JP7209459B2 - クラッチ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される動力伝達機構に好適なクラッチ構造に関する。
自動車などの車両では、駆動源からの動力がトランスミッション(変速機)に入力され、トランスミッションで変速された動力がデファレンシャルギヤなどを介して駆動輪に伝達される。
トランスミッションなどを含む動力伝達機構では、回転要素を別の回転要素とを連結するためのクラッチなどが多く使用されている。たとえば、図3に示される動力伝達機構では、第1回転軸201から第2回転軸202に動力を伝達するための遊星歯車機構203が設けられており、その遊星歯車機構203のサンギヤ204とリングギヤ205とを直結/分離するため、クラッチ206が設けられている。
クラッチ206では、第2回転軸202に固定されたクラッチドラム207とサンギヤ204に相対回転不能に支持されたクラッチハブ208との間に、複数のクラッチプレート209およびクラッチディスク210が交互に配置されている。リングギヤ205は、クラッチドラム207に相対回転不能に保持されている。各クラッチプレート209は、クラッチドラム207に支持され、各クラッチディスク210は、クラッチハブ208に支持されている。クラッチドラム207の内側には、クラッチピストン211が軸線方向に移動自在に配置され、クラッチドラム207とクラッチピストン211との間には、ピストン室212が形成されている。また、クラッチピストン211を挟んでピストン室212と反対側には、キャンセラ213が配置されており、クラッチピストン211とキャンセラ213との間には、キャンセラ室214が形成されている。また、クラッチピストン211とキャンセラ213との間には、それらを互いに離間する方向に付勢するリターンスプリング215が介裝されている。
ピストン室212にオイルが供給されて、ピストン室212内の油圧が高まると、クラッチピストン211がクラッチプレート209側に移動し、クラッチピストン211がクラッチプレート209を押圧する。この押圧により、クラッチプレート209とクラッチディスク210とが圧接(クラッチ206が係合)し、サンギヤ204とリングギヤ205とが一体となって回転する直結状態となる。
サンギヤ204とリングギヤ205とが一体となって回転している状態では、キャンセラ室214内のオイルに遠心力が作用し、キャンセラ室214に遠心油圧が発生する。この遠心油圧により、ピストン室212内に発生する遠心油圧をキャンセル(相殺)することができる。そのため、ピストン室212へのオイル(油圧)の供給が停止されると、リターンスプリング215の付勢力により、クラッチピストン211がクラッチプレート209側と反対側にスムーズに移動する。このクラッチピストン211の移動により、クラッチプレート209とクラッチディスク210との圧接が解除(クラッチ206が解放)され、サンギヤ204とリングギヤ205とが分離される。
また、サンギヤ204とリングギヤ205とが分離して回転している状態においても、キャンセラ室214内のオイルに遠心力が作用し、キャンセラ室214に遠心油圧が発生する。この遠心油圧により、ピストン室212内に発生する遠心油圧でクラッチピストン211がクラッチプレート209側に移動することを防止でき、クラッチ206が係合することを防止できる。
特開2015-145682号公報
クラッチドラム207は、その内周端が第2回転軸202に溶接により固定されている。クラッチドラム207に対するクラッチピストン211側と反対側には、遊星歯車機構203のキャリヤ216の回転を制動/許容するブレーキのブレーキハブ221を第2回転軸202に対して回転可能に支持するためのベアリング222が設けられている。
そのため、第2回転軸202とクラッチドラム207との溶接時には、クラッチピストン211側から第2回転軸202およびクラッチドラム207を溶融させなければならない。図4にハッチングを付して示される溶接部分223のように、スパッタの発生やベアリング222への入熱などを考慮すると、第2回転軸202とクラッチドラム207との間を溶接部分223が突き抜ける構造を採用することができない。クラッチ206の係合時には、クラッチドラム207に油圧反力によって生じる曲げモーメントが溶接部分223で受けられるが、その曲げモーメントの起点224と楔状の溶接部分223の最奥部とが近いため、その最奥部に応力が集中して溶接部分が破損する懸念がある。
本発明の目的は、クラッチドラムと回転体との溶接部分の破損を抑制できる、クラッチ構造を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係るクラッチ構造は、クラッチ板と、クラッチ板を保持するクラッチドラムと、クラッチドラムとの間に油室を形成し、油室に供給される油圧によりクラッチ板に締結荷重を加えるクラッチピストンとを含み、クラッチドラムは、円筒状の外周面を有する回転体に外嵌されて、回転体の外周面に沿って回転軸線方向に延びる内円筒部と、内円筒部と回転径方向に間隔を空けてその外周を取り囲み、クラッチ板を保持する外円筒部と、内円筒部および外円筒部をクラッチ板側と反対側の端部で連結する連結部とを一体的に備え、内円筒部は、回転体に溶接により固定され、クラッチピストンは、回転径方向に延び、回転中心側の端部が内円筒部と回転径方向に対向するように設けられている。
この構成によれば、クラッチドラムは、内円筒部、外円筒部および連結部を一体的に備えている。内円筒部は、円筒状の外周面を有する回転体に外嵌されて、回転体の外周面に沿って回転軸線方向に延びている。外円筒部は、内円筒部と回転径方向に間隔を空けてその外周を取り囲み、クラッチ板を保持している。連結部は、内円筒部および外円筒部をクラッチ板側と反対側の端部で連結している。
内円筒部は、回転体に溶接によりに固定されている。クラッチドラムとクラッチピストンとの間に形成される油室に供給される油圧の反力によって生じる曲げモーメントが内円筒部と連結部との接続部分で受けられるが、内円筒部が回転軸線方向に延びているので、内円筒部のクラッチ板側の端部を溶接すれば、その溶接部分を曲げモーメントの起点から遠ざけることができる。これにより、曲げモーメントによる溶接部分の破損を抑制することができる。
また、クラッチピストンは、回転中心側の端部が内円筒部と回転径方向に対向するように設けられている。これにより、クラッチドラムの内円筒部が回転軸線方向に延びていても、クラッチドラムの連結部とクラッチ板との間隔を従来のクラッチ構造と同じまたは縮小することができる。
よって、クラッチドラムと回転体との溶接部分の破損を抑制できながら、クラッチ構造の回転軸線方向の寸法の縮小を図ることができる。
本発明の他の局面に係るクラッチ構造は、クラッチ板と、クラッチ板を保持するクラッチドラムと、クラッチドラムとの間に油室を形成し、油室に供給される油圧によりクラッチ板に締結荷重を加えるクラッチピストンとを含み、クラッチドラムは、円筒状の外周面を有する回転体に外嵌されて、回転体の外周面に沿って回転軸線方向に延びる内円筒部と、内円筒部と回転径方向に間隔を空けてその外周を取り囲み、クラッチ板を保持する外円筒部と、内円筒部および外円筒部をクラッチ板側と反対側の端部で連結する連結部とを一体的に備え、クラッチドラムのクラッチ板側と反対側には、外嵌部材が回転体に外嵌されて配置されており、内円筒部は、外嵌部材側と反対側からの溶接により回転体に固定されている。
この構成によれば、クラッチドラムは、内円筒部、外円筒部および連結部を一体的に備えている。内円筒部は、円筒状の外周面を有する回転体に外嵌されて、回転体の外周面に沿って回転軸線方向に延びている。外円筒部は、内円筒部と回転径方向に間隔を空けてその外周を取り囲み、クラッチ板を保持している。連結部は、内円筒部および外円筒部をクラッチ板側と反対側の端部で連結している。
クラッチドラムのクラッチ板側と反対側には、外嵌部材が回転体に外嵌されて配置されている。内円筒部は、外嵌部材側と反対側からの溶接により回転体に固定されている。これにより、回転体に外嵌部材を外嵌した後、クラッチドラムの内円筒部を回転体に外嵌して、内円筒部を回転体に溶接により固定することができる。しかも、クラッチドラムとクラッチピストンとの間に形成される油室に供給される油圧の反力によって生じる曲げモーメントが内円筒部と連結部との接続部分で受けられるが、曲げモーメントの起点から溶接部分が遠ざかるので、曲げモーメントによる溶接部分の破損を抑制することができる。
よって、クラッチドラムと回転体との溶接部分の破損を抑制できながら、外嵌部材が回転体に外嵌された後であっても、クラッチドラムを回転体に固定することができる。
本発明のさらに他の局面に係るクラッチ構造は、クラッチ板と、クラッチ板を保持するクラッチドラムと、クラッチドラムとの間に油室を形成し、油室に供給される油圧によりクラッチ板に締結荷重を加えるクラッチピストンとを含み、クラッチドラムは、円筒状の外周面を有する回転体に外嵌されて、回転体の外周面に沿って回転軸線方向に延びる内円筒部と、内円筒部と回転径方向に間隔を空けてその外周を取り囲み、クラッチ板を保持する外円筒部と、内円筒部および外円筒部をクラッチ板側と反対側の端部で連結する連結部とを一体的に備え、内円筒部には、油室と連通する油孔が回転径方向に貫通して形成されており、内円筒部は、クラッチ板側からの溶接により回転体に固定され、油孔に対してクラッチ板側と反対側には、内円筒部と回転体との間に当該間を封止するシール部材が設けられている。
この構成によれば、クラッチドラムは、内円筒部、外円筒部および連結部を一体的に備えている。内円筒部は、円筒状の外周面を有する回転体に外嵌されて、回転体の外周面に沿って回転軸線方向に延びている。外円筒部は、内円筒部と回転径方向に間隔を空けてその外周を取り囲み、クラッチ板を保持している。連結部は、内円筒部および外円筒部をクラッチ板側と反対側の端部で連結している。
内円筒部には、クラッチドラムとクラッチピストンとの間に形成される油室と連通する油孔が回転径方向に貫通して形成されている。内円筒部は、クラッチ板側からの溶接により回転体に固定されている。そのため、内円筒部と回転体との溶接部分は、クラッチドラムとクラッチピストンとの間に形成される油室に供給される油圧の反力によって生じる曲げモーメントの起点、つまり内円筒部と連結部との接続部分から油孔を挟んで離間する。これにより、曲げモーメントによる溶接部分の破損を抑制することができる。
また、油孔に対して溶接部分と反対側には、内円筒部と回転体との間をシールするシール部材が設けられている。そのため、油孔に対してクラッチ板側には溶接部分により、油孔に対してクラッチ板側と反対側にはシールにより、油孔を流通する油が内円筒部と回転体との間から漏れ出すことを抑制できる。
よって、クラッチドラムと回転体との溶接部分の破損を抑制できながら、油孔を流通する油がクラッチドラムと回転体との間から漏れ出すことを抑制できる。
本発明によれば、クラッチドラムと回転体との溶接部分の破損を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るクラッチ構造が採用された変速機の一部を示す断面図である。 図1において二点鎖線で囲まれた部分の拡大図である。 従来の動力伝達機構の構成を示す断面図である。 図3において二点鎖線で囲まれた部分の拡大図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<変速機>
図1は、本発明の一実施形態に係るクラッチ構造が採用された変速機1の一部を示す断面図である。図1では、断面を表すハッチングの付与が省略されている。
図1には、車両に搭載される変速機1の一部が示されている。具体的には、変速機1は、プライマリプーリとセカンダリプーリとにベルトが巻き掛けられた無段変速機の構成を備えており、図1には、変速機1のセカンダリ軸2とアウトプット軸3との接続部分の構成が示されている。セカンダリ軸2とアウトプット軸3とは、同軸上に並べて、それぞれ回転可能に設けられている。
なお、以下の説明では、セカンダリ軸2に対するアウトプット軸3側を「右側」といい、アウトプット軸3に対するセカンダリ軸2側を「左側」という。
セカンダリ軸2の右端部11には、端面で開放される凹部12が形成されている。凹部12は アウトプット軸3の左側の端部は、セカンダリ軸2の凹部12の内径よりも小さい外径を有する円柱状に形成されており、凹部12に挿入されている。凹部12の内周面とアウトプット軸3との間には、ニードルベアリング13が介在されている。セカンダリ軸2とアウトプット軸3とは、ニードルベアリング13を介して、相対回転可能に連結されている。
セカンダリ軸2とアウトプット軸3との間で動力を伝達するため、変速機1には、遊星歯車機構21が設けられている。遊星歯車機構21は、サンギヤ22、キャリヤ23およびリングギヤ24を備えている。サンギヤ22は、セカンダリ軸2の右端部11に外嵌されて、セカンダリ軸2とスプライン結合している。キャリヤ23は、キャリヤ23の回転を制動/許容するブレーキB1のブレーキハブ25と一体回転可能に設けられている。キャリヤ23には、複数のピニオンギヤ26が回転可能に保持されている。各ピニオンギヤ26は、サンギヤ22と噛合している。リングギヤ24は、複数のピニオンギヤ26を一括して取り囲む略円筒状を有し、各ピニオンギヤ26に回転径方向の外側から噛合している。
サンギヤ22とリングギヤ24とを直結/分離するため、変速機1には、クラッチC1が設けられている。クラッチC1では、アウトプット軸3に固定されたクラッチドラム32とサンギヤ22に相対回転不能に支持されたクラッチハブ33との間に、複数のクラッチプレート34およびクラッチディスク35が交互に配置されている。リングギヤ24は、クラッチドラム32に相対回転不能に保持されている。各クラッチプレート34は、クラッチドラム32に支持され、各クラッチディスク35は、クラッチハブ33に支持されている。クラッチドラム32の内側には、クラッチピストン36が軸線方向に移動自在に配置され、クラッチドラム32とクラッチピストン36との間には、ピストン室37が形成されている。また、クラッチピストン36を挟んでピストン室37と反対側には、キャンセラ38が配置されており、クラッチピストン36とキャンセラ38との間には、キャンセラ室39が形成されている。また、クラッチピストン36とキャンセラ38との間には、それらを互いに離間する方向に付勢するリターンスプリング40が介裝されている。
クラッチドラム32は、内円筒部41、外円筒部42および連結部43を一体的に備えている。内円筒部41は、アウトプット軸3に外嵌されて、アウトプット軸3の外周面に沿って回転軸線方向に延びている。クラッチピストン36の内周端部は、内円筒部41に回転径方向から対向している。外円筒部42は、内円筒部41と回転径方向に間隔を空けてその外周を取り囲み、左側の端部にクラッチプレート34を保持している。連結部43は、内円筒部41および外円筒部42をクラッチプレート34側と反対側である右側の端部で連結している。
また、変速機1には、図外のインプット軸に入力される動力をベルトを経由せずに遊星歯車機構21に伝達可能にするため、平行軸式歯車機構51が設けられている。平行軸式歯車機構51は、インプット軸に保持されたドライブギヤ52と、ドライブギヤ52と噛合するドリブンギヤ53とを備えている。
アウトプット軸3には、クラッチドラム32の右側に、ベアリング54が外嵌されている。ベアリング54の内輪55は、アウトプット軸3に相対回転不能に設けられ、クラッチドラム32の連結部43に右側から当接している。ドリブンギヤ53は、スナップリング56により、ベアリング54の外輪57に対して回転軸線方向に固定されている。ブレーキハブ25は、ドリブンギヤ53に一体的に支持されている。
ブレーキB1およびクラッチC1が解放された状態で、ドライブギヤ52からドリブンギヤ53に動力が伝達されると、キャリヤ23およびブレーキハブ25がドリブンギヤ53と一体に回転する。また、ブレーキB1が解放され、クラッチC1が係合された状態で、サンギヤ22、キャリヤ23およびリングギヤ24が一体となって回転し、セカンダリ軸2とアウトプット軸3とが同一速度で回転する。このとき、インプット軸からドライブギヤ52への動力の伝達が遮断され、ドライブギヤ52からドリブンギヤ53に動力は伝達されない。
<オイル供給構造>
アウトプット軸3には、油路61が形成されている。油路61は、アウトプット軸3の回転軸線と平行に延びる軸方向油路62と、軸方向油路62の右端部から回転径方向に延びる径方向油路63とを含む。径方向油路63は、軸方向油路62と連通し、アウトプット軸3の外周面で開放される吐出口64を有している。
クラッチドラム32の内円筒部41には、吐出口64と回転径方向に対向する位置に、油孔65が形成されている。油孔65は、内円筒部41を回転径方向に貫通し、クラッチドラム32とクラッチピストン36との間のピストン室37と連通している。
また、アウトプット軸3には、油路61よりも左側の位置に軸心油路66が形成され、その軸心油路66とキャンセラ室39とを連通させるキャンセラ排出油路67が形成されている。
油路61を流れる油が吐出口64から吐出され、その吐出された油が油孔65を介してピストン室37に流入して、ピストン室37内の油圧が高まると、クラッチピストン36が油圧を受けて移動し、クラッチピストン36がクラッチプレート34を押圧する。この押圧により、クラッチプレート34とクラッチディスク35とが圧接(クラッチC1が係合)し、サンギヤ22とリングギヤ24とが一体となって回転する直結状態となる。
一方、キャンセラ室39には、油が常に供給されている。キャンセラ室39に供給されるオイルは、キャンセラ排出油路67から軸心油路66に流出する。サンギヤ22とリングギヤ24とが一体となって回転している状態では、キャンセラ室39内の油に遠心力が作用し、キャンセラ室39に遠心油圧が発生する。この遠心油圧により、ピストン室37内に発生する遠心油圧をキャンセル(相殺)することができる。そのため、ピストン室37への油の供給が停止されると、リターンスプリング40の付勢力により、クラッチピストン36が右側にスムーズに移動する。
アウトプット軸3には、吐出口64が形成されている外周面とキャンセラ排出油路67が開放される外周面との間に段差が生じている。クラッチドラム32の内円筒部41の左端面は、そのアウトプット軸3の外周面の段差によって形成される面71と面一をなしている。そして、内円筒部41は、図2に示されるように、左側からの溶接によりアウトプット軸3に固定されている。また、アウトプット軸3の外周面には、吐出口64の右側の位置に、凹部72が全周にわたって形成されている。凹部72には、たとえば、Oリングからなるシール部材73が嵌められている。シール部材73は、クラッチドラム32の内円筒部41における油孔65よりも右側の部分に圧接されて、アウトプット軸3と内円筒部41との間を封止している。
なお、図2は、図1において二点鎖線で囲まれた部分の拡大図であり、図2では、アウトプット軸3とクラッチドラム32の内円筒部41との溶接部分74にハッチングが付されている。
<作用効果>
以上のように、クラッチドラム32のクラッチプレート34側と反対側、つまり右側には、ベアリング54がアウトプット軸3に外嵌されて配置されている。内円筒部41は、ベアリング54側と反対側からの溶接によりアウトプット軸3に固定されている。これにより、アウトプット軸3にベアリング54を外嵌した後、クラッチドラム32の内円筒部41をアウトプット軸3に外嵌して、内円筒部41をアウトプット軸3に溶接により固定することができる。しかも、クラッチドラム32とクラッチピストン36との間に形成されるピストン室37に供給される油圧の反力によって生じる曲げモーメントが内円筒部41と連結部43との接続部分で受けられるが、曲げモーメントの起点から溶接部分74が遠ざかるので、曲げモーメントによる溶接部分74の破損を抑制することができる。
よって、クラッチドラム32とアウトプット軸3との溶接部分74の破損を抑制できながら、ベアリング54がアウトプット軸3に外嵌された後であっても、クラッチドラム32をアウトプット軸3に固定することができる。
また、クラッチピストン36は、内周端部が内円筒部41と回転径方向に対向するように設けられている。これにより、クラッチドラム32の内円筒部41が回転軸線方向に延びていても、クラッチドラム32の連結部43とクラッチプレート34との間隔を従来のクラッチ構造と同じまたは縮小することができる。
よって、クラッチドラム32とアウトプット軸3との溶接部分74の破損を抑制できながら、クラッチ構造の回転軸線方向の寸法の縮小を図ることができる。
また、内円筒部41には、クラッチドラム32とクラッチピストン36との間に形成されるピストン室37と連通する油孔65が回転径方向に貫通して形成されている。内円筒部41は、クラッチプレート34側からの溶接によりアウトプット軸3に固定されている。そのため、内円筒部41とアウトプット軸3との溶接部分74は、クラッチドラム32とクラッチピストン36との間に形成されるピストン室37に供給される油圧の反力によって生じる曲げモーメントの起点、つまり内円筒部41と連結部43との接続部分から油孔65を挟んで離間する。これにより、曲げモーメントによる溶接部分74の破損を抑制することができる。
また、油孔65に対して溶接部分74と反対側には、内円筒部41とアウトプット軸3との間をシールするシール部材73が設けられている。そのため、油孔65に対してクラッチプレート34側には溶接部分74により、油孔65に対してクラッチプレート34側と反対側にはシールにより、油孔65を流通する油が内円筒部41とアウトプット軸3との間から漏れ出すことを抑制できる。
よって、クラッチドラム32とアウトプット軸3との溶接部分74の破損を抑制できながら、油孔65を流通する油がクラッチドラム32とアウトプット軸3との間から漏れ出すことを抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能である。
たとえば、変速機1が無段変速機の構成を有しているとしたが、無段変速機に限らず、有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)の構成を有する変速機や手動変速機(MT:Manual Transmission)など、種々の形式の変速機に本発明を広く適用することができる。さらには、変速機以外の機構に本発明を適用することも可能である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
3:アウトプット軸(回転体)
32:クラッチドラム
34:クラッチプレート(クラッチ板)
36:クラッチピストン
37:ピストン室(油室)
41:内円筒部
42:外円筒部
43:連結部
54:ベアリング(外嵌部材)
65:油孔
73:シール部材
74:溶接部分
C1:クラッチ

Claims (1)

  1. クラッチ板と、
    前記クラッチ板を保持するクラッチドラムと、
    前記クラッチドラムとの間に油室を形成し、前記油室に供給される油圧により前記クラッチ板に締結荷重を加えるクラッチピストンとを含み、
    前記クラッチドラムは、
    円筒状の外周面を有する回転体に外嵌されて、前記回転体の前記外周面に沿って回転軸線方向に延びる内円筒部と、
    前記内円筒部と回転径方向に間隔を空けてその外周を取り囲み、前記クラッチ板を保持する外円筒部と、
    前記内円筒部および前記外円筒部を前記クラッチ板側と反対側の端部で連結する連結部とを一体的に備え、
    前記内円筒部は、前記回転体に対する溶接により、前記回転体における中実である部分を含む円柱状部分に固定され、
    前記クラッチピストンは、回転径方向に延び、回転中心側の端部が前記内円筒部と回転径方向に対向するように設けられている、クラッチ構造。
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