JP2016191416A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

車両用動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016191416A
JP2016191416A JP2015071272A JP2015071272A JP2016191416A JP 2016191416 A JP2016191416 A JP 2016191416A JP 2015071272 A JP2015071272 A JP 2015071272A JP 2015071272 A JP2015071272 A JP 2015071272A JP 2016191416 A JP2016191416 A JP 2016191416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
input
gear
countershaft
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015071272A
Other languages
English (en)
Inventor
崇宏 笠原
Takahiro Kasahara
崇宏 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2015071272A priority Critical patent/JP2016191416A/ja
Publication of JP2016191416A publication Critical patent/JP2016191416A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】 クランク式の無段変速機の下流に配置される前後進切換機構の小型軽量化を図る。
【解決手段】 前後進切換機構Sは、無段変速機Tの出力軸12および足軸43間に配置された遊星歯車機構Pを備え、出力軸12の駆動力は遊星歯車機構Pのサンギヤ44に直接伝達されるとともに、出力軸12の駆動力は遊星歯車機構Pのリングギヤ46に複数のギヤよりなるギヤ列、前進クラッチCfおよび後進クラッチCrを介して伝達される。前進クラッチCfおよび後進クラッチCrが配置される動力伝達経路には出力軸12の駆動力の一部だけが伝達されるため,前後進切換機構Sを足軸43上に配置する場合に比べて、前進クラッチCfおよび後進クラッチCrにトルク伝達容量が小さいものを使用して車両用動力伝達装置の小型軽量化を図ることができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機と、出力軸および駆動輪間に配置されて前進および後進を切り換える前後進切換機構とを備える車両用動力伝達装置に関する。
クランク式の無段変速機の下流側にクラッチを有する前後進切換機構を配置し、一方向にしか回転できないクランク式の無段変速機の出力軸の回転方向を前後進切換機構で切り換えることで、前進走行および後進走行を可能にした車両用動力伝達装置が、下記特許文献1により公知である。
WO2014/087794A1
ところで、上記特許文献1に記載された車両用動力伝達装置は、前後進切換機構が無段変速機の出力軸の駆動力を駆動輪に伝達する足軸上に設けられているため、前後進切換機構に設けられたクラッチにトルク伝達容量が大きい大型のものを使用することが必要になり、そのために車両用動力伝達装置の寸法が大型化したり重量が増加したりする問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の無段変速機の下流に配置される前後進切換機構の小型軽量化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機と、前記出力軸および駆動輪間に配置されて前進および後進を切り換える前後進切換機構とを備え、前記無段変速機は、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチの入力部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備える車両用動力伝達装置であって、前記前後進切換機構は、前記出力軸に接続された第1要素、前記駆動輪を駆動する足軸に接続された第2要素および前記第1、第2要素に接続された第3要素を含む遊星歯車機構と、前記出力軸に設けられた第1ドライブギヤと、前記出力軸に対して平行に配置された第1カウンタシャフトと、前記第1カウンタシャフトに設けられて前記第1ドライブギヤに接続された第1ドリブンギヤと、車両の前進走行時に係合して前記第1カウンタシャフトおよび前記第1ドリブンギヤ間の動力伝達を可能にする前進クラッチと、前記第1カウンタシャフトに対して平行に配置された第2カウンタシャフトと、前記第2カウンタシャフトに設けられて前記第1ドライブギヤに接続された第2ドリブンギヤと、前記第2カウンタシャフトに設けられた第2ドライブギヤと、前記第1カウンタシャフトに設けられて前記第2ドライブギヤに接続された第3ドリブンギヤと、車両の後進走行時に係合して前記第1カウンタシャフトおよび前記第2ドリブンギヤ間の動力伝達を可能にする後進クラッチと、前記第1カウンタシャフトに設けられて前記第3要素に接続された第3ドライブギヤと、前記入力軸に設けられて前記第3ドライブギヤに接続された入力ギヤと、前記駆動輪から前記駆動源に駆動力を伝達するときに係合して前記入力軸および前記入力ギヤ間の動力伝達を可能にする入力クラッチと、を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記前進クラッチおよび前記後進クラッチの少なくとも一方が、軸方向において前記コネクティングロッドにオーバーラップすることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の入力側支点に対応し、実施の形態のピン19cは本発明の出力側支点に対応し、実施の形態のアウター部材22は本発明の入力部材に対応し、実施の形態のサンギヤ44、キャリヤ45およびリングギヤ46はそれぞれ本発明の第1要素、第2要素および第3要素に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、入力軸と共に入力側支点が偏心回転すると、コネクティングロッドを介してワンウェイクラッチの入力部材が往復揺動し、入力部材が一方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合し、入力部材が他方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合解除することで、出力軸が一方向に回転する。変速アクチュエータで入力側支点の偏心量を変更すると、コネクティングロッドの往復移動のストロークが変化し、それに伴って入力部材の往復揺動のストロークが変化することで変速比が変更される。このとき、出力軸の一方向の回転を前後進切換機構により切り換えることで、車両は前進および後進が可能になる。
大きなトルクが伝達される足軸に前後進切換機構を配置すると、前進クラッチや後進クラッチにトルク伝達容量が大きい大型のものを使用することが必要になるが、出力軸から足軸へのトルクの伝達経路を、遊星歯車機構の第1要素に接続する経路と、遊星歯車機構の第3要素に接続する経路とに分割し、後者の経路に前進クラッチおよび後進クラッチを配置したので、前進クラッチや後進クラッチにトルク伝達容量が小さいものを使用して車両用動力伝達装置の小型軽量化を図ることができる。
また無段変速機は駆動輪側から駆動源側への駆動力の逆伝達が不能であるが、入力クラッチを係合することで無段変速機を迂回した経路で駆動輪側から駆動源側への駆動力の逆伝達が可能になるため、エンジンブレーキ機能や回生制動機能を支障なく得ることができる。
また請求項2の構成によれば、前進クラッチおよび後進クラッチの少なくとも一方が、軸方向においてコネクティングロッドにオーバーラップするので、車両用動力伝達装置の軸方向寸法を更に短縮して車両への搭載性を高めることができる。これにより左右の駆動輪に接続するドライブシャフトの長さを充分に長くし、駆動輪に要求される転舵角を確保することができる。
車両用動力伝達装置のスケルトン図。(第1の実施の形態) 図1の2部詳細図。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図(OD状態)。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図(GN状態)。(第1の実施の形態) OD状態での作用説明図。(第1の実施の形態) GN状態での作用説明図。(第1の実施の形態) 前進走行時のトルクフロー図。(第1の実施の形態) 後進走行時のトルクフロー図。(第1の実施の形態) エンジンブレーキ時のトルクフロー図。(第1の実施の形態) 図1の10方向矢視図。(第1の実施の形態) 車両用動力伝達装置のスケルトン図。(第2の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図10に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を変速して駆動輪に伝達する車両用動力伝達装置は、クランク式の無段変速機Tおよび前後進切換機構Sを備える。
図2〜6に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の変速ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの変速ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の変速ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、前後進切換機構Sの構造を説明する。
図1に示すように、前後進切換機構Sは出力軸12に対して平行に配置された第1カウンタシャフト41および第2カウンタシャフト42を備える。本実施の形態では、第1カウンタシャフト41が右半部および左半部に2分割されている。図示せぬディファレンシャルギヤを介して左右の駆動輪に接続される足軸43が出力軸12に対して同軸上に配置されており、出力軸12および足軸43の対向端部間に遊星歯車機構Pが配置される。
遊星歯車機構Pは、出力軸12に固設された第1要素としてのサンギヤ44と、足軸43に固設された第2要素としてのキャリヤ45と、第3要素としてのリングギヤ46とを備えており、キャリヤ45に支持した複数のピニオン47…がサンギヤ44およびリングギヤ46に同時に噛合する。
出力軸12に固設した第1ドライブギヤ48が、第1カウンタシャフト41の右半部に相対回転自在に支持した第1ドリブンギヤ49と、第2カウンタシャフト42に固設した第2ドリブンギヤ50とに同時に噛合する。第2カウンタシャフト42に固設した第2ドライブギヤ51が第1カウンタシャフト41の左半部に固設した第3ドリブンギヤ52に噛合する。第1ドリブンギヤ49は湿式多板型の前進クラッチCfにより第1カウンタシャフト41の右半部に結合可能であり、第1カウンタシャフト41の右半部および左半部は湿式多板型の後進クラッチCrにより一体に結合可能である。
第1カウンタシャフト41の右半部に固設した第3ドライブギヤ53が、遊星歯車機構Pのリングギヤ46の外周に固設した第4ドリブンギヤ54に噛合する。入力軸11に相対回転自在に支持した入力ギヤ55が第3ドライブギヤ53に噛合し、この入力ギヤ55は湿式多板型の入力クラッチCiを介して入力軸11に結合可能である。
前後進切換機構Sの前進クラッチCfおよび後進クラッチCrの少なくとも一方は、無段変速機Tの4本のコネクティングロッド19…の何れかに軸方向にオーバーラップしている。
次に、無段変速機Tの一つの変速ユニットUの作用を説明する。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機TのレシオはOD(オーバードライブ)状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機Tのレシオは無限大のGN(ギヤドニュートラル)状態になる。
図5に示すOD状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して出力軸12に伝達されるため、出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、GN状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のOD状態と図4のGN状態との間に設定すれば、無限大レシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、出力軸12を連続回転させることができる。
次に、前後進切換機構Sの作用を説明する。
図7および図10(A)に示すように、車両の前進走行時には、前進クラッチCfが係合し、入力クラッチCiおよび後進クラッチCrが係合解除する。その結果、無段変速機Tの出力軸12の駆動力が遊星歯車機構Pの第1要素であるサンギヤ44に入力するととともに、出力軸12の駆動力が第1ドライブギヤ48→第1ドリブンギヤ49→前進クラッチCf→第1カウンタシャフト41の右半部→第3ドライブギヤ53→第4ドリブンギヤ54の経路で遊星歯車機構Pの第3要素であるリングギヤ46に入力するため、遊星歯車機構Pの第2要素であるキャリヤ45から足軸43に駆動力が出力されて車両は前進走行する。
このとき、第1ドライブギヤ48から第2ドリブンギヤ50→第2カウンタシャフト42→第2ドライブギヤ51→第3ドリブンギヤ52の経路で第1カウンタシャフト41の左半部に駆動力が伝達されるが、後進クラッチCrが係合解除しているため、第1カウンタシャフト41の右半部および左半部間でインターロックが発生することはない。
図8および図10(B)に示すように、車両の後進走行時には、後進クラッチCrが係合し、入力クラッチCiおよび前進クラッチCfが係合解除する。その結果、無段変速機Tの出力軸12の駆動力が遊星歯車機構Pの第1要素であるサンギヤ44に入力するととともに、出力軸12の駆動力が第1ドライブギヤ48→第2ドリブンギヤ50→第2カウンタシャフト42→第2ドライブギヤ51→第3ドリブンギヤ52→第1カウンタシャフト41の左半部→後進クラッチCr→第1カウンタシャフト41の右半部→第3ドライブギヤ53→第4ドリブンギヤ54の経路で遊星歯車機構Pの第3要素であるリングギヤ46に逆回転となって入力するため、遊星歯車機構Pの第2要素であるキャリヤ45から足軸43に駆動力が逆回転となって出力されて車両は後進走行する。
このとき、第1ドライブギヤ48から第1ドリブンギヤ49に駆動力が伝達されるが、前進クラッチCfが係合解除しているため、第1ドリブンギヤ49および第1カウンタシャフト41の右半部間でインターロックが発生することはない。
図9に示すように、車両が前進クラッチCfを係合して前進減速走行しているときに、前進クラッチCfに加えて入力クラッチCiを係合すると駆動輪からエンジンEに駆動力が逆伝達されてエンジンブレーキを作動させることができる。
即ち、車両の前進減速走行中には無段変速機Tのワンウェイクラッチ21…が係合解除するため、出力軸12は無負荷で回転可能な状態となる。このとき、出力軸12に固設された遊星歯車機構Pのサンギヤ44は、第1ドライブギヤ48→第1ドリブンギヤ49→前進クラッチCf→第1カウンタシャフト41の右半部→第3ドライブギヤ53→第4ドリブンギヤ54の経路で遊星歯車機構Pのリングギヤ46に接続されるため、遊星歯車機構Pのサンギヤ44およびリングギヤ46の回転数比は所定値に固定される。その結果、駆動輪から足軸43を経てから遊星歯車機構Pのキャリヤ45に入力された駆動力は、リングギヤ46から第3ドライブギヤ53、入力ギヤ55および入力クラッチCiを経てエンジンEに伝達され、エンジンブレーキが作動する。
ところで、大きなトルクが伝達される足軸43に前後進切換機構Sを設けたとすると、その前進クラッチCfおよび後進クラッチCrにトルク伝達容量が大きい大型のものを使用することが必要になるが、本実施の形態によれば、出力軸12から足軸43へのトルクの伝達経路を、出力軸12から遊星歯車機構Pのサンギヤ44に接続する経路と、出力軸12から遊星歯車機構Pのリングギヤ46に接続する経路とに分割し、後者の経路に前進クラッチCfおよび後進クラッチCrを配置したので、前進クラッチCfや後進クラッチCrにトルク伝達容量が小さいものを使用して車両用動力伝達装置の小型軽量化を図ることができる。
またクランク式の無段変速機Tは駆動輪側からエンジンE側への駆動力の逆伝達が不能であるが、入力クラッチCiを係合することで無段変速機Tを迂回した経路で駆動輪側からエンジンE側への駆動力の逆伝達が可能になるため、エンジンブレーキ機能を支障なく得ることができる。
また前後進切換機構Sの前進クラッチCfおよび後進クラッチCrの少なくとも一方は、無段変速機Tの4本のコネクティングロッド19…の何れかに軸方向にオーバーラップしているので、車両用動力伝達装置の軸方向寸法を更に短縮して車両への搭載性を高めることができる。これにより左右の駆動輪に接続するドライブシャフトの長さを充分に長くし、駆動輪に要求される転舵角を確保することができる。
第2の実施の形態
次に、図11に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態では、後進クラッチCrが2分割された第1カウンタシャフト41の右半部および左半部間に配置されていたが、第2の実施の形態では、第2カウンタシャフト42を右半部および左半部に分割し、その右半部および左半部間に後進クラッチCrが配置される。そして第1カウンタシャフト41の右半部および左半部間にはISG(インテグレーテッド・スタータ・ジェネレータ)56が配置される。
後進クラッチCrは、第1カウンタシャフト41および第2ドリブンギヤ50間の間の動力伝達を可能にする位置であれば任意の位置に配置可能であるため、第1の実施の形態および第2の実施の形態で後進クラッチCrの機能に変わりはない。
よって、前進クラッチCfおよび後進クラッチCrを係合解除し、入力クラッチCiを係合すれば、ISG56の駆動力を第1カウンタシャフト41の右半部→第3ドライブギヤ53→入力ギヤ55→入力クラッチCiの経路でエンジンEに伝達し、エンジンEを始動することができる。また図9で説明した車両の減速走行時にISG56を回生制動すれば、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することができる。更に、車両の停止時に前進クラッチCfおよび後進クラッチCrを係合解除した状態で、ISG56を任意の補機を駆動する駆動源として利用することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、電動モータであっても良い。駆動源として電動モータを採用した場合には、図9で説明した車両の減速走行時に電動モータを回生制動することにより、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することができる。
また実施の形態では遊星歯車機構Pのサンギヤ44を第1要素とし、キャリヤ45を第2要素とし、リングギヤ46を第3要素としているが、第1〜第3要素の選択の仕方は任意である。
また実施の形態では前進クラッチCf、後進クラッチCrおよび入力クラッチCiに湿式多板型のクラッチを用いているが、それらはドグクラッチであっても良い。
11 入力軸
12 出力軸
14 変速アクチュエータ
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材(入力部材)
41 第1カウンタシャフト
42 第2カウンタシャフト
43 足軸
44 サンギヤ(第1要素)
45 キャリヤ(第2要素)
46 リングギヤ(第3要素)
48 第1ドライブギヤ
49 第1ドリブンギヤ
50 第2ドリブンギヤ
51 第2ドライブギヤ
52 第3ドリブンギヤ
53 第3ドライブギヤ
55 入力ギヤ
Cf 前進クラッチ
Ci 入力クラッチ
Cr 後進クラッチ
E エンジン(駆動源)
P 遊星歯車機構
S 前後進切換機構
T 無段変速機
ε 偏心量

Claims (2)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する無段変速機(T)と、
    前記出力軸(12)および駆動輪間に配置されて前進および後進を切り換える前後進切換機構(S)とを備え、
    前記無段変速機(T)は、
    前記入力軸(11)の軸線からの偏心量(ε)が可変であって該入力軸(11)と共に回転する入力側支点(18)と、
    前記出力軸(12)に接続されたワンウェイクラッチ(21)と、
    前記ワンウェイクラッチ(21)の入力部材(22)に設けられた出力側支点(19c)と、
    前記入力側支点(18)および前記出力側支点(19c)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(19)と、
    前記入力側支点(18)の偏心量(ε)を変更する変速アクチュエータ(14)とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記前後進切換機構(S)は、
    前記出力軸(12)に接続された第1要素(44)、前記駆動輪を駆動する足軸(43)に接続された第2要素(45)および前記第1、第2要素(44,45)に接続された第3要素(46)を含む遊星歯車機構(P)と、
    前記出力軸(12)に設けられた第1ドライブギヤ(48)と、
    前記出力軸(12)に対して平行に配置された第1カウンタシャフト(41)と、
    前記第1カウンタシャフト(41)に設けられて前記第1ドライブギヤ(48)に接続された第1ドリブンギヤ(49)と、
    車両の前進走行時に係合して前記第1カウンタシャフト(41)および前記第1ドリブンギヤ(49)間の動力伝達を可能にする前進クラッチ(Cf)と、
    前記第1カウンタシャフト(41)に対して平行に配置された第2カウンタシャフト(42)と、
    前記第2カウンタシャフト(42)に設けられて前記第1ドライブギヤ(48)に接続された第2ドリブンギヤ(50)と、
    前記第2カウンタシャフト(42)に設けられた第2ドライブギヤ(51)と、
    前記第1カウンタシャフト(41)に設けられて前記第2ドライブギヤ(51)に接続された第3ドリブンギヤ(52)と、
    車両の後進走行時に係合して前記第1カウンタシャフト(41)および前記第2ドリブンギヤ(50)間の動力伝達を可能にする後進クラッチ(Cr)と、
    前記第1カウンタシャフト(41)に設けられて前記第3要素(46)に接続された第3ドライブギヤ(53)と、
    前記入力軸(11)に設けられて前記第3ドライブギヤ(53)に接続された入力ギヤ(55)と、
    前記駆動輪から前記駆動源(E)に駆動力を伝達するときに係合して前記入力軸(11)および前記入力ギヤ(55)間の動力伝達を可能にする入力クラッチ(Ci)と、
    を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記前進クラッチ(Cf)および前記後進クラッチ(Cr)の少なくとも一方が、軸方向において前記コネクティングロッド(19)にオーバーラップすることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
JP2015071272A 2015-03-31 2015-03-31 車両用動力伝達装置 Pending JP2016191416A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015071272A JP2016191416A (ja) 2015-03-31 2015-03-31 車両用動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015071272A JP2016191416A (ja) 2015-03-31 2015-03-31 車両用動力伝達装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016191416A true JP2016191416A (ja) 2016-11-10

Family

ID=57246389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015071272A Pending JP2016191416A (ja) 2015-03-31 2015-03-31 車両用動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016191416A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110242715A (zh) * 2018-03-08 2019-09-17 本田技研工业株式会社 无级变速器的前进后退切换机构
CN111630302A (zh) * 2018-05-28 2020-09-04 罗灿 双流百向传动器
CN112606675A (zh) * 2020-12-07 2021-04-06 东风汽车集团有限公司 混合动力驱动方法、装置、动力系统、车辆及相关设备

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110242715A (zh) * 2018-03-08 2019-09-17 本田技研工业株式会社 无级变速器的前进后退切换机构
CN111630302A (zh) * 2018-05-28 2020-09-04 罗灿 双流百向传动器
CN111630302B (zh) * 2018-05-28 2022-06-03 罗灿 双流百向传动器
CN112606675A (zh) * 2020-12-07 2021-04-06 东风汽车集团有限公司 混合动力驱动方法、装置、动力系统、车辆及相关设备
CN112606675B (zh) * 2020-12-07 2023-10-03 东风汽车集团有限公司 混合动力驱动方法、装置、动力系统、车辆及相关设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5898317B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JPWO2012026181A1 (ja) 車両のエンジン始動装置
JP5825684B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP5955411B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP5933125B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2016191416A (ja) 車両用動力伝達装置
JP6103760B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6080309B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP5497895B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6137702B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6172674B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6065331B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2016217434A (ja) 車両用動力伝達装置
JP6129996B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2016109168A (ja) 車両用動力伝達装置
JP6215991B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6164439B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6032614B2 (ja) 車両用変速機
JP6120471B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6080221B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2016223572A (ja) 車両用動力伝達装置
JP6208790B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2014206215A (ja) 車両用動力伝達装置
JP6080308B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2016205543A (ja) 動力伝達装置