JP6080221B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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本発明は、駆動源に接続された入力軸と、駆動輪に接続された出力軸と、前記入力軸からの偏心量が可変であって該入力軸と一体に回転する偏心部材と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、一端部が前記偏心部材に接続されて他端部が前記ワンウェイクラッチに接続されたコネクティングロッドと、前記出力軸およびディファレンシャルギヤ間に配置された前後進切換機構とを備え、前記前後進切換機構は前記出力軸の回転方向を切り換えて前記ディファレンシャルギヤに伝達可能なドグクラッチよりなる車両用動力伝達装置に関する。
エンジンに接続された入力軸の回転を複数のコネクティングロッドの相互に位相が異なる往復運動に変換し、前記複数のコネクティングロッドの往復運動を複数のワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する無段変速機が、下記特許文献1により公知である。
特表2005−502543号公報
ところで、かかる無段変速機はコネクティングロッドと出力軸との間にワンウェイクラッチを備えるため、出力軸は車両を前進走行させる方向にしか回転することができず、従って車両を後進走行させるには、出力軸の回転を逆回転にしてディファレンシャルギヤに伝達する前後進切換機構を設ける必要がある。
この前後進切換機構をドグクラッチで構成した場合、ドグクラッチの上流側の出力軸が無段変速機構に接続されて自由な回転を拘束され、ドグクラッチの下流側の出力軸が駆動輪に接続されて自由な回転を拘束されるため、ドライブレンジおよびリバースレンジを切り換えるためにドグクラッチを操作したときに、ドグクラッチのドグ歯に先端どうしが引っかかってスムーズな係合が阻害される懸念がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ドグクラッチよりなる前後進切換機構を備えるクランク式の無段変速機において、ドグクラッチのドグ歯のスムーズな係合を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸と、駆動輪に接続された出力軸と、前記入力軸からの偏心量が可変であって該入力軸と一体に回転する偏心部材と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、一端部が前記偏心部材に接続されて他端部が前記ワンウェイクラッチに接続されたコネクティングロッドと、前記出力軸およびディファレンシャルギヤ間に配置された前後進切換機構とを備え、前記前後進切換機構は前記出力軸の回転方向を切り換えて前記ディファレンシャルギヤに伝達可能なドグクラッチよりなる車両用動力伝達装置であって、前記出力軸は、前記ワンウェイクラッチ側の出力軸上流部と、前記前後進切換機構側の出力軸下流部とからなり、前記出力軸上流部と前記出力軸下流部との間にクラッチ機構を配置し、前記クラッチ機構は、前記出力軸上流部および前記出力軸下流部の一方の軸端から径方向に延びるローラ支持軸と、前記ローラ支持軸に転動自在に支持されたローラと、前記出力軸上流部および前記出力軸下流部の他方の軸端に軸方向移動自在に支持されて前記ローラが係合可能なスリーブとを備えることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記クラッチ機構は、径方向外側に放射状に延びる複数の前記ローラ支持軸と、各々の前記ローラ支持軸に転動自在に支持された複数の前記ローラとを備えることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記前後進切換機構を前進状態および後進状態間で切り換える場合には、前記クラッチ機構を係合解除した状態で切り換えを行い、切り換え完了後に前記クラッチ機構を係合することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記前後進切換機構を前進状態および後進状態間で切り換える際に、切り換えが不能な場合あるいは切り換え荷重が所定値以上の場合には、前記クラッチ機構を係合解除した状態で切り換えを行い、切り換え完了後に前記クラッチ機構を係合することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の第1出力軸12は本発明の出力軸に対応し、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の偏心部材に対応し、実施の形態の第1ローラ支持軸71は本発明のローラ支持軸に対応し、実施の形態の第1ローラ72は本発明のローラに対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、入力軸と一体に偏心部材が偏心回転すると、偏心部材に一端部を接続されたコネクティングロッドが往復運動し、コネクティングロッドの他端部にワンウェイクラッチを介して接続された出力軸が間欠回転する。偏心部材の偏心量を変化させると、コネクティングロッドの往復運動のストロークが変化して出力軸の間欠回転角が変化することで、入力軸および出力軸間のレシオが変更される。
出力軸およびディファレンシャルギヤ間に配置された前後進切換機構を備え、前後進切換機構は出力軸の回転方向を切り換えてディファレンシャルギヤに伝達可能なので、ワンウェイクラッチにより出力軸が一方向にしか回転しなくても、出力軸からディファレンシャルギヤに伝達される回転を正回転および逆回転に切り換えて車両を前後進させることができる。
出力軸は、ワンウェイクラッチ側の出力軸上流部と、前後進切換機構側の出力軸下流部とからなり、出力軸上流部と出力軸下流部との間にクラッチ機構を配置したので、ドグクラッチよりなる前後進切換機構がドグ歯の歯先の干渉によりスムーズに係合しない場合でも、クラッチ機構を係合解除して前後進切換機構の上流側に接続された出力軸上流部を自由に回転可能にすることで、前後進切換機構のスムーズな係合を可能にすることができる。またクラッチ機構は、出力軸上流部および出力軸下流部の一方の軸端から径方向に延びるローラ支持軸と、ローラ支持軸に転動自在に支持されたローラと、出力軸上流部および出力軸下流部の他方の軸端に軸方向摺動自在に支持されてローラが係合可能なスリーブとを備えるので、前後進切換機構の係合後にクラッチ機構を係合する際に、ローラの位相とスリーブの位相とが一致していなくても、ローラの回転でクラッチ機構のスムーズな係合を可能にすることができ、しかも軸方向に移動するスリーブはローラに転がり接触するため、小さい荷重でスリーブを駆動することができる。
また請求項2の構成によれば、クラッチ機構は、径方向外側に放射状に延びる複数のローラ支持軸と、各々のローラ支持軸に転動自在に支持された複数のローラとを備えるので、出力軸上流部あるいは出力軸下流部とスリーブとの間にこじれが発生するのを防止してクラッチ機構の一層スムーズな係合を可能にすることができる。
また請求項3の構成によれば、前後進切換機構を前進状態および後進状態間で切り換える場合には、クラッチ機構を係合解除した状態で切り換えを行い、切り換え完了後にクラッチ機構を係合するので、クラッチ機構の係合を確実なものにすることができる。
また請求項4の構成によれば、前後進切換機構を前進状態および後進状態間で切り換える際に、切り換えが不能な場合あるいは切り換え荷重が所定値以上の場合には、クラッチ機構を係合解除した状態で切り換えを行い、切り換え完了後にクラッチ機構を係合するので、クラッチ機構の無駄な作動を防止して前後進切換機構の係合応答性を高めることができる。
車両用の動力伝達装置のスケルトン図。 図1の2部詳細図。 図2の3−3線断面図(OD状態)。 図2の3−3線断面図(GN状態)。 OD状態での作用説明図。 GN状態での作用説明図。 前後進切換機構、クラッチ機構およびディファレンシャルギヤのスケルトン図。 クラッチ機構の分解斜視図。 図8の9−9線断面図。 ドライブレンジにおけるトルクフロー図。 ニュートラルレンジにおけるトルクフロー図。 リバースレンジにおけるトルクフロー図。
以下、図1〜図12に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、無段変速機Tと、前後進切換機構Sと、クラッチ機構Cと、ディファレンシャルギヤDとを備える。前後進切換機構Sは、ドライブレンジ、ニュートラルレンジおよびリバースレンジを切り換え可能である。
次に、図2〜図6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の変速ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の第1出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて第1出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの変速ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
第1出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて第1出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の変速ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、図7〜図9に基づいて、クラッチ機構Cの構造を説明する。
第1出力軸12は、上流側(変速ユニットU…側)に位置する出力軸上流部12Aと、下流側(ディファレンシャルギヤD側)に位置する出力軸下流部12Bとに2分割されており、出力軸上流部12Aおよび出力軸下流部12Bの対向端部間にクラッチ機構Cが設けられる。クラッチ機構Cは、出力軸上流部12Aの軸端から径方向外側に向かって120°間隔で放射状に延びる3本の第1ローラ支持軸71…と、第1ローラ支持軸71…の先端に回転自在に支持された3個の第1ローラ72…と、出力軸下流部12Bの軸端から径方向外側に向かって120°間隔で放射状に延びる3本の第2ローラ支持軸73…と、第2ローラ支持軸73…の先端に回転自在に支持された3個の第2ローラ74…と、出力軸上流部12Aおよび出力軸下流部12Bの対向端部の外周に軸方向移動自在に配置された六角筒状のスリーブ75と、図示せぬアクチュエータに接続されてスリーブ75を軸方向に駆動するフォーク76とを備える。スリーブ75はフォーク76に対して相対回転自在である。
3個の第1ローラ72…は六角筒状のスリーブ75の6個の内面のうち、120°ずつ離間した何れか3個の内面に沿うように係合可能であり、3個の第2ローラ74…は六角筒状のスリーブ75の6個の内面のうち、120°ずつ離間した何れか3個の内面に沿うように係合可能である。本実施の形態では、第2ローラ74…はスリーブ75に常時嵌合するが、第1ローラ72…はスリーブ75がフォーク76で左動したときに係合し、右動したときに係合解除する。
次に、図7に基づいて、前後進切換機構SおよびディファレンシャルギヤDの構造を説明する。
ドグクラッチよりなる前後進切換機構Sは、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の出力軸下流部12Bと、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第2出力軸31と、この第2出力軸31に外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第3出力軸32との間に配置される。出力軸下流部12Bの右端に第1外周スプライン12aが形成される。第2出力軸31の左端に第1接続部材34が接続されており、第1接続部材34が軸方向左側かつ径方向外側に延びた先端に第2外周スプライン34aが形成される。また第3出力軸32の軸方向左端から径方向外側に延びた先端に第3外周スプライン32aが形成される。
第1外周スプライン12a、第2外周スプライン34aおよび第3外周スプライン32aは軸方向に整列しており、第2外周スプライン34aおよび第3外周スプライン32aの外径は相互に等しく、かつ第1外周スプライン12aの外径よりも小さくなっている。また前後進切換機構Sのスリーブ36は大径の第1内周スプライン36aおよび小径の第2内周スプライン36bを備えており、第1内周スプライン36aは出力軸下流部12Bの第1外周スプライン12aに常時係合し、第2内周スプライン36bは第1接続部材34の第2外周スプライン34aまたは第3出力軸32の第3外周スプライン32aに選択的に係合可能である。
遊星歯車機構42は、サンギヤ43と、キャリヤ44と、リングギヤ45と、キャリヤ44に相対回転自在に支持された複数のピニオン47…とを備えており、ピニオン47…はサンギヤ43およびリングギヤ45に噛合する。サンギヤ43の左端は第3出力軸32の右端に接続され、リングギヤ45は第2出力軸31の右端から径方向外側に延びる第2接続部材49の外周部に接続され、キャリヤ44はケーシング50に固定される。
ディファレンシャルギヤDの外郭を構成するディファレンシャルケース54はケーシング50に回転自在に支持され、ディファレンシャルケース54の左端は第2出力軸31の右端に接続される。ディファレンシャルギヤDは、ディファレンシャルケース54に固定したピニオンシャフト59に回転自在に支持した一対のピニオン60,60と、車軸10,10の端部に固設されてピニオン60,60に噛合するサイドギヤ61,61とを備える。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの変速ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機Tのレシオは最小のOD(オーバードライブ)状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機Tのレシオは無限大のGN(ギヤドニュートラル)状態になる。
図5に示すOD状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して第1出力軸12に伝達されるため、第1出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして第1出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ第1出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、第1出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、GN状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、第1出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のOD状態と図4のGN状態との間に設定すれば、無限大レシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、第1出力軸12を連続回転させることができる。
次に、ドライブレンジ、ニュートラルレンジおよびリバースレンジを切り換える前後進切換機構Sの作用を説明する。
図10に示すように、クラッチ機構Cを係合して第1出力軸12の出力軸上流部12Aおよび出力軸下流部12Bを接続した状態で、前後進切換機構Sのスリーブ36を左動することで、第1出力軸12の出力軸下流部12Bを第2出力軸31に接続するとともに第3出力軸32から切り離すと、ドライブレンジが確立する。
ドライブレンジでは、無段変速機Tから出力軸上流部12Aおよびクラッチ機構Cを介して出力軸下流部12Bに伝達された駆動力が前後進切換機構S→第1接続部材34→第2出力軸31の経路でディファレンシャルケース54に伝達され、車両を前進走行させることができる。
図11に示すように、クラッチ機構Cを係合解除して第1出力軸12の出力軸上流部12Aおよび出力軸下流部12Bを切り離すと、無段変速機TがディファレンシャルギヤDから切り離され、ニュートラルレンジが確立する。このとき、前後進切換機構Sのスリーブ36は左動位置および右動位置の何れにあっても良い。
図12に示すように、クラッチ機構Cを係合して第1出力軸12の出力軸上流部12Aおよび出力軸下流部12Bを接続した状態で、前後進切換機構Sのスリーブ36を右動することで、第1出力軸12の出力軸下流部12Bを第3出力軸32に接続するとともに第2出力軸31から切り離すと、リバースレンジが確立する。
リバースレンジでは、無段変速機Tから出力軸上流部12Aおよびクラッチ機構Cを介して出力軸下流部12Bに伝達された駆動力が前後進切換機構S→第3出力軸32→サンギヤ43→キャリヤ44→リングギヤ45→第2接続部材49の経路でディファレンシャルケース54に伝達され、同時に遊星歯車機構42において減速されて逆回転となることで、車両を後進走行させることができる。
以上のように、本実施の形態の無段変速機Tの第1出力軸12は、ワンウェイクラッチ21…を介して駆動力が伝達されるために前進走行方向にしか回転することができないが、前後進切換機構Sを第1出力軸12の下流側に配置したことで、後進走行用の電動モータを設けてハイブリッド化することなく、車両を後進走行させることができる。
ところで、ドグクラッチよりなる前後進切換機構Sのスリーブ36が右動位置および左動位置の間を移動するとき、スリーブ36の第2内周スプライン36bは第1接続部材34の第2外周スプライン34aまたは第3出力軸32の第3外周スプライン32aに選択的に係合する。このとき、第2外周スプライン34aおよび第3外周スプライン32aのドグ歯のピッチが周方向に整列せずに約半ピッチずれているような場合に、スリーブ36の第2内周スプライン36bが第1接続部材34の第2外周スプライン34aまたは第3出力軸32の第3外周スプライン32aに引っかかってスムーズに係合できない可能性がある。
その理由は、前後進切換機構Sの上流側の出力軸下流部12Bは無段変速機構Tに接続されて自由な回転を拘束されており、かつ前後進切換機構Sの下流側の第2出力軸31および第3出力軸32は駆動輪W,Wに接続されて自由な回転を拘束されているため、軸方向に駆動されるスリーブ36の第2内周スプライン36bの荷重で第2外周スプライン34aおよび第3外周スプライン32aのドグ歯のピッチを周方向に整列させることが難しいからである。
そこで、本実施の形態では、前後進切換機構Sのスリーブ36を左動位置(ドライブレンジ)から右動位置(リバースレンジ)に切り換えるとき、あるいは前後進切換機構Sのスリーブ36を右動位置(リバースレンジ)から左動位置(ドライブレンジ)に切り換えるとき、予めクラッチ機構Cを係合解除して第1出力軸12の出力軸上流部12Aおよび出力軸下流部12Bを切り離しておき、この状態で前後進切換機構Sを作動させる。
即ち、クラッチ機構Cの係合解除により出力軸下流部12Bが無段変速機構Tから切り離されて自由に回転可能になるため、軸方向に駆動されるスリーブ36の第2内周スプライン36bの荷重で第2外周スプライン34aおよび第3外周スプライン32aのドグ歯のピッチを周方向に整列させ、前後進切換機構Sをスムーズに切り換えることができる。そして前後進切換機構Sの切り換えが完了した後に、クラッチ機構Cを係合解除状態から係合状態に切り換えれば良い。
クラッチ機構Cを係合解除状態から係合状態に切り換えるとき、それが設けられた出力軸上流部12Aおよび出力軸下流部12Bの位相が必ずしも一致しているとは限らず、位相が不一致の場合にはスリーブ75が第1ローラ72…にスムーズに係合しない可能性がある。しかしながら、本実施の形態によれば、出力軸上流部12Aの軸端に第1ローラ支持軸71…を介して第1ローラ72…が支持されており、これらの第1ローラ72…がスリーブ75の内面に嵌合してクラッチ機構Cが係合するため、出力軸上流部12Aおよび出力軸下流部12Bの位相が不一致であっても、第1ローラ72…が回転してスリーブ75の内面にスムーズに嵌合することで、出力軸上流部12Aおよび出力軸下流部12Bの位相が強制的に一致させられてクラッチ機構Cのスムーズな係合が可能になる。
また軸方向に移動するスリーブ75の内面に対して第1ローラ72…および第2ローラ74…が転動するため、スリーブ75を移動させる荷重を低減してクラッチ機構Cの一層スムーズな係合を可能にすることができ、しかも複数の第1ローラ72…および複数の第2ローラ74…を備えるために、出力軸上流部12Aあるいは出力軸下流部12Bとスリーブ75との間にこじれが発生するのを防止することができる。
ニュートラルレンジからドライブレンジに切り換えるときには、前後進切換機構Sのスリーブ36が既に左動位置にあれば、クラッチ機構Cを係合するだけで良く、前後進切換機構Sのスリーブ36が未だ右動位置にあれば、スリーブ36を左動した後にクラッチ機構Cを係合すれば良い。またニュートラルレンジからリバースレンジに切り換えるときには、前後進切換機構Sのスリーブ36が既に右動位置にあれば、クラッチ機構Cを係合するだけで良く、前後進切換機構Sのスリーブ36が未だ左動位置にあれば、スリーブ36を右動した後にクラッチ機構Cを係合すれば良い。上記何れの場合にも、前後進切換機構Sの作動はクラッチ機構Cが係合解除した状態で行われるため、後進切換機構Sのスムーズな作動が保証される。
ドライブレンジあるいはリバースレンジからニュートラルレンジに切り換えるときには、クラッチ機構Cを係合解除するだけで良い。
尚、上述した実施の形態では、ドライブレンジおよびリバースレンジ間の切り換え時に必ずクラッチ機構Cを係合解除しているが、クラッチ機構Cの無駄な作動を最小限に抑えるために、他の実施の形態として、以下のようにクラッチ機構Cを制御しても良い。
即ち、クラッチ機構Cを係合解除せずに前後進切換機構Sによりドライブレンジおよびリバースレンジ間の切り換えを実行し、所定時間の経過後に切り換えが完了しない場合、あるいは前後進切換機構Sのスリーブ36を駆動するアクチュエータの負荷が所定値以上になった場合に、前後進切換機構Sの駆動を一旦中断してクラッチ機構Cを係合解除し、この状態で前後進切換機構Sの駆動を再度実行する。これにより、クラッチ機構Cの無駄な作動を最小限に抑え、ドライブレンジおよびリバースレンジ間の切り換えに要する時間を短縮することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではクラッチ機構Cのスリーブ75が第2ローラ74…に常時係合して第1ローラ72…に選択的に係合するが、第1ローラ72…に常時係合して第2ローラ74…に選択的に係合するようにしても良い。
また実施の形態では出力軸下流部12Bとスリーブ75とが第2ローラ74…を介して常時係合しているが、常時係合していれば必ずしも第2ローラ74…を介して係合する必要はない。同様に、出力軸上流部12Aとスリーブ75とを第1ローラ72…を介して常時係合させる代わりに、第1ローラ72…を介さずに常時係合させても良い。
また実施の形態ではクラッチ機構Cが各3個の第1ローラ72…および第2ローラ74…を備えているが、その個数は任意である。
11 入力軸
12 第1出力軸(出力軸)
12A 出力軸上流部
12B 出力軸下流部
18 偏心ディスク(偏心部材)
19 コネクティングロッド
21 ワンウェイクラッチ
71 第1ローラ支持軸(ローラ支持軸)
72 第1ローラ(ローラ)
75 スリーブ
C クラッチ機構
D ディファレンシャルギヤ
E エンジン(駆動源)
S 前後進切換機構
W 駆動輪

Claims (4)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(11)と、駆動輪(W)に接続された出力軸(12)と、前記入力軸(11)からの偏心量が可変であって該入力軸(11)と一体に回転する偏心部材(18)と、前記出力軸(12)に接続されたワンウェイクラッチ(21)と、一端部が前記偏心部材(18)に接続されて他端部が前記ワンウェイクラッチ(21)に接続されたコネクティングロッド(19)と、前記出力軸(12)およびディファレンシャルギヤ(D)間に配置された前後進切換機構(S)とを備え、前記前後進切換機構(S)は前記出力軸(12)の回転方向を切り換えて前記ディファレンシャルギヤ(D)に伝達可能なドグクラッチよりなる車両用動力伝達装置であって、
    前記出力軸(12)は、前記ワンウェイクラッチ(21)側の出力軸上流部(12A)と、前記前後進切換機構(S)側の出力軸下流部(12B)とからなり、前記出力軸上流部(12A)と前記出力軸下流部(12B)との間にクラッチ機構(C)を配置し、前記クラッチ機構(C)は、前記出力軸上流部(12A)および前記出力軸下流部(12B)の一方の軸端から径方向に延びるローラ支持軸(71)と、前記ローラ支持軸(71)に転動自在に支持されたローラ(72)と、前記出力軸上流部(12A)および前記出力軸下流部(12B)の他方の軸端に軸方向移動自在に支持されて前記ローラ(72)が係合可能なスリーブ(75)とを備えることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記クラッチ機構(C)は、径方向外側に放射状に延びる複数の前記ローラ支持軸(71)と、各々の前記ローラ支持軸(71)に転動自在に支持された複数の前記ローラ(72)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記前後進切換機構(S)を前進状態および後進状態間で切り換える場合には、前記クラッチ機構(C)を係合解除した状態で切り換えを行い、切り換え完了後に前記クラッチ機構(C)を係合することを特徴とする、請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記前後進切換機構(S)を前進状態および後進状態間で切り換える際に、切り換えが不能な場合あるいは切り換え荷重が所定値以上の場合には、前記クラッチ機構(C)を係合解除した状態で切り換えを行い、切り換え完了後に前記クラッチ機構(C)を係合することを特徴とする、請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
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