JP2015228426A - 配線部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、樹脂を含む第1樹脂層と、上記第1樹脂層上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含む下部導電層と、上記第1樹脂層上に形成され、上記下部導電層上にコンタクトホールを有し、感光性樹脂を含む第2樹脂層と、上記第2樹脂層上に形成され、上記コンタクトホール内で上記下部導電層と接続され、導電性材料を含む上部導電層と、を有し、上記コンタクトホールの下端面内に上記下部導電層の端部が配置されており、上記コンタクトホールの上記下端面の外周に上記第1樹脂層と上記第2樹脂層とが接触している接触部分を有することを特徴とする配線部材を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1
Description
また、上記コンタクトホールを有する絶縁層はフォトリソグラフィ法を用いて好適に形成することができる。具体的には、無機導電性材料を含む下部導電層を有する構成上に、感光性樹脂を含む感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した後、コンタクトホール部分をパターン状に露光した後、現像することにより絶縁層を形成することができる。
すなわち、無機導電性材料を含む下部導電層と、感光性樹脂を含む塗膜とでは、両者の密着性を十分に図ることができず、現像時においてコンタクトホールに存在する現像液が下部導電層と塗膜との間に浸入しやすくなることから、コンタクトホールの下部導電層側において塗膜が過剰に現像され、コンタクトホールの縦断面形状が、逆テーパー形状または垂直形状になりやすいという問題がある。また、コンタクトホールの縦断面形状が逆テーパー形状または垂直形状を有する場合、絶縁層上に形成される上部導電層がコンタクトホールの側面に形成されない場合や、側面で断線して下部導電層と接続することが困難となる問題がある。
本発明の配線部材は、樹脂を含む第1樹脂層と、上記第1樹脂層上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含む下部導電層と、上記第1樹脂層上に形成され、上記下部導電層上にコンタクトホールを有し、感光性樹脂を含む第2樹脂層と、上記第2樹脂層上に形成され、上記コンタクトホール内で上記下部導電層と接続され、導電性材料を含む上部導電層と、を有し、上記コンタクトホールの下端面内に上記下部導電層の端部が配置されており、上記コンタクトホールの上記下端面の外周に上記第1樹脂層と上記第2樹脂層とが接触している接触部分を有することを特徴とするものである。
図1(a)は本発明の配線部材の一例を示す概略断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。また、図2(a)、(b)は図1(a)、(b)におけるコンタクトホールの下端面と下部導電層の位置関係について説明する説明図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。
図1(a)、(b)に示すように、本発明の配線部材10は、樹脂を含む第1樹脂層1と、第1樹脂層1上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含む下部導電層2と、第1樹脂層1上に形成され、下部導電層2上にコンタクトホール3を有し、感光性樹脂を含む第2樹脂層4と、第2樹脂層4上に形成され、コンタクトホール3内で下部導電層2と接続され、導電性材料を含む上部導電層5と、を有する。
また、図2(a)、(b)に示すように、本発明においては、コンタクトホール3の下端面31内に、下部導電層2の端部が配置されており、コンタクトホール3の下端面31の外周に第1樹脂層1と第2樹脂層4とが接触している接触部分Xを有することを特徴とする。
なお、図1(a)において上部導電層5と重なるコンタクトホール3の位置については一点破線で示しており、図1(a)および図2(a)において、上部導電層または第2樹脂層と重なる下部導電層の形成位置については破線で示している。
なお、図9(a)、(b)は従来の配線部材の一例を示す概略平面図および断面図であり、図10(a)、(b)は図9(a)、(b)におけるコンタクトホールおよび下部導電層の位置関係について説明する説明図である。なお、図9(b)、図10(b)はそれぞれ図9(a)、図10(a)のA−A線断面図である。
本発明における第2樹脂層は、第1樹脂層上に形成され、下部導電層上にコンタクトホールを有し、感光性樹脂を含むものである。
本発明におけるコンタクトホールは、第2樹脂層に形成されるものであり、コンタクトホールの下端面内に下部導電層の端部が配置されており、コンタクトホールの下端面の外周に第1樹脂層と第2樹脂層とが接触している接触部分を有することを特徴とする。
コンタクトホールの下端面と、下部導電層と位置関係としては、例えば、図2(a)に示すように、コンタクトホール3の下端面31内に、下部導電層2の一辺の端部が配置されていてもよい。例えば、図3(a)に示すように、コンタクトホールの下端面31内に、下部導電層2の角部が配置されていてもよい。また、例えば、下部導電層2がドット状等である場合は、図3(b)に示すように、コンタクトホールの下端面31内に下部導電層2の全周の端部が内包されて配置されていてもよい。また、例えば下部導電層2がライン状である場合は、図3(c)に示すように、コンタクトホールの下端面31内に、下部導電層2の対向する2辺の端部が配置されていてもよい。
なお、図3(a)〜(c)は、本発明におけるコンタクトホールの下端面と下部導電層との位置関係を説明する説明図である。図3(a)〜(c)において第2樹脂層の重なる下部導電層の形成位置については破線で示している。
ここで、「コンタクトホールの縦断面形状が、上記接触部分において順テーパー形状となる。」とは、第1樹脂層表面に対して垂直方向の断面形状において、コンタクトホールの下端面と上記接触部分におけるコンタクトホールの側面とのなす角度が、90°以上となることをいい、好ましくは91°〜179°の範囲内、より好ましくは100°〜150°の範囲内である。
なお、コンタクトホールの下端面と上記接触部分におけるコンタクトホールの側面とのなす角は、図2(a)においてαで示す角度をいう。
ここで、「コンタクトホールの縦断面形状が、上記第2接触部分において垂直形状または逆テーパー形状となる。」とは、第1樹脂層表面に対して垂直方向の断面形状において、コンタクトホールの下端面と第2接触部分におけるコンタクトホールの側面とのなす角度が、90°未満となることをいい、好ましくは30°〜89°の範囲内、より好ましくは30°〜60°の範囲内、さらに好ましくは30°〜45°の範囲内である。
なお、コンタクトホールの下端面と上記第2接触部分におけるコンタクトホールの側面とのなす角は、図2(b)においてβで示す角度をいう。
また、上記コンタクトホールの上端面および下端面の大きさは、上記コンタクトホールの上端面および下端面の平面視形状が長辺および短辺を有する形状である場合は、長辺の長さをいう。
第2樹脂層は、上述したコンタクトホールを有していればよく、例えば、第1樹脂層上の全面に形成されていてもよく、例えば、所定のパターン形状で形成されていてもよい。例えば、本発明の配線部材が表示装置に用いられるものである場合は、第2樹脂層が表示領域に対応する領域にパターン形状で形成されていてもよい。また、第2樹脂層は単層であってもよく、複数の樹脂層が積層されたものであってもよい。
上記感光性樹脂としては、一般的な配線部材に用いられるものと同様とすることができ、ネガ型感光性樹脂であってもよく、ポジ型感光性樹脂であってもよいが、通常、ネガ型感光性樹脂が好適に用いられる。
ネガ型感光性樹脂としては、一般的なネガ型感光性樹脂を用いることができ、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等を挙げることができる。また、ネガ型感光性樹脂としては、例えば、架橋型樹脂をベースとした化学増幅型感光性樹脂、具体的にはポリビニルフェノールに架橋剤を加え、さらに酸発生剤を加えた化学増幅型感光性樹脂等が挙げられる。また、アクリル系ネガ型感光性樹脂として、紫外線照射によりラジカル成分を発生する光重合開始剤と、分子内にアクリル基を有し、発生したラジカルにより重合反応を起こして硬化する成分と、その後の現像により未露光部が溶解可能となる官能基(例えば、アルカリ溶液による現像の場合は酸性基をもつ成分)とを含有するものを用いることができる。上記のアクリル基を有する成分のうち、比較的低分子量の多官能アクリル分子としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、テトラメチルペンタトリアクリレート(TMPTA)等が挙げられる。また、高分子量の多官能アクリル分子としては、スチレン−アクリル酸−ベンジルメタクリレート共重合体の一部のカルボン酸基部分にエポキシ基を介してアクリル基を導入したポリマーや、メタクリル酸メチル−スチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
一方、ポジ型感光性樹脂としては、一般的なポジ型感光性樹脂を用いることができ、例えば、ノボラック樹脂をベース樹脂とした化学増幅型感光性樹脂等が挙げられる。
遮光性材料としては、有機半導体層が吸収する波長であって、オフ電流の増加や有機半導体層の劣化の原因となる波長の光を遮蔽することができるものであれば特に限定されるものではない。このような遮光性材料としては、例えば光を吸収する材料を挙げることができ、具体的には有機半導体層が吸収する波長にもよるが、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄等の金属酸化物、硫化ビスマス等の金属硫化物、フタロシアニンブラック、ニグロシン、アニリンブラック、ペリレンブラック等の黒色有機顔料、赤、緑、青等の有彩色有機顔料の混合物等を挙げることができる。また、光を散乱する材料を用いることもでき、具体的には酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸バリウム等の無機物の微粒子、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の有機物の微粒子、あるいは、これらの2種以上の混合系の微粒子を挙げることができる。
上記塗工液の塗布方法としては、一般的な塗布方法とすることができ、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、LB法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、およびキャスト法等を挙げることができる。
本発明における第1樹脂層は、樹脂を含むものである。また、第1樹脂層は、上述した第2樹脂層や下部導電層を支持するものである。
第1樹脂層が支持基材を兼ねる場合、樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびポリエーテルイミド(PEI)等を挙げることができる。
また、第1樹脂層が支持基材上に形成されたものである場合、感光性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を挙げることができる。感光性樹脂としては、上述した第2樹脂層の項で説明した感光性樹脂の中から適宜選択して用いることができる。
一方、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂としては、一般的なものを用いることができ、例えば、特開2012−222203号公報に挙げられたものを用いることができる。
一方、第1樹脂層が支持基材上に形成されたものである場合は、0.1μm〜20μmの範囲内、なかでも1μm〜10μmの範囲内、特に1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
第1樹脂層が透明性を有する場合は、例えば、全光透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、第1樹脂層の全光透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
例えば、第1樹脂層が支持基材を兼ねる場合は、市販のものを用いてもよい。
また、第1樹脂層が支持基材上に形成されたものである場合は、例えば、樹脂を含む塗工液を支持基材上に塗布し、硬化等の固化処理をすることにより形成することができる。
また、第1樹脂層は、フォトリソグラフィ法、印刷法等を用いて形成してもよい。
本発明における下部導電層は、上記第1樹脂層上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含むものである。
より具体的には、下部導電層の平面視形状としては、配線部材が有機半導体素子に用いられる場合は、ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線の形状を挙げることができる。また、ゲート電極とともに形成される中間電極の形状を挙げることができる。
下部導電層の厚みが厚すぎると、コンタクトホール内において第1樹脂層および下部導電層の間で段差が形成されることにより、上部導電層および下部導電層を良好に形成することが困難となる可能性があるからである。また、下部導電層の厚みが薄すぎると良好な導電性を示すことが困難となる可能性があるからである。
本発明に用いられる無機導電性材料としては、所望の導電性を示すことができれば特に限定されず、例えば、例えば、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Pt、Cu、Mo−Ta合金、Ag合金、Cu合金、Al合金等の金属材料、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)等の透明導電性無機材料等を挙げることができる。
導電層の成膜方法としては、例えば、ドライプロセスによる成膜方法を好適に用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等を挙げることができる。
また、下部導電層の形成方法としては、上述した方法以外にも、例えば、金属マスクを用いてパターン状に成膜する方法、無機導電性材料を含むインクを用いて印刷法により形成する方法等を挙げることができる。
本発明における上部導電層は、上記第2樹脂層上に形成され、上記コンタクトホール内で上記下部導電層と接続され、導電性材料を含むものである。
上部導電層をパターン状に形成する場合、上部導電層の平面視形状としては、第2樹脂層上に形成することができ、コンタクトホール内で下部導電層と接続することが可能な形状であれば特に限定されず、本発明の配線部材の形状等に応じて適宜選択することができる。
上部導電層の平面視形状としては、コンタクトホールおよび下部導電層と少なくとも一部重なる形状であれば特に限定されないが、コンタクトホール全体と重なる形状であることが好ましい。上部導電層を用いて、コンタクトホールを埋めることができ、下部導電層との接続しやすくすることができるからである。
上部導電層の平面視形状としては、例えば、本発明の配線部材が有機半導体素子である場合は、外部入出力電極に対応するパターン形状を挙げることができる。
導電性材料としては、上述した下部導電層に用いられる無機導電性材料を用いることができる。また、導電性材料としては、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)等の導電性を有する有機材料を用いることもできる。
本発明においては、無機導電性材料を用いることがより好ましい。後述するドライプロセスによる成膜法を用いて上部導電層を好適に形成することができ、上部導電層の断線を効果的に抑制することができるからである。
また、上部導電層の形成方法としては、導電性材料を含むインクを用いて、印刷法等を用いて形成することができる。
本発明の配線部材は、上述した第1樹脂層、下部導電層、第2樹脂層および上部導電層を有していれば特に限定されない。
図4〜図8は本発明の配線部材の他の例を示す概略断面図であり、配線部材が有機半導体素子に用いられるものである例について示している。
図4に示すように、本発明の配線部材を適用可能な有機半導体素子40は、基板21と、基板21上に形成されたソース電極22およびドレイン電極23と、ソース電極22およびドレイン電極23の間のチャネル領域において基板21上に形成された有機半導体層24と、ソース電極22、ドレイン電極23および有機半導体層24を覆うように形成され、ドレイン電極23上にコンタクトホール3aを有するゲート絶縁層25と、ゲート絶縁層25上に形成されたゲート電極26と、ゲート絶縁層25上に形成され、コンタクトホール3a内でドレイン電極23と接続された中間電極27とを有するものである。
図4においては、基板21が第1樹脂層1に該当し、ドレイン電極23が下部導電層2に該当し、ゲート絶縁層25が第2樹脂層4に該当し、中間電極27が上部導電層5に該当する。また、コンタクトホール3aがコンタクトホール3に該当し、コンタクトホール3aの下端面の外周に基板21とゲート絶縁層25とが接触する接触部分X1を有する。
図5に示すように、本発明においては、第2コンタクトホール3bの下端面内に中間電極27の端部が配置しており、第2コンタクトホール3bの下端面の外周にゲート絶縁層25とパッシベーション層28とが接触する接触部分X2を有していることがより好ましい。ゲート絶縁層、中間電極、パッシベーション層および外部入出力電極についても、本発明における第1樹脂層、下部導電層、第2樹脂層および上部導電層の位置関係とすることができるため、有機半導体素子における電極間の断線をより好適に抑制することができるからである。
図6においては、基板21が第1樹脂層1に該当し、ドレイン電極23が下部導電層に該当し、ゲート絶縁層25およびパッシベーション層28の積層体が第2樹脂層4に該当し、外部入出力電極29が上部導電層5に該当する。
図7においては、ゲート絶縁層25が第1樹脂層1に該当し、ドレイン電極23が下部導電層2に該当し、パッシベーション層28が第2樹脂層4に該当し、外部入出力電極29が上部導電層5に該当する。また、コンタクトホール3aが本発明におけるコンタクトホール3に該当し、コンタクトホール3aの下端面の外周にゲート絶縁層25とパッシベーション層28とが接触する接触部分X2を有する。
なお、図8において説明していない符号については、図8で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、以下の説明において「有機トランジスタ」とは、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層およびゲート電極を有するものを指す。
基板は、有機半導体素子における各構成を支持するものである。
基板としては所定の自己支持性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、有機半導体素子の用途等に応じて任意の機能を有する基板を用いることができる。基板としては、ガラス基板等の可撓性を有さないリジット基板、および樹脂からなるフィルム等の可撓性を有するフレキシブル基板を挙げることができる。
また、この場合、さらにバリア層を積層してもよい。シリコン酸化物などの絶縁性のバリア層であれば、基板表面及び上記平坦化層の下が好ましく、金属系バリア層であれば、上記平坦化層の下が好ましい。これにより、バリア層に傷が入ることがなくバリア性が維持できる。
ソース電極およびドレイン電極は、ソース電極およびドレイン電極の間に所望のチャネル領域を有するように形成されるものである。
チャネル長さとしては、チャネル領域内に有機半導体層を形成可能な程度であれば特に限定されないが、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜50μmの範囲内、さらに5μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。チャネル長さとは、ソース電極およびドレイン電極間の距離をいう。
ドレイン電極に用いられる材料、厚み、形成方法については、上述した下部導電層の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
ゲート電極の形成位置としては、本発明における有機半導体トランジスタの構造に応じて適宜選択することができ、例えば、図7等に示すように、有機半導体素子40がボトムゲート型構造の有機半導体トランジスタを有する場合はゲート絶縁層25上に形成されてもよく、図4等に示すように、有機半導体素子40がトップゲート構造の有機半導体トランジスタを有する場合は、基板21上に形成されてもよい。
ゲート電極および中間電極に用いられる材料、厚み、形成方法については、上述した下部導電層または上部導電層の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
ゲート絶縁層は、ソース電極およびドレイン電極と、ゲート電極とを絶縁するものである。
ゲート絶縁層の材料、厚みおよび形成方法については、上述した第1樹脂層または第2樹脂層の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
有機半導体層は、上記基板上の上記ソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域を含む領域に形成されるものである。また、有機半導体層は、有機半導体トランジスタに半導体特性を付与するものである。
有機半導体素子においては、有機半導体層上に形成された誘電体層を有していてもよい。上記誘電体層としては、例えば、遮光層、パッシベーション層を挙げることができる。
有機半導体素子においては、有機半導体層上に形成された遮光層を有していてもよい。遮光層は、有機半導体層への光照射を防ぐために設けられるものである。遮光層が形成されていることにより、オフ電流の増加や有機半導体層の経時的劣化を抑制することができる。
有機半導体素子においては、有機半導体層上に形成されたパッシベーション層を有していてもよい。パッシベーション層は、空気中に存在する水分や酸素の作用により有機半導体層が劣化するのを防止するために設けられるものである。
また、上述した遮光層を有する場合は、遮光層上にパッシベーション層が形成されていることが好ましい。ここで、遮光層は絶縁性が不十分である場合がある。そのため、例えば、外部入出力電極として表示装置に用いられる画素電極を例に説明すると、画素電極と隣接する画素電極や配線との間にリーク電流が発生し、画素電極電位が保持できない場合がある。また、上記遮光層は誘電率が大きい場合があり、画素電極と配線間の寄生容量が大きくなり、配線からのノイズにより画素電極電位が変動する場合がある。また、上記遮光層は遮光性粒子を含有しているため、表面に凹凸を有している場合があり、遮光層表面に金属層を形成した場合、金属層のエッチング残渣が残りやすくなるなどの場合がある。このような場合に、パッシベーション層を形成することにより、絶縁性の低下、寄生容量の低下を抑制することができ、表面平坦性を確保することができるからである。
有機半導体素子は、ゲート絶縁層またはパッシベーション層上に形成された外部入出力電極を有していてもよい。
本発明の配線部材が適用される有機半導体素子は、上述の構成を有していれば特に限定されず、他の構成を有していてもよい。
このような構成としては、例えば、ソース電極およびドレイン電極の形成面に形成されソース電極に接続されるデータ配線、有機半導体素子が表示装置に用いられ外部接続端子、検査用端子等を挙げることができる。
これらの構成については、一般的な有機半導体素子に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
0.7mm厚のガラス基板上にネガ型感光性樹脂をスピンコートにて塗布し150℃で30分間焼成し1μmの平坦化層を形成した。
次に、紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてゲート絶縁層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、ゲート絶縁層のパターニングを行った。次いで、150℃のオーブンにて30分間加熱硬化させ、膜厚1μmのゲート絶縁層を形成した。
次に、チオフェン系ポリマーをキシレンに固形分濃度1wt%にて溶解させた有機半導体のキシレン溶液を準備し、ソース電極およびドレイン電極を形成したゲート絶縁層上にスピンコートにて塗布し、厚み50nmの有機半導体層をゲート絶縁層上の全面に形成した。次いで、ポジ型レジストを有機半導体層上にスピンコートしてレジスト層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、レジスト層をパターニングした。
次に、大気下で、波長172nm、照度3mW/cm2の真空紫外線を60秒間照射し、レジスト層で覆われている部位以外の有機半導体層をエッチング除去し、有機半導体層のパターニングを行った。その後、レジスト層を除去した。
次に、紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてパッシベーション層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、ドレイン電極上にコンタクトホールが形成されるようにパッシベーション層のパターニングを行った。次いで、150℃のオーブンにて30分間加熱硬化させ、厚み3μmのパッシベーション層を形成した。この時のコンタクトホールの上端面および下端面は30μm×30μmの四角形状であった。また、下部のドレイン電極とコンタクトホールの下端面とが15μm×30μmの範囲で重なるように形成した。つまり残りのコンタクトホールの下端面の15μm×30μmの範囲は直下にゲート絶縁層がある状態で形成した。
上記有機半導体素子のドレイン電極と画素電極のコンタクトを確認した所、10個中10個とも抵抗値20Ωであり良好な導通を得た。
また、コンタクトホールにおけるゲート絶縁層およびパッシベーション層の接触部分の断面SEMを確認したところ、コンタクトホールの側面とのなす角は145°であり、パッシベーション層が順テーパー形状であった。
パッシベーション層を形成する際に、コンタクトホールの全ての範囲である30μm×30μmの範囲がドレイン電極上にのみ形成される配置としたこと以外は実施例と同様のプロセスで有機半導体素子を作製した。
上記有機半導体素子のドレイン電極と画素電極のコンタクトを確認したところ、10個中7個は抵抗値20Ωであったが、残りの3個に関しては導通を確認することができなかった。導通不良の場所の断面SEMを確認した所パッシベーション層が逆テーパーになり画素電極とコンタクトしていない事が確認された。
2 … 下部導電層
3、3’、3a … コンタクトホール
4 … 第2樹脂層
5 … 上部導電層
10 … 配線部材
31、31’ … 下端面
32 … 上端面
X、X1、X2 … 接触部分
Claims (7)
- 樹脂を含む第1樹脂層と、
前記第1樹脂層上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含む下部導電層と、
前記第1樹脂層上に形成され、前記下部導電層上にコンタクトホールを有し、感光性樹脂を含む第2樹脂層と、
前記第2樹脂層上に形成され、前記コンタクトホール内で前記下部導電層と接続され、導電性材料を含む上部導電層と、
を有し、
前記コンタクトホールの下端面内に前記下部導電層の端部が配置されており、前記コンタクトホールの前記下端面の外周に前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが接触している接触部分を有することを特徴とする配線部材。 - 前記上部導電層が、無機導電性材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の配線部材。
- 前記上部導電層の平面視形状が、前記コンタクトホール全体と重なる形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線部材。
- 前記配線部材が、基板と、前記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の間のチャネル領域において前記基板上に形成された有機半導体層と、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記有機半導体層を覆うように形成され、前記ドレイン電極上に形成されたコンタクトホールを有するゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、前記ゲート絶縁層上に形成され前記コンタクトホール内で前記ドレイン電極と接続された中間電極とを有する有機半導体素子に用いられる配線部材であって、
前記第1樹脂層が前記基板であり、前記下部導電層が前記ドレイン電極であり、前記第2樹脂層が前記ゲート絶縁層であり、前記上部導電層が前記中間電極であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の配線部材。 - 前記配線部材が、基板と、前記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の間のチャネル領域において前記基板上に形成された有機半導体層と、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記有機半導体層を覆うように形成され、前記ドレイン電極上に形成されたコンタクトホールを有するゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、前記ゲート絶縁層上に形成され前記コンタクトホール内で前記ドレイン電極と接続された中間電極と、前記中間電極を覆うように形成され前記中間電極上にコンタクトホールを有する誘電体層と、前記誘電体層上に形成され前記コンタクトホール内で前記中間電極と接続された外部入出力電極とを有する有機半導体素子に用いられる配線部材であって、
前記第1樹脂層が前記ゲート絶縁層であり、前記下部導電層が前記中間電極であり、前記第2樹脂層が前記誘電体層であり、前記上部導電層が前記外部入出力電極であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の配線部材。 - 前記配線部材が、基板と、前記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の間のチャネル領域において前記基板上に形成された有機半導体層と、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記有機半導体層を覆うように形成され、前記ドレイン電極上に形成されたコンタクトホールを有するゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成され、前記ドレイン電極上に形成されたコンタクトホールを有する誘電体層と、前記誘電体層上に形成され、前記コンタクトホール内で前記ドレイン電極と接続された外部入出力電極とを有する有機半導体素子に用いられる配線部材であって、
前記第1樹脂層が前記基板であり、前記下部導電層が前記ドレイン電極であり、前記第2樹脂層が前記ゲート絶縁層および誘電体層の積層体であり、前記上部導電層が前記外部入出力電極であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の配線部材。 - 前記配線部材が、基板と、前記基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極を覆うように形成されたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の間のチャネル領域において前記基板上に形成された有機半導体層と、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記有機半導体層を覆うように形成され、前記ドレイン電極上にコンタクトホールが形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成され、前記コンタクトホール内で前記ドレイン電極と接続された外部入出力電極とを有する有機半導体素子に用いられる配線部材であって、
前記第1樹脂層が前記ゲート絶縁層であり、前記下部導電層が前記ドレイン電極であり、前記第2樹脂層が前記誘電体層であり、前記上部導電層が前記外部入出力電極であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の配線部材。
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