JP6776178B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機と、前記無段変速機に対して並列に配置されて前記出力軸から前記入力軸に駆動力を伝達可能な補助動力伝達機構と、前記出力軸に接続されて車両の前進・後進を切り換える前後進切換機構とを備える車両用動力伝達装置に関する。
クランク式の無段変速機の出力軸とディファレンシャルギヤとの間に前後進切換機構を配置して車両の前進走行および後進走行を可能にするとともに、無段変速機と並列に補助動力伝達機構を配置し、車両の減速走行時に出力軸から入力軸に駆動力を逆伝達してエンジンブレーキの作動を可能にした車両用動力伝達装置が、下記特許文献1により公知である。
WO2014/188823
ところで、かかる車両用動力伝達装置を備えた車両が前進走行状態から後進走行状態に移行する場合に、車両が完全に停止する前にシフトレバーをドライブレンジからリバースレンジに操作すると、車両が前進走行中であるにも関わらずにリバースレンジが確立して駆動輪がロックしてしまい、車体に急激な変速ショックが伝達されて運転者に違和感を与える可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の無段変速機を搭載した車両において、ドライブレンジおよびリバースレンジ間のシフトチェンジ時に変速ショックが発生するのを防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機と、前記無段変速機に対して並列に配置されて前記出力軸から前記入力軸に駆動力を伝達可能な補助動力伝達機構と、前記出力軸に接続されて車両の前進・後進を切り換える前後進切換機構とを備え、前記無段変速機は、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチの入力部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備える車両用動力伝達装置であって、前記補助動力伝達機構の動力伝達経路に配置されたブレーキ手段を備え、前記ブレーキ手段は前進走行レンジおよび後進走行レンジ間のシフトチェンジ時に作動し、車速がゼロになると作動解除することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
なお、実施の形態の偏心ディスク19は本発明の入力側支点に対応し、実施の形態のピン24は本発明の出力側支点に対応し、実施の形態の揺動リンク25は本発明の入力部材に対応し、実施の形態の湿式多板型ブレーキ67および電気モータ68は本発明のブレーキ手段に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、入力軸と共に入力側支点が偏心回転すると、入力側支点に一端を接続されたコネクティングロッドが往復運動し、コネクティングロッドの他端が接続された出力側支点によりワンウェイクラッチの入力部材が往復揺動する。入力部材が一方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合し、入力部材が他方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合解除することで、入力軸の回転が変速されて出力軸に伝達される。変速アクチュエータで入力側支点の偏心量を変化させると、コネクティングロッドの往復ストロークが変化して変速比が変更され、前後進切換機構でドライブレンジおよびリバースレンジ間のシフトチェンジが行われる。
車両の減速走行時には、無段変速機による入力軸から出力軸への駆動力の伝達が遮断され、補助動力伝達機構による出力軸から入力軸への駆動力の逆伝達が行われることで、逆伝達される駆動力で駆動源を駆動してエンジンブレーキや回生制動が可能になる。
減速走行する車両が完全に停止する前にドライブレンジおよびリバースレンジ間でシフトチェンジが行われると、補助動力伝達機構に配置されたブレーキ手段が作動して車両を制動し、車速がゼロになるとブレーキ手段が作動解除するので、シフトチェンジに要する時間を長引かせることなく、車両が完全に停止する前にシフトチェンジが実行されないようにして変速ショックの発生を防止することができる。
車両用動力伝達装置のスケルトン図である。(第1の実施の形態) 図1の2部詳細図である。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図である。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの単品図である。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの偏心量と変速比との関係を示す図である。(第1の実施の形態) シフトチェンジ時の作用を説明するタイムチャートである。(第1の実施の形態) 図6に対応する比較例のタイムチャートである。(第1の実施の形態) 車両用動力伝達装置のスケルトン図である。(第2の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図7に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、車両用動力伝達装置は、エンジンEの駆動力を入力軸12から出力軸13に無段変速して伝達するクランク式の無段変速機Tと、無段変速機Tに対して並列に配置されて出力軸13から入力軸12に駆動力を伝達可能な補助動力伝達機構Aと、出力軸13およびディファレンシャルギヤD間に配置されて車両の前進・後進を切り換える前後進切換機構Sとを備える。
以下、図2〜図5に基づいてクランク式の無段変速機Tの構造を説明する。
図2および図3に示すように、無段変速機Tの支持フレーム11に入力軸12および出力軸13が相互に平行に支持されており、エンジンEに接続された入力軸12の回転が8個の伝達ユニット14…、出力軸13、前後進切換機構SおよびディファレンシャルギヤDを介して図示せぬ駆動輪W,Wに伝達される。
8個の伝達ユニット14…の構造は実質的に同一構造であるため、以下、一つの伝達ユニット14を代表として構造を説明する。
中空に形成された入力軸12の内部に軸線Lを共有する変速軸15が配置されており、この変速軸15の外周に10個のニードルベアリング16…を介して軸線L方向に9分割された偏心カム17…が回転自在に支持される。8個の伝達ユニット14…の合計9個の偏心カム17…は図示せぬ複数本のボルトで一体に結合されており、それら9個の偏心カム17…の内周部分が実質的に入力軸12を構成する。
隣接する一対の偏心カム17,17は、入力軸12の軸線Lに対して距離dだけ偏心した中心O1を有する一対の円形のカム部17a,17aと、カム部17a,17aの径方向内側に形成された断面三日月状のガイド部17bとを備える。入力軸12と軸線Lを共有する変速軸15の外周には8個のピニオン18…が一体に形成されており、各ピニオン18は偏心カム17,17の断面三日月状のガイド部17bの切欠き部17cに収納される。各伝達ユニット14の偏心カム17,17のカム部17a,17aの位相は相互に45゜ずつずれている。
図3および図4に示すように、偏心カム17,17のカム部17a,17aの外周面には、円板状の偏心ディスク19の軸線L方向両端面に形成された一対の偏心凹部19a,19aが、一対のニードルベアリング20,20を介して回転自在に支持される。偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム17,17のカム部17a,17aの中心O1)は距離dだけずれている。すなわち、入力軸12の軸線Lおよび偏心カム17,17のカム部17a,17aの中心O1間の距離dと、偏心カム17,17のカム部17a,17aの中心O1および偏心ディスク19の中心O2間の距離dとは同一である。
偏心ディスク19の一対の偏心凹部19a,19aの底部間を連通させるように形成されたリングギヤ19bの歯先が、偏心カム17,17のガイド部17bの外周面に摺動可能に当接する。そして入力軸12の切欠き部12a(図3参照)から露出する変速軸15のピニオン18が、偏心ディスク19のリングギヤ19bに噛合する。偏心ディスク19の外周には、その偏心方向と逆方向に突出するカウンタウエイト19cが設けられる。そして偏心ディスク19の外周にはコネクティングロッド21の大端部21aがボールベアリング22を介して支持される。
図2および図3に示すように、出力軸13の外周に設けられたワンウェイクラッチ23は、コネクティングロッド21の小端部21bにピン24を介して連結されたリング状の揺動リンク25と、揺動リンク25の内周に固定されたリング状のアウター部材26と、アウター部材26の内部に配置されて出力軸13に固定されたリング状のインナー部材27と、アウター部材26の内周面とインナー部材27の外周面との間に形成された楔状の空間に配置されて複数個のスプリング28…で付勢された複数個のローラ29…とを備える。
そして入力軸12のエンジンEと反対側の軸端には、入力軸12に対して変速軸15を相対回転させることで、偏心ディスク19の偏心量εを増減して無段変速機Tの変速比を変更する変速アクチュエータ30が設けられる。
図2に示すように、8個の伝達ユニット14…を支持する支持フレーム11は、軸線L方向中央に位置する中央フレーム31と、軸線L方向両側に位置する一対の側方フレーム32,33とからなり、中央フレーム31とエンジンE側に位置する一方の側方フレーム32との間に4個の伝達ユニット14…が配置され、中央フレーム31と反エンジンE側に位置する他方の側方フレーム33との間に4個の伝達ユニット14…が配置される。
中央フレーム31は鉄製の板状部材であり、その長手方向両側の入力軸12側および出力軸13側に形成された2個のベアリング支持孔31a,31bを備える。
エンジンE側に位置する側方フレーム32は基本的にアルミニウム合金で籠状に形成された鋳造部材であり、中央部に鉄製の板状部材であるベアリングホルダ38が鋳込みにより埋設される。ベアリングホルダ38の入力軸12側および出力軸13側には、それぞれベアリング支持孔38a,38bが形成される。
反エンジンE側に位置する側方フレーム33も基本的にアルミニウム合金で籠状に形成された鋳造部材であり、その中央に鉄製の板状部材であるベアリングホルダ39が鋳込みにより埋設される。反エンジンE側に位置する側方フレーム33およびベアリングホルダ39の構造は、上述したエンジンE側に位置する側方フレーム32側およびベアリングホルダ38に対して面対称な構造であるため、その重複する説明は省略する。
入力軸12の軸線L方向中央部に固定された偏心カム17は、中央フレーム31のベアリング支持孔31aに中央部支持ベアリング34を介して支持されるとともに、入力軸12の軸線L方向両端部は、一対の側方フレーム32,33のベアリングホルダ38,39のベアリング支持孔38a,39aにそれぞれ軸端部支持ベアリング36,36を介して支持される。同様に、出力軸13の軸線L方向中央部は、中央フレーム31のベアリング支持孔31bに中央部支持ベアリング35を介して支持されるとともに、出力軸13の軸線L方向両端部は、一対の側方フレーム32,33のベアリングホルダ38,39のベアリング支持孔38b,39bにそれぞれ軸端部支持ベアリング37,37を介して支持される。
そして中央フレーム31および一対の側方フレーム32,33をボルト40…で一体に締結してサブアセンブリが組み立てられ、このサブアセンブリが中央フレーム31を貫通するボルト41…でミッションケース42の内部に締結される。
次に、無段変速機Tの一つの伝達ユニット14の作用を説明する。
図3および図5(A)〜図5(D)から明らかなように、入力軸12の軸線Lに対して偏心ディスク19の中心O2が偏心しているとき、エンジンEによって入力軸12が回転するとコネクティングロッド21の大端部21aが軸線Lまわりに偏心回転することで、コネクティングロッド21が往復運動する。
その結果、コネクティングロッド21が往復運動する過程で図中左側に引かれると、揺動リンク25と共にアウター部材26が図3において反時計方向に揺動し、スプリング28…に付勢されたローラ29…がアウター部材26およびインナー部材27間の楔状の空間に噛み込み、アウター部材26およびインナー部材27がローラ29…を介して結合されることで、ワンウェイクラッチ23が係合してコネクティングロッド21の動きが出力軸13に伝達される。逆にコネクティングロッド21が往復運動する過程で図中右側に押されると、揺動リンク25と共にアウター部材26が図3において時計方向に揺動し、ローラ29…がスプリング28…を圧縮しながらアウター部材26およびインナー部材27間の楔状の空間から押し出され、アウター部材26およびインナー部材27が相互にスリップすることで、ワンウェイクラッチ23が係合解除してコネクティングロッド21の動きが出力軸13に伝達されなくなる。
このようにして、入力軸12が1回転する間に、入力軸12の回転が所定時間だけ出力軸13に伝達されるため、入力軸12が連続回転すると出力軸13は間欠回転する。8個の伝達ユニット14…の偏心ディスク19…の偏心量εは全て同一であるが、偏心方向の位相が相互に45°ずつずれているため、8個の伝達ユニット14…が入力軸12の回転を交互に出力軸13に伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。
このとき、偏心ディスク19の偏心量εが大きいほど、コネクティングロッド21の往復ストロークが大きくなって出力軸13の1回の回転角が増加し、無段変速機Tの変速比が小さくなる。逆に、偏心ディスク19の偏心量εが小さいほど、コネクティングロッド21の往復ストロークが小さくなって出力軸13の1回の回転角が減少し、無段変速機Tの変速比が大きくなる。そして偏心ディスク19の偏心量εがゼロになると、入力軸12が回転してもコネクティングロッド21が移動を停止するために出力軸13は回転せず、無段変速機Tの変速比が最大(無限大)になる。
入力軸12に対して変速軸15が相対回転しないとき、つまり入力軸12および変速軸15が同一速度で回転するとき、無段変速機Tの変速比は一定に維持される。変速アクチュエータ30により入力軸12に対して変速軸15を相対回転させると、各伝達ユニット14のピニオン18にリングギヤ19bを噛合させた偏心ディスク19の偏心凹部19a,19aが、入力軸12と一体の偏心カム17,17のカム17a,17aに案内されて回転し、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが変化する。
図5(A)は変速比が最小の状態(変速比:TD)を示すもので、このとき入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは、入力軸12の軸線Lから偏心カム17,17の中心O1までの距離dと、偏心カム17,17の中心O1から偏心ディスク19の中心O2までの距離dとの和である2dに等しい最大値になる。入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム17,17に対して偏心ディスク19が相対回転することで、図5(B)および図5(C)に示すように、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは最大値の2dから次第に減少して変速比が増加する。入力軸12に対して変速軸15が更に相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム17,17に対して偏心ディスク19が更に相対回転することで、図5(D)に示すように、ついには入力軸12の軸線Lに偏心ディスク19の中心O2が重なり合って偏心量εがゼロになり、変速比が最大(無限大)の状態(変速比:UD)になって出力軸13に対する動力伝達が遮断される。
次に、図1に基づいて前後進切換機構Sの構造および作用を説明する。
前後進切換機構Sは、出力軸13の外周に配置された遊星歯車機構51を備える、遊星歯車機構51は、出力軸13に固設されたサンギヤ52と、出力軸13に相対回転自在に支持されたキャリヤ53と、キャリヤ53の外周に相対回転自在に支持されたリングギヤ54と、キャリヤ53に回転自在に支持されてサンギヤ52およびリングギヤ54に噛合する複数のピニオン55…とを備える。リングギヤ54の外周にはファイナルドライブギヤ56が一体に設けられており、ファイナルドライブギヤ56はディファレンシャルギヤDのケーシングに設けたファイナルドリブンギヤ57に噛合する。
キャリヤ53に設けられた第1ドグ58と、出力軸13に設けられた第2ドグ59と、ミッションケース42に設けられた第3ドグ60とが軸方向に並置されており、図示せぬアクチュエータで作動するシフトスリーブ61が図示するニュートラル位置にあるとき、第1ドグ58、第2ドグ59および第3ドグ60は相互に切り離され、シフトスリーブ61がニュートラル位置からドライブ位置に右動すると、第1ドグ58および第2ドグ59が結合されて第3ドグ60が切り離され、シフトスリーブ61がニュートラル位置からリバース位置に左動すると、第1ドグ58および第3ドグ60が結合されて第2ドグ59が切り離される。
シフトスリーブ61がニュートラル位置にあるとき、出力軸13が空転してニュートラルレンジが確立する。シフトスリーブ61がドライブ位置にあるとき、出力軸13およびキャリヤ53が結合され、遊星歯車機構51はロック状態になって出力軸13と一体に回転するため、出力軸13の回転がリングギヤ54からファイナルドライブギヤ56およびファイナルドリブンギヤ57を介してディファレンシャルギヤDに伝達され、車両は前進走行する。シフトスリーブ61がリバース位置にあるとき、キャリヤ53がミッションケース42に拘束されるため、出力軸13の回転がサンギヤ52からキャリヤ53を介して逆回転となってリングギヤ54に伝達され、更にリングギヤ54からファイナルドライブギヤ56およびファイナルドリブンギヤ57を介してディファレンシャルギヤDに伝達され、車両は後進走行する。
次に、図1に基づいて補助動力伝達機構Aの構造および作用を説明する。
補助動力伝達機構Aは、出力軸13に固設された出力軸ギヤ62と、中間軸63に固設されて出力軸ギヤ62に噛合する中間軸ギヤ64と、入力軸12にワンウェイクラッチ65を介して支持されて中間軸ギヤ64に噛合する入力軸ギヤ66とを備える。中間軸63は、本発明のブレーキ手段を構成する湿式多板型ブレーキ67を介してミッションケース42に拘束可能である。
車両が前進走行あるいは後進走行するとき、エンジンEの駆動力は無段変速機Tを介して駆動輪W,Wに伝達される。このとき、入力軸12および出力軸13は入力軸ギヤ66、中間軸ギヤ64および出力軸ギヤ62を介して接続されているが、車両が加速走行状態あるいは定速走行状態にあるときには、ワンウェイクラッチ65が係合解除して入力軸12から入力軸ギヤ66が切り離され、無段変速機Tと異なる変速比で入力軸12から出力軸13に補助動力伝達機構Aを介して駆動力が伝達することが防止されるため、トルクロックが発生することはない。
車両が減速走行するとき、出力軸13に設けたワンウェイクラッチ23…が係合解除するため、無段変速機Tは駆動力を伝達しなくなる。一方、補助動力伝達機構Aは、入力軸12に設けたワンウェイクラッチ65が係合することで、出力軸13から出力軸ギヤ62、中間軸ギヤ64および入力軸ギヤ66を介して入力軸12に駆動力が逆伝達され、エンジンブレーキを支障なく作動させることができる。
ところで、補助動力伝達機構Aがブレーキ手段である湿式多板型ブレーキ67を持たない比較例の車両用動力伝達装置では、前進走行状態から後進走行状態に移行するとき、本来は車両が完全に停止してからシフトレバーをドライブレンジからリバースレンジに操作すべきであるが、車両が完全に停止する前にシフトレバーをドライブレンジからリバースレンジに操作してしまうと、車両が未だ前進走行している間にリバースレンジが確立してしまい、駆動輪W,Wが逆回転して車両が急減速するために乗員に違和感を与える可能性がある。
これを図7のタイムチャートに基づいて更に説明すると、ドライブレンジでの前進走行中に、車両が完全に停止する前の時刻t1にシフトレバーをドライブレンジからリバースレンジに一気に操作すると、所定のタイムラグが経過した時刻t2にシフトアクチュエータが作動を開始し、前後進切換機構Sのシフトスリーブ61をドライブ位置からリバース位置に駆動することで、時刻t3にリバースレンジが確立する。その瞬間、駆動輪W,Wが回転を停止して急激な減速度が発生し、車速が急激に減少するために運転者に違和感を与えてしまう。そして時刻t4に車速がゼロになった後に、駆動輪W,Wが後進側に回転して車両が後進走行を開始することで、時刻t5に定常な後進走行状態に移行する。
それに対し、補助動力伝達機構Aがブレーキ手段である湿式多板型ブレーキ67を備える本実施の形態の車両用動力伝達装置では、車両が完全に停止する前に運転者がシフトレバーをドライブレンジからリバースレンジに一気に操作しても、湿式多板型ブレーキ67を強制的に作動させて車両を制動し、車速がゼロになった時点でリバースレンジを確立することで、車速の急激な減少を回避して運転者の違和感を防止することができる。
すなわち、車両の前進減速走行中には、無段変速機Tは、出力軸13に設けたワンウェイクラッチ23…が係合解除して駆動力を伝達しなくなり、補助動力伝達機構Aは、入力軸12に設けたワンウェイクラッチ65が係合して出力軸13から中間軸63を経て入力軸12に駆動力を逆伝達する。このとき、湿式多板型ブレーキ67を作動させて中間軸63をミッションケース42に拘束すると、出力軸13が制動されることで車両が制動され、車速が速やかに低下して車両が停止する。そして車両が停止したタイミングで湿式多板型ブレーキ67を作動解除するとともにリバースレンジを確立することで、急激な減速度による変速ショックの発生を防止しながら後進走行状態にスムーズに移行することができる。
これを図6のタイムチャートに基づいて更に説明すると、ドライブレンジでの前進走行中に、車両が完全に停止する前の時刻t1にシフトレバーを一気にドライブレンジからリバースレンジに操作すると、所定のタイムラグを経過した時刻t2にシフトアクチュエータが作動を開始するとともに、湿式多板型ブレーキ67が作動して車両を制動する。この湿式多板型ブレーキ67が作動により、駆動輪W,Wは瞬間的に回転を停止することなく回転を減少し、比較的に小さい減速度で車速が低下する。そして時刻t3にリバースレンジを確立するタイミングで車速がゼロになった後に、駆動輪W,Wが後進側に回転して車両が後進走行を開始することで、時刻t4に定常な後進走行状態に移行する。
時刻t2にシフトアクチュエータが作動を開始してから時刻t3にシフトアクチュエータが作動を完了するまでの時間は既知であるため、時刻t3にシフトアクチュエータが作動を完了してリバースレンジが確立するタイミングで車速がゼロになるように、湿式多板型ブレーキ67が発生する制動力を調整すれば良い。
以上のように、本実施の形態によれば、車両が完全に停止する前にシフトレバーがドライブレンジからリバースレンジに操作されても、無段変速機Tと並列に配置される補助動力伝達機構Aに設けられた湿式多板型ブレーキ67を作動させて車両を制動して停止させ、車両が停止したタイミングでリバースレンジを確立することで、車体に急激な減速度が発生して運転者に違和感を与えることが防止される。また湿式多板型ブレーキ67を作動させずに車両が停止するのを待つとシフトチェンジに要する時間が長くなるが、湿式多板型ブレーキ67を作動させて速やかに車両を停止させることでシフトチェンジに要する時間を短縮することができる。
以上、シフトレバーをドライブレンジからリバースレンジに操作する場合について説明したが、逆にシフトレバーをリバースレンジからドライブレンジに操作する場合にも、同様に湿式多板型ブレーキ67を作動させて変速ショックによる運転者の違和感の解消することができる。
第2の実施の形態
次に、図8に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態は、ブレーキ手段として湿式多板型ブレーキ67を備えているが、第2の実施の形態は湿式多板型ブレーキ67に代えて電気モータ68を備えている。
電気モータは、回生制動によりブレーキ力を発生するだけでなく、回転方向と逆方向の電流を供給することで、より大きいブレーキ力を発生することができる。従って、車両が完全に停止する前にドライブレンジおよびリバースレンジ間のシフトチェンジが行われた場合、電気モータ68に回転方向と逆方向の電流を供給してブレーキ力を発生させることで、第1の実施の形態の湿式多板型ブレーキ67と同様のブレーキ力を発生させることができる。
しかも車両が減速走行して補助動力伝達機構Aが出力軸13側から入力軸12側に駆動力を逆伝達するとき、電気モータ68を回生制動することで車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することができる。更に、エンジンEの停止時に電気モータ68を駆動し、その駆動力を中間軸63から中間軸ギヤ64、入力軸ギヤ66および入力軸12の経路でエンジンEに伝達すれば、エンジンEをクランキングして始動することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のブレーキ手段は実施の形態の湿式多板型ブレーキ67や電気モータ68に限定されるものではない。
また本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、電動モータ等の他の駆動源であっても良い。
12 入力軸
13 出力軸
19 偏心ディスク(入力側支点)
21 コネクティングロッド
23 ワンウェイクラッチ
24 ピン(出力側支点)
25 揺動リンク(入力部材)
30 変速アクチュエータ
67 湿式多板型ブレーキ(ブレーキ手段)
68 電気モータ(ブレーキ手段)
A 補助動力伝達機構
E エンジン(駆動源)
L 入力軸の軸線
S 前後進切換機構
T 無段変速機

Claims (1)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(12)の回転を変速して出力軸(13)に伝達する無段変速機(T)と、前記無段変速機(T)に対して並列に配置されて前記出力軸(13)から前記入力軸(12)に駆動力を伝達可能な補助動力伝達機構(A)と、前記出力軸(13)に接続されて車両の前進・後進を切り換える前後進切換機構(S)とを備え、
    前記無段変速機(T)は、前記入力軸(12)の軸線(L)からの偏心量が可変であって該入力軸(12)と共に回転する入力側支点(19)と、前記出力軸(13)に接続されたワンウェイクラッチ(23)と、前記ワンウェイクラッチ(23)の入力部材(25)に設けられた出力側支点(24)と、前記入力側支点(19)および前記出力側支点(24)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(21)と、前記入力側支点(19)の偏心量を変更する変速アクチュエータ(30)とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記補助動力伝達機構(A)の動力伝達経路に配置されたブレーキ手段(67,68)を備え、前記ブレーキ手段(67,68)は前進走行レンジおよび後進走行レンジ間のシフトチェンジ時に作動し、車速がゼロになると作動解除することを特徴とする車両用動力伝達装置。
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