JP2015231474A - クッション詰物及びクッション - Google Patents

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Abstract

【課題】非荷重時の形状復元性と荷重時の形状保持性を両立させると共に、丸洗い洗濯や乾燥機での乾燥が可能であり、衛生的に取り扱いできるクッション詰物及びクッションを提供する。
【解決手段】クッション詰物1は、柱状樹脂発泡体2と中空の筒状小片3とを有し、柱状樹脂発泡体の長さは筒状小片の長さよりも大きく、かつ、柱状樹脂発泡体の軸方向に対する垂直平面の最大長さは筒状小片の内径よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明はクッション詰物及びクッションに関するものであり、特に福祉、介護又は医療といった分野で用いられる、使用者の姿勢保持に好適なクッション詰物及びクッションに関する。
従来、ウレタンフォーム等の発泡体素材から形成されたクッションや、袋体に詰物を充填して形成されたクッションが多種提案されており、その用途も一般家庭用から介護用、医療用、福祉用まで多岐に渡っている。一般的にクッションは、(1)使用する体部位への形状追従性(フィット性)が高いこと、(2)使用時の姿勢を保持する形状保持性が高いこと、(3)使用時におけるクッションと当接する体部位との圧接状態が用途に応じた接触圧であること、及び、(4)使用後に初期の状態(非荷重時の状態)に戻る形状復元性が高いこと、の(1)〜(4)が基本性能として求められている。
このうち、医療や介護の分野において使用されるクッションは、一般家庭用クッションとは異なる特殊な用途や条件で使用される場合がある。例えば、被介護者の体位変換時に使用する補助具として近年普及してきた姿勢保持用クッションは、ポジショニングクッション又はポジショニングピローとよばれ、上記(1)〜(4)の基本性能が高いレベルで要求され、特に(3)の接触圧については、体への負担軽減や床ずれ防止の目的から低圧であることが要求される。例えば、特許文献1には、フォーム片と発泡ビーズとを混合した詰め物材を外装材に充填した褥瘡予防用ピローが記載され、この詰め物材を構成するフォーム片と発泡ビーズとを容積比で50:50〜75:25で配合することにより、上記(1)の形状追従性に対応する詰め物材の適度な流動性が得られ、上記(3)の接触圧を低下させることのできるピローが得られることが記載されている。また、特許文献2には、多数の小片によって構成される中材を外袋に収容したクッションが記載され、この小片は弾性を有し、外面に多数の係合部を備えるように構成することにより、上記(1)の形状追従性が高く、上記(2)の形状保持性に対応する変形したままの状態を保持することができるクッションが得られることが記載されている。
また、本出願人は、発泡ビーズとポリエステル綿とを特定の割合で配合した詰物を有するポジショニングクッションを開発し、製造販売している(非特許文献1)。このポジショニングクッションは、この種のクッションに求められる上記(1)〜(4)のいずれの性能をも備えており、床ずれの防止はもちろん、体圧分散の向上や緊張緩和等の効果に優れていることから高い評価を得ている。
特開2010−207440 特開2012−115590
"アルファプラ ウェルピー"、[online]、株式会社タイカ ホームページ、[平成26年6月10日検索]、インターネット<URL:http://www.taica.co.jp/pla/goods/goods03.html>
しかしながら、姿勢保持用クッションに求められる前記(1)〜(4)の性能は、お互いに相反する関係にあるため、その実現は容易ではない。具体的には、特許文献1に記載の褥瘡予防用ピローでは、上記(1)の形状追従性及び(3)の接触圧には優れるが、その詰め物材の一部が発泡ビーズから構成され、その配合量も多いために詰め物材の流動性が高く、上記(2)の形状保持性に関し、改善の余地があった。また、特許文献2に記載のクッションでは、上記(1)の形状追従性及び(2)の形状保持性には優れるが、非荷重時の流動性に乏しく、荷重時の形状がそのまま保持され、元の状態に戻すには振動を加えて塊状となった中材どうしの係合を解除しなくてはならず、その係合の解除も容易ではないという問題があった。それゆえ、上記(4)の形状復元性に関し、改善の余地があった。さらに、本出願人が製造販売するポジショニングクッションも、さらなる性能向上が求められており、特に上記(2)の形状保持性及び(4)の形状復元性という互いに相反する機能をさらに高いレベルで両立することが求められていた。
さらに、医療や介護の分野に限らず、衛生上の観点からクッションの洗濯及び乾燥に対するニーズも高いところ、特許文献1に記載の褥瘡予防用ピローでは、詰め物材を構成する発泡ビーズは水抜けが悪いために通水性が小さく、さらに高温に弱い素材であるために洗濯及び乾燥機での乾燥には対応していないという問題があった。また、本出願人が製造販売するポジショニングクッションも、上述の特許文献1と同様に発泡ビーズを含んでいるため、丸洗い洗濯及び乾燥機での高温乾燥には対応していなかった。
上述したように、姿勢保持用クッションに求められる前記(1)〜(4)の高いレベルでの性能に加え、介護・医療従事者の取り扱い性や、被介護者の使用感すべてを満足しうる姿勢保持用クッションは、未だ提案されておらず、その開発が切望されている。また、上記性能を満足した姿勢保持用クッションが実現できれば、介護・医療用のみならず一般家庭用のクッションへも応用でき、クッションや枕などの産業分野への貢献も期待されている。
本発明は上述した点に鑑み案出されたもので、その目的は、前記(2)の形状保持性と(4)の形状復元性をさらに高いレベルで両立させると共に、前記(1)の形状追従性にも優れ、前記(3)の接触圧も低いクッション詰物及びクッションを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、さらに洗濯や乾燥機での乾燥が可能であり、衛生的に取り扱いできるクッション詰物及びクッションを提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、特に介護・医療用途に好適な姿勢保持用の詰物及びクッションを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のクッション詰物は、柱状樹脂発泡体と中空の筒状小片とを有し、柱状樹脂発泡体の長さL2は筒状小片の長さL3よりも大きく、かつ、柱状樹脂発泡体の軸方向に対する垂直平面の最大長さW2は筒状小片の内径D3よりも大きい。
柱状樹脂発泡体と筒状小片とを上述の長さ及び軸径の範囲として混合することにより、使用者の使用部位に応じた好適な形状になるように流動して追従し、使用者の体にフィットするとともに、使用者の体重や外力が加わったとき(荷重時)には流動し難く、フィットした姿勢を保持することができ、使用者の体重や外力が除かれたとき(非荷重時)には容易に解れて初期の状態に戻りやすいクッション詰物が得られる。また、上述した柱状樹脂発泡体と筒状小片との組合せにより接触圧も低圧であり、使用者の体重や外力をかけた際には詰物の内部と外部とで流動性が変化するため、独特の使用感をもたらすクッション詰物が得られる。また、クッション詰物を構成する柱状樹脂発泡体及び中空の筒状小片は通水性に優れ、水抜けや乾燥が良好であるため、手洗いだけでなく、洗濯機での洗濯も可能である。さらに、これら柱状樹脂発泡体及び筒状小片は通気性に優れるので蒸れ難く、使用感が向上すると共に、特に医療や介護の分野においては、床ずれ防止にも効果的である。
また、本発明のクッション詰物は、柱状樹脂発泡体の長さL2が20〜80mmであり、かつ、長さL2と最大長さW2との比(L2/W2)が2〜10であることが好ましい。柱状樹脂発泡体の長さ及び径を上述の範囲とすることにより、さらに、荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とを高いレベルで両立すると共に、荷重の変化により詰物が流動又は追従する際に独特の使用感をもたらすクッション詰物が得られる。
また、本発明のクッション詰物は、柱状樹脂発泡体の長さL2と筒状小片の長さL3との比(L3/L2)が0.13〜0.5であることも好ましい。これにより、荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性の高いレベルでの両立及び独特の使用感に関し、より好適なクッション詰物が得られる。
また、本発明のクッション詰物は、柱状樹脂発泡体と筒状小片の配合割合が、容積比で1:0.2〜0.6であることも好ましい。この配合割合により、荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とを高いレベルで両立することができ、特に福祉、介護、医療用向けに接触圧をより低圧とすることができるクッション詰物が得られる。また、比重の小さな柱状樹脂発泡体が多く配合されるため、クッション詰物の重量が重くなり過ぎず、適度な重量となるため、取り扱い性が向上する。
また、本発明のクッション詰物は、筒状小片が、合成樹脂で形成された筒状硬質小片と、天然ゴム、合成ゴム又はエラストマーで形成された筒状軟質小片との混合物であることも好ましい。筒状小片の一部である筒状軟質小片は筒状硬質小片よりも小さい滑り性を備えるため、非荷重時の形状復元性は維持しつつ、荷重時の形状保持性をより向上させたクッション詰物が得られる。また、筒状軟質小片は筒状硬質小片よりも高い弾性を備えるため、フィット感や柔軟性も高めたクッション詰物が得られる。
また、本発明のクッション詰物は、筒状小片における筒状硬質小片と筒状軟質小片の配合割合は、容積比で、1:0.15〜2.30であることも好ましい。これにより、このクッション詰物が荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とを両立する好適な配合割合が得られる。
本発明のクッションは、袋体に上述のクッション詰物が、袋体の内容積の50〜90%で充填されている。これにより、使用者の使用部位に応じた好適な形状になるように袋体内のクッション詰物が流動して使用者の体にフィットするとともに、使用者の体重が完全に加わったときには袋体内のクッション詰物が流動し難くフィットした姿勢を保持することができるように詰物が充填されたクッションが得られる。そして、クッションを使用した後には、クッションを持ち上げたり、軽く揺すったりすることにより、袋体内のクッション詰物を容易に解して元の状態に簡単に戻すことができる。また、上述のクッション詰物が充填されたクッションは接触圧も低圧であり、使用者の体重や外力をかけた際にはゆっくりと詰物が流動して使用者の体に追従するため、独特の使用感を有するクッションが得られる。また、クッション詰物を構成する柱状樹脂発泡体及び中空の筒状小片は通水性に優れ、水抜けや乾燥が良好であるため、丸洗い洗濯することができる。さらに、これらクッション詰物は通気性に優れるので蒸れ難く、使用感が向上すると共に、特に医療や介護の分野においては、床ずれ防止にも効果的である。
また、本発明のクッションは、袋体の内面側には、クッション詰物の流動性を抑制する凹凸部が複数形成されていることが好ましい。また、袋体の内面側には、筒状小片の外径以下の開口部が複数形成されていることも好ましい。これらによって、クッション詰物と袋体との接触界面近傍部の接触抵抗を大きくすることができ、それゆえ、荷重時の形状保持性をより高めることができる。また、袋体の内面に施された形状により、独特の使用感が得られる。
また、本発明のクッションは、袋体の外側の少なくとも一部が、通気性を有する第1のシート材で被覆されている構成としてもよい。これにより、本発明のクッションに対し、第1のシート材が備える特性による使用感が付加される。
本発明のクッションは、第1のシート材が、発泡樹脂シート又は立体織物であることも好ましい。これにより、第1のシート材が弾力性及び柔軟性を備えるため、荷重時の使用者の使用部位への密着性が高まり、接触圧が低く、より体圧分散に優れたクッションが得られる。それゆえ、医療、介護分野においては床ずれを防止する効果が得られる。他方、一般用途においては、柔らかさの使用感が向上する。
また、本発明のクッションは、第1のシート材の外側が、通気性を有する第2のシート材で被覆されている構成としてもよい。これにより、本発明のクッションに対し、第2のシート材が備える特性による使用感が付加される。
また、本発明のクッションは、第1のシート材と第2のシート材とが、少なくとも一部で連結されている構成とすることも好ましい。これにより、第1のシート材と第2のシート材とがずれることなく、これらシート材による複合的な使用感を付加することができる。
さらに、本発明のクッションは、褥瘡予防のための姿勢保持に用いられることも好ましい。介護用または医療用の姿勢保持用クッションとして、このクッションを用いることにより、床ずれを予防することができる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有するクッション詰物及びクッションを提供することができる。
(I)本発明のクッション詰物は、荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とを両立することができる。それゆえ、使用者の体重が掛かったときには使用者の体にフィットしたクッション形状を保持して使用者の姿勢を保持し、使用者の体重が除かれたときには、軽くクッションを揺すったり、持ちあげたりすることにより、保持されたクッション形状が解れて初期の状態に容易に戻る。このように、使用者の姿勢保持及び取り扱いのし易さに優れたクッションを提供することができる。
(II)また、本発明のクッション詰物の配合割合を調整することによって、福祉、介護、医療用のクッションに要求される使用時の低接触圧や体圧分散性にも優れるクッションを提供することができる。
(III)通水性に優れているため、洗濯することができ、クッション詰物及びクッションを衛生的に保つことができる。
(IV)通気性に優れているため、体に密着させても蒸れ難く、使用感が良い。特に医療や介護の分野においては、床ずれ防止に効果的である。
(a)本発明の第1の実施形態に係るクッション10を示す斜視図、及び(b)クッション10のA−A線断面を模式的に示す説明図である。 図1に示すクッション詰物の(a)柱状発泡樹脂体2、(b)筒状小片3を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るクッション110の断面を模式的に示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係るクッションの形状例を示す図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態にかかるクッション10は、本発明のクッション詰物1が袋体4の内部に充填されて構成されている。このクッション詰物1は、柱状樹脂発泡体2と中空の筒状小片3とから主に構成されている。
まず、本発明のクッション詰物1を構成する柱状樹脂発泡体2について、説明する。図1(b)及び図2(a)に示すように、本発明における柱状樹脂発泡体2とは、弾性を有する発泡樹脂を柱状に成形したものをいう。この柱状樹脂発泡体2の素材としては、独立気泡型または連続気泡型の弾性を有する発泡樹脂を適用できるが、後述する筒状小片3との絡み易さの観点並びに通水性及び通気性に優れる観点から、連続気泡型の弾性を有する発泡樹脂が好適に用いられる。また、発泡樹脂の発泡セル間に残存するフィルム状の膜を除膜処理して、より通水性及び通気性を高めた発泡樹脂を用いてもよい。なお、独立気泡型の発泡樹脂については、筒状小片3と絡み易くするために、発泡樹脂の表面が筒状小片3との摩擦抵抗が大きい素材が好ましく、また表面に微細な凹凸が形成されていることがより好ましい。さらに、発泡セル間を除膜処理する等して連通させたものを用いることもできる。これらの素材は通水性に優れ、水抜けや乾燥が良好であるため、クッション詰物1は手洗いだけでなく、洗濯機での洗濯も可能とされている。使用される発泡樹脂としては、例えば、軟質ポリウレタンフォーム等の発泡ウレタン樹脂、発泡シリコーン、発泡ゴム又は発泡オレフィン系樹脂等の公知の発泡素材を用いることができる。このうち、通水性及び通気性に優れ、圧縮に対して柔らかく追従し、高い復元性を備える観点から、スポンジのような軟質ポリウレタンフォームが好適に用いられる。また、乾燥機での乾燥時には高温に曝されるため、耐熱温度が80℃〜110℃以上の耐熱発泡樹脂が好ましい。さらに、本発明の柱状樹脂発泡体2の素材として、求められる材料特性としては、クッションの感触や荷重時の形状保持性の観点から、硬度が50〜150N、密度が10〜50kg/m(硬度、密度ともにJIS K6401準拠)の特性が好適である。柱状樹脂発泡体2の素材は、1種類のみであってもよいが、上述した材料特性のものを複数組み合わせて使用することも可能である。
柱状樹脂発泡体2の長さL2は、後述する筒状小片3の長さL3よりも長く(L2>L3)構成されている。なお、図2(a)に示すように、本明細書において柱状樹脂発泡体2の長さL2とは、長手方向(柱形状の軸方向)の両端間の最大長さのことをいい、筒状小片3の長さL3とは、長手方向(筒形状の軸方向)の両端間の最大長さのことをいう。これにより、使用者の荷重が掛かった際のクッション詰物1の流動性を制御し、荷重時の形状保持性を高めることができる。具体的には、柱状樹脂発泡体の長さL2は、クッション詰物1の荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とを両立する観点から、20〜80mmが好ましく、30〜60mmがより好ましい。柱状樹脂発泡体の長さL2を上述の範囲とすることにより、荷重が掛かった際には筒状小片3を柱状樹脂発泡体2で捕捉して、クッション詰物1の流動性を低減させつつ、荷重が除かれた際には後述する筒状小片3による流動性を確保することができる。さらに、この範囲内で柱状樹脂発泡体の軸方向に対する垂直平面の最大長さW2との比や、筒状小片3の長さL3を適宜調整することによって、荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とを所望のバランスに調整できる。なお、クッション詰物1におけるこの柱状樹脂発泡体の長さL2は、一定の長さとしてもよいが、複数の長さのものを組み合わせて使用することも可能である。
また、この柱状樹脂発泡体2の軸方向に対する垂直平面の最大長さW2は、後述する筒状小片3の内径D3よりも大きく(W2>D3)構成されている。なお、図2(a)に示すように、本明細書において、柱状樹脂発泡体2の軸方向に対する垂直平面の最大長さW2とは、長手方向(柱形状の軸方向)に対する垂直断面(軸断面)における周端上の二点間を直線で結んだときの最大長さのことをいい、軸太さが異なるなど垂直断面の大きさが一定でない場合には、垂直断面の最大面と最小面における各最大長さの加算平均値のことをいう。また、筒状小片3の内径D3とは、長手方向(筒形状の軸方向)に対する垂直断面における最大内径のことをいう。これにより、中空の筒状小片3の内部への柱状樹脂発泡体2の入り込みを防止し、クッション詰物1の荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性を両立することができる。柱状樹脂発泡体の軸方向に対する垂直平面の最大長さW2は、その長さL2との比(L2/W2)が、クッション詰物1の荷重時の形状保持性と、非荷重時の形状復元性を両立する観点から、2〜10であることが好ましく、3.75〜7.5であることがより好ましい。柱状樹脂発泡体の長さL2及び最大長さW2を上述の範囲とすることにより、筒状小片3の内部に柱状樹脂発泡体2が収容されることなく、荷重が掛かった際には柱状樹脂発泡体2で筒状小片3を捕捉してクッション詰物1の流動性を低減させつつ、荷重が除かれた際には後述する筒状小片3による流動性を確保することができる。さらに、上述の範囲内で筒状小片3の長さL3を適宜調整することによって、荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とをさらに所望のバランスに調整することができる。なお、クッション詰物1におけるこの柱状樹脂発泡体の最大長さW2は、一定の大きさとしてもよいが、複数の大きさとして組み合わせて使用することも可能である。
柱状樹脂発泡体2の軸断面の形状は、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、その他の多角形、星型又はその他不定形などの形状とすることができる。このうち、軸断面形状を円形とした場合には、柱状樹脂発泡体2どうしの接触抵抗が小さいために流動しやすく、例えば星型などの外周に突出部が形成される形状とした場合には、接触抵抗が大きいために絡みやすく流動し難くなる。そのため、荷重時の形状保持性は保ちつつ、非荷重時の形状復元性を両立するため、後述する筒状小片3との接触抵抗の程度を考慮して、柱状樹脂発泡体2の軸断面の形状を調整することが好ましい。本実施形態においては、柱状樹脂発泡体2の軸断面の形状は略正方形としている。また、この柱状樹脂発泡体2の軸断面の形状は、例えば略正方形など1種類のみであってもよいが、上述した形状のものを複数組み合わせて使用することも可能である。さらに、柱状樹脂発泡体2は、その長手方向に対して、軸断面の形状や垂直断面の大きさ(軸断面の太さ)を変化させた形状としてもよい。
次に、本発明のクッション詰物1を構成する筒状小片3について説明する。図1(b)及び図2(b)に示すように、本発明における筒状小片3とは、中空の筒状に成形された小片のことをいう。この筒状小片3は、上述した柱状樹脂発泡体2と比べて流動性に優れるため、筒状小片3の流動と、筒状小片3の流動を介した柱状樹脂発泡体2の流動との共働によって、主にクッション詰物1の非荷重時の形状復元性が高められると共に、使用時のクッション詰物1の形状追従性(フィット性)にも寄与する。さらに、この筒状小片3はその両端部の開口縁が、柱状樹脂発泡体2や他方の筒状小片3と接触して絡まり易く、または、筒状小片3の両端部の開口縁はクッション詰物1を充填する袋体4の内面等に引掛かり易い。それゆえ、袋体4内において、柱状樹脂発泡体2や筒状小片3が前記接触した部分の接触抵抗によって柱状樹脂発泡体2及び筒状小片3が連なったネットワーク構造が形成され、クッション詰物1の解れやすさや荷重時の流動制御に寄与させることができる。また、筒状小片3は通水性に優れ、水抜けや乾燥が良好であるため、クッション詰物1の洗濯及び乾燥が可能となり、それゆえ、クッション詰物1を衛生的に保つことができる。
筒状小片3の素材としては、合成樹脂、合成ゴム及びエラストマー等が用いられる。具体的には、適度な可撓性及び復元性を有し、クッション詰物1としての弾力性を向上させる筒状小片3が得られる観点から、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、シリコーンゴム等の公知の樹脂系又はゴム系のパイプ状材料を好適に用いることができる。また、乾燥機での乾燥時には高温に曝されるため、耐熱温度が80℃〜110℃以上の耐熱素材が好ましい。筒状小片3の素材は、1種類のみであってもよいが、上述した素材を複数組み合わせて使用することも可能である。
本実施形態においては、図1(b)に示すように、筒状小片3は、素材が異なる筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bとから構成されている。筒状硬質小片3aは、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ナイロン樹脂等の合成樹脂で形成されており、筒状軟質小片3bは、天然ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム又はエラストマーで形成されている。上述の素材で形成された筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bとの特性をみると、合成樹脂で形成された筒状硬質小片3aは外周表面の接触抵抗が小さいために流動性が大きいが、ゴム系素材で形成された筒状軟質小片3bは筒状硬質小片3aよりも外周表面の接触抵抗がやや大きいために流動性が小さい。それゆえ、筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bとを組み合わせることにより、非荷重時の形状復元性は維持しつつ、荷重時の形状保持性をより向上させたクッション詰物1が得られる。また、筒状軟質小片3bは筒状硬質小片3aよりも高いゴム弾性を備えるゴム系素材で形成され、荷重に応じて筒状軟質小片3b自身が変形及び復元できるため、フィット感や柔軟性も高めたクッション詰物1が得られる。このように、筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bとを組み合わせることにより、筒状小片3の流動性、さらにはクッション詰物1の流動性を調整することができる。
これら筒状小片3の長さL3は、前述した柱状樹脂発泡体2の長さL2よりも短く(L2>L3)構成されている。これにより、使用者の荷重が掛かった際のクッション詰物1の流動性を制御し、荷重時の形状保持性を高めることができる。また、筒状小片3の長さL3は、前述した柱状樹脂発泡体2の長さL2との比(L3/L2)が、クッション詰物1の荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とを両立する観点から、0.13〜0.5であることが好ましく、0.17〜0.33であることがより好ましい。これにより、低荷重のときには柱状樹脂発泡体2の間を筒状小片3が流動し易く、荷重が掛かったときには、柱状樹脂発泡体2が筒状小片3を捕捉して、クッション詰物1の形状保持性をより高めることができる。なお、クッション詰物1におけるこの筒状小片3の長さL3は、一定の長さとしてもよいが、複数の長さのものを組合せたり、筒状小片3を構成する筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bとで異なった長さを選択することも可能である。
また、この筒状小片3の内径D3は、前述した柱状樹脂発泡体2の最大長さW2よりも小さく(W2>D3)構成されている。これにより、中空の筒状小片3の内部への柱状樹脂発泡体2の入り込みを防止し、クッション詰物1の荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とを両立することができる。筒状小片3の内径D3は、具体的には、3〜8mmであることが好ましく、4〜6mmであることがより好ましい。筒状小片3の内径D3を上述の範囲とすることにより、中空の筒状小片3の内部に柱状樹脂発泡体2が収容されることなく、荷重が掛かる前には筒状小片3による流動性を確保しつつ、荷重が掛かった際には柱状樹脂発泡体2で筒状小片3を捕捉して、クッション詰物1の流動性を低減させることができる。また、クッション詰物1におけるこの筒状小片3の内径D3は、一定の大きさとしてもよいが、複数の大きさのものを組合せたり、筒状小片3を構成する筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bとで異なった大きさを選択することも可能である。なお、筒状小片3の内径D3を複数の大きさとする場合には、筒の軸断面形状を変化させる等して、一方の筒状小片3の筒内に他方の筒状小片3が入り込まないようにすることが好ましい。
筒状小片3の軸に対する垂直断面の形状は、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、その他の多角形、星型又はその他不定形などの形状とすることができる。本実施形態においては、筒状小片3の軸断面の形状は略円径としている。また、この筒状小片3の軸断面の形状は、例えば略円径など1種類のみであってもよいが、上述した形状のものを複数組み合わせて使用することも可能である。さらに、筒状小片3は、その長手方向に対して、軸断面の形状や垂直断面の大きさ(軸断面の太さ)を変化させた形状としてもよい。
本発明のクッション詰物1において、柱状樹脂発泡体2と筒状小片3の配合割合は、容積比で1:0.2〜0.6であることが好ましく、1:0.4〜0.5であることがより好ましい。これにより、荷重時の形状保持性と非荷重時の形状復元性とを両立し、好適な配合割合のクッション詰物1が得られる。また、筒状小片3よりも比重の小さな柱状樹脂発泡体2が多く配合されることにより、クッション詰物1の重量が重くなり過ぎず、適度な重量となるため、取り扱い性が向上する。
また、クッション詰物1において、配合された筒状小片3のうち、筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bとの配合割合は、容積比で、1:0.15〜2.30であることが好ましく、1:0.4〜0.5であることがより好ましい。これにより、非荷重時の形状復元性は維持しつつ、荷重時の形状保持性をより向上させた配合割合のクッション詰物1が得られる。また、フィット感や柔軟性も向上したクッション詰物1が得られる。
なお、上記配合割合における柱状樹脂発泡体2及び筒状小片3(筒状硬質小片3a、筒状軟質小片3b)の各容積は嵩容積によるものであり、重量Mを嵩密度Dで除した値である。ここでいう嵩密度Dとは、柱状樹脂発泡体2又は筒状小片3等の測定対象物を押さえ込まないで所定容器に充填した状態での嵩密度のことをいう。嵩密度Dは、具体的には以下の方法で求める。まず、1リットルの容積を有する容器(典型的には円筒状容器)をタッピング(上下に振動:前記容器底面を平坦な台の表面から50mmの高さにセットし、自然落下にて、容器底面が平坦な台にほぼ均等に接触するように落下させる操作を5回繰り返し)しながら該容器に測定対象物を充填する。次に、該容器に充填された測定対象物の総重量を測定し、該重量を容積で除して得られた密度(g/1000cm;小数点第三位を切り捨て)を求める。この測定を10回行い、平均値(小数点第三位を切り捨て)を嵩密度Dとする。
図1に示すように、本実施形態のクッション10は、袋体4と上述のクッション詰物1とから主に構成されている。本発明のクッション詰物1の有する作用効果を発揮させるため、クッション10においては、クッション詰物1が、袋体4の内容積の50〜90%で充填されていることが好ましく、60〜80%で充填されていることがより好ましい。この範囲で本発明のクッション詰物1が袋体4に充填されることにより、袋体4の内部において、荷重が掛かる前は、適度な流動性を有する筒状小片3が、絡みあった柱状樹脂発泡体2の複合体を解すなどして、クッション10の形状を容易に変化させることができる。他方、荷重が掛かった際には、柱状樹脂発泡体2どうしが接近して絡みあうことにより、筒状小片3を捕捉してその流動性を抑制しつつ、柱状樹脂発泡体2自身の流動性も減じることによって、クッション10の形状を保持させる。なお、袋体4の内容積とは、袋体4に詰物を充填した場合の最大容積のことをいい、袋体4が伸縮性素材で形成されている場合には、非伸張状態での最大容積のことをいう。また、このようにして形成されたクッション10は、クッション詰物1を構成する柱状樹脂発泡体2及び中空の筒状小片3が通水性に優れ、水抜けや乾燥が良好であるため、丸洗い洗濯することができ、衛生的である。また、これらクッション詰物1は通気性に優れるので蒸れ難く、使用感が向上したクッション10が得られる。
図1(b)に示すように、クッション10を構成し、クッション詰物1を充填する袋体4は、樹脂シート、不織布又は布等の公知の素材で形成されるが、洗濯や乾燥を可能とする観点から、通気性を有する素材であることが好ましい。また、これらの素材は伸縮性を備えていてもよいし、非伸縮性素材であってもよい。さらに、図1(b)に示すように、袋体4はその内面側、すなわち、充填されたクッション詰物1と接触する面側に、クッション詰物1の流動性を抑制する凹凸部41が複数形成されていることが好ましい。または、図3に示すように、袋体40の内面側に開口部42が筒状小片30の外径以下の大きさで複数形成されていることが好ましい。これらによって、充填されたクッション詰物1と袋体4との接触界面近傍部の接触抵抗を大きくすることができ、それゆえ、荷重時の形状保持性をより高めることができる。また、クッション10に力を掛けた際に、最初に袋体4の接触界面近傍部の流動性が低下するため、クッション10の外殻形状を残しつつ、内部のクッション詰物1が流動してクッション10の形状が変形し、次にクッション10内部のクッション詰物1の流動が荷重の増加に伴い徐々に低下することにより、クッション10の形状が保持されるという多段的な変形挙動が付加され、独特の使用感が得られる。上述した袋体4内面の凹凸部41としては、特に限定されないが、例えば、内面に凹凸状の織りパターンやゴム系の微細ドットを施すことにより形成される。また、図3に示す袋体40内面の開口部42としては、袋体40の内面側の適所に細孔を形成する加工をしたり、メッシュやネット状素材を袋体40の内面側に適用することにより形成される。なお、図3に示すように袋体40に開口部42を形成した場合、当該開口部42は、筒状小片30の外径以下であることから、クッション詰物10は袋体42から漏れ出すことなく、使用することが可能である。
図3に記載されているように、本発明の第2の実施形態のクッション110は、本発明のクッション詰物10を充填した袋体40と、その袋体40を被覆する第1のシート材50と、さらに第1のシート材50を被覆する第2のシート材60とから主に構成されている。本実施形態のクッション詰物10に関する構成及び作用効果は、上述した第1の実施形態のクッション詰物1と同様である。本実施形態においては、第1のシート材50が、袋体40の外側の少なくとも一部を被覆し、クッション110に第1のシート材50に由来する使用感やさらなる体圧分散性を付加する。第1のシート材50は、洗濯や乾燥を可能とする観点から、通気性を有する素材であることが好ましく、さらには、使用感や体圧分散性をより向上させる観点から、発泡ウレタン等の発泡樹脂シート又はダブルラッセル等の立体織物であることが特に好ましい。これにより、第1のシート材50が弾力性及び柔軟性を備えるため、荷重時の使用者の使用部位への密着性が高まり、ソフトな使用感や低い接触圧、体圧分散に優れたクッション110が得られる。このうち、発泡樹脂シートとしては、床ずれ防止用マットレスやクッションに適用されている公知の発泡樹脂素材を使用することが可能であり、通水性及び通気性に優れる観点から、連続気泡型の弾性を有する発泡樹脂素材が好適に用いられる。また、発泡樹脂の発泡セル間に残存するフィルム状の膜を除膜処理して、より通水性及び通気性を高めた発泡樹脂素材を用いてもよい。さらに、発泡樹脂素材の厚みや硬度などは、用途に合わせて適宜選択することができる。他方、立体織物としては、ダブルラッセルが好適に用いられ、所望のソフト感や体圧分散に応じて厚みや形状を適宜選択することができる。第1のシート材50の形状は、クッションの用途によって適宜設定され、例えば、袋体40の一部分、例えば中央部分のみを被覆する形状とすることも可能であるが、介護用・医療用の姿勢保持用クッションの場合には、取り扱い性等の観点から、ほぼ袋体40に沿って弛みが生じない程度の大きさで袋体40全体を被覆した袋状とすることが好ましい。
図3に示すように、本実施形態のクッション110は、前述した第1のシート材50の外側が、さらに第2のシート材60で被覆されている。第2のシート材60は、通気性を有する素材であり、クッション110に第2のシート材60に由来する機能を付加するものである。第2のシート材60の機能としては、特に限定されないが、例えば、撥水性、抗菌性、防滑性、防汚性、静電気防止性、遠赤外線放射性、吸湿発熱性、蓄熱性、放熱性、冷感付与、紫外線遮蔽、肌触りの向上、ドライ感付与、防ダニ性、花粉付着防止性又は消臭などが挙げられる。第2のシート材60の形状は、クッションの用途によって適宜設定されるが、介護用・医療用の姿勢保持用クッションの場合には、取り扱い性等の観点から、袋体40及びその上に被覆された第1のシート材50に沿って弛みが生じない程度の大きさで、袋体40及びその上に被覆された第1のシート材50を被覆した袋状のカバーとすることが好ましい。なお、第2のシート材60の素材としては、上述の機能を備えた公知の生地を用いることができ、伸縮性又は非伸縮性のいずれの生地でも適用可能であるが、クッション110及びその内部の第1のシート材50の形状変化に追従可能な伸縮性の生地とすることが好ましい。このように第2のシート材60を伸縮性生地とした場合には、クッション詰物10が充填された袋体40と、これを覆う柔軟な第1のシート材50及び第2のシート材60との相乗的な使用感が実現され、あたかも袋体40とクッション詰物10とから構成される部分が筋肉、第1のシート材50が皮下脂肪、第2のシート材60が皮膚のように機能して、柔軟で伸縮自在な人体の感触を模した使用感が期待できる。この構成においては、袋体40について伸縮性が小さい素材を選択することにより、上記の使用感が顕著となる。
また、本実施形態においては、第1のシート材50と第2のシート材60とが、少なくとも一部で連結されていることが好ましい。具体的には、第1のシート材50の外面側と、第2のシート材60の内面側との少なくとも一部について、縫製や接着、溶着などによって連結させることが挙げられる。これにより、第1のシート材50と第2のシート材60とのズレによる使用感の低下や、荷重をかけてクッション110を変形させた際に第2のシート材60が弛み、不要な皺となって使用感が低下するなどの現象を防止することができる。さらに連結の範囲や連結パターンにより、機械的な特性がクッション110に付加されるため、独特の使用感をクッション110に施すことができる。
本発明のクッション詰物1及びクッション10、110は、枕や抱き枕としても応用することが可能である。また、クッションとしては、一般用、医療用、介護用及び福祉用など何れにも適用できるが、その荷重時の姿勢保持性と非荷重時の形状復元性とを両立する観点から、特に介護用の姿勢保持用クッションとして好適である。また、図4(a)〜(f)に示すように、クッションの形状は、略正方形状、略正方形状にステッチを施した形状、ブーメラン形状、くさび形状、柱形状等の用途に応じた好適な形状とすることができ、本発明のクッションの構成とすることで、如何なる形状でも本発明の作用効果を得ることができる。
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。以下の実施例及び比較例における効果の評価方法は、下記の通りである。
(1)形状復元性
クッションを袋体の片側にクッション詰物を偏らせた状態とし、クッション詰物全体を覆うように袋体の外側から50kgの荷重を5分間掛けたのち除圧した。その後、手でクッションを揺らしながら袋体全体に詰物を分散させたときの、作業時間の長さによって評価した。評価基準は、5秒以内に均等に分散された場合を「◎」、5秒超〜10秒以内に均等に分散された場合を「○」、10秒超〜20秒以内に均等に分散された場合を「△」、20秒経過後も、袋体の中で塊となって偏った状態だった場合を「×」とした。
(2)形状保持性
背上げ式ベッドにウレタンマットレス(株式会社タイカ製品、製品名:αPLAすくっと(登録商標))を敷いて45度に背上げした状態で、被験者(170cm、55kg)の背中と前記マットレスの間にクッションを挟んで自然に寄りかかったときの形状を初期形状とし、その後2分間継続して寄りかかったときの形状変形の具合を目視で確認すると共に被験者の姿勢がクッションにより保持されているか官能評価した。評価基準は、試験時間内を通じて形状変形が見られず、しっかりとした保持感があった場合を「◎」、形状変形は見られないが、経時的にクッション詰め物が動くように感じられた場合を「○」、若干の形状変形が見られるが、一定の位置でクッション詰め物の流動が止まった場合を「△」、クッション詰め物が流動しすぎて容易に形状変形した場合を「×」とした。
(3)形状追従性
背上げ式ベッドにウレタンマットレス(株式会社タイカ製品、製品名:αPLAすくっと(登録商標))を敷いて45度に背上げした状態で、被験者(170cm、55kg)の背中と前記マットレスの間にクッションを挟んで自然に寄りかかったとき、背中とクッションとの接触状態を目視で確認し、隙間無く接触している場合を「○」、隙間が生じている場合を「×」とした。
(4)使用感(接触圧)
上述の(2)形状保持性の評価において、接触圧の高低に起因する使用感を官能評価した。評価基準としては、体に柔らかくクッションが接触し保持されていると感じた場合を「○」、体に接触するクッションが硬く感じた場合を「×」とした。
[実施例1]
1.柱状樹脂発泡体の検討
以下の手順で、本実施例のクッションを調製し、効果の評価を行った。柱状樹脂発泡体2として、発泡ウレタン素材であって、断面形状が略正方形であり、長さL2が15mm、最大長さW2が8mm、嵩密度が20kg/mのものを選択した。筒状硬質小片3aとしては、ポリプロピレン素材であって、断面形状が略円形であり、長さL3aが10mm、内径D3aが5mm、厚さ((外径−内径)/2)が0.25mm、嵩密度が95kg/mのものを選択した。また、筒状軟質小片3bとして、オレフィン系エラストマー素材(株式会社小川コルマ社製「V−エラストパイプ」相当)であって、断面形状が略円形であり、長さL3bが10mm、内径D3bが5mm、厚さ((外径−内径)/2)が0.25mm、嵩密度が100kg/mのものを選択した。容積37800cmの袋体4に、これらを容積で柱状樹脂発泡体2を366g(18300cm)、筒状硬質小片3aを526g(5537cm)及び筒状軟質小片3bを237g(2370cm)入れて封をし、本実施例のクッション10とした。
[実施例2〜7]
実施例1における、柱状樹脂発泡体2の長さL2及び最大長さW2を、表1の通り変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜7のクッションをそれぞれ得た。得られた各クッションを用いて、効果の評価を行った。
実施例1〜7の結果を表1に示す。
Figure 2015231474
表1に示すように、柱状樹脂発泡体2の長さL2を変えて評価試験を行った結果、長さL2が20〜80mmであり、長さL2と最大長さW2との比(L2/W2)が2〜10である場合に、形状保持性及び形状復元性の両立に優れることがわかった。また、このときの柱状樹脂発泡体の長さL2と筒状小片の長さL3との比(L3/L2)は0.13〜0.5であった。
[実施例8〜11]
2.筒状小片の配合の検討
実施例4における、筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bとの配合を表2の通り変更した以外は、実施例4と同様にして、実施例8〜11のクッションをそれぞれ得た。得られた各クッションを用いて、効果の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2015231474
表2に示すように、筒状小片3を構成する筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bの配合比率を変えて評価試験を行った結果、筒状硬質小片3aと筒状軟質小片3bの配合割合は、容積比で、1:0.15〜2.30である場合に、形状保持性及び形状復元性の両立に優れることがわかった。
[実施例12〜15]
3.クッション詰物の充填割合の検討
実施例4における、柱状樹脂発泡体2、筒状硬質小片3a及び筒状軟質小片3bの配合を表3の通り変更し、袋体4の容積に対するクッション詰物1の割合を変更した以外は、実施例4と同様にして、実施例12〜15のクッションをそれぞれ得た。得られた各クッションを用いて、効果の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2015231474
表3に示すように、クッション詰物1の袋体4への充填率を変えて評価試験を行った結果、クッション詰物1が袋体4の内容積の50〜90%で充填されている場合に、形状保持性及び形状復元性の両立に優れることがわかった。
[実施例16〜19]
4.クッション詰物(柱状樹脂発泡体、筒状硬質小片及び筒状軟質小片)の配合の検討
実施例4における、柱状樹脂発泡体2、筒状硬質小片3a及び筒状軟質小片3bの配合を表4の通り変更した以外は、実施例4と同様にして、実施例16〜19のクッションをそれぞれ得た。得られた各クッションを用いて、効果の評価を行った。結果を表4に示す。
[実施例20]
5.柱状樹脂発泡体の形状の検討
実施例4における、柱状樹脂発泡体2の断面形状を略円形状とし、その最大長さW2(直径)を5.1とした以外は、実施例4と同様にして、実施例20のクッションを得た。得られたクッションを用いて、効果の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2015231474
表4に示すように、クッション詰物1を構成する柱状樹脂発泡体2と筒状小片3の配合比率を変えて評価試験を行った結果、柱状樹脂発泡体2と筒状小片3の配合割合が、容積比で1:0.2〜0.6である場合に、形状保持性及び形状復元性の両立に優れることがわかった。
[比較例1]
6.柱状樹脂発泡体の長さL2<筒状小片の長さL3の検討
実施例2について、表1に示す筒状硬質小片の長さL3a及び筒状軟質小片の長さL3bを10mmから30mmに変更し、L2<L3とした以外は実施例2と同様にして比較例1のクッションを得た。得られたクッションを用いて、効果の評価を行った。結果を表5に示す。
[比較例2]
7.柱状樹脂発泡体と発泡ビーズとの組み合わせの検討
実施例4について、表1に示す筒状小片に代えて、ポリスチレン発泡ビーズ(株式会社古川商店製、商品名ペアレビーズ(登録商標)、直径1〜5mmの混合系)を用いた。袋体に表5に示すように、柱状樹脂発泡体2と発泡ビーズとを組み合わせたクッション詰物を充填し、比較例2のクッションを得た。得られたクッションを用いて、効果の評価を行った。結果を表5に示す。
[比較例3]
8.不定形樹脂発泡体と筒状小片の組み合わせの検討
実施例4について、表1に示す柱状樹脂発泡体2に代えて、同じ素材の発泡体を30mm角以下にランダムに破砕した不定形チップとした以外は実施例4と同様にして、比較例3のクッションを得た。得られたクッションを用いて、効果の評価を行った。結果を表5に示す。
[比較例4]
9.柱状樹脂発泡体のみを用いたクッション詰物の検討
実施例4について、表1に示す柱状樹脂発泡体2のみを530g(26500cm)用いて袋体に充填(充填率69.3%)した以外は実施例4と同様にして、比較例4のクッションを得た。得られたクッションを用いて、効果の評価を行った。結果を表5に示す。
[比較例5]
10.筒状小片のみを用いたクッション詰物の検討
実施例4について、表1に示す筒状小片の混合物のみを26500cm用いて袋体に充填(充填率69.3%)した以外は実施例4と同様にして、比較例5のクッションを得た。得られたクッションを用いて、効果の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2015231474
表5に示すように、上記各実施例と比較例1とを比較すると、柱状樹脂発泡体の長さL2が前記筒状小片の長さL3よりも小さい場合には、形状保持性が低下し、形状保持性及び形状復元性との両立ができないことがわかった。このことから、柱状樹脂発泡体の長さL2は前記筒状小片の長さL3よりも大きいことが必須条件であることが示された。また、比較例2〜5に示すクッションは、従来の詰め物を適用したクッションであるところ、これら比較例と本発明にかかる実施例のクッションとを比較すると、本発明のクッションは、形状保持性及び形状復元性との両立という作用効果に優れていることが示された。
本発明は、上記の実施形態又は実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態も技術的範囲に含むものである。
1、11 クッション詰物
10、110 クッション
2、20 柱状樹脂発泡体
3、30 筒状小片
3a、30a 筒状硬質小片
3b、30b 筒状軟質小片
4、40 袋体
41 凹凸部
42 開口部
50 第1のシート材
60 第2のシート材
70 連結部
L2 柱状樹脂発泡体の長さ
L3 筒状小片の長さ
W2 柱状樹脂発泡体の軸方向に対する垂直平面の最大長さ
D3 筒状小片の内径

Claims (9)

  1. 柱状樹脂発泡体と中空の筒状小片とを有し、
    前記柱状樹脂発泡体の長さL2は前記筒状小片の長さL3よりも大きく、かつ、前記柱状樹脂発泡体の軸方向に対する垂直平面の最大長さW2は前記筒状小片の内径D3よりも大きいことを特徴とするクッション詰物。
  2. 前記柱状樹脂発泡体の長さL2が20〜80mmであり、かつ、長さL2と前記最大長さW2との比(L2/W2)が2〜10であることを特徴とする請求項1に記載のクッション詰物。
  3. 前記柱状樹脂発泡体の長さL2と前記筒状小片の長さL3との比(L3/L2)が0.13〜0.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクッション詰物。
  4. 前記柱状樹脂発泡体と前記筒状小片の配合割合が、容積比で1:0.2〜0.6であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のクッション詰物。
  5. 前記筒状小片が、合成樹脂で形成された筒状硬質小片と、天然ゴム、合成ゴム又はエラストマーで形成された筒状軟質小片との混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクッション詰物。
  6. 前記筒状小片における前記筒状硬質小片と前記筒状軟質小片の配合割合は、容積比で、1:0.15〜2.30であることを特徴とする請求項5に記載のクッション詰物。
  7. 袋体に請求項1〜6のいずれか1項に記載のクッション詰物が、該袋体の内容積の50〜90%で充填されていることを特徴とするクッション。
  8. 前記袋体の内面側には、前記クッション詰物の流動性を抑制する凹凸部が複数形成されていることを特徴とする請求項7に記載のクッション。
  9. 前記袋体の内面側には、前記筒状小片の外径以下の開口部が複数形成されていることを特徴とする請求項7に記載のクッション。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018033861A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 パネフリ工業株式会社 クッション品およびその製造方法

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