JP2015231879A - 液体吐出具 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体吐出具の取り付け作業を容易にするとともに、吐出終了後に液体吐出具から液体がこぼれ落ちるのを防止すること。【解決手段】本発明の液体吐出具3は、筒状の根元部40と、排出口を有する筒状の先端部41とを有する液注パイプ20と、を有し、液注パイプ20を樹脂製とし、かつ先端部41は、根元部40から斜め方向に折れ曲がって伸びる構造とし、管体部16側に設けられた円周溝21と液注パイプ20の根元部40側に設けられた腕部42とを、液注パイプ20の樹脂の撓みを利用して係合させ、液注パイプ20の取り外しを困難にすると共に、円周溝21に案内されて液注パイプ20を周方向に回動可能とし液体のこぼれ落ちを防止可能としている。【選択図】図1

Description

本発明は、液体吐出具に関する。
従来より、液体収容缶に収容された液体は、該液体収容缶の吐出口に装着された液体吐出具を介して外部に適量だけ吐出される。特許文献1に開示されている液体吐出具は、液体収容缶の吐出口に着脱自在に装着され、ドレインコックの取手部を回転させることにより液体の吐出量を調整している。
特開2004−123202号公報(発明の詳細な説明)
しかしながら、特許文献1に開示されている液体吐出具では、液体を排出させる排出口は該液体吐出器具に一体的に形成されている。このため、液体吐出具を液体収容缶に取り付ける際には、排出口が下を向くように取り付ける必要があり、液体吐出具の取り付け作業に注意を要することになる。
また、液体吐出具には液体を注出させるための液注パイプが取り付けられることがあるが、この液注パイプは取り外し可能であることが簡単にわかる構成とされている。このため、液注パイプは取り外されてしまうことが生じやすい。また、液体は排出口や液注パイプを通じて下方に向かって吐出されるため、吐出終了後も排出口や液注パイプの内部に残留している液体が液体吐出具からこぼれ落ちるといった事態が生じる。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述した問題点の1つまたは複数を解決した液体吐出具を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、液体吐出具において、液体収容物に設けられたねじ部に係合し、取り付けられる蓋部と、蓋部に隣接し、蓋部の側から流れてくる液体を排出口の側に案内する柱状の孔道を有する管体部と、管体部に取り付けられ、孔道を塞いだり塞がないようにする開閉部材と、筒状の根元部と、排出口を有する筒状の先端部とを有する液注パイプと、を有し、液注パイプを樹脂製とし、かつ先端部は、根元部から斜め方向に折れ曲がって伸びる構造とし、管体部側に設けられた第1係合部位と液注パイプの根元部側に設けられた第2係合部とを、液注パイプの樹脂の撓みを利用して係合させ、液注パイプの取り外しを困難にすると共に、第1係合部位に案内されて液注パイプを周方向に回動可能とし液体のこぼれ落ちを防止可能とし、開閉部材は、孔道を塞いだり塞がないように操作するための取手部を有し、管体部に取り付けられた液注パイプの回動位置を調整できるようにされ、液注パイプは、液体を排出するときに、先端部が、取手部が取り付けられている側とは異なる側に向けることが可能とされ、液体を排出後、周方向に回動した後、先端部が、液体のこぼれ落ちを防止した状態で保持可能とされているものである。
また、本発明の液体吐出具は、液体収容物に設けられた取り付け部に取り付けられる際、回動可能とされ、取り付けられた後は回動しないようにもしくは一定の力を加えることで回動するように構成される蓋部と、蓋部に隣接し、蓋部の側から流れてくる液体を排出口の側に案内する柱状の孔道を有する管体部と、管体部に取り付けられ、孔道を塞いだり塞がないようにする開閉部材と、筒状の根元部と、排出口を有する筒状の先端部とを有する液注パイプと、を有し、液注パイプを樹脂製とし、かつ先端部は、根元部から斜め方向に折れ曲がって伸びる構造とし、管体部側に設けられた第1係合部位と液注パイプの根元部側に設けられた第2係合部とを、液注パイプの樹脂の撓みを利用して係合させ、液注パイプの取り外しを困難にすると共に、第1係合部位に案内されて液注パイプを周方向に回動可能とし液体のこぼれ落ちを防止可能とし、開閉部材は、孔道を塞いだり塞がないように操作するための取手部を有し、管体部に取り付けられた液注パイプの回動位置を調整できるようにされ、液注パイプは、液体を排出するときに、先端部が、取手部が取り付けられている側とは異なる側に向けることが可能とされ、液体を排出後、周方向に回動した後、先端部が、液体のこぼれ落ちを防止した状態で保持可能とされているものである。
上述の液体吐出具において、第1係合部位と第2係合部は、突出部または溝を有し、第1の係合部位と第2の係合部位とが係合するときは、突出部と溝とは嵌合することができる。
本発明によると、液体吐出具の取り付け作業が容易となるとともに、吐出終了後に液体吐出具から液体がこぼれ落ちるのを防止できる。
本発明の第1の実施の形態に係る液体収容装置の構成を示す側断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具の側断面図であり、孔道が閉塞している状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具を示す図であり、上段は孔道が開口している状態を示す側断面図で、下段は上段において一点鎖線Gで囲んだ部分の拡大図である。 本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具の平面図であり、孔道が開口している状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具の平面図であり、孔道が閉塞している状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具の側面図であり、液注パイプが下方向に向いている状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具の側面図であり、液注パイプが上方向に向いている状態を示す図である。 図1中の液注パイプの左側面図である。 図1中の液注パイプの右側面図である。 図1中の液注パイプの平面図である。 図1中の液注パイプの底面図である。 図1中の液注パイプの正面図である。 図1中の液注パイプの背面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る液体収容装置の構成を示す側断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る液体吐出具の構成を示す側断面図である。 図15中のガイド溝と係合突部の構成を説明するための断面図である。 図15中のガイド溝と係合突部の構成を説明するための側面図である。 図15中の液体吐出具を液体収容容器に装着する工程を説明するための図であり、上段は、液体吐出具を液体収容容器の嵌合部材に装着する前の状態を示す図であり、下段は、液体吐出具の舌片部を嵌合部材に押し込んだ状態を示す図である。 図15中の液体吐出具を液体収容容器に装着する工程を説明するための図であり、上段は、舌片部の突起が嵌合部材の外周に形成された環状溝に嵌まり込んだ状態を示す図であり、下段は、ロックキャップが複数の舌片部を包囲した状態を示す図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る液体収容装置1について、図面を参照しながら説明する。なお、液体吐出具3および液注パイプ20の構成についても液体収容装置1とともに説明する。また、以下の第1および第2の実施の形態の説明において、図1〜図15および図17〜図19に示す矢示X1方向を「前」、矢示X2方向を「後(後ろ)」、X1方向とX2方向の両方向に対し水平方向で直交する方向となる矢示Y1方向を「左」、矢示Y2方向を「右」、XY平面と直交する矢示Z1方向を「上」および矢示Z2方向を「下」とそれぞれ規定する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液体収容装置1の構成を示す側断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る液体収容装置1は、液体収容物となる液体収容容器2と、該液体収容容器2に取り付けられる液体吐出具3と、から主に構成される。図1に示すように、液体収容容器2は、灯油等の液体4を収容するために使用される容器であり、側面から見て略台形形状を呈している。上述したように、液体収容容器2の内部には灯油等の液体4が収容される。本実施の形態では、液体収容容器2は、たとえば、塩化ビニル樹脂に代表される樹脂から形成されているが、金属等の樹脂以外の材料から形成するようにしても良い。また、液体収容容器2の内部に収容される液体4は灯油に限定されるものではなく、灯油以外の油や溶剤もしくは薬剤等を収容するようにしても良い。
図1に示すように、液体収容容器2を構成する2つの側壁5,6には、液体収容容器2の内部に連通する円形の吐出口7,7が設けられている。この吐出口7,7の周縁部には、該吐出口7,7の中心軸線方向でありかつ外方に向かって突出するねじ部となるキャップ嵌合部8,8が設けられている。このキャップ嵌合部8,8は略円筒状の形態を有しておりその外周面にはねじ溝8aが形成されている。
図1に示すように、このキャップ嵌合部8,8にはキャップ10が取り付け可能な構成とされている。本実施の形態では、側壁5に設けられるキャップ嵌合部8にキャップ10が取り付けられている。キャップ10は、略円盤状の形態を有している。このキャップ10には、ねじ溝11aを有する円周状の円周溝部11が形成されている。該ねじ溝11aは、円周溝部11の外周側の側面に形成されている。キャップ10は、キャップ嵌合部8のねじ溝8aに円周溝部11のねじ溝11aを螺合させることによって液体収容容器2に取り付けられる。この際、キャップ10において円周溝部11の内側に設けられる略円柱状の柱状凸部10aが吐出口7の内側に入り込む。
側壁6にも側壁5の場合と同様のキャップ嵌合部8が設けられている。図1に示すように、側壁6に設けられているキャップ嵌合部8には、液体吐出具3が装着される。図1に示すように、液体吐出具3が液体収容容器2に装着された状態では、吐出口7と液体吐出具3の内部を貫く孔道12とが連通する。液体吐出具3には、孔道12の開閉動作を行うための開閉部材13が設けられており、該開閉部材13を周方向に90度回動させまた反対方向に90度回動させることにより、孔道12を開口状態および閉塞状態に切り替えることができる。そして、孔道12を開口状態とすることで液体収容容器2に収容された液体4を排出口14より外側に流出させることができる。また、この液体吐出具3は液体収容容器2に対する取り付け部分となる蓋部15を有している。この蓋部15は、筒状の形態を有しており、その内周にはねじ溝15aが形成されている。液体吐出具3は、キャップ嵌合部8のねじ溝8aに蓋部15のねじ溝15aを螺合させることで液体収容容器2に取り付けられる。すなわち、液体吐出具3を回動させて、蓋部15のねじ溝15aにキャップ嵌合部8を螺入させることによって、液体吐出具3が液体収容容器2に装着される。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具3の側断面図であり、孔道12が閉塞している状態を示す図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具3の側断面図であり、孔道12が開口している状態を示す図である。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具3の平面図であり、孔道12が開口している状態を示す図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具3の平面図であり、孔道12が閉塞している状態を示す図である。図6は、本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具3の側面図であり、液注パイプ20が下方向に向いている状態を示す図である。図7は、本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出具3の側面図であり、液注パイプ20が上方向に向いている状態を示す図である。
図2から図7に示すように、液体吐出具3は、上述した非透明の蓋部15および該蓋部15に隣接して設けられる非透明の管体部16とから構成される本体部17と、孔道12を塞いだり塞がないようにする開閉部材13と、本体部17の前端側に取り付けられる液注パイプ20と、を有する。蓋部15と管体部16とは一体的に形成されており、液注パイプ20は管体部16に対して着脱可能な構成とされている。この着脱は、取り付けはわずかな力で行え、外す場合はかなりの力を要するものとなっている。また、開閉部材13は管体部16に配設されている。本体部17および開閉部材13は、ステンレス、アルミニウムもしくは鉄等の金属から形成されている。また、液注パイプ20は、塩化ビニル樹脂もしくはプロピレン樹脂に代表される樹脂から形成されており、その材質は液体4によって変形や溶解しないものが選択されるのが好ましい。
上述したように、蓋部15は、液体吐出具3を液体収容容器2に取り付けるための取り付け部分として設けられている。この蓋部15は、外形の一部が六角形の形状をした筒状の形態を有している。そして、蓋部15の内周面には、キャップ嵌合部8のねじ溝8aと嵌まり合うためのねじ溝15aが形成されている。また、蓋部15の内径は、管体部16が有する孔道12の径寸法よりも大径に形成されている。このため、蓋部15にはキャップ嵌合部8の前端部が当接するための当接部15bが形成されている。
管体部16は、上述したように、蓋部15と一体的に設けられている。また、管体部16は略筒状の形態を有している。このため、管体部16は、上述したように、蓋部15の側から流れてくる液体4を排出口14の側に案内する柱状の孔道12を有する。また、管体部16の内周面には、孔道12よりも大径となる円周状の円周溝21が全周に亘って形成されている。該円周溝21は、管体部16の前端側近傍に設けられており、該円周溝21には液注パイプ20の後端が嵌まり込む。また、管体部16には外方に向かって略円柱状の形態で突出する凸部22が設けられている。この凸部22の内側には孔道12と連通する円柱孔23が形成されている。また、図4から図7に示すように、凸部22には、後述する取手部26の第1、第2の当接部36,37を当接させて取手部26の90度以上の回動を阻止するための受け部22aが設けられている。受け部22aは凸部22の左側面から上方に向かって略L字状に突出している。
開閉部材13は、孔道12を開口状態および閉塞状態に切り替えるために管体部16に設けられている。また、開閉部材13を回動させることにより、孔道12と円孔27によって形成される開口面積を変化させ、排出口14から排出される液体4の流出量を調整できる。開閉部材13は、筒状の形態を有する筒部24と、筒部24から外方に伸びる円柱状の回転軸部25と、開閉部材13の開閉を操作するための取手部26と、を有する。筒部24の内側には、孔道12と同じ径寸法を有する円孔27が設けられている。具体的には、筒部24は、その中央が円形の円孔27によって貫かれた球状の形態を有している。このため、筒部24の外周面は曲面状に形成されている。
回転軸部25は、筒部24から外方に向かって円柱状に伸びている。筒部24は、回転軸部25を中心として図4および図5における時計回り方向および反時計回り方向に回動する。また、回転軸部25は凸部22よりも外方に突出しており、該突出部分に取手部26がねじ28を用いてねじ止め固定されている。また、取手部26と凸部22との間にはリング状の形態を有する樹脂製のリング状部材30が介在されている。取手部26と凸部22の間にリング状部材30を配置することにより取手部26がスムーズに回動することが可能となる。
ここで、図2および図3に示すように、筒部24は、管体部16の前後方向略中央に配置されている。また、図3等に示すように、筒部24は開口状態においてその中心軸線Mが孔道12の中心軸線Nと一致するように管体部16内部に配置されている。また、孔道12には球状に窪む窪み部が設けられている。この窪み部は、図2および図3では、上方および下方に向かってそれぞれ曲面状に窪む上方窪み部12aおよび下方窪み部12bとして示される。この窪み部は、筒部24を管体部16に組み込み可能とするために設けられている。また、筒部24の外周部には、孔道12を囲むように樹脂製の筒状部材31が配設されている。該筒状部材31は、筒部24の管体部16に対する回動をスムーズに行うために配置されている。一方、回転軸部25は、筒部24から筒状部材31および円柱孔23を突き抜け、凸部22の外側に達している。
図3等に示すように、取手部26は、金属製の板材を側面から見て略鉤状に折り曲げたような形状を呈している。具体的には、取手部26は凸部22の外方に配置される平板状の下板部32と、下板部32の図3における前端部から上方に向かって延出する平板状の延板部33と、延板部33の外方端から図3における前方に向かって延出する平板状の上板部34と、を有する。図4に示すように、下板部32の一端(図4における左端)には略円弧状に形成された円弧形成部35が形成されている。このように下板部32に円弧形成部35を設けることにより、該下板部32には受け部22aと当接して取手部26の回動を規制する第1の当接部36および第2の当接部37が形成される。上板部34は人の手で把持される部分となる。
上述したように、取手部26はねじ28にて回転軸部25に一体となるように固定されているため、取手部26を回動させると、回転軸部25を介して筒部24も取手部26と一体となって周方向に回動する。すなわち、取手部26を回動させると、回転軸部25が管体部16に対して相対回転するため、該回転軸部25と一体となって筒部24が周方向に回動することになる。また、図4に示すように、取手部26の第1の当接部36が受け部22aと当接した状態では、図3に示すように、筒部24の円孔27と孔道12とが一致した状態となり、円孔27と孔道12とが連通して、開口状態となる。一方、図5に示すように、取手部26の第2の当接部37が受け部22aと当接した状態では、図2に示すように、孔道12が筒部24によって塞がり、閉塞状態となる。このとき、液注パイプ20に導かれて排出口14から流出する液体4の量は、取手部26を回転させ、円孔27と孔道12によって形成される開口面積を変化させることにより任意に調整することができる。
上述したように、管体部16の前端部には液注パイプ20が取り付けられている。液注パイプ20は、孔道12に流れ込んだ液体4を液体吐出具3の外側に導くために設けられる。液注パイプ20は、前方に沿って伸びる筒状の根元部40と、該根元部40の前端部から斜め方向に折れ曲がって伸びる筒状の先端部41を有する。また、根元部40からは後方に向かって後述する一対の腕部42,42(図2、図3および図8から図11等参照)が伸びている。液注パイプ20は、孔道12と連通する管体部16の前端側の開口部16aに、腕部42,42の側から嵌め込むことによって本体部17に取り付けられる。腕部42,42および根元部40が開口部16aに嵌まり込むと、腕部42の一部である後述する突出部52が円周溝21に嵌まり込む。液注パイプ20が本体部17に取り付けられた状態では、後述する突出部52が円周溝21に案内されて、根元部40が本体部17の中心軸線Nに対して時計回り方向および反時計回り方向に回動可能となる。
このように液注パイプ20を周方向に沿って回動可能とすることにより、図1から図3および図6に示すように、排出口14を斜め下方に向けたり、図7に示すように排出口14を斜め上方に向けたりすることが可能となる。この周方向への回動は液体収容装置1の使用者の手を用いて行うことが可能である。液注パイプ20は、液体4を外側に排出する際に排出口14を斜め下方に向けた状態とされ、液体4の排出が終了した直後に排出口14を斜め上方に向けた状態とされる。このように、液体4の排出が終了した直後に排出口14を斜め上方に向けることにより、液注パイプ20に残留した液体4が排出口14からこぼれ落ちることを防止できる。
図8は、液注パイプ20の左側面図である。図9は、液注パイプ20の右側面図である。図10は、液注パイプ20の平面図である。図11は、液注パイプ20の底面図である。図12は、液注パイプ20の正面図である。図13は、液注パイプ20の背面図である。なお、図8、図9に示す一点鎖線は、排出口14が中心軸線M,Nと平行となる線で切られて形成された状態を示すもので、液注パイプ20の他の例を示すものである。
上述したように、液注パイプ20は、管体部16の開口部16aに回動可能に取り付けられる。また、液注パイプ20は、根元部40と、排出口14を有する先端部41と、一対の腕部42,42を有する(図8から図11および図13参照)。
図8から図13に示すように、根元部40は、前後方向に沿って伸びる筒状の形態を有している。このため、根元部40の内側には円形孔45が形成される(図2および図3参照)。先端部41は、根元部40の前端部から前方に伸びた後斜めに折れ曲がっている。このように、先端部41は、斜めに折れ曲がった筒状の形態を有しており、その端部が排出口14を構成している。先端部41の内側に設けられる円形孔50(図2および図3参照)は、根元部40の円形孔45と連通している。先端部41の外形寸法は、根元部40の外形寸法よりも大径に形成されている。一方、円形孔45および円形孔50は同じ径寸法に形成されている。
根元部40と先端部41との間の外周面には、外周側に向かって突出する外壁部46が設けられている。該外壁部46の存在により、根元部40と先端部41との間には段差状の段部47が形成されている。また、根元部41の外周面には、全周に亘って円状に設けられる溝となる円溝48が形成されている。そして、この円溝48にはリング状のゴム製の弾性部材49が嵌まり込んでいる。この弾性部材49は、根元部40の外周面よりも周方向外方に向かってやや突出している。この弾性部材49は、液注パイプ20のスムーズな周方向回転と、その回転トルクの調整と、液漏れ防止の3つの役目を持っている。
腕部42,42は、根元部40から後方に向かって一対に合計2つ設けられている。図13に示すように、腕部42,42は左右対称となるように配置されている。また、各腕部42,42は、中心軸線Nを中心として角度αの範囲にわたって設けられている。この角度αは、60°以上120°以下の範囲とするのがたわみ度や強度の面で好ましい。
図8から図11等に示すように、腕部42は、根元部40から後方に向かって伸びる延出部51と、延出部51の後端部から外周側に突出する突出部52とを有する。図10および図11に示すように、突出部52の周方向外方の先端部には傾斜状に切り欠かれたテーパ面53が形成されている。また、腕部42は、延出部51が径方向内側に向かってたわむことが可能に形成されている。根元部40および腕部42,42は、開口部16aに軽圧入的に嵌合する外径寸法に形成されている。テーパ面53は、液注パイプ20をスムーズに開口部16a内に入れるためのもので、このテーパ面53の前方向(X1方向)は、前後方向に対して直交する絶壁面54となっている。
上述したように、液注パイプ20の本体部17への取り付けは、該液注パイプ20を腕部42,42の側から管体部16の開口部16a内に軽圧入することによりなされる。この際、腕部42,42は径方向内側にたわみ可能であるため、液注パイプ20が後端側から開口部16aに挿入されると、腕部42,42は径方向内方に向かってたわむ。外壁部46の直径は開口部16aの直径よりも大径に形成されているため、液注パイプ20は、外壁部46によって形成される段部47が管体部16の開口端16bに当接するまで開口部16a内に挿入される。図2および図3に示すように、段部47が開口端16bに当接した状態では、突出部52は円周溝21に対向する位置にくる。すると、径方向内側に向かってたわんでいた腕部42,42の復元力により、突出部52が円周溝21の内部に嵌まり込む。また、円周溝21は全周に亘って設けられているため、円周溝21は突出部52を周方向に沿って案内することが可能である。このため、液注パイプ20を中心軸線Nを中心として回動させると、突出部52が円周溝21によって案内されて液注パイプ20が周方向に沿って回動する。
弾性部材49が円溝48に嵌り込んだ状態では、該弾性部材49は根元部40の外周面よりもやや周方向外側に突出している。このため、突出部52が円周溝21の内部に嵌まり込んだ状態では、弾性部材49が開口部16aの内周壁によって径方向内側に向かって押圧される。したがって、根元部40と開口部16aの内周面との間は弾性部材49によって封止された状態となり、液体4が液注パイプ20と管体部16の間から漏れることがなくなる。また、突出部52が円周溝21に嵌まり込んだ状態では、液注パイプ20は、簡単には取り外せない。しかも、外部からは、液注パイプ20と管体部16とはどのように係合しているかが分からず、人は液注パイプ20を取り外そうとはしない。なお、ある程度の引っ張り力を加えたら液注パイプ20が抜け出るようにするために、円周溝21に嵌まり込んだ突出部52の根元と対向する部分にテーパ面16cを管体部16に形成している(図3下段の拡大図参照)。
以上のように構成された液体収容装置1では、液注パイプ20が管体部16に対して回動可能とされている。このため、液体吐出具3が液体収容容器2に取り付けられたときの蓋部15の回動位置に応じて、管体部16に取り付けられた液注パイプ20の回動位置を調整できる。したがって、液体収容容器2に対する蓋部15の回動位置がずれて液注パイプ20が斜めに傾いていても、該液注パイプ20を回動させることによって、排出口14を下方に向けることが可能となる。このため、液体収容装置1において排出口14から液体4が下方向に排出されるように容易に位置調整を行うことが可能となる。
また、液体収容装置1では、蓋部15のねじ溝15aにキャップ嵌合部8を螺入させることによって、液体吐出具3を液体収容容器2に装着することが可能である。このため、液体収容容器2への液体吐出具3の取付作業が容易となる。
また、液体収容装置1および液体吐出具3では、腕部42,42の突出部52,52が円周溝21に案内されることで、液注パイプ20が周方向に回動可能な構成とされている。このため、液注パイプ20を回動させて排出口14の位置調整を容易に行うことができる。したがって、液体4を排出する際には、排出口14が下方を向いた状態で液注パイプ20を保持できるとともに、液体4の排出後には、排出口14が上方を向いた状態で液注パイプ20を保持できる。このように、液体4の排出後に液注パイプ20を上方に向いた状態で保持させることで、液体4を排出した後もなお液注パイプ20に残留している液体4が該液注パイプ20からこぼれ落ちることを防止できる。
また、液体吐出具3では、液注パイプ20が管体部16に対して回動可能とされている。このため、管体部16に対する液注パイプ20の回動位置を容易に位置調整できる。したがって、液注パイプ20を回動させることで、排出口14が下方向を向くように容易に位置調整できる。その結果、液体4を液体吐出具3から容易に下方向に排出させることが可能となる。
また、液注パイプ20は、突出部52を備えた2つの腕部42,42を有しており、突出部52が円周溝21によって周方向に案内される構成とされている。このため、液注パイプ20は、本体部17に対して周方向に沿って回動可能となり、排出口14の方向を調整できることとなる。
また、液注パイプ20の腕部42,42は、根元部40の内側に向かってたわみ可能とされている。このため、液注パイプ20を管体部16の開口部16aの内側に挿入させることが可能となり、内側にたわんだ腕部42,42の復元力を利用して突出部52,52を円周溝21に嵌め込むことが可能となる。したがって、管体部16に対する液注パイプ20の取付作業が容易となる。また、この構成は外部から見ることができないため、液注パイプ20を取り外そうとする意思が働きにくい。
また、液注パイプ20の根元部40には円溝48が形成され、該円溝48の内部にリング状の弾性部材49が嵌まり込んでいる。このため、根元部40と開口部16aの内周面との間は弾性部材49によって封止された状態となり、液体4が液注パイプ20と管体部16との間から漏れることを防止できる。
また、液注パイプ20では、根元部40と先端部41の間には外壁部46が設けられており、該外壁部46によって段部47が形成されている。このため、管体部16の開口端16bを段部47に当接させて液注パイプ20の管体部16に対する前後方向の位置決めを行うことが可能となる。
また、腕部42,42は左右に対称配置されている。このため、液注パイプ20を本体部17に対して安定した状態で保持させることが可能となる。したがって、液注パイプ20が本体部17から抜け落ちることを防止できる。また、各腕部42,42は、中心軸線Nを中心として、60°以上120°以下の角度の範囲内で設けられている。このため、腕部42を、たわみ可能でありかつ、ある程度の強度を有するように構成することが可能となる。したがって、腕部42,42において、液注パイプ20を管体部16に係合させることが可能となる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る液体収容装置60について、図面を参照しながら説明する。なお、第2の実施の形態に係る液体収容装置60において、第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付すと共にその説明を省略または簡略化する。また、液体吐出具62の構成についても液体収容装置60とともに説明する。さらに、本実施の形態では、液体収容容器61および蓋部70の構成が第1の実施の形態と相違するため、液体収容容器61および蓋部70の構成について主に説明する。
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る液体収容装置60の構成を示す側断面図である。図15は、本発明の第2の実施の形態に係る液体吐出具62の構成を示す側断面図である。
本発明の第2の実施の形態に係る液体収容装置60は、液体収容容器61と、該液体収容容器61に取り付けられる液体吐出具62と、から主に構成される。図14に示すように、液体収容容器61は、灯油等の液体4を収容するために使用される容器である。この液体収容容器61は、ペール缶や一斗管に代表される容器であり、金属板を円柱状または角柱状にすることにより形成される。なお、液体収容容器61を樹脂等の金属以外の材料から形成するようにしても良い。
図14に示すように、液体収容容器61を構成する側壁63には、円形の孔64が設けられている。この孔64の内周部には、当該孔64の中心軸線方向でありかつ外方に向かって略筒状に突出する取り付け部となる嵌合部材65が固定されている。この嵌合部材65は円周状に形成された2つの鍔部66,66を有している。鍔部66,66で側壁63を狭持することにより嵌合部材65は孔64の内側に固定される。また、嵌合部材65は、側壁63より前方に突出する環状の環状部67を有しており、該環状部67の外周面には環状溝67aが形成されている。このように孔64の内周部に嵌合部材65を固定することで、液体収容容器61の内部に連通する吐出口68が形成される。
図14に示すように、嵌合部材65の環状部67には、液体吐出具62が装着される。液体吐出具62を液体収容容器61に装着した状態では、吐出口68は、液体吐出具62の内部を貫く孔道12と連通する。液体吐出具62は、液体収容容器61に対する取り付け部分となる蓋部70と、液体4を外側に導く孔道12を有する管体部71と、排出口14を有する液注パイプ20とを有する。この液体収容装置60では、開閉部材13を周方向に回動させて、孔道12を開口状態とすることで液体収容容器61に収容された液体4を排出口14より外側に流出させることができる。
上述したように、蓋部70は、液体吐出具62を液体収容容器61に取り付けるための取り付け部分として設けられている。蓋部70は、略筒状に形成された基体部72と、該基体部72の後端部から後方に向かって突出形成される複数の舌片部73と、基体部72および舌片部73の外周側に配置される略円筒状のロックキャップ74と、を有する。本実施の形態では、蓋部70を構成する基体部72、舌片部73およびロックキャップ74は、たとえば、合成樹脂から形成することができるが、金属等の他の材料から形成するようにしても良い。
基体部72は、大径の略円筒状に形成される大径部75と、大径部75の前端側に設けられる小径の小径部76とを有する。大径部75と小径部76とは、前後方向から見てリング状の形態を有する周壁部77によって連接されている。すなわち、周壁部77を介して、大径部75と小径部76とは一体的に形成されている。また、基体部72は、大径部75の内側に形成される大径の大径孔75aと、小径部76の内側に形成される小径の小径孔76aとを有する。そして、この大径孔75aと小径孔76aとが吐出口68と連通して液体通路78が形成される。
図15に示すように、大径部75の外周面には、後述する係合突部83が嵌まり込むためのガイド溝79,79が設けられている。このガイド溝79は、ロックキャップ74が基体部72に対して相対移動する際に、その移動を案内するために形成されている。また、小径部76の外周面にはねじ溝76bが形成されている。この小径部76において、蓋部70は管体部71に対して一体的に固定される。
一方、管体部71の後端側には液体吐出具62を蓋部70に固定するための固定部80が設けられている。該固定部80は小径部76よりも大径に形成されており、固定部80の内周面にはねじ溝80aが形成されている。小径部76の外側に固定部80を配置させ、小径部76のねじ溝76bと固定部80のねじ溝80aとを螺合させることによって蓋部70と管体部71とが一体となる。なお、本実施の形態における管体部71は第1の実施の形態における本体部17と同様の構成を有している。
舌片部73は基体部72の後端側に設けられており、図17に示すように、円周状に開口部73bを囲むように複数設けられている。また、舌片部73は、可撓性を有するように肉薄に形成され、かつその外径は基体部72の外径と等しく形成されている。また、円周状に配設された複数の舌片部73によって形成される開口部73bの径寸法は、液体収容容器61における嵌合部材65の環状部67の外径寸法と略同一に形成されている。なお、複数の舌片部73は、可撓性を有していることから、嵌合部材65への装着を容易にするために、開口部分73bの径寸法を環状部67の外径寸法よりも若干大きく形成しても良い。さらに、舌片部73の後端部には、環状部67の外周に形成された環状溝67aに係合するように、内側に向かって突出する突起73aが設けられている。この突起73aは、本実施の態様においては、断面形状が長方形の略蒲鉾状に形成されているが、当該形状に限定することなく、たとえば、略半球状に突出形成させても良い。また、突起73aは、後方から見ると円弧状に湾曲した形状を呈している。また、舌片部73の根元部分の内側には、リング状の弾性部材となるシーリング84が配置されている。このシーリング84は、蓋部70を嵌合部材65に装着した際に、嵌合部材65と蓋部70との間に介在して、液体4の外側への漏れを防止している。
ロックキャップ74は、上述したように、略円筒状の形態を有している。このロックキャップ74は、基体部72および舌片部73の外周に該基体部72および舌片部73に対して前後方向および周方向に相対移動可能に配設されている。また、ロックキャップ74の外周には、後述する回転操作を行う際の滑り止めとなる複数の突堤82が設けられている。突堤82は周方向外方に向かって突出形成されており、その長手方向が軸方向に一致するように設けられている。また、ロックキャップ74の内周面には径方向内方に向かって突出する2つの係合突部83,83が設けられている。該係合突部83,83は、略円柱状の形態をなして対向するように突出している。また、係合突部83,83はガイド溝79,79に嵌り込んで該ガイド溝79によって案内される。
上述したように、蓋部70は、小径部76において、管体部71の後端側に設けられる固定部80に取り付けられている。管体部71は孔道12を有しており、該管体部71には第1の実施の形態と同様の孔道12を塞いだり塞がないようにする開閉部材13が組み込まれている。また、管体部71には、第1の実施の形態の場合と同様、外方に向かって略円柱状に突出する凸部22が設けられている。さらに、管体部71の開口部71aには液注パイプ20が取り付けられている。液注パイプ20は、段部47に開口端71bが当接することにより、管体部71に対して位置決めされている。また、蓋部70が管体部71に取り付けられた状態では、液体通路78と孔道12が連通するため、液体収容容器61に収容された液体4を液体通路78および孔道12を通じて液注パイプ20に導くことができる。具体的には、取手部26を回転させ、孔道12に対して筒部24の円孔27を一致させると、円孔27と孔道12とが連通し、液体収容容器61に収容された液体4が吐出口68から液体通路78および孔道12を通じて液注パイプ20の排出口14から流出する。このとき、排出口14から流出する液体4の量は、取手部26を回転させ、円孔27と孔道12によって形成される開口面積を変化させることにより任意に調整することができる。
図16は、ガイド溝79と係合突部83の構成を説明するための断面図である。図17は、ガイド溝79と係合突部83の構成を説明するための側面図である。
ロックキャップ74は、舌片部73が嵌合部材65に嵌まり込んだ状態で該舌片部73を包囲し、蓋部70をロック状態にする。蓋部70がロック状態になると、舌片部73はロックキャップ74によって径方向内方に押圧される。また、ロック状態では、蓋部70は嵌合部材65に対して回動ができづらい状態となる。ここで、蓋部70をロック状態へ容易に移行させるためには、ロックキャップ74は、基体部72から不用意に離脱せず、前後方向にスムーズに移動することが必要とされる。本実施の形態では、大径部75の外周面にガイド溝79,79を設け、該ガイド溝79,79に係合突部83,83を嵌め込むことにより、ロックキャップ74を前後方向に案内させかつわずかな周方向移動を行わせている。すなわち、係合突部83,83がガイド溝79,79によって案内されることにより、ロックキャップ74は前後方向と周方向に沿ってスムーズに移動する。
図16および図17に示すように、ガイド溝79,79は、大径部75の外周面において対向する位置に合計2つ設けられている。図17に示すように、ガイド溝79,79は、前後方向に伸びる横溝79aと、横溝79aの後端から傾斜するように伸びる傾斜溝79bと、傾斜溝79bの後端から周方向に向かって伸びる縦溝79cとを有する。2つのガイド溝79,79は、図17の紙面手前側から見て、前後方向の軸を中心として上下に対称形状を呈するように形成されている。具体的には、図17において実線で示す一方のガイド溝79をロックキャップ74の周方向(図17の矢示D方向)に沿って180度だけずらすと、図17において破線で示す他方のガイド溝79と一致するように形成されている。
ここで、図17に示すように、係合突部83,83が横溝79a,79aの前端部(図16および図17中の位置A)に位置する状態から、図17中の矢示E,Fに沿って後方側に案内されると、ロックキャップ74はまず基体部72および舌片部73側に移動する。すると、係合突部83,83は横溝79a,79aの後端部(図16および図17中の位置B)に移行する。この状態から、図17中の矢示E,Fに沿って各係合突部83,83が傾斜溝79bおよび縦溝79cによって案内されると、ロックキャップ74は周方向に回動しながら軸方向に沿って基体部72および舌片部73側へ移動し、図16および図17中の位置Cに到達する。この際、一方の係合突部83は、矢示Eに沿って図17中の斜め上方に案内され、他方の係合突部83は、矢示Fに沿って図17中の斜め下方に案内される。各係合突部83,83が位置Cまで案内されると、ロックキャップ74の後方向への移動と周方向の回動とが阻止されるとともに、舌片部73がロックキャップ74によって包囲され、蓋部70がロック状態となる。
なお、係合突部83とガイド溝79は、ロックキャップ74と基体部72との間で相対的に形成することができ、たとえば、ロックキャップ74にガイド溝79を形成すると共に、基体部72に係合突部83を形成するようにしても良い。
次に、以上説明した液体吐出具62の液体収容容器61への装着方法を図18および図19に基づいて説明する。
図18は、液体吐出具62を液体収容容器61に装着する工程を説明するための図であり、上段は、液体吐出具62を液体収容容器61の嵌合部材65に装着する前の状態を示す図であり、下段は、液体吐出具61の舌片部73を嵌合部材65に押し込んだ状態を示す図である。同じく、図19は、液体吐出具62を液体収容容器61に装着する工程を説明するための図であり、上段は、舌片部73の突起73aが嵌合部材65の外周に形成された環状溝67aに嵌まり込んだ状態を示す図であり、下段は、ロックキャップ74が複数の舌片部73を包囲した状態を示す図である。
まず、図18上段に示すように、液体吐出具62の基体部72および舌片部73の外周側に相対移動可能に配置されたロックキャップ74を基体部72の外周部に位置させる。すなわち、ロックキャップ74を前端側に移動させ複数の舌片部73がロックキャップ74によって包囲されない自由端の状態にする。この状態では、係合突部83,83は横溝79a,79aの前端部(図16および図17中の位置A)に位置する。この状態で、図18下段に示すように、舌片部73が嵌合部材73の外側に嵌まり込むように、液体吐出具62を液体収容容器61側へ押し込む。すると、複数の舌片部73は可撓性を有していることから、環状部67の外周部によって周方向外方に向かって押圧されて拡開する。
さらに液体吐出具62が液体収容容器61側へ押し込まれると、舌片部73の内面に形成された突起73aが、図19上段に示すように、環状部67の外周に形成された環状溝67aに嵌まり込む。なお、環状溝67aはねじ構造ではなく外周を一周する円周溝となっている。その後、ロックキャップ74を基体部72の側から複数の舌片部73の側に移動させ、図19下段に示すように、ロックキャップ74によって複数の舌片部73を包囲する。具体的には、ロックキャップ74を後方に移動させた後、周方向に回動させて、係合突部83,83を、横溝79a,79aの前端部(図16および図17中の位置A)に位置する状態から縦溝79c,79cの先端部(図16および図17中の位置C)に位置する状態とする。この結果、液体吐出具62は、蓋部70において、嵌合部材65にワンタッチで装着される。装着後には、複数の舌片部73がロックキャップ74によって拡開するのを阻止されるので、液体吐出具62は嵌合部材65から離脱することがない。なお、図19の下段の状態では、液体吐出具62の回動はほとんどできないがわずかな回動は可能とされる。
一方、液体吐出具62を嵌合部材65から離脱させるためには、ロックキャップ74を基体部72に対して相対移動させ、図19上段に示すように、複数の舌片部73が自由端となる状態にする。この状態で液体吐出具62を引き抜くと、図18下段に示すように、複数の舌片部73が環状部67の外周部を乗り越えて離脱が完了する。以上のように、第2の実施の形態に係る液体吐出具62は、ロックキャップ74を基体部72に対し相対移動させることで、液体収容容器61への一連の着脱操作をワンタッチで行うことを可能としている。
以上のように構成された液体吐出具62は、ロック状態においてわずかな回動は可能とされているが、一旦取り付けた後はほとんど回動できない。このため、取り付け位置として取手部26が上方に来るようにしたいとしても、上方に来ず、また液注パイプ20が下向きにならないことが生ずる。このような場合、取手部26はそのままの位置にして液注パイプ20を回動させるのが好ましい。なぜなら、液体吐出具62を回動させるには非常な力を必要とするからである。この液体収容装置60および液体吐出具62では、液注パイプ20が周方向に回動可能な構成とされている。このため、液注パイプ20を回動させて排出口14の位置調整を容易に行うことができる。したがって、液体4を排出する際には排出口14が下方を向いた状態で液注パイプ20を保持できるとともに、液体4の排出後には、排出口14が上方を向いた状態で液注パイプ20を保持させることができる。このように、液体4の排出後に液注パイプ20を上方に向いた状態で保持させることで、液体4を排出した後もなお液注パイプ20内に残留している液体4が該液注パイプ20からこぼれ落ちるのを防止できる。
また、液体収容装置60および液体吐出具62では、基体部72に形成された舌片部73の突起73aを環状部67に形成された環状溝67aに嵌め込んだ状態でロックキャップ74を舌片部73の外周に移動させることにより、蓋部70をロック状態にして液体吐出具62を嵌合部材65に離脱不能に装着することができる。また、ロックキャップ74を舌片部73の外周から前方側に移動させることにより、液体吐出具62を嵌合部材65から容易に離脱させることができる。このため、液体吐出具62の液体収容容器61に対する着脱操作を容易に行うことが可能となる。さらに、液体吐出具62から適量の液体4を流出させるので、吐出終了時に液体4が液体収容容器61に付着せず、汚染や液体中への異物混入が未然に防止できる。
また、液体収容装置60および液体吐出具62では、複数の舌片部73の開口部73aの径寸法が液体収容容器61の嵌合部材65の外径とほぼ等しく形成されているので、舌片部73に設けられる突起73aを吐出口68の外周に形成された環状溝67aに確実に係合させることができる。この結果、ロックキャップ74を舌片部73の外周に移動させることができ、液体吐出具62が嵌合部材65から離脱することを防止できる。
また、液体収容装置60および液体吐出具62では、基体部72に形成されたガイド溝79にロックキャップ74に形成された係合突部83が係合している。このため、ロックキャップ74を基体部72に対して保持させることが可能となり、液体吐出具62が嵌合部材65から離脱することを防止できる。また、ロックキャップ74の回転操作と軸方向への移動がガイド溝79によって規定されるので、ロックキャップ74の基体部72に対する相対移動を容易に行うことができ、液体吐出具62の着脱操作を容易に行うことが可能となる。
また、基体部72に形成されるガイド溝79は、傾斜する傾斜溝79bを有する。このため、係合突部83が傾斜溝79bによって案内されることとなり、ロックキャップ74を回転操作することによって、該ロックキャップ74を軸方向に移動させることができる。このため、液体収容容器61に対する液体吐出具62の着脱操作をより容易に行うことができる。また、不用意にロックキャップ74を軸方向に移動させて液体吐出具62を液体収容容器61から離脱させてしまい、液体4を漏出させることを未然に防止できる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
上述の各実施の形態では、液注パイプ20には腕部42は合計2つ設けられているが、腕部42の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上設けるようにしても良い。また、腕部42,42は左右に対称配置されているが、左右対称に設けなくても良い。また、腕部42は、中心軸線Nを中心として60度以上120度以内の角度の範囲内で設けるようにされているが、当該角度以外の範囲で設けるようにしても良い。
また、上述の第1の実施の形態では、蓋部15の内周にねじ溝15aを設け、ねじ部8aが形成されたキャップ嵌合部8を蓋部15の内部に挿入させることで、液体吐出具3を液体収容容器2に取り付けているが、このような取り付け形態に限定されるものでなく、たとえば、キャップ嵌合部8の内周および蓋部15の外周にねじ溝を設け、蓋部15をキャップ嵌合部8の内部に挿入させる形態で液体吐出具3を液体収容容器2に取り付けるようにしても良い。また、蓋部15とキャップ嵌合部8とを他の方法で係合させたり、ねじ止め等の他の方法で固定することにより、液体吐出具3を液体収容容器2に取り付けるような構成としても良い。
また、上述の各実施の形態では、液注パイプ20の排出口14の端面は、中心軸線Nの方向に対して傾いているが、排出口14の端面を図8、図9の一点鎖線で示すように、中心軸線Nと平行に形成するようにしても良い。また、上述の各実施の形態では、弾性部材49を1つのみ配置させているが、2つ以上配置させても良い。さらには、弾性部材49をゴム製ではなく樹脂製などとしても良い。
また、上述の各実施の形態では、管体部16,71の外形を略円筒状に形成したが、管体部16,71を四角形や多角形の筒形状等の他の形状に形成しても良い。また、管体部16,71の円周溝21の中心側にテーパ面16cが面取りされるような形で形成されているが、このテーパ面16cを形成せずに、またはこのテーパ面16cに加え、液注パイプ20の絶壁面54をテーパ面とし、突出部52が円周溝21から抜けやすくなるような構成としても良い。
また、上述の第2の実施の形態では、複数の舌片部73の内周面に形成した突起73aは、全ての舌片部73に形成されているが、突起73aを、全ての舌片部73に形成することなく、たとえば、半数の舌片部73に形成するようにしても良い。
また、上述の第2の実施の形態では、蓋部70と管体部71は、別体として形成され、両者はねじ溝76b、80aによって係合固定されているが、蓋部70と管体部71とを一体として形成しても良いし、両者を他の方法で固定するようにしても良い。
また、上述の各実施の形態では、液体収容装置1,60には、灯油等の油や溶剤等が収容されているが、液体収容装置1,60に油や溶剤以外おうjyの液体を収容する構成としても良い。また、上述の各実施の形態では、液注パイプ20を周方向回転可能な構成とし、しかも、外部からは液注パイプ20と管体部16,71との係合関係が分からないようにしているが、管体部16,71を透明なものとし、両者の係合関係が分かるようにしても良い。
また、上述の第2の実施の形態では、ガイド溝79および係合突部82は、それぞれ2つずつ設けられているが、ガイド溝79および係合突部82をそれぞれ3つ以上設けて、基体部72とロックキャップ74とを3箇所以上で係合させるようにしても良い。また、上述の第2の実施の形態では、ロック状態では蓋部70が嵌合部材65に対して回動がほとんどできないものとなるが、回動不能としたり、または蓋部70が嵌合部材65に対して一定の力で回動可能となるような構成としても良い。
また、上述の各実施の形態では、液注パイプ20は周方向に回転させられる際は、弱い力で簡単に回転するが、その回転停止位置では停止して位置保持される。この位置保持は、逆に弾性部材49の摩擦力で達成されているが、外壁部46と、管体部16,71の開口端16b,71bとの間の摩擦力で位置保持させるようにしても良い。また、液注パイプ20は、先端が曲がった「への字」状となっているが、90度の直角状に曲げられたものとしたり、90度に曲げられた後、先端が逆方向にさらに90度に曲げられたものなど、他の形状のものとしても良い。
1,60…液体収容装置、2,61…液体収容容器(液体収容物)、3,62…液体吐出具、4…液体、8…キャップ嵌合部(ねじ部)、12…孔道、13…開閉部材、14…排出口、15,70…蓋部、15a…ねじ溝、16,71…管体部、16a…開口部、17…本体部、20…液注パイプ、21…円周溝、26…取手部、40…根元部、41…先端部、42…腕部、46…外壁部、48…円溝、49…弾性部材、53…突出部、65…嵌合部材(取り付け部)

Claims (3)

  1. 液体収容物に設けられたねじ部に係合し、取り付けられる蓋部と、
    前記蓋部に隣接し、前記蓋部の側から流れてくる液体を排出口の側に案内する柱状の孔道を有する管体部と、
    前記管体部に取り付けられ、前記孔道を塞いだり塞がないようにする開閉部材と、
    筒状の根元部と、前記排出口を有する筒状の先端部とを有する液注パイプと、
    を有し、
    前記液注パイプを樹脂製とし、かつ前記先端部は、前記根元部から斜め方向に折れ曲がって伸びる構造とし、
    前記管体部側に設けられた第1係合部位と前記液注パイプの前記根元部側に設けられた第2係合部とを、前記液注パイプの樹脂の撓みを利用して係合させ、前記液注パイプの取り外しを困難にすると共に、前記第1係合部位に案内されて前記液注パイプを周方向に回動可能とし液体のこぼれ落ちを防止可能とし、
    前記開閉部材は、前記孔道を塞いだり塞がないように操作するための取手部を有し、
    前記管体部に取り付けられた前記液注パイプの回動位置を調整できるようにされ、
    前記液注パイプは、液体を排出するときに、前記先端部が、前記取手部が取り付けられている側とは異なる側に向けることが可能とされ、液体を排出後、周方向に回動した後、前記先端部が、液体のこぼれ落ちを防止した状態で保持可能とされている、
    ことを特徴とする液体吐出具。
  2. 液体収容物に設けられた取り付け部に取り付けられる際、回動可能とされ、取り付けられた後は回動しないようにもしくは一定の力を加えることで回動するように構成される蓋部と、
    前記蓋部に隣接し、前記蓋部の側から流れてくる液体を排出口の側に案内する柱状の孔道を有する管体部と、
    前記管体部に取り付けられ、前記孔道を塞いだり塞がないようにする開閉部材と、
    筒状の根元部と、前記排出口を有する筒状の先端部とを有する液注パイプと、
    を有し、
    前記液注パイプを樹脂製とし、かつ前記先端部は、前記根元部から斜め方向に折れ曲がって伸びる構造とし、
    前記管体部側に設けられた第1係合部位と前記液注パイプの前記根元部側に設けられた第2係合部とを、前記液注パイプの樹脂の撓みを利用して係合させ、前記液注パイプの取り外しを困難にすると共に、前記第1係合部位に案内されて前記液注パイプを周方向に回動可能とし液体のこぼれ落ちを防止可能とし、
    前記開閉部材は、前記孔道を塞いだり塞がないように操作するための取手部を有し、
    前記管体部に取り付けられた前記液注パイプの回動位置を調整できるようにされ、
    前記液注パイプは、液体を排出するときに、前記先端部が、前記取手部が取り付けられている側とは異なる側に向けることが可能とされ、液体を排出後、周方向に回動した後、前記先端部が、液体のこぼれ落ちを防止した状態で保持可能とされている、
    ことを特徴とする液体吐出具。
  3. 請求項1または2記載の液体吐出具において、
    前記第1係合部位と前記第2係合部は、突出部または溝を有し、前記第1の係合部位と前記第2の係合部位とが係合するときは、前記突出部と前記溝とは嵌合する、
    ことを特徴とする液体吐出具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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