JP2022545699A - マイクロダイヤモンドを含むフッ素含有エラストマー組成物 - Google Patents

マイクロダイヤモンドを含むフッ素含有エラストマー組成物 Download PDF

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Abstract

本明細書中の硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、少なくとも1種のフッ化モノマーおよび少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを有する少なくとも1種の硬化性フルオロポリマー、少なくとも1種の硬化剤、ならびに0.1ミクロ超~約100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を有する。このような組成物はフッ化またはペルフルオロ化されていてもよい。本明細書中の組成物より形成された製品は高い使用温度で使用することができ、減少した微粒子化、減少した高温圧縮永久ひずみ値、減少した密着力、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対する向上した抵抗性、ならびに改善された物理的特性のうちの1つまたは複数を示す。

Description

関連出願への相互参照
この米国非仮特許出願は、2019年8月26日に出願された「Fluorine-Containing Compositions Including Microdiamond」という表題の米国仮特許出願第62/891,865号の利益を米国特許法§119(e)の下、主張しており、この米国仮特許出願は、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の背景
発明の分野
本発明は、以下の特性のうちの1つまたは複数を提供するためのマイクロダイヤモンド充填剤を組み込んだフルオロエラストマー組成物に関する:減少した微粒子化、減少した高温圧縮永久ひずみ値、減少した密着力、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマおよびこのようなプラズマの混合物における向上したプラズマ抵抗性、高い使用温度での使用能力、ならびに改善された物理的特性。
関連技術の説明
テトラフルオロエチレン(TFE)および他の部分的または完全にフッ化したモノマーを含むフルオロエラストマー(FKM)、ペルフルオロエラストマー(FFKM)およびこれらのブレンドを含むフッ素含有エラストマーは、これらの化学抵抗性、溶媒抵抗性および熱抵抗性について公知であり、したがって、シーリング材および苛酷な環境で使用される他の材料に対して広く使用されている。必要とされるこのような材料の特徴はこれらの最終用途に非常に特異的であり、非常に抵抗性のある化合物、特に汚染が回避されるべき半導体および他の「クリーンな」方法に使用されるFFKM化合物に対する需要は継続して増え続けている。航空学、航空宇宙学、半導体ならびに化学薬品および医薬品の製造分野において、封止性は、350℃以上の極めて高温な環境にも供され得る苛酷な化学的環境下にさらされ、このような高温環境および/または苛酷な化学物質、例えば、酸素ベースプラズマ、フッ素ベースプラズマおよび/または水素ベースプラズマに耐えるこのような材料の能力がますます重要となっている。よって、当技術分野において、シールからの微粒子化を減少させ、特により高い作動温度で、圧縮永久ひずみを減少させ、プラズマ抵抗性を向上させ、密着力を減少させ、ならびに物理的特性を改善することを試みながら、エラストマーを開発する必要がある。このような能力を達成し、このような苛酷な環境で作動することができるエラストマー封止組成物の開発は、当技術分野において継続して必要とされている。
このような良好な、高温および環境に抵抗性のある材料を使用して、変形に耐えることが可能であり、このような厳しい条件に持ちこたえる成形部品、例えば、シールおよびガスケットを形成することが目標である。強度および他の物理的特性は充填剤の配合から恩恵を受けるが、通常添加剤の添加は、圧縮永久ひずみおよび他のエラストマー封止性、ならびにプラズマ抵抗性および固着性に負の影響を与え得る。よって、十分な強度、低い密着力および苛酷なプラズマおよび高温条件に耐える能力を達成するため、ならびに十分な封止性、例えば、適度に低い圧縮永久ひずみを維持するために使用される充填剤を慎重に選択し、バランスをとることが必要である。
FFKM材料は、硬化部位を有する官能基を有する少なくとも1種のペルフルオロ化硬化部位モノマーを含むペルフルオロ化モノマーから通常調製される。モノマーは、重合して、その上に硬化部位を有する硬化性ペルフルオロ化ポリマーを形成し、このポリマーは、硬化剤またはキュアリング剤との反応により架橋することが意図される。硬化(架橋)の際、材料はエラストマー材料を形成する。典型的なFFKM組成物は、ペルフルオロポリマーと、硬化部位モノマー上の反応性硬化部位の基と反応するキュアリング剤と、任意の所望の充填剤とを含む。生成した硬化したペルフルオロエラストマー材料はエラストマー特徴を示す。FKMはまた一般的に1種またはそれより多種のペルフルオロ化モノマーを含むが、非ペルフルオロ化モノマー、例えば、フッ化ビニリデンを組み込むこともでき、このフッ化ビニリデンはモノマーおよび硬化部位として作用することができる。
FFKMおよび/またはFKMは、ハイエンドの封止用途のためのOリングとしての使用および関連封止部品における使用もまた一般的に公知である。特にFFKMは、これらの高い度合の熱抵抗性、ならびにプラズマ、化学物質および他の苛酷な環境に対する抵抗性により、使用が探究されてきた。増え続ける需要および難題に答えるため、これまでより高いレベルの熱抵抗性、化学抵抗性および/またはプラズマ抵抗性を得るため、ならびに様々な最終用途に適した物理的特性を開発するため、新規ペルフルオロエラストマー組成物が継続して開発されており、特に高温、およびより低い密着力で、微粒子化を減少させ、圧縮永久ひずみを維持または低下させようとする試みが継続してなされている。業界の、特に半導体領域における需要は、十分なエラストマー封止性、物理的強度および低い固着性を維持しながら、ますます厳しくなる環境を有する新規の最終用途、ならびにますます低い汚染および微粒子化の必要条件を満たすためにこのようなシールの向上した性能を継続して必要としている。したがって、より良好な特性、ただし、低い微粒子化の合成物、すなわち、最終用途の環境への有害な混入物の導入がほとんどない、またはまったくないような合成物を使用して、より良好な特性に対する必要性が常に存在する。
従来の技術において標的とされた特性、ならびにエラストマー特性を達成するために使用された充填剤および充填剤の組合せは、無機充填剤と有機充填剤の両方を含む。半導体および他の業界において公知の典型的な充填剤として、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、TFEベースのフッ素樹脂、硫酸バリウム、フッ化グラファイト、ナノダイヤモンド、処理した炭素および他のポリマーおよび可塑物が挙げられる。半導体用途のためのいくつかのFFKM組成物に使用される充填剤として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはペルフルオロ化コポリマー、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマー(FEP型コポリマーとも呼ばれる)またはTFEとペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)のコポリマー(PFA型コポリマーとして公知である)から形成される様々なフッ素樹脂充填剤粒子が挙げられる。
このようなFFKMおよび/またはFKM組成物として、単一の硬化性ポリマーのみ、または時には1種もしくはそれより多種のこのような硬化性ポリマーのブレンドを挙げることができる。同様に、組成物中で使用される硬化性ペルフルオロポリマー中の硬化部位モノマー上に単一の硬化部位を、または同じもしくは異なる硬化部位を有する、1種より多くの硬化部位モノマーを有するフッ素含有エラストマーが存在する。
使用することができる材料の多くの潜在的な組合せが存在し、課題は、機械特性および封止性、例えば、圧縮永久ひずみを犠牲にすることなく、好ましくはこのような特性を改善しながら、様々な最終用途に対してより高い熱抵抗性、化学抵抗性およびプラズマ抵抗性の特性を達成することである。
プラズマ抵抗性の特性を導入するための1つの試みは、NF、OおよびCFプラズマに曝露された場合、小さな重量変化がある成形品を調製することにおける使用のためのフッ素含有エラストマー組成物について記載している米国特許出願公開第2009/0023852A1号に見出すことができる。組成物はフッ素含有エラストマーおよび最大でも0.1ミクロンの平均粒径を有するナノサイズ炭素同素体を含み、この同素体はダイヤモンドであってもよい。この公開は、0.1ミクロンより上の粒径は問題を生じ、半導体の欠陥率に影響を与えることを教示し、充填剤中の個々の粒径が0.1ミクロンより大きい場合、充填剤はより小さなサイズになるようにさらに微粉砕すべきであると指摘している。
米国特許第6,946,513B2号は、半導体生産装置用の成形材料として適切な混じりけのない充填剤を使用して調製したエラストマー組成物を提供している。充填剤は、炭素充填剤、例えば、カーボンブラック、黒鉛化炭素またはグラファイトであってもよい。充填剤は粒子または繊維の形態であってもよく、粒径は好ましくは5ミクロン以下である。
米国特許第9,725,582B2号は、良好な引張強度を有する成形品のためのフルオロ樹脂組成物を提供している。フルオロ樹脂組成物は、フルオロ樹脂およびフルオロ樹脂に対して、0.001~5%質量の量で存在するフッ化ナノダイヤモンドを含む。フッ化ナノダイヤモンドは0.001~1ミクロンの平均粒径を有するパウダーと記載されている。
国際特許公開第WO2016/104604A1号は、改善された化学抵抗性、溶媒抵抗性、および熱抵抗性を有する成形品を形成するために使用されるフッ素含有エラストマー組成物について記載している。シーリング材はまた、改善されたプラズマ抵抗性を実証し、半導体製造装置の作業チャンバーに使用することができる。組成物は、フッ素含有エラストマー100質量部に対して、0.0001~4質量部のフラーレンを有するフッ素含有エラストマーを含む。
米国特許第9,512,302B2号は、改善されたトライボロジ特性を有するフルオロポリマーコーティングを提供している。一態様では、本発明は、特定の特性を有するフルオロポリマーおよびナノダイヤモンド粒子のスラリー組成物に関する。ナノダイヤモンド粒子は単一形態でも凝塊形成した形態でもよく、粒径は好ましくは0.008ミクロン~0.030ミクロンの間である。スラリー中のナノダイヤモンドの濃度は最大でも5重量%である。
上述のように、従来の技術において、非常にプラズマ抵抗性のある炭素ベースの充填剤をフルオロエラストマーおよびペルフルオロエラストマー、例えば、樹脂強度に欠ける材料に統合しようとする試みがなされたが、高い強度の粒子、例えば、ナノダイヤモンドの使用は、欠陥率により粒径が増加する(これは通常、微粒子化または他の要因に関連し、またこのような材料における良好なエラストマー特性の損失なしに強度を得るとは考えられない)場合、好ましくないと教示されている。したがって、エラストマー封止性を保持し、苛酷なプラズマ環境に対する抵抗性を改善しながら、このような十分な物理的特性を達成するまたはこれらを改善する必要性が当技術分野には依然として存在する。
米国特許出願公開第2009/0023852号明細書 米国特許第6,946,513号明細書 米国特許第9,725,582号明細書 国際公開第2016/104604号 米国特許第9,512,302号明細書
発明の概要
本発明は、本明細書において、少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーと、0.10ミクロン超~約100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子とを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を含む。
一実施形態では、マイクロダイヤモンド粒子は、0.1ミクロン超~約10ミクロンの平均粒径を有することができ、または約0.1ミクロン超~約5ミクロンの平均粒径を有することができる。マイクロダイヤモンドの平均粒径は、また約0.20ミクロン~約2ミクロンであってもよく、または約0.25ミクロン~約1ミクロンであってもよい。さらなる実施形態では、マイクロダイヤモンド粒子は約0.25ミクロン~約0.5ミクロンの平均粒径を有してもよい。マイクロダイヤモンド粒子は、球状粒子、繊維またはフラスコから選択される形状を有してもよい。マイクロダイヤモンド粒子は、天然および/または合成マイクロダイヤモンド粒子であってもよい。粒子は、凝塊形成したまたは凝集物の形態で存在してもよい。
一実施形態では、組成物は、少なくとも1種の硬化性フルオロポリマー100重量部当たり約0.1~約100部のマイクロダイヤモンド粒子を含み、好ましくは少なくとも1種の硬化性フルオロポリマー100重量部当たり約1~約50部のマイクロダイヤモンド粒子を含む。より好ましくは、組成物は、少なくとも1種の硬化性フルオロポリマー100重量部当たり約2部~約20部を含む。
少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーは硬化性ペルフルオロポリマーであってもよく、少なくとも1種のフッ化モノマーはテトラフルオロエチレンであり、ペルフルオロポリマーはペルフルオロアルキルビニルエーテルモノマーをさらに含んでもよく、少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーはペルフルオロ化硬化部位モノマーであってもよい。
別の実施形態では、少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーは硬化性ペルフルオロポリマーであってもよく、少なくとも1種のフッ化モノマーはテトラフルオロエチレンであってもよく、硬化性ペルフルオロポリマーはペルフルオロアルキルビニルエーテルモノマーをさらに含んでもよく、硬化性ペルフルオロポリマーはフッ素樹脂粒子をその中に含んでもよい。
上記に述べられた組成物の実施形態のそれぞれにおいて、組成物はまた、組成物を硬化する前に、フッ素含有エラストマー組成物に組み込まれ得る(硬化剤)少なくとも1種の硬化剤を含んでもよい。一実施形態では、少なくとも1種の硬化剤は過酸化物硬化系であってもよい。
硬化性フルオロポリマーはまた第1のペルフルオロポリマーであってもよく、少なくとも1種のフッ化モノマーはテトラフルオロエチレンであり、ペルフルオロポリマーはペルフルオロアルキルビニルエーテルモノマーをさらに含み、それぞれが少なくとも1つの硬化部位を有する、少なくとも2種のフッ素含有硬化部位モノマーが存在し、組成物は2種またはそれより多種の硬化剤を含み、そのうちの1種は過酸化物硬化系であってもよい。このような実施形態では、硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、このような硬化性ペルフルオロポリマーと、テトラフルオロエチレン、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルモノマーおよびペルフルオロ化硬化部位モノマーを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーとのブレンドを含んでもよく、第2のペルフルオロポリマーはフッ素樹脂粒子をその中に含み、また少なくとも2種の硬化剤を含んでもよく、そのうちの1種は過酸化物硬化系であってもよい。
このようなブレンドしたフルオロポリマー実施形態では、第1の硬化性ペルフルオロポリマーの重量パーセント対第2の硬化性ペルフルオロポリマーの重量の比の範囲は、約5:95~約95:5、約20:80~約80:20、約40:60~約60:40または約50:50であってもよい。
またこのような実施形態では、第1の硬化性ペルフルオロポリマーの少なくとも2種の硬化部位モノマーは、第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に約0.1~約10モルパーセントの量でそれぞれ存在してもよく、第2の硬化性ペルフルオロポリマーの少なくとも1種の硬化部位モノマーは、第2の硬化性ペルフルオロポリマー中に約0.1~約10モルパーセントの量で存在してもよい。さらに、第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも2種の硬化部位モノマーの硬化部位は窒素含有硬化部位であってもよい。このような場合、第1の硬化性ペルフルオロポリマーは、第1のシアノ硬化部位を含む第1の硬化部位モノマーおよび第2のシアノ硬化部位を含む第2の硬化部位モノマーを含んでもよい。
ブレンドした実施形態では、第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも2種の硬化部位モノマーのそれぞれにおける少なくとも1つの硬化部位は、シアノ、カルボキシル、カルボニル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
上述の方法では、方法はまた、組成物を硬化する前に、少なくとも1種の硬化剤をフッ素含有エラストマー組成物に組み込むステップを含むことができ、好ましい実施形態では少なくとも2種の硬化剤を含む。さらに、少なくとも2種の硬化剤は、組成物中の硬化性ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.2~約10重量部の総量でブレンドした組成物中に存在することができる。さらにこのような実施形態では、少なくとも2種の硬化剤のそれぞれは、硬化性ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.1重量部~約6重量部の量で組成物中に存在することができる。さらにブレンドした実施形態では、少なくとも2種の硬化剤は、硬化性ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.5重量部~約4重量部の量で組成物中に存在する第1の硬化剤と、硬化性ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.3部重量~約2重量部の量で組成物中に存在する第2の硬化剤とを含むことができる。一実施形態では、第1の硬化剤は、
Figure 2022545699000001
であり、第2の硬化剤は、
Figure 2022545699000002
(式中、各Rは、独立して、-NH、-NHR、-OHまたは-SHであり、Rは一価の有機基であり、Rは、-SO、-O-、-CO-、1~約6個の炭素原子のアルキレン基、1~約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基、単結合または式(IX):
Figure 2022545699000003
に示されるような基である)
である。
さらなる実施形態では、第2の硬化剤は、式(X):
Figure 2022545699000004
(式中、Rは、独立して、水素、1~約10個の炭素原子のアルキル基;1~10個の炭素原子の、部分的にフッ化もしくはペルフルオロ化したアルキル基;フェニル基;ベンジル基;またはフッ化もしくは部分的にフッ化したフェニル基;フッ化もしくは部分的にフッ化したベンジル基;あるいは低級アルキルもしくはペルフルオロアルキル基である官能基(単数または複数)を有するフェニルまたはアルキル基から選択される)
による化合物である。
別の好ましい実施形態では、第2の硬化剤は、ビスアミノフェノールまたはその塩であってもよい。
第2の硬化性ペルフルオロポリマーはまた、ハロゲン、窒素含有基、カルボキシル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択される硬化部位を有する硬化部位モノマーを含んでもよい。
別の好ましい実施形態では、少なくとも2種の硬化剤は、
Figure 2022545699000005
、ビスアミノフェノール、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
さらに好ましい実施形態では、第1の硬化剤は請求項に記載の化合物(XII)であってもよく、第2の硬化剤はビスアミノフェノールであってもよい。
硬化性フッ素含有エラストマー組成物の本発明の一実施形態では、組成物は、テトラフルオロエチレンを含む第2の硬化性フルオロポリマーおよび少なくとも1種の第2のフッ素含有モノマーを含むことができ、このうちの1つは、少なくとも1つの第2の硬化部位を含む硬化部位モノマーである。
このような実施形態では、第1の硬化性フルオロポリマーおよび/または第2の硬化性フルオロポリマーはペルフルオロポリマーであってもよく、第1の硬化性フルオロポリマーおよび第2の硬化性フルオロポリマーは好ましくは異なる。
本発明は、上記に述べられた硬化性フッ素含有組成物を硬化することにより形成される硬化したフッ素含有エラストマーをさらに含む。
本発明はまた、上記に述べられた組成物を熱硬化および成形することにより形成される成形品を含む。
本発明は、微粒子化を減少させたフルオロエラストマー製品を形成するための方法であって、前記方法が、少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製するステップと、硬化性フッ素含有エラストマー組成物に、0.10ミクロン超~約100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を添加するステップと、硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、フルオロエラストマー製品を形成するステップとを含み、フルオロエラストマー製品および第2のフルオロエラストマー製品がフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに曝露された場合、フルオロエラストマー製品が、同じフッ素含有エラストマー組成物を有するがマイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した微粒子化を有する、方法をさらに含む。
このような方法では、硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、少なくとも1種の充填剤をさらに含んでもよく、方法は、少なくとも1種の充填剤を少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーに添加しながら、マイクロダイヤモンド粒子をフッ素含有エラストマー組成物に添加するステップをさらに含んでもよい。
上記に述べられた方法では、少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーはペルフルオロポリマーであってもよく、フッ化モノマーはテトラフルオロエチレンであってもよく、少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーはペルフルオロ化硬化部位モノマーであってもよく、ペルフルオロポリマーはペルフルオロアルキルビニルエーテルをさらに含んでもよい。
上記に述べられた方法では、方法はまた、組成物を硬化する前に、硬化剤をフッ素含有エラストマー組成物に組み込むステップを含んでもよい。
上記方法では、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した、250℃/70時間/25%たわみにおける圧縮永久ひずみ値を有する。このような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含んでもよい。
上記方法では、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した密着力を有する。このような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含んでもよい。
上記方法では、フルオロエラストマー製品は、好ましくは、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対して、第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された抵抗性をさらに有する。
上記方法では、フルオロエラストマー製品は、好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された物理的特性をさらに有する。
上記方法では、350℃/70時間/18%たわみにおけるフルオロエラストマー製品の圧縮永久ひずみ値はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少している。このような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含んでもよい。
本発明はまた、減少した圧縮永久ひずみを有するフルオロエラストマー製品を形成する方法であって、前記方法が、少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製するステップと、硬化性フッ素含有エラストマー組成物に、0.10ミクロン超~100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を添加するステップと、硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、フルオロエラストマー製品を形成するステップとを含み、フルオロエラストマー製品が、同じ硬化性フッ素含有エラストマー組成物から形成されているがマイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した、250℃/70時間/25%たわみにおける圧縮永久ひずみ値を有する、方法を含む。
このような方法では、少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーはペルフルオロポリマーであってもよく、フッ化モノマーはテトラフルオロエチレンであり、少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーはペルフルオロ化硬化部位モノマーであってもよく、ペルフルオロポリマーはペルフルオロアルキルビニルエーテルをさらに含んでもよい。
上記に述べられた方法では、方法はまた、組成物を硬化する前に、硬化剤をフッ素含有エラストマー組成物に組み込むステップを含んでもよい。
上記方法では、フルオロエラストマー製品および第2のフルオロエラストマー製品がフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに曝露された場合、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した微粒子化を有する。上記方法のこのような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含む。
上記方法では、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した密着力を有する。このような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含んでもよい。
上記方法では、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対して、第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された抵抗性を有する。
上記方法では、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された物理的特性を有する。
上記方法では、フルオロエラストマー製品の350℃/70時間/18%たわみにおける圧縮永久ひずみ値はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少している。上記方法のこのような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含んでもよい。
本発明はまた、減少した密着力を有するフルオロエラストマー製品を形成する方法であって、少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製するステップと、硬化性フッ素含有エラストマー組成物に、0.10ミクロン超~100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を添加するステップと、硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、フルオロエラストマー製品を形成するステップとを含み、フルオロエラストマー製品が、硬化性フッ素含有エラストマーと同じ硬化性フッ素含有エラストマー組成物から形成されているがマイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した密着力を有する、方法も含む。
上記方法では、少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーはペルフルオロポリマーであってもよく、フッ化モノマーはテトラフルオロエチレンであってもよく、少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーはペルフルオロ化硬化部位モノマーであってもよく、ペルフルオロポリマーはペルフルオロアルキルビニルエーテルをさらに含んでもよい。
上記に述べられた方法では、方法はまた、組成物を硬化する前に、硬化剤をフッ素含有エラストマー組成物に組み込むステップを含んでもよい。
上記方法では、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した、250℃/70時間/25%たわみにおける圧縮永久ひずみ値を有する。このような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含んでもよい。
上記方法では、フルオロエラストマー製品および第2のフルオロエラストマー製品がフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに曝露された場合、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した微粒子化を有する。上記方法のこのような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含んでもよい。
上記方法では、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対して、第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された抵抗性を有する。
上記方法では、フルオロエラストマー製品はまた好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された物理的特性を有する。
上記方法では、350℃/70時間/18%たわみにおけるフルオロエラストマー製品の圧縮永久ひずみ値は好ましくは、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少している。このような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含んでもよい。
本発明は、減少した微粒子化を有するフルオロエラストマー製品を形成するための方法であって、前記方法が、少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製するステップと、硬化性フッ素含有エラストマー組成物に0.10ミクロン超~約100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を添加するステップと、硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、フルオロエラストマー製品を形成するステップとを含み、フルオロエラストマー製品が少なくとも約350℃の使用温度で使用可能である方法をさらに含む。
上記に述べられた方法では、方法はまた、組成物を硬化する前に、硬化剤をフッ素含有エラストマー組成物に組み込むステップを含んでもよい。
上記方法では、フルオロエラストマー製品はペルフルオロエラストマー製品であってもよい。上記方法では、フルオロエラストマー製品は好ましくは、同じ硬化性フッ素含有エラストマー組成物から形成されているが、マイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した、350℃/70時間/18%たわみにおける圧縮永久ひずみ値を有する。このような実施形態では、第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、カーボンブラック充填剤をさらに含む。
発明の詳細な説明
背景技術のセクションに記述されているように、従来の技術は、0.1ミクロンより大きいサイズを有するダイヤモンドナノ粒子の使用が通常微粒子化に伴う高い欠陥率を引き起こすことを示している。出願人らは、0.1ミクロンより大きいマイクロダイヤモンド粒子の使用が、公知の競合のプラズマ抵抗性組成物よりも低い微粒子化をもたらすことを驚くことに見出した。さらに、本明細書の好ましい実施形態では、このような充填剤はまた予想外に、高温においても減少した圧縮永久ひずみ値、減少した密着力、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対して向上した抵抗性、ならびに改善された物理的特性をもたらし、さらに好ましい実施形態では、圧縮永久ひずみの減少と共に、高い使用温度での使用を可能にしている。
硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、テトラフルオロエチレン、および少なくとも1種のフッ素含有モノマー(そのうちの1種は少なくとも1つの硬化部位を含む硬化部位モノマーである)を含む少なくとも1種の硬化性フルオロポリマー、ならびにマイクロダイヤモンド粒子を含む。硬化性フッ素含有エラストマー組成物はまた、少なくとも1種の硬化剤を必要に応じて組み込むこともできる。
好ましいマイクロダイヤモンド粒子は0.1ミクロン超~約100ミクロンの平均粒径を有し、合成マイクロダイヤモンド、天然マイクロダイヤモンドまたはこれらのブレンドおよび組合せであってもよい。本明細書で使用する場合、「平均粒径」とは、粒径分布を特徴付ける最も大きな粒径曲線のピークを意味することを意図する。マイクロダイヤモンド粒子の市販品を購入する場合、販売元は通常平均粒径を示しているが、このような平均粒径は、独立して、当技術分野で公知のまたは開発されるべき任意の適切な方法で測定することができる。改善された物理的特性、ならびに、例えばNFおよび/またはOおよび/またはHプラズマにおいて向上したプラズマ抵抗性を達成するための好ましい平均粒径は、本明細書の様々な実施形態では、特定のポリマー系における所望の最終特性および予想された配合量に応じて、0.1ミクロン超~約10ミクロン;0.1ミクロン超~約5ミクロン;約0.2ミクロン~約2ミクロン;約0.25ミクロン~約1.0ミクロンおよび約0.25ミクロン~約0.5ミクロンであってもよい。他の好ましい実施形態では、このようなプラズマ環境に対して現在市販されている化合物と比較して、低レベルの微粒子化、ならびにより高い温度、例えば、約250℃およびそれよりも高い、約300℃およびそれよりも高い、および約350℃およびそれよりも高い温度でも予想外に低い圧縮永久ひずみ値を依然として達成しながら、約2ミクロン~約5ミクロンの平均粒径を使用することができる。
マイクロダイヤモンド粒子は、球状粒子、繊維またはフラスコを含む様々な形状を有することができる。さらに粒子は、凝塊形成したまたは凝集物の形態で存在することができる。適切な商用グレードマイクロダイヤモンドは、研磨面(例えば、ツール上の)での使用のために、The Dev Group、Dev Industrial Corp.、Boca Raton、Florida、U.S.A.;Eastwind Diamond Abrasives of Vermont、U.S.A.;American Superabrasives、Florida、U.S.A.;Zhecheng Hongxiang Superhard Material Co.,Ltd.、Chinaおよび他の研磨合成ダイヤモンド製造業者または合成もしくは天然マイクロダイヤモンドの製造元を含む様々な供給元から販売されている。
組成物は通常、組成物に使用されているベースフルオロポリマーまたはフルオロポリマー100部当たり約100重量部までのマイクロダイヤモンドを含むことができるが、大体は様々な特性効果のために組み込まれ得る。一部の実施形態では、組成物は好ましくは、ベースフルオロポリマー100部当たり約1~約50重量部のマイクロダイヤモンド、またはベースフルオロポリマー100部当たり約2部~約20部を含むことができる。マイクロダイヤモンドの性質は、ベース硬化性フルオロポリマー100重量部当たり約0.5~約10重量部、約0.5重量部~約5重量部のより低いレベル、またはベースフルオロポリマー100重量部当たり約2.75~約5重量部まで低いレベルで、優れた結果および物理的特性とエラストマー特性との良好なバランスを可能にする。好ましいレベルにおいて、予想外に好ましいまたは低減したレベルの圧縮永久ひずみが達成されることも事実である。
配合量をベースフルオロポリマー100部当たり約0.5~約50部に保って、本明細書で達成された改善された特性に対して影響を与えるのを回避すること、および/または利点を達成することが好ましく、このような組成物中の他の典型的な充填剤の全配合量を考慮に入れるべきである。本明細書の組成物に対する目標は、エラストマー特性、例えば、圧縮永久ひずみにネガティブな影響を過度に与えることなく十分な強度および物理的特性を提供し、ならびに/または、また好ましくはフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらのプラズマの組合せにおけるプラズマ抵抗性を向上させながら、組成物から形成された製品において密着力を減少させ、および/または微粒子化を減少させることであることに注目されたい。このような目標を達成することを試み、組成物はさらに、一部の場合には、圧縮永久ひずみを改善し、高い使用温度を可能にしながら、このような苛酷な環境また高温で機能することが可能である。本発明では、このようなバランスのとれた特性をはるかに低い配合量のマイクロダイヤモンドで経済的におよび有利に達成することができることによって、約1~約20部だけのマイクロダイヤモンドを有する組成物が、優れた結果をもたらし、充填剤のコストを節約し、減少した微粒子化、減少した高温圧縮永久ひずみ値、減少した密着力、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらのプラズマの組合せにおいて向上したプラズマ抵抗性、ならびに改善された物理的特性を提供することができる。
硬化性フルオロポリマーは、油田での工業的使用または石油化学製品の処理で直面している環境などのより苛酷な環境において有用であるが、この場合、クリーンな環境における使用にも適している組成物を含む任意の適切な硬化性フルオロポリマーであってもよい。使用することができる硬化性フルオロポリマーは、ASTM Internationalにより、ASTM D1418-17で提供される標準的ゴム命名法の定義により分類されているような材料である。このようなエラストマー命名法による標準的FKMポリマーは通常少なくとも2種のモノマーを有し、そのうちの1種はフッ化しており、好ましくはそのすべてはある程度フッ化し、加硫における使用のための少なくとも1種の硬化部位モノマーを有する。少なくとも2種のモノマーは好ましくは、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンまたは類似のフッ化オレフィンを含むが、当技術分野で公知であるか、または開発されるべき様々な他のモノマーも含み得る。フルオロエラストマー組成物はまた、フルオロエラストマーの硬化部位モノマーにおいて、官能基と架橋反応を生じることが可能な少なくとも1種のキュアリング剤を含むこともできる。
本明細書でのFKMに関して、このような硬化部位モノマーは、過酸化物硬化系により硬化可能な1種の硬化部位モノマーを含むことができる。このような硬化部位モノマーは、好ましくは硬化部位官能基中にハロゲン化材料、例えば、BrまたはIを含む官能基を有する。FKM中のモノマーの少なくとも2種はヘキサフルオロプロピレン(HFP)およびフッ化ビニリデン(VF2)であってもよいが、これら2種に加えて、他の典型的モノマーを、当技術分野で公知の様々なフルオロポリマーを形成するために使用することができ、硬化部位モノマーおよび硬化系は異なっても良い。「過酸化物硬化系」とは、過酸化物硬化剤および任意の関連する共硬化剤が利用されることを意味する。このような系は当技術分野で公知である。
硬化性フルオロポリマーは放射線架橋可能であってもよいが、好ましくは硬化系を介して架橋可能であり(硬化性)、硬化部位モノマー中の官能基と反応してエラストマー材料を形成することが可能なキュアリング剤が添加される。必要に応じて、第2のキュアリング剤、コキュアリング剤、および/または硬化促進剤のうちの少なくとも1種を利用することもできる。本明細書の組成物は、単一の硬化性フルオロポリマーまたは少なくとも2種の硬化性フルオロポリマーの組合せを、所望の最終特性に応じて、例えば、ポリマーブレンド、グラフト組成物または合金の形態で有することができる。
「未硬化」または「硬化可能な」という用語は、本明細書の組成物における使用のためのフルオロポリマーを指し、これは、任意の実質的な程度の架橋反応に未だ供されておらず、よって、材料は意図した最終用途のために未だ十分に硬化されていない。
本明細書の組成物に対する硬化性フルオロポリマーは、追加のこのようなポリマーを、上述のようなブレンド様の組成物またはグラフト/共重合した組成物に必要に応じて含めることもできる。さらに、ポリマー骨格は架橋のための1つまたはそれより多くの異なる官能基を提供する様々な硬化部位モノマーを鎖に沿って含むことができるが、好ましくは、本明細書での本発明における使用のためのこのような基の1つは、過酸化物硬化系により硬化可能である。組成物はまた架橋反応を援助するためのキュアリング剤およびコキュアリング剤および/または促進剤を含むこともできる。同じまたは異なる硬化部位モノマー、例えば、架橋を作り出すためにビスフェニルベース硬化系と反応する硬化部位、例えば、窒素含有反応性基を有する硬化部位に対して追加の硬化部位および硬化系を提供することができるが、ただし、過酸化物で硬化可能な官能基もまた好ましくは存在することを条件とする。結果的に、本開示は、本明細書中で様々な好ましい硬化剤(本明細書中で架橋剤またはキュアリング剤とも呼ばれる)について論じているが、当技術分野で公知の追加の硬化部位が使用される場合、本明細書で好まれている有機の過酸化物ベース硬化剤および共硬化剤に加えて、このような代替の硬化部位を硬化させることが可能な他の硬化剤もまた使用することができる。このような硬化系のさらなる説明は以下に提供される。
1種またはそれより多種の硬化性フルオロポリマーがこのような組成物中に存在することができる。このようなポリマーは1種またはそれより多種のフッ化モノマーを重合化または共重合することによりそれ自体で形成される。当技術分野で公知の様々な技術(直接重合、乳化重合および/またはフリーラジカル重合、ラテックス重合など)を使用して、このようなポリマーを形成することができる。
フルオロポリマーは2種またはそれより多種のモノマーを重合化することにより形成することができ、好ましくはこのうちの1種は少なくとも部分的にフッ化されているが、完全にフッ化したモノマーも使用することができる。例えば、HFPおよびVF2は、好ましくは、硬化を可能にする硬化部位モノマー、すなわち少なくとも1種のフルオロポリマー硬化部位モノマーである少なくとも1種のモノマーと共に、テトラフルオロエチレン(TFE)または1種もしくはそれより多種のペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、または類似のモノマーと組み合わされる。本明細書に記載されているようなフルオロエラストマー組成物は、好ましくは本明細書に記載されているような硬化系および1種またはそれより多種の他のキュアリング剤を使用して、硬化して、フルオロエラストマーを形成することが可能な任意の適切な標準的な硬化性フルオロエラストマーフルオロポリマー(FKM)を含むことができる。適切な硬化性FKMフルオロポリマーの例として、Solvay Solexis、S.p.A.、Italyから入手可能な商標名Tecnoflon(登録商標)PL958で販売されているもの、または本明細書の組成物中で利用される場合、好ましくは過酸化物硬化系により硬化可能な他の類似のフルオロポリマーが挙げられる。このような材料の他の供給元として中でも、ダイキン工業株式会社、日本、3M Corporation、Minnesota、およびE.I.DuPont de Nemours&Company,Inc.、Delawareが挙げられる。このようなFKMポリマーはポリマーの骨格上で完全にフッ化されていない。
好ましい実施形態では、特に高い純度またはクリーンな環境における最終用途に対して、少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーは、ペルフルオロエラストマーを形成するのに有用な硬化性ペルフルオロポリマーである。本明細書の組成物は、硬化性のフルオロポリマー組成物かペルフルオロポリマー組成物かに関わらず、前記組成物中に、ただ1種のみのフルオロポリマーもしくはペルフルオロポリマーを含み得るか、または、2種またはそれより多種のそのようなフルオロポリマーもしくはペルフルオロポリマーを含み得、前記組成物は、使用および/または硬化された場合、単一のフルオロエラストマーもしくはペルフルオロエラストマーを形成するか、または2種もしくはそれより多種が使用された場合、ペルフルオロエラストマーブレンド組成物を形成する。さらに硬化性フルオロポリマーは、硬化性ペルフルオロポリマーとブレンドして、部分的にフッ化したブレンドしたフルオロエラストマーを作製することができる。
この用途において使用される場合、「ペルフルオロエラストマー」または「硬化したペルフルオロエラストマー」は他に指摘されていない限り、硬化性ペルフルオロポリマー、例えば、本明細書に記載されている硬化性組成物中の好ましい硬化性ペルフルオロポリマーを硬化することによって形成される任意の硬化したエラストマー材料または組成物を含む。
硬化したペルフルオロエラストマーを形成するために使用するのに適した「硬化性ペルフルオロポリマー」(当技術分野で時には「ペルフルオロエラストマー」またはより適切には「ペルフルオロエラストマーガム」とも呼ばれている)は、実質的には完全にフッ化したポリマーであり、そのポリマー骨格上で完全にペルフルオロ化していることが好ましい。本開示に基づき、官能基の架橋基の一部としての水素の使用により、いくつかの残存する水素が、これら材料の架橋内のいくつかのペルフルオロエラストマー中に存在し得ることが理解されよう。硬化した材料、例えば、ペルフルオロエラストマーは架橋ポリマー構造である。
本明細書の好ましいペルフルオロエラストマー組成物中で使用することによって、硬化の際に、硬化したペルフルオロエラストマーを形成する硬化性ペルフルオロポリマーは、1種またはそれより多種のペルフルオロ化モノマーを重合化することによって形成され、これらのモノマーの1つは、好ましくは上述のような硬化部位、すなわち、硬化を可能にする官能基を有するペルフルオロ化硬化部位モノマーである。官能基は、ペルフルオロ化されていなくてもよい反応性基であってもよく、また、これを含んでもよい。2種またはそれより多種の硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマー、および好ましくは少なくとも1種の必要に応じた硬化剤(キュアリング剤)を好ましくは本明細書の組成物中で組み合わせ、次いでこれを硬化して、結果として生じる、架橋した、硬化したフルオロエラストマー組成物、好ましくは本明細書に記載されているようなペルフルオロエラストマー組成物を形成することができる。
本明細書で使用する場合、硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、2種またはそれより多種の硬化性ポリマーより形成された、ブレンドおよび組み合わせた組成物である硬化性ペルフルオロポリマー組成物であってもよく、これらの硬化性ペルフルオロポリマー組成物のそれぞれは、ペルフルオロ化された場合、硬化を可能にする少なくとも1つの官能基(硬化部位)を有する少なくとも1種のペルフルオロ化硬化部位モノマーを含む、2種またはそれより多種のペルフルオロ化モノマーを重合化することによって形成される。このような硬化性ペルフルオロポリマー材料はまた、関連する部分が参照により本明細書に組み込まれる、the American Standardized Testing Methods(ASTM)の標準化したゴム定義に従い、およびASTM Standard D1418-17において本明細書で上に記載されているように、一般的にFFKMとも呼ばれている。
本明細書で使用する場合、「圧縮永久ひずみ」とは、変形圧縮荷重を除去した後、ゆがんだままであり、その元の形状に戻らないエラストマー材料の性質を指す。圧縮永久ひずみ値は、材料が回復できない元のたわみのパーセンテージとして表現される。例えば、0%の圧縮永久ひずみ値は、変形圧縮荷重の除去後に材料がその元の形状に完全に戻ることを示している。逆に、100%の圧縮永久ひずみ値は、材料が、付与された変形圧縮荷重からまったく回復しないことを示す。30%の圧縮永久ひずみ値は、元のたわみの70%が回復したことを意味する。より高い圧縮永久ひずみ値は、シール漏出の可能性を一般的に示す。
本明細書に記載されているように、本発明は、硬化性フッ素含有エラストマー組成物、好ましくは硬化性ペルフルオロエラストマー組成物、および硬化したペルフルオロエラストマー組成物、ならびにこのような硬化性フッ素含有エラストマー組成物より形成される成形品を含む。
このようなペルフルオロエラストマー組成物は、好ましくは、少なくとも1種の、より好ましくは2種またはそれより多種の硬化性ペルフルオロポリマー、好ましくはペルフルオロコポリマーを含み、これらのペルフルオロポリマーのうち少なくとも1種は、テトラフルオロエチレン(TFE)の高い含有量を有する。他の適切なコモノマーは、他のエチレン性不飽和のフルオロモノマーを含み得る。2種のこのようなペルフルオロポリマーがブレンドに使用され、両方が好ましくはTFEまたは別の類似のペルフルオロ化オレフィンモノマーを有する場合、ペルフルオロポリマーのうちの少なくとも1種は高TFEペルフルオロポリマーであってもよい。各ポリマーはまた、好ましくは1種またはそれより多種のペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)を有することができ、これは、直鎖または分枝鎖であってもよいアルキルまたはアルコキシ基を含み、またエーテル結合を含んでもよく、本明細書での使用に好ましいPAVEとして、例えば、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロメトキシビニルエーテルおよび他の類似の化合物が挙げられ、特に好ましいPAVEは、PMVE、PEVEおよびPPVEであり、最も好ましいのは、本明細書の硬化性組成物を硬化させることで形成される、生成した製品に優れた機械的強度を提供するPMVEである。PAVEは、その使用が本明細書に記載されている本発明と一致する限り、硬化性ペルフルオロポリマー内、および最終的な硬化性組成物中で、単独でまたは上記に述べられたPAVEタイプと組み合わせて使用することができる。
好ましいペルフルオロポリマーは、TFEと、少なくとも1種のPAVEと、硬化性ポリマーの架橋を可能にする硬化部位または官能基を組み込んだ少なくとも1種のペルフルオロ化硬化部位モノマーとのコポリマーである。硬化部位モノマーは、本明細書中で述べられた好ましい硬化部位を有する様々なタイプのものであってもよい。好ましい硬化部位は、好ましくは、窒素含有基を有するものであるが、特に第1および/または第2の硬化性ペルフルオロポリマー以外にさらなる硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーが組成物に提供され得るので、他の硬化部位の基、例えば、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、または、例えば、ヨウ素または臭素を有するハロゲン化した基など、ならびに当技術分野で公知の他の硬化部位もまた使用することができる。結果的に、本開示は、本明細書中で放射線硬化または様々な好ましい硬化剤(本明細書中で架橋剤、キュアリング剤とも呼ばれている)の使用を提供するが、当技術分野で公知の他の硬化部位が使用される場合、このような代替の硬化部位を硬化させることが可能な他の硬化剤を使用することもできる。例えば、過酸化物硬化系、例えば、有機性過酸化物ベースのもの、および関連する過酸化物共硬化剤を、ハロゲン化した官能基の硬化部位基と共に使用することができる。第1と第2のペルフルオロポリマーの両方が窒素含有硬化部位を含むことが最も好ましい。
例示的硬化部位モノマーが以下に列挙され、これらは硬化性組成物における使用のための本明細書に記載されている硬化性フルオロポリマーまたは硬化性ペルフルオロポリマーに使用することができ、これらの大部分は、構造がPAVEベースのものであり、反応部位を有する。ポリマーは様々であってもよいが、好ましい構造は、以下の構造(A):
CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF-X(A)
(式中、mは0または1~5の整数であり、nは1~5の整数であり、Xは窒素含有基、例えば、ニトリルまたはシアノである)を有するものである。しかし、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン化した末端基もまたXとして使用することができる。
最も好ましくは、任意の硬化性フルオロポリマーもしくは硬化性ペルフルオロポリマー、または第1と第2のこのような硬化性ペルフルオロポリマーのいずれかもしくは両方の2種の硬化性ペルフルオロポリマーのブレンドにおける硬化部位モノマーは、上記に述べられた(A)(式中、mは0であり、nは5である)によるものである。本明細書中で述べられた硬化部位または官能基X、例えば、窒素含有基は、硬化剤と反応した場合の架橋のための反応部位を含む。式(A)による化合物は、単独で、または様々な、必要に応じたこれらの組合せで使用することができる。架橋の観点から、架橋官能基は窒素含有基、好ましくはニトリル基であることが好ましい。
式(A)による硬化部位モノマーのさらなる例は、以下の式(1)~(17)を含む:CY=CY(CF-X(1)
(式中、YはHまたはFであり、nは1~約8の整数である)
CF=CFCF -X(2)
(式中、R は(-CF-、-(OCF-であり、nは0または1~約5の整数である)
CF=CFCF(OCF(CF)CF(OCHCFCFOCHCF-X(3)
(式中、mは0または1~約5の整数であり、nは0または1~約5の整数である)
CF=CFCF(OCHCFCF(OCF(CF)CFOCF(CF)-X(4)
(式中、mは0または1~約5の整数であり、nは0または1~約5の整数である)
CF=CF(OCFCF(CF))O(CF-X(5)
(式中、mは0または1~約5の整数であり、nは1~約8の整数である)
CF=CF(OCFCF(CF))-X(6)
(式中、mは1~約5の整数である)
CF=CFOCF(CF(CF)OCFCF(-X)CF(7)
(式中、nは1~約4の整数である)
CF=CFO(CFOCF(CF)-X(8)
(式中、nは2~約5の整数である)
CF=CFO(CF-(C)-X(9)
(式中、nは1~約6の整数である)
CF=CF(OCFCF(CF))OCFCF(CF)-X(10)
(式中、nは1~約2の整数である)
CH=CFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)-X(11)
(式中、nは0または1~約5の整数である)
CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF=X(12)
(式中、mは0または1~約4の整数であり、nは1~約5の整数である)
CH=CFCFOCF(CF)OCF(CF)-X(13)
CH=CFCFOCHCF-X(14)
CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCF(CF)-X(15)
(式中、mは、0を超える整数である)
CF=CFOCF(CF)CFO(CF-X(16)
(式中、nは、少なくとも1である整数である)
CF=CFOCFOCFCF(CF))OCF-X(17)
(式中、Xは、モノマーの反応部位サブユニット、例えば、ニトリル(-CN)、カルボキシル(-COOH)、アルコキシカルボニル基[-COOR(式中、Rは、フッ化またはペルフルオロ化されていてもよい、1~約10個の炭素原子のアルキル基である)]、ハロゲンまたはアルキル化ハロゲン基(IまたはBr、CHIなど)などであってよい)。ペルフルオロ化化合物は、硬化部位モノマーとして使用される場合、ポリマー骨格鎖内に位置することになる硬化部位モノマーの骨格のその部分の中に水素原子を有さないことが好ましい。ペルフルオロポリマーの硬化から生成されるペルフルオロエラストマーに対して、ならびに重合反応によりペルフルオロエラストマーを合成する場合の連鎖移動による分子量の低下を阻止するために、優れた熱抵抗性が所望される場合、このような硬化部位モノマーが使用される。さらに、CF=CFO-構造を有する化合物は、TFEとの優れた重合反応性を提供するという観点から好ましい。
適切な硬化部位モノマーは、好ましくは、好ましい架橋反応性のために窒素含有硬化部位、例えば、ニトリルまたはシアノ硬化部位などを有するものを含む。しかし、カルボキシル、アルコキシカルボニル、COOHを有する硬化部位(上記に述べられたものに加えて複数のおよび様々な骨格を有する)および当技術分野で公知であり、開発されるべき他の類似の硬化部位もまた使用することができる。硬化部位モノマーは、単独でまたは様々な組合せで使用することができる。
本明細書中で使用することができる好ましいペルフルオロポリマーは、ペルフルオロポリマー化合物中、約50約95モルパーセントというTFEのモルパーセンテージでTFEを含む。このようなペルフルオロポリマーはまた、好ましくはペルフルオロ化もされているさらなるコモノマー、例えば、PAVEを組み込むこともでき、これらの多くは当技術分野で公知であり、明細書中で使用することができる。様々なPAVEを、本明細書中の組成物における使用のための硬化性ポリマーに使用することができる。一実施形態では硬化部位モノマーはまた、1つまたはそれより多くの硬化部位モノマーを有するペルフルオロ化硬化部位モノマーであってもよく、これはシアノ基であってもよい。一実施形態では、このような2つの硬化部位基が存在してもよく、例えば、1つの硬化部位は第1のシアノ硬化部位基を有し、1つは第2のシアノ硬化部位基を有する。
適切なペルフルオロポリマーは、ダイキン工業株式会社から市販されており、米国特許第6,518,366号および同第6,878,778号ならびに米国公開特許出願第2008-0287627号に記載されており、これらはそれぞれ、その中に記載されているペルフルオロポリマーに関して関連する部分において、本明細書中に組み込まれている。少なくとも2種の硬化部位モノマーを含む、本明細書中の好ましい実施形態における使用のためのさらなる市販のペルフルオロポリマーは、Federal State Unitary Enterprise S.V.Lebedev Institute of Synthetic Rubber of Petersburg、Russiaまたは米国のLodestarから入手可能なものであり、このようなペルフルオロエラストマーに関して関連する部分において本明細書中に組み込まれている国際公報第WO00/29479A1号の範囲内に記載されている通りであり、ならびにPFK-65またはPFK-100として、Federal State Unitary Enterprise S.V.Lebedev Institute of Synthetic Rubberから入手可能な商業ベースのペルフルオロエラストマーである。
本明細書中の一部の実施形態では、約40~約80モルパーセントの範囲のTFE含有量、約20~約60の範囲のPAVE含有量を有する硬化性ペルフルオロポリマーを使用することができ、硬化部位モノマーのそれぞれは全部で約0.1モルパーセント~約10モルパーセントの量で存在してもよく、またはそれぞれは約0.1~約6モルパーセントの量で存在し、またはさらに好ましい実施形態では、第1の硬化部位モノマーは約0.2~約2.0モルパーセントの量で存在し、第2の硬化部位モノマーは約0.5~約5.0モルパーセントの量で存在する。
一部の実施形態では、ブレンド内に2種の硬化性フルオロポリマーが存在し、この中でポリマー、例えば、上記に述べられたポリマーは、上記に述べられたものと同じでも異なっていてもよい、本明細書中で使用される第2の硬化性フルオロポリマーまたは硬化性ペルフルオロポリマーと共に使用することができ、このような第2の硬化性ポリマーは、同じ含有量のTFEまたはPAVEを有することができるが、必ずしも有する必要はない。好ましくは、第2のペルフルオロポリマーが使用されてもよく、これは、フッ素樹脂材料がその中に組み込まれているもの、例えば、フッ素樹脂であり得る。フッ素樹脂粒子は、様々な形態で、および様々な技術を使用して提供することができる。フッ素樹脂、例えば、PTFE、およびそのコポリマー(FEPおよびPFAタイプポリマー)、コアシェルまたは他の改質されたフルオロポリマーおよび様々なサイズのもの(マイクロ粒子、ナノ粒子など)、これらのそれぞれは、単独でまたは組み合わせて、機械的手段もしくは化学処理および/または重合により材料に組み込むことができる。例えば、米国特許第4,713,418号および同第7,476,711号に記載のもの(これらのそれぞれは、このような技術に関して本明細書に参照により組み込まれる)、ならびにまたフッ素樹脂粒子の使用に関して本明細書に参照により組み込まれる米国特許第7,019,083号に記載されているような他の技術など、公知であるかまたは開発されるべき技術を利用することができる。適切な市販のポリマーは、St.Paul、Minnesotaの3M Corporationから市販されている。
他のペルフルオロポリマーおよび上記に述べられたなどの硬化部位モノマーを使用してこれから形成される、結果として生じるエラストマーの例は、米国特許第6,518,366号、第6,878,778号および米国公開特許出願第2008-0287627号ならびに米国特許第7,019,083号において見出すこともでき、それぞれがその中に記載されているペルフルオロポリマーならびにこれらの生成したエラストマーおよびこれを形成する方法に関して関連する部分において本明細書中に組み込まれている。
本明細書中で特許請求された組成物中で使用するためのペルフルオロポリマーは、例えば、乳化重合、ラテックス重合、連鎖開始重合、バッチ重合およびその他を含めた重合を使用してフッ素含有エラストマーを形成するための任意の公知のまたは開発されるべき重合技術を使用して合成することができる。好ましくは、重合は、反応性の硬化部位がポリマー骨格のいずれかの末端もしくは両方の末端に位置し、および/または主要ポリマー骨格に依存するように行われる。
未硬化のペルフルオロポリマーは市販されており、3M Corporation、St.Paul、Minnesotaにより、Dyneon(商標)の名称で販売されているペルフルオロポリマー、Daiel-Perfluor(登録商標)およびダイキン工業株式会社(大阪、日本)から入手可能な他の類似のポリマーが含まれる。他の好ましい材料はまた、イタリアのSolvay Solexis、Federal State Unitary Enterprise S.V. Lebedev Institute of Synthetic Rubber of Petersburg、Russia、旭硝子(日本)、およびW.L.Goreからも入手可能である。適切なペルフルオロポリマーおよびそのブレンドの他の例は、例えば、適切なペルフルオロポリマー、およびそのブレンドに関して本明細書に参照により組み込まれる米国特許第9,018,309号および同第9,365,712号に見出すことができる。
未硬化のペルフルオロポリマーは、放射線硬化の使用を含む任意の方法を介して硬化することができるが、様々な硬化性フッ素含有エラストマーと共に使用するために、少なくとも1種の硬化剤(本明細書中では架橋剤、キュアリング剤および/または硬化系とも呼ばれる)を含むことが好ましく、本明細書中のペルフルオロエラストマー組成物は、本明細書に記載されている様々な硬化部位を用いた使用に対して選択することができ、硬化可能(すなわち、反応および架橋が可能である)、またはそうでなければ組成物中の様々な未硬化ペルフルオロポリマーの硬化部位モノマーの硬化部位または官能基と硬化反応を生じて、架橋を形成し、成形品の形態でエラストマー材料を生成するはずである。
好ましい架橋剤またはキュアリング剤は、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、またはトリアジン環を有する架橋を形成するものである。このような化合物ならびにアミドキシム、テトラアミンおよびアミドラゾンを含めた他の硬化剤を、本発明において架橋のために使用することができる。
窒素含有硬化部位に対して、好ましい硬化剤は、ビスアミノフェノールおよびその塩ならびにこれらの組合せを含めたビスフェニルベースの硬化剤およびその誘導体;ビスアミノチオフェノール、パラベンゾキノンジオキシム(PBQD)であり、ならびに様々なこのような化合物の塩を使用することができる。適切な硬化剤の例は、例えば、米国特許第7,521,510B2号、同第7,247,749B2号および同第7,514,506B2号に見出すことができ、これらのそれぞれは、シアノ基含有ペルフルオロポリマーのための様々な硬化剤の列挙に関して関連する部分において本明細書中で組み込まれている。加えて、ペルフルオロポリマーは、放射線硬化技術を使用して硬化させることができる。
シアノ基硬化部位を有する、硬化部位に対するさらに好ましい硬化剤は、以下の式(I)および(II)のような少なくとも2つの架橋性基を有する芳香族アミン、またはこれらの組合せを有する硬化剤であり、これらは硬化の際にベンゾイミダゾール架橋構造を形成する。これらの硬化剤は当技術分野で公知であり、これらの全体が本明細書中で組み込まれている、米国特許第6,878,778号およびUS6,855,774号において、関連する部分においておよび具体例を用いて考察されている。
Figure 2022545699000006
(式中、Rは、式(II)による各基の中で同じでありまたは異なり、NH、NHR、OH、SHまたは一価の有機基もしくは他の有機基、例えば、約1~約10個の炭素原子の、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキルおよびアラルキルオキシであってもよく、ここで、非アリール型の基は、分枝鎖もしくは直鎖、および置換もしくは非置換であってもよく、Rは、-NH、-OH、-SHまたは一価もしくは他の有機基、例えば、脂肪族炭化水素基、フェニル基およびベンジル基、またはアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキルおよびアラルキルオキシ基であってもよく、ここで、各基は、約1~約10個の炭素原子であり、非アリール型の基は、分枝鎖または直鎖、および置換または非置換であってもよい)。好ましい一価または他の有機基、例えば、アルキルおよびアルコキシ(またはそのペルフルオロ化バージョン)は1~6個の炭素原子であり、好ましいアリール型の基はフェニルおよびベンジル基である。その例として、-CF、-C、-CHF、-CHCFもしくは-CH、フェニル基、ベンジル基;または水素原子のうちの1~約5個がフッ素原子で置換されているフェニルもしくはベンジル基、例えば、-C、-CH(式中、基は-CFもしくは他の低級ペルフルオロアルキル基を含めた基でさらに置換されていてもよい)、または、1~5個の水素原子がCFで置換されているフェニルもしくはベンジル基、例えば、C5-n(CF、-CH5-n(CF(式中、nは1~約5である)が挙げられる。水素原子は、フェニルまたはベンジル基でさらに置換されていてもよい。しかし、フェニル基およびCHは、優れた熱抵抗性、良好な架橋反応性および相対的に簡単な合成を提供するので好ましい。
有機アミンに式(I)または(II)が組み込まれている構造体は、少なくとも2つの架橋反応性基が得られるように、式(I)または(II)のうちの少なくとも2つのこのような基を含むべきである。
以下に示されている式(III)、(IV)および(V)を有する硬化剤も本明細書で有用である。
Figure 2022545699000007
(式中、Rは、好ましくはSO、OもしくはCO、または有機もしくはアルキレン型の基、例えば、1~6個の炭素原子の、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルもしくはアラルコキシ基など、または約1~約10個の炭素原子を有し、分枝鎖もしくは直鎖であり、飽和もしくは不飽和であり、および分枝鎖もしくは直鎖である(非アリール型の基に関して)このような基のペルフルオロ化バージョン、または単結合であり、Rは、好ましくは、以下に示されているもの:
Figure 2022545699000008
などの反応性の側基である);
Figure 2022545699000009
(式中、R は、直鎖もしくは分枝鎖基であってよい、および/または飽和もしくは不飽和であってよい、および/または置換もしくは非置換であってよい、約1~約10個の炭素原子のペルフルオロアルキルもしくはペルフルオロアルコキシ基である);および
Figure 2022545699000010
(式中、nは約1~約10の整数である)。
単一の硬化剤またはこれらの組合せは、架橋することになる硬化部位に応じて、本発明の範囲内の本明細書中の硬化剤のすべてから選択することができる。熱抵抗性に関して、オキサゾール環、イミダゾール環、チアゾール環およびトリアジン環を形成する架橋剤が好ましく、以下に列挙された式の化合物を含むことができ、式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)、具体的には、式(II)(式中、Rは、同じでありまたは異なり、それぞれは、-NH、-NHR、-OHまたは-SHであり、Rは一価の有機基であり、好ましくは水素ではない);式(III)(式中、Rは、-SO-、-O-、-CO-、および1~約6個の炭素原子のアルキレン基、1~約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基または単結合であり、Rは以下に記述されている通りである);式(IV)(式中、R は1~約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基である)、および式(V)(式中、nは1~約10の整数である)に関してさらに以下に考察されている。このような化合物の中でも、本明細書中で記述されているような式(II)の化合物は、熱抵抗性に対して好ましく、ここでは熱抵抗性が、架橋後の芳香族環の安定化により向上している。式(II)におけるRに関して、N-R結合(式中、Rは一価の有機基であり、水素ではない)は、N-H結合よりも酸化抵抗性が高いので、Rとして-NHRを使用することもまた好ましい。
式(II)のように少なくとも2つの基を有する化合物、およびその上に2~3つの架橋可能な反応性基、より好ましくは2つの架橋性基を有する化合物が好ましい。
上記の好ましい式に基づく例示的硬化剤は、少なくとも2つの官能基、例えば、以下の構造式(VI)、(VII)または(VIII)を含む:
Figure 2022545699000011
(式中、Rは、炭素原子に関してペルフルオロ化され、好ましくは約1~約10個の炭素原子である、飽和もしくは不飽和の、分枝鎖もしくは直鎖、置換もしくは非置換の基、例えば、アルキル、アルコキシ、アリール、SO、O、CO、または類似の基を表す);
Figure 2022545699000012
(式中、Rは、本明細書中の他の箇所で定義されている通りであり、Rは、O、SO、COまたはペルフルオロ化されていてもよい有機基、例えば、約1~約10個の炭素原子のアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキルおよびアラルキルオキシであってよく、非アリール型の基は、分枝鎖もしくは直鎖であってよく、置換もしくは非置換であってよく、または単結合もしくはアルキレン結合であってよい)。
簡単な合成の観点から、本明細書中で好まれているさらなる実施形態では、最も好ましい架橋剤は、式(II)で表されるような2つの架橋可能な反応性基を有する化合物であり、式(VIII)において以下に示されている。
Figure 2022545699000013
(式中、Rは上記の通りであり、Rは、-SO、-O-、-CO-、1~約6個の炭素原子のアルキレン基、1~約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基、単結合または式(IX):
Figure 2022545699000014
に示されているような基であり、この式はより容易な合成を提供する)。1~約6個の炭素原子のアルキレン基の好ましい例は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレンなどである。1~約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基の例は、
Figure 2022545699000015
などである。これらの化合物はビスアミノフェニル化合物の例として公知である。この構造による好ましい化合物は、式(X):
Figure 2022545699000016
[式中、Rは、各場合にも、同じでありまたは異なり、各Rは、水素、1~約10個の炭素原子のアルキル基;1~10個の炭素原子の、部分的にフッ化またはペルフルオロ化したアルキル基;フェニル基;ベンジル基;または1~約5個の水素原子がフッ素または低級アルキルまたはCFなどのペルフルオロアルキル基で置き換えられている、フェニルもしくはベンジル基である]
のものを含む。
硬化剤の非限定的な例として、2,2-ビス(2,4-ジアミノフェニルヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-ペルフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4(N-ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、および類似の化合物が挙げられる。これらの中で、好ましい優れた熱抵抗特性に対して、2,2-ビス[3-アミノ-4(N-メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンおよび2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが好ましい。また熱抵抗特性に対して好ましいのは、テトラアミン、例えば、4,4’-[2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス[N1-フェニル-1,2-ベンゼンジアミン]もしくは2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-フェニルアミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパンなどが好ましい。
他の適切な硬化剤として、当技術分野で公知であるか、または開発されるべきものとして、オキサゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、およびトリアジン環形成硬化剤、アミドキシムおよびアミドラゾン架橋剤、ならびに特にビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せ;ビスアミノチオフェノール;ビスアミジン;ビスアミドキシム;ビスアミドラゾン;モノアミジン;モノアミドキシムおよびモノアミドラゾンが挙げられ、これらの例は、例えば、米国特許第7,247,749号および第7,521,510号に示されており、関連する部分において、本明細書中で参照により組み込まれ、硬化剤および共硬化剤ならびにその中の促進剤が含まれる。ビスアミドキシム、ビスアミドラゾン、ビスアミノフェノール、ビスアミノチオフェノールまたはビスジアミノフェニル硬化剤は、ペルフルオロポリマー中のニトリルもしくはシアノ基、カルボキシル基、および/またはアルコキシカルボニル基と反応して、本明細書中の組成物から形成される、結果として生じる硬化製品において、架橋としてオキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、またはトリアジン環を有する、本明細書中の一部の実施形態で好ましいペルフルオロエラストマーを形成することに対して、本明細書中で最も好ましい。
本明細書中の一実施形態では、式(I)または(II)におけるような架橋反応性基を有する少なくとも2つの化学基を含む化合物は、熱抵抗性を増加させ、芳香族環系を安定化するために使用することができる。2~3個のこのような基を有する、(I)または(II)の中の基に対して、より少ない数の基を有すると、十分な架橋が得られない場合があるので、各基(I)または(II)において少なくとも2つを有することが好ましい。このような組合せは公知であり、関連部分において本明細書中で組み込まれている出願人の米国特許第9,018,309B2号および同第9,365,712B2号に記載されている。
このような組成物は、好ましくは、第1の硬化性ペルフルオロポリマーと、第2の硬化性ペルフルオロポリマーを、約95:5~約5:95、好ましくは約80:20~約20:80、およびより好ましくは約40:60~約60:40、または約50:50の範囲の比で有するブレンドである。
硬化性ペルフルオロポリマーのそれぞれの中の少なくとも1つの硬化部位モノマーのそれぞれは、好ましくは、第1の硬化性ペルフルオロポリマーおよび第2の硬化性ペルフルオロポリマーのそれぞれにおいて、約0.1~約10モルパーセントの量で、それぞれおよび個々に存在する。
少なくとも1種の硬化剤が使用される場合、この硬化剤は、組成物中の硬化性ペルフルオロポリマーの硬化部位モノマーを硬化させるのに適した、可変の量、例えば、組成物中のペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.2重量部~約10重量部の総量で存在してもよく、それぞれは、組成物中のペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.1~約6重量部、または好ましくは組成物中のペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.1~約2重量部の量で存在してもよい。一実施形態では、少なくとも2種の硬化剤は、第1のペルフルオロポリマー中で、第1の硬化剤に対してペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.5~約4重量部および少なくとも1種の第2の硬化剤に対してペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.3~約2重量部の量で使用される。
第1および第2の硬化性ペルフルオロポリマーのいずれかまたは両方において、少なくとも1種の硬化部位モノマー中の1つの硬化部位は、好ましくは窒素含有硬化部位である。第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも1種の硬化部位モノマー中の少なくとも1つの硬化部位は、シアノ、カルボキシル、カルボニル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択することができ、最も好ましくはシアノ基である。
少なくとも1種の硬化剤は、好ましくは、以下の適切な硬化剤:フッ化イミドイルアミジン;ビスアミノフェノール;ビスアミジン;ビスアミドキシム;ビスアミドラゾン;モノアミジン;モノアミドキシム;モノアミドラゾン;ビスアミノチオフェノール;ビスジアミノフェニル;式(II):
Figure 2022545699000017
(式中、Rは、同じでありまたは異なり、それぞれは、-NH、-NHR、-OHまたは-SHであり、Rは一価の有機基である);
で表される少なくとも2つの架橋性基を有するテトラアミンおよび芳香族アミン;式(III):
Figure 2022545699000018
(式中、Rは、-SO-、-O-、-CO-、1~6個の炭素原子を有するアルキレン基、1~10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレン基または単結合であり、Rは、
Figure 2022545699000019
である)
で表される化合物;式(IV):
Figure 2022545699000020
(式中、R は、1~10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレン基である)で表される化合物;式(V):
Figure 2022545699000021
(式中、nは1~10の整数である)で表される化合物のうちの1種ならびにこれらの組合せであってもよく、少なくとも1種の硬化剤が、少なくとも1種の第1のペルフルオロポリマー中の最小1つの硬化部位および第2のペルフルオロポリマー中の少なくとも1つの硬化部位と反応して、組成物中の少なくとも1種のペルフルオロポリマーおよび少なくとも1種の第2のペルフルオロポリマーを架橋することが可能である。
少なくとも1種の硬化剤は、さらにより好ましくは、式(II)(式中、Rは、-NHR)で表される少なくとも2つの架橋性基を有する芳香族アミン;フッ化イミドイルアミジン;ビスアミノフェノール;およびこれらの組合せである。
一実施形態では、硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、好ましくは、上記に述べられたような化合物の範囲内のテトラアミン化合物である化合物として少なくとも1種の硬化剤を含む。このような化合物は単独でまたは組み合わせて使用することができる。本明細書中の硬化剤として使用するのに最も好ましい化合物は、式(II)(式中、Rは-NHRであり、Rはアリール基である)によるものである。このような化合物はまた、4,4’-[2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス[N1-フェニル-1,2-ベンゼンジアミン](「Nph-AF」)(また「V6」としても公知である)としても公知である。
Figure 2022545699000022
本明細書中の別の実施形態では、最も好ましい硬化剤として、ペルフルオロイミドイルアミジン、例えば、以下の化合物および類似の化合物に関して本明細書中の関連部分において参照により組み込まれる、米国特許第8,362,167号に見出されるものが挙げられる。DPIA-65としても記載されている1つの好ましい化合物はまた、本明細書の以下に示されている。
Figure 2022545699000023
他の好ましい化合物は、ビスアミノフェノールおよびその塩、ならびにこれらの組合せである。
1つのさらなる実施形態では、組成物は、好ましくはペルフルオロエラストマー組成物であり、少なくとも1種の硬化剤はNph-AF(またはV6)の使用を含む:
Figure 2022545699000024
この化合物は、単独でまたは別の硬化剤と共に、例えば、ビスアミノフェノールまたはビスアミノフェノールAFなどと組み合わせて、および/またはこれらの代替と組み合わせてもしくはこれらの代替として、使用することができ、少なくとも1種の硬化剤は、DPIA-65:
Figure 2022545699000025
をさらに含む。
本明細書中の他の好ましい実施形態では、式(XII)の化合物は、単独でまたは
Figure 2022545699000026
(式中、各Rは、独立して、-NH、-NHR、-OHまたは-SHであり、Rは、一価の有機基であり、Rは、-SO、-O-、-CO-、1~約6個の炭素原子のアルキレン基、1~約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基、単結合または式(IX):
Figure 2022545699000027
に示されているような基である)と組み合わせて使用される。
このような組合せにおける第2の硬化剤は、好ましくは式(X):
Figure 2022545699000028
(式中、Rは、独立して、水素、1~約10個の炭素原子のアルキル基;1~10個の炭素原子の、部分的にフッ化もしくはペルフルオロ化したアルキル基;フェニル基;ベンジル基;またはフッ化もしくは部分的にフッ化したフェニル基;フッ化もしくは部分的にフッ化したベンジル基;あるいは低級アルキルもしくはペルフルオロアルキル基である官能基(単数または複数)を有するフェニルまたはアルキル基から選択される)による化合物である。この組合せにおける第2の硬化剤は、好ましくは、ビスアミノフェノールおよびその塩またはこれらの組合せである。
好ましい実施形態では、式XIIで表される型の硬化剤の、ビスアミノフェノール型硬化剤または関連する化合物に対する好ましい比は、好ましくは約0.5:1~約35:1、好ましくは約1:1~約32:1および最も好ましくは約2:1~15:1であってもよい。
上記に述べられたマイクロダイヤモンド粒子と共に使用するのに1つの好ましい硬化性ペルフルオロエラストマー組成物として、テトラフルオロエチレン、第1のペルフルオロアルキルビニルエーテル、および少なくとも1つの硬化部位、またはさらなる実施形態では、少なくとも2つの硬化部位モノマーを有する少なくとも1種の第1の硬化部位モノマーを含む第1の硬化性ペルフルオロポリマーが挙げられ、テトラフルオロエチレンおよび第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルは、第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に様々な量でおよび少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種の第2の硬化部位モノマー中に存在し、第2の硬化性ペルフルオロポリマーは、その中に上述のような、必要に応じたフッ化材料または他の充填剤などを組み込むことができ、好ましくは少なくとも1種の硬化剤をさらに含む。マイクロダイヤモンド粒子は、ポリマーをブレンドする前または後に、および任意の他の充填剤または添加剤を組み込む前または後に、ポリマーブレンドに組み込むことができるが、ブレンドしたポリマーが使用される場合、ポリマーは、添加剤または充填剤および/またはマイクロダイヤモンド粒子を導入する前にブレンドすることが好ましい。また、硬化の早期開始を回避するために、マイクロダイヤモンド粒子を含む他の充填剤および添加剤の後に、および硬化の前に任意の硬化剤を導入することが好ましい。
少なくとも1種の硬化剤は、
Figure 2022545699000029
、ビスアミノフェノール、ビスアミノフェノールAF、およびこれらの組合せからなる群から選択することができ、これは、(XII)の式およびビスアミノフェノールおよび/またはその塩の組合せを含む。
第1のまたは第2の硬化性ペルフルオロポリマーのうちのいずれかの中の硬化部位モノマーの少なくとも1種は、好ましくはニトリル基または他の窒素含有硬化部位、例えば、上記に述べられたものを含む。
ニトリル基などを有するフッ素含有硬化性ペルフルオロポリマーと共に使用するための、本明細書中で述べられている好ましい硬化剤に加えて、第1および第2のペルフルオロポリマーならびに/または本明細書中の組成物に加える他のペルフルオロポリマーに対して当技術分野で公知の硬化剤を使用してニトリル基を硬化させることは本発明の範囲内である。当技術分野で公知の他の硬化剤の例として、好ましくは、トリアジン環を形成することができる硬化剤が挙げられる。ハロゲン化した硬化部位が利用される場合、当技術分野で周知の過酸化物硬化剤および共硬化剤もまた使用することができる。他の適切な硬化剤として、上記に列挙されたものを挙げることができる。
本明細書中に記述されているような硬化性フルオロエラストマーまたはペルフルオロエラストマー組成物より形成されるこのような硬化したフルオロエラストマーおよびペルフルオロエラストマー組成物は、成形品形成するために硬化および成形することができる。一般的に、成形品は、例えば、Oリング、シール、ガスケット、挿入部などの封止部材として形成されることになるが、当技術分野で公知であるか、または開発されるべき他の形状および使用が本明細書中で想定される。
成形品は、例えば、ボンデッドシールを形成するために表面に結合することができる。このようなボンデッドシールは、例えば、半導体加工および他の最終用途において使用するための、例えば、プレボンデッドドア、ゲート、およびスリットバルブドアを形成するために使用することができる。このような成形品、例えば、シールなどを結合することができる表面として、ポリマー表面ならびに金属および金属合金表面が挙げられる。一実施形態では、本発明は、例えば、ステンレススチールまたはアルミニウムから形成される、ゲートまたはスリットバルブドアを含み、これらに対してOリングシールは、シールを受け入れるように構成されたドアの中の溝と一致している。結合は、結合組成物の使用を介してまたは接着剤を介して生じることができる。
本明細書中の硬化性エラストマー組成物は、例えば、第1および第2のペルフルオロポリマーなどのブレンドが使用される場合、本明細書中の他の箇所で記載されているような少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーを合わせることによって最初に調製する。
ポリマーは、典型的なゴム加工装置、例えば、開放型ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを使用して合わせることができる。組成物はまた、閉鎖型混合器の方法を使用して調製することもできる。好ましくは、典型的な混合器は、例えば、フルオロポリマーおよび述べられた他の材料を合わせるために通常使用されるような2ローター混合器などである。好ましくは、この方法では、特にペルフルオロポリマーに対して、ポリマーは、混合器型および設計に応じて、室温で、または約30℃~約100℃、もしくは約50~約250℃の高温で混合する。
所望する場合、不必要ではあるが、他の添加剤はまた組成物に混和してもよく、マイクロダイヤモンド粒子の添加と共に添加してもよい。マイクロダイヤモンド粒子は、任意のポイントで組み込むことができるが、ポリマーブレンドが形成される場合、ブレンドした後に添加することができる。他の添加剤は必要とされないが、所望する場合、ある特定の特性を変化させるために添加することもできる。このような添加剤の例として、硬化促進剤、共硬化剤、架橋助剤、加工助剤、可塑剤、充填剤、例えば、シリカ、上述のようなフルオロポリマー、例えば、TFE、フッ化コポリマー、コアシェル改質フルオロポリマーなどのマイクロパウダー、ペレット、繊維およびナノパウダー形態で、フルオログラファイト、シリカ、硫酸バリウム、炭素、カーボンブラック、フッ化炭素、粘土、タルク、金属充填剤(酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム)、金属炭化物(炭化ケイ素、炭化アルミニウム)、金属窒化物(窒化ケイ素、窒化アルミニウム)、他の無機充填剤(フッ化アルミニウム、フッ化炭素)、着色剤、有機色素および/または顔料、例えば、アゾ、イソインドリノン(isoindolenone)、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アントラキノンなど、イミド充填剤(例えば、ポリイミド、ポリアミド-イミドおよびポリエーテルイミド)、ケトン樹脂(例えば、PEEK、PEKおよびPEKKなどのポリアリーレンケトン)、ポリアリーレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾエートなどが挙げられ、これらは、当技術分野で公知の量で使用することができ、そして/または異なる特性に対して様々であってもよい。本明細書中の充填剤のすべては、単独でまたは2種もしくはそれより多種のこのような充填剤および添加剤と組み合わせて使用することができる。
好ましくは、任意の硬化促進剤、共硬化剤、架橋助剤などを含む、少なくとも1種の第1および/または第2の硬化部位モノマー上の硬化部位を硬化可能な少なくとも1種の必要に応じた硬化剤中の任意の添加剤は、他の充填剤、添加剤および/またはマイクロダイヤモンド粒子がフルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーに組み込まれた後に添加される。
本明細書中の組成物は、所望する場合、高度に充填されてもよく、また、充填剤なしで形成されてもよい。必要に応じた、さらなる充填剤、例えば、上記に述べられたものは、組成物中の合わせた硬化性ペルフルオロポリマー100部当たり、約100部~約150部までの総量で使用することができ、特により高いレベルのマイクロダイヤモンド構成要素が想定される場合は、ほぼこの総量であってもよい。
硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーをマイクロダイヤモンドおよび/または任意の他の必要に応じた、任意の必要に応じた硬化剤を含む添加剤と組み合わせた後、エラストマーまたはペルフルオロエラストマー組成物中の硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーを硬化させて、本明細書に記載されているような硬化したフルオロエラストマーまたはペルフルオロエラストマー組成物を形成する。
硬化性組成物は、好ましくは、所望の架橋結合を形成するために、選択した硬化方法または硬化系、硬化部位および/または硬化剤に応じて、慣習的に使用される温度および時間の間硬化させる。温度は、組成物中の硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーが実質的に硬化する、好ましくは少なくとも90%またはそれよりも多く硬化するまで、硬化反応が進行するのを可能にするのに十分であるべきである。好ましい硬化性ペルフルオロポリマー組成物に対する好ましい硬化温度および時間は、例えば、約150℃~約250℃、約5~約40分間である。硬化後、必要に応じた後硬化ステップを使用することができる。本明細書中で述べられた最も好ましいペルフルオロポリマーに対して許容される後硬化温度および時間は、例えば、約200℃~約320℃、約5~約48時間である。
硬化中、本明細書に記載されている硬化性組成物は、成形品に形成することができるが、同時に、型に対して付与される熱および圧力を使用して硬化させることもできる。好ましくは、組み合わせた硬化性フルオロポリマーおよびペルフルオロポリマーは、押出しロープなどの予成形品、または予成形品を収容するために成形された溝を有する型の中に予成形品を含めるために、および硬化中に成形品を形成するために有用である他の形状に形成する。必要に応じた後硬化およびベークアウトはまた、好ましくは大気または窒素または真空下で行うこともできる。
フルオロポリマーもしくはペルフルオロポリマーの硬化と共に作用するか、またはこれらの硬化を促進するかのいずれかのための、あるいはいずれのさらなる必要に応じた硬化性ポリマーを硬化させるおよび/または硬化を促進するさらなる硬化剤および硬化促進剤もまた本明細書中に含むことができる。非硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーとして、反応性の硬化部位を欠いたもの、および1種またはそれより多種のエチレン性不飽和のモノマー(例えば、TFE、HFPおよびPAVE)より形成されるものが挙げられる。さらなる硬化性ペルフルオロポリマーは、本明細書中で述べられた硬化性ペルフルオロポリマーのいずれか、ならびに当技術分野で公知であるような有機過酸化物硬化系との架橋に対して適切な硬化部位を有するもの、ビスアミノフェニルベースの硬化物などであってもよい。このようなポリマーは、代替のブレンドを開発するため、および本明細書中に述べられた組成物の特性を改変するために添加することもできる。
本発明はまた、減少した微粒子化、特に高温で減少した圧縮永久ひずみおよび/または減少した密着力を有し、好ましくはまたフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこのようなプラズマの組合せにおいて向上したプラズマ抵抗性ならびに改善された物理的特性も有するフルオロエラストマー製品を形成するための方法を含む。上記方法は、それぞれが少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマー(VF2上の基以外の硬化部位に依存する場合)を有し、このような各硬化部位モノマーが少なくとも1つの硬化部位を含む、フルオロポリマー単独もしくはテトラフルオロエチレンに対して、またはペルフルオロポリマー、TFEおよび他の類似のペルフルオロ化オレフィンおよびペルフルオロアルキルビニルエーテルに対して、硬化性フッ素含有エラストマー組成物、例えば、少なくとも1種のフッ化モノマー、例えば、VF2またはHFPを含む少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーを有する、上記に詳細に記載されているものを調製することによりフルオロエラストマー製品を形成するステップを含む。このような組成物はまた少なくとも1種の硬化剤を必要に応じて含んでもよい。上記方法は、硬化性フッ素含有エラストマー組成物に、0.1ミクロン超~約100ミクロンの平均粒径または上に記載されているような他の適切な粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を上述のような量で添加し、次いで硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、フルオロエラストマー製品を形成するステップをさらに含む。
一実施形態では、硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、少なくとも1種のさらなる添加剤/充填剤、例えば、カーボンブラックまたは上述されたものを含むことができ、方法は、少なくとも1種の添加剤を硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーに添加しながら、マイクロダイヤモンド粒子をフッ素含有エラストマー組成物に添加するステップをさらに含むことができる。マイクロダイヤモンド粒子は、上述のような任意の必要に応じた充填剤または添加剤の添加前に添加することができると本開示から理解されているが、1種またはそれより多種の硬化剤が使用される場合、これら硬化剤は、好ましくは、他の添加剤および/またはマイクロダイヤモンド粒子がフルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーに組み込まれた後で組み込まれる。
上記方法の一実施形態では、組成物は硬化してフルオロエラストマー製品を形成し、このフルオロエラストマー製品は、同じフッ素含有エラストマー組成物を使用するが、マイクロダイヤモンド粒子なしで形成された第2の類似のフルオロエラストマー製品と比較して、フルオロエラストマー製品および第2のフルオロエラストマー製品のそれぞれがフッ素および/もしくは酸素および/もしくは水素ベースのプラズマ、またはこれらのプラズマの組合せに曝露された場合、減少した微粒子化を有する。このような低い微粒子化は、プラズマ抵抗性があるとして販売されている既存の商品との比較において、予想外にも達成されている。上述のようにおよび本明細書中のすべての方法において、フルオロエラストマー製品はペルフルオロエラストマー製品であってもよい。
上記方法では、250℃/70時間/25%たわみにおけるフルオロエラストマー製品の圧縮永久ひずみ値、好ましくはまた350℃/70時間/18%たわみにおけるフルオロエラストマー製品の圧縮永久ひずみ値が、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少していることもまた好ましく、これには、第2のフルオロエラストマー製品が従来の充填剤、例えば、カーボンブラック充填剤を用いて形成された事例も含まれる。
フルオロエラストマー製品が、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した密着力を有することもまた好ましく、これは従来の充填剤が第2のフルオロエラストマー製品に添加された場合を含む。上記方法による低い微粒子化を有するフルオロエラストマー製品は、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらのプラズマの組合せに対して、第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善されたプラズマ抵抗性および改善された物理的特性を有することもまた好ましい。
本明細書中の方法の1つにおいて、少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーを有する硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製することにより、減少した圧縮永久ひずみを有するフルオロエラストマー製品が形成される。組成物はまた、上記に詳細に記載されているような少なくとも1種の硬化剤を含んでもよい。0.10ミクロン超~100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子が硬化性フッ素含有エラストマー組成物に添加される。フッ素含有エラストマー組成物は硬化して、フルオロエラストマー製品を形成し、このフルオロエラストマー製品は、好ましくは、同じ硬化性フッ素含有エラストマー組成物から形成されているが、マイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した、250℃/70時間/25%たわみにおける圧縮永久ひずみ値を有し、好ましくはまた、第2のフルオロエラストマー製品と比較して同様に減少した、350℃/70時間/18%たわみにおけるフルオロエラストマー製品の圧縮永久ひずみ値を有し、従来の充填剤、例えば、カーボンブラックがその中に組み込まれた場合でもこのような利益はさらに達成される。このような高温での圧縮永久ひずみ値は、約200℃より上の、または300℃より上の、または350℃より上の高い使用温度を有する最終用途において本発明の組成物を使用する能力を示す。
フルオロエラストマー製品および第2のフルオロエラストマー製品がフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに曝露された場合、フルオロエラストマー製品はまた、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した微粒子化を有することが好ましく、これは、従来の充填剤、例えば、カーボンブラックが第2のフルオロエラストマー製品に組み込まれている場合を含む。形成されたフルオロエラストマー製品が第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した密着力、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対して、第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された抵抗性、ならびに第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された物理的特性を有することがさらに用意され、いずれの場合もこれらの特性は、従来の充填剤が組み込まれている場合でも利益をもたらす。
本明細書中の別の方法では、交換するシールを部品から簡単に除去することができず、システム内の部品および粒子の生成に損傷を与えるツールの使用が必要となり得、ならびに生産時間および作業者のコストを損失させ得るような状況を回避するため、減少した密着力を有するフルオロエラストマー製品が形成される。密着力を減少させることにより、経済的および生産利益が達成される。この方法では、少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を有する少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製する。少なくとも1種の硬化剤はまた、上に記載されているような硬化前に組み込むこともできる。マイクロダイヤモンド粒子は、0.10ミクロン超~100ミクロンの平均粒径を有する硬化性フッ素含有エラストマー組成物に添加する。硬化性フッ素含有エラストマー組成物は、硬化して、フルオロエラストマー製品を形成し、フルオロエラストマー製品は、硬化性フッ素含有エラストマーと同じ硬化性フッ素含有エラストマー組成物から形成されているが、マイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した密着力を有する。
この方法において、フルオロエラストマー製品はまた、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した、250℃/70時間/25%たわみにおける圧縮永久ひずみ値を有することが好ましく、好ましくはまた350℃/70時間/18%たわみにおけるフルオロエラストマー製品の圧縮永久ひずみ値は第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少しており、それぞれ、第2のフルオロエラストマー製品がまた従来の充填剤、例えば、カーボンブラックを含む状況を含んでいる。好ましくはまた、上記方法では、フルオロエラストマー製品および第2のフルオロエラストマー製品がフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに曝露された場合、フルオロエラストマー製品は、第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した微粒子化、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対して、第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された抵抗性、ならびに第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された物理的特性を有し、いずれの場合も、これにより、従来の充填剤が組み込まれている組成物を含め、利益が生じる。
本発明は、以下の非限定的例と併せてこれより以下に記載される。
以下の実施例では様々な構成要素を使用して、ペルフルオロエラストマー組成物中のマイクロダイヤモンドの異なるタイプおよび量の影響を評価する。これは、このような材料は他のエラストマーの強度を持たないことが公知であり、半導体用途などのクリーンな条件での苛酷な環境に供される可能性が最も高いからである。したがって、フッ素および/または酸素および/または水素ベースのプラズマ、例えば、NFおよび/またはOおよび/またはHプラズマを含む苛酷な材料にさらに耐える良好な物理的およびエラストマー特性を提供する、好ましくは低い密着力も提供することができることは、このような材料において、要求のあまり厳しくない他の用途において低い微粒子化と共に類似の結果を達成することができることを実証している。
実施例1
本明細書中の第1の実施例において、このようなプラズマ環境における使用のために現在販売されているある特定の競合製品と同じ環境で本発明の組成物を試験した。マイクロダイヤモンドを含まないが、代わりにポリマー充填剤を使用している本明細書中の出願人の以前のFFKM製品(比較製品A)を、Dupra(登録商標)DU-3R1として公知のダイキン工業株式会社の製品(比較製品B)、およびKalrez(登録商標)9100として公知のE.I.DuPont de Nemoursの製品(比較製品C)などと同様に比較目的のために利用した。競合商品の正確な組成は公知ではない。
ベースペルフルオロポリマーおよび硬化剤を、異なるレベルのマイクロダイヤモンドと共に使用して本発明の組成物を作製した(実施例1および2)。本明細書中のすべての実施例では、組成は、ベースポリマー100重量部当たりの百分率で提示されている(別個のベースポリマーの重量が付与されていない限り)。
実施例1および2において、ダイキン工業株式会社からGA-500PRとして入手可能な(ポリマーA)、3M Corporation、St.Paul MinnesotaからDyneon(登録商標)PFE-133TB Zとして入手可能な(ポリマーB)、および米国のLodestarからの、Federal State Unitary Enterprise S.V.Lebedev Institute of Synthetic Rubber of Petersburg、RussiaへのPFK-100として公知のもの(ポリマーC)の硬化性ペルフルオロポリマーを使用した。これらの実施例に使用した硬化剤は、以下に示す構造:
Figure 2022545699000030
を有するイミドイルベースの硬化剤、Federal State Unitary Enterprise S.V.Lebedev Institute of Synthetic Rubber、Petersburg、Russia製DPIA-65、ビスアミノフェノール(BOAP)、および4,4’-[2,2,2-トリフルオロ-l-(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス[N1-フェニル-1,2-ベンゼンジアミン](Nph-AF)を含んだ。
Figure 2022545699000031
このようなポリマーは、このようなポリマーおよびブレンドの形成に関して参照により本明細書中に組み込まれている米国特許第9,018,309号および同第9,365,712号のポリマーブレンドに記載されている。
同じベースポリマーを使用しているが、マイクロダイヤモンドを使用していない比較例(比較例D)もまた無充填組成物として調製し、これは通常、苛酷な環境において最小の微粒子化を有すると予想される(ただし、物理的特性は、無充填の組成に応じて十分であることも、ないこともある)。
具体的な公知の配合を以下の表Aに示す。組成物はそれぞれ同じ試験手順に供し、類似のサイズのOリング(214)を標準化したプラズマ照射試験に供した。クリーンな気体流は、循環の間(60,000サイクル)、部品のそれぞれを通り流動し、粒子検出器へ入り、粒子カウント数およびサイズが決定された。
Figure 2022545699000032
この試験法で測定した粒子は、0.3~10ミクロンの間のサイズの範囲であった。曝露されなかった試料は、予想通り、ほとんど粒子を生成しなかった。次いで、試料をアルミニウムより形成された試験パックの中で循環NFプラズマに曝露した。曝露および循環後、循環全体にわたって収集した粒径およびカウント数を処理した。
試験の間、プラズマ照射はプロセス誘発性の損傷を作り出し、これは加熱循環により増悪されることが判明した。試験の間、以前の比較製品AおよびCは最も高い粒子カウント数を有したが、本発明の実施例1および2は生成した粒子は最小であったことが判明した。
実施例2
様々な配合量のマイクロダイヤモンドと比較して、シールなどを作製するためのエラストマー組成物の合成における使用が公知のカーボンブラック充填剤、サーマルカーボンブラックN990の圧縮永久ひずみに対する影響を評価するために、さらなる試験を行った。使用したマイクロダイヤモンドは、Eastwind Diamond Abrasives製であった。このマイクロダイヤモンドはまた、別途明示されていない限り、以下の実施例のすべてで使用した。
同じベース配合物および異なる含有量を使用して組成物を作製した。この実施例では、2種のベース硬化性ペルフルオロポリマー、すなわち実施例1からのポリマーCおよび実施例1からのポリマーBを利用した。組成物の構成要素および異なる量のカーボンブラックまたはマイクロダイヤモンド添加剤を以下の表Bに示し、この表の中で、本発明の実施例3~9は、マイクロダイヤモンドのみ(すなわち、実施例8および9)、またはN990と共にマイクロダイヤモンド(すなわち、実施例3~7)、それぞれが異なる量で含んたが、比較例G~Jは、マイクロダイヤモンド充填剤を含まず、異なる量のN990のみを含んだ。
データは、さらに微量なマイクロダイヤモンドが、カーボンN990のみを有する組成物と比較して、250℃および350℃において圧縮永久ひずみのレベルを大幅に減少させることを示している。炭素充填剤は圧縮永久ひずみを増加させることが公知であるため、圧縮永久ひずみの減少の予期せぬ利益は、炭素ベースの充填剤、例えば、マイクロダイヤモンドを添加する際には予想していなかった。さらに、マイクロダイヤモンドが組み込まれた場合、密着力の減少という予期せぬ利益が存在することが見てとれる。したがって、本明細書中の組成物は、良好な物理的特性を可能にしながら、高温使用の基準、ならびにNF、Oおよび/またはHプラズマの存在下での重量の減少の削減をもたらすだけでなく、これらは、250℃および/または350℃で圧縮永久ひずみ特性を維持、または大幅に減少させ、これらが組み込まれたエラストマー組成物の密着力を減少させるという予期せぬ利益をももたらしている。
Figure 2022545699000033
実施例3
実施例1の試験と類似したさらなる微粒子化試験のために、本発明の2種の組成物、実施例10および11を対照比較例Kと共に調製した。組成物の構成要素を以下の表Cに示し、表の中でポリマーDは、米国のLodestarからの、Federal State Unitary Enterprise S.V.Lebedev Institute of Synthetic Rubber of Petersburg(Russia)向けのPFK-300として公知であり、マイクロダイヤモンドパウダーは0.250ミクロンの平均粒径を有し、Eastwind Diamond Abrasives製であった。
3種の配合物(比較例K、実施例10および実施例11)のそれぞれに対して試験214 Oリングを形成することにより、表Cの組成物を試験した。試料OリングをリモートのNFプロセスに250℃で曝露した。次いで、試料を小さなバルブに入れ、バルブを1サイクル/1.6秒の速度で循環させた。試料をバルブにロードし、250℃に加熱した。循環中、クリーンな、濾過した大気を、バルブを介して引き込み、粒子カウンターへと供給した。全試験中、粒子カウント数を収集した。36,000秒での合計粒子カウント数を表Cに示す。充填剤を有さない比較例Kは、最も高かい合計粒子カウント数を有した。本発明の組成物は、微粒子化における大幅な減少を実証した。
Figure 2022545699000034
実施例4
この実施例では、以下の表Dに記述されているように、プラズマ抵抗性のあるポリマー(ポリマーD)、同じ硬化剤および実施例10よりもいくらか少ないマイクロダイヤモンドを有するさらなる化合物、実施例12を使用して、実施例3に記述されているような組成物を調製した。組成物は、これらの物理的特性について、ならびにフッ素含有プラズマ(NF)および酸素含有プラズマ(O)におけるこれらのプラズマ抵抗性について評価した。試料を試験し、使用したマイクロダイヤモンドのより高い配合量の値においても、改善された物理的特性、優れた圧縮永久ひずみ、および使用したプラズマに対して大幅に改善された抵抗性が得られた。
Figure 2022545699000035
実施例5
フッ素ベースプラズマ(NF)を使用して、および酸素ベースプラズマ(O)において、プラズマ抵抗性(プラズマ照射後の重量パーセンテージの減少で測定)について、生成したエラストマー製品を評価するために、化合物を調製した。組成物および試験結果を以下の表Eに示す。物理的およびプラズマ抵抗性の試験のための化合物試料を試験用Oリングへと成形した。比較例Lはマイクロダイヤモンドを含まなかった。実施例1で使用したポリマーAとBのブレンドである、同じ組成物を使用して実施例13および14を調製し、これらは、実施例1で使用したような上記に記載の硬化剤NphAFを含んだが、それぞれが組成物中にマイクロダイヤモンドを異なるレベルで含んだ。
Figure 2022545699000036
結果は、対照と比較して、本発明の実施例13および14は、フッ素含有プラズマと酸素含有プラズマの両方のプラズマ照射からの重量の減少レベルも減少させながら、全般的に物理的特性を維持または改善し、圧縮永久ひずみを保持または改善したことを示している。
実施例6
この実施例では、比較例M、N、OおよびPをマイクロダイヤモンドなしで調製し、硬化性ペルフルオロポリマー、Tecnoflon(登録商標)PFR 5910M(ポリマーE)、Tecnoflon(登録商標)PFR 5920M(ポリマーF)、Tecnoflon(登録商標)PFR 06HC(ポリマーG)およびポリマーDを使用して本発明の実施例15~21を調製した。ポリマーDは、同じ合成の本発明の実施例において使用し、実施例4、表D、具体的には本発明の実施例10~12に含まれるものと同じ構成要素を使用した。
実施例15~16および比較例Mは、ポリマーEおよび過酸化物硬化剤Varox(登録商標)DBPHを、異なる量のマイクロダイヤモンドを有する本発明の実施例と共に使用して調製した。
本発明の実施例17および18ならびに比較例Nは、ポリマーFおよびVarox(登録商標)DBPHを、また、実施例17および18において異なる量のマイクロダイヤモンドと共に使用して調製した。
本発明の実施例19および20ならびに比較例Oは、ポリマーEとFのブレンドおよびVarox(登録商標)DBPHを、実施例19および20において異なる量のマイクロダイヤモンドと共に使用して調製した。
実施例21は、ポリマーGを、PTFE滑沢剤、PTFE L5F、ならびにVarox(登録商標)DBPHおよびDIAK#7を含む過酸化物硬化系と共に使用して調製した。この実施例に対する対照、比較例Pはマイクロダイヤモンドを含まなかったが、実施例21はベースポリマー、ポリマーG100部当たり5部のマイクロダイヤモンドを含んだ。組成を以下の表Fに示す。
組成物はすべて、上に記載されているようなプラズマ照射試験を使用して、異なるレベルの水素含有プラズマに供した。したがって、純粋な水素プラズマ(100%水素)ならびに水素プラズマの、フッ素含有プラズマ(CF)とのブレンド、酸素含有プラズマ(O)とのブレンド、および窒素プラズマ(N)とのブレンドを調製した。プラズマは、試験に、どの場合にも圧力600mT、パワー300W、温度200℃で提供し、1時間の間付与した。使用した、ブレンドされたプラズマは、試験に送達されたプラズマ内で、純粋な水素プラズマ照射に対して100%、窒素含有プラズマとのブレンドに対して70%、ならびにフッ素含有プラズマとのブレンドおよび酸素含有プラズマとのブレンドにおいて50%の範囲の異なる量の水素プラズマを有した。
これら異なるプラズマへの曝露後、すべての場合において、本発明の実施例に対して低減した重量の減少は、同じ配合物を有するが、マイクロダイヤモンドを欠いた比較例のものより少なかった。加えて、本発明の実施例において、マイクロダイヤモンドの含有量が増加するにつれて、重量の減少はより少なくなった。異なるプラズマおよび実施例に対する重量の減少データは表Fにも見出すことができる。試験した、硬化したペルフルオロエラストマー製品のそれぞれについてこのような結果が当てはまり、それぞれで、高レベルの化学抵抗性またはプラズマ抵抗性および低い微粒子化が示されている最終用途での使用に対してすでに利用されているペルフルオロポリマーが使用されている。このようなポリマーを無充填またはクリーン充填された状態で使用した場合でも、プラズマにおける重量の減少は低下した。
Figure 2022545699000037
実施例7
本明細書中で本発明から誘導される物理的特性およびプラズマ抵抗性の特性をさらに評価するため、マイクロダイヤモンドを用いて、またはマイクロダイヤモンドなしで、ポリマーGを使用して組成物を調製した。試料を上述のように作製し、窒素含有プラズマ(NF3)と酸素含有プラズマ(O2)の両方で物理的特性、圧縮永久ひずみおよびプラズマ抵抗性について試験した。組成および試験結果を、比較例Qと本発明の実施例22の両方に対して表Gに示す。
Figure 2022545699000038
試験結果は再び、低い微粒子化、良好な物理的特性および高レベルのプラズマ抵抗性を必要とする半導体または類似の用途における使用に対して非常に良好な特性を有する組成物において、これらの特性のすべては、マイクロダイヤモンドの使用により、圧縮永久ひずみの場合のように維持され、または改善されたことを示している。
実施例8
異なる量のTechnoflon(登録商標)PFR X1065O(ポリマーI)およびTechnoflon(登録商標)X1075O(ポリマーJ)を使用してさらなる試験を行った。これらのそれぞれは、熱および化学抵抗性を必要とする用途における使用のためのTecnoflon(登録商標)FFKM、Solvay(登録商標)製である。ポリマーIは単独でおよびポリマーJとのブレンドで使用した。これらをBOAPで硬化し、比較例R、SおよびT中で硬化した化合物は、マイクロダイヤモンドを含まなかった。本発明の実施例23~28において、異なる量のマイクロダイヤモンドを組み込んだ。組成物を170℃で20分間試験試料へと成形し、大気中、290℃で8/16時間、後硬化した。試料は、これらの物理的特性ならびに圧縮永久ひずみならびに窒素含有プラズマ(NF)および酸素含有プラズマ(O)に対するこれらの抵抗性に関してすべて試験した。すべての試験および組成に対するデータを以下の表Hに示す。異なる組成物の比較は、使用したポリマーおよび配合物の組合せに関わらず、すべての場合において、物理的特性が保持または改善され、圧縮永久ひずみがほぼ同じままであり、プラズマにおける重量の減少が大幅に減少したことを実証している。
Figure 2022545699000039
Figure 2022545699000040
実施例9
市販のポリマー、Tecnoflon(登録商標)P959、Solvay製(ポリマーH)の使用に基づき、フルオロエラストマー(FKM)組成物を調製した。Varox(登録商標)DBPHおよびDIAK#7に基づく過酸化物硬化系を使用して、ポリマーを硬化した。比較例Uでは、マイクロダイヤモンドが提供されず、本発明の実施例29および30では、様々な量のマイクロダイヤモンドが組成物に組み込まれている。混合器を使用して、組成物を120°Fで粉砕し、310°Fで10分間成形し、大気中450°Fで30-2-45時間、後硬化した。上記の様々なFFKM実施例と同様に、FKMにおいて、同じ効果が見られ、物理的特性は改善され、圧縮永久ひずみは同じであるか、または改善されている。この実施例では、圧縮永久ひずみは実質的に改善されている。さらに、密着力もまた減少しており、これは多くの最終用途においてさらなる利点である。組成および試験結果を、以下の表Iに含む。
Figure 2022545699000041
本発明のその広範な概念から逸脱することなく、上に記載されている実施形態に対する変更を行うことができることは当業者により理解される。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲で定義されているような本発明の趣旨および範囲内での修正を網羅することを意図することを理解されたい。

Claims (84)

  1. 少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーと、
    0.10ミクロン超~約100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子と
    を含む、硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  2. 前記マイクロダイヤモンド粒子が、0.1ミクロン超~約10ミクロンの平均粒径を有する、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  3. 前記マイクロダイヤモンド粒子が、約0.1ミクロン超~約5ミクロンの平均粒径を有する、請求項2に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  4. 前記マイクロダイヤモンド粒子が、約0.20ミクロン~約2ミクロンの平均粒径を有する、請求項2に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  5. 前記マイクロダイヤモンド粒子が、約0.25ミクロン~約1ミクロンの平均粒径を有する、請求項4に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  6. 前記マイクロダイヤモンド粒子が、約0.25ミクロン~約0.5ミクロンの平均粒径を有する、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  7. 前記マイクロダイヤモンド粒子が、球状粒子、繊維またはフラスコから選択される形状を有する、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  8. 前記マイクロダイヤモンド粒子が、天然マイクロダイヤモンド粒子である、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  9. 前記マイクロダイヤモンド粒子が、合成マイクロダイヤモンド粒子である、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  10. 前記マイクロダイヤモンド粒子が、天然マイクロダイヤモンド粒子と合成マイクロダイヤモンド粒子とのブレンドである、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  11. 前記粒子が、凝塊形成したまたは凝集物の形態で存在する、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  12. 前記組成物が、前記少なくとも1種の硬化性フルオロポリマー100重量部当たり約0.1~約100部のマイクロダイヤモンド粒子を含む、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  13. 前記組成物が、前記少なくとも1種の硬化性フルオロポリマー100重量部当たり約1~約50部のマイクロダイヤモンド粒子を含む、請求項12に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  14. 前記組成物が、前記少なくとも1種の硬化性フルオロポリマー100重量部当たり約2~約20部のマイクロダイヤモンド粒子を含む、請求項13に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  15. 前記少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーが硬化性ペルフルオロポリマーであり、前記少なくとも1種のフッ化モノマーがテトラフルオロエチレンであり、前記ペルフルオロポリマーがペルフルオロアルキルビニルエーテルモノマーをさらに含み、前記少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーがペルフルオロ化硬化部位モノマーである、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  16. 少なくとも1種の硬化剤をさらに含む、請求項15に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  17. 前記硬化剤が過酸化物硬化系である、請求項16に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  18. 前記少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーが硬化性ペルフルオロポリマーであり、前記少なくとも1種のフッ化モノマーがテトラフルオロエチレンであり、前記硬化性ペルフルオロポリマーがペルフルオロアルキルビニルエーテルモノマーをさらに含み、前記硬化性ペルフルオロポリマーがその中にフッ素樹脂粒子を含む、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  19. 少なくとも1種の硬化剤をさらに含む、請求項18に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  20. 前記硬化剤が過酸化物硬化系である、請求項19に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  21. 前記硬化性フルオロポリマーがペルフルオロポリマーであり、前記少なくとも1種のフッ化モノマーがテトラフルオロエチレンであり、前記ペルフルオロポリマーがペルフルオロアルキルビニルエーテルモノマーをさらに含み、それぞれが少なくとも1つの硬化部位を有する、少なくとも2種の前記フッ素含有硬化部位モノマーが存在する、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  22. 少なくとも1種の硬化剤をさらに含む、請求項21に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  23. 前記硬化剤のうちの1種が過酸化物硬化系である、請求項22に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  24. 前記組成物が、テトラフルオロエチレンを含む第2の硬化性ペルフルオロポリマーを有する前記硬化性ペルフルオロポリマー、第2のペルフルオロアルキルビニルエーテルモノマーおよびペルフルオロ化硬化部位モノマーのブレンドを含み、前記第2のペルフルオロポリマーがその中にフッ素樹脂粒子を含み、前記組成物が少なくとも2種の硬化剤をさらに含む、請求項22に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  25. 第1の硬化性ペルフルオロポリマーの重量パーセント対前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーの重量の比の範囲が約5:95~約95:5である、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  26. 前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーの前記重量パーセント対前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーの比の前記範囲が約20:80~約80:20である、請求項25に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  27. 前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーの前記重量パーセント対前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーの比の前記範囲が約40:60~約60:40である、請求項26に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  28. 前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーの前記重量パーセント対前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーの比の前記範囲が約50:50である、請求項27に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  29. 前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーの前記少なくとも2種の硬化部位モノマーのそれぞれが、前記第1の硬化性ペルフルオロポリマー中に約0.1~約10モルパーセントの量で存在し、前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーの前記少なくとも1種の硬化部位モノマーが、前記第2の硬化性ペルフルオロポリマー中に約0.1~約10モルパーセントの量で存在する、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  30. 前記第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の少なくとも2種の硬化部位モノマー中の前記硬化部位が窒素含有硬化部位である、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  31. 前記第1の硬化性ペルフルオロポリマーが、第1のシアノ硬化部位を含む第1の硬化部位モノマーおよび第2のシアノ硬化部位を含む第2の硬化部位モノマーを含む、請求項30に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  32. 前記第1の硬化性ペルフルオロポリマー中の前記少なくとも2種の硬化部位モノマーのそれぞれにおける前記少なくとも1つの硬化部位が、シアノ、カルボキシル、カルボニル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  33. 前記少なくとも2種の硬化剤が、前記組成物中の前記硬化性ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.2~約10重量部の総量で前記組成物中に存在する、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  34. 前記少なくとも2種の硬化剤のそれぞれが、前記硬化性ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.1重量部~約6重量部の量で前記組成物中に存在する、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  35. 前記少なくとも2種の硬化剤が、前記硬化性ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.5重量部~約4重量部の量で前記組成物中に存在する第1の硬化剤と、前記硬化性ペルフルオロポリマー100重量部当たり約0.3重量部~約2重量部の量で前記組成物中に存在する第2の硬化剤とを含む、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  36. 前記第1の硬化剤が、
    Figure 2022545699000042
    であり、前記第2の硬化剤が、
    Figure 2022545699000043
    (式中、各Rは、独立して、-NH、-NHR、-OHまたは-SHであり、Rは一価の有機基であり、Rは、-SO、-O-、-CO-、1~約6個の炭素原子のアルキレン基、1~約10個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基、単結合または式(IX):
    Figure 2022545699000044
    に示されているような基である)
    である、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  37. 前記第2の硬化剤が、式(X):
    Figure 2022545699000045
    (式中、Rは、独立して、水素、1~約10個の炭素原子のアルキル基;1~10個の炭素原子の、部分的にフッ化もしくはペルフルオロ化したアルキル基;フェニル基;ベンジル基;またはフッ化もしくは部分的にフッ化したフェニル基;フッ化もしくは部分的にフッ化したベンジル基;あるいは低級アルキルもしくはペルフルオロアルキル基である官能基(単数または複数)を有するフェニルまたはアルキル基から選択される)
    による化合物である、請求項36に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  38. 前記第2の硬化剤が、ビスアミノフェノールまたはその塩である、請求項36に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  39. 前記第2の硬化性ペルフルオロポリマーが、ハロゲン、窒素含有基、カルボキシル、アルコキシカルボニル、およびこれらの組合せからなる群から選択される硬化部位を有する硬化部位モノマーを含む、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  40. 前記少なくとも2種の硬化剤が、
    Figure 2022545699000046
    、ビスアミノフェノール、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項24に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  41. 前記第1の硬化剤が式(XII)による化合物であり、前記第2の硬化剤がビスアミノフェノールである、請求項40に記載の硬化剤フッ素含有エラストマー組成物。
  42. 前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、テトラフルオロエチレンおよび少なくとも1種の第2のフッ素含有モノマーを含む第2の硬化性フルオロポリマーを含み、このうちの1つが少なくとも1つの第2の硬化部位を含む硬化部位モノマーである、請求項1に記載の硬化性フッ素含有エラストマー組成物。
  43. 前記第1の硬化性フルオロポリマーおよび/または前記第2の硬化性フルオロポリマーがペルフルオロポリマーであり、前記第1の硬化性フルオロポリマーおよび前記第2の硬化性フルオロポリマーが異なる、請求項42に記載の組成物。
  44. 請求項1に記載の硬化性フッ素含有組成物を硬化することにより形成される、硬化したフッ素含有エラストマー。
  45. 請求項1に記載の組成物を熱硬化および成形することにより形成される成形品。
  46. 減少した微粒子化を有するフルオロエラストマー製品を形成するための方法であって、前記方法は、
    少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製するステップと、
    前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物に、0.10ミクロン超~約100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を添加するステップと、
    前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、前記フルオロエラストマー製品を形成するステップとを含み、前記フルオロエラストマー製品および前記第2のフルオロエラストマー製品がフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せのうちの少なくとも1つに曝露された場合、前記フルオロエラストマー製品が、同じフッ素含有エラストマー組成物を有するが前記マイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した微粒子化を有する、方法。
  47. 前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、少なくとも1種の充填剤を含み、前記方法が、前記少なくとも1種の充填剤を前記少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーに添加しながら、前記マイクロダイヤモンド粒子を前記フッ素含有エラストマー組成物に添加するステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、前記フルオロエラストマー製品を形成する前に、少なくとも1種の硬化剤を添加するステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
  49. 前記少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーがペルフルオロポリマーであり、前記フッ化モノマーがテトラフルオロエチレンであり、前記少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーがペルフルオロ化硬化部位モノマーであり、前記ペルフルオロポリマーがペルフルオロアルキルビニルエーテルをさらに含む、請求項46に記載の方法。
  50. 前記フルオロエラストマー製品の250℃/70時間/25%たわみにおける圧縮永久ひずみ値が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少している、請求項46に記載の方法。
  51. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項50に記載の方法。
  52. 前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した密着力を有する、請求項46に記載の方法。
  53. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項50に記載の方法。
  54. 前記フルオロエラストマー製品が、フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対して、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された抵抗性を有する、請求項46に記載の方法。
  55. 前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された物理的特性を有する、請求項46に記載の方法。
  56. 前記フルオロエラストマー製品の350°C/70時間/18%たわみにおける圧縮永久ひずみ値が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少している、請求項46に記載の方法。
  57. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項56に記載の方法。
  58. 減少した圧縮永久ひずみを有するフルオロエラストマー製品を形成する方法であって、前記方法は、
    少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製するステップと、
    前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物に、0.10ミクロン超~100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を添加するステップと、
    前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、前記フルオロエラストマー製品を形成するステップとを含み、前記フルオロエラストマー製品が、同じ硬化性フッ素含有エラストマー組成物から形成されているが、前記マイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した、250℃/70時間/25%たわみにおける圧縮永久ひずみ値を有する、方法。
  59. 前記少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーがペルフルオロポリマーであり、前記フッ化モノマーがテトラフルオロエチレンであり、前記少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーがペルフルオロ化硬化部位モノマーであり、前記ペルフルオロポリマーがペルフルオロアルキルビニルエーテルをさらに含む、請求項56に記載の方法。
  60. 前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、前記フルオロエラストマー製品を形成する前に、少なくとも1種の硬化剤を添加するステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
  61. 前記フルオロエラストマー製品および前記第2のフルオロエラストマー製品がフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに曝露された場合、前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した微粒子化を有する、請求項56に記載の方法。
  62. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項61に記載の方法。
  63. 前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した密着力を有する、請求項58に記載の方法。
  64. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項63に記載の方法。
  65. フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対して、前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された抵抗性を有する、請求項58に記載の方法。
  66. 前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された物理的特性を有する、請求項58に記載の方法。
  67. 前記フルオロエラストマー製品の350℃/70時間/18%たわみにおける圧縮永久ひずみ値が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少している、請求項58に記載の方法。
  68. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項67に記載の方法。
  69. 減少した密着力を有するフルオロエラストマー製品を形成する方法であって、前記方法は、
    少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の第1の硬化性フルオロポリマーを含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製するステップと、
    前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物に、0.10ミクロン超~100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を添加するステップと、
    前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、前記フルオロエラストマー製品を形成するステップとを含み、前記フルオロエラストマー製品が、前記硬化性フッ素含有エラストマーと同じ硬化性フッ素含有エラストマー組成物から形成されているが、前記マイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した密着力を有する、方法。
  70. 前記少なくとも1種の硬化性フルオロポリマーがペルフルオロポリマーであり、前記フッ化モノマーがテトラフルオロエチレンであり、前記少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーがペルフルオロ化硬化部位モノマーであり、前記ペルフルオロポリマーがペルフルオロアルキルビニルエーテルをさらに含む、請求項69に記載の方法。
  71. 前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、前記フルオロエラストマー製品を形成する前に、少なくとも1種の硬化剤を添加するステップをさらに含む、請求項69に記載の方法。
  72. 前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した、250℃/70時間/25%たわみにおける圧縮永久ひずみ値を有する、請求項69に記載の方法。
  73. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項72に記載の方法。
  74. 前記フルオロエラストマー製品および前記第2のフルオロエラストマー製品がフッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに曝露された場合、前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した微粒子化を有する、請求項69に記載の方法。
  75. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項74に記載の方法。
  76. フッ素ベースプラズマ、酸素ベースプラズマ、水素ベースプラズマ、およびこれらの組合せに対して、前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された抵抗性を有する、請求項69に記載の方法。
  77. 前記フルオロエラストマー製品が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して改善された物理的特性を有する、請求項69に記載の方法。
  78. 前記フルオロエラストマー製品の350℃/70時間/18%たわみにおける圧縮永久ひずみ値が、前記第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少している、請求項69に記載の方法。
  79. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項78に記載の方法。
  80. 減少した微粒子化を有するフルオロエラストマー製品を形成するための方法であって、前記方法は、
    少なくとも1種のフッ化モノマー、および少なくとも1つの硬化部位を含む少なくとも1種のフッ素含有硬化部位モノマーを含む少なくとも1種の硬化性フルオロポリマー、ならびに少なくとも1種の硬化剤を含む硬化性フッ素含有エラストマー組成物を調製するステップと、
    前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物に、0.10ミクロン超~約100ミクロンの平均粒径を有するマイクロダイヤモンド粒子を添加するステップと、
    前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、前記フルオロエラストマー製品を形成するステップとを含み、前記フルオロエラストマー製品が、少なくとも約350℃の使用温度で使用可能である、方法。
  81. 前記フルオロエラストマー製品がペルフルオロエラストマー製品である、請求項80に記載の方法。
  82. 前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物を硬化して、前記フルオロエラストマー製品を形成する前に、少なくとも1種の硬化剤を添加するステップをさらに含む、請求項80に記載の方法。
  83. 前記フルオロエラストマー製品が、同じ硬化性フッ素含有エラストマー組成物から形成されているが、前記マイクロダイヤモンド粒子を含まない第2のフルオロエラストマー製品と比較して減少した、350℃/70時間/18%たわみにおける圧縮永久ひずみ値を有する、請求項80に記載の方法。
  84. 前記第2のフルオロエラストマー製品を形成するために使用される前記硬化性フッ素含有エラストマー組成物が、カーボンブラック充填剤をさらに含む、請求項83に記載の方法。
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