JP6055130B2 - 詰め物及びこれを用いたクッション又はマットレス - Google Patents

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Description

本発明は袋体に充填して用いられる詰め物及びそれを用いたクッション又はマットレスに関するものであり、特に福祉、介護又は医療といった分野において、使用者の姿勢支持のためのクッション又はマットレスに用いられる詰め物に関する。
従来から袋体に詰め物を充填して形成されたクッションや枕、マットレス等の身体支持具が多種提案されている。一般的に、この種の身体支持具には、使用者の身体部位にフィットして支持することに加えて、使用者の姿勢を安定的に支持する機能が求められる。つまり、使用前には、身体支持具の使用形状を自由に調整できるように内部の詰め物が容易に解れ、低荷重使用時(使用者の身体部位と接触して詰め物に負荷される荷重が徐々に増加する過程)には、身体部位にフィットするように袋体内部を詰め物が適度に移動し、高荷重使用時(所望の姿勢となる荷重状態となったとき)には、使用者の姿勢が安定的に支持されるように詰め物が移動せずに形状を保持することが重要である。それゆえ、身体支持具に用いる詰め物としては、使用前には解れ易く、かつ使用時初期には身体部位の隙間を埋めてフィットするための「流動性」と、姿勢を安定的に支持するための「形状保持性」とを備えることが求められる。それにもかかわらず、この「流動性」と「形状保持性」という機能は、お互いに相反する関係にあるため、その実現は容易ではない。例えば、特許文献1には、詰め物として、低反発弾性を有する発泡ポリウレタンからなるチップ部材を用いたクッションが開示され、接触し合った各チップ同士が非常にずれにくいので、長期間に亘って同一形状を保持することができる旨記載されている。しかしながらこのチップ部材は、接触し合った各チップ同士がずれずに係合した状態を保持するために「流動性」は備えておらず、使用者の身体部位形状に応じた身体支持具としての変形機能に乏しいため身体部位にフィットし難く、また使用時のチップが絡み合った形状が保持されるため、別の身体部位に使用する際に使用前の状態に戻す(解す)のが困難という問題があった。
そこで、上述のような問題を解消するべく、特許文献2には、フォーム片と発泡ビーズとを容積比で50:50〜75:25で配合した詰め物材及びこの詰め物材を充填したピローが開示され、上記構成とすることにより詰め物材の適度な流動性が得られることが記載されている。また、特許文献3には、柔軟性を有し、表面を平滑に形成した球体に、シリコン等の潤滑剤を塗布して油滑性を付与した球体詰め物が開示され、この構成によって、球体どうしの接触抵抗を小さくすることができ、ケース内部の多数の球体の移動を滑らかにできることが記載されている。
特開2003−275064号公報 特開2010−207440号公報 特開平08−131306号公報
しかしながら、特許文献2に記載の詰め物材は、フォーム片と発泡ビーズという異なる2種類の構成材料から構成されているため、継続して使用するにつれて、構成材料の大きさや比重の違い等により、袋体内部で各材料が分離して偏在するようになり、適度な流動性が得られなくなるという問題があった。また、詰め物材を充填したピローを洗濯した際にも、詰め物材がフォーム片と発泡ビーズ片とに分離してしまうため、適度な流動性が得られなくなるという問題があった。さらに、特許文献3に記載の球体詰め物は、球体材料の外周に潤滑剤が塗布されて構成されているため、洗濯によって潤滑剤が流失し、その効果が失われるという問題があった。
本発明は上述した点に鑑み案出されたもので、その目的は、安定した「流動性」及び「形状保持性」を備える詰め物及びこれを用いたクッションやマットレスを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、特に介護・医療用途に好適な姿勢保持用の詰め物及びクッションやマットレスを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の詰め物は、互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域を有する小片を備えている。この小片どうしが比較的低い接触圧状態で接触した際、接触部分が摩擦係数の小さい表面領域どうしであった場合には小片と小片は係合せずに容易に解れて流動する。また、接触部分が摩擦係数の小さい表面領域と摩擦係数の大きい表面領域とであった場合にも、摩擦係数の大きい表面領域どうしの接触に比べると、小片と小片は係合し難いため、解れて流動しやすい。一方、小片同士が大きい接触圧状態で接触した際には、隣接する各小片の摩擦係数の大きい表面領域どうしの接触による摩擦力が支配的となり、小片と小片は係合した形状を保持する。このように、互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域を有する小片を備えた詰め物を構成することにより、安定した流動性と形状保持性を備えた詰め物を得ることができる。なお、本明細書において「異なる摩擦係数」とは、同じ方法及び条件にて測定された静摩擦係数の値が異なることを意味する。静摩擦係数の測定方法としては、特に限定されないが、一例として、JIS K7125又はJIS P8147による測定方法が挙げられる。また、静摩擦係数の測定は、小片の各表面領域を直接測定してもよいし、小片の各表面領域を構成する素材の材料片を用いて測定してもよい。小片の各表面領域を直接測定する方法において、被測定表面が曲面等の場合には、3Dモーション型摩擦測定器(例えば、株式会社トリニティーラボ製 ハンディーラブテスターTL701)によって測定できる。
また、本発明の詰め物は、小片の互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域が、異なる素材を複合して構成されていることが好ましい。これにより、異なる素材を組み合わせることにより、上述の小片における異なる摩擦係数を有する複数の表面領域を容易に得ることができる。
また、本発明の詰め物の小片は、柔軟性を有する芯材と、芯材の一部の表面に芯材とは異なる素材を積層して形成された滑り調整層とを備えており、芯材の表面の摩擦係数と、滑り調整層の表面の摩擦係数とが異なるように構成されていることも好ましい。小片が柔軟性を有する芯材から形成されているため、接触圧が低圧でフィット感に優れた詰め物が得られる。また、芯材の一部の表面に芯材とは別の素材を積層させて滑り調整層を得ることにより、互いに異なる摩擦係数の表面領域として、芯材自体の表面領域と滑り調整層からなる表面領域が容易に得られる。このとき、芯材表面の摩擦係数と滑り調整層表面の摩擦係数との間には大小関係が生じているため、小片どうしが比較的低い接触圧状態で接触した際、摩擦係数の小さい表面領域どうしの接触部分は、他の接触部分に比べて摩擦係数が小さくて係合し難いため、小片と小片は容易に解れて流動する。また、接触部分が摩擦係数の小さい表面領域と摩擦係数の大きい表面領域とであった場合にも、摩擦係数の大きい表面領域どうしの接触に比べると、小片と小片は係合し難いため、解れて流動しやすい。一方、小片同士が大きい接触圧状態で接触した際には、隣接する各小片の摩擦係数の大きい表面領域どうしの接触による摩擦力が支配的となり、小片と小片とが係合した形状を保持する。このように、互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域を有する小片を備えた詰め物を構成することにより、安定した流動性と形状保持性を備えた詰め物を得ることができる。芯材の表面の摩擦係数と滑り調整層の表面の摩擦係数の大小関係は、芯材の表面が滑り難い性質の場合には、滑り調整層の表面の摩擦係数を芯材表面よりも小さくなるように構成して滑り調整層の表面を滑りやすくすればよく、芯材の表面が滑りやすい性質の場合には、滑り調整層の表面の摩擦係数を芯材表面よりも大きくなるように構成して滑り調整層の表面を滑り難くすればよい。なお、本明細書における摩擦係数の大小関係とは、同じ方法及び条件にて測定された静摩擦係数について大小関係があることを意味している。
また、本発明の詰め物の小片の滑り調整層は、摩擦係数が互いに異なる複数の素材から構成されていることも好ましい。摩擦係数の異なる素材を芯材の表面にそれぞれ積層させることにより、滑り調整層として、互いに異なる摩擦係数を有する複数の表面領域が容易に得られる。この場合、小片は、芯材自体の表面領域と滑り調整層の複数の表面領域とを有することとなり、各滑り調整層の摩擦係数を細かく調整することができるため、所望の流動性と形状保持性を得ることができる。
また、本発明の詰め物における滑り調整層の素材は、表面摩擦異方性を有することも好ましい。表面摩擦異方性とは、方向によって摩擦係数が異なる性質のことをいう。これによって、詰め物の形状保持性と流動性のバランスをより好適に調整できる。例えば、芯材の表面の摩擦係数が大きく滑りにくい場合において、滑り調整層には表面の摩擦係数が小さい素材が選択されるが、低荷重使用時には、滑り調整層の表面のうち、摩擦係数が小さい方向の滑動作用によって詰め物に優れた流動性が付与される。さらに、高荷重使用時には、小片が全体として密接したときに芯材の表面どうしが接近して係合する作用に加えて、滑り調整層の表面のうち、摩擦係数が大きい方向の摩擦作用による係合も生じ、形状保持性をより確実にすることができる。
さらに、小片の芯材は柔軟性を有する軟質樹脂発泡体を有しており、滑り調整層の素材は樹脂フィルム、編物シート、織物シート、不織布シート、金属箔、紙、樹脂発泡体及び塗料からなる群より選択される少なくとも1種の素材であることも好ましい。これにより、本発明の詰め物の小片を構成する素材として好適なものが選択される。芯材が軟質樹脂発泡体から形成されているため、軽量で取り扱いがし易い詰め物が得られる。また、樹脂発泡体の一部の表面にこの樹脂発泡体とは表面の摩擦係数が異なる素材を積層させて滑り調整層を得ることにより、流動性と形状保持性とを実現する互いに異なる摩擦係数の表面領域が容易に得られる。
さらに、小片の芯材は、柔軟性を有する軟質樹脂発泡体と、軟質樹脂発泡体とは硬度、密度又は反発係数が異なる樹脂発泡体又は硬質素材とが積層されて形成されていることも好ましい。芯材を複数の素材を用いて形成することにより、芯材自体の硬度や反発係数を調整することができるため、体圧分散作用やフィット感を向上させる等して詰め物の機能をさらに高めたり、使用感を向上させることができる。
また、本発明の詰め物の小片は、硬質の芯材と、芯材の一部の表面に芯材と異なる素材を積層して形成された滑り調整層とを備えており、芯材の表面の摩擦係数よりも、滑り調整層の表面の摩擦係数が大きくなるように構成されている。小片が硬質の芯材から形成されることにより、へたりや沈み込みが少なく、しっかりした感触の詰め物が得られる。この芯材の一部の表面に芯材とは異なる別の素材を積層させて滑り調整層を得ることにより、互いに異なる摩擦係数の表面領域として、芯材自体の表面領域と滑り調整層からなる表面領域が容易に得られる。このとき、芯材の表面の摩擦係数よりも、滑り調整層の表面の摩擦係数の方が大きくなるように構成されていることから、小片どうしが接触した際の接触部分が、滑り調整層の表面領域どうしであった場合には小片と小片とは係合した形状を保持するが、芯材の表面領域どうしであった場合には小片と小片とは係合せずに流動する。このように、互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域を有する小片を備えた詰め物を構成することにより、安定した流動性と形状保持性を備えた詰め物を得ることができる。
さらに、上述した小片の芯材が硬質樹脂発泡体からなり、滑り調整層の素材が樹脂フィルム、編物シート、織物シート、不織布シート、金属箔、紙、樹脂発泡体及び塗料からなる群より選択される少なくとも1種の素材であることが好ましい。これにより、本発明の詰め物の小片を構成する素材として好適なものが選択される。芯材が硬質樹脂発泡体から形成されているため、軽量で取り扱いがし易い詰め物が得られる。また、樹脂発泡体の一部の表面にこの樹脂発泡体よりも表面の摩擦係数が大きい素材を積層させて滑り調整層を得ることにより、流動性と形状保持性とを実現する互いに異なる摩擦係数の表面領域が容易に得られる。
また、上述した小片は、硬質又は軟質の芯材と、この芯材の一部の表面に芯材と異なる素材を積層して形成された第1の滑り調整層と、第1の滑り調整層が形成されていない芯材の表面に芯材及び第1の滑り調整層と異なる素材を積層して形成された第2の滑り調整層とを備えており、第1の滑り調整層の表面の摩擦係数よりも、第2の滑り調整層の表面の摩擦係数が小さくなるように構成されていることも好ましい。芯材の表面全体が第1及び第2の滑り調整層で覆われるため、芯材の耐久性が向上すると共に一定の柔らかさが付与される。このとき、第1の滑り調整層の表面の摩擦係数よりも、第2の滑り調整層の表面の摩擦係数が小さくなるように構成されていることから、小片どうしが接触した際の接触部分が、第1の滑り調整層の表面領域どうしであった場合には小片と小片とは係合した形状を保持するが、第2の滑り調整層の表面領域どうしであった場合には小片と小片とは係合せずに流動する。このように、互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域を有する小片を備えた詰め物を構成することにより、安定した流動性と形状保持性を備えた詰め物を得ることができる。
また、上述の小片の芯材が硬質樹脂発泡体からなり、第1の滑り調整層及び第2の滑り調整層の各素材が樹脂フィルム、編物シート、織物シート、不織布シート、金属箔、紙、樹脂発泡体及び塗料からなる群より選択される少なくとも1種の素材であることも好ましい。これにより、本発明の詰め物の小片を構成し、表面領域の摩擦係数を調整する素材として好適なものが選択される。
本発明の詰め物は、小片の互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域が、互いに異なる表面状態、表面形状又は表面面積を有する同一の素材から構成されている。これにより、本発明の詰め物における、小片の互いに異なる摩擦係数の表面領域は、同一素材の表面状態、表面形状又は表面面積を調整することにより容易に得ることができる。
本発明の詰め物の小片の互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域の組合せは、同一の素材からなる粗面と研磨面又は同一の素材からなる発泡層とスキン層であることも好ましい。これにより、同一の素材から構成される異なる摩擦係数を有する複数の表面領域の組合せとして、好適なものが選択される。
本発明のクッション又はマットレスは、通気性を有する袋体と、この袋体内に収容された上述の詰め物とを備えている。これにより、体の部位形状に適した形状に容易に調整できるとともに、使用時に安定したフィット性及び形状保持性を有するクッション又はマットレスが得られる。
また、本発明のクッション又はマットレスは、詰め物の充填率が、50〜90%(容積率)であることも好ましい。これにより、体の部位形状に適した形状に容易に調整できるとともに、使用時に安定したフィット性及び形状保持性を有するクッション又はマットレスの好適な充填率が選択される。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する詰め物及びこれを用いたクッション又はマットレスを提供することができる。
(1)複数種類の構成材料からなる詰め物と異なり、1種類の構成材料(小片)そのものが流動性と形状保持性を備えているため、使用の度に構成材料が分離することがなく、安定した流動性と形状保持性が得られる。
(2)詰め物を構成する小片は、芯材に一定の摩擦係数を有する素材を積層することにより形成されているため、詰め物を洗濯しても流動性及び形状保持性に影響しない。
(3)小片の表面領域の摩擦係数を適宜調整することができるため、クッションやマットレスの用途や使用者の嗜好に合わせて流動性や形状保持性を調整することができる。
(4)小片の摩擦係数の異なる表面領域間の面積比率や芯材の形状を調整することによって、クッションやマットレスの用途や使用者の嗜好に合わせて流動性や形状保持性を調整することができる。
(5)詰め物が安定した流動性と形状保持性を有しているので、体の部位形状に適した形状に容易に調整できるとともに、使用時に安定したフィット性及び形状保持性を有するクッション又はマットレスを提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る詰め物100及び小片1を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る小片1の他のバリエーション例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る詰め物101の小片11を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る小片11の他のバリエーション例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る詰め物102の小片12を示す正面図である。 本発明の第4の実施形態に係る詰め物103の小片13を示す正面図である。 本発明の第5の実施形態に係る詰め物104の小片14を示す正面図である。 本発明の他の実施形態に係るクッションの形状例を示す図である。 実施例において滑り調整層として用いた表面摩擦異方性を有する素材B−1の編目形態を示す表面拡大写真である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態にかかる詰め物100の小片1は、扁平な直方体状に形成された芯材4の天面及び底面が滑り調整層5で覆われて構成されている。よって、芯材4の天面及び底面以外の外周面は芯材4の表面4aが現れた状態となっている。この芯材4の表面4aからなる第1の表面領域2と滑り調整層5の表面からなる第2の表面領域3とは、互いに異なる摩擦係数を有するように構成されている。
まず、本実施形態にかかる詰め物100を構成する小片1の芯材4について、説明する。芯材4は、柔軟性を有する素材を小片状に成形して構成されている。柔軟性を有する素材としては、特に限定されないが、素材表面の摩擦係数が比較的大きい観点から、軟質樹脂発泡体、軟質ゲル様樹脂、軟質ゴム類、わた又は海綿等が好ましく、詰め物100を軽量にすることができ、取り扱いも容易な観点から、軟質樹脂発泡体が特に好ましい。ここで、本明細書における軟質樹脂発泡体とは、50%圧縮後開放し、厚みの減少率が10%未満(ISO TC61/WG10[FRANCE−28]205準拠)であるものをいい、半硬質樹脂発泡体も含まれる。また、その他ゲルやゴム、エラストマー等の素材について「軟質」とは、JIS A硬度60未満のものをいう。軟質樹脂発泡体のうちウレタン発泡体等又は軟質ゲル様樹脂や軟質ゴム類などの摩擦係数が比較的大きく柔軟な素材を芯材4として用いると、接触圧が低圧でフィット感に優れると共に、小片1どうしが接触した際に小片1が互いに係合し、詰め物100の形状保持性に寄与する。他方、軟質樹脂発泡体のうちオレフィン系発泡体(例:ポリエチレン発泡体等)のように、柔軟であるが摩擦係数が比較的小さい素材を芯材4として用いると、接触圧が低圧でフィット感に優れると共に、小片1どうしが接触した際に小片1が解れやすく、詰め物100の流動性に寄与する。
本実施形態における芯材4は、柔軟性を有する素材として軟質樹脂発泡体を用いている。軟質樹脂発泡体としては、使用感や体圧分散性、使用後の形状復元性に優れる観点から、弾性を有する独立気泡型または連続気泡型の樹脂発泡体が好適に用いられる。このうち、小片1どうしの係合性(詰め物100の形状保持性)を高める観点並びに洗濯時の通水性及び通気性に優れる観点から、連続気泡型の弾性を有する樹脂発泡体が特に好適に用いられる。なお、発泡樹脂の発泡セル間に残存するフィルム状の膜を除膜処理して、より通水性及び通気性を高めた発泡樹脂を用いてもよい。さらに、独立気泡型の発泡樹脂については、滑り調整層5の表面よりも芯材の表面4aの摩擦係数を大きく構成することにより小片1どうしの係合性を高める場合には、樹脂発泡体の表面の摩擦係数が大きい素材が好ましく、また表面に微細な凹凸が形成されていることがより好ましい。また、滑り調整層5の表面よりも芯材の表面4aの摩擦係数を小さく構成することにより小片1どうしの流動性を高める場合には、樹脂発泡体の表面の摩擦係数が小さい素材が好ましい。さらに、発泡セル間を除膜処理する等して連通させたものを用いることもできる。これらの素材は通水性に優れ、水抜けや乾燥が良好であるため、詰め物100について、洗濯機による洗濯も可能となる。使用される発泡樹脂としては、例えば、軟質ポリウレタンフォーム等の発泡ウレタン樹脂、発泡シリコーン、発泡ゴム又は発泡オレフィン系樹脂等の公知の発泡素材を目的や構成に応じて用いることができる。このうち、滑り調整層5の表面よりも芯材の表面4aの摩擦係数を大きく構成する際には、発泡体表面の摩擦係数が大きく、圧縮に対して柔らかく追従し、高い復元性を備え、さらに通水性及び通気性にも優れている観点から、スポンジのような軟質ポリウレタンフォームが好適に用いられる。他方、滑り調整層5の表面よりも芯材の表面4aの摩擦係数を小さく構成する際には、表面の摩擦係数が小さい樹脂発泡体として、ポリエチレンフォーム等が好適に用いられる。また、いずれの構成においても、乾燥機での乾燥時において高温に曝される場合には、耐熱温度が80℃〜150℃以上の耐熱樹脂発泡体が好ましい。
芯材4の形状としては、本実施形態では、やや扁平な直方体形状に形成されているが、図2に示すように、(a)立方体状、(b)円柱状、(c)球状のほか、円錐状、角柱状、多角形状又は不定形状とすることができる。このうち、後述するように、芯材4の表面4aに滑り調整層5を積層させて小片1を得るにあたり、製造が容易な観点から、特に直方体形状、立方体状、円柱状及び球状が好ましい。また、芯材4の大きさとしては、大きすぎると流動性と使用感を低下させ、小さすぎると詰め物全体の表面積が増加するので、流動性と形状保持性を低下させる場合があることから、適度な大きさであることが好ましい。本実施形態にかかる芯材4は、10mm×10mm×6mmに設計されている。
次に、上述した芯材4の一部を被覆する滑り調整層5について説明する。図1に示すように、本実施形態における滑り調整層5は、芯材4の天面及び底面を芯材4と異なる素材で積層することにより形成されている。この滑り調整層5は芯材の表面4aの所定部分にシート状素材を熔融(フレームラミネート)、熱溶着、接着剤、ホットメルト等で固着するか、固化状態において滑り調整層として機能する塗料やコーティング剤を塗布し乾燥又は硬化することにより形成され、芯材4と一体となるように構成されている。これにより、本実施形態にかかる詰め物100の小片1は、芯材4自体の表面4aからなる第1の表面領域2と滑り調整層5の表面からなる第2の表面領域3とを有する。この滑り調整層5の表面の摩擦係数は、芯材の表面4aの摩擦係数と異なるように調整されている。これにより、小片1は、摩擦係数が大きく係合性を備える表面領域と、摩擦係数が小さく流動性を備える表面領域とを併せ持つこととなるため、詰め物100は、負荷される荷重に応じた流動性と形状保持性をバランスよく発揮する。滑り調整層5の表面の摩擦係数としては、本発明の効果が得られる範囲において芯材の表面4aの摩擦係数と異なっていれば特に限定されないが、芯材の表面4aよりも滑り調整層5の表面の摩擦係数を小さく構成する場合には、静摩擦係数μとして芯材の表面4aの静摩擦係数μに対して80%以下が好ましく、60%以下がさらに好ましく、50%以下であることが特に好ましい。また、芯材の表面4aよりも滑り調整層5の表面の摩擦係数を大きく構成する場合には、静摩擦係数μとして芯材の表面4aの静摩擦係数μに対して125%以上が好ましく、165%以上がさらに好ましく、200%以上であることが特に好ましい。
本実施形態における滑り調整層5の素材としては、芯材4の表面4aの一部を被覆することができ、その表面の摩擦係数が所望の値、すなわち、芯材4の表面4aの摩擦係数と異なる摩擦係数を備えるものが選択される。素材としては、シート状素材だけでなく、乾燥又は硬化後に所望の摩擦係数が得られる塗料やコーティング剤といった液状素材も使用することができる。シート状素材としては、そのシート表面の摩擦係数が所望の値のものであれば、特に限定されないが、具体的には、不織布、織物、編物、金属箔、樹脂フィルム、樹脂発泡体及び紙等が挙げられる。これらを構成する樹脂材料としては、ナイロン、ポリオキシメチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、発泡ポリウレタン等が好適に用いられる。また、これらの樹脂にシリカなどの防滑フィラーを添加して摩擦係数を大きくした材料を適用してもよいし、摩擦係数が大きい樹脂で形成されたシートの表面にフッ素被覆処理したものや、硫化モリブデン等の滑剤を配合して摩擦係数を小さくした複合材料を適用してもよい。また、袋体内部で小片1が動く際に生じる静電気を除去し、詰め物100の流動性を向上させる観点から、金属箔又は導電性を有する化合物や組成物を積層して組み合わせた樹脂フィルムを用いることができる。さらに、不織布、織物、編物又は多数の小孔が形成されたメッシュ(網目)パターン構造のシートを滑り調整層5に用いることにより、詰め物100に通気性を付加することができる。本実施形態においては、ナイロン繊維の経編生地を滑り調整層5の素材として用いている。経編生地は伸縮性を有するため、荷重により芯材4が圧縮又は復元する際に芯材4の形状に追従する。それゆえ、詰め物100をクッション等に充填して使用した場合のフィット性や使用感に優れるとともに、芯材4から滑り調整層5が剥離しにくく、両者をより一体化することができる。
さらに、滑り調整層5は、表面摩擦異方性を有する素材を適用してもよい。摩擦異方性を有する素材で滑り調整層5を形成することにより、滑り調整層5の表面について、接触圧の影響を受けない摩擦方向(低摩擦方向)と、接触圧の増加に伴って摩擦係数が大きくなる作用を有する摩擦方向(高摩擦方向)とを併せ持つ構造とすることができ、滑り調整層5からなる第2の表面領域3に、荷重の大きさと方向に応じた小片1どうしの係合性と滑り性を付与することができる。表面摩擦異方性の特性(摩擦係数の変化割合)は、特に限定しないが、同じ素材どうしを擦り合わせた際における、低摩擦方向どうしでの静摩擦係数μに対する高摩擦方向どうしでの静摩擦係数μの比が、1.5以上が好ましく、2.5以上がより好ましい。この表面摩擦異方性は、一例として、その表面に方向性を有する微細な凹凸やリブ等が形成されることにより得られる。例えば、摩擦異方性を備えた滑り調整層5の表面がストライプ状に微細な凹凸溝を有している場合には、この凹凸溝が交差する状態で滑り調整層5どうしが接触しているときには、摩擦係数は小さく、接触圧の影響も小さいが、この凹凸溝が交差せず平行となる状態で接触しているときには、対向する凹凸構造が噛み合うため摩擦係数が大きくなり、接触圧が大きくなるほど噛み合いが強くなって摩擦係数が大きくなる。この凹凸構造やリブ構造は、滑り調整層5の素材シート面にスリット加工して形成してもよいし、滑り調整層5の素材に編物を採用した場合には、編みパターンを調整して形成してもよい。また、芯材の表面4aの異なる部分に、表面摩擦異方性を有する複数の滑り調整層5を設ける場合には、各滑り調整層5の表面摩擦異方性の方向を同じにしてもよいし、異ならせてもよい。例えば、図1の構成において、天面と底面にそれぞれ被覆された滑り調整層5の表面摩擦異方性方向を同じにしてもよいし、正面視交差するようにしてもよい。なお、滑り調整層5が表面摩擦異方性を有する構成とした場合には、滑り調整層5の表面は摺動する方向によって異なる摩擦係数を有することとなるが、芯材の表面4aの摩擦係数と滑り調整層5の表面の摩擦係数の関係としては、滑り調整層5の表面の少なくとも一方向の摩擦係数が芯材の表面4aの摩擦係数と異なっていればよく、それにより本発明の効果が得られる。
芯材4に積層される滑り調整層5の厚さは、芯材の表面4aの摩擦係数と異なる摩擦係数の表面領域が形成されれば特に限定されず、薄膜やシート状素材のような比較的薄いものだけでなく、例えば芯材4の厚み程度まで厚いものでもよい。また、滑り調整層5が厚い場合、その側面の状態が表面とは異なったものを用いて、滑り調整層5に摩擦係数が異なった複数の面を形成してもよい。さらに、後述する互いに異なる摩擦係数を有する複数の滑り調整層5を設ける場合に、それぞれの厚みを異ならせてもよい。
滑り調整層5は、本実施形態では、直方体状に形成された芯材4の対向する面(天面及び底面)の全体に形成されているが、特にこれに限定されず、芯材4の一部の表面に形成されればよい。なお、滑り調整層5を形成するにあたっては、芯材4の形状、芯材4の表面4aの摩擦係数、滑り調整層5の表面の摩擦係数及び滑り調整層5の面積等を考慮し、詰め物100の所望の流動性及び形状保持性が得られるよう、調整することができる。本実施形態では、芯材4の面のうち面積が大きい天面及び底面に滑り調整層5を形成しており、滑り調整層5の面積が芯材の表面4aよりも大きい。そのため、滑り調整層5の表面の摩擦係数が芯材の表面4aの摩擦係数よりも小さい場合には、詰め物100の流動性が大きくなり、摩擦係数の大小関係が逆の場合には、詰め物100の形状保持性が大きくなる。一例として、図2には、芯材2の形状を変化させた場合の滑り調整層5のパターンを示している。(a)には、立方体形状の芯材4と、芯材4の6面のうち、天面のみに滑り調整層5が形成された小片1が示されている。また、(b)には、円柱形状の芯材4と、この円柱の胴部外周に滑り調整層5が形成された小片1が示されている。この場合、円柱の天面及び底面に芯材4の表面4aが表れている。さらに(c)には、球状の芯材4と、球の球面中央部に帯状の滑り調整層5が形成された小片が示されている。このように、芯材4の一部の表面に滑り調整層5をさまざまなパターンで設けることが可能である。なお、図2(a)の構成においては、芯材4を滑り調整層、滑り調整層5を芯材と位置づけてもその作用効果は同じであるので、どちらを芯材として位置づけてもよい。
また、本実施形態では、滑り調整層5は、同一のシート状素材が芯材4の天面と底面とに積層されているため、天面と底面の滑り調整層5の表面の摩擦係数は同一であるが、互いに異なる摩擦係数を有する複数の滑り調整層5を有するように小片1を構成することも有効である。一例として、摩擦係数の異なるシート状素材を2種類準備し、一方のシート状素材を芯材4の天面に、もう一方のシート状素材を底面に貼り付けることにより、摩擦係数が互いに異なる複数の滑り調整層5を備えた小片1が得られる。これにより、滑り調整層5の滑り性、すなわち、詰め物100の流動性及び形状安定性を細かく調整することが可能となる。なお、複数の滑り調整層5は2種類に限定されず、3種類以上設けることも可能である。また、上記に示した例のように、多角形形状の芯材4の各面ごとに1種類の滑り調整層5を形成するだけでなく、同一面内に複数種類の滑り調整層5を形成することも可能である。
小片1は、滑り調整層5の素材がシート状素材である場合には、芯材4の素材と滑り調整層5の素材とを、フレームラミネート加工、熱溶着や接着剤、ホットメルト等により貼り合わせすることにより、容易に得ることができる。製造効率の観点より、例えば、図1に示す小片1を製造する際には、小片1よりも大きい薄板状の芯材4の素材の天面及び底面に滑り調整層5の素材を貼り合わせた後、所定のサイズに切断又は抜き加工することにより、一度に大量の小片1を容易に得ることが可能である。また、図2(b)に示す小片1を製造する際には、小片1よりも長い棒状の芯材4の素材の胴部外周に滑り調整層5の素材を貼り合わせた後、所定のサイズに切断すればよい。さらに、滑り調整層5の素材が塗料やコート剤など液状素材である場合には、芯材4の一部の表面を塗料やコート剤に浸漬させ、硬化又は乾燥処理を施すことにより、容易に塗料やコート剤による滑り調整層5が形成された小片1を得ることができる。
本実施形態の詰め物100の小片1は、芯材の表面4a(両側面、正面及び背面)と滑り調整層5の表面とが異なる摩擦係数であり、このうち、摩擦係数が大きい表面領域が係合性を有し、摩擦係数が小さい表面領域が滑り性を有する。それゆえ、詰め物100は、負荷される荷重に応じた形状保持性及び流動性を備えるように構成されている。この詰め物100をクッション等の袋体に充填して使用した場合について、滑り調整層5の表面の摩擦係数が芯材の表面4aの摩擦係数よりも小さい構成を例に説明すると、荷重が掛かる前は、小片1どうしが接近しても、滑り性を有する滑り調整層5により小片1と小片1とは係合し難く、詰め物100は比較的自由に袋体の内部を流動して、袋体の形状を使用者の体の部位に合わせて容易に変化させることができる。他方、荷重が掛かった際には、詰め物100の小片1は全体として密接することとなり、その結果、芯材4の表面4aどうしが接近して係合するため、袋体の形状を保持させる。このとき、芯材4は柔軟性を有する素材から形成されているため、詰め物100自体は自由に変形し、使用者の体の部位にフィットすると共に、使用部分への接触圧も少なく、良好な使用感が得られる。さらに、荷重が除かれたときには、袋体を軽く揺すったり、持ちあげたりすることにより、滑り性を有する滑り調整層5が作用し、保持された形状が流動し解れて初期の状態に容易に戻る。このように、使用者の姿勢保持及び取り扱いのし易さに優れた詰め物100が得られる。なお、滑り調整層5の表面の摩擦係数が芯材の表面4aの摩擦係数よりも大きい構成の場合には、上記の説明において、滑り調整層5と芯材4の表面4aの役割が入れ替わる。さらに、表面摩擦異方性を有する滑り調整層5を用いた場合には、低荷重使用時には、滑り調整層の表面のうち摩擦係数が小さい方向の滑動作用によって詰め物に流動性が付与され、高荷重使用時には、小片1が全体として密接することから、滑り調整層の表面のうち摩擦係数が大きい方向の摩擦作用による係合が生じ、形状保持性が付与される。
なお、本実施形態の詰め物100には、上述した小片1のほか、小片1の作用効果を失わない範囲において、小片1と異なる構成の小片を含有させることも可能である。例えば、芯材の表面4aよりも小さい摩擦係数の滑り調整層5を有した小片と、芯材の表面4aよりも大きい摩擦係数の滑り調整層5を有した小片とを混合してもよい。この場合においても、摩擦係数が大きい表面領域どうしの接触が小片1の係合性(詰め物100の形状保持性)に寄与し、摩擦係数が小さい表面領域どうしの接触が小片1の滑り性(詰め物100の流動性)に寄与して、本発明の効果を発揮する。また、後述する他の実施態様の小片11〜14と組み合わせた詰め物100を得ることも可能である。
次に、第2の実施形態に係る詰め物101の小片11について説明する。図3に示すように、本実施形態に係る詰め物101の小片11は、直方体状に形成された芯材41の天面及び底面が滑り調整層51で覆われて構成されており、芯材41は第1の芯材410と第2の芯材411の2種類の素材が上下に積層されて構成されている。よって、芯材41の天面及び底面以外の外周面は第1の芯材の表面410aと第2の芯材の表面411aが現れた状態となっている。このうち、第1の芯材の表面410aからなる第1の表面領域21と滑り調整層51の表面からなる第2の表面領域31とは、互いに異なる摩擦係数を有するように構成されている。以下、本実施形態の小片11について、上述した第1の実施形態に係る詰め物100の小片1と異なる構成を中心に説明する。
本実施形態にかかる詰め物101を構成する小片11の芯材41について、図3を参照しつつ説明する。芯材41は、第1の芯材410と、第2の芯材411の2種類の素材が上下に積層されて構成されている。芯材410の素材としては、詰め物101を軽量にすることができ、取り扱いも容易な観点から、軟質樹脂発泡体が好適に用いられる。軟質樹脂発泡体としてウレタン発泡体などのように、摩擦係数が比較的大きく柔軟な素材を芯材として用いることにより、接触圧が低圧でフィット感に優れると共に、小片11どうしが接触すると互いに係合し、詰め物101の形状保持性に寄与する。他方、軟質樹脂発泡体のうちオレフィン系発泡体(例:ポリエチレン発泡体等)のように、柔軟であるが摩擦係数が比較的小さい素材を芯材410として用いると、接触圧が低圧でフィット感に優れると共に、小片11どうしが接触した際に小片11が解れやすく、詰め物101の流動性に寄与する。本実施形態における第1の芯材410の素材や厚みに関するその他の説明は、上述した第1の実施形態の芯材4の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
次に、芯材41を構成する第2の芯材411について説明する。第2の芯材411の素材としては、上述した第1の芯材410とは素材、硬度、密度又は反発係数が異なる樹脂発泡体か、硬質素材が用いられる。樹脂発泡体を第2の芯材411として用いる際には、硬質樹脂発泡体や低反発樹脂発泡体などが好適に用いられる。また、硬質素材を第2の芯材411として用いる際には、木又はゴム類が好適に用いられる。ここで、本明細書における硬質樹脂発泡体とは、50%圧縮後開放し、厚みの減少率が10%以上(ISO TC61/WG10[FRANCE−28]205準拠)であるものをいう。また、その他ゴムやエラストマー等の素材について「硬質」とは、JIS A硬度60以上のものをいう。このように、軟質樹脂発泡体と他の素材を積層させて芯材41を形成することにより、小片11の反発力や形状変化の挙動を調整できるため、好みのフィット性や独特の感触の詰め物101を得ることができる。また、第2の芯材の表面411aの摩擦係数は、第1の芯材の表面410aの摩擦係数と同程度でも異なっていてもよく、特に限定されない。
芯材41の形状としては、本実施形態では、第1の芯材410と、第2の芯材411の2種類の素材が上下に積層された直方体形状に形成されているが、図4に示すように、(a)多層(3層)構造、(b)円柱状のほか、球状、円錐状、角柱状、多角形状又は不定形状とすることができる。多層構造とする際には、図4(a)に示すように、第1の芯材410で第2の芯材411を挟みこむことにより、芯材41自体の柔軟性はそのままに、小片11の硬度や反発係数をより詳細に調整することが可能となり、詰め物101の体圧分散作用やフィット感を様々に調整し向上させることができる。また、図4(b)に示すような円柱状を選択した際にも、コア部分を第2の芯材411とし、その周囲を第1の芯材410とすることにより、上述と同様の作用が得られる。なお、多層構造とする際には、第2の芯材として複数種類の素材を適宜組合せて用いることも可能である。例えば、最上層に軟質樹脂発泡体からなる第1の芯材410、中間層に硬質樹脂発泡体、そして、最下層に低反発樹脂発泡体を組合せて芯材41を形成することもできる。
次に、上述した芯材41の一部を被覆する滑り調整層51について説明する。図3に示すように、本実施形態における滑り調整層51は、芯材41の天面及び底面を芯材41と異なる素材で積層することにより形成されている。これにより、本実施形態にかかる詰め物101の小片11は、芯材41を構成する第1の芯材の表面410aからなる第1の表面領域21と、第2の芯材の表面411aと、滑り調整層51の表面からなる第2の表面領域31とを有する。この滑り調整層51の表面の摩擦係数は、第1の芯材の表面410aの摩擦係数と異なるように調整されている。これにより、小片11は、摩擦係数が大きく、係合性を備える表面領域と、摩擦係数が小さく滑り性を備える表面領域とを併せ持つこととなるため、詰め物101は、好みのフィット性や独特の感触を伴いながら、負荷される荷重に応じた流動性と形状保持性をバランスよく発揮する。滑り調整層51の表面の摩擦係数としては、本発明の効果が得られる範囲において、第1の芯材の表面410a及び第2の芯材の表面411aの両方の摩擦係数と異なっていればよいが、滑り調整層51の表面の摩擦係数が、第1の芯材の表面410a又は第2の芯材の表面411aの何れかの摩擦係数よりも小さい場合には、静摩擦係数μとして、摩擦係数が大きい方の芯材の表面の静摩擦係数μに対して80%以下が好ましく、60%以下がさらに好ましく、50%以下であることが特に好ましい。また、滑り調整層51の表面の摩擦係数が、第1の芯材の表面410a又は第2の芯材の表面411aの何れかの摩擦係数よりも大きい場合には、静摩擦係数μとして、摩擦係数が小さい方の芯材の表面の静摩擦係数μに対して125%以上が好ましく、165%以上がさらに好ましく、200%以上であることが特に好ましい。本実施形態における滑り調整層51の素材に関するその他の説明は、上述した第1の実施形態の滑り調整層5の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
滑り調整層51は、本実施形態では、直方体状に形成された芯材41の対向する面(天面及び底面)の全体に形成されているが、特にこれに限定されず、芯材41の一部の表面に形成されればよい。そのため、第1の芯材410と第2の芯材411の積層面(図3における正面、背面又は両側面)に滑り調整層51を設けることも可能である。なお、滑り調整層51を形成するにあたっては、芯材41の形状、第1の芯材の表面410aの摩擦係数、第2の芯材の表面411aの摩擦係数、滑り調整層51の表面の摩擦係数及び滑り調整層51の面積等を考慮し、詰め物101の所望の流動性及び形状保持性が得られるよう、調整することができる。本実施形態における滑り調整層51の配置構成に関するその他の説明は、上述した第1の実施形態の滑り調整層5の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
小片11の芯材41は、第1の芯材410及び第2の芯材411等の芯材41を構成する素材をフレームラミネート加工、熱溶着や接着剤、ホットメルト等により貼り合わせすることにより、容易に得ることができる。本実施形態における小片11の製造方法に関するその他の説明は、上述した第1の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
本実施形態の詰め物101の小片11は、第1の芯材の表面410a及び第2の芯材の表面411a(両側面、正面及び背面)と滑り調整層51の表面とが異なる摩擦係数であり、摩擦係数が大きい表面領域が係合性を有し、摩擦係数が小さい表面領域が滑り性を有する。それゆえ、詰め物101は、負荷される荷重に応じた形状保持性及び流動性を備えるように構成されている。この詰め物101をクッション等の袋体に充填して使用した場合について、滑り調整層51の表面の摩擦係数が第1の芯材の表面410a及び第2の芯材の表面411aの摩擦係数よりも小さい構成を例に説明すると、荷重が掛かる前は、小片11どうしが接近しても、滑り性を有する滑り調整層51により小片11と小片11とは係合し難く、詰め物101は比較的自由に袋体の内部を流動して、袋体の形状を使用者の体の部位に合わせて容易に変化させることができる。他方、荷重が掛かった際には、詰め物101の小片11は全体として密接することとなり、その結果、第1の芯材の表面410aや第2の芯材の表面411aが接近して係合するため、袋体の形状を保持させる。このとき、芯材41は複数の素材から構成され、柔軟性や適度な反発性を有するため、詰め物101自体は自由に変形して使用者の体の部位にフィットすると共に、使用部分への接触圧も少なく、良好な使用感が得られる。さらに、荷重が除かれたときには、袋体を軽く揺すったり、持ちあげたりすることにより、滑り性を有する滑り調整層51が作用し、保持された形状が流動し解れて初期の状態に容易に戻る。このように、使用者の姿勢保持及び取り扱いのし易さに優れるとともに、好みのフィット性や独特の感触を有した詰め物101が得られる。なお、滑り調整層51の表面の摩擦係数が第1の芯材の表面410a及び第2の芯材の表面411aの摩擦係数よりも大きい場合には、上記の説明において、滑り調整層51と第1の芯材の表面410a及び第2の芯材の表面411aの役割が入れ替わる。
なお、本実施形態の詰め物101には、上述した小片11のほか、小片11の作用効果を失わない範囲において、他の構成材料を含有させることも可能である。また、他の実施態様の小片1、12〜14と組み合わせて詰め物101を得ることも可能である。
図5に示すように、本発明の第3の実施形態にかかる詰め物102の小片12は、球状に形成された芯材42の上側半球面が滑り調整層52で覆われて構成されている。よって、芯材42の下側半球面は芯材42の表面42aが現れた状態となっている。この芯材42の表面42aからなる第2の表面領域32と滑り調整層52の表面からなる第1の表面領域22とは、互いに異なる摩擦係数を有するように構成されている。
まず、本実施形態にかかる詰め物102を構成する小片12の芯材42について説明する。本実施形態にかかる芯材42は、硬質素材を小片状に成形して構成されている。硬質素材としては、特に限定されないが、硬質樹脂発泡体、樹脂成形体、硬質ゴム類、木片等が挙げられ、詰め物102を軽量にすることができ、取り扱いも容易な観点から、硬質樹脂発泡体又は樹脂成形体が好ましい。このような硬質素材からなる芯材42は、圧力に対する形状変化が小さいので、荷重が掛かった場合でも芯材42同士の接触は線接触や点接触であり、特に芯材42が球体である場合には点接触が支配的である。このように、本実施形態にかかる芯材42は互いに密着し難いことから、芯材42自体の流動性が大きく、荷重が負荷されたときの形状保持性は乏しくなる傾向にある。また、硬質素材からなる芯材の表面42aの摩擦係数が比較的小さい場合には、流動性は向上するが、荷重が負荷されたときの形状保持性がさらに低下することから、芯材の表面42aに摩擦係数の大きい滑り調整層52を設け形状保持性を高めた構成とすることが好ましい。従って、本実施形態での芯材42の表面42aの摩擦係数は、後述する滑り調整層52の表面の静摩擦係数よりも小さくなるように構成される。なお、芯材42が、防滑性ゴムなど滑り難い素材の場合には、摩擦係数が小さい滑り調整層52を設ける構成としてもよい。
本実施形態における芯材42は、硬質素材として硬質樹脂発泡体を用いている。硬質樹脂発泡体としては、例えば、硬質発泡ポリスチレン等の発泡スチレン樹脂、発泡シリコーン、発泡ゴム又は発泡オレフィン系樹脂等の公知の発泡素材を用いることができる。芯材42の形状としては、特に限定されないが、本実施形態では芯材42が硬質素材から形成されているため、使用者の体に当たらないよう、丸みを帯びた形状とすることが好ましく、図5に示す球状のほか、楕円体状又は中空円筒状(パイプ状)とすることが好ましい。
次に、上述した芯材42の一部を被覆する滑り調整層52について説明する。図5に示すように、本実施形態における滑り調整層52は、芯材42の上側半球面を芯材42と異なる素材で積層することにより形成されている。この滑り調整層52は芯材の表面42aの所定部分に塗料やコート剤を塗布するか、シート状素材を熔融(フレームラミネート)、熱溶着、接着剤、ホットメルト等で固着することにより形成されており、芯材42と一体となるように構成されている。これにより、本実施形態にかかる小片12は、芯材42自体の表面42aからなる第2の表面領域32と滑り調整層52の表面からなる第1の表面領域22とを有する。この滑り調整層52の表面の摩擦係数は、芯材の表面42aの摩擦係数よりも大きくなるように調整されており、芯材の表面42aの摩擦係数は、静摩擦係数μとして、滑り調整層52の表面の静摩擦係数μに対して80%以下が好ましく、60%以下がさらに好ましく、50%以下であることが特に好ましい。これにより、摩擦係数が小さく、滑り性を備える芯材の表面42aに摩擦係数が大きい領域が付与されるため、小片12どうしの係合性が向上し、詰め物102が流動性と形状保持性を備えるように調整されている。
本実施形態における滑り調整層52の素材としては、芯材42の表面42aの一部を被覆することができ、その表面の摩擦係数が所望の値、すなわち、芯材42の表面42aの摩擦係数よりも大きい摩擦係数を備えるものが選択される。素材としては、乾燥又は硬化後に所望の摩擦係数が得られる塗料やコート剤といった液状素材のほか、シート状素材も使用することができる。本実施形態においては、防滑塗料を滑り調整層52の素材として用いている。また、シート状素材としては、そのシート表面の摩擦係数が所望の値のものであれば、特に限定されないが、具体的には、ゴムシートや表面に凹凸を有する不織布、織物、編物、樹脂フィルム、金属箔、樹脂発泡体又は紙等が挙げられる。また、袋体内部で小片12が動く際に生じる静電気を除去し、詰め物102の流動性を向上させる観点から、金属箔や金属箔を組み合わせた樹脂フィルムを用いることができる。また、滑り調整層52による係合性をより効果的にするために、小片12どうしの接触時に接触面積が大きくなるように弾性変形する硬度を有する素材としてもよく、硬度は、SRIS 0101規格のアスカーC硬度で80以下が好ましく、60以下がさらに好ましい。
滑り調整層52は、本実施形態では、球状に形成された芯材42の半球面に形成されているが、特にこれに限定されず、芯材42の一部の表面に形成されればよい。なお、滑り調整層52を形成するにあたっては、芯材42の形状、芯材の表面42aの摩擦係数、滑り調整層52の表面の摩擦係数及び滑り調整層52の面積等を考慮し、詰め物102の所望の流動性及び形状保持性が得られるよう、調整することができる。また、互いに異なる摩擦係数を有する複数の滑り調整層52を有するように小片12を構成することも可能である。一例として、硬化後に表面の摩擦係数の異なる塗料を2種類準備し、一方の塗料を芯材42の一部に、もう一方の塗料を別の部分に塗布することにより、摩擦係数が互いに異なる複数の滑り調整層52と芯材42の表面42aとを備えた小片12が得られる。これにより、滑り調整層52の係合性、すなわち、詰め物102の流動性及び形状安定性を細かく調整することが可能となる。なお、複数の滑り調整層52は2種類に限定されず、3種類以上設けることも可能である。
小片12は、滑り調整層52の素材が塗料やコート剤など液状素材である場合には、芯材42の一部の表面を塗料やコート剤に浸漬させ、硬化又は乾燥処理を施すことにより、容易に塗料やコート剤による滑り調整層52が形成された小片12を得ることができる。また、滑り調整層52の素材がシート状素材である場合には、芯材42の素材と滑り調整層52の素材とを、フレームラミネート加工、熱溶着や接着剤、ホットメルト等により貼り合わせすることにより、容易に得ることができる。なお、滑り調整層52の厚さは、芯材の表面42aの摩擦係数と異なる摩擦係数の表面領域が形成されれば特に限定されない。
本実施形態の詰め物102の小片12は、芯材42の表面42aが滑り性を有し、滑り調整層5が係合性を有する。それゆえ、詰め物102は、形状保持性及び流動性を備えるように構成されている。この詰め物102をクッション等の袋体に充填して使用すると、荷重が掛かる前は、小片12どうしが接近しても、滑り性を有する芯材の表面42aにより小片12と小片12とは係合し難く、詰め物102は比較的自由に袋体の内部を流動して、袋体の形状を使用者の体の部位に合わせて容易に変化させることができる。他方、荷重が掛かった際には、詰め物102の小片12は全体として密接することとなり、その結果、滑り調整層52の表面22どうしが接近して係合するため、芯材42の流動性が抑制され、袋体の形状が保持される。これにより、詰め物102は使用者の体の部位にフィットすると共に、フィットした形状を安定的に保持し、良好な使用感が得られる。さらに、荷重が除かれたときには、袋体を軽く揺すったり、持ちあげたりすることにより、滑り調整層52の表面22どうしが離反して係合が解除されることにより、小片12の流動性が大きくなって保持された形状が解れ、初期の状態に容易に戻る。このように、使用者の姿勢保持及び取り扱いのし易さに優れた詰め物102が得られる。
なお、本実施形態では、滑り調整層52の表面の摩擦係数が、芯材の表面42aの摩擦係数よりも大きい構成を示したが、芯材の表面42aの摩擦係数よりも滑り調整層52の表面の摩擦係数が小さくなるような構成としてもよく、その場合には、滑り調整層52の表面の摩擦係数は、静摩擦係数μとして、芯材の表面42aの静摩擦係数μに対して80%以下が好ましく、60%以下がさらに好ましく、50%以下であることが特に好ましい。この場合には、詰め物102の小片12は、芯材の表面42aが係合性を有し、滑り調整層52が滑り性を有するため、詰め物102は、形状保持性及び流動性を備えるようになり、本実施形態と同様の作用効果が得られる。
さらに、本実施形態の詰め物102には、上述した小片12のほか、小片12の作用効果を失わない範囲において、他の構成材料を含有させることも可能である。また、他の実施態様の小片1、11、13又は14と組み合わせて詰め物102を得ることも可能である。
図6に示すように、本発明の第4の実施形態にかかる詰め物103の小片13は、球状に形成された芯材43の全面が2種類の滑り調整層53で覆われて構成されている。よって、芯材42の表面は小片13の表面には現れない状態となっている。この2種類の滑り調整層53のうち、第1の滑り調整層53aからなる第1の表面領域23と第2の滑り調整層53bからなる第2の表面領域33とは、互いに異なる摩擦係数を有するように構成されている。
まず、本実施形態にかかる詰め物103を構成する小片13の芯材43について説明する。本実施形態にかかる芯材43は、硬質素材や軟質素材を小片状に成形して構成されている。硬質素材としては、特に限定されないが、硬質樹脂発泡体、樹脂成形体、硬質ゴム類、木片等が挙げられ、詰め物103を軽量にすることができ、取り扱いも容易な観点から、硬質樹脂発泡体又は樹脂成形体が好適に用いられる。この硬質樹脂発泡体としては、例えば、硬質発泡ポリスチレン等の発泡スチレン樹脂、発泡シリコーン、発泡ゴム又は発泡オレフィン系樹脂等の公知の発泡素材を用いることができる。また、軟質素材としては、軟質ゴム類、ゲル、軟質発泡体等を用いることができ、製造の容易さから軟質ゴム類やゲルが好ましい。芯材43の形状としては、特に限定されないが、芯材43が硬質素材から形成されている場合には、流動性と使用感の観点から、丸みを帯びた形状とすることが好ましく、図6に示す球状のほか、楕円体状又は中空円筒状(パイプ状)とすることが好ましい。一方、芯材43が軟質素材から形成されている場合には、芯材43は荷重により容易に変形して使用者の体の形状にフィットするため、流動性を損なわない形状であればよく、丸みを帯びた形状だけでなく角部を有する直方体や立方体としてもよい。
次に、上述した芯材43の全面を被覆する滑り調整層53について説明する。図6に示すように、本実施形態における滑り調整層53は、芯材43の上側半球面に積層されて設けられた第1の滑り調整層53aと芯材43の下側半球面に積層されて設けられた第2の滑り調整層53bとから構成されている。これらの滑り調整層53は芯材43の表面に塗料やコート剤を塗布するか、シート状素材を熔融(フレームラミネート)、熱溶着、接着剤、ホットメルト等で固着することにより形成されており、芯材43と一体となるように構成されている。第1の滑り調整層53aの摩擦係数は、第2の滑り調整層53bの摩擦係数よりも大きくなるように調整されている。これにより、小片13に摩擦係数が大きく係合性を備える第1の表面領域23と、摩擦係数が小さく滑り性を備える第2の表面領域33とが形成され、詰め物103が流動性と形状保持性とを備えるように構成されている。第2の滑り調整層53bの表面の摩擦係数は、静摩擦係数μとして、第1の滑り調整層53aの表面の静摩擦係数μに対して80%以下が好ましく、60%以下がさらに好ましく、50%以下であることが特に好ましい。
本実施形態における第1の滑り調整層53a及び第2の滑り調整層53bの素材としては、芯材43の表面を被覆することができ、その表面の摩擦係数が所望の値となるものがそれぞれ選択される。素材としては、乾燥又は硬化後に所望の摩擦係数が得られる防滑塗料や滑性塗料、コート剤といった液状素材のほか、シート状素材も使用することができる。本実施形態においては、防滑塗料を第1の滑り調整層53aの素材として、滑性塗料を第2の滑り調整層53bの素材として用いている。また、シート状素材としては、そのシート表面の摩擦係数が所望の値のものであれば、特に限定されないが、具体的には、表面に不織布、織物、編物、樹脂フィルム、金属箔、樹脂発泡体又は紙等が挙げられる。このうち、不織布等の原料としては、表面の摩擦係数を小さくする場合には、ナイロン、ポリオキシメチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート等が好適に用いられる。表面の摩擦係数を大きくする場合には、ゴム類、防滑性を付与する充填材が分散されたゴム類や樹脂類を原料として使用でき、さらに、表面に凹凸を形成した上記シート素材を使用することもできる。また、袋体内部で小片13が動く際に生じる静電気を除去し、詰め物103の流動性を向上させる観点から、金属箔や金属箔を組み合わせた樹脂フィルムを用いることができる。また、各滑り調整層53の厚さは特に限定されず、第1の滑り調整層53aと第2の滑り調整層53bとの厚みをそれぞれ異ならせた構成としてもよい。また、第1の滑り調整層53aによる係合性をより効果的にするために、第1の滑り調整層53aは小片13どうしの接触時に接触面積が大きくなるように弾性変形する硬度の素材としてもよく、硬度はSRIS 0101規格のアスカーC硬度で80以下が好ましく、60以下がさらに好ましい。
本実施形態では、第1の滑り調整層53aと第2の滑り調整層53bの面積は略等しくなるように形成されているが、特にこれに限定されない。各滑り調整層53を形成するにあたっては、芯材43の形状、第1の滑り調整層53aの表面の摩擦係数及び第2の滑り調整層53bの表面の摩擦係数等を考慮し、詰め物103の所望の流動性及び形状保持性が得られるよう、各面積を調整することができる。
小片13は、滑り調整層53の素材として塗料やコート剤等の液状素材を選択する場合には、芯材43の表面を塗料やコート剤に浸漬させ、硬化又は乾燥処理を施すことにより、容易に塗料やコート剤による滑り調整層53が形成された小片13を得ることができる。また、滑り調整層53の素材がシート状素材である場合には、芯材43の素材と滑り調整層53の素材とを、フレームラミネート加工、熱溶着や接着剤、ホットメルト等により貼り合わせすることにより、容易に得ることができる。さらに、滑り調整層53の素材として、塗料やコート剤などの液状素材とシート状素材とを組み合わせることも可能である。
本実施形態の詰め物103の小片13は、第1の滑り調整層53aの表面23が係合性を有し、第2の滑り調整層53bの表面33が滑り性を有する。それゆえ、詰め物103は、形状保持性及び流動性を備えるように構成されている。この詰め物103をクッション等の袋体に充填して使用すると、荷重が掛かる前は、小片13どうしが接近しても、滑り性を有する第2の滑り調整層53bの表面33により小片13と小片13とは係合し難く、詰め物103は比較的自由に袋体の内部を流動して、袋体の形状を使用者の体の部位に合わせて容易に変化させることができる。他方、荷重が掛かった際には、詰め物103の小片13は全体として密接することとなり、その結果、第1の滑り調整層53aの表面23どうしが接近して係合するため、袋体の形状を保持させる。これにより、詰め物103は使用者の体の部位にフィットすると共に、フィットした形状を安定的に保持し、良好な使用感が得られる。さらに、芯材の素材について硬質素材または軟質素材のいずれかを選択することにより様々な使用感を付与することができる。さらに、荷重が除かれたときには、袋体を軽く揺すったり、持ちあげたりすることにより、滑り性を有する第2の滑り調整層53bが作用し、保持された形状が解れて初期の状態に容易に戻る。このように、使用者の姿勢保持及び取り扱いのし易さに優れた詰め物103が得られる。
なお、本実施形態の詰め物103には、上述した小片13のほか、小片13の作用効果を失わない範囲において、他の構成材料を含有させることも可能である。また、他の実施態様の小片1、11、12又は14と組み合わせて詰め物103を得ることも可能である。
図7に示すように、本発明の第5の実施形態にかかる詰め物104の小片14は、球状に形成された芯材44の上側半球面と下側半球面とは互いに異なる表面状態を有する。この芯材44の下側半球面の第1の表面領域24と上側半球面の第2の表面領域34とは、互いに異なる摩擦係数を有するように構成されている。
本実施形態にかかる詰め物104を構成する小片14の芯材44について説明する。本実施形態にかかる芯材44は、その表面44aにおける表面状態、表面形状又は表面面積を異なるように調整可能な素材により形成されている。具体的には特に限定されないが、一例として、木片、樹脂発泡体、樹脂成形体、ゴム類等が挙げられる。図7に示す小片14は、木片で形成されており、下側半球面の第1の表面領域24は摩擦係数の大きい粗面に形成され、上側半球面の第2の表面領域34は研磨されて摩擦係数の小さい研磨面に形成されている。第2の表面領域34の摩擦係数としては、静摩擦係数μとして、第1の表面領域24の静摩擦係数μに対して80%以下が好ましく、60%以下がさらに好ましく、50%以下であることが特に好ましい。
本実施形態における芯材44は、一例として、木片を使用しているが、他の例として、樹脂発泡体を芯材44として用いることができる。樹脂発泡体は、内側発泡層(コア層)と、この発泡層を包み込む外側皮膜のスキン層とから構成されている。発泡層は気泡を含んでいるが、スキン層は気泡を有しないため、スキン層表面と前記発泡層表面とは摩擦係数が異なる。そのため、樹脂発泡体を芯材44として使用する際には、この樹脂発泡体のスキン層の一部を研磨して発泡層を表出させたり、スキン層と発泡層とを備えるように、樹脂発泡体を適当な大きさに裁断する等して、発泡層からなる第2の表面領域34と、スキン層からなる第1の表面領域24を有する小片14を得ることが可能である。
本実施形態の詰め物104の小片14は、芯材44の表面44aのうち、第2の表面領域34が滑り性を有し、第1の表面領域24が係合性を有する。それゆえ、詰め物104は、形状保持性及び流動性を備えるように構成されている。この詰め物104をクッション等の袋体に充填して使用すると、荷重が掛かる前は、小片14どうしが接近しても、滑り性を有する第2の表面領域34により小片14と小片14とは係合し難く、詰め物104は比較的自由に袋体の内部を流動して、袋体の形状を使用者の体の部位に合わせて容易に変化させることができる。他方、荷重が掛かった際には、詰め物104の小片14は全体として密接することとなり、その結果、第1の表面領域24どうしが接近して係合するため、袋体の形状を保持させる。これにより、詰め物104は使用者の体の部位にフィットすると共に、フィットした形状を安定的に保持し、良好な使用感が得られる。さらに、荷重が除かれたときには、袋体を軽く揺すったり、持ちあげたりすることにより、滑り性を有する第2の表面領域34が作用し、保持された形状が解れて初期の状態に容易に戻る。このように、使用者の姿勢保持及び取り扱いのし易さに優れた詰め物104が得られる。
なお、本実施形態の詰め物104には、上述した小片14のほか、小片14の作用効果を失わない範囲において、他の構成材料を含有させることも可能である。また、他の実施態様の小片1、11〜13と組み合わせて詰め物104を得ることも可能である。
本実施形態のクッション又はマットレスは、袋体に上述の詰め物100〜104を収容して構成されている。本発明の詰め物100〜104の有する作用効果を発揮させるため、クッション及びマットレスのいずれにおいても、詰め物100〜104が、袋体の内容積の50〜90%で充填されていることが好ましく、60〜80%で充填されていることがより好ましい。充填割合が50%未満であると、使用時の詰め物100〜104を構成するそれぞれの小片1、11〜14の袋体内での密集度が小さくなるため、荷重が負荷されたときの前記小片同士の係合が起こり難くなり、形状保持性が低下するので好ましくない。一方、充填割合が90%を超えると、袋体内での詰め物の移動できる空間が少ないため、詰め物の解れ性を含めて流動性が不十分となるため好ましくない。なお、袋体の内容積とは、袋体に詰め物を充填した場合の最大容積のことをいい、袋体が伸縮性素材で形成されている場合には、非伸張状態での最大容積のことをいう。詰め物100〜104を充填する袋体は、樹脂シート、不織布又は布等の公知の素材で形成されるが、洗濯や乾燥を可能とする観点から、通気性を有する素材であることが好ましい。また、これらの素材は伸縮性を備えていてもよいし、非伸縮性素材であってもよい。なお、本明細書におけるクッションには、枕や抱き枕も含まれる。
本発明の詰め物を含むクッションの一例を図8に示す。図8(a)〜(f)に示すように、クッションの形状は、略正方形状、略正方形状にステッチを施した形状、ブーメラン形状、くさび形状、柱形状等の用途に応じた好適な形状とすることができ、本発明のクッションの構成とすることで、如何なる形状でも本発明の作用効果を得ることができる。また、これらのクッションは枕や抱き枕としても応用することが可能であり、本発明のクッションと同様の作用効果を得ることができる。さらに、これらのクッション又はマットレスは、一般用、医療用、介護用及び福祉用など何れにも適用できるが、その荷重時の姿勢保持性と非荷重時の形状復元性とを両立する観点から、特に介護用クッション又はマットレスとして好適である。介護用クッションとしては、ベッド上や車椅子乗用時における被介護者の体位を保持する用途に好適である。介護用マットレスとしては、被介護者の寝姿勢(体位)を保持する形状にマットレスの形状を変形させて使用できるので、前述の介護用クッションの機能を備えたマットレスに好適である。
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。以下の実施例及び比較例におけるクッションの効果の評価方法は下記の通りである。
(1)荷重時の流動性1(形状追従性)
背上げ式ベッドにウレタンマットレス(株式会社タイカ製品、製品名:αPLAf(登録商標))を敷いて45度に背上げした状態で、被験者(170cm、55kg)の背中と前記マットレスの間に各実施例及び比較例の構成のクッションを挟んで自然に寄りかかったとき、背中とクッションとの接触状態を目視で確認し、隙間無く接触している場合を「○」、隙間が生じている場合を「×」とした。
(2)荷重解除後の流動性2(解れ性)
各実施例及び比較例の構成のクッションを袋体の片側に詰め物を偏らせた状態とし、詰め物全体を覆うように袋体の外側から50kgの荷重を5分間掛けたのち除圧した。その後、手でクッションを揺らしながら袋体全体に詰物を分散させたときの、作業時間の長さによって評価した。評価基準は、詰め物が5秒以内に均等に分散された場合を「○」、5秒経過後も、詰め物が袋体の中で塊となって偏った状態だった場合を「×」とした。
(3)形状保持性
背上げ式ベッドにウレタンマットレス(株式会社タイカ製品、製品名:αPLAf(登録商標))を敷いて45度に背上げした状態で、被験者(170cm、55kg)の背中と前記マットレスの間に各実施例及び比較例の構成のクッションを挟んで自然に寄りかかったときの形状を初期形状とし、その後2分間継続して寄りかかったときの形状変形の具合を目視で確認すると共に被験者の姿勢がクッションにより保持されているか官能評価した。評価基準は、試験時間内を通じて形状変形が見られず、しっかりとした保持感があった場合を「○」、詰め物が流動して形状変形した場合を「×」とした。
また、以下の実施例及び比較例におけるマットレスの効果の評価方法は下記の通りである。
(1)荷重時の流動性1(形状追従性)
床に各実施例及び比較例の構成のマットレスを敷いて、被験者(170cm、55kg)が仰臥位で横たわったときの、背中とマットレスとの接触面積を測定し、隙間無く接触している場合を「○」、隙間が生じている場合を「×」とした。接触面積は、マットレスと被験者との間にニッタ社製体圧分散測定装置(BIGMAT)のセンサーシートを配置して測定した。
(2)荷重解除後の流動性2(解れ性)
床に各実施例及び比較例の構成のマットレスを敷いて、マットレスの中央部分に側臥位で横たわる被験者の背中側を支持できる形状になるように詰め物を袋内で移動させてマットレスを変形させたのち、男性被験者(170cm、65kg)を寝かせて背中で寄りかかるように体重をかけてさらに強めに押圧して密着させ、体位を5分間保持した後、被験者をマットレスから下ろした。その後、手でマットレスを揺らしながら袋体全体に詰物を分散させたときの、作業時間の長さによって評価した。評価基準は、詰め物が5秒以内に均等に分散された場合を「○」、5秒経過後も、詰め物が袋体の中で塊となって偏った状態だった場合を「×」とした。
(3)形状保持性
床に各実施例及び比較例の構成のマットレスを敷いて、マットレスの中央部分に側臥位で横たわる被験者の背中側を支持できる形状になるように詰め物を袋内で移動させてマットレスを変形させたのち、男性被験者(170cm、65kg)を寝かせて背中で寄りかかったときの形状を初期形状とし、その後2分間継続して寄りかかったときの形状変形の具合を目視で確認すると共に被験者の姿勢がクッションにより保持されているか官能評価した。評価基準は、試験時間内を通じて形状変形が見られず、しっかりとした保持感があった場合を「○」、詰め物が流動して形状変形した場合を「×」とした。
また、以下の実施例及び比較例で使用した芯材(A)の素材及び仕様を表1に、滑り調整層(B)の素材及び仕様を表2に示す。
Figure 0006055130
Figure 0006055130
表1及び表2に示す各素材の静摩擦係数の測定値を以下表3に示す。静摩擦係数の測定は、JIS K7125に準拠して、雰囲気温度20℃、湿度40%において、トライボギア表面性測定機TYPE38(新東科学株式会社)で行った。静摩擦係数(1)は、測定対象素材の表面の摩擦係数を示しており、摺り合わせる相手材を共通とした場合の静摩擦係数を示している。具体的には、静摩擦係数(1)の測定は、測定対象の試験片と擦り合わせる相手材として、市販のコピー用紙(カウネット株式会社 コピーペーパースタンダードタイプII)を用い、200gの法線荷重をかけて試験片に接触させたのち、試験片を取り付けた移動テーブルを移動速度(試験速度)100mm/min、移動距離20mmで擦り合わせたときの最大摩擦力における摩擦係数として求めた(付属ソフトTriboSoft6で自動計算出力)。なお、各試験片の大きさは70mm×70mmとし、移動テーブルに両面テープ(ニチバン社製 ナイスタック(登録商標))で固定して試験を行った。相手材であるコピー用紙は、測定装置のロードセルに連結された30mm平面圧子(新東科学株式会社 30SLED:接触面30mm×30mm)に両面テープ(ニチバン社製 ナイスタック(登録商標))で固定して試験を行った。他方、静摩擦係数(2)は、測定対象素材の表面どうしが接触した状態における、接触面の係合又は流動のしやすさの目安を示している。静摩擦係数(2)の測定は、相手材として、測定対象の試験片と同じものを用いたほかは、静摩擦係数(1)の測定と同様に行った。また、表3の静摩擦係数(2)において、滑り調整層の素材B−1の静摩擦係数のスリップ方向とは、素材B−1の試験片の編目からなる凹凸溝と相手材の編目からなる凹凸溝とが直交する方向を示し、グリップ方向とは試験片の編目からなる凹凸溝と相手材の編目からなる凹凸溝とが平行に対向する方向を示している。
Figure 0006055130
[実施例1]
以下の手順で、本実施例の詰め物及びクッションを作製し、効果の評価を行った。表1に示す芯材A−1の天面及び底面に、表2に示す滑り調整層の素材B−1を貼り合わせした小片(図1の小片1の形状参照)を作製し、本小片からなる詰め物を得た。具体的には、小片は、厚さ6mmの芯材A−1のウレタンフォームシートの厚み方向の天面及び底面に、滑り調整層B−1のナイロン編み生地シートを表面摩擦異方性の方向が正面視で同じになるようにフレームラミネーション加工によって貼り付けた後、トムソン刃型で10mm×10mmに加圧裁断して作製した。得られた詰め物を、容積37800cmのクッション袋体に、詰め物の容積割合が63%となるように詰め物を入れて封をし、本実施例のクッションを得た。また、容積195299cmのマットレス袋体(81cm×181cm×13cm)に、詰め物の容積割合が80%となるように詰め物を入れて封をし、本実施例のマットレスとした。なお、クッション袋体は、株式会社タイカ製のポジショニングクッション(ウェルピー(登録商標)ピロー 型番PC−WM−P1:メッシュタイプ)のカバーを使用した。また、マットレス袋体は、株式会社タイカ製の床ずれ防止マットレス(αPLAf(登録商標))のカバーを使用した。
[実施例2]
滑り調整層の素材を表2に示すB−2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の詰め物、クッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。
[実施例3]
表1に示す芯材A−1の天面に表2に示す滑り調整層の素材B−1を貼り合わせし、芯材A−1の底面に表2に示す滑り調整層の素材B−2を貼り合わせした小片を作製し、本小片からなる詰め物を得た。具体的には、小片は、厚さ6mmの芯材A−1のウレタンフォームシートの厚み方向の天面に滑り調整層B−1のナイロン編み生地シートを、底面に滑り調整層B−2のOPPフィルムシートをそれぞれフレームラミネーション加工によって貼り付けた後、トムソン刃型で10mm×10mmに加圧裁断して作製した。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。
[実施例4]
表1に示す芯材A−1の天面及び底面に、表2に示す滑り調整層の素材B−3を塗布して加熱硬化した滑り調整層(厚み約1mm)を形成した小片(図1の小片1の形状参照)を作製し、本小片からなる詰め物を得た。小片は、厚さ6mmの芯材A−1のウレタンフォームシートの厚み方向の天面に、両面テープ(ニチバン社製 ナイスタック(登録商標))を貼り、両面テープ面に滑り調整層の素材B−3を塗布したのち紫外線を照射して硬化させ、厚み約1mmの硬化膜として滑り調整層を形成した。同様にして底面側にも滑り調整層を形成し、スライサーで10mm×10mmに細断して作製した。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。
[実施例5]
表1に示す芯材A−1の天面のみに、表2に示す滑り調整層の素材B−1を貼り合わせした小片(図2(a)の小片1の形状参照)を作製し、本小片からなる詰め物を得た。小片は、厚さ6mmの芯材A−1のウレタンフォームシートの厚み方向の天面に、滑り調整層B−1のナイロン編み生地シートをフレームラミネーション加工によって貼り付けた後、トムソン刃型で10mm×10mmに加圧裁断して作製した。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。
[実施例6]
表1に示す芯材A−2の天面及び底面に、表2に示す滑り調整層の素材B−1を貼り合わせした小片を作製し、本小片からなる詰め物を得た。小片は、厚さ6mmの芯材A−2のウレタンフォームシートの厚み方向の天面及び底面に、滑り調整層B−1のナイロン編み生地シートを表面摩擦異方性の方向が正面視で直交するようにフレームラミネーション加工によって貼り付けた後、トムソン刃型でφ10mmとなるように厚み方向に抜き加工して作製した。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。
実施例1〜6の結果を表4に示す。
Figure 0006055130
これらの実施例にかかる小片は、いずれも芯材として軟質樹脂発泡体が用いられており、芯材の表面の摩擦係数が大きく、滑り調整層の表面の摩擦係数が小さく構成されている。このうち、実施例1、3、5及び6の小片は滑り調整層として表面摩擦異方性を示す編物シート(B−1)を用いている。この編物シートは、図9の表面拡大写真に示すように、編み目によって経編方向(図9の上下方向)に連続した凹部と凸部が交互に形成され、擬似的にストライプ状の微細な凹凸が連続した表面構造を備えている。それゆえ、経編方向(図9の上下方向)と緯編方向(図9の左右方向)とで異なる滑り性を示す。また、実施例3の小片は、2種類の滑り調整層から構成されており、摩擦異方性を有する素材(B−1)と摩擦等方性を有する素材(B−2)とを備えている。これらいずれの実施例のクッション及びマットレスとも、安定した流動性(形状追従性、解れ性)及び形状保持性を有することが示された。
[実施例7]
表1に示す芯材A−8の天面及び底面に、表2に示す滑り調整層の素材B−4を塗布して加熱硬化させた滑り調整層(厚み約1mm、SRIS 0101規格のアスカーC硬度52)を形成した小片(図1の小片1の形状参照)を作製し、本小片からなる詰め物を得た。小片は、厚さ6mmの芯材A−8のポリエチレンフォームの厚み方向の天面に、両面テープ(ニチバン社製 ナイスタック(登録商標))を貼り、両面テープ面に滑り調整層の素材B−4を塗布したのち、50℃で加熱硬化して厚み約1mmの硬化膜として滑り調整層を形成した。同様にして底面側にも滑り調整層を形成し、スライサーで10mm×10mmに細断して作製した。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。結果を以下表5に示す。
Figure 0006055130
本実施例にかかる小片は、芯材として軟質樹脂発泡体が用いられており、芯材の表面の摩擦係数が小さく、滑り調整層の表面の摩擦係数が大きく構成されている。本実施例のクッション及びマットレスとも、安定した流動性(形状追従性、解れ性)及び形状保持性を有することが示された。また、滑り調整層は、接触時に弾性変形可能な硬度を有しているため、優れた形状保持性に寄与している。
[実施例8]
表1に示す芯材A−3の天面に芯材A−1の底面を貼り付けた積層構造の芯材の天面及び底面に、表2に示す滑り調整層の素材B−1を貼り合わせした小片(図3の小片11の形状参照)を作製し、本小片からなる詰め物を得た。具体的には、小片は、厚さ3mmの芯材A−3のウレタンフォームシートの天面に、厚さ3mmの芯材A−1のウレタンフォームシートの底面を、ウレタン系接着剤で貼り付けた積層シートを形成し、この積層シートの厚み方向の天面及び底面に、滑り調整層B−1のナイロン編み生地シートを表面摩擦異方性の方向が正面視で同じになるようにフレームラミネーション加工によって貼り付けた後、トムソン刃型で10mm×10mmに加圧裁断して作製した。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。結果を以下表6に示す。
Figure 0006055130
本実施例にかかる小片は、芯材として2種類の軟質樹脂発泡体が積層されて構成されており、芯材の表面の摩擦係数が大きく、滑り調整層の表面の摩擦係数が小さく構成されている。本実施例のクッション及びマットレスとも、安定した流動性(形状追従性、解れ性)及び形状保持性を有することが示された。
[実施例9]
表1に示す芯材A−4の半球面に、表2に示す滑り調整層の素材B−4を塗布した小片(図5の小片12の形状参照)を作製し、本小片からなる詰め物を得た。本小片の滑り調整層は、ディッピングで素材B−4を塗布したのち、50℃で加熱硬化して厚み約0.5mmの硬化膜として形成した。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。
[実施例10]
表1に示す芯材A−5の胴部の外周半面に、プライマー(ヘンケル社製 ロックタイト(登録商標)770)を塗布、乾燥した後、表2に示す滑り調整層の素材B−4を塗布した小片を作製し、本小片からなる詰め物を得た。本小片の滑り調整層は、刷毛塗りで素材B−4を塗布した後、50℃で加熱硬化して厚み約0.5mmの硬化膜として形成した。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。
[実施例11]
芯材の素材を表1に示す芯材A−6に変更した以外は、実施例9と同様にして小片(図5の小片12の形状参照)を作製し、本小片からなる詰め物を得た。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。
実施例9〜11の結果を表7に示す。
Figure 0006055130
これらの実施例にかかる小片は、芯材として硬質素材が用いられており、いずれも芯材の表面の摩擦係数が小さく、滑り調整層の表面の摩擦係数が大きく構成されている。これら本実施例のクッション及びマットレスとも、安定した流動性(形状追従性、解れ性)及び形状保持性を有することが示された。また、滑り調整層は、接触時に弾性変形可能な硬度を有しているため、優れた形状保持性に寄与している。
[実施例12]
実施例9の小片において芯材の表面が表出した部分に、表2に示す滑り調整層の素材B−3をディッピングで塗布したのち、紫外線を照射して硬化させて厚み約0.5mmの硬化膜からなる滑り調整層とし、2種類の滑り調整層を形成した小片(図6の小片13の形状参照)を作製し、本小片からなる詰め物を得た。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。結果を以下表8に示す。
Figure 0006055130
本実施例にかかる小片は、芯材として硬質樹脂発泡体が用いられており、芯材は2種類の滑り調整層で全面が覆われ、小片の表面に摩擦係数が小さい表面領域と、摩擦係数が大きい表面領域とが形成されている。本実施例のクッション及びマットレスとも、安定した流動性(形状追従性、解れ性)及び形状保持性を有することが示された。また、素材B−4で形成した滑り調整層は、接触時に弾性変形可能な硬度を有しているため、優れた形状保持性に寄与している。
[実施例13]
表1に示す芯材A−7の天面及び底面のみにスキン層を有する厚さ6mmのシリコーン樹脂発泡体シートをトムソン刃型で約10mm×10mmの大きさに加圧裁断し、裁断面に発泡面が表出するようにした小片を作製し、本小片からなる詰め物を得た。この詰め物を用いた以外は、実施例1と同様にして本実施例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。結果を表9に示す。
Figure 0006055130
本実施例にかかる小片は、芯材としてシリコーン樹脂発泡体が用いられており、小片の表面には、摩擦係数が大きいスキン層部分と摩擦係数が小さい発泡層部分とからなる2種類の表面領域が形成されている。本実施例のクッション及びマットレスとも、安定した流動性(形状追従性、解れ性)及び形状保持性を有することが示された。
[比較例1〜5]
表1に示す芯材A−1をそのまま小片とした詰め物を用い、実施例1と同様にして本比較例のクッション及びマットレスを得た。得られたクッション及びマットレスを用いて、効果の評価を行った。また、芯材をA−2、A−4、A−5、A−6に替えて同様の比較試験を行った。結果を以下表10に示す。
Figure 0006055130
表10の結果より、詰め物の小片が、単一の摩擦係数の表面領域のみからなる芯材から構成されている場合には、流動性(形状追従性、解れ性)及び形状保持性の両立は困難であることが示された。また、比較例3の詰め物で形成されたマットレスは形状追従性及び形状保持性が低く、底付きも観察された。これら比較例と実施例の詰め物からなるクッションやマットレスとを比較すると、実施例の詰め物は、流動性(形状追従性、解れ性)及び形状保持性の両立という作用効果に優れていることが示された。
また、上述した各実施例において、クッション及びマットレスが良好な流動性と形状保持性を示すことは、詰め物の小片同士の実際の接触状態に対応する表3の静摩擦係数(2)の値からも裏付けられる。すなわち、芯材と滑り調整層の表面の摩擦係数(表3の静摩擦係数(1))を互いに異なるように構成することにより、実際の小片同士の接触時の滑り性において、芯材同士における静摩擦係数(2)と滑り調整層同士の静摩擦係数(2)とが異なるように作用し、滑り調整層同士の接触部分と芯材同士の接触部分の何れかが滑りやすいため、良好な流動性が発現している。また、摩擦力は接触圧の増加に伴い大きくなるので、小片同士が大きい接触圧で接触した際には、隣接する各小片の摩擦係数の大きい表面領域同士の接触による摩擦力が支配的となり、小片と小片とが滑りにくくなって形状保持性が発現している。また、滑り調整層がB−1の場合には、滑り調整層同士の接触状態において、スリップ方向同士よりもグリップ方向同士の静摩擦係数(2)が大きいので、グリップ方向同士が接触した部分も、形状保持性の発現に寄与していると考えられる。
本発明は、上記の実施形態又は実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態も技術的範囲に含むものである。
100、101、102、103、104 詰め物
1、11、12、13、14 小片
2、21、22、23、24 第1の表面領域
3、31、32、33、34 第2の表面領域
4、41、42、43、44 芯材
4a、42a、44a 芯材の表面
410 第1の芯材(軟質樹脂発泡体)
411 第2の芯材
410a 第1の芯材の表面
411a 第2の芯材の表面
5、51、52、53 滑り調整層
53a 第1の滑り調整層
53b 第2の滑り調整層

Claims (14)

  1. 互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域を有する小片を備えており、
    前記小片が、柔軟性を有する芯材と、該芯材の一部の表面に該芯材とは異なる素材を積層して形成された滑り調整層とを備え、
    前記芯材の表面の摩擦係数と、前記滑り調整層の表面の摩擦係数とが異なるように構成されていることを特徴とする詰め物。
  2. 前記滑り調整層は、摩擦係数が互いに異なる複数の素材から構成されていることを特徴とする請求項に記載の詰め物。
  3. 前記滑り調整層の素材が、表面摩擦異方性を有することを特徴とする請求項又はに記載の詰め物。
  4. 前記芯材は柔軟性を有する軟質樹脂発泡体を有しており、
    前記滑り調整層の素材は樹脂フィルム、編物シート、織物シート、不織布シート、金属箔、紙、樹脂発泡体及び塗料からなる群より選択される少なくとも1種の素材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の詰め物。
  5. 前記芯材は、柔軟性を有する軟質樹脂発泡体と、該軟質樹脂発泡体とは硬度、密度又は反発係数が異なる樹脂発泡体又は硬質素材とが積層されて形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の詰め物。
  6. 互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域を有する小片を備えており、
    前記小片が、硬質の芯材と、該芯材の一部の表面に該芯材と異なる素材を積層して形成された滑り調整層とを備えており、
    前記芯材の表面の摩擦係数よりも、前記滑り調整層の表面の摩擦係数が大きくなるように構成されていることを特徴とする詰め物。
  7. 前記芯材が硬質樹脂発泡体からなり、前記滑り調整層の素材が樹脂フィルム、編物シート、織物シート、不織布シート、金属箔、紙、樹脂発泡体及び塗料からなる群より選択される少なくとも1種の素材であることを特徴とする請求項に記載の詰め物。
  8. 互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域を有する小片を備えており、
    前記小片が、硬質又は軟質の芯材と、該芯材の一部の表面に該芯材と異なる素材を積層して形成された第1の滑り調整層と、
    前記第1の滑り調整層が形成されていない前記芯材の表面に該芯材及び第1の滑り調整層と異なる素材を積層して形成された第2の滑り調整層とを備えており、
    前記第1の滑り調整層の表面の摩擦係数よりも、前記第2の滑り調整層の表面の摩擦係数が小さくなるように構成されていることを特徴とする詰め物。
  9. 前記芯材が硬質樹脂発泡体からなり、前記第1の滑り調整層及び前記第2の滑り調整層の各素材が樹脂フィルム、編物シート、織物シート、不織布シート、金属箔、紙、樹脂発泡体及び塗料からなる群より選択される少なくとも1種の素材であることを特徴とする請求項に記載の詰め物。
  10. 互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域を有する小片を備えており、
    前記小片の互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域が、互いに異なる表面状態、表面形状又は表面面積を有する同一の素材から構成され
    前記小片の互いに異なる摩擦係数の複数の表面領域の組合せが、同一の素材からなる粗面と研磨面又は同一の素材からなる発泡層とスキン層であることを特徴とする詰め物。
  11. 通気性を有する袋体と、該袋体内に収容された請求項1〜10のいずれか1項に記載の詰め物とを備えたことを特徴とするクッション。
  12. 前記詰め物の充填率が、50〜90%(容積率)であることを特徴とする請求項11に記載のクッション。
  13. 通気性を有する袋体と、該袋体内に収容された請求項1〜10のいずれか1項に記載の詰め物とを備えたことを特徴とするマットレス。
  14. 前記詰め物の充填率が、50〜90%(容積率)であることを特徴とする請求項13に記載のマットレス。
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