JP2015210943A - 端子接点 - Google Patents

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諒 藤川
Ryo Fujikawa
諒 藤川
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Abstract

【課題】表面に酸化被膜が形成されても、下層の錫等の酸化金属材を相手側端子接点と接触させて低抵抗で相手側端子接点と電気的に導通させる。【解決手段】固定端子1を構成する母材3の表面3aにめっきされためっき層5の表面5aに、互いに間隔をおいて複数のV溝5bを形成する。V溝5bは、固定端子1に接触する移動端子9からの荷重Fの方向と交差する向きの2つの斜面5cを有する。移動端子9の荷重Fにより斜面5cからめっき層5の内側への荷重が加わると、この荷重をめっき層5の外側に開放させようとする力がめっき層5の表面5aに向かう。この力により、表面5aの部分に形成された酸化膜7に亀裂7aが入りやすくなる。亀裂7aから固定接点1の表面にめっき層5の錫(Sn)が露出し、移動接点9と接触するオーミック点が形成され、固定端子1が移動端子9と低抵抗で電気的に接続される。【選択図】図1

Description

本発明は、相手側の端子接点と接触して電気的に接続される端子接点に関する。
相手側の端子接点と接触して電気的に接続される端子接点として、例えば銅(Cu)やアルミニウム(Al)の合金、ステンレス鋼等の母材の表面を、電気抵抗率が低く耐食性に優れた錫めっき層で覆って構成したものが知られている(例えば、特許文献1)。
この種の端子接点においては、端子接点の厚さ方向における内側よりも表面側を電流が流れる傾向が強い。しかし、錫めっきした端子接点の表面には、外気との接触により錫めっき部分よりも抵抗の高い酸化被膜が形成され易い。このため、この種の端子接点を相手側の端子接点と接触させて電気的に接続する際には、表面の酸化被膜を除去して、錫めっき層が相手側の端子接点に直接接触するオーミック点を形成する必要がある。
特開2013−189680号公報
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、表面に酸化被膜が形成されても、下層の錫等の酸化金属材を相手側端子接点と接触させて低抵抗で相手側端子接点と電気的に導通させることができる端子接点を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に記載した本発明の端子接点は、
相手側端子接点と接触して電気的に接続される端子接点において、
金属製の母材と、
前記母材の表面にめっきされ、少なくとも前記相手側端子接点と接触する表面部分に、前記相手側端子接点の接触により前記表面部分に加わる荷重の方向と交差する向きの斜面を有する溝が、互いに間隔をおいて複数列設されて、外気との接触により表面に金属酸化物の被膜が形成される酸化金属材層と、
を備えることを特徴とする。
請求項1に記載した本発明の端子接点によれば、酸化金属材層の表面に形成された金属酸化物の被膜を介して、金属酸化物の被膜よりも硬度が低い酸化金属材層の表面に相手側端子接点の接触荷重が加わると、加わった荷重の方向と交差する向きの溝の斜面に、酸化金属材層の内側に向けた荷重が加わる。
酸化金属材層の内側に向けて加わった荷重は、溝の斜面を除く酸化金属材層の面である表面及び母材の表面との界面から酸化金属材層の外側に開放されようとするが、母材との界面においては母材の表面からの反力が加わるので、酸化金属材層の外側に荷重を開放する力は、専ら酸化金属材層の表面に向かう。
このため、酸化金属材層の表面に形成された金属酸化物の被膜のうち、溝が形成されていない表面部分に形成された被膜に、溝の斜面から加わった荷重を酸化金属材層の外側に開放しようとする力によって亀裂が入りやすくなる。よって、この亀裂から端子接点の表面に下層の酸化金属材が露出して、相手側接点と接触するオーミック点が形成される。
このため、表面に金属酸化物の被膜が形成されても、下層の酸化金属材を相手側端子接点と接触させて低抵抗で相手側端子接点と電気的に導通させることができる。
なお、請求項1に記載した本発明の端子接点において、前記母材を銅とし、前記酸化金属材層を錫とすることができる。
本発明によれば、表面に酸化被膜が形成されても、下層の錫等の酸化金属材を相手側端子接点と接触させて低抵抗で相手側端子接点と電気的に導通させることができる。
本発明の一実施形態に係る固定接点の表面側部分を示す説明図である。 図1に示す移動接点からの荷重が加わった場合の固定接点の状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、雌コネクタに収容された移動接点と接触する雄コネクタの固定接点に本発明を適用した場合を例に取って説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る固定接点の製造工程を示す説明図である。図1に示す本実施形態の固定接点1(請求項中の端子接点に相当)は、図1(a)に示す母材3の表面3aを、図1(b)に示すように、めっき層5(請求項中の酸化金属材層に相当)で覆って構成されており、不図示の雄コネクタハウジングに収容されている。めっき層5の表面5aには、図1(c)に示すように、互いに間隔をおいてV溝5bが複数形成される。表面5aにV溝5bを形成する方法は、公知の任意の方法を採用することができる。
なお、母材3は、例えば銅(Cu)の板材で構成されており、めっき層5は、例えば錫(Sn)を母材3の表面にめっきして形成されている。
V溝5bは、固定接点1に接触する図1中不図示の移動接点からの荷重方向であるめっき層5の表面5aの法線方向と交差する向きの斜面5c,5cを有している。複数のV溝5bを形成しためっき層5の表面5aには、外気との接触により酸化膜7(金属酸化物の被膜に相当)が形成される。この酸化膜7には、図1中不図示の移動接点が接触する。
図2(a)の説明図に示すように、酸化膜7を介して酸化膜7よりも硬度が低いめっき層5の表面5aに、固定接点1と電気的に接続される移動接点9(請求項中の相手側端子接点に相当)の接触荷重Fが加わると、加わった荷重Fの方向と交差するV溝5bの斜面5cに、めっき層5の内側に向けた荷重が加わる。
めっき層5の内側に向けて加わった荷重は、図2(b)の説明図に示すように、V溝5bの斜面5cを除くめっき層5の面である表面5a及び母材3の表面3aとの界面からめっき層5の外側に開放されようとする。このうち、母材3の表面3aとの界面においては母材3からの反力が加わるので、めっき層5の外側に荷重を開放させようとする力は、専ら、V溝5bの斜面5cを除いためっき層5の表面5aに向かう。
このため、めっき層5の表面5aに形成された酸化膜7のうち、めっき層5のV溝5bが形成されていない表面5aの部分に形成された酸化膜7に、V溝5bの斜面5cから加わった荷重をめっき層5の外側に開放しようとする力によって亀裂7aが入りやすくなる。よって、この亀裂7aから固定接点1の表面(酸化膜7の表面)に下層のめっき層5の錫(Sn)が露出して、移動接点9と接触するオーミック点が形成される。
このため、固定接点1の表面(めっき層5の表面5a)に酸化膜7が形成されても、下層のめっき層5の錫(Sn)を移動接点9と接触させて低抵抗で移動接点9と固定接点1とを電気的に導通させることができる。
なお、本実施形態では、めっき層5の表面5aに形成したV溝5bに、移動接点9からの荷重Fの方向と交差する斜面5cを2つ形成したが、斜面5cを1つ有する溝をめっき層5の表面5aに形成してもよい。また、斜面5cを有する溝の断面形状は、本実施形態のV溝5bの断面形状に限らず任意である。
また、めっき層5の表面5aの斜面5cを有する溝を形成する領域は、表面5aの全体であってもよく、表面5aのうち、固定接点1の表面(酸化膜7の表面)の移動接点9が接触する領域に対応する部分だけとしてもよい。いずれにせよ、溝と溝との間に表面5aが存在するように、隣り合う溝同士には一定の間隔を持たせることが必要である。
さらに、本発明は、移動接点9側にも適用可能である。勿論、固定接点1と移動接点9との両方に本発明を適用することも可能である。
本発明は、相手側端子接点と接触して電気的に接続される端子接点に適用して極めて有用である。
1 固定接点
3 母材
3a 母材表面
5 めっき層(酸化金属材層)
5a めっき層表面(酸化金属材の表面)
7 酸化膜(金属酸化物の被膜)
7a 亀裂
9 移動接点
F 荷重

Claims (2)

  1. 相手側端子接点と接触して電気的に接続される端子接点において、
    金属製の母材と、
    前記母材の表面にめっきされ、少なくとも前記相手側端子接点と接触する表面部分に、前記相手側端子接点の接触により前記表面部分に加わる荷重の方向と交差する向きの斜面を有する溝が、互いに間隔をおいて複数列設されて、外気との接触により表面に金属酸化物の被膜が形成される酸化金属材層と、
    を備えることを特徴とする端子接点。
  2. 前記母材は銅であり、前記酸化金属材層は錫であることを特徴とする請求項1記載の端子接点。
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