JP6090633B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源により駆動される駆動源出力軸にクラッチを介して接続された変速機入力軸と、駆動輪に接続された変速機出力軸と、前記変速機入力軸の駆動力を変速して前記変速機出力軸にワンウェイクラッチを介して伝達可能なクランク式変速機構と、前記クランク式変速機構に対して並列に配置されて前記駆動源出力軸および前記変速機出力軸間で駆動力を伝達可能な補助動力伝達手段と、前記クラッチの係合/係合解除を制御するクラッチ制御手段とを備える車両用動力伝達装置に関する。
かかる補助動力伝達手段を備える車両用動力伝達装置は、下記特許文献1により公知である。この補助動力伝達手段は、クランク式変速機構の入力軸に相対回転自在に支持した駆動ギヤと、ディファレンシャルギヤのケーシングに固設した従動ギヤとを噛合させ、駆動ギヤをシンクロ装置で入力軸に結合することで、エンジンの駆動力を入力軸から駆動ギヤおよび従動ギヤを介してディファレンシャルギヤに伝達するようになっている。
特開2012−51539号公報
ところで、上記従来のものは、クランク式変速機構が故障して補助動力伝達手段による退避走行を行う場合に、エンジンの駆動力が故障したクランク式変速機構に伝達されるため、クランク式変速機構の故障が回転部分の固着故障である場合には退避走行が不能になる可能性がある。これを回避するには、補助動力伝達手段とクランク式変速機構の入力軸との間にクラッチを設け、退避走行を行う場合にクラッチを係合解除してエンジンからクランク式変速機構に駆動力が伝達されないようにすれば良い。
しかしながら、このように構成すると、故障判定が誤りだった場合や、正常に戻った場合にクラッチを再係合したとき、エンジンからクランク式変速機構を介して駆動輪に予期せぬ駆動力が伝達される可能性がある。
また車両の急減速時にクランク式変速機構の偏心部材の偏心量がゼロに戻るのが遅れると、クランク式変速機構のワンウェイクラッチに大きな負荷が加わるため、クラッチを係合解除してエンジンとクランク式変速機構の入力軸とを切り離してワンウェイクラッチを保護することが考えられる。この場合にもクラッチの再係合が必要になるため、クラッチの再係合時に駆動輪に予期せぬ駆動力が伝達されて運転者に違和感を与える可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、駆動源およびクランク式変速機構間に動力伝達を遮断するクラッチを備える車両用動力伝達装置において、クラッチの係合による予期せぬ駆動力の伝達を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源により駆動される駆動源出力軸にクラッチを介して接続された変速機入力軸と、駆動輪に接続された変速機出力軸と、前記変速機入力軸の駆動力を変速して前記変速機出力軸にワンウェイクラッチを介して伝達可能なクランク式変速機構と、前記クランク式変速機構に対して並列に配置されて前記駆動源出力軸および前記変速機出力軸間で駆動力を伝達可能な補助動力伝達手段と、前記クラッチの係合/係合解除を制御するクラッチ制御手段とを備える車両用動力伝達装置であって、前記クラッチ制御手段は、前記ワンウェイクラッチが係合解除状態にあることを条件に前記クラッチを係合解除状態から係合状態に移行させることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記変速機出力軸および前記駆動輪間の駆動力伝達経路を遮断/接続する断接機構を備え、前記駆動源は、非駆動レンジにおいて前記断接機構が前記駆動力伝達経路を遮断するときに始動可能であり、かつ駆動レンジにおいて前記断接機構が前記駆動力伝達経路を接続するときに始動不能であり、前記クラッチ制御手段は前記駆動源の始動時に前記クラッチを係合解除状態から係合状態に移行させることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記クランク式変速機構は、前記変速機入力軸からの偏心量が可変な偏心部材と、前記偏心部材を前記ワンウェイクラッチに接続するコネクティングロッドとを備え、前記クラッチ制御手段は前記偏心部材の偏心量がゼロであることを条件に前記クラッチを係合解除状態から係合状態に移行させることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の入力軸本体部11Aは本発明の変速機入力軸に対応し、実施の形態の入力軸上流部11Bは本発明の駆動源出力軸に対応し、実施の形態の出力軸下流部12Bは本発明の変速機出力軸に対応し、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の偏心部材に対応し、実施の形態の第1ワンウェイクラッチ21は本発明のワンウェイクラッチに対応し、実施の形態の乾式クラッチ52は本発明のクラッチに対応し、実施の形態の電子制御ユニット60は本発明のクラッチ制御手段に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応し、実施の形態の第1動力伝達切換機構S1は本発明の断接機構に対応し、実施の形態の変速ユニットUは本発明のクランク式変速機構に対応する。
請求項1の構成によれば、駆動源により駆動される駆動源出力軸にクラッチを介して接続された変速機入力軸と、駆動輪に接続された変速機出力軸と、変速機入力軸の駆動力を変速して変速機出力軸にワンウェイクラッチを介して伝達可能なクランク式変速機構と、クランク式変速機構に対して並列に配置されて駆動源出力軸および変速機出力軸間で駆動力を伝達可能な補助動力伝達手段とを備えるので、変速機入力軸が固着して回転不能になったとき、クラッチを係合解除して駆動源出力軸を変速機入力軸から切り離し、駆動源の駆動力を駆動源出力軸から補助動力伝達手段を介して変速機出力軸に伝達することで、駆動源の駆動力で車両を修理工場まで退避走行させることができる。
クラッチの係合/係合解除を制御するクラッチ制御手段は、ワンウェイクラッチが係合解除状態にあることを条件にクラッチを係合解除状態から係合状態に移行させるので、クラッチの係合と同時に駆動力が予期せずに駆動輪に伝達されるのを確実に防止することができる。
また請求項2の構成によれば、変速機出力軸および駆動輪間の駆動力伝達経路を遮断/接続する断接機構を備え、駆動源は、非駆動レンジにおいて断接機構が駆動力伝達経路を遮断するときに始動可能であり、かつ駆動レンジにおいて断接機構が駆動力伝達経路を接続するときに始動不能であり、クラッチ制御手段は駆動源の始動時にクラッチを係合解除状態から係合状態に移行させるので、クラッチが係合するときに断接機構が変速機出力軸および駆動輪間の駆動力伝達経路を遮断していることが保証され、これによりクラッチの係合と同時に駆動源の駆動力が予期せずに駆動輪に伝達されるのを一層確実に防止することができる。
また請求項3の構成によれば、クランク式変速機構は、変速機入力軸からの偏心量が可変な偏心部材と、偏心部材をワンウェイクラッチに接続するコネクティングロッドとを備え、クラッチ制御手段は偏心部材の偏心量がゼロであることを条件にクラッチを係合解除状態から係合状態に移行させるので、偏心部材の慣性モーメントが最小の状態でクラッチが係合することで、クラッチが受ける負荷を軽減して該クラッチの小型化を図ることができる。
車両用動力伝達装置のスケルトン図。 図1の2部詳細図。 図2の3−3線断面図(OD状態)。 図2の3−3線断面図(GN状態)。 OD状態での作用説明図。 GN状態での作用説明図。 図1の7部詳細図。 第1、第2噛合切換機構の係合表。 パーキングレンジにおけるトルクフロー図。 リバースレンジにおけるトルクフロー図。 ニュートラルレンジにおけるトルクフロー図。 ドライブレンジにおけるトルクフロー図(通常走行状態)。 ドライブレンジにおけるトルクフロー図(エンジンブレーキ状態)。 ドライブレンジにおけるトルクフロー図(アイドリングストップ状態)。 ドライブレンジにおけるトルクフロー図(フェール状態)。 図1の16部詳細図。
以下、図1〜図16に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、無段変速機Tと、第1動力伝達切換機構S1と、第2動力伝達切換機構S2と、ディファレンシャルギヤDとを備える。第1動力伝達切換機構S1は、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換え可能である。第2動力伝達切換機構S2は、通常走行・エンジンブレーキ状態、アイドリングストップ状態およびフェール状態を切り換え可能である。
次に、図1〜図7に基づいて車両用動力伝達装置の構造を説明する。
図1に示すように、入力軸11は、入力軸本体部11Aと、入力軸本体部11Aよりも駆動力伝達方向上流側(エンジンE側)の入力軸上流部11Bとからなり、入力軸本体部11Aは無段変速機Tに接続され、入力軸上流部11BはエンジンEに接続される。入力軸上流部11Bと入力軸本体部11Aとの間にはダンパー51および乾式クラッチ52が設けられる。乾式クラッチ52は通常時には係合状態に維持されるが、後述する入力軸本体部11Aの固着時に係合解除され、入力軸本体部11Aおよび入力軸上流部11Bを切り離す。
また第1出力軸12は、出力軸本体部12Aと、出力軸本体部12Aよりも駆動力伝達方向下流側(駆動輪W,W側)の出力軸下流部12Bとからなり、出力軸本体部12Aは無段変速機Tに接続され、出力軸下流部12Bは第2動力伝達切換機構S2に接続される。出力軸本体部12Aおよび出力軸下流部12Bは常時一体である。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の変速ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の第1出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて第1出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの変速ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
第1出力軸12の外周に設けられた第1ワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて第1出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の変速ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
図1から明らかなように、無段変速機Tは、上記4個の変速ユニットU…とは別経路で駆動力を伝達可能な補助的な動力伝達経路を備える。即ち、ダンパー51の下流側に設けた入力ギヤ26と、出力軸本体部12Aの下流側の出力軸下流部12Bの外周に相対回転自在に嵌合する伝達軸13に設けた出力ギヤ27とがアイドルギヤ28を介して接続されており、これら入力ギヤ26、出力ギヤ27およびアイドルギヤ28は補助動力伝達手段29を構成する。
図7から明らかなように、第1動力伝達切換機構S1は、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第1出力軸12に加えて、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第2出力軸31と、この第2出力軸31に外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第3出力軸32とを備える。第1出力軸12の出力軸下流部12Bの右端に第4外周スプライン12aが形成され、第2出力軸31の左端に第5外周スプライン31aが形成され、第3出力軸32の左端に第6外周スプライン32aが形成される。
ドグクラッチよりなる第1噛合切換機構33を構成する第4外周スプライン12a、第5外周スプライン31aおよび第6外周スプライン32aは軸方向に整列しており、第5外周スプライン31aおよび第6外周スプライン32aの外径は相互に等しく、かつ第4外周スプライン12aの外径よりも小さくなっている。また第1噛合切換機構33のスリーブ34は、外径が大きい第2内周スプライン34aと、外径が小さい第3内周スプライン34bとを備えており、第2内周スプライン34aは第4外周スプライン12aに常時噛合し、第3内周スプライン34bは第6外周スプライン32aに常時噛合し、第3内周スプライン34bは図7に示す左動時にのみ第5外周スプライン31aに噛合する。つまり、スリーブ34がフォーク34cで図7に示す左動状態から右動すると第3内周スプライン34bと第5外周スプライン31aとの噛合が解除される。
遊星歯車機構35は、第1要素としてのサンギヤ36と、第3要素としてのキャリヤ37と、第2要素としてのリングギヤ38と、キャリヤ37に相対回転自在に支持された複数のピニオン39…とを備えており、ピニオン39…はサンギヤ36およびリングギヤ38に噛合する。サンギヤ36は第3出力軸32の右端に接続され、リングギヤ38は第2出力軸31の右端に接続される。
キャリヤ37の外周部に形成した外周スプライン37aとケーシング42に形成した外周スプライン42aとに、ドグクラッチよりなる第2噛合切換機構40のスリーブ41に形成した第1内周スプライン41aが噛合する。従って、スリーブ41がフォーク41bで図7に示す位置に左動すると、キャリヤ37がケーシング42から切り離され、スリーブ41がフォーク41bで図8に示す位置から右動すると、キャリヤ37がケーシング42に結合される。
第2動力伝達切換機構S2は、伝達軸13および出力軸下流部12B間に設けられるもので、伝達軸13に設けられた第1外周スプライン13aと、出力軸下流部12Bに設けられた第2外周スプライン12bおよび第3外周スプライン12cと、内周スプライン43aを備えるスリーブ43と、スリーブ43を駆動するフォーク43bと、出力軸下流部12Bおよび第2外周スプライン12b間に配置された第2ワンウェイクラッチ45とを備える。
スリーブ43は、第1外周スプライン13aおよび第2外周スプライン12bを結合する左動位置と、第1外周スプライン13a、第2外周スプライン12bおよび第3外周スプライン12cを結合する中央位置と、第2外周スプライン12bおよび第3外周スプライン12cを結合する右動位置とをとることができる。また出力軸下流部12Bおよび第2外周スプライン12b間に配置された第2ワンウェイクラッチ45は、出力軸下流部12Bの回転数が伝達軸13の回転数を上回ったときに係合する。
ディファレンシャルギヤDの外郭を構成するディファレンシャルケース47は第2出力軸31の右端に接続される。ディファレンシャルギヤDは、ディファレンシャルケース47に固定したピニオンシャフト48に回転自在に支持した一対のピニオン49,49と、車軸10,10の端部に固設されてピニオン49,49に噛合するサイドギヤ50,50とを備える。
図16に示すように、エンジンEに接続された入力軸上流部11Bに設けられたダンパー51の径方向内側に配置された乾式クラッチ52は、変速ユニットU…側からエンジンE側に向かって順番に積層されたクラッチ入力部材53、クラッチ出力部材54およびクラッチ作動部材55を備える。ダンパー51の出力側に接続されたクラッチ入力部材53には補助動力伝達手段29の入力ギヤ26が一体に形成され、変速機ケース56にボールベアリング57を介して回転軸に支持される。クラッチ出力部材54は入力軸本体部11Aに接続され、クラッチ作動部材55は中空の入力軸本体部11Aの内部を同軸に貫通するクラッチ作動ロッド58を介してクラッチアクチュエータ59に接続される。
クラッチ作動ロッド58は図示せぬスプリングで図中左側に付勢され、クラッチ作動ロッド58によりクラッチ作動部材55がクラッチ出力部材54をクラッチ入力部材53に押し付け、クラッチ出力部材54およびクラッチ入力部材53が一体化することで、乾式クラッチ52が係合して入力軸上流部11Bおよび入力軸本体部11Aが一体に結合される。クラッチアクチュエータ59でクラッチ作動ロッド58を図中右側に駆動すると、クラッチ作動部材55による押圧が解除されてクラッチ出力部材54およびクラッチ入力部材53が離間し、乾式クラッチ52が係合解除して入力軸上流部11Bおよび入力軸本体部11A間の駆動力の伝達が解除される。
乾式クラッチ52のクラッチアクチュエータ59を制御する電子制御ユニット60には、第1ワンウェイクラッチ21…の係合状態を検出するワンウェイクラッチ係合状態検出手段61と、偏心ディスク18の偏心量を検出する偏心量検出手段62と、無段変速機Tのシフトレンジを検出するシフトレンジ検出手段63とが接続される。ワンウェイクラッチ係合状態検出手段61は、アウター部材22およびインナー部材23の相対回転方向に基づいて第1ワンウェイクラッチ21が係合状態にあるか係合解除状態にあるかを検出する。偏心量検出手段62は変速アクチュエータ14の作動状態に基づいて偏心ディスク18の偏心量を検出する。シフトレンジ検出手段63はシフトレバーの位置に基づいて無段変速機Tのシフトレンジが走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)および非走行レンジ(Nレンジ、Pレンジ)の何れにあるかを検出する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの変速ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機Tの変速比はOD(オーバードライブ)状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量がゼロになって無段変速機Tの変速比はGN(ギヤドニュートラル)状態になる。
図5に示すOD状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、第1ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して第1出力軸12に伝達されるため、第1出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして第1出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ第1出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、第1出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、GN状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、第1出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のOD状態と図4のGN状態との間に設定すれば、最小変速比および最大(無限大)変速比間の任意の変速比での運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個の第1ワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、第1出力軸12を連続回転させることができる。
次に、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジを切り換える第1動力伝達切換機構S1の作用を説明する。
図8および図9に示すように、第1噛合切換機構33のスリーブ34を左動し、第1出力軸12の出力軸下流部12B、第2出力軸31および第3出力軸32を一体に結合するとともに、第2噛合切換機構40のスリーブ41を右動して遊星歯車機構35のキャリヤ37をケーシング42に結合すると、パーキングレンジが確立する。
パーキングレンジでは、ディファレンシャルケース47と一体の第2出力軸31が遊星歯車機構35のリングギヤ38に結合されるとともに、前記第2出力軸31が第1噛合切換機構33および第3出力軸32を介して遊星歯車機構35のサンギヤ36に接続され、更に遊星歯車機構35のキャリヤ37が第2噛合切換機構40を介してケーシング42に結合される。その結果、遊星歯車機構35はロック状態になり、それにディファレンシャルギヤDを介して接続された駆動輪W,Wが回転不能に拘束される。
図8および図10に示すように、第1噛合切換機構33のスリーブ34を右動し、出力軸下流部12Bおよび第3出力軸32を結合して第2出力軸31を切り離すとともに、第2噛合切換機構40のスリーブ41を右動して遊星歯車機構35のキャリヤ37をケーシング42に結合すると、リバースレンジが確立する。
リバースレンジでは、無段変速機Tから第1出力軸12の出力軸下流部12Bに出力された駆動力が第1噛合切換機構33→第3出力軸32→サンギヤ36→キャリヤ37→リングギヤ38の経路でディファレンシャルケース47に伝達され、同時に遊星歯車機構35において減速されて逆回転となることで、車両を後進走行させることができる。
図8および図11に示すように、第1噛合切換機構33のスリーブ34を右動し、出力軸下流部12Bおよび第3出力軸32を結合して第2出力軸31を切り離すとともに、第2噛合切換機構40のスリーブ41を左動して遊星歯車機構35のキャリヤ37をケーシング42から切り離すと、ニュートラルレンジが確立する。
ニュートラルレンジでは、遊星歯車機構35のキャリヤ37がケーシング42から切り離されるため、リングギヤ38が自由に回転可能になり、かつ第2出力軸31が自由に回転可能になるため、ディファレンシャルケース47が自由に回転可能になって駆動輪W,Wが拘束されない状態となる。この状態でエンジンEの駆動力は、無段変速機Tから出力軸下流部12B→第1噛合切換機構33→第3出力軸32の経路でサンギヤ36に伝達されるが,キャリヤ37が拘束されていないために遊星歯車機構35が空転し、駆動力がディファレンシャルギヤDに伝達されることはない。
図9および図12に示すように、第1噛合切換機構33のスリーブ34を左動し、出力軸下流部12B、第2出力軸31および第3出力軸32を一体に結合するとともに、第2噛合切換機構40のスリーブ41を左動して遊星歯車機構35のキャリヤ37をケーシング42から切り離すと、ドライブレンジが確立する。
ドライブレンジでは、遊星歯車機構35のリングギヤ38とサンギヤ36とが第1噛合切換機構33で結合されるため、遊星歯車機構35は一体に回転可能な状態になる。その結果、無段変速機Tから出力軸下流部12Bに出力された駆動力が第1噛合切換機構33→第2出力軸31の経路で、あるいは第1噛合切換機構33→第3出力軸32→サンギヤ36→キャリヤ37→リングギヤ38の経路でディファレンシャルケース47に伝達され、車両を前進走行させることができる。
以上のように、本実施の形態の無段変速機Tの第1出力軸12は、第1ワンウェイクラッチ21…を介して駆動力が伝達されるために前進走行方向にしか回転することができないが、前後進切換機能を有する第1動力伝達切換機構S1を第1出力軸12の下流側に配置したことで、後進走行用の電動モータを設けてハイブリッド化することなく、車両を後進走行させることができる。
しかも第1動力伝達切換機構S1はドライブレンジおよびリバースレンジ以外にパーキングレンジおよびニュートラルレンジを確立可能であるため、動力伝達装置自体を更に小型軽量化することができる。
次に、エンジンブレーキ状態、アイドリングストップ状態およびフェール状態を切り換える第2動力伝達切換機構S2の作用を説明する。
図10および図12に示すように、第1動力伝達切換機構S1が上述したパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジの何れかにある通常状態では、第2動力伝達切換機構S2のスリーブ41は左動して伝達軸13の第1外周スプライン13aと出力軸下流部12Bの第2外周スプライン12bとを接続している。従って、ドライブレンジあるいはリバースレンジでの走行中に、エンジンEの駆動力は入力軸11から変速ユニットU…を介して出力軸下流部12Bに伝達されるだけでなく、入力軸11から入力ギヤ26、アイドルギヤ28および出力ギヤ27よりなる補助動力伝達手段29を介して伝達軸13に伝達され、伝達軸13の第1外周スプライン13aから出力軸下流部12Bの第2外周スプライン12bに伝達される。
しかしながら、変速ユニットU…の変速比は補助動力伝達手段29の変速比よりも大きく設定されているため、伝達軸13の回転数(つまり第2外周スプライン12bの回転数)は出力軸下流部12Bの回転数よりも大きくなり、第2ワンウェイクラッチ45は係合解除して補助動力伝達手段29を介しての動力伝達は行われず、変速ユニットU…を介しての動力伝達で車両は前進走行あるいは後進走行する。
ドライブレンジでの前進走行中に車両が減速状態に移行すると、図13に示すように、エンジン回転数が低下することで変速ユニットU…の第1ワンウェイクラッチ21…は係合解除し、駆動輪W,Wからの駆動力はディファレンシャルギヤDおよび第1動力伝達切換機構S1を介して出力軸下流部12Bに伝達される。このとき、出力軸下流部12Bの回転数は入力軸11に補助動力伝達手段29を介して接続された伝達軸13の回転数(つまり第2外周スプライン12bの回転数)よりも大きくなり、第2ワンウェイクラッチ45が係合することで出力軸下流部12Bの駆動力は補助動力伝達手段29および入力軸11を介してエンジンEに逆伝達され、エンジンブレーキを作動させることができる。
リバースレンジでの後進走行中に車両が減速した場合であっても、出力軸下流部12Bはドライブレンジでの前進走行中と同方向に回転するため、同様にエンジンブレーキを作動させることができる。
ドライブレンジでの前進走行中に車両が更に減速すると、図14に示すように、第2動力伝達切換機構S2のスリーブ41を右動して出力軸下流部12Bの第2外周スプライン12bおよび第3外周スプライン12cを結合する。その結果、駆動輪W,Wから逆伝達される駆動力で回転する出力軸下流部12Bが伝達軸13から(つまりエンジンEから)切り離されるため、減速走行中のアイドリングストップが可能になって燃料消費量の節減が可能になる。
変速ユニットU…が故障して車両が走行不能になった場合には、図15に示すように、第2動力伝達切換機構S2のスリーブ41を中央位置にして伝達軸13の第1外周スプライン13aおよび出力軸下流部12Bの第2外周スプライン12bおよび第3外周スプライン12cを結合する。その結果、伝達軸13および出力軸下流部12Bは第2ワンウェイクラッチ45を介さずに直結されるため、エンジンEの駆動力を入力軸11から補助動力伝達手段29、伝達軸13、出力軸下流部12B、第1動力伝達切換機構S1およびディファレンシャルギヤDを介して駆動輪W,Wに伝達し、修理工場まで車両を前進走行あるいは後進走行させることができる。
ところで、入力軸本体部11Aを支持するボールベアリング(不図示)やコネクティングロッド19のリング部19bを支持するボールベアリング20(図3参照)の破損により、入力軸本体部11Aが回転不能に固着する故障が発生する場合がある。かかる故障が発生した場合、エンジンEと入力軸本体部11Aとが切り離し不能に接続されていると、エンジンEがストールして運転することができないために車両が走行不能になる問題がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、入力軸本体部11Aが固着したときに乾式クラッチ52を係合解除することで入力軸本体部11Aから入力軸上流部11Bが切り離されるため、図15で説明したフェール状態のモードに切り換えることで、補助動力伝達手段29によりエンジンEの駆動力を入力軸上流部11Bから出力軸下流部12Bに無段変速機Tを介さずに伝達して車両を退避走行させることができる。
この退避走行の間は、エンジンEおよび駆動輪W,Wが直結されるため、エンジンブレーキを作動させることも可能であるが、車両が停止すると駆動輪W,Wに直結されたエンジンEがストールする問題がある。しかしながら、本実施の形態によれば、車両が停止したときに第2動力伝達切換機構S2のスリーブ41を左動し、伝達軸13の第1外周スプライン13aと出力軸下流部12Bの第2外周スプライン12bとを接続すると、伝達軸13に入力されたエンジンEの駆動力は第2ワンウェイクラッチ45がスリップすることで出力軸下流部12Bに伝達されなくなり、車両が停止した状態でもエンジンEをストールさせることなくアイドリング運転することができる。
尚、入力軸本体部11Aの固着以外の故障の場合は、入力軸本体部11Aが回転可能であるために必ずしも乾式クラッチ52を係合解除する必要がないが、乾式クラッチ52を係合解除して入力軸上流部11Bから入力軸本体部11Aを切り離せば、無段変速機Tの引きずりを防止して燃料消費量を節減することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、車両用動力伝達装置の軸方向寸法を大型化する電動モータを必要とせずに車両の前進走行および後進走行を可能にしながら、前進走行時にも後進走行時にもエンジンブレーキを可能にすることができ、しかも車両の減速走行中のアイドリングストップや、変速ユニットU…の故障時の走行が可能になる。また車両用動力伝達装置はエンジンEが接続される入力軸11側の軸方向寸法が大型化し易いが、伝達軸13を第1出力軸12側に設けることで入力軸11側の軸方向寸法の大型化を抑制し、全体として車両用動力伝達装置の軸方向寸法を最小限に抑えることができる。
また入力軸本体部11Aおよび入力軸上流部11B間に乾式クラッチ52を配置したことにより、入力軸本体部11Aが固着故障しても車両を退避走行させることができる。また軸方寸法が小さい乾式クラッチ52を採用したことで、車両用動力伝達装置の軸方向寸法の大型化を回避することができる。しかもダンパー51をエンジンEと入力軸上流部11Bとの間に配置したので、退避走行の間もダンパー51の制振機能を発揮させて乗り心地を確保することができる。
さて、退避走行を行うために係合解除した乾式クラッチ52を再係合させるとき、エンジンEの駆動力が予期せずに駆動輪W,Wに伝達されて運転者に違和感を与えたり、無段変速機Tの第1ワンウェイクラッチ21…に過剰な負荷が加わったりする問題があるが、本実施の形態によれば、電子制御ユニット60によるクラッチアクチュエータ59の制御で上記問題を解決している。
即ち、乾式クラッチ52のクラッチアクチュエータ59を制御する電子制御ユニット60のワンウェイクラッチ係合状態検出手段61が第1ワンウェイクラッチ21…が係合解除状態にあることを検出し、かつ偏心量検出手段62が変速ユニットUの偏心ディスク18の偏心量がゼロであることを検出し、かつシフトレンジ検出手段63が無段変速機Tのシフトレンジが非走行レンジ(Nレンジ、Pレンジ)にあることを検出すると、乾式クラッチ52の係合が許可される。
第1ワンウェイクラッチ21…が係合解除状態にあれば、変速ユニットUによる入力軸本体部11Aおよび出力軸本体部12A間の動力伝達が遮断されるため、乾式クラッチ52が係合してもエンジンEの駆動力が予期せずに駆動輪W,Wに伝達されるのを防止することができ、しかも急激な動力伝達により第1ワンウェイクラッチ21…に過剰な負荷が加わるのを防止することができる。また偏心ディスク18の偏心量がゼロの状態では、偏心ディスク18を含む入力軸本体部11Aの慣性モーメントが最小になるため、係合した瞬間における乾式クラッチ52の負荷が低減し、乾式クラッチ52を小型軽量化しても耐久性が確保されるだけでなく、駆動力が入力軸本体部11Aから出力軸本体部12Aに伝達されることもない。
またエンジンEは、非駆動レンジ(NレンジおよびPレンジ)において第1動力伝達切換機構S1が駆動力伝達経路を遮断するときに始動可能であり、かつ駆動レンジ(DレンジおよびRレンジ)において第1動力伝達切換機構S1が駆動力伝達経路を接続するときに始動不能であるが、クラッチ制御手段60はエンジンEの始動時(つまり非駆動レンジにあるとき)に乾式クラッチ52の係合を許可するので、乾式クラッチ52が係合するときに第1動力伝達切換機構S1が駆動力伝達経路を遮断していることが保証され、これにより乾式クラッチ52の係合と同時にエンジンEの駆動力が予期せずに駆動輪W,Wに伝達されるのを一層確実に防止することができる。
本実施の形態では、上記した三つの条件が全て成立したときに乾式クラッチ52の係合を許可しているが、それらのうちの一つの条件が成立したときに乾式クラッチ52の係合を許可しても良い。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のクラッチは実施の形態の乾式クラッチ52に限定されず、湿式クラッチであっても良い。
また実施の形態の補助動力伝達手段29はギヤを用いたものであるが、スプロケットおよびチェーンを用いたものであっても良い。
11A 入力軸本体部(変速機入力軸)
11B 入力軸上流部(駆動源出力軸)
12B 出力軸下流部(変速機出力軸)
18 偏心ディスク(偏心部材)
19 コネクティングロッド
21 第1ワンウェイクラッチ(ワンウェイクラッチ)
29 補助動力伝達手段
52 乾式クラッチ(クラッチ)
60 電子制御ユニット(クラッチ制御手段)
E エンジン(駆動源) S1 第1動力伝達切換機構(断接機構)
U 変速ユニット(クランク式変速機構)
W 駆動輪

Claims (3)

  1. 駆動源(E)により駆動される駆動源出力軸(11B)にクラッチ(52)を介して接続された変速機入力軸(11A)と、駆動輪(W)に接続された変速機出力軸(12B)と、前記変速機入力軸(11A)の駆動力を変速して前記変速機出力軸(12B)にワンウェイクラッチ(21)を介して伝達可能なクランク式変速機構(U)と、前記クランク式変速機構(U)に対して並列に配置されて前記駆動源出力軸(11B)および前記変速機出力軸(12B)間で駆動力を伝達可能な補助動力伝達手段(29)と、前記クラッチ(52)の係合/係合解除を制御するクラッチ制御手段(60)とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記クラッチ制御手段(60)は、前記ワンウェイクラッチ(21)が係合解除状態にあることを条件に前記クラッチ(52)を係合解除状態から係合状態に移行させることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記変速機出力軸(12B)および前記駆動輪(W)間の駆動力伝達経路を遮断/接続する断接機構(S1)を備え、前記駆動源(E)は、非駆動レンジにおいて前記断接機構(S1)が前記駆動力伝達経路を遮断するときに始動可能であり、かつ駆動レンジにおいて前記断接機構(S1)が前記駆動力伝達経路を接続するときに始動不能であり、前記クラッチ制御手段(60)は前記駆動源(E)の始動時に前記クラッチ(52)を係合解除状態から係合状態に移行させることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記クランク式変速機構(U)は、前記変速機入力軸(11A)からの偏心量が可変な偏心部材(18)と、前記偏心部材(18)を前記ワンウェイクラッチ(21)に接続するコネクティングロッド(19)とを備え、前記クラッチ制御手段(60)は前記偏心部材(18)の偏心量がゼロであることを条件に前記クラッチ(52)を係合解除状態から係合状態に移行させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
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