JP2015229710A - 水性分散体およびそれより得られる積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記のポリオレフィン樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を(A)/(B)が90/10〜10/90(質量比)の範囲で含有する水性分散体。ポリオレフィン樹脂(A):オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とが共重合されてなり、前記オレフィン成分がプロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)とを含有し、プロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)との質量比(a1/a2)が50/50〜99/1である;ポリエステル樹脂(B):重量平均分子量が10,000以上、ガラス転移温度が30℃以下である
【選択図】なし
Description
ポリオレフィン樹脂は、電気特性、力学特性、化学特性、賦形性、衛生性、リサイクル性等に優れており、自動車、電気、包装、日用雑貨等の用途で使用されている。通常、ポリオレフィン樹脂は分子鎖中に極性基を持たないため水性化が困難であるが、例えば、界面活性剤を用い分散性を高めつつ水性媒体に分散する方法が知られている。しかしながら、界面活性剤は、一般に不揮発性であり、水性化された樹脂から得られた被膜を乾燥しても、被膜中に残存するため、その使用量が多い場合は、被膜の耐水性や耐薬品性を著しく低下させる問題があり、また被膜からブリードアウトする傾向が強まるため、環境的、衛生的にも好ましくなく、また被膜は、経時的に性能が変化する恐れもあった。
一方で界面活性剤を用いなくてもポリオレフィン樹脂を水性媒体に分散する方法も知られている。例えば、ポリオレフィン樹脂に対し共重合成分として不飽和カルボン酸を導入することで分散性を向上させた酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体が挙げられる(特許文献1、2等)。
特許文献1のような酸変性ポリオレフィン樹脂を用いた水性分散体では、低温造膜性、耐薬品性、耐湿熱性が不足したり、ポリオレフィン系基材やポリエステル基材に対する密着性が十分とは言えなかった。また、特許文献2〜4のような水性分散体でもポリオレフィン系基材またはポリエステル基材に対する密着性、ヒートシール性が十分とは言えなかった。
(1)下記のポリオレフィン樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を(A)/(B)が90/10〜10/90(質量比)の範囲で含有する水性分散体。
ポリオレフィン樹脂(A):オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とが共重合されてなり、前記オレフィン成分がプロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)とを含有し、プロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)との質量比(a1/a2)が50/50〜99/1である
ポリエステル樹脂(B):重量平均分子量が10,000以上、ガラス転移温度が30℃以下である
(2)ポリオレフィン樹脂(A)を構成するオレフィン成分において、プロピレン以外のオレフィン(a2)がブテンである(1)の水性分散体。
(3)プロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)との合計100質量部に対し、共重合成分としてさらに不飽和カルボン酸成分(a3)を0.5質量部以上含有する(1)または(2)の水性分散体。
(4)ポリオレフィン樹脂(A)において、不飽和カルボン酸モノマー含有量が10,000ppm以下である(1)〜(3)の水性分散体。
(5)(1)〜(4)の水性分散体を含んでなる水性コート剤。
(6)(5)の水性コート剤から得られる被膜。
(7)基材上に、(6)の被膜を形成してなる積層体。
(8)基材がシクロオレフィン系樹脂である請求項7記載の積層体。
また、ポリオレフィン系基材やポリエステル基材以外の、例えばシクロオレフィン系基材のような光学基材上に被膜を形成したり、それら被膜を介して他の材質からなる基材と接着する場合、基材相互の密着性や接着性、ヒートシール性に優れるため、良好な積層体とすることができる。
本発明の水性分散体は、ポリオレフィン樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を含有するものであって、(A)/(B)が90/10〜10/90(質量比)であり、ポリオレフィン樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)のそれぞれが下記[I]、[II]を満たす水性分散体である。
[I]:ポリオレフィン樹脂(A)が、オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とが共重合されてなり、前記オレフィン成分がプロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)とを含有し、プロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)との質量比(a1/a2)が50/50〜99/1である
[II]:ポリエステル樹脂(B)の重量平均分子量が10,000以上、ガラス転移温度が30℃以下である
したがって、本発明では、上述のようにプロピレン以外のオレフィン(a2)としてブテンが好適であることから、ポリオレフィン樹脂として、(a1)/(a2)/(a3)=プロピレン/ブテン/無水マレイン酸三元共重合体を使用することが最も好ましい。
なお、ポリオレフィン樹脂(A)に導入された酸無水物成分は、乾燥状態では酸無水物構造を取りやすく、後述する塩基性化合物を含有する水性媒体中ではその一部または全部が開環し、カルボン酸またはその塩となる傾向がある。
グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、エチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート等の有機過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類が挙げられる。これらは反応温度によって、適宜選択して使用すればよい。
本発明で用いるポリエステル樹脂(B)は、前記のジカルボン酸成分とグリコール成分を含むモノマーを組み合わせて、公知の方法で製造することができる。例えば、全モノマー成分および/またはその低重合体を不活性雰囲気下で反応させてエステル化反応をおこない、引き続いて重縮合触媒の存在下、減圧下で、所望の分子量に達するまで重縮合反応を進め、不活性雰囲気下、3官能以上のカルボン酸を添加して解重合反応をおこなう方法を挙げることができる。
また、製膜の過程で効率よく被膜から除去させる観点から、沸点が150℃以下である有機溶剤が好ましい。沸点が150℃を超える有機溶剤は、被膜から乾燥により飛散させることが困難となる傾向にあり、特に低温乾燥時の被膜の耐水性や基材との接着性等が低下することがある。
中でも、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、ポリオレフィン樹脂(A)やポリエステル樹脂(B)の水性化促進により効果的であり好ましい。また、これら有機溶剤を複数混合して使用してもよい。
本発明の水性分散体において、水性分散体中に分散している樹脂粒子の粒子径は、特に限定されないが、低温造膜性、被膜の緻密性や透明性、他材料との混合安定性の観点から、体積平均粒子径が0.50μm以下であることが好ましく、0.30μm以下であることがより好ましく、0.001〜0.10μmであることがさらに好ましく、0.001〜0.05μmであることが特に好ましい。
そのうち、水性分散体の安定性が最も高いことから、あらかじめポリオレフィン樹脂(A)を水性媒体に分散させた水分散体、別にポリエステル樹脂(B)を水性媒体に分散させた水分散体をそれぞれ得た後、それら水分散体を混合撹拌して水性分散体を得る方法を用いることが好ましい。
ストリッピングの方法としては、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱し、有機溶剤を留去する方法が挙げられる。また、水性媒体が留去されることにより、固形分濃度が高くなるので、例えば、粘度が上昇して作業性が低下するような場合には、予め水性分散体に水を添加しておいてもよい。
オキサゾリン基含有ポリマーの市販品としては、日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられ、例えば、水溶性タイプの「WS−500」、「WS−700」;エマルションタイプの「K−1010E」、「K−1020E」、「K−1030E」、「K−2010E」、「K−2020E」、「K−2030E」などが挙げられる。
加熱温度や加熱時間は、被塗布物である基材の特性や、水性分散体中に任意に配合しうる前述の各種材料の添加量により適宜選択される。加熱温度としては、20〜250℃であることが好ましく、60〜230℃であることがより好ましく、80〜210℃であることがさらに好ましい。一方、加熱時間は、1秒〜20分であることが好ましく、5秒〜15分であることがより好ましく、5秒〜10分であることがさらに好ましい。なお、架橋剤を添加した場合は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基と架橋剤との反応を十分進行させるために、加熱温度および時間は架橋剤の種類によって適宜選定することが望ましい。
なお、各種の特性は、以下の方法により測定または評価した。
NMR分析装置(バリアン社製 GEMIN2000/300型、300MHz)を用い、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの質量比を、オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H−NMR、13C−NMR分析を行い求めた。13C−NMR分析では定量性を考慮したゲート付きデカップリング法に基づき測定した。
フーリエ変換赤外分光光度計(Perkin Elmer社製、System−2000型、分解能4cm−1)を用い、赤外吸収スペクトル分析を行い、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの合計に対する不飽和カルボン酸成分の含有量を求めた。
ポリオレフィン樹脂ペレットまたは水性分散体の乾燥残渣を凍結粉砕して微細化した粉末を約0.05g精秤し、20mlのメタノールを抽出溶媒とし、連続転倒混和により室温で21時間抽出を行った。この抽出液をディスクフィルター(孔径0.45μm)で濾過した濾液について、高速液体クロマトグラフィー(Hewlett Packard社製 HP1100型)を用い定量した。なお、カラムとして、Waters社製 Puresil 5μm C18 120Å φ4.6mm×250mm(40℃)を使用した。不飽和カルボン酸モノマー量が1000ppm未満の場合、微細化した粉末を0.5gに変更して同様に定量した。
検量線は、濃度既知の不飽和カルボン酸モノマー標準サンプルを用いて作成した。
重量平均分子量は、GPC分析(東ソー社製HLC−8020、カラムはSHODEX社製KF−804L2本、KF805L1本を連結して用いた。)を用い、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、流速1ml/min、40℃の条件で測定した。約10mgの樹脂をテトラヒドロフラン5.5mLに溶解し、PTFEメンブランフィルターでろ過したものを測定用試料とした。ポリスチレン標準試料で作成した検量線から重量平均分子量を求めた。テトラヒドロフランに溶解し難い場合は、オルトジクロロベンゼンで溶解した。
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製 ECA‐500型、分解能500MHz)を用いて、1H−NMR分析(溶媒:重水素化トリフルオロ酢酸、温度:25℃)を行い、それぞれの共重合成分のピーク強度から樹脂組成を求めた。また、1H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められない構成モノマーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
ポリエステル樹脂を0.5g精秤し、水/1,4−ジオキサン=1/9(体積比)50mlに室温で溶解し、クレゾールレッドを指示薬として0.1Nの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定し、中和に消費されたポリエステル樹脂1gあたりの水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)を酸価とした。
ポリエステル樹脂を10mg秤量し、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製 Diamond DSC型、検出範囲:−50℃〜200℃)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定をおこない、得られた昇温曲線中の、低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度を求め、ガラス転移温度とした。
GPCを用いて以下の条件でポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
[送液ユニット]:島津製作所社製LC−10ADvp
[紫外−可視分光光度計]:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
[カラム]:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
[溶媒]:テトラヒドロフラン
[測定温度]:40℃
各々の水性分散体を約1g秤量(X1gとする)し、これを150℃で2時間乾燥した後の残存物の質量を秤量(Y1gとする)し、下記式により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(Y1/X1)×100
各々の水性分散体について、粒度分布測定装置(日機装社製 Nanotrac Wave−UZ152型)を用いて、体積平均粒子径(Mv)を測定した。なお、ポリオレフィン樹脂の屈折率は1.5、ポリオレフィン樹脂の密度は1g/cm3とし、ポリエステル樹脂の屈折率は1.57、ポリエステル樹脂の密度は1.21g/cm3とした。
各々の水性分散体について、上記(10)記載の装置を用いて測定した。
各々の水分散体、および水性分散体を室温で90日放置したときの外観を、下記3段階で評価した。
○:外観に変化なし。
△:凝集や沈殿物はないが、増粘がみられる。
×:固化、凝集や沈殿物の発生が見られる。
水性分散体を、ポリプロピレン樹脂成形片(日本ポリプロピレン社製、ノバテックPP MA3)上に、乾燥後の塗布量が約2g/m2になるようにメイヤーバーを用いて塗布し、130℃で10分間乾燥して、被膜を得た。得られたPP成形片上の被膜について、JIS K5400記載のクロスカット法によるテープ剥離(碁盤目試験)をおこなった。すなわち、クロスカットにより、被膜を100区間にカットし、テープ剥離後、残留した被膜の区間数で、以下の基準によりPP密着性を評価した。
◎:100区間残留。
○:95〜99区間残留。
△:90〜94区間残留。
×:残留が89区間以下。
上記(13)と同様に、水性分散体を、シクロオレフィンホモポリマーフィルム(日本ゼオン社製、ゼオノアフィルム ZF14−100、厚み100μm)上に、乾燥後の塗布量が約2g/m2になるようにメイヤーバーを用いて塗布し、130℃で10分間乾燥して、被膜を得た。得られたCOPフィルム上の被膜について、上記(13)と同様の方法で碁盤目試験をおこない、COP密着性を評価した。
水性分散体を、延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ社製、OP U−1、厚み20μm)の未処理面上に、乾燥後の塗布量が約2g/m2になるようにメイヤーバーを用いて塗布し、60℃で30秒、乾燥させた。このようにして作製したコートフィルムを40℃の温水中に24時間浸漬した。延伸ポリプロピレンフィルム上の被膜について、上記(13)と同様の方法で碁盤目試験をおこない、耐水性を評価した。また、被膜表面を目視で観察し、以下の指標で、外観を評価した。
○:被膜に全く白化やブリスターが確認されない。
△:被膜の一部に、白化やブリスターが確認される。
×:被膜全体に、白化やブリスターが確認される。
水性分散体を、PP成形片(PP:日本ポリプロピレン社製、ノバテックPP MA3)上に、乾燥後の塗布量が約2g/m2になるようにメイヤーバーを用いて塗布し、130℃で10分間乾燥した。このようにして得た積層体を20℃の模擬ガソリン(トルエンとイソオクタン(いずれも和光純薬工業社製)の等体積混合物)中に24時間浸漬した後、乾燥した。PP成形片上の被膜について、上記(13)と同様の方法で、耐薬品性と外観を評価した。
○:被膜に全く白化やブリスターが確認されない。
△:被膜の一部に、白化やブリスターが確認される。
×:被膜全体に、白化やブリスターが確認される。
水性分散体を、シクロオレフィンホモポリマーフィルム(日本ゼオン社製、ゼオノアフィルム ZF14−100、厚み100μm)上に、乾燥後の塗布量が約2g/m2になるようにメイヤーバーを用いて塗布し、25℃で30分間乾燥した。得られたシクロオレフィンフィルム上の被膜について、上記(14)と同様の方法で評価した。
水性分散体を、二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製、エンブレット、S−50、厚み50μm)のコロナ処理面上と、シクロオレフィンホモポリマーフィルム(日本ゼオン社製、ゼオノアフィルム ZF14−100、厚み100μm)の面上に、乾燥後の塗布量が約3g/m2になるようにそれぞれメイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分乾燥させた。このようにして作製した各々のコートフィルムのコート面同士を貼りあわせ、120℃で20秒間、2kg/cm2でプレスすることにより、積層体を得、積層体のラミネート強度を測定した。
なお、ラミネート強度の測定は、積層体から幅15mmの試験片を採取し、引張り試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機2020型)を用い、20℃、65%RH下、引張速度50mm/分でT型剥離法により行った。
1N/15mm以上であれば実用上問題なく使用でき、2N/15mm以上であれば好ましく、3N/15mm以上であればより好ましく、5N/15mm以上であればさらにより好ましく、8N/15mm以上であれば非常に好ましい。
上記(18)で得た積層体を、85℃、85%RHにて1000時間処理を行った後、(18)と同様にラミネート強度を測定した。(18)で得たラミネート強度の結果を「未処理時のラミネート強度」とし、下記式により接着強度保持率を求めた。
接着強度保持率(%)=(処理後のラミネート強度/未処理のラミネート強度)×100
得られた接着強度保持率をもとにして、下記4段階で、耐湿熱性を評価した。なお、評価結果が◎または〇であるものが耐湿熱性が良好であると判断する。
◎:接着強度保持率が90%以上
○:接着強度保持率が70%以上90%未満
△:接着強度保持率が50%以上70%未満
×:接着強度保持率が50%未満
水性分散体を、シクロオレフィンホモポリマーフィルム(日本ゼオン社製、ゼオノアフィルム ZF14−100、厚み100μm)の面上に、乾燥後の塗布量が約0.5g/m2になるようにメイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分乾燥させてコートフィルムを得た。JIS−K7361−1に基づいて、濁度計(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を用いて、コートフィルムのヘイズ測定を行った。なお、基材として用いたシクロオレフィンホモポリマーフィルム単体のヘイズは0.1%である。
製造例1
プロピレン−ブテン共重合体(質量比:プロピレン/1−ブテン=80/20)280gを4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下でキシレン470gに加熱溶解させた後、系内温度を140℃に保って攪拌下、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸40.0gとラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド28.0gをそれぞれ2時間かけて加え、その後6時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この析出させた樹脂を、トリエチルアミンのアセトン溶液(質量比:トリエチルアミン/アセトン=1/4)で1回洗浄し、その後アセトンで洗浄することで未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、ポリオレフィン樹脂(A−1)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、質量比がプロピレン/1−ブテン=65/35であるプロピレン−ブテン共重合体を用いた以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−2)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、質量比がプロピレン/1−ブテン=97/3であるプロピレン−ブテン共重合体を用いた以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−3)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、質量比がプロピレン/1−ブテン=53/47であるプロピレン−ブテン共重合体を用いた以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−4)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、無水マレイン酸の添加量を40.0gに代えて90.0gとし、ジクミルパーオキサイドの添加量を28.0gに代えて36.0gとした以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−5)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、無水マレイン酸の添加量を40.0gに代えて4.5gとし、ジクミルパーオキサイドの添加量を28.0gに代えて3.2gとした以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−6)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、プロピレン−ブテン共重合体に代えて、プロピレン−エチレン共重合体(質量比:プロピレン/エチレン=92/8)を用い、無水マレイン酸の添加量を40.0gに代えて70.0gとし、ジクミルパーオキサイドの添加量を28.0gに代えて33.0gとした以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−7)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、無水マレイン酸の添加量を40.0gに代えて70.0gとし、ジクミルパーオキサイドの添加量を28.0gに代えて33.0gとし、トリエチルアミンのアセトン溶液での洗浄工程およびその後のアセトンの洗浄工程を省いた以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−8)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、プロピレン−ブテン共重合体に代えて、プロピレン−ブテン−エチレン共重合体(質量比:プロピレン/1−ブテン/エチレン=80/12/8)を用い、無水マレイン酸の添加量を40.0gに代えて20.0gとし、ジクミルパーオキサイドの添加量を28.0gに代えて15.0gとした以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−9)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、プロピレン−ブテン共重合体に代えて、プロピレン−1−ペンテン共重合体(質量比:プロピレン/1-ペンテン=80/20)を用いた以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−10)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、無水マレイン酸の添加量を40.0gに代えて70.0gとし、ジクミルパーオキサイドの添加量を28.0gに代えて20.0gとし、トリエチルアミンのアセトン溶液の洗浄工程およびその後のアセトンの洗浄工程を省いた以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−11)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、プロピレン−ブテン共重合体に代えて、プロピレン−エチレン共重合体(質量比:プロピレン/エチレン=92/8)を用い、無水マレイン酸の添加量を40.0gに代えて180.0gとし、ジクミルパーオキサイドの添加量を28.0gに代えて70.0gとした以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−12)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、無水マレイン酸の添加量を40.0gに代えて2.0gとし、ジクミルパーオキサイドの添加量を28.0gに代えて1.5gとした以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−13)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、質量比がプロピレン/1−ブテン=99.5/0.5であるプロピレン−ブテン共重合体を用いた以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−14)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1において、質量比がプロピレン/1−ブテン=48/52であるプロピレン−ブテン共重合体を用いた以外は、同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂(A−15)を得、特性評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1
テレフタル酸1246g、イソフタル酸1454g、セバシン酸1769g、1,4−ブタンジオール2704gからなる混合物をオートクレーブ中で、220℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。この時のモノマー成分の配合は、テレフタル酸:イソフタル酸:セバシン酸:1,4−ブタンジオール=30:35:35:120(モル比)とした。次いで、触媒としてテトラブチルチタネートを2.6g(全酸成分の合計1モルあたり3×10−4モル)添加した後、系の温度を230℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、4時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、220℃になったところでトリメリット酸を26g(全酸成分の合計1モルあたり0.005モル)添加し、220℃で2時間攪拌して解重合反応を行った。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておきシート状に払い出した。これを室温まで冷却し、シート状のポリエステル樹脂(B−1)を得た。その結果を表2に示す。また得られたポリエステル樹脂(B−1)の特性値の評価を行った。その結果を表3に示す。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
SEA:セバシン酸
EG:エチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
PTMG:ポリテトラメチレングリコール(分子量1000)
1,4−BD:1,4−ブタンジオール
TMA:トリメリット酸
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
SEA:セバシン酸
EG:エチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
PTMG:ポリテトラメチレングリコール(分子量1000)
1,4−BD:1,4−ブタンジオール
TMA:トリメリット酸
仕込組成を表2のように変更した以外は、ポリエステル樹脂(B−1)と同様にして、ポリエステル樹脂(B−2)〜(B−7)、(B−9)を得、特性評価を行った。その結果を表3に示す。
仕込組成を表2のように変更した以外は、ポリエステル樹脂(B−1)と同様にして、ポリエステル樹脂(B−8)を得た。なお、ポリエステル樹脂(B−8)はオートクレーブよりストランド状に払い出し、水冷後、カッティングして、直径約3mm、長さ約3mmのペレット状とした。
製造例1
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂(A−1)、90.0gのn−プロピルアルコール(NPA)、9.0gのN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA)及び141.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部にはポリオレフィン樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を160℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、撹拌状態を維持したまま、空冷にて内温が40℃になるまで冷却した。さらに、水を添加し、ロータリーエバポレータを用い、浴温80℃で溶媒を留去させた。
その後空冷にて、室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、微白濁のポリオレフィン水分散体(EA−1a)を得た。この際、フィルター上に粗大粒径のポリオレフィン樹脂はほとんど残っていなかった。得られたポリオレフィン樹脂水分散体(EA−1a)について、その特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂(A−1)、45.0gのエチレングリコール−n−ブチルエーテル、8.0gのDMEAおよび137.0gの蒸留水を、ガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部にはポリオレフィン樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を160℃に保ってさらに60分間撹拌した。
その後、空冷にて内温が80℃になるまで冷却し、開封して、45.0gのテトラヒドロフラン、5.0gのDMEAおよび30.0gの蒸留水を添加した。その後、密閉し、撹拌翼の回転速度を300rpmとして系内温度を140℃に保ってさらに60分間撹拌した。そして、空冷にて回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、微白濁のポリオレフィン樹脂水分散体(EA−1b)を得た。この際、フィルター上に粗大粒径のポリオレフィン樹脂はほとんど残っていなかった。得られたポリオレフィン樹脂水分散体(EA−1b)について、その特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
ポリオレフィン樹脂(A−1)に代えて、それぞれ表4に示すポリオレフィン樹脂(A−2)〜(A−4)、(A−9)、(A−11)に変更すること以外は、製造例1と同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂水分散体(EA−2)〜(EA−4)、(EA−9)、(EA−11)を得た。得られたポリオレフィン樹脂水分散体(EA−2)〜(EA−4)、(EA−9)、(EA−11)について、その特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
DMEAの量を18.0gにする以外は、製造例1と同様にしてポリオレフィン樹脂水分散体(EA−5)を得て特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
DMEAの量を2.0gにする以外は、製造例1と同様にしてポリオレフィン樹脂水分散体(EA−6)を得て特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
DMEAの量を12.0gにする以外は、製造例1と同様にしてポリオレフィン樹脂水分散体(EA−7)、(EA−8)、(EA−10)を得て特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
DMEAの量を36.0gにする以外は、製造例1と同様にしてポリオレフィン樹脂水分散体(EA−12)を得て特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
DMEAの量を1.0gにする以外は、製造例1と同様にしてポリオレフィン樹脂水分散体(EA−13)を得て特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
製造例2で得られたポリオレフィン水分散体(EA−1b)の250gと、蒸留水120gを0.5Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器とを設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約120gの水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温まで冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水分散体(EA−1c)を得た。得られたポリオレフィン樹脂水分散体(EA−1c)について、その特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
ポリオレフィン樹脂(A−1)に代えて、ポリオレフィン樹脂(A−14)を用いた以外は、製造例1と同様の操作を行ったところ、フィルター上に多量の粗大粒径ポリオレフィン樹脂が認められ、実質的に分散が進行しなかった。
ポリオレフィン樹脂(A−1)に代えて、ポリオレフィン樹脂(A−15)に変更すること以外は、製造例1と同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂水分散体(EA−15)を得た。得られたポリオレフィン樹脂水分散体(EA−15)について、その特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
ポリオレフィン樹脂に対して不揮発性の水性化助剤であるノイゲンEA−190D(第一工業製薬社製、ノニオン性界面活性剤)が1質量%となるように添加した以外は、製造例1と同様の操作を行って、ポリオレフィン樹脂水分散体(EA−1d)を得た。得られたポリオレフィン樹脂水分散体(EA−1d)について、その特性値を評価した。その特性値を表4に示す。
製造例1
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、ポリエステル樹脂(B−1)を200g、ノルマルプロパノールを300g、トリエチルアミンを5.0g(ポリエステル樹脂B−1の酸価に対して2倍当量)、蒸留水を495gそれぞれガラス容器内に仕込み、攪拌翼の回転速度を300rpmに保って攪拌しながら、ジャケット内に熱水を通して昇温した。内温が80℃になった時点で昇温を止め、そこから攪拌を180分間続けた。攪拌中は内温を82±2℃に保つようおこなった。その後、ジャケット内に冷水を通し、回転速度を50rpmに下げて攪拌しつつ、25℃まで冷却した。得られた分散体800gを丸底フラスコに仕込み、蒸留水を600g加えて、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、水性媒体を600g留去した。その後、室温まで冷却し、固形分濃度が18質量%となるようにイオン交換水を加えて、600メッシュのステンレス製フィルターによるろ過をおこない、ポリエステル樹脂水分散体(EB−1)を得た。得られたポリエステル樹脂水分散体(EB−1)について、その特性値を評価した。その特性値を表5に示す。
ポリエステル樹脂(B−1)に代えて、表5に示すポリエステル樹脂(B−2)〜(B−9)に変更すること以外は、製造例1と同様の操作を行って、ポリエステル樹脂水分散体(EB−2)〜(EB−9)を得た。
なお、製造例51、52においては、トリエチルアミンを用いず、ポリエステル樹脂水分散体(EB−4)、(EB−5)の作製を行った。
得られたポリエステル樹脂水分散体(EB−2)〜(EB−9)について、その特性値を評価した。その特性値を表5に示す。
ポリオレフィン樹脂水分散体(EA−1a)とポリエステル樹脂水分散体(EB−1)とを、固形分質量比(A)/(B)が65/35になるように室温にて混合、撹拌して水性分散体 を得た。得られた水性分散体を用いて各種塗膜性能の評価をおこなった。その結果を表6に示す。
ポリオレフィン樹脂水分散体、ポリエステル樹脂水分散体、および固形分質量比を、それぞれ表6〜8に示す条件に変更して、実施例1と同様の方法で水性分散体を得た。得られた水性分散体を用いて各種塗膜性能の評価をおこなった。その結果を表6〜8に示す。
ポリオレフィン樹脂水分散体、ポリエステル樹脂水分散体に加え、さらにオキサゾリン基含有化合物の水性溶液(日本触媒社製 エポクロス WS−700 固形分濃度25質量%)および/またはポリウレタン樹脂水性分散液(三井化学社製 タケラック W−6010 固形分濃度30質量%)を混合して用いた。
なお、オキサゾリン基含有化合物の水性溶液および/またはポリウレタン樹脂水性分散液は、ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂の固形分合計に対し、オキサゾリン基含有化合物および/またはポリウレタン樹脂のそれぞれが、表7、8に示すような固形分質量比となるように用いた。得られた水性分散体を用いて各種塗膜性能の評価をおこなった。その結果を表7、8に示す。
中でも実施例24〜28のように、用いる水性分散体に対し、さらにオキサゾリン基含有化合物やポリウレタン樹脂を含有した場合、前記特性に加えヒートシール性や耐湿熱性が向上した。
Claims (8)
- 下記のポリオレフィン樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を(A)/(B)が90/10〜10/90(質量比)の範囲で含有する水性分散体。
ポリオレフィン樹脂(A):オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とが共重合されてなり、前記オレフィン成分がプロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)とを含有し、プロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)との質量比(a1/a2)が50/50〜99/1である
ポリエステル樹脂(B):重量平均分子量が10,000以上、ガラス転移温度が30℃以下である - ポリオレフィン樹脂(A)を構成するオレフィン成分において、プロピレン以外のオレフィン(a2)がブテンである請求項1記載の水性分散体。
- プロピレン(a1)とプロピレン以外のオレフィン(a2)との合計100質量部に対し、共重合成分としてさらに不飽和カルボン酸成分(a3)を0.5質量部以上含有する請求項1または2記載の水性分散体。
- ポリオレフィン樹脂(A)において、不飽和カルボン酸モノマー含有量が10,000ppm以下である請求項1〜3いずれかに記載の水性分散体。
- 請求項1〜4いずれかに記載の水性分散体を含んでなる水性コート剤。
- 請求項5記載の水性コート剤から得られる被膜。
- 基材上に、請求項6記載の被膜を形成してなる積層体。
- 基材がシクロオレフィン系樹脂である請求項7記載の積層体。
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