JP2015213062A - X線管装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管の冷却性能に優れたX線管装置を提供する。
【解決手段】X線管装置は、X線管30と、ハウジング20と、冷却液L1と、導管C1とを備える。導管C1は、ハウジング20内に収納され、冷却液L1に浸り、冷却液L1に対して液密に形成され、内部にハウジング20の外部から冷却液L2を導入可能である。導管C1の内部に冷却液L2が導入されることにより、導管C1及び冷却液L1は、冷却液L2とともにハウジング20の内部に液冷型の熱交換器を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】X線管装置は、X線管30と、ハウジング20と、冷却液L1と、導管C1とを備える。導管C1は、ハウジング20内に収納され、冷却液L1に浸り、冷却液L1に対して液密に形成され、内部にハウジング20の外部から冷却液L2を導入可能である。導管C1の内部に冷却液L2が導入されることにより、導管C1及び冷却液L1は、冷却液L2とともにハウジング20の内部に液冷型の熱交換器を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、X線管装置に関する。
医療分野等で行うX線撮影には、一般にX線管装置をX線源とするX線装置が使用されている。X線撮影としては、レントゲン撮影、CT(computerized tomography:コンピューター断層撮影)などが挙げられる。X線管装置は、ハウジングと、ハウジング内に収納されX線を放射するX線管と、ハウジングとX線管との間の空間に充填された冷却液(絶縁油)と、を備えている。
ハウジングは、アルミ鋳物のような脆性材料で形成されている。ハウジングの内面には、X線を遮蔽する鉛板が張り付けられている。また、ハウジングにはX線を透過するX線透過窓が設けられている。
X線管は、陽極ターゲットと、陰極と、陽極ターゲット及び陰極を収容し内部が減圧された真空外囲器と、を備えている。陰極は、陽極ターゲットのターゲット層に対向している。
高電圧が、陰極と陽極ターゲットとの間に印加される。このため、陰極が電子を放出すると、電子は、加速及び集束され、ターゲット層に衝突する。これにより、ターゲット層は、X線を放射し、X線透過窓からハウジングの外部に放出される。
X線CT装置(X-ray CT scanner)や循環器診断装置などに使用されるX線管装置には、高強度のX線出力が求められる場合がある。また、上記X線管装置には、長時間にわたる連続的なX線出力、又は高頻度の断続的なX線出力が求められる場合がある。この場合、冷却液を強制的に冷やす必要があるため、X線管装置はクーラユニットを具備している。
クーラユニットは、ハウジングの外側において冷却液の循環路に取り付けられている。クーラユニットは、熱交換器と、ハウジングと熱交換器とに連結され冷却液の循環路を形成する導管と、循環路中に冷却液を循環させる循環ポンプとから構成される。
上記熱交換器としては、一般的に水冷型の熱交換器が用いられる場合が多い。水冷型のクーラユニットは冷却液から熱交換器に伝達された熱をより温度の低い水系冷却液に伝達させるものである。この場合、水系冷却液に伝達された熱を放散させるために、水系冷却液の循環路には空冷型のクーラユニットが設けられている。
ところで、上記のX線管装置は、以下に挙げる問題を有している。
(1)サイズの問題
水冷型の熱交換器の性能を高めるためには冷却液から水系冷却液への伝熱面積を大きくとる必要がある。このため、水冷型の熱交換器のサイズはある程度大きくなってしまう。また、水冷型の熱交換器は、ハウジングに近接して設置されるため、コンパクトなX線装置を実現する上での大きなネックとなっている。
(1)サイズの問題
水冷型の熱交換器の性能を高めるためには冷却液から水系冷却液への伝熱面積を大きくとる必要がある。このため、水冷型の熱交換器のサイズはある程度大きくなってしまう。また、水冷型の熱交換器は、ハウジングに近接して設置されるため、コンパクトなX線装置を実現する上での大きなネックとなっている。
(2)人体と接触を考慮した安全上の問題
頻繁にX線撮影が繰り返される場合(集団検診や、製造工程でのライン検査)やX線撮影時間が長くかかるような精密検査では、使用中にインターロックが働くことがあり得る。この場合、やむなく検査(X線管の稼動など)を中断しクーラユニットの稼動を維持し、X線管装置が十分冷えるまで長時間待機する必要がある。
頻繁にX線撮影が繰り返される場合(集団検診や、製造工程でのライン検査)やX線撮影時間が長くかかるような精密検査では、使用中にインターロックが働くことがあり得る。この場合、やむなく検査(X線管の稼動など)を中断しクーラユニットの稼動を維持し、X線管装置が十分冷えるまで長時間待機する必要がある。
また、国際的な安全基準を遵守するため、X線管装置はハウジング表面の温度が80℃を超えないように設計される。現状では、上記インターロックはハウジング表面の温度が75乃至80℃で動作するようになっている。しかし、このような高温のハウジングに人間が触れる可能性があるため、十分な安全性が確保されているとは言えないのが現状である。
この発明の実施形態は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管の冷却性能に優れたX線管装置を提供することにある。
一実施形態に係るX線管装置は、
電子を放出する陰極と、X線を放出する陽極ターゲットと、前記陰極及び陽極ターゲットを収容した真空外囲器と、を有するX線管と、
前記X線管を収納するハウジングと、
前記X線管と前記ハウジングとの間の空間に充填され、前記X線管が発生する熱の少なくとも一部が伝達される第1冷却液と、
前記ハウジング自体に形成され又は前記ハウジング内に収納され、前記第1冷却液に対して液密に形成され、内部に前記ハウジングの外部から第2冷却液を導入可能である流路と、を備え、
前記流路の内部に前記第2冷却液が導入されることにより、前記流路及び第1冷却液は、前記第2冷却液とともに前記ハウジングの内部に液冷型の熱交換器を形成する。
電子を放出する陰極と、X線を放出する陽極ターゲットと、前記陰極及び陽極ターゲットを収容した真空外囲器と、を有するX線管と、
前記X線管を収納するハウジングと、
前記X線管と前記ハウジングとの間の空間に充填され、前記X線管が発生する熱の少なくとも一部が伝達される第1冷却液と、
前記ハウジング自体に形成され又は前記ハウジング内に収納され、前記第1冷却液に対して液密に形成され、内部に前記ハウジングの外部から第2冷却液を導入可能である流路と、を備え、
前記流路の内部に前記第2冷却液が導入されることにより、前記流路及び第1冷却液は、前記第2冷却液とともに前記ハウジングの内部に液冷型の熱交換器を形成する。
以下、図面を参照しながら第1の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る回転陽極型X線管装置を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。図3は、本実施形態に係る回転陽極型X線管ユニットを示す断面図である。図4は、本実施形態に係る回転陽極型X線管を示す断面図である。図5は、本実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す他の断面図であり、第1導管がハウジングに固定されている状態を示す図である。
図1及び図2に示すように、X線管装置は、大まかにハウジング20と、ハウジング20内に収納された回転陽極型のX線管30と、X線管30とハウジング20との間の空間に充填されX線管30が発生する熱の少なくとも一部が伝達される第1冷却液としての冷却液L1と、シールド構造体6と、回転駆動部としてのステータコイル9と、循環ユニット23と、高電圧ケーブル61、71と、リセプタクル300、400と、第1導管としての導管C1と、クーラユニット200と、第2導管としての導管C2a、C2bと、第2冷却液としての冷却液L2と、を備えている。導管C1は、上記第2冷却液の流路として機能する。
ハウジング20は、筒状に形成されたハウジング本体20eと、蓋部(側板)20f、20g、20hとを有している。ハウジング本体20e、蓋部20f、20g、20hは、金属材料又は樹脂材料で形成されている。
放熱性の観点から、ハウジング本体20eは、金属等、熱伝導率の高い材料で形成されている方が望ましい。金属材料で形成されているハウジング本体20eは、樹脂材料で形成されているハウジング本体に比べて冷却液L1の熱が伝わり易く、外部に放熱し易いためである。なお、金属材料を用いることにより、ハウジング本体20eの機械的強度を向上させることができ得る。
一方、軽量化の観点から、ハウジング本体20eは、樹脂材料で形成されている方が望ましい。
なお、後述するが、本実施形態に係るX線管装置は、ハウジング本体20eに脆性破壊が生じ難いように形成されているため、樹脂材料等を利用してハウジング本体20eを形成することができるものである。
放熱性の観点から、ハウジング本体20eは、金属等、熱伝導率の高い材料で形成されている方が望ましい。金属材料で形成されているハウジング本体20eは、樹脂材料で形成されているハウジング本体に比べて冷却液L1の熱が伝わり易く、外部に放熱し易いためである。なお、金属材料を用いることにより、ハウジング本体20eの機械的強度を向上させることができ得る。
一方、軽量化の観点から、ハウジング本体20eは、樹脂材料で形成されている方が望ましい。
なお、後述するが、本実施形態に係るX線管装置は、ハウジング本体20eに脆性破壊が生じ難いように形成されているため、樹脂材料等を利用してハウジング本体20eを形成することができるものである。
この実施形態において、ハウジング本体20e、蓋部20f、20g、20hはアルミニウムを用いた鋳物で形成(成型)されている。樹脂材料を使用する場合は、ネジ部など強度を必要とする個所や、樹脂の射出成形で成形し難い個所、またハウジング20の外部への電磁気ノイズの漏洩を防止する図示しない遮蔽層など、部分的に金属を併用しても良い。
ハウジング20を形成する材料に樹脂材料を使用する場合、上記樹脂材料は、熱硬化性エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、芳香族ナイロン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、液晶ポリマー及びメチルペンテンポリマーのうちの少なくとも1つを含んでいると望ましい。
後述する高電圧供給端子44が位置する側のハウジング本体20eの開口部には、環状の段差部が形成されている。上記段差部の内周面には、環状の溝部が形成されている。X線管装置の管軸に沿った方向において、蓋部20fの周縁部はハウジング本体20eの段差部に接触している。ハウジング本体20eの上記溝部にはC形止め輪20iが嵌合されている。
C形止め輪20iは、管軸に沿った方向における、ハウジング本体20eに対する蓋部20fの位置を規制している。この実施形態において、蓋部20fのがたつきを防止するため、蓋部20fの位置は固定されている。管軸に直交した方向において、ハウジング本体20eと蓋部20fとの間の隙間は、Oリングにより液密にシールされている。上記Oリングは、ハウジング20外部への冷却液L1の漏れを防止する機能を有している。上記Oリングは、樹脂やゴムで形成されている。
上記のことから、高電圧供給端子44が位置する側のハウジング本体20eの開口部は、蓋部20f、C形止め輪20i及びOリングにより液密に閉塞されている。
上記のことから、高電圧供給端子44が位置する側のハウジング本体20eの開口部は、蓋部20f、C形止め輪20i及びOリングにより液密に閉塞されている。
後述する高電圧供給端子54が位置する側のハウジング本体20eの開口部には、環状の段差部が形成されている。上記段差部の内周面には、環状の溝部が形成されている。蓋部20gはハウジング本体20eの内部に位置している。管軸に沿った方向において、蓋部20gの周縁部はハウジング本体20eの段差部とともに後述するX線遮蔽部510を挟んでいる。蓋部20hは蓋部20gに対向している。この実施形態において、蓋部20hは、円環部を有し、円環部は蓋部20g側に突出して形成されている。
ハウジング本体20eの上記内周面及び蓋部20g、並びに蓋部20hの隙間は、枠状のOリングにより液密にシールされている。上記Oリングは、ゴムベローズ21の周縁部で形成され、ハウジング20外部への冷却液L1の漏れを防止する機能を有している。
ハウジング本体20eの上記溝部にはC形止め輪20jが嵌合されている。C形止め輪20jは、蓋部20hがOリングへ応力を加えている状態を保持している。上記のことから、高電圧供給端子54が位置する側のハウジング本体20eの開口部は、蓋部20g、蓋部20h、C形止め輪20j及びゴムベローズ21により液密に閉塞されている。
蓋部20gは、冷却液L1が出入りする開口部20kを有している。蓋部20hには、雰囲気としての空気が出入りする通気孔20mが形成されている。ゴムベローズ21は、ハウジング20内において、蓋部20g及び蓋部20hで囲まれた領域を、開口部20kと繋がった第1空間と、通気孔20mと繋がった第2空間とに区切っている。冷却液L1の圧力調整は、ゴムベローズ21により行われている。
ハウジング20は、X線透過領域R1に対向したX線放射窓20wを有している。X線放射窓20wは、例えば図示しないOリングとともにハウジング20に形成されたX線放射口を液密に閉塞している。X線放射窓20wは、機械的強度の高い材料を利用して形成することができる。この実施形態において、X線放射窓20wは、アルミニウムを利用して形成されているが、他の金属材料や樹脂などを利用して形成することも可能である。X線放射窓20wは、X線を透過しハウジング20外部に放射する。なお、ハウジング20の内面に、鉛板は貼り付けられていない。
図2乃至図4に示すように、X線管30は、真空外囲器31、陽極ターゲット35及び陰極36を備えている。真空外囲器31は、径大部、径小部及び中継部を有している。径大部は、後述する軸線aに垂直な方向にて陽極ターゲット35と対向している。径小部は、軸線aに垂直な方向にて後述するロータ10と対向している。中継部は、径大部と径小部とを繋いでいる。
真空外囲器31は、真空容器32を有している。真空容器32は、例えば、ガラス、又は銅、ステンレス及びアルミニウム等の金属で形成されている。この実施形態において、真空容器32はガラスで形成されている。なお、真空容器32を金属で形成する場合、真空容器32は、X線透過領域R1に対向した開口を有している。そして、真空容器32の開口は、X線を透過する材料としてのベリリウムで形成されたX線透過窓で気密に閉塞されている。真空外囲器31の一部は、高電圧絶縁部材50で形成されている。本実施形態において、高電圧絶縁部材50は、ガラスで形成されている。
陽極ターゲット35は、真空外囲器31内に設けられている。陽極ターゲット35は、円盤状に形成されている。陽極ターゲット35は、この陽極ターゲットの外面の一部に設けられた傘状のターゲット層35aを有している。ターゲット層35aは、陰極36から照射される電子が衝突することによりX線を放出する。陽極ターゲット35は、モリブデン合金などの金属で形成されている。
陽極ターゲット35の外側面や、陽極ターゲット35でのターゲット層35aとは反対側の表面には、放熱を高めるために黒色化処理が施されている。ターゲット層35aは、タングステン合金等の金属で形成されている。陽極ターゲット35は、管軸を中心に回転自在である。このため、陽極ターゲット35の軸線aは、管軸と平行である。
陰極36は、真空外囲器31内に設けられている。陰極36は、陽極ターゲット35に照射する電子を放出する。陰極36には相対的に負の電圧が印加される。低膨張合金であるKOV部材55は、真空外囲器31内で高電圧供給端子54を覆っている。ここでは、高電圧供給端子54はガラス製の高電圧絶縁部材50に封着され、KOV部材55は高電圧絶縁部材50に摩擦ばめを利用して固定されている。KOV部材55には、陰極支持部材37が取付けられている。陰極36は、陰極支持部材37に取付けられている。
高電圧供給端子54は、陰極支持部材37の内部を通って陰極36に接続されている。高電圧供給端子54は、陰極36に相対的に負の電圧を印加するともに陰極36の図示しないフィラメント(電子放出源)にフィラメント電流を供給するものである。
X線管30は、固定軸1、回転体2、軸受け3及びロータ10を備えている。固定軸1は、円柱状に形成されている。固定軸1の外周の一部には突出部が形成され、突出部は、真空外囲器31に気密に取付けられている。固定軸1には、高電圧供給端子44が電気的に接続されている。固定軸1は回転体2を回転可能に支持する。回転体2は筒状に形成され、固定軸1と同軸的に設けられている。回転体2の外面にロータ10が取り付けられている。回転体2には、陽極ターゲット35が取付けられている。軸受け3は、固定軸1と回転体2の間に形成されている。回転体2は、固定軸1の周囲で軸受け3により回転自在に支持されている。回転体2は、陽極ターゲット35とともに回転可能に設けられている。固定軸1、回転体2及び軸受け3は、陽極ターゲット35を回転自在に支持する支持機構を形成している。高電圧供給端子44は、固定軸1、軸受け3及び回転体2を介して陽極ターゲット35に相対的に正の電圧を印加する。この実施形態において、高電圧供給端子44及び高電圧供給端子54は、金属端子である。
また、軸線aに沿った方向にターゲット層35aと対向したハウジング20の一端側にX線遮蔽部510が設けられている。X線遮蔽部510は、ターゲット層35aから放射されるX線を遮蔽するものである。X線遮蔽部510は、X線不透過材を含む材料で形成されている。X線遮蔽部510は、第1遮蔽部511及び第2遮蔽部512を有している。
第1遮蔽部511は、軸線aに沿った方向にターゲット層35aと対向した側の蓋部20gに貼り付けられている。第1遮蔽部511は、蓋部20g全体を覆っている。第1遮蔽部511は、開口部20kと対向した個所が開口して形成され、開口部20kによる冷却液L1の出入りを維持している。第2遮蔽部512は、第1遮蔽部511上に設けられている。第2遮蔽部512は、開口部20k付近からハウジング20の外部に出射する恐れのあるX線を遮蔽するものである。
固定部材90は、ハウジング20の内部に設けられている。固定部材90は、陰極36に対して陽極ターゲット35の反対側においてX線管30の外側に位置している。固定部材90は、ハウジング20に対するX線管30の位置を固定している。固定部材90は、電気絶縁部材であり、樹脂などの電気絶縁材料で形成されている。
固定部材90自体は、ハウジング20に固定されている。固定部材90は、複数のゴム部材(電気絶縁部材)92を利用しハウジング20に固定されている。例えば、固定部材90は、3、4個所でゴム部材92とともにハウジング20に固定されている。ゴム部材92は、ハウジング20に接触している。このため、固定部材90及びゴム部材92は、摩擦ばめを利用してハウジング20に固定されている。
固定部材90には、貫通孔90aが形成されている。貫通孔90aは、高電圧供給端子54と高電圧ケーブル71との接続空間、高電圧ケーブル71の通路、冷却液L1の流路、として利用されている。
固定部材90には、X線遮蔽体600及びX線遮蔽部520が取付けられている。X線遮蔽体600は硬鉛で形成されている。X線遮蔽体600は枠状に形成されている。X線遮蔽体600は、不所望なX線(散乱X線等)の遮蔽に寄与している。
X線遮蔽部520は、軸線aに沿った方向にX線遮蔽部510と対向した固定部材90に貼り付けられている。X線遮蔽部520は、貫通孔90aと対向した個所が開口して形成されている。X線遮蔽部510及び520は、接地されている。
また、上記のように、陰極36側において、鉛と絶縁材とが複合的に使用され、高電圧ケーブル71と、X線遮蔽体600及びX線遮蔽部520との絶縁性を確保することができる。
シールド構造体6は、軸線aに垂直な方向にて真空外囲器31の真空空間全体を取り囲んでいる。シールド構造体6は、X線を透過するX線透過領域R1と、X線を遮蔽しX線透過領域R1を囲んだX線遮蔽領域R2とを有している。
シールド構造体6は、シェルとしての絶縁部材6aと、X線遮蔽体6bと、を有している。絶縁部材6aで形成される流路形成体は、真空外囲器31との間に冷却液L1が流れる流路を形成する。流路形成体は、冷却液L1の流れの少なくとも一部を形成する外周面を有する。絶縁部材6a及びX線遮蔽体6bで形成される流路形成体は、ハウジング20との間に冷却液L1が流れる流路を形成する。
絶縁部材6aは、電気絶縁性材料で形成されている。絶縁部材6aは、真空外囲器31とハウジング20との間に位置している。絶縁部材6aは、軸線aに垂直な方向において、真空外囲器31とハウジング20とにそれぞれ隙間を置いて設けられている。また、絶縁部材6aは、軸線aに垂直な方向において、真空外囲器31(真空外囲器31の真空空間全体)を取り囲んでいる。絶縁部材6aは、軸線aに沿って延在し、管状に形成されている。絶縁部材6aの形状は、X線管30の形状に対応している。絶縁部材6aは、軸線aに沿って直径が変化している。絶縁部材6aは、X線管30と、ハウジング20及びステータコイル9との間を電気的に絶縁するものである。
絶縁部材6aは、熱硬化性エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、芳香族ナイロン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、液晶ポリマー及びメチルペンテンポリマーのうちの少なくとも1つを含む樹脂材料で形成されている。条件次第では、絶縁部材6aは、防護体として機能する。
なお、絶縁部材6aは、X線遮蔽体6bと一体に設けられていてもよい。また、絶縁部材6aを金属部材に入れ替えることも可能である。
なお、絶縁部材6aは、X線遮蔽体6bと一体に設けられていてもよい。また、絶縁部材6aを金属部材に入れ替えることも可能である。
絶縁部材6a(シールド構造体6)は、接続部材40を介してX線管30に固定されている。絶縁部材6aと接続部材40は機械的に強固に接続されている。接続部材40は、真鍮などからなり、射出成形法を利用して絶縁部材6aと一体成形が可能である。絶縁部材6aには、冷却液L1を取入れる複数の取入れ口INが形成されている。絶縁部材6aは、真空外囲器31との間に冷却液L1を取出す取出し口を形成している。
X線遮蔽体6bは、絶縁部材6aとハウジング20との間に位置している。X線遮蔽体6bは、軸線aに垂直な方向において、ハウジング20に隙間を置いて設けられている。X線遮蔽体6bは、X線遮蔽領域R2に設けられ、X線を遮蔽している。X線遮蔽体6bは、X線透過領域R1に重なった貫通孔6bhを含んでいる。貫通孔6bhは、例えば円形である。貫通孔6bhは、X線透過口として機能する。X線遮蔽体6bは円筒状に形成されている。
X線遮蔽体6bは、絶縁部材6aに固定されている。X線遮蔽体6bは、絶縁部材6aに密接又は近接する形状を有している。この実施形態において、X線遮蔽体6bは絶縁部材6aに密接する形状を有している。X線遮蔽体6bは絶縁部材6aに貼り付けられている。
X線遮蔽体6bは、導体で形成されているハウジング本体20eに電気的に接続され、接地されている。この実施形態において、X線遮蔽体6bは、配線(接地線)17及びステータコイル9の固定金具を介してハウジング20に電気的に接続されている。このため、X線遮蔽体6bの電位を安定させることができる。X線遮蔽体6bが電気的にフローディング状態にある場合でのX線管30の放電の誘発を抑制することができる。
軸線aに垂直な方向において、X線遮蔽体6bは、X線遮蔽体600に重なる端部を有している。X線遮蔽体6bの端部の内径は、X線遮蔽体600の端部の外径より僅かに大きい。X線遮蔽体6b及びX線遮蔽体600は、ねじを利用してねじ締結されている。
このため、X線遮蔽体600は、X線遮蔽部510及びX線遮蔽部520とともにX線遮蔽体6bの開口を塞ぐX線遮蔽蓋として機能している。X線遮蔽体6b、X線遮蔽部510、X線遮蔽部520及びX線遮蔽部材590は、X線透過領域R1外に放射されたX線を遮蔽することができるため、ハウジング20の外部へのX線の漏洩を防止することができる。
ここで、X線遮蔽部材590は、環状に形成されている。X線遮蔽部材590は、ステータコイル9に取り付けられ、ハウジング20と同電位に設定されている。軸線aに沿った方向において、X線遮蔽部材590は、X線遮蔽体6bで取り囲まれている。X線遮蔽部材590は、散乱X線の遮蔽に寄与している。
また、X線遮蔽体6bは、軸線aに沿ってX線遮蔽体600と対向した位置から陽極ターゲット35(ターゲット層35aの表面の延長線上)を越える位置まで延出している。この実施形態において、X線遮蔽体6bは、X線遮蔽体600と対向した位置からステータコイル9の手前まで延出している。
X線遮蔽体6bは、硬鉛で形成されている。X線遮蔽体6bの厚みは、1乃至5mm程度である。ここで、X線遮蔽体6bの厚みは、それぞれ内周面と外周面との最短距離である。
X線遮蔽体6bは、X線不透過材を含む材料で形成されていてもよい。X線遮蔽体6b等に利用するX線不透過材としては、タングステン、タンタル、モリブデン、バリウム、ビスマス、希土類金属及び鉛の少なくとも1つを含む金属、並びにタングステン、タンタル、モリブデン、バリウム、ビスマス、希土類金属及び鉛の少なくとも1つの化合物を利用することができる。
X線遮蔽体6b、X線遮蔽部510、X線遮蔽部520、X線遮蔽部材590及びX線遮蔽体600の表面は、防食保護のため、錫、銀、銅、ニッケルなどの金属メッキや樹脂コーティングを形成しても良い。
シールド構造体6がある程度の強度と延性を有し、陽極ターゲット35全体を取り囲んでいる場合、シールド構造体6は防護体として機能することができる。例えば、絶縁部材6aが単独で防護体として機能することができ得る。陽極ターゲット35が高速回転中に破損した場合、高い運動エネルギを有した陽極ターゲット35の破片は、ガラスで形成された真空容器32を破壊し、更にハウジング20の内面に向かう方向へと飛散する。シールド構造体6は、高い運動エネルギを有した状態で飛散する陽極ターゲット35の破片のハウジング20への衝突を防護する。
シールド構造体6に陽極ターゲット35の破片が衝突しても、シールド構造体6は十分な変形(塑性変形)を起こすことにより破片の運動エネルギを吸収することができる。シールド構造体6及びハウジング20は、隙間を置いて位置しているため、シールド構造体6に変形が生じてもハウジング20自体の変形を防止できる。これにより、ハウジング20に生じる恐れのあった亀裂の発生を防止することができる。
環部70は、環状に形成され、X線管30(真空外囲器31)の径大部の周りに間隔を置いて設けられている。環部70は、樹脂などの電気絶縁材料を利用して形成されている。複数のゴム部材(電気絶縁部材)91は、環部70の内周面側に取り付けられ、X線管30(真空外囲器31)の径大部に接触している。複数のゴム部材(電気絶縁部材)95は、環部70の外周面側に取り付けられ、絶縁部材6aに接触している。このため、環部70及びゴム部材91、95は、摩擦ばめを利用してX線管30をシールド構造体6に固定している。
少なくとも、X線管30、シールド構造体6、環部70、固定部材90、X線遮蔽体600、X線遮蔽部520、及びゴム部材91、92、95は、回転陽極型のX線管ユニット5を形成している。この実施形態において、X線管ユニット5は、X線管30、シールド構造体6、環部70、固定部材90、X線遮蔽体600、X線遮蔽部520、及びゴム部材91、92、95に、接続部材40、ステータコイル9、及びX線遮蔽部材590を加えて形成されている。
図2に示すように、ステータコイル9は、複数個所でハウジング20に固定されている。ステータコイル9は、シールド構造体6に対してX線管30の反対側に位置している。ステータコイル9は、ロータ10の外面に対向して真空外囲器31の外側を囲んでいる。ステータコイル9は、軸線aに垂直な方向でのシールド構造体6の位置を規制している。この実施形態において、ステータコイル9は、絶縁部材6aの外面に接触している。例えば、X線管30にがたつきが生じないよう、ステータコイル9の一部と絶縁部材6aの外面とは接着剤により接着されている。
ステータコイル9は、ロータ10、回転体2及び陽極ターゲット35を回転させるものである。ステータコイル9に所定の電流が供給されることでロータ10に与える磁界を発生するため、陽極ターゲット35などが所定の速度で回転される。
X線管装置は、循環ユニット23及び空洞部24を備えている。循環ユニット23は、ハウジング20の内部に設けられ、ハウジング20の内部に強制対流を生じさせる。循環ユニット23は、チャンバ23aと、モータ23bと、フィン23cとを備えている。チャンバ23aは、冷却液L1の取込み口及び吐出し口を有している。
モータ23bは、チャンバ23aの内壁に取付けられている。フィン23cは、チャンバ23a内にてモータ23bに取付けられている。モータ23bは、図示しない電源供給部から電力が与えられることにより、フィン23cを回転させる。循環ユニット23は、取込み口からチャンバ23a内に取込んだ冷却液L1を、吐出し口からチャンバ23aの外部に吐出す。
空洞部24は、筒状の内周壁と、筒状の外周壁と、内周壁及び外周壁の一端を液密に閉塞する環状の一端壁と、内周壁及び外周壁の他端を液密に閉塞する環状の他端壁と、を有している。この実施形態において、他端壁は、接続部材40及び絶縁部材6aで形成され、複数の取入れ口INを有している。外周壁の一部に形成された開口は、チャンバ23aの吐出し口と液密に連通している。
空洞部24は、チャンバ23aの吐出し口と、取入れ口INとを繋ぐ流路として機能する。このため、冷却液L1は、真空外囲器31の径小部側から径大部側に流路形成体(絶縁部材6a)と真空外囲器31との間の内側の冷却液流路を流れる。また、貫通孔90aを通過した冷却液L1は、流路形成体(絶縁部材6a及びX線遮蔽体6b)とハウジング20との間の外側の冷却液流路を逆方向に流れる。このため、循環ユニット23は、流路形成体(絶縁部材6a及びX線遮蔽体6b)とハウジング20との間の冷却液流路に冷却液L1の流れを軸線aに平行な一定方向に形成する。循環ユニット23は、流路形成体の外周面に沿って冷却液L1の流れの少なくとも一部を形成する。
ハウジング20の内部に強制対流を生じさせることができるため、冷却液L1をハウジング20の内部において循環させることができる。このため、X線管30等から冷却液L1に伝達された熱をハウジング20に積極的に伝達することができる。
冷却液L1としては、水系冷却液や、絶縁性の冷却液としての絶縁油を利用することができる。この実施形態において、冷却液L1は、絶縁油である。
冷却液L1としては、水系冷却液や、絶縁性の冷却液としての絶縁油を利用することができる。この実施形態において、冷却液L1は、絶縁油である。
X線管装置は、陽極用のリセプタクル300及び陰極用のリセプタクル400を有している。リセプタクル300は、ハウジング20の筒部20aの内部に位置し、筒部20aに取付けられている。リセプタクル400は、ハウジング20の筒部20cの内部に位置し、筒部20cに取付けられている。例えば、筒部20a及び筒部20cは、ハウジング本体20eと同一材料を利用して一体に形成されている。
リセプタクル300は、電気絶縁部材としてのハウジング301と、高電圧供給端子としての端子302とを有している。
ハウジング301は、筒部20a(ハウジング20)の外側に開口した桶状に形成されている。ハウジング301は、ほぼ軸対称なコップ形状であると言うことができる。また、ハウジング301のプラグ差込口がハウジング20の外側に開口していると言うことができる。
ハウジング301は、筒部20a(ハウジング20)の外側に開口した桶状に形成されている。ハウジング301は、ほぼ軸対称なコップ形状であると言うことができる。また、ハウジング301のプラグ差込口がハウジング20の外側に開口していると言うことができる。
ハウジング301の開口側の端部において、ハウジング301の外面には、環状の突出部が形成されている。ハウジング301は、絶縁性の材料として、例えば樹脂で形成されている。端子302は、ハウジング301の底部に液密に取付けられ、上記底部を貫通している。
高電圧ケーブル61は、冷却液L1に浸っている。高電圧ケーブル61は、一端部が高電圧供給端子44に電気的に接続され、他端部がハウジング20内の空間を通って端子302に電気的に接続されている。高電圧ケーブル61と高電圧供給端子44との接続には、溶接や半田付けの接続方式を利用することができる。又は、高電圧ケーブル61と高電圧供給端子44とを着脱可能に接続する摩擦ばめを利用した接続方式を利用することも可能である。
電気絶縁性部材64は、電気絶縁性樹脂で形成され、端子302と高電圧ケーブル61との電気的接続部を埋め尽くし、ハウジング301に直に接着されている。より詳しくは、電気絶縁性部材64はモールド材で形成されている。電気絶縁性部材64を利用することにより、端子302と高電圧ケーブル61との電気的接続部と、ハウジング20との電気絶縁性を向上することができる。
なお、上記電気的接続部だけではなく、他の個所にもモールド材等を適用することにより、ハウジング20内部の電気絶縁性の向上を図ることができる。この場合、冷却液L1に水系冷却液を利用することができ得る。
筒部20aの段差部と、ハウジング301の突出部との間にはOリングが介在されている。筒部20aの段差部には、雌ねじの加工がなされている。リングナット310は、側面に雄ねじの加工がなされている。リングナット310は、筒部20aの段差部に締め付けられ、ハウジング301を押圧している。これにより、Oリングは、筒部20aの段差部と、ハウジング301の突出部とにより加圧される。リセプタクル300は筒部20aに液密に取付けられるため、ハウジング20外部への冷却液L1の漏洩を防止することができる。
リセプタクル300及びリセプタクル300に挿入される図示しないプラグは、非面圧式であり、着脱可能に形成されている。プラグをリセプタクル300に連結した状態で、プラグから端子302に高電圧(例えば、+70〜+80kV)が供給される。
リセプタクル400は、リセプタクル300と同様に形成されている。
リセプタクル400は、電気絶縁部材としてのハウジング401と、高電圧供給端子としての端子402とを有している。
リセプタクル400は、電気絶縁部材としてのハウジング401と、高電圧供給端子としての端子402とを有している。
ハウジング401は、筒部20c(ハウジング20)の外側に開口した桶状に形成されている。ハウジング401は、ほぼ軸対称なコップ形状であると言うことができる。また、ハウジング401のプラグ差込口がハウジング20の外側に開口していると言うことができる。
ハウジング401の開口側の端部において、ハウジング401の外面には、環状の突出部が形成されている。ハウジング401は、絶縁性の材料として、例えば樹脂で形成されている。端子402は、ハウジング401の底部に液密に取付けられ、上記底部を貫通している。
高電圧ケーブル71は、冷却液L1に浸っている。高電圧ケーブル71は、一端部が高電圧供給端子54に電気的に接続され、他端部がハウジング20内の空間を通って端子402に電気的に接続されている。高電圧ケーブル71と高電圧供給端子54との接続には、溶接や半田付けの接続方式を利用することができる。又は、高電圧ケーブル71と高電圧供給端子54とを着脱可能に接続する摩擦ばめを利用した接続方式を利用することも可能である。
電気絶縁性部材74は、電気絶縁性樹脂で形成され、端子402と高電圧ケーブル71との電気的接続部を埋め尽くし、ハウジング401に直に接着されている。より詳しくは、電気絶縁性部材74はモールド材で形成されている。電気絶縁性部材74を利用することにより、端子402と高電圧ケーブル71との電気的接続部と、ハウジング20との電気絶縁性を向上することができる。
筒部20cの段差部と、ハウジング401の突出部との間にはOリングが介在されている。筒部20cの段差部には、雌ねじの加工がなされている。リングナット410は、側面に雄ねじの加工がなされている。リングナット410は、筒部20cの段差部に締め付けられ、ハウジング401を押圧している。これにより、Oリングは、筒部20cの段差部と、ハウジング401の突出部とにより加圧される。リセプタクル400は筒部20cに液密に取付けられるため、ハウジング20外部への冷却液L1の漏洩を防止することができる。
リセプタクル400及びリセプタクル400に挿入される図示しないプラグは、非面圧式であり、着脱可能に形成されている。プラグをリセプタクル400に連結した状態で、プラグから端子402に高電圧(例えば、−70〜−80kV)が供給される。
上記のように構成されたX線管装置では、ステータコイル9に所定の電流を印加することでロータ10が回転し、陽極ターゲット35が回転する。次に、リセプタクル300、400に所定の高電圧を印加する。
リセプタクル300に印加された高電圧は、高電圧ケーブル61、高電圧供給端子44、固定軸1、軸受け3及び回転体2を介して陽極ターゲット35に供給される。リセプタクル400に印加された高電圧は、高電圧ケーブル71及び高電圧供給端子54を介して陰極36に供給される。
これにより、陰極36から放出された電子は陽極ターゲット35のターゲット層35aに衝突し、陽極ターゲット35からX線が放射される。X線は、貫通孔6bh及びX線放射窓20w通ってハウジング20の外部へ放射される。
図1、図2及び図5に示すように、導管C1はハウジング20内に収納されている。導管C1の外表面は冷却液L1に浸っている。導管C1は冷却液L1に対して液密に形成されている。導管C1は、内部にハウジング20の外部から冷却液L2を導入可能である。冷却液L1の熱は、導管C1を介して冷却液L2に伝達される。導管C1の内部に冷却液L2が導入されることにより、導管C1及び冷却液L1は、冷却液L2とともにハウジング20の内部に液冷型の熱交換器を形成する。本実施形態において、上記熱交換器は水冷型の熱交換器である。
この実施形態において、導管C1は金属(金属パイプ)で形成されている。導管C1の断面形状は、円形状である。導管C1は螺旋状に設けられている。導管C1の少なくとも一部は、ハウジング20(ハウジング本体20e)に固定されている。ここでは、導管C1は、接着剤Bを利用し複数個所でハウジング本体20eに固定されている。このため、冷却液L1の熱は、ハウジング本体20e及び導管C1を介して冷却液L2に伝達され得る。
また、導管C1の両端部は、ハウジング20の外部に延出している。この実施形態において、導管C1の両端部は、ハウジング本体20eのうち軸線aに直交する方向に開口して形成された通路を通り、おおむね軸線aに直交する方向に延出している。
上記通路と導管C1との間の隙間は、シール部材Sにより液密に閉塞されている。シール部材Sは、樹脂やゴムで形成することができる。なお、固定金具などを用いてハウジング20に対するシール部材Sの位置を固定することにより、シール部材Sが有する機能の発揮を安定的に保持することができる。
図1に示すように、クーラユニット200は、ハウジング20の外側に位置している。クーラユニット200は、空冷型の熱交換器260と、循環ポンプ240と、容器としてのタンク270と、流量センサ280と、導管C3a、C3b、C3c、C3d、C3eと、これらを収容した筐体290と、を有している。
熱交換器260は、導管C3cと導管C3dの間に取付けられ、冷却液L2の熱を外部に放出する。熱交換器260は、ラジエータ261及びファンユニット262を有している。
ラジエータ261は、導管C3cと導管C3dとの間に液密に取付けられている。ラジエータ261は、例えばフィンチューブ式の構造を採り、概略パネル形状を有している。図示しないが、ラジエータ261は、冷却液L2が流れる複数の放熱パイプと、複数の放熱フィンと、を有している。放熱パイプの断面形状は、円形状や扁平形状である。複数の放熱フィンは複数の放熱パイプに取付けられている。ラジエータ261は、放熱フィンを設けることにより、表面積を大きくし、空気に接する面積を大きくしている。
ファンユニット262は、ラジエータ261の周囲に空気の流れを作りだす。上記のことから、熱交換器260は、冷却液L2の熱を一層外部へ放出させ、冷却液L2を一層冷却することができる。
循環ポンプ240は、導管C3dと導管C3eとの間に液密に取付けられている。循環ポンプ240は、導管C3eに冷却液L2を吐き出し、導管C3dから冷却液L2を取り込む。循環ポンプ240は、冷却液L2を、導管C1と熱交換器260との間等で循環させる。
タンク270は、導管C3bと導管C3cとの間に液密に取付けられている。タンク270は、開口を有した桶部279a及び桶部279aの開口を塞いだ蓋部279bを有している。桶部279aには、冷却液L2の導入口270aと、冷却液L2の排出口270bとが形成されている。蓋部279bは、桶部279aの開口を気密に塞ぐものではない。タンク270は、冷却液充満空間271と、ガス充満空間278とを有している。
冷却液充満空間271は冷却液L2で満たされる。ガス充満空間278は、冷却液L2と接触分離されることにより区域され、冷却液充満空間271の鉛直上方に位置している。導入口270aはガス充満空間278に開口しているものの、導管C3bの先端は冷却液充満空間271に位置しているため、冷却液L2は冷却液充満空間271に導入される。排出口270bは冷却液充満空間271に開口しているため、冷却液L2は冷却液充満空間271から排出される。
流量センサ280は、導管C3aと導管C3bとの間に液密に取付けられている。流量センサ280は冷却液L2の流量を検知することができる。
上記のようにクーラユニット200が形成されている。導管C3a、C3eのそれぞれの端部は、筐体290の外部に露出している。
上記のようにクーラユニット200が形成されている。導管C3a、C3eのそれぞれの端部は、筐体290の外部に露出している。
導管C2a、C2bは、ハウジング20の外側に位置している。導管C2a、C2bは、導管C1とクーラユニット200とを連通している。導管C2a、C2bは、導管C1及びクーラユニット200とともに冷却液L2の循環流路を形成している。この実施形態において、導管C2aは導管C3aと一体に形成され、導管C2bは導管C3eと一体に形成されている。
冷却液L2は、循環流路(導管C1、導管C2a、C2b及びクーラユニット200)に収容されている。冷却液L2には、冷却液L1の熱が導管C1を介して伝達される。この実施形態において、冷却液L2は水系冷却液である。水系の冷却液としては、水や、不凍液でもあるプロピレングリコール水溶液などを利用することができる。
図1及び図2に示すように、X線管装置は、着脱自在な連結器をさらに備えている。導管C2a、C2bは、導管C1及びクーラユニット200の少なくとも一方に上記連結器を介して着脱自在に連結されている。この実施形態において、X線管装置は、着脱自在な連結器としてのカプラ7a、7bを備えている。
カプラ7aは、導管C1の一端部に液密に取付けられたソケット8aと、導管C2aに液密に取付けられたプラグ9aとで形成されている。一方、カプラ7bは、導管C1の他端部に液密に取付けられたソケット8bと、導管C2bに液密に取付けられたプラグ9bとで形成されている。
上記のように構成された第1の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、以下に例示的に挙げる効果を得ることができる。
(1)小型化を図ることができる。
冷却液L1に浸るようにハウジング20内に導管C1を設け、ハウジング20の内部に液冷型(水冷型)の熱交換器を形成することができるためである。言い換えると、液冷型の熱交換器をハウジング20の外側に設けること無しにX線管装置を形成することができるためである。
冷却液L1に浸るようにハウジング20内に導管C1を設け、ハウジング20の内部に液冷型(水冷型)の熱交換器を形成することができるためである。言い換えると、液冷型の熱交換器をハウジング20の外側に設けること無しにX線管装置を形成することができるためである。
(2)人体との接触を考慮した安全性を確保することができる。
上記のように、ハウジング20の内部に熱交換器を形成しているため、冷却液L1の熱を冷却液L2に伝達することができる。冷却液L1の温度を低下させることにより、ハウジング20の温度を低下させることができる。このように、X線管装置は、ハウジング20から外部への放熱以外にも冷却液L1の温度を低下させる手段を有している。このため、ハウジング20に人が触れた場合における火傷の発生を抑制することができる。
上記のように、ハウジング20の内部に熱交換器を形成しているため、冷却液L1の熱を冷却液L2に伝達することができる。冷却液L1の温度を低下させることにより、ハウジング20の温度を低下させることができる。このように、X線管装置は、ハウジング20から外部への放熱以外にも冷却液L1の温度を低下させる手段を有している。このため、ハウジング20に人が触れた場合における火傷の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態において、冷却液L1と冷却液L2とを分離させて用いることができるため、冷却液L2に水系冷却液を使用することができる。水を主成分とする水系冷却液は、絶縁油に比べて熱伝達率が大きい。これにより、冷却液L2が絶縁油である場合に比べて冷却液L1の冷却性能の向上を図ることができ、ひいてはハウジング20の冷却性能の向上を図ることができる。
(3)X線遮蔽材料(鉛)の使用量を削減することができ、X線遮蔽部材の解体分離性を向上させることができる。
X線管装置は、シールド構造体6(X線遮蔽体6b)、X線遮蔽部510、X線遮蔽部520、X線遮蔽部材590及びX線遮蔽体600を備えている。X線遮蔽体6b等は、ハウジング20の外部で形成された後、ハウジング20内部に組み込まれている。本実施形態において、ハウジング20に鉛板を内貼りしなくともよく、上記鉛板を貼り付ける場合に比べて簡単にX線遮蔽体6b等を製造することができる。これにより、製造コストの低減を図ることができる。また、内貼りされた鉛を分別する場合に比べて鉛の分別が容易になるため、一層、資源の有効活用に寄与することができる。
X線管装置は、シールド構造体6(X線遮蔽体6b)、X線遮蔽部510、X線遮蔽部520、X線遮蔽部材590及びX線遮蔽体600を備えている。X線遮蔽体6b等は、ハウジング20の外部で形成された後、ハウジング20内部に組み込まれている。本実施形態において、ハウジング20に鉛板を内貼りしなくともよく、上記鉛板を貼り付ける場合に比べて簡単にX線遮蔽体6b等を製造することができる。これにより、製造コストの低減を図ることができる。また、内貼りされた鉛を分別する場合に比べて鉛の分別が容易になるため、一層、資源の有効活用に寄与することができる。
さらに、X線遮蔽体6bのサイズ(直径)を小さくすることができるため、鉛の使用量を減らすことができ、軽量化を図ることができる。またさらに、X線の遮蔽精度を高めることができる。ハウジング20に鉛板を内貼りする場合、鉛板間の隙間からX線が漏洩し得るためである。これにより、例えば、X線管装置を医療診断機器に搭載した場合、人体への不要な放射(被曝)を防止することができる。
(4)陽極ターゲット35破損時の安全性を確保することができる。
X線管装置において、万一、陽極ターゲット35が高速回転中に破損した場合、陽極ターゲット35の破片は高い運動エネルギを有した状態で飛散する恐れがある。陽極ターゲット35の破片が飛散した場合、破片により、真空外囲器31が破壊される。破片は、さらにハウジング20(アルミ鋳物)にも衝突するため、ハウジング20にも破損(脆性破壊)が生じる恐れがある。X線撮影中にハウジング20等に破損が生じると、被検査体(例えば人体)に高温の冷却液L1がかかってしまう危険性がある。
X線管装置において、万一、陽極ターゲット35が高速回転中に破損した場合、陽極ターゲット35の破片は高い運動エネルギを有した状態で飛散する恐れがある。陽極ターゲット35の破片が飛散した場合、破片により、真空外囲器31が破壊される。破片は、さらにハウジング20(アルミ鋳物)にも衝突するため、ハウジング20にも破損(脆性破壊)が生じる恐れがある。X線撮影中にハウジング20等に破損が生じると、被検査体(例えば人体)に高温の冷却液L1がかかってしまう危険性がある。
シールド構造体6がある程度の強度と延性を有する場合、シールド構造体6は防護体として機能することができる。シールド構造体6は、陽極ターゲット35が高速回転中に破損した場合、高い運動エネルギを有した状態で飛散する陽極ターゲット35の破片のハウジング20への衝突を防護する。シールド構造体6に陽極ターゲット35の破片が衝突しても、シールド構造体6は十分な変形を起こすことにより運動エネルギを吸収することができる。
これにより、ハウジング20に生じる恐れのあった亀裂の発生を防止することができる。例えば、X線管装置を医療診断機器に搭載した場合、被検査体(例えば人体)に高温の冷却液L1がかかってしまう危険性を排除することができる。
また、シールド構造体6が防護体として機能する場合、ハウジング20を樹脂材料で形成することができる。樹脂材料は金属に比べて熱伝達率(放熱特性)や機械的強度が劣るが、安価であるため、ハウジング20の製造コストの低減と、軽量化とを図ることができる。
(5)X線管ユニット5を形成することによる効果を得ることができる。
X線管ユニット5単体で、貫通孔6bh以外のシールド構造体6からのX線漏洩がないことの確認試験を行うことができる。この実施形態において、シールド構造体6は絶縁部材6aを有しているため、X線管ユニット5単体で、電圧耐久性の確認試験を行うこともできる。X線管装置に組み立てることなく、X線管ユニット5単体で信頼性試験を実施することができる。X線管装置単位ではなく、X線管ユニット5単体で輸送可能になるため、輸送コストの低減を図ることができる。
X線管ユニット5単体で、貫通孔6bh以外のシールド構造体6からのX線漏洩がないことの確認試験を行うことができる。この実施形態において、シールド構造体6は絶縁部材6aを有しているため、X線管ユニット5単体で、電圧耐久性の確認試験を行うこともできる。X線管装置に組み立てることなく、X線管ユニット5単体で信頼性試験を実施することができる。X線管装置単位ではなく、X線管ユニット5単体で輸送可能になるため、輸送コストの低減を図ることができる。
(6)シールド構造体6を設けたことによる効果を得ることができる。
絶縁部材6aは、X線管30の周りを取り囲み、冷却液L1より絶縁特性に優れている。絶縁部材6aを設けることにより、絶縁部材6aを設けない場合に比べてX線管30と、ハウジング20との間の絶縁パスを短くすることができる。これにより、X線管装置の小型化を図ることができる。そして、X線管装置の小型化と、電圧耐久性の向上との両立を図ることができる。また、上記したようにX線管ユニット5単体で電圧耐久性の確認試験を行い、X線管ユニット5をハウジング20内に組み込んだ状態での電圧耐久性の確認試験を省略することも可能となる。
絶縁部材6aは、X線管30の周りを取り囲み、冷却液L1より絶縁特性に優れている。絶縁部材6aを設けることにより、絶縁部材6aを設けない場合に比べてX線管30と、ハウジング20との間の絶縁パスを短くすることができる。これにより、X線管装置の小型化を図ることができる。そして、X線管装置の小型化と、電圧耐久性の向上との両立を図ることができる。また、上記したようにX線管ユニット5単体で電圧耐久性の確認試験を行い、X線管ユニット5をハウジング20内に組み込んだ状態での電圧耐久性の確認試験を省略することも可能となる。
また、シールド構造体6は、冷却液L1が流れる流路形成体を形成している。
シールド構造体6(絶縁部材6a)は、真空外囲器31との間に冷却液L1の自然対流又は強制対流が生じる冷却液流路を形成している。上記冷却液流路が無い場合と比べてX線管30の局所過熱が生じ難いため、陽極ターゲット35の放熱の向上を図ることができる。
シールド構造体6(絶縁部材6a)は、真空外囲器31との間に冷却液L1の自然対流又は強制対流が生じる冷却液流路を形成している。上記冷却液流路が無い場合と比べてX線管30の局所過熱が生じ難いため、陽極ターゲット35の放熱の向上を図ることができる。
一方、シールド構造体6(絶縁部材6a及びX線遮蔽体6b)は、ハウジング20との間に冷却液L1の自然対流又は強制対流が生じる冷却液流路を形成している。上記冷却液流路が無い場合と比べてハウジング20の局所過熱が生じ難いため、冷却液L1からハウジング20への熱伝達の向上を図ることができる。
(7)循環ユニット23を設けたことによる効果を得ることができる。
X線管装置は循環ユニット23を有している。ハウジング20内に冷却液L1の強制対流を生じさせることができる。このため、陽極ターゲット35から輻射される熱量の放散を向上させることができる。また、真空外囲器31の過熱を低減することができ、X線管30での放電の発生を低減することができる。さらに、ハウジング20内の冷却液L1の温度を均一にすることができ、冷却液L1からハウジング20への熱伝達の向上を図ることができる。
X線管装置は循環ユニット23を有している。ハウジング20内に冷却液L1の強制対流を生じさせることができる。このため、陽極ターゲット35から輻射される熱量の放散を向上させることができる。また、真空外囲器31の過熱を低減することができ、X線管30での放電の発生を低減することができる。さらに、ハウジング20内の冷却液L1の温度を均一にすることができ、冷却液L1からハウジング20への熱伝達の向上を図ることができる。
(8)カプラ7a、7bを設けたことによる効果を得ることができる。
カプラ7a、7bにより、ハウジング20を含むX線管装置の本体と、クーラユニット200とを独立して扱うことができる。例えば、ハウジング20等とクーラユニット200とを、独立して組立てたり、独立してCT装置やCアーム装置等の装置の可動部(架台)に搭載したりすることができるため、作業性の向上を図ることができる。また、寿命が比較的短いX線管装置のみを容易に交換することが可能なため、保守作業性の向上と保守コストの低減を図ることができる。
カプラ7a、7bにより、ハウジング20を含むX線管装置の本体と、クーラユニット200とを独立して扱うことができる。例えば、ハウジング20等とクーラユニット200とを、独立して組立てたり、独立してCT装置やCアーム装置等の装置の可動部(架台)に搭載したりすることができるため、作業性の向上を図ることができる。また、寿命が比較的短いX線管装置のみを容易に交換することが可能なため、保守作業性の向上と保守コストの低減を図ることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、第2の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。この実施形態において、上記第1の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図6は、本実施形態に係るX線管装置の一部を示す断面図である。
図6に示すように、絶縁部材6aは、径の均一な筒状に形成されている。この実施形態において、絶縁部材6aは、真空外囲器31の全体を取り囲んでいる。絶縁部材6aは、一方で固定部材90及びゴム部材92等によりハウジング20に対する相対的な位置決めがなされ、他方で固定部材140によりハウジング20に対する相対的な位置決めがなされている。固定部材140を形成する材料としては、ゴムなどの弾性材料を利用することができる。
なお、ステータコイル9に取付けられた固定金具は、絶縁部材6aに固定されている。また、絶縁部材6aには、高電圧ケーブル61を通す貫通口、及び冷却液L1の流路として利用される貫通口等が形成されている。
X線管装置は、高電圧絶縁部材4を備えている。高電圧絶縁部材4は、接続部材40を介してX線管30に固定されている。高電圧絶縁部材4と接続部材40は機械的に強固に接続されている。高電圧絶縁部材4は、一端が円錐形をし、他端が閉塞した管状に形成されている。高電圧絶縁部材4は、軸線aに垂直な方向にて真空外囲器31の径小部及び中継部を取り囲んでいる。高電圧絶縁部材4は、固定軸1と、ハウジング20及びステータコイル9との間を電気的に絶縁するものである。
高電圧絶縁部材4は、接続部材40の近傍に冷却液L1の出入り口が形成されている。高電圧絶縁部材4は、真空外囲器31との間に冷却液L1が流れる流路を形成する流路形成体として機能している。少なくとも、ハウジング20内の冷却液L1に自然対流が生じるためである。なお、本実施形態において、X線管装置は循環ユニット23を備えているため、冷却液L1には主に強制対流が生じる。
また、本実施形態において、絶縁部材6a及び高電圧絶縁部材4は、独立して形成され、間隔を置いて設けられている。絶縁部材6aと真空外囲器31との間の流路と、高電圧絶縁部材4と真空外囲器31との間の流路とが分離するため、冷却液L1に自然対流を生じ易くすることができる。
なお、ステータコイル9は、高電圧絶縁部材4に接着されている。
なお、ステータコイル9は、高電圧絶縁部材4に接着されている。
図7に示すように、少なくともX線管30及びシールド構造体6は、回転陽極型のX線管ユニット5を形成している。この実施形態において、X線管ユニット5は、X線管30、シールド構造体6、環部70、固定部材90、X線遮蔽体600、X線遮蔽部520、ゴム部材91、92、95、接続部材40、高電圧絶縁部材4、ステータコイル9、及びX線遮蔽部材590で形成されている。
なお、図8に示すように、X線管ユニット5は、X線管30、シールド構造体6、環部70、固定部材90、X線遮蔽体600、X線遮蔽部520、及びゴム部材91、92、95で形成されていてもよい。
図6及び図9に示すように、導管C1は、ハウジング20内に収納され、冷却液L1に浸り、冷却液L1に対して液密に形成され、内部にハウジング20の外部から冷却液L2を導入可能である。ここでも、導管C1は、接着剤Bを利用し複数個所でハウジング本体20eに固定されている。この実施形態において、導管C1の両端部は、ハウジング本体20eのうち軸線aに平行な方向に開口して形成された通路を通り、おおむね軸線aに平行な方向に延出している。
上記通路と導管C1との間の隙間は、シール部材Sにより液密に閉塞されている。なお、固定金具などを用いてハウジング20に対するシール部材Sの位置を固定することにより、シール部材Sが有する機能を安定的に発揮させることができる。
上記のように構成された第2の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第1の実施形態と同様に構成され、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
X線管ユニット5は冷却液L1に自然対流が生じ易いように形成されている。このため、循環ユニット23無しに、X線管30の局所過熱が生じ難いX線管装置を形成することも可能である。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
X線管ユニット5は冷却液L1に自然対流が生じ易いように形成されている。このため、循環ユニット23無しに、X線管30の局所過熱が生じ難いX線管装置を形成することも可能である。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、上記第2の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の変形例について説明する。図10は、上記第2の実施形態に係るX線管装置の変形例の一部を示す断面図であり、導管C1がシールド構造体6(流路形成体)に固定されている状態を示す図である。
図10に示すように、導管C1は、上記ハウジング20内に収納され、上記冷却液L1に浸り、冷却液L1に対して液密に形成され、内部にハウジング20の外部から冷却液L2を導入可能である。
この変形例において、導管C1は金属(金属パイプ)で形成されている。導管C1の断面形状は、円形状である。導管C1は螺旋状に設けられている。導管C1は、流路形成体(絶縁部材6a及びX線遮蔽体6b)とハウジング20との間に位置し、上記流路形成体に固定されている。詳しくは、導管C1は、接着剤Bを利用し複数個所で絶縁部材6a及びX線遮蔽体6bに固定されている。
上述したように、導管C1は、ハウジング20にではなく上記流路形成体に固定されていてもよく、この場合も上述した第2の実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。また、ハウジング20の内側に導管C1を固定しなくともよく、ハウジング20内に組み込む前に上記流路形成体に導管C1を固定することができるため、上述した第2の実施形態に比べて簡単に導管C1の固定を行うことができる。これにより、例えば、製造時間の短縮を図ることができる。
上述したように、導管C1は、ハウジング20にではなく上記流路形成体に固定されていてもよく、この場合も上述した第2の実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。また、ハウジング20の内側に導管C1を固定しなくともよく、ハウジング20内に組み込む前に上記流路形成体に導管C1を固定することができるため、上述した第2の実施形態に比べて簡単に導管C1の固定を行うことができる。これにより、例えば、製造時間の短縮を図ることができる。
次に、第3の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。この実施形態において、上記第1の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態に係るX線管装置は、クーラユニット200以外、上述した第1の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されている。図11は、第3の実施形態に係るX線管装置を示す概略構成図である。
図11に示すように、クーラユニット200は、ハウジング20の外側に位置している。クーラユニット200は、空冷型の熱交換器260と、循環ポンプ240と、ベローズ機構としての空盆250と、流量センサ280と、導管C3a、C3b、C3c、C3dと、ソケット8c、8dと、これらを収容した筐体290と、を有している。
熱交換器260は、導管C3bと導管C3cの間に取付けられ、冷却液L2の熱を外部に放出する。熱交換器260は、導管C3bと導管C3cとの間に液密に取付けられたラジエータ261と、ファンユニット262とを有している。
循環ポンプ240は、導管C3aと導管C3bとの間に液密に取付けられている。循環ポンプ240は、導管C3bに冷却液L2を吐き出し、導管C3aから冷却液L2を取り込む。循環ポンプ240は、冷却液L2を、導管C1と熱交換器260との間等で循環させる。
空盆250は、導管C3aに液密に連通されている。空盆250は、開口部251aを有したケース251を有している。開口部251aは、導管C3aに液密に連通されている。空盆250は、ケース251内を開口部251aと繋がった第1空間253と、第2空間254とに区域するベローズ252を有している。ケース251は第2空間254に繋がった開口部も有しているため、第2空間254は開放されている。
ベローズ252は、ケース251に液密に取付けられている。ベローズ252は伸縮自在である。ここでは、ベローズ252はゴムで形成されている。ベローズ252は、冷却液L2の体積の膨張及び収縮を吸収することができる。
流量センサ280は、導管C3cと導管C3dとの間に液密に取付けられている。流量センサ280は冷却液L2の流量を検知することができる。
上記のようにクーラユニット200が形成されている。ソケット8cは導管C3aの端部に液密に取付けられ筐体290の外部に露出している。また、ソケット8dは導管C3dの端部に液密に取付けられ筐体290の外部に露出している。
上記のようにクーラユニット200が形成されている。ソケット8cは導管C3aの端部に液密に取付けられ筐体290の外部に露出している。また、ソケット8dは導管C3dの端部に液密に取付けられ筐体290の外部に露出している。
導管C2a、C2bは、ハウジング20の外側に位置している。導管C2a、C2bは、導管C1とクーラユニット200とを連通している。導管C2a、C2bは、導管C1及びクーラユニット200とともに冷却液L2の循環流路を形成している。
冷却液L2は、循環流路(導管C1、導管C2a、C2b及びクーラユニット200)に収容されている。冷却液L2には、冷却液L1の熱が導管C1を介して伝達される。この実施形態において、冷却液L2は水系冷却液である。
X線管装置は、着脱自在な連結器を備えている。導管C2a、C2bは、導管C1及びクーラユニット200の少なくとも一方に上記連結器を介して着脱自在に連結されている。この実施形態において、X線管装置は、着脱自在な連結器としてのカプラ7a、7b、7c、7dを備えている。
カプラ7aは、導管C1の一端部に液密に取付けられたソケット8aと、導管C2aに液密に取付けられたプラグ9aとで形成されている。カプラ7bは、導管C1の他端部に液密に取付けられたソケット8bと、導管C2bに液密に取付けられたプラグ9bとで形成されている。
カプラ7cは、ソケット8cと、導管C2aに液密に取付けられたプラグ9cとで形成されている。カプラ7dは、ソケット8dと、導管C2bに液密に取付けられたプラグ9dとで形成されている。
上記のように構成された第3の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第1の実施形態と同様に構成され、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記第1の実施形態では大気開放タイプの空冷型のクーラユニット200を使用したが、本実施形態のように冷却液L2の容積の熱膨張及び収縮を吸収するベローズ機構を有する密閉タイプの空冷型のクーラユニット200を使用することができる。その場合、クーラユニット200を重力方向に対して任意の姿勢にしても、クーラユニット200を正常に使用することができる。冷却液L2の漏洩を防止することができ、冷却液L2を正常に循環させることができる。例えば、CT装置やCアーム装置のように装置の可動部(架台)にX線管装置の本体(ハウジング20等)とともにクーラユニット200も搭載して使用することが可能となる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、比較例1の回転陽極型X線管装置について説明する。
図12に示すように、比較例1のX線管装置は、上述した実施形態に係るX線管装置と比較し、大まかに絶縁部材6a、循環ユニット23及び導管C1無しに形成されている。
図12に示すように、比較例1のX線管装置は、上述した実施形態に係るX線管装置と比較し、大まかに絶縁部材6a、循環ユニット23及び導管C1無しに形成されている。
X線遮蔽体6bは、ハウジング20に鉛板を内貼りすることにより形成されている。このため、比較例1では、鉛(X線遮蔽材料)の使用量の低減を図ることができない問題や、製造コストの低減を図ることができない問題を有している。
X線管装置は、空冷型のクーラユニット200を備えている。クーラユニット200は、筐体201、循環ポンプ202、及び熱交換器(空冷ラジエータ203及びファン204)を有している。ハウジング20と循環ポンプ202とは、導管211及び筐体201内の導管205を介して連結されている。循環ポンプ202と空冷ラジエータ203とは、筐体201内の導管206を介して連結されている。空冷ラジエータ203とハウジング20とは、筐体201内の導管207及び導管212を介して連結されている。
ハウジング20内に収容される冷却液L1は、クーラユニット200にも収容されている。この比較例1において冷却液L1は絶縁油であるため、クーラユニット200は、絶縁油の熱を放出し、絶縁油を循環させる。
この比較例1のように、X線管装置の電気絶縁性を考慮すると、冷却液L1に熱伝達率の高い水系冷却液を使用することができない場合がある。この場合、上述した実施形態と比べて冷却液L1の冷却性能の向上を図り難い問題が生じ得る。
上記のことから、比較例1では、安全性の向上及び製造コストの低減をそれぞれ図ることができ、X線管30の冷却性能に優れ、製造歩留まりが高いX線管装置を得ることはできないものである。
次に、比較例2の回転陽極型X線管装置について説明する。
図13に示すように、X線管装置は、X線管30と、ハウジング20と、冷却液L1と、導管221と、循環ポンプ220と、熱交換器230と、導管223、と、冷却液L2と、循環ポンプ240と、熱交換器260と、タンク270と、流量センサ280と、筐体290とを備えている。熱交換器260は、ラジエータ261及びファンユニット262を有している。
図13に示すように、X線管装置は、X線管30と、ハウジング20と、冷却液L1と、導管221と、循環ポンプ220と、熱交換器230と、導管223、と、冷却液L2と、循環ポンプ240と、熱交換器260と、タンク270と、流量センサ280と、筐体290とを備えている。熱交換器260は、ラジエータ261及びファンユニット262を有している。
X線管装置は、水冷型のクーラユニット200を備えている。熱交換器230は、導管221及び導管222を有している。熱交換器230は、例えば、プレート式の熱交換器である。熱交換器230は、冷却液L1の熱を冷却液L2に伝達させる。このため、冷却液L1はX線管30を冷却する一次冷却液であり、冷却液L2は冷却液L1(一次冷却液)を冷却する二次冷却液である。
しかしながら、比較例2ではX線管装置に2個の熱交換器230、260を設ける必要がある。熱交換器230はハウジング20の外側に位置している。熱交換器230は一定以上の容積を有する必要がある。なお、熱交換器230の性能を高めるには、熱交換器230のサイズを大きくする必要がある。上記のように、熱交換器230は一定以上の容積を有する必要があるため、コンパクトなX線装置を実現することは困難となる。
上記のことから、比較例2では、X線管30の冷却性能に優れたX線管装置を得ることはできるものの、小型化を図ることができるX線管装置を得ることはできないものである。
上記のことから、比較例2では、X線管30の冷却性能に優れたX線管装置を得ることはできるものの、小型化を図ることができるX線管装置を得ることはできないものである。
次に、第4の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。
まず、本実施形態の基本構想について説明する。
一般的に、X線管30の軸受け3に玉軸受けが使用されている。軸受け3に玉軸受けを使用することにより、X線管30の製造コストの高騰を抑制できるためである。しかしながら、上記のような玉軸受けを使用すると、陽極ターゲット35などが回転する際のX線管30の騒音が大きくなる問題がある。例えば、診断において、上記騒音は大きな障害となる。特に、X線管装置を用いる循環器診断装置を使って手術中にX線透視をするような場合に問題となる。
そこで、X線管30の軸受け3に、比較的、騒音の小さいすべり軸受けを使用することが考えられる。しかしながら、すべり軸受けを使用すると、X線管30の製造コストの高騰を招くことになる。このため、安価にX線管装置を提供するためには、すべり軸受けの採用が困難な場合がある。
まず、本実施形態の基本構想について説明する。
一般的に、X線管30の軸受け3に玉軸受けが使用されている。軸受け3に玉軸受けを使用することにより、X線管30の製造コストの高騰を抑制できるためである。しかしながら、上記のような玉軸受けを使用すると、陽極ターゲット35などが回転する際のX線管30の騒音が大きくなる問題がある。例えば、診断において、上記騒音は大きな障害となる。特に、X線管装置を用いる循環器診断装置を使って手術中にX線透視をするような場合に問題となる。
そこで、X線管30の軸受け3に、比較的、騒音の小さいすべり軸受けを使用することが考えられる。しかしながら、すべり軸受けを使用すると、X線管30の製造コストの高騰を招くことになる。このため、安価にX線管装置を提供するためには、すべり軸受けの採用が困難な場合がある。
本実施形態においては、かかる問題を解決することにより、安価に、騒音を低減することのできるX線管装置を得ることができるものである。概要を説明すると、上述した実施形態と同様に冷却液L1の熱を冷却液L2に伝達してハウジング20の温度を低下させる機構を採用し、ハウジング20の外表面に比較的安価な防音機構を配置し、X線管の騒音を低減することである。なお、ハウジング20の外表面の温度が高いと、ハウジング20の外表面には、高耐熱性を有する防音機構、すなわち高価な防音機構を配置する必要があり、安価に騒音を低減することのできるX線管装置を得ることは困難なものである。
次に、上記課題を解決するための手段及び手法について説明する。図14は、第4の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。この実施形態において、上記第2の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図14に示すように、第4の実施形態に係るX線管装置は、上記第2の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第2の実施形態と比較して防音部材SPをさらに備えている点で相違している。防音部材SPは、X線管30の回転にともなう騒音を低減するものである。防音部材SPは、第1部材FIと、第2部材SEとを備えている。防音部材SPは、少なくとも第1部材FIを備えていればよい。また、防音部材SPは、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に配置されていればよい。本実施形態において、防音部材SPは、第1部材FIと、第2部材SEとを備えている。また、防音部材SPは、ハウジング本体20eの外周面と、蓋部20fの外面と、蓋部20hの外面と、に配置されている。
図14に示すように、第4の実施形態に係るX線管装置は、上記第2の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第2の実施形態と比較して防音部材SPをさらに備えている点で相違している。防音部材SPは、X線管30の回転にともなう騒音を低減するものである。防音部材SPは、第1部材FIと、第2部材SEとを備えている。防音部材SPは、少なくとも第1部材FIを備えていればよい。また、防音部材SPは、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に配置されていればよい。本実施形態において、防音部材SPは、第1部材FIと、第2部材SEとを備えている。また、防音部材SPは、ハウジング本体20eの外周面と、蓋部20fの外面と、蓋部20hの外面と、に配置されている。
ハウジング本体20eの外周面には、防音部材SP1が配置されている。防音部材SP1は、第1部材FI1と、第2部材SE1とを備えている。防音部材SP1は、筒状に形成され、X線放射窓20w、筒部20a及び筒部20cにそれぞれ対応した開口を有している。防音部材SP1は、例えばハウジング本体20eの外周面の全域に対向配置されている。防音部材SP1は、接着剤AD1によりハウジング本体20eの外周面に接着されている。第2部材SE1は、全域にわたって第1部材FI1に重なっている。第2部材SE1は、第1部材FI1のハウジング本体20eと対向する側とは反対側に位置している。
蓋部20fの外面には、防音部材SP2が配置されている。防音部材SP2は、第1部材FI2と、第2部材SE2とを備えている。防音部材SP2は、板状(例えば、円板状)に形成されている。防音部材SP2は、例えば蓋部20fの外面の一部に対向配置されている。防音部材SP2は、接着剤AD2により蓋部20fの外面に接着されている。第2部材SE2は、全域にわたって第1部材FI2に重なっている。第2部材SE2は、第1部材FI2の蓋部20fと対向する側とは反対側に位置している。
蓋部20hの外面には、防音部材SP3が配置されている。防音部材SP3は、第1部材FI3と、第2部材SE3とを備えている。防音部材SP3は、板状(例えば、円板状)に形成され、通気孔20mに対応した通気孔を有している。防音部材SP3は、例えば蓋部20hの外面の一部に対向配置されている。防音部材SP3は、接着剤AD3により蓋部20hの外面に接着されている。第2部材SE3は、全域にわたって第1部材FI3に重なっている。第2部材SE3は、第1部材FI3の蓋部20hと対向する側とは反対側に位置している。
第1部材FI(FI1,FI2,FI3)は、例えば、少なくとも回転陽極型X線管30が稼動することにより発生するハウジング20の振動を抑える制振材で形成することができる。ここで、制振材による防音のメカニズムを説明する。X線管30(回転体)からハウジング20に伝搬した振動は制振材のせん断変形を引き起こし、振動エネルギの一部が制振材中の摩擦や粘性抵抗によって熱エネルギに変換される。これにより、振動が制振材によって吸収され、外部空気の振動発生、すなわち音の発生を抑えることができる。
第1部材FI(FI1,FI2,FI3)を制振材で形成した場合、第2部材SE(SE1,SE2,SE3)を拘束材で形成することができる。拘束材である第2部材SEは制振材である第1部材FIの表面に貼り付けられている。
上記制振材は、例えば、制振樹脂、ゴム、アスファルト、軟質ポリウレタン、シリコーンゲル、及びエラストマーのうち少なくとも1つを含む高分子樹脂で形成される。上記制振樹脂としては、塩素化ポリエチレン樹脂などを挙げることができる。上記ゴムとしては、NBR(ニトリルゴム)などを挙げることができる。一方、上記拘束材は、例えば、金属又は樹脂で形成される。
上記防音部材SP(SP1,SP2,SP3)としては、積水化学工業(株)のカルムーンシート、ニチアス(株)のメタラミネ、イノアック(株)のカームフレックスRシリーズを利用することができる。上記カルムーンシートは、塩素化ポリエチレン樹脂のシートと金属シートとが一体化したシートである。上記メタラミネは、NBRを金属板で挟んだシートである。
第1部材FI(FI1,FI2,FI3)を制振材で形成した場合、第2部材SE(SE1,SE2,SE3)を拘束材で形成することができる。拘束材である第2部材SEは制振材である第1部材FIの表面に貼り付けられている。
上記制振材は、例えば、制振樹脂、ゴム、アスファルト、軟質ポリウレタン、シリコーンゲル、及びエラストマーのうち少なくとも1つを含む高分子樹脂で形成される。上記制振樹脂としては、塩素化ポリエチレン樹脂などを挙げることができる。上記ゴムとしては、NBR(ニトリルゴム)などを挙げることができる。一方、上記拘束材は、例えば、金属又は樹脂で形成される。
上記防音部材SP(SP1,SP2,SP3)としては、積水化学工業(株)のカルムーンシート、ニチアス(株)のメタラミネ、イノアック(株)のカームフレックスRシリーズを利用することができる。上記カルムーンシートは、塩素化ポリエチレン樹脂のシートと金属シートとが一体化したシートである。上記メタラミネは、NBRを金属板で挟んだシートである。
本実施形態において、防音部材SP(SP1,SP2,SP3)は、制振材で形成された第1部材FI(FI1,FI2,FI3)と、拘束材で形成された第2部材SE(SE1,SE2,SE3)と、を備えている。詳しくは、防音部材SP(SP1,SP2,SP3)は、カルムーンシート(品番:305K03S)を使用している。第1部材FI(FI1,FI2,FI3)は、塩素化ポリエチレン樹脂からなる制振樹脂で形成されている。第2部材SE(SE1,SE2,SE3)は、防錆処理が施された鋼板で形成されている。なお、冷却液L1は絶縁油であり、冷却液L2は、水又はプロピレングリコール水溶液である。また、本実施形態において、絶縁部材6a(シェル)無しに回転陽極型X線管装置が構成されていてもよい。
上記のように構成された第4の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第2の実施形態と同様に構成され、上記第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
冷却液L1はハウジング20内にて冷却液L2により冷却されるため、冷却液L1の温度を低下させることができる。このため、本実施形態のハウジング20の外表面の温度を、冷却液L1を冷却しない場合と比較して、低下させることができる。また、本実施形態において、導管C1(冷却液L2の流路)はハウジング20に接しているため、ハウジング20を冷却液L1を介すること無しに冷却液L2にて冷却することができ、ハウジング20の外表面の温度を、一層、低下させることができる。これにより、上述したように、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SP(SP1,SP2,SP3)を配置することにより、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることが可能となる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
冷却液L1はハウジング20内にて冷却液L2により冷却されるため、冷却液L1の温度を低下させることができる。このため、本実施形態のハウジング20の外表面の温度を、冷却液L1を冷却しない場合と比較して、低下させることができる。また、本実施形態において、導管C1(冷却液L2の流路)はハウジング20に接しているため、ハウジング20を冷却液L1を介すること無しに冷却液L2にて冷却することができ、ハウジング20の外表面の温度を、一層、低下させることができる。これにより、上述したように、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SP(SP1,SP2,SP3)を配置することにより、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることが可能となる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、第5の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。
図15は、第5の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。この実施形態において、上記第4の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図15に示すように、第5の実施形態に係るX線管装置は、上記第4の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第4の実施形態と比較して、接着剤AD1の替わりに固定部材としてのタイバンドTを利用し、導管C1をハウジング20自体に形成している点で相違している。
図15は、第5の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。この実施形態において、上記第4の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図15に示すように、第5の実施形態に係るX線管装置は、上記第4の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第4の実施形態と比較して、接着剤AD1の替わりに固定部材としてのタイバンドTを利用し、導管C1をハウジング20自体に形成している点で相違している。
本実施形態において、防音部材SP1は、カルムーンシートで形成されている。防音部材SP1は、第1部材FI1の制振樹脂の粘着性を利用し、ハウジング本体20eの外周面に貼り付けられている。
タイバンドTは、ハウジング本体20eに対する防音部材SP1の粘着を補強するものである。タイバンドTは、防音部材SP1の外周に全体にわたって設けられ、防音部材SP1をハウジング本体20eに締め付けて、固定している。本実施形態において、防音部材SP1は、互いに間隔を置いて設けられた複数個のタイバンドTによりハウジング本体20eに固定されている。
導管C1は、ハウジング本体20e自体に形成され、ハウジング本体20eの壁の内部に形成されている。このような導管C1を有するハウジング本体20eは、例えば、鋳造により形成することができる。鋳造する際、導管C1を鋳型に配置した後、鋳型にモールド材を注入するなどすればよい。モールド材としては、例えば溶融アルミ合金を利用することができる。導管C1は、例えば金属パイプとして、銅製のパイプで形成されている。導管C1を形成する材料としては、その融点が、モールド材の融点よりも高くなるように選定される。
本実施形態において、防音部材SP(SP1,SP2,SP3)は、上記第4の実施形態と同様に形成されている。なお、冷却液L1は絶縁油であり、冷却液L2は、水又はプロピレングリコール水溶液である。また、本実施形態において、絶縁部材6a(シェル)無しに回転陽極型X線管装置が構成されていてもよい。
上記のように構成された第5の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第4の実施形態と同様に構成され、上記第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
導管C1(冷却液L2の流路)はハウジング本体20e自体に形成されているため、上記第4の実施形態と比較して、ハウジング本体20eの外表面の温度を、より効果的に低下させることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
導管C1(冷却液L2の流路)はハウジング本体20e自体に形成されているため、上記第4の実施形態と比較して、ハウジング本体20eの外表面の温度を、より効果的に低下させることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、第6の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。
図16は、第6の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。この実施形態において、上記第1の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図16に示すように、第6の実施形態に係るX線管装置は、上記第1の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第1の実施形態と比較して、防音部材SPをさらに備えている点で相違している。
図16は、第6の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。この実施形態において、上記第1の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図16に示すように、第6の実施形態に係るX線管装置は、上記第1の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第1の実施形態と比較して、防音部材SPをさらに備えている点で相違している。
本実施形態において、防音部材SP(SP1,SP2,SP3)は、上記第4の実施形態と同様に形成されている。但し、防音部材SP1は、導管C1の通路として機能する開口をさらに有している。防音部材SP(SP1,SP2,SP3)は、接着剤AD(AD1,AD2,AD3)によりハウジング20に接着されている。なお、冷却液L1は絶縁油であり、冷却液L2は、水又はプロピレングリコール水溶液である。また、本実施形態において、絶縁部材6a(シェル)無しに回転陽極型X線管装置が構成されていてもよい。
上記のように構成された第6の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第1の実施形態と同様に構成され、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においても、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SP(SP1,SP2,SP3)が配置されているため、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
また、本実施形態においても、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SP(SP1,SP2,SP3)が配置されているため、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、第7の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。
図17は、第7の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す斜視図である。図18は、図17に示した上記回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。この実施形態において、上記第2の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17及び図18に示すように、第7の実施形態に係るX線管装置は、上記第2の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第2の実施形態と比較して、防音部材SPをさらに備えている点で相違している。防音部材SPは、X線管30の回転にともなう騒音を低減するものである。防音部材SPは、第1部材FIと、第2部材SEとを備えている。防音部材SPは、少なくとも第1部材FIを備えていればよい。また、防音部材SPは、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に配置されていればよい。本実施形態において、防音部材SPは、第1部材FI1,FI2,FI3,FI4,FI5と、第2部材SEと、を備えている。また、防音部材SPは、ハウジング本体20eの外周面と、蓋部20fの外面と、蓋部20hの外面と、に配置されている。
図17は、第7の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す斜視図である。図18は、図17に示した上記回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。この実施形態において、上記第2の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17及び図18に示すように、第7の実施形態に係るX線管装置は、上記第2の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第2の実施形態と比較して、防音部材SPをさらに備えている点で相違している。防音部材SPは、X線管30の回転にともなう騒音を低減するものである。防音部材SPは、第1部材FIと、第2部材SEとを備えている。防音部材SPは、少なくとも第1部材FIを備えていればよい。また、防音部材SPは、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に配置されていればよい。本実施形態において、防音部材SPは、第1部材FI1,FI2,FI3,FI4,FI5と、第2部材SEと、を備えている。また、防音部材SPは、ハウジング本体20eの外周面と、蓋部20fの外面と、蓋部20hの外面と、に配置されている。
第2部材SEは、シェルとして機能している。第2部材SEは、ハウジング20に対応した形状を有し、ハウジング20を取囲んでいる。第2部材SEは、X線放射窓20w、筒部20a、筒部20c及び後述する取付部11にそれぞれ対応した開口を有している。第2部材SEは、複数の分割部で形成されている。例えば、上記複数の分割部は、管軸に垂直な方向に分離される。この実施形態において、第2部材SEは、第1分割部SEa及び第2分割部SEbで形成されている。第1分割部SEa及び第2分割部SEbを組み合わせることにより、容易に第2部材SE(シェル)を形成することができる。
ハウジング本体20eの外周面には、複数の第1部材FI1が配置されている。各第1部材FI1は、ハウジング本体20eの外周面と、第2部材SEとの間に位置している。蓋部20fの外面には、第1部材FI2が配置されている。第1部材FI2は、蓋部20fの外面と、第2部材SEとの間に位置している。蓋部20hの外面には、第1部材FI3が配置されている。第1部材FI3は、蓋部20hの外面と、第2部材SEとの間に位置している。筒部20aの外面には、第1部材FI4が配置されている。第1部材FI4は、筒部20aの外面と、第2部材SEとの間に位置している。筒部20cの外面には、第1部材FI5が配置されている。第1部材FI5は、筒部20cの外面と、第2部材SEとの間に位置している。
第1部材FI(FI1,FI2,FI3,FI4,FI5)は、例えば、少なくとも回転陽極型X線管30が稼動することにより発生する音を吸収する吸音材で形成することができる。ここで、吸音材による防音のメカニズムを説明する。骨格部分とその間の空隙から構成される材料に音が入射すると、音波は空隙中で骨格部分の周壁との摩擦や粘性抵抗、さらに骨格の振動などによって、エネルギの一部が熱エネルギに変換されることで、音のエネルギを低減することができる。
第1部材FI(FI1,FI2,FI3,FI4,FI5)を吸音材で形成した場合、第2部材SEを遮音材で形成することができる。遮音材である第2部材SEは吸音材である第1部材FIの表面に配置されている。
上記吸音材は、例えば、弾性変形する多孔質材、又は不織布から成る多孔質材で形成される。上記弾性変形する多孔質材としては、グラスウール、ロックウールなどを挙げることができる。上記不織布から成る多孔質材としては、フェルト、ウレタンフォームなどを挙げることができる。一方、上記遮音材は、例えば、金属又は樹脂で形成される。
上記防音部材SPとしては、イノアック(株)のカームフレックスFシリーズ、ニチアス(株)のエアトーン、昭和電線デバイステクノロジー(株)の低周波吸音板(型番R25,25R25,F25V,25F25V)を利用することができる。上記カームフレックスFシリーズは、ウレタンフォーム吸音材を利用している。上記エアトーンは、熱可塑性多孔質樹脂(PET)からなる吸音層と、ポリエステル不織不からなる遮音層が積層して形成されている。上記低周波吸音板は、低周波の吸音特性を向上させるため、多孔質吸音材に特殊な皮膜付発泡体層を積層させて形成されている。
第1部材FI(FI1,FI2,FI3,FI4,FI5)を吸音材で形成した場合、第2部材SEを遮音材で形成することができる。遮音材である第2部材SEは吸音材である第1部材FIの表面に配置されている。
上記吸音材は、例えば、弾性変形する多孔質材、又は不織布から成る多孔質材で形成される。上記弾性変形する多孔質材としては、グラスウール、ロックウールなどを挙げることができる。上記不織布から成る多孔質材としては、フェルト、ウレタンフォームなどを挙げることができる。一方、上記遮音材は、例えば、金属又は樹脂で形成される。
上記防音部材SPとしては、イノアック(株)のカームフレックスFシリーズ、ニチアス(株)のエアトーン、昭和電線デバイステクノロジー(株)の低周波吸音板(型番R25,25R25,F25V,25F25V)を利用することができる。上記カームフレックスFシリーズは、ウレタンフォーム吸音材を利用している。上記エアトーンは、熱可塑性多孔質樹脂(PET)からなる吸音層と、ポリエステル不織不からなる遮音層が積層して形成されている。上記低周波吸音板は、低周波の吸音特性を向上させるため、多孔質吸音材に特殊な皮膜付発泡体層を積層させて形成されている。
本実施形態において、第1部材FIは、ウレタンフォームを利用して形成されている。
ウレタンフォームを利用した第1部材FIは、ハウジング20と第2部材SE(シェル)との隙間に多少圧縮されて配置される。このため、X線管装置の使用時に、ハウジング20に対する第1部材FIの相対的な位置ずれを生じる恐れは少ない。すなわち、第1部材FIは、ハウジング20又は第2部材SEに接着させなくともよい。但し、組立作業性をよくするため、ハウジング20の外表面又は第2部材SEの内面に、予めウレタンフォームを接着剤にて接着しておいてもよい。
また、防音部材SPは、互いに間隔を置いて設けられた複数個のタイバンドTによりハウジング20に固定されている。X線管装置は、取付部11を有している。取付部11は、取り付け用支持部材12によりハウジング20に固定されている。例えば、X線管装置をCT装置に搭載する場合、CT装置の回転架台に取付部11を取り付けることができる。
X線放射窓20wの近傍において、ハウジング20と第2部材SEとの間には弾性部材13が配置されている。取付部11と第2部材SEとの間には弾性部材14が配置されている。弾性部材13,14には、ゴムやウレタンフォーム等の弾性樹脂を利用することができる。弾性部材13,14は、第1部材FIに使用する吸音材にて形成されていてもよい。弾性部材13はハウジング20と第2部材SEとの隙間からの音漏れを抑制することができ、弾性部材14は取付部11と第2部材SEとの隙間からの音漏れを抑制することができる。このため、弾性部材13,14は、防音部材SPとともにX線管30の回転にともなう騒音を低減することができる。
図19に示すように、本実施形態において、ハウジング20に取付部11及び防音部材SPを取り付ける手法の一例を示すと、まず、取り付け用支持部材12を用いて取付部11をハウジング20に固定する。
図20に示すように、続いて、ハウジング20の外表面に第1部材FI1,FI2,FI3,FI4,FI5をそれぞれ接着する。その後、ハウジング20に弾性部材13を接着し、取付部11に弾性部材14を接着する。
図17及び図18に示すように、次いで、ハウジング20及び第1部材FIを第1分割部SEaと第2分割部SEbとで取囲み、タイバンドTにより第1分割部SEa及び第2分割部SEbを固定する。
図20に示すように、続いて、ハウジング20の外表面に第1部材FI1,FI2,FI3,FI4,FI5をそれぞれ接着する。その後、ハウジング20に弾性部材13を接着し、取付部11に弾性部材14を接着する。
図17及び図18に示すように、次いで、ハウジング20及び第1部材FIを第1分割部SEaと第2分割部SEbとで取囲み、タイバンドTにより第1分割部SEa及び第2分割部SEbを固定する。
上記のように構成された第7の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第2の実施形態と同様に構成され、上記第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
第7の実施形態においても、ハウジング20の外表面の温度を、一層、低下させることができるため、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SPを配置することにより、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることが可能となる。なお、防音部材SPは、第1部材FI1,FI2,FI3,FI4,FI5を全て備えている方が騒音の低減に望ましいが、第1部材FI1,FI2,FI3,FI4,FI5の少なくとも1つの第1部材を備えていればよく、これにより、騒音の低減に寄与することができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
第7の実施形態においても、ハウジング20の外表面の温度を、一層、低下させることができるため、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SPを配置することにより、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることが可能となる。なお、防音部材SPは、第1部材FI1,FI2,FI3,FI4,FI5を全て備えている方が騒音の低減に望ましいが、第1部材FI1,FI2,FI3,FI4,FI5の少なくとも1つの第1部材を備えていればよく、これにより、騒音の低減に寄与することができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、第8の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。
図21は、第8の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す斜視図である。図22は、図21に示した上記回転陽極型X線管装置の一部を示す分解斜視図である。この実施形態において、上記第7の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図21及び図22に示すように、第8の実施形態に係るX線管装置は、上記第7の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第7の実施形態と比較して、取付部11が第2部材SEに固定され、X線放射窓20wが取付部11と対向している点で相違している。取付部11は、防音部材SPの外側に位置し、第2分割部SEbに固定されている。取付部11は、X線放射窓20wに対応した開口を有している。
図21は、第8の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す斜視図である。図22は、図21に示した上記回転陽極型X線管装置の一部を示す分解斜視図である。この実施形態において、上記第7の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図21及び図22に示すように、第8の実施形態に係るX線管装置は、上記第7の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第7の実施形態と比較して、取付部11が第2部材SEに固定され、X線放射窓20wが取付部11と対向している点で相違している。取付部11は、防音部材SPの外側に位置し、第2分割部SEbに固定されている。取付部11は、X線放射窓20wに対応した開口を有している。
上記のように構成された第8の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第7の実施形態と同様に構成され、上記第7の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においても、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SPが配置されているため、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
また、本実施形態においても、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SPが配置されているため、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、第9の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。
図23は、第9の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。この実施形態において、上記第5の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図23に示すように、第9の実施形態に係るX線管装置は、上記第5の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第5の実施形態と比較して、防音部材SP無しに形成されている点で相違している。
図23は、第9の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す断面図である。この実施形態において、上記第5の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図23に示すように、第9の実施形態に係るX線管装置は、上記第5の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第5の実施形態と比較して、防音部材SP無しに形成されている点で相違している。
上記のように構成された第9の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第5の実施形態と同様に構成されている。このため、第9の実施形態に係る回転陽極型X線管装置は、防音部材SPに関する効果以外、上記第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、第10の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。
図24は、第10の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す正面図である。図25は、上記第10の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。図26は、図25の線XXVI−XXVIに沿った上記回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。この実施形態において、上記第2の実施形態の変形例(図10)と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図24、図25及び図26に示すように、第10の実施形態に係るX線管装置は、上記第2の実施形態に係るX線管装置の変形例と同様に形成されているが、上記第2の実施形態の変形例と比較して、以下の点で相違している。
図24は、第10の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す正面図である。図25は、上記第10の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。図26は、図25の線XXVI−XXVIに沿った上記回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。この実施形態において、上記第2の実施形態の変形例(図10)と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図24、図25及び図26に示すように、第10の実施形態に係るX線管装置は、上記第2の実施形態に係るX線管装置の変形例と同様に形成されているが、上記第2の実施形態の変形例と比較して、以下の点で相違している。
ハウジング20は、蓋部20f、20g、20h及び筒部20a、20c無しに閉塞して形成されている。X線管装置は、リセプタクル300、400無しに形成されている。ハウジング20は、分断された2つの分割部20p、20rを有している。分割部20p及び分割部20rは、管軸に垂直な方向に分離される。分割部20pは、開口端の外縁側に枠部20qを有している。分割部20rは、開口端の外縁側に枠部20sを有している。枠部20sは、枠部20qに対向した側に形成された枠状の溝部を有している。
分割部20p、20rは、枠部20q、20sが対向するよう接触され、締め具としてのねじ20tにより締め付けられている。枠部20q及び枠部20s間の隙間は、上記溝部に設けられた枠状のOリングにより液密にシールされている。上記Oリングは、ハウジング20外部への冷却液L1の漏れを防止する機能を有している。
固定部材90自体は、ゴム部材92を利用してハウジング20の枠部材20vに固定されている。例えば、枠部材20vは、分割部20rの内面に固定され、固定部材90を囲むように形成されている。
X線遮蔽部550は、筒部551と、板部552とを備えている。板部552は、例えば円板であり、X線遮蔽部520に間隔を置いて対向している。筒部551は、X線遮蔽部520と板部552との間に位置し、X線遮蔽部520と板部552とを接合している。ここでは、筒部551と板部552とは、ねじ締結されている。筒部551には、複数の貫通孔が形成されている。上記複数の貫通孔は、高電圧ケーブル71の通る通路や、冷却液L1の流路に利用されている。X線遮蔽部550は、貫通孔90aからのX線の漏洩を防止している。
X線管装置は、高電圧ユニットとしての高電圧発生器80をさらに備えている。高電圧発生器80は、X線管30などとともにハウジング20内に収容され、冷却液L1に浸っている。このようなX線管装置はモノブロックと呼ばれている。高電圧発生器80は、X線管30に高電圧を与える。高電圧発生器80の一次電圧供給端子81は、ハウジング20の開口を通ってハウジング20の外側まで延出している。なお、上記開口はシール部材Sにより液密に閉塞されている。高電圧ケーブル61は高電圧発生器80の陽極用の出力端子に接続され、高電圧ケーブル71は高電圧発生器80の陰極用の出力端子に接続されている。
上記のように構成された第10の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第2の実施形態の変形例と同様に構成されている。このため、第10の実施形態に係る回転陽極型X線管装置は、上記第2の実施形態の変形例と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、第11の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。
図27は、第11の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す正面図である。図28は、上記第11の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。図29は、図28の線XXIX−XXIXに沿った上記回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。この実施形態において、上記第10の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図27、図28及び図29に示すように、第11の実施形態に係るX線管装置は、上記第10の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第10の実施形態と比較して、以下の点で相違している。
図27は、第11の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す正面図である。図28は、上記第11の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。図29は、図28の線XXIX−XXIXに沿った上記回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。この実施形態において、上記第10の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図27、図28及び図29に示すように、第11の実施形態に係るX線管装置は、上記第10の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第10の実施形態と比較して、以下の点で相違している。
ハウジング20は、分断された2つの分割部20x、20yを有している。分割部20x及び分割部20yは、管軸に沿った方向に分離される。本実施形態において、分割部20xは開口を有した容器であり、分割部20yは上記容器の開口を閉塞する蓋部である。分割部20xは、分割部20yに対向した側に形成された枠状の溝部を有している。
分割部20xには取付部20zが固定されている。例えば、X線管装置をCT装置に搭載する場合、CT装置の回転架台に取付部20zを取り付けることができる。
分割部20yは、分割部20xに、接触し、ねじ20tにより締め付けられている。分割部20x及び分割部20y間の隙間は、上記溝部に設けられた枠状のOリングにより液密にシールされている。
導管C1は、ハウジング20自体に形成されている。導管C1は、分割部20x自体に形成され、分割部20xの壁の内部に形成されている。このような導管C1を有する分割部20xは、例えば、鋳造により形成することができる。
上記のように構成された第11の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第10の実施形態と同様に構成されている。このため、第11の実施形態に係る回転陽極型X線管装置は、上記第10の実施形態と同様の効果を得ることができる。
導管C1(冷却液L2の流路)は分割部20x自体に形成されているため、上記第10の実施形態と比較して、ハウジング20の外表面の温度を、より効果的に低下させることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
導管C1(冷却液L2の流路)は分割部20x自体に形成されているため、上記第10の実施形態と比較して、ハウジング20の外表面の温度を、より効果的に低下させることができる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
次に、第12の実施形態に係る回転陽極型のX線管装置について説明する。
図30は、第12の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。図31は、図30の線XXXI−XXXIに沿った上記回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。この実施形態において、上記第11の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図30は、第12の実施形態に係る回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。図31は、図30の線XXXI−XXXIに沿った上記回転陽極型X線管装置の一部を示す側面図である。この実施形態において、上記第11の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図30及び図31に示すように、第12の実施形態に係るX線管装置は、上記第11の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されているが、上記第11の実施形態と比較して防音部材SPをさらに備えている点で相違している。防音部材SPは、少なくとも第1部材FIを備えていればよい。また、防音部材SPは、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に配置されていればよい。本実施形態において、防音部材SPは、第1部材FIと、第2部材SEとを備えている。また、防音部材SPは、分割部20xの外周面に配置されている。
分割部20xの外周面には、防音部材SPが配置されている。防音部材SPは、第1部材FIと、第2部材SEとを備えている。防音部材SPは、枠状に形成され、X線放射窓20w及び取付部20zにそれぞれ対応した開口を有している。防音部材SPは、例えば管軸に垂直な方向において分割部20xの外周面の全域に対向配置されている。防音部材SPは、接着剤ADにより分割部20xの外周面に接着されている。第2部材SEは、全域にわたって第1部材FIに重なっている。第2部材SEは、第1部材FIの分割部20xと対向する側とは反対側に位置している。本実施形態において、防音部材SPは、制振材で形成された第1部材FIと、拘束材で形成された第2部材SEと、を備えている。
上記のように構成された第12の実施形態に係る回転陽極型X線管装置によれば、X線管装置は、概ね上記第11の実施形態と同様に構成され、上記第11の実施形態と同様の効果を得ることができる。
冷却液L1はハウジング20内にて冷却液L2により冷却されるため、冷却液L1の温度を低下させることができる。このため、本実施形態のハウジング20の外表面の温度を、冷却液L1を冷却しない場合と比較して、低下させることができる。また、本実施形態において、導管C1(冷却液L2の流路)はハウジング20自体に形成されているため、ハウジング20を冷却液L1を介すること無しに冷却液L2にて冷却することができ、ハウジング20の外表面の温度を、一層、低下させることができる。これにより、上述したように、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SPを配置することにより、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることが可能となる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
冷却液L1はハウジング20内にて冷却液L2により冷却されるため、冷却液L1の温度を低下させることができる。このため、本実施形態のハウジング20の外表面の温度を、冷却液L1を冷却しない場合と比較して、低下させることができる。また、本実施形態において、導管C1(冷却液L2の流路)はハウジング20自体に形成されているため、ハウジング20を冷却液L1を介すること無しに冷却液L2にて冷却することができ、ハウジング20の外表面の温度を、一層、低下させることができる。これにより、上述したように、ハウジング20の外表面の少なくとも一部に防音部材SPを配置することにより、X線管30が発生する騒音を安価に低減させることが可能となる。
上記のことから、小型化及び安全性の向上をそれぞれ図ることができる、X線管30の冷却性能に優れた回転陽極型X線管装置を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述した実施形態において、循環ユニット23は、ハウジング20の内部に設けられているが、ハウジング20の外部に設けられていてもよい。また、X線管装置は循環ユニット23無しに形成されていてもよい。X線管ユニット5は冷却液L1に自然対流が生じ易いように形成されている。この場合であっても、上記自然対流により、冷却液L1から冷却液L2への熱伝達が促進されるため、循環ユニット23無しに、X線管30の局所過熱が生じ難いX線管装置を形成することも可能である。また、ハウジング20の近傍、又はハウジング20の壁部の内部には第2流路が形成されているため、ハウジング20の外表面の温度の低減を図ることができる。導管C1をハウジング20自体に形成しない構成においては、導管C1とシールド構造体6の外壁との間、又は導管C1とハウジング本体20eの内壁との間は、冷却液L1の自然対流による流れが生じるための十分な隙間(約0.2mm以上)が空いていた方が望ましい。そのようにするため、場合によっては、シールド構造体6の形状(外径)を真円から非真円に変化させてもよい。
各種の導管は、銅、アルミニウム、鉄、鉄合金、鋼等の金属で形成することができる。導管は、ゴム等、金属以外の材料で形成することもできる。但し、導管C1は、銅及びアルミニウム等の金属、その他の熱伝導率の高い材料で形成されている方が望ましい。
水系冷却液に接する導管の表面には、金メッキやニッケルメッキ等の金属メッキ、無機材料若しくは有機材料を用いたコーティングなどが施されていてもよい。
導管C1等の導管の形状及びサイズは、種々変形可能であり、任意の形状及びサイズに調整可能である。
水系冷却液に接する導管の表面には、金メッキやニッケルメッキ等の金属メッキ、無機材料若しくは有機材料を用いたコーティングなどが施されていてもよい。
導管C1等の導管の形状及びサイズは、種々変形可能であり、任意の形状及びサイズに調整可能である。
ハウジング20を金属で形成する場合、上述したアルミニウム以外の材料で形成されていてもよい。例えば、アルミやアルミ合金、マグネシウム合金、ステンレス、真鍮などの材料を選択することもできる。
上記ハウジング20や絶縁部材6aの電気的絶縁材は、機械的強度を増すために、更に、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維等の補強繊維を含有させても良い。
冷却液L1は、絶縁油に限定されるものではなく種々変形可能である。X線管装置の電気絶縁性が確保されている場合、上述したように、冷却液L1に水系冷却液を利用することも可能である。
冷却液L2は、水系冷却液に限定されるものではなく、種々変形可能であり、絶縁油等の絶縁性の冷却液を利用するものであってもよい。
冷却液L2は、水系冷却液に限定されるものではなく、種々変形可能であり、絶縁油等の絶縁性の冷却液を利用するものであってもよい。
X線管装置は、陽極ターゲット35及び陰極36にそれぞれ高電圧を印加する中性点接地型に限定されるものではなく、陽極接地型や、陰極接地型を採っていてもよい。
この発明の実施形態は、各種の回転陽極型X線管装置に適用することができる。
この発明の実施形態は、各種の回転陽極型X線管装置に適用することができる。
また、X線管装置は、回転陽極型X線管装置に限定されるものではなく、各種の固定陽極型X線管装置にも適用することができる。但し、固定陽極型X線管装置においては、必要に応じて防音部材SPを使用すればよい。
1…固定軸、2…回転体、4…高電圧絶縁部材、5…X線管ユニット、6…シールド構造体、6a…絶縁部材、6b…X線遮蔽体、6bh…貫通孔、7a,7b,7c,7d…カプラ、9…ステータコイル、20…ハウジング、20e…ハウジング本体、23…循環ユニット、30…X線管、31…真空外囲器、35…陽極ターゲット、36…陰極、80…高電圧発生器、200…クーラユニット、240…循環ポンプ、250…空盆、260…熱交換器、261…ラジエータ、262…ファンユニット、290…筐体、510…X線遮蔽部、520…X線遮蔽部、590…X線遮蔽部材、600…X線遮蔽体、L1,L2…冷却液、C1,C2a,C2b…導管、AD,AD1,AD2,AD3,B…接着剤、S…シール部材、a…軸線、R1…X線透過領域、R2…X線遮蔽領域、SP,SP1,SP2,SP3…防音部材、FI,FI1,FI2,FI3…第1部材、SE,SE1,SE2,SE3…第2部材。
Claims (29)
- 電子を放出する陰極と、X線を放出する陽極ターゲットと、前記陰極及び陽極ターゲットを収容した真空外囲器と、を有するX線管と、
前記X線管を収納するハウジングと、
前記X線管と前記ハウジングとの間の空間に充填され、前記X線管が発生する熱の少なくとも一部が伝達される第1冷却液と、
前記ハウジング自体に形成され又は前記ハウジング内に収納され、前記第1冷却液に対して液密に形成され、内部に前記ハウジングの外部から第2冷却液を導入可能である流路と、を備え、
前記流路の内部に前記第2冷却液が導入されることにより、前記流路及び第1冷却液は、前記第2冷却液とともに前記ハウジングの内部に液冷型の熱交換器を形成するX線管装置。 - 前記ハウジングの外側に位置したクーラユニットと、
前記ハウジングの外側に位置し、前記流路と前記クーラユニットとを連通し、前記流路及びクーラユニットとともに循環流路を形成した第2導管と、
前記循環流路に収容され、前記第1冷却液の熱が伝達される前記第2冷却液と、をさらに備え、
前記クーラユニットは、前記第2冷却液の熱を外部に放出する空冷型の熱交換器と、前記第2冷却液を前記流路と前記空冷型の熱交換器との間で循環させる循環ポンプと、を有している請求項1に記載のX線管装置。 - 前記第2冷却液は、水系冷却液である請求項2に記載のX線管装置。
- 着脱自在な連結器をさらに備え、
前記第2導管は、前記流路又はクーラユニットに前記連結器を介して着脱自在に連結されている請求項2に記載のX線管装置。 - 前記流路は、前記ハウジング内に収納され前記ハウジングに固定された第1導管を有している請求項1に記載のX線管装置。
- 前記流路は、前記ハウジング自体に形成され、前記ハウジングの壁の内部に形成された管部を有している請求項1に記載のX線管装置。
- 前記真空外囲器と前記ハウジングとの間に位置し、前記真空外囲器と前記ハウジングとにそれぞれ隙間を置いて設けられ、前記真空外囲器を取り囲むシェルを有し、前記第1冷却液の流れの少なくとも一部を形成する外周面を有する流路形成体をさらに備える請求項1に記載のX線管装置。
- 前記流路は、前記流路形成体と前記ハウジングとの間に位置し、前記流路形成体に固定された第1導管を有している請求項7に記載のX線管装置。
- 前記流路形成体は、前記シェルと前記ハウジングとの間に位置し前記シェルに密接又は近接する形状に形成されX線を透過させる貫通孔を有するX線遮蔽体をさらに有する請求項7に記載のX線管装置。
- 前記ハウジングは、導体で形成され、
前記X線遮蔽体は、前記ハウジングに電気的に接続されている請求項9に記載のX線管装置。 - 前記シェルは、電気絶縁部材である請求項7に記載のX線管装置。
- 前記流路形成体の外周面に沿って前記第1冷却液の流れの少なくとも一部を形成する循環ユニットをさらに備える請求項7に記載のX線管装置。
- 前記循環ユニットは、前記ハウジングの内部に設けられている請求項12に記載のX線管装置。
- 前記循環ユニットは、前記ハウジングの外部に設けられている請求項12に記載のX線管装置。
- 前記流路は、前記ハウジング内に収納され金属で形成された第1導管を有している請求項1に記載のX線管装置。
- 前記真空外囲器と前記ハウジングとの間に位置し、前記真空外囲器と前記ハウジングとにそれぞれ隙間を置いて設けられ、前記真空外囲器を取り囲むシェルを有し、前記第1冷却液の流れの少なくとも一部を形成する外周面を有する流路形成体をさらに備え、
前記X線管は、回転陽極型X線管であり、
前記シェルは、前記陽極ターゲット全体を取り囲み、前記陽極ターゲットの破片の運動エネルギを吸収する請求項1に記載のX線管装置。 - 前記X線管は、回転陽極型X線管である請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載のX線管装置。
- 前記ハウジングの外表面の少なくとも一部に配置された防音部材をさらに備える請求項17に記載のX線管装置。
- 前記防音部材は、少なくとも前記回転陽極型X線管が稼動することにより発生する前記ハウジングの振動を抑える制振材を有し、
前記制振材は、制振樹脂、ゴム、アスファルト、軟質ポリウレタン、シリコーンゲル、及びエラストマーのうち少なくとも1つを含む高分子樹脂で形成される請求項18に記載のX線管装置。 - 前記防音部材は、
少なくとも前記回転陽極型X線管が稼動することにより発生する前記ハウジングの振動を抑える制振材と、
前記制振材の前記ハウジングと対向する側とは反対側の表面に貼り付けられた拘束材と、を有する請求項18に記載のX線管装置。 - 前記制振材は、前記ハウジングに接着剤により接着されている請求項19又は20に記載のX線管装置。
- 前記拘束材は金属で形成されている請求項20に記載のX線管装置。
- 前記拘束材は樹脂で形成されている請求項20に記載のX線管装置。
- 前記防音部材は、少なくとも前記回転陽極型X線管が稼動することにより発生する音を吸収する吸音材を有し、
前記吸音材は、弾性変形する多孔質材、又は不織布から成る多孔質材で形成される請求項18に記載のX線管装置。 - 前記防音部材は、
少なくとも前記回転陽極型X線管が稼動することにより発生する音を吸収する吸音材と、
前記吸音材の前記ハウジングと対向する側とは反対側の表面に配置された遮音材と、を有する請求項18に記載のX線管装置。 - 前記吸音材は、前記ハウジングに接着剤により接着されている請求項24又は25に記載のX線管装置。
- 前記遮音材は金属で形成されている請求項25に記載のX線管装置。
- 前記遮音材は樹脂で形成されている請求項25に記載のX線管装置。
- 前記ハウジングの内部に設けられ、前記第1冷却液に浸り、前記X線管に高電圧を与える高電圧ユニットをさらに備える請求項1乃至28の何れか1項に記載のX線管装置。
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JP2015085895A JP2015213062A (ja) | 2014-04-18 | 2015-04-20 | X線管装置 |
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KR102434227B1 (ko) * | 2021-12-23 | 2022-08-19 | 주식회사 오톰 | 엑스레이 제너레이터 하우징 |
-
2015
- 2015-04-20 JP JP2015085895A patent/JP2015213062A/ja active Pending
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