JP2015210205A - 空気流量測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、2次樹脂部とハウジングとの間のシールを確保するため、ハウジングに2次樹脂部が溶着する溶着部を設ける技術が知られている。溶着部とは、2次成形時に2次樹脂部に溶着する溶着突起が形成された部分である。
しかしながら、導通部材の近傍では、金属と樹脂の線膨張係数の差により生じる応力によって溶着突起に亀裂が入り、シール性の確保が困難な場合がある。
実施例1の空気流量測定装置1の構成を、図1〜4を用いて説明する。
空気流量測定装置1は、例えば、自動車用エンジンへの吸入空気量を計測するエアフローメータであって、自動車用エンジンへの吸気路を形成するダクトDに取り付けられて使用されるものである。
なお、ダクトDの管壁には、円形状をした取付け穴Daが開口しており、空気流量測定装置1は取付け穴DaからダクトD内に挿入することにより設置される。
嵌合部2aは、取付け穴Daに嵌合する部分であって外周面に周溝7が形成されており、周溝7に配されるOリング8によって、取付け穴Daの内周面と嵌合部2aとの間が密封される(図1参照)。
ここで、ダクトDを流れる空気の流れ(主流)の方向を主流方向とし、主流方向に垂直であって取付け穴DaからダクトDの内側に向かう方向をY方向下方とし、その反対をY方向上方と呼ぶ。
流路形成部2cは、嵌合部2aからダクトDの内側(Y方向下方)に伸びて配設され、ダクトDの内部を流れる吸入空気の一部(測定空気)を取り込むバイパス流路11を形成する。
バイパス流路11は、ダクトDを流れる空気の流れ(主流)の上流側に向かって開口する取込口12と、主流下流側に向かって開口する吸入空気の放出口13とを有し、例えば、取込口12から取り込んだ吸入空気を周回させて放出口13に向かわせる(図1参照)。
バイパス流路11は、主流方向の順方向と逆向きに流体が流れる領域14を有しており、この領域14に流量センサ4が配される。
回路基板を含む回路モジュール部20aは、後述する導通部材10に電気的に接続する端子20bを有しており、端子20bは穴21の開口からY方向上方に突出している。
本実施例のインサート部材5は、金属製の導通部材10である。導通部材10は、流量センサ4と外部機器とを接続するための部材であって、端子20bに電気的に接続されるとともに、外部機器のコネクタに接続するコネクタピンをなすターミナルである。
すなわち、本実施例のインサート部材5は2次樹脂部3にインサートされている。
図5に示すように、2次樹脂部3は、保持ベース部2bを覆って、導通部材10の一部やセンサアッシー20のカバーをなすとともに、コネクタハウジング3aを形成する。
導通部材10は、その一部が保持ベース部2bの外周縁から外周側に突出するように保持される。本実施例では弦に該当する周方向位置において、導通部材10の一部(コネクタピンを成す部分)が外周側に突出している。
2次樹脂部3は、溶着部32を外周側から覆うように2次樹脂成形され、溶着突起31は、2次樹脂成形時に2次樹脂部3を成す溶融樹脂により溶融して2次樹脂部3に溶着する。
また、溶着突起31はY方向に3本並んで形成されている。なお、溶着突起31は実施例のように3本に限定されるものではなく少なくとも1本設けられていればよい。また、実施例では、円弧面28で溶着突起31が周方向に連続して線状に設けられているが、間欠的に設けてもよい。
実施例の空気流量測定装置1によれば、溶着部32において、インサート部材5(導通部材10)近傍に位置する部分には、溶着突起31の高さよりも大きい寸法の深さであって2次成形時に2次樹脂が流れ込む凹部35が形成されている。
なお、「近傍」とは、ハウジング2及び2次樹脂部3をなす樹脂と導通部材10をなす金属との線膨張係数の差に起因して溶着部32に発生する応力が所定値以上となるような近さをいう。所定値以上の応力とは、例えば、凹部35が存在しない場合に溶着突起31の少なくとも一部が破損するような応力である。
本実施例では、図2に示すように、弦に該当する周方向位置において、導通部材10の一部が外周側に突出しているため、平坦面29上に凹部35が形成されている。
また、図2に示すように、凹部35は、Y方向からみて台形形状を呈しており、深さ方向に向かうに従って周方向長さが小さくなる形状を呈している。
本実施例では、平坦面29に3つの凹部35が周方向に並んで設けられているが、1つであってもよい。
本実施例の空気流量測定装置1は、溶着部32において、導通部材10近傍に位置する部分には、溶着突起31の高さよりも大きい寸法の深さであって2次成形時に2次樹脂が流れ込む凹部35が形成されている。
これによれば、線膨張係数の差に起因して導通部材10近傍に生じる応力を、凹部35の存在によって緩和することができ、溶着突起31の破損を防止することができる。
実施例では、導通部材10が2次樹脂部3にインサートされていたが、ハウジング2にインサートされていてもよい。
また、実施例ではインサート部材5が、金属製の導通部材10であったが、導通部材10に限られない。
また、実施例では、インサート部材5の近傍にのみ溶着部32に凹部35を設けたが、これに加えてインサート部材5から離れた溶着部32にも凹部35を設けてもよい。
2 ハウジング
3 2次樹脂部
4 流量センサ
5 インサート部材
11 バイパス流路
31 溶着突起
32 溶着部
35 凹部
D ダクト
Claims (3)
- ダクト(D)の内部を流れる空気の一部を取り込むバイパス流路を有するハウジング(2)と、
前記ハウジング(2)を1次成形部品とする2次成形によって形成される2次樹脂部(3)と、
前記バイパス流路に配設される流量センサ(4)と、
前記ハウジング(2)もしくは前記2次樹脂部(3)の少なくとも一方にインサートされて、前記ハウジング(2)及び前記2次樹脂部(3)を構成する材料とは異なる線膨張係数の材料で構成されるインサート部材(5)とを備える空気流量測定装置であって、
前記ハウジング(2)は、2次成形時に前記2次樹脂部(3)に溶着する溶着突起(31)が形成された溶着部(32)を有し、
前記溶着部(32)において、前記インサート部材(5)近傍に位置する部分には、前記溶着突起(31)の高さよりも大きい寸法の深さであって2次成形時に2次樹脂が流れ込む凹部(35)が形成されていることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1に記載の空気流量測定装置において、
前記インサート部材(5)は、金属材料により形成された部材であることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項2に記載の空気流量測定装置において、
前記インサート部材(5)は、前記流量センサ(4)と外部機器とを接続するための導通部材(10)であって、
前記ハウジング(2)は、前記導通部材(10)を保持する保持ベース部(2b)を有し
前記導通部材(10)は、その一部が前記保持ベース部(2b)の外周縁から外周側に突出するように保持され、
前記2次樹脂部(3)は、前記保持ベース部(2b)に前記導通部材(10)保持させた組立体を1次成形部品とする2次成形によって形成され、
前記溶着部(32)は、前記保持ベース部(2b)の外周に形成され、
前記凹部(35)は、前記溶着部(32)において、少なくとも、前記導通部材(10)の一部が前記保持ベース部(2b)の外周縁から突出している周方向位置に形成されていることを特徴とする空気流量測定装置。
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