JP2015217868A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なユニフォミティ、低い転がり抵抗及び高い導電性が実現された空気入りタイヤの提供。
【解決手段】このタイヤ2は、トレッド4の半径方向内側面に沿って延びるゴム帯5を備えている。このタイヤ2のトレッド4は、本体とベースペンとを備えている。ベースペンはトレッド面24からトレッド4の半径方向内側面まで貫通している。ゴム帯5は、ベースペン29及びサイドウォール6と接している。ベースペン29、ゴム帯5及びサイドウォール6は導電部材である。本体及び補強層44のトッピングゴムは絶縁部材である。ゴム帯5の幅は補強層44の幅よりも狭い。トレッド面24上のいずれの場所においても、このタイヤ2を周方向に垂直な面で切った断面内に存在する上記ゴム帯5の断面積Sc1は同じである。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
環境への配慮から、近年、車輌の低燃費化に対する要求は特に強くなっている。タイヤは車両の燃費性能に影響を与えるため、燃費の削減に寄与する「低燃費タイヤ」の開発が進められている。タイヤによる低燃費化を達成するには、タイヤの転がり抵抗を小さくすることが重要である。タイヤの転がり抵抗の主な発生要因は、タイヤが転動する際の変形で発生するヒステリシスロスによるエネルギー損失である。このエネルギー損失を小さくすることが、タイヤの転がり抵抗の低減に重要となる。
タイヤでのエネルギー損失を小さくするためには、タイヤを低発熱のゴムにより構成する方法が有効である。これは、タイヤを構成するゴムの主たる補強剤を従来のカーボンブラックからシリカに変更することで達成される。しかし、導電材料であるカーボンブラックに対して、シリカは絶縁材料である。低発熱ゴムで構成されたタイヤの導電性は低い。低発熱ゴムが適用されたタイヤを車両に装着した場合、この車両と地面との間の電気抵抗は大きい。この車両は静電気を帯びることがある。帯電した車両にドライバーが手で触れると、火花が発生することがある。走行中においては、電波障害が引き起こされることがある。低い転がり抵抗と高い導電性とを両立させるタイヤについての検討例が、特開2010−264959公報に開示されている。
特開2010−264959公報に開示されたタイヤでは、トレッドの中央近辺にトレッド面からトレッドの半径方向内側面に至る導通部が設けられている。この導通部は、バンド及び/又はベルト(バンド及び/又はベルトで構成される層は、補強層と称される)と接触している。このタイヤでは、この導通部、補強層のトッピングゴム、サイドウォール又はカーカス、及びクリンチを通して、車両と地面との導電性が確保されている。トレッドについて、導通部以外の部分を低発熱ゴムで構成することで、転がり抵抗が低減されている。
特開2010−264959公報
車輌の低燃費化に対する要求の高まりにより、さらなる転がり抵抗の削減が求められている。タイヤの電気抵抗を低く維持した上で、さらに転がり抵抗を低減したタイヤの実現が必要となっている。
特開2010−264959公報に開示されたタイヤでは、補強層のトッピングゴムを導電性とする必要がある。このトッピングゴムの主たる補強剤はカーボンブラックである。このトッピングゴムは、低発熱性ではない。このトッピングゴムは、トレッドの半径方向内側のほぼ全面に存在している。このトッピングゴムが転がり抵抗の削減の効果を低減するおそれがある。このタイヤでは、転がり抵抗が充分低減されないことがある。
補強層のトッピングゴムを低発熱とし、その代わりにトレッドと補強層の間に、軸方向に延びる導電性のゴム層を挿入して、トレッドの導通部とサイドウォール又はカーカスを電気的に接続する方法が考えられる。このゴム層を、トレッドの内側全面ではなく、一部にのみ設けることで、このゴム層による転がり抵抗への影響が低減されうる。しかし、このゴム層は、タイヤのユニフォミティを悪化させる恐れがある。
本発明の目的は、良好なユニフォミティ及び低い電気抵抗が維持された上で、低い転がり抵抗が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、上記トレッドの半径方向内側で上記サイドウォールの軸方向内側に位置するカーカスと、上記トレッドの半径方向内側に位置し上記カーカスの半径方向外側に積層された補強層と、上記トレッドの半径方向内側面に沿って延びるゴム帯とを備えている。上記トレッドは、本体とベースペンとを備えている。上記ベースペンは周方向に延在している。上記ベースペンは上記トレッド面からトレッドの半径方向内側面まで貫通している。上記ゴム帯は、上記ベースペン及び上記サイドウォールと接している。上記補強層はコードとトッピングゴムとを備えている。上記ベースペン、上記ゴム帯及び上記サイドウォールは導電部材である。上記本体及び上記補強層のトッピングゴムは絶縁部材である。上記ゴム帯の幅は上記補強層の幅よりも狭い。上記トレッド面上のいずれの場所においても、このタイヤを周方向に垂直な面で切った断面内に存在する上記ゴム帯の断面積Sc1は同じである。
好ましくは、上記ゴム帯の第一端は、上記サイドウォールの一方と接している。このゴム帯は螺旋状にちょうどタイヤの一周分だけ巻かれている。このゴム帯の第二端は上記サイドウォールのもう一方と接している。
好ましくは、上記ゴム帯の体積抵抗率は1.0×10Ω・cm以下である。
好ましくは、上記本体及び上記補強層のトッピングゴムの体積抵抗率は1.0×10Ω・cm以上である。
本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、上記トレッドの半径方向内側で上記サイドウォールの軸方向内側に位置するカーカスと、上記トレッドの半径方向内側に位置し上記カーカスの半径方向外側に積層された補強層と、上記トレッドの半径方向内側面に沿って延びるゴム帯とを備えている。上記トレッドは、本体とベースペンとを備えている。上記ベースペンは周方向に延在している。上記ベースペンは上記トレッド面からトレッドの半径方向内側面まで貫通している。上記ゴム帯は、上記ベースペン及び上記カーカスと接している。上記補強層はトッピングゴムを備えている。上記カーカスはトッピングゴムを備えている。上記ベースペン、上記ゴム帯及び上記カーカスのトッピングゴムは導電部材である。上記本体及び上記補強層のトッピングゴムは絶縁部材である。上記ゴム帯の幅は上記補強層の幅よりも狭い。上記トレッド面上のいずれの場所においても、このタイヤを周方向に垂直な面で切った断面内に存在する上記ゴム帯の断面積Sc1は同じである。
好ましくは、上記サイドウォールは絶縁部材である。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッドの半径方向内側に沿って延びるゴム帯を有している。このゴム帯は、トレッドのベースペン及びサイドウォールと接している。このゴム帯、ベースペン及びサイドウォールは導電部材である。これらを介して、地面と車両とは電気的に接続している。このタイヤは優れた導電性を有する。このタイヤの電気抵抗は低い。また、このタイヤでは、トレッドの本体と補強層のトッピングゴムは絶縁部材である。これらの部材は低発熱性のゴムで構成しうる。これは、転がり抵抗の低減に寄与する。このタイヤでは、ゴム帯の幅は補強層の幅よりも小さい。このゴム帯による転がり抵抗への影響は抑えられている。このタイヤでは、小さな転がり抵抗が実現されている。さらにこのタイヤでは、トレッド面上のいずれの場所においても、このタイヤを周方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯の断面積が同じである。このタイヤでは、ゴム帯によるユニフォミティへの影響が抑えられている。このタイヤでは、良好なユニフォミティ及び低い電気抵抗が維持された上で、低い転がり抵抗が達成されている。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの正面図であり、図1(b)は、図1(a)のタイヤの背面図である。 図2は、図1(a)のII−II線に沿った断面図である。 図3は、図1のタイヤのトレッド及びゴム帯の展開図である。 図4は、図1(b)のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、図1のタイヤが、リム及び電気抵抗測定装置と共に示された模式図である。 図6(a)−(c)は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド及びゴム帯の展開図である。 図7は、従来のタイヤのトレッド及びゴム帯の展開図である。 図8は、本発明のさらに他の実施形態に係る空気入りタイヤの正面図である。 図9は、図7のIX−IX線に沿った断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2の正面図であり、図1(b)はこのタイヤ2の背面図である。図1(a)及び(b)には、トレッド4及びゴム帯5が示されている。
図2は、図1(a)のII−II線に沿った断面図である。図2において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図2において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターン、ゴム帯5及びベースペン29を除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4及びゴム帯5の他に、サイドウォール6、クリンチ8、ビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、インナーライナー20及びチェーファー22をさらに備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4の外面は、路面と接地するトレッド面24を形成する。図1(a)及び(b)では省略されているが、トレッド面24には、溝26が刻まれている。この溝26により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4が溝26を備えなくてもよい。図に示されるとおり、トレッド4は本体とベースペン29とを備えている。トレッド4は本体27とベースペン29とからなる。
本体27は、キャップ層38とベース層40とを備えている。キャップ層38は、ベース層40の半径方向外側に位置している。キャップ層38は、ベース層40に積層されている。キャップ層38はトレッド面24の一部を形成している。キャップ層38は、低発熱のゴムからなる。キャップ層38のゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。シリカは、タイヤ2の低燃費性能に寄与する。このゴムは非導電性である。キャップ層38は絶縁部材である。ベース層40は、キャップ層38の半径方向内側に位置している。ベース層40は、低発熱のゴムからなる。ベース層40のゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。このゴムは非導電性である。ベース層40は絶縁部材である。従って、本体27は絶縁部材である。本体27がベース層40を備えなくてもよい。本体27がキャップ層38のみから構成されてもよい。この図には、トレッド面24に設けられた溝26が示されている。
本明細書では、1×10Ω・cm未満の体積抵抗率を有する部材は導電性を有すると判断され、この部材は導電部材と称される。1×10Ω・cm以上の体積抵抗率を有する部材は導電性を有さない(非導電性)と判断され、この部材は絶縁部材と称される。
本明細書では、各部材の体積抵抗率は、JIS−K 6271に規定の二重リング電極法に準拠して、その温度が23℃とされた条件下で測定される。各部材の体積抵抗率は、各部材のためのゴム組成物を温度が170℃である金型内で30分保持することにより得られるシート(厚さ=2mm)を用いて計測される体積抵抗率により表される。なお、コードとトッピングゴムとからなる部材については、トッピングゴムのためのゴム組成物から形成されたシートが用いられる。
ベースペン29は、周方向に延在している。ベースペン29はリング状である。ベースペン29は、本体27に挟まれている。ベースペン29は、トレッド面24の一部を形成している。ベースペン29は、トレッド面24からトレッド4の半径方向内側面まで貫通している。ベースペン29のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。ベースペン29は、導電性を有する。ベースペン29は導電部材である。この図ではベースペン29は、トレッド4の中央近辺に位置している。ベースペン29は、トレッド4の中央近辺に位置していなくてもよい。ベースペン29は、路面と接地すればよい。詳細には、軸方向において赤道面CLからベースペン29までの距離がWbとされ、赤道面CLからトレッド端42までの距離がWとされたとき、距離Wbの距離Wに対する比(Wb/W)が0.6以下であればよい。この図では、トレッド4には、ベースペン29が一つ存在している。トレッド4が複数のベースペン29を備えていてもよい。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。図2に示される通り、トレッド端42近辺において、サイドウォール6は、トレッド4の半径方向内側に位置している。トレッド端42近辺において、サイドウォール6は、トレッド4とカーカス12との間に位置している。この構造は、トレッドオンサイドウォール構造(TOS構造)と称される。サイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。サイドウォール6のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。サイドウォール6は導電性である。サイドウォール6は導電部材である。このサイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
クリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、リムのフランジと当接する。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ8のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。クリンチ8は導電性を有する。クリンチ8は導電部材である。
ビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。ビード10は周方向に延びている。ビード10は、コア28と、このコア28から半径方向外向きに延びるエイペックス30とを備えている。コア28はリング状である。エイペックス30は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス30は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、カーカスプライ32からなる。カーカスプライ32は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。カーカスプライ32は、コア28の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ32には、主部34と折り返し部36とが形成されている。このカーカス12は、2枚以上のカーカスプライ32からなってもよい。
カーカスプライ32は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。このトッピングゴムは、低発熱のゴムからなる。このトッピングゴムのゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。このトッピングゴムは非導電性である。このトッピングゴムは絶縁部材である。このため、カーカス12も絶縁性の部材である。このコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、カーカス12と積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、内側層14a及び外側層14bからなる。図示されていないが、内側層14a及び外側層14bのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。このトッピングゴムは、低発熱のゴムからなる。このトッピングゴムのゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。このトッピングゴムは非導電性である。このトッピングゴムは絶縁部材である。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層14aのコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層14bのコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト14が、3以上の層を備えてもよい。
バンド16は、トレッド4の半径方向内側に位置している。バンド16は、ベルト14の半径方向外側に位置している。バンド16は、ベルト14に積層されている。バンド16は、コードとトッピングゴムとからなる。このトッピングゴムは、低発熱のゴムからなる。このトッピングゴムのゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。このトッピングゴムは非導電性である。このトッピングゴムは絶縁部材である。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド16は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。バンド16は、タイヤ2の半径方向の剛性に寄与しうる。バンド16は、走行時に作用する遠心力の影響を抑制しうる。このタイヤ2は、高速安定性に優れる。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト14及びバンド16で構成される層は補強層44と称される。上述のとおり、ベルト14及びバンド16を構成するトッピングゴムは絶縁部材である。このため補強層44も絶縁性の部材である。補強層44がベルト14のみから構成されてもよい。補強層44がバンド16のみから構成されてもよい。
インナーライナー20は、カーカス12の内側に位置している。インナーライナー20は、カーカス12の内面に接合されている。インナーライナー20は、架橋ゴムからなる。インナーライナー20には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー20は、タイヤ2の内圧を保持する。
チェーファー22は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー22がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。このタイヤ2では、チェーファー22は、布とこの布に含浸したゴムとから構成されている。チェーファー22が、クリンチ8と一体として構成されていてもよい。
ゴム帯5は、トレッド4の半径方向内側に沿って延びている。図1(a)及び(b)に示されるとおり、ゴム帯5は螺旋状に巻かれている。図2で示される断面において、ゴム帯5はトレッド端42近辺に位置している。図に示されるとおり、この断面において、ゴム帯5はサイドウォール6と接している。
図3には、図1のタイヤ2のトレッド4及びゴム帯5の展開図が示されている。この図では、トレッド4及びゴム帯5は、図1(a)のII-II線の位置にて切断されている。この展開図において、ゴム帯5はトレッド4の右上の端から左下の端まで斜めに延びている。すなわち、このゴム帯5は、ちょうどタイヤ2の一周分だけ巻かれている。図1−3から理解されるとおり、ゴム帯5の第一端はサイドウォール6の一方と接しており、このゴム帯5が螺旋状にちょうどタイヤ2の一周分だけ巻かれて、その第二端がサイドウォール6のもう一方と接している。
図4は、図1(b)のIV−IV線に沿った断面図である。この断面において、ゴム帯5はトレッド4の中央近辺に位置している。この断面において、ゴム帯5はベースペン29と接している。ゴム帯5はサイドウォール6及びベースペン29と接している。
図2及び図4において、ゴム帯5の幅は、補強層44の幅よりも狭い。このタイヤ2では、トレッド面24上のいずれの場所においても、ゴム帯5の幅は補強層44の幅よりも狭くなっている。
図2に示されるゴム帯5の断面積は、図4に示されるゴム帯5の断面積と同じである。図3から理解される通り、このタイヤ2では、トレッド面24上のいずれの場所においても、このタイヤ2を周方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯5の断面積Sc1は同じである。トレッド面24上の場所よって、断面積Sc1に若干の違いがあってもよい。ここで、「トレッド面24上のいずれの場所においても、断面積Sc1が同じである」とは、トレッド面24上の場所による断面積Sc1のばらつきが、±20%以下にあることを意味する。
図3から理解される通り、このタイヤ2では、トレッド面24上のいずれの場所においても、このタイヤ2を軸方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯5の断面積Sc2は同じである。トレッド面24上の場所よって、断面積Sc2に若干の違いがあってもよい。ここで、「トレッド面24上のいずれの場所においても、断面積Sc2が同じである」とは、トレッド面24上の場所による断面積Sc2のばらつきが、±30%以内にあることを意味する。
ゴム帯5のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。ゴム帯5は導電性を有する。ゴム帯5は、導電部材である。前述のとおり、ベースペン29も導電部材である。ベースペン29は接地している。従って、地面とサイドウォール6とは、ベースペン29及びゴム帯5を介して電気的に接続している。前述のとおり、サイドウェール及びクリンチ8は導電部材である。このタイヤ2がリムに組み込まれたとき、クリンチ8はリムと接する。リムが車両に装着された状態では、クリンチ8は車両と電気的に接続する。すなわち、地面と車両とは、ベースペン29、ゴム帯5、サイドウォール6及びクリンチ8を介して、電気的に接続している。
以後、本発明の作用効果が説明される。
本発明に係る空気入りタイヤ2では、トレッド4の半径方向内側に沿って延びるゴム帯5を有している。このゴム帯5は、トレッド4のベースペン29及びサイドウォール6と接している。このゴム帯5、ベースペン29及びサイドウォール6は導電部材である。これら及びクリンチ8を介して、地面と車両とは電気的に接続している。このタイヤ2は優れた導電性を有する。このタイヤの電気抵抗は低い。このタイヤ2の装着された車両において発生した静電気は、このタイヤ2を通じて放出される。このタイヤ2では、電気的な障害が回避されている。
このタイヤ2では、トレッド4の本体27及び補強層44のトッピングゴムは絶縁部材である。本体27及びこのトッピングゴムは、シリカを主たる補強材とした低発熱性のゴムで構成しうる。これは、転がり抵抗の低減に寄与する。このタイヤ2では、ゴム帯5は導電部材である。ゴム帯5は、カーボンブラックを主たる補強材とした非低発熱ゴムで構成されている。このゴム帯5の幅は補強層44の幅よりも狭い。補強層44のトッピングゴムを導電部材とした従来のタイヤ2に比べて、導電性を有するゴムのボリュームは抑えられている。このゴム帯5による転がり抵抗への影響は小さい。このタイヤ2では、従来のタイヤ2に比べて、低い転がり抵抗が実現できる。
このタイヤ2では、トレッド面24上のいずれの場所においても、このタイヤ2を周方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯5の断面積Sc1は同じである。このタイヤ2では、このゴム帯5によるユニフォミティへの影響が抑えられている。また、トレッド面24上のいずれの場所においても、このタイヤ2を軸方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯5の断面積Sc2は同じである。これは、このゴム帯5によるユニフォミティへの影響をさらに低減する。このタイヤ2では、良好なユニフォミティが維持されている。このタイヤ2では、良好なユニフォミティ及び低い電気抵抗を維持しつつ、低い転がり抵抗が達成されている。
ゴム帯5の体積抵抗率Rsは、1.0×10Ω・cm以下が好ましい。体積抵抗率Rsが1.0×10Ω・cm以下ゴム帯5は、タイヤ2の高い導電性に寄与する。この観点から体積抵抗率Rsは、5.0×10Ω・cm以下がより好ましい。
ゴム帯5の断面積Sc1は0.1cm以上が好ましい。断面積Sc1が0.1cm以上のゴム帯5は、タイヤ2の高い導電性に寄与する。この観点から断面積Sc1は0.2cm上がより好ましい。断面積Sc1は2cm以下が好ましい。断面積Sc1が2.0cm以下のゴム帯5では、タイヤ2の転がり抵抗への影響が抑えられている。さらにこのゴム帯5では、タイヤ2のユニフォミティへの影響が抑えられている。この観点から断面積Sc1は1.0cm以下がより好ましい。
図5には、タイヤ2と共に、リム45及び電気抵抗測定装置46が示されている。この装置46は、絶縁板47、金属板48、軸49及び抵抗計50を備えている。絶縁板47の電気抵抗は、1.0×1012Ω以上である。金属板48の表面は、研磨されている。この金属板48の電気抵抗は、10Ω以下である。この装置46が用いられ、ISO16392規格に準拠して、タイヤ2の電気抵抗Rtが測定される。測定前に、タイヤ2の表面に付着した汚れ及び離型剤が除去される。このタイヤ2は、十分に乾燥させられる。このタイヤ2が、アルミニウム合金製のリム45に組み込まれる。組み込みのとき、タイヤ2とリム45との接触部に、潤滑剤として石けん水が塗布される。このタイヤ2に、内圧が200kPaとなるように、空気が充填される。このタイヤ2及びリム45が、試験室で2時間保持される。試験室の、温度は25℃であり、湿度は50%である。このタイヤ2及びリム46が、軸49に取り付けられる。このタイヤ2及びリム45に、5.3kNの荷重が0.5分間負荷されてから、この荷重が開放される。このタイヤ2及びリム45に、再度5.3kNの荷重が0.5分間負荷されてから、この荷重が開放される。さらに、このタイヤ2及びリム45に、5.3kNの荷重が2.0分間負荷されてから、この荷重が開放される。その後、軸49と金属板48との間に、1000Vの電圧が印可される。印可が開始されてから5分経過後の、軸49と金属板48との間の電気抵抗が、抵抗計50で測定される。測定は、タイヤ2の周方向に沿って90°刻みの4カ所で行われる。得られた4つの電気抵抗のうちの最大値が、このタイヤ2の電気抵抗Rtである。
電気抵抗Rtは、1.0×10Ω未満が好ましい。電気抵抗Rtが1.0×10Ω未満であるタイヤ2では、静電気が帯電しにくい。この観点から、電気抵抗Rtは8.8×10Ω以下がより好ましく、7.1×10Ω以下が特に好ましい。
図6(a)−(c)には、本発明の他の実施形態に係るトレッド及びゴム帯の展開図が示されている。これらのタイヤは、ゴム帯の形状を除いて、図1−4で示されたタイヤと同じ構造をしている。これらの実施例においても、このベースペン及びゴム帯並びにサイドウォール及びクリンチを介して、地面と車両とは電気的に接続している。これらのタイヤは優れた導電性を有する。また、これらのゴム帯の幅は補強層の幅よりも狭い。このゴム帯による転がり抵抗への影響は小さい。これらのタイヤでも、従来のタイヤに比べて、低い転がり抵抗が実現できる。さらに、トレッド面上のいずれの場所においても、これらのタイヤを周方向に垂直な面で切った断面内に存在する上記ゴム帯の断面積が同じである。トレッド面上のいずれの場所においても、これらタイヤを軸方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯の断面積は同じである。これらのタイヤでは、このゴム帯によるユニフォミティへの影響が抑えられている。これらのタイヤでは、良好なユニフォミティが維持されている。
図7には、本発明との比較のため、タイヤを周方向に垂直な面で切断したとき、切断する場所によってその断面内に存在するゴム帯の断面積が異なるタイヤの例が示されている。この図では、ゴム帯は軸方向に延びている。このタイヤでは、このタイヤを周方向に垂直な面で切ったとき、切断する場所によっては、その断面内にゴム帯が存在する場合としない場合がある。これは、タイヤのユニフォミティの悪化を招来するおそれがある。
図8は、本発明のさらに他の実施形態に係るこのタイヤ52の正面図である。トレッド54及びゴム帯55が示されている。図9は、図8のIX−IX線に沿った断面図である。図9において、上下方向がタイヤ52の半径方向であり、左右方向がタイヤ52の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ52の周方向である。図9において、一点鎖線CLはタイヤ52の赤道面を表わす。このタイヤ52の形状は、トレッドパターン、ゴム帯55及びベースペン79を除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ52は、トレッド54、ゴム帯55の他に、サイドウォール56、クリンチ58、ビード60、カーカス62、ベルト64、バンド66、インナーライナー70及びチェーファー72をさらに備えている。このタイヤ52は、チューブレスタイプである。このタイヤ52は、乗用車に装着される。このタイヤ52のクリンチ58、ビード60、ベルト64、バンド66、インナーライナー70及びチェーファー72は、図1−3のタイヤ2のこれらと同じ構造である。以下では、これらについての説明は省略される。
トレッド54は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド54の外面は、路面と接地するトレッド面74を形成する。図8では省略されているが、トレッド面74には、溝76が刻まれている。この溝76により、トレッドパターンが形成されている。
図に示されるとおり、トレッド54は本体77とベースペン79とを備えている。トレッド54は本体77とベースペン79とからなる。
本体77は、キャップ層88とベース層90とを備えている。キャップ層88は、ベース層90の半径方向外側に位置している。キャップ層88は、ベース層90に積層されている。キャップ層88はトレッド面74の一部を形成している。キャップ層88のゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。シリカは、タイヤ52の低燃費性能に寄与する。このゴムは非導電性である。キャップ層88は絶縁部材である。ベース層90は、キャップ層88の半径方向内側に位置している。ベース層90のゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。このゴムは非導電性である。ベース層90は絶縁部材である。従って、本体77は絶縁部材である。本体77がベース層90を備えなくてもよい。本体77がキャップ層88のみから構成されてもよい。
ベースペン79は、周方向に延在している。ベースペン79はリング状である。ベースペン79は、本体77に挟まれている。ベースペン79は、トレッド面74の一部を形成している。ベースペン79は、トレッド面74からトレッド54の半径方向内側面まで貫通している。ベースペン79のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。ベースペン79は、導電性を有する。ベースペン79は導電部材である。この図ではベースペン79は、トレッド54の中央近辺に位置している。ベースペン79は、トレッド54の中央近辺に位置していなくてもよい。ベースペン79は、路面と接地すればよい。詳細には、軸方向において赤道面CLからベースペン79までの距離がWbとされ、赤道面CLからトレッド端82までの距離がWとされたとき、距離Wbの距離Wに対する比(Wb/W)が0.6以下であればよい。この図のトレッド54には、ベースペン79が一つ存在している。トレッド54が複数のベースペン79を備えていてもよい。
サイドウォール56は、トレッド54の端から半径方向略内向きに延びている。図9に示される通り、トレッド端82近辺において、サイドウォール56は、トレッド54の半径方向外側に位置している。トレッド端82は、サイドウォール56とカーカス62との間に位置している。この構造は、サイドウォールオントレッド構造(SOT構造)と称される。サイドウォール56は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。サイドウォール56のゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。このゴムは非導電性である。サイドウォール56は絶縁部材である。このサイドウォール56は、カーカス62の損傷を防止する。
カーカス62は、カーカスプライ82からなる。カーカスプライ82は、両側のビード60の間に架け渡されており、トレッド54及びサイドウォール56に沿っている。カーカスプライ82は、コア28の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ82には、主部84と折り返し部86とが形成されている。このカーカス62は、2枚以上のカーカスプライ82からなってもよい。
カーカスプライ82は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。このトッピングゴムのゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。トッピングゴムは導電性である。トッピングゴムは導電部材である。このためカーカス62も導電性の部材である。このコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス62はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ゴム帯55は、トレッド54の半径方向内側面に沿って延びている。ゴム帯55は、トレッド54の半径方向内側に沿って、螺旋状に巻かれている。図9で示される断面において、ゴム帯55はトレッド端82近辺に位置している。図に示されるとおり、この断面において、ゴム帯55はカーカス62と接している。すなわち、ゴム帯55の第一端はカーカス62と接しており、このゴム帯55が螺旋状にちょうどタイヤ52の一周分だけ巻かれて、その第二端がカーカス62と接している。図示されないが、ゴム帯55はトレッド54の中央近辺において、ベースペン79と接している。すなわち、ゴム帯55はベースペン79及びカーカス62と接している。
トレッド面74上のいずれの場所においても、ゴム帯55の幅は補強層94の幅よりも狭くされている。トレッド面74上のいずれの場所においても、このタイヤ52を周方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯55の断面積は同じである。トレッド面74上のいずれの場所においても、このタイヤ52を軸方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯55の断面積は同じである。
ゴム帯55のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。ゴム帯55は導電性を有する。ゴム帯55は、導電部材である。前述のとおり、ベースペン79も導電部材である。ベースペン79は接地する。従って、地面とカーカス62は、ベースペン79及びゴム帯55を介して電気的に接続している。カーカス62は、クリンチ58と接している。カーカス62及びクリンチ58は導電部材である。このタイヤ52がリムに組み込まれたとき、クリンチ58はリムと接する。リムが車両に装着された状態では、クリンチ58は車両と電気的に接続する。すなわち、地面と車両とは、ベースペン79、ゴム帯55、カーカス62及びクリンチ58を介して、電気的に接続している。
以後、本発明の作用効果が説明される。
本発明に係る空気入りタイヤ52では、トレッド54の半径方向内側に沿って延びるゴム帯55を有している。このゴム帯55は、トレッド54のベースペン79及びカーカス62と接している。このゴム帯55、ベースペン79及びカーカス62は導電部材である。これら及びクリンチ58を介して、地面と車両とは電気的に接続している。このタイヤ52は優れた導電性を有する。このタイヤ52の装着された車両において発生した静電気は、このタイヤ52を通じて放出される。このタイヤ52では、電気的な障害が回避されている。
このタイヤ52では、トレッド54の本体77及び補強層94のトッピングゴムは絶縁部材である。さらにこのタイヤ52では、サイドウォール56が絶縁部材となっている。本体77を構成するゴム、トッピングゴム及びサイドウォール56は、シリカを主たる補強材とした低発熱性のゴムで構成しうる。これは、転がり抵抗の低減に寄与する。また、このタイヤ52では、ゴム帯55は、カーボンブラックを主たる補強材とした非低発熱ゴムで構成されている。このゴム帯55の幅は補強層94の幅よりも狭い。補強層94のトッピングゴムを導電部材とした従来のタイヤ52に比べて、導電性を有するゴムのボリュームは抑えられている。このゴム帯55による転がり抵抗への影響は小さい。このタイヤ52では、従来のタイヤ52に比べて、低い転がり抵抗が実現できる。
このタイヤ52では、トレッド面74上のいずれの場所においても、このタイヤ52を周方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯55の断面積は同じである。このタイヤ52では、このゴム帯55によるユニフォミティへの影響が抑えられている。また、トレッド面74上のいずれの場所においても、このタイヤ52を軸方向に垂直な面で切った断面内に存在するゴム帯55の断面積は同じである。これは、このゴム帯55によるユニフォミティへの影響をさらに低減する。このタイヤ52では、良好なユニフォミティが維持されている。このタイヤ52では、良好なユニフォミティを維持しつつ、低い転がり抵抗と高い導電性とが両立されている。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1−4に示された構造を備えた実施例1のタイヤを得た。このタイヤの諸元が表1に示されている。このタイヤはTOS構造である。このタイヤがTOS構造であることは、表1のタイヤ構造の欄で「TOS」として示されている。ゴム帯の展開図が図3に示された構造であることは、表1のゴム帯の形状の欄で、「図3」として示されている。このタイヤのサイズは、215/50R17 91Wである。このタイヤでは、ゴム帯の体積抵抗値は4.0×10Ω・cmとされた。また、周方向に垂直な断面におけるゴム帯の幅は1.0cmとされ、厚みは0.2cmとされた。従って、ゴム帯の断面積Sc1は0.2cmである。
[比較例1]
ゴム帯及びベースペンを有さない他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。
[比較例2]
ゴム帯を有さず、補強層のトッピングゴムを導電部材とした他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。比較例2は、補強層のトッピングゴムを介して地面とリムを電気的に接続する従来のタイヤである。
[比較例3]
補強層のトッピングゴムを導電部材とした他は実施例1と同様にして、比較例3のタイヤを得た。
[比較例4]
ゴム帯の形状を図7の通りとした他は実施例1と同様にして、比較例4のタイヤを得た。
[タイヤ電気抵抗]
図5に示された方法にて、タイヤの電気抵抗Rtを測定した。その測定結果が、タイヤの抵抗として、下記の表1に示されている。
[転がり抵抗]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗を測定した。
使用リム:6×16(アルミニウム合金製)
内圧:200kPa
荷重:6.96kN
速度:80km/h
この結果が、比較例2を100とした指数値で、下記の表1に示されている。数値が小さいほど好ましい。
[ユニフォミティ]
「JASO C607:2000」に規定されたユニフォミティ試験方法に準拠して、下記に示す条件にて、ラテラル・フォース・バリエーション(LFV)を測定した。100本のタイヤについて測定し、その測定結果の平均値が、下記の表1に示されている。この数値が小さいほど、評価が高い。
リム幅:5.5インチ
内圧:200kPa
荷重:3.67kN
速度:60rpm
Figure 2015217868
表1に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、種々のタイヤにも適用されうる。
2、52・・・タイヤ
4、54・・・トレッド
5、55・・・ゴム帯
6、56・・・サイドウォール
8、58・・・クリンチ
10、60・・・ビード
12、62・・・カーカス
14、64・・・ベルト
14a・・・内側層
14b・・・外側層
16、66・・・バンド
20、70・・・インナーライナー
22、72・・・チェーファー
24、74・・・トレッド面
26、76・・・溝
27、77・・・主部
28・・・コア
29、79・・・ベースペン
30・・・エイペックス
34、84・・・主部
36、86・・・折返し部
38、88・・・キャップ層
40、90・・・ベース層
42、92・・・トレッド端
44、94・・・補強層

Claims (6)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、上記トレッドの半径方向内側で上記サイドウォールの軸方向内側に位置するカーカスと、上記トレッドの半径方向内側に位置し上記カーカスの半径方向外側に積層された補強層と、上記トレッドの半径方向内側面に沿って延びるゴム帯とを備えており、
    上記トレッドが、本体とベースペンとを備えており、
    上記ベースペンが周方向に延在しており、
    上記ベースペンが上記トレッド面から上記トレッドの半径方向内側面まで貫通しており、
    上記ゴム帯が、上記ベースペン及び上記サイドウォールと接しており、
    上記補強層がコードとトッピングゴムとを備えており、
    上記ベースペン、上記ゴム帯及び上記サイドウォールが導電部材であり、
    上記本体及び上記補強層のトッピングゴムが絶縁部材であり、
    上記ゴム帯の幅が上記補強層の幅よりも狭く、
    上記トレッド面上のいずれの場所においても、このタイヤを周方向に垂直な面で切った断面内に存在する上記ゴム帯の断面積Sc1が同じである空気入りタイヤ。
  2. 上記ゴム帯の第一端が上記サイドウォールの一方と接しており、このゴム帯が螺旋状にちょうどタイヤの一周分だけ巻かれて、このゴム帯の第二端が上記サイドウォールのもう一方と接している請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記ゴム帯の体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記本体及び上記補強層のトッピングゴムの体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上である請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、上記トレッドの半径方向内側で上記サイドウォールの軸方向内側に位置するカーカスと、上記トレッドの半径方向内側に位置し上記カーカスの半径方向外側に積層された補強層と、上記トレッドの半径方向内側面に沿って延びるゴム帯とを備えており、
    上記トレッドが、本体とベースペンとを備えており、
    上記ベースペンが周方向に延在しており、
    上記ベースペンが上記トレッド面から上記トレッドの半径方向内側面まで貫通しており、
    上記ゴム帯が、上記ベースペン及び上記カーカスと接しており、
    上記補強層がコードとトッピングゴムとを備えており、
    上記カーカスがコードとトッピングゴムとを備えており、
    上記ベースペン、上記ゴム帯及び上記カーカスのトッピングゴムが導電部材であり、
    上記本体及び上記補強層のトッピングゴムが絶縁部材であり、
    上記ゴム帯の幅が上記補強層の幅よりも狭く、
    上記トレッド面上のいずれの場所においても、このタイヤを周方向に垂直な面で切った断面内に存在する上記ゴム帯の断面積Sc1が同じである空気入りタイヤ。
  6. 上記サイドウォールが絶縁部材である請求項5に記載の空気入りタイヤ。
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