JP2015210177A - 記録媒体判別装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】坪量検知センサの位置ずれに起因する環境変動の補正精度の低下を防止して、記録媒体の坪量の判別精度を向上させること。【解決手段】超音波を送信する送信部31と、送信部31から送信され、受信した超音波に応じた信号を出力する受信部32と、受信部32から出力された信号の値を検知するピーク抽出部344と、ピーク抽出部344によって検知された信号の値に基づいて記録媒体の坪量を判別する制御部60と、送信部31が超音波を送信してから、ピーク抽出部344が検知するまでの時間を測定するタイマ345を有し、制御部60は工場出荷時にタイマ345により測定された時間と、工場出荷後にタイマ345により測定された時間に基づいて、工場出荷後における送信部31と受信部32の距離の変動を算出し(S104)、算出された距離の変動と検知された信号の値に応じて記録媒体の坪量の判別を行う(S106〜S110)。【選択図】図6
Description
本発明は、記録媒体の坪量を判別する記録媒体判別装置及び画像形成装置に関する。
電子写真プロセスを用いた複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置は、像担持体上にトナー像を形成する画像形成部、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写する転写部、記録媒体を加熱、加圧して記録媒体にトナー像を定着させる定着部を有する。従来、このような画像形成装置では、例えば、外部装置としてのコンピュータ等により、もしくは画像形成装置本体に設けられた操作パネルを介して、記録媒体のサイズや種類がユーザによって設定される。そして、その設定に基づいて、画像形成装置は、転写条件(例えば転写電圧や転写時の記録媒体の搬送速度)や定着条件(例えば定着温度や定着時の記録媒体の搬送速度)を制御する。このようなユーザによる設定の負担を軽減するために、近年では画像形成装置の内部に記録媒体を判別するセンサを備えて、記録媒体の種類を自動的に判別する画像形成装置が提供されている。このような画像形成装置では、自動的に記録媒体の種類を判別し、判別結果に応じて転写条件や定着条件が設定される。
例えば特許文献1に提案されているように、記録媒体に対して超音波を照射し、記録媒体を介して減衰した超音波を受信することにより、記録媒体の坪量(単位面積当たりの質量)を判別するセンサがある。このような超音波を用いたセンサ(以下、超音波センサと記載する)を坪量の判別に使用する場合、センサ周囲の環境(例えば気圧や気温)を一定の条件に保つことが望ましい。超音波の振幅は周囲の環境によって変化することが知られており、坪量の判別結果に影響を及ぼすためである。しかしながら、超音波センサを搭載した画像形成装置が設置される環境は常に一定であるとは限らない。これらの影響を低減する方法として、例えば特許文献2では、記録媒体がない状態での超音波の振幅に基づいて、環境変動の影響を低減又はキャンセルする方法が提案されている。
坪量判別における環境変動の影響を低減する方法については、上述したように記録媒体がない状態での超音波出力を測定し、補正を行うことで、環境変動の影響をキャンセルする手法がある。しかしながら、超音波センサを用いた坪量判別に影響を与える要因としては、環境変動だけとは限らない。例えば、超音波の送信部と受信部の位置関係(距離)が変動した場合にも、受信した超音波の振幅が変わってしまう。この状態で上述したような環境補正を行った場合、記録媒体がない状態での超音波出力も変化するので、補正精度が低下する場合がある。従って、超音波の送信部と受信部は、夫々の位置関係が変わらないように画像形成装置内に設置することが望ましい。しかし、以下に述べる状況から、超音波を用いる坪量検知センサを配置する位置は限られており、送信部と受信部の位置関係を一定に保つことが難しい。
まず、超音波により坪量を判別する場合、超音波の送信部と受信部は記録媒体を挟み込むように配置する必要があるため、送信部と受信部を一体にすることは困難である。更に、坪量検知センサの判別結果に基づいて転写条件や定着条件が決定されるため、記録媒体の搬送経路の上流、少なくとも像担持体上のトナー像が記録媒体に転写される転写部よりも手前にセンサを配置する必要がある。一般的に、画像形成装置は記録媒体が搬送経路上で滞留した時(ジャム時)のために、記録媒体を取り除くための機構を有している。そのため、例えば、転写ユニットは開閉式になっていることが多く、超音波の送信部又は受信部のどちらかは転写ユニット上に配置されることになる。ところが、このような開閉が可能な可動部にセンサが配置されると、開閉操作などによってセンサの位置がずれることも考えられ、超音波の送信部と受信部の位置関係(距離)を一定に保てなくなる可能性が高い。
本発明はこのような状況のもとでなされたもので、坪量検知センサの位置ずれに起因する環境変動の補正精度の低下を防止して、記録媒体の坪量の判別精度を向上させることを目的とする。
前述した課題を解決するため、本発明では次の通りに構成する。
(1)超音波を送信する送信手段と、前記送信手段から送信され、記録媒体を介した超音波を受信して、受信した超音波に応じた第1の信号を出力し、前記送信手段から送信され、記録媒体を介さない超音波を受信して、受信した超音波に応じた第2の信号を出力する受信手段と、前記受信手段から出力された信号の値を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された前記第1の信号の値に基づいて、前記記録媒体の坪量を判別する制御手段を有する記録媒体判別装置において、前記送信手段が超音波を送信してから、前記検知手段が前記第2の信号の値を検知するまでの時間を測定する測定手段と、を有し、前記制御手段は、第1の状態において前記測定手段により測定された時間と、前記第1の状態とは異なる第2の状態において前記測定手段により測定された時間に基づいて、前記第1の状態から前記第2の状態における前記送信手段と前記受信手段の距離の変動を算出し、算出された前記距離の変動と前記第1の信号の値に応じて記録媒体の坪量の判別を行うことを特徴とする記録媒体判別装置。
(2)記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、超音波を送信する送信手段と、前記送信手段から送信され、記録媒体を介した超音波を受信して、受信した超音波に応じた第1の信号を出力し、前記送信手段から送信され、記録媒体を介さない超音波を受信して、受信した超音波に応じた第2の信号を出力する受信手段と、前記受信手段から出力された信号の値を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された前記第1の信号の値に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を制御する制御手段を有する画像形成装置において、前記送信手段が超音波を送信してから、前記検知手段が前記第2の信号の値を検知するまでの時間を測定する測定手段と、を有し、前記制御手段は、第1の状態において前記測定手段により測定された時間と、前記第1の状態とは異なる第2の状態において前記測定手段により測定された時間に基づいて、前記第1の状態から前記第2の状態における前記送信手段と前記受信手段の距離の変動を算出し、算出された前記距離の変動と前記第1の信号の値に応じて前記画像形成手段の画像形成条件を制御することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、坪量検知センサの位置ずれに起因する環境変動の補正精度の低下を防止して、記録媒体の坪量の判別精度を向上させることができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施の形態は一例であって、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[画像形成装置の構成と動作概要]
図1は、本実施例の電子写真式のカラー画像形成装置の一例として、坪量検知センサを搭載し、中間転写ベルト方式を採用したタンデム方式(4ドラム系)の画像形成装置1の概略断面図である。図1において、供給カセット2は、記録媒体Pを収納する。画像形成制御部3は、画像形成装置1の画像形成動作を制御する。供給ローラ4は、供給カセット2から記録媒体Pを供給し、搬送ローラ5及び搬送対向ローラ6は、供給された記録媒体Pを搬送する。像担持体である感光ドラム11Y、11M、11C、11Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を担持する。以降、各色を表す符号Y、M、C、Kは、必要な場合を除き省略する。帯電ローラ12は、感光ドラム11を一様に所定の電位に帯電するための一次帯電手段である。光学ユニット13は、帯電ローラ12によって帯電された感光ドラム11上に各色の画像データに対応したレーザビームを照射し、静電潜像を形成するための光学ユニットである。現像器14は、感光ドラム11上(像担持体上)に形成された静電潜像をトナー(現像剤)により可視化する。現像剤搬送ローラ15は、現像器14内の現像剤を感光ドラム11と対向する部分に送り出す。感光ドラム11、帯電ローラ12、光学ユニット13、現像器14は、画像形成部を構成する。一次転写ローラ16は、感光ドラム11上に形成された画像を中間転写ベルト17に転写する。駆動ローラ18は、感光ドラム11から転写された画像を担持する中間転写ベルト17を駆動する。二次転写ローラ19は、中間転写ベルト17上に形成された画像を記録媒体Pに転写するためのローラであり、二次転写対向ローラ20は、二次転写ローラ19に対向するローラである。定着ユニット21は、記録媒体Pを搬送させながら、記録媒体Pに転写されたトナー像を溶融定着させる。排出ローラ22は、定着ユニット21によって、定着が行われた記録媒体Pを排出する。
図1は、本実施例の電子写真式のカラー画像形成装置の一例として、坪量検知センサを搭載し、中間転写ベルト方式を採用したタンデム方式(4ドラム系)の画像形成装置1の概略断面図である。図1において、供給カセット2は、記録媒体Pを収納する。画像形成制御部3は、画像形成装置1の画像形成動作を制御する。供給ローラ4は、供給カセット2から記録媒体Pを供給し、搬送ローラ5及び搬送対向ローラ6は、供給された記録媒体Pを搬送する。像担持体である感光ドラム11Y、11M、11C、11Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を担持する。以降、各色を表す符号Y、M、C、Kは、必要な場合を除き省略する。帯電ローラ12は、感光ドラム11を一様に所定の電位に帯電するための一次帯電手段である。光学ユニット13は、帯電ローラ12によって帯電された感光ドラム11上に各色の画像データに対応したレーザビームを照射し、静電潜像を形成するための光学ユニットである。現像器14は、感光ドラム11上(像担持体上)に形成された静電潜像をトナー(現像剤)により可視化する。現像剤搬送ローラ15は、現像器14内の現像剤を感光ドラム11と対向する部分に送り出す。感光ドラム11、帯電ローラ12、光学ユニット13、現像器14は、画像形成部を構成する。一次転写ローラ16は、感光ドラム11上に形成された画像を中間転写ベルト17に転写する。駆動ローラ18は、感光ドラム11から転写された画像を担持する中間転写ベルト17を駆動する。二次転写ローラ19は、中間転写ベルト17上に形成された画像を記録媒体Pに転写するためのローラであり、二次転写対向ローラ20は、二次転写ローラ19に対向するローラである。定着ユニット21は、記録媒体Pを搬送させながら、記録媒体Pに転写されたトナー像を溶融定着させる。排出ローラ22は、定着ユニット21によって、定着が行われた記録媒体Pを排出する。
次に、画像形成装置1の画像形成動作について説明する。画像形成制御部3には制御手段であるCPU80が搭載されており、画像形成装置1の画像形成動作を一括して制御している。不図示のホストコンピュータ等から画像形成制御部3に、印刷命令や画像情報等を含んだ印刷データが入力される。印刷データが入力されると、画像形成装置1は印刷動作を開始し、記録媒体Pは供給ローラ4によって、供給カセット2から供給され搬送路に送り出される。中間転写ベルト17上に転写される画像の形成動作と記録媒体Pの搬送動作のタイミングとの同期を取るため、記録媒体Pは、搬送ローラ5及び搬送対向ローラ6の位置で一旦停止して画像形成が行われるまで待機する。記録媒体Pが供給される動作と共に、画像形成動作として、感光ドラム11は帯電ローラ12によって、一定の電位に帯電される。入力された印刷データにあわせて光学ユニット13は、帯電された感光ドラム11の表面を、レーザビームによって露光走査して静電潜像を形成する。形成された静電潜像を可視化するために、現像器14及び現像剤搬送ローラ15によって現像が行われる。すなわち、感光ドラム11の表面に形成された静電潜像は、現像器14から供給されたトナーにより夫々の色でトナー像として現像される。感光ドラム11は、中間転写ベルト17と当接しており、中間転写ベルト17の回転に同期して回転する。現像された各トナー像は、一次転写ローラ16により中間転写ベルト17上に、順次多重転写される。そして、二次転写ローラ19及び二次転写対向ローラ20により、中間転写ベルト17上のトナー像が記録媒体P上に転写される。記録媒体Pに転写されたトナー像は、定着ローラ等から構成される定着ユニット21によって、記録媒体Pに定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、排出ローラ22によって不図示の排出トレイに排出され、画像形成動作を終了する。
[坪量検知センサ]
図1において、記録媒体Pの坪量情報を検知する記録媒体判別装置である坪量検知センサの送信手段である送信部31と受信手段である受信部32は、記録媒体Pが搬送される搬送路を挟むように配置されている。そして、送信部31と受信部32が配置された搬送路上の位置は、転写部を構成する二次転写ローラ19及び二次転写対向ローラ20よりも、搬送路の記録媒体Pの搬送方向上流側に配置されている。また、送信部31は二次転写ローラ19と共に二次転写ユニット23内に設けられている。送信部31と受信部32の配置位置を入れ換えて、受信部32が二次転写ユニット23内に設けられていてもよい。二次転写ユニット23は、二次転写ユニット回転軸24を支点に図中の矢印方向に開閉操作が可能な可動式となっている。これにより、搬送中の記録媒体Pが二次転写ユニット23付近で滞留した場合でも、二次転写ユニット23を開状態とすることにより、ユーザは滞留した記録媒体Pを簡単に除去することができる。また、画像形成制御部3は、超音波(以下、単に音波ともいう)の送受信制御や記録媒体Pの判別動作を行う坪量検知センサ制御部30を備えている。ここでいう「坪量」とは、記録媒体Pの単位面積当たりの質量であり、g/m2で表わされる。画像形成制御部3は、坪量検知センサで得られた検知結果に基づいて、画像形成における画像形成条件の制御を行う。ここでいう「画像形成条件の制御」とは、例えば記録媒体Pの種類の違いによって、記録媒体Pの搬送スピードを変更したり、転写時における二次転写ローラ19に印加する電圧を変更したり、定着ユニット21における定着時の温度を変更したりすることである。更に、画像形成条件として画像を転写する際における一次転写ローラ16や二次転写ローラ19の回転速度を制御してもよい。更に、画像形成条件として画像を定着する際における定着ユニット21が有する定着ローラの回転速度を制御してもよい。
図1において、記録媒体Pの坪量情報を検知する記録媒体判別装置である坪量検知センサの送信手段である送信部31と受信手段である受信部32は、記録媒体Pが搬送される搬送路を挟むように配置されている。そして、送信部31と受信部32が配置された搬送路上の位置は、転写部を構成する二次転写ローラ19及び二次転写対向ローラ20よりも、搬送路の記録媒体Pの搬送方向上流側に配置されている。また、送信部31は二次転写ローラ19と共に二次転写ユニット23内に設けられている。送信部31と受信部32の配置位置を入れ換えて、受信部32が二次転写ユニット23内に設けられていてもよい。二次転写ユニット23は、二次転写ユニット回転軸24を支点に図中の矢印方向に開閉操作が可能な可動式となっている。これにより、搬送中の記録媒体Pが二次転写ユニット23付近で滞留した場合でも、二次転写ユニット23を開状態とすることにより、ユーザは滞留した記録媒体Pを簡単に除去することができる。また、画像形成制御部3は、超音波(以下、単に音波ともいう)の送受信制御や記録媒体Pの判別動作を行う坪量検知センサ制御部30を備えている。ここでいう「坪量」とは、記録媒体Pの単位面積当たりの質量であり、g/m2で表わされる。画像形成制御部3は、坪量検知センサで得られた検知結果に基づいて、画像形成における画像形成条件の制御を行う。ここでいう「画像形成条件の制御」とは、例えば記録媒体Pの種類の違いによって、記録媒体Pの搬送スピードを変更したり、転写時における二次転写ローラ19に印加する電圧を変更したり、定着ユニット21における定着時の温度を変更したりすることである。更に、画像形成条件として画像を転写する際における一次転写ローラ16や二次転写ローラ19の回転速度を制御してもよい。更に、画像形成条件として画像を定着する際における定着ユニット21が有する定着ローラの回転速度を制御してもよい。
坪量検知センサの送信部31と受信部32は同様の構成であり、機械的変位と電気信号とを相互に変換する素子である圧電素子(ピエゾ素子ともいう)及び電極端子から構成されている。送信部31では、電極端子に所定周波数のパルス電圧が印加されると、圧電素子が発振して音波が発生する。途中に記録媒体Pが存在する場合、発生した音波は空気中を伝わり、記録媒体Pに到達する。音波が記録媒体Pまで到達すると、音波によって記録媒体Pが振動する。記録媒体Pが振動することにより音波が伝達され、更に、音波は空気中を伝わって受信部32に到達する。このように、送信部31から送信された音波は、記録材Pを介して減衰し、受信部32に到達する。受信部32の圧電素子は、受信した音波の振幅に応じた出力電圧を電極端子に出力する。これが圧電素子を用いて超音波を送受信する場合の動作原理である。
[坪量検知センサの構成]
次に、坪量検知センサの構成、及び坪量検知センサが記録媒体Pの坪量を検知する方法について、図2を用いて説明する。図2(a)は、坪量検知センサの構成を示すブロック図である。図2(a)に示すように、坪量検知センサは、送信部31、受信部32、坪量検知センサ制御部30から構成されている。更に、坪量検知センサ制御部30は、送信制御部33、受信制御部34、及び制御部60から構成されている。送信制御部33は、超音波を送信するための駆動信号を生成し、駆動信号を増幅する機能を有し、受信制御部34は、受信部32で受信した超音波の振幅を検知し、電圧信号に変換する機能を有し、制御部60は、各部の制御及び記録媒体の判別を行う。また、制御部60は、不図示のROMとRAMを有し、ROMには、坪量検知センサを制御するプログラムやデータが格納されており、RAMは、制御部60が実行する制御プログラムが一時的に情報を保存するために使用されるメモリである。本実施例では、送信部31及び受信部32は、32kHzの周波数を持つ超音波の送信、及び受信を行う。発生させる超音波の周波数は、送信部31及び受信部32の構成、検知精度等に応じて予め設定されており、適切な範囲の周波数を選択すればよい。また、図2(b)は、受信制御部34の検知回路342の構成を示すブロック図であり、検知回路342は、増幅器351と半波整流器352から構成されている。
次に、坪量検知センサの構成、及び坪量検知センサが記録媒体Pの坪量を検知する方法について、図2を用いて説明する。図2(a)は、坪量検知センサの構成を示すブロック図である。図2(a)に示すように、坪量検知センサは、送信部31、受信部32、坪量検知センサ制御部30から構成されている。更に、坪量検知センサ制御部30は、送信制御部33、受信制御部34、及び制御部60から構成されている。送信制御部33は、超音波を送信するための駆動信号を生成し、駆動信号を増幅する機能を有し、受信制御部34は、受信部32で受信した超音波の振幅を検知し、電圧信号に変換する機能を有し、制御部60は、各部の制御及び記録媒体の判別を行う。また、制御部60は、不図示のROMとRAMを有し、ROMには、坪量検知センサを制御するプログラムやデータが格納されており、RAMは、制御部60が実行する制御プログラムが一時的に情報を保存するために使用されるメモリである。本実施例では、送信部31及び受信部32は、32kHzの周波数を持つ超音波の送信、及び受信を行う。発生させる超音波の周波数は、送信部31及び受信部32の構成、検知精度等に応じて予め設定されており、適切な範囲の周波数を選択すればよい。また、図2(b)は、受信制御部34の検知回路342の構成を示すブロック図であり、検知回路342は、増幅器351と半波整流器352から構成されている。
図2(a)において、制御部60は、記録媒体Pの坪量を測定する場合、測定開始を指示する信号を受信制御部34の駆動信号制御部341に出力する。駆動信号制御部341は、測定開始を指示する入力信号を受信すると、所定周波数の超音波を送信するために、送信制御部33の駆動信号生成部331に対して、超音波の信号の生成を指示する。駆動信号制御部341は、記録媒体Pや搬送路周囲の部材による反射波等の外乱の影響を低減するために、送信部31が照射した直接波のみを受信部32で受信できるように、一定周期のパルス波(バースト波)(後述する図3(a))を出力する。本実施例では、1回の測定で、10ms(ミリ秒)毎に、周波数が32kHz(キロヘルツ)のパルス波(駆動信号)を5パルス連続出力し、これを16回繰り返す。そして、パルス波を出力すると共に、カウンタであるタイマ345をリセットし、カウントをスタートさせる。生成手段である駆動信号生成部331は、予め設定された周波数のパルス波である駆動信号を生成し、増幅器332に出力する。増幅器332は、駆動信号生成部331より入力された駆動信号のレベル(電圧値)を増幅し、送信部31へ出力する。
受信部32は、送信部31と受信部32の間に記録媒体Pがない状態では、送信部31から送信され、記録媒体Pを介さない超音波を受信して、受信した信号波形(第2の信号)を受信制御部34の検知回路342に出力する。また受信部32は、送信部31と受信部32の間に記録媒体Pがある状態では、送信部31から送信され、記録媒体Pを介して減衰した超音波を受信して、受信した信号波形(第1の信号)を受信制御部34の検知回路342に出力する。図2(b)に示すように、検知回路342は、入力された信号の増幅を行う増幅器351と、信号の半波整流を行う半波整流器352と、を備えている。本実施例の増幅器351は、記録媒体Pが送信部31と受信部32との間にある状態と、ない状態とで受信した信号の増幅率を変更できるようにしている。
図3(a)は、図2(a)、(b)の各部における信号波形を示した図である。図3(a)において、「駆動信号波形」は送信制御部33の駆動信号生成部331から増幅器332に出力されるパルス波の波形であり、「受信信号波形」は送信部31から送信された信号を受信部32で受信した信号波形である。また、「半波整流後波形」は、受信制御部34の検知回路342の半波整流器352から出力された信号波形である。横軸は、いずれも時間を示す。
検知回路342から出力されたアナログ信号(図3(a)に示す半波整流後波形の信号)は、A−D変換部343に入力され、アナログ信号からデジタル信号へ変換される。検知手段であるピーク抽出部344では、変換されたデジタル信号に基づいて、受信部32で受信した信号のピーク成分のピーク値(極大値)(以下、単にピーク値ともいう)の検知と抽出を行う。前述したように、測定手段であるタイマ345では、駆動信号生成部331が駆動信号を出力したタイミングで、カウンタであるタイマをリセットし、カウントを開始する。ピーク抽出部344では、時系列で信号処理を行い、受信信号のピーク値を検知したタイミングで、タイマ345よりカウント値を読み出す。1回の測定終了のタイミングで、ピーク抽出部344で抽出した信号のピーク値と、タイマ345から読み出したカウント値を一組にして、記憶部346に保存する。以上の測定動作を、送信部31と受信部32の間に記録媒体Pがない状態(以下、記録媒体Pがない状態ともいう)と、送信部31と受信部32の間に記録媒体Pがある状態(以下、記録媒体Pがある状態ともいう)で行う。そして、演算部347では、得られた値から演算係数を算出する。「演算係数」は、記録媒体Pがない状態と、記録媒体Pがある状態でのピーク値の比から算出される坪量に相当する値であり、記録媒体Pの坪量判別に用いられる。演算部347で算出された演算係数に基づいて、制御手段である制御部60は記録媒体Pの坪量を判別し、判別結果に基づいて画像形成装置1のCPU80は画像形成条件を制御する。また、CPU80は制御部60によって記録材Pの坪量を判別することなく、演算係数の値から直接的に画像形成装置1の画像形成条件を制御してもよい。
図3(b)は、本実施例における受信部32で受信した信号の半波整流後の信号波形を示した図である。実線の波形は、送信部31と受信部32の間に記録媒体Pがない状態の「紙なし」時(以下、紙なし時、紙なし状態ともいう)の波形である。破線の波形は、送信部31と受信部32の間に記録媒体Pがある状態の「紙あり」時(以下、紙あり時、紙あり状態ともいう)の波形である。使用した記録媒体Pは、坪量60g/m2の印刷紙(以下、単に紙という)である。横軸は超音波の送信部31から受信部32までの伝搬時間に相当するカウンタ値、縦軸は受信した信号の振幅に相当する出力値である。本実施例では、タイマ345でタイマとして使用するカウンタの周波数は3MHz(メガヘルツ)であり、図3(b)の横軸の1カウントは0.333μsec(マイクロ秒)に相当する。また、縦軸の出力値は、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換した後、変換後のデジタル信号値を12ビットで表現したもの(0〜4095ステップ)である。最大値の4095ステップは、受信した信号の振幅電圧3.3Vに相当し、1ステップは0.806mV(ミリボルト)である。
図3(b)に示す信号波形において、周期的に信号の出力値のピーク(極大値)があるのは、送信部31への駆動信号として図3(a)に示すバースト波を入力しているためである。また、紙の有無によって信号の出力値がピークとなるタイミングがずれているのは、紙があることによって超音波の伝搬速度が遅くなるためである。更に、紙なし時と紙あり時で、出力値のピーク値がほぼ同じ値であるのは、紙あり時のデータを安定して取得できるように、検知回路342の増幅率を変えているからであり、本実施例では紙あり時の増幅率を16倍に設定している。送信部31から超音波が送信されると、反射波との合成により増幅されて、受信部32で受信される信号の振幅は大きくなる。図3(b)に示すように、最初の2周期(図のn=1、2の波形)は受信信号のピーク値が小さく、紙の有無、種類により安定したピーク値が得られない場合がある。そのため、紙の坪量を検知するためには、次の2周期(図のn=3、4の波形)の受信信号のように、坪量検知に十分なピーク値を取得する必要がある。また、超音波を送信してから時間が経過すると反射波などの外乱の影響を受けるため、必要な受信信号の振幅が得られる範囲で、可能な限り早く出力値のピーク値を取得することが望ましい。従って、本実施例では図3(b)のn=3のときの信号ピーク値を用いて説明する。n=3の信号ピーク値を取得するためには、例えば超音波を送信してから所定時間内における最大値を抽出すればよい。ここで、この所定時間はn=2の信号ピーク値を検知できると考えられる時間よりも長く、n=4の信号ピーク値を検知できると考えられる時間よりも短い時間である。図3(b)においては例えばこの所定時間をカウンタ値450となるまでの時間と定義することができる。
[気圧変動の補正]
次に、気圧変動による坪量判別精度への影響と気圧変動に対する補正方法について、図4を用いて説明する。図4(a)は、紙がない状態での坪量検知センサの出力値が気圧により変化している様子を示しているグラフである。図4(a)において、図3(b)と同様に、横軸は超音波の送信部31から受信部32までの伝搬時間に相当するカウンタ値、縦軸は受信した超音波である信号の振幅に相当する出力値である。また、実線で示すグラフは気圧が1atmの場合、太い点線で示すグラフは気圧が0.9atmの場合、細い点線で示すグラフは気圧が0.8atmのときの受信信号波形である。「atm」は、大気圧を表す単位であり、1atmは1.013×105Pa(パスカル)である。夫々の信号波形の出力値は、送信部31の駆動信号レベルは同一にした条件で、気圧を変更して測定を行った。図4(a)に示すように、気圧(atm)が低いほど、同じ駆動信号レベルでも受信部32での受信信号の振幅である出力値が減衰している。図中のΔVAは、n=3における気圧が1atmの場合と、0.8atmの場合の出力値の差分(減衰量)を示す。
次に、気圧変動による坪量判別精度への影響と気圧変動に対する補正方法について、図4を用いて説明する。図4(a)は、紙がない状態での坪量検知センサの出力値が気圧により変化している様子を示しているグラフである。図4(a)において、図3(b)と同様に、横軸は超音波の送信部31から受信部32までの伝搬時間に相当するカウンタ値、縦軸は受信した超音波である信号の振幅に相当する出力値である。また、実線で示すグラフは気圧が1atmの場合、太い点線で示すグラフは気圧が0.9atmの場合、細い点線で示すグラフは気圧が0.8atmのときの受信信号波形である。「atm」は、大気圧を表す単位であり、1atmは1.013×105Pa(パスカル)である。夫々の信号波形の出力値は、送信部31の駆動信号レベルは同一にした条件で、気圧を変更して測定を行った。図4(a)に示すように、気圧(atm)が低いほど、同じ駆動信号レベルでも受信部32での受信信号の振幅である出力値が減衰している。図中のΔVAは、n=3における気圧が1atmの場合と、0.8atmの場合の出力値の差分(減衰量)を示す。
更に、気圧が変化すると演算係数も変化する。図4(b)は気圧変動による坪量判別精度への影響を説明する図であり、各気圧(1atm(実線)、0.9atm(長ピッチ破線)、0.8atm(短ピッチ破線)、0.7atm(点線))における坪量と演算係数との関係を示したグラフである。図4(b)の横軸は紙の坪量(g/m2)、縦軸は演算係数を示している。紙あり時の受信部32の受信信号の出力値のピーク値(以下、ピーク値という)をVp、紙なし時のピーク値をVaとすると、演算係数τは、次の式(1)で表わされる。
τ=Vp/Va (1)
例えば、気圧が1atmの場合と0.7atmの場合で、同じ坪量100g/m2の紙の坪量判別を図4(b)により行うと、0.7atmでは、1atmの場合と比べて演算係数が小さくなる。そのため、気圧が0.7atmのときの演算係数を1atmでの演算係数として坪量判別を行うと、坪量を150g/m2と誤って判別してしまうことになる。従って、紙の坪量を正しく判別するためには、演算係数τに気圧変動分を考慮した補正を行う必要がある。気圧によって坪量検知センサの出力値が変化する理由は、空気の密度によって音の伝わりにくさ(音響インピーダンス)が変化するからである。坪量検知センサの出力値は音響インピーダンスに比例するので、気圧変動前、変動後での出力値(ピーク値)の比に基づいて、気圧の変動を補正することができる。具体的な方法としては、まず、工場出荷時(第1の状態)など予め気圧が分かっている環境において、紙がない状態で検知を行い、測定したピーク値を基準ピーク値Va0として記憶部346などに格納する。本実施例では基準ピーク値を測定する環境は1atmとする。なお、この測定環境は一例であり、基準ピーク値Va0を測定する環境の気圧は任意の気圧でよい。次に、工場出荷後(第2の状態)に周囲環境が変動した可能性がある場合に、工場出荷時と同様に紙がない状態での検知を行う。そして、測定したピーク値Vaと記憶部346に格納された基準ピーク値Va0との比を補正係数とし、補正係数を用いて演算係数τを補正することができる。この補正係数を環境補正係数αとし、基準となる紙なしピーク値を基準ピーク値Va0とすると、環境補正係数αは、
α=Va/Va0 (2)
で表わされ、気圧が1atmでの演算係数τrは、次の式(3)で表わされる。
τr=τ/α (3)
このように、環境補正係数αによる補正を行うことで、気圧が1atmでの演算係数τrを求めることができ、正しい坪量判別を行うことができる。
τ=Vp/Va (1)
例えば、気圧が1atmの場合と0.7atmの場合で、同じ坪量100g/m2の紙の坪量判別を図4(b)により行うと、0.7atmでは、1atmの場合と比べて演算係数が小さくなる。そのため、気圧が0.7atmのときの演算係数を1atmでの演算係数として坪量判別を行うと、坪量を150g/m2と誤って判別してしまうことになる。従って、紙の坪量を正しく判別するためには、演算係数τに気圧変動分を考慮した補正を行う必要がある。気圧によって坪量検知センサの出力値が変化する理由は、空気の密度によって音の伝わりにくさ(音響インピーダンス)が変化するからである。坪量検知センサの出力値は音響インピーダンスに比例するので、気圧変動前、変動後での出力値(ピーク値)の比に基づいて、気圧の変動を補正することができる。具体的な方法としては、まず、工場出荷時(第1の状態)など予め気圧が分かっている環境において、紙がない状態で検知を行い、測定したピーク値を基準ピーク値Va0として記憶部346などに格納する。本実施例では基準ピーク値を測定する環境は1atmとする。なお、この測定環境は一例であり、基準ピーク値Va0を測定する環境の気圧は任意の気圧でよい。次に、工場出荷後(第2の状態)に周囲環境が変動した可能性がある場合に、工場出荷時と同様に紙がない状態での検知を行う。そして、測定したピーク値Vaと記憶部346に格納された基準ピーク値Va0との比を補正係数とし、補正係数を用いて演算係数τを補正することができる。この補正係数を環境補正係数αとし、基準となる紙なしピーク値を基準ピーク値Va0とすると、環境補正係数αは、
α=Va/Va0 (2)
で表わされ、気圧が1atmでの演算係数τrは、次の式(3)で表わされる。
τr=τ/α (3)
このように、環境補正係数αによる補正を行うことで、気圧が1atmでの演算係数τrを求めることができ、正しい坪量判別を行うことができる。
[距離変動の補正]
また、坪量検知センサの出力は、気圧変動だけでなく、送信部31と受信部32の位置関係(距離)によっても影響を受ける。すなわち、送信部31で発生させた音波は、送信部31からの距離が大きくなるほど減衰するので、受信部32の位置により受信する超音波の振幅が変化(減衰)することになる。図1で説明したように、送信部31と受信部32は記録媒体Pが搬送される搬送路を挟んで配置され、送信部31は二次転写ユニット23に設けられる構成となっている。記録媒体Pが搬送路の途中で滞留した場合などに、滞留した記録媒体Pを取り除くために、二次転写ユニット23を開閉すると、送信部31の位置が開閉前の位置からずれ、受信部32との距離が変動する(以下、距離変動という)可能性がある。
また、坪量検知センサの出力は、気圧変動だけでなく、送信部31と受信部32の位置関係(距離)によっても影響を受ける。すなわち、送信部31で発生させた音波は、送信部31からの距離が大きくなるほど減衰するので、受信部32の位置により受信する超音波の振幅が変化(減衰)することになる。図1で説明したように、送信部31と受信部32は記録媒体Pが搬送される搬送路を挟んで配置され、送信部31は二次転写ユニット23に設けられる構成となっている。記録媒体Pが搬送路の途中で滞留した場合などに、滞留した記録媒体Pを取り除くために、二次転写ユニット23を開閉すると、送信部31の位置が開閉前の位置からずれ、受信部32との距離が変動する(以下、距離変動という)可能性がある。
次に、距離変動の影響について、図5を用いて説明する。図5(a)と図5(b)は、坪量検知センサの送信部31、受信部32、記録媒体Pの位置関係を示す図である。図5(a)は送信部31の位置がずれていない状態を、図5(b)は二次転写ユニット23の開閉操作によって送信部31の位置がずれている状態を示している。ここで、距離dは送信部31の位置がずれていない状態における送信部31と受信部32の距離である。また、距離Dは送信部31の位置がずれている状態における送信部31と受信部32の距離である。ここで、送信部31と受信部32の距離とは、送信部31の中心と受信部32の中心の間の距離である。すなわち、送信部31に含まれる超音波を送信するための圧電素子の中心と、受信部32に含まれる超音波を受信するための圧電素子の中心の間の距離である。Lは送信部31の位置がずれている状態における送信部31と受信部32の距離と送信部31の位置がずれていない状態における送信部31と受信部32の距離との差である。すなわち、L=D−dの関係が成り立つ。本実施例では、図5(b)の矢印方向にずれることを想定して説明するが、矢印以外の方向にずれた場合も、送信部31と受信部32の距離が変われば、同様に受信部32での受信信号の信号出力に影響を及ぼす。
図5(c)は、距離変動による、受信部32での受信信号の信号出力の出力値の変化を示したグラフである。横軸は超音波の送信部31から受信部32までの伝搬時間に相当するカウンタ値、縦軸は受信した超音波である信号の振幅に相当する出力値である。図5(c)において、実線のグラフは距離変動量Lが0mm(ミリメートル)の場合の信号波形を、破線のグラフは距離変動量Lが1mmの場合の信号波形を、点線のグラフは距離変動量Lが2mmの場合の信号波形を示している。ここでは、送信部31と受信部32が離れていく方向の距離変動である。また、図5(c)に示す信号波形は、紙がない状態で測定した場合の信号波形である。距離変動がない場合の実線で示す信号波形に対して、ずれ量が大きくなるほど、送信部31と受信部32との距離Dが長くなるため、出力値が減衰していることが分かる。例えば、図中のΔVLは、n=3における、距離変動量Lが0mm(実線)の場合と距離変動量Lが2mm(細い点線)の場合の出力値の減衰量(差分)を表わしている。
ここで、気圧変動と距離変動が同時に発生した場合の補正方法について説明する。気圧変動の補正方法は、紙がない状態での出力値であるピーク値(以下、出力値ともいう)Vaと基準ピーク値Va0とに基づいて環境補正係数αを算出し、環境補正係数αに基づいて演算係数τを補正して気圧が1atmでの演算係数τrを算出すると前述した。しかし、距離変動が気圧変動と同時に発生した場合には、距離変動の影響によっても出力値(ピーク値)が変動し、基準ピーク値Va0との比較を正しく行うことができなくなる。
そのため、気圧変動と距離変動が同時に発生した場合でも、紙なし時の出力値の変動量のうち、距離変動の影響による変動量を除去し、気圧変動の影響による変動量のみが加えられた出力値を求める必要がある。ところで、距離変動による出力値の変動は、紙がない状態でも紙がある状態でも同じ割合で変動するため、演算係数τは変わらない。従って、距離変動に応じて演算係数τを補正する必要はない。
距離変動の影響を除去する方法について、図5(c)を用いて説明する。図5(c)の横軸のカウント値は、送信制御部33から駆動信号が生成されてから、送信部31により送信された超音波が受信部32に到達し、受信制御部34で受信信号のピーク値を抽出するまでのカウント値(経過時間)を示している。すなわち、カウント値は、超音波の伝搬時間に相当しており、坪量検知センサの送信部31と受信部32の距離Dに応じて変化する値である。図5(c)から分かるように、距離変動量Lによってピーク値に到達するまでの時間が変化するので、この変化量を測定することで距離変動量Lを求めることができる。図5(c)のΔtは、距離変動量Lが0mm(実線)の場合と距離変動量Lが2mm(点線)の場合のピーク値に到達するまでの時間の変化量(差分量)を表わしている。例えば、まず、工場出荷時などに紙がない状態で検知を行い、測定結果であるカウント値を基準時間t0として記憶部346などの画像形成装置1内の記憶装置に格納する。次に、出荷後に二次転写ユニット23の開閉操作などにより、坪量検知センサの送信部31の位置が変動した可能性がある場合には検知を行い、測定したカウンタ値を基準時間t0と比較することで、距離変動量Lを求めることができる。
送信部31の位置がずれていない状態における距離d及び送信部31の位置がずれている状態における距離Dは、次の式(4)及び(5)で表される。なお、式(4)、(5)において、基準時間をt0、超音波の伝搬速度(音速)をv0、カウンタの周波数をf、カウンタにより測定されたカウント値をtとする。
d=t0×v0/f (4)
D=t×v0/f (5)
よって、距離変動長Lは、次の式(6)で求めることができる。
L=D−d=(t−t0)×v0/f (6)
ここで、距離変動量Lに対する出力値の減衰率をβとすると、距離変動量Lの状態での受信信号の出力値は、位置ずれがない状態の出力値に比べて(1−βL)倍となる。従って、距離変動の影響を除去し、気圧変動の影響のみを受けた紙なし時の出力値Va’は、式(7)により求めることができる。
Va’=Va/(1−βL) (7)
なお、βの値は、距離変動に対する出力値の減衰を測定し、予め求めておく必要があり、求められた出力値の減衰率βは記憶部346などに格納しておく。そして、式(7)より、式(2)に示した環境補正係数αは、距離変動がある場合には、以下の式(8)のように書き換えればよい。
α=Va’/Va0 (8)
d=t0×v0/f (4)
D=t×v0/f (5)
よって、距離変動長Lは、次の式(6)で求めることができる。
L=D−d=(t−t0)×v0/f (6)
ここで、距離変動量Lに対する出力値の減衰率をβとすると、距離変動量Lの状態での受信信号の出力値は、位置ずれがない状態の出力値に比べて(1−βL)倍となる。従って、距離変動の影響を除去し、気圧変動の影響のみを受けた紙なし時の出力値Va’は、式(7)により求めることができる。
Va’=Va/(1−βL) (7)
なお、βの値は、距離変動に対する出力値の減衰を測定し、予め求めておく必要があり、求められた出力値の減衰率βは記憶部346などに格納しておく。そして、式(7)より、式(2)に示した環境補正係数αは、距離変動がある場合には、以下の式(8)のように書き換えればよい。
α=Va’/Va0 (8)
[坪量演算の具体例]
ここで、伝搬時間の変化を検知しない場合と検知した場合での坪量の判別結果の違いを説明するために、坪量演算の具体例を示す。坪量検知センサにおいて、距離dをd=9mm、伝搬時間を測定するカウンタの周波数fをf=3MHz、距離変動量Lに対する出力値の減衰率βをβ=0.1とする。そして、超音波の伝搬速度(音速)v0がv0=340m/s、気圧が0.8atmの環境条件で、坪量100g/m2の紙の坪量検知を行う。このときの測定値は、測定されたカウンタのカウント値tがt=90、測定された紙なし時のピーク値VaがVa=1.5V、紙あり時のピーク値VpがVp=0.042Vとする。式(1)を用いて、演算係数τを求めると、τ=0.028となる。また、工場出荷時(距離変動量が0mmで、気圧が1atm)の紙がない状態で検知を行ったときのカウンタのカウント値である基準時間t0をt0=80、紙なし時のピーク値Va0をVa0=2Vとする。
ここで、伝搬時間の変化を検知しない場合と検知した場合での坪量の判別結果の違いを説明するために、坪量演算の具体例を示す。坪量検知センサにおいて、距離dをd=9mm、伝搬時間を測定するカウンタの周波数fをf=3MHz、距離変動量Lに対する出力値の減衰率βをβ=0.1とする。そして、超音波の伝搬速度(音速)v0がv0=340m/s、気圧が0.8atmの環境条件で、坪量100g/m2の紙の坪量検知を行う。このときの測定値は、測定されたカウンタのカウント値tがt=90、測定された紙なし時のピーク値VaがVa=1.5V、紙あり時のピーク値VpがVp=0.042Vとする。式(1)を用いて、演算係数τを求めると、τ=0.028となる。また、工場出荷時(距離変動量が0mmで、気圧が1atm)の紙がない状態で検知を行ったときのカウンタのカウント値である基準時間t0をt0=80、紙なし時のピーク値Va0をVa0=2Vとする。
まず、伝搬時間の変化を検知しない場合(すなわち、距離変動量LがL=0mmの場合)、式(2)を用いて、環境補正係数αを算出するとα=0.75となる。そして、算出した演算係数τと環境補正係数αを用いて、式(3)より気圧が1atmでの演算係数τrを求めると、演算係数τr=0.037となる。得られた気圧が1atmのときの演算係数τr=0.037を図4(b)に照らし合わせると、坪量は90g/m2と誤検知してしまう。
一方、伝搬時間の変化を検知した場合は次のようになる。まず、式(6)を用いて距離変動量Lを算出すると、距離変動量L=1.1mmと求められる。次に、式(7)に測定された紙なし時のピーク値Va、距離変動量Lに対する出力値の減衰率β、距離変動量Lを代入することにより、気圧変動の影響のみを受けた紙なし時の出力値Va’が求められる。そして、気圧変動の影響のみを受けた紙なし時の出力値Va’、基準ピーク値Va0を用いて式(8)より環境補正係数αを求めると、環境補正係数α=0.842となる。算出した演算係数τと環境補正係数αを用いて、式(3)より、気圧が1atmでの演算係数τrを求めると、演算係数τr=0.033となる。この結果を図4(b)に照らし合わせると、坪量は100g/m2と正しく坪量を判別することができる。
[制御シーケンス]
次に、図6を参照して、本実施例における記録媒体Pの坪量を判別する方法について説明する。図6は、坪量検知センサの制御部60が記録媒体Pの坪量を判別する制御シーケンスを示すフローチャートである。図6は、坪量検知センサの制御部60による制御シーケンスを示している。制御部60においては、画像形成装置1のCPU80からの情報の取得(例えば電源のオン・オフ等)が必要な場合もあるが、ここではCPU80との情報授受のシーケンスについての説明を省略する。また、坪量算出に当たって、予め測定されて坪量検知センサの記憶部346に格納されているパラメータは以下のとおりである。すなわち、距離変動量が0mmの場合の送信部31と受信部32の距離d、伝搬速度(音速)v0、伝搬時間を測定するカウンタの周波数f、距離変動量Lに対する出力値の減衰率β、紙なし時の基準ピーク値Va0が記憶部346に格納されている。また、工場出荷時(距離変動量が0mmで、気圧が1atm)の紙がない状態で検知を行ったときのカウンタのカウント値である基準時間t0も記憶部346に格納されている。更に、図4(b)で説明したグラフのデータ、すなわち気圧と演算係数と坪量を対応付けたデータから構成されるテーブルも記憶部346に格納されている。
次に、図6を参照して、本実施例における記録媒体Pの坪量を判別する方法について説明する。図6は、坪量検知センサの制御部60が記録媒体Pの坪量を判別する制御シーケンスを示すフローチャートである。図6は、坪量検知センサの制御部60による制御シーケンスを示している。制御部60においては、画像形成装置1のCPU80からの情報の取得(例えば電源のオン・オフ等)が必要な場合もあるが、ここではCPU80との情報授受のシーケンスについての説明を省略する。また、坪量算出に当たって、予め測定されて坪量検知センサの記憶部346に格納されているパラメータは以下のとおりである。すなわち、距離変動量が0mmの場合の送信部31と受信部32の距離d、伝搬速度(音速)v0、伝搬時間を測定するカウンタの周波数f、距離変動量Lに対する出力値の減衰率β、紙なし時の基準ピーク値Va0が記憶部346に格納されている。また、工場出荷時(距離変動量が0mmで、気圧が1atm)の紙がない状態で検知を行ったときのカウンタのカウント値である基準時間t0も記憶部346に格納されている。更に、図4(b)で説明したグラフのデータ、すなわち気圧と演算係数と坪量を対応付けたデータから構成されるテーブルも記憶部346に格納されている。
坪量検知センサの制御部60は、画像形成装置1が画像形成を開始すると共に、坪量検知を開始する。ステップ(以下、Sという)101では、制御部60は、記録媒体Pが搬送される前の紙がない状態での超音波の受信信号の検知を行い、受信信号のピーク値Va及び伝搬時間tのデータを取得する。S102では、制御部60は、画像形成装置1のCPU80から、前回の坪量検知の時点から電源のオン・オフ(ON/OFFと図示)が行われたかどうかの情報を取得して、電源がオン・オフされたかどうか(ON/OFFありか?)を判断する。制御部60は、電源のオン・オフが行われたと判断した場合には、距離変動が発生している可能性があるのでS104に進み、電源のオン・オフが行われていないと判断した場合には、S103に進む。S103では、制御部60は、画像形成装置1のCPU80から、前回の坪量検知の時点から二次転写ユニット23の開閉操作が行われたかどうか(開閉操作ありか?)の情報を取得して、開閉操作が行われたかどうかを判断する。制御部60は、開閉操作が行われたと判断した場合には、距離変動が発生している可能性があるのでS104に進み、開閉操作が行われていないと判断した場合には、S105に進む。
S104では、制御部60は、距離変動が発生している可能性があるので、前述した式(6)を用いて、距離変動量Lを算出し、S106に進む。S105では、制御部60は、坪量検知センサ位置が前回の測定時から変化していないと考えられるので、記憶部346等に保存された前回の測定時の距離変動量の値を読み出し、今回の距離変動量Lとし、S106に進む。
S106では、制御部60は、式(7)を用いて、距離変動の影響を除去し、気圧変動の影響のみを受けた紙なし時の出力値Va’を算出する。S107では、制御部60は、式(8)を用いて環境補正係数αを算出する。S108では、制御部60は、搬送された記録媒体Pを介して、紙がある状態での超音波の受信信号の検知を行い、紙あり時の受信信号のピーク値Vp及び伝搬時間tのデータを取得する。S109では、制御部60は、式(1)を用いて演算係数τを算出し、更に式(3)を用いて演算係数τrを算出する。S110では、制御部60は、記憶部346等に保存された気圧と演算係数と坪量を対応付けたテーブルから演算部347により坪量を算出させ、算出された坪量を画像形成装置1のCPU80に通知し、坪量検知処理を終了する。
なお、図6のフローチャートでは、坪量検知処理の制御を坪量検知センサの制御部60が行っているが、制御部60の代わりに、画像形成装置1のCPU80が制御するようにしてもよい。また、予め測定されたデータ等のパラメータやテーブルの格納先は記憶部346に限定されるものではなく、例えば制御部60が有する不図示のROMや、CPU80が有する不図示の記憶部でもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、坪量検知センサの位置ずれに起因する環境変動の補正精度の低下を防止して、記録媒体の坪量の判別精度を向上させることができる。特に、超音波の伝搬時間の変化を測定することにより距離変動の影響を除去し、気圧変動に対する演算係数の補正を正確に行うことができる。
実施例1では、坪量検知センサにおける気圧変動と、送信部と受信部との距離変動に応じた演算係数の補正方法について説明した。実施例2では、坪量検知センサ周囲の温度変化に応じた坪量の判別方法について説明する。本実施例における画像形成装置1及び坪量検知センサの構成は、実施例1と同様であるため説明は省略する。また、坪量検知センサを用いて記録媒体Pの坪量を検知する制御方法については、後述する受信信号の処理方法を除いて、実施例1と同様である。
[坪量検知センサ]
本実施例では、実施例1と比べ、受信制御部34の検知回路350の構成が異なっている。図7(a)は、本実施例における坪量検知センサの受信制御部34の検知回路350の構成を示すブロック図であり、実施例1の図2(b)と異なる箇所を記載している。本実施例では、受信制御部34における検知回路350は、増幅器351と、倍電圧整流器353を有する。受信部32で受信された信号は、増幅器351で増幅され、次に倍電圧整流器353で倍電圧整流される。図7(b)に、受信部32で受信された受信信号波形と、倍電圧整流器353により倍電圧整流後の信号波形を示す。更に、実施例1との比較のために、倍電圧整流後の信号波形には、点線により実施例1の半波整流後の波形(図3(a)参照)を示している。倍電圧整流処理を行うことで、受信した信号のピーク値を短い時間で大きくすることができ、その結果、実施例1の場合に比べてより早く受信した信号のピーク値を検知することが可能になる。図7(b)に示すように、例えば半波整流後の波形(点線部)では、前述したように十分なピーク値の受信信号を得るためには、n=3の信号受信まで待つ必要があるのに対し、倍電圧整流後の波形ではn=2の受信信号で十分なピーク値を得ることができる。
本実施例では、実施例1と比べ、受信制御部34の検知回路350の構成が異なっている。図7(a)は、本実施例における坪量検知センサの受信制御部34の検知回路350の構成を示すブロック図であり、実施例1の図2(b)と異なる箇所を記載している。本実施例では、受信制御部34における検知回路350は、増幅器351と、倍電圧整流器353を有する。受信部32で受信された信号は、増幅器351で増幅され、次に倍電圧整流器353で倍電圧整流される。図7(b)に、受信部32で受信された受信信号波形と、倍電圧整流器353により倍電圧整流後の信号波形を示す。更に、実施例1との比較のために、倍電圧整流後の信号波形には、点線により実施例1の半波整流後の波形(図3(a)参照)を示している。倍電圧整流処理を行うことで、受信した信号のピーク値を短い時間で大きくすることができ、その結果、実施例1の場合に比べてより早く受信した信号のピーク値を検知することが可能になる。図7(b)に示すように、例えば半波整流後の波形(点線部)では、前述したように十分なピーク値の受信信号を得るためには、n=3の信号受信まで待つ必要があるのに対し、倍電圧整流後の波形ではn=2の受信信号で十分なピーク値を得ることができる。
[気温変動の補正]
次に、本実施例における坪量の判別方法について説明する。坪量検知センサの出力に影響を及ぼす要因としては、気圧の変動、距離変動の他に、坪量検知センサ周囲の温度変化が挙げられる。気圧の変動と同様に、温度が変化することによって記録媒体Pの減衰率が変化するため、坪量の判別精度を向上させるためには、温度変化量に応じた補正を行う必要がある。図7(c)は坪量検知センサ周囲の温度変動による坪量判別精度への影響を説明する図であり、各温度(0℃(実線)、20℃(長ピッチ破線)、40℃(短ピッチ破線)、60℃(点線))における坪量と演算係数との関係を示したグラフである。図7(c)の横軸は紙の坪量(g/m2)、縦軸は演算係数を示している。図7(c)に示すように、温度が高いほど演算係数τは低くなる。温度変化に対する減衰率の変動を補正する方法は、実施例1で述べた気圧変動の補正方法と同様である。すなわち、前述した式(2)を用いて、基準となる工場出荷時に測定された紙なし時の基準ピーク値Va0(以下、紙なしピーク値Va0ともいう)と、紙なし時に測定されたピーク値Vaの比を、環境補正係数αとして使用することで補正可能である。基準となる紙なしピーク値Va0は、工場出荷時など、予め坪量検知センサの周囲温度が分かっている環境で測定を行い、記憶部346など画像形成装置1内の記憶装置に格納しておけばよい。本実施例では、基準ピーク値Va0を測定する環境は、温度が摂氏20℃、気圧が1atmとする。なお、この測定環境は一例であり、基準ピーク値Va0を測定する環境の温度、気圧は任意の温度、気圧でよい。気圧の変動と温度の変動を同じ方法で補正できる理由は、実施例1で述べた音響インピーダンスが、媒質である空気の密度と媒質(空気)中の音速との積で表わされるためである。空気の密度と空気中の音速は気圧と温度によって変化するので、音響インピーダンスも同様に気圧と温度によって変化する。従って、距離変動がない場合には、基準となる環境(気圧、温度)下で測定した出力値によって、気圧、温度の変動を同時に補正することができる。
次に、本実施例における坪量の判別方法について説明する。坪量検知センサの出力に影響を及ぼす要因としては、気圧の変動、距離変動の他に、坪量検知センサ周囲の温度変化が挙げられる。気圧の変動と同様に、温度が変化することによって記録媒体Pの減衰率が変化するため、坪量の判別精度を向上させるためには、温度変化量に応じた補正を行う必要がある。図7(c)は坪量検知センサ周囲の温度変動による坪量判別精度への影響を説明する図であり、各温度(0℃(実線)、20℃(長ピッチ破線)、40℃(短ピッチ破線)、60℃(点線))における坪量と演算係数との関係を示したグラフである。図7(c)の横軸は紙の坪量(g/m2)、縦軸は演算係数を示している。図7(c)に示すように、温度が高いほど演算係数τは低くなる。温度変化に対する減衰率の変動を補正する方法は、実施例1で述べた気圧変動の補正方法と同様である。すなわち、前述した式(2)を用いて、基準となる工場出荷時に測定された紙なし時の基準ピーク値Va0(以下、紙なしピーク値Va0ともいう)と、紙なし時に測定されたピーク値Vaの比を、環境補正係数αとして使用することで補正可能である。基準となる紙なしピーク値Va0は、工場出荷時など、予め坪量検知センサの周囲温度が分かっている環境で測定を行い、記憶部346など画像形成装置1内の記憶装置に格納しておけばよい。本実施例では、基準ピーク値Va0を測定する環境は、温度が摂氏20℃、気圧が1atmとする。なお、この測定環境は一例であり、基準ピーク値Va0を測定する環境の温度、気圧は任意の温度、気圧でよい。気圧の変動と温度の変動を同じ方法で補正できる理由は、実施例1で述べた音響インピーダンスが、媒質である空気の密度と媒質(空気)中の音速との積で表わされるためである。空気の密度と空気中の音速は気圧と温度によって変化するので、音響インピーダンスも同様に気圧と温度によって変化する。従って、距離変動がない場合には、基準となる環境(気圧、温度)下で測定した出力値によって、気圧、温度の変動を同時に補正することができる。
次に、温度変化、気圧変動、距離変動が同時に発生している場合の、環境補正方法について説明する。センサの距離変動量は、音速を用いて算出できることを実施例1で説明した(式(6))。ここで、一般的に空気中を伝搬する音速v(秒速)は、次の式(9)で表わされる。
v=331.5+0.607×k(単位:m/s) (9)
ここで、kは坪量検知センサの周囲の摂氏温度(℃)を示す。331.5(単位:m/s)は、摂氏温度が0℃環境での音速であり、0.607(単位:(m/s)/℃)は、音速の温度係数である。すなわち、式(9)は、温度変化によって音速vが変動することを示しており、坪量検知センサにおける超音波の検知タイミングにも影響を及ぼす。従って、音速から坪量検知センサの距離変動量を算出するためには、温度検知手段であるサーミスタなどの温度センサ(不図示)を用いて、坪量検知センサの周囲温度を測定する必要がある。温度センサの配置場所は、受信部32が実装された基板上などの、坪量検知センサの近傍に配置することが望ましい。温度センサから取得したセンサ周囲の温度情報に基づいて、式(9)より音速を算出することで、周囲温度が変化した場合のセンサ間距離D´は次の式(10)で求められる。
D´=t×v/f (10)
よって周囲温度が変化した場合の距離変動量Lは、
L=D´−d=1/f(t×v−t0×v0) (11)
で求めることができ、実施例1で説明した方法と同様に環境補正を行うことが可能となる。
v=331.5+0.607×k(単位:m/s) (9)
ここで、kは坪量検知センサの周囲の摂氏温度(℃)を示す。331.5(単位:m/s)は、摂氏温度が0℃環境での音速であり、0.607(単位:(m/s)/℃)は、音速の温度係数である。すなわち、式(9)は、温度変化によって音速vが変動することを示しており、坪量検知センサにおける超音波の検知タイミングにも影響を及ぼす。従って、音速から坪量検知センサの距離変動量を算出するためには、温度検知手段であるサーミスタなどの温度センサ(不図示)を用いて、坪量検知センサの周囲温度を測定する必要がある。温度センサの配置場所は、受信部32が実装された基板上などの、坪量検知センサの近傍に配置することが望ましい。温度センサから取得したセンサ周囲の温度情報に基づいて、式(9)より音速を算出することで、周囲温度が変化した場合のセンサ間距離D´は次の式(10)で求められる。
D´=t×v/f (10)
よって周囲温度が変化した場合の距離変動量Lは、
L=D´−d=1/f(t×v−t0×v0) (11)
で求めることができ、実施例1で説明した方法と同様に環境補正を行うことが可能となる。
[坪量演算の具体例]
ここで、伝搬時間の変化を検知しない場合と、検知した場合との坪量判別結果の違いを説明するために、坪量演算の具体例を示す。坪量検知センサにおいて、距離dをd=9mm、伝搬時間を測定するカウンタの周波数fをf=3MHz、距離変動量Lに対する出力値の減衰率βをβ=0.1とする。そして、坪量検知センサの周囲温度k=40℃、気圧が0.8atmの環境条件で、坪量100g/m2の紙の坪量検知を行う。このときの測定値は、測定されたカウンタのカウント値tがt=102、測定された紙なし時のピーク値VaがVa=1.2V、紙あり時のピーク値VpがVp=0.034Vとする。式(1)を用いて、演算係数τを求めると、τ=0.028となる。また、工場出荷時(距離変動量が0mmで、気圧が1atm)の紙がない状態で検知を行ったときのカウンタのカウント値である基準時間t0をt0=80、紙なし時のピーク値Va0をVa0=2Vとする。
ここで、伝搬時間の変化を検知しない場合と、検知した場合との坪量判別結果の違いを説明するために、坪量演算の具体例を示す。坪量検知センサにおいて、距離dをd=9mm、伝搬時間を測定するカウンタの周波数fをf=3MHz、距離変動量Lに対する出力値の減衰率βをβ=0.1とする。そして、坪量検知センサの周囲温度k=40℃、気圧が0.8atmの環境条件で、坪量100g/m2の紙の坪量検知を行う。このときの測定値は、測定されたカウンタのカウント値tがt=102、測定された紙なし時のピーク値VaがVa=1.2V、紙あり時のピーク値VpがVp=0.034Vとする。式(1)を用いて、演算係数τを求めると、τ=0.028となる。また、工場出荷時(距離変動量が0mmで、気圧が1atm)の紙がない状態で検知を行ったときのカウンタのカウント値である基準時間t0をt0=80、紙なし時のピーク値Va0をVa0=2Vとする。
まず、伝搬時間の変化を検知しない場合(すなわち、距離変動量LがL=0mmの場合)、式(2)を用いて、環境補正係数αを算出するとα=0.6となる。そして、算出した演算係数τと環境補正係数αを用いて、式(3)より気圧が1atmでの演算係数τrを求めると、演算係数τr=0.047となる。得られた気圧が1atmのときの演算係数τr=0.047を図4(b)に照らし合わせると、坪量は70g/m2と誤検知してしまう。
一方、伝搬時間の変化を検知した場合は次のようになる。まず、式(9)より温度k=40℃のときの音速を求めると、音速v=356m/sとなる。次に、式(11)を用いて距離変動量Lを算出すると、距離変動量L=3mmと求められる。次に、式(7)に測定された紙なし時のピーク値Va、距離変動量Lに対する出力値の減衰率β、距離変動量Lを代入することにより、気圧変動の影響のみを受けた紙なし時の出力値Va’が求められる。そして、気圧変動の影響のみを受けた紙なし時の出力値Va’、基準ピーク値Va0を用いて式(8)より環境補正係数αを求めると、環境補正係数α=0.857となる。算出した演算係数τと環境補正係数αを用いて、式(3)より、気圧が1atmでの演算係数τrを求めると、演算係数τr=0.033となる。この結果を図4(b)に照らし合わせると、坪量は100g/m2と正しく坪量を判別することができる。
[制御シーケンス]
次に、図8を参照して、本実施例における記録媒体Pの坪量を判別する方法について説明する。図8は、坪量検知センサの制御部60が記録媒体Pの坪量を判別する制御シーケンスを示すフローチャートである。図8は、坪量検知センサの制御部60による制御シーケンスを示している。また、坪量算出に必要なパラメータやテーブル、例えば距離d、カウンタの周波数f、減衰率β、紙なし時のピーク値Va0、基準時間t0、気圧と演算係数と坪量を対応付けたテーブル等は、実施例1と同様に、記憶部346に格納されている。
次に、図8を参照して、本実施例における記録媒体Pの坪量を判別する方法について説明する。図8は、坪量検知センサの制御部60が記録媒体Pの坪量を判別する制御シーケンスを示すフローチャートである。図8は、坪量検知センサの制御部60による制御シーケンスを示している。また、坪量算出に必要なパラメータやテーブル、例えば距離d、カウンタの周波数f、減衰率β、紙なし時のピーク値Va0、基準時間t0、気圧と演算係数と坪量を対応付けたテーブル等は、実施例1と同様に、記憶部346に格納されている。
坪量検知センサの制御部60は、画像形成装置1が画像形成を開始すると共に、坪量検知を開始する。図8において、S201〜S203までの処理は、実施例1の図6のS101〜S103の処理と同様であり、説明を省略する。S204では、制御部60は、不図示の温度センサから坪量検知センサの周囲の温度データを取得する。S205では、制御部60は、取得した温度データに基づいて、式(9)より坪量検知センサの周囲(送信部31と受信部32間)における音速vを算出する。S206では、式(11)より距離変動量Lを算出する。S207〜S212までの処理は、実施例1の図6のS105〜S110の処理と同様であり、説明を省略する。
なお、図8のフローチャートでは、坪量検知処理の制御を坪量検知センサの制御部60が行っているが、制御部60の代わりに、画像形成装置1のCPU80が制御するようにしてもよい。また、予め測定されたデータ等のパラメータやテーブルの格納先は記憶部346に限定されるものではなく、例えば制御部60が有する不図示のROMや、CPU80が有する不図示の記憶部でもよい。更に、本実施例では、制御部60が不図示の温度センサから温度データを取得しているが、例えばCPU80から温度データを取得する構成でもよい。
以上、本実施例によればセンサ周囲の温度、気圧及びセンサ位置が同時に変動している状態においても、不図示の温度センサの情報に基づき超音波の速度を求め、超音波の伝搬時間から距離変動量を測定することで環境変動量を正しく求めることができる。従って、環境変動の補正を正確に行うことが可能となり、坪量検知精度を向上させることができる。なお、実施例1と実施例2では、夫々異なる方法、すなわち実施例1では半波整流後の受信信号波形を、実施例2では倍電圧整流後の受信信号波形を用いて、ピーク抽出、坪量演算を行っていた。これらの信号処理方法及び坪量演算方法の組み合わせは任意に選択することができ、例えば、実施例1で説明した受信波形の処理方法を用いて、実施例2で説明した温度変化を考慮した環境補正を行ってもよい。以上説明したように、本実施例によれば、坪量検知センサの位置ずれに起因する環境変動の補正精度の低下を防止して、記録媒体の坪量の判別精度を向上させることができる。
実施例1、2における出荷時の基準環境下でのデータ取得と出荷後の環境下での坪量検知では、送信部31に入力される駆動信号のパルス電圧は同じ電圧値を用いて行われていた。しかし、坪量検知時では、必ずしも基準値取得時と同じ電圧値のパルスを送信部31に入力する必要はない。以下では、基準値取得時とは異なる電圧値のパルスを送信部31に入力した場合の環境補正方法について説明する。なお、環境補正方法以外については、実施例1又は2と同様であるため、説明を省略する。
[駆動信号の入力パルス電圧の変動の補正]
ここでは、実施例1又は2で説明した距離変動に対する補正が行われた後の状態における、環境補正方法について説明する。まず、基準の環境下で入力パルス電圧Vi0により取得した基準の紙なしピーク値をVa0とする。そして、坪量検知時の環境下で入力パルス電圧Vi0により取得した紙なしピーク値をVa1とする。坪量検知時の環境下において、センサ制御部30は、取得されるピーク値の値Vaが基準の紙なしピーク値Va0と等しくなるように、入力パルス電圧を調整する。実施例1で述べたように、入力パルス電圧により送信部31の圧電素子が発振することで超音波が発生するので、超音波の振幅レベルは入力パルス電圧に比例する。よって、Va=Va0となるように調整した入力パルス電圧をVi1とすると、Vi0とVi1の比は、式(2)のVa1とVa0の比と等しくなる。従って、式(2)より、
Vi0/Vi1=Va1/Va0=α (12)
となる。紙ありピーク値Vpの測定は調整した入力パルス電圧Vi1で行い、式(1)より演算係数τを算出する。そして、式(3)及び式(12)から、環境補正後の演算係数τrは次式で求めることができる。
τr=τ/(Vi0/Vi1) (13)
ここでは、実施例1又は2で説明した距離変動に対する補正が行われた後の状態における、環境補正方法について説明する。まず、基準の環境下で入力パルス電圧Vi0により取得した基準の紙なしピーク値をVa0とする。そして、坪量検知時の環境下で入力パルス電圧Vi0により取得した紙なしピーク値をVa1とする。坪量検知時の環境下において、センサ制御部30は、取得されるピーク値の値Vaが基準の紙なしピーク値Va0と等しくなるように、入力パルス電圧を調整する。実施例1で述べたように、入力パルス電圧により送信部31の圧電素子が発振することで超音波が発生するので、超音波の振幅レベルは入力パルス電圧に比例する。よって、Va=Va0となるように調整した入力パルス電圧をVi1とすると、Vi0とVi1の比は、式(2)のVa1とVa0の比と等しくなる。従って、式(2)より、
Vi0/Vi1=Va1/Va0=α (12)
となる。紙ありピーク値Vpの測定は調整した入力パルス電圧Vi1で行い、式(1)より演算係数τを算出する。そして、式(3)及び式(12)から、環境補正後の演算係数τrは次式で求めることができる。
τr=τ/(Vi0/Vi1) (13)
以上、本実施例によれば、坪量検知時の環境下において取得される紙なしピーク値の値Vaが基準の紙なしピーク値Va0と等しくなるように送信部31に入力されるパルス電圧を調整する。これにより、基準値測定時と異なる入力パルス電圧の場合でも環境補正を行うことが可能である。以上説明したように、本実施例によれば、坪量検知センサの位置ずれに起因する環境変動の補正精度の低下を防止して、記録媒体の坪量の判別精度を向上させることができる。
また、上記の実施例において、坪量検知センサは画像形成装置1に固定して設けられている構成であったが、坪量検知センサは画像形成装置1に対して着脱可能な構成であってもよい。坪量検知センサを着脱可能な構成にすれば、例えば、坪量検知センサが故障した場合にユーザが容易に交換することができる。
また、上記の実施例において、坪量検知センサと坪量検知センサ制御部30やCPU80等の制御部を一体化して、画像形成装置1に対して着脱可能な構成にしてもよい。このように、坪量検知センサと制御部を一体化して交換可能であれば、坪量検知センサの機能を更新したり追加したりする場合に、新たな機能を有するセンサにユーザが容易に交換することができる。
また、上記の実施例においては、レーザビームプリンタの例を示したが、本発明を適用する画像形成装置はこれに限られるものではなく、インクジェットプリンタ等、他の印刷方式のプリンタ、又は複写機でもよい。
31 送信部
32 受信部
60 制御部
344 ピーク抽出部
345 タイマ
32 受信部
60 制御部
344 ピーク抽出部
345 タイマ
Claims (18)
- 超音波を送信する送信手段と、
前記送信手段から送信され、記録媒体を介した超音波を受信して、受信した超音波に応じた第1の信号を出力し、前記送信手段から送信され、記録媒体を介さない超音波を受信して、受信した超音波に応じた第2の信号を出力する受信手段と、
前記受信手段から出力された信号の値を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された前記第1の信号の値に基づいて、前記記録媒体の坪量を判別する制御手段を有する記録媒体判別装置において、
前記送信手段が超音波を送信してから、前記検知手段が前記第2の信号の値を検知するまでの時間を測定する測定手段と、を有し、
前記制御手段は、第1の状態において前記測定手段により測定された時間と、前記第1の状態とは異なる第2の状態において前記測定手段により測定された時間に基づいて、前記第1の状態から前記第2の状態における前記送信手段と前記受信手段の距離の変動を算出し、算出された前記距離の変動と前記第1の信号の値に応じて記録媒体の坪量の判別を行うことを特徴とする記録媒体判別装置。 - 前記制御手段は、前記第1の状態において前記測定手段により測定された時間と、前記第2の状態において前記測定手段により測定された時間との差に音速を乗ずることにより、前記距離の変動を算出することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体判別装置。
- 温度を検知する温度検知手段を有し、
前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した温度に基づいて算出した音速を用いて、前記距離の変動を算出することを特徴とする請求項2に記載の記録媒体判別装置。 - 前記温度検知手段は、前記受信手段の近傍に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の記録媒体判別装置。
- 前記第1の状態とは、工場出荷時の状態であって、前記第2の状態とは、工場出荷後の状態であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録媒体判別装置。
- 前記検知手段は、前記送信手段が超音波を送信してから所定時間内に前記受信手段から出力された信号の最大値を検知することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録媒体判別装置。
- 前記制御手段は、算出された前記距離の変動に基づいて、前記第2の状態において前記検知手段によって検知された前記第2の信号の値を補正し、前記第1の状態において前記検知手段によって検知された前記第2の信号の値と、補正された前記第2の状態における前記第2の信号の値に基づいて、前記第1の状態から前記第2の状態における前記送信手段と前記受信手段の間の気圧の変動を算出し、算出された前記気圧の変動と前記第1の信号の値に応じて、記録媒体の坪量の判別を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録媒体判別装置。
- 前記制御手段は、前記検知手段によって検知された前記第1の信号のピーク値と、前記検知手段によって検知された前記第2の信号のピーク値により算出された演算係数を用いて記録媒体の坪量を判別することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録媒体判別装置。
- 演算係数と坪量とを対応付けたテーブルを有し、
前記制御手段は、前記テーブルから前記演算係数に対応する坪量を読み出すことにより、記録媒体の坪量を判別することを特徴とする請求項8に記載の記録媒体判別装置。 - 前記検知手段は、前記受信手段から出力された信号を半波整流した信号のピーク値を検知することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記録媒体判別装置。
- 前記検知手段は、前記受信手段から出力された信号を倍電圧整流した信号のピーク値を検知することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記録媒体判別装置。
- 前記送信手段に超音波を送信させるための駆動信号を生成する生成手段を有し、
前記送信手段は、前記生成手段より生成された前記駆動信号のパルス電圧に応じた振幅を有する超音波を送信することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の記録媒体判別装置。 - 前記第1の状態において前記検知手段がピーク値を検知したときの前記駆動信号のパルス電圧と、前記第1の状態とは異なる第2の状態において前記検知手段がピーク値を検知したときの前記駆動信号のパルス電圧は、同じ電圧値であることを特徴とする請求項12に記載の記録媒体判別装置。
- 前記第1の状態において前記検知手段がピーク値を検知したときの前記駆動信号のパルス電圧と、前記第1の状態とは異なる第2の状態において前記検知手段がピーク値を検知したときの前記駆動信号のパルス電圧は、異なる電圧値であることを特徴とする請求項12に記載の記録媒体判別装置。
- 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
超音波を送信する送信手段と、
前記送信手段から送信され、記録媒体を介した超音波を受信して、受信した超音波に応じた第1の信号を出力し、前記送信手段から送信され、記録媒体を介さない超音波を受信して、受信した超音波に応じた第2の信号を出力する受信手段と、
前記受信手段から出力された信号の値を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された前記第1の信号の値に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を制御する制御手段を有する画像形成装置において、
前記送信手段が超音波を送信してから、前記検知手段が前記第2の信号の値を検知するまでの時間を測定する測定手段と、を有し、
前記制御手段は、第1の状態において前記測定手段により測定された時間と、前記第1の状態とは異なる第2の状態において前記測定手段により測定された時間に基づいて、前記第1の状態から前記第2の状態における前記送信手段と前記受信手段の距離の変動を算出し、算出された前記距離の変動と前記第1の信号の値に応じて前記画像形成手段の画像形成条件を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 記録媒体を搬送する搬送路を有し、
前記画像形成手段は像担持体上にトナー像を形成する画像形成部と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写部を含み、
前記送信手段及び前記受信手段は、前記転写部よりも前記搬送路の記録媒体の搬送方向上流に、前記搬送路を介し対向して配置されることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。 - 可動式の転写ユニットを有し、
前記転写ユニットには、前記転写部と前記送信手段が設けられていることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。 - 前記第1の状態とは、前記転写ユニットを動かす前の状態であって、前記第2の状態とは、前記転写ユニットを動かした後の状態であることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
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