JP6537844B2 - 無段変速機 - Google Patents

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本発明は、無段変速機に関する。
車両に搭載される変速機として、CVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)が広く知られている。
CVTは、入力側のプライマリプーリと出力側のセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有している。エンジンなどの駆動源からのトルクがプライマリプーリに入力されると、プライマリプーリとベルトとの間の摩擦力により、プライマリプーリからベルトにトルクが伝達され、セカンダリプーリとベルトとの間の摩擦力により、ベルトからセカンダリプーリにトルクが伝達される。
プライマリプーリおよびセカンダリプーリは、いずれも、固定シーブと、固定シーブにベルトを挟んで対向配置され、その対向方向(軸線方向)に移動可能に設けられた可動シーブと、可動シーブに対して固定シーブと反対側に設けられ、可動シーブとの間に油圧室(ピストン室)を形成するピストンとを備えている。
CVTでは、プライマリプーリの油圧室に供給される油圧の制御により、プライマリプーリの固定シーブと可動シーブとの間隔が変更される。これに伴い、プライマリプーリに対するベルトの巻きかけ径が変化するとともに、セカンダリプーリの固定シーブと可動シーブとの間隔が変化し、セカンダリプーリに対するベルトの巻きかけ径が変化する。これにより、変速比(プーリ比)が無段階で連続的に変化する。また、ベルトは、各プーリの固定シーブおよび可動シーブ間において、各プーリの油圧室に供給される油圧に応じた推力で挟圧される。各プーリの推力には、各プーリとベルトとの間で滑りが生じない大きさが必要とされ、その必要な推力が得られるよう、各プーリの油圧室に供給される油圧が制御される。
特開2004−176890号公報
たとえば、図7に示されるように、変速比が最大変速比から最小変速比まで変速される場合、セカンダリプーリでは、可動シーブがピストン側に移動して、油圧室の容積が減少し、油圧室内からオイルが抜ける。このとき、セカンダリプーリとベルトとの間で滑りが生じない大きさの推力が保持されるように、油圧室に供給される油圧(ベルト挟圧)が制御される。
ところが、変速比が急変速される場合、その変速に対してセカンダリプーリの油圧室に供給される油圧の制御が遅れ、可動シーブが最小変速比に対応した位置を越えてピストン側に移動し、可動シーブがピストンに比較的強く当たって停止することがある。この場合、可動シーブがピストンに当たった瞬間に、油圧室内からオイルが抜けすぎて、油圧室の油圧が急峻に低下する(時刻T11)。油圧室の油圧がセカンダリプーリとベルトとの間で滑りが生じない大きさの推力を得るために必要な油圧(必要油圧)を下回ると、セカンダリプーリとベルトとの間で滑りが生じ、ベルトや各プーリの異常摩耗、ベルトの破損などを生じるおそれがある。
本発明の目的は、セカンダリプーリの可動シーブがピストンに当たった瞬間における油圧室に供給される油圧の低下を抑制できる、無段変速機を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る無段変速機は、プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有する無段変速機であって、セカンダリプーリは、セカンダリ軸に固定された固定シーブと、固定シーブにベルトを挟んで対向配置され、セカンダリ軸にその軸線方向に移動可能に支持された可動シーブと、セカンダリ軸に固定され、可動シーブとの間に油圧が供給される油圧室を形成し、可動シーブが最小変速比に対応する位置を越えて固定シーブから離間する側に移動することを許容する形状を有するピストンと、可動シーブとピストンとの間に設けられ、可動シーブが最小変速比を含む所定の変速比範囲に対応する領域に位置するときに当接する弾性部材とを備える。
この構成によれば、可動シーブとの間に油圧室を形成するピストンは、可動シーブが最小変速比に対応する位置を越えて固定シーブから離間する側に移動することを許容する形状に形成されている。可動シーブとピストンとの間には、弾性部材が設けられている。
変速比が最大変速比から最小変速比まで変速される場合、セカンダリプーリでは、可動シーブが固定シーブから離間する側、つまりピストン側に移動する。そして、可動シーブが最小変速比を含む所定の変速比範囲に対応する領域に入る位置まで移動すると、可動シーブが弾性部材に当接する。その後は、可動シーブにより弾性部材が押圧されて、弾性部材が弾性変形し、可動シーブが減速しつつ移動する。そのため、変速比の変速に対して油圧室に供給される油圧の制御が遅れることを抑制できる。また、可動シーブが最小変速比に対応する位置を越えて停止する場合であっても、その停止が緩やかになる。その結果、可動シーブが停止した瞬間に油圧室の油圧が急峻に低下することを抑制でき、油圧室の油圧が必要油圧(セカンダリプーリとベルトとの間で滑りが生じない大きさの推力を得るために必要な油圧)を下回ることを抑制できる。
本発明によれば、可動シーブが停止した瞬間に油圧室の油圧が急峻に低下することを抑制でき、油圧室の油圧が必要油圧を下回ることを抑制できる。その結果、セカンダリプーリとベルトとの間で滑りが生じることを抑制でき、その滑りによるベルトや各プーリの異常摩耗およびベルトの破損などの発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る動力分割式無段変速機が搭載された車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 車両の前進時および後進時におけるロークラッチ、リバースブレーキおよびハイブレーキの状態を示す図である。 無段変速機構の変速比と動力分割式無段変速機の変速比との関係を示す図である。 出力歯車機構のキャリア、サンギヤおよびリングギヤの回転数の関係を示す共線図である。 セカンダリプーリの構成を示す断面図であり、ベルト変速比が最大変速比であるときの状態を示す。 セカンダリプーリの構成を示す断面図であり、ベルト変速比が最小変速比であるときの状態を示す。 ベルト変速比およびベルト挟圧の時間変化を示すグラフである。 従来の無段変速機におけるベルト変速比およびベルト挟圧の時間変化を示すグラフである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<駆動系統の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る動力分割式無段変速機4が搭載された車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
車両1は、エンジン(E/G)2を動力源とする自動車である。車両1には、トルクコンバータ3および動力分割式無段変速機4が搭載されている。
エンジン2は、E/G出力軸21を備えている。E/G出力軸21は、エンジン2が発生する動力により回転される。
トルクコンバータ3は、ポンプインペラ31、タービンランナ32およびロックアップクラッチ33を備えている。ポンプインペラ31には、E/G出力軸21が連結されており、ポンプインペラ31は、E/G出力軸21と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ32は、ポンプインペラ31と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ33は、ポンプインペラ31とタービンランナ32とを直結/分離するために設けられている。ロックアップクラッチ33が係合されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが直結され、ロックアップクラッチ33が解放されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが分離される。
ロックアップクラッチ33が解放された状態において、E/G出力軸21が回転されると、ポンプインペラ31が回転する。ポンプインペラ31が回転すると、ポンプインペラ31からタービンランナ32に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ32で受けられて、タービンランナ32が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ32には、E/G出力軸21のトルクよりも大きなトルクが発生する。
ロックアップクラッチ33が係合された状態では、E/G出力軸21が回転されると、E/G出力軸21、ポンプインペラ31およびタービンランナ32が一体となって回転する。
トルクコンバータ3と動力分割式無段変速機4との間には、オイルポンプ5が設けられている。オイルポンプ5のポンプ軸は、ポンプインペラ31と一体的に回転可能に設けられている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ31が回転されると、オイルポンプ5のポンプ軸が回転し、オイルポンプ5からオイルが吐出される。
動力分割式無段変速機4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ6に伝達する。動力分割式無段変速機4は、インプット軸41、アウトプット軸42、無段変速機構43、一定変速機構44および出力歯車機構45を備えている。
インプット軸41は、トルクコンバータ3のタービンランナ32に連結され、タービンランナ32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸42は、インプット軸41と平行に設けられている。
無段変速機構43は、公知のベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)と同様の構成を有している。具体的には、無段変速機構43は、インプット軸41に連結されたプライマリ軸51と、プライマリ軸51と平行に設けられたセカンダリ軸52と、プライマリ軸51に相対回転不能に支持されたプライマリプーリ53と、セカンダリ軸52に相対回転不能に支持されたセカンダリプーリ54と、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とに巻き掛けられたベルト55とを備えている。
プライマリプーリ53は、プライマリ軸51に固定された固定シーブ61と、固定シーブ61にベルト55を挟んで対向配置され、プライマリ軸51にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ62とを備えている。可動シーブ62に対して固定シーブ61と反対側には、プライマリ軸51に固定されたシリンダ63が設けられ、可動シーブ62とシリンダ63との間に、油圧室64が形成されている。
セカンダリプーリ54は、セカンダリ軸52に固定された固定シーブ65と、固定シーブ65にベルト55を挟んで対向配置され、セカンダリ軸52にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ66とを備えている。可動シーブ66に対して固定シーブ61と反対側には、セカンダリ軸52に固定されたピストン67が設けられ、可動シーブ66とピストン67との間に、油圧室68が形成されている。
無段変速機構43では、プライマリプーリ53の油圧室64およびセカンダリプーリ54の油圧室68に供給される油圧が制御されて、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の各溝幅が変更されることにより、ベルト変速比γが連続的に無段階で変更される。
具体的には、ベルト変速比γが下げられるときには、プライマリプーリ53の油圧室64に供給される油圧が上げられる。これにより、プライマリプーリ53の可動シーブ62が固定シーブ61側に移動し、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔(溝幅)が小さくなる。これに伴い、プライマリプーリ53に対するベルト55の巻きかけ径が大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔(溝幅)が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が小さくなり、ベルト変速比γが下がる。
ベルト変速比γが上げられるときには、プライマリプーリ53の油圧室64に供給される油圧が下げられる。これにより、ベルト55に対するセカンダリプーリ54の推力がベルト55に対するプライマリプーリ53の推力よりも大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔が小さくなるとともに、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が大きくなり、ベルト変速比γが上がる。
一方、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の推力は、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54とベルト55との間で滑りが生じない大きさを必要とする。そのため、インプット軸41に入力されるトルクの大きさに応じた推力が得られるよう、プライマリプーリ53の油圧室64およびセカンダリプーリ54の油圧室68に供給される油圧が制御される。
一定変速機構44は、遊星歯車機構71、スプリットドライブギヤ72、スプリットドリブンギヤ73およびアイドルギヤ74を備えている。
遊星歯車機構71には、サンギヤ75、キャリア76およびリングギヤ77が含まれる。サンギヤ75は、インプット軸41に相対回転可能に外嵌されている。キャリア76は、インプット軸41に相対回転不能に支持されている。キャリア76は、複数個のピニオンギヤ78を回転可能に支持している。複数個のピニオンギヤ78は、円周上に配置され、サンギヤ75と噛合している。リングギヤ77は、キャリア76の周囲を取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ78にインプット軸41の回転径方向の外側から噛合している。
スプリットドライブギヤ72は、サンギヤ75と一体回転可能に設けられている。
スプリットドリブンギヤ73は、次に述べる出力歯車機構45のキャリア82の外周に、キャリア82と一体回転可能に設けられている。すなわち、出力歯車機構45のキャリア82には、一定変速機構44が接続されている。
アイドルギヤ74は、スプリットドライブギヤ72およびスプリットドリブンギヤ73と噛合している。
出力歯車機構45は、遊星歯車機構の構成を有している。すなわち、出力歯車機構45は、サンギヤ81、キャリア82およびリングギヤ83を備えている。サンギヤ81は、セカンダリ軸52に相対回転不能に外嵌されている。キャリア82の中心には、無段変速機構43のセカンダリ軸52が相対回転可能に挿通されている。キャリア82は、複数個のピニオンギヤ84を回転可能に支持している。複数個のピニオンギヤ84は、円周上に配置され、サンギヤ81と噛合している。リングギヤ83は、キャリア82の周囲を取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ84にセカンダリ軸52の回転径方向の外側から噛合している。また、リングギヤ83には、アウトプット軸42の一端が接続され、リングギヤ83は、アウトプット軸42と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。アウトプット軸42の他端部には、出力ギヤ85が相対回転不能に支持されている。
出力ギヤ85の回転は、第1アイドルギヤ86、アイドル軸87および第2アイドルギヤ88を経由して、デファレンシャルギヤ6に伝達される。第1アイドルギヤ86は、アイドル軸87に相対回転不能に支持されて、出力ギヤ85と噛合している。アイドル軸87は、アウトプット軸42と平行に設けられている。第2アイドルギヤ88は、アイドル軸87に相対回転不能に支持されて、デファレンシャルギヤ6に備えられたリングギヤ91と噛合している。
また、動力分割式無段変速機4は、ロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2を備えている。
ロークラッチC1は、アウトプット軸42とセカンダリ軸52とを直結する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
リバースブレーキB1は、スプリットドライブギヤ72(サンギヤ75)を制動する係合状態(オン)と、スプリットドライブギヤ72の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ハイブレーキB2は、リングギヤ77を制動する係合状態(オン)と、リングギヤ77の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
<動力伝達モード>
図2は、車両1の前進時および後進時におけるロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2の状態を示す図である。図3は、ベルト変速比γと動力分割式無段変速機4の変速比(以下「ユニット変速比」という。)γとの関係を示す図である。
図2において、「○」は、ロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2が係合状態であることを示している。なお、PレンジおよびNレンジでは、ロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2が解放される。
動力分割式無段変速機4は、Dレンジにおける動力伝達モードとして、ベルトモードおよびスプリットモードを有している。
ベルトモードでは、ハイブレーキB2およびリバースブレーキB1が解放され、ロークラッチC1が係合される。これにより、一定変速機構44のスプリットドライブギヤ72、スプリットドリブンギヤ73およびアイドルギヤ74ならびに出力歯車機構45のキャリア82がフリー(自由回転状態)になり、アウトプット軸42およびセカンダリ軸52が直結される。
インプット軸41に入力される動力は、無段変速機構43のプライマリ軸51に伝達され、プライマリ軸51およびプライマリプーリ53を回転させる。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。ロークラッチC1が係合されているので、アウトプット軸42がセカンダリ軸52と一体に回転する。したがって、ベルトモードでは、図3に示されるように、ユニット変速比γがベルト変速比γと一致する。
アウトプット軸42の回転は、出力ギヤ85、第1アイドルギヤ86、アイドル軸87および第2アイドルギヤ88を介して、デファレンシャルギヤ6のリングギヤ91に伝達される。これにより、車両1のドライブシャフト92,93が前進方向に回転する。
図4は、出力歯車機構45のキャリア82、サンギヤ81およびリングギヤ83の回転数の関係を示す共線図である。
スプリットモードでは、図2に示されるように、ハイブレーキB2が係合され、リバースブレーキB1およびロークラッチC1が解放される。ハイブレーキB2が係合されることにより、一定変速機構44のリングギヤ77が制動される。また、ロークラッチC1が解放されることにより、アウトプット軸42とセカンダリ軸52との直結が解除される。
インプット軸41に入力される動力は、無段変速機構43のプライマリ軸51に伝達され、プライマリ軸51およびプライマリプーリ53を回転させる。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。セカンダリ軸52の回転により、出力歯車機構45のサンギヤ81が回転する。
また、一定変速機構44のリングギヤ77が制動されているので、インプット軸41に入力される動力は、一定変速機構44のキャリア76を公転させるとともに、そのキャリア76に保持されているピニオンギヤ78を回転させる。ピニオンギヤ78の回転により、ピニオンギヤ78からサンギヤ75に動力が入力される。これにより、ピニオンギヤ78およびスプリットドライブギヤ72が回転する。スプリットドライブギヤ72の回転は、アイドルギヤ74を介して、スプリットドリブンギヤ73に伝達され、スプリットドリブンギヤ73および出力歯車機構45のキャリア82を回転させる。
一定変速機構44の変速比(以下「スプリット変速比」という。)γが一定で不変(固定)であるので、スプリットモードでは、インプット軸41に入力される動力が一定であれば、出力歯車機構45のキャリア82の回転が一定速度に保持される。そのため、ベルト変速比γが上げられると、出力歯車機構45のサンギヤ81の回転速度が下がるので、図4に二点鎖線で示されるように、出力歯車機構45のリングギヤ83(アウトプット軸42)の回転速度が上がる。その結果、スプリットモードでは、図3に示されるように、ベルト変速比γが大きいほど、ユニット変速比γが小さくなる。
アウトプット軸42の回転は、出力ギヤ85、第1アイドルギヤ86、アイドル軸87および第2アイドルギヤ88を介して、デファレンシャルギヤ6のリングギヤ91に伝達される。これにより、車両1のドライブシャフト92,93が前進方向に回転する。
Rレンジでは、図2に示されるように、ハイブレーキB2およびロークラッチC1が解放される。そして、リバースブレーキB1が係合される。これにより、スプリットドライブギヤ72(サンギヤ75)が制動される。スプリットドライブギヤ72の制動により、一定変速機構44のアイドルギヤ74が回転不能となり、スプリットドリブンギヤ73およびキャリア82が回転不能となる。
インプット軸41に入力される動力は、無段変速機構43のプライマリ軸51に伝達され、プライマリ軸51およびプライマリプーリ53を回転させる。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。セカンダリ軸52の回転により、出力歯車機構45のサンギヤ81が回転する。キャリア82が回転不能なため、図4に一点鎖線で示されるように、サンギヤ81が回転すると、リングギヤ83がサンギヤ81と逆方向に回転する。このリングギヤ83の回転方向は、Dレンジ(ベルトモードおよびスプリットモード)におけるリングギヤ83の回転方向と逆方向となる。そして、リングギヤ83と一体にアウトプット軸42が回転する。アウトプット軸42の回転は、出力ギヤ85、第1アイドルギヤ86、アイドル軸87および第2アイドルギヤ88を介して、デファレンシャルギヤ6のリングギヤ91に伝達される。これにより、車両1のドライブシャフト92,93が後進方向に回転する。
<セカンダリプーリ>
図5Aおよび図5Bは、セカンダリプーリ54の構成を示す断面図である。
セカンダリプーリ54の固定シーブ65は、セカンダリ軸52と一体的に形成され、セカンダリ軸52から径方向に鍔状に張り出している。固定シーブ65は、セカンダリ軸52側ほど可動シーブ66に近づくように傾斜した挟持面101を有している。
可動シーブ66は、セカンダリ軸52にその軸線方向に移動可能に外嵌された内円筒部102と、内円筒部102の固定シーブ65側の端部から径方向に鍔状に張り出す鍔状部103と、鍔状部103の外周端部から固定シーブ65側と反対側に延び、内円筒部102と径方向に対向する外円筒部104とを一体的に備えている。
内円筒部102の固定シーブ65側の端面と鍔状部103の固定シーブ65側の側面とは、面一に形成され、セカンダリ軸52側ほど固定シーブ65に近づくように傾斜した挟持面105をなしている。この挟持面105と固定シーブ65の挟持面101との間に、ベルト55が挟持されている。
内円筒部102には、セカンダリ軸52と摺擦する内周面に、油溝106が全周にわたって形成されている。油溝106は、可動シーブ66(内円筒部102)の可動範囲内であれば、可動シーブ66の位置にかかわらず、セカンダリ軸52の内部に形成された供給油路107と常に連通している。また、内円筒部102には、一端が油溝106に接続され、他端が内円筒部102の外周面で開放される導入油路108が形成されている。可動シーブ66とピストン67との間の油圧室68には、供給油路107から油溝106および導入油路108を介して油圧が供給される。
ピストン67は、セカンダリ軸52から径方向に鍔状に張り出す円環部109と、円環部109の外周端部から可動シーブ66側に延びる延部110とを一体的に備えている。
延部110の外周端部は、径方向外側に湾曲ないし屈曲し、その先端面111が可動シーブ66の外円筒部104に径方向内側から対向している。先端面111には、シール溝112が全周にわたって形成されている。シール溝112には、オイルシール113が嵌合されている。オイルシール113は、可動シーブ66の外円筒部104の内面に液密的に当接している。
可動シーブ66の鍔状部103とピストン67の円環部109との間には、ばね114が介在されている。ばね114の弾性力により、可動シーブ66およびピストン67は、互いに離間する方向に付勢されている。
図5Aには、ベルト変速比γ(無段変速機構43の変速比)が最大変速比γmaxであるときの状態が示され、図5Bには、ベルト変速比γが最小変速比γminであるときの状態が示されている。図5Bを参照して理解されるように、ピストン67は、可動シーブ66が最小変速比γminに対応する位置を越えて固定シーブ65から離間する側、つまりピストン67の円環部109側に移動することを許容する形状に形成されている。具体的には、ピストン67は、円環部109の可動シーブ66側の内面115を基準とする延部110の軸線方向の寸法が可動シーブ66の鍔状部103のピストン67側の内面116を基準とする内円筒部102の軸線方向の寸法よりも長くなるように形成されている。
そして、ピストン67の円環部109の内面115には、可動シーブ66の内円筒部102と対向する位置に、円環状の弾性部材117が配置されている。弾性部材117は、たとえば、1枚の金属プレートからなるクッショニングプレートである。具体的には、弾性部材117は、内面115に沿って延びる外周部と、外周部から可動シーブ66側に屈曲し、セカンダリ軸52に近づくように傾斜して延びる弾性部と、弾性部からピストン67の延部110側に屈曲し、径方向に延びる内周部とを一体的に有する形状をなしており、外周部が円環部109の内面115に固定されている。また、弾性部材117は、可動シーブ66が最小変速比γminよりも大きい所定変速比に対応する位置に位置する状態で、可動シーブ66の内円筒部102の先端面118が自然状態(図5Aに示される状態)の弾性部材117に対して圧を加えずに接する寸法に形成されている。
なお、弾性部材117は、クッショニングプレートに限らず、たとえば、コイルスプリングやウェーブスプリングなどのスプリングであってもよいし、ゴム製のリング状部材(たとえば、Oリング)であってもよい。図5Aおよび図5Bでは、弾性部材117の構成が簡略化して示されている。
<作用効果>
図6は、ベルト変速比γおよびベルト挟圧の時間変化を示すグラフである。
ベルト変速比γ(無段変速機構43の変速比)が最大変速比γmaxであるときには、図5Aに示されるように、可動シーブ66がピストン67の円環部109に対して最も離間した位置に位置する。
ベルト変速比γが最大変速比γmaxから最小変速比γminまで変速される場合、プライマリプーリ53(図1参照)に対するベルト55の巻きかけ径が増大され、可動シーブ66がピストン67の円環部109側に移動する。可動シーブ66の移動が進み、可動シーブ66が最小変速比γminよりも大きい所定変速比に対応する位置に到達すると、可動シーブ66の内円筒部102の先端面118が弾性部材117に当接する。
その後は、内円筒部102により弾性部材117が押圧されて、図5Bに示されるように、弾性部材117が弾性変形し、可動シーブ66が減速しつつ移動する。これにより、図6に示されるように、ベルト変速比γの変速が緩やかになるので、ベルト変速比γの変速に対して油圧室68に供給される油圧(ベルト挟圧)の制御が遅れることを抑制できる。また、可動シーブ66が最小変速比γminに対応する位置を越えて停止する場合であっても、その停止が緩やかになる。その結果、図6に示されるように、可動シーブ66が停止した瞬間に油圧室68の油圧が急峻に低下することを抑制でき(時刻T1)、油圧室68の油圧が必要油圧(セカンダリプーリ54とベルト55との間で滑りが生じない大きさの推力を得るために必要な油圧)を下回ることを抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、動力分割式無段変速機4を例示したが、本発明は、副変速機付きの無段変速機など、公知のベルト式の無段変速機(CVT)と同様の構成を有する変速機に広く適用することができる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
4 動力分割式無段変速機(無段変速機)
52 セカンダリ軸
53 プライマリプーリ
54 セカンダリプーリ
55 ベルト
65 固定シーブ
66 可動シーブ
67 ピストン
68 油圧室
117 弾性部材

Claims (1)

  1. プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有する無段変速機であって、
    前記セカンダリプーリは、
    セカンダリ軸に固定された固定シーブと、
    前記固定シーブに前記ベルトを挟んで対向配置され、前記セカンダリ軸にその軸線方向に移動可能に支持された可動シーブと、
    前記セカンダリ軸に固定され、前記可動シーブとの間に油圧が供給される油圧室を形成し、前記可動シーブが最小変速比に対応する位置を越えて前記固定シーブから離間する側に移動することを許容する形状を有するピストンと、
    前記可動シーブと前記ピストンとの間に設けられ、前記可動シーブが前記最小変速比を含む所定の変速比範囲に対応する領域に位置するときに当接する弾性部材とを備え
    前記可動シーブは、前記セカンダリ軸に前記軸線方向に移動可能に外嵌された内円筒部と、前記内円筒部の前記固定シーブ側の端部から径方向に鍔状に張り出す鍔状部と、前記鍔状部の外周端部から前記固定シーブ側と反対側に延び、内円筒部と径方向に対向する外円筒部とを一体的に備え、
    前記ピストンは、前記セカンダリ軸から前記径方向に鍔状に張り出す円環部と、前記円環部の外周端部から前記可動シーブ側に延びる延部とを一体的に備え、前記円環部の前記可動シーブ側の内面を基準とする前記延部の前記軸線方向の寸法が前記鍔状部の前記ピストン側の内面を基準とする前記内円筒部の軸線方向の寸法よりも長くなるように形成されて、
    前記可動シーブが最小変速比に対応する位置に位置する状態において、前記可動シーブの前記鍔状部と前記ピストンの前記延部の外周端部との間に、前記可動シーブが前記固定シーブから離間する側に移動することを許容する隙間が形成される、無段変速機。
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