JP2015229741A - 電気化学素子電極用導電性接着剤組成物、接着剤層付集電体および電気化学素子用電極 - Google Patents

電気化学素子電極用導電性接着剤組成物、接着剤層付集電体および電気化学素子用電極 Download PDF

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Abstract

【課題】 集電体に対する濡れ性が十分であり、かつ、電極組成物層と集電体との間の高い密着性を有する導電性接着剤層を形成することができる電気化学素子電極用導電性接着剤組成物を提供する。【解決手段】 導電材、末端に水酸基を持つ、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)、二塩基酸単量体単位を含む粒子状共重合体(B)、及び分散媒を含む。【選択図】 なし

Description

本発明は、電極組成物層と集電体との間に設ける導電性接着剤層を形成するための電気化学素子電極用導電性接着剤組成物、この電気化学素子電極用導電性接着剤組成物により形成される導電性接着剤層を有する接着剤層付集電体および電気化学素子用電極に関するものである。
小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、さらに繰り返し充放電が可能な電気化学素子、特にリチウムイオン二次電池は、その特性を活かして急速に需要を拡大している。また、リチウムイオン二次電池に代表される電気化学素子は、エネルギー密度、出力密度が大きいことから、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータの小型用途から、車載などの大型用途での利用が期待されている。そのため、これらの電気化学素子には、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化、高容量化、高耐電圧特性及び機械的特性の向上、サイクル寿命の長期化など、よりいっそうの改善が求められている。
電気化学素子用電極は、通常、電極活物質と、必要に応じて用いられる導電材とをバインダーで結着することにより形成された電極組成物層を集電体上に積層してなるものである。ここで、電気化学素子は、有機系電解液を用いることで作動電圧を高め、かつ、エネルギー密度を高めることができるが、一方では電解液の粘度が高いために、内部抵抗が大きくなる傾向があった。そこで、内部抵抗を低減させるため、及び電極組成物層と集電体との密着性向上のために、電極組成物層と集電体との間に導電性接着剤層を設けることが提案されている。
例えば、特許文献1においては、カーボン、特定の2種の粒子状重合体及び分散剤含む導電性接着剤組成物を用いて導電性接着剤層を形成している。
国際公開第2013/018887号
ここで、導電性接着剤層を形成する際に、集電体等の基材上に電気化学素子電極用導電性接着剤組成物を均一に塗工することにより、導電性の高い接着剤組成物層を得ることができる。そのために、集電体に対する濡れ性が十分であり、かつ、電極組成物層と集電体との間の高い密着性を有する導電性接着剤層を形成することができる導電性接着剤組成物が求められる。
本発明の目的は、集電体に対する濡れ性が十分であり、かつ、電極組成物層と集電体との間の高い密着性を有する導電性接着剤層を形成することができる電気化学素子電極用導電性接着剤組成物、この電気化学素子電極用導電性接着剤組成物により形成される導電性接着剤層を有する接着剤層付集電体および電気化学素子用電極を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を続けた結果、特定の重合体と特定の粒子状共重合体とを用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、
(1) 導電材、末端に水酸基を持つ、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)、二塩基酸単量体単位を含む粒子状共重合体(B)、及び分散媒を含む、電気化学素子電極用導電性接着剤組成物、
(2) 前記粒子状共重合体(B)が、エチレン性不飽和カルボン酸エステル60〜90質量%、二塩基酸単量体0.1〜5質量%、およびこれらと共重合可能なモノオレフィン性単量体39.9〜5質量%を含む単量体混合物を、乳化重合して得られる粒子状共重合体(B−1)および/または、ジエン系モノマー20〜50質量%、二塩基酸単量体0.1〜5質量%、およびこれらと共重合可能なモノオレフィン性単量体79.9〜50質量%を含む単量体混合物を、乳化重合して得られる粒子状共重合体(B−2)である(1)に記載の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物、
(3) 前記導電材はカーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブおよびグラフェンから選ばれる導電性カーボンである(1)または(2)記載の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物、
(4) 集電体上に、(1)〜(3)の何れかに記載の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物を塗布・乾燥してなる導電性接着剤層を有する、接着剤層付集電体、
(5) (4)に記載の接着剤層付集電体の前記導電性接着剤層上に形成された、電極活物質を含む電極組成物層を有する、電気化学素子用電極
が提供される。
本発明によれば、集電体に対する濡れ性が十分であり、かつ、電極組成物層と集電体との間の高い密着性を有する導電性接着剤層を形成することができる電気化学素子電極用導電性接着剤組成物、この電気化学素子電極用導電性接着剤組成物により形成される導電性接着剤層を有する接着剤層付集電体および電気化学素子用電極が提供される。
以下、本発明の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物について説明する。本発明の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物は、導電材、末端に水酸基を持つ、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)、二塩基酸単量体単位を含む粒子状共重合体(B)、及び分散媒を含む。
(導電材)
本発明に係る電気化学素子電極用導電性接着剤組成物(以下、単に「接着剤組成物」と記載することがある。)に用いる導電材は、導電性カーボンであることが好ましい。また、その形態は特に限定はされないが、炭素粒子であることが好ましい。炭素粒子とは、炭素のみからなるか、又は実質的に炭素のみからなる粒子である。その具体例としては、グラファイト(具体的には天然黒鉛、人造黒鉛など)カーボンブラック(具体的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、その他のファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラックなど)、炭素繊維やカーボンナノチューブ(以下、「CNT」ということがある。)などのカーボンウィスカー、グラフェンが挙げられる。これらの中でも、グラファイトとアセチレンブラックを混合して用いることが好ましく、グラファイトとアセチレンブラックにさらにカーボンナノチューブ及び/またはグラフェンを混合して用いることがより好ましく、グラファイトとアセチレンブラックにさらにカーボンナノチューブを混合して用いることがさらに好ましい。
導電材の体積平均粒子径は、良好な導電性を保つ観点から、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.05〜15μm、特に好ましくは0.1〜10μmである。ここで体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−3100島津製作所製)にて測定し、算出される体積平均粒子径である。導電材の体積平均粒子径が大きすぎると、得られる接着剤組成物により形成される導電性接着剤層の導電性が低下する。導電材の体積平均粒子径が小さすぎると、接着剤組成物の粘度が高くなるため、集電体等の基材上に塗工する際の塗工効率が悪化する。
本発明の接着剤組成物における導電材の含有割合は、良好な導電性を保ち、また、接着剤組成物の粘度を高速塗工に適した粘度とする観点から、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは8〜22質量%、さらに好ましくは11〜19質量%である。接着剤組成物における導電材の含有割合が大きすぎると、高粘度となるためスラリー状の接着剤組成物を得ることが困難となる。また、接着剤組成物における導電材の含有割合が小さすぎると、接着剤組成物により形成される導電性接着剤層の導電性が低下する。
導電材の電気抵抗率は、導電性接着剤層の電子移動抵抗をより低減し、リチウムイオン二次電池の内部抵抗をより低減する観点から、好ましくは0.0001〜1Ω・cmであり、より好ましくは0.0005〜0.5Ω・cm、特に好ましくは0.001〜0.1Ω・cmである。ここで、電気抵抗率は、粉体抵抗測定システム(MCP−PD51型:ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、炭素粒子に圧力をかけ続けながら抵抗値を測定し、圧力に対して収束した抵抗値R(Ω)と、圧縮された炭素粒子層の面積S(cm2)と厚みd(cm)から電気抵抗率ρ(Ω・cm)=R×(S/d)を算出する。
(ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2))
本発明に用いるポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体は、末端に水酸基を有する。
末端に水酸基を持つポリアミド重合体(A−1)としては、接着剤組成物のアルミニウム等からなる集電体に対する濡れ性を向上させ、アルミニウム等からなる集電体上に接着剤組成物を均一に塗工する観点から、下記構造式(1)
Figure 2015229741
(式(1)中、
Rは、2、4、6あるいは8個のカルボン酸アミド基によって割りこまれた炭素数6〜150の脂肪族あるいは脂肪族と芳香族との両者を含む炭化水素基、炭素数2〜60の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、または2〜75個の酸素原子(−O−)によって割りこまれた炭素数4〜150の脂肪族炭化水素基、
Zは炭素数2〜6のアルキレン基、
xは、1〜3、
yは、0または1の(整)数、
R′は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または−Z′−(Q)y−(OH)x
(Z′は炭素数2〜6のZと同じまたは異なるアルキレン基を示す)、
Qは、Zおよび/またはZ′に−O−または
Figure 2015229741
を介して連結されており、0〜99個の酸素原子および/またはカルボン酸エステル基によって割りこまれている炭素数2〜200の脂肪族炭化水素基、
nは、2〜3を示す。)
で表されるポリアミド重合体であることが好ましい。
本発明の接着剤組成物にポリアミド重合体(A−1)を用いる場合における、接着剤組成物のポリアミド重合体(A−1)の含有割合は、接着剤組成物のアルミニウム等からなる集電体に対する濡れ性を向上させ、アルミニウム等からなる集電体上に接着剤組成物を均一に塗工する観点から、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%、さらに好ましくは0.3〜1質量%である。接着剤組成物のポリアミド重合体(A−1)の含有割合が大きすぎると、得られる導電性接着剤層の抵抗値が増加する。また、接着剤組成物のポリアミド重合体(A−1)の含有割合が小さすぎると、アルミニウム等からなる集電体に対する接着剤組成物の濡れ性が低下するため、アルミニウム等からなる集電体上への均一な塗工が困難となる。
末端に水酸基を持つポリエステル重合体(A−2)としては、接着剤組成物のアルミニウム等からなる集電体に対する濡れ性を向上させ、アルミニウム等からなる集電体上に接着剤組成物を均一に塗工する観点から、下記構造式(2)
Figure 2015229741
(式(2)中、
1は、分子当たり1〜3個のヒドロキシル基を有する化合物の有機ラジカル、又はシリコン原子に結合しない1〜3個のヒドロキシル基を有するポリシロキサンのラジカルであり、
2が、二価の直鎖又は分枝脂肪酸又はシクロ脂肪酸ラジカルであり、
zは、2〜8、
lは、10〜500、且つ
mは、1〜3を示す)
で表されるポリエステル重合体であることが好ましい。
また、構造式(2)で表されるポリエステル重合体は、1,000〜20,000g/molの分子量及び3〜180mg KOH/gの酸価を有し、室温時に固体であることが好ましい。
本発明の接着剤組成物にポリエステル重合体(A−2)を用いる場合における、接着剤組成物のポリエステル重合体(A−2)の含有割合は、接着剤組成物のアルミニウム等からなる集電体に対する濡れ性を向上させ、アルミニウム等からなる集電体上に接着剤組成物を均一に塗工する観点から、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%、さらに好ましくは0.3〜1質量%である。接着剤組成物のポリエステル重合体(A−2)の含有割合が大きすぎると、得られる導電性接着剤層の抵抗値が増加する。また、接着剤組成物のポリエステル重合体(A−2)の含有割合が小さすぎると、アルミニウム等からなる集電体に対する接着剤組成物の濡れ性が低下するため、アルミニウム等からなる集電体上への均一な塗工が困難となる。
(粒子状共重合体(B))
粒子状共重合体(B)は、二塩基酸単量体単位を含む。ここで、二塩基酸単量体単位とは、二塩基酸であり重合性を有する化合物から導かれる繰り返し単位である。粒子形状は真球状であっても、楕円球状であってもよく、その他の異形形状であってもよいが、球形度の高い形状であることが好ましい。
二塩基酸単量体としては、たとえばイタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸およびそれらの無水物;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ2−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;などが挙げられる。これらの中でもイタコン酸、マレイン酸が特に好ましい。これらの二塩基酸単量体は一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
粒子状共重合体(B)は、二塩基酸単量体単位が含まれる限り、特に限定はされないが、所望の結着性、分散性、粒子性状を達成する観点から、二塩基酸単量体に加えて、エチレン性不飽和カルボン酸エステルおよびこれらと共重合可能なモノオレフィン性単量体を含む単量体混合物を、乳化重合して得られる粒子状共重合体(B−1)および/または、二塩基酸単量体に加えて、ジエン系モノマーおよびこれらと共重合可能なモノオレフィン性単量体を含む単量体混合物を、乳化重合して得られる粒子状共重合体(B−2)であることが好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸エステルの具体例としては、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートなどのアクリレート等;エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどのメタアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、アクリレートが好ましく、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが、得られる電極の強度を向上できる点で、特に好ましい。これらのエチレン性不飽和カルボン酸エステルは一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ジエン系モノマーの具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン、ペンタジエン等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンが、得られる電池の寿命を向上できる点で、特に好ましい。これらのジエン系モノマーは一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記各単量体と、共重合可能なモノオレフィン性単量体としては、たとえば、エチレン性不飽和ニトリル単量体、芳香族ビニル単量体、エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体などが挙げられる。
エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられる。これらのなかでも、特に、アクリロニトリルが好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。これらのなかでも、特に、スチレンが好ましい。
エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸があげられる。また、これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの塩の状態で使用しても良い。
さらにその他の配合可能な単量体化合物の具体例としては、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。
これらのモノオレフィン性単量体は、単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
なお、粒子状共重合体(B)には、上述したポリアミド重合体(A−1)及びポリエステル重合体(A−2)を構成する構成単位は実質的に含まれておらず、ポリアミド重合体(A−1)及びポリエステル重合体(A−2)を構成する構成単位の含有量は0.1質量%未満である。
粒子状共重合体(B−1)を形成するための単量体混合物の組成は特に限定はされないが、二塩基酸単量体の割合は、本発明の接着剤組成物により形成される導電性接着剤層のアルミニウム等からなる集電体及び電極合材層との間の結着性が強まる観点から、0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜4.5質量%、さらに好ましくは1〜4.0質量%である。また、エチレン性不飽和カルボン酸エステルの割合及びモノオレフィン性単量体の割合は、導電材の分散を均一にする観点、導電材同士及びアルミニウム等からなる集電体との接着性を向上させる観点、及び、本発明の導電性接着剤により形成される導電性接着剤層の塗膜表面の平滑化に寄与する観点から、エチレン性不飽和カルボン酸エステルの割合は、60〜90質量%、好ましくは65〜85質量%、さらに好ましくは68〜82質量%であり、モノオレフィン性単量体の割合は、39.9〜5質量%、好ましくは35〜10質量%、さらに好ましくは30〜15質量%である。
粒子状共重合体(B−1)中の二塩基酸単量体の割合が多すぎたり、少なすぎたりすると、本発明の接着剤組成物により形成される導電性接着剤層のアルミニウム等からなる集電体及び電極合材層との間の結着性が弱まる。また、粒子状共重合体(B−1)中のエチレン性不飽和カルボン酸エステルの割合及びモノオレフィン性単量体の割合が多すぎたり、少なすぎたりすると、本発明の導電性接着剤組成物により形成される導電性接着剤層のアルミニウム等からなる集電体及び電極合材層との間の結着性が弱まる。
また、粒子状共重合体(B−2)を形成するための単量体混合物の組成は特に限定はされないが、二塩基酸単量体の割合は、本発明の接着剤組成物により形成される導電性接着剤層のアルミニウム等からなる集電体及び電極合材層との間の結着性が強まる観点から、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜4.5質量%、さらに好ましくは1〜4.0質量%である。また、ジエン系モノマーの割合及びモノオレフィン性単量体の割合は、導電材の分散を均一にする観点、導電材同士及びアルミニウム等からなる集電体との接着性を向上させる観点、及び、本発明の導電性接着剤により形成される導電性接着剤層の塗膜表面の平滑化に寄与する観点から、ジエン系モノマーの割合が好ましくは20〜50質量%、より好ましくは25〜45質量%、さらに好ましくは30〜40質量%であり、モノオレフィン性単量体の割合が好ましくは79.9〜50質量%、より好ましくは75〜52質量%、さらに好ましくは70〜55質量%である。
本発明の接着剤組成物中の粒子状共重合体(B)の含有割合は、導電材の分散を均一にする観点、導電材同士及びアルミニウム等からなる集電体との接着性を向上させる観点、及び、本発明の導電性接着剤により形成される導電性接着剤層の塗膜表面の平滑化に寄与する観点から、好ましくは4〜8質量%、より好ましくは4.5〜7.5質量%、さらに好ましくは5〜7質量%である。接着剤組成物中の粒子状共重合体(B)の含有割合が大きすぎると、得られる導電性接着剤層の抵抗値が増加する。また、接着剤組成物中の粒子状共重合体(B)の含有割合が小さすぎると、接着剤組成物により形成される導電性接着剤層と、アルミニウム等からなる集電体及び電極合材層との結着性が低下する。
このような粒子状共重合体(B)のガラス転移温度は、好ましくは−40〜40℃である。また、粒子状共重合体(B)のテトラヒドロフラン不溶解分は、剥離強度の高い活物質層を持つ電極を得る観点から、好ましくは60〜99質量%、より好ましくは70〜95質量%である。
粒子状共重合体(B)には、二塩基酸構造が含まれるため、導電材に対する親和性が高い。このため、接着剤組成物中においては、導電材の分散性を向上し、組成物中に導電材を均一に分散する。接着剤組成物の塗工性が良好になり、得られる導電性接着剤層の表面状態が向上し、導電性接着剤層表面が平滑になる。また、組成物の乾燥後には、導電材どうしを強固に結合し、導電性接着剤層の強度の向上に寄与する。
(分散媒およびその他の成分)
本発明に係る電気化学素子電極用導電性接着剤組成物は、上記した導電材、末端に水酸基を持つ、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)及び粒子状共重合体(B)が分散媒に分散されたスラリー状の組成物である。ここで分散媒は、上記各成分を均一に分散でき、安定的に分散状態を保ちうる限り、水、各種有機溶媒が特に制限されることなく使用できる。製造工程の簡素化の観点から、上記の乳化重合後に溶媒置換などの操作を行うことなく、直接接着剤組成物を製造することが好ましく、分散媒としては乳化重合時の反応溶媒を使用することが望ましい。乳化重合時には、水が反応溶媒として用いられることが多く、また作業環境の観点からも水を分散媒とすることが特に好ましい。
さらに本発明の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物には、上記各成分を分散させるための分散剤が含まれていても良い。
分散剤の具体例としては、特に制限はされないが、上記した導電材、末端に水酸基を持つ、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)及び粒子状共重合体(B)を均一に分散し、集電体の表面張力を低下させる観点から、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物などのアニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。これらの分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
接着剤組成物における分散剤の含有割合は、導電材を分散媒(水)に良好に分散させる観点から、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは0.8〜3.5質量%、さらに好ましくは1.1〜2質量%である。接着剤組成物中の分散剤の含有割合が大きすぎると、接着剤組成物により形成される導電性接着剤層の抵抗値が増加する。また、接着剤組成物中の分散剤の含有割合が小さすぎると、導電材が分散媒(水)に分散しにくくなる。
(接着剤組成物)
本発明の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物は、導電材、末端に水酸基を持つ、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)、二塩基酸単量体単位を含む粒子状共重合体(B)、及び分散媒を含み、各成分の含有割合は特に限定はされないが、各成分の分散性や塗工性の観点から、上記した含有割合であることが好ましい。即ち、導電材の含有割合は、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは8〜22質量%、さらに好ましくは11〜19質量%であり、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)の含有割合は、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%、さらに好ましくは0.3〜1質量%であり、粒子状共重合体(B)の含有割合は、好ましくは4〜8質量%、より好ましくは4.5〜7.5質量%、さらに好ましくは5〜7質量%である。残部は、分散媒および必要に応じて添加される各種成分である。分散媒の含有割合は、接着剤組成物の粘度を塗工に適した粘度とする観点から、好ましくは60〜90質量%であり、更に好ましくは65〜85質量%、特に好ましくは68〜85質量%である。 分散媒の含有割合が大きすぎると、接着剤組成物により形成される導電性接着剤層の導電性が低下し、また、接着剤組成物のアルミニウム等からなる集電体に対する濡れ性が低下する。また、分散媒の含有割合が小さすぎると、接着剤組成物の粘度が増加し、塗工に適さない。
さらに、本発明の接着剤組成物には、上記の成分に加えて、上記以外のバインダー、増粘剤、老化防止剤、消泡剤、抗菌剤、ブリスター防止剤、pH調整剤などを必要に応じて添加することができる。
また、本発明の接着剤組成物は、防腐剤を含んでいることが好ましい。防腐剤の具体例としては、イソチアゾリン系化合物やハロゲン化脂肪族ニトロアルコールなどが挙げられるが、本発明において、イソチアゾリン系化合物を好ましく用いることができる。
なお、本発明において、本発明の効果を妨げない範囲において、上記以外の防腐剤も使用することができ、さらに防腐剤は、それぞれ単独でまたは2種以上の組み合わせで使用することもできる。
本発明の接着剤組成物は、特定量のイソチアゾリン系化合物を含有することで、菌類の繁殖を抑制することができるため、異臭の発生や該接着剤組成物の増粘を防ぐことができ、長期保存安定性に優れる。
イソチアゾリン系化合物は、一般的な防腐剤としては公知の化合物であり、下記構造式(3)で示される。
Figure 2015229741
(式中、Yは水素又は置換されていてもよい炭化水素基を、X1及びX2は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基をそれぞれ示す。なお、X1、X2が共同して芳香環を形成してもよい。なお、X1及びX2は、それぞれ同一でもよく、相異なっていてもよい。)
まず、上記構造式(3)で表されるイソチアゾリン系化合物について説明する。上記構造式(3)において、Yは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。Yで示される置換されていてもよい炭化水素基の置換基としては、例えばヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、炭素数1〜4のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基等)及び炭素数6〜10のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)等が挙げられる。前記置換基の中では、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。これらの置換基は1〜5個、好ましくは1〜3個の範囲で前記炭化水素基の水素を置換していてもよく、また前記置換基はそれぞれ同一でもよく、相異なっていてもよい。
Yで示される置換されていてもよい炭化水素基の該炭化水素基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基等が挙げられる。前記炭化水素基の中では炭素数1〜10のアルキル基や炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
前記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ノニル基及びデシル基等が挙げられる。これらアルキル基の中では、例えばメチル基、エチル基等の炭素数1〜3のアルキル基や、例えばオクチル基、tert−オクチル基等の炭素数7〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
前記炭素数2〜6のアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基等が挙げられる。前記アルケニル基の中では、ビニル基、アリル基が好ましい。
前記炭素数2〜6のアルキニル基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等が挙げられる。前記アルキニル基の中では、エチニル基、プロピニル基が好ましい。
前記炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。前記シクロアルキル基の中では、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
前記炭素数6〜14のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。前記アリール基の中では、フェニル基が好ましい。
以上説明したように、Yで示される置換されていてもよい炭化水素基として種々のものが挙げられるが、これら炭化水素基の中では、メチル基やオクチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記構造式(3)において、X1及びX2は、同一又は相異なる水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基をそれぞれ示す。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、これらの中では塩素原子が好ましい。
前記炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。前記アルキル基の中では、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。以上説明した置換基の中で、X1としては水素原子又は塩素原子がより好ましく、塩素原子がさらに好ましい。また、X2としては水素原子又は塩素原子がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
上記構造式(3)で表されるイソチアゾリン系化合物の具体例としては、例えば5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−t−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
これらの化合物の中では、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下において「MIT」と表すことがある。)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンがより好ましい。
下記構造式(4)は、上記構造式(3)において、X1、X2が共同して芳香環を形成したもののうち、ベンゼン環を形成した場合を示す。
Figure 2015229741

(式(4)中、Yは構造式(3)の場合と同様であり、X3〜X6は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基をそれぞれ示す。)
上記構造式(4)において、X3〜X6は、水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等)、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基等)、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えばメトキシ基及びエトキシ基等)等が挙げられるが、これらの中では、ハロゲン原子や炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。これらX3〜X6は、それぞれ同一でもよく、相異なっていてもよい。
上記構造式(4)で表されるイソチアゾリン系化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(以下において「BIT」と表すことがある。)、N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
これらイソチアゾリン系化合物は、単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。導電性接着剤組成物の長期貯蔵安定性と該導電性接着剤組成物を用いた電池特性(サイクル寿命)においては、これらの中でも、BITが含まれることが特に好ましい。
接着剤組成物におけるイソチアゾリン系化合物の含有割合は、導電性カーボン100質量部に対して、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.03〜0.7質量部、さらに好ましくは0.05〜0.5質量部である。イソチアゾリン系化合物の含有割合が小さすぎると、接着剤組成物における菌類の繁殖が抑制されず、接着剤組成物の長期保存安定性が低下する。また、接着剤組成物中における菌類の繁殖に伴い、接着剤組成物が変性し、接着剤組成物の粘度が増加する。その結果、接着剤組成物の取扱いが困難になると共にピール強度が低下する。一方、イソチアゾリン系化合物の含有割合が大きすぎると、防菌効果を得ることができるが、接着剤組成物により形成される導電性接着剤層において抵抗体となるため、得られる電池の出力特性が低下する。
接着剤組成物の固形分濃度は、塗布法にもよるが、導電性接着剤層が高充填化され、得られる電気化学素子のエネルギー密度と出力密度が高まる観点から、好ましくは10〜60%、より好ましくは15〜50%、さらに好ましくは20〜40%である。
接着剤組成物はスラリー状であり、その粘度は、塗布法にもよるが、集電体上に均一な導電性接着剤層を形成する観点から、好ましくは10〜10,000mPa・s、より好ましくは50〜5,000mPa・s、さらに好ましくは100〜2,000mPa・sである。
また、接着剤組成物の接触角の値は、接着剤組成物が均一に塗工可能である観点から、好ましくは60°以上80°未満、より好ましくは60°以上75°未満、さらに好ましくは60°以上70°未満である。接触角の値が大きすぎると、接着剤組成物中の濡れ剤成分の増加により接着剤組成物により形成される導電性接着剤層の抵抗値が増加する。また、接触角の値が小さすぎると、接着剤組成物を集電体上に均一に塗工することが不可能となるため、接着剤組成物により形成される導電性接着剤層の抵抗値が増加する。なお、接触角の値は、例えば協和界面科学製接触角測定装置DMs−4000を使用して測定することができる。また、上記接触角の値は、例えば、アルミニウム集電体に対する接触角の値等が挙げられる。
接着剤組成物の製造方法は、特に限定はされず、上記各固形成分を分散媒に分散させることができればいかなる手段であってもよい。たとえば、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)の分散液、粒子状共重合体(B)の分散液、導電材および必要に応じ添加される任意成分を一括して混合し、その後必要に応じ分散媒を添加し、分散液の固形分濃度を調整してもよい。また、導電性カーボンを何らかの分散媒に分散した状態で添加してもよい。
(接着剤層付集電体)
本発明の接着剤層付集電体は、例えば、上記の接着剤組成物を集電体上に塗布乾燥することにより得られる。
集電体の材料は、例えば、金属、炭素、導電性高分子などであり、好適には金属が用いられる。集電体用金属としては、通常、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、銅、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面から銅、アルミニウムまたはアルミニウム合金を使用するのが好ましい。
集電体の厚みは、5〜100μmで、好ましくは10〜70μm、特に好ましくは15〜50μmである。
導電性接着剤層の形成方法は、特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗りなどによって、集電体上に形成される。また、剥離紙上に、導電性接着剤層を形成した後に、これを集電体に転写してもよい。
導電性接着剤層の乾燥方法としては、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。中でも、熱風による乾燥法、遠赤外線の照射による乾燥法が好ましい。乾燥温度と乾燥時間は、集電体上に塗布したスラリー中の溶媒を完全に除去できる温度と時間が好ましく、乾燥温度は好ましくは50〜300℃、より好ましくは80〜250℃である。乾燥時間は、好ましくは2時間以下、より好ましくは5秒〜30分である。
導電性接着剤層の厚みは、導電性接着剤層を介して電極組成物層と集電体とが良好に接着し、かつ電子移動抵抗を低減する観点から、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは0.8〜2.5μm、さらに好ましくは1.0〜2.0μmである。
導電性接着剤層は、接着剤組成物の固形分組成に応じた組成を有し、導電材、末端に水酸基を持つ、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)、二塩基酸単量体単位を含む粒子状共重合体(B)を含む。
(電気化学素子用電極)
本発明の電気化学素子用電極は、上記接着剤層付集電体の導電性接着剤層上に電極組成物層を有する。電極組成物層は、電極活物質と電極用導電材および電極用バインダーとからなり、これら成分を含むスラリーから調整される。
(電極活物質)
電極活物質は負極活物質であってもよく、また正極活物質であってもよい。電極活物質は、電池内で電子の受け渡しをする物質である。電極活物質の体積平均粒子径は、正極、負極ともに好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.05〜50μm、さらに好ましくは0.1〜20μmである。これらの電極活物質は、それぞれ単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用することができる。
(電極用導電材)
電極用導電材は、導電性を有し、電気二重層を形成し得る細孔を有さない、粒子状の炭素の同素体からなり、具体的には、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベルケミカルズベスローテンフェンノートシャップ社の登録商標)などの導電性カーボンブラックが挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラックおよびファーネスブラックが好ましい。
(電極用バインダー)
電極用バインダーは、電極活物質、電極用導電材を相互に結着させることができる化合物であれば特に制限はない。好適な電極用バインダーは、溶媒に分散する性質のある分散型バインダーである。分散型バインダーとして、例えば、フッ素重合体、ジエン重合体、アクリレート重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン重合体等の高分子化合物が挙げられ、フッ素重合体、ジエン重合体又はアクリレート重合体が好ましく、ジエン重合体又はアクリレート重合体が、耐電圧を高くでき、かつリチウムイオン二次電池のエネルギー密度を高くすることができる点でより好ましい。
ジエン重合体は、共役ジエンの単独重合体もしくは共役ジエンを含む単量体混合物を重合して得られる共重合体、またはそれらの水素添加物である。
前記単量体混合物における共役ジエンの割合は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。ジエン重合体の具体例としては、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン単独重合体;カルボキシ変性されていてもよいスチレン・ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル・共役ジエン共重合体;水素化SBR、水素化NBR等が挙げられる。
アクリレート重合体は、一般式(5):CH2=CR3−COOR4(式(5)中、R3は水素原子またはメチル基を、R4はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。)で表される化合物を含む単量体混合物を重合して得られる重合体である。一般式で表される化合物の具体例としては、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートなどのアクリレート;エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどのメタアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、アクリレートが好ましく、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが、得られる電極の強度を向上できる点で、特に好ましい。アクリレート重合体中のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル由来の単量体単位の割合は、耐熱性が高く、かつ得られる電気化学素子用電極の内部抵抗を小さくできる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
前記アクリレート重合体は、一般式(5)で表される化合物の他に、共重合可能なカルボン酸基含有単量体を用いることができ、具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸などの一塩基酸含有単量体、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの二塩基酸含有単量体が挙げられる。なかでも、二塩基酸含有単量体が好ましく、導電性接着剤層との結着性を高め、電極強度を向上できる点で、イタコン酸が特に好ましい。これらの一塩基酸含有単量体、二塩基酸含有単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。共重合の際の、前記単量体混合物におけるカルボン酸基含有単量体の量は、導電性接着剤層との結着性に優れ、得られる電極強度が高まる観点から、一般式(1)で表される化合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.5〜20質量部、さらに好ましくは1〜10質量部である。
前記アクリレート重合体は、一般式(5)で表される化合物の他に、共重合可能なニトリル基含有単量体を用いることができる。ニトリル基含有単量体の具体例としては、アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどが挙げられ、中でもアクリロニトリルが、導電性接着剤層との結着性が高まり、電極強度が向上できる点で好ましい。共重合の際の、前記単量体混合物におけるアクリロニトリルの量は、導電性接着剤層との結着性に優れ、得られる電極強度が高まる観点から、一般式(5)で表される化合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜40質量部、より好ましくは0.5〜30質量部、さらに好ましくは1〜20質量部である。
電極用バインダーの形状は、特に制限はないが、導電性接着剤層との結着性が良く、また、作成した電極の容量の低下や充放電の繰り返しによる劣化を抑えることができるため、粒子状であることが好ましい。
電極用バインダーのガラス転移温度(Tg)は、少量の使用量で結着性に優れ、電極強度が強く、柔軟性に富み、電極形成時のプレスエ程により電極密度を容易に高めることができる観点から、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは−40〜0℃である。
電極用バインダーが粒子状である場合、その数平均粒子径は、格別な限定はないが、少量の使用でも優れた結着力を電極に与えることができる観点から、好ましくは0.0001〜100μm、より好ましくは0.001〜10μm、さらに好ましくは0.01〜1μmである。ここで、数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだ電極用バインダー粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒子径である。粒子の形状は球形、異形、どちらでもかまわない。これらの電極用バインダーは単独でまたは二種類以上を組み合わせて用いることができる。
電極用バインダーの使用量は、得られる電極組成物層と導電性接着剤層との密着性が充分に確保でき、リチウムイオン二次電池の容量を高く且つ内部抵抗を低くすることができる観点から、電極活物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.5〜20質量部、さらに好ましくは1〜10質量部である。
(電極組成物層)
電極組成物層は、導電性接着剤層上に設けられるが、その形成方法は制限されない。電極形成用組成物は、電極活物質、導電材及びバインダーを必須成分として、必要に応じてその他の分散剤および添加剤を配合することができる。その他の分散剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプンなどが挙げられる。なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタアクリル」を意味する。
これらの分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。これらの分散剤の量は、格別な限定はないが、電極活物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは0.8〜2質量部である。
電極組成物層を形成する場合、ペースト状の電極形成用組成物(以下、「電極組成物層用スラリー」と記載することがある。)は、電極活物質、導電材及びバインダーの必須成分、並びにその他の分散剤および添加剤を、水またはN−メチル−2−ピロリドンやテトラヒドロフランなどの有機溶媒中で混練することにより製造することができる。
スラリーを得るために用いる溶媒は、特に限定されないが、上記の分散剤を用いる場合には、分散剤を溶解可能な溶媒が好適に用いられる。具体的には、通常水が用いられるが、有機溶媒を用いることもできるし、水と有機溶媒との混合溶媒を用いてもよい。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルキルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキサイド、スルホラン等のイオウ系溶剤;等が挙げられる。この中でも有機溶媒としては、アルコール類が好ましい。電極組成物層用スラリーは、電極組成物層の乾燥の容易さと環境への負荷に優れる点から水を分散媒とした水系スラリーが好ましい。水と、水よりも沸点の低い有機溶媒とを併用すると、噴霧乾燥時に、乾燥速度を速くすることができる。また、水と併用する有機溶媒の量または種類によって、バインダーの分散性または分散剤の溶解性が変わる。これにより、スラリーの粘度や流動性を調整することができ、生産効率を向上させることができる。
スラリーを調製するときに使用する溶媒の量は、各成分を均一に分散させる観点から、スラリーの固形分濃度が、好ましくは1〜90質量%、より好ましくは5〜85質量%、さらに好ましくは10〜80質量%となる量である。
電極活物質、電極用導電材、電極用バインダー、その他の分散剤や添加剤を溶媒に分散または溶解する方法または手順は特に限定されず、例えば、溶媒に電極活物質、電極用導電材、電極用バインダーおよびその他の分散剤や添加剤を添加し混合する方法;溶媒に分散剤を溶解した後、溶媒に分散させた電極用バインダーを添加して混合し、最後に電極活物質および電極用導電材を添加して混合する方法;溶媒に分散させたバインダーに電極活物質および電極用導電材を添加して混合し、この混合物に溶媒に溶解させた分散剤を添加して混合する方法等が挙げられる。混合の手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機器が挙げられる。混合は、好ましくは、室温〜80℃で、10分〜数時間行う。
スラリーの粘度は、室温において、生産性を上げる観点から、好ましくは10〜100,000mPa・s、より好ましくは30〜50,000mPa・s、さらに好ましくは50〜20,000mPa・sである。
スラリーの導電性接着剤層上への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。スラリーの塗布厚は、目的とする電極組成物層の厚みに応じて適宜に設定される。
乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。中でも、遠赤外線の照射による乾燥法が好ましい。乾燥温度と乾燥時間は、集電体に塗布したスラリー中の溶媒を完全に除去できる温度と時間が好ましく、乾燥温度としては好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜250℃である。乾燥時間としては、好ましくは10分〜100時間、より好ましくは20分〜20時間である。
電極組成物層の密度は、特に制限されないが、好ましくは0.30〜10g/cm3、より好ましくは0.35〜8.0g/cm3、さらに好ましくは0.40〜6.0g/cm3である。また、電極組成物層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは5〜1000μm、より好ましくは20〜500μm、さらに好ましくは30〜300μmである。
(電気化学素子)
前記電気化学素子用電極の使用態様としては、かかる電極を用いたリチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、ナトリウム電池、マグネシウム電池などが挙げられ、リチウムイオン二次電池が好適である。たとえばリチウムイオン二次電池は、上記電気化学素子用電極、セパレータおよび電解液で構成される。
(セパレータ)
セパレータは、電気化学素子用電極の間を絶縁でき、陽イオンおよび陰イオンを通過させることができるものであれば特に限定されない。具体的には、(a)気孔部を有する多孔性セパレータ、(b)片面または両面に高分子コート層が形成された多孔性セパレータ、または(c)無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート層が形成された多孔性セパレータが挙げられる。これらの非制限的な例としては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリオレフィン系、またはアラミド系多孔性セパレーター、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルまたはポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体などの固体高分子電解質用またはゲル状高分子電解質用の高分子フィルム、ゲル化高分子コート層がコートされたセパレータ、または無機フィラー、無機フィラー用分散剤からなる多孔膜層がコートされたセパレータなどを用いることができる。セパレータは、上記一対の電極組成物層が対向するように、電気化学素子用電極の間に配置され、素子が得られる。セパレータの厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜100μm、より好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは20〜60μmである。
(電解液)
電解液は、特に限定されないが、例えば、非水系の溶媒に支持電解質としてリチウム塩を溶解したものが使用できる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C49SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO22NLi、(C25SO2)NLiなどのリチウム塩が挙げられる。特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liは好適に用いられる。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。支持電解質の量は、電解液に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、また好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。支持電解質の量が少なすぎても多すぎてもイオン導電度は低下し電池の充電特性、放電特性が低下する。
電解液に使用する溶媒としては、支持電解質を溶解させるものであれば特に限定されないが、通常、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびメチルエチルカーボネート(MEC)などのアルキルカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類、1,2−ジメトキシエタン、およびテトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホラン、およびジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;が用いられる。特に高いイオン伝導性が得易く、使用温度範囲が広いため、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましい。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。また、電解液には添加剤を含有させて用いることも可能である。また、添加剤としてはビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系の化合物が好ましい。
上記以外の電解液としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、硫化リチウム、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質を挙げることができる。
リチウムイオン二次電池は、負極と正極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口して得られる。さらに必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をすることもできる。電池の形状は、ラミネートセル型、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型などいずれであってもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り質量基準である。実施例および比較例における各特性は、下記の方法に従い測定した。
(接着剤組成物の接触角)
協和界面科学製接触角測定装置DMs−4000を使用して、実施例及び比較例において作製した接着剤組成物を1μL滴下して接触角を測定した。評価は、下記の基準により行った。結果を表1に示す。
SA:60°以上65°未満
A:65°以上70°未満
B:70°以上75°未満
C:75°以上80°未満
D:80°以上
(塗膜の均一性評価)
アルミニウム集電体に形成された導電性接着剤層表面の外観を目視で判断した。導電性接着剤層表面に欠陥が無い場合をA、ピンホールや、直径1μm以下のクレーターが見られる場合をB、直径1μm以上のクレーターや、亀裂が見られる場合をCとして評価し、結果を表1に示した。
(電極のピール強度)
実施例および比較例において得られたリチウムイオン二次電池電極(正極)について、電極組成物層の塗布方向が長辺となるようにリチウムイオン二次電池用電極を長さ100mm、幅10mmの長方形に切り出して試験片とした。試験片の電極組成物層面を下にして、電極組成物層表面にセロハンテープ(JISZ1522に規定されるもの)を貼り付け、集電体の一端を弓1張り速度50mm/分で垂直方向に弓1張り、テープを剥がしたときの応力を測定する(なお、セロハンテープは試験台に固定されている。)。この測定を3回行い、その平均値を求めてこれをピール強度とし、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。ピール強度が大きいほど電極組成物層の集電体への結着力が大きい、すなわち電極強度が大きいことを示す。
A:ピール強度が30N/m以上
B:ピール強度が20N/m以上30N/m未満
C:ピール強度が20N/m未満
(サイクル試験)
実施例および比較例で製造したリチウムイオン二次電池(単層ラミネートセル)を、60℃で12時間静置させた後に充放電の操作を行った。ここで、充電は定電流で開始し、電圧が3.8Vに達したら電流値を絞り、一定の電流値に達したところで充電を終了する。また、放電は充電終了後に定電流で2.5Vに達するまで行った。この充放電サイクルを60℃の恒温槽内で繰り返し、500サイクル後の初期容量に対する容量維持率を算出し、以下の基準で評価を行った。結果を表1に示す。容量維持率が大きいほど耐久性に優れる。なお、リチウムイオン二次電池の容量は放電時のエネルギー量から電極活物質の単位質量あたりの容量として算出した。
SA:容量維持率が95%以上
A:容量維持率が90%以上95%未満
B:容量維持率が85%以上90%未満
C:容量維持率が85%未満
また、下記実施例および比較例において、粒子状共重合体の体積平均粒子径は、粒子径測定機(コールターLS230=コールター社製)を用いて測定した。
(実施例1)
(ポリエステル重合体(A−2)の製造)
撹拌装置を備えた容器に3-ヒドロキシプロピオン酸1molを加え、これに対してp-トルエンスルホン酸1gと500mlのドライトルエンを加え、100℃で撹拌を行いながら還流することを2時間行った後、還流下で溶剤及び水分を除去し、縮合反応を行った。さらに、0.05molのグリセリン及び0.05molのマロン酸及び500mlのドライトルエンを加え、100℃で撹拌を行いながら還流することを2時間行った後、同様に還流下で溶剤及び水分を除去した。混合液を冷却後、炭酸水素ナトリウム水溶液を300ml加え、撹拌して残留未反応物の抽出を行った。さらに、生成物を塩化カルシウムを加えて乾燥し、不溶解分を吸引濾過した後、ポリエステル重合体(A-2)72gを得た。これにメチルセロソルブの50%溶液と水を加え、懸濁液とした。
(粒子状共重合体(B−2)の製造)
撹拌機付き5MPa耐圧容器に、スチレン60部、1,3−ブタジエン37.5部、イタコン酸(以下、「IA」ということがある。)2.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、イオン交換水150部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム1部を入れ、十分に撹拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が65%となった時点で、反応温度を70℃へ昇温した。
モノマー消費量が95.0%になった時点で冷却し反応を止め、固形分濃度40%のジエン系重合体粒子水分散液のpHを7.5に調整することにより、粒子状共重合体(B−2)の分散液を得た。なお、分散液のpHの調整は、10%アンモニア水溶液を添加することにより行った。得られた粒子状共重合体(B−2)の体積平均粒子径は、310nm、THF不溶分は86%であった。
(接着剤組成物の製造)
イオン交換水に分散剤としてβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(デモールNL、花王社製)を溶かした水溶液へ、導電材(グラファイト/アセチレンブラック=50/50、平均粒子径2μm)を15部添加し、ディスパーを使用して1500rpmで15分間撹拌した後、ポリエステル重合体(A−2)を固形分相当で0.5部、粒子状共重合体(B−2)を固形分相当で6部、及びインチアゾリン化合物水溶液(ソー・ジャパン製ACTICIDE(登録商標)MBS(MIT/BIT=50/50の5%水溶液)を固形分相当で2部添加して、ディスパーを1500rpmで15分間撹拌した。さらにイオン交換水の量が75部(即ち、固形分濃度が25%)となるようにイオン交換水を加え、接着剤組成物を作製した。
(導電性接着剤層の形成)
アルミニウム集電体に前記導電性接着剤を、ワイヤーバーを使用して塗布し、20m/分の成形速度で集電体の片面に塗布し、オーブン中で110℃で5分間乾燥させ、厚さ1〜2μmの導電性接着剤層を形成し、導電性接着剤層付集電体を得た。
(電極の作製)
正極の電極活物質として、体積平均粒子径が4μmのリン酸鉄リチウムを100部、正極の電極用バインダーとしてポリフッ化ビニリデンの8.0%水溶液(PVDF#7208、クレハ社製)を固形分相当で5.0部、導電材としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状、電気化学工業社製)を5.0部、及び溶媒としてN−メチルピロリドンを加えて正極用スラリーを作製した。
N−メチルピロリドンを徐々に加えて固形分濃度を落としつつ、混練機(練太郎、シンキー社製)を使用して混練を繰り返した。最終的には全固形分濃度を48%まで落とし、塗工に適する粘度とした。
前記正極用スラリーを20m/分の速度で前記導電性接着剤層付集電体の導電性接着剤層側の表面に塗布し、80℃で20分間、さらに120℃で20分間乾燥した後、4.0cm×3.8cmとなるように切り出して、片面厚さ100μmの電極組成物層を形成した。次いで、ロールプレスで圧延して厚さ50μmの正極を得た。
一方負極の活物質として、体積平均粒子径が3.7μmであるグラファイト(KS−6=ティムカル社製)を100部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液(MAC350HC、日本製紙ケミカル株式会社製)を固形分相当で1.0部、負極の電極用バインダーとしてガラス転移温度が一48℃で、数平均粒子径が0.18μmのジエン重合体の40%水分散体を固形分相当で1.0部、およびイオン交換水を全固形分濃度が60%となるようにプレネタリーミキサーを使用して混合し、塗工に適した粘度として、負極の電極用組成物を調製した。
上記負極用スラリー組成物をアプリケーターを用いて、厚さ18μmの銅箔の片面に乾燥後の膜厚が100μm程度になるように塗布し、50℃で20分乾燥後、110℃で20分間加熱処理して負極活物質層を形成した。次いで、ロールプレスで圧延して厚さ50μmの負極を得た。
(電池の製造)
前記正極、負極及びセパレータを用いて、積層型ラミネートセル形状のリチウムイオン二次電池を作製した。電解液としてはエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:2で混合したもの、これに加えてビニレンカーボネートを質量比で2.0%混合した溶媒に、LiPF6を1.0mol/リットルの濃度で溶解させたものを用いた。
(実施例2)
接着剤組成物の製造において、用いる導電材の種類をグラファイト/アセチレンブラック=80/20(平均粒子径4μm)の組成のものとした以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(実施例3)
接着剤組成物の製造において、用いる導電材の種類をグラファイト/アセチレンブラック/CNT=50/30/20(平均粒子径2μm)の組成のものとした以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(実施例4)
接着剤組成物の製造において、用いる導電材の種類をグラファイト/アセチレンブラック/グラフェン=50/30/20(平均粒子径2μm)の組成のものとした以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(実施例5)
(粒子状共重合体(B−1)の製造)
撹拌装置を備えたステンレス製耐圧反応器に、シードラテックス(スチレン38部、メチルメタアクリレート60部及びメタクリル酸2部を重合して得られる、粒子径70nmの重合体粒子のラテックス)を固形分にて3部、n−ブチルアクリレート10部、2−エチルヘキシルアクリレート54.5部、イタコン酸2.5部、スチレン6部、アンモニウムラウリルサルフェート(アニオン性界面活性剤)2部、およびイオン交換水108部を添加し、攪拌した。次いで、反応器内の温度を60℃に昇温した後、4%過硫酸カリウム水溶液10部を投入して重合反応を開始させた。そして、重合反応を進行させ、重合転化率が70%に達したとき、反応温度を70℃に昇温した。
反応温度を70℃に維持しながら、重合転化率が97%に達するまで、重合反応を継続した。反応系を室温まで冷却して、重合反応を停止し、減圧して未反応単量体を除去した。イオン交換水を添加し、固形分濃度を45%、分散液のpHを7.5に調整することにより、粒子状共重合体(B−1)の分散液を得た。なお、分散液のpHの調整は、10%アンモニア水溶液を添加することにより行った。得られた粒子状共重合体(B−1)の体積平均粒子径は、320nm、THF不溶分は88%であった。
(接着剤組成物の製造)
接着剤組成物の製造において、粒子状共重合体(B−2)に代えて粒子状共重合体(B−1)を用い、さらに用いる導電材の量を8部とした以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。
また、得られた接着剤組成物を用いて、実施例1と同様に導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(実施例6)
接着剤組成物の製造において、用いる導電材の量を22部とした以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(実施例7)
接着剤組成物の製造において、用いるポリエステル重合体(A−2)の量を固形分相当で0.2部とした以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(実施例8)
接着剤組成物の製造において、用いるポリエステル重合体(A−2)の量を固形分相当で2.0部とした以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(実施例9)
<ポリアミド重合体(A−1)の製造>
撹拌機と水分離器とを備えた反応容器内に、596mg KOH/gの酸価を有する470部の工業用アゼライン酸と530mg KOH/gのアミン価を有する525部のジエタノールアミンとを300部のキシレン中に加え、水分離器中で還流が安定化するまで加熱する(約145℃)ことにより反応させた。また、このとき生成する反応生成水を共沸的に除去した。反応は、反応生成水が分離されなくなるまで行った。即ち、初めの酸価基準理論収率の100%である約90gの反応生成水が得られるまで行った。なお、水はヒドロキシル官能性アミンの副反応によっても生成するため、この水の収率は理論収率の100%を超えることもあり得た。
反応容器内の溶媒をストリッピング除去した後、0.7mg KOH/gの酸価と、101mg KOH/gのアミン価を有し、ポリアミド重合体(A−1)を含む粘稠な生成物が得られた。その結果としてカルボキシル基の67%がアミド化された。この生成物はシクロヘキサノンに50%まで部分的に溶解した。
(接着剤組成物の製造)
接着剤組成物の製造において、ポリエステル重合体(A−2)に代えてポリアミド重合体(A−1)を用いた以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。
また、得られた接着剤組成物を用いて、実施例1と同様に導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(実施例10)
接着剤組成物の製造において、用いるポリアミド重合体(A−1)の量を固形分相当で0.2部とした以外は、実施例9と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(実施例11)
接着剤組成物の製造において、用いるポリアミド重合体(A−1)の量を固形分相当で2.0部とした以外は、実施例9と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(比較例1)
接着剤組成物の製造において、ポリエステル重合体(A−2)を用いなかった以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(比較例2)
粒子状共重合体(B−2)の製造において、イタコン酸を用いずに粒子状共重合体の製造を行い、粒子状共重合体(B−2’)を得た。
また、接着剤組成物の製造において、粒子状共重合体(B−2)に代えて粒子状共重合体(B−2’)を用い、さらにポリエステル重合体(A−2)を用いなかった以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(比較例3)
粒子状共重合体(B−2)の製造において、イタコン酸を用いずに粒子状共重合体の製造を行い、粒子状共重合体(B−2’)を得た。
また、接着剤組成物の製造において、粒子状共重合体(B−2)に代えて粒子状共重合体(B−2’)を用いた以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。また、得られた接着剤組成物を用いて、導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
(比較例4)
<水溶性共重合体(C)の製造>
撹拌機、還流冷却管および温度計を備えた容量1LのSUS製セパラブルフラスコに、脱塩水を予め仕込み十分撹拝した後、70℃とし、過硫酸カリウム水溶液0.2部を添加した。
また別の撹拌機付き5MPa耐圧容器に、イオン交換水50部と、炭酸水素ナトリウム0.4部と、乳化剤として濃度30%のドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウムを0.115部と、メタクリル酸30部、エチルアクリレート35部及びn−ブチルアクリレート32.5部、並びに、イタコン酸2.5部からなる単量体混合物とを仕込み、十分撹拌してエマルジョン水溶液を調製した。
得られたエマルジョン水溶液を、前記のセパラブルフラスコに4時間に亘って連続的に滴下した。重合転化率が90%に達したところで反応温度を80℃とし更に2時間反応を実施した後、冷却して反応を停止し、水溶性共重合体(C)を含む水系分散液を得た。なお、重合転化率は99%であった。この水系分散液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8に調整の後、さらに2時間撹拌を行い、水溶性共重合体(C)を含む水溶液を得た。
<接着剤組成物の製造>
接着剤組成物の製造において、ポリエステル重合体(A−2)を用いず、粒子状共重合体(B−2)に代えて水溶性共重合体(C)を用いた以外は、実施例1と同様に接着剤組成物の製造を行った。
また、得られた接着剤組成物を用いて、実施例1と同様に導電性接着剤層の形成、電極の作製及び電池の製造を行った。
Figure 2015229741
表1に示すように導電材、末端に水酸基を持つ、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)、二塩基酸単量体単位を含む粒子状共重合体(B)、及び分散媒を含む、電気化学素子電極用導電性接着剤組成物の接触角は良好であり、この接着剤組成物により形成された導電性接着剤層の塗膜は均一であり、また、この導電性接着剤層を含む電極のピール強度及びサイクル試験の結果は良好であった。

Claims (5)

  1. 導電材、
    末端に水酸基を持つ、ポリアミド重合体(A−1)またはポリエステル重合体(A−2)、
    二塩基酸単量体単位を含む粒子状共重合体(B)、
    及び分散媒
    を含む、電気化学素子電極用導電性接着剤組成物。
  2. 前記粒子状共重合体(B)が、
    エチレン性不飽和カルボン酸エステル60〜90質量%、二塩基酸単量体0.1〜5質量%、およびこれらと共重合可能なモノオレフィン性単量体39.9〜5質量%を含む単量体混合物を、乳化重合して得られる粒子状共重合体(B−1)および/または、
    ジエン系モノマー20〜50質量%、二塩基酸単量体0.1〜5質量%、およびこれらと共重合可能なモノオレフィン性単量体79.9〜50質量%を含む単量体混合物を、乳化重合して得られる粒子状共重合体(B−2)
    である請求項1に記載の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物。
  3. 前記導電材はカーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブおよびグラフェンから選ばれる導電性カーボンである請求項1または2記載の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物。
  4. 集電体上に、請求項1〜3の何れかに記載の電気化学素子電極用導電性接着剤組成物を塗布・乾燥してなる導電性接着剤層を有する、接着剤層付集電体。
  5. 請求項4に記載の接着剤層付集電体の前記導電性接着剤層上に形成された、電極活物質を含む電極組成物層を有する、電気化学素子用電極。
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