JP2019060354A - 車両用無段変速機 - Google Patents

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亮 田中
Akira Tanaka
亮 田中
悟史 谷中
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Abstract

【課題】可動シーブとの接触に基づくシリンダ部材の摩耗を抑制するシート部材を備える車両用無段変速機を提供する。【解決手段】無段変速機18によれば、シリンダ部材82に接触するシート部材70の第1接触面100の外径D1は、可動シーブ74に接触するシート部材70の第2接触面102の内径d2よりも小さく形成されている。これにより、シート部材70が可動シーブ74に押圧された場合には、シート部材70は、可動シーブ74とシリンダ部材82との間で変形させられてシリンダ部材82に押さえつけられる。そのため、可動シーブ74がシート部材70を介してシリンダ部材82を押圧する押圧力は、シート部材70の変形によって緩和されるので、シート部材70が変形しない場合と比べて小さくなり、シリンダ部材82の摩耗を抑制することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用無段変速機に関し、特に、可動シーブとの接触に基づくシリンダ部材の摩耗を抑制する構造に関するものである。
(a)回転軸と一体的に回転する固定シーブと、(b)前記回転軸と一体的に回転し、前記回転軸の軸方向に沿って前記固定シーブに対して相対的に移動する可動シーブと、(c)前記回転軸と一体的に回転し、前記可動シーブとの間で油圧室を形成するシリンダ部材と、(d)前記シリンダ部材と前記可動シーブとの間に介在する環状のシート部材と、を含む有効径が可変の可変プーリを、備える車両用無段変速機が知られている。たとえば、特許文献1および特許文献2に記載の車両用無段変速機がそれである。
上記特許文献1および特許文献2に記載の車両用無段変速機では、可動シーブとシリンダ部材との間に環状のシート部材を介在させることによって、たとえば可動シーブが固定シーブから離間する方向に移動させられて位置決めされる場合に、可動シーブとシリンダ部材とが直接に当接することを回避している。これにより、可動シーブとシリンダ部材とが直接に当接する場合と比べて、シート部材の材料を可動シーブの強度よりも低くすることができるとともに、シリンダ部材の摩耗を抑制することができる。
特開平6−221396号公報 特開2010−242922号公報
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に記載の車両用無段変速機では、シート部材は、断面が矩形の環状板材であって、シリンダ部材に接触するシート部材の第1接触面の外径と可動シーブに接触するシート部材の第2接触面の外径とは略同じ大きさで形成されている。そのため、たとえば可変プーリが可変されて、可動シーブが固定シーブから離間する方向に移動させられて位置決めされる場合に、可動シーブがシート部材を介してシリンダ部材を押圧する押圧力は、そのままシリンダ部材に伝達される。これにより、シート部材を可動シーブとシリンダ部材との間に介在させた場合であっても、可動シーブの押圧力によるシリンダ部材の摩耗を回避することができないためシリンダ部材の強度を高める必要があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、可動シーブとの接触に基づくシリンダ部材の摩耗を抑制するシート部材を備える車両用無段変速機を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、(a)回転軸と一体的に回転する固定シーブと、(b)前記回転軸と一体的に回転し、前記回転軸の軸方向に沿って前記固定シーブに対して相対的に移動する可動シーブと、(c)前記回転軸と一体的に回転し、前記可動シーブとの間で油圧室を形成するシリンダ部材と、(d)前記シリンダ部材と前記可動シーブとの間に介在する環状のシート部材と、を含む有効径が可変の可変プーリを、備える車両用無段変速機であって、(e)前記シリンダ部材に接触する前記シート部材の第1接触面の外径は、前記可動シーブに接触する前記シート部材の第2接触面の内径よりも小さいことにある。
本発明の車両用無段変速機によれば、前記シリンダ部材に接触する前記シート部材の第1接触面の外径は、前記可動シーブに接触する前記シート部材の第2接触面の内径よりも小さく形成されている。これにより、たとえば前記可変プーリの可変による前記可動シーブの位置決めの際に、前記シート部材が前記可動シーブに押圧された場合には、前記シート部材は、前記可動シーブと前記シリンダ部材との間で変形させられて前記シリンダ部材に押し付けられる。そのため、前記可動シーブが前記シート部材を介して前記シリンダ部材を押圧する押圧力は、前記シート部材の変形によって緩和されるので、前記シート部材が変形しない場合と比べて前記押圧力は小さくなり、前記シリンダ部材の摩耗を抑制することができる。これにより、前記シリンダ部材の硬度或いは強度を下げることができる。
本発明が適用された車両用動力伝達装置の概略構成を説明する骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置に配設される無段変速機の可変プーリおよびその周辺の要部の断面図である。 図2のA部を拡大して示す図であり、無段変速機に備えられるシート部材およびその周辺の要部の断面図である。
本発明の一実施形態において、車両用無段変速機は、前記回転軸に螺合され、前記シリンダ部材の円板状端部および前記シート部材を前記回転軸に締結させるナットを備え、前記ナットの締結面の外径は、前記第1接触面の外径よりも大きく形成されている。これにより、たとえば前記シート部材が前記可動シーブに押圧された際に、前記ナットの締結面の外径が前記第1接触面の外径よりも小さく形成されている場合と比べて、前記シート部材は、前記ナットによる締結によって生じる軸力により軸受やシリンダ部材の倒れが抑制され、偏当たりを抑制できる。そのため、前記シリンダ部材は、前記シート部材との接触に基づく摩耗をより抑制することができる。
また、本発明の一実施形態において、前記シート部材は、前記第1接触面の外径端縁から外周側へ向かうほど厚さが減少するテーパ面を有している。これにより、前記シート部材は、テーパ面を有していない場合と比べて、前記可動シーブからの押圧力による変形に基づく破損を抑制することができる。
以下、本発明の一実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用された一例である車両用動力伝達装置10の骨子図である。図1において、車両用動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のものであり、車両用の駆動源として良く知られたエンジン12に連結されている。この車両用動力伝達装置10は、流体を媒体としてエンジン12のトルクを伝達する流体伝動装置いわゆるトルクコンバータ14を備えている。また、車両用動力伝達装置10は、トルクコンバータ14から伝達されたトルクの回転方向を、車両前進用の回転方向とその反対向きである車両後進用の逆回転方向との間で切り換える前後進切換装置16と、前後進切換装置16を介して伝達された回転を無段階に変速する車両用ベルト式無段変速機(以下、無段変速機という)18とを備えている。さらに、車両用動力伝達装置10は、無段変速機18の出力側に連結された減速歯車装置20と、その減速歯車装置20を介して伝達されたトルクを、左右一対の車輪22に対してそれらの回転差を許容しつつ伝達する良く知られた所謂傘歯車式の差動歯車装置24とを備えている。トルクコンバータ14のポンプ翼車26には、例えば無段変速機18の変速制御や前後進切換装置16の前後進切換制御に用いられる油圧等を発生させる機械式のオイルポンプ28が設けられている。
前後進切換装置16は、トルクコンバータ14のタービン軸30に連結されたサンギヤ32と、無段変速機18の回転軸すなわち入力軸56に連結され且つタービン軸30に対して前進用クラッチCを介して選択的に連結されるキャリア34と、非回転部材としてのトランスアクスルケース36に対して後進用ブレーキBを介して選択的に連結されるリングギヤ38とを、含むダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されている。前進用クラッチCおよび後進用ブレーキBは、何れもオイルポンプ28から油圧が供給されることによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。このような前後進切換装置16では、前進用クラッチCが係合されると共に後進用ブレーキBが解放されることにより、前記遊星歯車装置が一体回転状態とされて前進用動力伝達経路が成立するようになっている。前記前進用動力伝達経路が成立した場合には、トルクコンバータ14から伝達されたトルクがそのままの回転方向で無段変速機18に出力される。また、前後進切換装置16では、後進用ブレーキBが係合させられると共に前進用クラッチCが解放されることにより、前記遊星歯車装置が入出力逆回転状態とされて後進用動力伝達経路が成立するようになっている。前記後進用動力伝達経路が成立した場合には、トルクコンバータ14から伝達されたトルクが、その回転方向が逆回転にされて無段変速機18に出力される。また、前後進切換装置16は、例えばエンジン12が停止された非走行の場合においては、前進用クラッチCおよび後進用ブレーキBが共に解放されることにより、動力伝達を遮断するニュートラル状態とされる。
減速歯車装置20は、無段変速機18の出力軸40の外周面に相対回転不能に嵌合された第1ドライブギヤ42を備えている。また、減速歯車装置20は、出力軸40と平行に設けられ且つ回転可能に支持された伝達軸44と、その伝達軸44の外周面に相対回転不能に嵌合されて第1ドライブギヤ42に噛み合わされた第1ドリブンギヤ46とを備えている。さらに、減速歯車装置20は、伝達軸44の外周面から外周側へ突設された第2ドライブギヤ48と、伝達軸44と平行に設けられ且つ回転可能に支持された差動歯車装置24のデフケース50の外周面に相対回転不能に嵌合されて、第2ドライブギヤ48に噛み合わされた第2ドリブンギヤいわゆるデフリングギヤ52とを備えている。第1ドライブギヤ42および第2ドライブギヤ48は、第1ドリブンギヤ46および第2ドリブンギヤ52よりも小径に形成されている。このような減速歯車装置20では、車両の加速時には、無段変速機18の出力軸40から第1ドライブギヤ42に伝達されたトルクが、第1ドリブンギヤ46、伝達軸44、第2ドライブギヤ48、および第2ドリブンギヤ52をそれぞれ介して差動歯車装置24のデフケース50に出力される。また、減速歯車装置20では、車両の減速時には、差動歯車装置24のデフケース50から、第2ドリブンギヤ52、第2ドライブギヤ48、伝達軸44、および第1ドリブンギヤ46をそれぞれ介して第1ドライブギヤ42に伝達されたトルクが、無段変速機18の出力軸40に出力される。
無段変速機18は、入力軸56の外周側に設けられた可変プーリ58すなわちプライマリプーリ58と、出力軸40に設けられた可変プーリ62すなわちセカンダリプーリ62と、それらのプーリの間に巻き掛けられた伝動ベルト66とを備え、各プーリ58、62と伝動ベルト66との間の摩擦力すなわちベルト挟圧力を介して動力伝達が行われる。プライマリプーリ58では、プライマリプーリ58へ供給する油圧が図示されていない油圧制御回路によって調圧制御されることにより、後述するプライマリ側固定シーブ72、プライマリ側可動シーブ74間のV溝幅を変更するプライマリ推力Win(=プライマリ圧Pin×受圧面積)が付与される。又、セカンダリプーリ62においても、同様の制御が行われ、セカンダリ推力Wout(=セカンダリ圧Pout×受圧面積)が付与される。無段変速機18では、プライマリ推力Win及びセカンダリ推力Woutが各々制御されることで、プライマリプーリ58、セカンダリプーリ62のV溝幅が変化して伝動ベルト66の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=プライマリシーブ回転速度Npri/セカンダリシーブ回転速度Nsec)が変化させられると共に、伝動ベルト66が滑りを生じないように各プーリ58、62と伝動ベルト66との間の摩擦力すなわちベルト挟圧力が制御される。
図2は、図1の車両用動力伝達装置10に配設される無段変速機18のプライマリプーリ58およびその周辺の要部の断面図である。プライマリプーリ58は、軸受54を介して図2には図示しないトランスアクスルケース36に回転可能に支持されている入力軸56に一体成形されている円板状の固定シーブ72すなわちプライマリ側固定シーブ72を備えている。また、プライマリプーリ58は、その固定シーブ72との間にV字形状のV溝64を形成するように、入力軸56に相対回転不能且つ軸方向の相対移動可能である可動シーブ74すなわちプライマリ側可動シーブ74を備えている。さらに、プライマリプーリ58は、供給される油圧に応じてプライマリ側可動シーブ74(以下、可動シーブ74という)を軸方向に固定シーブ72に対して移動させて、プライマリ側固定シーブ72(以下、固定シーブ72という)と可動シーブ74とを軸方向に接近または離間させることにより、V溝64の溝幅を変化させる油圧アクチュエータ76とを備えている。固定シーブ72および可動シーブ74は、入力軸56と一体的に回転する。入力軸56は、その両端が図2には図示しないトランスアクスルケース36に嵌め着けられている軸受54によって軸心RC1周りに回転可能に支持されている。可動シーブ74の内側に形成されたスプライン歯と、入力軸56の外側に形成されたスプライン歯とがスプライン嵌合することで、可動シーブ74と入力軸56が相対回転不能かつ相対移動可能とされている。
プライマリプーリ58のプライマリ側固定シーブ72は、入力軸56の外周面から径方向に突き出す円板状の部材である。この固定シーブ72には、径方向に向かうに従って可動シーブ74から離間する方向にテーパ状に形成される固定シーブテーパ面78が形成されている。プライマリプーリ58の可動シーブ74は、内周部が入力軸56に対して軸方向の相対移動可能且つ軸心RC1まわりの相対回転不能にスプライン嵌合されているボス部74aと、そのボス部74aの軸方向において固定シーブ72側の端部から径方向に突き出す円板部74bと、その円板部74bの外周部から軸方向において固定シーブ72から遠ざかる方向に軸心RC1と並行に伸びる外周筒部74cと、から構成されている。外側筒部74cの外周部には、環状のシール溝92が形成されており、たとえばシール溝92には、溝内に図示しないOリングが設置されるとともに、断面が矩形の図示しないシールリングが設置されている。円板部74bには、径方向に向かうに従って固定シーブ72から離間する方向にテーパ状に形成される可動シーブテーパ面80とその背面側に背面部74dとが形成されている。この可動シーブ74に形成される可動シーブテーパ面80と、固定シーブ72に形成される固定シーブーパ面78によって、V溝64が形成される。
油圧アクチュエータ76は、入力軸56の可動シーブ74から可動シーブテーパ面80とは反対側の背面側へ突き出した部分に固定されて、入力軸56と一体的に回転するシリンダ部材82を備えている。シリンダ部材82は、有底円筒状に形成されて、環状のシート部材70と軸受54との間に締結されている。シリンダ部材82の底部である円板状端部96が、シート部材70を介して入力軸56の段差部56aと軸受54を介してナット68との間にナット68によって締結されることで、シリンダ部材82は軸方向への移動不能に固定されている。シリンダ部材82は、円板状端部96から断面形状が湾曲して形成される壁部82aと、その壁部82aの外周部から可動シーブ74の外側筒部74cの外周側に周方向に連続して突設され、可動シーブ74の外側筒部74cの外周面に対してシール部材70を介して摺接する筒部82bとを、有している。シリンダ部材82は、可動シーブ74と入力軸56とによって油密に囲まれる空間すなわち油圧室84を形成している。油圧室84には、トランスアクスルケース36に形成された図示しない第1油路と、入力軸56の内周側に形成され、前記第1油路に連結された第2油路88と、その第2油路88から入力軸56を径方向に貫通して形成された第3油路90とをそれぞれ通じて、オイルポンプ28から圧送された油圧が図示しない油圧制御回路により適宜調圧されて供給されるようになっている。
このようなプライマリプーリ58では、油圧室84に供給される油圧に応じて可動シーブ74が軸心RC1方向において固定シーブ72に接近または離間して、V溝64の幅が変化させられるようになっている。図2において、軸心RC1すなわち回転中心の上側に示す可動シーブ74は、固定シーブ72との間に形成されるV溝64が最大幅とされた状態を示している。この状態においては、伝動ベルト66の掛かり径が最小であり、変速比γは、最大変速比γmaxとなる。また、軸心RC1の下側に示す可動シーブ74は、固定シーブ72との間に形成されるV溝64が最小幅とされた状態を示している。この状態においては、伝動ベルト66の掛かり径が最大であり、変速比γは、最小変速比γminとなる。
図3は、図2のA部を拡大して示す図であり、無段変速機18に備えられるシート部材70およびその周辺の要部の断面図である。図3および図2に示すように、シート部材70は、シリンダ部材82と入力軸56の段差部56aとの間に挟圧されており、シリンダ部材82と接触する第1接触面100と、段差部56aと接触する第2接触面102とを有している。可動シーブ74が固定シーブ72から離間させる方向に移動させられた場合には、可動シーブ74は、第2接触面102に当接させられる。図3に示すように、第1接触面100の外径D1は、第2接触面102の内径d2よりも小さくなるように形成されている。シート部材70には、第1接触面100の外径D1端縁から第2接触面102の内径d2端縁すなわちシート部材70の外周部に向かって、シート部材70の厚さが減少するようにテーパ面106が形成されている。さらに、シート部材70は、テーパ面106の外周側縁部からシート部材70の外周部に向かって均一な厚さで突出している。シート部材70の外周面108すなわちシート部材70の外径D2で形成される部分の外周面108は、図3に示すように、可動シーブ74の軸方向であって可動シーブテーパ面80とは反対側の端部の外周面120よりも内側にある。また、シート部材70の外径D1を有する第1接触面100の外周縁の径方向位置は、可動シーブ74の内周部に形成されたスプライン溝と入力軸56の外周部に形成されたスプライン歯とでスプライン嵌合されているそのスプライン歯の歯先の径方向位置C2と略同じ位置にある。図3および図2に示すように、シート部材70が第1接触面100の外径D1が第2接触面102の内径d2よりも小さくなるように形成されていることにより、シート部材70とシリンダ部材82との間には逃げ空間が形成されている。そのため、シート部材70は、たとえば可変プーリ56の有効径の減少により可動シーブ74が固定シーブ72から離間させる方向に移動させられた場合に、伝動ベルト66の反力すなわち可動シーブ74により押圧される押圧力によって、シリンダ部材82に押し付けられると、シート部材70は逃げ空間を利用して変形するので、可動シーブ74からの偏当たり入力がそのままシリンダ部材82に伝達されない。
図3および図2に示すように、シート部材70およびシリンダ部材82は、軸受54を介してナット68が締結されることで軸方向への移動不能に固定されており、ナット68は、軸受54に接触する接触面すなわち締結面110を有している。図3に示すように、締結面110の外径D3は、第1接触面100の外径D1よりも大きくなるように形成されている。
以上のように構成された無段変速機18では、たとえば、可変プーリ58が可変されて、可動シーブ74が固定シーブ72から離間する方向に移動させられて位置決めされる場合に、シート部材70の第2接触面102は、可動シーブ74に当接させられる。その際、第1接触面100の外径D1が第2接触面102の内径d2よりも小さいことによって形成される逃げ空間を利用してシート部材70が変形させられることにより、可動シーブ74がシート部材70を介してシリンダ部材82を押圧する押圧力は緩和される。すなわち、シリンダ部材82は、第1接触面100の外径D1が第2接触面102の内径d2よりも大きい場合と比べて、シート部材70を介して可動シーブ74から押圧される押圧力は小さくなるので、シート部材70との接触に基づく摩耗が抑制される。
このように、本実施例の無段変速機18によれば、シリンダ部材82に接触するシート部材70の第1接触面100の外径D1は、可動シーブ74に接触するシート部材70の第2接触面102の内径d2よりも小さく形成されている。これにより、たとえば可変プーリ56の可変による可動シーブ74の位置決めの際に、シート部材70が可動シーブ74に押圧された場合には、シート部材70は、可動シーブ74とシリンダ部材82との間で変形させられてシリンダ部材82に押し付けられる。そのため、可動シーブ74がシート部材70を介してシリンダ部材82を押圧する押圧力は、シート部材70の変形によって緩和されるので、シート部材70が変形しない場合と比べて小さくなり、シリンダ部材82の摩耗を抑制することができる。また、可動シーブ74がシート部材70を介してシリンダ部材82を押圧する押圧力はシート部材70の変形によって緩和されることにより、シリンダ部材82の摩耗を抑制するためにたとえば熱処理などによってシリンダ部材82の強度を上げる必要がなくなるので、無段変速機18の高コスト化を防ぐことができる。
また、本実施例の無段変速機18によれば、入力軸56に螺合され、シリンダ部材82の円板状端部96およびシート部材70を入力軸56に締結させるナット68を備え、ナット68の締結面110の外径D3は、第1接触面100の外径D1よりも大きく形成されている。これにより、たとえばシート部材70が可動シーブ74に押圧された際に、ナット68の締結面110の外径D3が第1接触面100の外径D1よりも小さく形成されている場合と比べて、シート部材70は、ナット68による締結によって生じる軸力により軸受54やシリンダ部材82の倒れが抑制され、偏当たりを抑制できる。そのため、シリンダ部材82は、シート部材70との接触に基づく摩耗をより抑制することができる。
また、本実施例の無段変速機18によれば、シート部材70は、第1接触面100の外径D1端縁から外周側へ向かうほど厚さが減少するテーパ面106を有している。これにより、シート部材70は、テーパ面106を有していない場合と比べて、可動シーブ74からの押圧力による変形に基づく破損を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
たとえば、前述の実施例においては、シート部材70の外周面108は、可動シーブ74の軸方向であって可動シーブテーパ面80とは反対側の端部の外周面120よりも内側にあるが、必ずしもこれに限らず、シート部材70の外周面108は、可動シーブ74の軸方向であって可動シーブテーパ面80とは反対側の端部の外周面120と略同じ径方向位置にあってもよい。また、シート部材70の外径D1を有する第1接触面100の外周縁の径方向位置は、可動シーブ74の内周部に形成されたスプライン溝と入力軸56の外周部に形成されたスプライン歯とでスプライン嵌合されているそのスプライン歯の歯先の径方向位置C2と略同じ位置にあるが、必ずしもこれに限らず、シート部材70の外径D1を有する第1接触面100の外周縁の径方向位置は、径方向位置C2よりも径方向外側または径方向内側であってもよい。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
18:車両用無段変速機
56:入力軸(回転軸)
58:可変プーリ
70:シート部材
72:プライマリ側固定シーブ(固定シーブ)
74:プライマリ側可動シーブ(可動シーブ)
82:シリンダ部材
84:油圧室
100:第1接触面
102:第2接触面
D1:第1接触面の外径
d2:第2接触面の内径

Claims (1)

  1. 回転軸と一体的に回転する固定シーブと、
    前記回転軸と一体的に回転し、前記回転軸の軸方向に沿って前記固定シーブに対して相対的に移動する可動シーブと、
    前記回転軸と一体的に回転し、前記可動シーブとの間で油圧室を形成するシリンダ部材と、
    前記シリンダ部材と前記可動シーブとの間に介在する環状のシート部材と、を含む有効径が可変の可変プーリを、備える車両用無段変速機であって、
    前記シリンダ部材に接触する前記シート部材の第1接触面の外径は、前記可動シーブに接触する前記シート部材の第2接触面の内径よりも小さいことを特徴とする車両用無段変速機。

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