JP2015209878A - 車両用ベルト式無段変速機 - Google Patents

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【課題】アウタピストンと円筒状突部の環状先端面との当接部位の摩耗を抑制する。【解決手段】ベルト式無段変速機18によれば、外側筒部66の環状先端面65には、周方向に連なる環状溝150と、環状溝150と外側筒部66の内周面との間に設けられて環状溝150を外側筒部66の内周面に連通させる3個の内周側連通溝152a、152b、152cと、周方向において内周側連通溝152a、152b、152cと異なる位置で環状溝150と外側筒部66の外周面との間に設けられて環状溝150を外側筒部66の外周面に連通させる3個の外周側連通溝154a、154b、154cと、が設けられている。そのため、環状溝150の周方向全周に渡り作動油が流通し、環状先端面65は作動油により潤滑されることから、アウタピストン126と外側筒部66の環状先端面65との当接部位の摩耗が抑制される。【選択図】図5

Description

本発明は、車両用ベルト式無段変速機に関し、アウタピストンと円筒状突部の環状先端面との当接部位の摩耗を抑制する技術に関する。
互いに平行な一対の回転軸と、該一対の回転軸の一方の回転軸および他方の回転軸にそれぞれ設けられた有効径が可変な一対の可変プーリと、該一対の可変プーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを備えた車両用ベルト式無段変速機であって、前記可変プーリの軸方向に移動可能に設けられた可動プーリにベルト挟圧力を付与する油圧アクチュエータが、2つの油室が設けられることにより受圧面積が大きくされた、所謂ダブルチャンバタイプ或いはダブルピストンタイプである車両用ベルト式無段変速機が知られている。たとえば、特許文献1の車両用ベルト式無段変速機がそれである。
図6は、たとえば特許文献1などの従来の車両用ベルト式無段変速機の可動プーリへ油圧を供給する油圧アクチュエータの一例を拡大して示す図である。車両用ベルト式無段変速機210の可動プーリ212に推力を付与する油圧アクチュエータ230は、可動プーリ212側に開口した状態で回転軸234に固定された有底円筒状のアウタシリンダ部材214と、アウタシリンダ部材214内に収容される円筒部216と円筒部216の可動プーリ212側の一端から外周側へ突き出すフランジ部218とを有するインナシリンダ部材220と、アウタシリンダ部材214の内周面とインナシリンダ部材220の円筒部216の外周面との間に摺動可能に嵌め入れられたアウタピストン222と、アウタピストン222に環状先端面233が当接し且つ内周面にインナシリンダ部材220のフランジ部218の外周縁が摺動可能に嵌め入れられるようにその外周部が図示しない固定プーリとは反対側に円筒状に突き出されて形成された円筒状突部224を有している。このように構成された油圧アクチュエータ230は、アウタシリンダ部材214とアウタピストン222との間に構成される第1油室226と、インナシリンダ部材220と円筒状突部224との間に構成される第2油室228とを備えており、第1油室226および第2油室228に供給される油圧により、可動プーリ212には固定プーリとの間で伝動ベルトを挟圧する推力が付与される。
図7は、可動プーリ212の円筒状突部224の先端部を拡大して示す図であり、図8は、円筒状突部224を回転軸方向に見た図である。車両用ベルト式無段変速機210の可動プーリ212の円筒状突部224の環状先端面233には、円筒状突部224とインナシリンダ部材220とアウタピストン222とによって構成される室236内の作動油を遠心力により円筒状突部224の径方向外側へ排出する、円筒状突部224の径方向内側と外側とを連通する径方向溝238a、238b、238cが形成されている。回転軸234が回転されて室236の作動油に遠心力が作用されると、上記径方向溝238a、238b、238cを通じて円筒状突部224の径方向内側から外側(図8の矢印方向)へ作動油が排出される。
特開2009−2380号公報
ところで、上記のように構成された油圧アクチュエータ230は、アウタピストン222と円筒状突部224の環状先端面233との当接部位、殊に、硬さの低いアウタピストン222側が摩耗するという不都合があった。特に、車両用ベルト式無段変速機210が大容量化すると、可動プーリ212への推力が大きくされる必要があることから、第1油室226の油圧も大きくされる結果、アウタピストン222と円筒状突部224の環状先端面233との当接部位の摩耗はより大きな問題となる。これに対して、アウタピストン222と円筒状突部224の環状先端面233との当接部位の摩耗を防止するには、焼入れなどで上記アウタピストン222に表面硬化処理を施して当接部位を硬くする必要があるが、製造工程が複雑となって部品が高価となるという問題が生じる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、上記のような車両用ベルト式無段変速機において、アウタピストンと円筒状突部の環状先端面との当接部位の摩耗を抑制することにある。
本発明者は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、伝動ベルトを挟圧することによる図6の矢印方向への反力が可動プーリ212に作用されることにより、伝動ベルトが巻き掛けられた側の可動プーリ212のシーブ面232が固定プーリのシーブ面と離れる方向へ倒れ込むように変形し、円筒状突部224の環状先端面233からアウタピストン222に図6の矢印方向へ偏荷重が作用されて、径方向の微小摩擦を発生させつつアウタピストン222が図6の一点鎖線の矢印で示されるように円筒状突部224の環状先端面233に対して回転軸234まわりに相対回転すると推定された。そして、径方向溝238a、238b、238cでは、円筒状突部224の環状先端面233は作動油により十分に潤滑されないという結論に至った。このため、環状先端面233に周方向の環状溝を形成してそこに潤滑油を導くと、摩耗が格段に少なくなるという事実を見出した。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
すなわち、本発明の要旨とするところは、互いに平行な一対の回転軸と、該一対の回転軸の一方の回転軸および他方の回転軸にそれぞれ設けられた有効径が可変な一対の可変プーリと、該一対の可変プーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを備え、前記一対の可変プーリのうちの一方の可変プーリは、前記一方の回転軸に固定された固定プーリ、および該一方の回転軸に相対回転不能且つ軸方向の移動可能に設けられて該固定プーリとの間でV溝を形成する可動プーリから成る車両用ベルト式無段変速機であって、前記可動プーリに推力を付与する油圧アクチュエータは、有底円筒状を成し、前記可動プーリ側に開口するように前記一方の回転軸に固定されたアウタシリンダ部材と、該アウタシリンダ部材内に収容される円筒部と該円筒部の前記可動プーリ側の一端から外周側へ突き出すフランジ部とを有するインナシリンダ部材と、前記アウタシリンダ部材の内周面と前記インナシリンダ部材の円筒部の外周面との間に摺動可能に嵌め入れられて該アウタシリンダ部材との間に第1油室を形成するアウタピストンと、前記アウタピストンに当接する環状先端面を有し、内周面に前記インナシリンダ部材のフランジ部の外周縁部が摺動可能に嵌め入れられるように前記可動プーリの外周部から前記固定プーリとは反対側から円筒状に突き出して、該インナシリンダ部材との間に第2油室を形成する円筒状突部とを含み、前記円筒状突部の環状先端面には、周方向に連なる環状溝と、該環状溝と前記円筒状突部の内周面との間に設けられて該環状溝を前記円筒状突部の内周面に連通させる1又は2以上の内周側連通溝と、周方向において該内周側連通溝と異なる位置で前記環状溝と前記円筒状突部の外周面との間に設けられて前記環状溝を前記円筒状突部の外周面に連通させる1又は2以上の外周側連通溝と、が設けられていることを特徴とする車両用ベルト式無段変速機にある。
本発明の車両用ベルト式無段変速機によれば、前記円筒状突部の環状先端面には、周方向に連なる環状溝と、該環状溝と前記円筒状突部の内周面との間に設けられて該環状溝を該円筒状突部の内周面に連通させる1又は2以上の内周側連通溝と、周方向において該内周側連通溝と異なる位置で前記環状溝と前記円筒状突部の外周面との間に設けられて該環状溝を該円筒状突部の外周面に連通させる1又は2以上の外周側連通溝と、が設けられている。そのため、円筒状突部よりも内周側の作動油に遠心力が作用されると、作動油は内周側連通溝を通じて環状溝に流入し、環状溝に流入され径方向に移動不能となった作動油は、外周側連通溝を通じて円筒状突部よりも外周側へ流出されることから、環状溝の周方向全周に渡り作動油が流通し、環状先端面は作動油により潤滑される。これにより、アウタピストンと円筒状突部の環状先端面との当接部位の摩耗が抑制される。
本発明が適用された車両用動力伝達装置の骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置の一部であるベルト式無段変速機の構成を説明する断面図である。 図2のベルト式無段変速機の入力側可変プーリの可動プーリに推力を付与する入力側油圧アクチュエータの構成を拡大して示す図である。 図3の可動プーリの外側筒部の先端部を拡大して示す断面図である。 図3の可動プーリの外側筒部の環状先端面を示すために、入力軸方向に見た図である。 従来の車両用ベルト式無段変速機の可動プーリに推力を付与する油圧アクチュエータの一例を説明する断面図である。 図6の可動プーリの円筒状突部の先端部を拡大して示す断面図である。 図6の可動プーリの円筒状突部の環状先端面を示すために、回転軸方向に見た図である。
以下、本発明の車両用ベルト式無段変速機の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用された車両用動力伝達装置10の骨子図である。車両用動力伝達装置10は、横置き型の自動変速機であって、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、走行用の駆動源として内燃機関にて構成されているエンジン12を備えている。エンジン12の出力は、エンジン12のクランク軸、流体伝動装置としてのトルクコンバータ14から前後進切換装置16、入力軸36、ベルト式無段変速機(CVT)18、減速歯車装置20を介して終減速機22に伝達され、左右の駆動輪24L、24Rに分配される。
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、およびタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それらのポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間には、ロックアップクラッチ26が設けられており、図示しないロックアップの切換弁などよって係合側油室および解放側油室に対する油圧供給が切り換えられることにより、係合または解放されるようになっており、完全係合されることによってポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tは一体回転させられる。上記ポンプ翼車14pには、ベルト式無段変速機18を変速制御したりベルト狭圧力を発生させたり、或いは各部に潤滑油を供給したりするための油圧を油圧制御装置139へ供給する機械式のオイルポンプ28が設けられている。
前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに一体的に連結され、ベルト式無段変速機18の入力軸36は、キャリヤ16cに一体的に連結されている一方、キャリヤ16cとサンギヤ16sは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介してハウジングに選択的に固定されるようになっている。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。前後進切換装置16では、前進用クラッチC1が係合させられると共に後進用ブレーキB1が解放されることにより、前後進切換装置16は一体回転状態とされることにより前進用動力伝達経路が成立させられて、前進方向の駆動力がベルト式無段変速機18側へ伝達される。一方、後進用ブレーキB1が係合させられると共に前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換装置16は後進用動力伝達経路が成立させられて、入力軸36はタービン軸34に対して逆方向に回転させられるようになり、後進方向の駆動力がベルト式無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル(遮断状態)状態になる。
ベルト式無段変速機18は、互いに平行な第1軸心C1および第2軸心C2まわりに回転可能に設けられた入力軸36および出力軸44と、入力軸36に設けられている入力側部材である有効径が可変の入力側可変プーリ42と、出力軸44に設けられている出力側部材である有効径が可変の出力側可変プーリ46と、それらの可変プーリ42、46に巻き掛けられた摩擦接触する動力伝達部材として機能する伝動ベルト48とを備えており、可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。可変プーリ42および46は、入力軸36および出力軸44にそれぞれ固定された固定プーリ42aおよび46aと、入力軸36および出力軸44に対して軸心まわりの相対回転不能且つ、軸心方向の移動可能に設けられた可動プーリ42bおよび46bと、それらの間のV溝幅が可変とする推力を付与する入力側油圧アクチュエータ42cおよび出力側油圧アクチュエータ46cとを備えて構成されており、たとえば、入力側可変プーリ42の油圧アクチュエータ42cの作動油流量或いは油圧が制御されることにより、可変プーリ42、46の伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が連続的に変化させられる。また、出力側可変プーリ46の油圧アクチュエータ46cの油圧が制御されることにより、伝動ベルト48の張力が必要且つ充分に制御される。なお、本実施例の入力側可変プーリ42および出力側可変プーリ46が本発明の一対の可変プーリに対応し、入力側可変プーリ42が本発明の一方の可変プーリに対応している。また、入力軸36および出力軸44が本発明の一対の回転軸に対応しており、入力軸36が本発明の一方の回転軸に対応している。
図2は、図1の車両用動力伝達装置10の一部であるベルト式無段変速機18の構成を説明するための要部断面図である。入力軸36は、軸受52および軸受54によって回転可能に支持されており、図1に示すエンジン12の駆動力がトルクコンバータ14および前後進切換装置16を介して伝達されることで回転駆動される。出力軸44は、軸受56、58によって回転可能に支持されており、入力軸36の回転が伝動ベルト48を介して伝達されることで回転させられる。なお、この出力軸44の出力が、図1に示す減速歯車装置20および終減速機22を介して左右の駆動輪24に伝達される。
入力側可変プーリ42は、入力軸36に対して相対回転不能且つ軸心方向の移動不能に固定されている固定プーリ42aと、入力軸36に対して相対回転不能且つ軸心方向の移動可能に嵌め付けられている可動プーリ42bとを備えている。固定プーリ42aは、入力軸36と一体的に設けられた略円板状の部材であり、伝動ベルト48が巻き掛けられる側の壁面には所定の勾配を有するシーブ面60が形成されている。可動プーリ42bは、入力軸36の外周面に摺動可能に嵌め付けられている円筒状の内側筒部62と、その内側筒部62の固定プーリ42a側の端部から径方向外側に向かって伸びる略円錐板状の鍔部64と、その鍔部64の外周部から固定プーリ42aとは反対側から円筒状に突き出して固定プーリ42aから隔離する方向に伸びる、環状先端面65を有する外側筒部66とを、備えている。入力軸36の外周面には、円周上に軸心C1に平行な複数本のスプライン溝68が形成されているとともに、可動プーリ42bの内側筒部62の内周面にも同様に、円周上に軸心C1に平行な複数本のスプライン溝69が形成されている。これらのスプライン溝68およびスプライン溝69は、互いに円周方向において同じ位置に形成されており、これらのスプライン溝68、69内を複数個のボール70が介装されている。このボール70の介在により、入力軸36と可動プーリ42bとの相対回転が阻止されているとともに、ボール70が回転することで軸心C1方向への移動が可能となっている。なお、本実施例における外側筒部66が本発明の円筒状突部に対応している。
鍔部64の固定プーリ42a側の面には、シーブ面60と同じ勾配を有するシーブ面71が形成されている。これらのシーブ面60およびシーブ面71によってV字状のV溝が形成され、そのV溝に伝動ベルト48が巻き掛けられている。
可動プーリ42bには、可動プーリ42bの伝動ベルト48側とは反対側に形成されている入力側油圧アクチュエータ42cの第1油室72および第2油室73の油圧に基づく推力が付与される。第1油室72および第2油室73には、入力軸36内に軸心C1と平行に形成されている軸方向油路74、およびその軸方向油路74に径方向に形成されている径方向油路76、78を通って作動油が供給される。なお、この作動油の流量或いは油圧は、図示しない電子制御装置によって制御される変速制御弁などによって制御される。入力側油圧アクチュエータ42cは、本発明の油圧アクチュエータに対応する。
出力側可変プーリ46は、出力軸44に対して相対回転不能且つ軸心C2方向の移動不能に固定されている固定プーリ46aと、出力軸44に対して相対回転不能且つ軸心C2方向の移動可能に嵌め付けられている可動プーリ46bとを備えている。固定プーリ46bは、出力軸44と一定成形された略円板状の部材であり、伝動ベルト48が巻き掛けられる側の壁面には、所定の勾配を有するシーブ面86が形成されている。また、可動プーリ46bは、出力軸44の外周面に摺動可能に嵌め付けられている円筒状の内側筒部88と、その内側筒部88の固定プーリ46a側の端部から径方向外側に向かって伸びる略円板状の鍔部90と、その鍔部90の外周部から固定プーリ46aから隔離する方向に伸びる外側筒部92とを、備えている。出力軸44の外周面には、円周上に軸心C2に平行な複数本のスプライン溝94が形成されているとともに、可動プーリ46bの内側筒部88の内周面にも同様に、円周上に軸心C2に平行な複数本のスプライン溝96が形成されている。これらのスプライン溝94およびスプライン溝96は、互いに円周方向において同じ位置に形成されており、これらのスプライン溝94、96内に複数個のボール98が介装されている。このボール98の介在により、出力軸44と可動プーリ46bとの相対回転が阻止されているとともに、ボール98が回転することで軸心C2方向への移動が可能となっている。
鍔部90の固定プーリ46a側の面には、シーブ面86と同様の勾配を有するシーブ面100が形成されている。これらシーブ面86およびシーブ面100によってV字状のV溝が形成され、そのV溝に伝動ベルト48が巻き掛けられている。
可動プーリ46bは、可動プーリ46bの伝動ベルト48と反対側に形成されている第3油室102には、出力軸44内に軸心C2と平行に形成されている軸方向油路104、およびその軸方向油路104から径方向に形成されている径方向油路106、108を通って作動油が供給される。なお、この作動油の油圧は、図示しない電子制御装置によって制御されるベルト張力制御弁などによって制御される。
第3油室102は、可動プーリ46bおよびその可動プーリ46bに沿うように湾曲して形成されている第3油室形成部材110に囲まれるようにして構成されている。第3油室形成部材110の外周縁には、オイルシール112が配設されている。
図3は、入力側可変プーリ42の可動プーリ42bに推力を付与する入力側油圧アクチュエータ42cの構造を説明するために拡大して示す要部断面図である。
入力側油圧アクチュエータ42cは、軸受52と入力軸36に設けられた段付部116との間に挟まれているアウタシリンダ部材118およびインナシリンダ部材120と、アウタシリンダ部材118の円筒部122およびインナシリンダ部材120の円筒部124との間の径方向の隙間に介挿され、軸心C1方向に摺動可能なアウタピストン126と、可動プーリ42bとによって構成されている。
アウタシリンダ部材118は、入力軸36の外周面から径方向に伸びるとともに、軸受52とインナシリンダ部材120との間に挟まれている円板状の壁部128と、その壁部128の外周縁から可動プーリ42b側に開口するように軸心C1と平行に伸びる円筒部122とで構成されている。また、インナシリンダ部材120は、アウタシリンダ部材118の壁部128と入力軸36の段付部116との間に挟まれ、入力軸36から外周側に伸びる内側壁部130と、その内側壁部130の外周部から軸心C1と平行に伸び、アウタシリンダ部材118内に収容される円筒部124と、その円筒部124の可動プーリ42bの鍔部64側の端部から外周側に伸びるフランジ部132とによって構成されている。アウタシリンダ部材118とインナシリンダ部材120は、アウタシリンダ部材118の壁部128とインナシリンダ部材の内側壁部130が、軸受52を介して入力軸36の段付部116にナット134により締結されることにより軸心C1方向に移動不能とされている。
アウタピストン126は、インナシリンダ部材120の円筒部124の外周面とアウタシリンダ部材118の円筒部122の内周面との間を軸心C1方向に摺動可能に配設されている。第1油室72は、アウタシリンダ部材118、アウタピストン126およびインナシリンダ部材120とにより構成されている。アウタピストン126の内周縁には例えばリング状のオイルシール136が配設され、アウタピストン126の外周縁にはオイルシール138が配設されており、第1油室72内は油密に保たれている。インナシリンダ部材120の内側壁部130と円筒部124との境界付近すなわち内側壁部130の外周側端部には、第1油室72と第2油室73とを連通する連通油路140が設けられており、第1油室72には、第2油室73から連通油路140を通じて作動油が供給される。
第2油室73は、可動プーリ42bおよびインナシリンダ部材120に囲まれて構成されている。インナシリンダ部材120のフランジ部132の外周側端部にはオイルシール142が配設されており、可動プーリ42bの外周筒部66の内周面がフランジ部132の外周側端部に対して軸心C1方向に摺動可能にされている。可動プーリ42bの内側筒部62の固定プーリ42a側の端部には、内側筒部62の内周面と外周面とを貫設するように形成され、径方向油路78と第2油室73とを連通する連通油路144が設けられており、オイルポンプ28から圧送された作動油が軸方向油路74および径方向油路76と、軸方向油路74、径方向油路78および連通油路144とを通じて可動プーリ42bの位置に拘らず第2油室73へ供給される。
入力側油圧アクチュエータ42cの第1油室72および第2油室73にそれぞれ作動油が供給されると、その作動油の油圧に基づいて可動プーリ42bを軸心C1方向の固定プーリ42a側へ移動させる推力が発生する。ここで、第1油室72に供給される作動油の油圧によりアウタピストン126が可動プーリ42bの外側筒部66の環状先端面65に当接され、アウタピストン126との当接部位において環状先端面65が押圧されることにより、可動プーリ42bに上記推力が付与される。外側筒部66の環状先端面65に当接されたアウタピストン126は、高周波焼入れの有無、鍛造の有無、および材質の相違によって、外側筒部66よりも硬度が低い。
インナシリンダ部材120の円筒部124およびフランジ部132と、外側筒部66と、アウタピストン126とにより室146が構成されている。潤滑のため、オイルシール136、オイルシール142から漏出する作動油が充分であれば、不要であるが、好適には、インナシリンダ部材120には、円筒部124のフランジ部132側端部において円筒部124の内周面と外周面とが貫設され、第2油室73と室146とを連通する絞り油路148が設けられており、第2油室73から絞り油路148を通じて室146に作動油が供給される。
図4は、可動プーリ42bの外側筒部66の先端部を拡大して示す断面図であり、図5は、外側筒部66を入力軸36方向に見た図である。可動プーリ42bの外側筒部66の環状先端面65には、外側筒部66の外周面と内周面とのそれぞれから径方向に略等間隔を有しつつ周方向に連なる環状溝150が設けられている。また、環状先端面65には、環状溝150と外側筒部66の内周面との間に設けられて環状溝150を外側筒部66の内周面に連通させる内周側連通溝152a、152b、152cが、周方向において等間隔に3個設けられている。また、環状先端面65には、環状溝150と外側筒部66の外周面との間に設けられて環状溝150を外側筒部66の外周面に連通させる外周側連通溝154a、154b、154cが、周方向において等間隔に3個設けられている。3個の内周側連通溝152a、152b、152cと3個の外周側連通溝154a、154b、154cは、周方向において異なる位置に配置されており、具体的には、内周側連通溝152a、152b、152cと外周側連通溝154a、154b、154cが周方向において等間隔に交互となるように配置されている。
入力軸36が軸心C1まわりに回転され、可動プーリ42bおよび入力側油圧アクチュエータ42cが回転されると、室146内の作動油には内周側から外周側への遠心力が作用される。室146内の遠心力が作用された作動油は、図5の破線で示される矢印方向に内周側連通溝152aから環状溝150に流入され、径方向に行き場を失った作動油は環状溝150に沿って二方向に分かれ、一方の作動油は外周側連通溝154aを通じて、他方の作動油は外周側連通溝154cを通じて、室146の外部へ流出される。同様に、内周側連通溝152bから環状溝150に流入される作動油は、内周側連通溝152bの周方向において隣接する外周側連通溝154a、154bを通じて室146の外部へ流出され、内周側連通溝152cから環状溝150に流入される作動油は、内周側連通溝152cの周方向において隣接する外周側連通溝154b、154cを通じて室146の外部へ流出される。室146内から外部へ作動油が流出される過程で、作動油は環状溝150の周方向全周を流通するため、アウタピストン126と当接する管状先端面65が作動油により潤滑される。
また、内周側連通溝152a、152b、152cと外周側連通溝154a、154b、154cは、周方向において等間隔で交互に設けられており、内周側連通溝152a、152b、152cのそれぞれから環状溝150に流入された作動油は、内周側連通溝152a、152b、152cのそれぞれに対して周方向において隣接する3個の外周側連通溝154a、154b、154cのうちの2個を通じて均等に室146外部へ流出されるため、環状溝150の周方向全周に作動油が均等に行き渡ることから、環状先端面65の全体が等しく作動油により潤滑される。
上述のように、本実施例のベルト式無段変速機18によれば、外側筒部66の環状先端面65には、周方向に連なる環状溝150と、環状溝150と外側筒部66の内周面との間に設けられて環状溝150を外側筒部66の内周面に連通させる3個の内周側連通溝152a、152b、152cと、周方向において内周側連通溝152a、152b、152cと異なる位置で環状溝150と外側筒部66の外周面との間に設けられて環状溝150を外側筒部66の外周面に連通させる3個の外周側連通溝154a、154b、154cと、が設けられている。そのため、外側筒部66よりも内周側の室146内の作動油に遠心力が作用されると、作動油は内周側連通溝152a、152b、152cを通じて環状溝150に流入し、環状溝150に流入され径方向に移動不能となった作動油は、周方向において内周側連通溝152a、152b、152cのそれぞれを挟む位置に配置された3個の外周側連通溝152a、152b、152cのうちの2個を通じて外側筒部66よりも外周側へ流出されることから、環状溝150の周方向全周に渡り作動油が流通し、環状先端面65は作動油により潤滑される。これにより、アウタピストン126と外側筒部66の環状先端面65との当接部位の摩耗が抑制される。
以上、本発明を表及び図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
たとえば、前述の実施例1のベルト式無段変速機18においては、外側筒部66の環状先端面65には、3個の内周側連通溝152a、152b、152cおよび内周側連通溝152a、152b、152cと同数の3個の外周側連通溝154a、154b、154cが設けられていたが、内周側連通溝と外周側連通溝が周方向の異なる位置に配置される限りにおいてこれに限定されるものではなく、たとえば、2個以下、または4個以上の内周側連通溝および2個以下、または4個以上の外周側連通溝が環状先端面に設けられてもよい。また、たとえば内周側連通溝および外周側連通溝の周方向の長さなどが調節されて、内周側連通溝から環状溝に流入される単位時間当りの作動油の総量と外周側連通溝から外側筒部よりも外周側へ流出される単位時間当りの作動油の総量が等しい限りにおいて、内周側連通溝と外周側連通溝の個数は必ずしも同数である必要はない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
18:ベルト式無段変速機(車両用ベルト式無段変速機)
36:入力軸(一方の回転軸)
42:入力側可変プーリ(一方の可変プーリ)
42a:固定プーリ
42b:可動プーリ
42c:入力側油圧アクチュエータ(油圧アクチュエータ)
48:伝動ベルト
65:環状先端面
66:外側筒部(円筒状突部)
72:第1油室
73:第2油室
118:アウタシリンダ部材
120:インナシリンダ部材
124:円筒部
126:アウタピストン
132:フランジ部
150:環状溝
152a、152b、152c:内周側連通溝
154a、154b、154c:外周側連通溝

Claims (1)

  1. 互いに平行な一対の回転軸と、該一対の回転軸の一方の回転軸および他方の回転軸にそれぞれ設けられた有効径が可変な一対の可変プーリと、該一対の可変プーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを備え、前記一対の可変プーリのうちの一方の可変プーリは、前記一方の回転軸に固定された固定プーリ、および該一方の回転軸に相対回転不能且つ軸方向の移動可能に設けられて該固定プーリとの間でV溝を形成する可動プーリから成る車両用ベルト式無段変速機であって、
    前記可動プーリに推力を付与する油圧アクチュエータは、
    有底円筒状を成し、前記可動プーリ側に開口するように前記一方の回転軸に固定されたアウタシリンダ部材と、
    該アウタシリンダ部材内に収容される円筒部と該円筒部の前記可動プーリ側の一端から外周側へ突き出すフランジ部とを有するインナシリンダ部材と、
    前記アウタシリンダ部材の内周面と前記インナシリンダ部材の円筒部の外周面との間に摺動可能に嵌め入れられて該アウタシリンダ部材との間に第1油室を形成するアウタピストンと、
    前記アウタピストンに当接する環状先端面を有し、内周面に前記インナシリンダ部材のフランジ部の外周縁部が摺動可能に嵌め入れられるように前記可動プーリの外周部から前記固定プーリとは反対側から円筒状に突き出して、該インナシリンダ部材との間に第2油室を形成する円筒状突部とを含み、
    前記円筒状突部の環状先端面には、
    周方向に連なる環状溝と、
    該環状溝と前記円筒状突部の内周面との間に設けられて該環状溝を前記円筒状突部の内周面に連通させる1又は2以上の内周側連通溝と、
    周方向において該内周側連通溝と異なる位置で前記環状溝と前記円筒状突部の外周面との間に設けられて前記環状溝を前記円筒状突部の外周面に連通させる1又は2以上の外周側連通溝と、が設けられていることを特徴とする車両用ベルト式無段変速機。
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