JP2015222154A - 熱輻射ブロック及び熱輻射システム - Google Patents

熱輻射ブロック及び熱輻射システム Download PDF

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【課題】漏水を回避しつつ熱輻射させることができる熱輻射ブロック及び熱輻射システムを提供する。【解決手段】熱輻射ブロック10は、表面11aと裏面11bとを有する立体を基本形状とするブロック本体11を備え、裏面11b側に、所定の流量の気体Aが流通可能な溝状の気体流路12が形成されている。而して、漏水の心配がない気体Aの熱をブロック本体11を介して輻射させることができる。熱輻射システムは、熱輻射ブロック10を複数備え、複数の熱輻射ブロック10は、送気流路10s同士及び還気流路10r同士が連絡するように配列されて熱輻射ブロック列を構成し、送気流路10sに供給する気体Aを流す主送気流路と、還気流路10rから導出された気体Aを流す主還気流路とをさらに備え、表面11aから輻射させる熱を保有する気体Aを、主送気流路、気体流路12、主還気流路にこの順で流すように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は熱輻射ブロック及び熱輻射システムに関し、特に漏水を回避しつつ熱輻射させることができる熱輻射ブロック及び熱輻射システムに関する。
温かい空気を供給して行う対流式の暖房では、温かい空気が上昇する傾向にあり、床面付近で肌寒さを感じることがある。このような不都合を解消するものとして、床暖房がある。床暖房の一例として、暖房床へ温水を供給する管をコンクリート床に埋設することで床面を温めるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−83050号公報
しかしながら、熱媒体としての水を流す管をコンクリートに埋設する方式は、レイアウトの変更が生じ得る工場等の大きな空間への適用が難しい。なぜなら、埋設された管の破損に伴う漏水を回避しようとすると、管が埋設されたコンクリートへの固定用のアンカーボルト等の打ち込みを回避することになるためである。
本発明は上述の課題に鑑み、漏水を回避しつつ熱輻射させることができる熱輻射ブロック及び熱輻射システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る熱輻射ブロックは、例えば図2に示すように、表面11aと、表面11aの裏側である裏面11bとを有する立体を基本形状とするブロック本体11を備え;裏面11b側に、所定の流量の気体が流通可能な溝状の気体流路12が形成されている。
このように構成すると、気体の熱をブロック本体に伝達させることで、漏水の心配なく気体の熱をブロック本体を介して輻射させることができる。
また、本発明の第2の態様に係る熱輻射ブロックは、例えば図2に示すように、上記本発明の第1の態様に係る熱輻射ブロック10において、裏面11bを覆う板状の断熱部材18を備える。
このように構成すると、ブロック本体に伝達した熱の裏面からの放散を抑制することができ、表面から輻射される熱量の減少を抑制することができる。
また、本発明の第3の態様に係る熱輻射ブロックは、例えば図2を参照して示すと、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る熱輻射ブロック10において、ブロック本体11は、コンクリートで形成されている。
このように構成すると、蓄熱性に優れたブロック本体を比較的簡便に形成することができる。
また、本発明の第4の態様に係る熱輻射ブロックは、例えば図5に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る熱輻射ブロック10Aにおいて、気体流路12を通過してブロック本体11に埋設された、ブロック本体11よりも熱伝導率が高い材料で形成された熱伝達促進部材19を備える。
このように構成すると、気体流路を流れる気体の熱のブロック本体への伝達を促進させることができる。
また、本発明の第5の態様に係る熱輻射ブロックは、例えば図2に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る熱輻射ブロック10において、気体流路12を、裏面11b側の送気流路10sと、裏面11bに面しない還気流路10rと、に分割する流路セパレータ15を備え;流路セパレータ15は、送気流路10sから還気流路10rへの気体の移動が可能な連通孔15hが形成され;連通孔15hは、送気流路10sに気体が流れたときに、送気流路10sから還気流路10rへ流入した気体が還気流路10rに面するブロック本体11の面に沿って流れるような、形状及び大きさに形成されている。
このように構成すると、気体が保有する熱を効率よくブロック本体に伝達させることができる。
また、本発明の第6の態様に係る熱輻射システムは、例えば図1及び図2に示すように、上記本発明の第5の態様に係る熱輻射ブロック10を複数備え;複数の熱輻射ブロック10は、送気流路10s同士及び還気流路10r同士が連絡するように配列されて熱輻射ブロック列10fを構成し;熱輻射ブロック列10fの一方の端部を介して送気流路10sに供給する気体Aを流す主送気流路20と;熱輻射ブロック列10fの一方の端部とは反対側の他方の端部を介して還気流路10rから導出された気体Aを流す主還気流路30とをさらに備え;熱輻射ブロック列10f内の送気流路10sの他方の端部が閉塞される(例えば図4(A)参照)と共に、熱輻射ブロック列10f内の還気流路10rの一方の端部が閉塞され(例えば図4(B)参照);ブロック本体11の表面11aから輻射させる熱を保有する気体Aを、主送気流路20、気体流路12、主還気流路30にこの順で流すように構成されている。
このように構成すると、気体が保有する熱をブロック本体に伝達させて表面から輻射させることができ、輻射熱による冷暖房を行うことが可能となる。
また、本発明の第7の態様に係る熱輻射システムは、例えば図7に示すように、上記本発明の第6の態様に係る熱輻射システムにおいて、下水道管SP内の気体Aを気体流路12に送る送気装置52を備える。
このように構成すると、未利用熱を活用して冷暖房や融雪を行うことができる。
本発明によれば、気体の熱をブロック本体に伝達させることで、漏水の心配なく気体の熱をブロック本体を介して輻射させることができる。
本発明の実施の形態に係る熱輻射システムの概略構成を示す系統図である。 本発明の実施の形態に係る熱輻射ブロックを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は正面図である。 (A)はブロック本体の上面図、(B)はブロック本体の正面図、(C)は流路セパレータの上面図、(D)は流路セパレータの正面図である。 (A)は熱輻射ブロックと主送気管との接続部まわりの側面断面図、(B)は熱輻射ブロックと主還気管との接続部まわりの側面断面図である。 本発明の実施の形態の変形例に係る熱輻射ブロックを示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る熱輻射システムの概略構成を示す系統図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る熱輻射システムの概略構成を示す系統図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係る熱輻射システムの概略構成を示す部分系統図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る熱輻射システム1を説明する。図1は、熱輻射システム1の概略構成を示す系統図である。熱輻射システム1は、本発明の実施の形態に係る熱輻射ブロック10を複数備えている。熱輻射システム1は、さらに、主送気流路を構成する主送気管20と、主還気流路を構成する主還気管30と、空気Aの温度を調節する温調機器としての空調機40とを備えている。熱輻射システム1は、本実施の形態では、床に敷き詰められた複数の熱輻射ブロック10に、空気Aが保有する冷熱又は温熱を伝達させ、熱輻射ブロック10の輻射熱で冷房又は暖房(以下「冷暖房」という)を行うシステムである。
ここで図2を参照して、熱輻射ブロック10を説明する。図2(A)は熱輻射ブロック10の斜視図、図2(B)は熱輻射ブロック10の正面図である。熱輻射ブロック10は、ブロック本体11と、流路セパレータ15と、断熱部材としての断熱板18とを備えている。なお、図3に、ブロック本体11及び流路セパレータ15を個別に示している。図3(A)はブロック本体11の上面図、図3(B)はブロック本体11の正面図、図3(C)は流路セパレータ15の上面図、図3(D)は流路セパレータ15の正面図である。以下、ブロック本体11の説明では図3(A)及び図3(B)を、流路セパレータ15の説明では図3(C)及び図3(D)を、それぞれ図2と併せて参照することとする。
ブロック本体11は、外観の基本形状が直方体となっており、直方体の1つの面に溝状のくりぬきが形成されている。溝状のくりぬきは、空気Aが通過する気体流路としての空気流路12となる。ブロック本体11は、1つの面が表面11aとなっており、表面11aの裏側の面が裏面11bとなっており、表面11aと裏面11bとの間が4つの側面11cとなっている。空気流路12は、裏面11b側に形成されている。ブロック本体11は、コンクリートで形成されている。このため、ブロック本体11は、比較的(例えば木材よりも)熱容量が大きく、蓄熱性に優れている。ブロック本体11は、表面11aが、本実施の形態では、300mm×300mmの正方形に形成されている。各側面11cは、300mm×130mmの長方形に形成されている。ブロック本体11は、このような大きさに形成されていることで、重量の観点からも人が1人で運搬することを可能にし、施工性の向上に寄与している。ブロック本体11は、運搬を容易にする観点から、重量が40kgを超えないことが好ましい。表面11a、裏面11b及び側面11cは、空気流路12が形成されている部分を除き、平面に形成されている。
ブロック本体11の空気流路12は、4つの側面11cのうちの1組の対向する両側面11cを貫いている。この空気流路12が貫いている一対の側面11cを、説明の便宜上他の一対の側面11cと区別する場合、貫通側面11cpということとする。一対の貫通側面11cpには、空気流路12の端部が表れている。空気流路12は、裏面11b上において、両貫通側面11cpに直交する方向に、直線状に延びている。空気流路12は、空気Aを所定の流量で流すことができる大きさ(断面積)に形成されている。ここでいう所定の流量は、空気Aが保有する熱がブロック本体11に伝達されて表面11aから輻射されたときに、表面11aから輻射される熱量が所望の熱量となる熱量を、ブロック本体11に伝達するのに必要な空気Aの流量である。本実施の形態では、空気流路12の幅は、表面11aの幅の1/2(本実施の形態では150mm)に形成されている。空気流路12は、平面視(図3(A)参照)において、表面11aを二等分する仮想直線を対称軸として、線対称に形成されている。また、空気流路12は、正面視(図3(B)参照)における輪郭である内輪郭13が、裏面11b側の下輪郭13bと、裏面11bから遠い側の上輪郭13aとで、形状が異なっている。下輪郭13bは、裏面11bから表面11aの方に向かって直線状に、裏面11bに対して直角に延びている。下輪郭13bは、空気流路12の両側に形成されている。各下輪郭13bは、本実施の形態では、裏面11bから40mmの位置(深さ)まで延びている。上輪郭13aは、一方の下輪郭13bの端部から他方の下輪郭13bの端部まで、滑らかな曲線状に形成されている。裏面11bから上輪郭13aの中点までの深さは、本実施の形態では、90mmとなっている。
流路セパレータ15は、ブロック本体11に形成された空気流路12を2つの流路に分割する部材である。流路セパレータ15は、外観がC型鋼を模した断面C字状のセパレータ本体15aに、複数の連通孔15hが形成されて構成されている。セパレータ本体15aは、主部15bと、一対の側部15cとから構成されている。主部15bは、側部15cよりも大きな面積を有する長方形平板状に形成されている。各側部15cは、長方形平板状に形成されており、主部15bに直交するように、主部15bの長辺に連接している。セパレータ本体15aの長さ15Lは、空気流路12の長さと同じに形成されている。セパレータ本体15aの幅15Wは、ブロック本体11の空気流路12の対向する一対の下輪郭13bに接する大きさに形成されている。セパレータ本体15aの高さ15Zは、下輪郭13bの長さと同じ大きさに形成されている。セパレータ本体15aは、典型的には鋼材やアルミニウム等の金属で形成されるが、軽量化の観点から合成樹脂等で形成されていてもよい。
セパレータ本体15aに形成された各連通孔15hは、スリット状になっている。各連通孔15hは、主部15bに形成されている。各連通孔15hは、セパレータ本体15aの長さ15Lの方向に延びるように形成されている。各連通孔15hは、本実施の形態では、長さが45mmに形成され、長さ15Lの方向に隣り合う連通孔15hの間隔が105mmに形成されている。各連通孔15hは、このような態様で、一対の側部15cのそれぞれに隣接するように、2列に形成されている。各連通孔15hは、長さ15Lの方向において、一方の列を構成する隣り合う連通孔15hの間に、他方の列の連通孔15hが位置するように、千鳥状に(互い違いに)配置されている。各連通孔15hの大きさは、後述するように流路セパレータ15がブロック本体11に組み付けられて空気流路12に空気Aが流れたときに、連通孔15hを通過する空気Aが所定の流速となるように形成されている。所定の流速は、本実施の形態では、概ね3m/s〜5m/sである。
図2に示すように、熱輻射ブロック10では、流路セパレータ15が、ブロック本体11の空気流路12に嵌められている。流路セパレータ15は、長さ15Lの方向では、両端が貫通側面11cpに揃うように配設されている。また、流路セパレータ15は、高さ15Zの方向では、両側部15cの、主部15bが連接された端部とは反対側の端部が、ブロック本体11の裏面11bに揃うように配設されている。このとき、セパレータ本体15aの主部15bは、空気流路12の一方の下輪郭13bと上輪郭13aとの境界から、他方の下輪郭13bと上輪郭13aとの境界まで、渡って配置されることとなる。このようにブロック本体11に対して流路セパレータ15が配置されることにより、空気流路12は2つの空間に分割される。流路セパレータ15によって分割された2つの空間のうち、裏面11bに近い側が送気流路10sとなり、表面11aに近い側が還気流路10rとなる。換言すれば、送気流路10sは裏面11bに面しており、還気流路10rは裏面11bに面していない。
熱輻射ブロック10は、流路セパレータ15が空気流路12に組み込まれたブロック本体11の裏面11bに、断熱板18が設けられている。断熱板18は、ブロック本体11の表面11aと同じ大きさで、所定の厚さを有する平板状に構成されている。断熱板18は、典型的には合成樹脂で形成された枠体の内部に空気層が形成された構成となっている。断熱板18は、強度を確保する観点から、複数のリブで上下の板面が支持されており、当該リブによって空気層が複数に分割されるように構成されている。断熱板18は、枠体が合成樹脂以外の例えば金属で形成されていてもよく、枠体の内部に空気層が形成される構成に代えて、発泡コンクリートや発泡合成樹脂板等で構成されていてもよい。断熱板18は、その四隅が裏面11bの四隅に合わさるようにして、裏面11bに接触している。これにより、送気流路10sは、流路セパレータ15と断熱板18とに囲まれた空間となる。なお、断熱板18は、空気流路12が形成された部分を除く裏面11bを覆うように構成されていてもよい。このようにした場合、熱輻射ブロック10をスラブ等に載置したときに当該スラブ等(床面)と流路セパレータ15とに囲まれた空間が送気流路10sとなり、輸送中あるいは施工中の断熱板18の損傷を抑制することができる。断熱板18は、典型的には流路セパレータ15と別体に構成されているが、流路セパレータ15と一体に構成されていてもよく、一体に構成された場合は、断熱板18を裏面11bに接触させたときに流路セパレータ15が空気流路12に嵌ることとなる。
再び主に図1を参照して、熱輻射システム1の構成を説明する。熱輻射システム1は、複数の熱輻射ブロック10が床に敷き詰められている。熱輻射ブロック10の敷設態様は、まず、複数の熱輻射ブロック10が、隣り合う熱輻射ブロック10の貫通側面11cp同士が合わさって、1つの熱輻射ブロック列10fが形成される。熱輻射ブロック列10fは、各熱輻射ブロック10の送気流路10s同士及び還気流路10r同士が、それぞれ連絡している。このように構成された熱輻射ブロック列10fが、複数列並べられることで、多数の熱輻射ブロック10が敷き詰められることとなる(以下「熱輻射ブロック群10c」という。)。複数の熱輻射ブロック列10fが配列されることにより、空気流路12(送気流路10s及び還気流路10r)が複数本形成されることとなる。熱輻射ブロック群10cは、平面視において、全体として矩形に形成されている。熱輻射ブロック群10cは、平面視における矩形の4つの辺のうちの向かい合う一対の辺から連なる側面に、熱輻射ブロック列10fの数に相当する貫通側面11cpが表れている。熱輻射ブロック群10cの、複数の貫通側面11cpが表れる一対の側面のうち、一方には主送気管20が配設され、他方には主還気管30が配設されている。主送気管20及び主還気管30は、それぞれ、複数の貫通側面11cp全体を覆うように配設されている。
ここで図4を参照して、熱輻射ブロック10と、主送気管20及び主還気管30との接続部まわりの構成を説明する。図4(A)は、熱輻射ブロック10と主送気管20との接続部まわりの側面断面図、図4(B)は、熱輻射ブロック10と主還気管30との接続部まわりの側面断面図である。主送気管20は、コンクリートで形成されている。また、主送気管20は、軸直角断面が矩形に形成されている。図4(A)に示すように、主送気管20の内部は、各熱輻射ブロック列10fの送気流路10sと連通しており、還気流路10rとは連通していない。これにより、主送気管20内を流れる空気Aは、各熱輻射ブロック列10fの送気流路10sに流入し、還気流路10rには流入しないように構成されている。換言すれば、各熱輻射ブロック列10fの主送気管20側では、還気流路10rの端部が閉塞されている。
主還気管30は、主送気管20と同様に、コンクリートによって、軸直角断面が矩形に形成されている。図4(B)に示すように、主還気管30の内部は、各熱輻射ブロック列10fの還気流路10rと連通しており、送気流路10sとは連通していない。これにより、空気流路12(送気流路10s及び還気流路10r)を流れてきた空気Aは、各熱輻射ブロック列10fの還気流路10rから主還気管30に流入し、送気流路10sから主還気管30へは直接流入しないように構成されている。換言すれば、各熱輻射ブロック列10fの主還気管30側では、送気流路10sの端部が閉塞されている。
再び主に図1を参照して、熱輻射システム1の構成の説明を続ける。空調機40は、コイル41と、ファン42とを有している。コイル41は、空調機40に導入された空気Aを冷却又は加熱するものである。コイル41は、熱源機(不図示)で温度が調節された冷水又は温水を内部に流すチューブを有している。コイル41のチューブには、多数のフィンが設けられている。コイル41は、多数のフィンの間に空気Aを通過させて、冷水又は温水と空気Aとの間で熱交換させることにより、冷水又は温水の熱を空気Aに伝達させるように構成されている。ファン42は、コイル41で温度が調節された空気Aを熱輻射ブロック群10cに向けて圧送するものである。なお、空調機40は、空気Aの温度を調節することができれば足り、空気Aの湿度を調節するための構成は有しなくてよい。しかしながら、空調機40から供給された空気Aに含まれる水分が結露するおそれがある場合は、結露を発生させないようにするため、空調機40が空気Aの湿度を調節するための構成を有することが好ましい。空調機40の吐出側と主送気管20の端部とは、空気往管24で接続されている。空調機40の導入側と主還気管30の端部とは、空気還管34で接続されている。空気往管24が接続された主送気管20の端部と、空気還管34が接続された主還気管30の端部とは、全体として矩形に形成された熱輻射ブロック群10cの対角に位置するように構成されている。
引き続き図1乃至図4を参照して、熱輻射システム1の作用を説明する。熱輻射ブロック10の作用は、熱輻射システム1の作用の一環として説明する。熱輻射システム1を作動させる際、まず、空調機40を起動する。すると、空気Aが空調機40に導入される。空調機40に導入された空気Aは、コイル41を通過する際、冷房時は冷やされ、暖房時は温められる。コイル41を通過して温度が調節された空気Aは、ファン42によって、空調機40から吐出される。空調機40から吐出された空気Aは、空気往管24を流れた後に主送気管20に流入する。主送気管20に流入した空気Aは、空気往管24が接続された側とは反対側の端部に向けて流れる。主送気管20内を流れる空気Aは、熱輻射ブロック列10fに出会う度に、出会った熱輻射ブロック列10fの送気流路10sに流入する。
主送気管20から各熱輻射ブロック列10fの送気流路10sに流入した空気Aは、主還気管30が接続された側の端部に向けて流れる。そして、送気流路10sを流れる空気Aは、連通孔15h(図3(C)参照)に出会う度に、出会った連通孔15hを通過して還気流路10rに流入する。このとき、連通孔15hが、主部15bの側部15cに隣接する位置に、長さ15Lの方向に延びるように形成されているので、還気流路10rに流入した空気Aは、上輪郭13aに沿って滑らかな曲線状に流れる(図2(B)参照)。また、連通孔15hは、通過する空気Aが所定の流速(概ね3m/s〜5m/s)となるように形成されているので、連通孔15hを通過した空気Aは、噴流の状態で還気流路10rに流入する。還気流路10rに流入した空気Aが、噴流で上輪郭13aに沿って流れることで、上輪郭13a部分のブロック本体11の内面に沿って存在する境膜が破壊され、空気Aが保有する冷熱又は温熱が効率よくブロック本体11に伝達される。ブロック本体11は、冷房時は冷やされ、暖房時は温められる。
空気Aからの熱伝達により冷やされ又は温められたブロック本体11は、表面11aから冷熱又は温熱を輻射して、熱輻射ブロック群10cの表面11aに面した空間の冷房又は暖房を行う。なお、冷房時は、冷房対象空間に存在する物体の熱がブロック本体11に吸収されることで納涼感を得られるのであるが、本明細書では、便宜上、ブロック本体11から冷熱が輻射されると表現する。熱輻射システム1では、ブロック本体11を冷却又は加熱する熱媒体が空気Aであるので、コンクリートに埋設された管内を流れる冷水又は温水を熱媒体とする場合に比べて、結露の発生を抑制することができ、漏水を回避することができる。仮に、熱媒体を冷水として輻射冷房を行う場合、床面等の輻射面の結露を防止するために冷水の温度を23℃以上(露点より高い温度)とすることが考えられるが、23℃一定の冷水を流した場合、負荷の変動があったときに迅速に追従することが困難となる。また、熱輻射システム1が、大空間の工場や大規模店舗等に採用された場合、レイアウトの変更に伴ってコンクリートにアンカーボルトを打ち込んだ際に熱媒体の流路に干渉したとしても、熱媒体が空気Aであるので、修復が比較的容易になる。
さらに、熱輻射システム1では、床に敷き詰められた熱輻射ブロック10を冷却又は加熱し、冷却又は加熱した熱輻射ブロック10からの熱輻射によって冷暖房を行うので、大空間においても床上3m程度までの作業領域を温度調節する成層空調を実現することができる。仮に、温度調節した空気を冷暖房対象空間に供給する対流方式の空調を行う場合は、上部に高温の空気が対流しやすくなり、作業領域の暖房を効果的に行うことが困難であるが、熱輻射システム1では、作業領域の冷暖房を効果的に行うことができる。また、熱輻射システム1では、コンクリートで形成されたブロック本体11を冷却又は加熱して輻射冷暖房を行うところ、コンクリートは比較的熱容量が大きいので、ブロック本体11に蓄熱することができる。したがって、温度が調節された空気Aの空気流路12への供給を一旦中断し、その後に温度が調節された空気Aを空気流路12へ供給して冷暖房を再開した場合に、中断前の冷熱又は温熱がブロック本体11に留保されているため、冷暖房の立ち上がりが早くなる。このため、中断によって空気に伝達した熱が喪失してしまう対流方式の空調に比べて、熱輻射システム1は省エネルギー効果が大きくなる。また、電力平準化に有効な深夜電力を利用して空調機40を作動させ、深夜にブロック本体11に蓄熱させた冷熱又は温熱を、日中に表面から輻射させて冷暖房を行うことができる。
還気流路10rに流入した空気Aは、上輪郭13aに沿って流れた後、主還気管30に向けて還気流路10rを流れ、主還気管30に流入する。主還気管30に流入した空気Aは、空気還管34に向けて主還気管30を流れる。このとき、空気還管34が接続された主還気管30の端部は、空気往管24が接続された主送気管20の端部に対して対角に位置しているので、各熱輻射ブロック列10fを流れた空気Aが空気往管24から空気還管34まで移動した距離が概ね等しくなり(リバースレタン方式)、熱輻射ブロック群10c全体をムラなく冷却又は加熱することができる。主還気管30を流れて空気還管34に流入した空気Aは、空気還管34を流れて空調機40に導入される。空調機40に導入された空気Aは、再び温度調節された後に空調機40から吐出され、以降、上述の作用を繰り返す。
以上で説明したように、熱輻射システム1によれば、気体である空気Aの熱を、ブロック本体11を介して冷暖房対象空間に輻射しているので、固定用のアンカーボルト等の打ち込みを伴うレイアウト変更を行っても漏水することがない。また、空気Aからブロック本体11に伝達された冷熱又は温熱をブロック本体11に蓄熱することができるので、省エネルギー性を高めることができる。
次に図5を参照して、本発明の実施の形態の変形例に係る熱輻射ブロック10Aを説明する。熱輻射ブロック10Aは、熱輻射ブロック10(図2参照)の構成に加え、熱伝達促進部材としての金網19を備えている。金網19は、ブロック本体11を形成するコンクリートよりも熱伝導率が高い材料で形成されている。金網19の材質として、鋼材、ステンレス、アルミニウム、銅などの金属が典型的に用いられるが、金属以外のコンクリートよりも熱伝導率が高い素材が用いられてもよい。金網19は、クリンプ金網や溶接金網等の種々の金網を用いることができる。金網19は、平面視において、ブロック本体11に包含される大きさとなっており、本変形例では280mm×280mmに形成されている。金網19は、ブロック本体11に埋設されている。金網19は、典型的には、その面が、表面11aと平行になるように配設されている。また、金網19は、正面視において、上輪郭13aの位置に配設されている。このような配置により、金網19は、コンクリートに埋設された両側の部分の間に、送気流路10sに露出した部分が表れている。熱輻射ブロック10Aの上記以外の構成は、熱輻射ブロック10(図2参照)と同様である。
上述のように構成された熱輻射ブロック10Aを備える熱輻射システムでは、空気Aが還気流路10rを流れる際、空気Aが保有する冷熱又は温熱が、ブロック本体11に伝達されることに加え、金網19にも伝達される。空気Aからブロック本体11に直接伝達された熱は、還気流路10rから放射状に広がるようにブロック本体11内を伝導していく。還気流路10rにおいて空気Aから金網19に伝達された熱は、還気流路10rからブロック本体11内を伝導する熱よりも早く、コンクリートに埋設された金網19の部分に伝導していく。そして、コンクリートに埋設された部分において、金網19からブロック本体11に熱が伝達される。この金網19を介した熱伝達により、空気Aが保有する熱のブロック本体11への伝達が促進され、ブロック本体11は、より短時間で冷却又は加熱されることとなる。なお、熱輻射ブロック10Aにおいて、流路セパレータ15に代えて金網19を設けることとしてもよい。この場合、主送気管20(図1参照)から熱輻射ブロック10Aに流入した空気Aは、主還気管30(図1参照)に向かって空気流路12を流れることになる。また、ブロック本体11に埋設する金網19は、複数枚であってもよい。
次に図6を参照して、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る熱輻射システム1Aを説明する。熱輻射システム1Aは、熱輻射システム1(図1参照)の構成に加え、外気OAを取り入れることができる構成を備えている。外気OAは、空気Aの一形態であり(空気Aの下位概念)、熱輻射ブロック10を冷却する熱媒体として機能するものである。本変形例では、外気OAを取り入れる構成として、外気導入流路としての外気導入管25と、外気OAを搬送する外気ファン26と、排気流路としての排気管35とを有している。外気導入管25は、一端が空気往管24に接続されており、他端が熱輻射システム1Aの外で開口している。外気ファン26は、外気導入管25に設けられている。排気管35は、一端が空気還管34に接続されており、他端が熱輻射システム1Aの外で開口している。外気導入管25の接続部よりも上流側の空気往管24には、給気切替ダンパ28が設けられている。外気ファン26よりも下流側の外気導入管25には、給気切替ダンパ29が設けられている。排気管35の接続部よりも下流側の空気還管34には、排気切替ダンパ38が設けられている。排気管35には、排気切替ダンパ39が設けられている。各給気切替ダンパ28、29及び排気切替ダンパ38、39は、それぞれ、流路を開又は閉にする部材である。なお、ダクトの構成が閉回路となる部分に、熱輻射システム1Aからの空気漏れによる圧力バランスを調整する圧力調整口を設けてもよい。圧力調整口を設ける場合、例えば、空調機40と給気切替ダンパ28との間に設置することができる。熱輻射システム1Aの上記以外の構成は、熱輻射システム1(図1参照)と同様である。
上述のように構成された熱輻射システム1Aでは、通常は、外気ファン26を停止し、給気切替ダンパ28及び排気切替ダンパ38を開け、給気切替ダンパ29及び排気切替ダンパ39を閉じ、熱輻射システム1(図1参照)と同様に、空調機40で温度が調節された空気Aを熱輻射ブロック群10cに循環供給する。つまり、通常は、空調機40で温度が調節された空気Aが保有する熱で、ブロック本体11を冷却又は加熱して、冷暖房対象空間の冷暖房を行う。そして、冷暖房対象空間の冷房負荷が外気OAによって処理できる場合に、空調機40を停止し、給気切替ダンパ29及び排気切替ダンパ39を開け、給気切替ダンパ28及び排気切替ダンパ38を閉じ、外気ファン26を作動させる。すると、外気導入管25から導入された外気OAは、外気ファン26に圧送されて熱輻射ブロック群10cに供給される。ブロック本体11は、外気OAが保有する冷熱によって冷却され、表面11aから冷熱を輻射して、冷暖房対象空間を冷房する。ブロック本体11に冷熱を伝達した外気OAは、排気管35を介して熱輻射システム1Aの外部に排気される。このように、熱輻射システム1Aは、外気冷房を行うことができるので、エネルギー消費量を削減することができる。熱輻射システム1Aに適したものとして、夏季以外でも冷房負荷がある工場や、年間を通じて低温冷房を行う食肉工場等が挙げられる。なお、外気導入管25に外気OAを導入する代わりに、工場や建物から排出される換気(冷気又は暖気)を導入し、換気の廃熱を利用してブロック本体11を冷却又は加熱して、冷暖房対象空間の冷暖房を行うこととしてもよい。また、熱輻射システム1Aにおいても、熱輻射ブロック10に代えて、熱輻射ブロック10A(図5参照)を用いることができる。
次に図7を参照して、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る熱輻射システム1Bを説明する。熱輻射システム1Bは、熱輻射システム1(図1参照)と比較して、空気往管24及び空気還管34が、空調機40(図1参照)ではなく、下水道管SPの気相部に接続されている点で主に異なっている。ここでいう下水道管SPには、下水道のマンホールを含むこととする。熱輻射システム1Bは、典型的には、積雪地域の歩道や屋外広場に熱輻射ブロック群10cが敷設される態様で用いられる。この場合、熱輻射システム1Bは、下水の熱が融雪に用いられる。下水道管SPを流れる下水は、一般に、冬季でも10℃以上あるとされている。これは、下水道管SPが地中に埋設されていること、及び下水自体が比較的温かい場所から排出されたものが多いことに起因すると推察される。10℃以上の下水が流れている下水道管SP内の空気は、流れている下水と概ね同じ温度となる。このような下水の熱は、既に積もっている雪を融かすには熱量が不足するかもしれないが、降雪前に路面を温めておくことに利用する場合は、降ってきた雪の大部分を融かすことが可能となる。熱輻射システム1Bは、空調機40等の温調機器を備えていない。熱輻射システム1Bは、主送気管20の上流側に、送気装置としての循環送風機52を備えている。熱輻射システム1Bは、循環送風機52の上流に、凝縮水分除去のためのデミスタ53及び防虫用のフィルタ54をも備えていることが好ましい。熱輻射システム1Bの上記以外の構成は、熱輻射システム1(図1参照)と同様である。
上述のように構成された熱輻射システム1Bでは、好ましくは、降雪が予想される場合に、循環送風機52を起動する。すると、下水道管SP内の空気Aが、空気往管24及び主送気管20を介して熱輻射ブロック群10cに供給される。熱輻射ブロック群10cに供給された空気Aは、主還気管30に向けて流れながらブロック本体11を温める。ブロック本体11を温めた空気Aは、主還気管30に流入し、空気還管34を介して下水道管SPに至る。なお、下水道管SPに対する空気還管34の接続点と空気往管24の接続点とは、所定の距離以上離れるようにするとよい。所定の距離は、下水道管SPから空気往管24に流入する空気Aの熱量が、空気還管34から下水道管SPに流入した空気Aによって、ブロック本体11を温めることが困難になるほど減少してしまうことを回避することができる距離である。上述のように作用する熱輻射システム1Bでは、温められたブロック本体11が、降ってきた雪を融かし、これによって熱輻射ブロック群10c上への積雪が抑制される。なお、降雪量が多い場合、融雪が間に合わずに積雪してしまうことがあり得る。積雪した場合は、圧雪されてアイスバーンとなることがあり、その非常に固くなった氷雪を除去しようとすると、通常はかなりの労力を要することとなる。その点、熱輻射システム1Bによれば、ブロック本体11を温めているため、積雪した場合でも境界(表面11a)を融雪することができるので、固まりを除雪する際の労力を軽減することができる。なお、熱輻射システム1Bは、熱輻射ブロック10の耐荷重を勘案して可能であれば車道に適用してもよいが、車道は除雪車で除雪できる場合が多い。他方、歩道等は除雪車が入れないため、熱輻射システム1Bを適用するのが有意義である。また、熱輻射システム1Bにおいても、熱輻射ブロック10に代えて、熱輻射ブロック10A(図5参照)を用いることができる。
次に図8を参照して、本発明の実施の形態の第3の変形例に係る熱輻射システム1Cを説明する。図8は、熱輻射システム1Cの、熱輻射システム1B(図7参照)と異なる部分を示した部分系統図である。熱輻射システム1Cは、熱輻射システム1B(図7参照)と比較して、空気往管24及び空気還管34が、下水道管SP(図7参照)ではなく、地中熱採熱部60に接続されている点で異なっている。地中熱採熱部60は、採熱管61と、地下水ポンプ66と、散水管68とを、主要構成部材として有している。採熱管61は、典型的には、地盤面より下の帯水層に埋設されている。ここで、帯水層とは、地層を構成する粒子の間隙が大きく、地下水によって飽和されている透水層である。すなわち、帯水層には地下水が存在する。採熱管61は、典型的には、合成樹脂製のコルゲートパイプ(螺旋溝付管)が用いられ、軸線が水平になるように埋設されている。採熱管61は、下流端62及び上流端63が、人が点検のために入ることが出来る大きさに形成されている。下流端62及び上流端63は、上端が地盤面に表れている。下流端62には空気往管24が接続されている。上流端63には空気還管34が接続されている。
下流端62の下端には、ポンプ収容管65が接続されている。ポンプ収容管65は、下流端62の下端から、下方に延び、地下水を採水できる位置に達している。ポンプ収容管65は、下端及び側面から、地下水は侵入できるが砂利は侵入しないように構成されている。ポンプ収容管65の下部には、地下水ポンプ66が配設されている。地下水ポンプ66には、揚水管67の一端が接続されている。揚水管67は、ポンプ収容管65の内部を通り、下流端62の内部まで延びている。揚水管67の他端には、散水管68が接続されている。散水管68は、地下水ポンプ66で汲み上げた地下水を、採熱管61に向けて散水する部材である。散水管68は、内部を流れる地下水を管外へ放出できるように、複数の小孔が形成されている。散水管68は、典型的には硬質塩化ビニル管に多数の小孔が形成されている有孔管である。散水管68は、小孔から放出された地下水が採熱管61の外表面に接するように、散水管68の上方に配設されている。散水管68は、採熱管61と概ね同じ長さに形成され、採熱管61に沿って延びるように配設されている。散水管68は、揚水管67が接続された側と反対側の端部が閉塞されている。上述した地中熱採熱部60に接続された、空気往管24及び空気還管34以降の構成(熱輻射ブロック群10c等)は、熱輻射システム1B(図7参照)と同様である。したがって、以降の熱輻射システム1Cの説明において、図8に示されていない構成に言及しているときは、適宜図7を参照することとする。
上述のように構成された熱輻射システム1Cでは、好ましくは、降雪が予想される場合に、循環送風機52を起動する。すると、空気Aが、採熱管61と、熱輻射ブロック群10cとの間を循環する。採熱管61を流れる空気Aは、上流端63から下流端62まで採熱管61の内部を流れる際に、地中(帯水層)と熱交換して温められる。温められた空気Aは、熱輻射ブロック群10cに供給され、ブロック本体11を温めるのは、熱輻射システム1B(図7参照)と同様である。熱輻射システム1Cでは、空気Aが地中から採熱した結果、地中が熱飽和してしまうことを抑制するため、循環送風機52を起動した際に、地下水ポンプ66も起動する。地下水ポンプ66を起動すると、地下水が揚水管67を介して散水管68に圧送される。散水管68に導入された地下水は、小孔から管外に放出され、採熱管61の外表面に散水される。ここで、採熱管61の外表面に散水されるとは、採熱管61の外表面に接触する帯水層に散水されることを含む。採熱管61の外表面に接触する帯水層とは、典型的には、採熱管61内を流れる空気Aとの熱交換に寄与する部分の帯水層である。地下水が採熱管61の外表面に散水されると、空気Aと帯水層(地中)との熱交換により小さくなるべき両者の温度差が、熱交換が行われなくなるほど小さくなることを防ぐことができ、継続的に空気Aと帯水層(地中)との熱交換を行わせることができる。なお、熱輻射システム1Cにおいても、熱輻射ブロック10に代えて、熱輻射ブロック10A(図5参照)を用いることができる。
以上の説明では、ブロック本体11の基本形状が直方体であるとしたが、平面形状が六角形等の多角形に形成された角柱状であってもよく、複数を敷き詰めたときに隣接するブロック本体11同士が嵌合する形状であってもよい。しかしながら、ブロック本体11の基本形状が直方体であると、製造が簡便となり、敷き詰める際の施工も容易となり、好ましい。
以上の説明では、ブロック本体11がコンクリートで形成されているとしたが、レンガ等の、所望の熱輻射が可能な素材で形成されていてもよい。ブロック本体11は、コンクリート以外の素材で形成される場合も、比較的熱容量が大きく所望の蓄熱が可能な素材で形成されることが好ましい。なお、ブロック本体11を形成する際に、鉄粉等の熱伝導率が高い物質を混入して、ブロック本体11内部の熱伝導を早めるようにしてもよい。
以上の説明では、流路セパレータ15は、ブロック本体11に対して、長さ15Lの方向では、両端が貫通側面11cpに揃うように配設されているとしたが、流路セパレータ15の一部が一方の貫通側面11cpから突き出るように配設してもよい。このとき、熱輻射ブロック10を敷き詰めたときに、隣接する熱輻射ブロック10の流路セパレータ15がない部分の空気流路12に、突き出た流路セパレータ15を嵌合させることとなる。熱輻射ブロック10Aにおいても同様である。
以上の説明では、流路セパレータ15の高さ15Zが、長さ15Lの方向に渡って一定であるとしたが、高さ15Zが徐々に変わるように形成されていてもよい。流路セパレータ15の高さの変化は、熱輻射ブロック列10fとしたときに、下流(主還気管30側)に行くほど送気流路10sの断面積に対する還気流路10rの断面積の比(10s/10r)が小さくなるようにして、送気流路10sの主送気管20側と主還気管30側とで静圧の差が小さくなるようにするとよい。
以上の説明では、熱輻射ブロック10が断熱板18を備えていることとしたが、裏面11bからの放熱が許容できる場合、あるいは熱輻射ブロック10が載置される床面が断熱効果を有する場合は、断熱板18を備えなくてもよい。あるいは、表面11aと同じ大きさ又は表面11aよりも大きい断熱板18をあらかじめ敷き詰めておき、敷き詰められた断熱板18に対して、断熱板18を備えていない熱輻射ブロック10を敷き詰めることとしてもよい。熱輻射ブロック10Aについても同様である。
以上の説明では、主送気管20及び主還気管30がコンクリートで形成されているとしたが、鉄板やFRP等の、所定の流量を通過させる流路を形成可能な材料で形成されていてもよい。いずれの材料で形成された場合でも、放熱のおそれがある場合は、断熱措置を施すとよい。
以上の説明では、温調機器が空調機40であるとしたが、ファンコイルユニットやパッケージエアコン等の、気体の温度を変化させることができる機器であってもよい。
以上の説明では、熱輻射システム1では、熱輻射ブロック10が床に敷き詰められているとしたが、壁や天井を含めて好適な場所に設置して、床、壁、天井の少なくとも1つから熱輻射させて、冷暖房対象空間の冷暖房を行うこととしてもよい。
以上の説明では、熱伝達促進部材が金網19であるとしたが、鉄筋や鉄板を必要に応じて加工したものを用いてもよい。つまり、熱伝導率が比較的高い材料を必要に応じて加工したものを用いてもよい。
1、1A、1B、1C 熱輻射システム
10、10A 熱輻射ブロック
10f 熱輻射ブロック列
10s 送気流路
10r 還気流路
11 ブロック本体
11a 表面
11b 裏面
12 気体流路
15 流路セパレータ
15h 連通孔
18 断熱板
19 金網
20 主送気管
30 主還気管
52 循環送風機
A 空気
SP 下水道管

Claims (7)

  1. 表面と、前記表面の裏側である裏面とを有する立体を基本形状とするブロック本体を備え;
    前記裏面側に、所定の流量の気体が流通可能な溝状の気体流路が形成された;
    熱輻射ブロック。
  2. 前記裏面を覆う板状の断熱部材を備える;
    請求項1に記載の熱輻射ブロック。
  3. 前記ブロック本体は、コンクリートで形成されている;
    請求項1又は請求項2に記載の熱輻射ブロック。
  4. 前記気体流路を通過して前記ブロック本体に埋設された、前記ブロック本体よりも熱伝導率が高い材料で形成された熱伝達促進部材を備える;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱輻射ブロック。
  5. 前記気体流路を、前記裏面側の送気流路と、前記裏面に面しない還気流路と、に分割する流路セパレータを備え;
    前記流路セパレータは、前記送気流路から前記還気流路への気体の移動が可能な連通孔が形成され;
    前記連通孔は、前記送気流路に気体が流れたときに、前記送気流路から前記還気流路へ流入した気体が前記還気流路に面する前記ブロック本体の面に沿って流れるような、形状及び大きさに形成された;
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の熱輻射ブロック。
  6. 請求項5に記載の熱輻射ブロックを複数備え;
    複数の前記熱輻射ブロックは、前記送気流路同士及び前記還気流路同士が連絡するように配列されて熱輻射ブロック列を構成し;
    前記熱輻射ブロック列の一方の端部を介して前記送気流路に供給する気体を流す主送気流路と;
    前記熱輻射ブロック列の前記一方の端部とは反対側の他方の端部を介して前記還気流路から導出された前記気体を流す主還気流路とをさらに備え;
    前記熱輻射ブロック列内の前記送気流路の前記他方の端部が閉塞されると共に、前記熱輻射ブロック列内の前記還気流路の前記一方の端部が閉塞され;
    前記ブロック本体の前記表面から輻射させる熱を保有する気体を、前記主送気流路、前記気体流路、前記主還気流路にこの順で流すように構成された;
    熱輻射システム。
  7. 下水道管内の気体を前記気体流路に送る送気装置を備える;
    請求項6に記載の熱輻射システム。
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