JP2015209393A - フィルム状化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)キトサン、および、(B)消臭剤、制汗剤、冷感剤および殺菌剤からなる群から選択される一種または二種以上を含む、フィルム状化粧料。
【選択図】図1
Description
特許文献2(特開2008−69116号公報)には、水または化粧水で溶かして肌に適用するシート状化粧品、それを応用した種々の形態の商品を提供するという課題を解決する技術として、キトサン、魚由来コラーゲンおよびセリシンからなる群から選ばれる1種以上の天然高分子を含む組成物から形成される水溶性シートからなり、その水溶性シートを水で溶かしてその水溶性高分子の皮膚に付着させて皮膚平滑性を向上させる等の機能を利用するシート状化粧料について記載されている。
特許文献3(特開2007−45710号公報)には、シート基材にキトサン、ヒアルロン酸、及び界面活性剤を必須成分として含有するシート化粧料に関する技術が記載されている。そして、同文献に記載のシート化粧料によれば、べたつかずさっぱりとした使用感触を有し、肌に対して良好な感触が得られ、さらに剥離後の肌のシットリ感が向上するとされている。
(A)キトサン、および、
(B)消臭剤、制汗剤、冷感剤および殺菌剤からなる群から選択される一種または二種以上
を含む、フィルム状化粧料が提供される。
また、本発明によれば、前記本発明におけるフィルム状化粧料を皮膚または肌着に適用するステップを含み、前記皮膚上の乳酸濃度の変化に応じて前記フィルム状化粧料が溶解する、体臭抑制方法が提供される。
本実施形態において、化粧料は、以下の(A)および(B)を含む:
(A)キトサン、
(B)消臭剤、制汗剤、冷感剤および殺菌剤からなる群から選択される一種または二種以上。
ここで、人間の汗には、乳酸が8〜40mmol/L程度の濃度で含まれている(小川徳雄、「新・汗の話」、p.117、アドア出版(1994年))。このため、化粧料を皮膚に適用した後、皮膚からの発汗量が増えて汗が肌にたまると、化粧料の周囲の乳酸濃度が増加する。しかし、環境応答特性を有さない消臭剤や制汗剤では、デオドラント関連成分が皮膚への適用直後から放出されていく。このため、消臭や制汗が不要なときにもデオドラント関連成分が放出されてしまい、また、その結果として、発汗量が増えた段階ではデオドラント効果が充分でない場合があった。
これに対し、本実施形態においては、化粧料が環境応答特性を有するために、発汗量の増加に伴う乳酸濃度の上昇に応じて化粧料の少なくとも一部が溶解し、デオドラント関連成分として機能する成分(B)が溶出する構成とすることができる。このため、本実施形態の化粧料は汗に対する消臭や制汗のために好適である。
また、化粧料の周囲が有機酸濃度の低い液体の場合、より具体的には水等の場合には応答性がないために、デオドラント成分が化粧料に保持されるため、化粧料からのデオドラント関連成分の減少が抑制され、デオドラント効果の持続性を向上させることも可能となる。
さらに、フィルム状化粧料にした場合であっても、適度な皮膜強度を有するために、使用性も良好である。
本実施形態におけるフィルム状化粧料は、(A)キトサン、および、(B)消臭剤、制汗剤、冷感剤および殺菌剤からなる群から選択される一種または二種以上を含む。
キトサンは、(1→4)−2−アミノ−2−デオキシ−β−D−グルカン構造を有するアミノ多糖であり、構成糖であるグルコースの2位の水酸基がアミノ基で置換された構造を有している。また、キトサンは、(1→4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルカン構造を有するキチンの脱アセチル化物であって、たとえばキチンを加水分解(脱アセチル化)することにより製造される。
また、本実施形態において、成分(A)のキトサンとして、脱アセチル化されたアミノ基の一部、または同一分子内にある水酸基の一部がアシル化反応、エーテル化反応、エステル化反応、その他反応によって化学修飾されたキトサン誘導体も含まれる。
フィルム状基材の溶解性に影響を与える因子として、キトサンの分子量、脱アセチル化度、および、後述するキトサンの大きさ等が挙げられる。
また、化粧料の溶解性について、有機酸濃度に対する応答性をより安定的に得る観点からは、成分(A)のキトサンの重量平均分子量はたとえば7×106以下であり、好ましくは6×106以下であり、より好ましくは4×106以下であり、さらに好ましくは3×106以下である。
また、成分(A)のキトサンの脱アセチル化度は100%以下である。
なお、成分(A)のキトサンの脱アセチル化度は、たとえばコロイド滴定法により測定される。
成分(B)は、消臭剤、制汗剤、冷感剤および殺菌剤からなる群から選択される一種または二種以上である。以下、成分(B)を「デオドラント関連成分」ともいう。化粧料中に成分(B)として含まれる物質は、上記一または二以上の上記剤としての性質を有する。また、成分(B)が、上記各剤としての機能に加えて他の機能を有するものであってもよく、たとえば、冷感剤が香料としても機能してもよい。
発汗による周囲の乳酸濃度の変化に応じて体臭抑制をする観点から、成分(B)が、制汗剤および殺菌剤からなる群から選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
これらの中で、消臭効果の即効性を向上させる観点から、アミン類から選ばれる消臭成分が好ましく、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)が使用性が容易である点で好ましい。
アルミニウムジルコニウムオクタクロルハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロルハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロルハイドレート等のアルミニウム・ジルコニウム化合物;
ジルコニウムクロルハイドレート等のジルコニウム化合物;および
パラフェノールスルホン酸亜鉛等の亜鉛化合物等が挙げられる。
なお、本実施形態において、成分(B)として抽出物等を利用する場合、その含有量は乾燥質量である。
本実施形態におけるフィルム状化粧料の製造方法は、たとえば、キトサンおよび成分(B)を溶媒に分散または溶解させてキトサン含有液を得る工程と、キトサン含有液を成膜することにより、フィルム状化粧料を得る工程と、を含む(第1の製造方法)。
また、本実施形態におけるフィルム状化粧料の製造方法は、たとえばキトサンを溶媒に分散または溶解させてキトサン含有液を得る工程と、キトサン含有液を成膜することによりフィルム状基材を形成する工程と、フィルム状基材に成分(B)を担持させる工程と、を含む方法とすることもできる(第2の製造方法)。
第1の製造方法は、キトサンと、成分(B)を一体としてフィルム状化粧料を得る方法であり、第2の製造方法は、キトサンを含むフィルム状基材を形成後、その基材に成分(B)を担持させる方法であるが、いずれの製造方法によっても、得られる化粧料は、(A)キトサンを含むフィルム状基材、および、(B)消臭剤、制汗剤、冷感剤および殺菌剤からなる群から選択される一種または二種以上とを含む、フィルム状化粧料である。
なお、これらの方法において、成膜後、乾燥工程を設けてもよい。
キトサンの粒状物としては、たとえば所定の大きさに粉砕されたものが挙げられる。キトサンの粒状物の大きさは、有機酸濃度が高い環境でのフィルム状化粧料の溶解性を向上させる観点から、たとえば、粒状物中の目開き3cmの篩下の粒状物の含有量が99質量%以上とし、好ましくは、粒状物中の目開き3.35mm(JIS5.5メッシュ)の篩下の粒状物の含有量が99質量%以上とし、より好ましくは、粒状物中の目開き212μm(JIS70メッシュ)の篩下の粒状物の含有量が99質量%以上とする。
なお、キトサンナノファイバーの作製方法として、たとえば特許文献4に記載の方法を用いることができる。
フィルム状基材は、成分(A)のキトサンを含む。フィルム状基材中のキトサンの含有量は、フィルム状基材の溶解性についてpH応答性を安定的に得る観点から、たとえば50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上である。
また、本実施形態において、フィルム状基材はキトサンから構成されていてもよく、フィルム状基材中のキトサンの含有量は、100質量%以下である。または、フィルム状基材がキトサン以外の物質を含む構成として、フィルム状基材の物性を調整してもよい。このとき、たとえば、フィルム状基材中のキトサンの含有量を90質量%以下としてもよい。
したがって、キトサン含有液中の有機酸の含有量は、15質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であり、有機酸を実質含まないことがことさら好ましい。
なお、キトサン含有液が有機酸を実質的に含まないとは、キトサン含有液に有機酸が意図的に添加されていないことをいい、たとえばキトサン含有液中の有機酸濃度が0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
また、成膜後のフィルムを乾燥するとき、乾燥方法に制限はなく、たとえば静置、風乾等とする。
成分(B)の溶出は、化粧料周囲の有機酸濃度が特定の範囲になった際に不連続的に起こってもよいし、有機酸濃度の増加に伴い徐々に起こってもよい。
また、本実施形態におけるフィルム状化粧料は、キトサンを含むフィルム状基材を含むため、皮膚に適用する際のべたつきをおさえて使用感をさらに向上させるため、不溶性フィルムを積層して使用することができる。
また、フィルム状化粧料がさらに香料を含む構成とすることにより、フィルム状化粧料を適用した後、適用部位の有機酸濃度が増加した際に、香料が放出される構成とすることもできる。
本実施形態におけるフィルム状化粧料は、フィルム状化粧料を肌または肌着等の衣類に適用して使用することができる。皮膚等へのフィルム状化粧料の適用方法として、たとえば貼付が挙げられる。
また、本実施形態におけるフィルム状化粧料を用いて、皮膚または肌着上の有機酸濃度に応じて成分(B)を溶出させることにより、たとえば体臭を抑制することもできる。このとき、本実施形態における体臭抑制方法は、フィルム状化粧料を皮膚または肌着に適用するステップを含み、皮膚上の乳酸濃度の変化に応じてフィルム状化粧料が溶解する。
図1(a)および図1(b)は、本実施形態のフィルム状化粧料を含む積層体の構成を示す図である。図1(a)は積層体100の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A'断面図である。
図1(a)および図1(b)に例示した態様において、積層体100は、台紙103、フィルム状化粧料101および剥離紙105が下からこの順に積層されてなる。
また、剥離紙105としては、たとえば低密度ポリエチレン(Low Density Polyethylene:LDPE)フィルム(厚み5〜100μm)が用いられる。
図2(a)および図2(b)は、フィルム状化粧料101の他の構成例を示す断面図である。
図2(a)では、成分(B)(不図示)が保持されたフィルム状基材107の一方の面に接してフィルム状の粘着剤109が設けられている。
また、図2(b)では、図2(a)に示した構成に加えて、フィルム状基材107の他方の面に難水溶性フィルム111が設けられている。
アクリル系粘着剤の具体例としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の一種単独または二種以上の組合せのポリマーおよびオリゴマーが挙げられる。
また、シリコーン系粘着剤の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーンゴムとシリコーンレジンとの組成物を必要により架橋させた粘着剤が挙げられる。
さらに、ゴム系粘着剤の具体例としては、天然ゴム系、スチレン−ブタジエンゴム系、イソブチレンゴム系、イソブレンゴム系、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等が挙げられる。
その他、ポリビニルアルコール系粘着剤としては、ポリビニルアルコールを主成分としたウエットタイプの粘着剤が挙げられる。
粘着剤109の厚さは、皮膚への密着性を確保する観点から、たとえば10μm以上であり、好ましくは15μm以上である。また、フィルム状化粧料の使用感を向上させる観点からは、粘着剤109の厚さはたとえば100μm以下であり、好ましくは50μm以下である。
難水溶性フィルム111の厚さは、フィルムの強度を確保する観点から、たとえば0.1μm以上であり、好ましくは0.4μm以上である。また、フィルム状化粧料の使用感を向上させる観点からは、難水溶性フィルム111の厚さはたとえば1mm以下であり、好ましくは0.5mm以下である。
また、フィルム状基材107と難水溶性フィルム111の厚さの合計は、フィルム状化粧料の使用感を向上させる観点から、たとえば2mm以下、好ましくは1mm以下である。
また、フィルム状化粧料101が難水溶性フィルム111をさらに含む構成とすることにより、フィルム状基剤107が溶解した後の適用箇所のべたつき等の不快感を軽減することができるため、使用感をよりいっそう高めることができる。
また、上記成分を含有する抽出油やフレーバー、ローズマリー油、グレープフルーツ油、ライム油、ベルガモット油、レモン油、マンダリン油、バジル油、ラベンダー油、クミン油、パチュリ油等を使用してもよい。
なお、上記のうち、レモンベースはレモン油の代替物として人工的に再現されたものである。同様に、ベルガモットベース、グレープフルーツベースはそれぞれ対応するベルガモット油、グレープフルーツ油の代替物である。
ここでlogPとは、25℃におけるオクタノール−水−分配係数であり、オクタノール相と水相の間での物質の分配のための尺度であって下式で定義されるものをいい、A.レオ,C.ハンシュ,D.エルキンス,ケミカルレビューズ,71巻,6号(1971)にその計算値の例が記載されている。なお、本明細書では、25℃において、化審法化学物質改定第4版「化学物質の分配係数(1−オクタノール/水)測定法について<その1>」(化学工業日報社刊)記載の方法で測定した値を意味する。
logP=log([物質]Octanol/[物質]Water)
(上記式中、「[物質]Octanol」はオクタノール相中の物質のモル濃度を示し、「[物質]Water」は水相中の物質のモル濃度を示す。)
また、香料の臭閾値が低いほど、低濃度においても香料のニオイが知覚される点で好ましい。
化粧料が、キトサンを含むカプセル中に成分(B)が包接された粒子を含む組成物とする場合にも、化粧料が適用される周囲の有機酸濃度の変化に応じてカプセルが溶解し、成分(B)がカプセル外に放出されるため、フィルム状化粧料について前述した場合と同様の効果が得られる。
以下の例では、フィル状基材の原料として、以下のキトサン、セルロースおよびキチンを用いた。
また、以下において、フィル状基材の原料の粉砕粒度は、篩の目開きの大きさによる。具体的には、フィル状基材の原料が100%通過する篩の中で、目開きのもっとも小さい篩の目開き(規格)を、フィル状基材の原料の粉砕粒度とする。
試料は数値の目開きのメッシュパス100%の粉砕物である。
キトサンA:大日精化工業社製、ダイキトサンVLA(粉砕粒度2.5cm、脱アセチル化度80%)
キトサンB:大日精化工業社製、ダイキトサンPVL(粉砕粒度2.5cm、脱アセチル化度80%)
キトサンC:大日精化工業社製、ダイキトサン100D(VL)(粉砕粒度2.5cm、脱アセチル化度98%)
キトサンD:甲陽ケミカル社製、SK−50(粉砕粒度3mm、脱アセチル化度80%)
キトサンE:大日精化工業社製、ダイキトサン100D(粉砕粒度2.5cm、脱アセチル化度98%)
キトサンF:Aldrich社製、Chitosan(粉砕粒度2.5cm、脱アセチル化度98%)
キトサンG:甲陽ケミカル社製、SK−200(粉砕粒度3mm、脱アセチル化度80%)
キトサンH:大日精化工業社製、ダイキトサンM(粉砕粒度2.5cm、脱アセチル化度80%)
キトサンI:大日精化工業社製、ダイキトサンH(粉砕粒度2.5cm、脱アセチル化度80%)
キトサンJ:大日精化工業社製、ダイキトサン80M(粉砕粒度0.2mm、脱アセチル化度80%)
キトサンK:大日精化工業社製、ダイキトサン320M(粉砕粒度0.04mm、脱アセチル化度80%)
キトサンL:大日精化工業社製、ダイキトサンFP(粉砕粒度0.005mm、脱アセチル化度80%)
キトサンM:スギノマシン社製、EFo−08002(ナノファイバー、繊維径40nm、脱アセチル化度89%)
セルロースA:アイエスピージャパン社製、微結晶セルロース102QD(粉砕粒度0.09mm)
セルロースB:アイエスピージャパン社製、微結晶セルロース105QD(粉砕粒度0.02mm)
セルロースC:スギノマシン社製、Ama−10002(ナノファイバー、繊維径40nm)
キチンA:大日精化工業社製、キチンP−DL(粉砕粒度2.5cm)
キチンB:スギノマシン社製、SFo−20002(ナノファイバー、繊維径40nm)
y = 3E-07x3 - 0.0007x2 + 1.1627x + 2.9517 (y:分子量 x:粘度)
また、キトサン標準試料の重量平均分子量の測定方法は以下の通りである。
プルランの酢酸水溶液(プルラン濃度0.5質量%、酢酸濃度0.5質量%)を調製し、粘度測定及びGPCにて、重量平均分子量を測定した。キトサンの酢酸水溶液(キトサン濃度0.5質量%、酢酸濃度0.5質量%)を調製し、粘度測定値からプルラン換算値として重量平均分子量を測定した。GPC測定の条件は、以下の通りである。
カラム:Shodex Ohpak SB−G+SB−806HG+SB−805HG
溶離液:0.5M酢酸/酢酸ナトリウム バッファー
流速:1mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
標準物質:Shodex Pullulan P−5,P−10,P−20,P−50,P−100、P−200,P−400.P−800プルラン
キトサンまたはプルラン純分0.5質量%、酢酸0.5質量%水溶液を調製し、20℃にてB型粘度計(東機産業社製、TVB−10)により測定した。
以下の各例では、上述した試料を用いてキトサン、セルロースまたはキチンと殺菌成分とを含むフィルム状化粧料を作製した。なお、いずれの例においても、フィルムの形成はバランスディッシュ(44×44×15(mm))に流し込み、風乾させることで作成した。
以下の方法でキトサンキャストフィルムを含むフィルム状化粧料を作製した。すなわち、表2に示したキトサン粉砕品0.1gを用いて、1質量%酢酸溶液に溶解したキトサン溶液を調製した。得られたキトサン溶液を、透析チューブ(Viskase社製)を用いて72時間透析処理した。キトサンの固形分質量100質量%に対して0.1質量%相当の塩化ベンザルコニウムを透析後のキトサン溶液に溶解した後に、バランスディッシュ(44×44×15(mm))に流し込み、風乾させることで、厚さ0.2mmのキャストフィルムを得た。
以下の方法でキトサンキャストフィルムを含むフィルム状化粧料を作製した。すなわち、表3に示したキトサン粉砕品0.1gをイオン交換水(キトサン濃度2質量%)に分散し、キトサン固形分質量100質量%に対して0.1質量%相当のイソプロピルメチルフェノールを分散した後に、バランスディッシュ(44×44×15(mm))に流し込み風乾させることで、厚さ0.1mmのキャストフィルムを得た。
以下の方法でキトサンキャストフィルムを含むフィルム状化粧料を作製した。すなわち、表3に示したキトサンナノファイバー5gの分散液(キトサン濃度2質量%、溶媒:水)に、キトサンの固形分質量100質量%に対して0.1質量%相当のイソプロピルメチルフェノールを分散した後に、バランスディッシュ(44×44×15(mm))に流し込み風乾させることで、厚さ0.1mmのキャストフィルムを得た。
以下の方法でセルロースキャストフィルムまたはキチンキャストフィルムを含むフィルム状化粧料を作製した。すなわち、表4に示したセルロースまたはキチン0.1gを用いてセルロースまたはキチンの分散液(セルロースまたはキチン濃度2%、溶媒:水)、セルロースまたはキチンの固形分質量100質量%に対して0.1質量%相当のイソプロピルメチルフェノールを分散した後に、バランスディッシュ(44×44×15(mm))に流し込み風乾させることで、厚さ0.1mmのキャストフィルムを得た。
各例で得られたキャストフィルムについて、フィルム状化粧料としての強度および溶解性を評価した。評価基準を以下に示す。また、評価結果を表2〜表4に示す。
◎:台紙から剥がす時、及び肌に貼る時に、十分な強度を保っているフィルムである。
○:台紙から剥がす時に気を付けないと破れてしまうが、肌に貼る時に、十分な強度を保っているフィルムである。
△:台紙から剥がす時、及び肌に貼る時に、気を付けないと破れてしまう強度のフィルムである。
×:台紙から剥がす時、または肌に貼る時に破れてしまう強度のフィルムである。
イオン交換水に対する溶解性を、以下の基準で目視にて評価した。
◎:1時間以上イオン交換水に浸しても溶解しない。
○:イオン交換水に浸すと10分超1時間以内に溶解する。
△:イオン交換水に浸すと1分超10分以内に溶解する。
×:イオン交換水に浸すと1分以内に溶解する。
イオン交換水に対する難水溶性に乏しい、すなわち溶解性が早いことは、消臭や制汗が不要なときにもデオドラント成分が放出されてしまうことを示す。
0.2%乳酸水溶液に対する溶解性を、以下の基準で目視にて評価した。
◎:溶媒に浸すと1分以内に溶解する。
○:溶剤に浸すと1分超10分以内に溶解する。
△:溶剤に浸すと10分超1時間以内に溶解する。
×:1時間以上溶剤に浸しても溶解しない。
乳酸に対する溶解性が強いほど、環境応答性に優れることを示す。
実施例6、8、10および14、ならびに、比較例2、3および5にて作製したキャストフィルム(2cm×2cm)を台紙から剥離し、大腸菌を植菌した寒天培地(クリーンスタンプ「ニッスイ」(日水製薬社製))の中央に置き、0.2%乳酸水溶液を霧吹きにて吹きかけた後に、38℃の恒温槽にて24時間培養し、菌数の変化を判定した。判定基準を以下に示す。
殺菌能評価
◎:菌なし
○:植菌数より明らかに減少
△:植菌数よりやや減少
×:植菌数と同等
評価結果を表5に示す。
101 フィルム状化粧料
103 台紙
105 剥離紙
107 フィルム状基材
109 粘着剤
111 難水溶性フィルム
Claims (5)
- (A)キトサン、および、
(B)消臭剤、制汗剤、冷感剤および殺菌剤からなる群から選択される一種または二種以上
を含む、フィルム状化粧料。 - 前記成分(B)が、前記制汗剤および前記殺菌剤からなる群から選択される一種または二種以上である、請求項1に記載のフィルム状化粧料。
- 前記成分(A)を含むフィルム状基材と前記成分(B)とを含み、
前記フィルム状基材が、前記成分(A)のナノファイバーを分散または溶解させたキトサン含有液を用いて得られる、請求項1または2に記載のフィルム状化粧料。 - 前記キトサン含有液が有機酸を実質的に含まない、請求項3に記載のフィルム状化粧料。
- 請求項1乃至4いずれか一項に記載のフィルム状化粧料を皮膚または肌着に適用するステップを含み、
前記皮膚上の乳酸濃度の変化に応じて前記フィルム状化粧料が溶解する、体臭抑制方法。
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