JP2015227433A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低誘電率で且つ高湿度下での白濁も抑制されて透明性に優れるエネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)数平均分子量が300〜1500であるポリブテンおよび/またはポリイソブチレン100質量部;(B)水添ポリブタジエン,水添ポリイソプレン、及びポリイソプレンからなる群より選択される共役ジエン系ポリマーユニットを1種又は2種以上含み、且つ末端がα,β−不飽和カルボニル変性されている多量体型共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体5〜50質量部;(C)(メタ)アクリル酸の炭素数6〜20のアルキル及び/又はシクロアルキルエステル10〜80質量部;並びに(D)一次平均粒子径が50nm以下のフュームドシリカ0.5〜15質量部を含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、誘電率が低く、高温高湿の環境下にあっても吸湿による白濁が抑制された、透明性に優れた硬化物を提供できる硬化性樹脂組成物に関し、特に静電容量式タッチパネルを搭載したカーナビ、パソコンディスプレイ、テレビ、電子黒板等の大型の画像表示装置、並びにスマートフォンやタブレット端末、メディアプレーヤーなどの携帯型端末等の静電容量式タッチパネルを搭載した小型の画像表示装置に好適に用いることができる硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物の硬化物、および該硬化性樹脂組成物の硬化物を含む画像表示装置に関する。
液晶表示装置や有機EL表示装置などの光学ディスプレイにおいて、表示画面への保護シートの貼着、各種機能性光学シートの接合、光学機器部材間の隙間の充填などには、耐熱性、耐薬品性、絶縁性等の電気的特性、密着性、透明性を有する硬化性樹脂組成物が一般に用いられている。
アクリロイル基やメタクリロイル基(これらを特に区別しない場合、「(メタ)アクリロイル基」と総称する)等の重合性官能基を有する(メタ)アクリロイル基含有ポリマーを用いた硬化性樹脂組成物は、硬化反応を精密に制御することが可能であり、さらに耐熱性、耐薬品性、絶縁性等の電気的特性、密着性、透明性に優れた硬化物を得ることができることから、上記光学機器等に用いる接着剤、充填剤として一般に知られている。
近年、高湿度下においても、画像表示装置の画面が曇らないように、加湿条件下での耐白濁性に優れた接着剤が求められるようになっている。
光学ディスプレイなどに用いることができる曇点耐性接着剤として、例えば、特表2012−504512号公報(特許文献1)に、100部のアルキルアクリレート及び共重合可能な極性モノマーに対し、1〜25部の親水性ポリマーを含む組成物が提案されている。ここで、親水性ポリマーとしては、ポリエチレンオキシドセグメント、ヒドロキシル官能基、又はこれらの組み合わせなどが挙げられている(段落0020)。
また、近年、液晶ディスプレイ等の画像表示装置にタッチパネルを搭載したタブレット型などの携帯端末が普及してきており、中でも静電容量式のタッチパネルはその機能性から、広く用いられるようになっている。かかるタブレット型などの携帯端末に対する高感度化の要求に伴い、静電容量式タッチパネルに用いる部材は、入力時の感度に影響を及ぼさないような低誘電率材料であることが求められるようになっている。
ところが、上記特許文献1にもあるように、加湿条件下での耐白濁性を向上させるためには、一般に、水酸基などの極性基を多く含有する親水性モノマーや親水性ポリマーが用いられている。極性基を多く含む化合物を用いた接着剤、充填剤は、誘電率が高くなる傾向にあることが確認されている。このため、静電容量式のタッチパネルを搭載した表示装置用には、低誘電率で、且つ加湿条件下での耐白濁性に優れる接着剤、充填剤の検討が進められている。
低誘電率で加湿下での耐白濁性を有する接着剤として、特開2012−173354号公報(特許文献2)には、周波数100kHzの比誘電率が4以下であり、95%RHの環境下に120時間保存した後の水分率が0.65質量%以上である粘着剤層を提供できる光学用粘着シートが提案されている。かかる光学用粘着シートは、炭素数6〜10の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び窒素含有モノマーからなる群より選ばれる1以上のモノマー成分から構成され、該モノマー成分の割合が60質量%以上であるアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層を含んでいる(請求項3)。
特表2012−504512号公報 特開2012−173354号公報
上記特許文献2が提案している光学用粘着シートは、低誘電率を指向しているものの、比誘電率4.0以下では、静電容量式タッチパネルを搭載したテレビ、パソコンディスプレイ等の大型画像表示装置、タブレット型端末やスマートフォン等の小型の画像表示装置に用いる接着剤、充填剤として不十分であり、更なる低誘電率化が求められる。
また、液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置に用いられる接着剤としては、現在、予めフィルムやシート形状に加工したタイプの接着シート、流動性の液状タイプのいずれかが用いられている。不均一な凹凸を有する表面形状のシートやフィルムの貼り合せ、あるいは光学部材間の空隙に充填して、画像の品質を向上させるために用いる充填剤、接着剤としては、流動性を有する液状タイプが好ましい。一方、液状タイプの接着剤、充填剤であっても、硬化物であるフィルム又はシートとして、ある程度の機械的強度を有する必要がある。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、静電容量式タッチパネルを備えた画像表示装置の部材間の接着、空隙の充填に好適に用いることができる液状接着剤で、しかも低誘電で且つ高湿度下での白濁が抑制されて透明性に優れ、且つ硬化物として、フィルムタイプに遜色ない機械的硬度を有する硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、低誘電率を達成できる液状ポリマーについて種々検討した結果、極性基の少ないポリマー、特にポリブテン及び/又はポリイソブチレンが、接着剤の誘電率低減に効果的であることを見出した。一方、硬化性を付与するために、硬化性に優れる(メタ)アクリロイル基含有ポリマーや(メタ)アクリロイル基含有モノマーと混合して用いる場合、相溶性の問題から、使用する(メタ)アクリロイル基含有化合物の種類や含有量により、透明性が低下することがわかった。特に、加湿下での白濁防止のために有効と考えられる水酸基等の極性基を導入した(メタ)アクリロイル基含有ポリマーや(メタ)アクリロイル基含有モノマーと併用すると、無色透明の硬化物を得ることと低誘電率化との両立が困難であることが判明した。
本発明者らは、さらに検討を進め、低誘電率で、透明な硬化物が得られ、さらには加湿条件下における耐白濁性、機械的強度の両立を可能とする硬化物を提供できる本発明の硬化性樹脂組成物を完成した。
すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)数平均分子量が300〜1500であるポリブテンおよび/またはポリイソブチレン100質量部;(B)水添ポリブタジエン,水添ポリイソプレン、及びポリイソプレンからなる群より選択される共役ジエン系ポリマーユニットを1種又は2種以上含み、且つ末端がα,β−不飽和カルボニル変性されている多量体型共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体5〜50質量部;(C)(メタ)アクリル酸の炭素数6〜20のアルキル及び/又はシクロアルキルエステル10〜80質量部;並びに(D)一次平均粒子径が50nm以下のフュームドシリカ0.5〜15質量部を含有する。
前記α,β−不飽和カルボニル変性体の数平均分子量は、3000〜50000であることが好ましい。
前記多量体型共役ジエン系ポリマーは、前記共役ジエン系ポリマーユニットがウレタン結合含有基又はエステル結合含有基を介して連結されていることが好ましい。また、前記α,β−不飽和カルボニル変性体は、前記多量体型共役ジエン系ポリマーがウレタン結合含有基又はエステル結合含有基を介してα,β−不飽和カルボニル基が連結されていることが好ましい。
(A)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレンの流動点が0℃以下であることが好ましい。
また、前記(B)α,β−不飽和カルボニル変性体は、前記(A)のポリブテンおよび/またはポリイソブチレンの溶媒存在下でα,β−不飽和カルボニル変性反応させて得られたものであることが好ましい。
前記(C)(メタ)アクリレート化合物は、環式構造を有する単官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。また、前記(D)一次平均粒子径50nm以下のフュームドシリカは、親水性フュームドシリカであることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、(E)光重合開始剤及び/又は(F)粘着向上剤を含有してもよい。
硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の比誘電率が3.0未満であることが好ましい。
本発明は、上記のような本発明の硬化性樹脂組成物をエネルギー線照射により硬化して得られる硬化物、当該硬化物を有する画像表示装置も包含する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、適切な機械的強度を有し、低誘電率で且つ高湿条件下での白濁抑制という双方の要求を満足する硬化物を得ることができ、しかも常温で液状であり、凹凸ある被着体に対しても隙間なく充填することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
<エネルギー線硬化型樹脂組成物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)数平均分子量が300〜1500であるポリブテンおよび/またはポリイソブチレン100質量部;
(B)水添ポリブタジエンユニット,水添ポリイソプレンユニット、及びポリイソプレンユニットからなる群より選択される1種又は2種以上のユニットを複数有する多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体5〜50質量部;
(C)(メタ)アクリル酸の、炭素数6〜20のアルキル又はシクロアルキルエステル10〜80質量部;並びに
(D)一次平均粒子径が50nm以下のフュームドシリカ(Fumed silica)0.5〜15質量部
を含有する。
以下、各成分について説明する。
(A)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレン
ポリブテンとは、イソブチレンを主体に1−ブテン、2−ブテンを共重合させたものであり、ポリイソブチレンとは、イソブチレンの単独重合体である。これらは分子量により常温で液状のものから固体のものまで幅広い分子量のものが市販されているが、本発明に用いるポリブテンやポリイソブチレンは、数平均分子量が300〜1500の低分子量タイプである。
数平均分子量が300未満では、硬化後経時的に硬化物から分離して、ブリードアウトの原因となる恐れがあり、数平均分子量が1500超では、組成物の流動性が低下するため、塗工作業性が低下し、また充填剤として用いた場合には、ボイドを発生しやすくなるため好ましくない。一方、数平均分子量が300〜1500のポリブテンやポリイソブチレンは、常温で液状であることから、組成物を溶剤等で希釈しなくても、液状の組成物を提供することが可能となる。また、常温で液状であることから、(B)成分を合成する場合の溶媒として用いることが可能である。(A)成分の溶媒存在下で合成された生成物は、単離操作などを行うことなく、そのまま(B)成分として用いることができる。
上記分子量範囲を有するポリブテンおよび/またはポリイソブチレンは、常温で液状を示すが、さらに、流動点が0℃以下であるものが好ましい。
このようなポリブテンとしては、市販品を用いることもでき、例えば、JX日鉱日石エネルギー社製の日石ポリブテンLV-7,日石ポリブテンLV-10,日石ポリブテンLV-25,日石ポリブテンLV-50,日石ポリブテンLV-100,日石ポリブテンHV-15,日石ポリブテンHV-35,日石ポリブテンHV-50,日石ポリブテンHV-100,日石ポリブテンHV-300;ENEOS社製のIndopol L-8,Indopol L-14,Indopol H-7,Indopol H-15,Indopol H-25,Indopol H-25,Indopol H-50,Indopol H-100,Indopol H-300などが挙げられる。また、ポリイソブチレンの市販品としては、Texas Petrochemicals社製のTPC595,TPC1105;BASF社製のGlissopal 1000,Glissopal 1300,Glissopal V190,Glissopal V500,Glissopal V640などが挙げられる。
ポリブテン、ポリイソブチレンは、分子鎖内に極性基を有さず、組成物、硬化物の低誘電率化に寄与する。ポリブテン、ポリイソブチレンは、各々単独で用いてもよいし、両者を混合して用いてもよい。ポリブテン及び/又はポリイソブチレンの組成物中の含有量は、ポリブテン及びポリイソブチレンの総量として、組成物総量の30質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは40質量%以上である。
(B)水添ポリブタジエンユニット,水添ポリイソプレンユニット、及びポリイソプレンユニットからなる群より選択される1種又は2種以上のユニットを複数有する多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体
B成分は、組成物に硬化性を付与する成分であり、A成分であるポリブテン及び/又はポリイソブチレンとの相溶性に優れ、透明性を損なうことなく、硬化性、接着性を付与することができる。
ここで、多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーとは、水添ポリブタジエンユニット、ポリイソプレンユニット、及び水添ポリイソプレンユニット(以下、水添ポリブタジエンユニット、ポリイソプレンユニット、水添ポリイソプレンユニットを区別しないときは、「(水添)共役ジエン系ポリマーユニット」又は単に「ジエン系ポリマーユニット」と総称する)からなる群より選ばれる1種又は2種以上のユニットを複数含有するものである。
多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーは、(b−1)(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールと(b−2)水酸基と反応する官能基を有する連結用化合物とを反応させて多量体化することにより得ることができる。(b−1)(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールは、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール(以下、これらを区別しないときは、「(水添)共役ジエン系ポリマーポリオール」と総称することがある)からなる群より選ばれる1種または2種以上である。
多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーの末端は、原料として用いる(b−1)(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールと(b−2)水酸基と反応する官能基Lを有する連結用化合物とのモル当量比率に依存する。ジエン系ポリマーポリオール(b−1)の水酸基量が、連結用化合物(b−2)中の官能基量よりも多い場合には水酸基となり、少ない場合には連結用化合物中の官能基Lとなる。
B成分である多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体は、(b−3)多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーと、(b−4)多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーの末端官能基(水酸基又は官能基L)と反応する官能基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物とを反応させることにより得られる。
以下、各成分及び反応について詳述する。
(b−1)(水添)共役ジエン系ポリマーポリオール
(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールは、(水添)共役ジエン系ポリマーユニットである水添ポリブタジエン、ポリイソプレン又は水添ポリイソプレンで、且つ水酸基を2個以上有するポリマーポリオールである。
水酸基は、側鎖又は末端のいずれに有していてもよいが、好ましくは主鎖末端に有する末端水酸基含有タイプの(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールである。なお、水酸基は、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン又は水添ポリイソプレン主鎖に直接結合していてもよいし、介在基を介して結合していてもよい。
水添ポリブタジエンは、ブタジエンが1,2−付加重合及び/または1,4−付加重合することにより合成されるポリブタジエンを水素添加したものである。水素添加は、A成分との相溶性、硬化物の透明性が損なわれない程度であれば、部分水素添加物であってもよい。なお、(1)式は、一例として挙げた水添ポリブタジエン(完全水添物)を示している。(1)式中、p、qはそれぞれ0〜100の整数であり、p+q=10〜150の整数である。
Figure 2015227433
ポリイソプレンは、イソプレンが付加重合したもので、1,4−付加重合体、1,2−付加重合体、3,4−付加重合体のいずれでもよく、1,4−付加重合体の場合、シス体であってもよいし、トランス体であってもよい。ポリイソプレンは、水素添加はされていても、されていなくてもよく、水素添加がされている場合、完全水素添加、部分水素添加のいずれであってもよい。
(b−2)水酸基と反応する官能基Lを有する連結用化合物
連結用化合物(b−2)は、(水添)共役ジエン系ポリマーポリオール(b−1)の水酸基と反応できる官能基Lを2個以上有する化合物であり、例えば、下記式(2a)で表わされる2官能化合物、(2b)で表わされる3官能化合物、(2c)で表わされる4官能化合物が挙げられる。好ましくは2官能化合物である。式(2a)(2b)(2c)中、Lは水酸基と反応する官能基であり、M,M’,M″は有機基である。
Figure 2015227433
前記官能基Lとしては、具体的には、(i)イソシアネート基、(ii)カルボキシル基(ハロゲン化カルボニル基、エステル含む)、(iii)エポキシ基が挙げられる。また、有機基M,M’,M″としては、上記官能基を有し、それぞれ2,3,4つのフリーの結合の手を有する脂肪族、芳香族、脂環族のいずれでもよいが、(b−1)成分との反応性及び相溶性の観点から、炭素数2〜18、好ましくは3〜15、特に好ましくは8〜12の脂肪族、脂環族が好ましい。
(i)イソシアネート基含有連結用化合物
イソシアネート基含有連結用化合物としては、イソシアネート基を2個以上、好ましくは2〜4個有する脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートであって、好ましくはジイソシアネートである。
ジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6−ジイソシアナトヘキサン)、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート;リシンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート又はテトラメチルヘキサンジイソシアネートの誘導体等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−、1,3−又は1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’−又は2,4’−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3−又は1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、又は2,4−又は2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、m−又はp−キシリレンジイソシアネート、2,4’−又は4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、3−メチルジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート又はジフェニルエーテル4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
トリス(4−イソシアン酸フェニル)チオリン酸エステル等のトリイソシアネート、1,3,5,7−アダマンタンテトライルテトライソシアネート等のテトライソシアネートを用いてもよい。
以上のようなイソシアネート基含有連結用化合物は、ジエン系ポリマーポリオール(b−1)の水酸基と反応して、ウレタン結合を形成する。従って、ウレタン結合を連結部分として、ポリオールが、官能基当量数に応じて、2量体化、3量体化、又は4量体化する。
イソシアネート基含有連結用化合物とジエン系ポリマーポリオール(b−1)との反応は、ゲル化しないような条件で反応させる。通常、反応触媒の種類、ポリオールと連結用化合物の仕込量比率の調整、反応温度の調整、仕込速度(滴下速度)等により、ゲル化しない条件を適宜選択することができる。
(ii)カルボキシル基含有連結用化合物
カルボキシル基を2個以上有する連結用化合物としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸、ポリカルボン酸、又はこれらの無水物若しくはエステル;ピリジン2,6−ジカルボン酸ジクロライド等のハロゲン化カルボニル基含有連結用化合物などを用いることができ、これらは飽和脂肪族カルボン酸、不飽和カルボン酸、カルボキシル基以外の水素原子がハロゲン、水酸基、カルボニル基等で置換された置換カルボン酸、芳香族カルボン酸など、炭素数2〜18、好ましくは3〜15、より好ましくは8〜12の飽和カルボン酸である。これらのうち、好ましくはジカルボン酸またはそのエステルである。
具体的には、ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クエン酸、プロパントリカルボン酸等の飽和ジカルボン酸、又はこれらの無水物、又はこれらの炭素数1〜20のアルキルエステル;マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸;フタル酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
以上のようなカルボキシル基含有連結用化合物は、ポリオール(b−1)の水酸基と反応して、エステル結合を形成する。従って、エステル結合を連結部分として、官能基当量数に応じて、2量体化、3量体化、又は4量体化したポリオールの多量体が得られる。
カルボキシル基含有連結用化合物とポリオール(b−1)との反応は、急激な多量体化により、ゲル化しないような条件で反応させる。
(iii)エポキシ基含有連結用化合物
エポキシ基含有連結用化合物は、水酸基と反応する官能基として、炭素、酸素原子からなる3員環構造(エポキシ基、オキシラン基、グリシジル基など)を2個以上有する連結用化合物で、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はこれらの水添物とエピクロルヒドリンとを反応させることにより得られるエポキシ樹脂で、炭素数2〜18、好ましくは3〜15、より好ましくは8〜12のエポキシ樹脂が好ましく用いられる。具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテルなどを用いることができる。
このようなエポキシ基含有連結用化合物は、ジエン系ポリマーポリオール(b−1)の水酸基と反応して、エポキシ環が開環し、エーテル結合を形成する。
エポキシ基含有連結用化合物と(水添)共役ジエン系ポリマーポリオール(b−1)との反応は、急激な多量体化により、ゲル化しないような条件で反応させる。
(b−3)(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールの多量体(多量体型(水添)共役ジエン系ポリマー)
(b−1)(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールと、(b−2)水酸基と反応する官能基Lを有する連結用化合物との反応により、(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールが多量体化する。(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールの多量体を、「多量体型(水添)共役ジエン系ポリマー」、又は単に「多量体型ジエン系ポリマー」と称する。
以下、多量体化反応、得られる多量体型ジエン系ポリマーについては、連結用化合物として代表的な2官能タイプ(L−M−L)を用いた場合を中心に説明する。
(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールの多量体化は、当該ポリオールの水酸基と連結用化合物の官能基Lとの反応により形成される結合を連結部として行われる。従って、連結用化合物としてイソシアネート基含有連結用化合物を用いる場合には、連結部はウレタン結合を含む有機基であり、連結用化合物としてカルボキシル基含有連結用化合物を用いた場合には、連結部はエステル結合を含む有機基であり、連結用化合物としてエポキシ基含有連結用化合物を用いた場合には、連結部はエーテル結合を含む有機基である。
多量体化反応に、1種類の(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールを用いた場合、合成反応に供されるジエン系ポリマーポリオール(b−1)と連結用化合物(b−2)との当量比により、下記式(3a)又は(3b)に示すように、1種類の(水添)共役ジエン系ポリマーユニットが連結部により複数連結された多量体型ジエン系ポリマーが得られる。式中、n1,n2はそれぞれ独立して1〜20の整数である。
式(3a)はジエン系ポリマーポリオールが過剰の場合(末端官能基がポリマーポリオール由来の−OHとなる)を示し、式(3b)は連結用化合物が過剰の場合(末端官能基は連結用化合物由来のLとなる)を示す。
Figure 2015227433
2種類又は3種類の(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールを多量体化反応に供した場合、例えば2種類のジエン系ポリマーポリオールを使用し、且つジエン系ポリマーポリオール過剰の場合、下記式(4)に示すように、(水添)共役ジエン系ポリマー1ユニット及び(水添)共役ジエン系ポリマー2ユニットを有する多量体型ジエン系ポリマーが得られる。異なる種類の(水添)共役ジエン系ポリマーユニットを含有する場合、各ポリマーユニットの含有比率(l:m)は、合成反応時の仕込み比率により調整され、(水添)共役ジエン系ポリマーユニットの連結の態様は、ランダムに連結されたランダムタイプであってもよいし、同種類の(水添)共役ジエン系ポリマーユニットが連結したブロック同士が連結されたブロックタイプであってもよい。
Figure 2015227433
(3a),(3b),(4)式中、Zは使用する連結用化合物の官能基Lと水酸基との反応の結果、生成される結合で、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合である。好ましくはウレタン結合、エステル結合であり、より好ましくはウレタン結合である。
なお、連結用化合物(b−2)として3官能性連結用化合物を用いた場合、あるいはジエン系ポリマーポリオール(b−1)として、水酸基が3個以上のポリオールを用いた場合には、下記式(5a),(5b)のように3次元的に多量体化がおこる。
Figure 2015227433
多量体型ジエン系ポリマーの末端は、合成反応に供されるポリマーポリオール(b−1)と連結化合物(b−2)との当量比による。(4)式、(5)式は、(イ)ジエン系ポリマーポリオールの水酸基当量が過剰で、得られる多量体型ジエン系ポリマーの末端は水酸基の場合を示しているが、(ロ)連結用化合物の官能基Lが過剰の場合、得られる多量体型ジエン系ポリマーの末端は当該官能基Lとなる。
(b−4)α,β不飽和カルボニル化合物((メタ)アクリロイル化剤)
多量体型(水添)共役ジエン系ポリマー(b−3)をα,β不飽和カルボニル変性するのに用いられるα,β不飽和カルボニル化合物(b−4)は、一般式が下記式(6)で表されるα,β不飽和カルボニル化合物である。(6)式中、Qは多量体型ジエン系ポリマー(b−3)の末端官能基(水酸基又は連結用化合物の官能基L)と反応する官能基、又は当該官能基を有する原子団、又はハロゲンである。
Figure 2015227433
(イ)末端官能基が水酸基の場合
水酸基と反応する官能基としては、イソシアナート基、カルボキシル基(ハロゲン化カルボニル基、エステル含む)、エポキシ基が挙げられる。
従って、水酸基と反応する官能基を有するα,β不飽和カルボニル化合物(b−4)としては、一般式(7a)で表わされるイソシナート基含有不飽和カルボニル化合物;一般式(7b)で表わされるカルボキシル基含有不飽和カルボニル化合物;一般式(7c)で表されるエポキシ基含有不飽和カルボニル化合物;Qが−OH又は−OR(Rは炭素数1〜20の直鎖又は分岐を有するアルキル基またはアリール基)であるカルボン酸またはカルボン酸エステル;Qがハロゲンであるカルボン酸ハロゲン化物が該当する。
Figure 2015227433
上記一般式(6),(7a)−(7c)において、R1,R2は、それぞれ、水素、又はメチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状アルキル基を示し、R1とR2は同じでも異なっていてもよい。
(7a)−(7c)式中、Xは介在基であり、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン等の炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキレン基であり、好ましくはメチレン、エチレンである。
(7a)式で表されるイソシナート基含有不飽和カルボニル化合物としては、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアナート等が挙げられる。
(7b)式で表わされるカルボキシル基含有不飽和カルボニル化合物としては、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸等の(メタ)アクリロイルオキシカルボン酸などを用いることができる。
(7c)で表わされるエポキシ基含有不飽和カルボニル化合物としては、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルなどを用いることができる。
Qが−OH又は−OR(Rは炭素数1〜20の直鎖又は分岐を有するアルキル基)であるカルボン酸またはカルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸などのカルボン酸化合物類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどを用いることができる。
また、Qがハロゲンの場合として、塩化(メタ)アクリル酸、臭化(メタ)アクリル酸などの不飽和酸ハロゲン化物を用いることができる。
(ロ)末端官能基が、連結用化合物由来の官能基Lの場合
官能基Lと反応する官能基を有するα,β不飽和カルボニル化合物(b−4)としては、下記一般式(8a)で表わされる不飽和カルボン酸、又は一般式(8b)で表される不飽和カルボン酸ヒドロキシエステルが該当する。(8b)式中、R(OH)は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキルの水素原子の1つは水酸基で置換されたヒドロキシルアルキル基である。
Figure 2015227433
従って、Qが−OHの場合、(8a)式で表されるα,β−不飽和化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸などの不飽和カルボン酸が挙げられ、これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられる。
また(8b)式で表されるような、QがR(OH)を含有する原子団であるα,β−不飽和カルボニル化合物の場合、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの不飽和カルボン酸ヒドロキシエステルが挙げられる。
以上のような構成を有するα,β−不飽和カルボニル化合物は、α,β不飽和カルボニル基において、R1が水素又はメチル基、R2が水素であるアクリロイル基又はメタクリロイル基が好ましく用いられる。以下、α,β−不飽和カルボニル基が(メタ)アクリロイル基である場合には、「(メタ)アクリロイル化剤」を用いた場合を代表として説明する。
〔多量体型ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体の合成:多量体型ジエン系ポリマー(b−3)と、不飽和カルボニル化合物(b−4)との反応〕
上述の多量体型ジエン系ポリマー(b−3)と上述のα,β不飽和カルボニル化合物((メタ)アクリロイル化剤)(b−4)とを反応させて、多量体型ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体を合成する。
多量体型ジエン系ポリマー(b−3)の末端官能基(水酸基、又は連結用化合物に由来する官能基L)と、(メタ)アクリロイル化剤(b−4)中の官能基とが反応して、結合を形成し、下記一般式(9)で表されるように、多量体型ジエン系ポリマー(b−3)の末端が(メタ)アクリロイル基でキャップされる。
Figure 2015227433
(9)式中、Yは、多量体型ジエン系ポリマー(b−3)の末端官能基(−OH又はL)とα,β不飽和カルボニル化合物(b−4)の官能基とが反応した結果、生成される連結結合含有基であり、使用する化合物、官能基の種類により、ウレタン結合、エステル結合、若しくはエーテル結合、又はこれらの結合の含有する有機基となる。
以上のようなα,β−不飽和カルボニル変性反応のうち、好ましくは末端官能基が水酸基である多量体型ジエン系ポリマー(b−3)と、(メタ)アクリロイル化剤として(7a)式で表されるイソシアネート含有(メタ)アクリレートを用いる反応であり、下記(10)式で表されるα,β−不飽和カルボニル変性体が得られる。
Figure 2015227433
多量体型ジエン系ポリマーセグメントは、使用する多量体型ジエン系ポリマーが複数の種類のジエン系ポリマーユニットを含んでいる場合には、複数種類のジエン系ポリマーユニットを含有することになる。
(水添)共役ジエン系ポリマーにα,β−不飽和カルボニル基を導入する反応(α,β−不飽和カルボニル変性反応)は、通常、溶媒存在下で行われる。本発明の組成物では、A成分であるポリブテン、ポリイソブチレンが常温で液体であることから、A成分(ポリブテン、ポリイソブチレン)を反応溶媒として用いることができる。溶媒除去等の操作なしに、合成により得られた生成物を、(A)成分と(B)成分との混合物として用いることが可能となる。このことは、溶媒除去操作という工程の簡略化だけでなく、組成物中にB成分由来の残存溶剤といった不純物の混入も回避することができるという利点がある。残存溶媒は、硬化物において、ボイドの原因となり得ることから、組成物の必須成分以外である溶剤が残存しているB成分の使用回避は、ひいては、接着剤層の透明化、画質の向上といった効果を期待できる。
得られる多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーの不飽和カルボニル変性体(B)の数平均分子量、粘度は、繰り返し単位となる共役ジエンの種類、多量体化の有無等によって異なるが、一般に多量体化によって分子量、粘度が増大し、共役ジエン系ポリマーセグメント数の増大に伴って、さらに分子量、粘度が増大する。
B成分の数平均分子量(Mn)は、含有される(水添)共役ジエンの種類、含有される(水添)共役ジエン系ポリマーユニット数にもよるが、3000〜50000、好ましくは4000〜40000、より好ましくは5000〜30000、さらに好ましくは5000〜20000の高分子量化合物となる。また、25℃における粘度は、連結単位となる(水添)共役ジエン系ポリマーユニットの種類、反応条件等により異なるが、5〜2000Pa・s、好ましくは8〜1500Pa・sである。
なお、本明細書にいう数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(溶媒:テトラヒドロフラン)を用いて測定した値である。また、上記粘度は、温度25℃の条件下で、B型粘度計(型式「RB80L」:東機産業社製)を用いて測定することができる。
尚、本発明で(B)成分として用いる多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体としては、ポリマー1分子鎖あたり2個以上のα,β−不飽和カルボニル基を有するα,β−不飽和カルボニル変性(水添)共役ジエン系ポリマーと、ポリマー1分子鎖あたり1個のα,β−不飽和カルボニル基しか有しないα,β−不飽和カルボニル変性(水添)共役ジエン系ポリマーとの混合物であってもよい。α,β−不飽和カルボニル変性(水添)共役ジエン系ポリマー全体として、ポリマー分子鎖あたり平均1.5個以上のα,β−不飽和カルボニル基を有することが好ましい。
以上のような多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体は、A成分との相溶性に優れ、A成分による誘電率低減効果を損なうことなく、組成物に硬化性を付与することができる。また、多量体型α,β−不飽和カルボニル変性(水添)共役ジエン系ポリマーは、含まれる(水添)共役ジエン系ポリマーユニットが1つだけである単体型(水添)共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体と比べて、破断伸び等の機械的強度が優れる傾向にある。
以上のようなB成分は、A成分100質量部に対して、5〜50質量部の割合で配合される。5質量部未満では、経時的に、あるいは高温下でポリブテンやポリイソブチレンが分離しやすくなる。一方、50質量部超では、硬化物におけるA成分の割合が相対的に低下するため、低誘電率化が不十分となる。また、組成物全体の粘度が過度に上昇するため、作業性に劣る傾向にある。B成分の配合量は、好ましくは10〜45質量部、さらに好ましくは20〜40質量部である。
(C)(メタ)アクリル酸の、炭素数6〜20のアルキル又はシクロアルキルエステル
(メタ)アクリル酸の、炭素数6〜20のアルキル又はシクロアルキルエステルは、多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体(B)と共硬化可能な重合性化合物として用いられる。
炭素原子数が6未満の(メタ)アクリレート化合物では、硬化物の誘電率が高くなり、炭素原子数が20超の(メタ)アクリレート化合物では、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、好ましくない。なかでも(メタ)アクリル酸のシクロアルキルエステルが誘電率を低く抑えられる点から特に好ましい。
(メタ)アクリル酸の炭素数6〜20のアルキル又はシクロアルキルエステルとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等の炭素数6〜20のアルキル基含有(メタ)アクリレート;シクロへキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルナニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基含有(メタ)アクリレートなどが好ましく用いられる。
(C)(メタ)アクリル酸の炭素数6〜20のアルキル又はシクロアルキルエステルの配合割合は、(A)ポリブテンやポリイソブチレン100質量部に対して、10〜80質量部である。10質量部以下では、組成物の粘度が高くなり、また、80質量部以上では硬化した接着剤の誘電率が高くなり好ましくない。より好ましくは10〜75質量部であり、さらに好ましくは15〜50質量部である。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物において、B成分と共硬化可能な重合性化合物として、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、(メタ)アクリル酸の炭素数6〜20のアルキル又はシクロアルキルエステル以外の重合性化合物を併用してもよい。
併用できる他の重合性化合物としては、例えば、特開2013−014718号公報の段落0095に記載の炭素数6未満の(メタ)アクリレート;メチル−2−アリルオキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシルプロピルアクリレート等のアルキル基又はシクロアルキル基以外の置換基を有する(メタ)アクリレート;特開2013−014718号公報の段落0096に記載のビニルモノマーなどが挙げられる。
しかしながら、硬化物に親水性を付与する目的で一般に用いられる、水酸基を含有する不飽和化合物(例えばヒドロキシルアクリレート)などは、誘電率の観点から含まないことが好ましい。
(D)フュームドシリカ
本発明に用いるフュームドシリカは、酸化ケイ素を主成分とする化合物で、一次平均粒子径が50nm以下が好ましい。フュームドシリカは、粒子表面にシラノール基を有していて、シラノール基の一部を有機基で変性した疎水性タイプと、シラノール基の未変性のままである親水性タイプがある。いずれのタイプも使用できるが、とくに高湿下での接着剤の白濁を効率よく抑制でき、また高温下においても、硬化物からのポリブテンやポリイソブチレンの経時的分離が効率よく抑制できる点から、親水性タイプが好ましく用いられる。
また、フュームドシリカの一次平均粒子径は、50nm以下であることが好ましく、より好ましくは20nmである。50nmを超えると硬化物の透明性が低下する傾向がある。なお、ヒュームドシリカの一次平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡(5〜20万倍)で観察し、画像解析装置を用いて計測することができる。
かかるフュームドシリカとしては、市販品を用いることができ、例えば、親水性タイプとしては、Evonik Industries社製のAEROSIL 90,AEROSIL 130,AEROSIL 150,AEROSIL 200,AEROSIL 255,AEROSIL 300,AEROSIL 380;CABOT社製のCAB-O-SIL LM-150,CAB-O-SIL M5,CAB-O-SIL H5,CAB-O-SIL EH5;WACKER社製のWACKER HDK S13,WACKER HDK V15,WACKER HDK N20,WACKER HDK T30,WACKER HDK T40などを用いることができる。また、疎水性タイプとしては、Evonik Industries社製のAEROSIL R972,AEROSIL R974,AEROSIL R104,AEROSIL R106,AEROSIL R202,AEROSIL R805,AEROSIL R812,AEROSIL R816;CABOT社製のCAB-O-SIL TS-720,CAB-O-SIL TS-710,CAB-O-SIL TS-610,CAB-O-SIL TS-530;WACKER社製のWACKER HDK H15,WACKER HDK H18,WACKER HDK H20,WACKER HDK H30などを用いることができる。
以上のようなフュームドシリカは、加湿条件下で、硬化物の白濁を抑制する役割を有する。フュームドシリカの配合により高湿度下での白濁を抑制できるメカニズムは不明であるが、硬化物中で水滴が生成されることを防止できるためと思われる。また、シラノール基によるネットワークの形成は、高温下での硬化物の形状保持にも役立っていると考えられる。上記(A),(B),(C)成分とともに、フュームドシリカの特性が加わることにより、極性基含有ポリマー又は極性基含有化合物では困難であった、低誘電率化と白濁防止の両立を図ることが可能となる。
このようなフュームドシリカの配合割合は、(A)ポリブテン及びポリイソブチレンの総量100質量部に対して、0.5〜15質量部である。0.5質量部以下では、加湿時の硬化物の白濁抑制が不十分となり、また硬化時や高温下でのポリブテンやポリイソブチレンと経時的に分離しやすくなる。一方、15質量部以上配合すると、硬化物の誘電率が高くなってしまうため好ましくない。硬化物の低誘電率と吸湿時の白濁抑制を両立させる点から、好ましくは1〜12質量部であり、より好ましくは1.5〜10質量部である。
(E)光重合開始剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記(A)(B)(C)及び(D)成分の他に、さらに、(E)光重合開始剤を含有することが好ましい。これにより、組成物をエネルギー線照射により短時間で硬化することが可能となる。
光重合開始剤としては、従来より、エネルギー線硬化型樹脂組成物の分野で用いられている光重合開始剤を用いることができる。例えば、特開2013−014718号公報の段落0089、0090に記載の光重合開始剤が挙げられ、中でも、アセトフェノン類、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が好適である。
接着性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量としては、用途により異なるが、通常、当該樹脂組成物100質量%に対し、0.1〜10質量%であることが好適である。0.1質量%以上であると樹脂組成物をより充分に硬化させることができ、また10質量%以下であると臭気発生や硬化物の着色を充分に抑制できる。より好ましくは0.3〜5質量%、更に好ましくは0.3〜3質量%である。
(F)粘着向上剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記成分以外に、さらに粘着向上剤を含有することが好ましい。粘着向上剤は、硬化体の弾性率を向上させることができ、接着強度を上げることができる。粘着向上剤としては、例えば、フェノール樹脂、変成フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クロマン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂、さらに上記各樹脂の水添化物などがあげられる。
樹脂組成物中の粘着向上剤の含有量としては、用途により異なるが、通常、当該樹脂組成物100質量%に対し、5〜50質量%であることが好適である。5質量%以上であると適度な弾性率を与え、また50質量%以下であると粘度上昇や過度の弾性率、硬度の上昇を抑制できる。より好ましくは10〜40質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。
(G)その他の成分
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記成分以外に、必要に応じて、本発明の効果、特に誘電率低減効果を阻害しない範囲内であれば、(A)ポリブテン及び/又はポリイソブチレン、(B)多量体型(水添)共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体、(F)粘着向上剤以外の非反応性樹脂を含んでもよい。
本発明で用いることができる他の非反応性樹脂は、単量体型α,β−不飽和カルボニル変性(水添)共役ジエン系ポリマー;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド共重合体等のポリエーテルポリオール;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸等の側鎖に重合性官能基や二重結合を有しない(メタ)アクリル系重合体;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6,6などのポリアミド系樹脂;水添型又は非水添型ポリイソプレン、水添型ポリブタジエン以外の共役ジエン系ポリマー;熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
また、上記成分のほか、必要に応じて可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、従来より公知の可塑剤、例えば、(メタ)アクリロイル基を有しない化合物をいい、例えば、特開2013−014718号公報の段落0091、0092に記載の可塑剤が挙げられる。
更に、用途、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で、熱硬化触媒、紫外線吸収剤、連鎖移動安定剤、光安定剤、重合禁止剤、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、減粘剤、チキソトロピー付与剤、脱泡剤、着色剤等を含んでもよい。
例えば、特開2012−162705号公報の段落0078〜0082に記載の各化合物を用いることができる。
上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系のAO-10,AO-20,AO-30,AO-40,AO-50,AO-60,AO-70,AO-80(アデカ社製)、アンテージW-300,W-400,W-500(川口化学社製)、また光安定剤であるチヌビン765(BASF社製)などが挙げられ、耐久性の点で、AO-50,AO-60が好ましく用いられる。
以上のようなその他の成分は、樹脂組成物の用途により適宜選択されるが、通常、0〜40質量%とすることが好ましく、より好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
尚、本発明に係る(A)ポリブテン及び/又はポリイソブチレンの含有率は、樹脂組成物全体の30質量%以上とすることが好ましい。A成分の含有率が低くなりすぎると、誘電率低減効果が小さくなる。
〔硬化性樹脂組成物の調製方法〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、以上のような成分を、所定割合で混合すればよい。A成分が常温で液状であることから、A成分を溶媒として、他の成分を添加混合することができる。特に、B成分の合成、すなわち(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールの多量体化反応、続いて行うα,β−不飽和カルボニル化合物との反応を、A成分からなる溶媒存在下で行うことにより、A成分とB成分との所定割合の混合物を得ることができる。当該混合物に、不足分のA成分、所定量のC成分、D成分、所望によりE成分、F成分を添加混合すればよい。C,D,E,F成分の添加混合順序は特に限定しない。
フュームドシリカの添加混合には、ホモミキサーなどの攪拌機を用いて、均質になるように攪拌させることが好ましい。
〔硬化性樹脂組成物の硬化方法〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、塗工、滴下充填、流し込みなどの方法により、所定部位に適用することができる。組成物の性状、粘度、適用箇所に応じて、適宜選択すればよい。
上記のような組成を有する本発明の硬化性組成物は、(C)(メタ)アクリル酸の炭素数6〜20のアルキル又はシクロアルキルエステルと、(B)多量体型ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体のα,β−不飽和カルボニル基((メタ)アクリロイル基)との重合反応により硬化させることができる。硬化反応は、熱、光、各種エネルギー線照射により開始させることができる。硬化速度や作業性の点から光硬化が好ましい。光照射による硬化と共に加熱による硬化との併用も可能である。
エネルギー線としては、電子線、放射線、紫外線などを用いることができ、好ましくは波長150〜450nmの紫外線である。このような波長を発する光源としては、例えば、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、フラッシュ型キセノン灯、カーボンアーク灯、LED型UV光源等が挙げられる。照射積算光量は、好ましくは0.1〜10J/cm、より好ましくは0.2〜5J/cm、更に好ましくは0.3〜3J/cmの範囲内である。
熱硬化の場合は、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等を用いればよい。加熱温度は、熱硬化触媒の分解温度や使用する基材の種類等に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜150℃、より好ましくは50〜100℃、更に好ましくは60〜90℃の範囲内である。加熱時間は、熱硬化触媒の分解温度や塗布厚み等に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは1分間〜12時間、より好ましくは10分間〜6時間、更に好ましくは10分間〜3時間の範囲内である。
さらに、光照射による硬化と共に電子線照射による硬化を併用して得てもよい。この場合、加速電圧は、好ましくは0〜500kV、より好ましくは20〜300kV、更に好ましくは30〜200kVの範囲内である電子線を用いればよい。また、照射量は、好ましくは2〜500kGy、より好ましくは3〜300kGy、更に好ましくは4〜200kGyの範囲内である。
以上のような硬化反応により、硬化性樹脂組成物は、硬化する。ここでいう硬化とは、流動性のない状態にすることを意味し、形状を保持できる状態である。A成分は常温で液体であり、硬化反応には参与していないが、本発明の組成物では、硬化物を得ることができる。詳細な硬化機構は不明であるが、A成分とB成分が相溶性に優れることから、A成分が組成物中に微分散することができ、かかる状態で硬化し、硬化により得られたネットワーク構造内に閉じ込められることで、硬化物からのブリードアウトが阻止されるのではないかと推測される。
従って、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)〜(D)成分の含有割合、B成分の組成(含まれる共役ジエン系ポリマーユニットの種類、連結数など)、分子量にもよるが、低誘電率で、耐熱性、耐光性、耐湿性、伸びに優れ、しかも高湿時にも透明性を維持できる硬化物を提供できる。
<樹脂組成物の用途>
本発明の樹脂組成物の硬化物は、誘電率が低く、しかも透明性に優れているので、光学式表示部材同士の接着剤、充填剤といった従来より公知の用途はいうまでもなく、特に透明性及び低誘電率に対する要求が厳しい、静電容量式タッチパネルの透明ガラス板とディスプレイ、保護シートなどとの貼着、隙間の充填剤などとして好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
尚、例中「部」とあるのは、断りのない限り質量基準を意味する。
<測定及び評価方法>
本実施例で採用した評価方法は以下の通りである。
〔評価方法〕
(1)数平均分子量(Mn)
テトラヒドロフランを移動相とし、温度40℃、流速0.3mL/分の条件下で、東ソー社製のカラムTSK−gel SuperHM−H2本、TSK−gel SuperH2000 1本を使用し、東ソー社製のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置HLC−8220GPCにより求め、標準ポリスチレン換算した値である。
(2)組成物粘度(mPa・s)
得られた樹脂組成物の粘度は、温度25℃の条件下で、R/S Rheometer(BROOKFIELD社製、コーンプレートC50-2)を用いて測定し、1rpmにおける値を測定値とした。
(3)硬化性(J/cm
得られた樹脂組成物をガラス板上に、厚み4mmとなるように塗工し、コンベア式UV照射器(照射ランプ:フュージョン社製ランプ、Dバルブ、照度:200mW/cm、コンベアスピード:1.2m/分、UVセンサ:UIT−250(ウシオ電機社製))でUV光を1J/cm2ずつ照射していき、硬度値が一定になる光照射量を測定した。
(4)濁度
得られた樹脂組成物を硬化してガラス板(厚み1mm)に挟んだ状態の試験片(幅25mm×長さ25mm×樹脂厚み4mm)について、濁り度合いを目視により確認し、下記3段階で評価した。
〇:透明(濁りなし)
△:わずかに濁りあり
×:濁りあり
(5)光線透過率(%)
得られた樹脂組成物を硬化してガラス板(厚み1mm)に挟んだ状態の試験片(幅50mm×長さ70mm×厚み0.3mm)について、400nmにおける光線透過率を分光光度計(形式「UV−3100」、島津製作所社製)を用いて測定した。
(6)比誘電率ε(100kHz)
得られた樹脂組成物を硬化してなるシート状の試験片(幅50mm×長さ50mm×厚み1mm)を、電極(ソーラトロン社SH2−Z、電極直径10mm)で挟持し、インピーダンスアナライザ(ソーラトロン社S1−1260)でキャパシタンスを測定し、比誘電率を算出した。
(7)耐熱性
得られた樹脂組成物を硬化してガラス板(厚み1mm)に挟んだ状態の試験片(幅50mm×長さ70mm×厚み0.5mm)を作製し、100℃のオーブン中で250時間又は500時間加熱した。加熱後の試験片の形状保持性を目視により確認し、下記3段階で評価した。
〇:形状変化が認められない
△:わずかに形状が変化した
×:大きく形状が変化した
(8)耐湿性
得られた樹脂組成物を硬化してガラス板(厚み1mm)に挟んだ状態の試験片(幅50mm×長さ70mm×厚み0.3mm)を作製し、恒温恒湿機中(温度85℃、湿度85%RH)で250時間又は500時間保持した後、下記3段階で評価した。
〇:試験0時間と比較して光線透過率の低下が1%以内 (濁りなし)
△:試験0時間と比較して光線透過率の低下が1〜5%
×:試験0時間と比較して光線透過率の低下が5%以上
(9)破断伸び(%)
得られた硬化物からダンベル型の試験片(中央部:長さ25mm、幅10mm、厚み0.5mm)を作製し、引っ張り速度300mm/分で試験片を引っ張り、破断した時の変位から伸び率(%)を算出した。
伸び率が1000%以上の場合が良好である。
<共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体の合成>
(1)単体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体
ウレタン化触媒ジブチルスズジバーサテート0.16g、重合禁止剤アデカスタブAO−60を0.16g、ポリブテンとしてJX日鉱日石エネルギー製の日石ポリブテンHV−15(Mn=630)1717g、及び水添共役ジエン系ポリマーポリオールとして日本曹達製のNISSOPB GI-3000(両末端水酸基の水添ポリブタジエンジオール、Mn=3000、ヨウ素価21以下、以下同様)300gを容器に仕込み、バブリング下、撹拌しながら77℃に加熱した。α,β−不飽和カルボニル化合物として、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、品番カレンズAOI、以下同様)21.6g(GI-3000に含まれる水酸基に対して1.0当量に相当)を投入し、80℃で120分間反応させることで、単体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体(Mn=4800)を得た。
なお、上記合成により、溶媒として用いたポリブテン(A)と、合成された単体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体(B)との混合比率(A:B)が、80:15(質量比)の混合物として得られた。
(2)多量体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体1(0.75当量)
ウレタン化触媒ジブチルスズジバーサテート0.21g、重合禁止剤アデカスタブAO−60を0.21g、ポリブテンとしてJX日鉱日石エネルギー製の日石ポリブテンHV−15を849.2g、及び水添共役ジエン系ポリマーポリオールとして日本曹達製のNISSOPB GI-3000を400gを容器に仕込み、バブリング下、撹拌しながら77℃に加熱した。次いで、連結用化合物としてイソホロンジイソシアナート(住化バイエルウレタン社製、品番デスモジュールI、以下同様)17.0g(GI-3000に含まれる水酸基に対して0.75当量に相当)を投入し、80℃で120分間反応させ、多量体化した。続いて、α,β−不飽和化合物として、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート7.2g(GI-3000に含まれる水酸基に対して0.25当量に相当)を投入し、80℃で120分間反応させて、多量体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体1(Mn=17000)を得た。
なお、上記合成により、溶媒として用いたポリブテン(A)と、合成された多量体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体(B)との混合比率(A:B)が、30:15(質量比)の混合物として得られた。
(3)多量体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体2(0.5当量)
ウレタン化触媒ジブチルスズジバーサテート0.14g、重合禁止剤アデカスタブAO−60を0.14g、ポリブテンとしてJX日鉱日石エネルギー製の日石ポリブテンHV-15を554.1g、及び水添共役ジエン系ポリマーポリオールとして日本曹達製のNISSOPB GI-3000を260gを容器に仕込み、バブリング下、撹拌しながら77℃に加熱した。次に、連結用化合物としてイソホロンジイソシアナート7.4g(GI-3000に含まれる水酸基に対して0.5当量に相当)を投入し、80℃で120分間反応させ、多量体化した。続いて、α,β−不飽和化合物として、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート9.3g(GI-3000に含まれる水酸基に対して0.5当量に相当)を投入し、80℃で120分間反応させることで、多量体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体2(Mn=8000)を得た。
なお、上記合成により、溶媒として用いたポリブテン(A)と、合成された多量体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体(B)との混合比率(A:B)が、30:15(質量比)の混合物として得られた。
<硬化性樹脂組成物No.1−8の調製>
上記(1)−(3)でポリブテンとの混合物の状態で得られた単体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体、又は多量体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体1,2に、不足分のポリブテン(A)HV-15、重合性化合物(C)としてイソボルニルアクリレート(IB-A)(Tg=94℃)(日本触媒製)、光重合開始剤(E)としてイルガキュアTPO(モノアシルフォスフィンオキサイド)(BASF製)及び粘着付与剤(F)としてKE-311(荒川化学工業社製の水添ロジンエステルの商品名)を、表1に示す割合で混合した後、フュームドシリカ(D)(エボニックジャパン製のアエロジル#300)を表1に示す割合で添加し、ホモミキサー(プライミクス社製)で分散撹拌することにより樹脂組成物No.1−8を調製した。
調製した樹脂組成物について、上記測定評価方法に基づいて測定評価した。測定結果を表1に示す。
Figure 2015227433
ヒュームドシリカ(D)成分を含有しない樹脂組成物No.6は、耐湿性、耐熱性といった耐久性が劣っていた。
また、B成分として単体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体を用いた樹脂組成物No.7の破断伸びは250%であり、多量体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体を用いた樹脂組成物No.1−5(いずれも1000%以上)と比べて、かなり低かった。
また、B成分として多量体型水添ポリブタジエンのアクリロイル変性体を樹脂成分の50質量%超の量を含有させた樹脂組成物No.8では、No.1−5と比べて伸び率が580%と大幅に低下しただけでなく、A成分の含有率が相対的に低下したためか、誘電率が3.2と高くなった。また、粘度が大幅に上昇したため、作業性も劣るものであった。
本発明の硬化性樹脂組成物は、低誘電率で、耐湿性、伸び率に優れた硬化物が得られるので、静電容量式タッチパネルのように、使用する部材の誘電率が作動感度に影響を及ぼすタブレット型端末の透明部材間に用いる接着剤や隙間を充填する充填剤として好適であり、その他の光学部材間の充填剤、接着剤としても好適に利用できる。

Claims (13)

  1. (A)数平均分子量が300〜1500であるポリブテンおよび/またはポリイソブチレン100質量部;
    (B)水添ポリブタジエン,水添ポリイソプレン、及びポリイソプレンからなる群より選択される共役ジエン系ポリマーユニットを1種又は2種以上含み、且つ末端がα,β−不飽和カルボニル変性されている多量体型共役ジエン系ポリマーのα,β−不飽和カルボニル変性体5〜50質量部;
    (C)(メタ)アクリル酸の炭素数6〜20のアルキル及び/又はシクロアルキルエステル10〜80質量部;並びに
    (D)一次平均粒子径が50nm以下のフュームドシリカ0.5〜15質量部
    を含有する硬化性樹脂組成物。
  2. 前記α,β−不飽和カルボニル変性体の数平均分子量は、3000〜50000である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記多量体型共役ジエン系ポリマーは、前記共役ジエン系ポリマーユニットがウレタン結合含有基又はエステル結合含有基を介して連結されている請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記α,β−不飽和カルボニル変性体は、前記多量体型共役ジエン系ポリマーがウレタン結合含有基又はエステル結合含有基を介してα,β−不飽和カルボニル基が連結されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. (A)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレンの流動点が0℃以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(B)α,β−不飽和カルボニル変性体は、前記(A)のポリブテンおよび/またはポリイソブチレンの溶媒存在下でα,β−不飽和カルボニル変性反応させて得られたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(C)(メタ)アクリレート化合物が環式構造を有する単官能(メタ)アクリレートである請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 前記(D)一次平均粒子径50nm以下のフュームドシリカは、親水性フュームドシリカである請求項1〜7のいずれかに1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. さらに、(E)光重合開始剤を含有してなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  10. さらに(F)粘着向上剤を含有してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  11. 硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の比誘電率が3.0未満である請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物をエネルギー線照射により硬化して得られる硬化物。
  13. 請求項12に記載の硬化物を有する画像表示装置。
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