JP2015509995A - 湿気硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、湿気硬化性シリコーン/非シリコーンの縮合硬化を加速する、非Sn有機金属触媒を含む硬化性組成物を提供する。特に、本発明は、シーラントおよびRTV調合物用の有機スズの置き換えとして特に適切なZn(II)およびZr(IV)錯体を提供する。Zn(II)およびZr(IV)錯体は、DBTDLなどの有機スズに匹敵し、またはより優れ、本組成物の硬化特性の調整または調節を可能にし、良好な接着および貯蔵安定性を与える成分の存在下で特定の挙動を示す。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、「湿気硬化性オルガノポリシロキサン組成物」と題する、2011年12月29日に出願された米国特許仮出願第61/581,286号の利益を主張し、その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
分野
本発明は、反応性末端シリル基、および亜鉛系、ジルコニウム系の触媒、またはその組み合わせを有する硬化性ポリマーを含む硬化性組成物に関する。特に、本発明は、有機スズ触媒の代替としてZn(II)系および/またはZr(IV)系の錯体を含む硬化性組成物を提供する。
そのようなポリマーを含む反応性末端シリル基または組成物を有するポリマーは、水および有機金属の触媒の存在下で加水分解し縮合することができる。硬化性組成物に適する公知の触媒は、Sn、Ti、ZnまたはCaなどの金属を用いる有機金属化合物を含む。例えば、ジブチルスズジラウラート(DBTDL)などの有機スズ化合物は、RTV−1およびRTV−2調合物を含む室温加硫(RTV)調合物などの幾つかの様々なポリオルガノシロキサンおよび反応性末端シリル基を有する非シリコーンポリマーの湿気支援硬化を加速する縮合硬化触媒として広く使用されている。しかし、環境規制当局および指令は、調合された製品中の有機スズ化合物の使用上の制限を高めてきたか、または高めると予想される。例えば、0.5重量%を超えるジブチルスズを有する調合物は、現在、生殖1B類の毒性表示を必要とするが、ジブチルスズ含有調合物は、消費者用途において次の4−6年間で段階的に完全になくすことが提案されている。
ジオクチルスズ化合物およびジメチルスズ化合物などの代替有機スズ化合物のみが、短期の矯正的計画として考慮することができるが、これらの有機スズ化合物も将来規制される可能性がある。湿気硬化性シリコーンおよび非シリコーンの縮合硬化を加速する非Sn金属触媒を特定することは有益であろう。望ましくは、有機スズ触媒の代替品は、硬化、貯蔵および外観の点で有機スズ化合物に類似した特性を示すべきである。非スズ触媒もまた、望ましくは、選択されたポリマーの縮合反応を開始させ、表面のこの反応を完了し、所望の時間計画中にバルク中にあってもよい。そのため、他の有機金属化合物による有機金属スズ化合物の置き換えについて多くの提案がある。これらの他の金属は、スズ化合物の完全な置き換えの点で、特定の利点および欠点を有する。そのため、特に数種の基材の表面に接着する能力を維持するには、未硬化および硬化組成物の縮合硬化反応物および挙動について、適切な触媒として可能な金属化合物の弱点のいくつかを克服する必要性がなお存在する。
縮合硬化性シリコーン組成物中の触媒として亜鉛錯体の使用が記載されている。例えば、米国特許出願公開第2011/0046304号明細書および第2009/0156737号明細書、国際公開第2010/146253号パンフレット、ならびに欧州特許第1178150号明細書は、シリル縮合硬化の化学現象について亜鉛化合物の使用を記載している。米国特許第5,985,991号明細書は、縮合硬化触媒としてカルボン酸の金属塩を含むRTVシリコーン組成物の耐油性を改善するためにCu、Cr、Al、Zn、TiおよびZrからなる金属アセチルアセトナートの一般的なリストの様々な金属の使用を広く請求している。米国特許第5,945,466号明細書は、様々な成分の中でもオルガノシランまたはその加水分解生成物を含む室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物用の硬化触媒として、金属元素としてSn、Ti、Zr、Pd、Zn、Co、MnおよびAlを含有する金属有機化合物の一般的なリストを広く請求している。
米国特許第7,365,145号明細書は、湿気硬化性シリル化ポリマー組成物の触媒として有機ジブチルスズ、ジルコニウム錯体、アルミニウムキレート、チタンキレート、有機亜鉛、有機コバルトおよび有機ニッケルの一般的なリストを総称的に請求している。米国特許出願公開第2009/0156737号明細書は、アルコキシシラン末端ポリマーおよび充填剤を含むポリマーブレンドの触媒としてTi、Zr、Hf、Zn、B、Alのルイス酸化合物の一般的なリストを請求している。
米国特許第4,293,597号明細書は、窒素官能性シランも含む硬化性シリコーンゴム組成物の触媒としてPb、Sn、Zr、Sb、Cd、Ba、CaおよびTiを含む金属塩の一般的なリストを含む。米国特許第4,461,867号明細書は、湿気硬化性RTV−1シリコーン組成物の触媒としてSn、Pb、Zr、Sb、Cd、Ba、Ca、Ti、Mn、Zn、Cr、Co、Ni、Al、GaおよびGeも含む金属エステルの一般的なリストを含む。米国特許出願公開第2011/0098420号明細書は、2個以上のヒドロシリル基を有するシロキサンおよび2個以上のシラノール基を有するシロキサンからなる硬化性ポリシロキサン組成物用の脱水素縮合反応触媒としてPt、Pd、Pb、Sn、Zn、TiおよびZrの化合物を含む一般的なリストを含む。米国特許第7,527,838号明細書は、断熱ガラスユニットの作製に使用される硬化性ジオルガノポリシロキサン組成物にSn、Ti、Zr、Pb、Co、Sb、MnおよびZn系の金属触媒を含む一般的な材料のリストを請求している。
亜鉛またはジルコニウム族の錯体が、他の金属錯体と一緒にシリル縮合硬化を触媒するというこれらの一般的な教示にもかかわらず、様々な亜鉛もしくはジルコニウム錯体またはその組み合わせによって示される触媒活性を差別化する教示または触媒組成物は提供されていない。さらに、湿分または環境空気にさらした場合に、密封カートリッジ中で数か月にわたる貯蔵後に硬化する能力を維持する有機スズ化合物の代替触媒は存在しない。指触乾燥表面を示す可能な限り短い硬化時間、ならびに「一液」および「二液」室温加硫(RTV)組成物について厚い部分の完全なバルクを通しての硬化を達成し、硬化後様々な基材との妥当な接着を提供することは、湿気硬化性組成物について常に特別の要求である。
本発明は、シリル末端ポリマーおよび亜鉛もしくはジルコニウム系錯体またはその組み合わせの無毒な縮合触媒を含み、スズを含まない硬化性組成物を提供する。特に、本発明は、縮合触媒としてZn(II)系錯体、Zr(IV)系錯体、またはその組み合わせを用いる硬化性組成物を提供する。一態様において、Zn(II)系触媒は式(1):
ZnII2-cc (1)
の錯体であり、Zr(IV)系触媒は式(2):
ZrIV4-hh (2)
の錯体であり、ここで、Yはキレート化配位子であり、Aは陰イオンであり、cは0から2の間の数または整数であり、hは0から4の間の数または整数である。
一態様において、本発明は、バルクを通して硬化する比較的短い指触乾燥時間、ならびにカートリッジ(すなわち湿分のない状態で)中で長い貯蔵安定性を示す硬化性組成物を提供する。本発明者らは、予想外にも、式(1)および(2)の化合物を含むZn(II)およびZr(IV)化合物ならびにその組み合わせが、それ自体で、または特定の接着促進剤成分および/もしくは酸性化合物と組み合わせるかのいずれかで、有機スズ化合物に類似したまたははるかに良好な硬化挙動を示すこと、ならびにそのためRTV−1シーラントおよびRTV−2調合物におけるような縮合反応を受けることができる反応性シリル末端ポリマーを有する組成物中の有機スズ触媒の置き換えとして適切であることを見いだした。
選択されたZn(II)もしくはZr(IV)化合物またはその組み合わせを使用する硬化性組成物は、また、カートリッジ中での未硬化組成物の特定の貯蔵安定性、数種の表面への接着、および予測可能な時間スキームにおける硬化速度を示すことができる。
一態様において、本発明は、硬化ポリマー組成物を形成するための組成物であって、(A)少なくとも反応性シリル基を有するポリマー;(B)アルコキシシラン、アルコキシシロキサン、オキシモシラン、オキシモシロキサン、エノキシシラン、エノキシシロキサン、アミノシラン、カルボキシシラン、カルボキシシロキサン、アルキルアミドシラン、アルキルアミドシロキサン、アリールアミドシラン、アリールアミドシロキサン、アルコキシアミノシラン、アルカリールアミノシロキサン、アルコキシカルバマトシラン、アルコキシカルバマトシロキサン、およびその2種以上の組み合わせから選択される架橋剤または鎖伸長剤;(C)亜鉛(II)(Zn(II))、ジルコニウム(IV)(Zr(IV))の有機金属化合物もしくは塩またはその組み合わせの群から選択される、ポリマー(A)100重量部当たり約0.01−7重量部の触媒;(D)(B)に列挙された化合物以外のシランまたはシロキサンから選択される少なくとも1種の接着促進剤;(E)場合によって充填剤成分;および(F)場合によってリン酸エステル、ホスホナート、ホスファイト、ホスフィン、スルファイト、擬似ハロゲニド、分岐C4−C30−アルキルカルボン酸またはその2種以上の組み合わせから選択される少なくとも1種の酸性化合物を含む組成物を提供する。
別の実施形態において、触媒化合物(C)は、少なくとも1種のZn(II)錯体および少なくとも1種のZr(IV)錯体の混合物を含む。亜鉛およびジルコニウム錯体は市販されており、適切な物質は、キング・インダストリーズ社(King Industries, Inc.)(商品名−K−KAT)、シェパード・ケミカルズ社(Shepherd Chemicals)、Reaxis and Gelest社から入手可能なものを含む。一実施形態において、本触媒組成物は、約1から約99重量%の亜鉛、および約1から約99重量%のジルコニウム;別の実施形態において約5から約90重量%の亜鉛、および約5から約90重量%のジルコニウム;別の実施形態において約10から約80重量%の亜鉛、および約10から約80重量%のジルコニウム;別の実施形態において約20から約70重量%の亜鉛、および約20から約70重量%のジルコニウム;ならびに別の実施形態において約30から約70重量%の亜鉛、および約30から約70重量%のジルコニウムを含んでもよい。
一実施形態によると、本触媒は、式(1)および(2)による亜鉛および/またはジルコニウム触媒を含み、Yは、ジケトナート、ジアミン、トリアミン、アミノアセタート、ニトリロアセタート、ビピリジン、グリオキシムまたはその2種以上の組み合わせから選択されるキレート化配位子であり;Aは陰イオンであり;cは0から2の間の数または整数であり、gは0から4または整数である。一実施形態によると、キレート剤Yは、置換または非置換のジケトナートを含む。一実施形態によると、陰イオンAは、置換、非置換のC4−C25−アルキル−、C7−C25−アリールアルキル、C7−C25−アルキルアリールおよびC6−C10−アリールのカルボキシラート陰イオンからなる群から選択される。一実施形態において、陰イオンAは分岐C4−C19−アルキルカルボン酸から選択される。
一実施形態によると、成分(F)は、リン酸モノエステル;式(R3O)PO(OH)2、(R3O)P(OH)2またはR3P(O)(OH)2のホスホナート[式中、R3は、C1−C18−アルキル、C2−C20−アルコキシアルキル、フェニル、C7−C12−アルキルアリール、ポリ(C2−C4−アルキレン)オキシドエステルまたはジエステルとのその混合物である。];分岐アルキルC4−C14−アルキルカルボン酸;またはその2種以上の組み合わせから選択される。
別の態様において、ポリマー(A)は式:[R1 a2 3-aSi−Z−]n−X−Z−SiR1 a2 3-aを有する。別の実施形態において、Xは、ポリウレタン;ポリエステル;ポリエーテル;ポリカルボナート;ポリオレフィン;ポリプロピレン;ポリエステルエーテル;ならびにR3SiO1/2、R2SiO、RSiO3/2および/またはSiO4/2の単位を有するポリオルガノシロキサンから選択され、nは0から100であり、aは0から2であり、RおよびR1は同じSi原子の位置で同一でも異なっていてもよく、C1−C10−アルキル;Cl、F、N、OまたはSの1個もしくは複数で置換されたC1−C10−アルキル;フェニル;C7−C16−アルキルアリール;C7−C16−アリールアルキル;C2−C4−ポリアルキレンエーテル;またはその2以上の組み合わせから選択される。また別の態様において、R2は、OH、C1−C8−アルコキシ、C2−C18−アルコキシアルキル、オキシモアルキル、エノキシアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、アミドアルキル、アミドアリール、カルバマトアルキルまたはその2種以上の組み合わせから選択され、Zは、C1−C8−アルキレンまたはOの群から選択される二価単位の結合である。
一実施形態によると、架橋剤成分(B)は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、TEOSの重縮合物、メチルトリメトキシシラン(MTMS)、ビニル−トリメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、オルトケイ酸テトラn−プロピル、ビニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、トリスアセトアミドメチルシラン、ビスアセトアミドジメチルシラン、トリス(N−メチル−アセトアミド)メチルシラン、ビス(N−メチルアセトアミド)ジメチルシラン、(N−メチル−アセトアミド)メチルジアルコキシシラン、トリスベンズアミドメチルシラン、トリスプロペノキシメチルシラン、アルキルジアルコキシアミドシラン、アルキルアルコキシビスアミドシラン、CH3Si(OC251-2(NHCOR)2-1、(CH3Si(OC25)(NCH3COC652、CH3Si(OC25)−(NHCOC652、メチルジメトキシ(エチルメチル−ケトオキシモ)シラン;メチルメトキシビス−(エチルメチルケトオキシモ)シラン;メチルジメトキシ(アセトアルドキシモ)シラン;メチルジメトキシ(N−メチルカルバマト)シラン;エチルジメトキシ(N−メチルカルバマト)シラン;メチルジメトキシイソプロペノキシシラン;トリメトキシイソプロペノキシシラン;メチルトリ−イソ−プロペノキシシラン;メチルジメトキシ(ブタ−2−エン−2−オキシ)シラン;メチルジメトキシ(1−フェニルエテノキシ)シラン;メチルジメトキシ−2(1−カルボエトキシプロペノキシ)シラン;メチルメトキシジ−N−メチルアミノシラン;ビニルジメトキシメチルアミノシラン;テトラ−N,N−ジエチルアミノシラン;メチルジメトキシメチルアミノシラン;メチルトリシクロヘキシルアミノシラン;メチルジメトキシ−エチルアミノシラン;ジメチルジ−N,N−ジメチルアミノシラン;メチルジメトキシイソプロピルアミノシランジメチルジ−N,N−ジエチルアミノシラン;エチルジメトキシ(N−エチルプロピオンアミド)シラン;メチルジメトキシ(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン;エチルジメトキシ(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルトリス(N−メチルベンズアミド)シラン;メチルメトキシビス(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルジメトキシ(カプロラクタモ)シラン;トリメトキシ(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルジメトキシエチルアセトイミダトシラン;メチルジメトキシプロピルアセトイミダトシラン;メチルジメトキシ(N,N’,N’−トリメチルウレイド)シラン;メチルジメトキシ(N−アリル−N’,N’−ジメチルウレイド)シラン;メチルジメトキシ(N−フェニル−N’,N’−ジメチルウレイド)シラン;メチルジメトキシイソシアナトシラン;ジメトキシジイソシアナトシラン;メチルジメトキシ−チオイソシアナトシラン;メチルメトキシジチオイソシアナトシラン、またはその2種以上の組み合わせから選択される。
一実施形態によると、接着促進剤成分(D)は、アミノアルキルトリアルコキシシラン、アミノアルキルアルキルジアルコキシシラン、ビス(アルキルトリアルコキシシリル)アミン、トリス(アルキルトリアルコキシシリル)アミン、トリス(アルキルトリアルコキシシリル)シアヌラート、およびトリス(アルキルトリアルコキシ−シリル)イソシアヌラートまたはその2種以上の組み合わせから選択される。
一実施形態によると、本組成物は、ポリマー成分(A)100重量%に対して約1から約10重量%の架橋剤成分(B)を含む。
一実施形態によると、架橋剤成分(B)は、水および成分(F)の存在下で加水分解および/またはポリマー(A)またはそれ自体と縮合反応を受けることができる2個以上の反応基を有するシランまたはシロキサンから選択される。
一実施形態によると、ポリマー成分(A)は、骨格中の式[R2SiO]の二価単位を含むポリオルガノシロキサンから選択され、ここで、Rは、C1−C10−アルキル;1個もしくは複数のCl、F、N、OまたはSで置換されたC1−C10アルキル;フェニル;C7−C16アルキルアリール;C7−C16アリールアルキル;C2−C4ポリアルキレンエーテル;またはその2種以上の組み合わせから選択される。
一実施形態によると、触媒(C)は、成分(A)100重量部当たり約0.0.025から約0.7重量部の量で存在する。
一実施形態によると、成分(F)は、成分(A)100重量部当たり約0.02から約3重量部の量で存在する。
一実施形態によると、ポリマー成分(A)は式:R2 3-a1 aSi−Z−[R2SiO]x[R1 2SiO]y−Z−SiR1 a2 3-aを有し、ここで、xは0から10000であり;yは0から1000であり;aは0から2であり;Rはメチルである。別の態様において、R1は、C1−C10−アルキル;1個もしくは複数のCl、F、N、OまたはSで置換されたC1−C10アルキル;フェニル;C7−C16アルキルアリール;C7−C16アリールアルキル;C2−C4ポリアルキレンエーテル;またはその2種以上の組み合わせから選択され、好ましくはメチル、ビニル、フェニルである、他のシロキサン単位が、10モル%未満の量で存在してもよい。また別の実施形態において、R2は、OH、C1−C8−アルコキシ、C2−C18−アルコキシアルキル、オキシモアルキル、エノキシアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、アミドアルキル、アミドアリール、カルバマトアルキル、またはその2種以上の組み合わせから選択され、Zは、−O−、結合または−C24−である。
一実施形態によると、本組成物は、アルキルベンゼン、リン酸トリアルキル、リン酸トリアリール、フタル酸エステル、アリールスルホン酸エステルから選択され、少なくとも0.86の粘度密度定数(VDC)を有し、ポリオルガノシロキサンおよび触媒成分(C)と混和性である溶媒、反応基がなく25℃で2000mPa.s未満の粘度を有するポリオルガノシロキサン、またはその2種以上の組み合わせをさらに含む。
一実施形態によると、本組成物は一液型組成物として提供される。
一実施形態によると、本組成物は、100重量部の成分(A)、少なくとも1種の0.1から約10重量部の架橋剤(B)、0.01から約7重量部の触媒(C)、0.1から約5重量部の接着促進剤(D)、0から約300重量部の成分(E)、0.01から約8重量部の成分(F)を含み、この組成物は、湿分のない状態で貯蔵することができ、環境空気への曝露で湿分の存在下で硬化することができる。
一実施形態によると、本組成物は、(i)ポリマー成分(A)、場合によって充填剤成分(E)、および場合によって酸性化合物(F)を含む第1の部分;および(ii)架橋剤(B)、触媒成分(C)、接着性促進剤(D)および酸性化合物(F)を含む第2の部分を含む二液型組成物であり、成分(i)および(ii)の混合による硬化に適用されるまで、(i)および(ii)は別々に貯蔵される。
一実施形態によると、部分(i)は、100重量%の成分(A)、および0から70重量部の成分(E)を含み、部分(ii)は、少なくとも1種の0.1から10重量部の架橋剤(B)、0.01から7重量部の触媒(C)、0から5重量部の接着促進剤(D)、および0.02から3重量部の成分(F)を含む。
別の態様において、本発明は、環境空気に組成物をさらすステップを含む硬化物を提供する方法を提供する。
一実施形態によると、硬化物を提供する方法は第1の部分および第2の部分を混ぜ合わせて混合物を硬化させるステップを含む。
一実施形態によると、本組成物は、硬化前の未硬化組成物の押出しおよび/または成形のための出口ノズルを有する密封したカートリッジまたは柔軟な袋に貯蔵される。
なお別の態様において、本発明は、本組成物から形成された硬化ポリマー材料を提供する。
一実施形態によると、硬化ポリマー物質は、エラストマーまたは熱硬化性樹脂のシール、接着剤、汚染防止膜を含む被膜、封止剤、成形物品、型および印象材の形態をしている。
本組成物は、良好な貯蔵安定性を示し、様々な表面に接着することがわかる。一実施形態において、硬化性組成物は、ポリアクリラートおよびポリメチルメタクリラート(PMMA)表面を含む熱可塑性樹脂の表面に対して優れた接着を示す。
本発明は、縮合触媒として亜鉛(Zn(II))錯体もしくはジルコニウム(Zr(IV))錯体、またはその組み合わせを用いる硬化性組成物を提供する。接着促進剤および場合によって酸性化合物と組み合わせた、本発明において特定されるZn(II)またはZr(IV)錯体は、DBTDLなどの有機スズ化合物を用いる組成物と比べて、シリコーンの湿気支援縮合硬化の加速という点で、同様のまたはより優れた硬化特性を示し、その結果、シーラントおよびRTVとして使用することができる架橋シリコーン(室温加硫ゴム)をもたらす。有機スズ触媒に対して厳しい規制が次に来れば、これらの亜鉛およびジルコニウム化合物の無毒な性質によって、これらは有機スズ触媒より魅力的で実用的になる。
本発明は、反応性末端シリル基を含むポリマー成分(A);架橋剤成分(B);Zn(II)系錯体、Zr(IV)系錯体、またはその2種以上の組み合わせを含む触媒成分(C);接着促進剤成分(D);任意選択の充填剤成分(E);場合によって酸性化合物(F);および場合によって補助成分(G)を含む硬化性組成物を提供する。
ポリマー成分(A)は、反応性末端シリル基を有する液体または固体系のポリマーであってもよい。ポリマー成分(A)は特に限定されず、特定の目的または意図した使用として所望されてよい任意の架橋性ポリマーから選択されてもよい。ポリマー成分(A)に適するポリマーの非限定的な例は、ポリオルガノシロキサン(A1)またはシロキサン結合を含まない有機ポリマー(A2)を含み、ここで、ポリマー(A1)および(A2)は反応性末端シリル基を含む。一実施形態において、ポリマー成分(A)は、硬化性組成物の約10から約90重量%の量で存在してもよい。一実施形態において、本硬化性組成物は、約100重量部のポリマー成分(A)を含む。
上記のように、ポリマー成分(A)は、広範囲のポリオルガノシロキサンを含んでもよい。一実施形態において、ポリマー成分は、式(3):
[R1 a2 3-aSi−Z−]n−X−Z−SiR1 a2 3-a (3)
の1種または複数のポリシロキサンおよびコポリマーを含んでもよい。R1は、飽和C1−C12アルキル(1個もしくは複数のハロゲン(例えば、Cl、F)、O、SまたはN原子で置換されていてもよい)、C5−C16シクロアルキル、C2−C12アルケニル、C7−C16アリールアルキル、C7−C16アルキルアリール、フェニル、C2−C4ポリアルキレンエーテル、またはその2種以上の組み合わせから選択されてもよい。例示の好ましい基は、メチル、トリフルオロプロピルおよび/またはフェニル基である。
2は、水などのプロトン化薬剤と反応する基であってもよく、OH、C1−C8−アルコキシ、C2−C18−アルコキシアルキル、アミノ、アルケニルオキシ、オキシモアルキル、エノキシアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、アミドアルキル、アミドアリール、カルバマトアルキルまたはその2種以上の組み合わせから選択されてもよい。R2についての例示の基は、OH、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキルオキシモ、アルキルカルボキシ、アルキルアミド、アリールアミド、またはその2種以上の組み合わせを含む。
Zは、O1/2、1個もしくは複数のO、SまたはN原子を含むことができる炭化水素、アミド、ウレタン、エーテル、エステル、ウレア単位またはその2種以上の組み合わせの群から選択される二価連結単位の結合であってもよい。連結基Zが炭化水素基である場合、ZはSiC結合を越してシリコン原子に連結される。一実施形態において、ZはC1−C14アルキレンから選択される。
Xは、ポリウレタン;ポリエステル;ポリエーテル;ポリカルボナート;ポリオレフィン;ポリプロピレン;ポリエステルエーテル;ならびにR3SiO1/2、R2SiO、RSiO3/2および/またはSiO4/2の単位を有するポリオルガノシロキサンから選択され、ここで、Rは、C1−C10−アルキル;1個もしくは複数のCl、F、N、OまたはSで置換されたC1−C10アルキル;フェニル;C7−C16−アルキルアリール;C7−C16アリールアルキル;C2−C4ポリアルキレンエーテル;またはその2種以上の組み合わせから選択される。Xは、酸素または炭化水素基を越して、上記の反応基R2を含む末端シリル基に連結したシロキシ単位、炭化水素基を越して、上記の1個もしくは複数の反応基R2を含むシリコン原子に連結したポリエーテル、アルキレン、イソアルキレン、ポリエステルまたはポリウレタン単位の群から選択される二価または多価のポリマー単位であってもよい。炭化水素基Xは、アミド、エステル、エーテル、ウレタン、エステル、ウレアを形成するN、S、OまたはPなどの1個もしくは複数のヘテロ原子を含むことができる。一実施形態において、Xの平均重合度(Pn)は、6を超える、例えばR3SiO1/2、R2SiO、RSiO3/2および/またはSiO4/2のポリオルガノシロキサン単位でなければならない。式(3)において、nは0−100;望ましくは1であり、aは0−2、望ましくは0−1である。
単位Xの成分の非限定的な例は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、ポリオキシテトラメチレン、またはポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレンコポリマーなどのポリオキシアルキレンポリマー;エチレン−プロピレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、イソブチレンとイソプレンのコポリマー、イソプレンもしくはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレンのコポリマー、またはこれらのポリオレフィンポリマーの水素化により製造された水素化ポリオレフィンポリマーなどの炭化水素ポリマー;二塩基酸(アジピン酸またはフタル酸など)とグリコールの縮合によって作製されたポリエステルポリマー、ポリカルボナート、またはラクトンの開環重合;C2−C8−アルキルアクリラートなどのモノマーのラジカル重合によって製造されたポリアクリル酸エステル、ビニルポリマー、例えばアクリル酸エステル(アクリル酸エチルまたはアクリル酸ブチルなど)と、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、アクリルアミドまたはスチレンのアクリル酸エステルコポリマー;上記有機ポリマーのビニルモノマーとの重合により製造されたグラフトポリマー;ポリスルフィドポリマー;ポリアミドポリマー、例えばε−カプロラクタムの開環重合によって製造されたナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸などの重縮合によって製造されたナイロン6.6、ε−アミノラウロ−ラクタムの開環重合によって製造されたナイロン12、コポリマーのポリアミド、ポリウレタンまたはポリ尿素を含む。
特に適切なポリマーは、ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン、飽和炭化水素ポリマー(ポリイソブチレン、水素化ポリブタジエンおよび水素化ポリイソプレン、またはポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル、ポリカルボナート、ポリウレタン、ポリ尿素ポリマーなどを含むがこれらに限定されない。さらに、飽和炭化水素ポリマー、ポリオキシアルキレンポリマーおよびビニルコポリマーは、そのガラス転移温度が低く、低温、すなわち0℃未満で高い可撓性を提供するので特に適切である。
式(3)中の反応性シリル基は、公知の方法によってヒドロシリル化による不飽和炭化水素と反応する能力を有する官能基を含むシランまたは縮合または開環反応によって反応性シリル基と連結するプレポリマー中のSiOH、アミノアルキル、HOOC−アルキル、HO−アルキルまたはHO−アリール、HS−アルキルまたは−アリール、Cl(O)C−アルキルまたは−アリール、エポキシアルキルまたはエポキシシクロアルキル基の反応を用いることによって導入することができる。主要な実施形態の例は以下を含む:(i)脱離基(L基)および水素の付加生成物(L基+H)が放出される間にシロキシ結合≡Si−O−SiR1 a2 3-aが形成される、シラン(L基)SiR1 a2 3-aとの縮合反応を受けることができるSiOH基を有するシロキサンプレポリマー;(ii)SiH基とヒドロシリル化またはラジカル反応によって反応することができる不飽和基またはシラン(SiHなど)もしくは不飽和基のラジカル活性基を有するシラン;および(iii)シリル機能性高分子を得るために反応性プレポリマーを有機官能性シランと連結すべく、エポキシ、イソシアナト、OH、SH、シアナト、カルボン酸ハロゲニド、反応性アルキルハロゲニド、ラクトン、ラクタムまたはアミンと相補的に反応することができる、OH、SH、アミノ、エポキシ、−COCl、−COOH基を有する有機または無機のプレポリマーを含むシラン。
方法(i)に適するシランは、アルコキシシラン、特にテトラアルコキシシラン、ジ−およびトリアルコキシシラン、ジ−およびトリアセトキシシラン、ジ−およびトリケトオキシマト−シラン、ジ−およびトリアルケニルオキシシラン、ジ−およびトリカルボンアミドシランを含み、ここで、シランのシリコン原子の位置での残基は置換または非置換の炭化水素である。方法(i)のための他の非限定的なシランは、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、アミノアルキルトリメトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、メチル−もしくはプロピルトリアセトキシシラン、メチルトリブタノンオキシモシラン、メチルトリプロペニルオキシシラン、メチルトリベンズアミドシラン、またはメチルトリアセトアミドシランなどのアルキルトリアルコキシシランを含む。方法(i)の下での反応に適するプレポリマーは、シリコン原子に結合した加水分解性基を有するシランとの縮合反応を受けることができるSiOH末端ポリアルキルシロキサンである。例示のSiOH末端ポリアルキルジシロキサンは、ポリジメチルシロキサンを含む。
方法(ii)に適するシランは、アルコキシシラン、特にトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、およびフェニルジメトキシシランなどのトリアルコキシシラン(HSi(OR)3);メチルジアセトキシシランおよびフェニルジアセトキシシランを含む。ハイドロジェンクロロシラン(Hydrogenchlorosilane)は原理的に可能であるが、しかし、アルコキシ、アセトキシ基などによるハロゲンの追加の置き換えによりそれほど望ましくない。他の適切なシランは、ビニル、アリル、メルカプトアルキルまたはアクリル基などのラジカルによって活性化することができる不飽和基を有する有機官能性シランを含む。非限定的な例は、ビニルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含む。方法(ii)の下での反応に適するプレポリマーは、ビニル末端ポリアルキルシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサン、ヒドロシリル化を受けることができる、または例えば、不飽和炭化水素または−SiH基を含むシランの対応する有機官能基とラジカル誘発されるグラフト反応を受けることができる不飽和基を有する炭化水素を含む。
炭化水素ポリマーにシリル基を導入する別の方法は、不飽和炭化水素モノマーのシランの不飽和基との共重合であってもよい。炭化水素プレポリマーへの不飽和基の導入は、シリコンを含まない炭化水素部分の重合後の、例えば、鎖停止剤としてのアルケニルハロゲニドの使用を含んでもよい。
シランとプレポリマーとの間の望ましい反応生成物は以下の構造を含む:
−SiR2O−SiR2−CH2−CH2−SiR1 a2 3-a、または(炭化水素)−[Z−SiR1 a2 3-a1-50
方法(iii)に適するシランは、アルコキシシラン、特に−OH、−SH、アミノ、エポキシ、−COClまたは−COOHと反応する有機官能基を有するシランを含むがこれらに限定されない。
一実施形態において、これらのシランは、例えばガンマ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、エポキシリモニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどのイソシアナトアルキル基を有する。
一実施形態において、まず完全混合および次いで次のカップリング反応を行うためのブロック化したアミンまたはイソシアナート(Ζ’−Χ)n−Ζ’のいずれかを選択することが望ましい。ブロック剤の例は、欧州特許出願公開第0947531号明細書に開示され、複素環窒素化合物(カプロラクタムまたはブタノンオキシムまたは環式ケトンなど)を用いる他のブロック手順は、米国特許第6,827,875号明細書中に言及され、その両方が参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
方法(iii)の下での反応に適するプレポリマーの例は、好ましくは高分子量(Mw)(重量平均分子量>6000g/モル)および1.6未満の多分散性Mw/Mnを有する、OH基を有するポリアルキレンオキシド;残存NCO基(NCO官能化ポリアルキレンオキシド、特にブロック化イソシアナートなど)を有するウレタンを含むがこれらに限定されない。プレポリマーは、最終硬化に有用なさらなる反応基を有する、対応するシランのエポキシ、イソシアナート、アミノ、カルボキシハロゲニドまたはハロゲンアルキル基と相補的に反応することができる−OH、−COOH、アミノ、エポキシ基を有する炭化水素の群から選択される。
ポリエーテルへのNCO基の導入に適するイソシアナートは、トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、またはキシレンジイソシアナート、またはイソフォロンジイソシアナートもしくはヘキサメチレンジイソシアナートなどの脂肪族ポリイソシアナートを含むことができる。
単位Xの重合度は、硬化生成物の粘度および機械的性質の要件に依存する。Xがポリジメチルシロキサン単位である場合、数平均分子量Mnに基づく平均重合度は、好ましくは7から5000のシロキシ単位、好ましくは、200−2000単位である。>5MPaの十分な引張強度を達成するためには、ポリジメチルシロキサンが25℃で300mPa.sを超える粘度を有する>250の平均重合度Pnが適切である。Xがポリシロキサン単位以外の炭化水素単位である場合、重合度に対する粘度ははるかに高い。
ポリオキシアルキレンポリマーを合成する方法の例は、KOHなどのアルカリ触媒を使用する重合方法、有機アルミニウム化合物を反応させることにより得られる錯体などの遷移金属化合物ポルフィリン錯体触媒を使用する重合方法、複合金属シアニド錯体触媒を使用する重合方法(例えば、米国特許第3,427,256号明細書;米国特許第3,427,334号明細書;米国特許第3,278,457号明細書;米国特許第3,278,458号明細書;米国特許第3,278,459号明細書;米国特許第3,427,335号明細書;米国特許第6,696,383号明細書;および米国特許第6,919,293号明細書に開示されている)を含むがこれらに限定されない。
基Xが炭化水素ポリマーから選択される場合、イソブチレン単位を有するポリマーまたはコポリマーは、優れた耐候性、優れた耐熱性、ならびに低い気体および湿気透過性などのその物理的性質により特に望ましい。
モノマーの例は、4から12の炭素原子を有するオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシランおよびアリルシランを含む。コポリマー成分の例は、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、アルファメチルスチレン、ジメチルスチレン、ベータピネン、インデン、および、例えば、ビニルトリアルコキシシラン、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ガンマ−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、およびガンマ−メタクリロイロキシ−プロピル−メチルジメトキシシランを含むがこれらに限定されない。
一実施形態において、ポリマー成分(A)は、式(4):
2 3-a1 aSi−Z−[R2SiO]x[R1 2SiO]y−Z−SiR1 a2 3-a (4)
のポリマーであってもよく、ここで、R1、R2およびZは式(3)に関して上で定義された通りであり;RはC1−C6−アルキル(例示としてはメチルであるアルキル)であり;aは0−2であり、xは0から約10,000;好ましくは11から約2500であり;yは0から約1,000;好ましくは0から500である。一実施形態において、式(4)の化合物中のZは、結合または二価C2−C14−アルキレン基であり、特に−C24−が好ましい。
適切なポリシロキサン含有ポリマー(A1)の非限定的な例は、例えば、シラノール停止ポリジメチルシロキサン、シラノールまたはアルコキシ停止ポリオルガノシロキサン、例えば、メトキシ停止ポリジメチルシロキサン、アルコキシ停止ポリジメチルシロキサン−ポリジフェニルシロキサンコポリマー、およびシラノールまたはアルコキシ停止フルオロアルキル置換シロキサン(ポリ(メチル3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサンおよびポリ(メチル3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン−ポリジメチルシロキサンコポリマーなど)を含む。ポリオルガノシロキサン成分(A1)は、組成物100重量部の約10から約90重量%の量で存在してもよい。好ましい一実施形態において、ポリオルガノシロキサン成分は、約10から約2500のシロキシ単位の範囲の平均鎖長を有し、粘度は、25℃で約10から約500,000mPa.sの範囲にある。
代替として、本組成物は、シロキサン単位を含まず、シロキサン含有ポリマー(A1)のそれに匹敵する縮合反応によって硬化を受けるシリル末端有機ポリマー(A2)を含んでもよい。ポリオルガノシロキサンポリマー(A1)と同様に、ポリマー成分(A)として適切である有機ポリマー(A2)は、末端シリル基を含む。一実施形態において、末端シリル基は式(5):
−SiR1 d2 3-d (5)
であってもよく、ここで、R1、R2およびaは上に定義された通りである。
適切なシロキサンを含まない有機ポリマーの例は、シリル化ポリウレタン(SPUR)、シリル化ポリエステル、シリル化ポリエーテル、シリル化ポリカルボナート、シリル化ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンのような)、シリル化ポリエステルエーテルおよびその2種以上の組み合わせを含むがこれらに限定されない。シロキサンを含まない有機ポリマーは、組成物約100重量部の約10から約90重量%の量で存在してもよい。
一実施形態において、ポリマー成分(A)はシリル化ポリウレタン(SPUR)であってもよい。そのような湿気硬化性化合物は、一般に当業界で公知であり、(i)イソシアナート末端ポリウレタン(PUR)プレポリマーを適切なシラン、例えば、シリコン原子に、アルコキシなどの加水分解可能な官能基を有し、かつ第2に例えばメルカプタン、第一級または第二級アミン(好ましくは後者)などの活性水素含有官能基を有するシランと反応させる、または(ii)ヒドロキシル末端PUR(ポリウレタン)プレポリマーを、例えば1から3個のアルコキシ基を有する適切なイソシアナート末端シランと反応させることを含む様々な方法によって得ることができる。これらの反応の詳細、およびその中に用いられるイソシアナート末端およびヒドロキシル末端PURプレポリマーの調製についての詳細は、とりわけ米国特許第第4,985,491号明細書;第5,919,888号明細書;第6,207,794号明細書;第6,303,731号明細書;第6,359,101号明細書;および第6,515,164号明細書;ならびに米国特許出願公開第2004/0122253号明細書および米国特許出願公開第2005/0020706号明細書(イソシアナート末端PURプレポリマー);米国特許第3,786,081号明細書および第4,481,367号明細書(ヒドロキシル末端PURプレポリマー);米国特許第3,627,722号明細書;第3,632,557号明細書;第3,971,751号明細書;第5,623,044号明細書;第5,852,137号明細書;第6,197,912号明細書;および第6,310,170号明細書(イソシアナート末端PURプレポリマーと反応性シラン(例えば、アミノアルコキシシラン)の反応から得られた湿気硬化性SPUR(シラン修飾/末端ポリウレタン);および、米国特許第4,345,053号明細書;第4,625,012号明細書;第6,833,423号明細書;ならびに米国特許出願公開第2002/0198352号明細書(ヒドロキシル末端PURプレポリマーとイソシアナトシランの反応から得られた湿気硬化性SPUR)に見いだすことができる。前述の米国特許文書の全体内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。湿気硬化性SPUR材料の他の例は、米国特許第7,569,653号明細書に記載されたものを含み、その開示は全体が参照によって組み込まれる。
ポリシロキサン組成物は、成分(B)として架橋剤または鎖伸長剤をさらに含んでもよい。一実施形態において、架橋剤は、式(6):
1 aSiR2 4-a (6)
であり、ここで、R2は上記の通りであってもよく、R1は上記の通りであってもよく、aは0−3である。代替として、架橋剤成分は、式(6)の縮合生成物であってもよく、ここで、水の存在下で1個または複数のR2基は加水分解され放出されるがすべてとは限らず、次いで中間のシラノールは縮合反応を受けてSi−O−Si結合および水を与える。平均重合度は、2−10のSi単位を有する化合物を結果として得ることができる。
本明細書において使用される場合、架橋剤という用語は、少なくとも2個の加水分解性基および(A)の下で定義されない1分子当たり3個未満のシリコン原子を有する追加の反応性成分を含む化合物を含む。一実施形態において、架橋剤または鎖伸長剤は、アルコキシシラン、アルコキシシロキサン、オキシモシラン、オキシモシロキサン、エノキシシラン、エノキシシロキサン、アミノシラン、カルボキシシラン、カルボキシシロキサン、アルキルアミドシラン、アルキルアミドシロキサン、アリールアミドシラン、アリールアミドシロキサン、アルコキシアミノシラン、アルカリールアミノシロキサン、アルコキシカルバマトシラン、アルコキシカルバマトシロキサン、イミダトシラン、ウレイドシラン、イソシアナトシラン、チオイソシアナトシラン、およびその2種以上の組み合わせから選択されてもよい。適切な架橋剤の例は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS);メチルトリメトキシシラン(MTMS);メチルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン;メチルフェニルジメトキシシラン;3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン;メチルトリアセトキシシラン;ビニルトリアセトキシシラン;エチルトリアセトキシシラン;ジ−ブトキシジアセトキシシラン;フェニルトリプロピオノキシシラン;メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン;ビニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン;3,3,3−トリフルオロプロピルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン;メチルトリス(イソプロペノキシ)シラン;ビニルトリス(イソプロペノキシ)シラン;ポリケイ酸エチル;ジメチルテトラアセトキシジシロキサン;オルトケイ酸テトラ−n−プロピル;メチルジメトキシ(エチルメチルケトオキシモ)シラン;メチルメトキシビス−(エチルメチルケトオキシモ)シラン;メチルジメトキシ(アセトアルドキシモ)シラン;メチルジメトキシ(N−メチルカルバマト)シラン;エチルジメトキシ(N−メチルカルバマト)シラン;メチルジメトキシイソプロペノキシシラン;トリメトキシイソプロペノキシシラン;メチルトリ−イソ−プロペノキシシラン;メチルジメトキシ(ブタ−2−エン−2−オキシ)シラン;メチルジメトキシ(1−フェニルエテノキシ)シラン;メチルジメトキシ−2(1−カルボエトキシプロペノキシ)シラン;メチルメトキシジ−N−メチルアミノシラン;ビニルジメトキシメチルアミノシラン;テトラ−N,N−ジエチルアミノシラン;メチルジメトキシメチルアミノシラン;メチルトリシクロヘキシルアミノシラン;メチルジメトキシエチルアミノシラン;ジメチルジ−N,N−ジメチルアミノシラン;メチルジメトキシイソプロピルアミノシラン;ジメチルジ−N,N−ジエチルアミノシラン;エチルジメトキシ(N−エチルプロピオンアミド)シラン;メチルジメトキシ(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン;エチルジメトキシ(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルトリス(N−メチルベンズアミド)シラン;メチルメトキシビス(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルジメトキシ(カプロラクタモ)シラン;トリメトキシ(N−メチルアセトアミド)シラン;)メチルジメトキシエチルアセトイミダトシラン;メチルジメトキシプロピルアセトイミダトシラン(;)メチルジメトキシ(N,N’,N’−トリメチルウレイド)シラン;メチルジメトキシ(N−アリル−N’,N’−ジメチルウレイド)シラン;メチルジメトキシ(N−フェニル−N’,N’−ジメチルウレイド)シラン;メチルジメトキシイソシアナトシラン;ジメトキシジイソシアナトシラン;メチルジメトキシチオイソシアナトシラン;メチルメトキシジチオイソシアナトシラン、またはその2種以上の組み合わせから選択されてもよい。一実施形態において、架橋剤は、組成物の約1から約10重量%の、またはポリマー成分(A)100重量部当たり約0.1から約10重量部の量で存在してもよい。別の実施形態において、架橋剤は、ポリマー成分(A)100重量部当たり約0.1から約5重量部の量で存在してもよい。なお別の実施形態において、架橋剤は、ポリマー成分(A)の100重量部当たり約0.5から約3重量部の量で存在してもよい。本明細書および特許請求の範囲中のどこか他のところのように、ここでも、数値を組み合わせて新規または未開示の範囲を形成してもよい。
プレポリマーZ’−X−Z’間の反応によって消費されず、R4から選択される追加の官能基を含む成分(A)の0.1重量%を超える量の追加のアルコキシシランは、また接着促進剤として働くこともでき、成分(D)の下に定義され、数えられる。
硬化性組成物は、Zn(II)錯体、Zr(IV)錯体またはその2種以上の組み合わせを含む有機金属触媒(C)をさらに含む。本発明者らは、予想外にも、Zn(II)およびZr(IV)錯体が、本発明の態様による接着促進剤および酸性化合物と共に使用されたとき、優れた触媒活性を示し、ほとんどの組成物、例えば、追加で他の成分を含んでいてもよい反応性末端基を有するポリマーを含む典型的なシーラントRTV1またはRTV2調合物において申し分なく作用することを見いだした。Zn(II)またはZr(IV)錯体は、通常、本来液体であり、分散助剤(例えば、溶媒)を必要としない。固体のZn(II)またはZr(IV)錯体の場合には、これらは、通常有機溶媒の助けによって分散する。
一実施形態において、触媒成分(C)は式(1)のZn(II)錯体、式(2)のZr(IV)錯体またはその2種以上の組み合わせを含み、
ZnII2-cc (1)、または
ZrIV4-hh (2)
ここで、Yはキレート化配位子であり、Aは陰イオンであり、cは0から2または整数(interger)であり、hは0から4または整数である。
キレート化配位子Yは、ジケトナート、ジアミン、トリアミン、アミノアセタート、ニトリロアセタート、ビピリジン、グリオキシム、カルボキシラート、その2種以上の組み合わせなどから選択されてもよい。適切なキレート化配位子の例は、アセチルアセトナート(2,4−ペンタンジオン)(「AA」または「acac」);ヘキサンジオン−2,4;ヘプタンジオン−2,4;ヘプタンジオン−3,5;エチル−3−ペンタンジオン−2,4;メチル−5−ヘキサンジオン−2,4;オクタンジオン−2,4;オクタンジオン−3,5;ジメチル−5,5ヘキサンジオン−2,4;メチル−6−ヘプタンジオン−2,4;ジメチル−2,2−ノナンジオン−3,5;ジメチル−2,6−ヘプタンジオン−3,5;2−アセチルシクロヘキサノン(Cy−acac);2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン(t−Bu−acac);1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン(F−acac)];ベンゾイルアセトン;ジベンゾイル−メタン;3−メチル−2,4−ペンタジオン;3−アセチル−ペンタン−2−オン;3−アセチル−2−ヘキサノン;3−アセチル−2−ヘプタノン;3−アセチル−5−メチル−2−ヘキサノン;ステアロイルベンゾイルメタン;オクタノイルベンゾイルメタン;4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン;4,4’−ジメトキシ−ジベンゾイルメタン;4,4’−ジ−tert−ブチル−ジベンゾイル−メタン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、またはその2種以上の組み合わせを含むがこれらに限定されない。
式(1)または(2)中の陰イオンAは、特に限定されず、ハライド、ヒドロキシド、オキシド、ペルオキシド、オゾニド、ヒドロスルフィド、アルコキシド、アルキルチオ、ニトリド、アセタート、アミド、カルボキシラート、シアニド、シアナート、チオシアナート、カルボナート、ヒドロゲンカルボナートなどを含むがこれらに限定されない陰イオンから選択されてもよい。適切な陰イオンのいくつかの特定の例は、F-、Cl-、(I3-、[ClF2-、[IF6-、(ClO)-、(ClO2-、(ClO3-、(ClO4-、(OH)-、(SH)-、(SeH)-、(O2-、(O3-、(HS2-、(CH3O)-、(C25O)-、(C37O)-、(CH3S)-、(C25S)-、(C24ClO)-、(C65O)-、(C65S)-、[C64(NO2)O]-、(HCO2-、(C715CO2-、(CH3CO2-、(CH3CH2CO2-、(N3-、(CN)-、(NCO)-、(NCS)-、(NCSe)-、(NH2-、(PH2-、(ClHN)-、(Cl2N)-、(CH3NH)-、(HN=N)-、(H2N−NH)-、(HP=P)-、(H2PO)-、(H2PO2-などを含むがこれらに限定されない。
一実施形態において、陰イオンAは、置換、非置換のC4−C30−アルキル−、C7−C30−アリールアルキル、C7−C30−アルキルアリールおよびC6−C10−アリールカルボキシラート陰イオンからなる群から選択される。陰イオンは、ペンタノアート、ヘキサノアート、ヘプタノアート、オクトアート、2−エチルヘキサノアート、ネオデカノアートなど、またはその2種以上の組み合わせから選択されるカルボキシラートであってもよい。一実施形態において、陰イオンAは、分岐C4−C30−アルキルカルボン酸から選択される。
一実施形態において、触媒化合物(C)は2−エチルヘキサン酸(2−ethylhexanote)Zr(IV)を含む。別の実施形態において、触媒化合物(C)は、少なくとも1種のZn(II)錯体と少なくとも1種のZr(IV)錯体の混合物を含む。少なくとも1種のZn(II)錯体と少なくとも1種のZr(IV)錯体の混合物を含む実施形態において、Zn(II)およびZr(IV)錯体は、個別の成分として別々に、またはそのような成分の混合物またはブレンドを含む触媒組成物の一部として供給されてもよい。Zn(II)およびZr(IV)錯体が触媒組成物の一部として供給される場合、触媒組成物は、約1から約99重量%の亜鉛、および約1から約99重量%のジルコニウム;別の実施形態において約5から約90重量%の亜鉛、および約5から約90重量%のジルコニウム;別の実施形態において約10から約80重量%の亜鉛、および約10から約80重量%のジルコニウム;別の実施形態において約20から約70重量%の亜鉛、および約20から約70重量%のジルコニウム;ならびに別の実施形態において約30から約70重量%の亜鉛、および約30から約70重量%のジルコニウムを含んでもよい。本明細書および特許請求の範囲中のどこか他のところのように、ここでも、数値を組み合わせて新規または未開示の範囲を形成してもよい。亜鉛およびジルコニウム錯体は市販され、適切な物質は、キング・インダストリーズ社(商品名K−KAT)、シェパード・ケミカルズ社、Reaxis and Gelest社から入手可能なものを含む。
一実施形態において、そのような錯体のZn(II)錯体、Zr(IV)錯体または混合物は、成分(A)100重量部に対して約0.01から約7.0重量部;約0.05から約5重量部;約0.1から2.5重量部;約0.5から約2重量部;ポリマー(A)100重量部当たり約1から約1.5重量部もの量で組成物に添加されてもよい。別の実施形態において、Zn(II)および/またはZr(IV)錯体は、約0.1から約5.0重量部の量で添加されてもよい。なお別の実施形態において、Zn(II)および/またはZr(IV)錯体は、約0.15から約2.5重量部の量で添加されてもよい。なお別の実施形態において、Zn(II)および/またはZr(IV)錯体は、成分(A)100重量部当たり約0.2から約0.5重量部の量で存在してもよい。錯体が亜鉛およびジルコニウム錯体のブレンドを含む触媒組成物の一部として供給される場合、触媒組成物は、上記の範囲内の合計触媒濃度を供給する量で存在する。触媒としてのZn(II)および/またはZr(IV)錯体の量を増加させると、表面硬化の硬化速度を高め、指触乾燥表面およびバルクを通しての完全硬化の硬化時間を短縮することができる。さらに、組成物に添加されるZn(II)またはZr(IV)錯体の量は、組成物の粘度に影響を与えることができる。特に、Zn(II)またはZr(IV)錯体の量を増加させると、組成物の最終粘度が高くなり得るが、これはあまり望ましくない。
組成物は、接着促進剤は、成分(A)または(B)とは異なる成分(D)をさらに含む。一実施形態において、接着促進剤(D)は、成分(B)のシランと同一でないか、またはポリマー(A)を末端封鎖するのに必要なシランの量を超える量で存在する、例えば、アミノシラン、他のシランなどの基R4を含む有機官能性シランであってもよい。(A)を作製する反応における未反応シラン(B)または(D)の量は、末端封鎖反応の後、200℃までのより高温および1mbarまでの真空で(A)の0.1重量%を超えて遊離シランを蒸発させることで明らかにすることができる。
したがって、いくつかの選択されるアミンを、有利には、所望の場合、反応性シリル基を含有するシリコーン/非シリコーンポリマーの金属錯体の触媒作用による縮合硬化の速度を微調整するために添加することができる。
一実施形態において、組成物は、一般式(7):
4 e1 dSi(OR34-d-e (7)
によって記載されるような基R4を含む接着促進剤(D)を含み、ここで、R4はE−(CR5 2f−W−(CH2f−であり;R1は上記の通りであり;dは0、1または2であり;e=1、2または3であり;d+e=1から2であり;fは0から8であり、同一でも異なっていてもよい。
適切な化合物の非限定的な例は:
1−(CR5 2f−W−(CH2fSiR1 d(OR33-d (7a)、または(7d)
2−[(CR5 2f−W−(CH2fSiR1 d(OR33-dp (7b)または(7f)を含み、ここでp=2−3である。
基Eは、基E1またはE2のいずれかから選択されてもよい。E1は、アミン、−NH2、−NHR、−(NHC251-10NHR、NHC65、ハロゲン、擬ハロゲン、最大14個の炭素原子を有する不飽和脂肪族基、最大14個の炭素原子を有するエポキシ基含有脂肪族基、シアヌラート含有基およびイソシアヌラート含有基から選択されてもよい。
2は、R4およびOR3基を含むことができる、アミン、ポリアミン、イソシアヌラート含有基およびイソシアヌラート含有基、スルフィド、スルファート、ホスファート、ホスファイトおよびポリオルガノシロキサン基からなる二価または多価の基で構成される群から選択されてもよく;Wは、単結合、−COO−、−O−、エポキシ、−S−、−CONH−、−HN−CO−NH−単位から選択されるヘテロ原子基からなる群から選択され;R5は、水素および上で定義されるRから選択され、R1は、上で定義されるように、同一でも異なっていてもよく、R3は、C1−C8−アルコキシ、(メトキシ、エトキシなど)、C3−C12−アルコキシアルキル、C2−C22−アルキルカルボキシおよびC4−C100−ポリアルキレンオキシドからなる群から選択され、R3は同一でも異なっていてもよい。
成分(D)の非限定的な例は次のものを含む:
ここで、Rおよびdは上で定義された通りである。成分(D)の例は、式(7a−7l)の化合物を含む。さらに、化合物(D)の式(7b)は、式(7m):
の化合物を含むものとする。ここで、R、R1、R3およびR4は上で定義された通りであり;R6は、水素、R、直鎖および分岐のC3−C16アルキル、C5−C14シクロアルキル、フェニル、およびC1−C8アルキルで置換されたフェニルであり;sは0−6であり(および一実施形態においては望ましくは0);uは0−10であり(一実施形態においては望ましくは0−5);および、s+uは10以下である。一実施形態において、R4は次から選択される。
接着促進剤の例示の基は、アミノ基含有シランカップリング剤からなる群から選択される。アミノ基含有シラン接着促進薬剤(D)は、加水分解可能基に結合したシリコン原子を含有する基(以下、シリコン原子に結合した加水分解可能基と称する)およびアミノ基を有する化合物である。その特定の例は、上記の加水分解可能基を有する同一のシリル基を含む。これらの基の中でも、メトキシ基およびエトキシ基が特に適切である。加水分解可能基の数は2以上であってもよく、3以上の加水分解可能基を有する化合物が特に適切である。
他の適切な接着促進剤(D)の例は、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(ガンマ−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノ官能性トリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、ガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチル−ジメトキシシラン、エポキシリモニルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、ベータ−シアノ−エチル−トリメトキシシラン、ガンマ−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、ガンマ−メタクリルオキシプロピル−メチルジメトキシシラン、アルファ,オメガ−ビス−(アミノアルキル−ジエトキシシリル)−ポリジメチルシロキサン(Pn=1−7)、アルファ,オメガ−ビス−(アミノアルキル−ジエトキシシリル)−オクタ−メチルテトラシロキサン、4−アミノ−3,3,−ジメチル−ブチル−トリ−メトキシシラン、およびN−エチル−3−トリ−メトキシ−シリル−2−メチルプロパンアミン、3−(ジエチル−アミノプロピル)−トリメトキシシランまたはその2種以上の組み合わせなどを含むがこれらに限定されない。特に適切な接着促進剤は、ビス(アルキルトリアルコキシシリル)アミンおよびトリス(アルキルトリアルコキシシリル)アミンを含み、ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミンおよびトリス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミンを含むがこれらに限定されない。
また、これらの修正により得られる誘導体、例えば、アミノ修飾シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシランおよびアミノシリル化シリコーンを使用することが可能である。これらのアミノ基含有シランカップリング剤は単独で使用されてもよいが、または2種類以上のこれらを組み合わせて使用されてもよい。
本発明の硬化性組成物は、接着促進剤(D)としてアルコキシシランまたはアルコキシシランのブレンドをさらに含んでもよい。接着促進剤は、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよび1,3,5−トリス(トリメトキシ−シリルプロピル)イソシアヌラートその他の組み合わせたブレンドであってもよい。
接着促進剤(D)は、ポリマー成分(A)100部に対して約0.1から約5.0重量部の量で存在してもよい。一実施形態において、接着促進剤は、約0.15から約2.0重量部の量で存在してもよい。別の実施形態において、接着促進剤は、ポリマー成分(A)の約0.5から約1.5重量部の量で存在してもよい。このように(A)の組成物中の(D)の量を定義するが、ポリマー(A)の末端封鎖から来る遊離シランの含有率は、0.1重量%未満である。
本組成物は、充填剤成分(E)をさらに含んでよい。充填剤成分(複数可)(E)には、硬化後、より高い引張強度を達成し、その上、粘度を上げ擬似塑性/剪断薄化およびチキソトロピー挙動を確立する能力を有する補強または半補強充填剤、ならびに主として体積増量剤として働く非補強充填剤として使用するためなどの様々な機能があってもよい。補強充填剤は、BET表面に関連する50m2/gを超える比表面積を有することを特徴とし、半補強充填剤は、10−50m2/gの範囲の比表面積を有する。いわゆる増量充填剤は、好ましくはBET方法による10m2/g未満の比表面および100μm未満の平均粒径を有する。一実施形態において、半補強充填剤は、炭酸カルシウム充填剤、シリカ充填剤またはその混合物である。適切な補強充填剤の例は、フュームドシリカまたは沈降シリカであり、オルガノシランまたはシロキサンで部分的にまたは完全に処理してそれほど親水性でなくし、水含有率を減らすか、または組成物の粘度および貯蔵安定性を制御することができる。これらの充填剤は疎水性充填剤と命名され、商品名は、アエロジル(Aerosil)(登録商標)、HDK(登録商標)、Cab−O−Sil(登録商標)などである。
適切な増量充填剤の例は、粉砕シリカ(セライト(Celite)(商標))、沈降性およびコロイド質炭酸カルシウム(これらはステアラートまたはステアリン酸などの化合物で場合によって処理される);フュームドシリカ、沈降シリカ、シリカゲルならびに疎水化シリカおよびシリカゲルなどの補強シリカ;砕き粉砕した石英、クリストバライト、アルミナ、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、珪藻土、酸化鉄、カーボンブラック、アクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの粉末化熱可塑性樹脂、およびグラファイトまたは粘土カオリン、ベントナイトまたはモンモリロナイト(処理/未処理の)などを含むがこれらに限定されない。
添加される充填剤の種類および量は、硬化したシリコーン/非シリコーン組成物の所望の物理的性質に依存する。したがって、充填剤は、単一の種または2種以上の混合物であってもよい。増量充填剤は、100部の成分(A)に対して組成物の約0から約300重量%まで存在することができる。補強充填剤は、100部の成分(A)に対して、組成物の約5から約60重量%、好ましくは5から30重量%存在することができる。
本発明の組成物は、酸性化合物(F)をさらに含み、これは、接着促進剤ならびにZn(II)および/またはZr(IV)触媒と組み合わせて、(そのような化合物のない状態での硬化と比較して)硬化を加速することがわかった。成分(F)は、組成物の約0.01から約5重量%の量で存在してもよい。別の実施形態において、成分(A)100重量部当たり0.01から約8重量部、より好ましくは成分(A)100重量部当たり0.02から3重量部、最も好ましくは成分(A)100重量部当たり0.02から1重量部が使用される。
酸性化合物(F)は、様々なリン酸エステル、ホスホナート、ホスファイト、ホスフィン、スルファイト、擬似ハロゲニド、分岐アルキルカルボン酸、その2種以上の組み合わせなどから選択されてもよい。いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、一実施形態において、酸性化合物(F)は、環境空気に接する使用の前にカートリッジ中に密封される場合、より長い貯蔵期間を保証するための安定剤として有用である。特にアルコキシ末端ポリシロキサンは、カートリッジ中での貯蔵後、硬化能力を失う場合があり、例えば硬化条件下で硬度の低下を示す。そのため、数か月にわたり貯蔵期間または硬化能力を延長することができる式(8)の化合物を添加することは有用であり得る。
O=P(OR73-r(OH)r (8)
ここで、rは0、1または2であり、R7は、直鎖または分岐、場合によって置換されたC1−C30−アルキル基、直鎖もしくは分岐C5−C14−シクロアルキル基、C6−C14−アリール基、C6−C31アルキルアリール基、直鎖もしくは分岐C2−C30−アルケニル基、または直鎖もしくは分岐C1−C30−アルコキシアルキル基、C4−C300−ポリアルケニレンオキシド基(ポリエーテル)、(マルロホール(Marlophor)(登録商標)N5酸、トリオルガニルシリル−およびジオルガニル(C1−C8)−アルコキシシリル基など)の群から選択される。ホスファートはまた、第1および第2のエステルの混合物を含むことができる。適切なホスホナートの非限定的な例は、1−ヒドロキシエタン−(1,1−ジホスホナート)(HEDP)、アミノ−トリメチレンホスホナート(ATMP)、ニトリロトリス(メチルホスホナート)(NTMP)、ジエチレントリアミン−ペンタキスメチレンホスホナート(DTPMP)、1,2−ジアミノエタン−テトラキスメチレンホスホナート(EDTMP)およびホスホノブタントリカルボナート(PBTC)を含む。
別の実施形態において、式O=P(OR72-t(OH)tの化合物を添加してもよく、ここで、tは1または2であり、R7は上記に定義された通りであるか、または1個もしくは複数のアミノ基を有する二価もしくは多価の炭化水素である。
別の種類は、アルキルホスホン酸、好ましくはヘキシルまたはオクチルホスホン酸などの式O=PR7(OH)2のホスホン酸化合物である。
一実施形態において、酸性化合物は、リン酸モノエステル;式(R3O)PO(OH)2、(R3O)P(OH)2、またはR3P(O)(OH)2のホスホナートから選択されてもよく、ここで、R3は、C1−C18アルキル、C2−C20−アルコキシアルキル、フェニル、C7−C12−アルキルアリール、ポリ(C2−C4−アルキレン)オキシドエステルまたはジエステルとのその混合物などである。
別の実施形態において、酸性化合物は、アルファ第三級炭素を有するC5−C19酸またはその2種以上の組み合わせを含む分岐アルキルC4−C30−アルキルカルボン酸である。そのような適切な化合物の例は、Versatic(商標)Acid、Lauric Acid、Steric Acidなどを含むがこれらに限定されない。一実施形態において、酸性化合物は、分岐アルキルカルボン酸を含む混合物であってもよい。一実施形態において、酸性化合物は、主として第三級脂肪族C10カルボン酸の混合物である。
本出願人らは、Zn(II)および/またはZr(IV)触媒および酸性化合物の組み合わせが、スズ触媒を使用して作製された組成物に匹敵する指触乾燥時間、硬度および/または硬化時間を示す硬化ポリマーを提供するが、しかしスズ触媒を使用して作製された材料と比較してより良好な接着を提供する硬化性組成物を提供し得ることを見いだした。
一般に、酸性成分(F)は、触媒(C)に関して1未満のモル比で添加される。実施形態において、酸性成分(F)は、(F):(C)が1:10から1:4のモル比で添加される。
硬化性組成物はまた、可塑剤、顔料、安定剤、抗菌剤もしくは殺菌剤、殺生剤および/または溶媒などの補助の物質(G)を含んでもよい。反応性ポリオルガノシロキサン(A)用の好ましい可塑剤は、10−300シロキシ単位の鎖長を有するポリオルガノシロキサンの群から選択される。好ましいものは、25℃で100−1000mPa.sの粘度を有するトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサンである。任意選択の溶媒(分散媒体または増量剤)の選択には、触媒の一様な分散を確実にし、それによって硬化速度を変える役割があってもよい。そのような溶媒には、トルエン、ヘキサン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの極性および無極性溶媒が含まれる。水は、高速硬化二液組成物RTV−2Kを加速する追加の成分(G)であってもよく、それによって水は、二液組成物の一液中にあってもよい。溶媒を硬化および適用後に蒸発させなければならない場合、特に適切な無極性溶媒は、トルエン、ヘキサンを含むがこれらに限定されない。別の実施形態において、溶媒は、アルキルベンゼン、フタル酸エステル、アリールスルホン酸エステル、リン酸トリアルキルエステルまたはリン酸トリアリールエステルなどの高沸点炭化水素を含み、これらは低い蒸気圧を有しており、体積を増量して低コストを提供することができる。参照によって引用される例は、米国特許第6,599,633号明細書;米国特許第4,312,801号明細書のものであってもよい。溶媒は、触媒組成物の約20から約99重量%の量で存在することができる。
一実施形態において、本発明による組成物は、100重量部のポリマー成分(A);約0.1から約10重量部の架橋剤成分(B);約0.01から約7重量部の触媒成分(C)、約0.1から約5の、一実施形態においては、0.15−1重量部の接着促進剤成分(D);約0から約300重量部の充填剤成分(E);約0.01から約7重量部の酸性化合物(F);場合によって、0から約15重量部の成分(G)を含み、ここで成分(B)−(G)の重量部は、それぞれポリマー成分(A)100部に基づく。一実施形態において、組成物は、成分(A)の100重量部当たり約0.01から約1重量部の量の成分(F)を含む。なお別の実施形態において、組成物は、成分(A)の100重量部当たり約0.1から約0.8重量部の量の触媒(C)を含む。
硬化性組成物が一液組成物、二液組成物いずれとしても提供され得ることは理解されよう。一液組成物は、上記の様々な成分の混合物を含む組成物を指す。二液組成物は、別々に貯蔵され、その後、硬化の適用直前に一緒に混合される、第1の部分および第2の部分を含んでよい。一実施形態において、二液組成物は、ポリマー成分(A)および架橋剤成分(B)を含む第1の部分(P1)、ならびにZn(II)および/またはZr(IV)錯体を含む触媒成分(C)を含む第2の部分(P2)を含む。第1および第2の部分は、特定の目的または意図した使用に対する所望に応じて他の成分(F)および/または(G)を含んでもよい。例えば、一実施形態において、第1の部分(P1)は場合によって接着促進剤(D)および/または充填剤(E)を含んでもよく、第2の部分(P2)は場合によって補助の物質(G)、硬化速度修正成分(F)および水(G)を含んでもよい。
一実施形態において、二液組成物は、(i)ポリマー成分(A)、場合によって充填剤成分(E)、および場合によって酸性化合物(F)を含む第1の部分;および(ii)架橋剤(B)、触媒成分(C)、接着性促進剤(D)および酸性化合物(F)を含む第2の部分を含み、ここで、成分(i)および(ii)の混合により硬化に適用されるまで、部分(i)および(ii)は別々に貯蔵される。
例示の「二液」組成物は、100重量部の成分(A)および0から70重量部の成分(E)を含む第1の部分(i);および少なくとも1種の0.1から5重量部の架橋剤(B);0.01から2重量部の触媒(C);0.1から2重量部の接着促進剤(D);および0.02から1重量部の成分(F)を含む第2の部分(ii)を含む。
硬化性組成物は、シーリング、型作製、接着剤、汚物処理室の被膜、グレイジング、原型作製、異なる材料間の継手シール(例えばセラミックまたは無機質表面と熱可塑性樹脂の間のシーラント)、紙の離型、含浸などのための材料として含む広範囲の用途において使用されてもよい。触媒としてZn(II)および/またはZr(IV)錯体を含む本発明による硬化性組成物は、例えば、一般目的および工業用のシーラント、ポッティング化合物、コーキング材、建築使用のための接着剤または被膜、板ガラスが金属枠に固定され密封される断熱ガラス(IG)、構造グレイジング(SSG);金属板、車体、車両、電子機器用のコーキング、接着剤などの種々様々の用途に適している可能性がある。さらに、本組成物は、一液RTV−1Kまたは二液室温加硫(RTV−2K)調合物のいずれとしても使用されてもよく、広く様々な金属、無機質、セラミック、ゴムまたはプラスチック表面に接着することができる。
以下の実施例を参照して、Zn(II)またはZr(IV)触媒化合物を含む硬化性組成物をさらに理解することができる。
Zrおよび/またはZn触媒−「二液」組成物の一般的な実験手順
P2として使用する10gのポリケイ酸エチル(EPS)、0.3gのカルボン酸、5.0gの接着促進剤、および2−エチルヘキサン酸(2−ethylhexonate)Zr(IV)触媒(4g)の混合物に、P1として使用するシリカ充填剤を含有し600mPa・s(25℃)の粘度を有する1000gのシラノール停止ポリジメチルシロキサンを添加し、ハウシルト(Hauschild)混合機を使用して1.5分間混合した。混合した調合物は、換気フード内に置いたテフロン型(長さ×幅×深さ〜10cm×10cm×1cm)に注いだ。表面硬化(TFT)およびバルク硬化は、時間(最大7日)の関数としてモニターした。
表面硬化(TFT)およびバルク硬化の測定
表面硬化は指触乾燥時間(TFT)によって示した。典型的なTFT測定において、ステンレス鋼(SS)のおもり(〜10gの重さ)をテフロン型に広げた調合物表面に置いて何らかの材料がSSのおもりの表面に接着するか否かで表面の粘着性を推量した。TFTは、非粘着性表面を得るのにかかる時間として定義される。バルク硬化は、厚さの全体(すなわち最上部から底部まで)にわたる調合物の完全な硬化にかかる時間であり、時間の関数としてモニターする(目視検査)。
貯蔵安定性の測定
数か月にわたる閉じたカートリッジ中の貯蔵安定性をシミュレートするために、前述の「一液」組成物を老化試験にかけた。これによって、単一組成を含む閉じたカートリッジのそれぞれを(1)50℃で4時間または(2)70℃で5日間オーブン中に維持し、その所定期間後、混合物をオーブンから取り出し、室温(25℃)になるようにした。次いで、25℃で湿度約50%の環境空気の相互作用による硬化を始めるために、換気フード内に置いたテフロン型(長さ×幅×深さ〜10cm×10cm×1cm)に混合物を押出して注いだ。加速条件下で貯蔵した後、どの程度まで組成物が性能を維持したか判断するために、表面硬化(TFT)およびバルク硬化を、時間(最大7日)およびショアA硬度の関数としてモニターした。貯蔵試験のための高温は、1種類の時間経過においてより長時間にわたる室温(25℃、50%相対湿度)での貯蔵の影響をシミュレートするはずである。
表1は、Zn(II)/Zr(IV)触媒およびその配位子の性能を、スズ触媒(DBTDL)と比較して説明する。
比較例1および2のコメント
比較例1および2を比較すると、ジブチルスズジラウラートの添加がシリコーンのシリル縮合硬化を加速することを明確に示している。
実施例1−4のコメント
実施例1−4を比較例1および2と比較すると、2−エチルヘキサン酸Zr(IV)が確かにシリコーンのシリル縮合硬化を加速すること、および、ジブチルスズジラウラートの装填と比較してDBTDLと同様の触媒活性が、2−エチルヘキサン酸Zr(IV)のより高い装填(〜2X装填)で達成することができることを示している。2−エチルヘキサン酸Zr(IV)の装填を減らすと、硬化時間の増加が明白である。
実施例5−7のコメント
実施例5−7を実施例1−4と比較すると、2−エチルヘキサン酸Zr(IV)の使用で観察される硬化促進と比較して、ネオデカン酸Zn(II)の使用で硬化の促進がそれに匹敵することは明白であるが、同様の装填水準のZn(II)アセチルアセトンの使用では硬化が比較的加速されなかったことは明白であることを示す。
実施例8および9のコメント
実施例8および9を実施例1−6と比較すると、硬化促進は、個々に使用する代わりに2−エチルヘキサン酸Zr(IV)とネオデカン酸Zn(II)の混合物の使用で達成することができることを示す。硬化は、触媒の上記混合物と共にversatic acidの使用でさらに加速される(実施例9)。versatic acidを添加する硬化の観察された促進は、個別の触媒を含むversatic acidの添加で観察されたものと同様である(実施例14および15)。
実施例10および11のコメント
実施例10および11を実施例1−7と比較すると、硬化促進は、個々に使用する代わりに2−エチルヘキサン酸Zr(IV)とZn(II)アセチルアセトナートの混合物の使用で達成することができることを示す。硬化は、触媒の上記混合物と共にversatic acidの使用でさらに加速される(実施例11)。
実施例12および13のコメント
実施例12および13を実施例5−7と比較すると、硬化促進は、個々に使用する代わりにネオデカン酸Zn(II)とZn(II)アセチルアセトナートの混合物の使用で達成することができることを示す。硬化は、触媒の上記混合物と共にversatic acidの使用でさらに加速される(実施例13)。
本発明の実施形態を上に記載したが、本明細書を読んで理解すれば改変および変更を他の者は思い付くことができる。以下の特許請求の範囲は、改変および変更が特許請求の範囲またはその均等物の範囲内に含まれる限りそれらをすべて含むように意図される。

Claims (22)

  1. 硬化ポリマー組成物を形成するための組成物であって、
    (A)少なくとも反応性シリル基を有するポリマー;
    (B)アルコキシシラン、アルコキシシロキサン、オキシモシラン、オキシモシロキサン、エノキシシラン、エノキシシロキサン、アミノシラン、カルボキシシラン、カルボキシシロキサン、アルキルアミドシラン、アルキルアミドシロキサン、アリールアミドシラン、アリールアミドシロキサン、アルコキシアミノシラン、アルカリールアミノシロキサン、アルコキシカルバマトシラン、アルコキシカルバマトシロキサンおよびその2種以上の組み合わせから選択される架橋剤または鎖伸長剤;
    (C)亜鉛(II)、ジルコニウム(IV)の有機金属化合物もしくは塩またはその2種以上の組み合わせから選択される触媒;
    (D)(B)に列挙された該化合物以外のシランまたはシロキサンから選択される、少なくとも1種の接着促進剤;
    (E)場合によって、充填剤成分;および
    (F)場合によって、リン酸エステル、ホスホナート、ホスファイト、ホスフィン、スルファイト、擬似ハロゲニド、分岐アルキルカルボン酸、およびその2種以上の組み合わせから選択される少なくとも1種の酸性化合物
    を含む組成物。
  2. 該金属触媒成分(C)が、式(1):
    ZnII3-cc (1)
    のZn(II)錯体、式(2):
    ZrIV4-hh (2)
    のZr(IV)錯体またはその2種以上の組み合わせを含み、ここで、Yは、ジケトナート、ジアミン、トリアミン、アミノアセタート、ニトリロアセタート、ビピリジン、グリオキシムまたはその2種以上の組み合わせから選択されるキレート化配位子であり;Aは、置換、非置換のアルキル−およびアリールカルボキシラートから選択される陰イオンであり、cは0から2の間の数または整数であり、hは0から4の間の数または整数である、請求項1に記載の組成物。
  3. 該キレート剤Yが置換ジケトナートを含み、該カルボキシラート陰イオンAが、ペンタノアート、ヘキサノアート、ヘプタノアート、オクトアート、ネオデカノアート、2−エチルヘキサノアート、またはその2種以上の組み合わせから選択される、請求項2に記載の組成物。
  4. 触媒(C)が、Zn(II)錯体とZr(IV)錯体のブレンド、または2種のZn(II)錯体のブレンド、または2種のZr(IV)錯体のブレンドを含む、請求項2に記載の組成物。
  5. 該触媒(C)が、約1から約99重量%の亜鉛、および約1から約99重量%のジルコニウムを含む組成物を含む、請求項4に記載の組成物。
  6. 該触媒(C)が、約10から約80重量%の亜鉛、および約10から約80重量%のジルコニウムを含む組成物を含む、請求項4に記載の組成物。
  7. 該触媒(C)が、約30から約70重量%の亜鉛、および約30から約70重量%のジルコニウムを含む組成物を含む、請求項4に記載の組成物。
  8. 触媒(C)が錯体ZrIV4-ggを含み、g=4であり、該陰イオンAが分岐C4−C30アルキルカルボキシラートである、請求項2に記載の組成物。
  9. 該ポリマーA100重量部当たり約0.01から約7重量部の触媒(C)を含む、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
  10. 該ポリマー(A)100重量部当たり約0.05から約5重量部の量の成分(C)を含む、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
  11. 該ポリマー(A)100重量部当たり約0.01から約1.0重量部の量の成分(C)を含む、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
  12. 該ポリマー(A)100重量部当たり約0.02から約0.4重量部の量の成分(C)を含む、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
  13. 該酸性成分(F)が1:10から1:4の(F):(C)のモル比で添加される、請求項1から10に記載の組成物。
  14. 該成分(F)が、リン酸モノエステル;式(R3O)PO(OH)2、(R3O)P(OH)2またはR3P(O)(OH)2のホスホナートから選択され、ここで、R3は、C1−C18−アルキル、C2−C20−アルコキシアルキル、フェニル、C7−C12−アルキルアリール、ポリ(C2−C4−アルキレン)オキシドエステルまたはジエステルとのその混合物;分岐アルキルC4−C30アルキルカルボン酸;またはその2種以上の組み合わせである、請求項1から13のいずれかに記載の組成物。
  15. 該ポリマー(A)が、式(2):
    [R1 a2 3-aSi−Z−]n−X−Z−SiR1 a2 3-a(2)
    を有し、ここで、Xは、ポリウレタン;ポリエステル;ポリエーテル;ポリカルボナート;ポリオレフィン;ポリプロピレン;ポリエステルエーテル;ならびにR3SiO1/2、R2SiO、RSiO3/2および/またはSiO4/2の単位を有するポリオルガノシロキサンから選択され、
    nは0から100であり、
    aは0から2であり、
    RおよびR1は、同じSi原子の位置で同一でも異なっていてもよく、C1−C10−アルキル;1個もしくは複数のCl、F、N、OまたはSで置換されたC1−C10−アルキル;フェニル;C7−C16−アルキルアリール;C7−C16−アリールアルキル;C2−C4−ポリアルキレンエーテル;またはその2種以上の組み合わせから選択され、
    2は、OH、C1−C8−アルコキシ、C2−C18−アルコキシアルキル、オキシモアルキル、エノキシアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、アミドアルキル、アミドアリール、カルバマトアルキルまたはその2種以上の組み合わせから選択され、
    Zは、C1−C8−アルキレンまたはOの群から選択される二価単位の結合である、請求項1から14のいずれかに記載のポリマー組成物。
  16. 該架橋剤成分(B)が、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、TEOSの重縮合物;メチルトリメトキシシラン(MTMS);ビニル−トリメトキシシラン;メチルビニルジメトキシシラン;ジメチルジエトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン;オルトケイ酸テトラn−プロピル;ビニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン;メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン;トリスアセトアミドメチルシラン;ビスアセトアミドジメチルシラン;トリス(N−メチル−アセトアミド)メチルシラン;ビス(N−メチルアセトアミド)ジメチルシラン;(N−メチル−アセトアミド)メチルジアルコキシシラン;トリスベンズアミドメチルシラン;トリスプロペノキシメチルシラン;アルキルジアルコキシアミドシラン;アルキルアルコキシビスアミドシラン;CH3Si(OC251-2(NHCOR)2-1;(CH3Si(OC25)(NCH3COC652;CH3Si(OC25)−(NHCOC652;メチルジメトキシ(エチルメチル−ケトオキシモ)シラン;メチルメトキシビス−(エチルメチルケトオキシモ)シラン;メチルジメトキシ(アセトアルドキシモ)シラン;メチルジメトキシ(N−メチルカルバマト)シラン;エチルジメトキシ(N−メチルカルバマト)シラン;メチルジメトキシイソプロペノキシシラン;トリメトキシイソプロペノキシシラン;メチルトリイソプロペノキシシラン;メチルジメトキシ(ブタ−2−エン−2−オキシ)シラン;メチルジメトキシ(1−フェニルエテノキシ)シラン;メチルジメトキシ−2(1−カルボエトキシプロペノキシ)シラン;メチルメトキシジ−N−メチルアミノシラン;ビニルジメトキシメチルアミノシラン;テトラ−N,N−ジエチルアミノシラン;メチルジメトキシメチルアミノシラン;メチルトリシクロヘキシルアミノシラン;メチルジメトキシ−エチルアミノシラン;ジメチルジ−N,N−ジメチルアミノシラン;メチルジメトキシイソプロピルアミノシランジメチルジ−N,N−ジエチルアミノシラン;エチルジメトキシ(N−エチルプロピオンアミド)シラン;メチルジメトキシ(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン;エチルジメトキシ(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルトリス(N−メチルベンズアミド)シラン;メチルメトキシビス(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルジメトキシ(カプロラクタモ)シラン;トリメトキシ(N−メチルアセトアミド)シラン;メチルジメトキシエチルアセトイミダトシラン;メチルジメトキシプロピルアセトイミダトシラン;メチルジメトキシ(N,N’,N’−トリメチルウレイド)シラン;メチルジメトキシ(N−アリル−N’,N’−ジメチルウレイド)シラン;メチルジメトキシ(N−フェニル−N’,N’−ジメチルウレイド)シラン;メチルジメトキシイソシアナトシラン;ジメトキシジイソシアナトシラン;メチルジメトキシ−チオイソシアナトシラン;メチルメトキシジチオイソシアナトシラン、またはその2種以上の組み合わせから選択される、請求項1から15のいずれかに記載の組成物。
  17. 該接着促進剤成分(D)が、アミノアルキルトリアルコキシシラン、アミノアルキルアルキルジアルコキシシラン、ビス(アルキルトリアルコキシシリル)アミン、トリス(アルキルトリアルコキシシリル)アミン、トリス(アルキルトリアルコキシシリル)シアヌラートおよびトリス(アルキルトリアルコキシシリル)イソシアヌラートまたはその2種以上の組み合わせから選択される、請求項1から16のいずれかに記載の組成物。
  18. 該ポリマー成分(A)が式(4):
    2 3-a1 aSi−Z−[R2SiO]x[R1 2SiO]y−Z−SiR1 a2 3-a (4)
    を有し、
    ここで、
    xは0から10000であり;
    yは0から1000であり;
    aは0から2であり;
    Rはメチルであり;
    1は、C1−C10−アルキル;1個もしくは複数のCl、F、N、OまたはSで置換されたC1−C10アルキル;フェニル;C7−C16アルキルアリール;C7−C16アリールアルキル;C2−C4ポリアルキレンエーテル;またはその2種以上の組み合わせから選択され、他のシロキサン単位が10モル%未満の量で存在してもよく;
    2は、OH、C1−C8−アルコキシ、C2−C18−アルコキシアルキル、オキシモアルキル、エノキシアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、アミドアルキル、アミドアリール、カルバマトアルキル、またはその2種以上の組み合わせから選択され、
    Zは、−O−、結合または−C24−である、
    請求項1から17のいずれかに記載のポリマー組成物。
  19. アルキルベンゼン、リン酸トリアルキル、リン酸トリアリール、フタル酸エステル、アリールスルホン酸エステルから選択され、少なくとも0.86の粘度密度定数(VDC)を有し、ポリオルガノシロキサンおよび触媒成分(C)と混和性である溶媒、反応基がなく25℃で2000mPa・s未満の粘度を有するポリオルガノシロキサン、またはその2種以上の組み合わせをさらに含む、請求項1から18のいずれかに記載の組成物。
  20. 100重量部の成分(A)、
    0.1から約10重量部の少なくとも1種の架橋剤(B)、
    0.01から約7重量部の触媒(C)、
    0.1から約5重量部の接着促進剤(D)、
    0から約300重量部の成分(E)、
    0.01から約8重量部の成分(F)を含み、
    湿分のない状態で貯蔵することができ、環境空気へ曝露すると湿分の存在下で硬化性となる、請求項1から19のいずれかに記載の組成物。
  21. 請求項1から20のいずれかに記載の組成物から形成された硬化ポリマー。
  22. エラストマー、シール、熱硬化性樹脂のシール、接着剤、汚染防止膜を含む被膜、封止剤、成形物品、型または印象材の形態の、請求項21に記載の硬化ポリマー。
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