JP2015507084A - 焼鈍ガスの間で炉内部での熱交換をするための閉じた搬送流体システム - Google Patents
焼鈍ガスの間で炉内部での熱交換をするための閉じた搬送流体システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015507084A JP2015507084A JP2014546467A JP2014546467A JP2015507084A JP 2015507084 A JP2015507084 A JP 2015507084A JP 2014546467 A JP2014546467 A JP 2014546467A JP 2014546467 A JP2014546467 A JP 2014546467A JP 2015507084 A JP2015507084 A JP 2015507084A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- furnace
- annealing gas
- furnace chamber
- heat
- carrier fluid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/0006—Details, accessories not peculiar to any of the following furnaces
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D1/00—General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
- C21D1/34—Methods of heating
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/52—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
- C21D9/54—Furnaces for treating strips or wire
- C21D9/663—Bell-type furnaces
- C21D9/677—Arrangements of heating devices
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F27—FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
- F27B—FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS IN GENERAL; OPEN SINTERING OR LIKE APPARATUS
- F27B11/00—Bell-type furnaces
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F27—FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
- F27D—DETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
- F27D17/00—Arrangements for using waste heat; Arrangements for using, or disposing of, waste gases
- F27D17/004—Systems for reclaiming waste heat
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D1/00—General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
- C21D1/26—Methods of annealing
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F27—FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
- F27D—DETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
- F27D99/00—Subject matter not provided for in other groups of this subclass
- F27D99/0001—Heating elements or systems
- F27D2099/0061—Indirect heating
- F27D2099/0065—Gas
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Environmental & Geological Engineering (AREA)
- Furnace Details (AREA)
- Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
- Tunnel Furnaces (AREA)
- Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
焼鈍物(102)を熱処理するための炉(100)であって、ここで、炉(100)は、第1の炉室(104)の中での加熱可能なまたは冷却可能な第1の焼鈍ガス(112)と焼鈍物(102)との熱的な相互作用によって焼鈍物(102)を収容して熱処理するために構成された閉鎖可能な第1の炉室(104)と、第1の焼鈍ガス(112)と搬送流体(116)との間の熱交換のために構成され、第1の炉室(104)の中に配置された第1の熱交換器(108)とを有し、ここで、第1の熱交換器(108)は第1の炉室(104)のハウジング区域(120)の内部に配置されており、該ハウジング区域(120)は第1の炉室(104)の内部で第1の焼鈍ガス(112)を閉じ込め、第2の炉室(106)の中での加熱可能なまたは冷却可能な第2の焼鈍ガス(114)と焼鈍物(102)との熱的な相互作用によって焼鈍物(102)を収容して熱処理するために構成された閉鎖可能な第2の炉室(106)と、第2の焼鈍ガス(114)と搬送流体(116)との間の熱交換のために構成された、第2の炉室(106)の中に配置された第2の熱交換器(110)とを有し、ここで、第2の熱交換器(110)は第2の炉室(106)のハウジング区域(122)の内部に配置され、該ハウジング区域(122)は第2の炉室(106)の内部で第2の焼鈍ガス(114)を閉じ込め、搬送流体(116)によって第1の焼鈍ガス(112)と第2の焼鈍ガス(114)との間で熱エネルギーを伝達可能であるように第1の熱交換器(108)とおよび第2の熱交換器(110)と作用接続されている、閉じた搬送流体経路(118)と、を有する。
Description
本発明は、焼鈍物を熱処理するための炉に関し、および、炉の中で焼鈍物を熱処理する方法に関する。
特許文献1は、防護フードの下の搬送流体雰囲気の中で焼鈍物を収容する焼鈍台座を備える、フード型焼鈍設備で焼鈍物を予加熱する方法を開示している。防護フードの中で熱処理を受ける焼鈍物は気体状の熱媒体によって予加熱され、この熱媒体は循環路で防護フードを外部から循環し、防護フードの中ですでに熱処理された焼鈍物から熱を吸収して、別の防護フードの中の予加熱されるべき焼鈍物にこれを放出する。焼鈍物を熱処理するために、外部からバーナを通じて加熱可能な防護フードを備えた少なくとも1つの別の焼鈍台座が利用される。この防護フードの加熱部からの高温の排ガスは、焼鈍物を予加熱するために、加熱された熱媒体に混ぜ合わされる。
特許文献2は、防護フードの下で焼鈍物を収容する2つの焼鈍台座を備えるフード型焼鈍設備で、焼鈍物を予加熱する方法を開示している。防護フードの中で熱処理を受けるべき焼鈍物は気体状の熱媒体によって予加熱され、この熱媒体は両方の防護フードの間で循環路の中を導かれ、一方の防護フードの中で熱処理された焼鈍物から熱を吸収して、他方の防護フードの中の予加熱されるべき焼鈍物にこれを放出する。循環路の中で導かれる熱媒体流は、両方の防護フードを外部から循環し、それに対して防護フードの内部では搬送流体が循環する。
特許文献3は、焼鈍物を収容する焼鈍台座と、気密に載置された防護フードとを備える、特に鋼ベルト束や線材束のためのフード型焼鈍炉を開示している。さらに、焼鈍台座に支承されたラジアルファンが設けられており、このラジアルファンは、動翼と、動翼を取り囲む制御デバイスとを、防護フードの中で搬送流体を循環させるために含んでいる。搬送流体を冷却するための熱交換器が、入力側で流路を介してラジアルファンの圧力側に接続されるとともに、出力側で制御デバイスと防護フードの間の環状隙間に連通している。ラジアルファンの圧力側の流動路に入るように軸方向へスライド可能な方向転換装置が、熱交換器(水冷式の環状の管束)へと通じる流路をラジアルファンに選択的に接続する役目を果たす。防護フードは環状フランジを介して気密に支承されており、すなわち、台座フランジに圧着されている。熱交換器(冷却器)は環状フランジの下方に位置している。流路は、制御デバイスの外側円周を起点として延びる、環状隙間と同心的な環状通路からなる。方向転換装置は、制御デバイスを外側で取り囲む環状の方向転換スライダとして構成されている。
バッチごとに作動する従来式の炉は、比較的高いエネルギー消費量を有している。
本発明の課題は、バッチごとに作動する炉をエネルギー的に効率よく稼働させることにある。
この課題は、独立請求項に記載された構成要件を備える対象物によって解決される。その他の実施例は、従属請求項に示されている。
本発明の1つの実施例では、焼鈍物を熱処理するための炉が提供される。この炉は、第1の炉室の中での加熱可能な第1の焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって焼鈍物を収容して熱処理するために構成された、閉鎖可能な第1の炉室を有している。第1の炉室の中には、第1の焼鈍ガスと搬送流体との間の熱交換のために構成された第1の熱交換器が配置されている。第1の熱交換器は、第1の炉室のハウジング区域の内部(たとえば防護フードの内部、特にもっとも内側の防護フードの内部)に配置されている。このハウジング区域は、第1の炉室の内部で第1の焼鈍ガスを閉じ込める(特に、焼鈍物を収容するこのハウジング区域は第1の焼鈍ガスと直接接触し、これを周囲に対して気密またはガス密に密閉する)。さらに、第2の炉室の中での加熱可能な第2の焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって焼鈍物を収容して熱処理するために構成された、閉鎖可能な第2の炉室が設けられている。第2の炉室の中には、第2の焼鈍ガスと搬送流体との間の熱交換のために構成された第2の熱交換器が配置されている。第2の熱交換器は、第2の炉室のハウジング区域の内部(たとえば防護フードの内部、特にもっとも内側の防護フードの内部)に配置されている。このハウジング区域は、第2の炉室の内部で第2の焼鈍ガスを(焼鈍物とともに)閉じ込める(特に、焼鈍物を収容するこのハウジング区域は第2の焼鈍ガスと直接接触し、これを周囲に対して気密に密閉する)。搬送流体によって第1の焼鈍ガスと第2の焼鈍ガスの間で熱エネルギーを伝達可能であるように、閉じた搬送流体経路が第1の熱交換器および第2の熱交換器と作用接続している。
本発明の別の一例としての実施例では、炉の中で焼鈍物を熱処理する方法が提供され、この方法では、焼鈍物が閉鎖可能な第1の炉室の中に収容され、第1の炉室の中の加熱可能な焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって熱処理される。さらに、第1の炉室の中に配置された第1の熱交換器によって第1の焼鈍ガスと搬送流体との間で熱交換が惹起される。第1の熱交換器は、第1の炉室のハウジング区域の内部に配置されている。このハウジング区域は、第1の炉室の内部の第1の焼鈍ガスを閉じ込める。焼鈍物が閉鎖可能な第2の炉室に収容され、第2の炉室の中の加熱可能な第2の焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって熱処理される。これに加えて、第2の炉室の中に配置された第2の熱交換器によって第2の焼鈍ガスと搬送流体との間で熱交換が惹起され、第2の熱交換器は第2の炉室のハウジング区域の内部に配置されている。このハウジング区域は、第2の炉室の内部の第2の焼鈍ガスを閉じ込める。搬送流体によって第1の焼鈍ガスと第2の焼鈍ガスの間で熱エネルギーが伝達されるように、第1の熱交換器および第2の熱交換器と作用接続された閉じた搬送流体経路が制御される。
本発明の一例としての実施例では、焼鈍ガスとは別個に炉のさまざまな台座または炉室に設けられた、閉じた搬送流体経路とも呼ぶ流体経路を設けることができ、この流体経路は、それぞれの熱交換器(防護フードにより分離されて、特に防護フードの内部に設けられる)と炉室内で相互に作用接続して、両方の炉室内の2つの分断された焼鈍ガスの間で熱エネルギーを交換する。ここで重要なのは、炉室内での搬送流体と焼鈍ガスとの間の直接的な機械的接触が回避されていることである。これらのガスまたは流体の間での熱交換だけが、それぞれの熱交換器によって可能となる。このようにして、複数の炉室または台座を有する炉において、たとえば現在ちょうど冷却段階にある炉室の熱エネルギーを、現在ちょうど加熱段階にある別の炉室を予加熱するために利用することができる。そのために本発明では、炉室の内部に配置された(したがって、特にそれぞれの焼鈍ガスがそれぞれ全面的に、すなわち全流として周囲を流れる)熱交換器と流体接続される、別個の閉じた搬送流体経路が提供される。このことは、消費されるエネルギーの効率的な利用をもたらす。このとき一方の台座の焼鈍ガス(たとえば水素100%)は、熱交換をする相手方台座の焼鈍ガス(たとえば同じく水素100%)とは接触しない。したがって、(気化した圧延油または延伸剤による)煤のための望ましくない品質低下、または熱交換器が初期加熱されるときの少量の酸素(O2)および水(H2O)の望ましくない供給も確実に回避される。さらに、本発明による炉の安全性は極めて高い。異なる炉室の焼鈍ガスの間での相互作用、または、一方では焼鈍ガスと他方では搬送流体(たとえば水素100%またはヘリウム100%)との間での相互作用が、熱交換器が設けられているにもかかわらず阻止されるからである。
搬送流体経路が熱的にではなく流体的に、両方の炉室の中の焼鈍ガスから分断されていることにより、使用する搬送流体を効率的な熱伝達の必要性に合わせて特別に設計し、特に、熱伝導性の高い搬送流体を使用することも可能である。たとえば100%のH2、100%のHe、またはその他の熱伝導性の良好な気体を使用することができる。これに加えて、焼鈍ガスと搬送流体とがこのように流体的に分断されていれば、搬送流体経路を高圧経路として構成することが可能であり、それにより、高圧下にある搬送流体での熱伝達性を著しく向上させると同時に、特別に多い熱量を運ぶことができ、個々の炉室の中での比較的低い圧縮ガス比率がそのために不都合に損なわれることがない。
個々の炉室の焼鈍ガスに蓄えられている熱エネルギーの熱交換を経由して、それぞれの炉室を選択的に加熱または冷却するための加熱エネルギーまたは冷却エネルギーを提供するためにも、搬送経路を利用することができる。搬送流体経路について決定的に重要なのは、それが全流の中で直接的に作用することである。このように本発明の実施形態による搬送流体経路は、異なる炉室の間での熱交換だけでなく、加熱または冷却のためにも利用することができる。
1つの実施例に基づき、ちょうどそれぞれ1つの断熱性の防護フード(別の加熱フードまたは冷却フードを設ける強制的な必要性はない)のみがそれぞれの台座の上に載置される場合には、構造を極めてコンパクトに構成することができる。この利点は、それぞれの焼鈍ガスのための唯一の熱供給ユニットとしての熱交換器を、焼鈍室の内部(すなわち防護フードの下)に位置決めすることによって可能となる。さらに、加熱フードまたは冷却フードが省略されれば、個々のフードを取り扱うために必要なクレーン操作に関連するコストが有意に削減される。クレーンは、基本的に、焼鈍物バッチおよび防護フードを炉室へ運ぶためにしか必要なくなり、冷却フードまたは加熱フードの操作には必要なくなる。
以下において、さらなる炉の実施例について説明する。これらは方法についても該当する。
1つの実施例では、炉はバッチごとに作動可能な炉として、特にフード型炉またはチャンバ型炉として構成されていてよい。バッチごとに作動可能な炉とは、1バッチの焼鈍物が、たとえば熱処理されるべき帯材が導入される炉であると理解される。そして相応の炉室が閉じられ、バッチごとに投入される焼鈍物に熱処理が施される。換言すると、バッチごとに作動可能な炉は、不連続的に作動可能な炉である。
1つの実施例では、第1の炉室は取外し可能な第1の防護フード(第1の炉室の上述したハウジング区域としての)によって閉鎖可能であってよく、第2の炉室は取外し可能な第2の防護フード(第2の炉室の上述したハウジング区域としての)によって閉鎖可能であってよい。炉室のためのそれぞれの断熱性の防護フードは、それが炉室の内部を気密またはガス密に閉鎖するように構成されていてよく、それにより、それぞれの炉室の中へ取込可能な焼鈍ガスが、それぞれの炉室から流出しないように確実に防護される。
1つの実施例では、第1の防護フードは第1の炉室のもっとも外側の、特に唯一のフードであってよい。第2の防護フードは第2の炉室のもっとも外側の、特に唯一のフードであってよい。この好ましい実施形態では、炉は炉室ごとにただ1つのフードを装備することができる。防護フードおよび追加で外側の加熱フードまたは冷却フードが装着される従来式のフード型炉に対して、台座ごとにただ1つの防護フードを有する本発明による炉の設計は大幅に簡素である。この設計の簡素化は、炉室内および搬送流体経路との流体接続部でのそれぞれの熱交換器の位置決めの結果として生じる。この熱交換器は、焼鈍ガスと搬送流体の間の全熱結合を担うことができ、したがって、一切の加熱と冷却の役割を担うことができるからである。
したがって本発明の実施例は、最小の所要スペースで実現可能である。加熱フード、冷却フード、交換用フードが必要なく、台座ごとにただ1つの断熱性の防護フードがあれば十分であり得るからである。
1つの実施例では、第1の防護フードおよび第2の防護フードはそれぞれ耐熱性の、特に金属製の内側ハウジング、ならびに断熱性材料製の断熱スリーブを有することができる。この実施例ではエネルギー供給はもはや防護フードを介して行われないので(たとえば加熱フードのバーナで外部から)、防護フードの壁部温度は低くなり、耐熱性材料が受ける負荷が少なくなり、壁部での熱損失が減少する。この実施形態ではフード型炉のための防護フードを、従来式の防護フードとは有意に別様に構成することができる。従来式の防護フードは、それぞれの防護フードの下の焼鈍ガスと、両方のフードの間の別のガスとの間の熱的平衡を成立させるために、全体として熱伝導性のよい材料で構成されていなければならないのに対して、上述した実施例では、防護フードを通過しての熱的な相互作用がもはや必要なく、もはや望ましくもないという事実を考慮に入れている。この理由から防護フードは、外部に向けての熱損失を抑制するために、少なくとも部分的に断熱性材料で構成されていてよい。
それに対して防護フードおよび/または別の防護フードは、チャンバ型炉としての炉の1つの実施形態では、それぞれ必ずしも耐熱性でない、特に金属製の外側ハウジング、および断熱性材料製の内側の断熱スリーブとを有することができる。
1つの実施例では、搬送流体経路は加熱用の熱を生起するための加熱ユニットを有することができる。加熱ユニットは、搬送流体または第1の熱交換器または第2の熱交換器を直接加熱するためにセットアップされていてよい。生起される加熱用の熱が第1の焼鈍ガスへ熱伝達されることにより、第1の炉室は加熱可能であってよい。代替的にまたは追加で、生起される加熱用の熱が第2の焼鈍ガスへ熱伝達されることによって、第2の炉室は加熱可能であってよい。加熱ユニットは炉室の外部に、すなわち加熱される領域の外部に配置されていてよい。搬送流体経路が別個の加熱ユニットと接続されているとき、搬送流体そのものは、異なる炉室の中の焼鈍ガスの間での熱交換のために利用できるだけでなく、加熱ユニットから熱エネルギーをそれぞれの炉室の内部へ搬送することもできる。
別の実施形態では、電気供給ユニット(たとえば変圧器を有するもの)によって管束そのものを電流の伝達媒体として利用し、または一緒に利用することもでき、これを(好ましくは低い電圧と高い電流の強さで)抵抗損により(電気抵抗加熱の原理に基づいて)それぞれの熱交換器で熱エネルギーに変換することができる。相応の結合部材として、たとえば搬送流体経路の低抵抗の管壁部を利用することができ、これにそれぞれの熱交換器(特に管束)が接続される。炉室の底面または炉基部を通しての結合部材の挿通は、防護フードを簡素におよび中断なく構成することを可能にする。防護フードを通過させて熱交換器具に供給回線を挿通することが不要になるからである。
それに対してガス加熱ユニットを使用するときには、搬送流体そのものを加熱し、ベンチレータにより搬送流体経路に沿ってそれぞれの熱交換器を介して、それぞれの炉室の内部にある焼鈍ガスとの熱的な相互作用を生じさせるのが好ましい。
このような焼鈍室外部の加熱ユニットは、たとえばガス加熱ユニット、オイル加熱ユニット、ペレット加熱ユニット、または電気による加熱ユニットであってよい。たとえばガスを用いての加熱は、焼鈍室外部の熱交換器を介して行うことができ、その管束はたとえば天然ガス燃焼装置を利用して高温圧縮ガスを加熱し、これをそれぞれの焼鈍ガス室熱交換器へと押込ベンチレータによって搬送することができる。電気エネルギーを用いた加熱は、変圧器を介して、焼鈍室外部にある熱交換器の管束によって直接行うこともでき、それにより電気エネルギーを高温の圧縮ガスに転用し、その中に含まれる熱エネルギーをそれぞれの焼鈍ガス室熱交換器へと搬送する。
さらには炉を環境に適合させて作動可能であり、それは、たとえば電気による加熱ユニット(内部または外部)の場合、二酸化炭素や窒素酸化物が生成されないからである。上述した極めて効率的な熱交換により、ガス加熱の場合にはメタン消費量が少なく、それによって少ない量のCO2とNOxしか発生しない。オイル加熱ユニットは、熱エネルギーを生成するためにオイルを燃焼することができる。ペレット加熱ユニットは、熱エネルギーを生成するために木材ペレットを燃やすことができる。当然ながら、これ以外の種類の熱エネルギー生成ユニットも本発明により適用可能である。
1つの実施例では、第1の炉室は第1の防護フードを取り囲む取外し可能な第1の加熱フードによって閉鎖可能であってよい。第2の炉室は、第2の防護フードを取り囲む取外し可能な第2の加熱フードによって閉鎖可能であってよい。1つの実施例では、第1の炉室は、第1の加熱フードと第1の防護フードとの間の中間スペースを加熱するための第1の加熱ユニットを有することができる。それに応じて第2の炉室は、第2の加熱フードと第2の防護フードとの間の中間スペースを加熱するための第2の加熱ユニットを有することができる。この実施形態では、防護フードに加えて、別の加熱フードが台座ごとにまたは炉室ごとに設けられている。これは、加熱フードと防護フードの間の中間スペースを加熱する役目を果たすものであり、ここで、防護フードを通過することによる熱平衡が焼鈍ガスの加熱をもたらす。この実施形態では、搬送流体経路は焼鈍ガスの間での熱エネルギーの交換のためにのみ設けられていてよい。冷却フードをそれぞれの炉室の上に載置することも可能であり、それにより焼鈍ガスの冷却が開始される。
この実施例では、第1の加熱ユニットと第2の加熱ユニットはそれぞれガス加熱ユニットであってよい。このようなガス加熱ユニットは、加熱フードと防護フードの間で加熱をするガスバーナであってよい。
1つの実施例では、第1の熱交換器および/または第2の熱交換器は1つの束をなす湾曲した管からなる多管式熱交換器として構成されていてよい。ここで多管式熱交換器とは、たとえば円形に巻かれた管の束により形成される熱交換器であると理解することができる。管内部は搬送流体経路の一部であってよく、搬送流体により貫流可能であってよい。管外部はそのつどの焼鈍ガスと直接接続されていてよい。特に多管式熱交換器は、互いに平行に延びるように配置された管で構成されていてよい。管壁部は気密におよび耐熱性に構成されていてよい。この構成は、搬送流体が管の内部によって圧縮または送出され、管壁部によってそのつどの焼鈍ガスから分離されるように設定されていてよい。管の束によって効率的な広い熱交換面積が提供されることができ、それにより、搬送ガスとそのつどの焼鈍ガスが多量の熱エネルギーを交換することができる。さらに、本発明の実施例はフルオートマチック動作で適用可能である。
本発明によると、全流で設定することができる熱交換器としての管束を、個々の炉室で適用することができる。このことは、冷却される1バッチの焼鈍物と、初期加熱される1バッチの焼鈍物との間で熱交換をする役目を果たす。さらに多管式熱交換器によって、焼鈍温度まで加熱をすることができる。最終温度(たとえば焼鈍物の取出温度)までの冷却も、同一の多管式熱交換器を用いて実施することができる。
1つの実施例では、第1の炉室は第1の焼鈍ガスベンチレータを有することができ、第2の炉室は第2の焼鈍ガスベンチレータを有することができ、ここで、それぞれの焼鈍ガスベンチレータは、それぞれの焼鈍ガスをそれぞれの熱交換器具におよびそれぞれの焼鈍物に向けてセットアップされていてよい。それぞれの焼鈍ガスベンチレータは、それぞれの台座または炉室の下側領域に配置されていてよく、焼鈍ガスを循環させて、これをそれぞれの炉室の中で焼鈍物と良好に熱的に相互作用させることができる。それぞれの焼鈍ガスベンチレータは、この目的のために、制御デバイスによって焼鈍ガスを特定の方向へ導くことができる。
1つの実施例では、搬送流体は熱伝導性のよい搬送ガスであってよく、特に水素またはヘリウムであってよい。一般に、搬送流体は液体または気体であり得る。水素またはヘリウムを使用すると、その良好な熱伝導性を活用することができる。さらに、これらの気体は高圧のもとでも良好に適用可能である。
1つの実施例では、搬送流体は搬送流体経路で約2バールから約20バールの圧力またはそれ以上であってよく、特に、約5バールから約10バールの圧力であってよい。このように、焼鈍ガスが炉の中で受けることがある若干の過圧を超えることがあるにすぎない雰囲気圧に比べて、搬送流体の大幅な過圧を生起することができる。熱交換器で高い圧力を適用することで、熱交換を特別に効率的に構成することができ、第1および第2の炉室での高圧性能を必要とすることがない。
1つの実施例では、搬送流体は搬送流体経路で約400℃から約1100℃の範囲内の温度にすることができ、特に、約600℃から約900℃の範囲内の温度にすることができる。たとえば、搬送流体は搬送流体経路で700℃から800℃の範囲内の温度にすることができる。このように搬送流体によって、たとえば鋼、アルミニウム、銅、および/またはその合金製の帯材や線材または形材のような焼鈍物の処理のために必要な温度を、炉室で生起することができる。
1つの実施例では、さらに炉は、第3の炉室の中での加熱可能な第3の焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって焼鈍物を収容して熱処理するために構成された、閉鎖可能な少なくとも1つの第3の炉室と、第3の焼鈍ガスと搬送流体との間の熱交換のために構成された、第3の炉室の中に配置された第3の熱交換器とを有することができる。第3の熱交換器も、第3の炉室のハウジング区域の内部に配置されていてよく、これは第3の焼鈍ガスを第3の炉室の内部に閉じ込める。閉じた搬送流体経路は第3の熱交換器とも作用接続されていてよく、それにより、搬送流体によって第1の焼鈍ガスと第2の焼鈍ガスと第3の焼鈍ガスとの間で熱エネルギーが伝達可能である。この実施形態では、少なくとも3つの炉室を相互に連結することができる。そしてエネルギー交換をする加熱サイクル、高温加熱サイクル、および冷却サイクルを、それぞれ個々の炉室について区別することができる。3つの炉室のうちの2つを搬送流体によって周期的に熱的に結合することができ、それにより、たとえば1つの炉を予冷却し、別の炉を予加熱する。そして、そのつど第3の炉に加熱手順または冷却手順を施すことができる。炉室間での熱交換は、2つの炉室を使用する場合には1段階式に、3つの炉室を使用する場合には2段階式に、または3つを超える炉を使用する場合にはそれ以上の段階式に意図されていてよい。
1つの実施例では、炉は、搬送流体と第1の焼鈍ガスと第2の焼鈍ガスとの間の熱交換によって選択的に第1の炉室および第2の炉室のうちの1つが予加熱モード、加熱モード、予冷却モード、または最終冷却モードで作動可能であるように搬送流体経路を制御するようにセットアップされた制御ユニットを有することができる。このような制御ユニットは、たとえば異なる炉室の動作形態をコーディネートするマイクロプロセッサであってよい。このとき制御ユニットは、たとえば流体システムの加熱ユニット、冷却ユニット、またはバルブを制御して、動作進行を自動で実行する。予加熱モードとは、焼鈍ガスに他の焼鈍ガスの熱エネルギーが供給されることによって焼鈍ガスが高い中間温度にされる、炉室の動作モードであると理解することができる。焼鈍ガスには、1つまたは複数の連続する予加熱段階を施すことができる。加熱モードでは、すでに上記の仕方により1段階または多段階で予加熱された焼鈍ガスに、炉室外部の加熱ユニット(ガス、電気など)を接続して、焼鈍ガスを高い最終温度にすることができる。加熱モードの終了後および冷却モードの開始前に、焼鈍ガスに予冷却(いわば上記の予加熱と逆のプロセス)を施すことができ、その際には、焼鈍ガスが搬送ガスを介しての迂回路で他の焼鈍ガスへ間接的に熱エネルギーを供給することによって、焼鈍ガスが低下した中間温度にされる。最終冷却モードでは、焼鈍ガスをより低い温度まで冷却するために、流体ガスおよびこれに伴って焼鈍ガスに炉外部の冷却ユニット(たとえば水冷)を接続することができる。
1つの実施例では、搬送流体経路は、搬送流体経路を通じて搬送流体を送出するための搬送流体ベンチレータを有することができる。このように搬送流体ベンチレータは、相応のバルブ制御によって設定可能である所定の経路に沿って、搬送流体を送出することができる。
1つの実施例では、搬送流体経路は、搬送流体経路で搬送流体を冷却するために接続可能な冷却器を有することができる。このような接続可能な冷却器(たとえば管束の水冷の原理に基づくもの)は、それぞれの熱交換器を介して個々の炉室へ入力結合することができる冷却エネルギーを搬送流体に作用させることを可能にする。
1つの実施例では、搬送流体経路は複数のバルブを有することができる。バルブは、たとえば電気信号によって切り換えることができる空気圧バルブまたは電磁バルブであってよい。バルブが適切な仕方で流体経路に配置されている場合には、異なる動作モードを設定することができる。バルブは(たとえば制御ユニットの管理のもとで)、炉が選択的に下記の動作モードのいずれかで作動可能であるように切換可能であってよい:
a)搬送流体ベンチレータが搬送流体を第2の焼鈍ガスと熱的に結合させ、それにより搬送流体が第2の焼鈍ガスから熱を奪って第1の焼鈍ガスに供給し、第1の炉室を予加熱して第2の炉室を予冷却する第1の動作モード;
b)加熱ユニットが第1の炉室をさらに加熱し、これから分断されている経路で搬送流体ベンチレータが搬送流体を接続された冷却器に冷却のために供給し、冷却された搬送流体を第2の焼鈍ガスと熱的に結合して第2の炉室をさらに冷却する、後続する第2の動作モード;
c)搬送流体ベンチレータが搬送流体を第1の焼鈍ガスと熱的に結合し、それにより搬送流体が第1の焼鈍ガスから熱を奪って第2の焼鈍ガスに供給し、第2の炉室を予加熱して第1の炉室を予冷却する、後続する第3の動作モード;
d)加熱ユニットが第2の炉室をさらに加熱し、これから分断された経路で搬送流体ベンチレータが搬送流体を接続された冷却器に冷却のために供給し、冷却された搬送流体を第1の焼鈍ガスと熱的に結合して、第1の炉室をさらに冷却する、後続する第4の動作モード。
a)搬送流体ベンチレータが搬送流体を第2の焼鈍ガスと熱的に結合させ、それにより搬送流体が第2の焼鈍ガスから熱を奪って第1の焼鈍ガスに供給し、第1の炉室を予加熱して第2の炉室を予冷却する第1の動作モード;
b)加熱ユニットが第1の炉室をさらに加熱し、これから分断されている経路で搬送流体ベンチレータが搬送流体を接続された冷却器に冷却のために供給し、冷却された搬送流体を第2の焼鈍ガスと熱的に結合して第2の炉室をさらに冷却する、後続する第2の動作モード;
c)搬送流体ベンチレータが搬送流体を第1の焼鈍ガスと熱的に結合し、それにより搬送流体が第1の焼鈍ガスから熱を奪って第2の焼鈍ガスに供給し、第2の炉室を予加熱して第1の炉室を予冷却する、後続する第3の動作モード;
d)加熱ユニットが第2の炉室をさらに加熱し、これから分断された経路で搬送流体ベンチレータが搬送流体を接続された冷却器に冷却のために供給し、冷却された搬送流体を第1の焼鈍ガスと熱的に結合して、第1の炉室をさらに冷却する、後続する第4の動作モード。
これら4つの動作モードを連続して繰り返すことができ、それにより、周期的なプロセスを実行することができる。
1つの実施例では、熱交換器は炉の中で耐圧性に施工されていてよく、または、搬送流体経路の少なくとも一部を圧密に包囲する圧力容器を有することができる。例を挙げると、たとえば10バールの高い圧力のもとで作動することができる搬送流体経路の全体は、耐圧性の管、バルブ、および搬送流体ベンチレータを有するように製作されていてよく、または、圧力容器もしくはその他の防圧装置の中に格納されることができる。または、特に圧力負荷を受けるコンポーネントを、とりわけ搬送流体ベンチレータを、圧力容器で外装することも可能である。
1つの実施例では、第1の熱交換器は、第1の焼鈍ガスを駆動するための第1の焼鈍ガスベンチレータに対して相対的に、および/または第2の熱交換器は第2の焼鈍ガスを駆動するための第2の焼鈍ガスベンチレータに対して相対的に、炉がどの動作状態にあるときでも、第1の焼鈍ガスベンチレータにより駆動される第1の焼鈍ガスが第1の熱交換器を流通するように配置されており、および/または炉もしくはそれぞれの炉室がどの動作状態にあるときでも、第2の焼鈍ガスベンチレータにより駆動される第2の焼鈍ガスが第2の熱交換器を流通するように配置されている。
このような実施例の1つの有意な利点は、どの動作状態(特に加熱装置によって加熱をするため、冷却装置によって冷却をするため、および焼鈍ガスと熱交換器具の間で熱交換をするための動作状態)のときでも、ベンチレータにより送出される焼鈍ガスがそれぞれの熱交換器に直接向けられることにある。ベンチレータにより駆動される焼鈍ガスによるこのような直接または間接的でない流通は、特に全流で行うことができ、すなわち、ベンチレータ周辺の円周(たとえば仮想的な円)に沿って全面的に行うことができる。それにより、焼鈍ガスとそれぞれの熱交換器との間で極めて効率的な熱結合を実現することができる。それぞれの熱交換器は特に定置に組み付けられて、または不動に炉に設けられていてよく、それにより、ベンチレータにより送出される焼鈍ガスが羽根板などを介して、ほぼ円形に配置された多管式熱交換器またはその他の熱交換器具に向けられることが保証される。炉またはそれぞれの炉室がどの動作状態にあるときでも、それぞれの焼鈍ガスベンチレータにより駆動されるそれぞれの焼鈍ガスがそれぞれの熱交換器を流通することを保証するために、それぞれの熱交換器は定置におよび変位不能なように炉の相応の個所に配置され、または、そこで恒常的に固定されていなければならない。炉またはそれぞれの炉室の考えられる動作状態とみなすことができるのは、加熱ユニットによって加熱をするための加熱動作状態、冷却ユニットによって冷却をするための冷却動作状態、および(予加熱または予冷却をするための)搬送流体経路を利用して異なる炉室の間で熱交換をするための熱交換動作状態などである。
1つの実施例では、炉において第1の焼鈍ガスと第2の焼鈍ガスは搬送流体に対して接触なしに留まることができる。このように、焼鈍ガスが搬送流体ガスと接触することがなく、それにより煤が発生しないことを設計的に確保することができる。
次に、本発明の例としての実施例について、以下の図面を参照しながら詳しく説明する。
異なる図面における同一または類似のコンポーネントには、同じ符号が付されている。
以下において図1を参照しながら、本発明の一例としての実施例に基づくフード型炉100について説明する。
フード型炉100は、焼鈍物102を熱処理するために構成されている。この焼鈍物は、一部ではフード型炉100の第1の台座So1に配置され、別の部分ではフード型炉100の第2の台座So2に配置されている。図1には模式的にのみ図示している焼鈍物102は、熱処理を受けるべき、たとえば鋼板束や線材束またはその他(たとえば階層状にしたばら荷)であってよい。
フード型炉100は、第1の台座So1に付属する、第1の閉鎖可能な炉室104を有している。第1の炉室104は、第1の台座So1にバッチごとに供給される焼鈍物102を収容して熱処理する役目を果たす。熱処理をするために、第1の炉室104が第1の防護フード120により気密に閉鎖される。第1の防護フード120は鐘状に構成されており、クレーンを用いて操作することができる(図示せず)。そして、後で詳しく説明するように、第1の焼鈍ガス112を、たとえば水素を、保護ガスとして、第1の防護フード120により気密に密閉された第1の炉室104に取り入れて加熱することができる。焼鈍ガス112を第1の炉室104の中で循環させるために、第1の炉室104にある第1の焼鈍ガスベンチレータ130(または台座ベンチレータ)を回転駆動することができる。それにより、加熱した第1の焼鈍ガス112を、熱処理されるべき焼鈍物102と熱的に作用接触させることができる。
第1の炉室104の中には第1の多管式熱交換器108が配置されている。これは複数の巻回された管で形成されており、ここで、後で詳しく説明する搬送ガス116が管入口に供給され、管内部を通って流れて、管出口から運び出される。管束の外面は、第1の焼鈍ガス112と直接接触している。第1の多管式熱交換器108は、第1の焼鈍ガス112と搬送ガス116との間で熱的な相互作用をもたらす役目を果たすものであり、1つの実施例では搬送ガスは、たとえば水素またはヘリウムのような熱伝導性の良好なガスであり、たとえば10バールの高い圧力のもとにある。第1の多管式熱交換器108は、外観上は巻き付けられた複数の管であるとみなすことができ、ここで、搬送ガスを管の内部を通して導くことができ、熱伝導性の良好な、たとえば金属の管壁部を介して、管の外壁の周囲で循環している第1の焼鈍ガス112と熱的に相互作用させることができる。換言すると、第1の焼鈍ガス112と搬送ガス116は流体的には切り離されており、または相互に混合不可能なように分断されているが、第1の多管式熱交換器108によって、熱的な相互作用を全流で行うことができる。
第1の多管式熱交換器108は、焼鈍ガスを駆動するための第1の焼鈍ガスベンチレータ130に対して相対的に、炉100がどの動作状態にあるときでも、第1の焼鈍ガスベンチレータ130により駆動される焼鈍ガスが第1の多管式熱交換器108を流通するように配置されている。その根底にあるメカニズムについては、図16で詳しく説明する。
搬送ガス116を搬送するために、たとえば10バールの高い圧力が適用される場合には、搬送ガス経路118の管を小さい寸法で設けることができ、このことはコンパクトな設計形態をもたらす。搬送ガス116の圧力は、それぞれの炉室104,106の中の焼鈍ガス112および焼鈍ガス114の圧力(たとえば雰囲気圧力を超える20mbarから50mbarの軽微な過圧)よりも大幅に高く選択することができる。
第2の台座So2は、第1の台座So1と同一に構成されている。これは、たとえば同じく水素である第2の焼鈍ガス114を循環させるために、第2の焼鈍ガスベンチレータ132を第2の炉室106に含む。第2の炉室106は、第2の防護フード122によって周囲に対して気密に密閉可能である。第2の多管式熱交換器110は、第2の焼鈍ガス114と搬送ガス116との間の熱的な相互作用を可能にするが、接触をする相互作用は可能にしない。
図1の実施例では2つの台座So1,So2が示されているが、別の実施例では、2つまたはそれ以上の台座を互いに作用連結させて作動させることができる。
第1の炉室104は、下方に向かっては第1の炉基礎170(すなわち断熱性の台座下側部分)により区切られ、それに対して第2の炉室106は、下側に向かって第2の炉基礎172により区切られている。搬送ガス配管系で循環する搬送ガス116と第1の焼鈍ガス112との間の流体的な相互作用を可能にするために、第1の炉基礎170を通過して、第1の多管式熱交換器108の管内部への搬送ガス116の供給が可能となっている。これに類似する仕方で、第2の炉基礎172を通過して、第2の多管式熱交換器110の管内部への搬送ガス116の供給が可能となっている。搬送ガス116がそれぞれの炉基礎170,172を通過して底面側でそれぞれの炉室104,106へ導入され、またはそこから導出されることにより、それぞれの台座So1またはSo2へのエネルギー供給、およびそれぞれの台座So1またはSo2からのエネルギー排出も、炉基礎170,172を通過して行われる。
搬送ガス116は、閉じた搬送回路とも呼ぶことができる閉じた搬送ガス経路118を通って循環する。ここで閉じているとは、搬送ガス116が耐熱性で耐圧性の搬送ガス経路118に気密に閉じ込められ、系から外への漏れに対して、または他のガスとの混合および周囲との圧力補償に対して防護されていることを意味している。したがって搬送ガス116は、多くのサイクルにわたって搬送ガス経路118を循環してから、たとえば排気などによって搬送ガス116を交換することができる。焼鈍ガス112または114と搬送流体ガス116との接触を伴う相互作用または混合は、多管式熱交換器108,110による純粋に熱的な結合に基づいて回避される。
第1の多管式熱交換器108は、機能的には、第1の防護フード120により閉鎖された、供給配管と排出配管を除く第1の炉室104の内部に全面的に存在する、熱放出器具または熱吸収器具としての役目を果たす。第2の多管式熱交換器110は、同様に、機能的には、第2の防護フード122により閉鎖された、供給配管と排出配管を除く第2の炉室106の内部に全面的に存在する、熱放出器具または熱吸収器具としての役目を果たす。このようにフード型炉100では、それぞれの焼鈍ガス112,114への熱放出は、それぞれの炉室104,106の内部に配置された、熱放出器具または熱吸収器具としての多管式熱交換器108,110(防護フード120,122からは分断され、または独立して、これらに覆われて設けられているもの)によって実現される。防護フード120,122の内部だけでの焼鈍ガス112,114へのこの熱供給に基づき、防護フード120,122の外部に別のフードを設けることが本発明により不要となる。換言すると本発明では、焼鈍ガス112,114と熱源との間の一切の熱的な相互作用が、それぞれの台座So1,So2のそれぞれただ1つの防護フード120,122の内部で実現される。このことは、フード型炉100のコンパクトな構成を可能にし、クレーン操作のコストを削減する。
以下に詳しく説明する通り、閉じた搬送ガス経路118は、第1の多管式熱交換器108および第2の多管式熱交換器110と作用接続されており、それにより、搬送ガス116によって第1の焼鈍ガス112と第2の焼鈍ガス114との間で熱エネルギーを伝達することが可能である。たとえば第1の台座So1が冷却段階にあるとき、まだ高温の第1の焼鈍ガス112の熱エネルギーを、第1の多管式熱交換器108での熱交換により、搬送ガス116へと伝達することができる。それによって加熱された搬送ガス116を、第2の多管式熱交換器110を介して、第2の焼鈍ガス114と熱的に作用接続させることができ、そのようにして、第2の台座So2を加熱または予加熱する役目を果たすことができる。別案として、これと類似する仕方で、代替的に、熱エネルギーを第2の焼鈍ガス114から第1の焼鈍ガス112に伝達することができる。
搬送ガス経路118とその中を流れる搬送ガス116が焼鈍ガス112および焼鈍ガス114から厳密に機械的に切り離されていることにより、搬送ガス経路118の搬送ガス116を、たとえば10バールの高い圧力に保つことが可能である。この高い圧力により、高い熱エネルギーを第1の焼鈍ガス112と第2の焼鈍ガス114との間で極めて効率的に交換することができる。さらに、焼鈍ガス経路と搬送ガス経路とのこの分断に基づき、搬送ガス116を焼鈍ガス112,114とは別に選択することが可能であり、それにより、両方のガス種を互いに独立してそのつどの機能に合わせて最適化することができる。第1の炉室104および第2の炉室106の内部での煤またはその他の不純物も回避される。その中にある焼鈍ガス112,114と搬送ガス116との交換が行われないからである。
さらに搬送ガス経路118の一部として、電気供給ユニット124が設けられている。電気供給ユニット124は、高い電圧を提供するための電気供給ユニット176と作用結合された1つの変圧器174を、2つの台座について有する。スイッチ178の切換状態に応じて(二次側)、電流が端子180または182を介して、および搬送ガス経路118の接続管126を介して、管束108または110へ直接伝送される。または、一次側で電流強度の約1/10だけで切換をするために、台座ごとに1つの変圧器が設けられていてもよい。電気供給ユニット124は完全に動作を停止させることもできる。低抵抗の管壁部126を起点として、大幅に高抵抗の多管式熱交換器108まで電流が伝えられ、そこで電流は、抵抗損によって生成される熱に変換される。このように、管壁部126は通電部としての役目を果たすのに対して、本来の加熱はさらに上方の管束で行われる。このように熱エネルギーは第1の多管式熱交換器108へ、そこから第1の焼鈍ガス112へと伝達され、または、第2の多管式熱交換器110から第2の焼鈍ガス114へと伝達される。電気供給ユニット124は、多管式熱交換器108,110を加熱することができるように作用する。第1の台座So1の領域にある第1の電気絶縁装置184、および第2の台座So2の領域にある第2の電気絶縁装置186が、これらの絶縁部材184,186の上方または下方で管壁部の電気的分断のために作用する。
これに加えて、搬送ガス経路118を通るように搬送ガス116を送出するために構成された搬送ガスベンチレータ140が設けられている。搬送ガスベンチレータ140として、高温用の換気ファンを利用することができる。これに加えて搬送ガス経路118は、ガス−水熱交換器を利用して、搬送ガス経路118にある搬送ガス116を冷却するために接続可能な冷却器142を含む(別案として、その代わりに電気による冷却ユニットを利用することもできる)。搬送ガス経路118のさまざまな個所に、特定のガス誘導路を開くためにまたは閉じるために、たとえば電気によりまたは空気圧により切換可能である一方向弁144が配置されている。さらに、複数の可能なガス誘導路に応じて複数の位置の間で電気によりまたは空気圧により切換可能である多方向弁146が、搬送ガス経路118の別の個所に取り付けられている。弁144,146の切換、および搬送ガスベンチレータ140、供給ユニット124、または冷却ユニット142の接続または遮断は、同じく電気信号を用いて行うことができる。システムは、オペレータによって手動で行うことができ、または、図1には図示していない、フード型炉100の動作の自動化されたサイクルを惹起することができる、たとえばマイクロプロセッサのような制御ユニットによって行うことができる。
図1に示すように、圧力容器148も搬送ガスベンチレータ140を選択的に包囲することができる。圧力容器148は、搬送ガス経路118がたとえば10バールの圧力で作動することができるときに、好ましくは、防圧部としての役目を果たす。搬送ガス経路118の別のコンポーネントも耐圧性に施工されていてよく、または、同じく圧力容器の内部に配置されていてよい。
さらに図1は、図1に模式的に矢印で図示しているように、炉100の個別コンポーネントを制御して切り換えるためにセットアップされた制御ユニット166を示している。
以下においては、流体の弁144,146および電気によるスイッチ178の位置の相応の制御(制御ユニット166によるもの)によって設定可能である、フード型炉100のさまざまな動作状態が示された図2から図5を参照する。
図2に示す第1の動作状態Iでは、搬送ガスベンチレータ140が第2の焼鈍ガス114と熱的に結合され、それにより搬送ガス116が第2の焼鈍ガス114から熱を奪って第1の焼鈍ガス112に供給する。このように動作状態Iでは、搬送ガス116が熱エネルギーを第1の焼鈍ガス112から第2の焼鈍ガス114に移送することによって、第1の炉室104が予加熱されて第2の炉室106が予冷却される。それにより、台座So1のバッチ(焼鈍物)が加熱され、第2の台座So2のバッチ(焼鈍物)が冷却される。
図3は、第1の動作状態Iに後続する、フード型炉100の第2の動作状態IIを示している。第2の動作状態IIでは、相応の電気経路が閉じられることによって、管束108が電気供給ユニット124により第1の炉室104を電気で加熱する。これから分断されている流体経路では、搬送ガスベンチレータ140は搬送ガス116を、接続された冷却器142へ第2の焼鈍ガス114の冷却のために供給する。冷却された搬送ガス116は第2の焼鈍ガス114と熱的に結合されて、第2の炉室106を冷却する。このように図3では、第1の台座So1のバッチ(焼鈍物)がさらに加熱され、それに対して第2の台座So2のバッチ(焼鈍物)はさらに冷却される。
第2の動作状態IIの後、熱処理されてその後に冷却された焼鈍物102のバッチが、第2の台座So2から取り出される。そのために、クレーンが第2の防護フード122を取り外し、次いで、第2の台座So2に配置された焼鈍物102を取り出して、新たなバッチの焼鈍物102を第2の台座So2へ挿入することができる。
その次には、図4に示す第3の動作状態IIIが続く。この第3の動作状態IIIでは、搬送流体ベンチレータ140が搬送流体116を第1の焼鈍ガス112と熱的に結合させ、それにより、搬送ガス116は第1の焼鈍ガス112から熱を奪って第2の焼鈍ガス114に供給する。それによって第2の炉室104が予加熱され、第1の炉室106が予冷却される。
この第3の動作状態IIIの後、図5に示すような後続する第4の動作状態IVが作動される。第4の動作状態IVでは、管束110が電気供給ユニット124により第2の炉室106だけを電気でさらに加熱する。これから分断されている流体経路では、搬送流体ベンチレータ140が搬送ガス116を接続された冷却器142へ冷却のために供給する。冷却された搬送ガス116が第1の焼鈍ガス112と熱的に結合され、それにより第1の炉室104をさらに冷却する。このように、第1の台座So1のバッチ(焼鈍物)はさらに冷却され、第2の台座So2のバッチ(焼鈍物)はさらに電気で加熱される。
第4の動作状態IVの後、熱処理されてその後に冷却された焼鈍物102のバッチが第1の台座So1から取り出される。そのために、クレーンが第1の防護フード120を取り外し、次いで、第1の台座So1に配置されている焼鈍物102を取り出して、新たなバッチの焼鈍物102を第1の台座So1へ挿入することができる。
ここで動作状態IからIVのサイクルを新しく開始することができ、すなわち、フード型炉100は次に図2に示すように再び作動する。
図6は、フード型炉の第1の台座So1の一部分の拡大図を示し、この図からは、供給部と排出部を備える全流の多管式熱交換器108の配置が詳細に見て取れる。防護フード120の熱的な絶縁部は、符号600で図示されている。
第1の焼鈍ガスベンチレータ130はラジアルファンであり、その動翼602がモータ604によって駆動される。動翼602は、静翼を備える制御デバイス608で取り囲まれている。模式的にのみ図示する、焼鈍台座の上に載っている焼鈍物102は、周回するシール材614によって防護フード120の気密な遮断のために作用する環状フランジ612を介して支持される防護フード120で覆われている。
図7は、本発明の一例としての別の実施例に基づくフード型焼鈍炉100を示している。
図7のフード型炉100では、電気供給ユニット124を備える電気で加熱される炉内部の熱交換束108/110に代えて、炉外部に配置されたガス加熱ユニット700が準備されている。別案では、炉外部の加熱ユニットとして電気での加熱ユニットを利用することもできる。ガス加熱ユニット700には、ガス加熱ユニット700により加熱された搬送ガス116を、配管系を通して搬送する別個の加熱ベンチレータ704が付属している。図7では、ガス加熱ユニット700により加熱された搬送ガス116は、多管式熱交換器108,110を通じて送出される。
さらに、種々の制御回線720を介して種々の弁144,146を切り換えるため、および冷却器142、ガス加熱ユニット700、またはベンチレータ140,704をオンまたはオフするために構成された制御ユニット702が設けられている。ベンチレータ140は冷間圧縮ベンチレータとして構成することができ、それに対してベンチレータ704は熱間圧縮ベンチレータである。
ガス加熱ユニット700は加熱器として機能し、搬送ガス116に熱エネルギーを伝達するためのガス加熱式の熱交換器として構成されている。
図7の炉基礎170,172の下方の領域は、搬送ガスシステム118の高圧に対する防護を提供するために、全面的または部分的に高圧容器の内部に取り付けることができる。
図8から図11は、図2から図5の動作状態IからIVに機能的に相当する、図7のフード型炉100の4通りの動作状態を示している。
図8の動作状態Iでは、冷却器142はシステムの残りの部分から切り離されている。ガス加熱ユニット700はオフになっている。熱が第2の台座So2の第2の焼鈍ガス114から、第1の台座So1にある第1の焼鈍ガス112へと移送される。
図9の動作状態IIでは、第1の台座So1はオンになったガス加熱ユニット700によってさらに加熱され、それに対して別個の異なるガス経路では冷却器142が作動され、第2の台座So2にある第2の焼鈍ガス114がさらに能動的に冷却される。
動作状態IIの経過後、焼鈍物102を第2の台座So2から取り出して、熱処理されるべき新たなバッチの焼鈍物102と置き換えることができる。
図10は、熱エネルギーが第1の台座So1の第1の焼鈍ガス112から第2の台座So2の第2の焼鈍ガス114へと伝達される、第3の動作状態IIIを示している。冷却器142とガス加熱ユニット700は、この状態のときオフになっている。
それから動作状態IIIは、図11に示す動作状態IVによって引き継がれる。この動作状態では、冷却器142が作動されて、第1の台座So1を能動的にさらに冷却する。別個の流体経路では、ガス加熱ユニット700によって第2の台座So2が能動的にさらに加熱される。
第4の動作状態IVの手順が実施された後、焼鈍物102を第1の台座So1から取り出して、新しいバッチの焼鈍物102で置き換えることができる。
以下において図12を参照しながら、第1のグラフ1200と第2のグラフ1250について説明する。第1のグラフ1200は横軸1202を有しており、これに沿って動作状態IからIVの実施中の時間がプロットされている。縦軸1204に沿って、動作状態IからIVの実施中のそのつどの焼鈍ガスまたは焼鈍物の温度がプロットされている。横軸1202および縦軸1204は、第2のグラフ1250でも対応して選択されている。
第1のグラフ1200は、個々の動作状態IからIVの進行中の、第1の台座So1の第1の焼鈍ガス112または焼鈍物の温度推移に関わるものであり、それに対して第2のグラフ1250は、図1または図7の動作状態IからIVの間の、第2の台座So2の第2の焼鈍ガス114または焼鈍物の温度推移に関わるものである。第1の動作状態Iでは、熱エネルギーが台座So2の第2の焼鈍ガス114から、台座So1の第1の焼鈍ガス112へと伝達される(エネルギー伝達Eを伴う第1の熱交換WT1)。第2の動作状態IIでは、第1の台座So1が焼鈍物とともに能動的にさらに加熱され(H)、それに対して第2の台座So2は焼鈍物とともに能動的にさらに冷却される(K)。これに続く第3の動作状態IIIでは、第1の台座So1の第1の焼鈍ガス112または焼鈍物から、第2の台座So2の第2の焼鈍ガス114または焼鈍物へと熱エネルギーが伝達される(エネルギー伝達Eを伴う第2の熱交換WT2)。第4の動作状態IVでは、第1の台座So1が焼鈍物とともにさらに能動的に冷却され、それに対して第2の台座So2は焼鈍物とともに能動的にさらに加熱される。
このように図12は、図1または図7の2つの台座動作における温度推移を示している。このような1段階の熱交換(すなわち、加熱ユニットによる能動的なさらなる加熱の前の、それぞれ他方の台座の焼鈍ガス熱の供給による台座および焼鈍物の1段階の予加熱)により、エネルギー消費量を約60%まで削減することができる。このような実施例は簡素であり、そのつど冷却されるべき、焼鈍物を備えた台座の廃熱の再利用によってエネルギーを40%削減する。
図13は、図1および図7のように2つの台座ではなく3つの台座がフード型炉の中に設けられる、2段階の熱交換システムの第1のグラフ1300、第2のグラフ1320、第3のグラフ1340、および第4のグラフ1360を示している。このような2段階の熱交換では、加熱ユニットによる能動的なさらなる加熱の前に、焼鈍物を備えた、それぞれ他の両方の台座の焼鈍ガス熱の供給により(順次、すなわち2段階)、台座および焼鈍物の2段階の予加熱が行われる。
この熱交換システムでは、6つの異なる動作状態を区別可能である:
第1の動作状態Iでは、第3の台座So3が予冷却されて、搬送ガスにより熱エネルギーを第3の焼鈍ガスから第1の焼鈍ガスへと伝達し、台座So1を予加熱する。それと同時に、第1および第3の台座からこの動作状態のときに分離される第2の台座So2が、加熱装置によって最終温度まで加熱される。
第1の動作状態Iでは、第3の台座So3が予冷却されて、搬送ガスにより熱エネルギーを第3の焼鈍ガスから第1の焼鈍ガスへと伝達し、台座So1を予加熱する。それと同時に、第1および第3の台座からこの動作状態のときに分離される第2の台座So2が、加熱装置によって最終温度まで加熱される。
これに続く第2の動作状態IIでは、台座So3が冷却器によって能動的に冷却され、それに対して予冷却された台座So2は、熱エネルギーをその第2の焼鈍ガスから第1の台座So1の第1の焼鈍ガスへと伝達する。それによって第1の台座So1がさらに予加熱される。
第3の動作状態IIIでは、熱エネルギーが第2の台座So2から第3の台座So3へ搬送ガスにより移送されることによって、第3の台座So3がさらに加熱される。それによって第3の台座So3が予加熱される。第2の台座So2はその第2の焼鈍ガスの熱エネルギーを第3の台座So3の第3の焼鈍ガスに伝達するので、そのエネルギーは第3の動作状態IIIでは低下する。第1の台座So1は他の台座So2およびSo3から絶縁され、加熱装置によって最終温度まで加熱される。
これに続く第4の動作モードIVでは、熱エネルギーが第1の焼鈍ガスから台座So3の第3の焼鈍ガスへ移送されることによって、第1の台座So1が予冷却される。それによって第3の台座So3がさらに予加熱される。第2の台座So2は、第4の動作状態では、他の両方の台座So1,So3から分断されており、冷却器によって能動的にさらに冷却されて、第4の動作モードIVの最後にはその下側の最終温度に到達する。
これに続く第5の動作状態Vでは、第3の台座So3が能動的に、および他の台座So1,So2から分断された上で加熱ユニットと接続されて、最終温度へと達する。さらに冷却されるべき台座So1は、熱エネルギーをその焼鈍ガスから第2の台座So2の第2の焼鈍ガスへと伝達する。それによって後者に第1の予加熱段階が施される。
これに続く第6の動作段階VIでは、予冷却されるべき第3の台座So3から、第2の台座So2へと熱エネルギーが伝達される。それにより、第2の台座So2に第2の予加熱が施され、第3の台座So3は予冷却される。第1の台座So1はこの動作状態では、台座So2,So3から絶縁されており、冷却器によって最終温度まで下がるように冷却される。動作状態VIの終了後、第1の動作状態Iをもってサイクルが再び開始される。
このように図13は、3台座動作における2段階の熱交換に関する。エネルギー消費量を40%まで減らすことができる。これに対応する本発明の炉の構造は依然として簡素であり、それにもかかわらず、約60%の高度のエネルギー利得を達成することができる。
図14は、一例としての別の実施例に基づく、一般にn個の台座を備える炉1600の模式図を示している。ここでは第1の台座So1 1602、第2の台座So2 1604、およびn番目の台座SoN 1606が模式的に示されている。図16のアーキテクチャは、任意の個数の台座に適用することができる。多数の一方向弁144が、同じく図14に示されている。さらに、冷却ユニット142と外部の加熱ユニット700(このケースではガス加熱ユニットである。別案では、これは電気による抵抗加熱器としても可能である)が示されている。多管式熱交換器が直接、すなわち内部で電気による抵抗加熱器として利用される場合、台座ごとに1つの電気供給ユニット(1241,1242,...124n)が設けられる。2段階の熱交換については、それぞれ1つのベンチレータユニットがWT1またはWT2について設けられていてよい。
図15は、たとえば図1に符号120,122を付して図示しているような、鐘状の防護フード1700を示している。この防護フード1700は、耐熱性材料1702製の連続する内側ハウジングを有しており、および、それぞれの台座を、防護フード1700を通過する熱損失から守るために、外側に断熱部1704を有している。図示した設計は、フード型炉について好ましく適用可能である。それに対してチャンバ型炉については、熱を絶縁する材料製の内壁を鋼材の外壁と組み合わせが、すなわち、外見上は符号1702と1704を入れ替えるのが好ましい場合がある。
図16は、多管式熱交換器108が焼鈍ガスベンチレータ130によって指向的に(および好ましくは実質的に全面的に)加熱された焼鈍ガスにより流通される、図6に示す型式のフード型炉の平面図を示している。このように、フード型炉のどの動作状態についても、すなわち台座の加熱、台座の冷却、または台座の間での熱交換のために、焼鈍ガスベンチレータ130と多管式熱交換器108との間で良好な熱的結合を確保することができる。
厳密に言えば、焼鈍ガスベンチレータ130の動翼602が回転駆動される。符号1642を参照。それにより、焼鈍ガスが焼鈍ガスベンチレータ130によって循環する。したがって焼鈍ガスは外方に向かって動き、すなわち、制御デバイスの静止している羽根板1640の影響のもとで指向的に動く。それにより、焼鈍ガスは多管式熱交換器108と的確に熱的な相互作用を行い、さらにはバッチ(焼鈍物)に到達する。したがって多管式熱交換器108は全流の状態にある。
図17には、本発明のさらに別の一例としての実施例に基づく炉1800が示されている。この炉1800は図1に類似した構成となっているが、その第1の台座に、第1の防護フード120に追加して、これを包囲する取外し可能な第1の加熱フード1802を有している。それに応じて第2の台座の第2の防護フード122が、第2の加熱フード1804で覆われる。第1の加熱バーナ1806は、第1の加熱フード120と第1の防護フード1802の間の中間スペース1810で、防護フード内部の保護ガスを加熱するために設けられている。それに応じて第2の炉室106に第2の加熱バーナ1808が、第2の加熱フード122と第2の防護フード1804の間の中間スペース1812を加熱するために設けられている。加熱バーナ1806,1808に代えて、電気による抵抗加熱部材を設けることが可能である。図1に示す電気供給ユニット124は図17では省略されている。接続可能なガス−水熱交換器142はそのままである。
このように図17の実施例では、第1の焼鈍ガス112または第2の焼鈍ガス114の主要な加熱は、中間スペース1810にある加熱されたガスと第1の焼鈍ガス112との間の、または、中間スペース1812にある加熱されたガスと第2の焼鈍ガス114との間の熱的な相互作用によって(または電気抵抗加熱によって)惹起される。搬送流体経路118は、本実施例では、第1の焼鈍ガス112と第2の焼鈍ガス114の間の熱平衡のために利用され、それにより予冷却または予加熱を行い、それに伴ってエネルギーを節約する。さらに、搬送ガス経路118に付属する冷却ユニット142によって最終冷却を行うことができる。
さらに付言しておくと、図17の実施例では冷却フードを設置することもできる。
補足として指摘しておくと、「有している」とはそれ以外の部材やステップを排除するものではなく、不定冠詞の「eine」または「ein」は複数を排除するものではない。さらに付言しておくと、上記の各実施例のうちの1つを援用して説明した構成要件やステップは、上に説明したそれ以外の実施例の別の構成要件またはステップとの組み合わせでも適用することができる。特許請求の範囲における符号は限定とみなされるべきものではない。
Claims (22)
- 焼鈍物を熱処理するための炉であって、前記炉は、
第1の炉室の中での加熱可能なまたは冷却可能な第1の焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって前記焼鈍物を収容して熱処理するために構成された閉鎖可能な前記第1の炉室と、
前記第1の焼鈍ガスと搬送流体との間の熱交換のために構成された、前記第1の炉室の中に配置された第1の熱交換器であって、前記第1の熱交換器は前記第1の炉室のハウジング区域の内部で特にベンチレータ全流の中に配置され、該ハウジング区域は前記第1の炉室の内部で前記第1の焼鈍ガスを閉じ込め、該ハウジング区域は前記第1の焼鈍ガスと直接接触している、第1の熱交換器と、
第2の炉室の中での加熱可能なまたは冷却可能な第2の焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって焼鈍物を収容して熱処理するために構成された、閉鎖可能な前記第2の炉室と、
前記第2の焼鈍ガスと搬送流体との間の熱交換のために構成された、前記第2の炉室の中に配置された第2の熱交換器であって、前記第2の熱交換器は前記第2の炉室のハウジング区域の内部で特にベンチレータ全流の中に配置され、該ハウジング区域は前記第2の炉室の内部で前記第2の焼鈍ガスを閉じ込める、第2の熱交換器と、
搬送流体によって前記第1の焼鈍ガスと前記第2の焼鈍ガスの間で熱エネルギーを接触なしに伝達可能であるように前記第1の熱交換器および前記第2の熱交換器と作用接続されている、閉じた搬送流体経路と、
を有している、炉。 - 前記炉はバッチごとに作動可能な炉として、特にフード型炉またはチャンバ型炉として構成されている、請求項1に記載の炉。
- 前記第1の炉室は前記第1の炉室の前記ハウジング区域としての取外し可能な第1の防護フードによって閉鎖可能であり、前記第2の炉室は前記第2の炉室の前記ハウジング区域としての取外し可能な第2の防護フードによって閉鎖可能であり、特に前記第1の防護フードは前記第1の炉室のもっとも外側の、特に唯一のフードであり、前記第2の防護フードは前記第2の炉室の特にもっとも外側の、特に唯一のフードである、請求項1または2に記載の炉。
- 前記第2の炉室の前記ハウジング区域は前記第2の焼鈍ガスと直接接触している、請求項1から3のいずれか1項に記載の炉。
- 前記第1の防護フードと前記第2の防護フードは特に金属製の耐熱性の内側ハウジングと断熱性材料製の絶縁スリーブとをそれぞれ有する、請求項3または4に記載の炉。
- 外部の前記加熱ユニットは、第1の熱交換器または第2の熱交換器への搬送流体を直接加熱するために、高温の熱から第1の焼鈍ガスへの熱伝達によって前記第1の炉室を加熱可能であるように、および/または第2の焼鈍ガスへの高温の熱の熱伝達によって前記第2の炉室を加熱可能であるようにセットアップされ、外部の前記加熱ユニットは特にガス、オイルまたはペレットにより作動させることができ、あるいは電気による抵抗加熱器を有している、請求項1から5のいずれか1項に記載の炉。
- 前記加熱ユニットの電気による供給ユニットは特に前記第1の熱交換器または前記第2の熱交換器に電気による抵抗加熱器として、およびそれに伴って内部で直接電気エネルギーを供給する、請求項6に記載の炉。
- 前記第1の炉室は前記第1の防護フードを取り囲む取外し可能なおよび加熱可能な、特にガスまたは電気で加熱可能な第1の加熱フードによって閉鎖可能であり、前記第2の炉室は前記第2の防護フードを取り囲む取外し可能なおよび加熱可能な、特にガスまたは電気で加熱可能な第2の加熱フードによって閉鎖可能である、請求項3に記載の炉。
- 前記第1の熱交換器および/または前記第2の熱交換器は束をなす湾曲した管からなる多管式熱交換器として構成され、管内部は搬送流体経路の一部であり、搬送流体により貫流可能であり、管外部はそれぞれの焼鈍ガスと直接接続されている、請求項1から8のいずれか1項に記載の炉。
- 前記第1の炉室は第1の焼鈍ガス駆動装置を有し、前記第2の炉室は第2の焼鈍ガス駆動装置を有しており、それぞれの前記焼鈍ガス駆動装置はそれぞれの焼鈍ガスがそれぞれの前記熱交換器およびそれぞれの焼鈍物に対して向けられるようにセットアップされている、請求項1から9のいずれか1項に記載の炉。
- 前記搬送流体は搬送ガスであり、特に水素またはヘリウムまたはその他の熱伝導性の良好なガスである、請求項1から10のいずれか1項に記載の炉。
- 前記搬送流体は前記搬送流体経路の中で2バールから20バールまたはこれ以上の圧力のもとにあり、特に5バールから10バールの圧力のもとにある、請求項1から11のいずれか1項に記載の炉。
- 前記搬送流体は前記搬送流体経路の中で400℃から1100℃の範囲内の温度であり、特に600℃から900℃の範囲内の温度である、請求項1から12のいずれか1項に記載の炉。
- 第3の炉室の中での加熱可能な第3の焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって焼鈍物を収容して熱処理するために構成された前記閉鎖可能な第3の炉室と、
前記第3の焼鈍ガスと前記搬送流体との間の熱交換のために構成された、前記第3の炉室の中に配置された第3の熱交換器であって、前記第3の熱交換器は前記第3の炉室のハウジング区域の内部で特にベンチレータ全流の中に配置され、該ハウジング区域は前記第3の炉室の内部で第3の焼鈍ガスを閉じ込める、第3の熱交換器をさらに有し、
ここで、閉じた前記搬送流体経路は前記第3の熱交換器とも作用接続され、それにより搬送流体により熱エネルギーを、一方では前記第3の焼鈍ガスと、他方では第1の焼鈍ガスとの間で、および/または第2の焼鈍ガスとの間で伝達可能であるようになっている、
請求項1から13のいずれか1項に記載の炉。 - 前記搬送流体および前記第1の焼鈍ガスおよび前記第2の焼鈍ガスの間の熱交換によって前記第1の炉室と前記第2の炉室のうちのそれぞれ一方を予加熱モード、加熱モード、または冷却モードで選択的に作動可能であるように前記搬送流体経路を制御するようにセットアップされた制御ユニットを有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の炉。
- 前記搬送流体経路は前記搬送流体経路を通して前記搬送流体を駆動するために搬送流体駆動装置を有する、請求項1から15のいずれか1項に記載の炉。
- 前記搬送流体経路は前記搬送流体経路で搬送流体を冷却するために接続可能な冷却器を有する、請求項1から16のいずれか1項に記載の炉。
- 前記搬送流体経路は、前記炉を次の各動作モード:
前記搬送流体駆動装置が前記搬送流体を前記第2の焼鈍ガスと熱的に結合させ、それにより前記搬送流体が前記第2の焼鈍ガスから熱を奪って第1の焼鈍ガスに供給し、それにより前記第1の炉室を加熱して前記第2の炉室を冷却する第1の動作モード、
前記加熱ユニットが前記第1の炉室を特に内部または外部でさらに加熱し、これから分断されている経路で前記搬送流体駆動装置が前記搬送流体を、接続された前記冷却器に、冷却のために供給し、冷却された前記搬送流体を前記第2の焼鈍ガスと熱的に結合させ、それにより前記第2の炉室をさらに冷却する、後続する第2の動作モード、
前記搬送流体駆動装置が前記搬送流体を前記第1の焼鈍ガスと熱的に結合させ、それにより前記搬送流体が前記第1の焼鈍ガスから熱を奪って前記第2の焼鈍ガスに供給し、それにより前記第2の炉室を加熱して前記第1の炉室を冷却する、後続する第3の動作モード、
前記加熱ユニットが前記第2の炉室を加熱し、これから分断された経路で前記搬送流体駆動装置が前記搬送流体を、接続された前記冷却器に、冷却のために供給し、冷却された前記搬送流体を前記第1の焼鈍ガスと熱的に結合させ、それにより前記第1の炉室を冷却する、後続する第4の動作モード、
のうちの1つで選択的に作動可能であるように切換可能である複数の弁を有する、請求項16または17に記載の炉。 - 前記搬送流体経路の圧力安定化のための手段、特に前記搬送流体経路の少なくとも一部を圧密に取り囲む圧力容器を有する、請求項1から18のいずれか1項に記載の炉。
- 前記第1の熱交換器具は前記第1の焼鈍ガスを駆動するための第1の焼鈍ガスベンチレータに対して相対的に、および/または前記第2の熱交換器具は前記第2の焼鈍ガスを駆動するための第2の焼鈍ガスベンチレータに対して相対的に、前記炉がどの動作状態にあるときでも前記第1の焼鈍ガスベンチレータにより駆動される前記第1の焼鈍ガスが前記第1の熱交換器を流通するように配置され、および/または前記炉がどの動作状態にあるときでも前記第2の焼鈍ガスベンチレータにより駆動される前記第2の焼鈍ガスが前記第2の熱交換器を流通するように配置される、請求項1から19のいずれか1項に記載の炉。
- 前記第1の焼鈍ガスと前記第2の焼鈍ガスは前記搬送流体に対して接触なしに保たれるように設計されている、請求項1から20のいずれか1項に記載の炉。
- 炉の中で焼鈍物を熱処理する方法であって、以下のステップ、
第1の炉室の中で加熱可能なまたは冷却可能な第1の焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって閉鎖可能な前記第1の炉室で焼鈍物が収容されて熱処理されるステップ、
前記第1の炉室の中に配置された第1の熱交換器によって前記第1の焼鈍ガスと搬送流体の間での熱交換が惹起され、前記第1の熱交換器は前記第1の炉室のハウジング区域の内部で特にベンチレータ全流の中に配置され、該ハウジング区域は前記第1の炉室の内部で前記第1の焼鈍ガスを閉じ込め、該ハウジング区域は前記第1の焼鈍ガスと直接接触しているステップ、
第2の炉室の中での加熱可能なまたは冷却可能な第2の焼鈍ガスと焼鈍物との熱的な相互作用によって閉鎖可能な前記第2の炉室の中で焼鈍物が収容されて熱処理されるステップ、
前記第2の炉室の中に配置された第2の熱交換器によって前記第2の焼鈍ガスと前記搬送流体との間で熱交換が惹起され、前記第2の熱交換器は前記第2の炉室のハウジング区域の内部で特にベンチレータ全流の中に配置され、該ハウジング区域は前記第2の炉室の内部で前記第2の焼鈍ガスを閉じ込めるステップ、
搬送流体によって前記第1の焼鈍ガスと前記第2の焼鈍ガスの間で熱エネルギーが伝達されるように、前記第1の熱交換器および前記第2の熱交換器と作用接続されている閉じた搬送流体経路が制御されるステップ、
を有する方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE102011088634.6A DE102011088634B4 (de) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | Geschlossenes Transportfluidsystem zum ofeninternen Wärmeaustausch zwischen Glühgasen |
DE102011088634.6 | 2011-12-14 | ||
PCT/EP2012/075128 WO2013087648A1 (de) | 2011-12-14 | 2012-12-11 | Geschlossenes transportfluidsystem zum ofeninternen wärmeaustausch zwischen glühgasen |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015507084A true JP2015507084A (ja) | 2015-03-05 |
Family
ID=47435925
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014546467A Pending JP2015507084A (ja) | 2011-12-14 | 2012-12-11 | 焼鈍ガスの間で炉内部での熱交換をするための閉じた搬送流体システム |
Country Status (9)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9528166B2 (ja) |
EP (1) | EP2791606B2 (ja) |
JP (1) | JP2015507084A (ja) |
KR (1) | KR20140103162A (ja) |
CN (1) | CN104114968B (ja) |
BR (1) | BR112014014216A2 (ja) |
CA (1) | CA2859244A1 (ja) |
DE (1) | DE102011088634B4 (ja) |
WO (1) | WO2013087648A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011088633A1 (de) * | 2011-12-14 | 2013-06-20 | Ebner Industrieofenbau Gmbh | Haubenofen mit innerhalb einer Schutzhaube positioniertem Wärmeabgabegerät, insbesondere gespeist von einer ofenraumexternen Energiequelle, zum Abgeben von Wärme an Glühgas |
DE102011088634B4 (de) * | 2011-12-14 | 2014-07-31 | Ebner Industrieofenbau Gmbh | Geschlossenes Transportfluidsystem zum ofeninternen Wärmeaustausch zwischen Glühgasen |
CN105953584B (zh) * | 2016-05-19 | 2017-12-15 | 海宁华悦电子有限公司 | 一种改进的磁芯烧结炉 |
US10403124B1 (en) | 2018-03-26 | 2019-09-03 | Motorola Solutions, Inc. | Stun gun detect |
CN115446311B (zh) * | 2022-09-19 | 2023-07-25 | 株洲坤锐硬质合金有限公司 | 一种硬质合金生产用真空脱脂烧结炉 |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB497480A (en) † | 1937-04-15 | 1938-12-15 | James Macdonald | Improvements in or relating to furnaces for the heat treatment of materials or of articles |
US2479102A (en) * | 1946-02-23 | 1949-08-16 | Carnegie Illinois Steel Corp | Coil annealing furnace |
GB1518100A (en) * | 1975-10-31 | 1978-07-19 | British Steel Corp | Annealing process |
US4247284A (en) † | 1978-12-13 | 1981-01-27 | Midland-Ross Corporation | Internal cooling of heat exchanger tubes |
US4480822A (en) † | 1981-02-13 | 1984-11-06 | Luigi Mauratelli | Annealing furnace system |
SU1740459A1 (ru) * | 1989-04-18 | 1992-06-15 | Харьковский Филиал Всесоюзного Научно-Исследовательского, Проектно-Конструкторского И Технологического Института Электротермического Оборудования | Отделение колпаковых печей и способ нагрева и охлаждени садки в отделении колпаковых печей |
AT411904B (de) | 2003-03-24 | 2004-07-26 | Ebner Ind Ofenbau | Haubenglühofen, insbesondere für stahlband- oder drahtbunde |
DE102008005259B4 (de) † | 2008-01-18 | 2011-12-08 | Carl Kramer | Verfahren zur Energieeinsparung bei Wärmebehandlungsanlagen mit durch Heizteil und Kühlteil bewegtem Gut |
DE112010000762A5 (de) * | 2009-02-04 | 2012-07-26 | Loi Thermprocess Gmbh | Verfahren und anlage zum wärmebehandeln von blechen |
AT507423B1 (de) | 2009-03-25 | 2010-05-15 | Ebner Ind Ofenbau | Verfahren zum vorwärmen von glühgut in einer haubenglühanlage |
AT508776B1 (de) | 2010-04-14 | 2011-04-15 | Ebner Ind Ofenbau | Verfahren zum vorwärmen von glühgut in einer haubenglühanlage |
CN101956061B (zh) * | 2010-07-27 | 2012-07-25 | 苏州品源气体设备有限公司 | 钟罩式光亮退火炉保护气回收循环利用工艺及其装置 |
DE102011088634B4 (de) * | 2011-12-14 | 2014-07-31 | Ebner Industrieofenbau Gmbh | Geschlossenes Transportfluidsystem zum ofeninternen Wärmeaustausch zwischen Glühgasen |
DE102011088633A1 (de) * | 2011-12-14 | 2013-06-20 | Ebner Industrieofenbau Gmbh | Haubenofen mit innerhalb einer Schutzhaube positioniertem Wärmeabgabegerät, insbesondere gespeist von einer ofenraumexternen Energiequelle, zum Abgeben von Wärme an Glühgas |
-
2011
- 2011-12-14 DE DE102011088634.6A patent/DE102011088634B4/de not_active Withdrawn - After Issue
-
2012
- 2012-12-11 JP JP2014546467A patent/JP2015507084A/ja active Pending
- 2012-12-11 WO PCT/EP2012/075128 patent/WO2013087648A1/de active Application Filing
- 2012-12-11 CN CN201280069541.9A patent/CN104114968B/zh active Active
- 2012-12-11 EP EP12806412.8A patent/EP2791606B2/de active Active
- 2012-12-11 KR KR1020147019579A patent/KR20140103162A/ko not_active Application Discontinuation
- 2012-12-11 BR BR112014014216A patent/BR112014014216A2/pt not_active Application Discontinuation
- 2012-12-11 CA CA2859244A patent/CA2859244A1/en not_active Abandoned
- 2012-12-11 US US14/365,516 patent/US9528166B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20140374969A1 (en) | 2014-12-25 |
BR112014014216A2 (pt) | 2017-06-13 |
EP2791606B2 (de) | 2022-12-28 |
EP2791606B1 (de) | 2015-10-28 |
CA2859244A1 (en) | 2013-06-20 |
CN104114968B (zh) | 2016-11-16 |
KR20140103162A (ko) | 2014-08-25 |
CN104114968A (zh) | 2014-10-22 |
US9528166B2 (en) | 2016-12-27 |
WO2013087648A1 (de) | 2013-06-20 |
DE102011088634A1 (de) | 2013-06-20 |
EP2791606A1 (de) | 2014-10-22 |
DE102011088634B4 (de) | 2014-07-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2015507084A (ja) | 焼鈍ガスの間で炉内部での熱交換をするための閉じた搬送流体システム | |
CN102362139B (zh) | 用于在罩式退火设备中预热退火件的方法 | |
MX2012011893A (es) | Metodo para precalentar material de recocido en un sistema de recocido tipo campana. | |
JP2009216344A (ja) | 単室型真空熱処理炉及び単室型真空熱処理炉における被処理品の酸化防止方法 | |
CN107406900A (zh) | 多室型热处理装置 | |
CN102002559B (zh) | 一种罩式炉退火的方法及装置 | |
JP2015507083A (ja) | 焼鈍ガスへ熱を放出するために、特に炉室外部にあるエネルギー源から供給を受ける、防護フードの内部で位置決めされた熱放出器を備えるフード型炉 | |
KR100792715B1 (ko) | 폐열회수형 dx가스발생버너를 이용한 환원분위기가스 제어장치 | |
CN107614709A (zh) | 热处理装置 | |
ES2537415T3 (es) | Método de combustión de un combustible de baja calidad | |
CN107532852B (zh) | 热处理装置 | |
TW201422819A (zh) | 用於爐內使退火氣體相互達成熱交換作用之封閉式流體運輸系統 | |
US2254891A (en) | Heat-treating furnace | |
CN205443366U (zh) | 一种多功能热处理装置 | |
CN105586469B (zh) | 一种多功能热处理装置及其使用方法 | |
JP6427949B2 (ja) | 真空焼入れ処理方法 | |
JP2012246568A (ja) | 加熱装置 | |
JPH01259127A (ja) | 熱処理炉 | |
JP2004196891A (ja) | 炭化装置 | |
CN106893971A (zh) | 一种金属管道表面在线合金化方法及装置 | |
JPH07332875A (ja) | 雰囲気炉 | |
CN106439814A (zh) | 一种辐射加热器及工业炉 | |
JPH1114016A (ja) | 蓄熱式ラジアントチューブバーナ | |
JPH10115489A (ja) | 真空誘導溶解炉の炉内焼成方法およびその装置 |