JP6381587B2 - 遠心油圧キャンセラ構造 - Google Patents

遠心油圧キャンセラ構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6381587B2
JP6381587B2 JP2016129282A JP2016129282A JP6381587B2 JP 6381587 B2 JP6381587 B2 JP 6381587B2 JP 2016129282 A JP2016129282 A JP 2016129282A JP 2016129282 A JP2016129282 A JP 2016129282A JP 6381587 B2 JP6381587 B2 JP 6381587B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
canceller
oil passage
piston
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016129282A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018003920A (ja
Inventor
雅夫 嶋本
雅夫 嶋本
恭太 松本
恭太 松本
弥輝 檀上
弥輝 檀上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2016129282A priority Critical patent/JP6381587B2/ja
Publication of JP2018003920A publication Critical patent/JP2018003920A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6381587B2 publication Critical patent/JP6381587B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

本発明は、クラッチのピストン室に発生する遠心油圧をキャンセルするための遠心油圧キャンセラ構造に関する。
自動変速機が搭載された車両では、エンジンからの駆動力がトルクコンバータを介して自動変速機に入力され、自動変速機で変速された駆動力が駆動輪に伝達される。自動変速機には、たとえば、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)や有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)などが広く用いられる。
自動変速機では、回転要素を制動または回転要素と別の回転要素とを連結するためのクラッチ(ブレーキ)が使用されている。たとえば、図2に示されるベルト式の無段変速機201では、セカンダリ軸206からアウトプット軸231に動力を伝達するための遊星歯車機構232が設けられており、その遊星歯車機構のサンギヤ233とリングギヤ237とを直結/分離するため、クラッチ241が設けられている。
クラッチ241では、アウトプット軸231に固定されたクラッチドラム242とサンギヤ233に相対回転不能に支持されたクラッチハブ243との間に、複数のクラッチプレート244およびクラッチディスク245が交互に配置されている。リングギヤ237は、クラッチドラム242に相対回転不能に保持されている。各クラッチプレート244は、クラッチドラム242に支持され、各クラッチディスク245は、クラッチハブ243に支持されている。クラッチドラム242の内側には、クラッチピストン246が軸線方向に移動自在に配置され、クラッチドラム242とクラッチピストン246との間には、ピストン室247が形成されている。また、クラッチピストン246を挟んでピストン室247と反対側には、キャンセラ248が配置されており、クラッチピストン246とキャンセラ248との間には、キャンセラ室249が形成されている。また、クラッチピストン246とキャンセラ248との間には、それらを互いに離間する方向に付勢するリターンスプリング250が介裝されている。
アウトプット軸231の内部には、キャンセラ油路251が形成されている。キャンセラ油路251は、アウトプット軸231のエンジン側の端面で開放されており、その端面とケース252との間の空間253と連通している。アウトプット軸231には、キャンセラ室249とキャンセラ油路251とを連通させる連通路254が形成されている。
キャンセラ油路251には、アウトプット軸231のセカンダリ軸206側と反対側の端面とケース252との間の空間253からオイルが供給される。キャンセラ油路251に供給されるオイルは、キャンセラ油路251から連通路254を通してキャンセラ室249に流入する。キャンセラ248の内周端部には、オイル排出孔255が貫通して形成されており、オイルは、キャンセラ室249からオイル排出孔255を通して排出される。オイル排出孔255から排出されるオイルは、クラッチプレート244およびクラッチディスク245などに潤滑油として供給される。
ピストン室247にオイルが供給されて、ピストン室247内の油圧が高まると、クラッチピストン246がクラッチプレート244側に移動し、クラッチピストン246がクラッチプレート244を押圧する。この押圧により、クラッチプレート244とクラッチディスク245とが圧接(クラッチ241が係合)し、サンギヤ233とリングギヤ237とが一体となって回転する直結状態となる。
サンギヤ233とリングギヤ237とが一体となって回転している状態では、キャンセラ室249内のオイルに遠心力が作用し、キャンセラ室249内に遠心油圧が発生する。この遠心油圧により、ピストン室247内に発生する遠心油圧をキャンセル(相殺)することができる。そのため、ピストン室247へのオイル(油圧)の供給が停止されると、リターンスプリング250の付勢力により、クラッチピストン246がクラッチプレート244側と反対側にスムーズに移動する。このクラッチピストン246の移動により、クラッチプレート244とクラッチディスク245との圧接が解除(クラッチ241が解放)され、サンギヤ233とリングギヤ237とが分離される。
また、サンギヤ233とリングギヤ237とが分離して回転している状態においても、キャンセラ室249内のオイルに遠心力が作用し、キャンセラ室249内に遠心油圧が発生する。この遠心油圧により、ピストン室247内に発生する遠心油圧でクラッチピストン246がクラッチプレート244側に移動することを防止でき、クラッチ241が係合することを防止できる。
特開2015−145682号公報
キャンセラ室249内に発生する遠心油圧によって、ピストン室247内に発生する遠心油圧を効果的にキャンセルするために、図2に示される構成では、クラッチピストン246の受圧部分の外径とキャンセラ248の外径とがほぼ同じになるように設計されている。
具体的には、クラッチドラム242の外周部分に、クラッチプレート244側が回転径方向に一段上がる段差261が形成されており、この段差261により、クラッチドラム242の内面には、相対的に径が小さい小径部分と相対的に径が大きい大径部分とが生じている。これに対応して、クラッチピストン246の外周部分にも、クラッチプレート244側が回転径方向に一段上がる段差262が形成されており、この段差262により、クラッチピストン246の内面には、相対的に径が小さい小径部分と相対的に径が大きい大径部分とが生じている。そして、クラッチピストン246に貼着されたシール263がクラッチドラム242の内面の小径部分に当接し、キャンセラ248に貼着されたシール264がクラッチピストン246の内面の大径部分に当接している。
しかしながら、かかる構成では、段差261,262の形成のために、クラッチドラム242およびクラッチピストン246の各外周部分を折り曲げるためのスペースが必要となり、無段変速機201を備えるユニットの回転軸線方向の全長(軸長)が伸び、ユニットの体格が大きくなる。
本発明の目的は、ピストン室内に発生する遠心油圧をキャンセルする性能を確保しつつ、クラッチが備えられるユニットの軸長の短縮を図ることができる、遠心油圧キャンセラ構造を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る遠心油圧キャンセラ構造では、回転軸と一体的に回転するクラッチドラムとクラッチドラム内に回転軸線方向に移動可能に設けられたクラッチピストンとの間のピストン室内に発生する遠心油圧をキャンセルするために、クラッチピストンに対してピストン室と反対側にキャンセラが設けられて、クラッチピストンとキャンセラとの間に遠心油圧を発生させるキャンセラ室が形成され、回転軸に、回転軸線方向に延びる第1油路と、キャンセラ室と第1油路とを連通し、キャンセラ室から第1油路に向けてオイルが流れる第2油路とが形成されている。
この構造によれば、湿式クラッチのキャンセラ室と回転軸に形成された第1油路とが回転軸に形成された第2油路を介して連通している。これにより、キャンセラ室内に発生する遠心油圧の起点が第1油路と第2油路との接続点付近となり、第2油路が形成されていない構成と比較して、遠心油圧の起点からキャンセラ室の回転径方向の最外点までの距離を拡大することができる。そのため、回転径方向において、キャンセラ室の最外点がピストン室の最外点よりも内側に位置していても、ピストン室内に発生する遠心油圧をキャンセラ室内に発生する遠心油圧で良好にキャンセルすることができる。
よって、クラッチドラムおよびクラッチピストンの内径を縮小することにより、ピストン室内に発生する遠心油圧をキャンセルする性能を確保しつつ、クラッチが備えられるユニットの軸長の短縮を図ることができる。
本発明によれば、ピストン室内に発生する遠心油圧をキャンセルする性能を確保しつつ、クラッチが備えられるユニットの軸長の短縮を図ることができる。その結果、クラッチが備えられるユニットの体格の縮小を図ることができ、そのユニットの車両などへの搭載性を高めることができる。また、ユニットの体格の縮小により、ユニットのコストを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る遠心油圧キャンセラ構造が適用された無段変速機の出力側の構成を示す断面図である。 従来のベルト式の無段変速機の出力側の構成を示す断面図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<無段変速機>
図1は、本発明の一実施形態に係る遠心油圧キャンセラ構造が適用された無段変速機1の出力側の構成を示す断面図である。図1では、断面を表すハッチングの付与が省略されている。
ベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)1は、車両のトランスミッションの一例であり、入力側のプライマリプーリ(図示せず)と出力側のセカンダリプーリ11との間に無端状のベルト12が巻き掛けられた構成を有している。
<セカンダリプーリ>
セカンダリプーリ11は、固定シーブ13、可動シーブ14およびシリンダ15を備えている。
固定シーブ13は、セカンダリ軸16と一体に形成され、セカンダリ軸16から回転径方向に鍔状に張り出している。
可動シーブ14は、固定シーブ13に対してベルト12を挟んだ一方側(図1における右側。以下、「右側」という。)に配置されている。可動シーブ14は、セカンダリ軸16に回転軸線方向に移動可能に外嵌された略円筒状の外嵌部21と、外嵌部21の固定シーブ13側(図1における左側。以下、「左側」という。)の端部から回転径方向に鍔状に張り出すシーブ本体部22と、シーブ本体部22の外周端部からエンジン側に延びる略円筒状の外周部23とを一体的に備えている。ベルト12は、固定シーブ13と可動シーブ14のシーブ本体部22との間に挟持される。
シリンダ15は、可動シーブ14に対して右側の位置で、セカンダリ軸16に外嵌されている。シリンダ15には、回転径方向に延びる略円環板状の内端部24と、内端部24から左側に延びる略円筒状の第1中間部25と、第1中間部25から回転径方向の外側に延びる略円環板状の第2中間部26と、第2中間部26から左側に膨らみつつ回転径方向の外側に延びる外端部27とがこの順に連続して形成されている。
セカンダリ軸16おけるシリンダ15が外嵌される部分は、可動シーブ14の外嵌部21が外嵌されている部分よりも小径に形成されている。これにより、セカンダリ軸16の外周面には、可動シーブ14の外嵌部21が外嵌されている部分とシリンダ15が外嵌されている部分との間で段差が生じている。
その段差によって形成される面31とシリンダ15の内端部24との間には、可動シーブ14の移動を規制するための円環板状のストッパ32が介在されている。
また、セカンダリ軸16の外周面において、シリンダ15の内端部24が外嵌されている部分の右側には、ねじが切られている。ねじが切られた部分には、ロックナット33が螺着されている。このロックナット33の締め付けにより、シリンダ15の内端部24およびストッパ32の内周端部が面31とロックナット33との間で圧接されて、シリンダ15およびストッパ32がセカンダリ軸16に固定されている。
セカンダリ軸16の右側の端部には、端面で開放される凹部34が形成されている。凹部34は、セカンダリ軸16の回転軸線を中心とする円筒状の内周面を有している。
<アウトプット軸>
セカンダリ軸16の右側には、アウトプット軸41がセカンダリ軸16と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。
アウトプット軸41の左側の端部は、セカンダリ軸16の凹部34の内径よりも小さい外径を有する円柱状に形成されており、凹部34に挿入されている。凹部34とアウトプット軸41の端部との間には、ベアリング42が介在されている。アウトプット軸41の右側の端部には、ベアリング43が外嵌されている。ベアリング43の外輪は、無段変速機1の外殻をなすケース44に保持されている。これにより、アウトプット軸41は、左側の端部がベアリング42を介してセカンダリ軸16に回転可能に支持され、右側の端部がベアリング43を介してケース44に回転可能に支持されている。
<遊星歯車機構>
セカンダリプーリ11の右側には、セカンダリ軸16からアウトプット軸41に動力を伝達するための遊星歯車機構51が設けられている。遊星歯車機構51は、サンギヤ52、キャリア63およびリングギヤ54を備えている。
サンギヤ52は、セカンダリ軸16の右側の端部にスプライン嵌合し、ロックナット33に対して右側に隙間を空けて配置されている。
キャリア63は、ブレーキハブ53と一体回転可能に設けられている。具体的には、ブレーキハブ53は、回転径方向の外側に延びる略円環板状の基端部61と、基端部61の外周端部から左側に延びる略円筒状の延部62とを一体的に備え、ベアリング55を介して、アウトプット軸41に相対回転可能に支持されている。キャリア63は、延部62の左側の端部にスプライン嵌合し、その端部から回転径方向の内側に延びる略円環板状をなしている。
キャリア63には、複数のピニオン軸64が保持されている。複数のピニオン軸64は、セカンダリ軸16の回転軸線を中心とする円周上に配置されている。各ピニオン軸64は、キャリア63から右側に延出し、ピニオンギヤ65を回転可能に支持している。各ピニオンギヤ65は、サンギヤ52と噛合している。
リングギヤ54は、複数のピニオンギヤ65を一括して取り囲む略円筒状を有し、各ピニオンギヤ65に回転径方向の外側から噛合している。
<クラッチ>
サンギヤ52とリングギヤ54とを直結/分離するため、クラッチ71が設けられている。クラッチ71は、クラッチドラム72、クラッチハブ73、クラッチピストン74およびキャンセラ75を備えている。
クラッチドラム72は、アウトプット軸41に圧入により外嵌固定された略円環板状の外嵌固定部81と、外嵌固定部81の外周端部から左側に延びる略円筒状の延部82とを一体的に備えている。延部82の先端部(左側の端部)に、リングギヤ54が保持されている。延部82には、リングギヤ54の右側に、複数のクラッチプレート83が回転軸線方向に間隔を空けて保持されている。
クラッチハブ73は、クラッチドラム72の内側に設けられて、サンギヤ52に相対回転不能に支持されている。クラッチハブ73は、サンギヤ52から回転径方向の外側に延びる略クランク状の断面を有する支持部91と、支持部91の外周端部から左側に延びる略円筒状の延部92とを一体的に備えている。延部92は、クラッチドラム72の延部82と回転径方向に間隔を空けて対向している。延部92には、複数のクラッチディスク93が回転軸線方向に間隔を空けて保持されている。クラッチプレート83とクラッチディスク93とは、回転軸線方向に交互に並ぶように配置されている。
クラッチピストン74は、クラッチドラム72の内側かつクラッチハブ73の右側に、回転軸線方向に移動可能に設けられている。クラッチピストン74は、回転径方向に延びる略円環板状の受圧部101と、受圧部101の外周端部から左側に延びる略円筒状の押圧部102とを一体的に備えている。受圧部101の右側の面には、シール103が貼着されている。シール103の外周端部は、クラッチドラム72の延部82に液密的に当接し、内周端部は、アウトプット軸41に液密的に当接している。これにより、アウトプット軸41の周囲において、クラッチドラム72とクラッチピストン74との間に、クラッチピストン74に作用する油圧が供給されるピストン室104が形成されている。
キャンセラ75は、クラッチハブ73とクラッチピストン74との間に設けられている。キャンセラ75は、回転径方向に延びる略円環板状に形成されている。キャンセラ75の内周端部は、アウトプット軸41に外嵌されている。キャンセラ75の外周端部には、その外周端部に沿った環状のシール105が貼着されている。シール105は、クラッチピストン74の押圧部102に回転径方向の内側から液密的に当接している。これにより、アウトプット軸41の周囲において、クラッチピストン74とキャンセラ75との間に、キャンセラ室106が形成されている。キャンセラ室106には、リターンスプリング107が設けられており、クラッチピストン74とキャンセラ75とは、リターンスプリング107の付勢力により、互いに離間する方向に弾性的に付勢されている。この付勢により、キャンセラ75は、アウトプット軸41に取り付けられたスナップリング108に当接し、回転軸線方向の移動が規制されている。
<油路構成>
アウトプット軸41の内部には、クラッチ油路111およびキャンセラ油路112が形成されている。クラッチ油路111およびキャンセラ油路112は、アウトプット軸41の回転軸線から外れた位置に互いに独立して形成されている。
クラッチ油路111は、アウトプット軸41の右側の端面からピストン室104と回転径方向に対向する位置まで回転軸線方向に延びている。クラッチ油路111の右側の端部は、ボール113の圧入により封止されている。アウトプット軸41の右側の端部には、アウトプット軸41の外周面とクラッチ油路111との間を貫通するオイル導入口114が形成されている。また、アウトプット軸41には、ピストン室104とクラッチ油路111とを連通させる連通油路115が形成されている。
キャンセラ油路112は、アウトプット軸41の右側の端面からクラッチ油路111よりも遠い位置まで回転軸線方向に延びている。キャンセラ油路112は、アウトプット軸41の右側の端面で開放されており、その端面とケース44との間の空間116と連通している。アウトプット軸41には、キャンセラ室106とキャンセラ油路112とを連通させる連通油路117が形成されている。また、アウトプット軸41には、キャンセラ油路112と連通する分配油路118が形成されている。分配油路118は、ベアリング43に対する右側の位置において、アウトプット軸41の外周面で開放されている。
アウトプット軸41の左側の端部には、クラッチ油路111およびキャンセラ油路112が形成されていない。そして、その左側の端部には、軸心油路121が形成されている。軸心油路121は、アウトプット軸41の回転軸線上をアウトプット軸41の左側の端面まで延び、その端面で開放され、セカンダリ軸16の凹部34内でセカンダリ軸16とアウトプット軸41との間に生じている空間と連通している。また、アウトプット軸41には、キャンセラ室106と軸心油路121とを連通させるキャンセラ排出油路122が形成されている。さらに、アウトプット軸41には、軸心油路121と連通する連通油路123が形成されている。連通油路123は、ベアリング42に対する右側の位置において、アウトプット軸41の外周面で開放されている。
<クラッチの動作>
クラッチ油路111には、オイル導入口114を介して、オイルが供給される。クラッチ油路111に供給されるオイルは、連通油路115からピストン室104に供給される。オイルの供給により、ピストン室104内の油圧が高まると、クラッチピストン74の受圧部101が油圧を受けて、クラッチピストン74が左側に移動し、クラッチピストン74の押圧部102がクラッチプレート83を押圧する。この押圧により、クラッチプレート83とクラッチディスク93とが圧接(クラッチ71が係合)し、サンギヤ52とリングギヤ54とが一体となって回転する直結状態となる。
一方、キャンセラ油路112には、アウトプット軸41の右側の端面とケース44との間の空間116を介して、オイルが常に供給されている。これにより、キャンセラ油路112、連通油路117、キャンセラ室106、キャンセラ排出油路122および軸心油路121をオイルが流通する。軸心油路121を流通するオイルの一部は、連通油路123を流れて、ベアリング42に対する右側の位置に流出し、その残りのオイルは、セカンダリ軸16とアウトプット軸41との間に生じている空間に流出する。
サンギヤ52とリングギヤ54とが一体となって回転している状態では、キャンセラ室106内のオイルに遠心力が作用し、キャンセラ室106に遠心油圧が発生する。この遠心油圧により、ピストン室104内に発生する遠心油圧をキャンセル(相殺)することができる。そのため、クラッチ油路111へのオイル(油圧)の供給が停止されると、リターンスプリング107の付勢力により、クラッチピストン74が右側にスムーズに移動する。このクラッチピストン74の移動により、クラッチプレート83とクラッチディスク93との圧接が解除され、サンギヤ52とリングギヤ54との直結状態が解除(クラッチ71が解放)される。
また、サンギヤ52とリングギヤ54とが分離して回転している状態においても、キャンセラ室106内のオイルに遠心力が作用し、キャンセラ室106内に遠心油圧が発生する。この遠心油圧により、ピストン室104内に発生する遠心油圧でクラッチピストン74がクラッチプレート83側に移動することを防止でき、クラッチ71が係合することを防止できる。
<作用効果>
クラッチ71のキャンセラ室106とアウトプット軸41に形成された軸心油路121とがアウトプット軸41に形成されたキャンセラ排出油路122を介して連通している。これにより、キャンセラ室106内に発生する遠心油圧の起点が軸心油路121とキャンセラ排出油路122との接続点付近となり、キャンセラ排出油路122が形成されていない構成(たとえば、図2に示される構成)と比較して、遠心油圧の起点からキャンセラ室106の回転径方向の最外点、つまりクラッチピストン74の押圧部102の内面までの距離を拡大することができる。そのため、回転径方向において、キャンセラ室106の最外点がピストン室104の最外点、つまりクラッチドラム72の延部82の内面よりも内側に位置していても、ピストン室104内に発生する遠心油圧をキャンセラ室106内に発生する遠心油圧で良好にキャンセルすることができる。
よって、クラッチドラム72およびクラッチピストン74の内径を縮小することにより、ピストン室104内に発生する遠心油圧をキャンセルする性能を確保しつつ、クラッチ71が備えられる無段変速機1の軸長の短縮を図ることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、無段変速機1を例にとったが、本発明は、無段変速機1以外の動力伝達機構に備えられたクラッチ(ブレーキ)のピストン室に発生する遠心油圧をキャンセルするための構造にも適用可能である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
41 アウトプット軸(回転軸)
72 クラッチドラム
74 クラッチピストン
75 キャンセラ
104 ピストン室
106 キャンセラ室
121 軸心油路(第1油路)
122 キャンセラ排出油路(第2油路)

Claims (1)

  1. 回転軸と一体的に回転するクラッチドラムと前記クラッチドラム内に回転軸線方向に移動可能に設けられたクラッチピストンとの間のピストン室内に発生する遠心油圧をキャンセルするために、前記クラッチピストンに対して前記ピストン室と反対側にキャンセラが設けられて、前記クラッチピストンと前記キャンセラとの間に遠心油圧を発生させるキャンセラ室が形成され、
    前記回転軸に、
    回転軸線方向に延びる第1油路と、
    前記キャンセラ室と前記第1油路とを連通し、前記キャンセラ室から前記第1油路に向けてオイルが流れる第2油路とが形成されており、
    前記第1油路は、前記回転軸の回転軸線上を延びる軸心油路である、遠心油圧キャンセラ構造。
JP2016129282A 2016-06-29 2016-06-29 遠心油圧キャンセラ構造 Active JP6381587B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016129282A JP6381587B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 遠心油圧キャンセラ構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016129282A JP6381587B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 遠心油圧キャンセラ構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018003920A JP2018003920A (ja) 2018-01-11
JP6381587B2 true JP6381587B2 (ja) 2018-08-29

Family

ID=60946561

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016129282A Active JP6381587B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 遠心油圧キャンセラ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6381587B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7099870B2 (ja) * 2018-05-18 2022-07-12 ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド 油圧クラッチ装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007155077A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Nok Corp 遠心油圧キャンセル構造
JP5424552B2 (ja) * 2007-11-15 2014-02-26 光洋シーリングテクノ株式会社 流体式自動変速機のクラッチシリンダ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018003920A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20150345570A1 (en) Power Transfer Device
WO2012132852A1 (ja) 油圧クラッチおよびそれを備えた変速装置
US20090114501A1 (en) Frictional engagement device
JP6396384B2 (ja) オイル供給構造
WO2015151637A1 (ja) クラッチ装置
JP6381587B2 (ja) 遠心油圧キャンセラ構造
US20050233847A1 (en) Belt type continuously variable transmission
US9080615B2 (en) Transmission device
JP6366645B2 (ja) ベアリングの潤滑構造
WO2012132694A1 (ja) 油圧クラッチおよびそれを備えた変速装置
KR20210089483A (ko) 자동변속기용 클러치 유닛
JP6580006B2 (ja) オイル供給構造
JP7209459B2 (ja) クラッチ構造
JP6494573B2 (ja) オイル供給構造
JP2006057822A (ja) 自動変速機のクラッチ装置
JP6624953B2 (ja) オイルポンプ駆動構造
JP6490625B2 (ja) オイル供給構造
JP6359044B2 (ja) 動力伝達機構
JP5768710B2 (ja) 乾式ベルト式無段変速機
JP6884485B2 (ja) ケース
JP2019011831A (ja) オイル供給構造
JP2019158020A (ja) クラッチ装置
JP7557295B2 (ja) 変速機
JP6362585B2 (ja) 無段変速機
JP6862249B2 (ja) 二重軸構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180301

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180301

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6381587

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250