JP2015209907A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランク式無段変速機構を備える車両用動力伝達装置において、動力伝達装置の軸方向寸法の大型化を回避しながらエンジンブレーキを使用可能にする。
【解決手段】車両の前進走行時に減速すると、駆動輪Wから第1出力軸12に駆動力が逆伝達されるが、第1ワンウェイクラッチ21の係合が解除されるため無段変速機T1を介してエンジンEに駆動力は伝達されず、駆動輪Wから伝達された駆動力が、動力伝達切換機構SCの遊星歯車機構35を介して、リングギヤ38、キャリヤ37、サンギヤ36、中間伝達機構60と補助変速機T2を介してエンジンEに逆伝達されてエンジンブレーキが作動する。
【選択図】図14

Description

本発明は、クランク式無段変速機構を備える車両用動力伝達装置に関する。
エンジンに接続された入力軸の回転をコネクティングロッドの往復運動に変換し、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する複数のクランク式の変速ユニットを備える無段変速機において、入力軸上に配置されたモータ・ジェネレータと出力軸とを前記クランク式の変速ユニットを介さずに接続することで、出力軸側からモータ・ジェネレータに駆動力を逆伝達してエンジンブレーキに相当する回生制動力を発生させるものが、下記特許文献1により公知である。
特表2005−502543号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたものは、車両の減速走行時にモータ・ジェネレータを用いてエンジンブレーキに相当する回生制動力を発生させることが可能であるが、入力軸の軸線上のモータ・ジェネレータを配置したため、動力伝達装置の軸方向寸法が大型化してしまい改善の余地があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式無段変速機構を備える車両用動力伝達装置において、効果的にエンジンブレーキを使用可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、
エンジン(例えば、後述の実施形態におけるエンジンE)に接続された入力軸(例えば、後述の実施形態における入力軸11)と、
駆動輪(例えば、後述の実施形態における駆動輪W)に接続された出力軸(例えば、後述の実施形態における第1出力軸12)と、
前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点(例えば、後述の実施形態における偏心ディスク18)と、前記出力軸に接続された第1ワンウェイクラッチ(例えば、後述の実施形態における第1ワンウェイクラッチ21)と、前記第1ワンウェイクラッチの入力部材(例えば、後述の実施形態におけるアウター部材22)に設けられた出力側支点(例えば、後述の実施形態におけるピン19c)と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(例えば、後述の実施形態におけるコネクティングロッド19)と、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータ(例えば、後述の実施形態における変速アクチュエータ14)と、を有する第1変速機(例えば、後述の実施形態における無段変速機T1)と、を備える車両用動力伝達装置(例えば、後述の実施形態における車両用動力伝達装置1)であって、
前記第1変速機を介さずに前記エンジンと前記駆動輪との動力伝達を可能とする第2変速機(例えば、後述の実施形態における補助変速機T2)と、前記出力軸と前記駆動輪との動力伝達経路上に配置された前進・後進切換機構(例えば、後述の実施形態における動力伝達切換機構SC)と、をさらに備え、
前進・後進切換機構は、相対回転可能に設けられた第1〜第3要素を有する遊星歯車機構(例えば、後述の実施形態における遊星歯車機構35)と、第1切替機構(例えば、後述の実施形態における第1噛合切換機構33)と、第2切替機構(例えば、後述の実施形態における第2噛合切換機構40)と、を有し、
前記第1要素(例えば、後述の実施形態におけるサンギヤ36)は、選択的に前記出力軸に接続され、
前記第2要素(例えば、後述の実施形態におけるキャリヤ37)は、固定状態と回転許容状態とを切替可能であって、
前記第3要素(例えば、後述の実施形態におけるリングギヤ38)は、選択的に前記出力軸に接続されるとともに、前記駆動輪に常時接続され、
前記第1切替機構は、前記出力軸と前記第3要素とを接続状態とするとともに前記出力軸と前記第1要素とを遮断状態とする第1位置(例えば、後述の実施形態における左動位置L1)と、前記出力軸と前記第1要素とを接続状態とするとともに前記出力軸と前記第3要素とを遮断状態とする第2位置(例えば、後述の実施形態における中立位置N1)と、前記出力軸から前記第1要素及び前記第3要素を遮断状態とするとともに前記第1要素と前記第3要素とを接続状態とする第3位置(例えば、後述の実施形態における右動位置R1)と、を切替可能であり、
前記第2切替機構は、前記第2要素を前記固定状態とする第4位置(例えば、後述の実施形態における左動位置L2)と、前記第2要素を前記回転許容状態とする第5位置(例えば、後述の実施形態における右動位置R2)と、を切替可能であり、
前記第2変速機は、前記エンジンと前記第1要素とを接続する中間伝達機構(例えば、後述の実施形態における中間伝達機構60)を有する。
また請求項2に記載された発明は1、請求項1の構成であって、
前記第2変速機は、前記エンジン側の回転数が前記駆動輪側の回転数を上回ったときに非係合状態となる第2ワンウェイクラッチ(例えば、後述の実施形態における第2ワンウェイクラッチ45)を備える。
また請求項3に記載された発明は、請求項2に記載の構成であって、
前記第2変速機は、締結又は遮断を切り替え可能に構成された断接手段(例えば、後述の実施形態におけるクラッチ46)をさらに備える。
また請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成であって、
前記中間伝達機構は、前記出力軸の外周に相対回転自在に嵌合する伝達軸(例えば、後述の実施形態における伝達軸13)と、該伝達軸に設けられ、前記入力軸に設けられた第1ギヤ(例えば、後述の実施形態における第1ギヤ26)と噛合する第2ギヤ(例えば、後述の実施形態における第2ギヤ27)と、該伝達軸と前記遊星歯車機構の前記第1要素とを接続する中間伝達軸(例えば、後述の実施形態における中間伝達軸61)と、を備え、
前記伝達軸と前記遊星歯車機構とは、前記出力軸と同軸上に軸方向に並んで配置され、
前記中間伝達軸は、前記出力軸と平行に、且つ、軸方向から見て前記遊星歯車機構の外周側に配置され、さらにハウジングの底部に貯留した油面(例えば、後述の実施形態における油面P)よりも上方に配置される。
また請求項5に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成であって、
前記前進・後進切換機構は、前記第1切替機構を前記第1位置とし、前記第2切替機構を前記第4位置とすることで、前記エンジン側からの入力を前記駆動輪に出力して車両を前進させ、
前記第1切替機構を前記第2位置とし、前記第2切替機構を前記第4位置とすることで、前記エンジン側からの入力を減速して前記駆動輪に出力して車両を後進させる。
また請求項6に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成であって、
前記前進・後進切換機構は、前記第1切替機構を前記第3位置とし、前記第2切替機構を前記第4位置とすることで、パーキングレンジとなる。
また請求項7に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成であって、
前記前進・後進切換機構は、前記第1切替機構を前記第2位置とし、前記第2切替機構を前記第5位置とすることで、ニュートラルレンジとなる。
請求項1の構成によれば、エンジンにより入力軸が回転すると入力側支点が偏心回転し、入力側支点に一端を接続されたコネクティングロッドが往復運動すると、コネクティングロッドの他端に接続された出力側支点が往復運動して第1ワンウェイクラッチを介して出力軸が間欠回転することで、入力軸の回転が入力側支点の偏心量に応じた変速比で変速されて出力軸に伝達される。出力軸の回転を前進・後進切換機構により正転あるいは逆転して駆動輪に伝達することで、車両は前進走行あるいは後進走行する。
車両の通常の前進走行時には、第1切替機構を、出力軸と第3要素とを接続状態とするとともに出力軸と第1要素とを遮断状態とする第1位置とするとともに第2切替機構を第2要素を固定状態とする第4位置とすることで、エンジン側からの入力が第1変速機を介して駆動輪に直接出力される。
車両の前進走行時に減速すると、駆動輪から出力軸に駆動力が逆伝達されるが、第1ワンウェイクラッチの係合が解除されるため第1変速機を介してエンジンに駆動力は伝達されず、駆動輪から第3要素に伝達された駆動力が、前進・後進切換機構の遊星歯車機構(第3要素、第2要素、第1要素)と、中間伝達機構と第2変速機とを介してエンジンに逆伝達されてエンジンブレーキが作動する。このとき、前進・後進切換機構の遊星歯車機構を介することで駆動輪側からの入力を増速してエンジンに逆伝達することができるので、適切にエンジンブレーキを作用させることができる。また、減速時に前進・後進切換機構の遊星歯車機構を利用して増速レシオを作り出すことで、新たに増速用の遊星歯車機構を設ける必要はなく、動力伝達装置を小型化できる。
請求項2の構成によれば、車両が減速し、エンジンがアイドルストップした状態から復帰する際に、第2変速機を介してエンジン側からの駆動力が駆動輪側に伝達されるのを機械的に回避できる。
請求項3の構成によれば、車両の通常の前進走行時に第1変速機を介して走行中に、駆動輪側の回転数がエンジン側の回転数を上回った際に、第2変速機を介してエンジン側からの駆動力が駆動輪側に伝達されるのを回避できる。
請求項4の構成によれば、遊星歯車機構と中間伝達機構とをコンパクトにまとめることができ、さらに中間伝達機構を構成する回転軸が油面よりも上方に配置されることで、中間伝達軸がオイルを攪拌し抵抗となるのを防止できる。
請求項5の構成によれば、車両の後進走行時には、第1切替機構を出力軸と第1要素とを接続状態とするとともに出力軸と第3要素とを遮断状態とする第2位置とし、第2切替機構を第2要素を固定状態とする第4位置とすることで、エンジン側からの入力が第1変速機と遊星歯車機構(第1要素、第2要素、第3要素)とを介して減速して駆動輪に出力される。
請求項6の構成によれば、前進・後進切換機構によりパーキングレンジを構成できる。
請求項7の構成によれば、前進・後進切換機構によりニュートラルレンジを構成できる。
本発明の一実施形態の車両用動力伝達装置のスケルトン図。 図1のII部詳細図。 図2のIII−III線断面図(OD状態)。 図2のIII−III線断面図(GN状態)。 OD状態での作用説明図。 GN状態での作用説明図。 図1のVII部詳細図。 軸方向から見た前進・後進切換機構の各要素の位置関係を示す図。 第1、第2噛合切換機構の係合表。 パーキングレンジにおけるトルクフロー図。 リバースレンジにおけるトルクフロー図。 ニュートラルレンジにおけるトルクフロー図。 ドライブレンジにおけるトルクフロー図(定常走行、加速状態)。 ドライブレンジにおけるトルクフロー図(減速状態)。 本発明の一実施形態の車両用動力伝達装置を搭載した車両が定常走行→減速→停止→加速→定常走行する際のタイミングチャート。
以下、図1〜図15に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪Wに伝達する車両用動力伝達装置1は、無段変速機T1と、補助変速機T2と、動力伝達切換機構SCと、ディファレンシャルギヤDとを備える。
次に、図2〜7に基づいて車両用動力伝達装置1の構造を説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機T1は同一構造を有する複数個(本実施形態では4個)の変速ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の第1出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて第1出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの変速ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
第1出力軸12の外周に設けられた第1ワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて第1出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の変速ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
図1から明らかなように、車両用動力伝達装置1は、無段変速機T1に隣接して、上記4個の変速ユニットU…とは別経路で駆動力を伝達可能な補助変速機T2を備える。無段変速機T1および補助変速機T2は、動力伝達切換機構SCを介して駆動輪Wに接続される。車両用動力伝達装置1は、動力伝達切換機構SCによって、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能となっている。
図7から明らかなように、動力伝達切換機構SCは、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第1出力軸12に加えて、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第2出力軸31と、この第2出力軸31に外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第3出力軸32とを備える。第1出力軸12の右端に第1外周スプライン12aが形成され、第2出力軸31の左端に第2外周スプライン31aが形成され、第3出力軸32の左端に第3外周スプライン32aが形成される。
ドグクラッチよりなる第1噛合切換機構33を構成する第1外周スプライン12a、第2外周スプライン31aおよび第3外周スプライン32aは軸方向に整列しており、これらの外径は相互に等しくなっている。また第1噛合切換機構33のスリーブ34は、同径の第1内周スプライン34aと第2内周スプライン34bとを備えている。第1噛合切換機構33のスリーブ34は、図11に示す中立位置N1で第1内周スプライン34aが第1外周スプライン12aと噛合するとともに第2内周スプライン34bが第3外周スプライン32aと噛合する。中立位置N1から左動した図13に示す左動位置L1では、第1内周スプライン34aが第1外周スプライン12aと噛合するとともに第2内周スプライン34bが第2外周スプライン31aと噛合する。また、中立位置N1から右動した図10に示す右動位置R1では、第1内周スプライン34aが第2外周スプライン31aと噛合するとともに第2内周スプライン34bが第3外周スプライン32aと噛合する。つまり、第1噛合切換機構33において、スリーブ34がシフトドラム44(図8参照)の回転によって、中立位置N1、左動位置L1および右動位置R1間を移動することで、連結される回転要素が切り替えられる。
遊星歯車機構35は、第1要素としてのサンギヤ36と、第2要素としてのキャリヤ37と、第3要素としてのリングギヤ38と、キャリヤ37に相対回転自在に支持された複数のピニオン39…とを備えており、ピニオン39…はサンギヤ36およびリングギヤ38に噛合する。サンギヤ36は第3出力軸32の右端に接続され、リングギヤ38は第2出力軸31の右端に接続される。
キャリヤ37の外周部に第4外周スプライン37aが形成され、第4外周スプライン37aに隣接してケーシング42に第5外周スプライン42aが形成される。
ドグクラッチよりなる第2噛合切換機構40を構成する第4外周スプライン37aおよび第5外周スプライン42aは軸方向に整列しており、これらの外径は相互に等しくなっている。また第2噛合切換機構40のスリーブ41は、同径の第3内周スプライン41aと第4内周スプライン41bとを備えている。第2噛合切換機構40のスリーブ41は、図11に示す左動位置L2で第3内周スプライン41aが第5外周スプライン42aと噛合するとともに第4内周スプライン41bが第4外周スプライン37aと噛合し、図12に示す右動位置R2で第3内周スプライン41aが第5外周スプライン42aから離脱するとともに第4内周スプライン41bが第4外周スプライン37aから離脱する。つまり、スリーブ41が不図示のフォークで、左動位置L2および右動位置R2間を移動すると、キャリヤ37の固定状態と回転許容状態とが切り替えられる。
補助変速機T2は、変速ユニットU…の上流側(エンジンE側)の入力軸11にクラッチ28を介して設けた第1ギヤ26と、第1ギヤ26とサンギヤ36とを接続する中間伝達機構60とから構成される。中間伝達機構60は、変速ユニットU…の下流側(ディファレンシャルギヤD)側の第1出力軸12の外周に相対回転自在に嵌合する伝達軸13と、第1ギヤ26と常時噛合する第2ギヤ27と、伝達軸13に第2ワンウェイクラッチ45を介して接続されるとともに油圧クラッチ46を介して第2ギヤ27に接続される中間要素43と、伝達軸13と動力伝達切換機構SCとを接続する中間伝達軸61と、を備える。また中間伝達機構60において、伝達軸13の右端には、第1外周スプライン12aに隣接して第1外周スプライン12aより大径の第1伝達ギヤ13aが形成され、第1伝達ギヤ13aが中間伝達軸61の左端に設けられた第1中間ギヤ61aと常時噛合する。中間伝達軸61の右端には、第1伝達ギヤ13aと略同径の第2伝達ギヤ32bと常時噛合する第2中間ギヤ61bが設けられている。第2伝達ギヤ32bは、第3出力軸32のサンギヤ36と第3外周スプライン32aとの間で第3外周スプライン32aに隣接して形成されている。
中間伝達軸61は、図8に示すように、第1出力軸12と平行に、且つ、軸方向から見て遊星歯車機構35の外周側に配置され、さらにケーシング42の底部に貯留した油面Pよりも上方に配置される。
中間要素43と伝達軸13との動力伝達経路上に設けられた第2ワンウェイクラッチ45は、伝達軸13の回転数が中間要素43の回転数を上回ったときに係合状態となって中間要素43と伝達軸13とを接続し、中間要素43の回転数が伝達軸13の回転数を上回ったときに非係合状態となって中間要素43と伝達軸13とを遮断する。中間要素43と第2ギヤ27との動力伝達経路上に設けられた油圧クラッチ46は、不図示の油圧回路により締結又は遮断を切り替え可能となっており、締結状態で中間要素43と第2ギヤ27とを接続し、中間要素43と第2ギヤ27とを遮断する。
ディファレンシャルギヤDの外郭を構成するディファレンシャルケース47は第2出力軸31の右端に接続される。ディファレンシャルギヤDは、ディファレンシャルケース47に固定したピニオンシャフト48に回転自在に支持した一対のピニオン49,49と、車軸10,10の端部に固設されてピニオン49,49に噛合するサイドギヤ50,50とを備える。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機T1の一つの変速ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機T1のレシオはオーバードライブ(OD)状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機T1のレシオはギヤドニュートラル(GN)状態になる。
図5に示すOD状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、第1ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して第1出力軸12に伝達されるため、第1出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして第1出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ第1出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、第1出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、GN状態で無段変速機T1を運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、第1出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のOD状態と図4のGN状態との間に設定すれば、ゼロレシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機T1は、並置された4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個の第1ワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、第1出力軸12を連続回転させることができる。
次に、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換える動力伝達切換機構SCの作用を説明する。
図9および図10に示すように、第1噛合切換機構33のスリーブ34を右動位置R1として、第2出力軸31および第3出力軸32を一体に結合するとともに第1出力軸12を切り離し、且つ、第2噛合切換機構40のスリーブ41を左動位置L2として、遊星歯車機構35のキャリヤ37をケーシング42に結合すると、パーキングレンジが確立する。
パーキングレンジでは、ディファレンシャルケース47および遊星歯車機構35のリングギヤ38と一体の第2出力軸31が、第1噛合切換機構33および第3出力軸32を介して遊星歯車機構35のサンギヤ36に接続され、更に遊星歯車機構35のキャリヤ37が第2噛合切換機構40を介してケーシング42に結合される。その結果、遊星歯車機構35はロック状態になり、それにディファレンシャルギヤDを介して接続された駆動輪Wが回転不能に拘束される。
図9および図11に示すように、第1噛合切換機構33のスリーブ34を中立位置N1として、第1出力軸12および第3出力軸32を結合するとともに第2出力軸31を切り離し、且つ、第2噛合切換機構40のスリーブ41を左動位置L2として、遊星歯車機構35のキャリヤ37をケーシング42に結合すると、リバースレンジが確立する。
リバースレンジでは、無段変速機T1から第1出力軸12に出力された駆動力が第1噛合切換機構33→第3出力軸32→サンギヤ36→キャリヤ37→リングギヤ38の経路でディファレンシャルケース47に伝達され、同時に遊星歯車機構35において減速されて逆回転となることで、車両を後進走行させることができる。
図9および図12に示すように、第1噛合切換機構33のスリーブ34を中立位置N1として、第1出力軸12および第3出力軸32を結合するとともに第2出力軸31を切り離し、且つ、第2噛合切換機構40のスリーブ41を右動位置R2として、遊星歯車機構35のキャリヤ37をケーシング42から切り離すと、ニュートラルレンジが確立する。
ニュートラルレンジでは、遊星歯車機構35のキャリヤ37がケーシング42から切り離されるため、リングギヤ38が自由に回転可能になり、かつ第2出力軸31が自由に回転可能になるため、ディファレンシャルケース47が自由に回転可能になって駆動輪Wが拘束されない状態となる。この状態でエンジンEの駆動力は、無段変速機T1から第1出力軸12→第1噛合切換機構33→第3出力軸32の経路でサンギヤ36に伝達されるが、キャリヤ37が拘束されていないために遊星歯車機構35が空転し、駆動力がディファレンシャルギヤDに伝達されることはない。また、ディファレンシャルギヤDからの駆動力は、リングギヤ38に伝達されるが、キャリヤ37が拘束されていないために遊星歯車機構35が空転し、駆動力が第1出力軸12に伝達されることはない。
図9および図13に示すように、第1噛合切換機構33のスリーブ34を左動位置L1として、第1出力軸12および第2出力軸31を結合するとともに第3出力軸32を切り離し、且つ、第2噛合切換機構40のスリーブ41を左動位置L2として、遊星歯車機構35のキャリヤ37をケーシング42に結合すると、ドライブレンジが確立する。
ドライブレンジでは、無段変速機T1から第1出力軸12に出力された駆動力が第1噛合切換機構33を介してディファレンシャルケース47および遊星歯車機構35のリングギヤ38と一体の第2出力軸31に伝達されることで、遊星歯車機構35を介さずに直接ディファレンシャルケース47に伝達され、車両を前進走行させることができる。
以上のように、本実施の形態の無段変速機T1の第1出力軸12は、第1ワンウェイクラッチ21…を介して駆動力が伝達されるために前進走行方向にしか回転することができないが、前後進切換機能を有する動力伝達切換機構SCを第1出力軸12の下流側に配置したことで、後進走行用の電動モータを設けてハイブリッド化することなく、車両を後進走行させることができる。
しかも動力伝達切換機構SCはドライブレンジおよびリバースレンジ以外にパーキングレンジおよびニュートラルレンジを確立可能であるため、動力伝達装置自体を更に小型軽量化することができる。
この車両用動力伝達装置1では、無段変速機T1に加えて補助変速機T2を備えるので、ドライブレンジあるいはリバースレンジでの走行中に、エンジンEの駆動力は入力軸11から変速ユニットU…を介して第1出力軸12に伝達されるだけでなく、入力軸11から第1ギヤ26→中間伝達機構60(第2ギヤ27→油圧クラッチ46→中間要素43→第2ワンウェイクラッチ45→伝達軸13→中間伝達軸61)→第3出力軸32→サンギヤ36→キャリヤ37→リングギヤ38の経路でディファレンシャルケース47に伝達され得るが、このときに油圧クラッチ46を解放状態とすることで動力伝達は遮断される。
ドライブレンジでの前進走行中に車両を減速状態に移行すると、図14に示すように、エンジン回転数が低下することで変速ユニットU…の第1ワンウェイクラッチ21…は係合解除し、駆動輪Wからの駆動力はディファレンシャルギヤDおよび動力伝達切換機構SCを介して第1出力軸12に伝達されるが、第1ワンウェイクラッチ21の係合が解除されるため無段変速機T1を介してエンジンEに駆動力は伝達されない。一方で、ディファレンシャルギヤDからの駆動力は、油圧クラッチ46を締結状態とすることでリングギヤ38→キャリヤ37→サンギヤ36→第3出力軸32→中間伝達機構60(中間伝達軸61→伝達軸13→第2ワンウェイクラッチ45→中間要素43→油圧クラッチ46→第2ギヤ27)→第1ギヤ26の経路でエンジンEに逆伝達され、エンジンブレーキを作動させることができる。なお、リングギヤ38→キャリヤ37→サンギヤ36の伝達経路を経由することで、サンギヤ36より下流側の回転要素の回転は逆方向となるが、第2ギヤ27と第1ギヤ26との噛み合いにより第1ギヤ26の回転はエンジンEの回転方向と同方向となる。また、このとき、リングギヤ38の回転は、増速してサンギヤ36に伝達される。
第2ワンウェイクラッチ45は、上記したように、伝達軸13の回転数が中間要素43の回転数を上回ったときに係合状態となって中間要素43と伝達軸13とを接続し、中間要素43の回転数が伝達軸13の回転数を上回ったときに非係合状態となって中間要素43と伝達軸13とを遮断するが、アイドルストップからの復帰時を除いて、中間要素43の回転数が伝達軸13の回転数を上回らないように油圧クラッチ46が解放状態となるよう設定されているため、アイドルストップからの復帰時を除いて係合状態となる。したがって、エンジンブレーキを作動させるか否かは油圧クラッチ46の状態に依存する。
図15は、本発明の車両用動力伝達装置1を搭載した車両が定常走行→減速→停止→加速→定常走行する際のタイミングチャートである。
図15中、CL(46)は油圧クラッチ46、第1OWC(21)は第1ワンウェイクラッチ21、第2OWC(45)は第2ワンウェイクラッチ45、NeはエンジンEの回転数、N(21)は第1ワンウェイクラッチ21の回転数、N(D)はディファレンシャルギヤDの回転数、N(13)は伝達軸13の回転数、N(27)は第2ギヤ27の回転数、N(43)は中間要素43の回転数をそれぞれ示している。
図15に示すように、定常走行中は、図9及び図13で示したドライブレンジが確立されており、第1ワンウェイクラッチ21が係合することで無段変速機T1を経由してエンジンEの駆動力が駆動輪Wに伝達される。このとき、伝達軸13の回転数が中間要素43の回転数を上回り第2ワンウェイクラッチ45が係合状態となって伝達軸13と中間要素43とが一体で回転するが、油圧クラッチ46が解放状態となっているため、第2ギヤ27は伝達軸13と中間要素43の回転数よりも低い回転数でこれらの影響を受けずに回転するため、補助変速機T2を介してエンジンEの駆動力が駆動輪Wに伝達されることはない。
減速時には、第1ワンウェイクラッチ21が非係合状態となって空転するため、駆動輪Wからの駆動力はディファレンシャルギヤDおよび動力伝達切換機構SCを介して第1出力軸12に伝達されるが、無段変速機T1を介してエンジンEに駆動力は伝達されない。また、第2ワンウェイクラッチ45が依然として係合状態となっており、油圧クラッチ46を締結状態とすることで、図14で示したように、リングギヤ38→キャリヤ37→サンギヤ36→第3出力軸32→中間伝達機構60(中間伝達軸61→伝達軸13→第2ワンウェイクラッチ45→中間要素43→油圧クラッチ46→第2ギヤ27)→第1ギヤ26の経路で駆動輪Wからの駆動力がエンジンEに逆伝達され、エンジンブレーキを作動させることができる。具体的に、解放していた油圧クラッチ46を締結し始めることで、第2ギヤ27の回転数が次第に上昇し、油圧クラッチ46が完全に締結することで、伝達軸13と中間要素43と第2ギヤ27とが一体で回転し、駆動輪Wからの駆動力(制動力)によってエンジン回転数が減少する。エンジン回転数が所定回転まで落ちると、アイドリングストップすることでエンジン回転数が零となる。アイドリングストップと同時に油圧クラッチ46を解放することで第2ギヤ27の回転数も零となる。第2ワンウェイクラッチ45が係合状態を維持するため、伝達軸13と中間要素43とが一体で車両が停止するまで、即ち、ディファレンシャルギヤDの回転数が零になるまで回転する。
車両の停止状態から発進する際には、先ずエンジンEを始動し、入力軸11に設けられたクラッチ28を締結するまで、第1ワンウェイクラッチ21は回転しない。また、このとき、油圧クラッチ46を締結することで、第2ギヤ27と中間要素43とが一体で回転するが、中間要素43の回転数が伝達軸13の回転数(零)を上回るため、第2ワンウェイクラッチ45が非係合状態となって中間要素43と伝達軸13とが遮断される。そして、クラッチ28が締結され、第1ワンウェイクラッチ21が回転し始めると、やがて伝達軸13の回転数が中間要素43の回転数を上回り、第2ワンウェイクラッチ45が係合状態となって伝達軸13と中間要素43とが一体で回転し、油圧クラッチ46を解放することで第2ギヤ27は伝達軸13と中間要素43の回転数よりも低い回転数でこれらの影響を受けずに回転するようになり、定常走行へと移行する。
以上のように、本実施形態によれば、エンジンEにより入力軸11が回転すると偏心ディスク18が偏心回転し、偏心ディスク18に一端を接続されたコネクティングロッド19が往復運動すると、コネクティングロッド19の他端に接続されたピン19cが往復運動して第1ワンウェイクラッチ21を介して第1出力軸12が間欠回転することで、入力軸11の回転が偏心ディスク18の偏心量に応じた変速比で変速されて第1出力軸12に伝達される。第1出力軸12の回転を動力伝達切換機構SCにより正転あるいは逆転して駆動輪Wに伝達することで、車両は前進走行あるいは後進走行する。
また、車両の通常の前進走行時には、第1噛合切換機構33を、第1出力軸12とリングギヤ38とを接続状態とするとともに第1出力軸12とサンギヤ36とを遮断状態とする左動位置L1とするとともに第2噛合切換機構40をキャリヤ37を固定状態とする左動位置L2とすることで、エンジンE側からの入力が無段変速機T1を介して駆動輪Wに直接出力される。
また、車両の前進走行時に減速すると、駆動輪Wから第1出力軸12に駆動力が逆伝達されるが、第1ワンウェイクラッチ21の係合が解除されるため無段変速機T1を介してエンジンEに駆動力は伝達されず、駆動輪Wからリングギヤ38に伝達された駆動力が、動力伝達切換機構SCの遊星歯車機構35(リングギヤ38、キャリヤ37、サンギヤ36)と、中間伝達機構60と補助変速機T2とを介してエンジンEに逆伝達されてエンジンブレーキが作動する。このとき、動力伝達切換機構SCの遊星歯車機構35を介することで駆動輪W側からの入力を増速してエンジンEに逆伝達することができるので、適切にエンジンブレーキを作用させることができる。また、減速時に動力伝達切換機構SCの遊星歯車機構35を利用して増速レシオを作り出すことで、新たに増速用の遊星歯車機構を設ける必要はなく、動力伝達装置を小型化できる。
また、車両の後進走行時には、第1噛合切換機構33を第1出力軸12とサンギヤ36とを接続状態とするとともに第1出力軸12とリングギヤ38とを遮断状態とする中立位置N1とし、第2噛合切換機構40をキャリヤ37を固定状態とする左動位置L2とすることで、エンジンE側からの入力が無段変速機T1と、遊星歯車機構35(サンギヤ36、キャリヤ37、リングギヤ38)とを介して減速して駆動輪に出力される。
動力伝達切換機構SCは、第1噛合切換機構33を右動位置R1とし、第2噛合切換機構40を左動位置L2とすることで、パーキングレンジとなり、第1噛合切換機構33を中立位置N1とし、第2噛合切換機構40を右動位置R2とすることで、ニュートラルレンジとなる。
また、補助変速機T2は、エンジンE側の回転数が駆動輪W側の回転数を上回ったときに非係合状態となる第2ワンウェイクラッチ45を備えるので、エンジンEがアイドルストップした状態から復帰する際に、補助変速機T2を介してエンジンE側からの駆動力が駆動輪W側に伝達されるのを機械的に回避できる。
さらに、補助変速機T2は、締結又は遮断を切り替え可能に構成されたクラッチ46を備えるので、車両の通常の前進走行時に無段変速機T1を介して走行中に、駆動輪W側の回転数がエンジンE側の回転数を上回った際に、補助変速機T2を介してエンジンE側からの駆動力が駆動輪W側に伝達されるのを回避できる。
また、中間伝達機構60において、伝達軸13と遊星歯車機構35とは、第1出力軸12と同軸上に軸方向に並んで配置され、中間伝達軸61は、第1出力軸12と平行に、且つ、軸方向から見て遊星歯車機構35の外周側に配置され、さらにケーシング42の底部に貯留した油面Pよりも上方に配置されるので、遊星歯車機構35と中間伝達機構60をコンパクトにまとめることができ、さらに中間伝達軸61が油面Pよりも上方に配置されることで、中間伝達軸61がオイルを攪拌し抵抗となるのを防止できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の
設計変更を行うことが可能である。
例えば、変速ユニットU…の数は実施の形態の4個に限定されるものではない。
1 車両用動力伝達装置
11 入力軸
12 第1出力軸(出力軸)
13 伝達軸
14 変速アクチュエータ
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 第1ワンウェイクラッチ
22 アウター部材(入力部材)
26 第1ギヤ
27 第2ギヤ
33 第1噛合切換機構(第1切替機構)
35 遊星歯車機構
36 サンギヤ(第1要素)
37 キャリヤ(第2要素)
38 リングギヤ(第3要素)
40 第2噛合切換機構(第2切替機構)
45 第2ワンウェイクラッチ
46 クラッチ(断接手段)
61 中間伝達軸
E エンジン
L1 左動位置(第1位置)
L2 左動位置(第4位置)
N1 中立位置(第2位置)
R1 右動位置(第3位置)
R2 右動位置(第5位置)
P 油面
SC 動力伝達切換機構(前進・後進切換機構)
T1 無段変速機
T2 補助変速機
W 駆動輪

Claims (7)

  1. エンジンに接続された入力軸と、
    駆動輪に接続された出力軸と、
    前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続された第1ワンウェイクラッチと、前記第1ワンウェイクラッチの入力部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータと、を有する第1変速機と、を備える車両用動力伝達装置であって、
    前記第1変速機を介さずに前記エンジンと前記駆動輪との動力伝達を可能とする第2変速機と、前記出力軸と前記駆動輪との動力伝達経路上に配置された前進・後進切換機構と、をさらに備え、
    前進・後進切換機構は、相対回転可能に設けられた第1〜第3要素を有する遊星歯車機構と、第1切替機構と、第2切替機構と、を有し、
    前記第1要素は、選択的に前記出力軸に接続され、
    前記第2要素は、固定状態と回転許容状態とを切替可能であって、
    前記第3要素は、選択的に前記出力軸に接続されるとともに、前記駆動輪に常時接続され、
    前記第1切替機構は、前記出力軸と前記第3要素とを接続状態とするとともに前記出力軸と前記第1要素とを遮断状態とする第1位置と、前記出力軸と前記第1要素とを接続状態とするとともに前記出力軸と前記第3要素とを遮断状態とする第2位置と、前記出力軸から前記第1要素及び前記第3要素を遮断状態とするとともに前記第1要素と前記第3要素とを接続状態とする第3位置と、を切替可能であり、
    前記第2切替機構は、前記第2要素を前記固定状態とする第4位置と、前記第2要素を前記回転許容状態とする第5位置と、を切替可能であり、
    前記第2変速機は、前記エンジンと前記第1要素とを接続する中間伝達機構を有する、車両用動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の車両用動力伝達装置であって、
    前記第2変速機は、前記エンジン側の回転数が前記駆動輪側の回転数を上回ったときに非係合状態となる第2ワンウェイクラッチを備える、車両用動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載の車両用動力伝達装置であって、
    前記第2変速機は、締結又は遮断を切り替え可能に構成された断接手段をさらに備える、車両用動力伝達装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用動力伝達装置であって、
    前記中間伝達機構は、前記出力軸の外周に相対回転自在に嵌合する伝達軸と、該伝達軸に設けられ、前記入力軸に設けられた第1ギヤと噛合する第2ギヤと、該伝達軸と前記遊星歯車機構の前記第1要素とを接続する中間伝達軸と、を備え、
    前記伝達軸と前記遊星歯車機構とは、前記出力軸と同軸上に軸方向に並んで配置され、
    前記中間伝達軸は、前記出力軸と平行に、且つ、軸方向から見て前記遊星歯車機構の外周側に配置され、さらにハウジングの底部に貯留した油面よりも上方に配置される、車両用動力伝達装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用動力伝達装置であって、
    前記前進・後進切換機構は、前記第1切替機構を前記第1位置とし、前記第2切替機構を前記第4位置とすることで、前記エンジン側からの入力を前記駆動輪に出力して車両を前進させ、
    前記第1切替機構を前記第2位置とし、前記第2切替機構を前記第4位置とすることで、前記エンジン側からの入力を減速して前記駆動輪に出力して車両を後進させる、車両用動力伝達装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用動力伝達装置であって、
    前記前進・後進切換機構は、前記第1切替機構を前記第3位置とし、前記第2切替機構を前記第4位置とすることで、パーキングレンジとなる、車両用動力伝達装置。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用動力伝達装置であって、
    前記前進・後進切換機構は、前記第1切替機構を前記第2位置とし、前記第2切替機構を前記第5位置とすることで、ニュートラルレンジとなる、車両用動力伝達装置。
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