JP2020013715A - X線管装置及びx線コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

X線管装置及びx線コンピュータ断層撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 信頼性の高いX線管装置及びX線コンピュータ断層撮影装置を提供する。又は、製品寿命の長期化を図ることのできるX線管装置及びX線コンピュータ断層撮影装置を提供する。【解決手段】 X線管装置10は、X線透過窓PWを有するハウジング12と、X線透過部PPを含む真空外囲器ENを有するX線管13と、冷却液9と、伸縮機構14と、を備える。伸縮機構14は、第1開口端15a及び第2開口端15bを含むケース15と、弾性隔膜16と、を有する。第1開口端15aは、ハウジング12の内部のうち第1基準面RS1よりX線透過窓PW側の領域に位置している。【選択図】 図9

Description

本発明の実施形態は、X線管装置及びX線コンピュータ断層撮影装置に関する。
X線コンピュータ断層撮影装置(以下、X線CT装置と称する)のガントリーは、固定フレームと、固定フレームに回転可能に支持された回転架台と、固定フレーム及び回転架台を収容した筐体と、を備えている。ガントリーは、回転架台に搭載されたX線管装置、X線検出器及び冷却ユニット(冷却機)なども備えている。X線管装置は、ハウジングと、ハウジングに収納されたX線管と、ハウジングとX線管との間の空間に充填された冷却液と、を備えている。X線管の真空外囲器は、X線を透過するX線透過部を含んでいる。X線管が発生する熱は冷却液に伝達される。
X線管装置は、輸送時、保管時など、温度変化の生じる環境に置かれる場合がある。温度は、例えば−25℃乃至70℃の範囲で変化する。これにより、冷却液に膨張及び収縮が生じることになる。また、X線管装置の使用時において、冷却液に熱が伝達されるため、冷却液に膨張が生じることになる。上記のことから、X線管装置は、ハウジング内の冷却液の体積変化に伴い変形する伸縮機構を備えている。伸縮機構は、ハウジングの内部の圧力を調整することができる。
特開平9−27394号公報 実開昭63−120400号公報
本実施形態は、信頼性の高いX線管装置及びX線コンピュータ断層撮影装置を提供する。又は、製品寿命の長期化を図ることのできるX線管装置及びX線コンピュータ断層撮影装置を提供する。
一実施形態に係るX線管装置は、
X線透過窓を有するハウジングと、電子ビームを放出する陰極、前記電子ビームが照射されることによりX線を放出する陽極ターゲット、並びに前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記X線透過窓と対向したX線透過部を含む真空外囲器を有し、前記ハウジングに収納されたX線管と、前記ハウジングと前記X線管との間の空間に充填された冷却液と、前記ハウジングの内部に位置し前記冷却液の出入りを許可する第1開口端及び前記ハウジングの外部に開放され大気の出入りを許可する第2開口端を含むケースと、前記ケース内を前記第1開口端に繋がった第1空間及び前記第2開口端に繋がった第2空間に区域する弾性隔膜と、を有する伸縮機構と、を備え、前記X線透過部の前記X線透過窓と対向する側の端面を通り前記X線透過部と前記X線透過窓とが対向する方向に垂直な仮想の平面を第1基準面とすると、前記第1開口端は、前記ハウジングの内部のうち前記第1基準面より前記X線透過窓側の領域に位置している。
また、一実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、
X線を放出するX線管装置と、前記X線を検出するX線検出器と、回転軸を中心に回転するリング状のフレーム部を有し、前記X線管装置及び前記X線検出器が取付けられた回転架台と、を具備し、前記X線管装置は、X線透過窓を有するハウジングと、電子ビームを放出する陰極、前記電子ビームが照射されることによりX線を放出する陽極ターゲット、並びに前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記X線透過窓と対向したX線透過部を含む真空外囲器を有し、前記ハウジングに収納されたX線管と、前記ハウジングと前記X線管との間の空間に充填された冷却液と、前記ハウジングの内部に位置し前記冷却液の出入りを許可する第1開口端及び前記ハウジングの外部に開放され大気の出入りを許可する第2開口端を含むケースと、前記ケース内を前記第1開口端に繋がった第1空間及び前記第2開口端に繋がった第2空間に区域する弾性隔膜と、を有する伸縮機構と、を備え、前記第1開口端から前記回転軸までの第1距離は、前記X線透過部の前記X線透過窓と対向する側の端面から前記回転軸までの第2距離より短い。
図1は、一実施形態に係るX線CT装置のガントリーの外観を示す斜視図である。 図2は、図1の線II−IIに沿ったX線CT装置を示す断面図である。 図3は、図2に示した回転架台、並びに回転架台に搭載されたX線管装置、冷却ユニット及びX線検出器を示す正面図である。 図4は、上記X線管装置及び冷却ユニット示す構成図である。 図5は、上記実施形態に係るX線CT装置の実施例1のX線管装置を示す断面図である。 図6は、上記実施形態に係るX線CT装置の実施例2のX線管装置を示す断面図である。 図7は、図6に示したX線管装置を示す他の断面図である。 図8は、図6及び図7に示したX線管装置の一部を拡大して示す断面図である。 図9は、上記X線管装置のハウジング、X線管、及び伸縮機構を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。 図10は、上記X線管装置のハウジング、X線管、及び伸縮機構を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっている状態を示す図である。 図11は、上記実施形態の変形例1に係るX線CT装置のX線管装置のハウジング、X線管、及び伸縮機構を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。 図12は、上記実施形態の変形例2に係るX線CT装置のX線管装置のハウジング、X線管、及び伸縮機構を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。 図13は、上記実施形態の変形例3に係るX線CT装置のX線管装置のハウジング、X線管、及び伸縮機構を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。 図14は、上記実施形態の変形例4に係るX線CT装置のX線管装置のハウジング、X線管、及び伸縮機構を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。 図15は、比較例に係るX線CT装置のX線管装置のハウジング、X線管、及び伸縮機構を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。 図16は、上記比較例に係るX線管装置のハウジング、X線管、及び伸縮機構を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっている状態を示す図である。
(一実施形態)
以下に、本発明の一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本実施形態では、X線コンピュータ断層撮影装置について詳細に説明する。X線コンピュータ断層撮影装置は、X線CT(computerized tomography)装置である。図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置のガントリーの外観を示す斜視図である。図2は、図1の線II−IIに沿ったX線CT装置を示す断面図である。図3は、図2に示した回転架台、並びに回転架台に搭載されたX線管装置、冷却ユニット及びX線検出器を示す正面図である。
図1乃至図3に示すように、X線CT装置1は、筐体2、土台部4、固定架台5、回転架台6、ベアリング部材8、X線管装置10、冷却ユニット20、及びX線検出器40を備えている。
筐体2は、上記の多くの部材を収容している。筐体2は、X線CT装置1の外観を飾っている。筐体2は、排気口2a、吸気口2b及び導入口2cを含んでいる。
排気口2aは、筐体2の上部に形成されている。排気口2aは、通気性に優れたメッシュ状のカバー3で塞がれている。なお、図示しないが、X線CT装置1は、筐体2内に設けられカバー3に対向したファンユニットをさらに備えている。これにより、筐体2内の空気を、排気口2aを通して筐体2の外部に排出することができる。
吸気口2bは、筐体2の下部に形成されている。ここでは、吸気口2bは、筐体2と土台部4の間の隙間に形成されている。筐体2の外部の空気を、吸気口2bを通して筐体2の内部に取入れることができる。
上記のことから、筐体2の内部の空気を入れ替えることができるため、筐体2の内部の空気の温度の上昇を抑制することができる。
導入口2cは、被検体を導入するものである。図示しないが、X線CT装置1は、被検体を載せる寝台も備えている。
固定架台5は、土台部4に固定されている。軸受機構として機能するベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材8は、固定架台5及び回転架台6間に設けられている。
回転架台6は、ベアリング部材8を介して固定架台5に回転可能に支持されている。回転架台6は、ガントリーと呼ばれ、回転架台6の回転軸(ガントリー中心)a1を中心に回転可能である。回転架台6を高速回転させるために、X線CT装置は、例えばダイレクトドライブモータを採用している。回転架台6は、最外周に位置したリング状のフレーム部7を有している。
X線管装置10、冷却ユニット20及びX線検出器40は、回転架台6に取付けられている。X線管装置10及び冷却ユニット20は、フレーム部7の内壁に取付けられている。図示しないが、高電圧発生電源などもフレーム部7の内壁に取付けられていてもよい。X線管装置10及び冷却ユニット20は、比較的コンパクトでありながら質量が大きく、設置面の圧力が高いため、フレーム部7に強固に固着されている。これにより、回転架台6が高速で回転し、その結果多大な遠心力がX線管装置10及び冷却ユニット20に加わるような場合でも、これらはフレーム部7に対する強固な固着を維持できるものである。
X線管装置10は、X線発生器として機能し、X線を放射する。X線検出器40は、回転軸a1を挟んでX線管装置10(X線管)と対向している。X線検出器40は、例えば円弧状に配列された複数のX線検出素子を有している。X線CT装置は、X線検出器40を複数備え、配列させていてもよい。X線検出器40は、X線管装置10から放射され被検体を透過したX線を検出し、検出したX線を電気信号に変換する。
図示しないが、X線CT装置1は、回転架台6に取付けられ、X線検出器40から出力する電気信号を増幅し、かつAD変換するデータ収集装置をさらに備えていてもよい。また、図示しないが、固定架台5には電力あるいは制御信号などをX線管装置10及び冷却ユニット20などに与えるための機器が設けられていてもよい。上記機器は、スリップリングを介して回転架台6に取付けられているX線管装置10及び冷却ユニット20などに与えることができる。
X線CT装置1は、動作状態に入ると回転架台6が回転軸a1を中心に回転する。このとき、X線管装置10、冷却ユニット20及びX線検出器40などは、被検体の周囲を一体になって回転する。これと同時に、X線管装置10からX線が放射される。
X線は、被検体を透過し、X線検出器40に入射し、X線検出器40においてX線の強度が検出される。X線検出器40で検出された検出信号は、例えば、上記データ収集装置で増幅され、かつA/D変換によってディジタル検出信号に変換され、図示しないコンピュータに供給される。
コンピュータは、ディジタル検出信号をもとに、被検体の関心領域におけるX線吸収率を演算し、その演算結果から被検体の断層画像を生成するための画像データを構築する。画像データは、図示しない表示装置などに送られ、画面上に断層画像として表示される。 上記のように、X線CT装置1は、X線管装置10及びX線検出器40が被検体を挟んで回転し、被検体の検査断面内のあらゆる点を透過したX線の強弱いわゆる投影データを、いろいろな角度、例えば360°の範囲から獲得する。そして、この投影データをもとに、予めプログラムされたデータ再構成プログラムにより断層画像を生成する。
図4は、X線管装置10及び冷却ユニット20示す構成図である。
図3及び図4に示すように、X線管装置10は、ハウジング12と、ハウジング12に収納されたX線管13と、伸縮機構14と、を有している。ハウジング12(X線管装置10)は、独立して回転架台6に直接又は間接的に取付けられ、固定されている。ここでは、ハウジング12は、フレーム部7の内壁に直接取付けられている。ここで、X線CT装置1は、冷却液9を有している。冷却液9には、X線管13が発生する熱の少なくとも一部が伝達される。
X線管装置10は、導管11a及び導管11bを有している。導管11aは、一端がハウジング12の冷却液取入れ口12iに気密に取付けられ、他端がソケット72に気密に取付けられている。導管11bは、一端がハウジング12の冷却液排出口12oに気密に取付けられ、他端がソケット82に気密に取付けられている。導管11a及び導管11bは、冷却液9が循環する循環路30の一部を形成している。
例えば、冷却液9は、X線管装置10において、少なくともハウジング12とX線管13との間の空間に充填されている。ハウジング12は、導管11a及び導管11bとともに循環路30の一部を形成している。導管11a及び導管11bは、X線管13に連結されていない。但し、X線管13は冷却液9に浸るため、冷却液9は、X線管13の外面の熱伝達面など、X線管13を冷却することができる。
また、導管11a及びX線管13を、直接又は連結部材を介して間接的に連結するか、又は、導管11b及びX線管13を、直接又は連結部材を介して間接的に連結してもよい。ハウジング12及びX線管13の内部は、導管11a及び導管11bとともに循環路30の一部を形成している。これにより、X線管13の内部の熱伝達面を冷却液9が循環することで、X線管13、特に後述する陽極ターゲットを冷却することができる。
その他、導管11a及び導管11bをともにX線管13に連結した場合、ハウジング12とX線管13との間の空間には他の冷却液が収容されている。上記他の冷却液は、冷却液9と混合しないよう分離され、循環路30を循環しない。この場合、上記他の冷却液を冷却液9とは異なる種類の冷却液とすることもできる。X線管13の内部は、導管11a及び導管11bとともに循環路30の一部を形成している。これにより、X線管13の内部の熱伝達面を冷却液9が循環することで、X線管13、特に後述する陽極ターゲットを冷却することができる。そして、上記他の冷却液は、X線管13の外面の熱伝達面など、X線管13を外側から冷却することができる。
冷却ユニット20は、導管21a、導管21b、導管21c、導管21d、循環ポンプ22、熱交換器23、筐体26、及び伸縮機構60を有している。循環ポンプ22、熱交換器23、及び伸縮機構60は、筐体26内に設けられている。導管21aは、一端がプラグ81に気密に取付けられている。導管21cは、一端がプラグ71に気密に取付けられている。導管21dは、一端が導管21aに気密に取付けられている。導管21a、導管21b、導管21c及び導管21dは、循環路30の一部を形成している。
循環ポンプ22は、循環路30に取付けられている。ここでは、循環ポンプ22は、導管21a及び導管21b間に気密に取付けられている。循環ポンプ22は、導管21aから冷却液9を取り込み、導管21bに冷却液9を吐き出す。循環ポンプ22は、循環路30において冷却液9を循環させることができる。
熱交換器23は、ラジエータ24及びファン25を有している。ファン25は、ラジエータ24に通風するように構成されている。ラジエータ24は、導管21bから入る冷却液の熱を放出するように構成されている。熱交換器23は、冷却液9を冷却することができる。
そのため、冷却ユニット20は、冷却液9を冷却し、かつ、冷却液9を循環路30にて循環させることができる。
伸縮機構60は、循環路30に取付けられている。伸縮機構60は、貫通孔61a,61bを有したケース61と、弾性隔膜62と、を有している。貫通孔61aは、導管21dに気密に連通されている。貫通孔61bは、通気孔である。弾性隔膜62は、例えば、ゴムを利用したベローズで形成されている。弾性隔膜62は、ケース61内を、貫通孔61aと繋がった第1空間63と、貫通孔61bと繋がった第2空間64と、に区域している。
貫通孔61bは空気の出入りを許可するため、第2空間64は大気に開放されている。弾性隔膜62は、ケース61に液密に取付けられている。弾性隔膜62は伸縮自在である。弾性隔膜62は、冷却液9の温度変化による体積変化(体積の膨張及び収縮)を吸収することができる。ベローズ62は、ガスに対して不透過性を示す材料で形成することが好ましい。
プラグ71及びソケット72は、着脱自在の連結部材としてのカプラ70を形成し、プラグ81及びソケット82は、着脱自在の連結部材としてのカプラ80を形成している。カプラ70、80は、プラグ及びソケットが連結した連結状態(固定状態)と、プラグ及びソケットが分離した分離状態とに切替え可能である。カプラ70、80は、連結状態において、気密、かつ液密に連結されている。カプラ70、80は、シャットオフバルブ付きのカプラである。カプラ70、80の分離状態において、プラグ71、81及びソケット72、82は、それぞれ、外部への液(冷却液9)漏れを防止することができ、内部への空気の混入を防止することができる構造を採っている。カプラ70、80をそれぞれ分離状態に切替えることにより、2系統に分離することができ、X線管装置10及び冷却ユニット20を分離することができる。
ここで、本実施形態に係るX線CT装置のX線管装置10の例として、実施例1及び実施例2のX線管装置について説明する。始めに、実施例1のX線管装置10について説明する。図5は、実施例1のX線管装置10を示す断面図である。
図5に示すように、X線管装置10は回転陽極型のX線管装置であり、X線管13は回転陽極型のX線管である。X線管装置10は、X線管13の他、磁界を発生させるコイルとしてのステータコイル102を備えている。図示しないが、ハウジング12(図4)は、X線管13、ステータコイル102などを収容している。
X線管13は、固定体としての固定シャフト110と、管部130と、陽極ターゲット150と、回転体160と、潤滑剤としての液体金属170と、陰極180と、真空外囲器ENとを備えている。X線管13は動圧すべり軸受を使っている。
固定シャフト110は、回転軸a2に沿って延出して回転軸a2を中心軸として筒状に形成され、一端部が閉塞されている。固定シャフト110は、上記一端部から外れた側面に軸受面110Sを有している。固定シャフト110は、Fe(鉄)合金やMo(モリブデン)合金等の材料で形成されている。固定シャフト110の内部は冷却液9で満たされている。固定シャフト110は、この内部に冷却液9が流れる流路が形成されている。固定シャフト110は、この他端部側に冷却液9を外部に吐出す吐出し口110bを有している。
管部130は、固定シャフト110の内部に設けられ、固定シャフトとともに流路を形成している。管部130の一端部は、固定シャフト110の他端部に形成された開口部110aを通って固定シャフト110の外部に延出している。管部130は、開口部110aに密接に固定されている。
管部130は、この内部に冷却液9を取り入れる取り入れ口130aと、冷却液9を固定シャフト110の内部に吐出す吐出し口130bとを有している。取り入れ口130aは、固定シャフト110の外部に位置している。吐出し口130bは、固定シャフト110の一端部に隙間を置いて位置している。
取り入れ口130aは導管11aに連結され、吐出し口110bはハウジング12内に開放されている。なお、本実施例1と異なり、取り入れ口130aはハウジング12内に開放され、吐出し口110bは導管11bに直接又は連結部材を介して間接的に連結されていてもよい。
上記したことから、X線管13外部からの冷却液9は、取り入れ口130aから取り入れられ、管部130内部を通って固定シャフト110の内部に吐出され、固定シャフト110及び管部130の間を通り、吐出し口110bからX線管13外部に吐出される。
陽極ターゲット150は、陽極本体151と、この陽極本体の外面の一部に設けられたターゲット層152とを有している。陽極本体151は、円盤状に形成され、固定シャフト110と同軸的に設けられている。陽極本体151は、Mo合金等の材料で形成されている。陽極本体151は、回転軸a2に沿った方向に凹部151aを有している。凹部151aは、円盤状に窪めて形成されている。凹部151aには固定シャフト110の一端部が嵌合されている。凹部151aは、固定シャフト110の一端部に隙間を置いて形成されている。ターゲット層152は、W(タングステン)合金等の材料で輪状に形成されている。ターゲット層152の表面は電子衝突面である。
回転体160は、固定シャフト110より径の大きい筒状に形成されている。回転体160は、固定シャフト110及び陽極ターゲット150と同軸的に設けられている。回転体160は、固定シャフト110より短く形成されている。
回転体160は、FeやMo等の材料で形成されている。より詳しくは、回転体160は、筒部161と、筒部161の一端部の側面を囲むように筒部と一体に形成された環部162と、筒部161の他端部に設けられたシール部163と、筒部164とを有している。
筒部161は、固定シャフト110の側面を囲んでいる。筒部161は、内面に軸受面110Sに隙間を置いて対向した軸受面160Sを有している。回転体160の一端部、すなわち、筒部161の一端部及び環部162は陽極ターゲット150と接合されている。回転体160は、固定シャフト110を軸に陽極ターゲット150とともに回転可能に設けられている。
シール部163は、軸受面160Sに対して環部162(一端部)の反対側に位置している。シール部163は、筒部161の他端部に接合されている。シール部163は、環状に形成され、固定シャフト110の側面全周に亘って隙間を置いて設けられている。筒部164は、筒部161の側面と接合され、筒部161に固定されている。筒部164は、例えばCu(銅)で形成されている。
液体金属170は、固定シャフト110の一端部及び凹部151a間の隙間、並びに固定シャフト110(軸受面110S)及び筒部161(軸受面160S)間の隙間に充填されている。なお、これらの隙間は全て繋がっている。この実施の形態において、液体金属170は、ガリウム・インジウム・錫合金(GaInSn)である。
回転軸a2に直交した方向において、シール部163及び固定シャフト110間の隙間(クリアランス)は、回転体160の回転を維持するとともに液体金属170の漏洩を抑制できる値に設定されている。上記したことから、隙間はわずかであり、500μm以下である。このため、シール部163は、ラビリンスシールリング(labyrinth seal ring)として機能する。
また、シール部163は、内側を円形枠状に窪めてそれぞれ形成された複数の収容部を有している。上記収容部は、万一隙間から液体金属170が漏れた場合、漏れた液体金属170を収容する。
陰極180は、陽極ターゲット150のターゲット層152に間隔を置いて対向配置されている。陰極180は、電子を放出するフィラメント181を有している。
真空外囲器ENは、固定シャフト110、管部130、陽極ターゲット150、回転体160、液体金属170及び陰極180を収容している。真空外囲器ENは、開口部CAbを有する真空容器CAと、X線透過部PPと、を有している。
X線透過部PPは、回転軸a2に対して直交した方向にターゲット層152と対向している。固定シャフト110の他端部は、開口部CAbを通って真空外囲器ENの外部に露出されている。開口部CAbは、固定シャフト110を密接に固定している。
陰極180は、真空外囲器ENの内壁に取付けられている。真空外囲器ENは密閉されている。真空外囲器ENの内部は真空状態に維持されている。
ステータコイル102は、回転体160の側面、より詳しくは筒部164の側面に対向して真空外囲器ENの外側を囲むように設けられている。ステータコイル102の形状は環状である。
ここで、上記X線管13及びステータコイル102の動作状態について説明する。ステータコイル102は回転体160(特に筒部164)に与える磁界を発生するため、回転体は回転する。これにより、陽極ターゲット150も回転する。また、陰極180に負の電圧(高電圧)が印加され、陽極ターゲット150は接地電位に設定される。
これにより、陰極180及び陽極ターゲット150間に電位差が生じる。このため、陰極180が電子を放出すると、この電子は、加速され、ターゲット層152に衝突する。すなわち、陰極180は、ターゲット層152に電子ビームを照射する。これにより、ターゲット層152は、電子ビームが照射されることによりX線を放出し、放出されたX線はX線透過部PPを介して真空外囲器ENの外部、ひいてはハウジング12の外部に放出される。
上記のように、実施例1のX線管装置10が構成されている。
次に、実施例2のX線管装置10について説明する。図6は、実施例2のX線管装置を示す断面図である。図7は、図6に示したX線管装置を示す他の断面図である。図8は、図6及び図7に示したX線管装置の一部を拡大して示す断面図である。
図6乃至図8に示すように、X線管装置10は固定陽極型のX線管装置であり、X線管13は固定陽極型のX線管である。X線管13は、真空外囲器ENを備えている。真空外囲器ENは、真空容器CAと、絶縁部材250とを備えている。この実施形態において、絶縁部材250は、高電圧絶縁部材として機能している。絶縁部材250には陰極236が取り付けられ、絶縁部材250は、真空外囲器ENの一部を形成している。
陽極ターゲット235は、真空外囲器ENの一部を形成している。陽極ターゲット235は、真空外囲器ENの外部に小さく開口し、ターゲット面235b近傍で膨らんだ壺形に形成されている。陽極ターゲット235、陰極236、集束電極209及び加速電極208は、真空外囲器ENに収納されている。陽極ターゲット235には、電圧供給配線が接続されている。陽極ターゲット235及び加速電極208は接地電位に設定されている。陰極236及び集束電極209と対向した個所の真空容器CAは筒状に形成されている。陰極236には、負の高電圧が印加される。集束電極209には、調整された負の高電圧が供給される。真空外囲器ENの内部は真空状態である。金属表面部234は、X線透過部PPの真空側の表面を含む真空容器CAの内側に設けられ、接地電位に設定されている。
また、X線管13は、管部241と、環部242とを備えている。管部241は、金属で形成されている。管部241の一端部は、陽極ターゲット235の内部に挿入されている。環部242は、陽極ターゲット235内に設けられている。環部242は、管部241の一端部の側面を囲むように管部241と一体に形成されている。環部242は陽極ターゲット235に隙間を置いて設けられている。管部241の他端部は、冷却液取入れ口を形成し、導管11aに連結されている。陽極ターゲット235の開口は、管部241との間に冷却液排出口を形成している。このため、ハウジング12内は、冷却液9で満たされる。ハウジング12は、X線透過部PPに対向したX線透過窓PWを有している。
ハウジング12内には、偏向部270が収容されている。偏向部270は、磁気偏向部であり、真空容器CAの外側で、電子ビームの軌道を取り囲む位置に設けられている。偏向部270は、陰極236から放出される電子ビームを偏向させ、焦点の位置をターゲット面235b上で移動させるものである。
上記のように、実施例2のX線管装置が形成されている。
次に、本実施形態に係るハウジング12、X線管13、及び伸縮機構14について説明する。図9は、X線管装置10のハウジング12、X線管13、及び伸縮機構14を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。
図9に示すように、ハウジング12は、X線出力口12pを有するハウジング本体12eと、X線透過窓PWと、を備えている。X線出力口12pは、ハウジング本体12eを貫通して形成されている。X線透過窓PWは、ハウジング本体12eの外側に位置している。X線透過窓PWは、機械的強度の高い材料を利用して形成することができる。この実施形態において、X線透過窓PWは、アルミニウムを利用して形成されているが、他の金属材料や樹脂などを利用して形成することも可能である。X線透過窓PWは凹型形状を有し、X線管13とX線透過窓PWとの間隔の低減を図っている。X線透過窓PWは、ねじなどの締め具を用いてハウジング本体12eに固定されている。X線透過窓PWは、図示しないOリングを利用し、X線出力口12pを液密に閉塞している。
X線管13において、真空容器CAは、例えば、ガラスなどの絶縁材料、並びに、銅、ステンレス及びアルミニウム等の金属の一以上の材料を利用して形成されている。この実施形態において、真空容器CAはガラス及び金属の両方を用いて形成されている。真空容器CAは、X線透過窓PWと対向したX線出力口CAoを有している。X線透過部PPは、X線透過窓PWと対向している。X線透過部PPは、X線出力口CAoを気密に閉塞している。X線透過部PPは、X線を透過する材料として、例えばベリリウムで形成されている。
伸縮機構14は、ケース15と、弾性隔膜16と、を有している。
ケース15は、第1開口端15a及び第2開口端15bを含んでいる。第1開口端15aは、ハウジング12の内部に位置し、冷却液9の出入りを許可するように構成されている。第2開口端15bは、ハウジング12の外部に開放され、大気の出入りを許可するように構成されている。
弾性隔膜16は、ケース15内を、第1開口端15aに繋がった第1空間S1及び第2開口端15bに繋がった第2空間S2に区域するように構成されている。弾性隔膜16は、例えば、ゴムを利用したベローズで形成されている。
本実施形態において、ケース15は、ケース本体17と、第1管部18と、を有している。ケース本体17は、冷却液9に接し、ハウジング12と一体に形成されている。そのため、第2開口端15bがハウジング12に形成されていると言うことも可能である。ケース本体17は、第1空間S1に繋がった第1貫通孔h1と、第2開口端15bとして機能する第2貫通孔h2と、を含んでいる。第1管部18は、第1開口端15aとして機能する一端18aと、第1貫通孔h1に液密に連結された他端18bと、を含んでいる。
ここで、X線透過部PPのX線透過窓PWと対向する側の端面を通り、X線透過部PPとX線透過窓PWとが対向する方向dに垂直な仮想の平面を第1基準面RS1とする。また、X線透過窓PWのX線透過部PPと対向する側の端面を通り、上記方向dに垂直な仮想の平面を第2基準面RS2とする。
すると、第1開口端15aは、ハウジング12の内部のうち、第1基準面RS1よりX線透過窓PW側の領域に位置している。言い換えると、第1距離DI1は、第2距離DI2より短い(DI1<DI2)。上記第1距離DI1は、上記方向dにて、第1開口端15aから回転軸a1までの距離である。上記第2距離DI2は、上記方向dにて、X線透過部PPのX線透過窓PWと対向する側の端面から回転軸a1までの距離である。
また、第1開口端15aは、ハウジング12の内部のうち、第2基準面RS2に対しX線透過部PPの位置する領域とは反対側の領域に位置している。言い換えると、第1距離DI1は、第3距離DI3より短い(DI1<DI3)。上記第3距離DI3は、上記方向dにて、X線透過窓PWのX線透過部PPと対向する側の端面から回転軸a1までの距離である。
図9から分かるように、X線管装置10に遠心力が加わっていない状態にて、X線透過窓PW及びX線透過部PPの両方は、冷却液9に浸っている。
次に、上記X線管装置10に遠心力が加わっている状態について説明する。図10は、X線管装置10のハウジング12、X線管13、及び伸縮機構14を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっている状態を示す図。図3に示すように、X線CT装置1においては、回転架台6が高速で回転することで、X線管装置10に大きな遠心力が加わることになる。そこで、X線管装置10に遠心力が加わったときに、伸縮機構14の弾性隔膜16にかかる力の釣り合いを考える。
図10に示すように、冷却液9の枯渇を抑えるため、伸縮機構14の第1空間S1にある冷却液9とハウジング12内の冷却液9とを分離できるように、伸縮機構14が構成されている。具体的には、第1開口端15aは、ハウジング12の内部のうち、第1基準面RS1よりX線透過窓PW側の領域に位置している(DI1<DI2)。回転架台6の回転速度の増加により遠心力が増加すると、次第にハウジング12内の冷却液9の液面は回転軸a1から離れる方向に変動し、ハウジング12内に真空空間が生じる。
その際、第1開口端15a(第1管部18の一端18a)まで液面が下がると、ハウジング12内の冷却液9と、伸縮機構14内の冷却液9は分離されることになる。この状態で更に遠心力が増加すると、弾性隔膜16にかかる力がつりあう位置まで、第1管部18の内部の冷却液9の液面の位置は低下する。一方、ハウジング12側の冷却液9は、大気圧に開放されている部分と接触しなくなるため、液面が変化することはない。したがって、適切な位置に第1開口端15aを設けることで、必要な部分への冷却液9の循環を保つことができる。
例えば、DI1<DI2とすることにより、X線透過部PPを冷却液9にて冷却することができ、X線透過部PPにおける冷却液9の局所的な枯渇を防ぐことができる。また、DI1<DI3とすることにより、X線透過部PPとX線透過窓PWとの間に冷却液9を存在させることができ、X線透過窓PWにおける冷却液9の局所的な枯渇を防ぐことができる。例えば、X線透過部PPとX線透過窓PWとの間に冷却液9を存在させ続けることにより、X線管13の外側におけるX線の吸収率を一定に保持することができる。X線透過窓PWを冷却液9にて冷却することも可能である。
上記のように構成された一実施形態に係るX線CT装置1によれば、X線管装置10は、伸縮機構14を備えている。伸縮機構14は、冷却液9の膨張及び収縮を吸収することができる。伸縮機構14は、冷却液9が膨張した場合におけるハウジング12の外部への冷却液9の漏洩を抑制することができる。また、伸縮機構14は、冷却液9が収縮した場合におけるハウジング12の内部における空気の混入を抑制することができる。なお、冷却液9と空気とはX線吸収率が異なる。このため、ハウジング12の内部に空気が混入すると、X線透過部PPから出射するX線の前を空気が通ってしまい、正確な診断ができなくなってしまう。
本実施形態のX線管装置10は、DI1<DI2、及びDI1<DI3の関係を満たしている。そのため、回転架台6が高速で回転しても、X線透過部PPなどを冷却液9にて冷却することができる。また、X線管13の外側におけるX線の吸収率を一定に保持することができる。
上記のことから、信頼性の高いX線管装置10及びX線CT装置1を得ることができる。そして、製品寿命の長期化を図ることのできるX線管装置10及びX線CT装置1を得ることができる。
(比較例)
次に、比較例のX線CT装置1のX線管装置10について説明する。図15は、比較例に係るX線CT装置1のX線管装置10のハウジング12、X線管13、及び伸縮機構14を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。
図15に示すように、比較例のX線管装置10は、DI1<DI2、及びDI1<DI3の関係を満たしていない点で、上記実施形態と相違している。比較例のX線管装置10において、DI2<DI1であり、DI3<DI1である。伸縮機構14に注目すると、ケース15は、第1管部18無しに形成され、ケース本体17の第1貫通孔h1は、第1開口端15aとして機能している。
図15から分かるように、X線管装置10に遠心力が加わっていない状態にて、X線透過窓PW及びX線透過部PPの両方は、冷却液9に浸っている。
ここで、回転架台6の回転により、X線管装置10に遠心力が加わった際の伸縮機構14の弾性隔膜16にかかる力の釣り合いを考える。図16は、本比較例に係るX線管装置10のハウジング12、X線管13、及び伸縮機構14を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっている状態を示す図である。
図16に示すように、方向dにて、伸縮機構14の第1開口端15aから、ハウジング本体12eの内壁のうち回転軸a1側(X線透過窓PW側)の壁面までの距離をHmとする。方向dにて、伸縮機構14の第1開口端15aから、冷却液9の液面までの距離をHhとする。また、大気圧をPO、冷却液9の液体密度をρ、冷却液9の液面の位置における遠心加速度をG1、伸縮機構14の第1開口端15aの位置における遠心加速度をG2、冷却液9の蒸気圧をPLとする。すると、次の式1が成立する。
PO=PL+ρ・(G1+G2)/2・Hh ・・・(式1)
そして、Hm>Hhの場合、次第にハウジング12内の冷却液9の液面の位置は下がり、ハウジング12の内部に、冷却液9が無い部分が発生する。この部分は、いわゆる「トリチェリの真空」であり、ハウジング12の内部への空気の吸い込み、冷却液9の局所的枯渇の誘因となる。特に、X線曝射時に、X線透過部PPは高温となるため、X線透過部PPが冷却液9に浸っていないと、X線透過部PPが損傷を受けるリスクが有る。
上記のことから、本比較例において、信頼性の高いX線管装置10及びX線CT装置1を得ることは困難である。また、製品寿命の長期化を図ることのできるX線管装置10及びX線CT装置1を得ることは困難である。
(変形例1)
次に、上記実施形態の変形例1に係るX線CT装置1のX線管装置10について説明する。図11は、本変形例1に係るX線CT装置1のX線管装置10のハウジング12、X線管13、及び伸縮機構14を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。
図11に示すように、変形例1のX線管装置10は、ケース本体17がハウジング12と一体に形成されていない点で上記実施形態と相違している。変形例1のハウジング本体12eは開口OPを有している。ケース本体17は、第2空間S2に繋がった第2貫通孔h2を含み、ハウジング本体12eの開口OPを液密に閉塞している。例えば、ケース本体17は、図示しないOリングを利用し、開口OPを液密に閉塞している。第2貫通孔h2は、ハウジング12の外部に開放され、第2開口端15bとして機能している。
本変形例1においても、DI1<DI2であり、DI1<DI3である。そのため、本変形例1において、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例2)
次に、上記実施形態の変形例2に係るX線CT装置1のX線管装置10について説明する。図12は、本変形例2に係るX線CT装置1のX線管装置10のハウジング12、X線管13、及び伸縮機構14を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。
図12に示すように、変形例2のX線管装置10は、ケース15が第2管部19をさらに備えている点で上記実施形態と相違している。ケース本体17は、第2空間S2に繋がった第2貫通孔h2を含んでいる。ケース本体17は、ハウジング12の内部に位置している。ハウジング本体12eは、第2開口端15bとして機能する第3貫通孔h3を有している。
ケース15は、第2管部19をさらに有している。第2管部19は、第2貫通孔h2に液密に連結された一端19aと、第3貫通孔h3に液密に連結された他端19bと、を含んでいる。第2管部19は、冷却液9に接している。
本変形例2においても、DI1<DI2であり、DI1<DI3である。そのため、本変形例2において、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例3)
次に、上記実施形態の変形例3に係るX線CT装置1のX線管装置10について説明する。図13は、本変形例3に係るX線CT装置1のX線管装置10のハウジング12、X線管13、及び伸縮機構14を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。
図13に示すように、変形例3のX線管装置10は、ケース本体17がハウジング12の外側に位置している点で上記実施形態と相違している。ハウジング本体12eは、第3貫通孔h3を有している。ケース15は、ケース本体17と、第1管部18と、を有している。
ケース本体17は、第1空間S1に繋がった第1貫通孔h1と、第2空間S2に繋がり第2開口端15bとして機能する第2貫通孔h2と、を含んでいる。ケース本体17は、ハウジング12の外部に位置している。第1管部18は、第1開口端15aとして機能する一端18aと、第1貫通孔h1に液密に連結された他端18bと、を含んでいる。第1管部18は、ハウジング12の第3貫通孔h3を通り、ハウジング12に液密に取り付けられている。
本変形例3においても、DI1<DI2であり、DI1<DI3である。そのため、本変形例3において、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例4)
次に、上記実施形態の変形例4に係るX線CT装置1のX線管装置10について説明する。図14は、本変形例4に係るX線CT装置1のX線管装置10のハウジング12、X線管13、及び伸縮機構14を示す断面図であり、上記X線管装置に遠心力が加わっていない状態を示す図である。
図14に示すように、変形例4のX線管装置10は、ケース15が第1管部18無しに構成されている点で上記実施形態と相違している。ケース15(ケース本体17)は、第1空間S1に繋がる第1貫通孔h1を含んでいる。第1貫通孔h1は、第1開口端15aとして機能している。
本変形例4においても、DI1<DI2であり、DI1<DI3である。そのため、本変形例4において、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。必要に応じて、上記の実施形態及び変形例の2以上を組合せることも可能である。
1…X線CT装置、6…回転架台、9…冷却液、10…X線管装置、
12…ハウジング、12e…ハウジング本体、OP…開口、PW…X線透過窓、
13…X線管、150,235…陽極ターゲット、180,236…陰極、
EN…真空外囲器、CA…真空容器、CAo…X線出力口、PP…X線透過部、
20…冷却ユニット、22…循環ポンプ、23…熱交換器、24…ラジエータ、
30…循環路、40…X線検出器、14…伸縮機構、15…ケース、
15a…第1開口端、15b…第2開口端、16…弾性隔膜、17…ケース本体、
18…第1管部、19…第2管部、18a,19a…一端、18b,19b…他端、
S1…第1空間、S2…第2空間、h1,h2,h3…貫通孔、RS1…第1基準面、
RS2…第2基準面、DI1…第1距離、DI2…第2距離、DI3…第3距離、
a1…回転軸、d…方向。

Claims (14)

  1. X線透過窓を有するハウジングと、
    電子ビームを放出する陰極、前記電子ビームが照射されることによりX線を放出する陽極ターゲット、並びに前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記X線透過窓と対向したX線透過部を含む真空外囲器を有し、前記ハウジングに収納されたX線管と、
    前記ハウジングと前記X線管との間の空間に充填された冷却液と、
    前記ハウジングの内部に位置し前記冷却液の出入りを許可する第1開口端及び前記ハウジングの外部に開放され大気の出入りを許可する第2開口端を含むケースと、前記ケース内を前記第1開口端に繋がった第1空間及び前記第2開口端に繋がった第2空間に区域する弾性隔膜と、を有する伸縮機構と、を備え、
    前記X線透過部の前記X線透過窓と対向する側の端面を通り前記X線透過部と前記X線透過窓とが対向する方向に垂直な仮想の平面を第1基準面とすると、
    前記第1開口端は、前記ハウジングの内部のうち前記第1基準面より前記X線透過窓側の領域に位置している、
    X線管装置。
  2. 前記ケースは、
    前記第1空間に繋がった第1貫通孔を含み、前記冷却液に接しているケース本体と、
    前記第1開口端として機能する一端と、前記第1貫通孔に液密に連結された他端と、を含む第1管部と、を有する、
    請求項1に記載のX線管装置。
  3. 前記ケースは、
    前記第1空間に繋がり前記第1開口端として機能する第1貫通孔を含み、前記冷却液に接しているケース本体を有する、
    請求項1に記載のX線管装置。
  4. 前記ハウジングは、開口を有し、
    前記ケース本体は、前記第2空間に繋がった第2貫通孔を含み、前記ハウジングの前記開口を液密に閉塞し、
    前記第2貫通孔は、前記ハウジングの外部に開放され、前記第2開口端として機能している、
    請求項2又は3に記載のX線管装置。
  5. 前記ケース本体は、前記第2空間に繋がった第2貫通孔を含み、前記ハウジングの内部に位置し、
    前記ハウジングは、前記第2開口端として機能する第3貫通孔を有し、
    前記ケースは、第2管部をさらに有し、
    前記第2管部は、前記第2貫通孔に液密に連結された一端と、前記第3貫通孔に液密に連結された他端と、を含み、前記冷却液に接している、
    請求項2又は3に記載のX線管装置。
  6. 前記ハウジングは、第3貫通孔を有し、
    前記ケースは、
    前記第1空間に繋がった第1貫通孔と、前記第2空間に繋がり前記第2開口端として機能する第2貫通孔と、を含み、前記ハウジングの外部に位置したケース本体と、
    前記第1開口端として機能する一端と、前記第1貫通孔に液密に連結された他端と、を含み、前記ハウジングの前記第3貫通孔を通り、前記ハウジングに液密に取り付けられた第1管部と、を有する、
    請求項1に記載のX線管装置。
  7. 前記X線透過窓の前記X線透過部と対向する側の端面を通り前記X線透過部と前記X線透過窓とが対向する前記方向に垂直な仮想の平面を第2基準面とすると、
    前記第1開口端は、前記ハウジングの内部のうち、前記第2基準面に対し前記X線透過部の位置する領域とは反対側の領域に位置している、
    請求項1に記載のX線管装置。
  8. X線を放出するX線管装置と、
    前記X線を検出するX線検出器と、
    回転軸を中心に回転するリング状のフレーム部を有し、前記X線管装置及び前記X線検出器が取付けられた回転架台と、を具備し、
    前記X線管装置は、
    X線透過窓を有するハウジングと、
    電子ビームを放出する陰極、前記電子ビームが照射されることにより前記X線を放出する陽極ターゲット、並びに前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記X線透過窓と対向したX線透過部を含む真空外囲器を有し、前記ハウジングに収納されたX線管と、
    前記ハウジングと前記X線管との間の空間に充填された冷却液と、
    前記ハウジングの内部に位置し前記冷却液の出入りを許可する第1開口端及び前記ハウジングの外部に開放され大気の出入りを許可する第2開口端を含むケースと、前記ケース内を前記第1開口端に繋がった第1空間及び前記第2開口端に繋がった第2空間に区域する弾性隔膜と、を有する伸縮機構と、を備え、
    前記第1開口端から前記回転軸までの第1距離は、前記X線透過部の前記X線透過窓と対向する側の端面から前記回転軸までの第2距離より短い、
    X線コンピュータ断層撮影装置。
  9. 前記ケースは、
    前記第1空間に繋がった第1貫通孔を含み、前記冷却液に接しているケース本体と、
    前記第1開口端として機能する一端と、前記第1貫通孔に液密に連結された他端と、を含む第1管部と、を有する、
    請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  10. 前記ケースは、
    前記第1空間に繋がり前記第1開口端として機能する第1貫通孔を含み、前記冷却液に接しているケース本体を有する、
    請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  11. 前記ハウジングは、開口を有し、
    前記ケース本体は、前記第2空間に繋がった第2貫通孔を含み、前記ハウジングの前記開口を液密に閉塞し、
    前記第2貫通孔は、前記ハウジングの外部に開放され、前記第2開口端として機能している、
    請求項9又は10に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  12. 前記ケース本体は、前記第2空間に繋がった第2貫通孔を含み、前記ハウジングの内部に位置し、
    前記ハウジングは、前記第2開口端として機能する第3貫通孔を有し、
    前記ケースは、第2管部をさらに有し、
    前記第2管部は、前記第2貫通孔に液密に連結された一端と、前記第3貫通孔に液密に連結された他端と、を含み、前記冷却液に接している、
    請求項9又は10に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  13. 前記ハウジングは、第3貫通孔を有し、
    前記ケースは、
    前記第1空間に繋がった第1貫通孔と、前記第2空間に繋がり前記第2開口端として機能する第2貫通孔と、を含み、前記ハウジングの外部に位置したケース本体と、
    前記第1開口端として機能する一端と、前記第1貫通孔に液密に連結された他端と、を含み、前記ハウジングの前記第3貫通孔を通り、前記ハウジングに液密に取り付けられた第1管部と、を有する、
    請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  14. 前記第1距離は、前記X線透過窓の前記X線透過部と対向する側の端面から前記回転軸までの第3距離より短い、
    請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
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