JP2014206215A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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伸一 下平
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Abstract

【課題】 変速機とディファレンシャルギヤとの間に配置されたセレクタ装置の噛合切換機構を操作あるいは保持する荷重を低減する。【解決手段】 変速機TとディファレンシャルギヤDとの間に配置されたセレクタ装置Sの第1噛合切換機構35は、第1出力軸12の外周に設けた第1外周スプライン12aに噛合する第1内周スプライン36aと、第2出力軸31に設けた第2外周スプライン34aおよび第3出力軸32に設けた第3外周スプライン32aに噛合する第2内周スプライン36bとを備える。第1内周スプライン36aの径は第2内周スプライン36bの径よりも大きく設定され、第2外周スプライン34aの円周方向一側面に第1外周ねじれ面34cが形成されるとともに、第1外周スプライン12aの円周方向他側面に第2外周ねじれ面12bが形成される。【選択図】 図9

Description

本発明は、変速機とディファレンシャルギヤとの間にセレクタ装置を配置した車両用動力伝達装置に関する。
エンジンに接続された入力軸の回転を複数のコネクティングロッドの相互に位相が異なる往復運動に変換し、前記複数のコネクティングロッドの往復運動を複数のワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する無段変速機が、下記特許文献1により公知である。
また第1入力軸、第2入力軸および出力軸を備える平行3軸式自動変速機において、第1入力軸に設けた後進駆動ギヤと、出力軸に設けた後進従動ギヤとにアイドルギヤを噛合させ、後進駆動ギヤをクラッチで第1入力軸に結合するとともに、後進従動ギヤをセレクタで出力軸に結合することで後進変速段を確立するものが、下記特許文献2により公知である。
またメインシャフトに設けたドライブプーリとカウンタシャフトに設けたドリブンプーリとに無端ベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機において、メインシャフトとドライブプーリとの間に遊星歯車式の前後進切換機構を配置することで、メインシャフトに対してドライブプーリを逆回転させてリバースレンジを確立するものが、下記特許文献3により公知である。
特表2005−502543号公報 特許第4336448号公報 特許第4035423号公報
ところで、変速機とディファレンシャルギヤとの間にパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ等を切り換えるドグクラッチを有するセレクタ装置を配置した車両用動力伝達装置では、坂道で停止した車両のセレクタ装置にトルクが入力した状態や、ブレーキを踏んで停止した車両のセレクタ装置にエンジンからのトルクが入力した状態でドグクラッチを操作するとき、ドグクラッチの内周スプラインおよび外周スプライン間に作用するフリクションにより大きな操作力が必要になり、ドグクラッチが抜け難くなる場合がある。このような問題を回避するために、ドグクラッチの内周スプラインおよび外周スプライン間に軸方向に対して傾斜するねじれ面を形成し、前記トルクでねじれ面にスラスト力を発生させてドグクラッチを抜け易くすることが考えられる。
しかしながら、このように構成すると、シフトチェンジによりトルクの伝達経路が変化すると、前記スラスト力でドグクラッチが勝手に抜けてしまう可能性があり、これを阻止するためにドグクラッチを保持するためのアクチュエータの保持力が増加してしまう問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、変速機とディファレンシャルギヤとの間に配置されたセレクタ装置の噛合切換機構を操作あるいは保持する荷重を低減することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、変速機とディファレンシャルギヤとの間にセレクタ装置を配置した車両用動力伝達装置であって、前記セレクタ装置は、前記変速機に接続された第1出力軸と、前記ディファレンシャルギヤに接続された第2出力軸と、前記第2出力軸の外周に相対回転自在に嵌合する第3出力軸と、第1要素が前記第3出力軸に接続されて第2要素が前記ディファレンシャルギヤに接続された遊星歯車機構と、前記第1、第3出力軸を結合して前記第2出力軸を切り離す状態と前記第1〜第3出力軸を結合する状態とを切り換え可能な第1噛合切換機構と、前記遊星歯車機構の第3要素をケーシングに結合可能な第2噛合切換機構とを備え、前記第1噛合切換機構は、前記第1出力軸の外周に設けた第1外周スプラインに噛合する第1内周スプラインと、前記第2出力軸に設けた第2外周スプラインおよび前記第3出力軸に設けた第3外周スプラインに噛合する第2内周スプラインとを備え、前記第1内周スプラインの径が前記第2内周スプラインの径よりも大きく設定された車両用動力伝達装置であって、前記第2外周スプラインの円周方向一側面に第1外周ねじれ面を形成するとともに、第1外周スプラインの円周方向他側面に第2外周ねじれ面を形成したことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第2内周スプラインに前記第1外周ねじれ面に当接可能な第1内周ねじれ面を形成するとともに、前記第1内周スプラインに前記面に第2外周ねじれ面に当接可能な第2内周ねじれ面を形成したことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記第1噛合切換機構で第1出力軸を前記第2、第3出力軸に結合し、かつ前記第2噛合切換機構で前記第3要素を前記ケーシングに結合するパーキングレンジと、前記第1噛合切換機構で第1出力軸を前記第3出力軸に結合し、かつ前記第2噛合切換機構で前記第3要素を前記ケーシングに結合するリバースレンジと、前記第1噛合切換機構で第1出力軸を前記第3出力軸に結合し、かつ前記第2噛合切換機構で前記第3要素を前記ケーシングから解放するニュートラルレンジと、前記第1噛合切換機構で第1出力軸を前記第2、第3出力軸に結合し、かつ前記第2噛合切換機構で前記第3要素を前記ケーシングから解放するドライブレンジとを切り換え可能であり、前記パーキングレンジから前記リバースレンジに移行する際に前記ニュートラルレンジを経由することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態のサンギヤ43は本発明の第1要素に対応し、実施の形態のキャリヤ44は本発明の第3要素に対応し、実施の形態のリングギヤ45は本発明の第2要素に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応し、実施の形態の無段変速機Tは本発明の変速機に対応する。
請求項1の構成によれば、車両用動力伝達装置の変速機とディファレンシャルギヤとの間に配置されたセレクタ装置は、第1出力軸と、第2出力軸と、第3出力軸と、遊星歯車機構と、第1、第3出力軸を結合して第2出力軸を切り離す状態と第1〜第3出力軸を結合する状態とを切り換え可能な第1噛合切換機構と、遊星歯車機構の第3要素をケーシングに結合可能な第2噛合切換機構とを備える。第1噛合切換機構は、第1出力軸の外周に設けた第1外周スプラインに噛合する第1内周スプラインと、第2出力軸に設けた第2外周スプラインおよび第3出力軸に設けた第3外周スプラインに噛合する第2内周スプラインとを備え、第1内周スプラインの径が第2内周スプラインの径よりも大きく設定される。
第2外周スプラインの円周方向一側面に第1外周ねじれ面を形成したので、第2外周スプラインから第2内周スプラインを介して第3外周スプラインにトルクが伝達されている第1の状態で、あるいは第1外周スプラインから第1内周スプラインおよび第2内周スプラインを介して第2外周スプラインにトルクが伝達されている第2の状態で、第1噛合切換機構を軸方向一方に操作して第2外周スプラインおよび第2内周スプラインの係合を解除しようとするとき、第1外周ねじれ面の作用で第2内周スプラインに軸方向一方のスラスト力が作用するため、第1噛合切換機構を小さい操作力で軸方向一方に操作することができる。
このとき、第1内周スプラインの径が第2内周スプラインの径よりも大きく設定されているため、上記第1の状態でのスラスト力は上記第2の状態でのスラスト力よりも大きくなる。よって上記第1の状態でのスラスト力が充分に得られるように第1外周ねじれ面の傾斜角を設定すると、上記第2の状態でのスラスト力が過大になってしまい、第2内周スプラインが軸方向一方に勝手に移動しないように保持するための無駄な保持力が必要になる。
しかしながら、第1外周スプラインの円周方向他側面に第2外周ねじれ面を形成したことで、上記第2の状態において第1内周スプラインに軸方向他方のスラスト力が作用するため、第1外周ねじれ面による軸方向一方のスラスト力の一部を前記軸方向他方のスラスト力で相殺し、第2内周スプラインが軸方向一方に勝手に移動しないように保持するための保持力を低減することができる。前記第1の状態において、第1外周スプラインはトルクを伝達しないため、第2外周ねじれ面が不要なスラスト力を発生することはない。
また請求項2の構成によれば、第2内周スプラインに第1外周ねじれ面に当接可能な第1内周ねじれ面を形成するとともに、第1内周スプラインに第2外周ねじれ面に当接可能な第2内周ねじれ面を形成したので、第1外周ねじれ面および第1内周ねじれ面を面接触させ、かつ第2外周ねじれ面および第2内周ねじれ面を面接触させることで、軸方向のスラスト力を確実に発生させることができる。
また請求項3の構成によれば、第1噛合切換機構で第1〜第3出力軸を一体に結合し、第2噛合切換機構で遊星歯車機構の第3要素をケーシングに結合すると、ロックした遊星歯車機構にディファレンシャルギヤが結合されてパーキングレンジが確立する。第1噛合切換機構で第1、第3出力軸を結合して第2噛合切換機構を結合解除し、第2噛合切換機構で遊星歯車機構の第3要素をケーシングに結合すると、第1出力軸の駆動力が遊星歯車機構で逆回転になってディファレンシャルギヤに伝達されてリバースレンジが確立する。第1噛合切換機構で第1、第3出力軸を結合して第2噛合切換機構を結合解除し、第2噛合切換機構で遊星歯車機構の第3要素を解放すると、ディファレンシャルギヤが遊星歯車機構と共に空転してニュートラルレンジが確立する。第1噛合切換機構で第1〜第3出力軸を一体に結合し、第2噛合切換機構で遊星歯車機構の第3要素を解放すると、第1出力軸の駆動力が第2出力軸を介して、あるいは第3出力軸および一体回転する遊星歯車機構を介してディファレンシャルギヤに伝達されてドライブレンジが確立する。
第1外周スプライン→第1内周スプライン→第2内周スプライン→第3外周スプラインの経路でトルクが伝達されるリバースレンジからパーキングレンジに移行するには、第1噛合切換機構をフリクションに打ち勝って軸方向他方に操作する大きな操作力が必要になるが、パーキングレンジからリバースレンジに移行する際にニュートラルレンジを経由して第2噛合切換機構で遊星歯車機構の第3要素をケーシングから解放することで、前記経路で伝達されるトルクを解放し、第1噛合切換機構を軸方向他方に小さい操作力で操作することができる。
車両用の動力伝達装置のスケルトン図。 図1の2部詳細図。 図2の3−3線断面図(TOP状態)。 図2の3−3線断面図(LOW状態)。 TOP状態での作用説明図。 LOW状態での作用説明図。 セレクタ装置およびディファレンシャルギヤのスケルトン図。 セレクタ装置の縦断面図。 図8の9−9線断面図。 第1、第2噛合切換機構の係合表。 パーキングレンジにおけるトルクフロー図。 リバースレンジにおけるトルクフロー図。 ニュートラルレンジにおけるトルクフロー図。 ドライブレンジにおけるトルクフロー図。 リバースレンジで第1噛合切換機構に加わるトルクの説明図。 シフトチェンジ時の第1、第2噛合切換機構の作動を示すタイムチャート。
以下、図1〜図16に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、無段変速機Tと、セレクタ装置Sと、ディファレンシャルギヤDとを備える。セレクタ装置Sは、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能である。
次に、図2〜6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の変速ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の第1出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて第1出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの変速ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
第1出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて第1出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の変速ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、図7および図8に基づいて、セレクタ装置SおよびディファレンシャルギヤDの構造を説明する。
セレクタ装置Sは、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第1出力軸12に加えて、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第2出力軸31と、この第2出力軸31に外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第3出力軸32とを備える。第1出力軸12の右端に第1外周スプライン12aが形成される。第2出力軸31の左端に第1接続部材34がスプライン結合33されており、第1接続部材34が軸方向左側かつ径方向外側に延びた先端に第2外周スプライン34aが形成される。第3出力軸32の軸方向左端から径方向外側に延びた位置に第3外周スプライン32aが形成される。尚、第2出力軸31および第1接続部材34を別部材に分割したのは組立性のためであり、第2出力軸31および第1接続部材34を一部材で構成して第2出力軸31に直接第2外周スプライン34aを形成しても良い。
ドグクラッチよりなる第1噛合切換機構35を構成する第1外周スプライン12a、第2外周スプライン34aおよび第3外周スプライン32aは軸方向に整列しており、第2外周スプライン34aおよび第3外周スプライン32aの外径は相互に等しく、かつ第1外周スプライン12aの外径よりも小さくなっている。また第1噛合切換機構35のスリーブ36は、外径が大きい第1内周スプライン36aと、外径が小さい第2内周スプライン36bとを備えており、第1内周スプライン36aは第1外周スプライン12aに常時噛合し、第2内周スプライン36bは第3外周スプライン32aに常時噛合し、第2内周スプライン36bは図8に示す左動時にのみ第2外周スプライン34aに噛合する。つまり、スリーブ36がフォーク37で図8に示す左動状態から右動すると第2内周スプライン36bと第2外周スプライン34aとの噛合が解除される。
図8の9−9線断面図である図9(C)に模式的示すように、第2外周スプライン34aの円周方向一側面には、軸線に対してテーパーした第1外周ねじれ面34cが形成され、この第1外周ねじれ面34cに当接するスリーブ36の第2内周スプライン36bには第1内周ねじれ面36cが形成される。スリーブ36が左動位置にあるとき、第1外周ねじれ面34cおよび第1内周ねじれ面36cは相互に接触可能である。また第1外周スプライン12aの円周方向他側面には、軸線に対してテーパーした第2外周ねじれ面12bが形成され、この第2外周ねじれ面12bに当接するスリーブ36の第1内周スプライン36aには第2内周ねじれ面36dが形成される。スリーブ36が左動位置にあるとき、第2外周ねじれ面12bおよび第2内周ねじれ面36dは相互に接触可能である。
図7および図8に戻り、ケーシング38と第1出力軸12との間にはボールベアリング39が配置され、ケーシング38と第1接続部材34のフランジ部34bとの間にはニードルベアリング40が配置され、第1接続部材34と第3出力軸32との間にニードルベアリング41が配置される。
遊星歯車機構42は、第1要素としてのサンギヤ43と、第3要素としてのキャリヤ44と、第2要素としてのリングギヤ45と、キャリヤ44にニードルベアリング46を介して相対回転自在に支持された複数のピニオン47…とを備えており、ピニオン47…はサンギヤ43およびリングギヤ45に噛合する。サンギヤ43の左端は第3出力軸32の右端にスプライン結合48され、リングギヤ45は第2出力軸31の右端から径方向外側に延びる第2接続部材49の外周部に接続される。
キャリヤ44の外周部に形成した外周スプライン44aとケーシング50に形成した外周スプライン50aとに、ドグクラッチよりなる第2噛合切換機構51のスリーブ52に形成した内周スプライン52aが噛合する。従って、スリーブ52がフォーク53で図8に示す位置に左動すると、キャリヤ44がケーシング50から切り離され、スリーブ52がフォーク53で図8に示す位置から右動すると、キャリヤ44がケーシング50に結合される。
ディファレンシャルギヤDの外郭を構成するディファレンシャルケース54は、ミッションケース50にボルト55およびベアリングホルダ56により固定したボールベアリング57により回転自在に支持される。ディファレンシャルケース54の左端は第2出力軸31の右端にスプライン結合58される。ディファレンシャルギヤDは、ディファレンシャルケース54に固定したピニオンシャフト59に回転自在に支持した一対のピニオン60,60と、車軸10,10の端部に固設されてピニオン60,60に噛合するサイドギヤ61,61とを備える。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの変速ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機TのレシオはTOP状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機TのレシオはLOW状態になる。
図5に示すTOP状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して第1出力軸12に伝達されるため、第1出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして第1出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ第1出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、第1出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、LOW状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、第1出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のTOP状態と図4のLOW状態との間に設定すれば、ゼロレシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、第1出力軸12を連続回転させることができる。
次に、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換えるセレクタ装置Sの作用を説明する。
図10および図11に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を左動し、第1出力軸12、第2出力軸31および第3出力軸32を一体に結合するとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を右動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50に結合すると、パーキングレンジが確立する。
パーキングレンジでは、ディファレンシャルケース54と一体の第2出力軸31が第2接続部材49を介して遊星歯車機構42のリングギヤ45に結合されるとともに、前記第2出力軸31が第1接続部材34、第1噛合切換機構35および第3出力軸32を介して遊星歯車機構42のサンギヤ43に接続され、更に遊星歯車機構42のキャリヤ44が第2噛合切換機構51を介してケーシング50に結合される。その結果、遊星歯車機構42はロック状態になり、それにディファレンシャルギヤDを介して接続された駆動輪W,Wが回転不能に拘束される。
図10および図12に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を右動し、第1出力軸12および第3出力軸32を結合して第2出力軸31を切り離すとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を右動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50に結合すると、リバースレンジが確立する。
リバースレンジでは、無段変速機Tから第1出力軸12に出力された駆動力が第1噛合切換機構35→第3出力軸32→サンギヤ43→キャリヤ44→リングギヤ45→第2接続部材49の経路でディファレンシャルケース54に伝達され、同時に遊星歯車機構42において減速されて逆回転となることで、車両を後進走行させることができる。
図10および図13に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を右動し、第1出力軸12および第3出力軸32を結合して第2出力軸31を切り離すとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を左動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50から切り離すと、ニュートラルレンジが確立する。
ニュートラルレンジでは、遊星歯車機構42のキャリヤ44がケーシング50から切り離されるため、リングギヤ45および第2接続部材49が自由に回転可能になり、かつ第1接続部材34が第1噛合切換機構35から切り離されるため、第2出力軸31が自由に回転可能になり、第2接続部材49および第2出力軸31に接続されたディファレンシャルケース54が自由に回転可能になって駆動輪W,Wが拘束されない状態となる。この状態でエンジンEの駆動力は、無段変速機Tから第1出力軸12→第1噛合切換機構35→第3出力軸32の経路でサンギヤ43に伝達されるが,キャリヤ44が拘束されていないために遊星歯車機構42が空転し、駆動力がディファレンシャルギヤDに伝達されることはない。
図10および図14に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を左動し、第1出力軸12、第2出力軸31および第3出力軸32を一体に結合するとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を左動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50から切り離すと、ドライブレンジが確立する。
ドライブレンジでは、遊星歯車機構42のリングギヤ45に第2接続部材49および第2出力軸31を介して接続された第1接続部材34と、遊星歯車機構42のサンギヤ43に接続された第3出力軸32とが第1噛合切換機構35で結合されるため、遊星歯車機構42は一体に回転可能な状態になる。その結果、無段変速機Tから第1出力軸12に出力された駆動力が第1噛合切換機構35→第1接続部材34→第2出力軸31の経路で、あるいは第1噛合切換機構35→第3出力軸32→サンギヤ43→キャリヤ44→リングギヤ45→第2接続部材49の経路でディファレンシャルケース54に伝達され、車両を前進走行させることができる。
以上のように、本実施の形態の変速機Tの第1出力軸12は、ワンウェイクラッチ21…を介して駆動力が伝達されるために前進走行方向にしか回転することができないが、前後進切換機能を有するセレクタ装置Sを第1出力軸12の下流側に配置したことで、後進走行用の電動モータを設けてハイブリッド化することなく、車両を後進走行させることができる。
次に、図9に基づいて第1噛合切換機構35のスリーブ36を軸方向に移動させる荷重について説明する。
第1噛合切換機構35のスリーブ36は図示せぬアクチュエータで操作されるもので、パーキングレンジおよびドライブレンジでは左動位置にあり、リバースレンジおよびニュートラルレンジでは右動位置にある。車両が上り坂で停止した状態で、ブレーキを放してパーキングレンジ(図11参照)からスリーブ36を右動してリバースレンジ(図12参照)にシフトチェンジする場合を考える。パーキングレンジ(図11参照)において、車両が坂道をずり下がろうとする荷重は、第2出力軸31(第1接続部材34)の第2外周スプライン34aからスリーブ36の第2内周スプライン36bを介して第3出力軸32の第3外周スプライン32aに伝達される。
図9(A)の比較例は、この状態を模式的に示すもので、車両が坂道をずり下がろうとすることで、第2外周スプライン34aからの荷重Faが第2内周スプライン36bに伝達され、第2内周スプライン36bからの荷重Fbが第3外周スプライン32aに伝達されている。この状態でパーキングレンジからリバースレンジにシフトチェンジすべくスリーブ36を右動させようとすると、前記荷重Fa,Fbの伝達経路のフリクションにより、アクチュエータが大きな操作力を出力することが必要になる。
しかしながら、図9(A)の比較例では、第2外周スプライン34aに設けた第1外周ねじれ面34cと第2内周スプライン36bに設けた第1内周ねじれ面36cが当接することで、図中右向きのアシスト荷重が作用するため、スリーブ36をフリクションに抗して右動させる抜き荷重F1が小さくなり、アクチュエータの負荷が軽減される。このとき、第1外周スプライン12aと第1内周スプライン36aとの間では荷重の伝達が行われないため、スリーブ36の抜き荷重F1に影響を及ぼすことはない。
次に、ドライブレンジ(図14参照)での走行中にブレーキを踏んで停車し、その状態でニュートラルレンジ(図13参照)にシフトチェンジする場合を考える。ドライブレンジ(図14参照)において、車両が前進しようとする荷重は、第1出力軸12の第1外周スプライン12aからスリーブ36の第1内周スプライン36aおよび第2内周スプライン36bを介して第2出力軸32の第2外周スプライン34aに伝達される。
図9(B)の比較例は、この状態を模式的に示すもので、車両が前進しようとすることで、第1外周スプライン12aからの荷重Fcが第1内周スプライン36aに伝達され、第1内周スプライン36aと一体の第2内周スプライン36bからの荷重Fdが第2外周スプライン34aに伝達されている。この状態でドライブレンジからニュートラルレンジにシフトチェンジすべくスリーブ36を右動させようとすると、前記荷重Fc,Fcの伝達経路のフリクションにより、アクチュエータが大きな操作力を出力することが必要になる。
しかしながら、図9(B)の比較例では、第2外周スプライン34aに設けた第1外周ねじれ面34cと第2内周スプライン36bに設けた第1内周ねじれ面36cが当接することで、図中右向きのアシスト荷重が作用するため、スリーブ36をフリクションに抗して右動させる抜き荷重F2が小さくなり、アクチュエータの負荷が軽減される。このとき、第3外周スプライン32aと第2内周スプライン36bとの間では荷重の伝達が行われないため、スリーブ36の抜き荷重F2に影響を及ぼすことはない。
第1内周スプライン36aの半径をR1とし、第2内周スプライン36bの半径をR2とし、スプラインの接触面の摩擦係数をμとし、ねじれ面のテーパー角をθとし、ねじれ面の伝達トルクをTとすると、図9(A)の比較例の抜き荷重F1は次式で表される。
F1=(T/R1)μ
−{(T/R1)sinθ−(T/R1)μcosθ}cosθ…(1)
また図9(B)の比較例の抜き荷重F2は次式で表される。
F2=(T/R2)μ
−{(T/R1)sinθ−(T/R1)μcosθ}cosθ…(2)
上記(1)式および上記(2)式において、第1内周スプライン36aの半径R1>第2内周スプライン36bの半径R2であるため、抜き力F1>抜き力F2となる。
その結果、パーキングレンジからリバースレンジへのシフトチェンジ時の抜き力F1が適切な大きさになるようにねじれ面のテーパー角θを設定すると、ドライブレンジからニュートラルレンジへのシフトチェンジ時の抜き力F2が過少になってしまい、ねじれ面において発生したスラスト力でスリーブ36が勝手に抜けてしまう可能性がある。これを防止するには、スリーブ36を操作するアクチュエータが抜け防止の保持力を発生する必要があり、アクチュエータの消費電力が増加する問題がある。
図9(C)は本発明の実施の形態であって、図9(A)、(B)の比較例の第1外周スプライン12aおよび第1内周スプライン36aに、それぞれ第2外周ねじれ面12bおよび第2内周ねじれ面36dを形成したものである。ドライブレンジ(図14参照)からニュートラルレンジ(図13参照)にシフトチェンジすべくスリーブ36を右動させる際に、第1外周スプライン12aから第1内周スプライン36aに荷重Fcが作用すると、第2外周ねじれ面12bおよび第2内周ねじれ面36dの当接によりスリーブ36を左動させるスラスト力が作用する。
このスラスト力は、第1外周ねじれ面34cおよび第1内周ねじれ面36cの当接によりスリーブ36を右動させるスラスト力の一部を相殺するため、ドライブレンジからニュートラルレンジへのシフトチェンジ時に必要な抜き力F2が負になってスリーブ36が勝手に右動するのを防止することができる。またパーキングレンジからリバースレンジにシフトチェンジすべくスリーブ36を右動させる場合には(図9(A)参照)、第1外周スプライン12aおよび第1内周スプライン36a間での荷重伝達が行わないため、第2内周ねじれ面36dおよび第2外周ねじれ面12bの当接により不要なスラスト力が発生せず、抜き力F1が増加することはない。
以上のように、本実施の形態によれば、パーキングレンジからリバースレンジにシフトチェンジする場合には、第1外周ねじれ面34cおよび第1内周ねじれ面36cの当接によりスリーブ36を容易に右動させるのに必要充分な右向きのアシスト荷重を発生させながら、ドライブレンジからニュートラルレンジにシフトチェンジする場合には、第2外周ねじれ面12bおよび第2内周ねじれ面36dの当接により発生する左向きのアシスト荷重で前記右向きのアシスト荷重を一部相殺し、スリーブ36が勝手に右動するのを防止してアクチュエータが無駄な保持力を出力する必要をなくすことができる。
次に、図15および図16に基づいてリバースレンジからパーキングレンジにシフトチェンジする場合の作用を説明する。
本実施の形態では、運転者が操作するシフトレバーの位置が電気信号に変換され、その電気信号に応じてシフトアクチュエータが作動してシフトドラムが回転することで、第1噛合切換機構35および第2噛合切換機構51が作動するようになっている。一般的に、シフトレバーのポジションは、パーキングポジション、リバースポジション、ニュートラルポジションおよびドライブポジションの順に配置されており、パーキングポジションおよびリバースポジションは隣接している、従って、図16(A)に示すように、シフトレバーをリバースポジションからパーキングポジションに操作すると、リバースレンジから直接パーキングレンジにシフトチェンジされる。
図15に示すように、リバースレンジ(図12参照)での走行中にブレーキを踏んで停止した後、パーキングレンジ(図11参照)にシフトチェンジするとき、第1噛合切換機構35のスリーブ36が左動し、スリーブ36の第2内周スプライン36bが第2出力軸31の第2外周スプライン34aに噛合する必要がある。このとき、駆動力は第1外周スプライン12a→第1内周スプライン36a→第2内周スプライン36b→第3外周スプライン32aの経路で伝達され、第1外周スプライン12aおよび第1内周スプライン36a間に作用する荷重Feによるフリクションと、第3外周スプライン32aおよび第2内周スプライン36b間に作用する荷重Fgによるフリクションとにより、スリーブ36を左動させるアクチュエータの操作力が大きくなる問題がある。
しかしながら、本実施の形態では、図16(B)に示すように、リバースレンジ(図12参照)からパーキングレンジ(図11参照)にシフトチェンジするとき、それらの間に一時的にニュートラルレンジ(図13参照)を介在させ、ニュートラルレンジで第2噛合切換機構51のスリーブ52を左動させることで遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50から解放する。これにより、図15において第3出力軸32の拘束が解除され、第1出力軸12、第3出力軸32およびスリーブ36間のフリクションが減少することで、スリーブ36を左動させるアクチュエータの操作力を低減することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の変速機は実施の形態の往復動式の無段変速機Tに限定されず、ベルト式無段変速機のような他種の無段変速機であっても良い。
また遊星歯車機構42のサンギヤ43、キャリヤ44およびリングギヤ45の何れを第1〜第3要素とするかは、適宜変更可能である。
11 入力軸
12 第1出力軸
12a 第1外周スプライン
12b 第2外周ねじれ面
31 第2出力軸
32 第3出力軸
32a 第3外周スプライン
34a 第2外周スプライン
34c 第1外周ねじれ面
35 第1噛合切換機構
36a 第1内周スプライン
36b 第2内周スプライン
36c 第1内周ねじれ面
36d 第2内周ねじれ面
42 遊星歯車機構
43 サンギヤ(第1要素)
44 キャリヤ(第3要素)
45 リングギヤ(第2要素)
50 ケーシング
51 第2噛合切換機構
D ディファレンシャルギヤ
E エンジン(駆動源)
S セレクタ装置
T 無段変速機(変速機)

Claims (3)

  1. 変速機(T)とディファレンシャルギヤ(D)との間にセレクタ装置(S)を配置した車両用動力伝達装置であって、
    前記セレクタ装置(S)は、
    前記変速機(T)に接続された第1出力軸(12)と、
    前記ディファレンシャルギヤ(D)に接続された第2出力軸(31)と、
    前記第2出力軸(31)の外周に相対回転自在に嵌合する第3出力軸(32)と、
    第1要素(43)が前記第3出力軸(32)に接続されて第2要素(45)が前記ディファレンシャルギヤ(D)に接続された遊星歯車機構(42)と、
    前記第1、第3出力軸(12,32)を結合して前記第2出力軸(31)を切り離す状態と前記第1〜第3出力軸(12,31,32)を結合する状態とを切り換え可能な第1噛合切換機構(35)と、
    前記遊星歯車機構(42)の第3要素(44)をケーシング(50)に結合可能な第2噛合切換機構(51)とを備え、
    前記第1噛合切換機構(35)は、前記第1出力軸(12)の外周に設けた第1外周スプライン(12a)に噛合する第1内周スプライン(36a)と、前記第2出力軸(31)に設けた第2外周スプライン(34a)および前記第3出力軸(32)に設けた第3外周スプライン(32a)に噛合する第2内周スプライン(36b)とを備え、前記第1内周スプライン(36a)の径が前記第2内周スプライン(36b)の径よりも大きく設定された車両用動力伝達装置であって、
    前記第2外周スプライン(34a)の円周方向一側面に第1外周ねじれ面(34c)を形成するとともに、第1外周スプライン(12a)の円周方向他側面に第2外周ねじれ面(12b)を形成したことを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記第2内周スプライン(36b)に前記第1外周ねじれ面(34c)に当接可能な第1内周ねじれ面(36c)を形成するとともに、前記第1内周スプライン(36a)に前記面に第2外周ねじれ面(12b)に当接可能な第2内周ねじれ面(36d)を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記第1噛合切換機構(35)で第1出力軸(12)を前記第2、第3出力軸(31,32)に結合し、かつ前記第2噛合切換機構(51)で前記第3要素(44)を前記ケーシング(50)に結合するパーキングレンジと、
    前記第1噛合切換機構(35)で第1出力軸(12)を前記第3出力軸(32)に結合し、かつ前記第2噛合切換機構(51)で前記第3要素(44)を前記ケーシング(50)に結合するリバースレンジと、
    前記第1噛合切換機構(35)で第1出力軸(12)を前記第3出力軸(32)に結合し、かつ前記第2噛合切換機構(51)で前記第3要素(44)を前記ケーシング(50)から解放するニュートラルレンジと、
    前記第1噛合切換機構(35)で第1出力軸(12)を前記第2、第3出力軸(31,32)に結合し、かつ前記第2噛合切換機構(51)で前記第3要素(44)を前記ケーシング(50)から解放するドライブレンジとを切り換え可能であり、
    前記パーキングレンジから前記リバースレンジに移行する際に前記ニュートラルレンジを経由することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016109168A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 本田技研工業株式会社 車両用動力伝達装置

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