JP2015217377A - 熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法、該製造方法で製造された熱膨張性マイクロスフェアー、及び該製造方法に用いるコロイダルシリカの判別方法 - Google Patents

熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法、該製造方法で製造された熱膨張性マイクロスフェアー、及び該製造方法に用いるコロイダルシリカの判別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉立ちがなく、洗浄排水の白濁を低減させた熱膨張性マイクロスフェアーを提供する。【解決手段】(I)分散安定剤であるコロイダルシリカを含む水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合し、重合性単量体が重合した重合体から形成された外殻内に発泡剤が封入された熱膨張性マイクロスフェアーを含む重合反応液を生成する重合工程;(II)分離工程;を有する、熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法であって、該コロイダルシリカが、pH10に調整した1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液50gを、0.1mol/Lの塩酸で滴定し、pH4になる時の塩酸滴定量が、2.3mL以下のコロイダルシリカである製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、重合体から形成された外殻内に発泡剤が封入され、外殻表面に無機微粒子であるコロイダルシリカが付着した構造をもつ熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法、該製造方法により製造された熱膨張性マイクロスフェアー、及び該製造方法に用いるコロイダルシリカの判別方法に関し、さらに詳しくは、洗浄工程での洗浄排水の白濁化を低減させた熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法に関する。
本発明の熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法は、洗浄工程での洗浄排水の白濁化を低減させることにより、環境負荷を低減することができ、また、本発明の熱膨張性マイクロスフェアーは、塗料やインクの分野をはじめとする広範な産業分野に適用することができ、また、本発明の判別方法は、該製造方法に用いるコロイダルシリカを、簡便な判別方法で判別できる。
熱膨張性マイクロスフェアーは、熱発泡性マイクロカプセルとも呼ばれ、発泡インクでの用途をはじめとして、軽量化を目的とした塗料やプラスチックの充填剤など、種々の分野への用途展開が図られている。熱膨張性マイクロスフェアーは、通常、揮発性の液体発泡剤を重合体によりマイクロカプセル化したもので、製造方法の調整により、種々の特性を有する熱膨張性マイクロスフェアーが市場化されている。
このような状況の中で、近年、発泡開始時の異常発泡粒子の存在が少なく、発泡開始挙動が、シャープ(同時的)である(以下、単に「耐熱性」と略することがある)、熱膨張性マイクロスフェアー(以下、単に「マイクロスフェアー」と略することがある)に対する要望が強くなっている。
これに応えるために、種々の方法が検討されており、この一つとして、分散安定剤として用いた無機微粒子が粒子の表面に付着したマイクロスフェアーの開発が進められている。
無機微粒子としては、コロイダルシリカが、コスト面、性能面等から採用される場合が多い。
コロイダルシリカを分散安定剤として採用するマイクロスフェアーの製造は、コロイダルシリカを水系分散媒体中で、例えば、発泡剤とアクリロニトリルや塩化ビニリデン等の重合性単量体を含有する重合性混合物を、特定のpH域(例えば、pH4付近)内で、懸濁重合する方法により製造されている。しかし、分散安定剤として、コロイダルシリカを用いた場合、洗浄工程での洗浄排水の白濁化が、環境負荷の点から解決しなければならない問題となっている。
分散安定剤である無機微粒子は、重合性混合物と発泡剤を含む油分を水系分散媒体中で、微少な液滴として、安定分散させるために用いられるもので、通常、液滴の表面付近に存在し、液滴を保護している。
重合が進むにつれて、液滴は、生成する重合体により外殻が形成され、その外殻内に発泡剤が包み込まれるようになる。
一方、液滴を保護していた無機微粒子は、液滴に形成された外殻表面に沈着や埋没あるいは結合、会合等により、一部は付着するが、一部は外殻の表面付近から離脱し、重合反応が終了する。
このように製造されるマイクロスフェアーの耐熱性を向上するためには、重合の場において、液滴に形成される外殻表面への無機微粒子の付着が高効率(付着量が多い)で、しかも強固であることが重要であり、この要件を備えたマイクロスフェアーであれば、従来より問題となっている、外殻表面から離脱した無機微粒子が原因となる、
(i)重合反応後の固液分離により回収されるウエットケーキを乾燥する際に生ずる粉立ち(例えば、コロイダルシリカ等が舞い上がる)や、
(ii)洗浄工程での洗浄排水の白濁化を低減でき、この結果、
(iii)耐熱性に優れ、すなわち、発泡時の異常発泡粒子の存在が少なく、発泡開始挙動が、シャープ(同時的)になるものと考えられる。
この実現化のために、種々の開発が行われ、例えば、(a)マイクロスフェアーを形成する重合性混合物に、無機微粒子(例えば、コロイダルシリカの場合は粒子表面に存在する水酸基)との化学反応を可能とする官能基(例えば、カルボキシル基、エポキシ基、ハロゲン等)を有する重合性単量体を組み入れる方法や、(b)無機微粒子の表面を化学修飾して分散安定剤として用いる方法が知られている。
しかし、これらの方法は、コスト面、耐熱性、粉立ち、洗浄排水の白濁化防止等の点で不十分であり、しかも熱安定性や耐熱劣化性に劣るため、例えば高温での熱膨張に問題が残るものとなっている。
また、シランカップリング剤の存在下で、重合反応を行う方法(特許文献1)は、耐熱性、粉立ち、洗浄排水の白濁化防止に優れるものであるが、安定して重合を行うための重合条件の調整が簡単ではなく、さらに、シランカップリング剤使用によるコストの面から検討の余地があるものとなっている。
このように従来技術では、性能面、製造面、コスト面に問題があり、更なる検討が求められている。
特開2002−363537号公報
本発明の目的は、重合反応の場において、水系分散媒体中で、液滴に形成される外殻表面への分散安定剤としてのコロイダルシリカの付着(性)を改善して、乾燥時の粉立ちの低減や、洗浄排水の白濁化を低減することにある。また、本発明の別の目的は、コロイダルシリカの付着(性)が改善されることにより、耐熱性に優れ、すなわち、発泡時の異常発泡粒子の存在が少なく、発泡開始挙動が、シャープ(同時的)である、性能面、製造面及びコスト面で難点の少ないマイクロスフェアーを得ることにある。
本発明者らは、分散安定剤としてコロイダルシリカを用いた場合の重合反応における、水系分散媒体中の重合性混合物及び発泡剤を含む液滴に対する、コロイダルシリカの保護、分散安定挙動を検討する中で、コロイダルシリカ表面と液滴表面との間をより接近させ、緊密化することにより、両表面間での相互作用が生じやすいものとなり、液滴に徐々に形成される外殻表面へのコロイダルシリカの付着性が向上するのではないかと想到した。
このような状態を具体化するには、コロイダルシリカの水系分散媒体中での、分散安定化能力を高めて、コロイダルシリカを液滴表面の極近傍にまで接近させ、液滴を保護・安定化させることが重要で、このためには、分散安定剤として使用するコロイダルシリカの表面が、十分な水酸基によって覆われていることが必須な要件となる。
コロイダルシリカは、表面における元素間のイオン結合性の割合が大きく、分極した酸素原子(O2−)で覆われ、水を吸着して、水酸基(−OH)を形成して安定化しており、水を含む液相では、コロイダルシリカの表面は水酸基に覆われ、その解離度合いは、粒子の大きさ、ヘテロ元素の存在、液相のpH等により変化するとされている。
液相のpHによる変化について、コロイダルシリカの水酸基は、強酸性下では、水中の水素イオンが水酸基に付着し粒子表面をプラスに帯電させ(−O(−H)−H)、アルカリ性下では、水中の水酸化物イオンにより水酸基の水素が引き抜かれて粒子表面をマイナスに帯電させる(−O)と言われている。すなわち、コロイダルシリカは、酸性下、アルカリ性下では、水酸基は十分に存在しないことになっている。
この強酸性下とアルカリ性下との境目で、粒子表面がプラスにもマイナスにも帯電しない領域が存在し、コロイダルシリカは、この領域が通常pH4付近であるとされている。
すなわち、このpH4付近で、コロイダルシリカは、粒子表面の水酸基が、強酸性下のように水酸基に水素イオンが付着することもなく、また、アルカリ性下のように水酸基の水素が引き抜かれたりすることもなく、従来より知られているような水酸基(−OH)として安定に存在している。
このため、懸濁重合で行うマイクロスフェアーの製造において、分散安定剤として、コロイダルシリカを用いる場合は、pH4付近で重合が行われることが多い。
水系分散媒体中で、このようなpH挙動を有する水酸基を持つコロイダルシリカは、工業的には、特に安価に入手できる水ガラスから製造され、水ガラスに希塩酸を作用させ、次いで透析して得られている。
したがって、このような製法で製造されるため、コロイダルシリカ中には、SiO以外にも、微量のNaO等のアルカリ金属、酸化鉄、酸化アルミニウム、及び酸化カルシウム等のアルカリ土類金属等のアルカリ成分が含まれている。
本発明者らは、コロイダルシリカの分散安定性を高める上で、この微量に含まれているNaO等のアルカリ成分に着目した。例えば、NaOは、水系分散媒体中で、−ONa基に変化し、NaOHを生成することになる。
したがって、このような挙動を持ったNaOを含有するコロイダルシリカを用いて重合(pH4付近)を行うと、コロイダルシリカ表面の大部分は−OH基を有し、その際、−OH基の近傍は、pH4付近であるが、−ONa基が存在する近傍は、アルカリ性を示すことになる。
そうすると、コロイダルシリカの表面に、pHが異なる領域が存在することになり、同時にコロイダルシリカ表面が電荷的に不均一な状態になると推察される。
水系分散媒体中のコロイダルシリカの表面あるいは表面近傍の水相が、このような不均一な状態であると、コロイダルシリカが液滴表面の極近傍にまで接近して液滴を保護・安定化することが困難となるために、コロイダルシリカと液滴との間の緊密化が不十分なものとなり、すなわち、両表面間での相互作用が生じにくいものとなり、その結果、付着性が向上されないものとなることが推察される。
これらの考察を踏まえて、本発明者らは、分散安定剤として使用するコロイダルシリカに含まれるアルカリ成分量に着目し、NaO等のアルカリ成分量は、分散安定剤として用いるコロイダルシリカを選別する判定指標となること、アルカリ成分量が特定量以下の少ない量のコロイダルシリカは、粒子表面が十分な−OH基で覆われており、分散安定性が優れていると考えられること、そして、このようなコロイダルシリカを分散安定剤として用いると前述した付着の問題が解決できることを見出した。
換言すると、本発明者らは、分散安定剤としてコロイダルシリカ表面にpHが異なる領域を存在させたり、コロイダルシリカ表面を電荷的に不均一な状態にする、極くわずかな量のアルカリ成分を、より一層低減させたコロイダルシリカを選別使用することで、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物の液滴表面と、コロイダルシリカ表面との間での緊密化が格段と向上し、その結果、コロイダルシリカの付着性の問題が解決され、乾燥時の粉立ちの低減、洗浄排水の白濁化の低減されたマイクロスフェアーを得ることができ、結果として、耐熱性に優れ、すなわち、発泡時の異常発泡粒子の存在が少なく、発泡開始挙動が、シャープ(同時的)であるマイクロスフェアーを得ることができることを見出した。
また、本発明者らは、分散安定性に優れたコロイダルシリカを選別する判定指標となるコロイダルシリカに微量含有されるアルカリ成分量は、塩酸滴定量として簡便に計量できることも見出した。これらの知見により、本発明者らは、本発明に到達した。
かくして、本発明によれば、下記の(I)、(II)の工程:
(I)分散安定剤であるコロイダルシリカを含む水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合し、重合性単量体が重合した重合体から形成された外殻内に発泡剤が封入された熱膨張性マイクロスフェアーを含む重合反応液を生成する重合工程;
(II)重合工程を経た重合反応液を固液分離して熱膨張性マイクロスフェアーを得る分離工程;
を有する、熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法であって、該コロイダルシリカが、pH10に調整した1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液50gを、0.1mol/Lの塩酸で滴定し、pH4になる時の塩酸滴定量が、2.3mL以下のコロイダルシリカである製造方法が提供される。
また、本発明によれば、最大発泡倍率が、10〜350倍であり、平均粒径が、3〜200μmである、前記製造方法で製造された熱膨張性マイクロスフェアーが提供される。
また、本発明によれば、下記の(I)、(II)の工程:
(I)分散安定剤であるコロイダルシリカを含む水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合し、重合性単量体が重合した重合体から形成された外殻内に発泡剤が封入された熱膨張性マイクロスフェアーを含む重合反応液を生成する重合工程;
(II)重合工程を経た重合反応液を固液分離して熱膨張性マイクロスフェアーを得る分離工程;
を有する、熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法に用いるコロイダルシリカの判別方法であって、pH10に調整した1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液50gを、0.1mol/Lの塩酸で滴定し、pH4になる時の塩酸滴定量が、2.3mL以下のコロイダルシリカを選別する判別方法が提供される。
本発明によれば、乾燥時の粉立ちの低減、洗浄排水の白濁化が低減された熱膨張性マイクロスフェアー(以下、単に「マイクロスフェアー」と略記することがある。)の製造方法が得られる。また、本発明によれば、コロイダルシリカが強固に付着したマイクロスフェアー、すなわち、耐熱性に優れ、すなわち、発泡時の異常発泡粒子の存在が少なく、発泡開始挙動が、シャープ(同時的)であるマイクロスフェアーが得られる。また、本発明によれば、前記製造方法に用いるコロイダルシリカの簡便な判別方法が得られる。
1.マイクロスフェアーの製造方法
本発明のマイクロスフェアーは、下記の(I)、(II)の工程:(I)分散安定剤であるコロイダルシリカを含む水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合し、重合性単量体が重合した重合体から形成された外殻内に発泡剤が封入されたマイクロスフェアーを含む重合反応液を生成する重合工程;(II)重合工程を経た重合反応液を固液分離してマイクロスフェアーを得る分離工程;を有する、マイクロスフェアーの製造方法であって、該コロイダルシリカが、pH10に調整した1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液50gを、0.1mol/Lの塩酸で滴定し、pH4になる時の塩酸滴定量が、2.3mL以下のコロイダルシリカである製造方法により得ることができる。
(1)水系分散媒体
懸濁重合は、通常、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で行われる。本発明では、分散安定剤として、後述する塩酸滴定量が少ないコロイダルシリカ、すなわちアルカリ成分量の少ないコロイダルシリカを用いることに特徴がある。コロイダルシリカを含む水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物から形成する液滴は、重合反応の場において、攪拌による剪断により、分裂と合着を繰り返しながら重合反応が進行する。
この液滴を保護安定化するための分散安定剤としてアルカリ成分量が、特定値以下の少ない量のコロイダルシリカであると表面が十分な−OH基で覆われているために、分裂と合着を繰り返す液滴の極近傍まで接近して、液滴を十分、保護、安定化させることが可能となり、両者の相互作用が強固なものとなる。
この結果、コロイダルシリカと液滴の付着性が増大するものと考えられる。このような現象は、本発明者らにおいて、はじめて見出されたものである。
本発明において、コロイダルシリカの使用量は、その粒子径によっても変わるが、通常、重合性単量体100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜25重量部の割合である。
コロイダルシリカの使用量が、0.5重量部未満では、マイクロスフェアーに対するコロイダルシリカの付着量が十分なものとならず、目標とする耐熱性が得られない。一方、コロイダルシリカの使用量が30重量部を超えると、重合条件の調整が難しいだけでなく、安定して重合反応を行うことが困難となることがある。
コロイダルシリカの塩酸滴定量は、pH10に調整した1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液50gを、0.1mol/Lの塩酸で滴定し、pH4になる時の塩酸滴定量で判定する。
通常、塩酸滴定量は、2.3mL以下、好ましくは2.2mL以下、より好ましくは、2.0mL以下である。塩酸滴定量の下限値は、1.3mLで、通常、1.5mL程度である。
この塩酸滴定量から、コロイダルシリカ中の、アルカリ成分量が算出できる。上記判定方法で塩酸滴定量が2.3mLの場合、コロイダルシリカのアルカリ成分量は、0.46mmol/gである。同様に、塩酸滴定量が、2.2mL、2.0mLの場合、アルカリ成分量は、それぞれ0.44mmol/g、0.40mmol/gである。
通常、1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液は、pH10近傍である。したがって、塩酸滴定に際して、ほとんどpHの調整の必要はないが、pHが、10よりずれている場合は、10重量%濃度の塩酸水溶液、または10重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を極く微量用いて、pHを10に調整する。
塩酸滴定量が、2.3mL(アルカリ成分量が0.46mmol/g)以下であるコロイダルシリカは、水系分散媒体中での分散安定性に優れるもので、本発明が目的とする付着の問題を解決することが可能なコロイダルシリカである。一方、塩酸滴定量が、2.3mLを超えるものは、分散安定性に劣り、このようなコロイダルシリカを使用すると、耐熱性、すなわち発泡時の異常発泡粒子の存在や、発泡開始挙動に影響が出る。さらに、洗浄工程での洗浄排水が白濁化する。
分散安定剤を含有する水系分散媒体は、通常、分散安定剤や補助安定剤を脱イオン水に配合して調製する。
補助安定剤としては、縮合生成物、水溶性窒素含有化合物等がある。
コロイダルシリカと、補助安定剤としての縮合生成物との組み合わせを分散安定剤としてもよい。縮合生成物としては、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物が好ましく、特にジエタノールアミンとアジピン酸との縮合物や、ジエタノールアミンとイタコン酸との縮合生成物が好ましい。縮合生成物の酸価は、60以上95未満であることが好ましく、65〜90であることがより好ましい。さらに、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を添加すると、より均一な粒子形状を有するマイクロスフェアーが得られやすくなる。無機塩としては、通常、塩化ナトリウムが好適に用いられる。
縮合生成物は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.05〜2重量部の割合で使用される。無機塩は、重合性単量体100重量部に対して、0〜100重量部の割合で使用される。
また、コロイダルシリカと、補助安定剤としての水溶性窒素含有化合物との組み合わせを分散安定剤としてもよい。これらの中でも、コロイダルシリカとポリビニルピロリドンとの組み合わせが好適に用いられる。
乳化剤は、一般には使用しないが、所望により、陰イオン性界面活性剤、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩やポリオキシエチレンアルキル(アリル)エーテルのリン酸エステル等を用いてもよい。
また、重合助剤として、水系分散媒体中に、亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、水可溶性アスコルビン酸類、及び硼酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を存在させることができる。これらの化合物の存在下に懸濁重合を行うと、重合時に、重合粒子同士の凝集が起こらず、重合物が重合缶壁に付着することがなく、重合による発熱を効率的に除去しながら安定してマイクロスフェアーを製造することができる。
亜硝酸アルカリ金属塩の中では、亜硝酸ナトリウム及び亜硝酸カリウムが入手の容易性や価格の点で好ましい。アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸の金属塩、アスコルビン酸のエステルなどが挙げられるが、これらの中でも水可溶性のものが好適に用いられる。ここで、水可溶性アスコルビン酸類とは、23℃の水に対する溶解性が1g/100cm以上であるものを意味し、アスコルビン酸とそのアルカリ金属塩が好ましい。これらの中でも、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸ナトリウム、及びアスコルビン酸カリウムが、入手の容易性や価格、作用効果の点で、特に好適に用いられる。 これらの化合物は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部の割合で使用される。
(2)重合性単量体
マイクロスフェアーの外殻は、通常、ガスバリア性と耐熱性に優れた重合体から形成される。具体的には、アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸などの種々の重合性単量体を用いて形成することができる。これらの中でも、塩化ビニリデン共重合体及び(メタ)アクリロニトリル共重合体は、ガスバリア性、耐溶剤性、耐熱性、発泡性などを高度にバランスさせる上で好ましい。使用する重合性単量体の組み合わせや組成比の制御と、発泡剤の種類の選択により、様々な発泡挙動を示すマイクロスフェアーを得ることができる。
重合性単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ジシクロペンテニルアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、α−メチルスチレン、クロロプレン、ネオプレン、ブタジエンなどが挙げられる。これらの重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
マイクロスフェアーは、重合性単量体が重合した、外殻を形成する重合体が熱可塑性で、かつガスバリア性を有するものが好ましい。これらの観点から、塩化ビニリデン(共)重合体及び(メタ)アクリロニトリル(共)重合体が好ましい。
すなわち、本発明のマイクロスフェアーは、重合性単量体が重合した重合体から形成された外殻が、塩化ビニリデン(共)重合体または(メタ)アクリロニトリル(共)重合体のいずれかの重合体から形成されたものである。
塩化ビニリデン(共)重合体としては、重合性単量体として、塩化ビニリデン単独、あるいは塩化ビニリデンとこれと共重合可能なビニル系単量体との混合物を用いて得られる(共)重合体を挙げることができる。塩化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルなどが挙げられる。
このような塩化ビニリデン(共)重合体としては、重合性単量体として、(A)塩化ビニリデン30〜100重量%と、(B)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体0〜70重量%とを用いて得られた(共)重合体が好ましい。塩化ビニリデンの共重合割合が30重量%未満であるとガスバリア性が低くなりすぎるので、好ましくない。
また、塩化ビニリデン(共)重合体としては、(A1)塩化ビニリデン40〜80重量%と、(B1)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体0〜60重量%と、(B2)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体0〜60重量%との共重合体である。このような共重合体とすることにより、発泡温度の設計が容易であり、また、高発泡倍率を達成しやすい。
耐溶剤性や高温での発泡性を望む場合には、(メタ)アクリロニトリル(共)重合体により外殻を形成することが好ましい。(メタ)アクリロニトリル(共)重合体としては、重合性単量体として、(メタ)アクリロニトリル単独、あるいは、(メタ)アクリロニトリルとそれと共重合可能なビニル系単量体とを用いて得られる(共)重合体を挙げることができる。(メタ)アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体としては、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルなどが挙げられる。すなわち、外殻を形成する(共)重合体が、重合性単量体として、(メタ)アクリロニトリル単独を用いて得られる重合体か、あるいは、重合性単量体として、(メタ)アクリロニトリルと、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれた少なくとも一つの(メタ)アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体とを用いて得られる共重合体から形成されたものである場合である。
このような(メタ)アクリロニトリル(共)重合体としては、重合性単量体として、(C)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体25〜100重量%と、(D)塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸及び酢酸ビニルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体0〜75重量%とを用いて得られた(共)重合体が好ましい。(メタ)アクリロニトリルの共重合割合が25重量%未満では、耐溶剤性や耐熱性が不充分となる。
(メタ)アクリロニトリル(共)重合体は、(メタ)アクリロニトリルの使用割合が大きく、発泡温度が高い(共)重合体と、(メタ)アクリロニトリルの使用割合が小さく、発泡温度が低い(共)重合体に分けることができる。(メタ)アクリロニトリルの使用割合が大きい(共)重合体としては、重合性単量体として、(C)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体80〜100重量%と、(D)塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸及び酢酸ビニルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体0〜20重量%とを用いて得られた(共)重合体が挙げられる。
一方、(メタ)アクリロニトリルの使用割合が小さい(共)重合体としては、重合性単量体として、(C)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体25重量%以上80重量%未満と、(D)塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸及び酢酸ビニルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体20重量%超過75重量%以下とを用いて得られた(共)重合体が挙げられる。
また、(メタ)アクリロニトリル(共)重合体としては、(C1)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体51〜100重量%と、(D1)塩化ビニリデン0〜40重量%と、(D2)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体0〜48重量%とを用いて得られた(共)重合体が好ましい。
外殻の重合体として、塩化ビニリデンを含まない(共)重合体が望まれる場合には、重合性単量体として、(E)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体25〜100重量%と、(F)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体0〜75重量%とを用いて得られた(メタ)アクリロニトリル(共)重合体が好ましい。
また、重合性単量体として、(E1)アクリロニトリル1〜99重量%と、(E2)メタクリロニトリル1〜99重量%と、(F)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体0〜70重量%とを用いて得られた共重合体が好ましい。
さらに、加工性、発泡性、ガスバリヤー性、耐溶剤性などが特に優れたマイクロスフェアーを得るには、外殻の(メタ)アクリロニトリル(共)重合体が、重合性単量体として、(E1)アクリロニトリル20〜80重量%と、(E2)メタクリロニトリル20〜80重量%と、(F)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体0〜20重量%とを用いて得られた共重合体であることが好ましい。
このように、本発明のマイクロスフェアーの製造方法において、重合性単量体が、(a)塩化ビニリデンと、塩化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体との混合物、または(b)(メタ)アクリロニトリルと、(メタ)アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体との混合物のいずれかの単量体混合物である製造方法である。
(3)架橋性単量体
前記の如き重合性単量体と共に、発泡特性、加工特性、耐溶剤性、耐熱性を改良するために、架橋性単量体を併用することができる。架橋性単量体としては、通常、2つ以上の炭素−炭素二重結合を有する化合物が用いられる。より具体的に、架橋性単量体として、例えば、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸1,3−ブチルグリコール、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。架橋性単量体の使用割合は、重合性単量体の全重量基準で、通常、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
(4)重合開始剤
重合開始剤としては、特に限定されず、この分野で一般に使用されているものを使用することができるが、重合性単量体に可溶性である油溶性重合開始剤が好ましい。より具体的に、重合開始剤として、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、及びアゾ化合物が挙げられる。重合開始剤は、通常、単量体混合物中に含有させるが、早期重合を抑制する必要がある場合には、造粒工程中または造粒工程後に、その一部または全部を水系分散媒体中に添加して、重合性混合物の液滴中に移行させてもよい。重合開始剤は、水系分散媒体基準で、通常、0.0001〜3重量%の割合で使用される。
(5)発泡剤
発泡剤は、外殻を形成する重合体の軟化点以下の温度でガス状になるものから選択される。
発泡剤は、通常、外殻を形成する重合体の軟化点以下の温度でガス状になる物質である。このような発泡剤としては、低沸点有機溶剤が好適であり、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、石油エーテル、ヘプタンなどの低分子量炭化水素;CClF等のクロロフルオロカーボン;テトラメチルシランなどのテトラアルキルシラン;などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、石油エーテル、及びこれらの2種以上の混合物が好ましい。また、所望により、加熱により熱分解してガス状になる化合物を使用してもよい。特に、加工時の高温と高剪断条件下で、簡単に破壊されないマイクロスフェアーを望む場合には、例えば、n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタンなどの沸点が60℃以上の炭化水素系発泡剤を用いて発泡させることが好ましい。
これらの中でも、ヘプタンや2,2,4−トリメチルペンタンのような沸点が70℃以上の炭化水素系発泡剤を用いることが特に好ましい。これらの発泡剤の沸点の範囲は、好ましくは60〜130℃、より好ましくは60〜120℃、特に好ましくは70〜110℃である。
60℃以上の沸点を有する炭化水素系発泡剤は、それぞれ単独で使用してもよいが、沸点が60℃未満の炭化水素系発泡剤と組み合わせて使用すると、より高い発泡倍率を得ることができる。すなわち、同じ量の発泡剤を用いたとき、60℃未満の低沸点炭化水素系発泡剤は、モル数が多くなるため発泡倍率の増大に寄与し、60℃以上の沸点を有する炭化水素系発泡剤は、耐熱性やより高温での発泡特性に寄与する。60℃以上の沸点を有する炭化水素系発泡剤の使用割合は、マイクロスフェアー全重量基準で、好ましくは10重量%以上100重量%以下、より好ましくは15重量%以上95重量%以下、特に好ましくは20重量%以上90重量%以下である。
(6)無機物及び/または有機物
本発明では、分散安定剤としてコロイダルシリカを用いているので、マイクロスフェアーの外殻には、コロイダルシリカが付着しているが、他に無機物及び/または有機物を用いる場合には、これらのものがマイクロスフェアーの外表面に付着してもよい。
無機物としては、炭酸カルシウム、タルク、ガラス、カオリンクレー、マイカ、ネフエリンシナイト、合成ケイ酸、石英粉、珪石粉、珪藻土、硫酸バリウム、軽石粉、その他の無機顔料などの微粉体を挙げることができる。
一方、有機物としては、官能基や極性基を有するポリマーが挙げられる。これらの有機物は、微粒子であることが好ましい。
これらの無機物及び/または有機物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。無機物及び/または有機物の平均粒径は、特に限定されないが、マイクロスフェアーの平均粒径よりも充分に小さいことが好ましく、通常、10μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
無機物及び/または有機物の使用量(付着量)は、洗浄排水の白濁防止等に影響を与えない範囲であって、当然、マイクロスフェアーの耐熱性等の特性に影響を与えない範囲である。
(7)重合工程
水系分散媒体に各成分を添加する順序は、任意であるが、通常は、水と分散安定剤、必要に応じて安定助剤や重合助剤などを加えて、分散安定剤を含有する水系分散媒体を調製する。一方、重合性単量体及び発泡剤は、別々に水系分散媒体に加えて、水系分散媒体中で一体化して重合性混合物(油性混合物)を形成してもよいが、通常は、予め両者を混合してから、水系分散媒体中に添加する。重合開始剤は、予め重合性単量体に添加して使用することができるが、早期の重合を避ける必要がある場合には、例えば、重合性単量体と発泡剤との混合物を水系分散媒体中に添加し、攪拌しながら重合開始剤を加え、水系分散媒体中で一体化してもよい。重合性混合物と水系分散媒体との混合を別の容器で行って、高剪断力を有する攪拌機や分散機で攪拌混合した後、重合缶に仕込んでもよい。重合性混合物と水系分散媒体とを攪拌混合することにより、水系分散媒体中で重合性混合物の液滴を調製(造粒)する。液滴の平均粒径は、目的とするマイクロスフェアーの平均粒径とほぼ一致させることが好ましい。
懸濁重合は、通常、反応槽内を脱気するか、もしくは不活性ガスで置換して、30〜100℃の温度に昇温して行う。
本発明のマイクロスフェアーの製造において、重合性混合物中に有機ケイ素化合物を含有しなくも、コロイダルシリカは、外殻表面に強固に付着している。すなわち、本発明のマイクロスフェアーの製造方法は、重合性混合物に有機ケイ素化合物を存在させないで、懸濁重合する製造方法である。
したがって、本発明のマイクロスフェアーは、重合体から形成された外殻が、有機ケイ素化合物を含有しないマイクロスフェアーである。
しかし、所望により、重合性混合物に有機ケイ素化合物を存在させてもよい。その場合、有機ケイ素化合物としては、シランカップリング剤が用いられ、その配合量は、洗浄排水の白濁防止や、マイクロスフェアーの特性に影響を及ぼさない範囲内である。
(8)分離工程
分離工程は、重合工程を経た重合反応液を固液分離して、マイクロスフェアー得る工程である。すなわち、懸濁重合後、重合反応液を、濾過、遠心分離、沈降等の通常の固液分離手段により、ウエットケーキ状のマイクロスフェアーと濾液(以下、「濾液1」と略記することがある)とに固液分離する工程である。
固液分離手段によっては、マイクロスフェアーが、固液分離時にかかる圧縮力等により破裂しないよう分離条件を制御したり、温度条件を調整することが望ましい。
(9)洗浄工程
記分離工程により固液分離されたウエットケーキ状のマイクロスフェアーは続いて洗浄液による洗浄工程を実施することが好ましい。洗浄液は、水、アルコール、アセトン等を用いるが、水(脱イオン水)が好ましい。また、洗浄は1回又は複数回実施される。例えば、2〜5回程度実施することが好ましい。
本発明の製造方法により得られたマイクロスフェアーは、分散安定剤としてアルカリ成分の少ない特定のコロイダルシリカを用いているので、マイクロスフェアーに対するコロイダルシリカの付着力が高く、このため、少ない洗浄液、すなわち、少ない洗浄回数で洗浄後の濾液の白濁化が認められなくなり、洗浄効率が高いことに大きな特徴がある。
すなわち、本発明の製造方法により得られるマイクロスフェアーの特徴は、以下のようにして確認することができる。
重合性単量体100重量部に対して、コロイダルシリカを0.5〜30重量部用いて得られる重合工程を経た重合反応液150gを分離工程で固液分離(以下、「固液分離1」と略記することがある)し、マイクロスフェアーと濾液1を得る。次いで、得られるマイクロスフェアーに対して、脱イオン水50gを加水し固液分離(以下、「固液分離2」と略記することがある)して洗浄を行い、マイクロスフェアと濾液(以下、「濾液2」と略記することがある)を得る。次いで、得られるマイクロスフェアーに対して、脱イオン水50gを加水し固液分離(以下、「固液分離3」と略記することがある)して洗浄を行い、マイクロスフェアと濾液(以下、「濾液3」と略記することがある)を得る。次いで、得られるマイクロスフェアーに対して、脱イオン水50gを加水し固液分離(以下、「固液分離4」と略記することがある)して洗浄を行い、マイクロスフェアと濾液(以下、「濾液4」と略記することがある)を得る。
すなわち、重合工程を経た重合反応液150gを固液分離して得られたマイクロスフェアーに対して、脱イオン水50gの割合で加水し、固液分離する洗浄を行い、次いで、この洗浄を2回行った後の濾液(濾液4)を得て、この濾液4のの最大吸光度を測定することにより評価し、確認する。
濾液4の最大吸光度は、コロイダルシリカを重合性単量体100重量部当たり0.5〜30重量部用いた場合、通常0.1以下、好ましくは、0.08以下、より好ましくは、0.06以下、特に好ましくは、0.05以下である。下限値は通常0.001程度である。
最大吸光度は、値が小さい方が濾液の白濁度が低いことを示すもので、白濁化の防止性に優れるものである。この値が0.1を超えるものは、白濁度が高く、本発明が目標とする白濁防止効果が得られていないものである。
2.コロイダルシリカの判別方法
本発明では、下記の(I)、(II)の工程:
(I)分散安定剤であるコロイダルシリカを含む水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合し、重合性単量体が重合した重合体から形成された外殻内に発泡剤が封入されたマイクロスフェアーを含む重合反応液を生成する重合工程;
(II)重合工程を経た重合反応液を固液分離してマイクロスフェアーを得る分離工程;
を有する、熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法に用いるコロイダルシリカの判別方法であって、pH10に調整した1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液50gを、0.1mol/Lの塩酸で滴定し、pH4になる時の塩酸滴定量が、2.3mL以下のコロイダルシリカを選別する判別方法
が提供される。
マイクロスフェアーの製造に用いる分散安定性に優れたコロイダルシリカの判別方法として、このコロイダルシリカの塩酸滴定による判別方法は、マイクロスフェアーの製造に最適なコロイダルシリカを選別する上で、最適で簡便な判別方法である。
3.マイクロスフェアー
本発明のマイクロスフェアーは、生成重合体から形成された外殻の表面にコロイダルシリカが強固に付着し、該外殻内に発泡剤が封入された構造をもっている。
本発明のマイクロスフェアーは、前記製造方法により製造されたマイクロスフェアーである。
本発明のマイクロスフェアーの平均粒径は、特に限定されないが、通常3〜200μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜80μmの範囲である。
本発明のマイクロスフェアーの最大発泡倍率は、10〜350倍、好ましくは20〜350倍、より好ましくは30〜350倍、特に好ましくは40〜350倍である。
4.用途
本発明のマイクロスフェアーは、加熱発泡(熱膨脹)させて、あるいは未発泡のままで、各種分野に使用される。マイクロスフェアーは、例えば、その膨脹性を利用して、自動車等の塗料の充填剤、壁紙、発泡インク(例えば、T−シャツ等のレリーフ模様付け)の発泡剤、収縮防止剤などに使用される。マイクロスフェアーは、発泡による体積増加を利用して、プラスチック、塗料、各種資材などの軽量化や多孔質化、各種機能性付与(例えば、スリップ性、断熱性、クッション性、遮音性等)の目的で使用される。
また、本発明のマイクロスフェアーは、塗料、壁紙、インク分野に好適に用いることができる。また、マトリックス樹脂との接着性が要求される用途に好適に用いることができる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明する。本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、部及び%は、特に断りがない限り、重量基準である。以下に各種物性の測定法を示す。
(1)塩酸滴定量
1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液をpH=10に調整した。その後、コロイダルシリカ水溶液50gを、pH=4になるまで0.1mol/Lの塩酸で滴定し塩酸滴定量を測定した。アルカリ成分量(mmol値)は、塩酸滴定量(mmol値)と同じとした。すなわち、塩酸滴定量が、1mmolならば、アルカリ成分量は、1mmolとした。
(2)最大吸光度
試料濾液を石英セルに入れ、赤外分光光度計FT-IR4100(日本分光株式会社製)を用いて、1500cm-1〜4000cm-1の範囲で測定した。
空の石英セルの透過光強度の最大値をIとし、試料濾液の入った石英セルの透過光強度の最大値をIとして、最大吸光度を−log10(I/I)とした。
最大吸光度を測定するのは、洗浄工程で得られる濾液4である。
濾液4は、重合工程を経た重合反応液150gを分離工程で固液分離1を実施し、得られるマイクロスフェアーに対し、脱イオン水50gを加水し、固液分離2を実施して洗浄を行い、次いで、この洗浄を更に2回実施し、最後の固液分離4を実施した濾液である。すなわち、洗浄を3回行った3回目の固液分離4の濾液のことである。
(3)平均粒径
平均粒径は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社)により、測定した。
(4)発泡倍率
マイクロスフェアー0.7gを、ギア式オーブン中に入れ、所定温度(発泡温度)で2分間加熱して発泡させる。得られた発泡体をメスシリンダーに入れて体積を測定し、発泡体の体積を未発泡時のマイクロスフェアーの体積で割って発泡倍率を算出した。この際、発泡倍率を70℃から5℃刻みで昇温し、最大の発泡倍率が得られる時点での当該発泡倍率を最大発泡倍率と定義する。
[比較例1]
コロイダルシリカAの塩酸滴定量を次のとおり判定した。pH=10の1重量%濃度のコロイダルシリカA水溶液50gを、pH=4になるまで0.1mol/Lの塩酸で滴定した。塩酸滴定量は、2.4mLであった。したがって、その時のコロイダルシリカA中のアルカリ成分量は、0.48mmol/gと算出できた。
このコロイダルシリカAを用いて、以下のとおりマイクロスフェアーを製造した。
固形分20重量%のコロイダルシリカA210g、ジエタノールアミン・アジピン酸縮合物50重量%水溶液9.8g、塩化ナトリウム1246g、亜硝酸ナトリウム0.84g、および脱イオン水からなる合計5,500gの水系分散媒体を調整した。
一方、アクリロニトリル938g、メタクリロニトリル434g、メタクリル酸メチル28g、エチレングリコールジメタクリレート7g、イソペンタン28g、イソオクタン168g、イソドデカン224g及びアゾビスイソブチロニトリル16.8gからなる重合性混合物を調整した。単量体成分の重量%は、アクリロニトリル/メタクリロニトリル/メタクリル酸メチル=67/31/2であった。
調合した水系分散媒体と重合性混合物とをホモジナイザーで撹拌混合して、水系分散媒体中に重合性混合物の微小な液滴を調整した。
この重合性混合物の微小液滴を含有する水系分散媒体を、攪拌機付きの重合缶(10L)に仕込み、温水バスを用いて、酸性下で、60℃、10時間、その後70℃、9時間反応させた。
反応終了後、その重合反応液の一部150gを濾過し、濾液1とした。その後、濾別されたマイクロスフェアーに、50gの脱イオン水を加え、更に濾過した。この濾液を濾液2とした。この脱イオン水を加える操作を2回繰り返した。最後の濾液を濾液4とした。
その結果、濾液4は、白濁し、その最大吸光度は0.15以上であった。
乾燥した後、平均粒径47μmのマイクロスフェアーを回収した。最大発泡倍率は、56倍であった。
[実施例1]
比較例1のコロイダルシリカAをコロイダルシリカBに代えて、塩酸滴定量を判定した。
1重量%濃度のコロイダルシリカB水溶液をpH=10に調整した。その後、コロイダルシリカB水溶液50gに対し、pH=4になるまで0.1mol/Lの塩酸を滴定した。塩酸滴定量は、2.1mLであった。
その時のコロイダルシリカB中のアルカリ成分量は、0.42mmol/gと算出できた。
このコロイダルシリカBを用いた以外は、比較例1と同じに行った。
その結果、濾液4の最大吸光度は0.05以下であり、白濁は、ほとんど認められなかった。
乾燥した後、平均粒径45μmのマイクロスフェアーを回収した。最大発泡倍率は、55倍であった。
[実施例2]
比較例1のコロイダルシリカAをコロイダルシリカCに代えて、塩酸滴定量を判定した。
1重量%濃度のコロイダルシリカCをpH=10に調整した。その後、コロイダルシリカC水溶液50gに対し、pH=4になるまで0.1mol/Lの塩酸を滴定した。塩酸滴定量は、1.8mLであった。その時のコロイダルシリカC中のアルカリ成分は、0.36mmol/gと算出できた。
このコロイダルシリカを用いた以外は、比較例1と同じに行った。
その結果、濾液4の最大吸光度は0.04以下であり、白濁は、ほとんど認められなかった。
乾燥した後、平均粒径46μmのマイクロスフェアーを回収した。最大発泡倍率は、53倍であった。
[考察]
塩酸滴定量が、2.3mL(アルカリ成分量が0.46mmol/g)を超えるコロイダルシリカを用いた比較例1では、濾液4が白濁していた。このことは、マイクロスフェアーに、コロイダルシリカが、外殻表面に均一かつ強く付着していないことを示していた。
これに対して、実施例1、2では、濾液4の白濁はほとんど認められなかった。このことは、塩酸滴定量が2.1mL(アルカリ成分量が、0.42mmol/g)、1.8mL(アルカリ成分量0.36mmol/g)と少ないコロイダルシリカを用いた実施例1、2では、コロイダルシリカがマイクロスフェアーに強固に付着していることを示していた。
本発明のマイクロスフェアーは、洗浄工程での洗浄排水が白濁化せず、外殻表面にコロイダルシリカが、強固に付着している。このため、本発明のマイクロスフェアーは、塗料やインクの分野をはじめとする広範な産業分野に適用することができる。

Claims (9)

  1. 下記の(I)、(II)の工程:
    (I)分散安定剤であるコロイダルシリカを含む水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合し、重合性単量体が重合した重合体から形成された外殻内に発泡剤が封入された熱膨張性マイクロスフェアーを含む重合反応液を生成する重合工程;
    (II)重合工程を経た重合反応液を固液分離して熱膨張性マイクロスフェアーを得る分離工程;
    を有する、熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法であって、該コロイダルシリカが、pH10に調整した1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液50gを、0.1mol/Lの塩酸で滴定し、pH4になる時の塩酸滴定量が、2.3mL以下のコロイダルシリカである製造方法。
  2. 重合性単量体100重量部に対して、分散安定剤としてコロイダルシリカを0.5〜30重量部用いた請求項1記載の製造方法であって、重合工程を経た重合反応液150gを固液分離して得られた熱膨張マイクロスフェアーに対して、脱イオン水50gの割合で加水し、固液分離する洗浄を行い、次いで、この洗浄を2回行った後の濾液の最大吸光度が、0.1以下である製造方法。
  3. 重合性混合物に、有機ケイ素化合物を存在させないで、懸濁重合する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 重合性単量体が、(a)塩化ビニリデンと、塩化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体との混合物、または(b)(メタ)アクリロニトリルと、(メタ)アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体との混合物のいずれかの単量体混合物である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 最大発泡倍率が、10〜350倍であり、平均粒径が、3〜200μmである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法で製造された熱膨張性マイクロスフェアー。
  6. 重合体から形成された外殻が、塩化ビニリデン(共)重合体または(メタ)アクリロニトリル(共)重合体のいずれかの重合体から形成されたものである請求項5記載の熱膨張性マイクロスフェアー。
  7. (メタ)アクリロニトリル(共)重合体が、重合性単量体として、(メタ)アクリロニトリル単独を用いて得られる重合体か、あるいは、重合性単量体として、(メタ)アクリロニトリルと、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸及び酢酸ビニルからなる群より選ばれた少なくとも一つの(メタ)アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体とを用いて得られる共重合体から形成されたものである請求項6記載の熱膨張性マイクロスフェアー。
  8. 重合体から形成された外殻が、有機ケイ素化合物を含有しない請求項5乃至7のいずれか1項に記載の熱膨張性マイクロスフェアー。
  9. 下記の(I)、(II)の工程:
    (I)分散安定剤であるコロイダルシリカを含む水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合し、重合性単量体が重合した重合体から形成された外殻内に発泡剤が封入された熱膨張性マイクロスフェアーを含む重合反応液を生成する重合工程;
    (II)重合工程を経た重合反応液を固液分離して熱膨張性マイクロスフェアーを得る分離工程;
    を有する、熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法に用いるコロイダルシリカの判別方法であって、pH10に調整した1重量%濃度のコロイダルシリカ水溶液50gを、0.1mol/Lの塩酸で滴定し、pH4になる時の塩酸滴定量が、2.3mL以下のコロイダルシリカを選別する判別方法。
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