軟質弾性カプセルおよびその製造方法を、本明細書で説明する。軟質弾性カプセルは、所定の容積を有し被包された(encapsulated)空間を形成する耐酸性のカプセルシェル、被包された空間内に位置する第1活性成分を含む液体または半固体の充填剤、および第1圧縮錠剤であり得る。被包された空間内に位置する第1圧縮錠剤は、カプセルシェルに固定されてないことがあり得て、充填剤に取り囲まれ得る。錠剤は、充填剤内で実質的に不溶性である。第1圧縮錠剤は、2mmの最小寸法(例えば、5mmの最小寸法)を有し得る。いくつかの実施形態では、第1圧縮錠剤は、16mmの最大寸法を有する。錠剤の容積は、場合により、被包された空間の容積より少なくとも25%小さいことがある。第1圧縮錠剤:液体または半固体の充填剤の容積比は、1:0.25〜1:100であり得る。いくつかの実施形態では、充填剤は液体である。いくつかの実施形態では、カプセルシェルは、ただ1つの区画(compartment)を有する。
いくつかの実施形態では、第1活性成分および/または第2活性成分は、医薬剤、栄養補助剤、ビタミン、ミネラル、または診断剤である。例えば、第1活性成分は、医薬的に許容されるオイルベースの液体ビヒクルに溶解されている医薬的に活性な成分であり、第2活性成分は医薬的に活性な成分であり得る。場合により、第1活性成分は、第2活性成分と異なる。いくつかの実施形態では、第1活性成分は、多価不飽和脂肪酸(例えば、オメガ3脂肪酸)であり、第2活性成分は、アセチルサリチル酸、スタチン(例えば、アトルバスタチン)、クロピドグレル、フィトステロール、補酵素Q10、レスベラトロール、ベキサロテン、またはベキサロテンおよびスタチンの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、第1活性成分はジフェンヒドラミンであり、第2活性成分はロラタジンである。いくつかの実施形態では、第1活性成分はシメチコンであり、第2活性成分はロペラミドである。場合により、第1活性成分は抗アレルギー剤(例えば、セチリジン、ロラタジン、フェキソフェナジン、ジフェンヒドラミン、レボセチリジン、およびデスロラタジ)であり、第2活性成分はプソイドエフェドリンである。場合により、第1活性成分は、セロトニン5−HT1A部分作動薬または選択的セロトニン再取り込み阻害剤であり、第2活性成分はブプロピオンである。いくつかの実施形態では、第1活性成分はメトホルミンであり、第2活性成分はミグリトールまたはピオグリタゾンである。いくつかの実施形態では、第1活性成分はルビプロストンであり、第2活性成分はオピオイド(例えば、オキシコドン、ヒドロコドン、またはモルヒネ)である。
カプセルシェルは、フィルム形成天然ポリマーから形成され得る。いくつかの例では、フィルム形成天然ポリマーは、ゼラチンを含み得る。いくつかの例では、フィルム形成天然ポリマーは、カラギーナンおよび/またはデンプンを含み得る。フィルム形成天然ポリマーは、カプセルシェルの約20重量%〜約50重量%であり得る。場合により、カプセルシェルは、腸溶性コーティング層を含む。カプセルシェルは、更に、場合によりペクチンおよび/またはアルギン酸塩を含み得る胃耐性天然ポリマーから形成され得る。胃耐性天然ポリマーの濃度は、カプセルシェルの約2重量%〜約10重量%であり得る。カプセルシェルは、更に、ゲル化剤から形成され得る。ゲル化剤は、例えば、二価のカチオン塩(例えば、カルシウム塩および/またはマグネシウム塩)を含み得る。いくつかの例では、ゲル化剤の濃度は、カプセルシェルの約2重量%未満である。カプセルシェルは、フィルム形成合成ポリマーから形成され得る。いくつかの例では、フィルム形成合成ポリマーは、メタクリレート、エチルアクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、またはそれらの組み合わせからなる群より選択され得る。カプセルシェルは、更に、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン、マルチトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、3〜6個の炭素原子を有する多価アルコール、クエン酸、クエン酸エステル、クエン酸トリエチル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上の可塑剤を含み得る。いくつかの例では、1つ以上の可塑剤の濃度は、カプセルシェルの約8重量%〜約40重量%である。
場合により、軟質弾性カプセルは、場合により第3活性成分を含み得る第2圧縮錠剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、第2活性成分は、第1活性成分と非相溶である。カプセルシェルは、透明または半透明であり得る。いくつかの実施形態では、圧縮錠剤は、遅延放出コーティングまたは持続放出コーティングによりコーティングされている。場合により、軟質弾性カプセルは、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む。
また、軟質弾性カプセルの製造方法も、本明細書で説明する。本方法は、(a)第1回転カプセル用金型上に、フィルム形成ポリマーを含む連続第1フィルムを形成する、(b)第2回転カプセル用金型上に、フィルム形成ポリマーを含む連続第2フィルムを形成する、(c)第1回転カプセル用金型および第2回転カプセル用金型を逆方向に回転させ、第1フィルムおよび第2フィルムを接触させ部分的に密閉したカプセルを形成する、(d)第1圧縮錠剤を、部分的に密閉したカプセル内に供給する、(e)液体または半固体の充填剤を、部分的に密閉したカプセル内に注入する、(f)部分的に密閉したカプセルを封止して、軟質カプセルを形成する、ならびに(g)軟質カプセルを乾燥し仕上げる、ことを含む。いくつかの実施形態では、供給工程(d)は、(d1)第1圧縮錠剤を、第1カプセル用金型上の第1フィルム上に配置し、および(d2)場合により第2圧縮錠剤を、第2カプセル用金型上の第2フィルム上に配置する、ことを含む。これらの実施形態では、第1回転カプセル用金型および第2回転カプセル用金型を逆方向に回転させ、第1フィルムおよび第2フィルムを接触させ部分的に密閉したカプセルを形成する前記工程(c)により、第1圧縮錠剤および場合により第2圧縮錠剤が、部分的に密閉したカプセル内に供給される。工程(d1)は、第1圧縮錠剤を、第1フィルム上であって、かつ第1カプセル用金型の金型凹部内に配置することを含み得て、そして工程(d2)は、場合により第2圧縮錠剤を、第2フィルム上であって、かつ第2カプセル用金型の金型凹部内に配置することを含み得る。供給工程(d)は、前記回転工程(c)の後に、第1圧縮錠剤および場合により第2圧縮錠剤を、部分的に密閉したカプセル内に供給することを含み得る。
この方法はさらに、カプセル用ウェッジを、第1フィルムおよび第2フィルムが接触している場所に隣接して設けることを含み得る。いくつかの実施形態では、第1圧縮錠剤は、カプセル用ウェッジを介して供給される。いくつかの実施形態では、液体または半固体の充填剤は、カプセル用ウェッジを介して注入される。場合により、カプセル用ウェッジは加熱される。いくつかの実施形態では、第1圧縮錠剤および場合により第2圧縮錠剤は、予め製造されている。
いくつかの実施形態では、第1フィルムおよび第2フィルム内のフィルム形成ポリマーは、天然フィルム形成ポリマーである。場合により、第1フィルムおよび第2フィルム内の天然フィルム形成ポリマーは、ゼラチンを含む。いくつかの例では、第1フィルムを形成するおよび第2フィルムを形成する工程は、ゲル塊を形成するための、ゼラチン、胃耐性天然ポリマー、および場合により1つ以上の可塑剤を含む溶液を調製し;ならびにゲル塊を形成して第1フィルムおよび第2フィルムとする;ことを含む。場合により、胃耐性天然ポリマーは、ペクチンおよび/またはアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、液体または半固体の充填剤は第1活性成分を含み、第1圧縮錠剤は第2活性成分を含み、そして第2圧縮錠剤は第3活性成分を含む。第1活性成分、第2活性成分、および第3活性成分は、互いに異なる。
1つ以上の実施形態を、下記の記載および図面にて詳細に説明する。他の特徴、目的、および利点は、明細書、図面、および特許請求の範囲の記載から明らかであろう。
軟質弾性カプセルは、所定の容積を有し被包された空間を形成する耐酸性のカプセルシェル、被包された空間内に位置する第1活性成分を含む液体または半固体の充填剤、および2mmの最小寸法を有し、被包された空間内に位置し、カプセルシェルに固定されておらず、充填剤に取り囲まれる第1圧縮錠剤を含み得る。錠剤は、充填剤内で実質的に不溶性である。
本明細書に開示の軟質弾性カプセルは、フィルム形成組成物(すなわち、カプセルシェル)により被包された活性成分および賦形剤の剤形を含む。上述したように、カプセルシェルは、所定の容積を有し被包された空間を形成する。本明細書に開示の軟質弾性カプセルのカプセルシェルは、酸耐性であり得る。本明細書で使用する場合、「耐酸性」とは、カプセルの腸溶特性を指す。具体的には、カプセルは、ある一定期間にわたって胃酸内における溶解に耐性であり、したがって、カプセル内の活性成分は実質的に放出されずに胃を通過できるということである。本明細書で使用する場合、「実質的に放出」とは、活性成分の1%を超える放出(例えば、活性成分の1%〜100%、5%〜95%、10%〜90%、20%〜80%、30%〜70%、または40%〜60%)のことを指す。いくつかの実施形態では、カプセルは、少なくとも30分間、胃酸内における溶解に耐性である。例えば、カプセルは、少なくとも40分、少なくとも45分、少なくとも50分、少なくとも55分、少なくとも1時間、または少なくとも2時間、胃酸内における溶解に耐性であり得る。
カプセルシェルは、1つ以上の層を含み、フィルム形成ポリマー、胃耐性ポリマー、ゲル化剤、および可塑剤を含む1つ以上の成分から形成され得る。フィルム形成ポリマーは、フィルム形成天然ポリマー、フィルム形成合成ポリマー、フィルム形成半合成ポリマー、またはそれらの混合物であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のカプセルシェルは、ゼラチン、カラギーナン(例えば、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、及びこれらの混合物)、グルコマンナン、デンプン(例えば、非修飾デンプンおよび修飾プレゼラチン化デンプン)、その他の親水コロイドおよびこれらの混合物などの少なくとも一つのフィルム形成天然ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のカプセルシェルは、ポリビニルアルコール、メタクリレートポリマー、エチルアクリレートポリマー、アクリル系ポリマー(例えば、Evonik Industries; Parsippany,New Jerseyが提供するEUDRAGIT(登録商標)アクリル系ポリマー)、セルロースアセテートフタレート、またはポリビニルアセテートフタレートなどの少なくとも一つのフィルム形成合成ポリマーを含む。フィルム形成ポリマーは、カプセルシェルの約20重量%〜約50重量%であり得る。例えば、フィルム形成ポリマーは、カプセルシェルの約25重量%〜約40重量%であり得る。いくつかの例では、フィルム形成ポリマーは、カプセルシェルの約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、または約49重量%である。
上述のように、カプセルシェルは、ゼラチンを含み得る。本明細書での使用に適したゼラチンは、豚の皮、豚や牛の骨、または牛の切断した皮由来であり得る。ゼラチンは、例えば、家畜牛、鶏、および豚といった動物の皮膚、ゆでて砕いた骨、結合組織、器官、およびある種の腸から抽出されたコラーゲンを部分加水分解して製造したペプチドおよびタンパク質の混合物である。
多くの点で、ゼラチンの化学組成は、コラーゲンのものと類似する。ゼラチン中で部分加水分解された個々のコラーゲン鎖間の天然分子結合は、再配列可能な形で分解されている。ゼラチンは、加熱すると溶けて液体化でき、冷却すると再凝固できる。ゼラチンは、温水により高粘度の溶液を形成し、これを冷却すると半固体コロイドゲルを形成する。
ゼラチン溶液は、粘弾流動性および流動複屈折を示す。上述のように、ゼラチンは、冷水の存在下で膨潤し、半固体材料を形成できる。しかし、ゼラチンは、熱水に容易に溶解できる。ゼラチンの溶解度は、製造方法によって決定される。ゼラチンは、比較的濃い酸中に分散できる。このような分散液は、ほとんど又は全く化学的変化をせずに、何日かの間(例えば、最大15日まで)安定であることがあり、そして、コーティング目的または沈殿槽中に押出成形するのに適している。カプセルシェルは、更に、カプセルシェルに腸溶特性を付与するために、胃耐性天然ポリマー、胃耐性合成ポリマー、またはそれらの混合物などの1つ以上の胃耐性ポリマーを含み得る。よって、上述のような軟質弾性カプセルを摂取した場合、胃では溶解せずに通過する。いくつかの実施形態では、フィルム形成ポリマーは、胃耐性の特性を含み得る。カプセルシェルは、胃耐性ポリマーを含む組成物から形成された単一の層を含むか、あるいは胃耐性ポリマーを含む少なくとも外側のコーティング層を含む複数の層を含み得る。いくつかの実施形態では、カプセルシェルは、さらに、ペクチンおよび/またはアルギン酸塩などの多糖類を含む、胃耐性天然ポリマーから形成され得る。胃耐性ポリマーは、カプセルシェルの約2重量%〜約10重量%の量でカプセルシェル中に含まれ得る。
軟質弾性カプセルのカプセルシェルは、さらに1つ以上のゲル化剤から形成され得る。ゲル化剤は、例えば、1つ以上の二価のカチオンを含み得る。二価のカチオンは、二価のカチオン塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)として設けることができる。含まれる場合、ゲル化剤の濃度は、カプセルシェルの0重量%より多く約2重量%より少ないもの(例えば、カプセルシェルの約1.5重量%未満、約1.0重量%未満、または約0.5重量%未満)であり得る。
いくつかの実施形態では、カプセルシェルは、1つ以上の可塑剤を含み得る。可塑剤は、例えば、グリセロールであり得る。グリセロール(すなわち、グリセリン(glycerine)またはグリセリン(glycerin))は、広く医薬製剤で使用される無色、無臭、粘性の液体である。グリセロールは、水への溶解性および吸湿性の原因となる水酸基を3個含むポリオールである。グリセロールは甘味があり、毒性が低い。ヒトの消費用として、グリセロールは、米国FDAによってカロリー主要栄養素としての糖アルコールに分類されている。
いくつかの実施形態では、可塑剤はソルビトールである。ソルビトールは、人体がゆっくりと代謝する糖アルコールである。グルコースのアルデヒド基を水酸基に還元することにより得ることができる。ソルビトールは、リンゴ、ナシ、モモ、プルーンなどで天然にみられる。特別なグレードのソルビトール水溶液は、カプセルが脆くなるのを防止するための可塑剤としてソフトジェルカプセルに使用される。いくつかの実施形態では、ソルビトールは、溶媒としてのポリエチレングリコールを含有するカプセルシェルに含まれる。好適な可塑剤の更なる例として、ソルビタン、マルチトール、ポリエチレングリコール、3〜6個の炭素原子を有する多価アルコール、クエン酸、クエン酸エステル、クエン酸トリエチル、およびそれらの組合せが挙げられる。1種以上の可塑剤の濃度は、カプセルシェルの約8重量%〜約40%重量であり得る。いくつかの例では、可塑剤の濃度は、カプセルシェルの約10重量%〜約30重量%、または約15重量%〜約25重量%である。
場合により、カプセルシェルは、1つ以上の粘度調整剤を含み得る。適切な粘度調整剤の例として、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、寒天、およびジェランガムが挙げられる。粘度調整剤は、組成物の0重量%より多く約10重量%より少ない量(例えば、組成物の9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は0.5重量%未満)でカプセルシェル中に含まれ得る。
場合により、カプセルシェルは、透明または半透明のカプセルシェルとして調製できる。いくつかの実施形態では、カプセルシェルは、半透明、半不透明、または不透明であってもよい。場合により、不透明なカプセルシェルは、二酸化チタンを用いて調製され、感光性の活性成分を分解から保護できる。カプセルシェルはさらに、カプセルを着色する着色剤を含んでもよい。適切な着色剤の例としては、FD&C及びD&C染料、酸化鉄、ならびに天然着色料が挙げられる。場合により、カプセルは、押印または装飾コーティングを施してもよい。カプセルシェルは、ただ1つの区画を有する(すなわち、カプセルシェルは、複数の区画を含まない)ように調製してもよい。
少なくとも2つの活性成分の組み合わせ、そして、場合により賦形剤が、カプセルシェル内に含まれる。カプセルは、2つ以上の物質の相を含有する多相である。例えば、カプセルは、固相、半固体相、および/または液相中に活性成分を含み得る。本明細書で開示の軟質弾性カプセルは、被包された空間内に位置する液体または半固体の充填物を含む。液体または半固体の充填剤は、第1活性成分を含む。第1活性成分として、例えば、医薬剤、栄養補助剤、ビタミン、ミネラル、または診断剤が挙げられる。
活性成分として含むことができる医薬剤の例として、例えば、副腎皮質ステロイド、副腎皮質抑制剤、アルドステロン拮抗薬、アミノ酸、同化剤、アンドロゲン、拮抗薬、駆虫剤、抗ニキビ剤、抗アドレナリン剤、抗アレルギー剤、抗アメーバ剤、抗アンドロゲン剤、抗貧血剤、抗狭心症薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗アテローム性動脈硬化剤、抗菌剤、抗胆石薬、抗胆石原薬、抗コリン薬、抗凝血剤、抗球虫剤、抗糖尿病薬、下痢止め、抗利尿、解毒剤、抗エストロゲン剤、抗フィブリン溶解剤、抗真菌薬、抗緑内障剤、抗血友病剤、抗出血病剤、抗ヒスタミン剤、抗高脂血症剤、抗高リポ蛋白血症剤、抗高血圧症剤、抗低血圧症剤、抗感染症剤、抗局所感染症剤、抗炎剤、抗角質化剤、抗マラリア剤、抗菌剤、抗有糸分裂剤、抗糸状菌症剤、抗腫瘍形成剤、抗好中球減少症薬、抗寄生虫剤、抗逆蠕動剤、抗ニューモシスチス剤、抗増殖剤、抗前立腺肥大症剤、抗原生動物症剤、抗掻痒症剤、抗乾癬症剤、抗リウマチ症剤、抗住血吸虫症剤、抗脂漏症剤、抗分泌抑制剤、鎮痙攣剤、抗血栓症剤、咳き止め剤、抗潰瘍剤、抗尿石症、抗ウイルス剤、食欲抑制剤、良性前立腺肥大治療薬、骨溶解抑制剤、気管支拡張剤、炭酸脱水酵素抑制剤、心臓抑制剤、心臓保護剤、強心薬、心臓血管剤、利胆薬、コリン作用薬、コリン作用作動薬、コリンステアラーゼ不活性化剤、コクシジウム症鎮静剤、診断補助剤、利尿剤、外部寄生虫殺虫剤、酵素抑制剤、エストロゲン、フィブリン溶解剤、遊離酸素ラジカル除去剤、グルココルチコイド、生殖腺刺激素、毛髪生育刺激剤、止血剤、ホルモン、低コレステロール治療薬、血糖降下薬、低脂肪血症薬、低血圧治療薬、免疫化剤、免疫モジュレータ、免疫調節剤、免疫刺激剤、免疫抑制剤、性不能治療佐剤、抑制剤、角質溶解剤、LHRH作動薬、肝不全治療薬、ルテオリシン、ムコ多糖類分解酵素、散瞳薬、鼻腔うっ血除去剤、神経筋ブロック剤、非ホルモン系ステロール誘導体、分娩促進薬、プラスミノーゲン活性化剤、血小板活性化因子拮抗薬、血小板凝集抑制剤、薬効強化剤、プロゲスチン、プロスタグランジン、前立腺成長抑制剤、プロチロトロピン、肺サーファクタント、放射能剤、レギュレータ、弛緩剤、分配剤、抗疥癬虫薬、硬化症剤、選択的アデノシンAl拮抗薬、ステロイド、抑止剤、徴候的多発性硬化症薬、共同薬、甲状腺ホルモン、甲状腺抑制剤、甲状腺類似薬、筋萎縮性側索硬化症薬、変形性骨炎治療薬、不安定アンギナ治療薬、尿酸排泄促進剤、血管収縮神経薬、血管拡張剤、傷薬、外傷治療薬、キサンチン・オキシダーゼ抑制剤して分類される薬剤などを挙げることができる。適切な医薬剤の更なる例として、それぞれ参照により本明細書に援用する、メルクインデックス(第13版、Wiley,2001)、米国薬局方国民医薬品集(USP−NF)、およびFDAのオレンジブックが少なくとも医薬的に活性な薬剤として教示するものが挙げられる。
栄養補助食品の例としては、これらに限定されないが、アミノ酸、テルペノイド(例えば、カロテノイドテルペノイドおよび非カロテノイドテルペノイド)、ハーブサプリメント、ホメオパシーサプリメント、腺サプリメント、ポリフェノール、フラボノイドポリフェノール、フェノール酸、クルクミン、レスベラトロール、リグナン、グルコシノレート、イソチオシアネート、インドール、チオスルホネート、フィトステロール、アントラキノン、カプサイシン、ピペリン、クロロフィル、ベタイン、シュウ酸、アセチル−L−カルニチン、アラントイン、アンドロステンジオール、アンドロステンジオン、ベタイン(トリメチルグリシン)、カフェイン、ピルビン酸カルシウム(ピルビン酸)、カルニチン、カルノシン、カロチン、カロチノイド、コリン、クロロゲン酸、コール酸、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸、コリスチン、クリシン、補酵素Q10、共役リノール酸、コロソリン酸、クレアチン、デヒドロエピアンドロステロン、ジクロロフェン、ジインドリルメタン、ジメチルグリシン、ジメルカプトコハク酸、エブセレン、エラグ酸、酵素、フィセチン、ホルモネチン、グルカル酸(グルカル酸塩)、グルコサミン(HC1または硫酸塩)、グルコサミン(N−アセチル)、グルタチオン、ヘスペリジン、ヒドロキシ3−メチル酪酸、5−ヒドロキシトリプトファン、インドール−3−カルビノール、イノシトール、イソチオシアネート、リノレン酸−ガンマ、リポ酸(アルファ)、メラトニン、メチルスルホニルメタン、ミネラル、ナリンギン、パンクレアチン、パラアミノ安息香酸、パラベン(メチルまたはプロピル)、フェノール類、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、リン脂質、フィトステロール、プロゲステロン、プレグネノロン、ケルセチン、レスベラトロール、D−リボース、ルチン、S−アデノシルメチオニン、サリチル酸、スルフォラファン、酒石酸、タキシフォリン、テトラヒドロパルマチン、テオフィリン、テオブロミン、チゴゲニン、トロキセルチン、トリプトファン、トコトリエノール(α、βおよびγ)、ゼアキサンチン、イチョウイチョウ、ショウガ、キャッツクロー、オトギリソウ、アロエベラ、月見草、ニンニク、トウガラシ、ドンクアイ、朝鮮人参、フィーバーフュー、フェヌグリーク、エキナセア、緑茶、マシュマロ、ノコギリヤシ、ティーツリー油、魚油、オオバコ、カバカバ、甘草、ヒイラギナンテン、ホーソーン、hohimbr、ターメリック、マンサク、カノコソウ、ヤドリギ、ビルベリー、ミツバチ花粉、ハッカ油、ベータカロチン、ゲニステイン、ルテイン、リコピン、ポリフェノールなどが挙げられる。適切な栄養補助剤の更なる例として、参照により本明細書に援用する、Handbook of Nutraceuticals and Functional Foods,edited by Robert E.C.Wildman,CRC Press(2001))が少なくとも栄養補助剤として教示するものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、第1活性成分は、1つ以上のビタミンを含み得る。本明細書で使用する場合、ビタミンとは、典型的には、人間の正常な成長および活動に必須である任意の有機物質を指す。適切なビタミンの例としては、これらに限定されないが、ビタミンA(レチノール)、B1(チアミン)、B2(リボフラビン)、B複合体、B6(ピリドキシン)、B12(コバラミン)、C(アスコルビン酸)、D(コレカルシフェロール)、E(トコフェロール)、F(リノール酸)、G、H(ビオチン)、およびK、ならびにコリン、葉酸、イノシトール、ナイアシン、パントテン酸、およびパラアミノ安息香酸が挙げられる。
ミネラルとは、通常、人間の栄養に不可欠な天然の無機物質のことである。第1活性成分で使用するためのミネラルは、任意のミネラルであり得る。ミネラルの例としては、これらに限定されないが、ホウ素、カルシウム、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、セレン、ケイ素、スズ、バナジウム、および亜鉛が挙げられる。
第1活性成分は、場合により診断剤を含み得る。診断剤の例として、造影剤、コントラスト剤、酵素、および蛍光物質が挙げられる。
いくつかの実施形態では、第1活性成分は、本質的に液体または半固体である。他の実施形態では、第1活性成分を液体として調製し得る。液体の活性成分は、例えば、上記で定義した活性化合物、および、場合により、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、グリコール(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)、エタノール、脂肪酸、グリセリド、油、ステロール、リン脂質などの担体中の任意の薬学的アジュバントを溶解又は混合して溶液を形成することにより調製することができる。いくつかの実施形態では、活性成分は、液体担体中に分散または懸濁できる。いくつかの実施形態では、第1活性成分は、自己乳化/ミクロ乳化薬物送達システム(SEDDS)系の中で調製できる。場合により、SEDDS系は、油、界面活性剤、共界面活性剤または可溶化剤、および第1活性成分を含み得る。そのような剤形を調製する実際の方法は当業者に公知または明らかである。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,15th Edition,1975を参照のこと。液体活性成分は、0.005%〜100%の範囲で活性成分をそして残りは非毒性の担体を含有するように調製できる。これらの組成物の調製方法は当業者に知られている。液体充填剤は、活性成分の0.001重量%〜100重量%、0.1重量%〜95重量%、1重量%〜90重量%、5重量%〜70重量%、または10重量%〜50重量%で含まれ得る。
また、1つ以上の圧縮錠剤が、カプセルシェルによって形成された被包空間内にある。1つ以上の圧縮錠剤は、充填剤内で実質的に不溶性である。「実質的に不溶性」な錠剤として、充填剤中で非常に低い化学的溶解性を有する錠剤(例えば、10gに満たない錠剤しか100mlの充填剤中に溶解できないもの)が挙げられる。したがって、錠剤は、一定期間後でも圧縮錠剤の形状を保持できる。例えば、実質的に不溶性の錠剤は、1年の期間後でも、充填剤中でその形状の少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%を保持できる。被包された空間内に存在する圧縮錠剤は、カプセルシェルに固定されてないことがあり得る。本明細書で使用する場合、「固定されてない」とは、圧縮錠剤がカプセルシェルに付着しておらず、よって被包された空間内部を自由に移動できることをいう。錠剤の容積は、被包された空間の容積よりも小さい。よって、圧縮錠剤は充填剤に取り囲まれる(すなわち、充填剤が、圧縮錠剤の外表面と接触して圧縮錠剤の全側面に存在する)ことがある。いくつかの実施形態では、錠剤の容積は、被包された空間の容積より少なくとも25%小さい。例えば、錠剤の容積は、被包された空間の容積よりも少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%小さいことがある。いくつかの実施形態では、圧縮錠剤:液体または半固体の充填剤の容積比は、1:0.25〜1:100(例えば、1:1〜1:75または1:5〜1:50)である。いくつかの実施形態では、圧縮錠剤:液体または半固体の充填剤の重量比は、1:5〜1:100(例えば、1:10〜1:75または1:25〜1:50)である。圧縮錠剤の外表面は、場合により、遅延放出コーティングまたは持続放出コーティングでコーティングされていることがある。
場合により、圧縮錠剤は、Alza Corporation(Mountain View,CA)から市販されているOros systemタブレットのような膜制御放出錠剤である。いくつかの例では、圧縮錠剤は、マトリックス型の制御放出錠剤である。これらの例では、圧縮錠剤は、錠剤マトリックス内に放出速度制御賦形剤を含み得る。本明細書で使用する場合、「放出速度制御賦形剤」は、圧縮錠剤剤形からの活性成分の放出速度を遅くすることが可能なあらゆる物質を含む。放出速度制御賦形剤は、例えば、ポリマー、脂肪族化合物、またはこれらの混合物であり得る。好適なポリマー放出速度制御賦形剤の例として、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースおよびそのアルカリ塩、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、疎水性修飾ヒドロキシエチルセルロース、疎水性修飾エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチル疎水性修飾ヒドロキシエチルセルロース);ビニルピロリドンポリマー(例えば、架橋ポリビニルピロリドン又はビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー);アルキレンオキシドホモポリマー(例えば、ポリプロピレンオキシド);超崩壊ポリマー(例えば、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、メタクリル酸カリウム−ジビニルベンゼンコポリマー、ポリビニルアルコール、アミロース、架橋アミロース、デンプン誘導体、微結晶セルロース及びセルロース誘導体、架橋カルボキシメチルセルロース等のアルファ−、ベータ−およびガンマ−シクロデキストリン及びデキストリン誘導体);植物、動物、鉱物または合成由来のガム(例えば、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、海草由来のフルセララン、グアーガム、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、陸生植物由来のペクチン);微生物多糖類(例えば、デキストラン、ジェランガム、ラムサンガム、ウェランガム、キサンタンガム)、合成または半合成のガム(例えば、アルギン酸プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルグアー及びデンプングリコール酸ナトリウムなどの加工デンプン);および架橋ポリマーまたはホモポリマー、あるいはアクリレートもしくはメタクリレートモノマーのおよびコポリマーなどのアクリル酸ポリマーなどが挙げられる。放出速度制御賦形剤としての使用に好適な脂肪族化合物としては、ワックス(例えば、可消化性、長鎖(C8〜C50、特にC12〜C40))、置換または非置換の炭化水素(例えば、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸のグリセリルエステル)、鉱油および植物油が挙げられる。
本明細書に記載の錠剤は、当業者に公知の技術および手順を用いて調製することができる。例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,Seventh Edition,1999を参照のこと。錠剤は、例えば、直接圧縮、乾式造粒(例えば、スラッギングまたはローラー圧縮)、または湿式造粒により、製造することができる。直接圧縮は、ブレンダーまたはミキサー中で成分を混合し、活性成分の物理的および化学的特性を変更することなく直接錠剤の成分を圧縮することを含む。乾式造粒は、成分を混合し、成分をスラッギングし、乾燥スクリーニング、潤滑、および圧縮をする工程を含み得る。湿式造粒は、適切なブレンダーで成分を混合し、続いて、せん断(例えば、低せん断または高せん断)下で造粒溶液を加えることにより造粒を得ることを含み得る。湿った塊を適当なふるいにかけてスクリーニングし、トレー乾燥または流動床乾燥により乾燥してもよい。場合により、湿った塊を乾燥させ、粉砕機に通してもよい。
当業者によって理解されるように、錠剤は、さまざまな形状を有し得る。例えば、錠剤は、卵形、多角形、または多面体(例えば、三面体または四面体)であり得る。したがって、本明細書で使用する場合、寸法とは、錠剤の二つの対蹠点間の距離を意味する。例えば、寸法とは、丸い錠剤の直径を指すことがある。いくつかの例では、圧縮錠剤は、2mm以上の最小(すなわち、最低)寸法を有する。例えば、圧縮錠剤は、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mmの最小寸法を有し得る。いくつかの例では、圧縮錠剤は、16mm以下の最大寸法を有し得る。例えば、圧縮錠剤は、15mm、14mm、13mm、12mm、11mm、または10mmの最大寸法を有し得る。いくつかの例では、錠剤は、凸状または凹状の表面を有し得る。いくつかの例では、錠剤は、1つ以上の空洞(例えば、くぼみ又は穴)を含み得る。
被包された空間には、少なくとも1つの圧縮錠剤が含まれる。第1圧縮錠剤は、第2活性成分を含む被包された空間内に位置する。第2活性成分は、医薬剤、栄養補助剤、ビタミン、ミネラル、または診断剤である。好適な医薬剤、栄養補助剤、ビタミン、ミネラル、および診断剤としては、本明細書に記載のものなどが挙げられる。場合により、第1活性成分および第2活性成分は同じだが異なる放出プロファイルを付与するものである。場合により、第1活性成分は、第2活性成分と異なる。いくつかの実施形態では、第2活性成分は、第1活性成分と非相溶である。場合により、第2圧縮錠剤は、第2圧縮錠剤内に位置し得る。第2圧縮錠剤は、本明細書に記載のような医薬剤、栄養補助剤、ビタミン、ミネラル、または診断剤などの第3活性成分を含み得る。
1つ以上の医薬的に許容される賦形剤が、さらに、カプセルシェル内に被包され得る。医薬的に許容される賦形剤の例として、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝液、および他の有機酸の緩衝液などの緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムなどの塩形成対イオン;及び/又はTWEEN(登録商標)(ICI,Inc.;Bridgewater,New Jersey)、ポリエチレングリコール(PEG)、およびPLURONICSTM(BASF;Florham Park,NJ)のような非イオン性界面活性剤が挙げられる。水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などを含む当技術分野で一般に使用される希釈剤を、シェル内に被包してもよい。
本明細書で、第1活性成分および第2活性成分の特定の組み合わせを検討する。いくつかの実施形態では、第1活性成分は、医薬的に許容されるオイルベースの液体ビヒクルに溶解した医薬的に活性な成分であり、第2活性成分は、医薬的に活性な成分である。場合により、第1および第2活性成分は、特定の疾患、疾病、状態、または病気を治療するための併用療法をもたらすような方法で組み合わせる。例えば、心臓血管状態を治療または予防するために、オメガ3脂肪酸のような多価不飽和脂肪酸を第1活性成分として、そしてアセチルサリチル酸(すなわち、アスピリン)を第2活性成分として提供してもよい。いくつかの例では、アスピリンは、腸溶コーティングを含んでもよい。本明細書に記載のように単一の剤形にこれら二つの薬剤を組み合わせることにより、オメガ3脂肪酸からの「魚」臭という副次的な影響を防ぎ、アスピリンによる胃粘膜への刺激を防ぎ、かつアスピリンと水との直接接触を防ぐことによるアスピリンの加水分解を回避するという利点がもたらされる。心臓血管の状態を治療または予防するのに適した薬剤のさらなる組み合わせとしては、それぞれ、第1および第2活性成分として多価不飽和脂肪酸およびスタチン(例えば、アトルバスタチン)が挙げられる。いくつかの例では、心臓血管の状態を治療または予防するのに適した薬剤の組み合わせには、第1活性成分として多価不飽和脂肪酸そして第2活性成分としてクロピドグレルが挙げられる。他の例では、薬剤の組み合わせとして、第1活性成分として多価不飽和脂肪酸、そして第2活性成分として1種以上のフィトステロール、補酵素Q10、またはレスベラトロールが挙げられる。薬剤の組み合わせとして、更に、第1活性成分として多価不飽和脂肪酸、そして第2活性成分としてベキサロテン、スタチン、またはベキサロテンおよびスタチンの組み合わせが挙げられ、これは加齢関連認知症(例えば、アルツハイマー病)を治療するのに使用できる。
場合により、第1活性成分はジフェンヒドラミンであり、第2活性成分はロラタジンである。いくつかの例では、第1活性成分はシメチコンであり、第2活性成分はロペラミドである。いくつかの実施形態では、第1活性成分は、抗アレルギー性(すなわち、抗アレルギー剤)であり、第2活性成分はプソイドエフェドリンであり得る。プソイドエフェドリンは、例えば、即時放出形態または制御放出形態であってもよい。抗アレルギー剤の例として、セチリジン、ロラタジン、フェキソフェナジン、ジフェンヒドラミン、レボセチリジン、およびデスロラタジが挙げられる。例えば、抑うつ障害を治療するために、第1活性成分としてセロトニン5−HT1A部分作動薬または選択的セロトニン再取り込み阻害剤、そして第2活性成分としてブプロピオンを含有する軟質弾性カプセルを使用してもよい。対象の血糖コントロールを改善するために、第1活性成分としてメトホルミンそして第2活性成分としてミグリトールまたはピオグリタゾンを含む軟質弾性カプセルを使用してもよい。
いくつかの例では、軟質弾性カプセルは、第1活性成分としてルビプロストン、そして第2活性成分としてオピオイドを含み得る。適切なオピオイドの例として、例えば、オキシコドン、ヒドロコドン、またはモルヒネが挙げられる。これらの活性成分の組み合わせを含む軟質弾性カプセルは、例えば、過敏性腸症候群および便秘の治療に使用できる。いくつかの実施形態では、オピオイドはオキシコドンである。
また、軟質弾性カプセルの製造方法も、本明細書で説明する。本方法は、(a)第1回転カプセル用金型上に、フィルム形成ポリマーを含む連続第1フィルムを形成する;(b)第2回転カプセル用金型上に、フィルム形成ポリマーを含む連続第2フィルムを形成する;(c)第1回転カプセル用金型および第2回転カプセル用金型を逆方向に回転させ、第1フィルムおよび第2フィルムを接触させ部分的に密閉したカプセルを形成する;(d)第1圧縮錠剤を部分的に密閉したカプセル内に供給する;(e)液体または半固体の充填剤を、部分的に密閉したカプセル内に注入する;(f)部分的に密閉したカプセルを封止して、軟質カプセルを形成する;ならびに(g)軟質カプセルを乾燥し仕上げる、ことを含む。
本明細書中に開示されるように、使用される成分を組み合わせ混合することによって、連続的な第1フィルムおよび連続的な第2フィルムを調製して、カプセルシェルを形成してもよい。連続的な第1および第2フィルムは、フィルム形成ポリマー、胃耐性ポリマー、ゲル化剤、および可塑剤を含み得る。いくつかの例では、第1フィルムおよび第2フィルム中のフィルム形成ポリマーは、本明細書中に開示されるように、天然フィルム形成ポリマーである。場合により、第1フィルムおよび第2フィルムは、ゼラチンを含む。これらの実施形態では、第1フィルムおよび第2フィルムは、ゲル塊を形成するための、ゼラチン、胃耐性の天然ポリマー、そして場合により1つ以上の可塑剤を含む溶液を調製し、ゲル塊を形成して第1フィルムおよび第2フィルムとすることにより調製される。胃耐性の天然ポリマーは、例えば、ペクチンまたはアルギン酸塩を含み得る。場合により、第1フィルムおよび第2フィルムは、連続的に、別々に回転するキャスティングドラム上で、各ドラムの外周キャスト表面にゲル塊を導入することにより、個別に成形してもよい。冷却ドラムは、ゲル塊よりも低い温度に冷却でき、これによりゲル塊をドラムのキャスト表面上で固化してフィルムを形成できる。ゲル塊は、所望の厚さのフィルムを設けるのに十分な量で層に分注できる。フィルムの厚さは、例えば、0.005インチ〜0.045インチの範囲とすることができる。そして、第1および第2フィルムは、その全体を参照により本明細書に援用する米国特許第6,482,516号に記載の方法に従って、キャスティングドラムから第1および第2回転カプセル用金型に供給できる。
図1Aおよび1Bは、本明細書に記載の軟質弾性カプセルを示す。図1Aは、軟質弾性カプセル10が、耐酸性カプセルシェルといったカプセルシェル12、および1つの錠剤16を取り囲む液体または半固体の充填剤14を含む一実施形態を示す。図1Bは、軟質弾性カプセル20が、耐酸性カプセルシェルといったカプセルシェル22、および複数の錠剤26、28、30、および32を取り囲む液体または半固体の充填剤24を含む別の一実施形態を示す。
図2は、本明細書に記載の軟質弾性カプセルを製造するための一実施形態を示す。図2に示すように、連続フィルム40および連続フィルム42は、それぞれトラクターロール44および46上に供給可能である。トラクターロール44および46は、場合により潤滑剤を塗布してもよい。連続フィルム40は、トラクターロール44から回転カプセル用金型48に進む。同様に、連続フィルム42は、トラクターロール46から回転カプセル用金型50に進む。カプセル用金型48および50は逆方向に回転する。例えば、図2に示すように、カプセル用金型48は反時計回りに回転し、一方カプセル用金型50は時計回りに回転し得る。トラクターロール44および46から潤滑剤の層を、それぞれフィルム40および42の裏面に保持することにより、カプセル用金型48および50がフィルム40および42に接触するときに付着することを防ぐことができる。場合により、本明細書で更に説明するように、カプセル用ウェッジ52を、フィルム40および42がカプセル用金型48および50に接触する位置に隣接して設けることができる。いくつかの実施形態では、カプセル用ウェッジ52を加熱してもよい。第1および第2カプセル用金型48および50は、カプセル用ウェッジ52と共に、装置の中心面A対し互いに対称に配置できる。フィルム40および42を、それぞれ、カプセル用金型48および50とカプセル用ウェッジ52の間にはさんで前進させる。いくつかの実施形態では、フィルム40の表面54およびフィルム42の表面56は、カプセル用ウェッジ52に接触し、そして第1フィルム40の裏面58およびフィルム42の裏面60はそれぞれカプセル用金型48および50に接触する。
回転カプセル用金型48および回転カプセル用金型50が回転し、フィルム40およびフィルム42を前進させて、一緒になって、部分的に密閉したカプセル62を形成する。圧縮錠剤64を、錠剤ホッパー66から部分的に密閉したカプセル62内に放出できる。圧縮錠剤64は、予め製造してもよい(すなわち、錠剤ホッパー66へ供給する前に、圧縮して錠剤に形成してもよい)。場合により、図2に示すように、錠剤ホッパー66をカプセル用ウェッジ52内に設け、錠剤64を錠剤ホッパーから部分的に密閉したカプセル62内に放出する。例えば、錠剤64を部分的に密閉したカプセル内に供給した後で、液体または半固体の充填剤68を、ポンプからチャネル70を通じて、部分的に密閉したカプセル62内へ注入できる。チャネル70は、カプセル用ウェッジ52内に設けることができる。錠剤64と液体または半固体の充填剤68とを部分的に密閉したカプセル62内に供給したら、部分的に密閉したカプセルを封止して本明細書に記載のような軟質弾性カプセル72を形成できる。軟質弾性カプセルは、その後、当技術分野で公知の方法に従って乾燥し、仕上げることができる。
いくつかの実施形態では、軟質弾性カプセルは、複数の錠剤を含んでもよい。図3は図2に似ているが、第2圧縮錠剤82を部分的に密閉したカプセル84内に放出するための第2錠剤ホッパー80が含まれる点で異なる。第2圧縮錠剤82は、予め製造してから、液体または半固体の充填剤68および圧縮錠剤64の放出と同時、その前、又はその後に、部分的に密閉したカプセル84内に放出してもよい。それから、部分的に密閉したカプセル84を封止して、複数の錠剤64および82を含む軟質カプセル86を形成できる。図3のプロセスは、同一の軟質弾性カプセル内に複数の錠剤を供給する1つの方法を示すものだが、他の方法を採用してもよい。例えば、複数の錠剤を図2(または図3)に示す錠剤ホッパー66から放出してもよい。
図4および5は、本明細書に記載の軟質弾性カプセルを製造する代替的な実施形態を示す。図4において、錠剤ホッパー90は、カプセル用金型48上に位置する金型凹部94内に圧縮錠剤92を供給する。錠剤92は、錠剤ホッパー90から放出され、フィルム40の表面54上に配置される。錠剤ホッパー90は、装置の中心面Aから遠位のカプセル用ウェッジ52の端部に位置する。錠剤92を置くことにより、金型凹部94内のフィルム40にくぼみができる。表面54の粘着度およびカプセル用ウェッジ52によりフィルム40上に錠剤92が保持される。結果として、錠剤92が、フィルム40およびフィルム42により形成される部分的に密閉したカプセル96内に設けられる。液体または半固体の充填剤68が、上述のようにチャネル70から部分的に密閉したカプセル96へと供給できる。その後、部分的に密閉したカプセル96が上述のように封止され、錠剤92および充填剤68を含有する軟質カプセル98が形成される。
場合により、図5に示すように、錠剤ホッパー90と同様に、第2錠剤102を供給するための第2錠剤ホッパー100を設けてもよい。第2圧縮錠剤102は、カプセル用金型50上に位置する金型凹部104に配置できる。錠剤102は、錠剤ホッパー100から放出され、フィルム42の表面56上に配置される。図5に示すように、錠剤ホッパー100は、錠剤ホッパー90と反対側のカプセル用ウェッジ52の端部に位置する。錠剤92のように、第2錠剤102を置くことにより、金型凹部104内のフィルム42にくぼみができ、その後第2錠剤102を前進させて、フィルム40およびフィルム42により形成される部分的に密閉したカプセル106内に設けられる。錠剤92および液体または半固体の充填剤68を、上述のように部分的に密閉したカプセル106へと供給できる。その後、部分的に密閉したカプセル106が上述のように封止され、錠剤92、102および充填剤68を含有する軟質カプセル108が形成される。
場合により、図6に示すように、錠剤92をカプセル用ウェッジ52に隣接した位置にある錠剤ホッパー110からフィルム40上に分注してもよい。図6では、錠剤92は、錠剤ホッパー110から放出され、フィルム40の表面54上に配置される。金型48がエジェクタピン112の位置まで回転すると、錠剤92は、金型48上に位置する金型凹部94内に配置される。液体または半固体の充填剤68が、上述のようにチャネル70からカプセル用ウェッジ52を通って部分的に密閉したカプセル96へと供給され、封止され、軟質カプセル72が形成できる。軟質カプセル72は、カプセル用金型装置のカプセル用金型48および50から放出される。
いくつかの実施形態では、カプセルシェルの強度は、当業者に周知の方法を用いて試験できる。例えば、本明細書に記載の軟質カプセルを形成するために使用されるゼラチンの強度はブルーム強度を測定することによって決定できる。ブルーム強度試験は、プローブがゲル表面を壊さずに変位させるのに必要とする力を(例えば、グラム単位で)決定するものである。試験に使用した円筒状のプローブは、約0.5インチの直径であり、試験したゲルの変形度は約4mmであり得る。結果はブルーム(グラム)で表される。カプセルシェルとしての使用に適したゲルは、30〜300ブルームの間(例えば、100〜200ブルームの間)のブルーム強度を有する。
以下の実施例は、本明細書に記載される方法および組成物の特定の態様を更に説明する意図であり、特許請求の範囲を限定する意図ではない。
カプセルシェル組成物
上記の成分を合わせて混合し、カプセルシェルとして用いるためのフィルム形成ポリマーであるカプセルシェル組成物1を作成した。カプセルシェル組成物1は、胃耐性ポリマーとしてペクチンを含む。
上記の成分を合わせて混合し、カプセルシェルとして用いるためのフィルム形成ポリマーであるカプセルシェル組成物2を作成した。カプセルシェル組成物2は、メタクリル酸およびメチルメタクリレートベースのアニオン性コポリマーであるEUDRAGIT L 100(Evonik Industries;Essen,Germany)を含む。
軟質弾性カプセル製剤
実施例1〜4は、本明細書に記載の回転金型プロセスを用いて調製した。カプセルシェルは、上記の表に示すカプセルシェル組成物1または2のいずれかから調製した。実施例1は、魚油充填剤および腸溶コーティングされたアスピリン錠を含む。実施例2は、魚油充填剤及びアトルバスタチン錠剤を含む。実施例3は、ジフェンヒドラミン充填剤およびロラタジン錠剤を含む。実施例4は、充填剤としてシメチコンおよび錠剤としてロペラミドを含む。各成分の量は、上記の表に記載の通りである。実施例1の魚油充填剤中のアスピリンの化学的安定性を異なる貯蔵条件下で経時的に決定し、残った活性成分の値を元の値と比較した割合として表1に記載する。RHは相対湿度を意味する。
実施例5〜14は、本明細書に記載の回転金型プロセスを用いて調製する。カプセルシェルは、カプセルシェル組成物1または2のいずれかから調製する(表1および2を参照)。各成分の量は、上記の表に記載の通りである。
添付の特許請求の範囲のカプセルおよび方法は、本明細書に記載の特定のカプセルおよび方法による範囲に限定されるものではない。これらは、特許請求の範囲のいくつかの態様の例示として意図するものであり、機能的に同等のいかなるカプセルおよび方法も、特許請求の範囲内に含むという意図である。本明細書に図示および記載したものに加え、カプセルおよび方法を様々に改変したものも、添付の特許請求の範囲内に含む意図である。さらに、本明細書に開示の特定の代表的なカプセルおよび方法工程のみを具体的に説明しているが、他のカプセルおよび方法工程の組み合わせもまた、例え具体的に列挙されていなくても、添付の特許請求の範囲内に含む意図である。よって、本明細書では、いくつかの工程、要素、構成要素、または成分の組み合わせを明示するが、他の工程、要素、構成要素、または成分の組み合わせについても、例え明示されていなくても、包含される。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」およびその様々な変形は、用語「含む(including)」およびその様々な変形と同義で用いられ、これらはオープンで非限定的な用語である。本明細書では、用語「含む(comprising)」および用語「含む(including)」が、さまざまな実施形態を説明するのに使用されるが、本発明のより具体的な実施形態を示すために、「含む(comprising)」および用語「含む(including)」の代わりに用語「本質的にからなる(consisting of)および「から成る(consisting of)」を使用してもよく、また、これらの用語を用いる実施形態も開示する。