JP2015231752A - 車両用エンジン懸架装置 - Google Patents

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勝 杉本
亮輔 淺井
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Abstract

【課題】エンジンケースと、車体フレームにおいてエンジンケースを支持する部位との間に形成される隙間の寸法が変動する場合でも車体フレームにエンジンを安定した状態で固定できる構造を、少ない部品点数で実現すると共に、エンジンの車体フレームへの組付工数を削減する。【解決手段】エンジンを車体フレームに懸架するエンジン懸架装置31は、一方のメインフレーム2のエンジン支持部11のボス部15およびエンジンケース22の取付穴24に挿通する懸架ボルト32と、ボルト連結穴38に懸架ボルト32が螺着され、自らが他方のメインフレーム3のエンジン支持部11のボス部16に螺着されるアジャスト部材36とを備え、エンジンケース22とメインフレーム3のエンジン支持部11との間の隙間に応じ、メインフレーム3のエンジン支持部11からのアジャスト部材36の突出量を調整することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動二輪車または鞍乗型車両等において、車体フレームにエンジンを懸架する車両用エンジン懸架装置に関する。
自動二輪車または鞍乗型車両等においては、車体フレームにエンジンを懸架するために、例えば下記の特許文献1に記載されているようなエンジン懸架装置が用いられる。
特許文献1の図12には鞍乗型車両の車体フレームが示され、同文献の図13にはその車体フレームに懸架されるエンジンのクランクケースが示されている。また、同文献の図14には、車体フレームにクランクケースを懸架するのに用いられるエンジン懸架装置が示されている。特許文献1の図14に示すように、エンジン懸架装置は、懸架ボルト、ナットおよびスペーサを備えている。一方、車体フレームの左、右の部位にはそれぞれフレームボスが設けられ、また、エンジンのクランクケースにはケース取付部が設けられ、このケース取付部には左右方向に貫通する穴が形成されている。車体フレームにクランクケースを懸架する際には、懸架ボルトを、車体フレームの一方のフレームボス、クランクケースのケース取付部、スペーサ、および車体フレームの他方のフレームボスに順次貫挿した後、懸架ボルトの先端部にナットを締着する。
クランクケースと他方のフレームボスとの間に設けられるスペーサは、クランクケースと他方のフレームボスとの間の隙間を埋め、両フレームボス間にクランクケースを固定できるようにするために設けられている。スペーサはスリーブ状に形成され、スペーサの内部を懸架ボルトが貫通する。懸架ボルトを、一方のフレームボス、ケース取付部、スペーサ、および他方のフレームボスに貫挿し、懸架ボルトにナットを締着したときに、スペーサを介してクランクケースがフレームボス間に安定した状態で固定されるように、スペーサの長さ寸法は、クランクケースと他方のフレームボスとの隙間の寸法よりもやや小さい寸法に設定されている。
ところが、例えば組付誤差や設計変更等により、クランクケースと他方のフレームボスとの隙間の組付時における寸法が、予定していた寸法よりも長くなることがある。このような場合でも、両フレームボス間にクランクケースを安定した状態で固定できるようにする必要がある。
この要請に応じるために、従来は、スペーサと他方のフレームボスとの間にシムを介在させていた。また、この要請に応じるための別の方法として、特許文献1には、エンジン懸架装置に間隔調整スペーサを追加する発明が記載されている。同文献によれば、間隔調整スペーサは、自らの軸方向の長さを変化させるための構造を備えている。例えば、同文献の図1ないし図3に示されている間隔調整スペーサは、伸縮変形可能なベローズ部を有している。また、同文献の図4および図5に示されている別の間隔調整スペーサは、間隔調整スペーサが2つの部片に分割され、2つの部片を互いに斜めにスライドさせることができる構造を備えている。また、同文献の図6および図7に示されているさらに別の間隔調整スペーサは、間隔調整スペーサが2つの部片に分割され、2つの部片間に変形可能なプラスチックリングが設けられている。
特開平1−249586号公報
しかしながら、上述したようにシムまたは間隔調整スペーサを用いる従来技術には、エンジン懸架装置にシムまたは間隔調整スペーサを追加するために部品点数が増加し、それゆえ、製造コストが上昇するという問題がある。また、上記従来技術には、エンジンの車体フレームへの組付時にシムまたは間隔調整スペーサの取付を要するため、組付工数が増加するという問題がある。
また、上述した間隔調整スペーサは、懸架ボルトにナットを締め付けることにより生じる軸方向の力を軸に垂直な方向の力に変換し、車体フレームにナット締付による応力がかからないようにする構造を備えている。このため、間隔調整スペーサの製造には高精度な加工技術が必要であり、それゆえ、製造コストが上昇するという問題がある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、例えばクランクケースのようなエンジンの外郭を形成するエンジンケースと、例えばフレームボスのような車体フレームにおいてエンジンケースを支持する部位との間に形成される隙間の寸法が変動する場合でも車体フレームにエンジンを安定した状態で固定できる構造を、少ない部品点数で実現することができると共に、エンジンの車体フレームへの組付工数を削減することができる車両用エンジン懸架装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の車両用エンジン懸架装置は、車両の車体フレーム間にエンジンを懸架する車両用エンジン懸架装置であって、一側が前記車体フレームの左、右の部位にそれぞれ設けられた一対の支持部のうちの一方に形成された支持穴と前記エンジンのエンジンケースに形成された取付穴とに挿通され、他側にねじが形成された懸架ボルトと、円柱状に形成され、外周部にねじが形成され、ボルト連結穴を有し、前記ボルト連結穴の内周部にねじが形成され、前記ボルト連結穴が前記懸架ボルトの他側と螺合し、前記外周部が前記一対の支持部のうちの他方に設けられた支持穴と螺合するアジャスト部材とを備え、前記他方の支持部と前記エンジンケースとの間の隙間の大きさに応じ、前記他方の支持部から前記エンジンケースに向けての前記アジャスト部材の突出量を調整することにより、前記車体フレーム間において前記エンジンケースに付与する押圧力を設定することを特徴とする。
この第1の車両用エンジン懸架装置においては、アジャスト部材により、懸架ボルトを、エンジンケースの取付穴に挿通させた状態で車体フレームの両支持部間に接続することができると共に、他方の支持部とエンジンケースとの間の隙間を埋めることができる。これにより、従来技術の間隔調整スペーサのような複雑な構造を有する部材が不要になり、また、懸架ボルトを他方の支持部に固定するためのナットを別途設ける必要がなくなる。したがって、車体フレームにエンジンを安定した状態で懸架する機能を維持しつつ、部品点数の削減による製造コストの抑制、組付工数の削減、または車両の軽量化を図ることができ、また、車両の外観を良くすることができる。
また、本発明の第2の車両用エンジン懸架装置は、上述した本発明の第1の車両用エンジン懸架装置において、前記アジャスト部材の他端側には、工具と嵌合する所定の形状を有する嵌合部が設けられていることを特徴とする。
これにより、エンジンを車体フレームに組み付ける作業において、懸架ボルトの締付の確実性を高めることができると共に、作業性を向上させることができる。
また、本発明の第3の車両用エンジン懸架装置は、上述した本発明の第1または第2の車両用エンジン懸架装置において、前記アジャスト部材の一端側には、拡径し、端面が前記エンジンケースに当接する拡径部が設けられていることを特徴とする。
これにより、アジャスト部材とエンジンケースとの接触面積を大きくすることができるので、エンジンの組付の安定性を高めることができる。
また、本発明の第4の車両用エンジン懸架装置は、上述した本発明の第1ないし第3のいずれかの車両用エンジン懸架装置において、前記アジャスト部材の外周部に螺着することにより、前記他方の支持部から前記エンジンケースに向けての前記アジャスト部材の突出量を固定するロック部材を備えていることを特徴とする。
ロック部材により、アジャスト部材を回転しないように他方の支持部に固定することができるので、アジャスト部材の突出量を正確に定めることができると共に、その突出量を確実に保持することができる。
また、本発明の第5の車両用エンジン懸架装置は、上述した本発明の第1ないし第4のいずれかの車両用エンジン懸架装置において、前記アジャスト部材において、前記ボルト連結穴に形成されたねじの方向と、前記外周部に形成されたねじの方向とが互いに逆であることを特徴とする。
これにより、エンジンを車体フレームに組み付ける作業において、懸架ボルトをアジャスト部材のボルト連結穴へ締め込む際に、懸架ボルトの回転力がアジャスト部材に伝わった場合、他方の支持部からエンジンケースに向けての突出量が増加する方向にアジャスト部材が移動しようとする。したがって、アジャスト部材の突出量を適切に調整してアジャスト部材をエンジンケースに当接させた後に、懸架ボルトを締め付けるようにすれば、この懸架ボルトの締付の際に、アジャスト部材を工具等で保持する必要がなくなる。よって、エンジン組付の作業性を向上させることができる。
本発明によれば、エンジンケースと、車体フレームにおいてエンジンケースを支持する部位との間に形成される隙間の寸法が変動する場合でも車体フレームにエンジンを安定した状態で固定できる構造を、少ない部品点数で実現することができると共に、エンジンの車体フレームへの組付工数を削減することができる。
本発明の実施形態によるエンジン懸架装置が設けられた車体フレームおよびエンジンを示す説明図である。 図1中の矢示II−II方向から見た車体フレーム、エンジンおよびエンジン懸架装置を示す断面図である。 図2中のエンジン懸架装置とその周辺部分を拡大して示す断面図である。 図3中のエンジン懸架装置の一部とその周辺部分を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態によるエンジン懸架装置のアジャスト部材およびロック部材等を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照しながら説明する。図1は車体フレームおよびエンジンを示している。図2は、図1中の矢示II−II方向から見た車体フレームおよびエンジンの断面を示している。
図1または図2において、車体フレーム1は自動二輪車に適用される車体フレームである。車体フレーム1は、左、右に配置された一対のメインフレーム2、3を備えており、各メインフレーム2、3は例えばアルミニウム合金等により形成されている。メインフレーム2、3はそれらの前部で結合され、その結合部の前側にはヘッドパイプ4が設けられている。図示を省略しているが、ヘッドパイプ4にはステアリングシャフトが支持され、ステアリングシャフトの下側にはフロントフォークを介して前輪が懸架され、ステアリングシャフトの上側にはハンドルが取り付けられる。一方、メインフレーム2、3の後部はクロスメンバ5、6により連結され、これにより、車体フレーム1の高い剛性が確保されている。また、メインフレーム2、3の後部下側にはスイングアーム取付部7が設けられている。図示を省略しているが、スイングアーム取付部7にはスイングアームが取り付けられ、スイングアームには後輪が支持される。また、メインフレーム2、3の後部上側にはシートフレーム取付部8が設けられている。図示しないが、シートフレーム取付部8には、シートフレームが取り付けられ、シートフレームの上側にはフロントシートおよびリアシートが設けられる。
また、メインフレーム2の後部の上、下2箇所にはエンジン支持部11、12が設けられている。また、メインフレーム2の前寄りの部分には垂下部9が設けられ、垂下部9にもエンジン支持部13が設けられている。また、メインフレーム3にも、メインフレーム2と同様に、垂下部9およびエンジン支持部11、12、13が設けられている。メインフレーム2に設けられたエンジン支持部11、12、13とメインフレーム3に設けられたエンジン支持部11、12、13とは、それぞれ左右方向において対応する位置に配置されている。自動二輪車のエンジン21は、これらエンジン支持部11、12、13を介して車体フレーム1に支持されている。
また、図2に示すように、メインフレーム2、3のそれぞれのエンジン支持部11には、本発明の実施形態によるエンジン懸架装置31が設けられ、エンジン懸架装置31により、エンジン21が左、右のエンジン支持部11間に懸架されている。
図3は、図2中の本発明の実施形態によるエンジン懸架装置31とその周辺部分を拡大して示している。図4は、図3中のエンジン懸架装置31の一部とその周辺部分をさらに拡大して示している。図5は、エンジン懸架装置31のアジャスト部材36およびロック部材45を示している。なお、図5では、アジャスト部材36およびロック部材45を明示するために、エンジン支持部11を図示していない。
エンジン懸架装置31は、エンジン21を車体フレーム1に懸架するための装置である。図3に示すように、エンジン懸架装置31は、懸架ボルト32、アジャスト部材36、およびロック部材45を備えている。懸架ボルト32、アジャスト部材36、およびロック部材45はいずれも例えば鋼等の金属材料により形成されている。
懸架ボルト32は、長尺な棒状の軸部33と、軸部33の一側(図3中の左側)に設けられた頭部34とを備え、軸部33の他側(図3中の右側)の外周部にはねじ35(図4参照)が形成されている。
アジャスト部材36は、図4または図5に示すように、円柱状に形成されている。また、アジャスト部材36の外周部にはねじ37が形成されている。また、アジャスト部材36には、アジャスト部材36の軸に沿ってボルト連結穴38が形成されている。本実施形態におけるボルト連結穴38は、アジャスト部材36を貫通しており、その結果、アジャスト部材36は筒状の形状を有しているが、ボルト連結穴38は、アジャスト部材36の軸方向一側、すなわちエンジン21と対向する側に開口していればよく、その反対側は閉塞していてもよい。また、ボルト連結穴38の内周部にはねじ39が形成されている。本実施形態において、ねじ39は、ボルト連結穴38の軸方向全長に亘って形成されているが、ボルト連結穴38の内周部において、その軸方向一側の部位にのみねじ39を形成してもよい。また、アジャスト部材36の一端側には、他の部分よりも拡径した拡径部40が設けられ、拡径部40の端面41がエンジン21のエンジンケース22の面に当接している。また、アジャスト部材36の他端側には、工具と嵌合する所定の形状を有する嵌合部42が設けられている。嵌合部42は、例えばレンチと嵌合可能な六角対辺形状に形成されている。
ロック部材45は、例えばナットであり、アジャスト部材36の外周部の他端側に取り付けられている。
また、図3に示すように、エンジン懸架装置31を車体フレーム1側に取り付ける構造として、各メインフレーム2、3のエンジン支持部11にはボス部15、16が形成されている。なお、各ボス部15、16の穴が支持穴の具体例である。また、アジャスト部材36が配置される側のボス部16、すなわち、メインフレーム3のエンジン支持部11のボス部16の内周部にはねじ17(図4参照)が形成されている。
また、エンジン懸架装置31をエンジン21側に取り付ける構造として、エンジン21のエンジンケース22にはケース取付部23が設けられている。ケース取付部23はエンジンケース22を車体フレーム1間に懸架するためのブラケットである。本実施形態において、ケース取付部23はエンジンケース22において3箇所に設けられており、これらケース取付部23は、エンジン支持部11、12、13とそれぞれ対応する位置に配置されている。なお、エンジン支持部12、13に対応する位置に配置されたケース取付部23については図示を省略している。また、図2に示すように、各ケース取付部23には左右方向に貫通する取付穴24が形成されている。なお、エンジンケース22はエンジン21の外郭を形成するものであり、クランクケースおよびシリンダケースを含む。
図3に示すように、エンジン懸架装置31において、懸架ボルト32は、メインフレーム2のエンジン支持部11のボス部15、およびエンジンケース22のケース取付部23の取付穴24に挿通されている。また、懸架ボルト32の頭部34とボス部15の一側(図3中の左側)の端面とは互いに当接しており、両者間に隙間はない。また、ボス部15の他側(図3中の右側)の端面とエンジンケース22の面とは互いに当接しており、両者間に隙間はない。また、アジャスト部材36のボルト連結穴38は懸架ボルト32の他側と螺合し、アジャスト部材36の外周部はメインフレーム3のエンジン支持部11のボス部16と螺合している。また、図4に示すように、メインフレーム3のエンジン支持部11とエンジンケース22との間の隙間の大きさに応じ、メインフレーム3のエンジン支持部11からエンジンケース22に向けてのアジャスト部材36の突出量Pが調整され、これにより、アジャスト部材36の拡径部40の端面41がエンジンケース22の面と当接し、かつメインフレーム2、3のエンジン支持部11間においてエンジンケース22に付与される所定の押圧力が設定されている。また、ロック部材45は、アジャスト部材36の外周部にその他側から螺着され、これにより、メインフレーム3のエンジン支持部11からエンジンケース22に向けてのアジャスト部材36の突出量Pが固定されている。
ここで、懸架ボルト32の軸部33の長さ寸法は、図3に示すようにエンジン懸架装置31をメインフレーム2、3のエンジン支持部11およびエンジンケース22のケース取付部23に取り付けた際に、懸架ボルト32をアジャスト部材36のボルト連結穴38に締着することができ、かつ、懸架ボルト32の他端側がアジャスト部材36のボルト連結穴38から他側(外側)に向けて突出しない寸法に設定することが望ましい。
このような構成を有するエンジン懸架装置31により、エンジン21をメインフレーム2、3のエンジン支持部11間に取り付ける手順は例えば次の通りである。
まず、メインフレーム3のエンジン支持部11のボス部16にアジャスト部材36を螺着させ、アジャスト部材36をボス部16に仮に取り付けておく。
次に、メインフレーム2、3間にエンジン21を配置し、メインフレーム2のエンジン支持部11のボス部15と、メインフレーム3のエンジン支持部11のボス部16に取り付けられたアジャスト部材36のボルト連結穴38と、エンジンケース22のケース取付部23の取付穴24との位置をそれぞれ合わせる。
次に、懸架ボルト32をボス部15および取付穴24に車体フレーム1の一側から他側(図3中の左側から右側)に向けて挿入する。そして、懸架ボルト32の頭部34とボス部15の一側の端面とが互いに当接し、かつボス部15の他側の端面とエンジンケース22の面とが互いに当接するようにエンジン21の左右方向の位置を仮決めする。
次に、アジャスト部材36のボルト連結穴38に懸架ボルト32の他端側を仮締めする。
次に、アジャスト部材36の嵌合部42に工具を取り付け、当該工具により、アジャスト部材36がボス部16に対して図3中の左方向に移動するように、アジャスト部材36を回転させ、アジャスト部材36の拡径部40の端面41をエンジン21のエンジンケース22の面に当接させる。これにより、メインフレーム3のエンジン支持部11とエンジンケース22との間の隙間の大きさに応じ、アジャスト部材36の突出量Pが調整される。
次に、車体フレーム1の他側(図3中の右側)からロック部材45をアジャスト部材36に螺着させ、工具を用いてロック部材45を適切なトルクで締め付け、アジャスト部材36とボス部16との間、およびアジャスト部材36とロック部材45との間に所定の押圧力(軸力)を発生させる。
次に、アジャスト部材36の嵌合部42に工具を取り付け、当該工具によりアジャスト部材36を回転しないように保持する。そして、アジャスト部材36を保持した状態を維持しながら、他の工具を懸架ボルト32の頭部34に取り付け、当該他の工具により懸架ボルト32を適切なトルクで締め付ける。このようにして、懸架ボルト32の頭部34とボス部15との間、ボス部15とエンジンケース22との間、エンジンケース22とアジャスト部材36との間、および懸架ボルト32とアジャスト部材36との間に所定の押圧力(軸力)を発生させる。
ここで、懸架ボルト32を締め付ける際に、アジャスト部材36を保持するのは次の理由による。すなわち、アジャスト部材36を保持しないで懸架ボルト32を締め付けると、懸架ボルト32といっしょに、アジャスト部材36およびロック部材45が回転し、これにより、アジャスト部材36およびロック部材45がボス部16に対して図3中の右方向に移動し、この結果、ロック部材45が緩み、または、一旦定めた突出量Pが小さくなる方向に変化してしまうことがある。このような事態を防止するために、懸架ボルト32を締め付ける際には、アジャスト部材36を回転しないように保持するのである。
本発明の実施形態によるエンジン懸架装置31によれば、個々の製品毎に、または製品の種類によって、エンジンケース22とメインフレーム3のエンジン支持部11との間に形成される隙間の寸法が変動する場合でも、その隙間の寸法に応じてアジャスト部材36の突出量Pを調整することにより、エンジン21をメインフレーム2、3のエンジン支持部11間に安定した状態で固定することができる。
また、エンジン懸架装置31によれば、このようにエンジン21を安定した状態で固定できる構造を少ない部品で実現することができる。すなわち、上述した従来技術によるエンジン懸架装置は懸架ボルト、スペーサ、ナット、および間隔調整スペーサ(またはシム)を有するが、本発明の実施形態によるエンジン懸架装置31は懸架ボルト32、アジャスト部材36、およびロック部材45を有するのみである。したがって、部品点数の削減による製造コストの抑制を図ることができる。また、エンジン懸架装置31を構成する部品が少ないので、エンジン懸架装置31によりエンジン21をメインフレーム2、3のエンジン支持部11間に組み付ける際の工数を削減することができる。
また、アジャスト部材36は、従来技術による間隔調整スペーサと比較し、単純な形状である。すなわち、従来技術による間隔調整スペーサは軸方向の力を軸と垂直な方向の力に変換するための複雑な構造を有しているが、アジャスト部材36はそのような構造を有していない。したがって、高精度な加工技術を採用せずともアジャスト部材36を製造することができ、製造コストを削減することができる。
また、エンジン懸架装置31によれば、懸架ボルト32の軸部33を短くすることができる。すなわち、従来技術では、懸架ボルトを、一方のフレームボス、クランクケースに形成された穴、および他方のフレームボスを貫通させた後、ナットを締着させることができる程度に、懸架ボルトの先端部を、他方のフレームボスから外向きに突出させる必要があるため、これに応じて懸架ボルトの軸部を長く形成する必要がある。これに対し、本発明の実施形態によるエンジン懸架装置31では、メインフレーム3のエンジン支持部11からエンジンケース22に向けてのアジャスト部材36が突出し、その突出したアジャスト部材36に懸架ボルト32が螺着するので、懸架ボルト32の軸部33を短くすることができる。したがって、自動二輪車の重量を軽減することができる。
また、エンジン懸架装置31によれば、メインフレーム3のエンジン支持部11の外観を良くすることができる。すなわち、従来技術では、車体フレームの他方のフレームボスから外向きに懸架ボルトの軸部の先端部が突出しているため、自動二輪車を横から見たときの外観が良くない。これに対し、本発明の実施形態によるエンジン懸架装置31によれば、懸架ボルト32の軸部33の先端部をアジャスト部材36内に埋没させることができ、これにより、自動二輪車を横から見たときの外観を良くすることができる。
また、エンジン懸架装置31において、ロック部材45を設けたことにより、組付時に、ロック部材45によりアジャスト部材36をボス部16に固定し、アジャスト部材36の突出量Pを正確に定めることができ、組付の作業性を向上させることができる。
なお、上述したエンジン懸架装置31のアジャスト部材36において、外周部に形成するねじ37の方向とボルト連結穴38に形成するねじ39の方向とを互いに逆にしてもよい。例えば、アジャスト部材36の外周部に形成するねじ37とメインフレーム3のエンジン支持部11のボス部16に形成するねじ17を左方向のねじ(逆ねじ)とし、ボルト連結穴38に形成するねじ39を右方向のねじ(通常のねじ)としてもよい。なお、この場合、ロック部材45の内周側に形成されたねじを左方向のねじとする。
このように各ねじの方向を設定することにより、エンジン21をメインフレーム2、3のエンジン支持部11間に組み付ける作業において、懸架ボルト32をメインフレーム2のボス部15およびエンジンケース22の取付穴24に挿入し、懸架ボルト32の他端側をアジャスト部材36のボルト連結穴38に仮締めし、続いて、アジャスト部材36の端面41がエンジンケース22の面に当接するようにアジャスト部材36を回転させて突出量Pを調整した後、懸架ボルト32を締め付ける際、アジャスト部材36を工具で保持する必要がなくなる。この結果、エンジン組付の作業性を向上させることができる。
ここで、懸架ボルト32を締め付ける際に、アジャスト部材36を保持する必要のない理由は次の通りである。すなわち、アジャスト部材36のねじ37およびボス部16のねじ17等が逆ねじなので、懸架ボルト32の締付時の回転力がアジャスト部材36およびロック部材45に伝わることにより、アジャスト部材36およびロック部材45はボス部16に対して図3中の左方向に移動しようとする。ところが、アジャスト部材36の端面41はエンジンケース22の面に当接しており、ロック部材45はボス部16に当接しているので、アジャスト部材36およびロック部材45はこれ以上左方向に移動することができない(あるいは、懸架ボルト32の締付に伴い、アジャスト部材36の端面41がエンジンケース22の面に押し付けられる力が増し、または、ロック部材45がボス部16に押し付けられる力が増す)。したがって、懸架ボルト32を締め付ける際に、アジャスト部材36を保持する必要がない。
また、上述したエンジン懸架装置31において、アジャスト部材36に拡径部40を設けなくてもよい。もっとも、拡径部40を設けた方が、アジャスト部材36がエンジンケース22に接触する面積が大きくなるので、アジャスト部材36を介するエンジン21の支持の安定性を高めることができる。
また、上述した実施形態では、エンジン21をメインフレーム2、3のエンジン支持部11間に懸架させるためにエンジン懸架装置31を用いる場合を例にあげたが、エンジン懸架装置31は、エンジン21をメインフレーム2、3のエンジン支持部12または13間に懸架させるためにも用いることができる。
また、上述した実施形態では、エンジン懸架装置31を自動二輪車のエンジン懸架に適用する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らず、他の鞍乗型車両、または他の車両にも適用することができる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両用エンジン懸架装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 車体フレーム
2、3 メインフレーム
4 ヘッドパイプ
5、6 クロスメンバ
7 スイングアーム取付部
8 シートフレーム取付部
9 垂下部
11、12、13 エンジン支持部
15、16 ボス部
17 ねじ
21 エンジン
22 エンジンケース
23 ケース取付部
24 取付穴
31 エンジン懸架装置
32 懸架ボルト
33 軸部
34 頭部
35 ねじ
36 アジャスト部材
37 ねじ
38 ボルト連結穴
39 ねじ
40 拡径部
41 端面
42 嵌合部
45 ロック部材

Claims (5)

  1. 車両の車体フレーム間にエンジンを懸架する車両用エンジン懸架装置であって、
    一側が前記車体フレームの左、右の部位にそれぞれ設けられた一対の支持部のうちの一方に形成された支持穴と前記エンジンのエンジンケースに形成された取付穴とに挿通され、他側にねじが形成された懸架ボルトと、
    円柱状に形成され、外周部にねじが形成され、ボルト連結穴を有し、前記ボルト連結穴の内周部にねじが形成され、前記ボルト連結穴が前記懸架ボルトの他側と螺合し、前記外周部が前記一対の支持部のうちの他方に設けられた支持穴と螺合するアジャスト部材とを備え、
    前記他方の支持部と前記エンジンケースとの間の隙間の大きさに応じ、前記他方の支持部から前記エンジンケースに向けての前記アジャスト部材の突出量を調整することにより、前記車体フレーム間において前記エンジンケースに付与する押圧力を設定することを特徴とする車両用エンジン懸架装置。
  2. 前記アジャスト部材の他端側には、工具と嵌合する所定の形状を有する嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジン懸架装置。
  3. 前記アジャスト部材の一端側には、拡径し、端面が前記エンジンケースに当接する拡径部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用エンジン懸架装置。
  4. 前記アジャスト部材の外周部に螺着することにより、前記他方の支持部から前記エンジンケースに向けての前記アジャスト部材の突出量を固定するロック部材を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用エンジン懸架装置。
  5. 前記アジャスト部材において、前記ボルト連結穴に形成されたねじの方向と、前記外周部に形成されたねじの方向とが互いに逆であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用エンジン懸架装置。
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