JP6103760B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンに接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機が、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチの入力部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備える車両用動力伝達装置に関する。
エンジンに接続された入力軸の回転を複数のコネクティングロッドの相互に位相が異なる往復運動に変換し、前記複数のコネクティングロッドの往復運動を複数のワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する無段変速機が、下記特許文献1により公知である。
特表2005−502543号公報
ところで、上記特許文献1に記載された無段変速機は、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチを介して出力軸に伝達する構造であるため、出力軸は一方向(前進走行方向)にしか回転できず、車両を後進走行させるには足軸に電動モータを接続してハイブリッド化する必要があった。
そこで、入力軸および出力軸間に無段変速機と並列に補助駆動力伝達手段を配置し、補助駆動力伝達手段を介して伝達される駆動力で車両を後進走行させることが考えられる。このような補助駆動力伝達手段を設ければ、車両の減速走行時に駆動輪から補助駆動力伝達手段および入力軸を介してエンジンに駆動力を逆伝達することで、エンジンブレーキを作動させることも可能になる。
しかしながら、補助駆動力伝達手段のレシオが固定されている場合には、エンジンブレーキの制動力の大きさを自由に制御することができず、車速に応じた適切な制動力を得ることができないという問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の無段変速機を備える車両用動力伝達装置において、エンジンブレーキの制動力の大きさを任意に調整できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、エンジンに接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機と、前記出力軸およびディファレンシャルギヤ間に配置されてパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能なセレクタ装置とを備え、前記無段変速機が、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチの入力部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備える車両用動力伝達装置であって、前記無段変速機に対して並列に配置されて前記入力軸および前記出力軸を接続する補助駆動力伝達手段は、前記入力軸に接続された第1要素と、前記出力軸に接続された第2要素と、大きさが可変な負荷を発生可能な負荷発生手段に接続された第3要素とを含むシングルピニオン型の遊星歯車機構を備え、前記第1要素はサンギヤおよびリングギヤの一方であり、前記第2要素はキャリヤであり、前記第3要素はサンギヤおよびリングギヤの他方であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、エンジンに接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機と、前記出力軸およびディファレンシャルギヤ間に配置されてパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能なセレクタ装置とを備え、前記無段変速機が、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチの入力部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備える車両用動力伝達装置であって、前記無段変速機に対して並列に配置されて前記入力軸および前記出力軸を接続する補助駆動力伝達手段は、前記入力軸に接続された第1要素と、前記出力軸に接続された第2要素と、大きさが可変な負荷を発生可能な負荷発生手段に接続された第3要素とを含むダブルピニオン型の遊星歯車機構を備え、前記第1要素はサンギヤおよびキャリヤの一方であり、前記第2要素はリングギヤであり、前記第3要素はサンギヤおよびキャリヤの他方であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記第1要素がサンギヤであることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記第3要素がサンギヤであることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記負荷発生手段は、バッテリに接続された電動モータ、あるいはアキュムレータに接続された油圧ポンプであることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記負荷発生手段は車速が所定値未満に低下したときに負荷を低減することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記負荷発生手段は電動モータであり、前記負荷発生手段を正転することで前記第2要素を介して前記出力軸を駆動可能であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記負荷発生手段は電動モータであり、前記負荷発生手段を逆転することで前記第1要素を介して前記入力軸を駆動可能であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項9に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記負荷発生手段は電動モータであり、前記エンジンの駆動力で前記負荷発生手段をジェネレータとして駆動することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の第1出力軸12は本発明の出力軸に対応し、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の入力側支点に対応し、実施の形態のピン19cは本発明の出力側支点に対応し、実施の形態のアウター部材22は本発明のワンウェイクラッチの入力部材に対応する。
請求項1の構成によれば、エンジンに接続された入力軸が回転すると変速ユニットの偏心部材が偏心回転し、偏心部材に一端を接続されたコネクティングロッドが往復運動すると、コネクティングロッドの他端が接続されたワンウェイクラッチを介して出力軸が回転する。変速アクチュエータで入力軸に対する偏心部材の偏心量を変化させると、コネクティングロッドの往復ストロークが変化することで、出力軸の回転角が変化して変速比が変更される。
無段変速機はワンウェイクラッチを介して駆動力を伝達するために出力軸は前進走行方向にしか回転することができないが、出力軸およびディファレンシャルギヤ間にパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能なセレクタ装置を配置したことで、後進走行用の電動モータを設けてハイブリッド化することなく、車両を後進走行させることができる。
無段変速機に対して並列に配置されて入力軸および出力軸を接続する補助駆動力伝達手段は、入力軸に接続された第1要素と、出力軸に接続された第2要素と、大きさが可変な負荷を発生可能な負荷発生手段に接続された第3要素とを含むシングルピニオン型の遊星歯車機構を備え、第1要素はサンギヤおよびリングギヤの一方であり、第2要素はキャリヤであり、第3要素はサンギヤおよびリングギヤの他方であるので、車両の減速フュエルカット時に負荷発生手段が発生する負荷を変化させてエンジン回転数を変化させることで、エンジンブレーキの制動力の大きさを任意に調整したり、エンジン回転数を再着火可能な回転数に維持したりすることができる。
また請求項2の構成によれば、エンジンに接続された入力軸が回転すると変速ユニットの偏心部材が偏心回転し、偏心部材に一端を接続されたコネクティングロッドが往復運動すると、コネクティングロッドの他端が接続されたワンウェイクラッチを介して出力軸が回転する。変速アクチュエータで入力軸に対する偏心部材の偏心量を変化させると、コネクティングロッドの往復ストロークが変化することで、出力軸の回転角が変化して変速比が変更される。
無段変速機はワンウェイクラッチを介して駆動力を伝達するために出力軸は前進走行方向にしか回転することができないが、出力軸およびディファレンシャルギヤ間にパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能なセレクタ装置を配置したことで、後進走行用の電動モータを設けてハイブリッド化することなく、車両を後進走行させることができる。
無段変速機に対して並列に配置されて入力軸および出力軸を接続する補助駆動力伝達手段は、入力軸に接続された第1要素と、出力軸に接続された第2要素と、大きさが可変な負荷を発生可能な負荷発生手段に接続された第3要素とを含むダブルピニオン型の遊星歯車機構を備え、第1要素はサンギヤおよびキャリヤの一方であり、第2要素はリングギヤであり、第3要素はサンギヤおよびキャリヤの他方であるので、車両の減速フュエルカット時に負荷発生手段が発生する負荷を変化させてエンジン回転数を変化させることで、エンジンブレーキの制動力の大きさを任意に調整したり、エンジン回転数を再着火可能な回転数に維持したりすることができる。
また請求項3の構成によれば、第1要素がサンギヤであるので、減速フュエルカット中に出力軸から入力軸に駆動力を逆伝達してエンジンブレーキを作動させるときに、出力軸回転数の変化幅に対する入力軸回転数の変化幅(エンジン回転数の変化幅)を大きくすることが可能となる。その結果、減速フュエルカット中に負荷発生手段の負荷を調整してエンジン回転数を一定に保持しながらエンジンブレーキを作動させるとき、より低車速までエンジン回転数を一定に保持することが可能となり、減速フュエルカットの車速領域を拡大することができる。
また請求項4の構成によれば、第2要素がサンギヤであるので、減速フュエルカット中に負荷発生手段は小さい負荷を発生するだけでエンジン回転数を調整することが可能となり、負荷発生手段を小型化することができる。
また請求項5の構成によれば、負荷発生手段は、バッテリに接続された電動モータあるいはアキュムレータに接続された油圧ポンプであるので、電動モータに発電させた電力でバッテリを充電したり、油圧ポンプに発生させた油圧でアキュムレータを蓄圧したりすることで、エネルギーの回収を行うことができる。
また請求項6の構成によれば、負荷発生手段は車速が所定値未満に低下したときに負荷を低減するので、遊星歯車機構の第3要素が自由に回転できるようにして入力軸および出力軸間の動力伝達が遮断することができる。これにより、車速の低下時に過剰なエンジンブレーキが作動したり、不快なエンジン振動が発生したりするのを防止することができるだけでなく、出力軸にトルクを伝達することなくエンジンを停止することができる。
また請求項7の構成によれば、負荷発生手段は電動モータであり、負荷発生手段を正転することで第2要素を介して出力軸を駆動可能であるので、負荷発生手段を利用して車両を走行させることができる。
また請求項8の構成によれば、負荷発生手段は電動モータであり、負荷発生手段を逆転することで第1要素を介して入力軸を駆動可能であるので、負荷発生手段を利用してエンジンを始動することができる。
また請求項9の構成によれば、負荷発生手段は電動モータであり、エンジンの駆動力で負荷発生手段をジェネレータとして駆動するので、負荷発生手段を利用して発電を行うことができる。
車両用動力伝達装置のスケルトン図。(第1の実施の形態) 図1の2部詳細図。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図(TOP状態)。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図(LOW状態)。(第1の実施の形態) TOP状態での作用説明図。(第1の実施の形態) LOW状態での作用説明図。(第1の実施の形態) 補助動力伝達手段、セレクタ装置およびディファレンシャルギヤのスケルトン図。(第1の実施の形態) 第1、第2噛合切換機構の係合表。(第1の実施の形態) パーキングレンジにおけるトルクフロー図。(第1の実施の形態) リバースレンジにおけるトルクフロー図。(第1の実施の形態) ニュートラルレンジにおけるトルクフロー図。(第1の実施の形態) ドライブレンジにおけるトルクフロー図(加速走行時)。(第1の実施の形態) ドライブレンジにおけるトルクフロー図(減速走行時)。(第1の実施の形態) 図7に対応する図。(第2の実施の形態) 図7に対応する図。(第3の実施の形態) 各要素の接続関係が異なる遊星歯車機構と、その速度線図とを示す図。(第4の実施の形態) 図16に対応する図。(第5の実施の形態) 図16に対応する図。(第6の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図13に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、入力軸11および第1出力軸12間に配置された無段変速機Tと、第1出力軸12上に配置されたセレクタ装置Sと、第1出力軸12および車軸10,10間に配置されたディファレンシャルギヤDとを備える。セレクタ装置Sは、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能である。また車両用動力伝達装置は、無段変速機Tとは別経路で駆動力を伝達可能な補助的な動力伝達経路を備える。即ち、入力軸11に設けた第1スプロケット26と、第1出力軸12の外周に相対回転自在に嵌合する伝達軸27に設けた第2スプロケット28とが無端チェーン29により接続されており、これらの第1スプロケット26、第2スプロケット28および無端チェーン29は補助駆動力伝達手段30の一部を構成する。
次に、図2〜6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の変速ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニットU…は入力軸11の回転を減速または増速して第1出力軸12に伝達する。
以下、代表として一つの変速ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
第1出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて第1出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の変速ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、図7に基づいて、補助駆動力伝達手段30、セレクタ装置SおよびディファレンシャルギヤDの構造を説明する。
補助駆動力伝達手段30は、図1に記載された駆動スプロケット26、伝達軸27、従動スプロケット28および無端チェーン29に加えて、シングルピニオン型の遊星歯車機構71を備える。遊星歯車機構71は、伝達軸27に固定された第1要素としてのサンギヤ72と、第1出力軸12に固定された第2要素としてのキャリヤ73と、第3要素としてのリングギヤ74と、キャリヤ73に回転自在に支持されてサンギヤ72およびリングギヤ74に噛合する複数のピニオン75…とを備える。リングギヤ74の径方向外側に一体に形成された外周リングギヤ76は、ピニオン77を介して電動モータよりなる負荷発生手段78に接続され、負荷発生手段78はバッテリ79に接続される。
セレクタ装置Sは、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第1出力軸12に加えて、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第2出力軸31と、この第2出力軸31に外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第3出力軸32とを備える。第1出力軸12の右端から径方向外側に延びた先端に第1外周スプライン12aが形成され、第2出力軸31の左端から径方向外側に延びた先端に第2外周スプライン31aが形成され、第3出力軸32の左端から径方向外側に延びた先端に第3外周スプライン32aが形成される。
ドグクラッチよりなる第1噛合切換機構35を構成する第1外周スプライン12a、第2外周スプライン31aおよび第3外周スプライン32aは軸方向に整列しており、第2外周スプライン31aおよび第3外周スプライン32aの外径は相互に等しく、かつ第1外周スプライン12aの外径よりも小さくなっている。また第1噛合切換機構35のスリーブ36は、外径が大きい第1内周スプライン36aと、外径が小さい第2内周スプライン36bとを備えており、第1内周スプライン36aは第1外周スプライン12aに常時噛合し、第2内周スプライン36bは第3外周スプライン32aに常時噛合し、第2内周スプライン36bは図7に示す左動時にのみ第2外周スプライン31aに噛合する。つまり、スリーブ36がフォーク37で図7に示す左動状態から右動すると第2内周スプライン36bと第2外周スプライン31aとの噛合が解除される。
遊星歯車機構42は、サンギヤ43と、キャリヤ44と、リングギヤ45と、キャリヤ44に相対回転自在に支持された複数のピニオン47…とを備えており、ピニオン47…はサンギヤ43およびリングギヤ45に噛合する。サンギヤ43の左端は第3出力軸32の右端に結合され、リングギヤ45は第2出力軸31の右端から径方向外側に延びる接続部材49の外周部に接続される。
キャリヤ44の外周部に形成した外周スプライン44aとケーシング50に形成した外周スプライン50aとに、ドグクラッチよりなる第2噛合切換機構51のスリーブ52に形成した内周スプライン52aが噛合する。従って、スリーブ52がフォーク53で図7に示す位置に左動すると、キャリヤ44がケーシング50から切り離され、スリーブ52がフォーク53で図7に示す左動状態から右動すると、キャリヤ44がケーシング50に結合される。
ディファレンシャルギヤDの外郭を構成するディファレンシャルケース54の左端は第2出力軸31の右端に結合される。ディファレンシャルギヤDは、ディファレンシャルケース54に固定したピニオンシャフト59に回転自在に支持した一対のピニオン60,60と、車軸10,10の端部に固設されてピニオン60,60に噛合するサイドギヤ61,61とを備える。
次に、上記構成を備えた本発明の第1の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの変速ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機TのレシオはTOP状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機TのレシオはLOW状態になる。
図5に示すTOP状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して第1出力軸12に伝達されるため、第1出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして第1出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ第1出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、第1出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、LOW状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、第1出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のTOP状態と図4のLOW状態との間に設定すれば、ゼロレシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、第1出力軸12を連続回転させることができる。
次に、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換えるセレクタ装置Sの作用を説明する。
図8および図9に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を左動し、第1出力軸12、第2出力軸31および第3出力軸32を一体に結合するとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を右動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50に結合すると、パーキングレンジが確立する。
パーキングレンジでは、ディファレンシャルケース54と一体の第2出力軸31が接続部材49を介して遊星歯車機構42のリングギヤ45に結合されるとともに、前記第2出力軸31が第1噛合切換機構35および第3出力軸32を介して遊星歯車機構42のサンギヤ43に接続され、更に遊星歯車機構42のキャリヤ44が第2噛合切換機構51を介してケーシング50に結合される。その結果、遊星歯車機構42はロック状態になり、それにディファレンシャルギヤDを介して接続された駆動輪W,Wが回転不能に拘束される。
図8および図10に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を右動し、第1出力軸12および第3出力軸32を結合して第2出力軸31を切り離すとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を右動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50に結合すると、リバースレンジが確立する。
リバースレンジでは、無段変速機Tから第1出力軸12に出力された駆動力が第1噛合切換機構35→第3出力軸32→サンギヤ43→キャリヤ44→リングギヤ45→接続部材49の経路でディファレンシャルケース54に伝達され、同時に遊星歯車機構42において減速されて逆回転となることで、車両を後進走行させることができる。
図8および図11に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を右動し、第1出力軸12および第3出力軸32を結合して第2出力軸31を切り離すとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を左動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50から切り離すと、ニュートラルレンジが確立する。
ニュートラルレンジでは、遊星歯車機構42のキャリヤ44がケーシング50から切り離されるため、リングギヤ45および接続部材49が自由に回転可能になり、かつ第2出力軸31が第1噛合切換機構35から切り離されるため、第2出力軸31が自由に回転可能になり、接続部材49および第2出力軸31に接続されたディファレンシャルケース54が自由に回転可能になって駆動輪W,Wが拘束されない状態となる。この状態でエンジンEの駆動力は、無段変速機Tから第1出力軸12→第1噛合切換機構35→第3出力軸32の経路でサンギヤ43に伝達されるが,キャリヤ44が拘束されていないために遊星歯車機構42が空転し、駆動力がディファレンシャルギヤDに伝達されることはない。
図8および図12に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を左動し、第1出力軸12、第2出力軸31および第3出力軸32を一体に結合するとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を左動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50から切り離すと、ドライブレンジが確立する。
ドライブレンジでは、遊星歯車機構42のリングギヤ45に接続部材49を介して接続された第2出力軸31と、遊星歯車機構42のサンギヤ43に接続された第3出力軸32とが第1噛合切換機構35で結合されるため、遊星歯車機構42は一体に回転可能な状態になる。その結果、加速走行時には、無段変速機Tから第1出力軸12に出力された駆動力が第1噛合切換機構35→第2出力軸31の経路で、あるいは第1噛合切換機構35→第3出力軸32→サンギヤ43→キャリヤ44→リングギヤ45→接続部材49の経路でディファレンシャルケース54に伝達され、車両を前進走行させることができる。
以上のように、本実施の形態の変速機Tの第1出力軸12は、ワンウェイクラッチ21…を介して駆動力が伝達されるために前進走行方向にしか回転することができないが、前後進切換機能を有するセレクタ装置Sを第1出力軸12の下流側に配置したことで、後進走行用の電動モータを設けてハイブリッド化することなく、車両を後進走行させることができる。しかもセレクタ装置Sはドライブレンジおよびリバースレンジ以外にパーキングレンジおよびニュートラルレンジを確立可能であるため、動力伝達装置自体を更に小型軽量化することができる。
次に、図13に基づいて、ドライブレンジにおける減速走行時のトルクフローについて説明する。
減速走行時には、駆動輪W,W側からエンジンE側に駆動力を逆伝達してエンジンブレーキを作動させる必要があるが、無段変速機Tは第1出力軸12とコネクティングロッド19…との間にワンウェイクラッチ21…が配置されているため、駆動力を逆伝達することが不可能である。そこで本実施の形態では、補助駆動力伝達手段54により第1出力軸12から入力軸11を介してエンジンEに駆動力を逆伝達し、無段変速機Tを介さずにエンジンブレーキを作動させることになる。
即ち、ドライブレンジにおいて車両が減速走行状態になると、駆動輪W,Wから第1出力軸12に逆伝達された駆動力は、遊星歯車機構71のキャリヤ73に入力される。このとき、図13の遊星歯車機構71の速度線図から明らかなように、第1要素であるサンギヤ72は伝達軸27(入力軸11)に接続され、第2要素であるキャリヤ73は第1出力軸12に接続され、第3要素であるリングギヤ74は負荷発生手段78に接続されているため、電動モータよりなる負荷発生手段78をジェネレータとして機能させてバッテリ79を充電することで、負荷発生手段78の負荷でリングギヤ74を制動して回転数を制御するとともに、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することができる。
例えば、負荷発生手段78の負荷を大きくしてリングギヤ74の回転数を低下させると、伝達軸27(入力軸11)の回転数が増加することになる。このとき、遊星歯車機構71の第1〜第3要素の結合関係から、速度線図におけるサンギヤ72およびキャリヤ73間の距離が、キャリヤ73およびリングギヤ74間の距離よりも大きくなるため、負荷発生手段78の負荷によりリングギヤ74の回転数が所定値に維持されているとき、第1出力軸12の回転数の変化幅に対して伝達軸27(入力軸11)の回転数の変化幅が大きくなる。
従って、車両の減速フュエルカット時に負荷発生手段78が発生する負荷を変化させて入力軸11の回転数(エンジン回転数)を変化させることで、エンジンブレーキの制動力の大きさを任意に調整したり、車両の再加速に備えてエンジン回転数をエンジンEが再着火可能な回転数に維持したりすることができる。しかも第1出力軸12の回転数の変化幅に対して入力軸11の回転数の変化幅が大きくなるため、減速フュエルカット中に負荷発生手段78の負荷を調整してエンジン回転数を一定に保持しながらエンジンブレーキを作動させるとき、より低車速までエンジン回転数を一定に保持することが可能となり、減速フュエルカットの車速領域を拡大することができる。
また負荷発生手段78を、車速が所定値未満に低下したときに負荷を低減するように制御すれば、遊星歯車機構71のリングギヤ74が自由に回転できるようになり、キャリヤ73およびサンギヤ72間の動力伝達、つまり第1出力軸12および入力軸11間の動力伝達が遮断することができる。これにより、車速の低下時に過剰なエンジンブレーキが作動したり、不快なエンジン振動が発生したりするのを防止することができるだけでなく、第1出力軸12にトルクを伝達することなくエンジンEを停止することができる。
またエンジンEが運転不能になったような場合に、電動モータである負荷発生手段78を駆動し、その駆動力をリングギヤ74からキャリヤ73を経て第1出力軸12に伝達することで、修理工場まで車両を退避走行させることができる。またエンジンEのスタータモータが故障したような場合には、電動モータである負荷発生手段78を前記退避走行時と逆方向に駆動し、その駆動力をリングギヤ74からピニオン75…およびサンギヤ72を経て入力軸11に伝達することで、エンジンEをクランキングして始動することができる。またエンジンEの運転中に電動モータである負荷発生手段78をジェネレータとして機能させれば、その発電電力でバッテリ79を充電することができる。
第2の実施の形態
次に、図14に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態では、負荷発生手段78が電動モータで構成されているが、第2の実施の形態では、負荷発生手段78がアキュムレータ80に接続された油圧ポンプで構成される。この油圧ポンプは吐出容量が可変な可変容量ポンプからなり、吐出容量の変化に応じて遊星歯車機構71のリングギヤ74に与える負荷の大きさを任意に制御することができるだけでなく、アキュムレータ80に蓄圧した油圧で油圧ポンプを油圧モータとして機能させることもできる。
よって、本実施の形態によっても、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
第3の実施の形態
次に、図15に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
第3の実施の形態は、負荷発生手段78を多板ブレーキで構成したものである。多板ブレーキは簡単な構造で制動力を調整することが可能であるため、遊星歯車機構71のリングギヤ74に与える負荷の大きさを任意に制御することができる。但し、その際に多板ブレーキが発生する熱は大気に放散されてしまうため、それをエネルギーとして回収することは不可能である。また多板ブレーキは駆動力を発生することができないため、負荷発生手段78の駆動力による車両の走行やエンジンEの始動は不可能である。
第4の実施の形態
次に、図16に基づいて本発明の第4の実施の形態を説明する。
上述した第1の実施の形態のシングルピニオン型の遊星歯車機構71は、第1要素であるサンギヤ72が伝達軸27(入力軸11)に接続され、第2要素であるキャリヤ73が第1出力軸12に接続され、第3要素であるリングギヤ74が負荷発生手段78に接続されているが、第4の実施の形態のシングルピニオン型の遊星歯車機構71は、第1要素であるリングギヤ74が伝達軸27(入力軸11)に接続され、第2要素であるキャリヤ73が第1出力軸12に接続され、第3要素であるサンギヤ72が負荷発生手段78に接続されている。つまり、第1の実施の形態とは、サンギヤ72およびリングギヤ74の関係が入れ代わっている。
その結果、速度線図におけるサンギヤ72およびキャリヤ73間の距離が、キャリヤ73およびリングギヤ74間の距離よりも大きくなるため、負荷発生手段78の負荷によりサンギヤ72の回転数を大きく変化させないと、リングギヤ74(入力軸11)の回転数の必要な変化量が得られないことになる。これを言い換えると、リングギヤ74(入力軸11)の回転数を変化させるために負荷発生手段78が発生する負荷の大きさは小さくて済むことになり、負荷発生手段78を小容量のもので構成して小型化を図ることができる。
第5の実施の形態
次に、図17に基づいて本発明の第5の実施の形態を説明する。第5の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例に対応する。
上述した第1の実施の形態の遊星歯車機構71はシングルピニオン型のものであるが、第6の実施の形態の遊星歯車機構71はダブルピニオン型のもので構成される。ダブルピニオン型の遊星歯車機構71は、シングルピニオン型の遊星歯車機構71に対して、キャリヤ73およびリングギヤ74の回転方向が逆になるため、第5の実施の形態は、第1の実施の形態のキャリヤ73およびリングギヤ74の位置関係を入れ換えたものに相当する。
即ち、本実施の形態の遊星歯車機構71は、第1要素としてのサンギヤ72が伝達軸27(入力軸11)に接続され、第2要素としてのリングギヤ74が第1出力軸12に接続され、第3要素としてのキャリヤ73が負荷発生手段78に接続される。よって、負荷発生手段78でキャリヤ73の回転数を制御することで、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
第6の実施の形態
次に、図18に基づいて本発明の第6の実施の形態を説明する。第6の実施の形態は、第4の実施の形態の変形例に対応する。
上述した第4の実施の形態の遊星歯車機構71はシングルピニオン型のものであるが、第6の実施の形態の遊星歯車機構71はダブルピニオン型のもので構成される。ダブルピニオン型の遊星歯車機構71は、シングルピニオン型の遊星歯車機構71に対して、キャリヤ73およびリングギヤ74の回転方向が逆になるため、第6の実施の形態は、第4の実施の形態のキャリヤ73およびリングギヤ74の位置関係を入れ換えたものに相当する。
即ち、本実施の形態の遊星歯車機構71は、第1要素としてのキャリヤ73が伝達軸27(入力軸11)に接続され、第2要素としてのリングギヤ74が第1出力軸12に接続され、第3要素としてのサンギヤ72が負荷発生手段78に接続される。よって、負荷発生手段78でサンギヤ72の回転数を制御することで、上述した第4の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では無段変速機Tが4個の変速ユニットUを備えているが、変速ユニットUの数は4個に限定されるものではない。
またセレクタ装置Sの構造は実施の形態に限定されるものではない。
11 入力軸
12 第1出力軸(出力軸)
14 変速アクチュエータ
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材(入力部材)
30 補助駆動力伝達手段
71 遊星歯車機構
72 サンギヤ
73 キャリヤ
74 リングギヤ
78 負荷発生手段
79 バッテリ
80 アキュムレータ
ディファレンシャルギヤ
E エンジン
T 無段変速機
セレクタ装置

Claims (9)

  1. エンジン(E)に接続された入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する無段変速機(T)と、前記出力軸(12)およびディファレンシャルギヤ(D)間に配置されてパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能なセレクタ装置(S)とを備え、前記無段変速機(T)が、前記入力軸(11)の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸(11)と共に回転する入力側支点(18)と、前記出力軸(12)に接続されたワンウェイクラッチ(21)と、前記ワンウェイクラッチ(21)の入力部材(22)に設けられた出力側支点(19c)と、前記入力側支点(18)および前記出力側支点(19c)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(19)と、前記入力側支点(18)の偏心量を変更する変速アクチュエータ(14)とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記無段変速機(T)に対して並列に配置されて前記入力軸(11)および前記出力軸(12)を接続する補助駆動力伝達手段(30)は、前記入力軸(11)に接続された第1要素と、前記出力軸(12)に接続された第2要素と、大きさが可変な負荷を発生可能な負荷発生手段(78)に接続された第3要素とを含むシングルピニオン型の遊星歯車機構(71)を備え、前記第1要素はサンギヤ(72)およびリングギヤ(74)の一方であり、前記第2要素はキャリヤ(73)であり、前記第3要素はサンギヤ(72)およびリングギヤ(74)の他方であることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. エンジン(E)に接続された入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する無段変速機(T)と、前記出力軸(12)およびディファレンシャルギヤ(D)間に配置されてパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能なセレクタ装置(S)とを備え、前記無段変速機(T)が、前記入力軸(11)の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸(11)と共に回転する入力側支点(18)と、前記出力軸(12)に接続されたワンウェイクラッチ(21)と、前記ワンウェイクラッチ(21)の入力部材(22)に設けられた出力側支点(19c)と、前記入力側支点(18)および前記出力側支点(19c)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(19)と、前記入力側支点(18)の偏心量を変更する変速アクチュエータ(14)とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記無段変速機(T)に対して並列に配置されて前記入力軸(11)および前記出力軸(12)を接続する補助駆動力伝達手段(30)は、前記入力軸(11)に接続された第1要素と、前記出力軸(12)に接続された第2要素と、大きさが可変な負荷を発生可能な負荷発生手段(78)に接続された第3要素とを含むダブルピニオン型の遊星歯車機構(71)を備え、前記第1要素はサンギヤ(72)およびキャリヤ(73)の一方であり、前記第2要素はリングギヤ(74)であり、前記第3要素はサンギヤ(72)およびキャリヤ(73)の他方であることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  3. 前記第1要素がサンギヤ(72)であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記第3要素がサンギヤ(72)であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  5. 前記負荷発生手段(78)は、バッテリ(79)に接続された電動モータ、あるいはアキュムレータ(80)に接続された油圧ポンプであることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  6. 前記負荷発生手段(78)は、車速が所定値未満に低下したときに負荷を低減することを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  7. 前記負荷発生手段(78)は電動モータであり、前記負荷発生手段(78)を正転することで前記第2要素を介して前記出力軸(12)を駆動可能であることを特徴とする、請求項5に記載の車両用動力伝達装置。
  8. 前記負荷発生手段(78)は電動モータであり、前記負荷発生手段(78)を逆転することで前記第1要素を介して前記入力軸(11)を駆動可能であることを特徴とする、請求項5に記載の車両用動力伝達装置。
  9. 前記負荷発生手段(78)は電動モータであり、前記エンジン(E)の駆動力で前記負荷発生手段(78)をジェネレータとして駆動することを特徴とする、請求項5に記載の車両用動力伝達装置。
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