、組成物中の合わせた硬化性ペルフルオロポリマー100部当たり、約30部未満の総量を使用した。熱抵抗性、およびプラズマ抵抗性(プラズマの放出の際の粒子の数の減少および低い重量損失率)を提供する有機充填剤として、上述されたものの中でも、有機顔料、イミド構造を有するイミド充填剤、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびポリエーテルイミドなど、ならびにPEEK、およびPEKなどのケトンベースのエンジニアリング樹脂が挙げられるが、有機顔料が好ましい。
熱抵抗性および化学抵抗性に対して好ましく、本明細書中に記載されている組成物から形成される成形品の最終特徴に対して、あまり効果を与えない着色充填剤として、キナクリドン、ジケトピロロピロールおよびアントラキノン顔料および色素が挙げられるが、キナクリドンが好ましい。
無機充填剤の中でも、プラズマ効果を遮蔽するために好ましい充填剤として、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウムおよびフッ化炭素が挙げられる。
ポリマーを組み合わせた後、ペルフルオロエラストマー組成物中の第1および第2の硬化性ペルフルオロポリマーを硬化させることによって、本明細書に記載されているような硬化したペルフルオロエラストマー組成物を形成する。
硬化性ペルフルオロエラストマー組成物は、所望の架橋結合を形成するために、硬化部位および選択した硬化剤に応じて、慣習的に使用される温度および時間の間硬化させるのが好ましい。いずれにせよ、温度は、組成物中の硬化性ペルフルオロポリマーが実質的に硬化する、好ましくは少なくとも70%硬化するまで、硬化反応の進行を可能にするのに十分な温度であるべきである。好ましい硬化温度および時間は約150℃〜約250℃、約5〜約40分間である。硬化後、任意選択の後硬化を使用することができる。許容される後硬化温度および時間は、約250℃〜約320℃、約5〜約48時間である。
硬化中、本明細書中に記載されている硬化性ペルフルオロエラストマー組成物は、成形品に形成することができるが、同時に、型に対して付与される熱および圧力を使用して硬化させることもできる。好ましくは、組み合わせた硬化性ペルフルオロポリマーは、例えば、押出しロープなどの予成形品、または予成形品を収容するために造形された溝を有する型の中に予成形品を含めるために、および硬化中に成形品を形成するために有用である他の形状に形成する。任意選択の後硬化はまた、好ましくは大気または窒素下で行うこともできる。
充填剤に加えて、本明細書中で好ましいものと同じでありまたは異なる硬化部位モノマーを含む、様々な型を有するさらなる硬化性および非硬化性ペルフルオロポリマーを含めることは本発明の範囲内である。第1のペルフルオロポリマーおよび/または第2のペルフルオロポリマーと共に作用するか、またはこれらの硬化を促進するかのいずれかのため
の、あるいは、いずれのさらなる任意選択の硬化性ペルフルオロポリマーをも硬化させるおよび/または硬化を促進するさらなる硬化剤および硬化促進剤もまた本明細書中に含むことができる。非硬化性ペルフルオロポリマーとして、反応性の硬化部位を欠いたもの、および1種または複数のエチレン性不飽和のモノマー(例えば、TFE、HFPおよびPAVEなど)から形成されるものが挙げられる。さらなる硬化性ペルフルオロポリマーは、本明細書中で述べられた硬化性ペルフルオロポリマーのいずれか、ならびに当技術分野で公知であるような有機過酸化物硬化系との架橋に対して適切な硬化部位を有するもの、テトラフェニルスズ硬化物、ビスアミノフェニルベースの硬化物などであってよい。このようなポリマーは、代替のブレンドを開発するため、および本明細書中に述べられた組成物の特性を改変するために加えることもできる。
本発明はまた、テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第1の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、テトラフルオロエチレンが第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に少なくとも約50モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも1種の硬化剤とのブレンドを含む硬化性フッ素含有組成物を硬化させることによって形成される硬化したフッ素含有エラストマーも含む。
テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第1の硬化部位モノマー、またはそれぞれが少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、テトラフルオロエチレンが第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に少なくとも約50モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、少なくとも1種の硬化剤とのブレンドを含む組成物を熱硬化および成形することによって形成される成形品もまた本発明の範囲内である。
比較例
3M Corporation、St.Paul、Minnesotaから入手可能なベースポリマーDyneon(登録商標)PFE−133 TZ(ポリマーA)、フッ素樹脂含有硬化性ペルフルオロポリマーを使用して、以下の配合で合成物を製造した。PFE 133 TZは、以前のDyneon(登録商標)PFE 133 TBXと同じ基本構造のものであるが、PFOAなしで製造されている。このようなポリマーは、シアノ官能化PFAペルフルオロ樹脂を、TFE、PAVEおよびシアノ含有硬化部位モノマーを含むペルフルオロポリマーを含む硬化性ペルフルオロポリマーマトリックス内に、約20%の量で含む。さらに、このポリマーを、ダイキン工業株式会社からGA−500PR(ポリマーB)として入手可能な硬化性ペルフルオロポリマーである高TFEフルオロポリマーと組み合わせたが、この高TFEフルオロポリマーは、モル量で、69.4のTFE、30.2のペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)および0.43の硬化部位モノマーであるTFE/PMVE/硬化部位モノマーを含み、例示のポリマー中の硬化部位モノマーはCF=CFO(CFCNであった。ポリマーおよびポリマーBなどの類似の材料は、これに関して、それぞれが本明細書に参照により援用されている、米国特許第6,518,366号および第6,878,778号に記載されており、そこに
示されているように製造される。ダイキン工業のポリマーGA500も使用した(ポリマーC)。これらの実施例に使用された硬化剤として、上述の3M Corporation製のフルオロケミカルオニウム硬化剤E−18346、以下に示す構造:
Figure 2019108563

を有するFederal State Unitary Enterprise S.V. Lebedev Institute of Synthetic Rubber、Petersburg、Russia製のイミドイルベース硬化剤DPIA−65、およびビスアミノフェノールAF(BOAP)が含まれた。1つの実施例では、E.I.DuPont de Nemours & Co.、Wilmington、Delawareから入手可能なフルオロポリマー充填剤マイクロパウダー、Zonyl(登録商標)MP 1500を使用した。これらの組成物は、表1中の比較例A、比較例Bおよび比較例Cにおいて示されている通りであり、特性(以下および表3においてさらに考察されている通りである)が表1および2に示されている。
(実施例1〜19)
一連のペルフルオロポリマーを評価し、2種の好ましいペルフルオロポリマーを以下の実施例に使用するために特定した。これらの実施例に含まれる2種の硬化性ペルフルオロポリマーは、3M Corporation、St.Paul、Minnesotaから入手可能なフッ素樹脂含有硬化性ペルフルオロポリマー、Dyneon(登録商標)PFE 133 TBZ(ポリマーA)であり、これは、以前のDyneon(登録商標)PFE 133 TBXと同じ基本構造のものであるが、PFOAなしで製造されている。このようなポリマーは、シアノ官能化PFAペルフルオロ樹脂を、TFE、PAVEおよびシアノ含有硬化部位モノマーを含むペルフルオロポリマーを含む硬化性ペルフルオロポリマーマトリックス内に、約20%の量で含む。
また高TFEフルオロポリマーとして本明細書中で援用されたのは、ダイキン工業株式会社からGA−500PR(ポリマーB)として入手可能な硬化性ペルフルオロポリマーであったが、このポリマーは、モル量で、69.4のTFE、30.2のペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)および0.43の硬化部位モノマーであるTFE/PMVE/硬化部位モノマーを含み、例示のポリマー中の硬化部位モノマーは、CF=CFO(CFCNであった。ポリマーおよびポリマーBなどの類似の材料は、これに関してそれぞれが本明細書に参照により援用されている、米国特許第6,518,366号および第6,878,778号に記載され、示されているように製造される。
硬化剤として、ダイキン工業株式会社製の化合物4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス[N1−フェニル−1,2−ベンゼンジアミン](「Nph−AF」)
Figure 2019108563

と、以下に示されている構造:
Figure 2019108563

を有する、Federal State Unitary Enterprise S.V. Lebedev Institute of Synthetic Rubber、Petersburg、Russia製のさらなるイミドイルベース硬化剤DPIA−65の両方を使用した。
試験したさらなる硬化剤は、ビスアミノフェノールAF(BOAP)およびヘプタフルオロブチルリルアミジン(heptafluorobutylrylamidine)(HFBA)を含み、2種のフルオロケミカルオニウム合成物(E−18600(1)およびE−18346(2))を配合物のいくつかに組み込んだ。上記に提供された情報は別として、上記に述べられている材料を異なる配合でブレンドすることから得られた組成物は無充填であった。
ポリマー(A)およびポリマー(B)を、上記に述べられた硬化剤(架橋剤)のうちの1種または複数と組み合わせ、表1に示されているような量で混合した。組成物を、開放型ロールミルを用いて50℃で混錬することによって、架橋可能なフッ素含有エラストマー組成物を調製した。
フッ素含有エラストマー組成物を、表1に示されている様々な硬化サイクルを使用して硬化させることによって、架橋させ、試験試料のOリングを製造した。試験試料に関して、通常の状態での硬化特徴および物理的特性を以下の方法で測定した。試験したこれらの試料に対する物理的特性、溶融挙動および吸着試験が表1に示されている。硬化特徴が表2に示されている。
架橋能力:各架橋可能な組成物に関して、加硫曲線を、MDR2000レオメーターを使用することによって、180℃で得、最小トルク(M)、最大トルク(M)、および誘導時間(Ts2)および最適加硫時間(T90)を決定した。
通常の状態での物理的特性:表3に特定されたASTM標準に従い、通常状態(25℃)における、50%弾性率(M50)および100%弾性率(M100)、引張強度(T
)、伸長(E)ならびに硬度ショアAおよびショアMを、比重と共に測定した。試料のそれぞれは、ショアA硬度を除いて、9214−サイズのOリングにおいて試験した。
試験を表3に示されている以下の情報に従い行った。
Figure 2019108563

Figure 2019108563

Figure 2019108563

Figure 2019108563

(実施例20〜31)
本明細書中のさらに好ましい実施形態では、Federal State Unitary Enterprise S.V. Lebedev Institute of Synthetic Rubber of Petersburg、Russia製およびPFK−100(ポリマー1)として米国のLodestar製のペルフルオロポリマーを使用して、ならびにフッ素樹脂含有ポリマーPFE−133 TBZ(ポリマー2)またはPFE−131 TZ(ポリマー3)を使用して、組成物を形成した。ビスアミノフェノールAF(BOAP)とDPIA−65(本明細書中の式(XII)の化合物)の組合せを使用し、いずれかのこのような硬化剤を組成物中で単独で使用した場合と比較して、2種のポリマーの組合せを有するこれらの硬化剤のそれぞれの有利な特性ならびに両方の硬化剤を一緒に使用することを介して達成された向上した特性を示している。
表4に従い形成された組成物を関連する試験データと共に以下に示す。
Figure 2019108563

Figure 2019108563
上記データは、述べられたペルフルオロポリマーと、BOAPまたはDPIAのいずれかとの組合せに対する良好な結果を示しているばかりでなく、様々な組合せが、本明細書中の実施例21〜27および29〜31における好ましい実施形態に従い向上した配合も
提供することも示しており、この向上した配合は、良好なプラズマ抵抗性および物理的特性ばかりでなく、低い密着力特性も示している。
(実施例32〜40)
組成物ならびに使用される硬化剤中のペルフルオロポリマーの比をさらに変化させて合成物を製造した。実施例32〜40では、上記に述べられているポリマーA(PFE−133TZ)を、ポリマー1(PFK−100)、ポリマーB(GA500PR)またはポリマーC(GA500)との組合せで使用した。硬化剤DPIA−65、BOAPおよびV6もまた変化させた。3M(商標)Dyneon(商標)PFA 6503 PBZ(溶融加工性ペルフルオロポリマー充填剤)、3M(商標)Dyneon(商標)PTFE
Micropowder TF9207Z、炭化ケイ素充填剤およびペルフルオロポリエーテル(Fomblin M60 加工助剤)を含む充填剤がいくつかの実施例で組み込まれた。結果を以下の表5に示すが、これは良好な物理的特性およびプラズマ抵抗特性を実証している。
(実施例41〜52)
少なくとも1種の硬化剤としてDPIAおよびBOAPの組合せを有する1つの実施例(41)を使用して、上記に述べられたポリマー1(PFK−100)およびポリマー2(PFE−133 TBZ)を使用して、組成物を調製した。DPIAの含有量を変化させ、ポリマー1および2の含有量を変化させた組成物も調製した(実施例42〜52)。結果は、良好な物理的特性および優れた密着力特性を示している。結果を以下の表6に示す。
Figure 2019108563

Figure 2019108563

Figure 2019108563
本発明のその広範な概念から逸脱することなく、上に記載されている実施形態に対する変更を行うことができることは当業者により理解される。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲で定義されているような本発明の趣旨および範囲内での修正を網羅することを意図することを理解されたい。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよびそれぞれが少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、
テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、
少なくとも2種の硬化剤と
を含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目2)
テトラフルオロエチレンが、前記第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に少なくとも約50モルパーセントの量で存在する、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目3)
前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーが、約50〜約75パーセントのテトラフルオロエチレンを含む、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目4)
前記組成物が、前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーとを、約25対約75モルパーセント〜約75対約25モルパーセントの比で含む、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目5)
前記組成物が、前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーとを、約40対約60モルパーセント〜約60対約40モルパーセントの比で含む、項目4に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目6)
前記組成物が、前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーとを、約50対約50の比で含む、項目5に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目7)
前記組成物が、前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーとを、約30対約70モルパーセント〜約70対約30モルパーセントの比で含む、項目4に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目8)
前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーの前記少なくとも2種の硬化部位モノマーおよび前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーの前記少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーが、前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーおよび前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーのそれぞれの中に、約0.01〜約10モルパーセントの量でそれぞれ存在する、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目9)
前記第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の前記少なくとも2種の硬化部位モノマーの硬化部位が窒素含有硬化部位である、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目10)
前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーが、第1のシアノ硬化部位を含む第1の硬化部位モノマーと、第2のシアノ硬化部位を含む第2の硬化部位モノマーとを含む、項目9に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目11)
前記第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の前記少なくとも2種の硬化部位モノマーのそ
れぞれの中の前記少なくとも1つの硬化部位が、シアノ、カルボキシル、カルボニル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択される、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目12)
前記少なくとも2種の硬化剤が、前記組成物中の前記ペルフルオロポリマー100重量部当たり、約0.01〜約6重量部の総量で存在する、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目13)
前記組成物中の前記ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.01重量部〜約6重量部の量の第1の硬化剤と、前記組成物中の前記ペルフルオロポリマーの約0.1重量部〜約2重量部の量の第2の硬化剤とを含む、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目14)
前記第1の硬化剤が、
Figure 2019108563

であり、前記第2の硬化剤が、
Figure 2019108563

(式中、各Rは、独立して、−NH、−NHR、−OHまたは−SHであり、Rは、一価の有機基であり、Rは、−SO、−O−、−CO−、1〜約6個の炭素原子のアルキレン基、1〜約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基、単結合または式(IX)
Figure 2019108563

に示されているような基である)
である、項目13に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目15)
前記第2の硬化剤が、式(X):
Figure 2019108563

(式中、Rは、独立して、水素、1〜約10個の炭素原子のアルキル基;部分的にフッ化もしくはペルフルオロ化した、1〜10個の炭素原子のアルキル基;フェニル基;ベンジル基;またはフッ化もしくは部分的にフッ化したフェニル基;フッ化もしくは部分的にフッ化したベンジル基;あるいは官能基または低級アルキルもしくはペルフルオロアルキル基である基を有するフェニルまたはアルキル基から選択される)
による化合物である、項目14に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目16)
前記第2の硬化剤が、ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せから選択される、項目15に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目17)
前記フッ素樹脂粒子が、ラテックス重合中の溶融ブレンドまたはブレンドの結果として前記第2の硬化性フルオロポリマー中に存在する、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目18)
前記第2の硬化性フルオロポリマーが、ラテックス重合中のブレンドの結果としてフッ素樹脂粒子を含み、前記フッ素樹脂粒子が窒素含有硬化部位モノマーを含み、前記第2の硬化性フルオロポリマーが、ハロゲン、窒素含有基、カルボキシル、アルコキシカルボニルおよびこれらの組合せからなる群から選択される硬化部位を有する硬化部位モノマーを含む、項目17に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目19)
前記少なくとも2種の硬化剤が、
Figure 2019108563

ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せからなる群から選択される、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目20)
第1の硬化剤が、式(XII)による化合物であり、第2の硬化剤が、ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せから選択され、前記第1の硬化剤の前記第2の硬化剤に対する比が約0.5:1〜約35:1である、項目19に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目21)
前記第1の硬化剤の前記第2の硬化剤に対する比が約1:1〜約32:1である、項目20に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目22)
前記第1の硬化剤の前記第2の硬化剤に対する比が約8:1〜約16:1である、項目21に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目23)
前記第2の硬化性フルオロポリマー中の前記硬化部位モノマーがCF=CFO(CF
CNである、項目1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
(項目24)
テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよびそれぞれが少なくとも1つの窒素含有硬化部位を有する少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーであって、前記テトラフルオロエチレンが、前記第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に約50モルパーセント〜約70モルパーセントの量で存在する第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、
テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、
式(XII)
Figure 2019108563

による第1の硬化剤、ならびにビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せから選択される第2の硬化剤と
を含む硬化性ペルフルオロエラストマー組成物であって、前記第2の硬化性フルオロポリマーが、ラテックス重合中のブレンドの結果としてフッ素樹脂粒子を含み、前記フッ素樹脂粒子が窒素含有硬化部位モノマーを含む、硬化性ペルフルオロエラストマー組成物。
(項目25)
テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよびそれぞれが少なくとも2つの硬化部位を有する少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、
テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーであって、その中にフッ素樹脂粒子を含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーと、
少なくとも2種の硬化剤と
を含む硬化性フッ素含有組成物を硬化させることによって形成される、硬化したフッ素含有エラストマー。
(項目26)
項目25に記載の組成物を熱硬化および成形することによって形成される成形品。
(項目27)
請求項1に記載の組成物を熱硬化および成形することによって形成される成形品。

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  1. 明細書中に記載の発明。
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