JP6215991B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、往復運動するコネクティングロッドおよびワンウェイクラッチを介して入力軸から出力軸に駆動力を伝達するクランク式の伝達ユニットを軸方向に複数個並置した車両用動力伝達装置に関する。
かかるクランク式の伝達ユニットを備える車両用動力伝達装置が、クランク式の伝達ユニットに対して並列に配置されて入力軸および出力軸を接続する補助動力伝達手段を備え、補助動力伝達手段に遊星歯車機構、ワンウェイクラッチおよびオイルポンプを設けることで、車両の加速時、クルーズ時および停止時には入力軸からの駆動力でオイルポンプを駆動し、車両の減速時には出力軸からの駆動力でオイルポンプを駆動するとともに、その駆動力でエンジンブレーキを作動させるものが、下記特許文献1により公知である。
またクランク式の伝達ユニットを備える車両用動力伝達装置が、ディファレンシャルギヤに接続されたモータ・ジェネレータを備え、モータ・ジェネレータをモータとして駆動して車両の発進や走行を行うとともに、モータ・ジェネレータをモータとして駆動して回生制動を行うものが、下記特許文献2により公知である。
特開2014−035036号公報 特開2012−001048号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたものは、エンジンの駆動力および車両の運動エネルギーでオイルポンプを駆動することは可能であるが、発電を行うことはできなかった。また上記特許文献2に記載されたものは、車両の走行中に発電を行うことは可能であるが、モータ・ジェネレータはディファレンシャルギヤに直結されているために効率的な駆動および回生が困難であるばかりか、ディファレンシャルギヤが回転しない車両の停止中に発電を行うことはできなかった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の伝達ユニットを備える車両用動力伝達装置において、補助動力伝達手段に設けたモータ・ジェネレータを用いて効率的な駆動および回生を行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、エンジンに接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する複数の伝達ユニットを軸方向に並置し、前記伝達ユニットの各々は、前記入力軸と一体に回転する偏心カムと、前記偏心カムの外周に相対回転自在に嵌合するリングギヤが形成された偏心部材と、前記入力軸と同軸に配置されて変速アクチュエータにより回転する変速軸と、前記変速軸に設けられて前記リングギヤに噛合するピニオンと、前記出力軸に設けたワンウェイクラッチと、前記偏心部材および前記ワンウェイクラッチのアウター部材に接続されて往復運動するコネクティングロッドとを備え、前記変速アクチュエータで前記変速軸を前記入力軸に対して相対回転させて前記偏心カムに対する前記偏心部材の位相を変化させることで、前記入力軸の軸線からの前記偏心部材の偏心量を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、前記入力軸および前記出力軸を接続する補助動力伝達手段を前記複数の伝達ユニットに対して並列に配置し、前記補助動力伝達手段の変速比を前記複数の伝達ユニットの変速比よりも小さく設定し、前記補助動力伝達手段の動力伝達経路にモータ・ジェネレータを配置したことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記モータ・ジェネレータは遊星歯車機構を介して前記補助動力伝達手段の動力伝達経路に配置され、前記遊星歯車機構よりも前記エンジン側の動力伝達経路とディファレンシャルギヤ側の動力伝達経路とにそれぞれクラッチ手段を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記遊星歯車機構は、前記モータ・ジェネレータよりも前記エンジン側の第1遊星歯車機構と前記モータ・ジェネレータよりも前記ディファレンシャルギヤ側の第2遊星歯車機構とからなることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項2または請求項3の構成に加えて、前記遊星歯車機構よりも前記エンジン側の前記クラッチ手段は差回転を吸収可能な摩擦クラッチであることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項2〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記遊星歯車機構よりも前記ディファレンシャルギヤ側のクラッチ手段はワンウェイクラッチであることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の偏心ディスク19は本発明の偏心部材に対応し、実施の形態の摩擦クラッチ62、第1ワンウェイクラッチ64、第2ワンウェイクラッチ65およびツーウェイクラッチ70は本発明のクラッチ手段に対応し、実施の形態の第1遊星歯車機構PGS1および第2遊星歯車機構PGS2は本発明の遊星歯車機構に対応し、実施の形態の第2動力伝達切換機構S2は本発明の補助動力伝達手段に対応する。
請求項1の構成によれば、伝達ユニットは、入力軸に設けた偏心カムに支持されて該入力軸と共に回転する偏心部材と、出力軸に設けたワンウェイクラッチのアウター部材とをコネクティングロッドで接続して構成されるので、入力軸が回転してコネクティングロッドが往復運動すると、ワンウェイクラッチが間欠的に係合することで出力軸が間欠的に回転して駆動力が伝達される。その際に、変速アクチュエータで変速軸を入力軸に対して相対回転させ、ピニオンでリングギヤを回転させて偏心カムに対する偏心部材の位相を変化させることで、入力軸の軸線からの偏心部材の偏心量を変化させて変速比を変更することができる。
入力軸および出力軸を接続する補助動力伝達手段を複数の伝達ユニットに対して並列に配置し、補助動力伝達手段の動力伝達経路にモータ・ジェネレータを配置したので、モータ・ジェネレータをモータとして駆動することによるエンジンの始動や車両の発進・走行と、モータ・ジェネレータをジェネレータとして駆動することによる発電とを行うことができる。このとき補助動力伝達手段の変速比を複数の伝達ユニットの変速比よりも小さく設定したので、駆動力が補助動力伝達手段をエンジン側に逆伝達するときに、伝達ユニットのワンウェイクラッチが係合してトルクロックが発生するのを防止することができる。しかも補助動力伝達手段はモータ・ジェネレータを一体に備えるため、車両用動力伝達装置に対する補助動力伝達手段の組付作業性が向上する。
また請求項2の構成によれば、モータ・ジェネレータは遊星歯車機構を介して補助動力伝達手段の動力伝達経路に配置され、遊星歯車機構よりもエンジン側の動力伝達経路とディファレンシャルギヤ側の動力伝達経路とにそれぞれクラッチ手段を備えるので、車両の走行状態に応じてクラッチ手段を係合・係合解除することで、モータ・ジェネレータのモータ機能およびジェネレータ機能を速やかに切り換えることができるだけでなく、不要な動力伝達を回避して引きずりトルクを低減することができる。
また請求項3の構成によれば、遊星歯車機構は、モータ・ジェネレータよりもエンジン側の第1遊星歯車機構とモータ・ジェネレータよりもディファレンシャルギヤ側の第2遊星歯車機構とからなるので、入力軸およびモータ・ジェネレータ間の変速比と、出力軸およびモータ・ジェネレータ間の変速比とをそれぞれ最適に設定し、モータ・ジェネレータをモータとして駆動することによるエンジンの始動や車両の発進・走行を効率的に行うとともに、モータ・ジェネレータをジェネレータとして駆動することによる発電を効率的に行うことができる。
また請求項4の構成によれば、遊星歯車機構よりもエンジン側のクラッチ手段は差回転を吸収可能な摩擦クラッチであるので、摩擦クラッチの係合によりモータ・ジェネレータをモータとして駆動してエンジンを始動できるだけでなく、遊星歯車機構でモータ・ジェネレータの回転を減速してエンジンに伝達することで、モータ・ジェネレータを大型化することなく充分なトルクでエンジンを確実に始動でき、しかもエンジンの運転中に摩擦クラッチを係合することでモータ・ジェネレータを発電機として駆動して発電を行うことができる。
また請求項5の構成によれば、遊星歯車機構よりもディファレンシャルギヤ側のクラッチ手段はワンウェイクラッチであるので、クラッチ手段の構造を簡素化して車両用動力伝達装置の小型軽量化を図ることができるだけでなく、ディファレンシャルギヤ側からモータ・ジェネレータ側に自動的に駆動力を伝達して回生制動を行うことができ、しかもディファレンシャルギヤ側から伝達される駆動力で回生制動を行いながら、その駆動力を入力軸に伝達してエンジンを始動することができる。また回生制動状態からエンジンの駆動力で再加速する際に、ワンウェイクラッチが自動的に係合解除することで補助動力伝達手段による動力伝達を解除し、トルクロックの発生を防止することができる。
車両用動力伝達装置の全体構成を示す図。(第1の実施の形態) 図1の2部詳細図。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの正面図および断面図。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの偏心量と変速比との関係を示す図。(第1の実施の形態) 第2動力伝達切換機構のスケルトン図。(第1の実施の形態) 第2動力伝達切換機構の作用説明図(その1)。(第1の実施の形態) 第2動力伝達切換機構の作用説明図(その2)。(第1の実施の形態) 第2動力伝達切換機構のスケルトン図。(第2の実施の形態) 第2動力伝達切換機構の作用説明図(その1)。(第2の実施の形態) 第2動力伝達切換機構の作用説明図(その2)。(第2の実施の形態) 第2動力伝達切換機構の作用説明図(その3)。(第2の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図8に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を変速して左右の駆動輪W,Wに伝達する動力伝達装置は、クランク式の無段変速機Tと、第1動力伝達切換機構S1と、第2動力伝達切換機構S2と、ディファレンシャルギヤDとを備える。第1動力伝達切換機構S1は、パーキングレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能である。第2動力伝達切換機構S2は、無段変速機Tに対して並列に配置されるもので、モータ・ジェネレータMGの駆動によるエンジンEの始動、モータ・ジェネレータMGの駆動による車両の発進や走行、モータ・ジェネレータMGの回生制動によるエネルギーの回収、ディファレンシャルギヤD側からエンジンE側への駆動力の逆伝達によるエンジンブレーキの作動等を可能にする。
次に、図2〜図4に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
無段変速機Tのミッションケース11の一対の側壁11a,11bに入力軸12および出力軸13が相互に平行に支持されており、エンジンEに接続された入力軸12の回転が6個の伝達ユニット14…で無段変速されて出力軸13に伝達される。中空に形成された入力軸12の内部に、その入力軸12と軸線Lを共有する変速軸15が7個のニードルベアリング16…を介して相対回転可能に嵌合する。
6個の伝達ユニット14…の構造は実質的に同一構造であるため、以下、一つの伝達ユニット14を代表として構造を説明する。
伝達ユニット14は変速軸15の外周面に設けられたピニオン17を備えており、このピニオン17は入力軸12に形成した開口12a(図3参照)から露出する。ピニオン17を挟むように、入力軸12の外周に軸線L方向に2分割された円板状の偏心カム18がスプライン結合される。偏心カム18の中心O1は入力軸12の軸線Lに対して距離dだけ偏心している。また6個の伝達ユニット14…の6個の偏心カム18…は、その偏心方向の位相が相互に60°ずつずれている。
偏心カム18の外周面には、円板状の偏心ディスク19の軸線L方向両端面に形成した一対の偏心凹部19a,19aが、一対のニードルベアリング20,20を介して回転自在に支持される。偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム18の中心O1)は距離dだけずれている。すなわち、入力軸12の軸線Lおよび偏心カム18の中心O1間の距離dと、偏心カム18の中心O1および偏心ディスク19の中心O2間の距離dとは同一である。
軸線L方向に2分割された偏心カム18の割り面の外周には、その偏心カム18の中心O1と同軸に一対の三日月状のガイド部18a,18aが設けられており、偏心ディスク19の一対の偏心凹部19a,19aの底部間を連通させるように形成されたリングギヤ19bの歯先が、偏心カム18のガイド部18a,18aの外周面に摺動可能に当接する。そして変速軸15のピニオン17が、入力軸12の開口12aを通して偏心ディスク19のリングギヤ19bに噛合する。
入力軸12の右端側はボールベアリング21を介してミッションケース11の右側の側壁11aに直接支持される。また入力軸12の左端側に位置する1個の偏心カム18に一体に設けた筒状部18b(図2参照)が、ボールベアリング22を介してミッションケース11の左側の側壁11bに支持されており、その偏心カム18の内周にスプライン結合された入力軸12の左端側はミッションケース11に間接的に支持される。
入力軸12に対して変速軸15を相対回転させて無段変速機Tの変速比を変更する変速アクチュエータ23は、モータ軸24aが軸線Lと同軸になるようにミッションケース11に支持された電動モータ24と、電動モータ24に接続された遊星歯車機構25とを備える。遊星歯車機構25は、電動モータ24にニードルベアリング26を介して回転自在に支持されたキャリヤ27と、モータ軸24aに固定されたサンギヤ28と、キャリヤ27に回転自在に支持された複数の2連ピニオン29…と、中空の入力軸12の軸端(厳密には、前記1個の偏心カム18の筒状部18b)にスプライン結合された第1リングギヤ30と、変速軸15の軸端にスプライン結合された第2リングギヤ31とを備える。各2連ピニオン29は大径の第1ピニオン29aと小径の第2ピニオン29bとを備えており、第1ピニオン29aはサンギヤ28および第1リングギヤ30に噛合し、第2ピニオン29bは第2リングギヤ31に噛合する。
コネクティングロッド33は、大端部33a、ロッド部33bおよび小端部33cを備えるもので、大端部33aがローラベアリング32を介して偏心ディスク19の外周に支持される。
出力軸13はミッションケース11の一対の側壁11a,11bに一対のボールベアリング34,35で支持されており、その外周にワンウェイクラッチ36が設けられる。ワンウェイクラッチ36は、コネクティングロッド33の小端部33cにピン37を介して枢支された揺動リンク42と、揺動リンク42の内周に固定されたリング状のアウター部材38と、アウター部材38の内部に配置されて出力軸13に固定されたリング状のインナー部材39と、アウター部材38の内周面とインナー部材39の外周面との間に形成された楔状の空間に配置されて複数個のスプリング40…で付勢された複数個のローラ41…とを備える。
次に、無段変速機Tの一つの伝達ユニット14の作用を説明する。
図3および図5(A)〜図5(D)から明らかなように、入力軸12の軸線Lに対して偏心ディスク19の中心O2が偏心しているとき、エンジンEによって入力軸12が回転するとコネクティングロッド33の大端部33aが軸線Lまわりに偏心回転することで、コネクティングロッド33が往復運動する。
その結果、コネクティングロッド33が往復運動する過程で図中右側に押されると、揺動リンク42と共にアウター部材38が図3において反時計方向に揺動し、スプリング40…に付勢されたローラ41…がアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間に噛み込み、アウター部材38およびインナー部材39がローラ41…を介して結合されることで、ワンウェイクラッチ36が係合してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達される。逆にコネクティングロッド33が往復運動する過程で図中左側に引かれると、揺動リンク42と共にアウター部材38が図3において時計方向に揺動し、ローラ41…がスプリング40…を圧縮しながらアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間から押し出され、アウター部材38およびインナー部材39が相互にスリップすることで、ワンウェイクラッチ36が係合解除してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達されなくなる。
このようにして、入力軸12が1回転する間に、入力軸12の回転が所定時間だけ出力軸13に伝達されるため、入力軸12が連続回転すると出力軸13は間欠回転する。6個の伝達ユニット14…の偏心ディスク19…の偏心量εは全て同一であるが、偏心方向の位相が相互に60°ずつずれているため、6個の伝達ユニット14…が入力軸12の回転を交互に出力軸13に伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。
このとき、偏心ディスク19の偏心量εが大きいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが大きくなって出力軸13の1回の回転角が増加し、無段変速機Tの変速比が小さくなる。逆に、偏心ディスク19の偏心量εが小さいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが小さくなって出力軸13の1回の回転角が減少し、無段変速機Tの変速比が大きくなる。そして偏心ディスク19の偏心量εがゼロになると、入力軸12が回転してもコネクティングロッド33が移動を停止するために出力軸13は回転せず、無段変速機Tの変速比が最大(無限大)になる。
入力軸12に対して変速軸15が相対回転しないとき、つまり入力軸12および変速軸15が同一速度で回転するとき、無段変速機Tの変速比は一定に維持される。入力軸12および変速軸15を同一速度で回転させるには、入力軸12と同速度で電動モータ24を回転駆動すれば良い。その理由は、遊星歯車機構25の第1リングギヤ30は入力軸12に接続されて該入力軸12と同一速度で回転するが、それと同一速度で電動モータ24を駆動するとサンギヤ28および第1リングギヤ30が同一速度で回転するため、遊星歯車機構25はロック状態になって全体が一体に回転する。その結果、一体に回転する第1リングギヤ30および第2リングギヤ31に接続された入力軸12および変速軸15は一体化され、相対回転することなく同速度で回転するからである。
入力軸12の回転数に対して電動モータ24の回転数を増速あるいは減速すると、入力軸12に結合された第1リングギヤ30と電動モータ24に接続されたサンギヤ28とが相対回転するため、キャリヤ27が第1リングギヤ30に対して相対回転する。このとき、相互に噛合する第1リングギヤ30および第1ピニオン29aの歯数比と、相互に噛合する第2リングギヤ31および第2ピニオン29bの歯数比とが僅かに異なるため、第1リングギヤ30に接続された入力軸12と第2リングギヤ31に接続された変速軸15とが相対回転する。
このようにして入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、各伝達ユニット14のピニオン17にリングギヤ19bを噛合させた偏心ディスク19の偏心凹部19a,19aが、入力軸12と一体の偏心カム18のガイド部18a,18aに案内されて回転し、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが変化する。
図5(A)は変速比が最小の状態(変速比:TD)を示すもので、このとき入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは、入力軸12の軸線Lから偏心カム18の中心O1までの距離dと、偏心カム18の中心O1から偏心ディスク19の中心O2までの距離dとの和である2dに等しい最大値になる。入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が相対回転することで、図5(B)および図5(C)に示すように、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは最大値の2dから次第に減少して変速比が増加する。入力軸12に対して変速軸15が更に相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が更に相対回転することで、図5(D)に示すように、ついには入力軸12の軸線Lに偏心ディスク19の中心O2が重なり合って偏心量εがゼロになり、変速比が最大(無限大)の状態(変速比:UD)になって出力軸13に対する動力伝達が遮断される。
次に、図6に基づいて第2動力伝達切換機構S2の構造を説明する。
第2動力伝達切換機構S2は、同軸内外に配置されたインナーシャフト51およびアウターシャフト52を備えており、アウターシャフト52の右端に設けたギヤ53は、中間軸54に設けた2個のギヤ55,56を介して出力軸13に設けたギヤ57に接続されるとともに、インナーシャフト51の右端に設けたギヤ58は、中間軸59に設けたギヤ60を介して入力軸12に設けたギヤ61に接続される。よって、アウターシャフト52は出力軸13を介してディファレンシャルギヤDに接続され、インナーシャフト51は入力軸12を介してエンジンEに接続されることになる。
インナーシャフト51の外周には第1遊星歯車機構PGS1が配置され、アウターシャフト52の外周には第2遊星歯車機構PGS2が配置される。シングルピニオン型の第1遊星歯車機構PGS1は、サンギヤSaと、リングギヤRaと、キャリヤCaと、キャリヤCaに回転自在に支持されてサンギヤSaおよびリングギヤRaに同時に歯合する複数のピニオンPa…とを備える。同様に、シングルピニオン型の第2遊星歯車機構PGS2は、サンギヤSbと、リングギヤRbと、キャリヤCbと、キャリヤCbに回転自在に支持されてサンギヤSbおよびリングギヤRbに同時に歯合する複数のピニオンPb…とを備える。
インナーシャフト51の左端には差回転を吸収可能な多板式の摩擦クラッチ62が配置されており、摩擦クラッチ62は、クラッチアウターがケーシング63に固定され、クラッチインナーが第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaに接続される。よって、摩擦クラッチ62が係合すると、第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaがケーシング63に固定される。
第1遊星歯車機構PGS1のキャリヤCaはインナーシャフト51に接続され、第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRaは第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSbに接続され、第2遊星歯車機構PGS2のキャリヤCbはアウターシャフト52に接続される。また第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRbは、第1ワンウェイクラッチ64を介してアウターシャフト52に接続されるとともに、第2ワンウェイクラッチ65を介してケーシング63に接続される。
そして相互に接続された第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRaおよび第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSbに設けたギヤ66が中間軸67に設けたギヤ68を介してモータ・ジェネレータMGに設けたギヤ69に接続される。
第2動力伝達切換機構S2の入力軸12から出力軸13への変速比は、伝達ユニット14の入力軸12から出力軸13への変速比の最小値、つまりTD状態における変速比よりも小さく設定されている。これにより、第2動力伝達切換機構S2を介して出力軸13側から入力軸12側に駆動力が逆伝達されるとき、伝達ユニット14のワンウェイクラッチ36が係合解除してトルクロックが発生することが防止される。
次に、図7〜図9に基づいて第2動力伝達切換機構S2の作用を説明する。なお、図7〜図9における太線はケーシング63に結合されて回転不能に拘束された部分を示し、矢印は駆動力の伝達経路を示している。
第2動力伝達切換機構S2の作用には、「エンジン始動モード」、「回生制動・エンジンブレーキモード」、「回生制動モード」および「エンジン発電モード」の四つのモードがある。
図7(A)に示すように、「エンジン始動モード」はモータ・ジェネレータMGをモータとして駆動してエンジンEを始動するモードである。摩擦クラッチ62を係合して第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaを拘束した状態でモータ・ジェネレータMGをモータとして駆動すると、第1ワンウェイクラッチ64および第2ワンウェイクラッチ65が共に係合解除し、モータ・ジェネレータMGの駆動力は第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRa→第1遊星歯車機構PGS1のキャリヤCa→インナーシャフト51→エンジンEの経路で伝達され、エンジンEをクランキングして始動することができる。
図7(B)に示すように、「回生制動・エンジンブレーキモード」はモータ・ジェネレータMGをジェネレータとして回生制動すると同時にエンジンブレーキを作動させるモードである。摩擦クラッチ62を係合して第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaを拘束した状態でディファレンシャルギヤDから駆動力を逆伝達すると、第1ワンウェイクラッチ64が係合して第2遊星歯車機構PGS2のキャリヤCbおよびリングギヤRbが一体化されることで、その駆動力はディファレンシャルギヤD→アウターシャフト52→第2遊星歯車機構PGS2のキャリヤCb→第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb→モータ・ジェネレータMGの経路で伝達され、モータ・ジェネレータMGを回生制動する。さらに第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSbの駆動力は、第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRa→第1遊星歯車機構PGS1のキャリヤCa→インナーシャフト51→エンジンEの経路で伝達され、エンジンブレーキを作動させる。
図8(C)に示すように、「回生制動モード」はモータ・ジェネレータMGをジェネレータとして回生制動するモードである。摩擦クラッチ62を係合解除して第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaの拘束を解いた状態でディファレンシャルギヤDから駆動力を逆伝達すると、第1ワンウェイクラッチ64が係合して第2遊星歯車機構PGS2のキャリヤCbおよびリングギヤRbが一体化されることで、その駆動力はディファレンシャルギヤD→アウターシャフト52→第2遊星歯車機構PGS2のキャリヤCb→第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb→モータ・ジェネレータMGの経路で伝達され、モータ・ジェネレータMGを回生制動する。このとき、摩擦クラッチ62が係合解除していて第1遊星歯車機構PGS1のキャリヤCaおよびインナーシャフト51は自由に回転可能であるため、エンジンEはアイドリングストップすることも、任意の回転数で回転することもできる。
図8(D)に示すように、「エンジン発電モード」はエンジンEの駆動力でモータ・ジェネレータMGをジェネレータとして駆動して発電を行うモードである。摩擦クラッチ62を係合して第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaを拘束した状態でエンジンEを駆動すると、第1ワンウェイクラッチ64および第2ワンウェイクラッチ65が共に係合解除し、エンジンEの駆動力はインナーシャフト51→第1遊星歯車機構PGS1のキャリヤCa→第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRa→モータ・ジェネレータMGの経路で伝達され、モータ・ジェネレータMGに発電させる。
以上のように、本実施の形態によれば、無段変速機Tに対して並列に配置した第2動力伝達切換機構S2内の動力伝達経路にモータ・ジェネレータMGを設けたので、モータ・ジェネレータMGをモータとして駆動してエンジンEの始動および車両の発進・走行を行うことができるだけでなく、モータ・ジェネレータMGをジェネレータとして駆動して発電を行うことができる。しかも第2動力伝達切換機構S2はモータ・ジェネレータMGを一体に備えるため、車両用動力伝達装置に対する第2動力伝達切換機構S2の組付作業性が向上する。
また第2動力伝達切換機構S2は第1遊星歯車機構PGS1および第2遊星歯車機構PGS2を備え、エンジンEに接続するインナーシャフト51と第1遊星歯車機構PGS1との間に摩擦クラッチ62を備え、ディファレンシャルギヤDに接続するアウターシャフト52と第2遊星歯車機構PGS2との間に第1ワンウェイクラッチ64および第2ワンウェイクラッチ65を備えるので、車両の走行状態に応じて摩擦クラッチ62、第1ワンウェイクラッチ64および第2ワンウェイクラッチ65を係合・係合解除することで、モータ・ジェネレータMGのモータ機能およびジェネレータ機能を速やかに切り換えることができるだけでなく、不要な動力伝達を回避して引きずりトルクを低減することができる。
特に、モータ・ジェネレータMGよりもエンジンE側の第1遊星歯車機構PGS1とモータ・ジェネレータMGよりもディファレンシャルギヤD側の第2遊星歯車機構PGS2とを備えるので、入力軸12およびモータ・ジェネレータMG間の変速比と、出力軸13およびモータ・ジェネレータMG間の変速比とをそれぞれ最適に設定し、モータ・ジェネレータMGをモータとして駆動することによるエンジンEの始動や車両の発進・走行を効率的に行うとともに、モータ・ジェネレータMGをジェネレータとして駆動することによる発電を効率的に行うことができる。
また第1遊星歯車機構PGS1よりもエンジンE側に任意に係合・係合解除が可能な摩擦クラッチ62を配置したので、摩擦クラッチ62の係合によりモータ・ジェネレータをモータMGとして駆動してエンジンEを始動できるだけでなく、第1遊星歯車機構PGS1でモータ・ジェネレータMGの回転を減速してエンジンEに伝達することで、モータ・ジェネレータMGを大型化することなく充分なトルクでエンジンEを確実に始動することができ、しかもエンジンEの運転中に摩擦クラッチ62を係合することでモータ・ジェネレータMGをジェネレータとして駆動して発電を行うことができる。
また第2遊星歯車機構PGS2よりもディファレンシャルギヤD側に構造が簡単で自動的に係合・係合解除する第1ワンウェイクラッチ64および第2ワンウェイクラッチ65を配置したので、車両用動力伝達装置の小型軽量化を図ることができるだけでなく、ディファレンシャルギヤD側からモータ・ジェネレータMG側に自動的に駆動力を伝達して回生制動を行うことができ、しかもディファレンシャルギヤD側から伝達される駆動力で自動的に回生制動を行いながら、その駆動力をエンジンEに伝達してエンジンEを始動することができる。さらに、回生制動状態からエンジンEの駆動力で再加速する際に、第1ワンウェイクラッチ64および第2ワンウェイクラッチ65が第2動力伝達切換機構S2を介しての動力伝達を遮断することで、トルクロックの発生を防止することができる。
第2の実施の形態
次に、図9〜図12に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、第2動力伝達切換機構S2の構造が第1の実施の形態と異なるもので、その他の部分は第1の実施の形態と同じである。
図9に示すように、第2の実施の形態の第2動力伝達切換機構S2は、第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaが摩擦クラッチ62のクラッチインナーに接続されてリングギヤRaがインナーシャフト51aに接続され、 第2遊星歯車機構PGS2のキャリヤCbがアウターシャフト52に接続される。そして第1遊星歯車機構PGS1のキャリヤCaと第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRbとが一体化された状態で、ギヤ66,68,69を介してモータ・ジェネレータMGに接続される。第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSbとキャリヤCbとの間には第1ワンウェイクラッチ64が配置され、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSbとケーシング63との間には第2ワンウェイクラッチ65およびツーウェイクラッチ70が配置される。
次に、図10〜図12に基づいて第2動力伝達切換機構S2の作用を説明する。
第2の実施の形態の第2動力伝達切換機構S2の作用には、第1の実施の形態と同様に、「エンジン始動モード」、「モータ発進・モータ走行モード」、「回生制動・エンジンブレーキモード」、「回生制動モード」および「エンジン発電モード」の五つのモードがある。
図10(A)に示すように、「エンジン始動モード」はモータ・ジェネレータMGをモータとして駆動してエンジンEを始動するモードである。摩擦クラッチ62を係合して第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaを拘束した状態でモータ・ジェネレータMGをモータとして駆動すると、第1ワンウェイクラッチ64、第2ワンウェイクラッチ65およびツーウェイクラッチ70が全て係合解除し、モータ・ジェネレータMGの駆動力は第1遊星歯車機構PGS1のキャリヤCa→第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRa→インナーシャフト51→エンジンEの経路で伝達され、エンジンEをクランキングして始動することができる。
図10(B)に示すように、「モータ発進・モータ走行モード」はモータ・ジェネレータMGをモータとして駆動して車両を発進あるいは走行させるモードである。摩擦クラッチ62を係合解除して第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaの拘束を解いた状態でモータ・ジェネレータMGをモータとして駆動すると、第1ワンウェイクラッチ64および第2ワンウェイクラッチ65が係合解除してツーウェイクラッチ70が係合することで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSbがケーシング63に拘束される。その結果、モータ・ジェネレータMGの駆動力が第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb→第2遊星歯車機構PGS2のキャリヤCb→アウターシャフト52→ディファレンシャルギヤDの経路で伝達され、車両を発進させたり走行させたりすることができる。
図11(C)に示すように、「回生制動・エンジンブレーキモード」はモータ・ジェネレータMGをジェネレータとして回生制動して発電すると同時にエンジンブレーキを作動させるモードである。摩擦クラッチ62を係合して第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaを拘束した状態でディファレンシャルギヤDから駆動力を逆伝達すると、第1ワンウェイクラッチ64が係合解除し、第2ワンウェイクラッチ65が係合し、ツーウェイクラッチ70が係合解除することで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSbがケーシング63に拘束される。その結果、ディファレンシャルギヤDの駆動力がアウターシャフト52→第2遊星歯車機構PGS2のキャリヤCb→第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb→モータ・ジェネレータMGの経路で伝達され、モータ・ジェネレータMGを回生制動する。さらに第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRbの駆動力は、第1遊星歯車機構PGS1のキャリヤCa→第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRa→インナーシャフト51→エンジンEの経路で伝達され、エンジンブレーキを作動させる。
図11(D)に示すように、「回生制動モード」はモータ・ジェネレータMGをジェネレータとして回生制動するモードである。摩擦クラッチ62を係合解除して第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaの拘束を解いた状態でディファレンシャルギヤDから駆動力を逆伝達すると、第1ワンウェイクラッチ64が係合して第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSbおよびキャリヤCbが一体化される。その結果、ディファレンシャルギヤDの駆動力がアウターシャフト52→第2遊星歯車機構PGS2のキャリヤCb→第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb→モータ・ジェネレータMGの経路で伝達され、モータ・ジェネレータMGを回生制動する。このとき、摩擦クラッチ62が係合解除していて第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa、リングギヤRaおよびインナーシャフト51は自由に回転可能であるため、エンジンEはアイドリングストップすることも、任意の回転数で回転することもできる。
図12(E)に示すように、「エンジン発電モード」はエンジンEの駆動力でモータ・ジェネレータMGをジェネレータとして駆動して発電を行うモードである。摩擦クラッチ62を係合して第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSaを拘束した状態でエンジンEを駆動すると、第1ワンウェイクラッチ64、第2ワンウェイクラッチ65およびツーウェイクラッチ70は全て係合解除し、エンジンEの駆動力はインナーシャフト51→第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRa→第1遊星歯車機構PGS1のキャリヤCa→モータ・ジェネレータMGの経路で伝達され、モータ・ジェネレータMGに発電させる。
以上のように、本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、第1遊星歯車機構PGS1および第2遊星歯車機構PGS2の各要素の接続関係は実施の形態に限定されず、要求される変速比や回転方向に応じて適宜設定可能である。
12 入力軸
13 出力軸
14 伝達ユニット
15 変速軸
17 ピニオン
18 偏心カム
19 偏心ディスク(偏心部材)
19b リングギヤ
23 変速アクチュエータ
33 コネクティングロッド
36 ワンウェイクラッチ
38 アウター部材
62 摩擦クラッチ(クラッチ手段)
64 第1ワンウェイクラッチ(クラッチ手段)
65 第2ワンウェイクラッチ(クラッチ手段)
70 ツーウェイクラッチ(クラッチ手段)
D ディファレンシャルギヤ
E エンジン
L 入力軸の軸線
MG モータ・ジェネレータ
PGS1 第1遊星歯車機構(遊星歯車機構)
PGS2 第2遊星歯車機構(遊星歯車機構)
S2 第2動力伝達切換機構(補助動力伝達手段)
ε 偏心部材の偏心量

Claims (5)

  1. エンジン(E)に接続された入力軸(12)の回転を変速して出力軸(13)に伝達する複数の伝達ユニット(14)を軸方向に並置し、
    前記伝達ユニット(14)の各々は、
    前記入力軸(12)と一体に回転する偏心カム(18)と、
    前記偏心カム(18)の外周に相対回転自在に嵌合するリングギヤ(19b)が形成された偏心部材(19)と、
    前記入力軸(12)と同軸に配置されて変速アクチュエータ(23)により回転する変速軸(15)と、
    前記変速軸(15)に設けられて前記リングギヤ(19b)に噛合するピニオン(17)と、
    前記出力軸(13)に設けたワンウェイクラッチ(36)と、
    前記偏心部材(19)および前記ワンウェイクラッチ(36)のアウター部材(38)に接続されて往復運動するコネクティングロッド(33)とを備え、
    前記変速アクチュエータ(23)で前記変速軸(15)を前記入力軸(12)に対して相対回転させて前記偏心カム(18)に対する前記偏心部材(19)の位相を変化させることで、前記入力軸(12)の軸線(L)からの前記偏心部材(19)の偏心量(ε)を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、
    前記入力軸(12)および前記出力軸(13)を接続する補助動力伝達手段(S2)を前記複数の伝達ユニット(14)に対して並列に配置し、前記補助動力伝達手段(S2)の変速比を前記複数の伝達ユニット(14)の変速比よりも小さく設定し、前記補助動力伝達手段(S2)の動力伝達経路にモータ・ジェネレータ(MG)を配置したことを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記モータ・ジェネレータ(MG)は遊星歯車機構(PGS1,PGS2)を介して前記補助動力伝達手段(S2)の動力伝達経路に配置され、前記遊星歯車機構(PGS1,PGS2)よりも前記エンジン(E)側の動力伝達経路とディファレンシャルギヤ(D)側の動力伝達経路とにそれぞれクラッチ手段(62;64,65,70)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記遊星歯車機構は、前記モータ・ジェネレータ(MG)よりも前記エンジン(E)側の第1遊星歯車機構(PGS1)と前記モータ・ジェネレータ(MG)よりも前記ディファレンシャルギヤ(D)側の第2遊星歯車機構(PGS2)とからなることを特徴とする、請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記遊星歯車機構(PGS1,PGS2)よりも前記エンジン(E)側の前記クラッチ手段は差回転を吸収可能な摩擦クラッチ(62)であることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の車両用動力伝達装置。
  5. 前記遊星歯車機構(PGS1,PGS2)よりも前記ディファレンシャルギヤ(D)側のクラッチ手段はワンウェイクラッチ(64,65)であることを特徴とする、請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
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